○
城井崇君
立憲民主・
国民・社保・
無所属フォーラムの
城井崇です。
私は、
共同会派を代表し、ただいま
議題となりました
文化観光拠点施設を
中核とした
地域における
文化観光の
推進に関する
法律案について質問します。(
拍手)
冒頭、一言申し上げます。
三月十一日で
東日本大震災から九年となりました。改めて、全ての
犠牲者と御遺族に
哀悼の意を表するとともに、被災された
皆様にお見舞いを申し上げます。
復興に尽力されている
皆様にも、心から敬意を表します。
かつてない大
災害を深く心に刻み直し、
被災地の
復興と
生活再建に向けて、引き続き、党派を超えて不断の
努力を続けていくことを誓いたいと
思います。
一方、この三月十一日の鎮魂の日、祈りの日に、
森まさこ法務大臣は、
衆議院法務委員会及び
参議院予算委員会において、
東日本大震災時の
検察の
活動について、事実に基づかない、でたらめな
虚偽答弁を繰り返し、
検察の権威をおとしめ、
国会を冒涜しました。
質疑中に離席した折、言いわけのため
メディア取材をみずから呼びかけるなど言語道断。
発言撤回、
厳重注意で済む話ではありません。これでは
国民も部下の方もついていけない。
法務大臣としての資質に欠けることは明らかです。即刻みずから
政治責任をとることを強く求めます。
また、
安倍総理は
法務大臣の
任命責任をどうお考えか、明確にお示しいただくよう、あわせて申し上げます。
また、昨年十一月十六日に実施されました、
学校法人加計学園が運営する
岡山理科大学獣医学部獣医学科の
推薦入試A方式で受験した
韓国人留学生八名
全員が不合格となり、うち実際に
面接を受けた七名
全員の
面接試験の成績が五十点満点中零点であったことを
文部科学省は認めています。
萩生田文部科学大臣は、この結果が適切であり全く問題ないという認識であるか、明快な
答弁を求めます。
続いて、WHOからパンデミック宣言が出され、
災害対応にも匹敵する
新型コロナウイルス対策について三点お伺いします。
まず、休校要請解除の時期についてです。
萩生田文部科学大臣は、三月六日の
衆議院文部科学委員会において、総理要請に基づく全国の学校の一斉臨時休業について、その解除時期を検討する旨
答弁しました。
国内感染拡大防止という目的を教育現場も
理解し、
地域の実情に応じて九九%の学校が休校を実施しました。感染防止のための物資も不足する中、学校現場も学童保育などの
子供の居場所も各家庭も、ぎりぎりの
努力を重ねています。しかし、いつまで頑張ればよいのか、科学的にも
政治、行政的にも、めどが示されていません。
文部科学大臣、国として要請解除のめどを示すべきです。要請解除の時期の検討状況についてお答えください。
次に、新学期の
対応です。
感染がピークを迎えたとの
政府発表がまだありません。春休みを越え、四月の新学期が国内感染期のさなかに当たる
可能性が高いと考えます。現場の混乱を最小限に抑えるためにも、四月の新学期以降の
対応について、早目に
対応方針の目安や対策、各種手続、
対応の弾力化を国として打ち出すべきです。
文部科学大臣の見解を伺います。
三つ目に、学校休業等の各種自粛により休まざるを得ない
人々への休業補償について、厚生労働大臣に伺います。
我々や当事者団体から、フリーランスや自営業への補填を求めてきましたが、ようやく緊急
対応策の第二弾にフリーランスや自営で働く人の一部に対する休業補償が盛り込まれました。しかし、その額は日額四千百円にすぎません。会社を休んだ人の給料を補償する企業への助成は、最大日額八千三百三十円です。
フリーランスで働く人と会社で働く人に、なぜこれだけの差を設けるのか。職業差別ではないか。働き方改革といって労働者をフリーランスに置きかえることを勧めておいて、いざ問題が起きたら数千円とか十万円の融資で見捨てるのか。お子さんがいる家庭、特に一人親が暮らせるのか、イベント自粛で
仕事を失った方は暮らしを立てられるのかといったことをどのように検討したのか、明確にお答えください。
それでは、
議題となりました本
法案について、順次質問をいたします。
まず、そもそも本
法案の
趣旨として示された、
文化についての
理解を深める
機会の拡大及びこれによる
国内外からの
観光旅客の
来訪促進、
文化観光拠点施設を
中核とした
地域における
文化観光の
推進を現在の我が国で行える環境にあるかという点です。
確かに、我が国を訪れる外国人旅客は、昨年までは増加の一途。しかし、
新型コロナウイルスの
感染症で、その状況も一変しました。一部ではコロナ不況と呼ばれる今回の
感染症拡大や各種自粛に伴う経済の縮小は、リーマン・ショックを超えるものとなりつつあります。
観光客は激減、飲食店やサービス業などは、三月では売上げが前年同月比七〇%減といった壊滅的な状況だという声があふれています。
こうした厳しい状況を踏まえて、感染拡大を防止しながら
事業者や
生活者を支え切り、感染拡大収束後の
観光振興を旧に倍して迅速に取り組む必要があります。外国人旅客の受入れ及び
観光業の現状認識、それらの
支援充実について、
国土交通大臣、お答えください。
昨年末からの経済指標悪化とコロナ不況を乗り切るため、
東京オリンピックを予定どおり行えないことも想定しながら、減収補償、給付、減税など、
国民生活、
日本の企業を直接支え切る大規模な経済対策を、三十兆円を念頭に、迅速に実行することを強く求めます。
本
法案は、既存の
政策と重なるものが多く、屋上屋を重ねています。
博物館等に対する
支援は、既に
文化庁において
博物館クラスター形成
支援事業が行われています。また、
観光庁に確認したところ、訪日外国人受入れ環境
整備緊急対策
事業や、ICT等を
活用した多言語
対応等による
観光地の町歩きの満足度
向上、公共交通利用環境の革新等といった
観光庁所管の各種
政策によって、
法案で想定されている
政策を実行できます。共通乗車船券の認可、届出手続の緩和
措置についても、既に外国人
観光旅客の
来訪の促進等による国際
観光の
振興に関する
法律第六条等において同様の仕組みが運用されています。
このように重複している
政策、例えば、先ほど指摘した共通乗車船券の発行などによる
交通アクセスの
向上に加え、
地域ブランドの
向上、海外宣伝、多
言語化、WiFi、
キャッシュレスの
整備、バリアフリー化などは、国土交通省、
観光庁所管の現行の仕組み、現行法や予算
措置で実行可能であるということで間違いないか、
国土交通大臣、お答えください。
あわせて、本
法案で目指すとされる
文化資源の
保存、修復、防災、体系的収集、調査研究、専門
人材の
確保、
育成は、
文化庁所管の既存の
法律や予算で
対応可能であると考えますが、
文部科学大臣の見解をお願いします。
あわせて、来年度予算に盛り込まれている
博物館等を
中核とした
文化クラスター
推進事業は、この
法律がなくても予算が成立すれば実行可能か、
文部科学大臣、お答えください。
こうした一つ一つの項目から、
政策の重複による税金の無駄遣いをなくしていくことを
政府に強く求めます。
また、準備期間も不十分です。
「二〇二〇年の
オリンピック・パラリンピックイヤーを契機に、」と
法律案の概要の
趣旨でうたっています。一方、仮に本
法案が成立しても、
拠点計画や
地域計画の
認定は六月中との
文部科学省の
説明です。
東京オリンピックの開幕は七月二十四日。
認定後に残された準備期間は一カ月前後あるかないかで、地方での準備や国による予算執行は通常なら間に合いません。本当に間に合うのか。
東京オリンピックが念頭にあるなら、なぜ昨年の臨時
国会での閣法提出をしなかったのか。
文部科学大臣に伺います。
さきに触れたように、
文化庁は、過去二年間、
博物館クラスター形成
支援事業として既に
支援を行っています。これらの申請件数及び採択件数、予算執行状況を具体的に教えてください。
そして、今回新たに本
法案とともに一体で
推進したいと
文部科学省が言う、
博物館等を
中核とした
文化クラスター
推進事業。補助
事業者の対象は、
博物館、
美術館等の
文化施設、
博物館等を
中核とした実行委員会等。補助金額は、予算の範囲内で補助対象経費の三分の二。積算件数は二十五件、一件当たり最大五千万円補助との
説明でした。
この二十五件のうち、既に予算
要望を受けている件数は幾つありますか。この二十五件は、その数を踏まえた積算なのか。この二十五件、一件当たり最大五千万円の
支援で十分か。
平成三十年度社会教育調査によれば、
博物館及び
博物館類似
施設だけでも全国に五千七百四十四
施設もあります。
支援が届かない
施設が相当数に上ることが想定されます。国による
支援の格差が広がることが前提なのか。国が
文化及び
観光の
振興、
地域活性化を後押しするなら、国の
認定の有無にかかわらず、できるだけ
支援すべきと考えますが、
文部科学大臣の見解を伺います。
今回の枠組みは、
拠点施設を
中核として
文化観光を
支援するとしていますが、
施設展示等になじみにくい無形の
文化的所産に対してはどのように
支援するのか、
文部科学大臣、御
答弁ください。
文化活動を担う
人材の
育成、
確保についてもお伺いします。
文化観光拠点施設の
機能強化を図っていくにしても、専門的知識に精通した役職員や学芸員の
育成、配置は不可欠です。特に、
文化活動の
基盤を担う学芸員は十分に
確保できているか。
人材の
育成及び
確保に係る
支援についての今後の方向性及び具体策について、
文部科学大臣、お答えください。
結びに、本
法案の検討過程が不十分だという点を指摘します。
文化庁が
文化施設を中心とした
文化観光のあり方に関する検討会を設置したのは、昨年十一月。検討会のまとめをつくったのは、翌十二月です。一カ月の間にたった三度の
会議開催でした。議事録を見ても、
文化観光のあるべき論の議論が中心で、他省庁の
政策との重複や
政策の効果などの検討も不十分です。
オリンピックに間に合うように、
法案提出へ体裁を整えようとしただけに見えてなりません。
博物館等
文化施設の
振興は重要な
取組であり、我々も
推進するべきと考えますが、準備不足で時宜を得ていない今回の
法案は、本来、見直すべきではないか。
新型コロナウイルス対策、国内感染拡大阻止を始め、ほかに優先すべき
政治の
仕事があることを申し上げ、私の質問を終わります。(
拍手)
〔
国務大臣萩生田光一君
登壇〕