○伊佐進一君 公明党の伊佐進一です。(
拍手)
冒頭、
新型コロナウイルスへの
対応について一言申し上げます。
本日の最新の情報では、
世界の感染者は二万八千七十三人、亡くなられた方々は五百人を超え、五百六十四人になりました。
政府は、
水際対策のみならず、
日本国内での
拡大防止のため、適切な医療が提供される
体制整備をとることが重要です。また、感染症に対して
世界は運命共同体であり、国際
連携によって
対応することが基本です。発生源である
中国との
連携は欠かせません。綿密かつ透明性ある
情報共有とともに、
日本として
中国へ可能な限りの支援を行っていくことを求めます。
それでは、ただいま
議題となりました
所得税法等の一部を
改正する
法律案について、自民党、公明党を代表して
質問をいたします。
母子家庭や父子家庭の皆さんが受けられる
寡婦控除については、戦後の
日本が抱える課題への
対応に始まり、その後の社会の
変化に合わせて、接ぎ木のように
制度変更を繰り返してきました。そのため、さまざまな矛盾が見られており、その一つが
未婚の一人
親家庭には
適用されないという点でした。
公明党が最初にこの問題を提起したのは、二〇一三年、参議院本
会議での代表
質問でした。離婚の母子世帯の就労収入が二百五万円であるのに対して、
未婚の母子世帯は百七十七万円。三十万円程度収入が少ない上に、
寡婦控除も受けられず、あるいはそれに関連しているさまざまな福祉
制度も
利用できない。
未婚のシングルマザーとなった理由は、突然の婚約破棄、お相手が亡くなったケース、DVなどでやむにやまれず飛び出したケースなどさまざまです。離婚の一人親なら受けられる支援が受けられないことで、
未婚で産んでしまって子供に申しわけないとの思いに常にさいなまれているとの声もありました。
昨年の
税制改正では、住民税非
課税についての離婚と
未婚の差が解消されました。そして、今回の
税制改正では、ついに
寡婦控除に踏み込み、単に
未婚の一人親への
適用だけではなく、抜本的な
見直しが行われました。その
改正の
趣旨と、そこに込められた
政府のメッセージを伺います。
人生百年時代に合わせて、本国会において年金
制度改正の法案提出が見込まれています。老後の備えという
観点では、こうした公助、共助だけでは十分でなく、個々人の貯蓄、資産形成という自助を促していくことも重要です。
将来のための資産形成の必要性を感じているものの、十分な知識や経験がない、あるいは資産が少額だからとの理由で
投資への一歩を踏み出せていない方々も多数おられます。少額から長期、積立て、分散
投資という安定的な資産形成を可能とするためには、現在、
成人人口の一割程度にとどまる
NISAの
利用者を
拡大していく必要があります。
NISA投資は、新規の口座開設者の六割以上が五十歳代以下と働く世代が多いこと、また、過去四年間で証券
投資を始めた人の五割が
NISAきっかけであり、新規の
投資家を生む特徴があること、そして、世帯年収六百万円未満が六割と中間層が多いことなどの特徴があります。
こうしたよさを伸ばし、
利用者
拡大のため、今回の新たな
NISA制度の
創設を始めとした
制度改正の内容について伺います。
空き家、空き地は増加の一途をたどっています。
全国の八%に当たる土地が空き地のままであり、また、空き家率は一三・六%となって、この三十年間で二倍以上に増加しています。こうした土地の有効活用を
促進し、
地域活性化や所有者不明土地の発生を予防することが求められています。
しかし、とりわけ
地方の低額な土地を譲渡、活用しようにも、測量費や解体費の上に譲渡
所得税の
負担が大きく、
取引が進まずに低未
利用地のまま放置されるケースが多発しています。
譲渡
所得税の引下げは、
関係団体からも十五年以上にわたって要望されていた事項であり、今回の
税制改正でどのような結論を得たのか、またどのような効果があるのかについて伺います。
この七年間で、
日本経済は一三%
成長しました。一方で、
企業のいわゆる内部留保については
拡大の一途をたどっており、五百兆円にも迫らんとしています。こうした内部留保、とりわけ現金、預金をいかに
投資につなげていくかが重要です。
今回の
税制改正では、
事業会社が一定のベンチャー
企業に株式出資した場合、その取得
価格の一部を
所得控除するものであり、この取組によって
日本の
企業が自前主義から脱し、自社にない強みを持つベンチャー
企業との
連携によって、
オープンイノベーションを大きく前に進めることを目的としています。
そこで、伺います。
税制優遇を受ける
事業会社は、銀行や
投資ファンドなどの純
投資はきちんと除外されることとなるのか、
もともと投資する予定であったものに単に追い銭するようなものとなっていないか、
事業会社として
中小企業も恩恵を受けることとなっているのかについて伺います。
ソサエティー五・〇の社会において、超高速大容量、そして多数同時接続を
実現する5Gの通信
システムは、今後、
我が国の基幹インフラの一つとなります。いよいよ、この三月から商用サービスが開始され、
政府は、来年四月までに全都道府県でのサービスを開始、五年以内に十キロメートル四方メッシュで
全国の五〇%以上に5G親局を整備することを目標に掲げています。
5Gの普及を
促進することは、単に一
企業のビジネスの問題ではなく、
国民に広く利益が及ぶ国家戦略であり、力強く前に進めていく必要があります。
今回
創設される5G
投資促進税制において、どのような点で真に5G整備を加速することにつながるのか、また、技術や情報の安全保障上の課題においても
対応できるものとなっているかを含め、新
制度の
趣旨について伺います。
企業の法人税の
申告期限については、例えば、三月末決算の会社であれば、
申告期限の五月末日を一カ月延長し、六月末日までとすることが可能です。ところが、
消費税の申告についてはこうした延長が認められず、五月末日が
申告期限となっています。
企業としては、法人税の作業を進める過程で、既に申告した
消費税の内容を変更する必要が出てくるなど、二度手間となる場合も多く、納税申告において大きな
負担となっていました。働き方
改革が社会全体で取り組む重要な課題となっている今、事務
負担軽減の
観点から、こうした
制度を
改正すべきと考えます。
今回の
税制改正によってどう変わるのか、経産大臣の答弁を求めます。
近年、自然災害が頻発化、甚大化する中、災害復旧に対する
税制改正の声も上がっております。
現在、災害で受けた被害については、盗難や横領と同じ、雑損
控除という形で
所得から
控除することができます。しかし、災害による損害は盗難や横領よりも多額となる場合が多く、しかも、そのほかの
所得控除よりも優先して
控除される
制度となっているため、雑損
控除で全て
所得を引き切ってしまうことになります。つまり、その間、本来誰もが受けられるはずの基礎
控除や配偶者
控除、保険料
控除等が受けられません。さらに、繰越
期間がわずか三年のため、雑損
控除すら使い切れない
制度となっております。
昨年の
税制調査会において、我が党からは、災害による損失
控除を独立させ、新たな災害損失
控除を提案いたしました。本提案について、財務大臣の御
見解を伺います。
以上、本
改正案は、
令和二年度予算案とあわせて、
国民生活に直結する大事な
措置が盛り込まれており、早期に成立させるべきだと訴えて、私の
質問を終わります。(
拍手)
〔
内閣総理大臣安倍晋三君
登壇〕