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2020-03-19 第201回国会 衆議院 総務委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和二年三月十九日(木曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 大口 善徳君    理事 大西 英男君 理事 古賀  篤君    理事 坂井  学君 理事 冨樫 博之君    理事 中根 一幸君 理事 高井 崇志君    理事 吉川  元君 理事 國重  徹君       井林 辰憲君    池田 道孝君       小倉 將信君    大隈 和英君       金子万寿夫君    神山 佐市君       川崎 二郎君    神田  裕君       木村 次郎君    木村 弥生君       小林 史明君    斎藤 洋明君       鳩山 二郎君    穂坂  泰君       細田 健一君    松野 博一君       宮路 拓馬君    務台 俊介君       宗清 皇一君    山口 泰明君       山田 賢司君    岡島 一正君       奥野総一郎君    佐藤 公治君       重徳 和彦君    長尾 秀樹君       西岡 秀子君    日吉 雄太君       緑川 貴士君    山花 郁夫君       太田 昌孝君    本村 伸子君       足立 康史君    井上 一徳君       初鹿 明博君     …………………………………    総務大臣         高市 早苗君    総務大臣        寺田  稔君    総務大臣政務官      木村 弥生君    総務大臣政務官      斎藤 洋明君    政府参考人    (総務省情報流通行政局長)            吉田 眞人君    参考人    (日本放送協会経営委員会委員長)         森下 俊三君    参考人    (日本放送協会監査委員会委員)          高橋 正美君    参考人    (日本放送協会会長)   前田 晃伸君    参考人    (日本放送協会専務理事) 木田 幸紀君    参考人    (日本放送協会専務理事) 荒木 裕志君    参考人    (日本放送協会理事)   松原 洋一君    参考人    (日本放送協会理事)   黄木 紀之君    総務委員会専門員     近藤 博人君     ――――――――――――― 委員の異動 三月十九日  辞任         補欠選任   池田 道孝君     神山 佐市君   石田 真敏君     宮路 拓馬君   佐藤 明男君     神田  裕君   斎藤 洋明君     細田 健一君   山口 俊一君     大隈 和英君   奥野総一郎君     日吉 雄太君 同日  辞任         補欠選任   大隈 和英君     山田 賢司君   神山 佐市君     池田 道孝君   神田  裕君     佐藤 明男君   細田 健一君     斎藤 洋明君   宮路 拓馬君     石田 真敏君   日吉 雄太君     奥野総一郎君 同日  辞任         補欠選任   山田 賢司君     山口 俊一君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件(内閣提出承認第一号)      ――――◇―――――
  2. 大口善徳

    大口委員長 これより会議を開きます。  放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。  この際、お諮りいたします。  本件審査のため、本日、政府参考人として総務省情報流通行政局長吉田眞人君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 大口善徳

    大口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. 大口善徳

    大口委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。足立康史君。
  5. 足立康史

    足立委員 おはようございます。日本維新の会の足立康史でございます。  きょうは、党の方で新型コロナ対策本部、私、事務局長を務めておりますが、それがちょっとありまして、委員皆様には質問の順番について御配慮いただきまして、改めて感謝を申し上げたいと思います。  きょうはNHK予算ということでございます。  かねがね、この総務委員会、過去を見ますといろいろな経緯がありますが、原則全会一致でこのNHK予算を支えてきた、こういうことがございますが、私ども日本維新の会は、今回のNHK予算については、きょうのこの質疑の場でNHK会長前田会長を始めNHK皆様からいただける御答弁をよく聞かせていただいて、この議場で賛否を判断していくことにいたしたいと思います。  これはなぜかということでありますが、先にちょっと伺いましょうか。  もちろん、NHKとしては全会一致でやってほしい、これは予算案を出していただいているNHKからすれば当然かもしれませんが、ただ、全会一致が大事なんじゃないですね。全会一致に、全ての会派からこの予算でいいなと言えるようなNHK放送サービスあるいはガバナンス、そういったものが実現していることが大事だと私は思います。  改めて、もし全会一致が大事だということであれば、その御趣旨、簡単で結構ですから御紹介をいただきたいと思います。
  6. 前田晃伸

    前田参考人 受信料によって事業を行う公共放送NHKは、視聴者国民皆様からの幅広い信頼の基盤の上に成り立っておりまして、国民を代表する国会において全会一致予算承認していただくことは、その信頼のあかしの一つとなると考えております。国民を代表する国会におきまして、NHK予算事業計画全会一致で御承認いただけるよう、誠心誠意、丁寧に説明責任を果たすとともに、御意見にも真摯に耳を傾けてまいりたいと思います。  なお、私は、一月末に会長に就任したばかりでございますが、現在のNHK状況に満足しているわけではございません。今作成を始めました次期中期計画の中で、いろいろな御意見を踏まえ、しっかりと改革を進めてまいりたいと思います。  今私の頭の中にありますコンセプトは、NHKらしさの追求でございます。良質のコンテンツをつくり、その目標に向けてベクトルの方向を定め、人、物、金の見直しを強力に実施したいと考えております。  どうぞよろしくお願いします。
  7. 足立康史

    足立委員 ありがとうございます。  前田会長のリーダーシップに期待をしていることは、改めて申し上げておきたいと思います。  三月、今月十三日にこの総務委員会で私から前田会長質問をさせていただいた折にも、中期経営計画をつくらなあきませんから、ことしの夏ごろまでに、放送通信融合時代を目指すNHKの姿を盛り込んだ次の中期経営計画の案を会長先頭に立ってまとめるつもりである、キーワードはNHKらしさの追求である、スピード感を持ってやっていく、こういう御答弁をいただきまして、今も、NHKらしさということでお話をいただきました。  ただ、これをちょっとごらんいただきたい。これは、もちろん皆様よく御存じの、現在走っている中期経営計画です。お配りしている資料の一枚目。  まさに三年前に検討し、二年前から、昨年、そして本年度、この中期経営計画が走ってきたわけですね。そういう意味では、三年前から、インターネット時代を見据えた公共メディアへの進化ということを打ち出されてきた。  だから、私は、総務委員の一人として、NHKが、以前のいわゆる公共放送としてのあり方のみならず、公共メディアとして、放送に限らず、インターネット時代ですから、公共メディアとしての進化がどのようにこの三年間でなされてくるのかということを大変興味深く、またわくわくしながらこれを拝見をしてきたところでありますが、御承知のとおり、結局、放送法改正、あるいは来年度のNHK予算を見ても、この公共メディアへの進化具体像がこの三年間では私は出てきていないという評価なんです。三年間かかってこれは出てきていないんです。  来年度予算、きょう採決がございますが、NHKの来年度予算についても、来年度予算というのは二〇二〇年度予算ですから、現在の中期経営計画最終年です。だから、公共メディアへの進化を目指していたこの三年間の総決算として、来年度予算にはその公共メディアの姿の片りんぐらいは私は出ていないと話にならないということで、大変残念に思っているわけであります。  もちろん、御質問すれば、いや、それをやってきたんだと。何をやってきたか。ネット同時配信がこの三月から始まり、今私も申し込んでいます、携帯で。私、事務所にもテレビがありますし、自宅にもテレビが置いてありますから、IDをセットして、そしてパスワードを設定して、NHKプラス、今度、はがきがもうすぐ来るんだと承知していますが、やっていますよ。しかし、あくまでもこれは補完的サービスということで、私から申し上げれば、やはり電波放送という従来の、私に言わせれば古い、そういう殻に閉じこもったまま、腰が引けている状態が続いているなということで、大変残念に思っているわけであります。  そういう中で、日々、この電波放送ネット通信、これをどう見ていくかというときに、例えば、今回、新型コロナで、国民皆様コロナ情報を知りたいわけです。  これは、最近、NHK画面に出ていますね。(パネルを示す)二月の十八日のこの総務委員会で、私がNHK皆様に、これぐらいやろうよと。  これぐらいやろうよというのはどういうことかといったら、これは電波画面でありますが、ネット情報に、だって、今や、皆さん、デジタルコンテンツコンテンツですよ、こういう映像コンテンツ映像コンテンツはもう電波に乗ってくるコンテンツよりもネットに乗ってくるコンテンツの方が多い、圧倒的に多い。広告市場だって、テレビのCMの広告市場インターネット広告市場が抜いているわけです。だから、国民が知りたい情報は、たくさんインターネットネットにあるわけです。  電波に閉じこもらずに、ネット情報に誘導していくということが私は大事だということで、二月の十八日に、QRコードぐらいつけてよということを申し上げました。一週間後にこれが常時つくようになりました。  これは事務方というか専務さんでも構いません。これはどこに誘導されているかというと、NHK新型コロナ特設サイトに誘導されています。これも私は、もうちょっと何とかならないのかなと思うんだけれども、まあ、されています。NHK特設サイトへのアクセスがふえたとか、何かございますか。状況、ちょっと、わかれば教えてください。
  8. 木田幸紀

    木田参考人 お答えいたします。  NHKは、命と暮らしを守る報道使命を果たすため、テレビラジオインターネットとあらゆる伝送路を使って新型コロナウイルスに関する情報発信を強化しております。  インターネットでの新型コロナウイルスに関する特設サイトでは、国内外の感染状況や影響、政府支援策相談窓口、家庭でできる予防対策を掲載しているほか、子供たちに向け、先生からのメッセージや学習コンテンツ紹介するコーナーを設けています。  この特設サイトをお知らせするQRコード表示につきましては、視聴者国民皆様が必要な情報に接していただく機会を更にふやす一つの方法として、二月二十五日から始めました。連日、多くの方々に御利用いただいており、視聴者からは、特設サイトでは国内の感染状況のデータがわかりやすく掲載され、毎日のように利用しているなどの声が寄せられています。アクセス数は公表していないのですが、二月二十五日以降、ほぼ倍増しております。  引き続き、視聴者国民皆様に必要な情報を的確にお伝えするため、あらゆる伝送路を使って、きめ細かく丁寧に情報を発信してまいりたいと思います。
  9. 足立康史

    足立委員 ありがとうございます。  このNHK特設サイト、例えば、子供たちへの学習コンテンツはこっちだよということとか、役所へのリンクとか、いろんなものが張ってありますから、私もこれは価値があると思いますが、これを私がぜひやってほしいと申し上げたころは、ちょうど基本方針というのを政府が出して、一体、この新型コロナウイルスってどんなウイルスなのか、まだ様子がわからない段階でした。その中で、政府基本方針を、熱が四日続いたらとかそういうことを打ち出されて、大変、これをどう理解して対応すべきかということが国民の間で混乱がちょっと生じていたころでありまして、私はこれは役に立ったと思いますよ。  ただ、二月の二十五から始めて、もう一カ月近くになるわけでありますが、これはずっとこれでいくんですかね。いや、答えなくていいですよ。答えなくていいけれども、これは弊害もありますよね。  例えばこれは、(パネルを示す)ごめんなさい、ちょっときのう夜、私、自分NHK画面スマホで撮ったから、何かふらふらふらっと揺れていますが、こうやって、今の表示だと、この既存の画面にちょっとかぶさってきたりするんですね。だから、恐らく苦情もあると思うんですよ。もうわかった、NHKオンラインサイトコロナ特設ページがあることはもうわかったから、もういいよという方も、いや、私はもういいよと思っています、わかっていると。  ただ、もっといろんな政府状況世界状況というものが例えばL字で、地震が起こったとき、もう今有事ですからね、これは。世界じゅうが今有事になっているときですから、私は、この画面を邪魔する今の表示よりは、もうL字にしちゃって、ヨーロッパの政治指導者は、世界大戦に、要は戦争に匹敵する有事であるということを口に出しておっしゃるぐらいの状況になってきているわけですから、私は、もうNHKL字にして、そこにどんどんどんどん新しい情報を流していく、そういうことも検討したらどうかなと、これはまたひとり言で結構ですが、申し上げておきたいと思います。  ただ、結局、QRコード、私が十八日に申し上げたら、一応、一週間してつけてくださった。別に私が言ったからかどうかわかりませんよ。でも、つけてくださった。それはありがたい。ありがたいけれども、また、つけたらつけたで、それがずっとほったらかしとは思いませんが、工夫がないんですね。  最初の一週間、二週間はまずこういうことでよかったかもしれないけれども、次また状況が変わってきているわけだから、新しい状況に応じたNHKなりの工夫というものが矢継ぎ早に、視聴者がうんっと思う前に、あ、こういうふうに表示してくれた、こういう情報が入手できる、そういうふうに、まさに視聴者のニーズに応えられるサービスをどんどんどんどんやっていくということは、やはり、NHKガバナンスにもしかしたら問題があるのかもしれませんが、やっていただきたいと思います。  私、何かネットに対する敵意があるんじゃないかなと思うんですね。電波放送でやってきた、今も電波放送で、インターネットネット同時配信補完的サービス。これはインターネット上のコンテンツというものを何か敵視しているんじゃないか、そんな印象さえ持つんですが、違いますか。
  10. 木田幸紀

    木田参考人 お答えいたします。  NHKは、あらゆる伝送路を通じて、視聴者国民皆様に、速やかに正確で的確な情報をお伝えすることが使命であると考えております。インターネットによる配信には、放送と異なり、利用者が御自身の都合に合わせて、いつでもどこでも利用できるという特性がございます。また、そのような特設サイト放送で広くお伝えすることによって、より多くの方が情報を利用できるようになるというふうにも考えております。  今後も、それぞれの伝送路特性に応じた情報を効果的に展開することによって、公共放送公共メディアとしての使命を果たしたいと考えております。
  11. 足立康史

    足立委員 今御紹介したこのNHK特設サイト、きょうはNHKの中継というか、夜、深夜に放送もされますので、できるだけビジュアルで持ってきました。(パネルを示す)これがサイトです。  サイトもいろいろ工夫をしていただいていますが、しょせんNHK特設サイトNHK特設サイト。あらゆるメディアが、今、民放も、それから新聞社も、全部特設サイトを持っています。それから、政府も、官邸、厚労省内閣府、内閣官房、私、私も自分ホームページ特設サイトを、特設ページをつくっています。  いろいろネット上には膨大なすぐれたコンテンツがあるわけですから、広くそういうものに目くばせをしながら、よいサイトがあればそれをさっきのL字でどんどん紹介をしていく、そんなことが私はあってしかるべきかなと思っています。  これもきのうの放送画面でありますが、私、違和感ありますね、これ。実は、きのう何があったかというと、御承知のとおり、きのう十八日は、いわゆる臨時の一斉休校で休まれた保護者皆様への助成制度、これは会社を通じて申請するんですが、これの申請が始まりましたよと、ニュースが大きく報道されました。NHK報道でも、尺がどれぐらいかな、一分以上というか、もっとかな、二分ぐらいかな、もうとにかく長い放送がこうやってなされました。  これは何が映っているかというと、厚生労働省当該助成金の新設をした、そして申請の受け付けが始まったという厚労省サイトNHK電波で映しているんですよ、映しているんです。いや、いいですよ、それは。やはりテレビというのは、さっきあった、どんどんプッシュで、居間でのんびりしていてもどんどん出してきてくれるわけだから、こういうところにこういう大事な情報報道してくださる、これはまさに大事だと思いますよ。  ところが、このホームページサイトは頑として映さない、紹介しないんですね。私は、常に、例えば、テレビで見る、それからNHKオンラインネットで。これがネット記事として紹介されています。そのネット記事紹介されているところにもこのサイトリンクはないんですね。嫌いなんだと思うんですけれども、ネットが。ネットサイトは頑としてNHKは映しません。  かわりに何を紹介してくださっているかというと、コールセンター電話番号ですね。このコールセンター電話番号を映している時間が大体二十秒ぐらいですよ。結構な時間、ここに電話してくださいと言っている。しかし、電話ばかりしたら、混雑して通じませんよ。この電話番号も、それから申請用紙も、対象者の範囲も、全て先ほどのホームページに書いてあるんです。  だから、電話番号もいいですけれども、あわせて、その申請書が載っている厚生労働省ホームページのアドレスのQRコードをここに張ったらいいじゃないですか。いや、電話番号も、写すのに時間がかかって、写している間に途中でこれが切れちゃうとかいうこともあるけれども、きのうは結構長く電話番号を映していましたよ。そのときにネットに誘導するぐらいのことを私はやるべきだと思いますが、これをなぜやらないんですか。やりませんか。また私が言ったからやるといってもややこしいと思いますが、だって、それが合理的でしょう。サイトに行けば、コールセンター電話をしなくても、全て必要な情報厚生労働省当該ページに書いてあります。ちょっと、ぜひ、もうきょうからやりませんか。
  12. 木田幸紀

    木田参考人 新型コロナウイルスに関する政府助成制度支援策につきましては、その具体的な内容や相談窓口連絡先紹介するなど、あらゆる伝送路を使って丁寧な情報発信に努めているところです。  具体的な情報発信あり方に関しましては、御意見や御指摘参考にして、視聴者国民皆様に必要な情報がきちんときめ細かく伝わるよう、不断の検討や工夫を続けてまいりたいと考えております。
  13. 足立康史

    足立委員 私がるる総務委員として、僣越ながらNHKに、国民はそう思っているよと何か示唆をするというよりは、国民の声をNHK皆様にお伝えをしているわけです。  これはもうやりましたからきょうはやりませんが、総務大臣から、新型コロナに関する日本の適切な情報をしっかり国際放送を通じて世界に発信していくべきだということで要請をいただいた。これも高市大臣には感謝を申し上げている次第でありますが、いずれも言われなければやらない。高市大臣要請、昔は命令だったわけですけれども、それはいいとして、要請をするまでもない、そういうNHK報道姿勢というものが、これだけの受信料で支えられている、国民に支えられているNHKとしては、私は当たり前だと思う。  ところが、きょうずっと二十分かけて御紹介してきた一つ一つを見ていただいても、あるいは先ほどの新型コロナに関する国際放送を見ても、結局、今回の有事新型コロナをめぐる有事に、平時ではないこの緊急事態有事に、改めて、公共放送としてのNHKが、私は、その姿勢サービス国民に提供していく姿勢に課題があると指摘をせざるを得ないんですね。  どうですか、少しは反省があるということか、いや、ちょっと足立さん、言っていることがよくわからない、俺たちはもうこれでいくんだ、ちょっとその辺、反省はないですか、反省
  14. 木田幸紀

    木田参考人 お答えいたします。  新型コロナウイルスをめぐって、NHKでは、命と暮らしを守る報道使命を果たすため、テレビラジオインターネットとあらゆる伝送路を使い、最新の情報支援策など、海外を含めて連日お伝えしているほか、視聴者皆様の疑問や不安に応える番組を放送するなど、取組を強化しております。  ただ、一方で、視聴者皆様からは、相談窓口を教えてほしい、あるいは、どうしたら支援を受けられるのかなどといった声も寄せられております。  引き続き、どのような情報が求められているのか、また、どうすれば必要な情報視聴者皆様にきちんと届けることができるかなどの点について、視聴者国民皆様の声を真摯に受けとめつつ、対応を検討してまいりたいというふうに考えております。
  15. 足立康史

    足立委員 いろいろ細かいことを申し上げて恐縮でしたが、私が一番心配しているのはこれです。冒頭申し上げた公共メディアへの進化です。先ほどあった、前田会長が、この夏ごろまでにも、放送通信融合時代を目指すNHKの姿を盛り込んだ次の中期経営計画ですよ。ことしの夏ごろまでに、放送通信融合時代を目指すNHKの姿、新しい姿を盛り込んだ次の中期経営計画の案を前田会長先頭に立ってまとめていくんだ、こうおっしゃっていただいていますが、繰り返しになりますが、二〇一八年、一九年、二〇年にそれをやるべきだったんですよ。  高市大臣は、一回間を挟みましたが、前の総務大臣御在任中に、まさに私が申し上げているような思いでやられていたと私は感じました、高市大臣のお取組についてはですよ。閣僚はいろいろまた政局で動きますから、また着任をいただいて私は感謝をしているわけでありますが。  問題はNHKですよ。三年前に公共メディアを打ち出した。また、じゃ、今度、三年前に打ち出して、進化すると言っていたけれども、次の、次期中期経営計画でその姿を盛り込むんだと言うけれども、もう夏ってすぐですよ。それが伝わってこない。この委員会でも伝わってこない。二〇二〇年度予算にもその片りんが見えない。  きょうは経営委員長もお越しいただいています。森下経営委員長郵政との関係でいろいろ質問が集中したりしている時期もありましたが、私は郵政はどうでもいいと思います。郵政改革は必要ですよ。郵政改革は必要だけれども、それをめぐる毎日のリークとか、もうどうでもいい。週刊誌の下請を国会議員がやる必要はありません。むしろ大事なのは、これから十年、二十年、日本公共放送をどういうふうに発展をさせていくのか、これについての片りんさえまだ見せられていない。多くの責任前田体制の前の体制にあるんだと思いますが。  私は、厳重注意に値する、まさに森下経営委員長厳重注意すべきは、この公共メディアへの進化が見えないことだと思いますが、いかがですか。
  16. 森下俊三

    森下参考人 お答えいたします。  平成二十五年二月一日に、経営委員会では、放送通信の融合に関しまして、視聴者の利便性向上、NHKコンテンツへの親しみと接触を向上させるためのサービスを積極的に推進すること、NHKの役割並びにそれを支えるにふさわしい受信料あり方について鋭意検討を進めることなどの意見を執行部に申し入れ、その後も節目ごとに取組を確認してまいりました。  今月から、改正放送法を踏まえ、試行的に常時同時・見逃し番組配信の新サービスNHKプラスが始まりました。多くの視聴者国民皆様に広く使っていただくことを期待するとともに、民放など関係者の意見を受けとめ、充実したサービス進化させていただきたいと考えております。  来年度には次の中期経営計画の策定の手続がありますので、放送通信融合時代NHK公共メディアとしての役割をしっかりと果たせるように、会長にはリーダーシップを発揮していただきたいと考えております。  以上、お答え申し上げました。
  17. 足立康史

    足立委員 ぜひ経営委員会経営委員長、お願いをしたいと思います。  今、NHK放送を私も何度か取り上げて、まずちょっとお示しをしたいのは、これがNHKプラス画面です。受信機を自宅、事務所に置いていらっしゃらない方がそこにアクセスすると、ここに丸で囲んであるようなメッセージが出ます、ちゃんと契約してねと。要は、受信契約者本人あるいは同一生計の方に御利用いただくものだというメッセージが出ます。  それから、これは毎回私がこの総務委員会で示してきた、これはたまたまパナソニックのホームページですが、パナソニックのホームページが一番きれいな画面があっただけで、パナソニックは関係ありませんが。B―CASカードからACASチップということで、今、日本テレビには、世界のどの国の公共放送でも一般的ではない、使っている国が、こんなことをやっている国はほとんどありませんよ、ガラパゴスです、こういうACASチップを取り込んで、そして公共放送を展開している。  私、ちょっと一言これは確認したいんですが、なぜこんな、CASといいますが、なぜこのCASシステムを日本だけ、いや、ほかにも細かく言うとあるんですが、要は、公共放送が正面からこのCASを使っている国、特にチップで、テレビにチップを埋め込んでいる国なんてありませんよ。ガラパゴスです。ガラパゴスだけが、世界が衰退をして、ガラパゴスの日本放送だけが、公共メディアだけが隆々と成長していけばいいんだけれども、それもちょっとわかりません。なぜこんなガラパゴス制度を活用しているんですか。端的に言うと、コンテンツ保護とそれから視聴者識別機能、そういういろいろな機能があります。何のためにこれはやっているんですか。
  18. 荒木裕志

    ○荒木参考人 お答えいたします。  各国の公共放送は、それぞれの国の歴史、伝統、政治、経済に応じて発展してきておりまして、受信料制度、そして契約収納の方法についても、その発展の歴史的経緯に応じて各国が独自に決めているものというふうに承知しております。  NHKは、放送法第六十四条に基づきまして、協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した方々に、受信料制度について御理解いただいて受信契約を結んでもらって、受信料で支えていただいております。受信料の公平負担の徹底を図るために、衛星放送画面にメッセージを表示して、NHKへの連絡をお願いすることによって受信機の設置を確認させていただいて、御契約をいただいております。  CASのメッセージ機能を利用することによりまして効率的、効果的な契約収納活動に結びつけておりまして、NHKとしては、放送法第六十四条に基づく受信料制度のもとでは、公平負担を徹底するための有効な取組だというふうに考えております。
  19. 足立康史

    足立委員 一昨日のこの総務委員会で高井筆頭が、(パネルを示す)これはNHKの、いわゆる総務省の諸課題検討会について報じたものであります。全世帯負担等はまだ総務省が打ち出しているものではないと思いますが、報道ではこういうふうになっています。それも見据えて、あるいは含めて検討するということだと思いますが、大体こういうことですよね、高井さん。高井委員は、これがいい、もう受信機を置いているとかじゃなくて、全世帯に課金をすべきだ、こういうことを訴えておられました。  私も、それ自体は否定しませんよ。だって、税でやるという議論だって世の中にはあるわけだから。これは税に近い形です。  しかし、仮に、公共放送NHKがこういうドイツ方式、世帯にあまねく課金をしていくドイツ方式をとると仮定しましょう。とれば、私は、まず、今あった視聴者識別機能はもう要らなくなると思います。それは放棄をする。また、事業規模も必然的に、全員に近い形で負担をお願いするのであれば、それにふさわしい、より公共性を高めた、規模的にはぐっと圧縮すると思います。料金も、千数百円とか二千円じゃなくて、もう百円でいいんじゃないですか。ちょっと安過ぎる、まあいいや。  そういうぐっと圧縮した純化された公共放送、繰り返しになりますが、こういう方式、ドイツ方式を入れると、視聴者識別機能の放棄と、規模縮小と、いわゆる受信料のゼロが一個減るぐらい、これが当然だと思いますが、いかがですか。
  20. 荒木裕志

    ○荒木参考人 お答えいたします。  日本受信料制度は、放送法によりまして、NHKを支える自主的な財政基盤として設けられたものというふうに認識しております。放送受信機を設置した世帯にお支払いいただく受信料を財源とすることで、特定の利益や視聴率に左右されず、社会生活の基本となる確かな情報や豊かな文化を育む多様な放送番組を分け隔てなくあまねく提供する役割を自律的に果たすことが可能になっているというふうに思います。  NHKが自主自律を堅持しながら、信頼される情報の社会的基盤として、放送法規定されている公共放送としての役割を果たしていくための財源としては、広く視聴者皆様に負担していただく現在の受信料制度がふさわしいものというふうに考えております。
  21. 足立康史

    足立委員 これは、私が考えているNHK改革です。今申し上げたみたいに、もし高井野党筆頭方式でいくなら、ぐっと圧縮した、公共に純化した公共NHK、それ以外のNHKが持っているノウハウ、経営資産は全て民営化をして、民間で民放と競争していただく、こういう形がいいと私は思いますが、これについて、NHK会長かな、どうですか、これは。きょう、これでいこうということになりませんか。
  22. 前田晃伸

    前田参考人 貴重な御意見として承ります。
  23. 足立康史

    足立委員 今、先生方から、いや、それは俺たちが決めるんだ、そういうことでありますが、きょうは対政府政府からも来ていただいています。  吉田局長、ここにジョンソンの写真も張ってあります。イギリスでは、具体的に、私が申し上げたような提案が首相から発せられる時代になりました。どう受けとめていらっしゃいますか。
  24. 吉田眞人

    吉田政府参考人 お答えを申し上げます。  現在、英国におきまして、BBC、特に受信料制度のあり方などについて、さまざまな議論あるいはその報道などがなされておるというふうには承知しております。  受信料制度のあり方につきましては、公共放送の果たす役割あるいは具体的サービス内容などに応じまして、それぞれの国の実情などを踏まえて定められるものであると承知しております。  イギリスBBCは非常に公共放送の代表的な位置づけをされておりますので、私どももイギリスの状況については注視をしておるところでございます。
  25. 足立康史

    足立委員 もう時間が来ますので、一言だけ。  小林史明委員質問に対して、高市さんが、タブーなく議論していくと。私は、NHKには若干心配していますが、高市さんのリーダーシップには期待しています。どういうタブーを乗り越えてやっていただけるんですか。
  26. 高市早苗

    高市国務大臣 受信料制度につきましては、昭和二十五年の放送法制定以来、協会の標準放送を受信することのできる受信設備を設置した者に対して受信契約を義務づけるという基本的な考えは一貫して維持していますから、非常に長い歴史があるということが一点。  それからもう一つは、受信料の徴収方法については、私もさまざまな方法が考えられると思いますけれども、例えば税方式を採用するという議論を始めてみた場合、財政的基盤を国庫に置くことによって、政府の関与が強まって、高度な自主性、中立性が確保されないのではないかといったような指摘がこれまでもなされてきたと承知しています。  ですから、これまでは、何か、受信料制度について切り込むということはなかなか難しかった背景があったと思いますけれども、先週の総務委員会では、そういったことからタブーという表現も用いましたが、それよりも、未来への責任を果たすためには、やはり放送通信融合時代ですから、思い切って受信料制度そのものの議論を始めるべき時期だという私なりの決意を申し上げました。  なお、受信料というのは、この国会においてNHK予算承認することによって定められることを申し添えておきます。
  27. 大口善徳

    大口委員長 足立君、時間が来ております。
  28. 足立康史

    足立委員 時間が来ましたので終わりますが、高市大臣を始め総務省の皆様、そして前田会長を始めNHK皆様のリーダーシップ、取組に期待をして、質問を終わります。  ありがとうございます。
  29. 大口善徳

    大口委員長 次に、古賀篤君。
  30. 古賀篤

    ○古賀委員 おはようございます。自由民主党の古賀篤でございます。  十七日の火曜日に続きまして、このNHK予算質疑となっております。なるべく、各委員皆様が既にされた質疑との重複は避けて、二十分間質問させていただきたいと思います。  きょうは、NHK前田会長にお越しいただいております。お忙しいところありがとうございます。  きのう、初めての定例会見に臨まれたと報道がされておりました。会長は、この記者会見で、あっという間に二カ月たって、走り続けてちょっとくたびれている、そういうお言葉もおっしゃったということで、大変お疲れなんだろうというふうに思いますが、これからもしっかり頑張っていただきたいと思います。  そして、この記者会見では、外から来たので思いつきで組織をかき回すのはよくない、問題意識はすごく持っているので慎重に改革を進めたい、このようにもおっしゃったと報じられております。  そこで、まず一つ目でありますが、NHKグループについてお伺いしたいと思います。  きょう皆様方にお配りしている資料、今お手元に両面の紙が行っていると思います。それで、この資料は、NHKが我々に前回の委員会で配付した資料ではなくて、一般的に来年度予算説明している資料に入っているものであります。  この資料、「グループ一体となり、」という方を見ていただきたいんですが、NHKグループというのは、本体の日本放送協会以外に、この系統図にあるように、子会社十二団体、関連公益法人等九団体、関連会社四団体、計二十五団体があるというふうに記されております。そして、平成十年度の六十五団体から再編統合を進めてきたというふうにも注書きで書かれているところであります。  私は、このNHKグループ、しっかりと見直していただきたいと思っております。たくさんありますので、その一例で指摘させていただきたいと思います。  例えば、この子会社の十二団体、昨年四月に統合がされております。そして、ことしの四月にもNHKエンタープライズとNHKプラネットの統合が予定されている、この紙にも記されているとおりであります。  子会社や関連公益法人等を見ますと、業務の重複が見られます。こういったところをしっかり精査していただきたいと考えております。  それは、子会社間だけではなくて、子会社と関連公益法人間でも見られます。  NHKは、受信料以外に、国際放送を流すということで、国際放送関係交付金、来年度予算案では三十五・九億円が計上されておりますが、税金を使って国際放送を流しております。この関係で、子会社には、日本国際放送と、またNHKインターナショナル、国際関係で二法人があって、この重複もあるんじゃないかというふうに考えられます。     〔委員長退席、國重委員長代理着席〕  また、きょう手元に、このために用意したわけですけれども、このNHKステラ。ごらんになった方、ありますかね、NHKステラ。そして、皆さんも、特に学生のときに使われたと思いますが、テレビでハングル講座、せっかくですので最新号を用意しました。せっかくなので見たいと思います。  これはどこが出版しているか。このNHKステラ、NHKサービスセンターなんですね。こちらのNHKのテキスト、NHK出版となっています。同じ出版物が、なぜか法人二つから出ている。しかも、この講座、テレビラジオでやっています。CDが最近は売っているんですが、それはサービスセンターと出版、両名が入っていて、さらに、NHKエデュケーショナル、Eテレをつくっている会社ですけれども、そこの名前も入っている。非常に複雑になっております。  それ以外にも、関連公益法人等というところで、NHK学園、NHK交響楽団、これは、我々に先日配られた資料の中に、ここの法人に助成するということで数字が入っておりました。NHK交響楽団十七億円、NHK学園三・五億円。ちなみに、NHK交響楽団は、事業内容、「わが国の音楽芸術の向上発展を目的として、音楽番組の充実を図るため、」以下省略しますが、そういったことで助成されると事業内容が書いてありますけれども、そうすると、音楽番組を提供するために楽団を持っていますというような表現になっているわけですね。  別に私、楽団を否定するわけではありませんけれども、今この時代に、本当にこういった形で助成を出すことが正しいのかどうか、それは問わせていただきたいと思いますし、しっかりと精査していただきたいと思います。楽団も本当に厳しい経営状況だと想像しますので、どうやって経営を維持していくのか、大変苦慮されていると思います。軽々に発言できないと思いますけれども、しっかり見直していただきたい。  NHK学園も、通信、大変多くの学生を輩出している。ネットで見る限り、すばらしい学園だと承知しておりますが、本当にこういった形での組織維持が必要なのか、ぜひ再検討していただきたいと思います。  前田会長は、昨年の会長就任前の記者会見において、経営にとって大切なことは結果を出すことである、組織は常に見直さないと硬直化し、時代に合わなくなる、そのようにおっしゃったと報じられております。ぜひ、このNHKグループの組織見直しについて、現在の会長のお考えをお聞きしたいと思います。     〔國重委員長代理退席、委員長着席〕
  31. 前田晃伸

    前田参考人 NHKの関連団体の整理統合につきましては、限りある人、物、金の経営資源をより効率的に活用していくために、関連団体同士やNHK本体との業務の仕切りや役割分担などを明確にしつつ、継続的に取り組んでまいっております。  これによりまして、一九九八年度に六十五ありました関連団体は、現在二十五団体となっております。内訳は、子会社が十二、関連会社四、関連公益法人等が九つでございます。  さらに、ことし四月には、NHKエンタープライズとNHKプラネットの両社が経営統合し、NHKエンタープライズとなり、関連団体の数は二十四に減る見込みでございます。  御指摘のございました公益三団体、NHK交響楽団、NHK学園、NHK厚生文化事業団につきましては、いずれも社会的意義は大きく、NHK放送文化の質的向上に貢献していることから助成を行うことが適切だと考えておりますが、その時代にふさわしい使命事業の規模などについて絶えず見直していく必要があると考えております。  関連団体につきましては、引き続き、役割や業務内容を精査し、既存業務を見直すとともに、さらなる経営統合を視野に入れてグループ経営改革を推し進めることを次期中期経営計画に反映させることを目指そうと思っております。
  32. 古賀篤

    ○古賀委員 会長、しっかりこれから、丁寧に、組織の見直し、検討していただきたいと思います。  今回、NHK予算承認ということなんですけれども、やはりお金の流れ、会長は金融機関の御出身ですので、お金の流れを見るという意味でも、本体の予算だけでいいのか、NHKグループ全体のお金の流れを見ないとNHKの姿というのは見えてこないのではないかということも指摘させていただきたいと思っております。  そして、これは質問通告しておりませんので、私からの一方的な話になりますけれども、今回、この質問に当たって、前田会長の記者会見をネットで検索させていただきました。このNHK会長の、先ほど御紹介した会長の発言というのは、NHKサイトにあるわけではないんです。これは、新聞会社のネットで出ていたものを私が確認したということです。  NHK自身がNHK会長の記者会見をどう報じているのか、どう発信しているのか。これを見ると、NHKホームページに「NHKトップトーク」という欄があって、そこに会見要旨という形で、PDFで載っております。大変圧縮されておりまして、先ほど私が御紹介させていただきました会長の発言は一切入っておりません。報道すべきNHKが、トップの記者会見をもっと丁寧に報じるべきではないかと、大変強く私は主張させていただきたいと思います。  ちなみに、総務大臣はどうなんだろうということで、総務省のホームページを確認させていただきました。きょうも、この委員会が始まる前に、大臣が廊下で記者会見、対応をされておられました。記者とのやりとりも含めて、全部が出ております。かつユーチューブで動画も配信しています。  昨夜確認しましたが、結構近い距離で、大臣も嫌だろうなというぐらい近い距離で映像が撮られておりまして、それだけ総務省も情報公開、発信に努めている。このこともしっかりNHK参考にしていただきまして、見直していただきたいと思います。  そして、大臣にも、今の関連で、NHKがグループとしてどう見直していくべきなのか。また、連結で、今回の予算は本体の予算承認ですけれども、やはりNHKグループで、会計も含めてしっかり把握していくこと、そしてNHKグループの見直しが必要じゃないかと私は主張しているわけですが、ぜひ大臣の考えも伺わせていただきたいと思います。
  33. 高市早苗

    高市国務大臣 NHKグループの改革については、前回の在任中にもたびたび申し上げてまいりました。子会社への出資ですとか、今、古賀委員がおっしゃっていただいた関連団体への助成金も、もとをたどれば私たちの貴重な受信料でございます。  令和二年度NHK予算に付しました総務大臣意見においても、子会社全体のあり方について早急に結論を得て、その取組を着実かつ徹底的に進めること、グループ経営改革の推進などについて具体的な取組内容を早期に明らかにし、次期中期経営計画に確実に反映することを求めさせていただいております。  NHKグループの連結決算につきましては、透明性を高める観点から、昨年の放送法改正によってNHK情報提供を義務づけられたと思っております。
  34. 古賀篤

    ○古賀委員 大臣、ありがとうございます。そして、改めて、在職二十五年おめでとうございます。  先日の総務委員会の後に、本会議で在職二十五年の表彰がありました。大臣が初めての選挙のとき、そして、お父様のお手紙のエピソード、大変心を打たれました。私もしっかり頑張りたいと思いますし、大臣も、改めての総務大臣ですので、しっかりとNHK改革にも尽力いただきたいと心から期待しているところであります。  続きまして、テーマはかわりますが、ちょっと沖縄の問題について触れさせていただきたいと思います。  私は一九七二年の生まれでして、この一九七二年というのは沖縄が返還された年であります。沖縄で、この一九七二年度、昭和四十七年に生まれた子供は沖縄っ子と呼ばれ、そして、沖縄のこれからの将来をしょって立つ世代ということで期待されている。これは同期の國場議員もまさにその世代なんですが、そういう話を聞いて、やはり沖縄を我々の世代で解決すべき大きなテーマの一つだと私自身考え、取り組んでいるところであります。  そして、このNHK予算においても、沖縄という言葉が出てまいります。それは受信料金についてであります。  先日配られた資料に、受信料、これはことしの十月から受信料の引下げが行われるということで、表が載っておりますが、一般の料金、地上契約、月額で千二百六十円に対して、沖縄県は千百五円、衛星放送が二千二百三十円に対して、沖縄県は二千七十五円、いずれも口座、クレジットの料金となっております。  もう一つ指摘させていただきたいと思いますが、きょうお配りした資料の反対の面につけておりますが、二〇一八年度末の都道府県別の世帯支払い率というのを表でNHKが公表されておりますので、ここに用意させていただいております。  各都道府県それぞれの数字がありますが、一番高いのが、冨樫先生、秋田になっております、九八・三%。以下、各県ありますが、沖縄県が一番低い、五一・〇%になっています。次いで、大阪の六七・五、東京の六九・七%、大都市だというような理由もあるようですけれども、そういった数字になっています。  私からすると、NHKにおける沖縄問題。言うならば、簡単ではなくて、先ほど申し上げました昭和四十七年の前に、本土に戻ってくる前に沖縄放送協会というものがあって、このときの公共放送は無料であった。沖縄が返還されて、NHKの有料化、NHK沖縄の局ができて有料化になった。そういった中での県民の反発もあった中で、こういった価格設定がされたような文献もありました。  ただ、それからもう時代はかなり過ぎまして、平成を経て令和の時代になっております。そうしたときに、いつまでこういったことを続けるのか、そのことも問わせていただきたいと思います。これは沖縄県民も望んでいないんじゃないか、我々も全国一律の料金で取ってほしいと思っているんじゃないか、想像ですが、そう思うところであります。そして同時に、沖縄のこの受信料の低さ、しっかり対応していかなければ不公平が生じるんじゃないかとも思うところであります。  ぜひ、この点につきまして、NHK取組、考えを伺いたいと思います。
  35. 松原洋一

    ○松原参考人 お答えいたします。  沖縄県の受信料額については、沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律によって、「当分の間、沖縄県の区域における日本放送協会の業務の実状及び社会的経済的事情を考慮して定められなければならない。」というふうに規定されており、それに基づいて料額を設定しています。  沖縄県においても、地域放送サービスや全国向けの放送サービスの充実にずっと努めてまいりました。沖縄県のみに適用される受信料額についてどう考えるかは課題であるというふうに認識をしております。  地域の放送サービスを充実して、沖縄県の皆さんに公共放送の役割を御理解いただく取組を進めながら、今後の国の特別措置の動向も勘案して、慎重に検討していきたいというふうに思います。  一方で、支払い率の向上についてですが、視聴者の皆さんに広く御負担いただく受信料制度において、公平負担の徹底というのはNHKの重要な責務だというふうに認識をしています。  沖縄県においても、他の都道府県と同様に、法人委託の拡大による契約収納体制の整備、それから、訪問によらない契約収納手法の実施とか、放送とかイベントを通じた理解促進活動に取り組んでいます。  こうした取組により、沖縄県の推計世帯支払い率は、一番最初に公表を始めた二〇一一年度末は四一・四%ということでしたが、二〇一八年度末は五一%まで向上し、初めて五〇%を超えたという現状になっています。  今後も、効率的な契約収納活動を推進するとともに、地域放送サービスの充実を一層図るとともに、全局体制受信料制度の理解促進に取り組み、支払い率を上げていきたいというふうに考えております。
  36. 古賀篤

    ○古賀委員 今の沖縄問題について、大臣からも何かありましたら、簡単で結構ですので、御答弁ください。
  37. 高市早苗

    高市国務大臣 このNHK受信料の月額は、放送法第七十条第四項に基づいて、国会NHK予算承認することで定めるということとされており、沖縄地域のものも含めて、NHK受信料の水準をまずはNHKが検討されるべきものだと思います。  ただし、沖縄における受信料の支払い率が低くなっているということについては、これは、やはり受信料の公平負担の徹底ということで、NHKにおかれて、未契約者及び未払い者対策を着実に実施していただきたいと思います。  戦後、先行した民間放送を通じてNHKの番組を無料で視聴できていた、そういう原因もあるとは思うんですけれども、やはり今、受信料の徴収率が低過ぎるというのが、沖縄に限らずNHK日本全体についての問題で、全国平均八一・二%と言いますが、お隣の韓国では九九・九%、あと欧州諸国を見ても九〇%を超えておりますので、やはりこれは公平負担ということで御努力をいただきたいと思っております。
  38. 古賀篤

    ○古賀委員 大臣、前回の委員会で、契約収納費の方もしっかり、今一一・一%あるということで、圧縮するという話もありましたので、ぜひそのあたりも取り組んでいただきたいと思います。  最後に、もう時間が来ましたので、きょうは森下経営委員長には御質問できませんでしたが、前田会長森下経営委員長、そして高市大臣、しっかりとタッグを組んでいただきまして、NHK改革を前へ進めていただきますことを心からお願い申し上げまして、質疑を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  39. 大口善徳

    大口委員長 次に、吉川元君。
  40. 吉川元

    ○吉川(元)委員 立国社共同会派、社民党の吉川元です。  最初に、前田会長に尋ねたいと思います。  これはNHKだけではないんですけれども、テレビ放送そのものを取り巻く環境は、非常に今、大きく変化をしております。NHKに関していえば、受信料の値下げ、二年連続の赤字予算、また常時同時配信、さらには世帯数の減少、こうした急激な変化の中での会長就任ということで、大変御苦労されていることだろうというふうに思います。  中でも、これは一昨日の委員会でも指摘されておりましたが、急速に今、動画配信サービスというものが伸びております。  例えば、これはある業者ですけれども、全世界で一億六千七百万人の方が有料会員になっている。アメリカが先行しているんですが、世帯普及率は三五%。この動画配信サービスがないテレビというのは考えられない、そういう状態になっております。  テレビのリモコンに、そのボタンを押すと動画配信サービスの画像が映るというふうになるわけで、これは物すごく大きな違いだと思うんです。コンピューターをつないで、ブラウザーを立ち上げて、クリックして、選んでということではなくて、本当に、テレビを見るかのごとく動画が見られる、これは非常に大きな変化なんだろうというふうに私は思います。アジアでも急速に伸びておりまして、会員二・五倍、日本の会員も昨年三百万人を超えた、こういうふうにも報じられております。  こうした動画配信の会社というのは、過去の映画などの二次配信にとどまらず、独自のドラマやドキュメンタリーづくりにも非常に積極的に取り組んでいるようであります。その制作費が桁違い、まさに桁違いの大きさです。  確かに日本国内では、NHKは民放各社と比べても非常に大きな放送局というふうに言われますが、この動画配信のある会社でいいますと、年間の番組制作費は一・六兆円、一方、NHKは国内放送費三千四百三十七億円、五倍近い差がある。映画からテレビという、かつて時代の変化がありました。もしかすると、今からは、このテレビから動画配信、そういう大きな流れも出てくるのではないか。  そういう中で、NHKとしては、公共放送から公共メディアへというふうに考え方を大きく変えながら、この間経営に取り組まれてきたわけですけれども、こうした動画配信という、今から急激に伸びていくであろう、しかも、予算で比べてもNHKをはるかに凌駕するような、そうしたものが登場してきた中において、今後のNHK公共メディアとしてどうあるべきか、ぜひ会長のお考えをお聞きしたいと思います。
  41. 前田晃伸

    前田参考人 インターネットの急速な普及や携帯端末の浸透などによりまして動画配信サービスへの接触が拡大する一方で、テレビ離れが進むなど、映像コンテンツへの接触が急速に多様化しているのは事実でございます。  こうした中で、NHKは、受信料により、放送を太い幹としつつ、インターネットも積極的に活用して、多様な伝送路で公共性の高い情報や番組などを視聴者皆様に届け、信頼される情報の社会的基盤としての役割を果たしていくことが重要だと考えております。  命と暮らしを守る防災・減災報道を始め、正確、迅速な報道や質の高い多彩な番組、4K、8Kなどの最先端のコンテンツ、ユニバーサルサービス、常時同時・見逃し番組配信サービスNHKプラスなど、NHKならではの価値を放送インターネットを通じてお届けし、視聴者皆様のお役に立つことがNHKが目指す公共メディアだと私は考えております。
  42. 吉川元

    ○吉川(元)委員 会長の経歴を見させていただきますと、かつて日本を代表するメガバンクを率いておられました。バンカーとしても大変すばらしい業績を残された方だというふうに思います。  会長がメガバンクを率いることになった時代というのは、まさに日本の金融というのが、金融ビッグバンに始まり不良債権の処理、そして銀行の再編、淘汰、そういう非常に大きな荒波の中で、日本の金融を、銀行を引っ張ってきた。恐らく金額の規模は、さすがに銀行と比べるとそれこそ桁が二つ三つ違うのかもわかりませんけれども、やはりNHKが果たすべき役割、そしてこの大きな荒波といいますか、巨大な変化の中にあって、NHKが今後どうあるべきなのか、公共メディアはどうあるべきなのかというのは、これは非常に大きな課題だというふうに思っております。  かつて私、四年前に当委員会で、残念ながら、当時、NHK予算に反対をいたしました。その際に、なぜ反対をするのかという反対討論を、今の会派とは違う社民党の会派として討論をさせていただきました。  そのとき私が取り上げたのは、NHKの番組でした。「新・映像の世紀」というものが当時ちょうど、古い「映像の世紀」があって、「新・映像の世紀」というのがNHKで報じられておりまして、その際、たまたま、その討論をする二日ほど前にアラブの春を取り上げておりました。  このアラブの春がどうやって起こったのか。テレビは国営放送でありまして、政権に都合のいいことしか流さない。一方で、ネット、いわゆる個人がいろいろな撮影をしたり動画を撮影したものをネットに上げて、結果としてアラブの春が大きく、中東地域、北アフリカ含めて席巻をしたわけであります。  そのときにNHKに言ったのは、当時は前々会長の時代でありましたから、政権にそんたくをしているのではないか、報道の中立性はどうなのか、本当に自律した報道ができているのか、こうした指摘が各方面から行われて、その中で、NHKとして果たす役割というのはどちらなんだ、自分たちが調べて真実だと思った、その事実をきちんと国民に伝えて国民の知る権利に奉仕するのか、それとも、政権の意向、権力者の意向、力の強い者に対する、その意向をそんたくをする、そういう公共放送公共メディアとしてこれから生きていくのか、その岐路に立たされていると。  そういう意味でいいますと、まさに今、今度は別な形で、インターネット通信とのさまざまな競合、あるいは、その中でのNHKあり方が問われる。そういう中で、ぜひ前田会長には、そのことも十分御理解いただいていると思いますので、NHKをしっかり引っ張っていただきたいというふうに思います。  後ほどまた少し、時間があればネットの問題についてはお話しさせていただきたいと思いますが、残念ながら、前々回の委員会に引き続いて、かんぽの問題について何点かお聞きしたいというふうに思っております。  経営委員会による上田前会長への厳重注意、この問題であります。  先般の、一昨日行われた当委員会においても、十月二十三日の経営委員会の議論について、補足の資料、これが紹介をされておりました。  奇異に感じることが一つあります。何が奇異に感じるかというと、この中には非常に重要な事実が抜け落ちているということであります。それは、チーフプロデューサーの発言後、郵政側から書面が八月二日付で送られました。それに対してNHKは、八月三日に、番組を所管する大型企画開発センター長、つまり、番組制作に会長は関与しないというふうに発言したチーフプロデューサーの恐らく上司だろうというふうに思いますが、この方が日本郵政の広報部長に対して、番組制作、編集の最終責任者は会長であること、個別の番組はその権限を分掌している番組責任者が編集にかかわること、これを説明をし、そして、チーフプロデューサーの説明が言葉足らずであったということについても連絡をし、そして理解をいただいたというふうになっております。これ、きちんと説明をしているわけです。  その後、実際に、これは八月三日で、その後に森下当時の経営委員長代行のところに日本郵政の上級副社長が来たのは九月二十五日でありますから、約二カ月の間、郵政側からは何の指摘もなかった。  この事実が、なぜこの経緯について欠落をしているのか。そもそも、十月二十三日の経営委員会でこの点については議論がなかったのか。この点、経営委員長、いかがですか。
  43. 森下俊三

    森下参考人 お答えいたします。  郵政三社からの申入れに関する経営委員会での対応の経緯(案)につきましては、経営委員会説明責任の観点から、二〇一八年十月二十三日の経営委員会について、前会長への注意に至った議事の経過を補足する資料の公表を検討することとしましたので、素案として作成したものでございます。経営委員会の対応の経緯についてまとめたものでありますので、大型企画開発センター長による郵政側への説明については記載しておりません。  なお、大型企画開発センター長による郵政側への説明については、関係者のヒアリングの結果、経営委員会として確認をしております。  以上です。
  44. 吉川元

    ○吉川(元)委員 それは、関係者へのヒアリングということは、つまり、監査委員会の報告の中でそれが指摘をされていたということでよろしいですか。
  45. 森下俊三

    森下参考人 はい、監査委員会の報告ということで結構です。
  46. 吉川元

    ○吉川(元)委員 だとしますと、監査委員会が報告した、瑕疵がなかった、まさに私、瑕疵はないと思いますよ。  例えば、言葉足らず、説明不足、誤解を生じたとしたら、普通、どこでもそうだと思いますけれども、その直属の上司が説明に行って、これこれこういうことで説明が不足をして誤解を与えてしまいましたということについて説明すれば、それで全て終わるんじゃないんですか。なぜそれが終わらないのか、私は非常に不思議でならないわけです。先日いただいた、対応の経緯についてということについても、この中にもそのことは書かれていないんですよ。  盛んに経営委員長は、経緯を把握するために、動画の問題、取材方法の問題について把握をするために、指示をするためじゃなくて、あくまで事態把握を、事実認識をするために議論したというのであれば、まさにこの大型企画センター長が説明に行ったことというのは、ガバナンスにおいて非常に重要なポイントだと思うんですけれども、なぜこの点を、今回のこの部分もそうでありますし、議事録等々あるいは議事要旨等々の中に入っていないのか。この点はいかがですか。
  47. 森下俊三

    森下参考人 お答えいたします。  十月五日付の郵政三社からの書状には、八月二日、当グループは上田会長宛ての文書を送付し、NHK全体についての最終責任者である会長NHKガバナンス体制についての認識について当グループ宛てに御教示いただくようお願いしたところですが、いまだに返答が得られていないと書かれておりました。このために、経営委員会として対応する必要があるかどうかということを検討したのでございます。  以上です。
  48. 吉川元

    ○吉川(元)委員 いや、返答しているじゃないですか、センター長はきちんと。対応されているんですよ。だから監査委員会は、危機管理対応上瑕疵はなかったというふうに言っているわけです。もちろん、会長宛ての手紙というのはいっぱい来るというのは、これは当然だと思います。恐らく今もそうだと思います。それを一つ一つ会長名で返事をしなければならないとなったら、会長の仕事なんかできないですよ。  もちろん、誤解があったり、相手側の全くの誤解によって来る文書もありますし、あるいはNHK側の対応に多少問題があったものもあるでしょう。その場合には、普通、さっき言ったように、上司なりが説明する、それで普通は事足りるんですよ。これが非常に私は理解できないということであります。  それで、この間、経営委員長は、今回の、十月二十三日の経営委員会については自由な意見交換であって、指示しなければ放送法違反ではない、感想なら問題ないというようなことを盛んに何度も答弁をされておりますが、放送法のどこにそんな規定がありますか。  どういう場合に、逆に言うと、違反になるというように考えていらっしゃいますか。
  49. 森下俊三

    森下参考人 お答えいたします。  放送法第三十二条では、経営委員は、別段の定めがある場合を除き、個別の放送番組の編集その他の協会の業務を執行することができないこと及び個別の放送番組の編集には干渉してはいけないことが規定されているものと理解しております。  二〇一八年十月二十三日の経営委員会では、郵政三社からの書状には、NHKが公式ツイッターで掲載した動画では、何ら具体的な事実の摘示がなく、あたかも両社が詐欺、押し売りなどの犯罪的営業を組織ぐるみでやっているかのような印象を与えるものであると記載されております。この経緯や状況について確認するために、会長にも出席していただき、意見交換を行いました。  そういったことで、NHKの公式ツイッターの動画及び四月の番組に関する意見や感想も出たことで、経営委員が番組編集に介入したのではないかという疑念を持たれてしまったことについては大変申しわけございませんでした。  しかし、放送法第三十二条の規定のとおり、経営委員会が個別の放送番組の編集に関与できないことは十分認識しており、今後の番組の具体的な制作手法などについて指示したというような事実はございません。  以上、お答えいたしました。
  50. 吉川元

    ○吉川(元)委員 私が聞いているのは、自由闊達な意見交換をするために非公表としていい、一体どこからそんな理屈が出てくるのかと聞いているんです。  もちろん、例えば経営上、数字の話でありますとか個人情報にかかわる話、こうした点については非公表とするということは納得できますけれども、自由な意見交換をするたびに非公表、こんなもの、どこからそういう考え方が出てくるのかと聞いているんですよ、放送法の。  この点、どうですか。端的に答えてください。
  51. 森下俊三

    森下参考人 お答えいたします。  非公表を前提とした経営委員会での議論につきましては、後日公表することとなりますと、今後の自由な意見交換や多様な意見の表明を妨げるおそれなど、経営委員会の運営に支障を来すことが考えられますので、引き続き非公表とさせていただきたいと考えておりますが、もちろん、経営委員会の議事録は公表が原則でありますが、人事や個人のプライバシーに関する事案など、あるいは自由な意見交換をすることが必要な議題など、非公表とすることがふさわしい案件もございます。  経営委員会として説明責任を果たし、視聴者国民皆様の御理解をいただけるよう、経営委員会の透明性を高めるためには、今後更に具体的な対応を進めて検討してまいりたいと思います。  よろしくお願いします。
  52. 吉川元

    ○吉川(元)委員 自由な意見交換をするために非公表とすると。その中でやられていることが、放送法に抵触するような話を自由にやられちゃ困るんですよ。  経営委員会というのは、放送法の中にもありますように、公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する人たちの集まりであるはずであります。そしてもちろん、放送法にも通じていなければなりませんし、そういった点では、そうした人たちの集まりのはずなんです、経営委員会というのは。そこが、自由な、何でも言っていいよ、放送法違反を疑われるようなことを言ってもいいよ、自由にやりましょう、これでは経営委員会責任が果たせないんじゃないんですか。  今、少しおっしゃられましたけれども、今後もこういうことは続けられるおつもりなんですか。
  53. 森下俊三

    森下参考人 お答えいたします。  先ほど御説明いたしましたが、私どもとしては、説明責任を果たせるよう、更に透明性を高めるための検討を進めてまいりたいというふうに思っております。  よろしくお願いします。
  54. 吉川元

    ○吉川(元)委員 いや、私が聞いているのは、自由な意見交換をするために今後も非公表の経営委員会を続けるのかということなんですよ。  先ほど言いましたとおり、プライバシーとか人事とか、もちろんそれは伏せなきゃいけないものがあるというのは理解しますけれども、自由に物を言えるようにするために非公表にしましょうというようなことを今後も続けるおつもりなんですかと聞いているんです。  ちょっと時間がないので、先ほど、センター長の話、これは監査委員会の報告の中に含まれていたということでありますけれども、全文明らかになっておりませんので、これを当委員会に報告を出していただけないでしょうか。  これは監査委員会、まず監査委員の方から順にお聞きします。
  55. 高橋正美

    ○高橋参考人 お答えいたします。  今回の件に関しましては、監査委員会の監査結果につきまして、二〇一八年十月二十三日の経営委員会に既に報告しております。  その内容を含む当日の経営委員会の議事内容について公表するかどうかについて、監査委員としてお答えする立場にはないと考えております。
  56. 吉川元

    ○吉川(元)委員 だとすれば、経営委員会ですね。  経営委員長、監査委員会の報告、明らかにしてもらえますか。
  57. 森下俊三

    森下参考人 お答えいたします。  監査委員会は、主体的に、自主的に、責任を持って行っておりますので、監査委員会の判断に委ねております。
  58. 吉川元

    ○吉川(元)委員 ちょっと今、おかしいでしょう、今の。ちょっととめてもらえますか。
  59. 森下俊三

    森下参考人 失礼いたしました。お答えいたします。  郵政三社からの経営委員会宛ての書状におきまして協会のガバナンス欠如の指摘がなされたことについて監査委員会で調査した結果、本件の情報会長までいち早く報告されており、組織対応がなされているということから、協会の対応について組織の危機管理上の瑕疵があったとは認められないと判断したということでございまして、そういう報告を受けております。(吉川(元)委員「速記とめてください」と呼ぶ)
  60. 大口善徳

    大口委員長 じゃ、ちょっと整理してください。  とめてください。     〔速記中止〕
  61. 大口善徳

    大口委員長 速記を起こしてください。  高橋監査委員会委員
  62. 高橋正美

    ○高橋参考人 監査委員会の内容につきましては、過去、公表しているものというのは基本的にないわけでございまして、この件について、監査委員会としては、ちょっとお出しするという判断はできない。  一方、経営委員会で私どもが公表したものについては、これは経営委員会の内容ということになりますので、今ちょっと、委員長の方からお話は聞いておりますけれども、経営委員会としてもその中身については出せない、こういう内容でございます。
  63. 吉川元

    ○吉川(元)委員 いやいや、私が聞いているのは、経営委員長、だから、経営委員会として、どのような監査報告があったのか、そのことについて出してくださいと言っているんです。
  64. 森下俊三

    森下参考人 失礼しました。  監査委員会から報告がありましたのは、先ほど御説明しただけでありまして、口頭で報告を受けた、その内容が全てでございます。  以上です。
  65. 吉川元

    ○吉川(元)委員 いやいや、センター長が云々という話は知りませんよ、私。先ほど、監査委員会の報告の中にあったというお話でしたから、それも含めて、何が報告されたのかを出してくださいと言っているんです。  もう時間がないので、これはぜひこの委員会に出していただけるよう、理事会での御協議をお願いします。
  66. 大口善徳

    大口委員長 理事会で協議いたします。
  67. 吉川元

    ○吉川(元)委員 それで、もう一点、これは総務省とそれから監査委員にお伺いします。  放送法の四十三条に、役員の職務の執行を監督することが監査委員会はできるというふうになっております。この役員には経営委員も含まれますか、総務省。
  68. 吉田眞人

    吉田政府参考人 お答えいたします。  放送法四十九条並びに四十三条の規定によりまして、四十三条の役員には経営委員が含まれるというふうに解しております。
  69. 吉川元

    ○吉川(元)委員 監査委員に尋ねます。  だとすれば、今回の件、放送法に違反した、三条に違反した可能性があるという疑いを持たれている以上、これは監査委員会として、経営委員会あり方について監査をすべきだと考えますが、この点、どのようにお考えですか。
  70. 大口善徳

    大口委員長 高橋監査委員会委員、簡潔に答えてください。時間が来ています。
  71. 高橋正美

    ○高橋参考人 今回の件につきましては、経営委員会からの情報提供を受けまして、監査委員会として自律的に監査を行いまして、組織の危機管理上の瑕疵があったとは認められないとの判断に至りまして、二〇一八年十月二十三日の経営委員会に報告いたしております。経営委員会においては、その報告を聞いた上で議論がなされたものというふうに理解しております。  ということですので、経営委員会での議論については、監査委員としてお答えすることはちょっと控えさせていただきたいというふうに考えております。
  72. 吉川元

    ○吉川(元)委員 監査委員として、じゃ、やるつもりはないということでよろしいんですね。
  73. 大口善徳

    大口委員長 簡潔に。もう時間が来ていますので。
  74. 高橋正美

    ○高橋参考人 放送法第三十二条の規定のとおり、経営委員会が番組の編集に関与できないことは十分認識しております。  今回の件は、番組の編集について干渉したものではないというふうに認識しております。
  75. 吉川元

    ○吉川(元)委員 それを調べるのが監査委員の仕事じゃないんですか。それこそ経営委員会にそんたくをされているとしか思えませんし、この点については、監査委員あり方についても制度上問題があるというふうに感じざるを得ません。  またこの点については、別の機会に質問したいと思います。  以上で終わります。
  76. 大口善徳

    大口委員長 次に、本村伸子君。
  77. 本村伸子

    ○本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。  どうぞよろしくお願いを申し上げます。  受信料で成り立っているNHKへの信頼というかなめが揺らぐ問題が起きております。NHK経営委員会が、かんぽ生命の不正販売にかかわって、日本郵政グループの不当な干渉を許したのではないか、手をかしたのではないか、経営委員会日本郵政グループ側に立ってNHK会長厳重注意する、番組への圧力をかけるような決定をした疑惑でございます。  NHK「クローズアップ現代+」で、二〇一八年四月に、かんぽ不正の問題を告発した放送がありました。続編をつくり、放映しようとしたときに、日本郵政グループからSNSの動画の削除などの圧力の問題が発生をいたしました。  当時、森下経営委員長は、NHK経営委員長代行をされ、前から知り合いだった日本郵政の鈴木上級副社長と面会をし、そして仲介役となるような働きをしていたと見られております。  まず、森下経営委員長にお伺いをいたします。  経営委員会NHK会長厳重注意した議事の内容を秘密にしていた方がよかったと今でも考えているんでしょうか。
  78. 森下俊三

    森下参考人 お答えいたします。  郵政三社からの申入れ及び会長への注意に関する経営委員会でのやりとりにつきましては、外部からいただく手紙やそれに関する対応として慎重に対応する必要があることと、自由な意見交換と多様な意見の表明を妨げるおそれが考えられることなどから、議事録を非公表といたしました。  当時の公表を前提として行った意見交換に関する議事録を公表することとなりますと、今後の自由な意見交換や多様な意見の表明を妨げるおそれなど、経営委員会の運営に支障を来すことが考えられますので、経営委員会の総意として、引き続き議事録は非公表とすることを確認しております。  以上、お答えいたしました。
  79. 本村伸子

    ○本村委員 この前の総務委員会では、経営委員長は、会長へ注意したことは議事録で公開すべきだったと反省しているというふうに述べておられましたけれども、そういう言葉は今ございませんでした。  日本郵政グループは、「クローズアップ現代+」で、かんぽ生命保険の不正販売を行ったと報じられた大企業でございます。後から、二〇一九年九月三十日の日本郵政株式会社の会見で、日本郵政社長は、今となっては、番組で訴求された点をしっかりと心にとめ、日本郵政グループ全体できちんと対応しなければならなかったと痛感した次第ですと述べておられます。深い反省をしなければならない企業でございます。  不正販売を行ってきた企業から届いた書簡を視聴者の声として経営委員会で取り上げること自体が問題があるとお考えにならないのでしょうか。経営委員長
  80. 森下俊三

    森下参考人 お答えいたします。  放送法第二十七条には、「協会は、その業務に関して申出のあつた苦情その他の意見については、適切かつ迅速にこれを処理しなければならない。」と定めております。  視聴者皆様からの御意見や御指摘に真摯に向き合うことは視聴者対応の基本でありまして、二カ月近く回答していないという協会側の業務執行が視聴者目線に立っていないと考えたものでございます。  以上、お答えしました。
  81. 本村伸子

    ○本村委員 じゃ、今の、詐欺的なことをやっている企業が放送に圧力をかけ、経営委員会に書状を送る、それを視聴者の声として経営委員会はいつでも取り上げるんですか。
  82. 森下俊三

    森下参考人 お答えいたします。  経営委員会に対する視聴者皆様からの御意見につきましては、ふれあいセンター等にメールや電話で寄せられるものと経営委員会に直接寄せられるものがございます。寄せられた御意見は、全て経営委員の間で情報共有し、対応しております。  また、放送法の定めに基づき、全国各地で毎年六回以上、視聴者のみなさまと語る会を開催し、寄せられた御意見については、執行部とも共有し、経営委員会の活動に反映させるように努めております。  さらに、放送法の二〇一九年の改正では、中期経営計画等の議決に当たり、経営委員会として意見募集を行うことが総務省で義務づけられました。  経営委員会として、視聴者国民皆様の御意見を広く求め、経営委員会の活動に反映させていきたいと考えております。
  83. 本村伸子

    ○本村委員 経営委員長の見識が問われているというふうに思います。  この一連の問題は、そもそも毎日新聞が二〇一九年九月二十六日にスクープしなければ明らかにならなかった問題です。経営委員会は、放送法で原則議事録を公開しなければいけないのに、一切事実を明らかにしようとしませんでした。何が議論されたか、そのことさえ一切秘密であった、あったことを全く知らせないという状況で、本当に重大な問題だというふうに認識をしております。  報道があり、そして国会で野党合同ヒアリング、そして国会質問総務委員会理事会、理事懇でのやりとり、そしてその後の資料提出の中でいろいろとわかってまいりました。  その一つが、かんぽ不正販売の問題を報じた「クローズアップ現代+」は、最初の放送、二〇一八年四月の後、二〇一八年八月に放送しようとしていたけれども、ずっとおくれて、二〇一九年七月に放送された、続編を放送するのに異常に長い空白期間があったということ。それで、この空白期間、続編が放送される前に、日本郵政が持っているかんぽ生命の株、二〇一九年四月に売って、四千百七十億円という売却総額を日本郵政が手にしております。今はその株価は下落をしているわけでございます。  わかったことの二つ目ですけれども、この背景には、日本郵政グループが不正販売報道にかかわってNHKに対して圧力をかけていたということ。  三つ目、経営委員会の議事録は原則公開が放送法四十一条の規定にあるのに、非公開になったということ。  そして四つ目、経営委員会が、かんぽ不正を報道した番組に関連してNHK会長厳重注意をしたということ。  五つ目、一番最初のスクープの後、昨年秋に野党は合同ヒアリングを重ねてまいりました。当時、経営委員長代行であった森下経営委員長は、厳重注意をした経営委員会放送の中身は話していないというふうに私たちに言っておりました。しかし、実際には、出てきた資料でも明らかですけれども、経営委員会で、放送の中身、取材方法まで話して、批判もしていたということが、つい最近、お認めになった資料が出てきたわけでございます。  そして六つ目、国会を欺く、国会議員を欺くような回答をしてきたということでございます。  一体誰のために森下さんや経営委員会は働いていたのかということが問われております。当時の一連の森下さんの動きは、日本郵政側に立っていたと言われても仕方がない実態だったのではないかというふうに思います。  そもそもなぜ議事録を非公開にしようという決定になったのか、誰が言い出して、どういう議論があったのか、そのことを経営委員長、お示しをいただきたいと思います。
  84. 森下俊三

    森下参考人 お答えいたします。  郵政三社からの申入れ及び会長への注意に関する経営委員会でのやりとりにつきましては、外部からいただく手紙やそれに関する対応として慎重に対応する必要があることと、自由な意見交換と多様な意見の表明を妨げるおそれが考えられることなどから、非公表を前提に意見交換をいたしました。その決定につきましては、経営委員会の議事進行を行う前委員長が行いました。  以上です。
  85. 本村伸子

    ○本村委員 石原経営委員長が非公表にしようというふうに言い出したわけですね。
  86. 森下俊三

    森下参考人 議長をしておりました委員長が決めました。
  87. 本村伸子

    ○本村委員 二〇二〇年の、ことしの三月二日の毎日新聞、再度のスクープがございました。二〇一八年十月二十三日の、当時の上田NHK会長厳重注意したNHKの経営委員会で、NHK経営委員長代行であった森下さんが、番組のつくり方に問題があったと発言をしていたことが報じられました。この報道を受けて、改めて野党の皆さんが国会質問をして、そして議事録の公開を求めました。これを受けて、やっとついこの間、先ほども申し上げました、資料の二で出させていただいております、三月十二日に「郵政三社からの申し入れに関する経営委員会での対応の経緯について(案)」が経営委員会から国会議員に提出をされました。誰が発言をしたのかということは書いてありません。  この中身なんですけれども、前回も質問がありましたけれども、オープンジャーナリズムというが、インターネット情報は偏っているので、つくり方に問題があるのではないかというふうに書かれております。この発言は森下さんの発言ですね。
  88. 森下俊三

    森下参考人 お答えいたします。  非公表を前提とした意見交換でございますので、誰が何を発言したのか、具体的なやりとりを公表することは差し控えさせていただきます。
  89. 本村伸子

    ○本村委員 法令違反もあったかんぽ生命の不正販売にかかわる問題を報道した、その報道の自由が脅かされる、そういう重大な事態でございます。  自由な意見交換ということをずっと答弁されておりますけれども、しかし、NHK会長への厳重注意という重大な決定をしている、その議論の経過を明らかにするのは当たり前だというふうに思います。自由な意見交換ということで秘密にすることが正当化できる話ではないんです。少なくとも、森下経営委員長が当時経営委員会で何を発言したのか明らかにすることは当然だというふうに思います。  森下さんが発言をしたのか、イエスかノーかということでお答えをいただきたいというふうに思います。NHKへの信頼にかかわる問題です。ぜひ、正直に真実を語っていただきたいと思います。
  90. 森下俊三

    森下参考人 お答えいたします。  従来から、非公表を前提とした意見交換での個別の発言につきましては、自由な意見交換に支障が出るので公表はしないことを経営委員会で申し合わせておりますので、先ほどお答えさせていただきましたように、具体的なやりとりを公表することは差し控えさせていただきます。
  91. 本村伸子

    ○本村委員 国会でも議事録は公開をされております。しかし、自由な議論をしていこうということでやっているわけでございます。議事録を公開したから自由な議論ができないというのは全くおかしい話だというふうに思います。  よく、森下さんは、経緯を確認するために番組について議論したということを答弁されておりますけれども、先ほど森下さんが発言したのではないかというふうに申し上げました、つくり方に問題があるのではないかというこの発言は、経緯を議論したというものではなく、評価ではないですか。
  92. 森下俊三

    森下参考人 お答えいたします。  二〇一八年十月の経営委員会では、ガバナンスの議論の前提といたしまして、郵政三社からの書状に記載されている経緯、文書には公式ツイッターの動画が書かれておりますが、それにあわせて十月の番組、それから公式ツイッターの動画について意見交換や感想を述べ合ったものでございます。  ただ、放送法三十二条の規定のとおり、経営委員会は個別の番組の編集に関与できないことは十分認識しておりますが、その意見交換の中で四月の番組、公式ツイッターの動画についていろいろ出た意見に対しまして、経営委員が番組編集に介入したのではないかと疑念を持たれてしまったことにつきましては反省しております。
  93. 本村伸子

    ○本村委員 私が聞きましたのは、つくり方に問題があるのではないかという発言は、経緯の確認ではなく評価ですねということを確認させていただきたいと思います。
  94. 森下俊三

    森下参考人 お答えいたします。  先ほど私が十月の番組と言ったようでありますが、これは四月の番組の間違いでありますので、訂正させていただきます。  それから、先ほどの件でありますが、あくまでも私どもは意見交換、感想を述べ合ったものでございます。
  95. 本村伸子

    ○本村委員 それは評価ですね。感想と言葉をかえておりますけれども、番組への、あるいは番組のつくり方に対する評価ですね、番組のつくり方に問題があったというのは。
  96. 森下俊三

    森下参考人 お答えいたします。  これは、何度も申し上げていますが、公式ツイッターなどについての意見や感想を述べ合ったということでございます。
  97. 本村伸子

    ○本村委員 言葉をすりかえて言っているだけなんです。実質、評価をしているわけでございます。その場しのぎのごまかしの答弁はやめていただきたいというふうに思います。  森下経営委員長が、そうやって、事実を事実として認めず、言葉を言いかえてごまかしている。情報公開もしない。NHK信頼という最も大切な土台を掘り崩しているんです。受信料を払って、そして公共放送を支えていこうという信頼の土台を、そういう御答弁が掘り崩している。NHKのブランドを傷つけているということだと思います。  報道では、森下さんが経営委員会の中で、ネットをうのみにし、現場を取材していない、番組のつくり方に問題があると執行部は考えるべきだと発言したというふうに報道をされております。これが事実であるのであれば、現場を取材していないなどと、事実に基づかない、いいかげんな発言もしていたということになってまいります。  NHKの経営委員会委員長というのは、放送法への深い理解や事実に基づいた見識が必要だというふうに思います。何度も指摘をされておりますけれども、放送法第三条では、放送番組は、何人からも干渉され、又は規律されることがない、放送法第三十二条は、経営委員は、個別の放送番組の編集について、第三条の規定に抵触する行為をしてはならないというふうに書かれております。  今回のケースは、まさに法律に反するようなことをやっていた疑惑でございます。森下経営委員長が、代行だった時代に、不正販売を行っていた日本郵政グループの鈴木上級副社長と面談をし、そして郵政三社から経営委員会に書状が届き、経営委員会で番組の内容、つくり方にまで言及をしていた。そして、NHK会長への厳重注意を議事録を非公開にして行っていた。  これが重大な問題であるという認識は、森下経営委員長にはないんでしょうか。
  98. 森下俊三

    森下参考人 お答えいたします。  繰り返しになりますが、郵政三社からの申入れに関するやりとりについては、あくまでも非公表を前提とした意見交換の場で行いましたが、経営委員会会長に注意を申し入れたことの重要性や経営委員会の透明性という観点から考えれば、会長へ注意したことは議事録に公表すべきだったと反省しております。  このため、昨年の十月に議事経過を公表し、更に今回、議事経過を補足する資料を作成いたしました。  以上です。
  99. 本村伸子

    ○本村委員 その言葉が本当なのかということも引き続き議論をしていきたいというふうに思いますけれども、二〇二〇年の、ことしの三月十七日の総務委員会で、議事録の公開、非公開とあらかじめ決めて議事に入るというふうに答弁をされました。この規定は内規にはありません。いつ、誰の権限で決められたんでしょうか。
  100. 森下俊三

    森下参考人 非公表につきましては、先ほど、内規に定められております、自由な意見交換、あるいはプライバシー、人権等、それから議事、検討又は協議に関する情報であって、公表することによってその審議、検討又は協議が円滑に行われることを阻害するおそれがあるもの、こういったものを非公表にすることを内規で規定しておりまして、それは、そのときの委員長が決めて実行しております。
  101. 本村伸子

    ○本村委員 議事録の公開、非公開とあらかじめ決めて議事に入る、このことを、いつ、誰の権限で決めたのかということでございます。
  102. 大口善徳

    大口委員長 森下経営委員会委員長、的確に答弁してください。
  103. 森下俊三

    森下参考人 はい。お答えいたします。  放送法三十条の規定のとおり、経営委員長は経営委員会の会務を総理することと定められております。経営委員会の運営や議事の扱いを含め、経営委員長が議事進行を行って決めております。
  104. 本村伸子

    ○本村委員 第三者の個人のプライバシーに関する事案については、通常の情報公開のように黒塗りにするなどの措置はあるかもしれません。しかし、議事録を一切公開しない、何を議論したかということさえわからないようなやり方は絶対にだめだというふうに思います。  森下経営委員長は、ことし、二〇二〇年三月十七日の総務委員会で、先ほどもありましたけれども、注意を申し入れたことの重要性や経営委員会の透明性という観点から考えれば、会長へ注意したことは議事録で公開すべきだったと反省しているというふうに答弁をされております。  こういうふうに言うのであれば、議事録を公開するべきだと思いますけれども、改めて御答弁を求めたいと思います。
  105. 森下俊三

    森下参考人 お答えいたします。  郵政三社からの申入れに関するやりとりにつきましては、あくまでも非公表を前提とした意見交換の場で行いましたが、経営委員会会長に注意を申し入れたことの重要性や経営委員会の透明性という観点から考えれば、会長に注意したことは議事録で公表すべきだったと反省している、これは先ほど述べたとおりであります。それで、昨年十月に議事を公表いたしました。  ただし、当時の非公表を前提として行った意見交換に関する議事録を公表することになりますと、今後の自由な意見交換や多様な意見の表明を妨げるおそれなど、経営委員会の運営に支障を来すことが考えられますので、経営委員会の総意として、引き続き議事録は非公表とすることを確認をいたしました。それで、今回、議事経過を補足する資料を作成して、出させていただいたのであります。  以上です。
  106. 本村伸子

    ○本村委員 委員長に申し上げたいというふうに思います。  放送法違反にかかわる議事録でございます。委員会への議事録の提出を求めたいと思います。
  107. 大口善徳

    大口委員長 理事会で協議をいたします。
  108. 本村伸子

    ○本村委員 かんぽ生命の不正販売が明らかになった今、日本郵政に配慮しなければならない理由はないというふうに思います。議事録を一刻も早く公開をするべきだというふうに思います。  言葉だけの反省になっているんですね。実質的に議事録は公開をされておりません。どのくらいの議論がされたのかということも含めて、しっかりと公開をするべきだというふうに思います。  もう一つお伺いをいたします。  二〇一九年秋ごろの野党合同ヒアリングでは、資料に出させていただきました一番の資料、二〇一八年十月二十三日の経営委員会の議事経過のことが載った資料でございますけれども、これは野党ヒアリングに出されたものでございます。ここでは、番組のことを話したということは一切書いていない資料です。そして、ずっと隠してこられました。それで、三月二日に報道でスクープがあって、そして、三月十二日に、やっと、ついこの間、七日前ですね、一部を出してこられたというのが資料の二でございます。  放送内容や番組のつくり方を批判していた部分をこれまで隠していたのはなぜですか。森下さんは、番組について話していないと、ずっと野党合同ヒアリングでも話しておられました。番組のことを話していたことが明らかになるのを恐れて、資料を出さずに隠していたんじゃないですか。
  109. 森下俊三

    森下参考人 お答えいたします。  番組の編集の自由を損なうような話はしていないという趣旨でお話をいたしました。説明不足だった点についてはおわびをいたします。  それから、郵政三社からの申入れに至る経緯を確認する中で、四月の番組や公式ツイッターの動画に関する意見や感想も出ましたが、議論の本質はガバナンスに関する議論でしたので、過去の番組については十月の資料には記載しておりませんでした。  以上です。
  110. 本村伸子

    ○本村委員 番組に介入していたんじゃないか、干渉していたんじゃないかということを追及されて、いやいや、番組のことは話していませんということを言っていたわけで、説明不足だったと。私たちは、真実を語っていただけなかったというふうに認識をしております。  本論はガバナンスだったというふうにおっしゃっておりますけれども、もともと、そうやって最初から説明すればよかったんじゃないですか。何で隠していたのか、何で話していないとうそをついたのか、なぜ資料も出さなかったのか、ずっと隠していたのか。隠さなければいけないという事実があったと疑うのは当然だというふうに思います。  経営委員会が番組の評価なども行って、放送法に違反するような議論をしていた、そのことが明らかになるのが不都合だったんじゃないですか。
  111. 森下俊三

    森下参考人 お答えいたします。  先ほど御回答いたしましたように、郵政三社からの申入れ及び会長への注意に関する経営委員会でのやりとりにつきましては、外部からいただく手紙やそれに関する対応として慎重に対応する必要があることと、自由な意見交換と多様な意見の表明を妨げるおそれがあるということから、議事録を非公表としておったものでございます。  以上、お答えいたしました。
  112. 本村伸子

    ○本村委員 やはり、話していないとうそを言い、資料も出さない、隠し続けてきたというのは本当に大問題だというふうに思います。  本論はガバナンスだったというのであれば、議事録を出して証拠を示していただきたいと思います。
  113. 森下俊三

    森下参考人 お答えいたします。  繰り返しになりますが、基本的には、外部からのいただく手紙等、慎重に対応するということで、非公表を前提とした議論でございますので、議事録の公表については控えさせていただきますということを経営委員会の総意として決めております。  なお、今回、全体の経緯がわかる資料をお出しいたしましたので、それで全体としては理解していただけるものだと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。
  114. 本村伸子

    ○本村委員 全体がわからないからこそ求めているんです。議事録も公開できないようなNHK会長への厳重注意に正当性はないと考えます。  二〇一八年十月二十三日に行われたNHK会長への厳重注意は白紙撤回するべきだと思いますけれども、経営委員長、お答えいただきたいと思います。
  115. 森下俊三

    森下参考人 お答えいたします。  番組制作と経営は分離しているため、番組制作について会長は関与しないというチーフプロデューサーの説明は、編集権についての考え方が組織にきちんと共有されていないという、見逃してはいけないガバナンス上の問題が含まれていると考えました。  また、郵政三社からの書状は、二〇一八年八月に会長宛てに質問の文書を送ったのに、二カ月近くたっても回答がなかったために経営委員会に文書を出したとの趣旨でございましたので、協会側の業務執行が視聴者目線に立っていないと考えました。  以上の観点から、経営委員会として会長に注意を申し入れました。
  116. 本村伸子

    ○本村委員 問題にしておりますのは、経営委員会の隠蔽体質でございます。森下経営委員長辞任を求める声が、市民の皆様、市民団体の皆様からもう既に出ております。重く受けとめるべきだというふうに思います。  時間がありませんので、次に質問を移らせていただきますけれども、NHKの内部通報制度、ハラスメントへの対応について伺いたいと思います。  直近五年間、内部通報の件数及びハラスメントの相談件数、お示しをいただきたいと思います。
  117. 黄木紀之

    ○黄木参考人 コンプライアンス通報制度に基づきまして、まず、内部通報の件数ですけれども、NHKと二十五の関連団体を対象として窓口を設けて通報を受け付けておりまして、二〇一五年度二十三件、二〇一六年度二十一件、一七年度三十一件、一八年度四十六件、そして今年度はこれまでに四十五件となっております。  また、ハラスメントの相談につきましては、コンプライアンス通報とは別に、これも同じく、NHKと二十五の関連団体を対象にした専用の窓口などで対応をしておりまして、名前を名乗って相談があり、担当から連絡をした件数は、二〇一五年度が六十二件、二〇一六年度が六十六件、一七年度が五十二件、一八年度が七十四件、そして今年度はこれまで六十八件となっております。
  118. 本村伸子

    ○本村委員 NHKが取り上げましたかんぽ不正の問題では、日本郵政の内部通報制度が形骸化していたということが、問題の発覚、是正が大幅におくれた原因の一つにもなったというふうに指摘をされております。こうした問題はあらゆる組織でも起こり得ることだというふうに思います。  日本郵便の事例では、組織内部でパワハラが横行し、通報が寄せられたにもかかわらず、調査、事実認定といった対応がきちんとされてこなかったという報道がございます。さらに、加害者に情報が漏れ、通報者捜しや報復人事なども行われていたというふうに言われております。  通報しても調査がまともに行われない、あるいは、通報者、被害者が守られない状況では、内部から声を上げることは極めて困難になってまいります。通報制度や相談制度が形骸化すれば、かえって組織の中で問題を隠蔽する機能に変質してしまうというおそれもございます。そうなれば組織の自浄能力が失われてしまいます。  NHKでは、内部通報制度、ハラスメントの相談の対応について、調査結果や是正措置の内容を通報者、相談者に通知をするということや、通報者、相談者への不利益な取扱いの禁止といった取組は徹底されているんでしょうか。
  119. 黄木紀之

    ○黄木参考人 通報者、相談者から名前を名乗って相談、通報があった場合には、通報者に対して担当者から調査結果を通知しております。  通報者が不利益をこうむることがないように、調査に当たりましては、本人や窓口担当者を含めた関係者に守秘義務を課しております。その上で、調査の対象となる関係者に対しましては、通報を理由として不利益な取扱いを行った場合には処分等の対象になることを説明し、通報者捜しの禁止を徹底しております。
  120. 本村伸子

    ○本村委員 組織内の問題を外部が早期に発見するということは大変難しいわけでございます。それだけに、中にいる人がどれだけ声を上げやすい体制を整えているかということが組織の質を左右することだというふうに思います。通報者、相談者を捜すようなことを含めた不利益の取扱いの禁止の徹底や、これは改めて強化をお願いしたいんですけれども、調査が不十分だった場合に中立的な第三者の機関が再度調査を行う仕組みなど、組織がみずからよい方向へ変わっていくためにも、機能を強化することが今非常に重要だというふうに思っております。  視聴者皆様方からの信頼で成り立つ公共放送NHKとしても、今後の取組の強化の決意を会長に伺いたいと思います。
  121. 前田晃伸

    前田参考人 コンプライアンス通報の窓口、ハラスメントの相談窓口ともに、再調査を申し立てることも可能な組織となっております。  いずれにいたしましても、委員指摘のとおり、事実関係をしっかりと把握して、徹底した調査を行い、不正やハラスメントの事案が起こらないように厳正に対処していくことで、ハラスメントのないNHKを実現していきたいと思います。
  122. 本村伸子

    ○本村委員 調査が不十分だった場合の再度の調査、こういう強化もお願いしたいと思いますけれども、改めてお願いしたいと思います。
  123. 前田晃伸

    前田参考人 再調査を行うことができるような仕組みになっております。
  124. 本村伸子

    ○本村委員 ぜひそういった面も強化をしていただきたいというふうに思います。  次に、視覚障害者の方の問題についてお話をさせていただきたいと思います。  愛知視覚障害者協議会の方から御要望をいただきました。視覚障害者もテレビを活用していることを認識してくださいというお声でございます。現在のテレビ番組は私たちにはとても不便です、例えば以下のようなことで困っていますということでいただきました。テロップでしか表示されないので緊急通報の内容がわかりません、音声でも流してくださいという御要望です。  それに対して、NHKの方からは、人命にかかわるニュース速報等が出た場合、生放送中は番組の編集責任者等の判断で速報の読み上げを行っている、収録番組の放送中に人命にかかわる災害等が起きた場合、番組を中断して特設ニュースで伝えている、また、緊急地震速報が出たとき、チャイム音とともに、緊急地震速報ですと音声で知らせることとなっていると回答をいただきました。  しかし、これでは不十分だ、速報や緊急地震速報などが流れれば、その情報は視覚障害者の方にもきちんと伝わることが必要だというふうに思います。不安を皆さん抱えておられますので、ぜひ善処をしていただきたいと思います。
  125. 木田幸紀

    木田参考人 お答えいたします。  人命にかかわるニュース速報等については、今委員の御指摘のとおりであります。  今後も、利用者の御意見などを踏まえながら、視覚に障害のある方に速報の内容が確実に伝わるように努めたいと思います。
  126. 本村伸子

    ○本村委員 ほかにも、外国語の部分は音声で日本語訳で流してください、ドキュメンタリー番組やニュースの内容が理解できず困っています、ニュース番組などでは発言者の名前も音声で流す方法を講じてください、どんな立場の人の意見かがわからないので不便です、また、イベントなどの紹介の際、場所や連絡先についてはごらんのとおりですなどと放送されることがあり困っています、音声で伝えてください、ホームページで確認するようにと放送される場合がふえていますが、ホームページを使えない人がまだまだたくさんいることを考慮してください、視覚障害者にはとても不便です、また、台風情報の予測進路が全く理解できません、もう少し言葉による説明を加えてくださいなどの要望も届いております。  ぜひこの声に応えていただきたいというふうに思いますのと、愛知視覚障害者協議会の方々は、ほかにもたくさんの御要望を持っておられます。懇談の場を設けてほしい、生の声を聞いてほしいというふうなお声も聞いております。  愛知視覚障害者協議会の方々を始め、幅広い団体の方々、当事者の方々との懇談の機会を設けていただきたいと思いますけれども、会長、御答弁をお願いしたいと思います。
  127. 前田晃伸

    前田参考人 NHKでは、子供や高齢者、目や耳に障害のある方など、全ての視聴者が見やすく、聞きやすく、わかりやすく、安心して視聴できる、人にやさしい放送サービスの充実を公共放送使命として捉え、今の三カ年計画でも重点事項の一つに掲げて拡充に努めております。  とりわけ、緊急災害時におきまして、命を守る行動を促す情報などを障害のある方に迅速かつ適切にお届けしていくことは非常に重要な課題だと考えております。  いろいろな方から御要望を聞いて、改善してまいりたいと思います。
  128. 本村伸子

    ○本村委員 ぜひ強く求めておきたいというふうに思います。  次に、新型コロナウイルス感染症の問題についてお伺いをいたします。  年度末は転居も多い時期でございます。NHKの契約取次業務で訪問に従事されている方々がいらっしゃいますけれども、その方々から心配のお声が出ております。  NHKの営業サービス関東支社のある事務所に勤務するパートの従業員の方が感染をされました。同じ事務所の社員とパート従業員の方々、四十人の方が自宅待機をしているということを聞いておりますけれども、そこに、NHKの地域スタッフの方々も同じ空間に居合わせたということでございます。NHKからは、保健所の指導に従っていたということと、あと、事務所に居合わせた方はPCR検査をしていないというふうに伺っております。  取次業務、訪問というのは、高齢者の方々も訪問、面接をするわけでございます。今、熱がないかをチェックしたり、マスクなどをしているということですけれども、それでもNHKの訪問業務で感染をさせてしまう側に回ってしまうのではないかという心配の声がございます。全日本放送受信料労働組合の方も心配をされておりまして、一定期間訪問活動を停止する措置をNHK責任でとられるように緊急に要請も出ております。  訪問活動を休止する場合、休業補償など、NHKがちゃんと補償をしながら、感染拡大を防止する、より安全な対策をとるべきだというふうに思いますけれども、会長、お願いしたいと思います。
  129. 松原洋一

    ○松原参考人 お答えいたします。  感染が判明した従業員の業務というのは、情報処理というデスクワークの業務をしていまして、訪問員と近くで接触する機会はなかったということで、訪問員の中に、保健所からの、濃厚接触者はないというふうになっています。  感染が判明した翌日、三月八日には職場内の消毒を全て終え、濃厚接触者の特定を行いました。保健所の指示により、濃厚接触者とされた方については、自宅で経過観察を二週間実施した上で職場復帰の可否を判断するというふうにしております。  また、全国の訪問要員に対しては、マスクの着用、アルコール消毒等による小まめな手洗い、毎朝体温をはかって、三十七・五度を超える発熱があった場合には休むということ、それから、視聴者と話すときは一定の距離を保ち、必要以上に近づかないというような対策を徹底するように指示をしています。  また、今後については、感染状況とか政府、自治体の対応、あるいは専門家の見解などを踏まえて適切に対応していきたいというふうに思います。
  130. 本村伸子

    ○本村委員 PCR検査で陰性と出ていないのに、大丈夫だということは言えないというふうに思いますので、科学的な根拠に基づいて、感染を拡大することがないよう、万全の措置をNHK責任でとるべきということを強く求めたいというふうに思います。  最後に、インターネット活用業務についてお伺いをしたいんですけれども、二・五%ということで、そういう範囲なんですけれども、二・五%に合わせるために仕分しているのではというふうな思いも抱くわけでございます。オリンピックも別枠になっております。出演者の扱いはどうなっているのか、出演料の扱いはどうなっているのかということも気になってまいります。この予算情報公開を更に徹底していただきたいということを最後にお伺いしたいと思います。
  131. 大口善徳

    大口委員長 前田会長、時間が来ていますので、簡潔に答えてください。
  132. 前田晃伸

    前田参考人 NHKプラスを含めた二〇二〇年度のインターネット活用業務につきましては、オリンピック・パラリンピック東京大会に係る費用を除きまして、受信料収入の二・五%の費用上限におさまるように実施することといたしております。  実施に当たりましては、経費を抑制的に管理するとともに、情報開示をしていきますが、出演者の出演料等につきましては、個々の契約でございますので公表はいたしておりません。  なお、出演料に関しましては、権利者団体や権利者の方々に公共的サービスであることを御理解いただき、経費の抑制に努めております。
  133. 本村伸子

    ○本村委員 かんぽ不正問題での集中審議を求めて、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  134. 大口善徳

    大口委員長 次に、井上一徳君。
  135. 井上一徳

    ○井上(一)委員 きょうは、令和二年度のNHK予算ということで、受信料あり方を中心に議論をさせていただきたいと思います。  もう御承知のとおりですけれども、NHK事業というのは、視聴者の皆さんの貴重な受信料によって成り立っているわけです。ただ、この受信料あり方をめぐってはさまざまな議論がありまして、BSとかCSのようにスクランブルをかけて、見たい人だけが見て、見たくない人はもう受信料を払わなくてもいいのではないか、そういう議論があります。  私自身はスクランブルをかけることについて賛同しているわけではないのですが、国民の、少なからず、多くの方々がこのような意見を持っておられるという事実についてはやはり真摯に受けとめて、真正面から受信料あり方について議論をしていく、こういう姿勢が大事じゃないかというふうに思っています。  私は、NHK改革をもっと徹底的に進めることによって受信料を大幅に下げることができて、それによって、視聴者の方々が公平感それから納得感を持って受信料を支払える、そういう環境づくりができるのではないかというふうに思っておりますので、そういう観点から質問をさせていただきたいと思います。  まず、受信料のというか、NHKの大まかな構造をいいますと、事業収入が約七千二百億円になっているわけです。これは視聴者の方々の貴重な受信料が中心です。それで、受信料については、地上波、これが年間で約一万四千円、地上波にプラスして衛星の設備を持っている人、これが年間で二万四千円、五千円、その程度になっているわけです。本来であれば受信料を支払っていただける方々から、全員から受信料をもらっているわけではなくて、約八割の方々からしか受信料を徴収できていない。そして、徴収するための経費としても約七百八十億円の費用がかかっているということです。  まず、NHK事業規模、この全体をどうしていくのか。それから、八割の方々からしか徴収できていない、この支払い率をどう上げていくのか。それから、それを集めるために必要な、いわゆる営業経費七百八十億円、これをどれぐらい圧縮できるのか。そういったところが論点になってくると思っています。  それで、NHK受信料、いろいろ議論があるわけですが、もう最高裁でも争われたことではありますけれども、この受信料の仕組みについて、視聴者の皆さんにわかりやすく御説明していただきたいと思います。
  136. 松原洋一

    ○松原参考人 お答えいたします。  受信料制度は、放送法第六十四条を根拠として、NHK公共放送としての業務を行うために必要な経費を受信機の設置者に公平に負担していただくという考え方に基づくものであり、これにより、高度な自主性を財源面から保障する制度というふうに承知をしています。二〇一七年十二月の最高裁判決においても公共放送の意義が認められ、受信料制度は合憲であるという判断が示されています。  この受信料制度により、公共の福祉のため、あまねく日本全国において受信できるように豊かでよい放送番組による国内放送を行うことなど、公共放送の役割を果たし、健全な民主主義の発達や文化水準の向上に貢献できるものというふうに考えております。
  137. 井上一徳

    ○井上(一)委員 私の理解では、先ほど御説明がありましたけれども、NHK、これは国民の知る権利を充足し、健全な民主主義に寄与することを究極の目的とするということで、NHKを見ることができる受信設備を持っている人、その人たちみんなで応分の負担をする、まさに特殊な負担金としての性格があるというふうに承知しております。  この最高裁判決が出た後には、これまで受信料を支払ってこなかった人も、受信料を支払う人がふえてきたというふうに聞いておりますが、今の受信料の支払い率、これはどのぐらいになっているんでしょうか。
  138. 松原洋一

    ○松原参考人 お答えいたします。  二〇一八年度末の支払い率は八二%となって、二〇一七年度に比べて二ポイント向上をしています。  なお、二〇二〇年度の予算事業計画においては、八四%を目指して公平負担の徹底に取り組むこととしています。
  139. 井上一徳

    ○井上(一)委員 今ありましたけれども、最高裁判決が出た後も、ふえたとはいえ、まだ八二%ということになっております。  受信設備を設置しながら、今なお契約をせずに、支払いに応じてもらえていない世帯、事業者、どのぐらいあるでしょうか。
  140. 松原洋一

    ○松原参考人 お答えいたします。  受信契約を締結していただけない件数は、二〇一八年度末で八百十九万件、内訳は、世帯が七百九十二万件、事業所が二十七万件というふうに推計をしています。
  141. 井上一徳

    ○井上(一)委員 さらに、契約をしていただいているにもかかわらず、支払いに応じてもらえていない世帯、事業者、これはどのぐらいあるでしょうか。
  142. 松原洋一

    ○松原参考人 お答えいたします。  受信契約を締結した上でお支払いをいただけていない、未収数というふうに呼んでいますけれども、二〇一八年度末では七十六万件、世帯が七十四万件、事業所が二万件というふうになっています。
  143. 井上一徳

    ○井上(一)委員 合計しますと、八百九十五万件の世帯、事業者の人が受信料を払っていないということになるわけですが、もし仮に、この八百九十五万件の方々から受信料を徴収することができるとすると、どのぐらい増収する計算になるでしょうか。
  144. 松原洋一

    ○松原参考人 お答えいたします。  受信契約には、先ほどお話がありましたけれども、衛星契約、地上契約といった契約種別があって、それ以外に、割引とか免除の制度等複数あるため、仮に支払い率が一〇〇%になった場合の受信料収入を計算するというのは、なかなか困難だというふうに思います。
  145. 井上一徳

    ○井上(一)委員 きのうもレクのときに、そういう、なかなか計算するのは難しいということだったので、ちょっと私、本当に単純計算をしてみました。  地上波だけでいいますと、これは八百九十五万件に先ほどの一万四千を単純に掛けると、一千二百五十億円になるわけです。それから、衛星についても、契約している人が今の比率だと大体半分ぐらいおられるということなので、それも入れてみると、千七百五十億円。相当な増収になるというのは、単純計算してもわかるわけです。  それで、この一〇〇%をぜひ目指していただきたいとは思うんですけれども、なかなかそれは、いろいろ苦労はされていると思います。それで八二・一%ということですが。  資料二、これは古賀先生も使っておられましたけれども、都道府県別の世帯支払い率ということで、全国平均でいくと、二〇一八年度末で八一・二%ということですが、全国では相当なばらつきがあります。秋田で九八・三%ということですが、沖縄では五一%、東京とか大阪の都市圏だとやはり低い支払い率になっているということであります。  なぜこのようなばらつきがあるのか、ちょっと御説明いただきたいと思います。
  146. 松原洋一

    ○松原参考人 お答えいたします。  受信料の支払い率については、大都市圏で低い傾向にあって、地方圏が高い傾向にあるという結果が出ます。  その要因としては、大都市圏では、世帯の移動が多いということと、単身世帯やオートロックマンションなどの集合住宅の割合が高いということがあって面接がなかなか難しいということがあって、NHKの契約収納活動の環境が厳しいということが影響しているというふうに考えています。  こうした大都市圏においてやはり支払い率を向上させていくことは、公平負担を徹底していく上で重要な課題だというふうに考えて、不動産会社とか公益企業との連携など訪問によらない対策の推進や、法人委託の安定的な運用等によって契約収納活動の一層の充実、受信料制度に対する理解を深めていくための広報活動など、積極的に今取り組んでいるところであります。
  147. 井上一徳

    ○井上(一)委員 やはり都市圏での徴収というのはかなり難しいと思います。徴収をするために、先ほどの訪問員、そういう方々が訪問しているというふうに思いますが、この受信料徴収、先ほど約七百八十億円と申し上げましたけれども、どのぐらいの人がこの徴収に携わっておられるのか、御説明いただきたいと思います。
  148. 松原洋一

    ○松原参考人 お答えいたします。  受信契約の取次ぎ、受信料の収納など、受信料収入を確保するために必要となる営業経費は、先ほど話がありましたけれども、二〇二〇年度予算では七百七十九億円を計上をしています。  このうち、人件費は百二十六億円で、受信料関係の業務に携わるNHKの職員は八百五十三人というふうになっています。  また、契約収納業務に当たる個人委託の地域スタッフは八百四十人、それから、エリアを特定したエリア型法人や公募型企画競争等による法人事業者は全国で五百十二地区、あわせて、訪問要員に係る経費は三百二十億円を計画しています。  営業経費には、このほか、口座振替の収納に係る手数料とか情報処理の経費、あるいはシステムの減価償却費など三百三十二億円も含まれています。
  149. 井上一徳

    ○井上(一)委員 それらの職員の方、スタッフの方、相当努力はされていると思いますが、他方で、苦情も非常に多い。平成三十年度でも三万七千件の苦情があるということで、やはりこれは構造を、幾ら頑張って訪問員の方が訪問してもいないとか、それから訪問しても苦情が出る、それで七百八十億円の経費がかかっている。これはやはり相当改革をしていかなければならないと思っているんです。  諸外国では、強制徴収それから罰則等の規定もありますけれども、徴収率はほぼ一〇〇%に近いということで、先ほど大臣からもありました。  この徴収率を上げるために、昭和四十一年それから昭和五十五年には、政府提出の法案で、契約義務にプラスして受信料の支払い義務を法律上明記するということで、放送法改正案が国会に提出されておりますが、これは成立には至っておりません。それから、平成十九年には、当時の菅総務大臣が、NHKに対して二割値下げするように求めるとともに、放送法の改正案に受信料支払い義務の規定を盛り込むという考え方を示されたこともあります。  私も、NHK受信料を大幅に下げるということが大前提ですけれども、受信料支払い義務の規定を盛り込むということも検討に値するのではないかというふうに思っております。  そして、今後、テレビを持たない世帯が増加することが見込まれる、将来的には、パソコンやスマートフォンなどで、テレビ以外でNHKを視聴する方々がふえていくという状況の中で、この受信料あり方、ドイツでは、二〇一三年一月に、公平負担の確保を目的に、受信機所有の有無にかかわらず、住居単位で一律の料金を徴収するという放送負担金制度が導入されております。  こういう例もありますが、NHK政府として、どのような受信料あり方を今後検討していくか、御説明していただきたいと思います。
  150. 前田晃伸

    前田参考人 放送通信の融合が進む中で、例えば、テレビを持たない方に対して公共性の高い情報コンテンツを届けていくことは、信頼される情報の社会的基盤という役割を果たしていく上で重要な課題だと考えております。  こうした観点から、放送通信融合時代にふさわしい受信料制度のあり方につきましては、研究が必要な課題だと考えておりまして、海外の公共放送の事例や有識者の専門的な知見を参考に、引き続き研究してまいりたいと思います。  各国の公共放送は、それぞれの国の歴史、伝統、政治、経済に応じて発展してきておりまして、財源につきましても、その歴史的経緯に応じて各国が独自に決めているものと承知しております。  いずれにいたしましても、受信料あり方につきましては、視聴者国民皆様の御理解を得ることが大前提でございます。
  151. 高市早苗

    高市国務大臣 受信料制度のあり方ですけれども、やはり多くの方々の受信料によって業務を支えられているNHKということですから、公平感と納得感が何より重要だと思います。  先ほど委員から御紹介ありましたけれども、契約しているのに受信料を払っていない人の数を問われて、七十六万件という数字が出てきました。これはやはり、放送法の中で、NHKは、契約した方について、総務大臣が定めるような場合を除いては受信料を免除してはならないとなっておりますので、これはしっかりと公平に徴収をしていただかなければなりません。  それから、委員も同じ認識だと思いますけれども、これは、平成三十年度の決算で見ましても、七千百二十二億円の受信料を集めるのに七百七十三億円も使ってしまっているという、この受信料の徴収費用が非常に高いということも感じます。その分受信料を下げてほしいというお声があることも承知をしております。  私としては、やはり、放送通信の融合の時代でございますので、これからテレビを受信できないモニターが更に普及してきたらどうなっていくんだということですとか、受信設備は持っていないけれどもNHKの同時配信については、ここだけは見たいんだという方のニーズにどう応えていくか、そういう新しい課題も出てきておりますので、古くて新しい課題ですね、今の時代の技術に対応した受信料制度のあり方について、今、有識者会議でいよいよ御議論を開始していただくというところですから、しっかりと取り組んでまいります。
  152. 井上一徳

    ○井上(一)委員 先ほど大臣からありましたように、公平感、納得感のある受信料あり方、これをぜひ検討していただきたいと思います。  それで、多くの視聴者の方々が公平感、納得感を持って受信料を支払っていただくというためには、やはりNHKに対する信頼感を高めるということも非常に大事だと思っているんです。その点、今回のかんぽ生命の番組をめぐるNHKとか経営委員会の一連の対応、これが問題視されているという今の現状が非常に残念でなりません。  私は、本件、番組の苦情ということなので、本来であれば、放送法第六条第一項で設置が義務づけられている、放送事業者は、放送番組の適正を図るため、放送番組審議機関を置くものとするということで、NHKにおいては、放送法第八十二条第一項で、この放送番組審議機関として、中央放送番組審議会が設置されることになっています。  今回、番組の苦情ということなので、本来であれば、この中央放送番組審議会、ここでしっかり議論して、番組に問題があったのかなかったのか、これを審議すべきだと思っているんですけれども、これは審議会ではどういうふうな扱いがされたのか、御説明ください。
  153. 木田幸紀

    木田参考人 お答えいたします。  おととし、二〇一八年七月に郵政三社の社長名でNHK会長宛てに届いた申入れは、「クローズアップ現代+」が情報提供のために公式ツイッターなどに掲載した動画の中止を求める内容でありまして、放送番組に寄せられたものではなく、取材の手法についての申入れだったというふうに認識しております。  また、その後の郵政側とNHKとのやりとりは、取材の過程における取材の当事者とのやりとりであったことから、番組審議会に報告することはありませんでした。  なお、この件につきましては、郵政側の不当な圧力によって番組内容がゆがめられたとする報道があった後の、昨年、二〇一九年十月の中央放送番組審議会において取り上げました。報道された内容が事実に反するということなどをNHK側から説明するとともに、委員からは意見をいただき、議事録を公開しております。
  154. 井上一徳

    ○井上(一)委員 公正中立に番組の内容を審議するという機関としてこの中央放送番組審議会が設置されているわけですから、番組の内容について苦情があった場合には、この番組審議会をぜひ活用していただきたいというふうに思っています。  放送法第三十二条第二項、これはもう本委員会でもかなり議論になっておりますが、「委員は、個別の放送番組の編集について、第三条の規定に抵触する行為をしてはならない。」として、経営委員放送番組に干渉することを厳に禁じているわけであります。  経営委員の発言は放送法に違反するのではないかというような指摘がこの委員会でも数多くありました。そういう指摘があること自身が非常に私は残念だと思っているんですけれども、経営委員長として、今回の事案をどういうふうに総括して、そして、今後経営委員長としてどのように対応されるのか、最後にお聞きして、終わりたいと思います。
  155. 森下俊三

    森下参考人 お答えいたします。  郵政三社からの申入れに関するやりとりにつきましては、あくまでも非公表を前提とした意見交換の場で行いましたが、経営委員会会長に注意を申し入れたことの重要性や経営委員会の透明性という観点から考えれば、会長へ注意したことは議事録で公表すべきだったと反省はしております。このため、昨年十月には議事経過を公表し、更に今回、議事経過を補足する資料を作成いたしました。  議事録の扱いや議事の公表について、視聴者皆様にわかりやすく説明することができず、結果的に今回の問題で世間をお騒がせしましたことについては、厳しく受けとめております。  放送法第三十二条の規定のとおり、経営委員会が個別の放送番組の編集に関与できないことは十分認識しております。経緯を確認する中で、四月の番組や公式ツイッターの動画に関する意見や感想も出ましたが、そのことで経営委員が番組編集に介入したのではないかという疑念を持たれてしまったことについては反省をしております。  経営委員会に課せられている役員の職務の執行の監督という責務を果たす上で、状況によっては番組について意見を述べ合うこともあり得ると考えますが、これからは、番組編集の自由に一層配慮し、個別の番組についての発言には疑念を持たれないよう、慎重を期してまいりたいと思っております。
  156. 井上一徳

    ○井上(一)委員 NHK国民全員の財産ですので、しっかり経営委員長として対応していただきたいと思います。  では、以上で終わります。
  157. 大口善徳

    大口委員長 これにて本件に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――
  158. 大口善徳

    大口委員長 これより討論に入ります。  討論の申出がありますので、順次これを許します。高井崇志君。
  159. 高井崇志

    ○高井委員 私は、立憲民主・国民・社保・無所属フォーラムを代表して、令和二年度NHK予算案に賛成の立場から討論いたします。  インターネットの普及により、デジタル化、グローバル化時代を迎え、NHK公共放送から公共メディアとして大きな転換期を迎えています。若者を中心にテレビ離れが進む一方、巨額の予算を制作費に投じる海外巨大資本によるインターネットコンテンツと競争していかなければならず、NHK改革は待ったなしであります。  そのような状況下において、今般のNHK予算案審議が、経営委員会による会長への厳重注意問題で多くの時間が費やされたことはまことに残念であります。  今回の問題点は大きく三つあります。  一つ目は、厳重注意という極めて重大な行為、しかも放送法違反の疑いがある行為を非公開で行い、厳重注意したこと自体を新聞報道があるまで一年近くも隠し続けていたこと。二つ目は、新聞報道があってもなお、放送法で公表が定められている議事録の公表を半年間拒み続けていること。三つ目は、新聞報道が事実であれば、放送法三十二条違反の可能性が極めて高いこと。  このような経営委員会は、その職責を果たしているとは到底言えず、猛省を促したい。経営委員会の議事録は原則として公表し、例外は極めて限定すべきであります。  経営委員間の意識レベルを合わせるための勉強会や自由な意見交換が必要なのであれば、経営委員会とは別の場で行うべきであり、ましてや、非公表の場で会長に対して厳重注意が行われるなどということは、二度とあってはなりません。  NHK執行部においても、新会長のリーダーシップのもと、多くの国民視聴者から政権との距離が疑われる現状を改善し、不偏不党を貫徹すべきです。  また、デジタル化、グローバル化の時代を迎える中で、公共メディアとしての受信料あり方や、海外では当たり前のコンテンツの二次展開を見込んだ収入のあり方なども含めて検討すべきであります。  また、外部の企業経営者が五代続けて会長を務める現状は、諸外国の公共放送では例がなく、公共メディアあり方としてふさわしいとは思えません。NHK内の人材育成、人材登用も含めて改革を求めます。  今回の賛否の決定に当たっては、会派内で相当な激論が交わされました。経営委員会がその職責を全く果たせていない現状では、予算案も賛成できないとの意見が多数あったものの、NHK国民視聴者が支払う受信料で成り立つ公共放送公共メディアであり、全会一致の原則は重い。経営委員会の問題は看過できない問題であるが、NHK予算そのものとは別問題と考え、苦渋の選択、苦渋の決断でありますが、賛成することに至ったという経緯を申し上げて、討論といたします。
  160. 大口善徳

    大口委員長 次に、本村伸子君。
  161. 本村伸子

    ○本村委員 私は、日本共産党を代表し、放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求める件、いわゆるNHK二〇二〇年度予算承認に対して、反対の討論を行います。  NHKが、かんぽ生命の不正販売を取り上げた放送番組に対する日本郵政グループの圧力に屈し、公共放送の自主自律という放送の根幹を揺るがした事実は極めて深刻です。  かんぽ生命の不正販売によって多数の被害が出ており、NHKがこれを報道することは、視聴者国民の知る権利に応える使命を持つ公共放送としての重要な役割があります。  ところが、NHK執行部は、日本郵政からの抗議を受け入れ、予定していた第二弾の放送番組を異常なまでに先送りし、その上、経営委員会は、日本郵政側の要求に応じ、NHK会長厳重注意を行いました。  経営委員会の行為は、放送番組は何人からも干渉されないとする放送法三条及び三十二条に違反し、公共放送たるNHKの自主自律を脅かすものであり、断じて許されません。しかも、その経過を経営委員会の議事録から隠すなどの隠蔽行為も行われております。  こうした事件のもと、NHK執行部が編成し、経営委員会が最終決定した予算に対して、事件の真相を解明し責任を明らかにしないまま、承認することはできません。  最後に、国民の代表としての自覚と放送法を遵守する経営委員会改革することを強く求め、反対の討論を終わります。
  162. 大口善徳

    大口委員長 次に、足立康史君。
  163. 足立康史

    足立委員 日本維新の会の足立康史です。  党を代表し、NHK来年度予算案に反対の立場から討論します。  日本維新の会は、昨年の通常国会において、NHKの本年度予算案及び放送法改正案に対し、一歩前進との観点から賛成をした経緯があり、来年度予算案についても賛成する用意はあると考え、国会審議に臨んでまいりました。  しかしながら、総務委員会における高市大臣あるいは前田会長答弁を聞く限り、私たちが再三指摘してきた、放送通信の大融合時代にふさわしい公共放送あり方NHK受信料制度等の見直しに向けた改革の方向性が、依然として見えません。  もちろん、前田会長からは、放送通信融合時代におけるNHKの姿を盛り込んだ次の中期経営計画の案を私が先頭に立ってまとめるとの御発言もございましたが、その方向性については、NHKらしさの追求というキーワードが紹介されるにとどまっています。  高市大臣も、放送法改正を視野に、タブーなく議論していくとおっしゃり、総務省の諸課題検討会に分科会を新設、受信料制度を含め検討を開始されると承知しており、その覚悟のほどは伝わってきますが、放送法改正の具体的方向についての御見識は、依然として封印されたままであります。  本日採決に付されるNHK来年度予算案は、前田会長が着任し新体制のもとで編成した初めての予算案ですので、NHK公共メディアとしてどのように進化を遂げていくのか、そのビジョンの片りんだけでもかいま見えるものにしていただきたかったというのが私たちの正直な思いであります。  前田会長は、ことしの夏ごろまでに次期中期経営計画の案を先頭に立ってまとめるとおっしゃっていますが、その片りんも見えない中で、本当に国民のニーズを踏まえた公共メディアとしての姿を盛り込むことができるでしょうか。  こうした認識から、私たち日本維新の会は、NHK来年度予算案に反対をいたしますが、同じく反対される共産党とは、同じ反対でも意味合いが違います。  私たちは、国民から愛される、国民のニーズにしっかりと応えていくことのできるNHKの未来をつくっていくために、そして、そのための議論を喚起するために、あえて来年度予算案に反対をするものであります。  昨年七月の参院選に当たって、私たち維新の会は、NHKを公共NHKと、民間とイコールフッティングで競争する民間NHKとに分割する改革案を公表しています。残る通常国会の会期においても、NHKの将来像に関する自由闊達な議論をリードしていくことをお誓いし、討論とさせていただきます。  ありがとうございます。
  164. 大口善徳

    大口委員長 これにて討論は終局いたしました。     ―――――――――――――
  165. 大口善徳

    大口委員長 これより採決に入ります。  放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件について採決いたします。  本件を承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  166. 大口善徳

    大口委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。     ―――――――――――――
  167. 大口善徳

    大口委員長 この際、ただいま議決いたしました本件に対し、中根一幸君外四名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム、公明党、日本維新の会・無所属の会及び希望の党の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。吉川元君。
  168. 吉川元

    ○吉川(元)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。     放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議(案)   政府及び日本放送協会は、次の各項の実施に努めるべきである。  一 協会は、令和二年度予算において昨年度に引き続き事業収支差金の赤字を見込んでいることについて、放送法に定められた目的に即し、業務の目的の明確化や業務の見直しなどにより、収支均衡を基本とする安定的な業務運営の体制確保に努めること。  二 協会は、協会本体及びグループの職員による一連の不祥事に対し、国民視聴者から厳しい批判が寄せられていることを踏まえ、協会一体となって綱紀を粛正しコンプライアンスを徹底した運営を行うことで、信頼回復に努めること。また、子会社を含むグループ全体としての経営改革に組織を挙げて迅速かつ確実に取り組むこと。  三 経営委員会は、放送法が定める協会の自律性を担保するために、協会の経営に関する重要事項を決定する権限と責任を有する最高意思決定機関であることを深く認識し、職務を遂行するにあたっては、放送法を遵守し、特に、何人からも介入されることのない個別の放送番組の編集への経営委員会の介入が疑われるような行為は厳に慎むこと。また、協会が放送法に定められた役割を的確に果たせるよう、監督権限を行使すること。役員に不適切な行為がある場合、又は、公共放送の倫理観にもとる行為がある場合には、監査委員会と十分連携しながら再発防止の観点から厳格に対処すること。  四 協会は、平成二十五年に首都圏放送センターの記者が過労で亡くなられた事実を重く受け止め、協会の業務に携わる者の命と健康を最優先とし、適正な業務運営と労働環境確保に努め、長時間労働による被害を二度と起こさないよう、全力で取り組むこと。  五 協会は、放送番組の編集に当たっては、受信料を財源とする公共放送の性格を定めた放送法の趣旨を十分踏まえ、事実に基づく放送に強い責任を自覚し、かつ政治的公平性を保ち、我が国の公共放送としての社会的使命を果たすこと。また、寄せられる様々な意見に対し、必要に応じ自律的に調査し、その結果を速やかに公表し、国民視聴者に開かれた公共放送として信任を得られるよう努めること。  六 政府は、日本国憲法で保障された表現の自由、放送法に定める放送の自律性に鑑み、協会を含めた放送事業者の番組編集について、引き続き自主・自律性を尊重すること。また、経営委員の任命に当たっては、社会に対する重大な職務の公共性を認識し、公正な判断をすることができる経験と見識を有する者を、教育、文化等の各分野及び全国各地方が公平に代表されることを考慮して幅広く選任するよう努めること。  七 協会は、その運営が受信料を財源としていることを踏まえ、国民視聴者に対し、情報を十分に開示し、説明を尽くすこと。また、そのために、経営委員会及び理事会等における意思決定過程や、財政運営上の規律、不祥事に伴う処分、子会社等の運営の状況、調達に係る取引等を合理的に跡付け、又は検証することができるよう、議事録の適切な作成・管理を行うとともに必要な時は公表すること。  八 協会は、放送センターの建替えに際し、受信料を財源としていることを踏まえ、透明性を確保するとともに、建設費の大幅な増大が生じないよう万全を期すこと。  九 協会は、平成二十九年十二月の最高裁判決にも鑑み、公共放送の存在意義及び受信料制度に対する国民視聴者の理解の促進や信頼感の醸成に協会一体となって、一層努めること。また、受信契約の締結に際しては、視聴者の理解を得ながら適正に行われるべきことを、職員及び業務委託先に指導し、周知徹底すること。なお、受信料については、繰越金や今後の事業収支の状況を踏まえ、公共放送の役割を持続的に果たしつつ、国民視聴者の十分な理解を得られるよう、減免対象の拡大など受信料体系・水準の在り方を含めて、業務やガバナンスの在り方と併せて検討すること。  十 協会は、インターネット常時同時配信通信分野での業務について、民間放送事業者の見解に十分留意しつつ、国民視聴者のニーズや動向を的確に把握し、国民視聴者に対する情報提供や関係者間での情報共有及び連携を図り、通信分野での協会の在り方について、できるだけ明確にその姿勢を示すよう努めること。また、費用全体を国民視聴者にわかりやすく公開・説明すること。  十一 協会は、国際放送については、我が国の経済・社会・文化等の動向を正しく伝え、我が国に対する理解を促進するよう努めること。また、番組内容の充実、国内外における国際放送の認知度の向上等に努めること。  十二 協会は、自然災害が相次いでいる現状に鑑み、地震災害、風水害、雪害等、いかなる災害時にも放送サービスが継続され、正しい情報国民に伝達されるよう、地方局と連携し、放送設備と体制の強化を図ること。  十三 協会は、サイバーセキュリティ基本法に定める重要社会基盤事業者であること及び本年に開催される東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けてサイバー攻撃の脅威が高まっていることに鑑み、関係機関と緊密な連携を図り、サイバーセキュリティの確保に取り組むこと。  十四 協会は、地域の魅力を生かした活性化と発展の観点から、地域の様々な分野の関係者と連携を強化し、それぞれの地域ならではの魅力の紹介及び地域の発展に寄与するコンテンツの充実並びに国内外に向けた積極的発信に努めること。  十五 協会は、障害者の法定雇用率を達成し、雇用率を一層高め、職場での差別禁止や合理的配慮を徹底し、障害者の働く環境改善を進めること。また、女性の採用・登用について、より高い数値目標を設定し、性別に関係なく仕事と家庭が両立できる職場の環境改善を進めること。  十六 協会は、労働法制の改正を受けて、ハラスメント防止の事業主の措置義務を果たす取組を一層促進し、ハラスメントをなくすこと。  十七 協会は、新体制の下、放送通信の大融合時代にふさわしい公共放送の在り方、受信料の在り方について真剣に検討し、新しい社会と技術に対応した公共メディアとしての経営ビジョンを構築すること。  十八 政府は、放送通信の大融合時代にふさわしい公共放送の在り方、受信料制度の在り方について真摯に検討し、その結果を踏まえ、所要の措置を講ずること。  十九 政府は、新型インフルエンザ等対策特別措置法の指定公共機関である協会に対する同法に基づく指示については、報道の独立性及び国民の知る権利を最大限に尊重すること。 以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  169. 大口善徳

    大口委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  170. 大口善徳

    大口委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。  この際、高市総務大臣及び日本放送協会会長前田晃伸君から発言を求められておりますので、これを許します。高市総務大臣
  171. 高市早苗

    高市国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
  172. 大口善徳

  173. 前田晃伸

    前田参考人 日本放送協会の令和二年度収支予算事業計画及び資金計画につきまして御承認を賜り、厚く御礼申し上げます。  本予算を執行するに当たりまして、御審議の過程でいただきました御意見並びに総務大臣意見の御趣旨を十分生かしてまいります。  また、ただいまの附帯決議は、協会運営の根幹をなすものでございますので、十分踏まえて、業務執行に万全を期してまいりたいと考えております。  本日は、ありがとうございました。     ―――――――――――――
  174. 大口善徳

    大口委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  175. 大口善徳

    大口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  176. 大口善徳

    大口委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時五十九分散会