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2020-04-15 第201回国会 衆議院 国土交通委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和二年四月十五日(水曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 土井  亨君    理事 小里 泰弘君 理事 金子 恭之君    理事 工藤 彰三君 理事 根本 幸典君    理事 三ッ矢憲生君 理事 小宮山泰子君    理事 福田 昭夫君 理事 岡本 三成君       秋本 真利君    小田原 潔君       大塚 高司君    大西 英男君       鬼木  誠君    門  博文君       神谷  昇君    小林 茂樹君       古賀  篤君    佐々木 紀君       繁本  護君    田所 嘉徳君       田中 英之君    谷川 とむ君       土屋 品子君    中村 裕之君       長坂 康正君    堀井  学君       三谷 英弘君    宮内 秀樹君       簗  和生君    山本  拓君       浅野  哲君    荒井  聰君       伊藤 俊輔君    後藤 祐一君       西岡 秀子君    広田  一君       古川 元久君    馬淵 澄夫君       道下 大樹君    矢上 雅義君       谷田川 元君    伊藤  渉君       北側 一雄君    高橋千鶴子君       井上 英孝君     …………………………………    国土交通大臣       赤羽 一嘉君    経済産業大臣      牧原 秀樹君    国土交通大臣      青木 一彦君    国土交通大臣政務官    門  博文君    国土交通大臣政務官    佐々木 紀君    国土交通大臣政務官    和田 政宗君    政府参考人    (内閣大臣官房審議官) 村手  聡君    政府参考人    (総務省大臣官房審議官) 吉田 博史君    政府参考人    (国土交通省大臣官房公共交通物流政策審議官)  瓦林 康人君    政府参考人    (国土交通省大臣官房危機管理運輸安全政策審議官)            山上 範芳君    政府参考人    (国土交通省総合政策局長)            蒲生 篤実君    政府参考人    (国土交通省道路局長)  池田 豊人君    政府参考人    (国土交通省住宅局長)  眞鍋  純君    政府参考人    (国土交通省鉄道局長)  水嶋  智君    政府参考人    (国土交通省自動車局長) 一見 勝之君    政府参考人    (国土交通省航空局長)  和田 浩一君    政府参考人    (観光庁長官)      田端  浩君    政府参考人    (気象庁長官)      関田 康雄君    参考人    (独立行政法人都市再生機構理事)         里見  晋君    国土交通委員会専門員   宮岡 宏信君     ――――――――――――― 委員の異動 四月十五日  辞任         補欠選任   鳩山 二郎君     繁本  護君   西岡 秀子君     後藤 祐一君   馬淵 澄夫君     浅野  哲君 同日  辞任         補欠選任   繁本  護君     鳩山 二郎君   浅野  哲君     馬淵 澄夫君   後藤 祐一君     西岡 秀子君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  参考人出頭要求に関する件  道路法等の一部を改正する法律案内閣提出第一五号)  国土交通行政基本施策に関する件      ――――◇―――――
  2. 土井亨

    土井委員長 これより会議を開きます。  国土交通行政基本施策に関する件について調査を進めます。  この際、お諮りいたします。  本件調査のため、本日、参考人として独立行政法人都市再生機構理事里見晋君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として国土交通省大臣官房公共交通物流政策審議官瓦林康人君、大臣官房危機管理運輸安全政策審議官山上範芳君、総合政策局長蒲生篤実君、道路局長池田豊人君住宅局長眞鍋純君、鉄道局長水嶋智君、自動車局長一見勝之君、航空局長和田浩一君、観光庁長官田端浩君、気象庁長官関田康雄君、内閣大臣官房審議官村手聡君及び総務省大臣官房審議官吉田博史君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 土井亨

    土井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. 土井亨

    土井委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。広田一君。
  5. 広田一

    広田委員 どうもおはようございます。立国社広田一でございます。  どうかよろしくお願いを申し上げます。  まずもって、今般の新型コロナウイルスで亡くなられた皆様方に心から哀悼の意を表します。また、感染された方々には心よりお見舞いを申し上げますとともに、現在、コロナウイルスと闘っている全ての皆様方に心より敬意と感謝を申し上げる次第でございます。国土交通省におかれましても、赤羽大臣を先頭にしまして、日々御尽力をくださっております。国民の一人として、これまた心から御礼を申し上げます。  それでは、まず、新型コロナウイルス経済対策についてお伺いをいたします。  最新の日銀の短観を見てもわかりますけれども、今回の新型コロナウイルスで特に甚大な影響を受けているのは、ホテル旅館飲食などのいわゆる観光関連、そして鉄道バスタクシー航空などの公共交通関係でございます。つまり国土交通省所管、関係する事業者が最も影響を受けているわけでございます。  それぞれに共通しておりますのは、装置産業であるということ、そしてまた、労働集約型の産業であり、いわゆる固定経費というものが非常に大きいということであります。つまりは、もうかっていなくても出ていくものは出ていく、観光関連公共交通関係事業者皆さんお話を聞くと、雇用はしっかり守りながらも、それでもやはり一円でも固定経費を削減したい、このように訴えております。このことを踏まえて、以下質問をしたいと思います。  まず、ホテル旅館業についてでございますが、先般、高知県のホテル生活衛生同業組合調査によりますと、宿泊人数は、一月、二月はほぼ前年並みだったわけでございますけれども観光のピークとなるゴールデンウイークを含む三、四、五、宿泊者予約人数は、前年同月比でわずか七・五から一九・一%と低迷をいたしております。収益のもう一つの柱である宴会人数も、六・五から一七・三%まで落ち込んでいるのが現状です。  先日の当委員会におきましても、予約が七〇%以上減少した施設が四月は七割まで増加する見込みとの答弁がございました。まさに底が見えない経営危機に直面し、早晩、運転資金が枯渇することは火を見るより明らかであり、休業はもちろんなんですけれども廃業とか倒産が現実味を帯びている、そういった悲痛な叫びが現場から出ているところでございます。これは、地方ホテル旅館業に共通する実態であります。  ホテル旅館業というのは宿泊単価利益率、これで稼いでいるので、宿泊が激減すると資金繰りが一挙に厳しくなってしまいます。また、ホテル旅館業生活産業でもありまして、裾野が広く、仕入れ先ども多種多様で、よって、取引先も大きなダメージを受けているわけであります。特に製造業の弱い地方地域経済における悪影響ははかり知れません。  有馬温泉が御地元でございます赤羽大臣におかれましては、この旅館ホテル業の危機的な状況については直接お聞きになっていると思いますし、実際、これまでの国会答弁を見させていただいても、例えば、現場皆さん意味のある支援を打っていかなければならないとか、セーフティーネット付けを受けても借金がふえるだけで、そうしたことを乗り越えるもう一段の支援という声も聞いているとか、逸失利益をどうすべきかというふうなことについても問題意識を強く持たれているというふうに理解するところでございます。  こういった中で、今政府の方では緊急経済対策を講じておるわけでございますけれども、この無利子無担保の貸付けであるとか、そして税、社会保険料猶予、そしてまた、今般の緊急経済対策にある、事業継続に困っている中小小規模事業者への最大二百万円の支援、こういった支援策だけで、これからこの状況あと数カ月続くとした上で、今のこの状況中小旅館ホテル事業者皆さんは乗り越えることができるんだろうか。  このことについての赤羽大臣の率直な御所見をお伺いしたいと思います。
  6. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 まず、広田委員におかれましては、御地元観光業界皆さんの生の声をお届けいただきましたことを心から感謝を申し上げたいと思います。  今言われたとおりの、私もほとんど同じ認識というか、全国各地観光関係者から聞いているお話も、そのとおりだと思います。  言われたとおり、観光関連業界大変裾野の広い業界でありまして、旅行業宿泊業のみならず、関連の、貸切りバスですとかハイヤー、タクシー、レンタカー、フェリー、鉄道、また御地元では飲食業も、またお土産物の小売店等々、観光地域であればあるほど、観光がやられると、地域経済そのものが大変な厳しい状況になっている。  私は何回も繰り返しておりますが、大原則としては、とにかく早期に収束をする。こういった状況が長引けば長引くほど大変な状況になるということでありますので、とにかく、正常に戻せるように最大努力をする、これは政府を挙げての方針でございます。  加えて、この間、やはり廃業に追い込まれないように、事業継続雇用確保が続けられるように、これは私ども国交省所管ではありませんけれども政府の一員として、雇用調整助成金ですとか資金繰り支援ですとか、私答弁したように、資金繰り支援といっても現実には個別に審査が入りますので、新しく貸付けを借りられるよりは、これまでの固定資産税ですとかそうした税金の減免とか猶予とか、あとNHKの、公共料金旅館なんかは大変な料金になりますので、こうしたことも減免猶予を講じてほしいというようなお話も伺っております。  また他方で、結構大型旅館も多いので、貸付けの、この前ちょっと聞いたんですけれども、一億円の上限ですと、それだとなかなか、焼け石に水というのはちょっと表現があれですけれども、もう少し額を大きくしてくれないとやはり回っていかない、装置産業なものですからということで、そうした声も聞いておりまして、さまざまな対策をとらなければいけないということが一つあります。  長期化すればするほどこれは苦しくなっていくので、このことについて、本当によく状況を見きわめながら、ちょっと一般論的な言い方になって恐縮ですけれども、適時適切な、観光業皆さんにとって一番意味のある対策を、支援策を講じていかなければいけない、これが大原則だと思っております。  その中に、今申し上げました当面のことの後に、この収束ができればというか環境が落ちつけば、V字回復を目指しての大変大きな観光需要の喚起の対策も今準備をしているところでございます。  こうしたことというのは、もう業界皆さんにとっては、ある意味では、それがあるから当面頑張ろう、そのときまで一緒に官民挙げて頑張ろうというのがいただいている声でございまして、その現場皆さんが頑張ろうと言ってくれていただいている声が続けられるようにしっかりとした間断のない支援策を講じていかなければいけない、こう思っておりますので、また引き続き、さまざまな現場皆さんからのお声を御指導いただければと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
  7. 広田一

    広田委員 確かに大臣の方から示された見解、また認識は本当に共有するところでございます。  ただ、そういったときにいわゆるゴー・トゥー・キャンペーン事業があるので、そこを目指して頑張っていこう、そういうふうな事業者がいるかもしれませんが、しかし、地方の大多数の中小零細旅館ホテル業皆さんは、果たしてそこまで自分たち事業がもつのかどうか、それまでに何か倒れてしまうんじゃないか、そういった状況の中で今コロナウイルスと闘っているのが私は実情だというふうに思います。  だから、そういう意味では、今は確かにゴー・トゥー・キャンペーンをやるために一兆六千七百九十四億円、これを計上するのはいかがなものか、これはちょっと後でまた議論ができればと思うんですけれども、その前にやはり今は止血することが喫緊の課題ではないかなというふうに考えます。  つまりは、融資より助成猶予より減免、こういったことが必要だというふうに考えますけれども赤羽大臣自身、やはり旅館ホテル業者皆さんが今政治に一体一番何を求めていると感じられているんでしょうか。
  8. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 止血が大事だということは私もよく理解しているつもりです。  ただ、随分現場皆さんヒアリングを重ねておりますが、その中で、この観光業界、特に宿泊業界皆さんでは、逸失利益に対して補填をしてくれという声は余り出ていないんです、私が直接聞いている話は。そうしたことよりも、払わなければいけない公租公課減免ですとか、さっき言った、公共料金をとめてもらいたい、そして、その間何とか頑張るから、雇用調整助成金ももっと迅速化して簡便化してほしいというような声ももちろん聞きました。  ただ、多分恐らく、いろいろな方がいらっしゃると思いますが、今回、中小企業持続化持続補助金として上限二百万円で出る、これは大変ありがたいという思いを持たれている方もたくさんいらっしゃると思いますが、多分、私が聞いているヒアリングの中では、これは私の意見じゃなくて、観光業界宿泊業界皆さんからは、なかなかそうした補償自体というのは難しいんじゃないかということなので、そうしたことについて案外声が出ていなかったというのも事実なんです。  ただ、こうした期間が長引けば長引くほどやはり状況が、何というか維持ができるかというのは、それはまた状況というのは随分大きく変わると思いますので、それはもう頭から否定するわけじゃありませんので、しっかりと業界皆さんからの、現場ヒアリングをさせていただいて、もちろん大手というか大型のところだけじゃなくて地方中小皆さんからの声もしっかりこういう国会の場で審議を通して聞かせていただきながら、適時適切に対応していかなければいけない、こう考えておるところでございます。
  9. 広田一

    広田委員 大臣、ここのところが大臣自分認識が異なるところになってしまうんですが、やはり高知なんかの中小旅館ホテル業皆さんお話をすると、今何とかやはり止血をしてほしい、そのためには、例えば、ことしの各月の実績と前年同月の実績の差額、非常に固定経費がかかるのがホテル業界ですので、それの六五%を助成するなど、国、県、市町村経営維持助成金を創設してほしい、そういった声があるんですよね。  例えば、市町村については、今度臨時に出る交付金、そういったものを活用しながら、国との支援策で何とか助成制度をつくってほしい、今、安倍政権補償補償という言葉については非常に敏感ではございますが、これをどう言うかは別にして、やはり何らかの形で助成金制度を創設するということが今私は求められているというふうに思うんです。  ゴー・トゥー・キャンペーンお話を先ほどしましたけれども、これは一兆六千七百九十四億円で、そのうちゴー・トゥー・トラベルが約一兆三千億円も占めるんです。  私ごとで恐縮なんですけれども自分の実家も高知県の土佐清水市でかつてホテル業をやっておりまして、御縁あって、昭和の天皇陛下とか、あと平成天皇陛下皇太子時代に泊まっていただいたこともあります。その影響もあって、私自身サラリーマン時代観光産業の方に勤めさせてもらったんです。その意味では、観光の魅力であるとか、同時にホテル経営の厳しさ、難しさというのは人よりは理解をしているつもりでございます。  ですから、ゴー・トゥー・キャンペーンゴー・トゥー・トラベル事業、これは大賛成なんです。ぜひやってもらいたいと思います。一人一泊当たり二万円というふうなことでありますけれども、できたらもっとふやしてほしい、そんな思いも持っている一人なんですが、ただ、それは本当は、二次補正とか三次補正とか、収束が目に見えてからでも十分間に合う事業じゃないかなというふうに考えます。  今ここで一兆三千億円という財源があるんだったら、それをホテル宿泊業支援するというお考えがあるんだったら、今やらなければならないのは、まさしく本当に来月どうなるかわからないと思いながらも雇用を守ろうとして歯を食いしばっている、頑張っている旅行ホテル事業者皆さんに対して助成という形で支援をしていく、そのための財源確保していくというのがやはり優先順位緊急性が高いんじゃないかなというふうに考えますけれども赤羽大臣、いかがでしょうか。
  10. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 ゴー・トゥー・トラベルの時期がどうなるかというのは大変難しい問題だというふうに認識をしておりますが、これはこれで、しっかりとしたV字回復で、政策としては出しておくべきだと思います。  それのほかに、今言われているのは、それとはちょっと別で、限られた財源で、もうこれしかないからどうするのかという話ではなくて、私が思っているのは、こうした状況が長引けば長引くほどいわゆるさまざまな支援策が必要になるというのは委員のおっしゃられているとおりだと思います。そういうことも別に否定せずに、状況を見ながら、さまざまな状況に対応しなければいけないと思います。  これは地方によっても随分違うと思いますから、地方において、ちょっと私はその交付金所管ではないので勝手なことは言えませんけれども、いわゆるこうした特殊な感染症状況下、大災害みたいなときと一緒だと思いますので、さまざまな特別措置的な対策が講じられるというのは否定されるものではないと思っております。
  11. 広田一

    広田委員 ぜひ、地方中小旅館ホテル業皆さんは、今は助成をしていただきたい、経営維持のための助成をしていただきたい、そういう声が切なる声だということを御理解をしていただければと思いますし、この件については引き続き求めていきたいというふうに思います。  そして、次は、先ほど赤羽大臣の方からもお話がございましたNHK受信料減免についてなんですけれども、これは、先ほど申し上げたとおり、旅館ホテル固定経費の削減の観点からお伺いをしたいというふうに思います。  特に部屋数の多い宿泊施設であればあるほど、現在、客室でテレビを見る人がいない状況にもかかわらず、受信料という負担だけが重くのしかかっているわけであります。これについては、三月三十日、高市総務大臣からNHK前田会長要望があったというふうに承知をしており、前田会長の方からは前向きに検討をするというふうな意向が示されていると理解をしております。  無論、免除の条件とか要件、そして規模などを検討するのに時間を要することは理解ができますけれども、やはりこれもスピード感が大事であろうというふうに考えます。いつまでにNHKから要請に対する回答が来ると考えているのか、この点について総務省にお伺いをいたします。
  12. 吉田博史

    吉田政府参考人 お答えいたします。  委員指摘のとおり、総務省としては三月三十日にNHK受信料負担軽減につきましてNHK検討お願いし、NHKとしても前向きに検討するというふうに承知しております。  受信料負担軽減具体的内容について、現在NHKにおいて検討中でございまして、いつまでということがまだ明らかにはなっておりませんが、当然迅速にやっていくということは大切なことでございますので、NHKにおいても迅速に検討していただきたいと思いますし、私どもとしても、放送法に基づく認可が必要な事項でございますが、そういう手続等は迅速に行いたいと考えております。  なお、その受信料につきまして、現在、NHKの運用におきまして、延滞利息支払い期限から四カ月発生しないことになっております。その間、直ちに負担が生じるというものではないという状況になっております。  ただ、いずれにしろ、NHKにおいて迅速に検討いただきたいと考えております。
  13. 広田一

    広田委員 確認なんですけれども、このNHK受信料については減免ということで検討されているのかということと、迅速にということなんですが、これは四月を超えることは私はまさかないというふうに思いますけれども、今月中には回答を得ることができる、そういう認識でよろしいんでしょうか。
  14. 吉田博史

    吉田政府参考人 お答えいたします。  NHKに対しましては、大臣の方から、旅館ホテルを始めとする中小事業者に対する受信料負担軽減について検討することを要請しているところでございます。  二点目につきまして、時期については、NHKにおいて現在検討中でございまして、私どもとして確約することはできませんが、そのような御指摘があったことはNHKに伝えたいと考えております。
  15. 広田一

    広田委員 ぜひともよろしくお願いをいたします。  前田会長自身減免という言葉を使われておりますので、しっかりその辺も確認をしながら、ぜひともNHK側に早い回答をしていただきますように要請をしてください。よろしくお願いします。  次に、バス事業についてお伺いをいたします。  これも高知県のバス協会調査によりますと、会員十社で一般路線バスのことし三月の対前年同月比の輸送人員実績は三六%減、会員四社の高速バスについては四三%減、そして、会員二十一社の貸切りバスについては五月以降のキャンセルが三百二十六件と、これは大幅にふえております。  先日の当委員会でも、貸切りバス運行収入が七〇%以上減少回答した施設が三月以降は約八割に急増する見込み答弁しております。バス事業者の方からは、資金繰り支援雇用維持支援感染予防対策運送収入減収分についての新たな助成制度の創設が要望されているところです。  その中の要望一つに、路線バス影響配慮があります。地方における路線バスというものは、通勤、通学、通院、買物などの住民にとってはなくてはならない足でございます、公共交通でございます。  一方、特に地方においては、今、少子高齢人口減少で年々利用者が少なくなっている厳しい状況であります。そんな中、公共交通機関としての使命を果たすために、地方バス事業者路線バスの自社の赤字分については高速バス貸切りバス利益で補填している、こういうのが現状でございます。  しかしながら、先ほど紹介したように、今、稼ぎ頭であった高速貸切りバス需要が激減する中で、この生活路線である路線バス事業継続することが困難な状況に追い込まれているわけであります。  これについては、現在、国としては、地域公共交通確保維持事業を通じて、地域特性に合って、この生活交通ネットワーク維持するために御支援をくださっているわけであります。この中では、経常赤字が見込まれる地域をまたぐ路線、これは地域間幹線系統というんですけれども補助率二分の一で補助をしているわけでございますが、これで問題なのが、補助要件一つに、輸送量が一日十五人から百五十人が見込まれること、これが補助要件になっているわけであります。  これは、新型コロナ影響で四割近くお客様が減少する中で、補助要件を満たさない路線が今後続出してくる懸念があるわけであります。これが国庫補助路線から外れると、市町村単独路線自主運行路線になってしまって、結果として、バス事業者にとってはこれは死活問題になるわけでございます。  こういったことを考えたときに、地域公共交通確保維持事業補助金算定影響を及ぼさないように、何らかのやはり激変緩和措置を講ずるべきというふうに考えますけれども、御所見をお伺いいたします。
  16. 一見勝之

    一見政府参考人 お答え申し上げます。  御指摘いただきましたように、貸切りバスも乗り合いバスも非常に厳しい経営状況でございます。特に乗り合いバスは、地域公共交通として、御指摘いただいたように、通院や通学、買物などの住民の移動を支える重要な交通機関でございます。  地域間幹線系統補助の算定に関しましては、運送収入から計算をされます輸送人員補助要件としておるところでございます。新型コロナウイルス影響による減少は対応が非常に困難な、不可避のものであるということも考えまして、このウイルスの影響、ウイルスによる利用者減少、この影響を除外するように検討することとしておるところでございます。いずれにしましても、国難ともいうべき困難な状況の中、地域の交通を守るために全力を挙げてまいります。
  17. 広田一

    広田委員 ぜひよろしくお願いいたします。  最後に、この関係なんですけれども、一方で、コロナ対策支援策として、乗り合いバスの運行計画の変更届の柔軟な対応というものがあります。これはスムーズな減便をするのが主たる目的だと思うんですけれども、一方で、利用者の立場に立ったら、今外出の自粛要請があるとはいえ、特にこの国庫補助路線についてはやはり極端な減便というのは私は慎重であるべきと考えますけれども、この点についての御所見を最後にお伺いしたいと思います。
  18. 一見勝之

    一見政府参考人 御指摘をいただきました乗り合いバス関係の運行系統の変更でございますが、通常は三十日前の届出ということにしておりますが、今回、外出の自粛あるいは休校などに伴って、急遽ダイヤを変更しなきゃいけないというのもありまして、今は七日前の届出というふうにしております。  しかしながら、先ほど申し上げましたとおり、バスの果たすべき役割に鑑みまして、減便というのを固定化をするというのはいかがなものかという考え方もございます。これはなかなかウイルスとの関係で難しいところがございますが、タイミングを見きわめながら、事業者ともよく調整をしてまいりたいと思っております。
  19. 広田一

    広田委員 どうもありがとうございました。
  20. 土井亨

    土井委員長 次に、浅野哲君。
  21. 浅野哲

    浅野委員 おはようございます。立国社浅野哲でございます。  本日はよろしくお願い申し上げます。  まず冒頭、今回の新型コロナウイルスでお亡くなりになられた方々に心から哀悼の意を表しますとともに、現在、闘病中の皆様の一刻も早い御回復をお祈り申し上げます。  また、国土交通行政に日々当たられている皆様、そして、医療関係者、社会のインフラを支えてくださっている方々にも感謝を申し上げ、質疑に入りたいと思います。  本日は、まず最初に特殊車両の通行許可制度について質問させていただきまして、その後、ドローン規制というものについても質問をさせていただきたいと思います。  まず初めになんですけれども、最近、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、国内の輸送業界、物流業界にも少なからず影響が及んでおります。  最近、四月十四日付の「物流ニッポン」という業界紙を読んでおりますと、物流が減った分野がある一方で、急増している分野があり、かなりこの業界の方々というのが今対応に苦慮されている実態というのが報じられておりました。  少し具体的に申し上げますと、やはり、緊急事態宣言の発令を受けまして、その対象となった地域を中心に、商業関係、いわゆるショッピングモールですとかそういうところに対する物量が急減した一方で、御家庭で過ごす方々がふえまして、例えば食料品ですとか生活用の物資といったものに対する輸送需要が急増している。しかも、最近では、外出が怖くてインターネットで購入をして、自宅に直接届けるような、いわゆるインターネット購買というものが急激にふえておりまして、そういった部分では、輸送関係者が非常に効率性を求められている状況にあるというふうに理解をしております。  まず最初に確認させていただきたいんですけれども、この新型コロナウイルス拡大を受けて、国内の輸送業界における輸送力の逼迫状況がどのような現状になっているのか、まずは政府の見解を伺いたいと思います。
  22. 一見勝之

    一見政府参考人 お答え申し上げます。  新型コロナウイルスの感染の拡大の影響を受けまして、トラック輸送の現況でございますけれども、三月の状況でございまして、前年同月比でございますが、国際海上コンテナ輸送でございます、国内の輸送でございますが、これは三〇%減でございます。例えば給食の輸送、これは六%減、かなり大きな減少が出ております。  他方、先ほど委員指摘いただきましたように、外出の自粛などに伴いまして、宅配や食料品の輸送については一時的に需要が増加をしてございます。しかしながら、運送事業者やドライバーの皆さんの御尽力によりまして、物流についてはおおむね平常時と変わらない水準で荷主や消費者のニーズに対応できているところというふうに承知をしているところでございます。
  23. 浅野哲

    浅野委員 ありがとうございます。  一点だけ確認させていただきたいんですけれども、宅配分野においては、事業者の方々の努力によっておおむね変わらない水準が維持できているということなんですが、これは、水準というのが何の水準を指しているのかについて、もう少し詳しく教えていただけますでしょうか。
  24. 一見勝之

    一見政府参考人 つまびらかに申し上げることは難しゅうございますけれども、私ども、アンケート調査どもやっておりますし、それから、地方の運輸局の更に下に運輸支局というのがございまして、そこでは相談窓口を、バスに対しても、トラックに対しても、タクシーに対しても設けているところです。そこに対しての御要望の数ということで、それほど大きな混乱が生じているというふうには考えていないところでございます。
  25. 浅野哲

    浅野委員 ありがとうございます。  今の答弁ですと、商業を含めた、海外との物流も含めれば三割減なんですけれども、宅配事業についてはおおむね水準を維持しているということなんですが、私がその業界の方々に話を聞いておりますと、特に国内の物資輸送においてはかなりの努力を業界の方々がされている現状だということがわかってまいりました。  そして、きょう議題とさせていただいた特殊車両の通行許可制度なんですけれども、御案内のとおり、特殊車両に関しては、とりわけ大量の物資を一遍に運ぶような大型車両あるいは工事用の車両というものも含まれますけれども、こうした特殊な車両については、通行する際の許可や通行できる時間帯などはかなり制約を受けた状況下にあります。  先ほども申し上げましたけれども、今、感染症の拡大によって本当にいろいろな需要の変化が起きております。輸送業界の方々の繁忙感というのは今極めて高い状況にあるというのが私の実感であります。その一方で、外出自粛の効果もあって、高速道路や主要幹線道路の通行量というのは、現在、通常よりも三割程度減少しているというようなデータもございます。  そんな中で、国内の物流の円滑化、そして輸送業界の方々の繁忙感の緩和、そしてまた、少し視点を変えれば働き方改革というのもスタートしております。輸送業界の方々も、今後に向けて、さらなる生産性の向上ですとか、輸送のあり方の変化というのが求められてきている状況にあります。  そういったことを考えれば、今この新型コロナ対策が進んでいる間というのもございますし、通行可能な時間帯の臨時的拡大措置というものを今検討すべきタイミングではないかというふうに感じております。  具体的に申し上げれば、今、特殊車両というのは夜九時から次の日の朝六時までの間で通行することができる、つまり夜間に物を運びなさいということになっておりますけれども、今、通勤時間帯また日中も含めて交通量が減少している状況にあります。しかも、その減少分の大半が一般乗用車の減少によるものであって、物流車両というのはそれほど多くは減少していないという状況にございます。  安全面に十分配慮する必要はあるにしても、この通行時間帯の臨時的な緩和措置というのを検討する必要があるのではないかというふうに思うんですけれども政府の御見解を伺いたいと思います。
  26. 池田豊人

    池田政府参考人 お答えいたします。  一定の重量や寸法を超える特殊車両の通行に当たりまして、橋梁の損傷を避けるためですとか交差点においての対向車との接触を回避するために、当該特殊車両のみ通行させることを条件にしている区間がございます。このような区間では、他の車両の通行を一時的に妨げることになり、交通に影響を与えますので、交通量の比較的少ない夜間に限って通行をしてもらうこととしておるところでございます。  今御指摘ありました通行可能な時間帯の拡大でございますけれども、市街地の交通や通勤の混雑への影響がありますので、一律に拡大することは困難だと考えておりますけれども、引き続き、物流事業者さんの声を丁寧に聞きながら、個々の道路事情に応じて拡大の可否について検討してまいりたいと考えております。
  27. 浅野哲

    浅野委員 今の答弁の内容ですと、一律での拡大は難しいけれども、個別のケースについては相談を受けながら検討していくということでした。ぜひ前向きな検討をしていただきたいと思いますし、これから、この新型コロナウイルスの感染拡大が仮に収束した際も、恐らく国内の消費者の方々の購買行為の傾向というのに変化があらわれるのではないかと考えております。そういったところも踏まえて、ぜひ柔軟な制度の見直しをお願いしたいというふうに思います。  これに関連して、もう一点質問させていただきます。  今、特殊車両の通行許可をとらなければいけないのかどうかを判断するための指針として、特殊車両通行許可申請書類作成要領という書類がございます。この要領の中に、特殊車両の一番遠い車軸の距離と、あとは軸重の配分比という数値があるんですけれども、これを照らし合わせて、この重さを超えたら許可が必要だというような目安となる表がございます。  これは、事務方の方に以前聞きましたら、随分前にこの表が作成されてから、最近、数値自体の見直しがされていないというふうに伺いました。ただ、その一方で、業界の方々の声としては、特殊車両、大型車両といっても、毎年毎年新しい車両が出てきて、やはり車の特性、道路にかかる負担の性質というのが徐々に変わってきているそうでございます。  ですから、この表というのがかなり前につくられているということを考えると、この要領の中身についても見直しをしていくべきではないかというふうに思うんですけれども、この点に関して、政府の御見解をお聞かせいただければと思います。
  28. 池田豊人

    池田政府参考人 ただいま御指摘がありましたように、道路の新しい開通や改良によりまして、橋梁を始めとする道路の強度については改善をしております。そういった状況を見ながら、今御指摘のありました通れる車両の基準につきましても不断に見直しをしていきたいというふうに考えております。
  29. 浅野哲

    浅野委員 ぜひよろしくお願いいたします。  では、次の質問なんですけれども、今国会では道路法の改正が予定をされております。その道路法の改正の中身について、一点質問させていただきたいと思うんですけれども、きょうお配りした資料の一をごらんいただければと思います。  この道路法の改正によって政府が今検討しているのは、特殊車両の許可の際に、これまでは、当然、車が出発地から目的地に移動する間に幾つかの経路を選択する可能性があります。そして、これまでの制度だと、その経路ごとに申請を出して、通行する可能性がある経路は全て申請を出して許可をとっておかないと、いざというときに通れなかった、そんな制度でしたので、今後、見直しがされたら、電子申請になるわけですけれども、出発地と目的地を決めたら、その間に通行できるルートが一括して表示されて、それを一括して許可がおりるというような中身になるそうでございます。  きょう質問させていただきたいのは、実は、このシステムで取り扱う経路というのは、あらかじめこのシステムに登録をしておかなければいけないようなんですね。ですから、新しくできた道路ですとか既に存在している道路であっても、システムに登録されていなければ一括許可の対象にはならないということだそうであります。  今業界の方々の声を聞いておりますと、あらかじめシステムにどれだけしっかりと道路が登録されているかがとても重要で、今実際、未登録、未採択道路と呼ぶそうですけれども、この道路がまだまだたくさんあるということでございます。  今後の円滑な物流の実現に向けては、やはり、新しい道路、そして、今まだ登録をされていない道路が一刻も早くこのシステムに登録される必要があるというふうに考えておるんですけれども、この円滑な早期登録に対してどのような対策を考えていらっしゃるのか、政府の見解をお伺いいたしたいと思います。
  30. 池田豊人

    池田政府参考人 お答えいたします。  今回導入を予定しております新たな制度におきましては、今御指摘ありましたように、道路構造の情報を電子データ化、あらかじめしておくことで、あらかじめ登録を受けた特殊車両は通行可能な経路をウエブ上で検索をして即時に通行できる、このような制度を考えております。  この制度の効果をより発揮するためには、道路構造の情報のデータを追加、更新を進めて、新しい制度の利用が可能な道路の範囲を広げていくことが重要だと思います。  このため、これまでデータの追加、更新は、国が一年に一度まとめて行っておりましたけれども、道路の開通などに際して随時行うなど、その更新の頻度を高めて、公共団体と連携して道路の電子データ化の範囲を広げていくよう取り組んでまいりたいと考えております。
  31. 浅野哲

    浅野委員 随時という言葉が出ましたけれども、システムは、これまでと違って、年に一回まとめて登録をして、そのたびに膨大な作業時間がかかるようなものではなくて、ぜひ随時更新ができるようなものにしていただいて、業界の方々の利便性向上にぜひ配慮をいただきたいというふうに思います。  続いて、ドローン規制について質問をさせていただきたいと思います。  本日の資料の二をごらんいただきたいんですけれども、やはり最近、技術の進歩によってドローンの活用というのが輸送業界、そしてまた幅広い業界分野で進んでおります。  ただ、このドローンというのが、安全上いろいろな課題もございまして、個体登録制度というのが今検討されているそうなんですけれども、きょうお伺いしたいのは、登録するときの不正をいかに防ぐかというところであります。  この資料を見ていただくと、「登録制度のイメージ」というところの下に「オンラインで手続」というところがございます。今回、政府検討されているのは、基本的にオンラインで完結するような手続を考えているそうなんですけれども、ドローンが本当に安全なのか、ちゃんと登録された内容と現物が合っているのか、これはどこかで実際確認をしないといけないんじゃないかというふうに思うんですね。  例えば、自動車などを例に挙げても、実際に登録するときには実車が必要になりますし、やはり今後の、人々が住む地域の安全にもかかわる話ですから、これはオンラインだけではなくて、ちゃんと現物確認をするなどの対策も必要ではないかと思うんですが、その点について政府の見解をお伺いしたいと思います。
  32. 和田浩一

    和田政府参考人 お答えを申し上げます。  無人航空機の飛行に係る安全確保のため、所有者等を把握し、原因究明や安全確保の措置を講じさせることなどを目的として、無人航空機の登録制度の創設を盛り込んだ航空法等の改正案を今国会に提出をしてございます。  この無人航空機の登録に当たりましては、申請者等の真正性を確保するために、マイナンバーカード等によりまして本人確認を行うことを予定しておりますし、不正な手段によって登録などを受けた場合の登録の取消しのほか、必要な罰則なども盛り込んでいるところでございます。  それから、無人航空機の登録に当たって、大変膨大な数の無人航空機が対象になると見込まれることから、円滑かつ迅速な登録実施の観点から、基本的にインターネットを活用した審査で手続を行うことを想定をしております。  ただし、登録の申請に当たりましては、無人航空機の写真など必要な資料の提出を求めることができることとしております。また、所有者や使用者に対して、実機の確認を含む立入検査や報告徴収を行うことができる旨の規定も盛り込んでおりまして、これらを通じて機体情報の真正性を確認してまいりたいと考えております。
  33. 浅野哲

    浅野委員 時間が参りましたのでこれで終わりますけれども、最後にちょっと大臣に質問したかったんですが、ぜひ、特殊車両の許可制度ですとかドローン規制について、もう本当に日々変化が起こっております。より柔軟な対応をお願いして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  34. 土井亨

    土井委員長 次に、谷田川元君。
  35. 谷田川元

    ○谷田川委員 野党共同会派、立国社の谷田川元です。どうぞよろしくお願いいたします。  きょうは後ほど航空産業に対する支援について質問いたしますが、これは、大企業を優遇するんじゃないかという国民の批判を受けないためにも、やはり今、私の地元千葉県も緊急事態宣言の地域に指定されましたが、休業要請補償をセットにすべきだ、これは全国知事会も緊急提言でやっております。そういう要請に応えるとともに、やはり、困っている国民にしっかり現金給付がなされる、こういうことが行われてこそ初めて私は航空産業に対する支援というのが国民から理解されると思いますので、ぜひ大臣、そういった認識を共有していただきたい、そのことを要望したいと思います。  そこで、まず成田空港について質問をさせていただきます。  まさに今、成田空港も、昭和五十三年、一九七八年の開港ですけれども、それ以来、一番の危機だと言っても過言ではないと思います。  四月十二日からB滑走路を閉鎖することになりました。これは、一月末に大臣から許可がおりました三本目の滑走路等の機能強化策に対して影響があるんじゃないか、そういう心配をする関係者もいますので、改めて大臣、この成田空港の機能強化策は予定どおり進めていくという決意をおっしゃっていただきたいと思います。
  36. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 現在、新型コロナウイルスの世界的な感染の拡大に伴いまして、成田空港だけではなくて、全ての航空業界、大変厳しい状況にある。特に成田空港は、B滑走路を一時閉鎖するという状況にあることは十分承知をしておりますが、これは中長期的に見て、成田空港が日本を代表する国際空港であり、その機能を強化しなければいけないというのはいささかも変わっておりませんので、既存のB滑走路の延伸ですとかC滑走路の新設等、予定しているものは、これは目標も、発着容量を年間五十万回にするというふうにも掲げておりますので、着実にしっかりと進めてまいりたい、こう考えております。
  37. 谷田川元

    ○谷田川委員 ありがとうございます。  今、コロナウイルス問題が喫緊の課題ですから、すぐには難しいと思いますけれども大臣、この問題が一段落したら、ぜひ成田空港を現地視察していただきたいということを要望したいと思うんです。特に騒音の問題、あるいは過去の成田空港の歴史ですね、警官の方が三人殉職された、そういう事実もございます。それから、機能強化に関して、三本目の滑走路を新設するに当たって移転の問題等もありますので、ぜひ、現地の声を聞くためにも、成田空港の視察をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  38. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 もちろん、国会状況が許せば、しっかりと実施をしたいと思っております。
  39. 谷田川元

    ○谷田川委員 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、お手元に紙が配られていると思いますが、各国の航空業界への支援内容を一覧表にいたしました。  三月二十六日に国際航空運送協会、IATAが、非常にこれは世界的な感染拡大で旅行需要が急減するので、ぜひG20の首脳に支援をしてもらいたいと、業界全体で二千億ドル、約二十二兆円、そういう資金不足に陥るので、早期の支援実行をG20の政府に求めたんですね。  そのIATAの要請の前に、もう既にスウェーデン、デンマーク、あるいはオーストラリアなんかは、この表にあるような支援を表明しておりまして、アメリカは、IATAの要請に呼応する形で、何と五百億ドル、約五兆四千億円、そのうち二百五十億ドルが融資で、残りは返済不要の補助金です。  残念ながら、日本政府が四月七日に緊急経済対策の一環として航空業界に対する支援を表明されておりますが、何となく私は、ちょっと遅くて支援内容も少ないんじゃないか、そういう認識を持っているんですが、大臣、いかがでしょうか。
  40. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 航空業界が、今、水際対策で入国は実質できなくなっておりますし、さまざまな各地の大規模なイベントも自粛要請をしておりますし、大変厳しい状況というのはよく承知をしております。業界全体でも、二月から五月に限っても五千億の減収を見込んで対応しているということも、業界からもよく聞いております。  我々はそうしたことについて、もうよく御承知だと思いますが、着陸料等の支払いの猶予ですとか、日本政策投資銀行の危機対応融資、これは総額六兆円の枠で用意しておりまして、数多くの航空会社もこれを利用していただいて、業界からは、このことは大変ありがたかったという感謝もいただいておるところでございます。  これが長期化すると、ますます大変な状況になるということはよく承知をしておりますので、しっかり業界皆さんの声を聞きながら、適時適切な対応をしっかりととっていきたい、こう考えております。
  41. 谷田川元

    ○谷田川委員 日本経済新聞に四月七日付で、全日空が政府保証を要望したなんという記事が出ちゃいまして、私もちょっとびっくりしたんですが、事実関係をちょっと確認してみますと、三月二十三日の日に、総理官邸に定期航空協会が業界団体として呼ばれているんですね。それで、その会長である平子社長が紙を配りまして、そこには、政府保証、低利無担保つき融資と書いてあったんですね。  どうも、政府保証というのは、厳密な意味政府保証じゃなくて、何とか国が支援をしてほしい、強く支援してほしい、そういう意味で書いたというので、その言葉を信じたいと思うんですが。  いずれにしても、お役所として、業界がこういう紙を書かざるを得ないような状況に置かれていることを前もって知って、それで、何かあったら向こうから言ってくるんだろうという体制じゃなくて、おまえら大丈夫か、しっかりしてくれよと、逆にプッシュ型の、そういう支援というのをやはり国交省として心がけていただきたいということを要望したいと思います。どうぞよろしくお願いします。  それで、もう一つ、日本の航空業界公租公課が高いということをよく言っているんですけれども、私、十年前にこの国交委員会で当時の前原大臣に、日本特有のと言ってもいい航空機燃料税、これを廃止すべきじゃないかという質問をしたんです。  それは、航空機燃料税、もう釈迦に説法ですけれども、空港を整備するためにもともとつくられた税金ですけれども、当時、十年前で、もう既にほとんどの空港が整備されたので、これはもう廃止に向けて検討すべきじゃないかということを私が申し上げたら、前原大臣も、その方向性は正しいと言ってくれまして、今三分の一減免されていますけれども、私はいずれ廃止すべき方向だと思いますが、大臣はどういう御見解をお持ちでしょうか。
  42. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 谷田川委員と前原当時の大臣のやりとりの議事録を見ましたが、その次の次ですか、後の羽田大臣のときには、このことについては否定をされていることも承知をしております。  私は、そのやりとりとはちょっと別にして、この航空機燃料税というのは、よく御承知のように、空港の整備等々の財源として使わさせていただいている。冒頭、谷田川委員からも言われておりましたが、成田空港自体にとっても、B滑走路、C滑走路のことを整備していかなければいけないわけですし、この前、那覇空港の第二滑走路も、時間がかかりましたけれども、ようやく供用開始になったりとか。  今後、今はこういう厳しい状況でありますけれども、反転攻勢をする。観光需要だけじゃありませんけれども、ビジネス等々のことを考えていくと、航空需要がまだまだ大きくなっていくというのは当然見えておりますし、この空港整備に係る費用というのは、たくさんかかるのではないでしょうか。そうした意味で、大変大切な財源として使わせていただくということで。  他方、航空業界、今こうした困難な時期については、業界の声を、先ほど、何も聞いていなかったかのような誤解をされるような御発言がありましたけれども、プッシュ型で基本的には聞いておりまして、いきなり官邸でそうしたものが出されたという話じゃなかったとは思っておりますが、それは別にして、航空業界が今大変な状況については、先ほど申し上げたとおり、適時適切にしっかりと対応するということが私は正しいのではないかなというふうに思っております。
  43. 谷田川元

    ○谷田川委員 それでは、次に移ります。  成田空港へのアクセスについて質問いたします。  恐らく、この中で、成田新幹線構想があったということもわかっていない若い世代の方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、何とこれは昭和四十六年、一九七一年に、上越新幹線、東北新幹線とともに整備計画が決定されたんですね。しかし、沿線住民の反対等いろいろありまして、残念ながら、昭和六十一年、一九八六年に計画が断念されました。  成田新幹線ができると成田から東京まで通勤圏になるということで、今から五十年ぐらい前に成田ニュータウンなんかができたんですね。当時住居を構えた人たちが、今はもう七十代、八十代の方ですけれども、私たちは国にだまされた、成田から東京まで新幹線で通勤できるんだ、そう思って成田ニュータウンに越してきたと言う人がいまだにいるんですね。  成田空港まで三十分台で結ぶのは私は国の責務だというふうに思いたいんですが、大臣はどういうような御見解をお持ちでしょうか。
  44. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 責務というのは何を指して言われているのか、ちょっとよく理解しているかどうかはあれですけれども、平成十二年の八月に運輸政策審議会の答申第十九号で、成田空港と都心部との間の所要時間を三十分台とすることを目指すという考えが示されたという事実はございます。  この答申を受けて、よく御承知だと思いますが、成田高速鉄道アクセス線の整備が進められて、平成二十二年に同線が開業して、現在は日暮里と成田空港第二ビルの間は最短三十六分で結ばれているということであると思います。  今後、冒頭申し上げました成田空港のさらなる機能強化、また展望としては、利用者は増加するということになっていかなければいけないと思っておりますので、そうした意味では、成田空港への鉄道アクセスの強化というのは重要な課題であるということはよく認識をしております。
  45. 谷田川元

    ○谷田川委員 去年の十月のこの国土交通委員会で、私、都心直結線について質問させていただきました。残念ながら全然前に進んでいない、そういう中で、大臣が、事業主体が見つからないと、いろいろ問題点を浮き彫りにしていただきました。  私、京成電鉄を訪問しまして、役員の方に、京成電鉄としてどう考えるんだという話を聞きました。事業費が四千四百億円と言われていますので、やはり京成本社の体力からしてこれを事業主体になって出すのは難しい、そういう回答でございました。  大臣、何かこの事業費を捻出するいい知恵はお持ちではありませんか。いかがでしょうか。
  46. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 この事業費四千四百億円というのは大変大きな金額ですし、これまで国交省としても、この事業主体、さまざま努力をしてまいりましたが、現状は今委員がおっしゃられたとおりだと思っております。  残念ながら、妙案はあるかと聞かれれば、今すぐ、にわかに答えられるような妙案はないというふうにお答えするしかないと思いますので、ぜひ、まず御地元で、やはり成田空港の御地元でしっかりとした都心直結線について意見を固めて、力を結集されて、より多くの人からいい知恵を出していただくのが、ちょっと私が言うのも差し出がましいんですけれども、そういうことが大事なのではないかなというふうに思います。
  47. 谷田川元

    ○谷田川委員 それでは、次の話題に移ります。  昨年、気象庁は二月に発表した予報で、夏の気候は海水温が高く、台風の頻発化、平年以上に降水量があるという予報をし、そのとおりになったんですね。  ことしも二月二十五日に夏の予報が発表されましたが、気温はほぼ平年並みか高い、降水量は平年並みということですけれども、昨年のような豪雨や災害が襲来するおそれがあると思いますが、気象庁の見解を伺います。
  48. 関田康雄

    関田政府参考人 お答えいたします。  ただいま委員から御指摘いただきましたことしの予報は、気象庁が二月二十五日に発表しました暖候期予報というものでございまして、ことしの六月から八月の三カ月間の天候の見通しを示したものでございます。この暖候期予報では、ただいま御指摘いただいたとおり、気温は平年並みか高く、降水量はほぼ平年並みと予想しているところでございます。  一方で、昨年の令和元年東日本台風や平成三十年七月豪雨など、我が国では毎年のように台風や大雨による被害が生じております。  また、今後、地球温暖化の進行に伴い、大雨の発生頻度や、台風など熱帯低気圧の強さが増す可能性も指摘されておりますので、本年につきましても、台風や豪雨災害に対して警戒が必要であり、気象庁といたしましては、適時適切に警戒を呼びかけてまいりたいと考えております。  今後とも、災害の軽減に資する気象情報の充実強化を図り、的確な注意喚起に努めてまいります。
  49. 谷田川元

    ○谷田川委員 そうすると、ことしも豪雨や台風の災害が心配されるんですが、災害を防止するには中長期的な取組と短期的な取組があると思うんですが、もう梅雨を前にしてあと二カ月しかないわけですけれども、この際、短期的な取組、やるべきことをやるべきだと思うんです。  そこで、去年、ずっと台風情報なんかを見ていると、避難勧告が出るときに、河川の沿川の住民何万人避難要請とか避難勧告とかいうテロップが出たんですが、実際そういった何万人の人が収容できる避難所というのはないんですよね。  だから、この辺、避難の仕方をやはり検討し直す必要があると思いますが、そのために国と地方自治体が緊密に連携すべきと思いますが、いかがでしょうか。
  50. 村手聡

    村手政府参考人 お答え申し上げます。  令和元年台風第十九号では、一部の避難場所、避難所において、避難者の集中によって支障が生じるなど、課題があったと認識してございます。  この十九号等を踏まえまして、昨年十二月に中央防災会議のもとに有識者から成るワーキンググループを設置いたしまして、避難の方法を含め、住民がより適切な避難行動をとれるよう検討を進め、三月に報告書を公表したところでございます。  報告書では、特にことしの出水期までに早急に実施すべき具体的な対策として、避難とは難を避けることであって、したがって安全な場所にいる人は避難する必要がないこと、また、避難先は避難場所、避難所に限るものではなく、安全な親戚、知人宅等も避難先となることなどを全国的に周知することといたしました。またあわせて、市町村が避難場所、避難所の確保や適正な配置に引き続き努めるよう促すこと等を掲げてございます。  この対策を各自治体と密接に連携して早急に実施し、災害発生時に住民が円滑に避難できるよう取り組んでまいります。
  51. 谷田川元

    ○谷田川委員 よろしくお願いします。  それと今、コロナウイルスが蔓延していまして、やはり避難所のあり方もいろいろ検討すべきだと思います。この間、古川委員も質問しておりましたけれども。  四月七日付で、避難所における新型コロナウイルス感染症への更なる対応についてという文書を内閣府が都道府県等に発送しています。非常にきめ細かく、いい内容が書かれていると思いますが、これをいかに現場市町村に指示、徹底させるか、これが非常に大事だと思うんですよ。  ところが、今こういう御時世ですから、なかなか、通常ですと、各都道府県が市町村担当者を集めて、そこで中央の方も来て説明してというのはあるんですけれども、これはできないと思いますよ。ですから、全国的にテレビ会議を一斉にやる、そういうことも考えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  52. 村手聡

    村手政府参考人 お答え申し上げます。  先般発出した通知の内容の周知につきましては、三密を避ける必要性というのは当然ございますので、内閣府でもホームページで早速公開をしてございますし、また、おっしゃるように、どういった方法があるか、しっかり周知する方法についても考えてまいりたいと思っております。  また、都道府県から市町村への周知に当たっても、テレビ会議等適切な方法を考えていただいて、徹底を図っていただくよう促してまいりたいと考えてございます。
  53. 谷田川元

    ○谷田川委員 ぜひ、都道府県に任せるんじゃなくて、全国の市町村を巻き込んで、内閣府が大臣を先頭に全国でテレビ会議をやるということをやっていいんじゃないかということを最後に申し上げて、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  54. 土井亨

    土井委員長 次に、後藤祐一君。
  55. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 立国社会派、国民民主党の後藤祐一でございます。きょうは質問の機会を賜りまして、ありがとうございます。  まずは、国土交通省にぜひ取り組んでいただきたいコロナ対策を中心に申し上げたいと思います。  最初に、住宅ローンの減免あるいは猶予でございます。  特に収入の減った御家庭などで、支出のうち、かなり大きな割合を占めるのが住宅ローンだと思われます。この住宅ローンを、特にこの新型コロナ影響で収入が大幅に減った世帯については住宅ローンの返済を減免ないし猶予する、そんな支援策を講じるべきではないでしょうか。  これについては、住宅金融支援機構を通じた一部取組は既に行われていると聞いておりますが、この住宅金融支援機構と関係ない純粋民間の住宅ローンも含めて、どのような支援策を行っていらっしゃいますでしょうか。そして、これから更に取り組んでいただきたいと思いますが、赤羽大臣、いかがでしょうか。
  56. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 まず、今、後藤委員指摘していただきましたが、住宅金融支援機構、ここは、機構がローン債権を有しているフラット35等を利用された利用者のうち、今般のコロナウイルス感染症影響により返済が大変困難になった方がいらっしゃいまして、こうした方に返済方法の変更の対応を行っていただいております。  もともと、この機構には、経済事情の、いわば病気などで返済が困難になった場合、最長十五年の返済期間の延長を行うほか、失業や収入が激減した方に対しては、最長三年間、元金の据置きをするということの対応もしているところでございます。  こうした取組に対して、もう既に機構から委託をしている民間金融機関に対しまして、利用者からの相談に柔軟に対応するように要請をしておりまして、こうしたことの困難者に対して対応ができつつあるというふうに思っております。  この状況、恐らく、余りそうは願っておりませんが、長引けば長引くほど、そうした住宅困難者、住宅に関する困難者が出てくると思いますので、これはもう適時適切に、現場の声を聞きながら対応していかなければいけない、こう承知をしているところでございます。
  57. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 ぜひ、住宅金融支援機構のかかわらないような住宅ローンもかなり多いと思いますので、そこも含めて対策を金融庁とも協力して講じていただきたいというのと、あと、今大臣がおっしゃったようなことを、ぜひPRをしていただきたいなというふうに思います。  続きまして、このコロナで収入が大幅に減っているような中小企業への支援策として、家賃の減免あるいは猶予といったことがいろいろなところで議論になっておりますが、特に、休業要請の対象となる事業者を始めとして、減収幅の大きいような中堅あるいは中小企業、あるいは個人事業主については、少なくともコロナが収束するまでの家賃の支払いの猶予を行うべきではないでしょうか。できれば家賃の補助も行うべきではないでしょうか。  これについて、菅官房長官は四月十三日の会見で、賃料を割り引いた事業者の売上げが半減した場合は来年度の固定資産税を全額免除という話をされておられますけれども、そもそも、売上げが半減した中小事業者は、令和三年度の固定資産税と都市計画税が免除になるのは、これは賃料の割引と関係なく決まっている話だと思いますので、そういったほかの話ではなくて、あるいは団体を通じた呼びかけだけではなくて、具体的な施策、例えば中小企業基盤整備機構ですとか日本政策投資、金融公庫ですとか、こういった公的機関が立てかえて支払う形、それで債務の支払いを猶予する、こんなことも考えられると思いますが、いかがでしょうか。
  58. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 今、後藤先生が言われた、国の機関が立てかえるというのは、ちょっとつまびらかじゃないんですけれども、その立てかえて支払うというのは、オーナーサイドに支払うということですか。よろしいですか。それはちょっと私は、こうした段階で、テナントに入っている例えばお店、飲食業が、全然、売上げがゼロになっていて、テナント料が大変な負担になっているというのはすごくよくわかっております。それに対して本来やるべきことは、そのテナントに対して国としてどういう支援ができるかということがまず基本原則なのではないかというふうに思っております。  ですから、そこに対しては、これは国交省だけではありませんけれども政府系金融機関ですとか民間金融機関において実質無利子無担保の融資をするということとか、近々現実化させていただきますが、中小企業に対しては持続化給付金の創設を実行する、こうしたことで、テナントの皆さんが賃料をちゃんと払っていけるような応援をするというのがまず第一だと思います。  加えて、実は私も、先月三十一日に、こうしたことがありますけれども、ビルの賃貸事業者皆さんに対しては、こうした新型コロナウイルスという、ある意味でいうと未曽有の感染症影響でテナントの皆さんは大変困っているので、そうしたことについては柔軟な措置を配慮していただきたいと。テナントに出ていかれて困るのはオーナーの皆さんですし、それはやはりパートナーシップとして柔軟に対応していただきたいということを不動産関連団体を通じて要請を行いました。  その後、では、ビルのオーナーの皆さんへはどうなのかということで、賃料の減免なんかを行っていただいた場合については損失額を損金算入できる措置ですとか、事業収入が大幅に減少した場合の固定資産税減免ですとか、金融機関に対する既往債務の返済猶予ですとか条件変更の依頼、こうしたものも、今月の九日、同じように不動産関係団体を通じて周知を行っているところでございます。  とりあえず、こうしたことで周知徹底をしながら、今つくっている支援制度を十分に生かしながら、何とかこの難局を乗り越えるべく対応するというのが第一であって、この状況が続いて、より悪化した場合には、それなりの適時適切な対応をしなければいけないと心がけておるところでございます。
  59. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 あの中小企業への二百万というお金はワンショットなのか何だかわかりませんし、このコロナが何カ月続くかわかりませんし、やはりフローで毎月出ていく家賃というのは、非常にこの中小企業者、特にお店にとっては大変な不安だと思うんですね。  確かに、いろいろな融資制度はあるんですけれども、家賃のことはもう心配しなくていいといったことをわかりやすく伝えること自体、すごく安心感を与えると思うんです。ですから、家主に対してかわりに払ってもらって、その後、求償権を持っていただいてもいいですよ、それを一律でやりますということをはっきり言っていただくだけでかなり違うと思いますので、ぜひ御検討いただきたいなというふうに思います。  続きまして、ホテルの活用について伺いたいと思いますが、今、病院がパンクしかねない、あるいはしているというような都道府県もある中で、重症者への医療に重点を置くために、軽症者あるいは無症状の方を移す先としてホテルを活用している都道府県が出てきておりますけれども、これがなかなか見つからないというようなケースをテレビなどでも報道されております。  これについては、都道府県がこういったホテルを探すこともできるのかもしれませんが、なかなか難しい面もあると思います。国土交通省ホテル所管されているわけですから、ふだんからのおつき合いもあると思いますので、ぜひ、これは都道府県とも協力しながらかもしれませんが、国土交通省が主体的にこういった軽症者等を移す先としてのホテルを探していただいて、都道府県のバックアップをしていただければと思いますが、いかがでしょうか。
  60. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 四月二日に、厚生労働省より、軽症の患者の皆さん等につきましては、今お話がありましたように、宿泊療養を実施するという旨の方針が示されたところでございます。  そうした意味で、今、後藤委員言われたように、都道府県ですとか、さまざまな宿泊施設に当たっていただいておりますが、所管国土交通省としても、おっしゃるとおり我々が一番パイプも持っておりますし、私個人も直接お願いをしたりしていまして、今、我が省で働きかけて、全国で千を超える宿泊施設で、こうしたことに協力をしてもいいと言っていただいているところが出てきております。室数にすると、二十万まではいきませんけれども、十五万以上の部屋が前向きに協力をするということを言っていただいておりますので、これは厚生労働省を通じて各都道府県に提供させていただいているところでございます。  これも実態を通じながらしっかりと、ホテル事業者と直接話しても、ぜひこういう国難だから精いっぱい協力したいと言っていただける方もたくさんいらっしゃいますので、よく御理解をいただいて、また、風評被害が起きないようにしっかりケアしながら対応していきたいと思っております。
  61. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 ぜひ御協力をお願いしたいと思います。  続きまして、観光、運輸関連業への支援策でございますけれども、今度の二次補正ゴー・トゥー・トラベル・キャンペーン、先ほども出ていたようですけれども、一・七兆円という予算が計上されておりますが、これはコロナの流行が収束した後の一定期間が対象ということで、コロナの流行が収束すれば、長い間我慢していた旅行者の方は、ほっておいても、インセンティブがなくても旅行には行くのではないのでしょうかね。むしろ、流行が収束する直前期みたいなときに、人によってはもう大丈夫だと判断して、あるいは地域によっては大丈夫だということで旅行に行き始めると思うんですが、観光、運輸業界にとっては大事な需要を、むしろこのゴー・トゥー・トラベル・キャンペーンで需要を先送りしてしまう懸念があるのではないかと思うんです。旅行というマーケットは、ピーク需要をどうずらして稼働率を上げるかというところが大事だという観点からすると、ピーク時の需要を更に増すというのはちょっと政策としてどうかなと思うんです。  それと、ちょっとまとめて聞いてしまいますが、むしろ、こういった観光、運輸関連業は今困っていらっしゃるわけですね。実際、その仕事が続けられるかどうかという状況にあるわけですから、この一・七兆円があるのであれば、むしろ、今大幅に収入が減っているわけです。私の地元でも、地域で一番の老舗の立派な旅館が九割収入減で、そろそろ閉めると。閉めるというのは休業になるというようなお話を伺っていますし、どんな状態になっても、うちはバスも売らないし、従業員も雇い続けるという大変立派なバス会社の方も、三月、四月で一億円減収だと。二百万はうれしいけれども、正直言ってこれでは何ともならぬ、こういう会社がいっぱいあると思うんですね。  こういった観光、運輸関連業に対する業としての支援策を、中小企業一般についての二百万の話とは別に、国土交通省として、この一・七兆円だったら、そっちの方を求めていると思うんですが、何か具体策はないんでしょうか。
  62. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 ゴー・トゥー・キャンペーンのことで、ちょっと冒頭、最初の質問でお答えさせていただきますが、我々もいろいろ検討する中で、後藤委員が言われたように、収束直前のとき云々、そこの旅行需要が先送りされるのではないかという、確かにこれは内部で議論もありましたが、これはやはり、ちょっと頭で考えているとそうなんですけれども収束期というのはいつかわからないんですよね。収束期がいつかわかっていて、その前に予約が入ったものが、収束期以降、すごい大ボーナスのキャンペーンをやるんだったら伸びるというのは、そういう議論をしたんですけれども、しかし、今現実に向き合っていますと、収束期というのはいつかわからない中で、収束期の前期というのはわからないわけですし、加えて、今、正直言って、先ほどの広田委員の御質問にもありましたが、全国の宿泊業観光業、ほとんどお客が、予約が入っていないのが現状なんですね。相当へこんでしまっていると。  だから、私は、そこの部分というのは非常に難しいし、収束をしたとしても、一定程度の需要が、回復が見込まれるというふうに言っていただきましたが、我々は、収束の見通しが立ち始めたとしても、恐らく、いろいろなことを心配しておりまして、やはり仕事について、これだけ長い期間こういう停滞があったので、まず仕事をしなきゃいけないという、こうした動きも当然あるでしょうし、夏休みも一定の期間が短縮されるのではないか、これはよくわかりませんが、そうしたことも懸念されるし、なかなか、一遍に観光需要の本格的な回復に至るというのは、収束の見通しが立った後も相当程度の時間がかかるのではないかというふうに私たちは実は見ております。  ですから、そうしたことを考えると、やはり長期化して、旅行控え、物すごく落ち込んでおりますので、こうしたことを強力に喚起するためには、相当大きな、大規模な需要喚起策、そして、加えて、今度考えているのは、宿泊だけじゃなくて、地域飲食業とか、お土産物屋さんとか、また交通機関とか、そこにも裨益できるようなものじゃないと、なかなかここまで深刻な状況を立ち直らせることはできないのではないかというふうに思っております。  加えて、やはり期間を短くした方が効果が出るんじゃないかという考えもありますが、今、後藤委員言われたように、集中をすると予約がとれないとか、さまざまなことも懸念されておりますし、ちょっとそこら辺はよく検討していきたいと思います。  それと別に、先ほど広田委員からも同様の質問、御提言がありましたけれども、そのために、目の前で、この間、廃業されたりとかしてしまってはV字回復も何もありませんので、今の事業継続雇用確保ができるように最大限の対応をしていかなければいけないと思っておりますし、これが、望んでおりませんが、こうした状況が長引けば長引くほど、それが非常に深刻になるので、業界からのヒアリング継続しながら、適時適切な対応をしていこう、こう決意をしておるところでございます。
  63. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 ちょっと残念ですね。運輸や観光関連業界というのは、人件費と家賃というのがいろいろな中小企業対策では中心になってくると思うんですけれども、それではカバーできない施設維持するというところの経費がかなりかかる業界だと思うんですよね。  コロナは、ある程度長引きます。V字回復は難しいと思うんです。いわばU字回復みたいな感じになると思うんです。そこのところが、ある程度、どれだけ続くかわからない間に維持できるようなフローのお金がやはり入るような政策お願いしたいんですが、残念ながら、今度の補正予算の中に、ローマ数字3と4という、これから先、経済をよくしていきましょうという予算はいっぱいあるんですけれども、目先の話であるローマ数字1と2というところは、国土交通省、多分、ほとんどというか、全く予算が計上されていないんですね。  ちょっとこれは大変残念だということを指摘をさせていただいて、これから台風シーズンを迎えるに当たって、ダムの話を最後にしていきたいと思いますが、昨年も台風の十五号、十九号で大きな被害がありましたし、おととしも岡山や愛媛などでダムについては大きな問題がありました。  そこで、私の地元でも城山ダムの緊急放流というのがあったんですけれども、既存ダムの洪水調節機能強化に向けた検討会議というのが、政府全体を通じた形で検討が進んでいるというふうに聞いております。四月中に事前放流等に関するガイドラインを策定して、五月中に、一級水系については、この城山ダムを含めて全ての既存ダムにおいて、国、県を含むダム管理者、関係利水者、そして河川管理者の間で、事前放流の実施方針を含めた治水協定を締結するというふうに聞いておりますが、これは予定どおり行われるということでよろしいんでしょうか。
  64. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 後藤委員におかれましては、事前放流について当委員会でも御質問いただいて感謝をしております。また、地元で城山ダムといったことを抱えているということもよく承知をしております。  今お話あったとおり、治水ダムは全国で五百七十、また利水ダムは九百。ですから、全体でいうと三割しか治水に使えない状況を今六割にしようということで、おっしゃっていただいたような対策をとっておりまして、今、予定どおり順調でございます。  この四月中にガイドラインを最終的に調整を行い、五月には、それぞれの一級水系、九十九水系ございますが、それぞれで事前放流が、具体的に開始基準ですとか水位低下量を、いつやれるかという治水協定を締結するべく今調整を行っておりまして、城山ダムのある相模川水系でも、関東地方整備局と神奈川県企業局、そして東京電力などが参加するこの水系の協議会を設置して、一月から協議しておりますが、予定どおり五月には協定を結べるというふうに見込まれております。
  65. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 大変大きな努力だと思います。  実は、おととし、国土交通省は、自分のところはしっかりやっていらっしゃるんですが、県が持っているダムなんかに対しても、こういった協定を結ぶようにと働きかけておられたんですけれども、去年の台風十九号の後、私が調べましたら、愛知県よりも東側の都道府県はほとんど結んでいないという、これが、結局、事前放流ができないまま台風を迎えてしまったという事態を迎えました。  今の大臣答弁にあったとおり、城山ダムを含めて、全ての、少なくとも一級水系については事前放流が必要な場合にはできるようになった、少なくとも六月からなるということは大変大きな成果だというふうに思います。これは評価をさせていただきたいと思います。  最後に、アスベスト対策について触れたいと思いますが、アスベストについては、これまで長い間、不十分な対策で、現場で働く皆様に対しては、命、健康の危険が長い間続いてまいりました。亡くなった方もおられますし、家族の訴訟も起こされ、ほとんどが国敗訴ということにここのところなっているわけでございます。  まず、眞鍋住宅局長にお伺いしたいと思いますが、民間建築物のアスベスト調査というのが行われておりますが、平成元年以前の千平米以上の大規模建築物、これが約二十七万棟あるそうですが、これを優先して調査してきていると聞いております。  ただ、対象は実はもっと広くて、このアスベストの全面規制となった平成十八年までの千平米未満の小規模建築物まで含めたものは全てで二百八十万棟あると聞いておりますが、この二百八十万棟に対するアスベスト調査は今後どのように進めていくのでしょうか。
  66. 眞鍋純

    眞鍋政府参考人 民間建築物などのアスベストの調査についてお答え申し上げます。  今御指摘いただきましたように、優先順位をつけながら調査を進めてございまして、業界が自主規制を行った平成元年までに建築されたもののうち、多数の者が利用が想定される千平米以上のものを対象に、まず優先的に調査を進めております。  この対象は、平成三十一年三月時点で約二十六万棟、調査対象があると認識してございますが、約九三%について、吹きつけアスベストなどの有無についての確認を既に終えたところでございます。このうち、吹きつけアスベストなどが使用された建築物は、確認を終えた建物の約六・一%、そのうち、除去などの対策が完了していないものは二千五百棟ぐらいあるというふうに把握してございます。  また、今御指摘いただきました千平米未満の建物についても、平成二十九年五月の審議会の提言を受けまして、優先順位をつけて調査を進めております。  この提言を受けまして、全国で調査を進めた結果、地方公共団体において優先的に調査が進められております。平成元年までに建築された小規模建築物を含むアスベストの調査台帳の整備状況については、九割以上の特定行政庁で対象建築物のリストアップに着手しております。また、約半数の特定行政庁において、実際の建築物における吹きつけアスベストなどの使用実態調査を開始しておりますが、一方で、対象建築物のリストアップや使用実態調査の両方を完了した特定行政庁は約二割にとどまっている、こういう状況でございます。  こうした状況を踏まえまして、昨年三月に審議会からいただきました提言を踏まえて、特定行政庁に対し、台帳の整備、調査の推進、あるいはそれを踏まえた必要に応じた除去などの対策の推進を継続的に行うべきこと、さらに、交付金を通じましたアスベストの調査や除去などの対策についての補助、これを継続的に行うこととしておりまして、特定行政庁との連携を強めて、こうした対策が適切に講じられるよう、なお努めてまいりたいと思います。
  67. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 ぜひ、何年までにどれだけ進めるかという計画を具体的に定めていただいて、実際に進めていただきたいというふうに思います。  その上で、これは支援をしていかなくてはいけません。この調査補助金もそうなんですが、実際にこのアスベストを除去するための補助金、これは社会資本整備総合交付金の中にございますが、地方公共団体の補助額の二分の一以内かつ全体の三分の一以内という大変不十分なものだと思いますので、大臣、これは拡充をしていただきたいなというのが一つと、もう時間ですので、ちょっと最後まとめて質問しますが、このアスベスト訴訟、原告勝訴がここのところずっと続いています。もう国と企業の責任は明確となっておりますので、訴訟による解決というのは時間もかかりますし、救済から漏れる被害者の方も救われませんので、ぜひ、拠出金による基金方式など、被害者の早期救済を図る補償基金制度を創設すべきだと思いますが、大臣の政治家としての見解を伺いたいと思います。
  68. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 これが起こったのは二〇〇六年ですね。クボタの尼崎にある神崎工場が最初だったと思います。地元があの冬柴元国土交通大臣だったということもあって、私も被害者の皆さんと何回か面談をし、御要望も聞かせていただいた経緯もございます。済みません、二〇〇五年の六月二十九日でございました。大変な状況だということはよく承知をしております。  所管としては、もうよく御存じだと思いますが、この補償、労災については厚生労働省ですし、それを補完するような形の石綿健康被害救済制度というのは環境省なので、所管じゃない私が個人的な感想を申し上げる立場ではありませんけれども政府の一員として、こうした被害者の立場に立って、関係省庁と連携しながら、足らざる部分についてはしっかりフォローしていきたい、こう申し上げたいと思います。
  69. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 前段の、アスベストの除去の補助金の拡充についてお答えをいただけますか。
  70. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 これは二十六万棟のうち、完了していないのは、まず一〇〇%じゃありませんが、数は相当絞られている。その中で、残っている原因は何かと担当の課長に話を聞いておりまして、補助率が少ないからということではなくて、ちょっと別の、住まれている方の同意がとれないとか、そうしたことの方が大事だということの話も聞いております。  しかし、この委員会での後藤委員からの御提言もありますので、委員の御発言も受けとめて、しっかり関係部局と検討していきたいと思っております。
  71. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 新たな被害者を生まないように、ぜひ、大臣のリーダーシップでお願いしたいと思います。  そして、基金制度を、ぜひ創設に向けて、これは与野党の先生方、これを応援されている方は多いと思いますので、政治の力は大事だと思いますので、あわせてお願い申し上げまして、終わります。  ありがとうございました。
  72. 土井亨

    土井委員長 次に、高橋千鶴子さん。
  73. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。  きょうは一般質疑ですので、この間、通告しながらできなかった質問も含めて、質問させていただきたいと思います。  最初に、祭りをどう見るかという問題です。  緊急事態宣言が出た翌日の八日、私の地元青森のねぶた祭りの中止を実行委員会が決めました。今のような大型の形になったのが一九五八年、それ以来のことで、初めてのことで、実行委員会は、安心、安全にやり切れる根拠はないとして中止を決めました。昨年の集客数は二百八十五万人にもなる本当に大きな祭りでもあり、ホテルやらツアーやらさまざま波及するという、全産業どれだけあるのかということがまだちょっと想像つかないくらいの事態だと思っています。  また、その後、仙台七夕や秋田の竿燈祭りなども相次いで中止を決めて、東北三大祭りが中止ということになっておりまして、委員皆さん地元も含めほかのところでも、当然広がっていく、決断を迫られるということになるのではないかと思うんですね。  さっき、全会一致で決めたと言ったんですけれども、本当にどんなに悔しいかと思うんですね。もしかしたら、八月というのはひょっとしたら収束しているかもしれない、でもそこになってから決めるわけにはいかなくて、今からもう準備をしていかなきゃいけないし、既に発注しちゃっているところもいっぱいあるんですね。そういう意味では、今決断をせざるを得なかったという意味では、本当に関係者の皆さんの悔しい思いに応えていきたいな、こういうふうに思っております。  祭りという、地域にとって、人々にとってなくてはならないもの、観光というくくりだけでは言えないかもしれないんだけれども、ただ、これを中止せざるを得なかった、このことによる影響をどう見るのかということと、やはり、既存の制度、枠組みでは対応し切れない新たな支援の仕組みが必要じゃないか、このように思うんですが、大臣認識伺いたいと思います。
  74. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 今回の新型コロナウイルス感染症の結果、今御指摘の東北三大祭りを始め、全国各地観光イベント、大型イベントが中止になったり延期となっておりまして、大変大きな深刻な影響が出ているのはもう御指摘のとおりであります。  加えて、私も東日本大震災の福島の原発事故の現地対策本部長を二年弱やらせていただきましたので、東日本大震災からの東北の復興の中で、やはり、この三大祭りを始めとする地域の祭りというのは、それぞれの地域の歴史ですとか文化を理解していただく本当に大変絶好の場、観光だけではなくて、そうした意味で大変意味のあることだというふうに思っておりまして、このことはこれからも引き続きしっかりとした支援を講じていかなければいけないというふうに思っております。  今回、令和二年度の補正予算に、実は、観光イベントを磨き上げた上で実施するということを支援するための、誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成、何か全然事業の名前は違うんですけれども、これは百億前後を積むことにしておりまして、具体的には、外部専門家と連携してアドバイスすることなどを通して地域のイベントの魅力を向上させるですとか、そうした場合はその実施費用を支援させていただく、また、そのプロモーションもしっかりこれを使っていただくということ、そうしたことも用意しておりますので、東北三大祭りを始め、そうしたこともぜひ利用していただきたいと考えております。  また、加えて、その時期に、きょうの委員会でもいろいろ出ておりましたが、ゴー・トゥー・キャンペーンの、大型需要喚起策、このこともうまく使っていただいて、全国各地観光地を元気にしていくことをしっかり取り組んでいきたい、こう決意をしておるところでございます。
  75. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 今お話ししてくださったことは、それ自体は、磨き上げ、それも、いろんなことをやらなきゃいけないので確かにありがたいなと思っているんですね。  やはり、今、既存の制度ではなくと私言ったのは、既存の制度だとどうしても、今売上げが減っている、これからやめるんだから減るのは決まっているんだけれども、そういう仕切りではなかなか補助の仕組みはつくれないですよね。そういうことも含めて新しいことを考えてもらいたい。  ただ、魅力アップではなくて、魅力あることはもうわかっているわけですよ、二百八十万人も集客するイベントなわけですから。それを本当にどう支援していくかといったら、例えば、バスは近県も回ってのツアーをやられているとか、ホテルだとか商店街、お土産、それから花見も中止になったので、出店の方たちはもう本当に困っています。  資材がいっぱいあるわけですよね。いろいろ思いつくんだけれども、ただ、その思いつくだけで議論しちゃうと、もっといろいろな産業が実は絡んでいる、連携しているというふうに思うので、やはり、地元でいうと観光協会ですとか商工会ですとか、いろいろそれを束ねているところに行って委ねながら、今、連休明けに向けて要求をまとめているという、地元でもそういうことをやっていますけれども、行って委ねながら、直接、例えばグループ補助金の応用みたいな、大型のものみたいな、そうしたことを考えていく必要があるんじゃないかなというふうに思っておりますが、もう一言、あったらお願いします。
  76. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 余り頭がよくないので、にわかに理解しているとはちょっと思えないんですけれども、そうしたことも踏まえて、今、ゴー・トゥー・キャンペーンのパッケージというのは、地域全体が底上げできるようなふうに使っていただけるような柔軟性も持って仕組みづくりを考えていかなければいけないかなと思っております。  今まだ詰めている段階なので、きょうの意見もしっかりと受けとめたいと思っております。
  77. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 きょうは認識を共有することが目的でございましたので、よろしくお願いしたいと思います。  次に、先週、コロナの影響で仕事を失った方、減収になった方、派遣切りで住まいごと失った方、そうした方への住まいの確保について質問いたしました。その続きで、今、全国七十二万戸あるというUR、都市再生機構の公団住宅についてもお聞きしたいと思います。  きょうは機構の方から来ていただいているわけですが、同じように、コロナの影響で家賃の支払いが困難になった方に、UR住宅は家賃の支払い猶予減免をするべきだと思いますが、どのようにされますか。
  78. 里見晋

    里見参考人 お答えいたします。  新型コロナウイルス感染症の拡大に伴いまして、今後生活にお困りになるお客様の居住の安定を確保することは、我々UR、都市再生機構にとっても大変重要なことと認識しております。  私どもとしましては、これは従来からやっていることでございますけれども、家賃のお支払いが困難となった方につきましては、個別の事情に応じまして、行政の福祉窓口の紹介、そして、御指摘のございましたような家賃の支払いを猶予した上で家賃の分割払いの御提案をさせていただくなど、必要な配慮を行いながら対応しているところでございます。  今般の新型コロナウイルス感染症の拡大に当たりましても、これまで以上に丁寧に対応するよう機構内で指示をしているところでございます。  今後とも、お客様の立場に立ちまして、支払い家賃の猶予、分割払い等の御相談に丁寧に対応してまいりたいと考えているところでございます。
  79. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 まず、今、従来どおりやっているというお話だったんですけれども、実際そうなっていないから要望がいっぱい出ているんだと思うんですね。  昨日も、西日本のUR団地にお住まいの方からメールが来ました。やはり、コロナの影響で、イベントに関係している仕事をしているものですから、三月、四月、丸々収入がゼロになって、二月分の家賃の猶予をURに申し出たんだけれども、あっけなく拒否をされた、あげく、おくれればその分の延滞金利まで乗せて請求する、そういう言われ方をしたと。やはり現場ではこうした機械的な対応がやられているのではないかと思うんですね。  公団自治協からも同様の相談が来ておること、既に機構にも要望が届けられていると思いますけれども、こうした、家賃のまず猶予を求めていることに対してちゃんと応えていくのか、そして、それが全体の方針だけれども現場がそうだというのであれば現場に徹底すること、このことを伺います。
  80. 里見晋

    里見参考人 お答えします。  確かに我々としてもきちっと指示をしたつもりでございますが、もしそういうことが起きているということであれば、改めまして、強く現場の方にも改めて周知をしたいと考えております。
  81. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 ありがとうございます。周知をしたいということでしたので。  やはり、この方はわかっていて二月分というお願いをしているわけですよね。現実的にそういうことが各地でも起きて、とりあえず、ずっと払わないと言っているんじゃなくて、今ここだけこらえたいからお願いしたいと言っている方に対して、しっかりとそれを認めていただくということでお願いしたいと思います。  やはりもう一つ、さっきお話の中で、分割払いもできるという話があったんですけれども、ただ、分割払いして、例えば六万を一万ずつ払うといっても、毎月毎月家賃は発生するので、たまっていっちゃうわけなんですよね。そうすると、本当にこの家賃では払えないんだという実態がある場合に、減免制度がやはり必要だと思うんですね。  都市機構法の二十五条四項に、規定の家賃支払いが困難と認められるものという規定と、災害その他の特別の事由が生じた場合ということがあります。そうすると、今まさに特別の事態である、そういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
  82. 里見晋

    里見参考人 お答えいたします。  家賃の支払いが困難となった方に対する家賃減額というお話でございますけれども、我々、機構法、確かに減免の規定もございますが、一方で機構法では、近傍同種家賃を基準とする、市場家賃を原則とするという規定もございます。  そういう機構法の趣旨、あるいは、低額所得者を入居対象として低廉な家賃で住宅を供給しております公営住宅、これとの役割の違い、あるいは現在ほかにもいらっしゃる民間の賃貸住宅の居住者の方との公平性、あるいは我々の有利子負債削減というような健全な経営の確保等を踏まえますと、家賃の減免ということにつきましては、現在、国の支援もいただきながら高齢世帯の方を対象に既に実施しているものもございますけれども、現時点でなかなかそれ以上の実施というのは難しいのかなと考えているところでございます。
  83. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 今、確かにあるがというふうにおっしゃいました。ある以上は使ってもいいのだ、そういう場合もあるのだということで、確認したいと思います。
  84. 里見晋

    里見参考人 これは、法律の問題というよりは、どういうふうに対応するかというお尋ねでございますので、我々といたしましても、今回のコロナウイルスの感染の拡大で支払いの困難な方がふえている事態に対しまして、政府で各種とられている対策あるいは取組なども踏まえつつ、適切に対応を検討すべき問題ではないのかなというふうに考えているところでございます。
  85. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 急に政府の責任になってしまったのかなと思いますが。  公営住宅との役割の違いなどもおっしゃいました。やはり公営住宅を補完する役割があること、それから、住宅セーフティーネット法に位置づけられたのは二〇〇七年のことでありまして、弱者に対する住宅セーフティーネットとして位置づけるとなっているわけですから、そうすると、家賃低減事業というのも、先週、私、ここで質問したわけですけれども、当然対象になると思いますので、規定もあり、かつ政府としてもそういう方向であるということを踏まえていただきたいなと思います。これは後で大臣にも考え方を伺いたいと思います。  それで、続けますけれども、二〇一七年の全国公団自治協の調査では、世帯主六十五歳以上が六八・四%、七十歳以上は五五%に当たって、七割が年金受給世帯であるということです。同じく、七四%が公団住宅に住み続けたいと答えていること、だから、家賃値上げや収入の減少で家賃が払えなくなっている、そういう悩みが一番多くて、六三・六%ということであります。ただ、一方では、公団の方で、建てかえ、集約、売却などで進めているため、十万戸を減らすという計画があると思うんですが、移転を求められている、これが四割、答えているわけですね。  やはり、最初に御答弁の中でもあったと思うんですが、高齢者に優しい住宅という役割もあるわけでありまして、こうした実態を踏まえた対応をしていく必要があるんじゃないかと思います。  それで、具体的に聞きますが、URは今、家賃滞納もふえて、明渡し要求や孤独死なども問題となっています。最近の家賃の滞納や退去の実績について、お答えください。
  86. 里見晋

    里見参考人 当機構の賃貸借契約におきましては、家賃等の滞納が三カ月以上となった場合に契約解除となる旨を約定しておりますので、三カ月以上の滞納という件数についてお答えをさせていただきます。直近三カ年で申し上げますと、平成二十八年度が約四千三百件、平成二十九年度は約三千八百件、平成三十年度におきましては約三千件と減少傾向となっております。  また、家賃滞納に伴う法的措置により明渡しを求めて退去に至った実績につきましては、平成二十八年度が約二千百件、平成二十九年度は約二千件、平成三十年度におきましては約千九百件と減少傾向となっているところでございます。
  87. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 今、ざっと数字を言ってもらったわけですが、家賃が、確かに規定上、三カ月で明渡しというふうなことになっているわけですよね。ただ、柔軟に行政サービスに結びつけるとか個別に相談するとおっしゃっていたんだけれども、滞納した方の人数と、その半分くらいは明渡しというふうなことになっているということが事実だと思うんですね。非常に厳しい数字ではないかと思います。  その中で、やはり孤独死あるいは孤立死と言われるような状態が、二百件前後、毎年あるということも極めて厳しい状況ではないか、このように指摘したいと思います。  それで、今度は、コロナで住まいを失った方への入居のあっせんについてどのように考えているか、お伺いします。
  88. 里見晋

    里見参考人 お住まいを失った方に対してURとしてどう受けとめるかということでございますが、リーマン・ショック後に制度ができたわけでございますが、解雇などにより住宅の退去を余儀なくされ、UR賃貸住宅に新たに入居されるような方につきましては、住居確保給付金、これは厚労省の制度でございますけれども、住居確保給付金の支給を受ける場合に、収入要件の特例を設ける等の対応をして受け入れるという制度が引き続きございますので、そういうものを改めて周知しまして、御相談を受ける体制を整えておるところでございます。
  89. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 その点もぜひ周知を、わかるようにお願いしたいなと思っております。  それで、今度は国交省に伺います。  総務省の二〇一八年一月の、公的住宅の供給等に関する行政評価・監視結果に基づく勧告というのが出されております。  これは、二〇〇六年の住生活基本法に基づき、「都道府県が策定する都道府県住生活基本計画において、区域内における多様な住宅困窮者の居住の状況や、民間賃貸住宅の需給状況等を踏まえ、公的な支援により居住の安定の確保を図るべき世帯の数を的確に把握した上で、必要な公営住宅の供給の目標量を設定する」ということになっているわけですけれども、「その際、区域内に存する公営住宅以外の公的賃貸住宅ストックの活用も図ること」として、そういうのを全体的にわかった上で計画をつくるんだと。当たり前のことだと思うんですね。そのときに、UR賃貸住宅も公的賃貸住宅計画に位置づけられているということは明記しています。  その上で、調査した十五都道府県のうち、URの公団住宅について、管理戸数は提供されたものの、空き家募集戸数が経営上の理由から提供されず、その活用想定戸数を独自に想定して、いわゆる想像して書くしかなかったという指摘があるんですね。  国交省に対して、URに対し、都道府県による公営住宅の供給目標量の設定に向けた確実な情報提供についての協力を要請することと勧告をしています。  国交省はどう動いたのか。大臣も直接要求を受けたりしていると思うんですが、公営住宅を補完する公的賃貸住宅としてのURの役割をどう考えるのか、情報提供を求めていくべきだと思いますが、見解を伺います。
  90. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 今御指摘のあった総務省からの勧告を受けまして、国交省として、都市再生機構に対しまして、都道府県による公営住宅の供給目標量の設定に向けた情報提供の依頼等があった際には適切に対処するよう要請をしたところでございます。この勧告後、地方自治体からの情報提供要請に対して、URは全て回答していると承知をしております。  国交省としては、引き続き、必要な協力を行うよう指導してまいりたいと思っております。
  91. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 全て回答しているということでしたが、そうしたら住民にもわかるようになっているんでしょうか。
  92. 眞鍋純

    眞鍋政府参考人 今大臣が御答弁したように、地方公共団体からの要請に応じて、UR、都市再生機構の方から情報提供をしてございます。  住民に対する御説明については、地方公共団体の方で、それぞれ公営住宅の供給目標を策定する際にどのような取扱いになるのかということで、独自で御判断いただいているものだと思います。
  93. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 なるほど。独自でということですね。  そうすると、計画のときは確かにこの数が上がってきているかもしれないけれども、そこが表には見えてこないので、こうした質問をさせていただきました。  重ねて、情報提供について住民に対してもお願いをしたい、ただ、勧告を受けてすぐ動いてくださったということは評価をしたい、このように思います。  それで、二〇一七年四月の住宅セーフティーネット法の審議の際に、我が党の本村伸子議員の質問に対して石井啓一前大臣は、公営住宅は、住宅に困窮する低額所得者の居住の安定を確保する住宅セーフティーネットの根幹をなすものというように答えていらっしゃいます。地方公共団体が地域の実情を踏まえて必要な公営住宅を整備できるよう、引き続き、社会資本整備総合交付金、これは何でもいいんですが、支援を行ってまいりたいという答弁をされているんですね。  このときの附帯決議にも、「本法による住宅セーフティネット機能の強化とあわせ、公営住宅をはじめとする公的賃貸住宅政策についても、引き続き着実な推進に努めること。」というふうに決議がされております。  公営住宅法第一条あるいは住生活基本法第六条に照らしても、住まいは人権、住まいは憲法二十五条に基づく健康で文化的な生活にとっての基盤だと思います。  この点での大臣認識を伺うとともに、公営住宅について、これからも建設も含め必要な供給を進めていくべきと思いますが、いかがでしょうか。
  94. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 石井前大臣が御答弁されたように、公営住宅は住宅セーフティーネットの根幹であるということは私も全く同感でございます。  また、住まいは人権、社会保障の基盤ということ、今おっしゃられました。  私は、二十五年前の阪神・淡路大震災で、数多くの兵庫県民、被災者が住宅を失い、また、その結果、全く縁のなかった土地で、小さな仮設住宅で、新しいコミュニティーの中で生活をせざるを得なかった、そうした苦難を、私も被災者の一人でありますので、似たような状況で被災生活をしました。そのときに思ったのは、やはり被災者であろうと、憲法二十五条で保障されている人権というか人間の尊厳というのは守られるべきだということを私はそのときに強烈に思ったわけでございます。  その人間の尊厳を守られるベースはやはり住宅、居住だというふうに思っておりますので、今、高橋委員からも言われておりましたが、住宅に困窮する方々の居住の安定の確保のために、公営住宅というのはセーフティーネットの根幹であるというふうに承知をしております。  現在、地方公共団体において、公共団体もそれぞれ行財政の状況も大変厳しいわけであるのと、公営住宅のストックも相当老朽化も進んでおりまして、その改修ですとか建てかえも鋭意進めていただいているところでございます。  国としても、社会資本整備総合交付金等を利用しながらしっかりと支援をするということと、加えて、重層的な住宅セーフティーネットを構築するということが重要でありますので、公営住宅はもとより、先ほどるるやりとりがありましたURの賃貸住宅等の公的賃貸住宅ですとか、住宅セーフティーネット法に基づいて登録されております住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅、また、サ高住等々の民間の力もかりながら、しっかりとした住宅セーフティーネット機能の強化を図っていきたい、こう決意をしております。
  95. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 大臣から心のこもった答弁をいただきました。  今、この最後のところにURについてもというふうに言っていただきました。昨年の公団自治協の決起集会のときに、その直前に赤羽大臣に会ってきましたよということで、大臣がしっかり受けとめていただいたということで皆さんが期待をしておりますので、こんなときに追い出しされるような方が実際に起こっている、これはもうあってはならないことでありますので、本当に尊厳が問われる事態が実は起こっているということを受けとめていただいて、しっかりとお願いしたいし、きょうせっかく機構からも来ていただいていますので、重ねてお願いをしたいと思います。  残った時間で、きのうやり残したことで、地域交通のことをもう一回質問したいと思います。  二〇一一年、地域交通の補助事業がちょうど始まった年でしたけれども、東日本大震災があって、私が、瓦れきの中でもミニバスなら走れるということで被災地の特例を求めました。  その後、特定被災地域公共交通調査事業という名目で、三千五百万円から最大六千万円の段階があって、定額補助ということで制度がつくられました。その三千五百万と六千万、四段階くらいあるんですが、その差は何かというと、立ち寄る仮設住宅がどれだけあるかということで決まったわけであります。三年の期限とやっていたものがずっと延長していただいて、来年三月末が、つまり今年度末が期限となっているわけです。  仮設住宅はほぼなくなってきたわけですが、実際には、公営住宅やあるいは高台移転で、本当に、路線バスから外れ、ほかにマイカーがなければ通えないような、そういう条件も新たに生まれてきているんですね。やはりそれに応えて延長していくべきだと思っております。  現在の実績と、それから、特に避難解除を順次行ってきた福島などは今後も必要だと思いますが、今後の延長、拡充に向けて答弁お願いします。
  96. 瓦林康人

    瓦林政府参考人 お答え申し上げます。  地域公共交通確保維持改善事業の被災地特例の実績につきましては、地域内コミュニティーバス等の運行につきまして、補助対象の自治体数といたしましては、これは先ほど委員指摘のとおり、応急仮設住宅が令和元年九月時点で六百程度になっているということなどもございまして、最大時は、平成二十七年度、三県三十二市町村、二百二十系統でございましたが、令和二年度現在は、福島、岩手両県の五市町村、そして系統数では二十八系統となってございます。  今後につきましてでございます。被災地の方々に寄り添って、どういうふうな形で足を維持していくか。公営住宅になりました場合につきましては一般会計の方の補助ということでやっておりますけれども、いろいろな特例もございますので、それも活用しながらどのようにやっていくか。これは運輸局も通じまして、地域の実情を把握しながらしっかり対応してまいりたいと考えてございます。
  97. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 時間になりました。  これはぜひ、今実情を踏まえながらとお答えいただきましたので、実態はまだまだ必要とされておりますから、これに応じていただいて、延長してやっていただきたいということを強く要望して、終わりたいと思います。  ありがとうございました。      ――――◇―――――
  98. 土井亨

    土井委員長 次に、内閣提出道路法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣赤羽一嘉君。     ―――――――――――――  道路法等の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  99. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 ただいま議題となりました道路法等の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  近年、大型車両の通行が増加しており、通行許可手続の長期化が課題となっております。また、バス停留所の散在等による交通の混雑の緩和、歩行者中心のにぎわいのある道路空間の構築、中山間地域等における自動運転による移動サービスへの対応も必要であります。加えて、昨年の台風十九号を始め、頻発する自然災害への対応強化が急務となっております。  このような趣旨から、このたびこの法律案を提案することとした次第でございます。  次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。  第一に、車両の重量等が一定限度を超過する大型車両について、あらかじめ国土交通大臣の登録を受け、確認を受けた通行可能経路については、通行許可手続を経ることなく道路を通行できることとしております。あわせて、登録等の事務を行う法人を国土交通大臣が指定することができることとしております。  第二に、バスタクシー、トラック等の事業者専用の停留施設である特定車両停留施設を道路の附属物として位置づけ、道路管理者が当該施設への停留料金を徴収できることとしております。あわせて、施設の運営については、公共施設等運営権制度を活用できることとしております。  第三に、歩行者の安全かつ円滑な通行及び利便の増進を図る道路として、道路管理者が歩行者利便増進道路を指定する制度を創設し、特別の構造基準を設定するとともに、公募占用制度による長期間の占用を可能とするなど占用の基準を緩和することとしております。あわせて、歩行者利便増進道路における無電柱化について、無利子貸付制度を創設することとしております。  第四に、自動車の自動的な運行を補助するための施設である自動運行補助施設を道路の附属物及び占用物件として位置づけることとしております。あわせて、民間による自動運行補助施設の整備について、無利子貸付制度を創設することとしております。  第五に、地方公共団体が管理する道路について、国土交通大臣が道路啓開及び災害復旧を代行することができる制度を拡充することとしております。  そのほか、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。  以上が、この法律案を提案する理由でございます。  この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議を何とぞよろしくお願い申し上げます。  以上でございます。
  100. 土井亨

    土井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時九分散会