○近藤(和)委員 むなしく感じられるかどうかというのは、実際は
日本国民ですから、そこは冷静に
お答えいただきたいと思います。
特に大事なのが、
セーフガードにひっかかりやすくなるということは、アメリカが枠の拡大を求めてくる、当然そうですよね。その場合に、今の
TPP11の国とこの枠を二〇二三年までにくっつけていこうという
交渉は厳しいですよねという
答弁は、
江藤大臣がきょうの議論の中でお話しされましたが、
米国の枠がふえるのであれば、当然、オーストラリアや
カナダなどは、この枠を一緒にしていこうという話はもっともっと困難な道になるはずです。それは間違いありません。
一方で、では、高目のボールはもうのみません、断固とした決意で臨む、断るということも、近いようなことも
江藤大臣は言われたわけですけれども、ただ、そうすると、
日本がのめないような
セーフガードの額を提示されると、この
日米貿易協定そのものが、
協定が誠実に履行されていないということになってしまえば、二三二が出てくる可能性がありますよね。
私は、これは改めて、
牛肉を失うのか、車を失うのかぐらいの思いだと思っています。特に、二三二の話を出された場合に、そもそもが、車の
関税撤廃の話が吹っ飛んでしまいました。これは過去の経緯を見れば一目瞭然です。
資料の二をお願いいたします。
どうすれば一般の方々が、
TPP12から今回の
協定に至るまで、何を得て何を失っているのかをわかりやすい資料がないかなと思いまして、私の方で作成をいたしましたが、横軸は
TPP12からの時間軸でございます。去年の
共同声明、今回の
協定ということで、米そして
調製品については、先ほどの議論の中で、現状では丸、これもいずれ変わってくる可能性があるということも議論をしたいんですけれども。
牛肉は、
セーフガードの点ではバツ。
そして、今申し上げたいのは、
自動車・
自動車部品について
関税撤廃をこれからしていくんだということを、さもよかった、そしてさらには、二三二について、これは下段の方ですけれども、二三二について上げた拳をおさめてもらったということを、さもよかったかというように見られていますけれども、
TPP12のところから見てみれば、
関税撤廃をそもそも約束しようとしていたわけですから、現状で
関税撤廃がなされるという確約を得て、時間軸でもしっかりとそれを得ることができて初めてイーブンなのであって、現状ではバッテンをつけざるを得ません。
そして、
米国通商拡大法二三二につきましても、三角ですね。下手をすれば、あれやこれやと言いわけをつけられて、バツを、
追加関税を課される可能性があるわけですから、こういったことも、私は、冷静に
日本国民みんなでこの議論をしっかりとしていくべきだと思っています。
そして、この表の中で、その他、ワイド枠三十三
品目、こちらについては
米国枠を設けずということは、これは
茂木大臣が、
日本がかち得たものなんだということも言われておりました。
ただ、よくよく考えてみれば、ワイド枠から
米国枠を設けるということは
TPP水準を超えるということですから、
TPP水準を超えなかったことをさも何か手柄を得たんだと言うことそのものが、私は、
認識が誤っているのではないかなというふうに思っています。
改めて、きょうは時間がもう参りますので、今回の
日米貿易協定については、これまでの議論の中で、例えば、試算が明確ではない、そして、
農家の方々に対しての
対策も予算もついていないのに甘目の計算が出ているのではないかといったことであったり、また、
茂木大臣そして
安倍総理が
米国との、
首脳間との間で交わされた文書、これらについて出されていない、不確定である。
私も今、二三二についてはかなり一方的な持論を述べさせていただいておりますけれども、さまざまな形で、いや、ネガティブな部分もたくさんあるけれども、
日本にとって明らかにプラスなんだということを正々堂々と、私は、わかりやすく、逃げずにするのが
政府・与党の使命だというふうに思っています。
この点について、
大臣、いかがでしょうか。