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2019-11-22 第200回国会 衆議院 文部科学委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和元年十一月二十二日(金曜日)     午後一時開議  出席委員    委員長 橘 慶一郎君    理事 池田 佳隆君 理事 上川 陽子君    理事 白須賀貴樹君 理事 馳   浩君    理事 村井 英樹君 理事 川内 博史君    理事 城井  崇君 理事 浮島 智子君       青山 周平君    安藤  裕君       石川 昭政君    上杉謙太郎君       小倉 將信君    小此木八郎君       大串 正樹君    神山 佐市君       木村 哲也君    工藤 彰三君       櫻田 義孝君    田畑 裕明君       高木  啓君    谷川 弥一君       出畑  実君    中曽根康隆君       中村 裕之君    根本 幸典君       百武 公親君    福井  照君       古田 圭一君    宮澤 博行君       宮路 拓馬君    簗  和生君       和田 義明君    吉良 州司君       菊田真紀子君    中川 正春君       初鹿 明博君    牧  義夫君       村上 史好君    山井 和則君       山本和嘉子君    吉川  元君       高木 陽介君    鰐淵 洋子君       畑野 君枝君    森  夏枝君       笠  浩史君     …………………………………    文部科学大臣       萩生田光一君    文部科学大臣政務官    兼内閣府大臣政務官    青山 周平君    政府参考人    (文部科学省大臣官房長) 柳   孝君    政府参考人    (文部科学省大臣官房総括審議官)         串田 俊巳君    政府参考人    (文部科学省総合教育政策局長)          浅田 和伸君    政府参考人    (文部科学省高等教育局長)            伯井 美徳君    参考人    (独立行政法人大学入試センター理事)       義本 博司君    文部科学委員会専門員   吉田 郁子君     ――――――――――――― 委員の異動 十一月二十二日  辞任         補欠選任   柴山 昌彦君     簗  和生君   根本 幸典君     工藤 彰三君   船田  元君     小倉 將信君   宮路 拓馬君     和田 義明君   牧  義夫君     山井 和則君   村上 史好君     初鹿 明博君 同日  辞任         補欠選任   小倉 將信君     船田  元君   工藤 彰三君     根本 幸典君   簗  和生君     宮澤 博行君   和田 義明君     中曽根康隆君   初鹿 明博君     村上 史好君   山井 和則君     牧  義夫君 同日  辞任         補欠選任   中曽根康隆君     木村 哲也君   宮澤 博行君     百武 公親君 同日  辞任         補欠選任   木村 哲也君     宮路 拓馬君   百武 公親君     柴山 昌彦君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  参考人出頭要求に関する件  文部科学行政基本施策に関する件(高大接続改革)      ――――◇―――――
  2. 橘慶一郎

    橘委員長 これより会議を開きます。  文部科学行政基本施策に関する件、特に高大接続改革について調査を進めます。  この際、お諮りいたします。  本件調査のため、本日、参考人として独立行政法人大学入試センター理事義本博司君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として文部科学省大臣官房長柳孝君、大臣官房総括審議官串田俊巳君、総合教育政策局長浅田和伸君及び高等教育局長伯井美徳君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 橘慶一郎

    橘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. 橘慶一郎

    橘委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。初鹿明博君。
  5. 初鹿明博

    初鹿委員 立憲民主党、そして共同会派立国社初鹿明博です。  まずは、質問の時間をいただいたことを御礼を申し上げます。  それでは、早速質問に入っていきますけれども、水曜日の三時間の質疑を聞いていて、全て、ビデオで全部見させていただきましたが、少し気になるところをまずは質問させていただいた後に、別の角度での質問をさせていただきたいと思います。  まず最初に、下村大臣東大に対しての発言です。  大臣は、下村大臣が、東大に対して文科省から英語民間試験をきちんと使うようにという趣旨の発言をしたことに対して、別に文科省東大に対して何ら働きかけも何もしていないというような答弁をされておりましたが、本当にそうなんですかね。大臣経験者の方、この中にもたくさんいらっしゃいますけれども、大臣経験者の方が自民党部会発言をして、文科省にこれこれこういうことをやれと言った、その発言を受けて文科省が全く動かないということがあるとは、私、とても思えないんですよ。  今、馳筆頭、お話しされていますけれども、馳大臣自分文科省に対して、党の部会でこれこれこういうことをやりなさいと言ったにもかかわらず、文科省が全くそのことを扱わずに無視をしていた、そうしたら怒りますよね、普通。そうですよね。  そこで、大臣、伺いたいんですけれども、下村大臣発言したことを受けて、文科省内で、東大に対して英語民間試験を導入するようにという要請をするかしないか、下村大臣発言をどう取り扱えばいいのか、そういう議論は、議論すらしていないんですか。
  6. 伯井美徳

    伯井政府参考人 お答えさせていただきます。  文部科学省におきましては、東大も含めまして、全ての大学に対して、国公私立大学関係者及び高等学校関係者等の協議を踏まえ決定した大学入学者選抜実施要項高等教育局長通知という形で、英語四技能をはかることのできる資格検定試験等の結果の活用というのを通知で促してきたところでございます。  昨年四月十三日の自民党会議における下村議員発言を受けて内部的に検討したということはあるかもしれませんが、当時の担当者確認したところ、個別に東京大学に働きかけたことはないということでございました。
  7. 初鹿明博

    初鹿委員 じゃ、内部で、どうするかというのは議論はされたということなわけですね。でも、個別には東大には言っていないと。その個別にというところが怪しいといえば怪しいんですよね。ほかの大学にも改めて言うのに当たって、東大に対しては、下村大臣からこういう発言もありましたということを伝えていたのではないかというふうに想像をしてしまうわけですけれども。  下村大臣が党の部会でそのような東大を名指しにした発言をしていたということを、文科省担当者から東京大学担当者というか関係者に対して話をしたことはあるんでしょうか、ないんでしょうか。
  8. 伯井美徳

    伯井政府参考人 先ほど答弁いたしましたように、個別に東京大学に働きかけたことはないとのことでございました。  下村大臣の御発言関係するものではございませんが、東京大学平成三十年九月に東京大学としての民間英語試験活用方法について方針を決定したわけでございますが、その方針を決定するに当たっては、文部科学省として相談を受けたことはございます。
  9. 初鹿明博

    初鹿委員 私が聞いているのは、その相談を受けたときに、下村大臣はこういう発言をしていましたということを伝えてもいないのかということですよ。普通、伝えるんじゃないですか。  萩生田大臣大臣をやめた後に、党の部会文科省にこれこれこういうことをしてくれよと言ったのに、全く扱われなかったらどう思いますか。それはきちんとやってくれと、大臣、言うでしょう。
  10. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 その会議たてつけですとか位置づけによってもまた違うと思いますし、また、その前後の発言も、私、今回確認しましたけれども、最終的な決定権大学にあるということを当時の文科大臣もおっしゃっていますので、そういうことを踏まえて職員としては対応したんじゃないかというふうに推測できます。  自分が言ったことがやられなかったらどうかと言われると、やめてみないとわかりませんけれども、多分にそういうこともあるかもしれません。
  11. 初鹿明博

    初鹿委員 多分にそういうこともあるかもしれないといっても、言ったことを何も対応しないということは私はしないんだろうと思うので、これは非常に、私は、文科省答弁というのは正確性に欠いているんじゃないかなというふうに指摘をさせていただきます。  では、次ですけれども、水曜日の城井議員質問で、ベネッセ利益相反についてかなり詳しく指摘がありました。さすがに、あそこまでひどい利益相反があったということは、大臣も看過できないというふうに思ったのでしょう。新聞記事をつけておりますけれども、すぐにベネッセ抗議を行ったということであります。  抗議というのは、何に対して、どのような行為に対して抗議を行ったんでしょうか。
  12. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 株式会社ベネッセコーポレーションは、平成二十九年に同社が開催した高校向け研究会における配付資料において、大学入試センター記述式採点業務アドバイザリー業務の受託と記載をしておりました。  このことは、大学入試センターベネッセコーポレーションが締結した平成二十八年度のアドバイザリー業務に係る契約書において、当該業務を受託する事実を利用した取引誘引することを禁ずる旨の規定がないため、直ちに当時の契約に違反するものではないと考えています。  また、本年九月、株式会社学力評価研究機構大学入試センター大学入学共通テストにおける記述式問題採点関連業務に係る契約を締結し、その中にはその事実を利用した取引誘引を禁ずる旨の規定がございますが、そうした禁止事項が行われた事実は把握をしておりません。  したがって、契約解除の理由には当たらないと考えておりますが、ベネッセグループ関連企業である学力評価研究機構大学入学テストにおける記述式問題の採点関連業務を受託したことに鑑みると、その中立性及び信頼性に対して、結果として社会的に大きな疑念を招きかねないものであることから、昨日、ベネッセコーポレーションに対し、このようなことは今後二度と起こさないように、是正及び一層の留意を求めたところでございます。  また、契約当事者である大学入試センターに対しても、同様の指導を行ったところです。これを踏まえ、大学入試センターにおいては、学力評価研究機構共通テストにおける記述式問題の採点関連業務を受託したことを利用した宣伝行為についてはグループ全体で自粛いただくよう、確認書の提出を求めることと承知をしております。
  13. 初鹿明博

    初鹿委員 仕様書などによると、目的外の使用を禁止するとか、守秘義務のところでも、本業務以外に使用してはならないとかそういうことが書いてあって、そもそも、契約をして業務を請け負っているということを自分の別の仕事をとるために使うということ自体が私は禁止されているのではないかというふうに思うわけですね。直接的な規定はなかったとしても、私は非常に、これは限りなく契約違反に近いものではないかというふうに考えるわけです。  そういうベネッセコーポレーション関連会社が、これから行われる共通テスト記述式採点を行うわけですよ。その時点信頼はもうないですね。信用されません。高校生受験生皆さんたちは非常に不安に思っています。文科省にも抗議に行っていますよね、要請に行っていますよね、記述式はやめてほしいということを。大臣は、高校生受験生の不安を一つ一つ解消していく、そういう発言をしていますが、不安は解消できないと思いますよ、ここまで信頼を失うと。誰もベネッセコーポレーションまたそれに関連する会社のことを信用していないですよ。  もう記述式試験はやめた方がいいんじゃないんですか、大臣。いかがですか。
  14. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 ベネッセグループ関連企業である学力評価研究機構は、共通テストにおける記述式問題の採点業務を受託しており、同業務は高い信頼性及び中立性が求められているものであることから、社会的に疑念を招くことのないよう、是正及び留意を求めたものであります。  先ほど解説しましたけれども、今のこの契約には、当然、利益相反、誤解されるような誘引事項はしちゃいけないということは規約になっているんですけれども、当時、城井先生が御指摘した契約の中にはその明文はなかったんですが、そうはいっても、これだけ皆さんが注目している試験採点を受ける企業ですから、当然のことながら信頼性を高める努力をグループを挙げてしてくださいねということをきのう厳しく申し上げたところでございます。  この間、二回のプレテスト、また現在行っている準備行為を含めて、さまざまな問題点を浮き彫りにしながら一つ一つ是正に取り組んで、安心を提供できる制度に精度を上げていこう、こういう道半ばでございまして、センターとも協力しながら、できることは全て行ってまいりたいと思っております。
  15. 初鹿明博

    初鹿委員 だから、私が言っているのは、信頼性はもう高まらないんですよ、ここまで失墜していると。そこをまず自覚していただきたいんですよね。  新聞記事をもう一つつけていますが、こちらはきょうの記事ですけれども、「記述式「廃止を」高校七割 共通テスト採点に不安」と書いてあるように、高校の、特に難関大学への合格実績がある高校を対象にとったアンケートで、七割が採点に不安があるからやめてくれと言っているわけですよ。こういう声を私はきちんと受けとめるべきだと思いますよ。  この間、採点のぶれが起こらないようにできるのかということが何度も話題になってきて、恐らく誰も納得できるような回答をいただいていないと思います。そして、採点のぶれだけじゃなくて、自己採点も難しいというのが現状ですよね。  自己採点ができないということはどういうことかというと、二次試験での出願先に非常に困るということです。選べなくなるんですよ。仮に自己採点で、思ったよりもとれていない、そういう評価をしていて、学校のランクを下げなきゃいけないなといって下げて受けて、実際に点数開示してみたらもっととれていたとなったらやはり受験生はがっかりすると思うし、逆に、とれているだろうと思って出願して足切りに遭ったら、それこそ人生が本当に大きく狂うわけであります。こういうことを考えても、やるべきじゃないと思うんですよね。  ところで、試験が終わった後に点数開示をしますよね、当然。文科省も、開示をするということをたしか言っていたと思います。  その開示方法ですけれども、今まで、マークシートのテストだったら、何点といって、それで済んでいたんですよ。ところが、今回、記述式ですから、それぞれどういう評価になっているのか、点数じゃないので、A、B、C、D、Eだから、どういう評価になっているのか、しかも、小問ごと評価もあるわけで、そして、その小問の条件が幾つかついていて、その条件が合致しているのかどうかということも受験生は知りたいんだと思うんですよね。  例えば、Cの評価だったけれども、どこが間違っているのかな、三つの小問のうちどの問題のどの条件が当てはまっていないのかな、自分はそれは当てはまっていると思ったのになと思ったときに、それをやはり確認したいと思うんですよ。  全ての条件がどういう評価を受けているのか、全て開示をする、答案用紙開示して、そこに条件に当てはまっているかどうかを書き込むのかどうかわかりませんけれども、そういうことをするのかどうかわかりませんが、そういうものが全部わかるような開示の仕方になるんでしょうか。
  16. 伯井美徳

    伯井政府参考人 お答えいたします。  現在の大学入試センター試験におきましては、希望する志願者に対し、毎年四月中旬以降、科目別得点等を記載した成績通知書を郵便で送付するという開示の仕方をしております。  今回の共通テストにつきましては、大学への成績提供に当たりましては、数学はマーク式問題の得点記述式問題の得点を合計して提供する、これは大学への提供でございますが、国語についてはマーク式問題の得点記述式問題の段階別表示というのは別々に分けて提供するという形をとっております。  それで、大学入学共通テストにおける志願者本人への成績通知方法、方途をどのようにするかということについては、現在、大学入試センターにおいて具体的な検討が行われていると承知しておりまして、現在検討中でございます。
  17. 初鹿明博

    初鹿委員 検討中じゃなくて、記述式は全て、採点がどうなっているのかがわかるような、そういう開示の仕方にしてください。それは約束してください。必ずセンターにそういうふうにさせますと約束してください。いかがですか。
  18. 伯井美徳

    伯井政府参考人 この国会での御議論センターにお伝えをしたいと思いますが、現在、センターでどのような方法がいいのかを検討しているところでございます。
  19. 初鹿明博

    初鹿委員 いや、ちゃんと約束してくださいよ。  例えば、開示を、評価の結果で開示されて、例えばAですとかBですと評価が出ても、どこが合っていてどこが間違っていたのかわからないじゃないですか。だから、採点が正しかったのかどうかの検証ができないんですよ。  何のために点数開示するかといったら、自分が書いた答案がきちんと採点されたのかどうかを学生の皆さん確認したいわけですよ、受験生皆さんは。それがわからないような仕方で開示されても、開示したことにはなりません。  ぜひここで、きちんと全ての評価がわかるように、全ての条件をクリアしているのかそうでなかったのかがわかるように開示をするということを約束してください。
  20. 伯井美徳

    伯井政府参考人 志願者本人への成績通知方法、いつ、どの段階で、どのような内容の成績開示するのかというのはセンターが決めるということでございますが、ただいまの御指摘なども踏まえ、センターにお伝えしたいと思います。
  21. 初鹿明博

    初鹿委員 大臣、いかがですか。私の話を聞いて、必要だと思いませんか。必要だと思うならば、センターに必ずやらせると、ここで約束してください。
  22. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 ごもっともな指摘だと思います。それで、どういう形で開示ができるか、センターとしっかり話をしてみたいと思います。
  23. 初鹿明博

    初鹿委員 ありがとうございます。ぜひここはしっかりやっていただきたいと思います。そもそも、そんな必要がないように、やめる必要がある、やめるべきだということは言わせていただきますけれども。  次に、採点者について幾つか質問させていただきます。  なかなか、実際に採点者がどのぐらい必要なのかということを教えてくれないんですよね。何か参考はないのかなと思って、二十九年、三十年の二年間やったプレテストで一体何人の採点者がいたのかということを出してもらいました。この数字を出すのにすごく時間がかかって、けさになるまでこの情報が来なかったんですが。  二十九年度は、受験者数国語で六万四千、数学が五万三千、それで採点者は千人ぐらいなんですね。三十年は、国語は六万七千人、数学が六万五千人で、二千人なんですよ。倍になっているんですね。  何でこれは倍になっているんでしょうか。
  24. 伯井美徳

    伯井政府参考人 お答えいたします。  大学入試センターによりますと、平成三十年度の試行調査につきましては、平成二十九年度試行調査の結果を踏まえて実施運営面を含めた総合的な検証を行うため、より共通テストの本番に近いと思われる採点体制、工程で実施することとし、十七日間で採点をしたものでございますが、そのため、採点の増員を図ったというものでございます。
  25. 初鹿明博

    初鹿委員 恐らく、二十九年度やってみて、採点のぶれが大きかったから、もうちょっと人数が必要だねということになって二千人になったんだと思います。  皆さん、六万五、六千人で二千人必要なんですよ。共通テストは五十万人いるんです。計算すると、大体一万五千人ぐらい必要になってくるんですよ、同じようなやり方でやると。今まで五千人だとか一万人だとか言われていましたけれども、こうやってプレテストの、実際に行った事実からすると、一万五、六千人必要なんですよ。  それで、このペーパーの二のところで、このときの手順学力評価研究機構が今明らかにしているような採点手順とで何が変わるのかということを聞いたら、品質のチェックの充実とか体制の強化とか、そういうことを言っておりますし、今まで、二人で採点をして、そして食い違ったら三人目の監督者みたいな人が出てきてチェックをするというやり方を、食い違わなくても三人目もチェックするというやり方に変えますよと。  そうなると、多分、一人当たりの持ち答案数というのは少なくなってくるんだと思うんですよね。そう考えると、一万六千人以上必要になってくるんじゃないかというふうに思いますが、そういう考え方でよろしいですよね。
  26. 伯井美徳

    伯井政府参考人 御指摘のように、二十九年度の試行調査と三十年度の試行調査をやりまして、採点手順を改善してきたわけでございます。  さらに、今、準備事業を通じて、採点手順をどのようにするかというのを検討しているというところでございますが、大学入試センター確認したところ、採点者数については、現在実施している採点に関する準備事業の結果も踏まえて、今後採点体制の詳細を決定するということでございまして、現時点では、一万六千人になるのか、どの程度人数になるのかというのは、お答えすることは困難であるということでございます。
  27. 初鹿明博

    初鹿委員 非常に無責任だと思うんですけれども。  皆さん、一万六千人集めるって大変ですよ。これが、じゃ、来年の十一月とか十二月の時点で、一月に一万六千人集まりません、集まらないから採点期間を延ばしてもらわないと困りますとかそういうことになったらどうするんですか。それとも、何とかしてでも集めろということで、質を関係なくかき集めるようなことになってしまっていいのかということですよ。  現状、どうやって集めようとしているのか。せめて、どうやって、一万六千人だか何人だかわかりませんけれども、集めようとしているのかの見通しぐらいは示す必要があると思いますが、見通しはちゃんとあるんですか。
  28. 伯井美徳

    伯井政府参考人 契約仕様書において、必要人員を確保するということになっておりますが、その見通しというお尋ねでございます。  先日、十一月五日の衆議院の文部科学委員会における参考人質疑におきまして、ベネッセコーポレーションの山崎副社長の方から、大学入学共通テスト採点者となり得る採点スタッフとして登録されている人数について、約二万人程度である旨答弁されておりますので、そうした実績なども踏まえながら、しっかりとした人員を確保してもらいたいと考えております。
  29. 初鹿明博

    初鹿委員 二万人が登録をされていると。恐らくここがベースになって、登録者の中から採点者を集めるということにならざるを得ないんだと思うんですよね。  じゃ、まず、この中で高校生採点をしたことがある人は何人いるんですか。あと、大学生が何割、主婦が何割、又は退職している教員が何割とか、こういう属性というんですか、その内訳はわかりますか。
  30. 伯井美徳

    伯井政府参考人 お答えいたします。  採点事業者がどのような属性採点者を現に確保しているのかにつきましては、営業上の秘密に関する事項ということで、お答えは差し控えさせていただきます。
  31. 初鹿明博

    初鹿委員 確認はしているんですか。
  32. 伯井美徳

    伯井政府参考人 文部科学省としては確認をしておりませんが、これは必ずしも当該業種の他社が公表していない情報でございますので、当該情報開示を求めることは難しいというふうに考えております。
  33. 初鹿明博

    初鹿委員 それじゃ本当に集まるかどうかわからないですよ。これはきちんと確認してください。  実は、ベネッセ進研模試と、あと全国学力共通テスト……(発言する者あり)そうですね。  まず、じゃ、高校生採点できるかどうかというのは把握しているんですか。(発言する者あり)
  34. 橘慶一郎

    橘委員長 御静粛に願います。
  35. 伯井美徳

    伯井政府参考人 高校生採点を、どの程度経験者がいるかということも含めて、属性についてはお答えは差し控えさせていただきますし……(発言する者あり)
  36. 初鹿明博

    初鹿委員 いや、少なくとも高校生採点できる人数が何人いるかだけは確認してくださいよ。  自民党皆さんたちだって、それが確認できないで実行して、直前になって、集まりません、集めるためにとにかく何でもいいから集めるみたいなことになっていいと思いますか。思わないですよね。  大臣、これはちょっと約束してください。ちゃんと確認してください。
  37. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 採点事業者がどのような属性採点者を確保しているかについては、当該事業者の経営戦略上の重要な事項であり、必ずしも当該業種の他社が公表していない中にあって、学力評価研究機構に対して当該情報開示を求めることは他の企業との公正な競争が阻害されるおそれがあることから、現時点でお答えは差し控えさせていただいておりますが、いずれにしても、本当にできるのかという問いに答えていかなきゃいけないと思いますので、そこは順次確認を進めていきたいと思います。
  38. 初鹿明博

    初鹿委員 多分これはできないんですよ。できないということを、私、確信を持って言います。  なぜなら、実際に進研模試と全国学力テスト採点をしている人からお話を聞きました。何か今、やたらベネッセからメールが来るらしいんですよね。マスコミから取材があっても答えないようにというメールがたくさん来ると。  それは、ひどいなと思いますが、おいておいて、彼が何と言っていたかというと、大半は大学生だ、みんな、時間をお金にかえるためにやっているような不真面目な人もたくさんいますと。そして、一月、二月も進研模試をやるんですけれども、一月、二月というのは自分たちが試験なんですよ、大学生は。だから、バイトが集まらなくて、ベネッセから物すごい勢いでメールがたくさん来る、お願いします、人が足りないんですと。  進研模試でこれなんですよ。しかも、人数が一万五千とか一万六千になるわけです。みんな、自分たちが試験があるのに、バイトなんかしている場合じゃないですよ。二十日間なんて絶対に確保できません。そして、短期の仕事ですから、採点できるような能力のある人は、昼間普通にきちんとしたところで働いているから、採点のアルバイトなんかできないんですよ。そうなると、一万六千人集まらないと思いますよ。  これに対して、大臣、どう思いますか。集められると思いますか。
  39. 橘慶一郎

    橘委員長 時間が来ておりますので、伯井高等教育局長、端的にお願いいたします。
  40. 伯井美徳

    伯井政府参考人 お答えいたします。  採点者の確保につきましては、契約仕様書において、学力試験、面接等に合格した採点者登録し、登録された者の中から必要な研修を行うということで、優秀な採点者を確保していくものとなっております。
  41. 橘慶一郎

    橘委員長 初鹿君、時間が参っております。
  42. 初鹿明博

    初鹿委員 時間が過ぎているのでここで終わりますけれども、優秀な採点者は絶対に集まりません。そのことを断言して、終わります。
  43. 橘慶一郎

    橘委員長 次に、畑野君枝君。
  44. 畑野君枝

    ○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。  まず最初に、当委員会でも取り上げられました、十一月十九日、NHKで報道された、昨年四月十三日の自民党教育再生実行本部の会議で、英語民間試験の導入に当たって、下村博文元文部科学大臣が、東京大学の名前を挙げて、間違ったメッセージを国民や他大学に対して与えている、文部科学省はよく東大に指導していただきたいなどと発言をしていましたという問題について伺います。  下村博文元文部科学大臣御本人はこの発言をお認めになりました。その後、大学に対して直接物を言ったわけではないので政治的な圧力には当たらないということを述べたとも報じられております。  しかし、自民党の教育再生実行本部は、二〇一三年四月に政府に提出した提言で、大学において、従来の入試を見直し、実用的な英語力をはかるTOEFL等の一定以上の成績を受験資格及び卒業要件とすると打ち出して、それを受けて、政府の教育再生実行会議英語民間試験の利用の検討を打ち出したわけです。  文部科学省英語民間試験利用方針を決める出発点になった、いわば今回の問題の震源地です、この実行本部の提言検証特別部会において、二〇一二年十月発足時の初代本部長が下村大臣です。そういう方が、文科省の幹部に対して、よく東大に指導していただきたい、こういう発言をするのはどういう意味を持つのかということです。  それで、その後、十一月二十一日に時事通信がその録音を流しました。私も聞きました。このように言っています。その象徴はですね、一つはやっぱり東大だと思います。やらないですね、東大はそもそも。これはやっぱり問題だと思いますよ。この後に、つまりね、文科省はよく東大に指導していただきたいと言った後に、せっかくトップが改革をしようと思っても、これ、大学改革全般に言える話なんですが、現場、現場がですね、いざ自分のことになるとですね、慎重になってしまう、結果的にはリーダーの足を引っ張って進まないということがあるんですね。東大全体として集団的にやるのかやらないのかというと、新聞記事のようにやらない、こういうことに、やっぱり。  私、大問題だと思うんです。つまり、東大全体のあり方について言っているんですよ。こんなことが許されるんですか。  憲法、教育基本法の話が前回ありました。まさにこれは大学への干渉じゃありませんか。こんなことをやっちゃいけない。  大臣、どう思われますか。萩生田光一大臣に伺います。
  45. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 文部科学省では、東京大学のみならず、全ての大学に対して、この自民党会議より前から、国公私立大学関係者及び高等学校関係者等に、審議を踏まえ策定した大学入学者選抜実施要項に基づき、英語四技能をはかることのできる資格検定試験等の結果の活用を促してきたところであります。その意味でも、下村議員発言文部科学省に圧力をかけたものとは受けとめておりません。  当時の担当者確認したところ、昨年四月十三日の下村議員発言を受けて東京大学に対して個別に指導したことはないとのことでございます。  総じて先生は、政治家が大学の自治に介入していいかということを問われたので、そのことは望ましいことではないと思っています。
  46. 畑野君枝

    ○畑野委員 そうですよ。大臣が認めるように、望ましいことじゃないですよ。だめですよ。これはしっかりやっていただかないといけないというふうに私は強く申し上げておきます。  ですから、こうやって進んだわけですよ。こうやって始めて進んだ結果が、大臣英語民間試験の導入を延期する、こういう事態にまで発展したわけじゃありませんか。  私は、この東大の問題にかかわって、後で申し上げようと思うんですけれども、きょう資料につけましたけれども、きょうの各紙、もうすごいですよ。  毎日新聞。「記述式「廃止を」高校七割」、こういうアンケート結果が出ております。なぜか。理由は、「自己採点が難しい」が七六・二%で最多です。「思考力・判断力・表現力を測れない」が三九・一%と続いたということです。  きょうの朝日。「国語記述式 利用五割弱」というふうに述べています。  その次、日本経済新聞。「記述式の利用 私立は四割」とあります。その中には、   記述式を巡っては採点の公平性に疑問の声があり、大学が消極的になっている可能性がある。五十万人規模の解答を約二十日間で採点するため、採点者は一万人程度になるとみられ、採点にブレが出るとの懸念は消えない。正答の条件を踏まえた自己採点が難しく、出願先選びに影響するとの声もある。   明治大は共通テストを利用するが、国語記述式は使わない。「受験生ファーストの観点から、採点の質と公平性が担保されていないのではないかと考え、採用しない判断に至った」としている。   予備校関係者からは「国立大は横並びで「使う」としているのだろう。一部大学では記述式を使うと受験生から敬遠され、受験者数が減るとの懸念もあるのではないか」との指摘も出ている。  次、きょうの読売。   採点信頼性も揺らいでいる。本番は、約二十日間でアルバイトの大学生を含む、約一万人が約五十万人分の採点を行うとされる。これに対し、受験生は「信頼できるのか」と不信感を募らせている。   また、同機構は本番前に問題や正答例を見て採点マニュアルを作るため、情報の漏えいも懸念されている。   記述式を巡っては、以前から自己採点の難しさも課題とされていた。昨年の試行調査プレテスト)では、約三割の受験生国語記述式自己採点と実際の評価が一致しなかった。 ということですね。  私、問題をやってみました。私も国語に少しかかわっていたので、やってみました。難しいです。  資料の次のところ、東京新聞の十一月十四日付ですけれども、高校生たちが自己採点の再現実施をしたということです。  これはどういう問題かということなんですが、皆さん、この大きな資料七を見ていただきたいんですけれども、こういう問題です。「第一問 問一 文章一の傍線部A「指差しが魔法のような力を発揮する」とは、どういうことか。三十字以内で書け(句読点を含む)。」、前略になっていますが、「ことばのまったく通じない国に行って、相手になにかを頼んだり尋ねたりする状況を考えてみよう。この時には、指差しが魔法のような力を発揮するはずだ。なんと言っても、指差しはコミュニケーションの基本なのだ。」こういうふうに言っている問題ですね。これで、高校生たちが再現実験をしてみたわけです。  その結果について、いろいろ書かれております。十一月九日から十一日までインターネットで呼びかけて、高校生八百五十人、中学生二十人、大人六百十人の計千四百四十五人が参加した。大人のうち八十六人は現職の教員、予備校講師やその経験者だったということです。  それで、資料の五の新聞の左の方に、三つの答えがあるんですね。これが何点かというのを皆さん採点してみましょうということです。  生徒A、「ことばを用いずに、自己を表現することができること。」これは一応、こういう採点基準があるんですよということがその上に書かれています。一つは、「「ことばを用いない」または「指差しによる」ことが書かれている」、もう一つは、「「コミュニケーションがとれる」または「相手に注意を向けさせる」ことが書かれている」これを両方とも満たしていると評価が高いんですが、どちらかだと評価が低くなる。両方ともだめだと更に評価が低いというふうになっているんです。  では、この生徒Aの解答例を何点というふうにつけたかというと、中高生もあるいは教師たちの八十六人の方たちも、大体二割台で、よいと満点をしているんですね。七割が半分だねというふうに言っているんです。  では、次、生徒Bの答え。「指差しによってことばが通じるということ。」この採点については、中高生と教師らの採点結果というのは、ずれが出るんです。いいというのは中高生は二割なんだけれども、教員は四割に上るんです。  さらに、私が問題だと思うのは生徒Cの答え。「人間の身体性は言語の壁を超えるということ。」これは、大学入試センターが示した条件に当てはまらないんですね。ですから、こういう答えを書きますと、中高生の自己採点は、いいというのはゼロなんです。教師らも一〇・六%。よくないねという評価が中高生も教師らも五〇%を超えて、一番問題なのは、判定不能というのが二五%以上出ているんです。  つまり、大学入試センターがこういう基準で採点してくださいねというふうに基準をつくりますと、それに合わない人は判定不能あるいは最も悪い評価になってしまう。だけれども、人間の身体性は言語の壁を超えることというのは、抽象的ではあるけれども、私はすばらしい答えだというふうに思いました。  このように、記述式というのはいろいろな問題を私ははらんでいると思うんです。  資料の六枚目、次を見ていただきたいんです。高大接続システム改革会議の第十一回配付資料、五神真委員が高大接続システム改革についての意見を二〇一六年二月十七日に述べられている、その発言の抜粋をさせていただきました。このように述べられています。  記述式試験は、大学受験生との出題、解答、採点を通じた「対話」であるということを強調したい。その対話を成り立たせるためには、作問者には解答者の学力を的確に測れる問題の作成能力が求められ、採点者には解答の論理を読み込み、解答者の学力を測る能力が必要である。これらの能力の育成には、大学教員といえども一朝一夕にはいかないということを実感している。入学試験という場面において、公平性と公正性を担保することの重要性は論を俟たない。その中で記述式試験の機能を発揮させるためには、作問、採点において十分な能力を有する教員を一定数確保することが必要であり、受験者が九千名弱の東京大学の二次試験の実施においても、研究所を含む全学すべての部局の協力によって何とか確保している状況である。 中略いたしまして、   しかし、五十万人以上を対象とする規模の選抜試験において、記述式問題の特長を活かして「出題者と解答者の対話を実現すること」と「公平性と公正性を担保すること」を両立させることは、過去に世界でも例のない難題であり、大変野心的な社会実験となることを良く了解しておかねばならない。成功させるためには、十分な人的財政的資源を国民の広い理解のもとで準備することが必須の前提となる。 このように、既に高大接続システム改革会議でおっしゃっておられるんですね。このことを聞いてきたのかということが私は問われると思います。  バイト学生が記述式の問題を採点するなんてもう考えられない、こういう声を言っているのは東京都の高校一年生です。このままだと採点の質や採点者によって点数にばらつきが出ることに不安を感じていますと、もう率直にこういう声を上げているわけです。  私、伺いたいんですが、記述式採点というのは、大学受験生との間の対話でなくてはいけない、だから大学教授でも十分な能力が必要だと述べておられるんです。  もう一人だけ御紹介します。二〇一九年、ことしの十一月十九日の参議院の文教科学委員会の参考人質疑において、参考人である日本大学文理学部教授の紅野謙介氏も同様に、記述式試験は対話だと述べているんです。  さまざまな解答を想定して正解の採点基準を作成委員はつくるでしょうが、しかしそれを、必ず想定を超えた解答が出てきます、それを見詰めながらみんなで考える、これを正解にすべきか、減点するにはどうするか、かんかんがくがくの議論になると思います、あれこれ考え、意見の異なる委員たちが議論を重ねて、評価を決めて、納得のいく評価になっていくわけです、記述式試験というのは問題作成者と受験者の対話だと言える、こうおっしゃっているんですね。  大臣、こういう意見について、どのように思われますか。記述式採点大学受験生の対話であるというふうにおっしゃっているんですが、いかがでしょうか。
  47. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 その前に、先生、先ほどの答弁で妙に納得していただいたんですけれども、下村議員発言が直ちに自治に介入するということを私は申し上げたんじゃなくて、一般論として、政治家が大学自治に介入するのは望ましくないということでございますので、御理解いただきたいと思います。  今いろいろなお話を聞いて、確かに課題があるなというふうに認識をしております。言葉の使い方というのは難しいことを私自身もよく理解をしておりまして、自分の意がなかなか相手に伝わらなくて、誤解を招くこともあるわけですから、そういった意味では、本当にレベルを上げた採点のスタッフ、あるいは採点方法、あるいは出題方法、こういったものを総合的にしっかり考えていかなくてはならないなというふうに思っております。
  48. 畑野君枝

    ○畑野委員 本当に難しいんですよね、記述式というのは。  この間、こういう話がありまして、ある小学校で、社会の記述テストで、日本は南極に観測隊を送り何をしたかという問題が出されて、ある小学生は、タロとジロを置いていったと解答したと。正しいですよね。つまり、本当に、対話というのは、どういう答えが出てくるかわからないわけですよ。  それで、それを、ではどうするのか。九千人のところでは、もうあらゆる大学の先生たちが総結集して、そして、最後の一人が違う答えだったら、今までのを全部見直して、相談しながら、基準から何からやるというわけですね。  では、ここで伺いますけれども、こうした高い能力が必要な記述式で、学生アルバイトができる保証はどこにあるのかということになるんです。採点マニュアルを読めばできるようなものなのかというのは、先ほど高校生たちがやってみて、なかなか難しいということもわかりました。  伺うんですが、記述問題の作成者と採点者は、大学入学共通テストではどのようになるんですか。
  49. 義本博司

    義本参考人 お答えいたします。  大学入学共通テストにおきましては、現行の、今のセンター試験と同様に、問題の作成者につきましては、大学の各それぞれの分野の専門家の方に入っていただいて、教科ごとに作成をしております。  採点者につきましては、マークシート以外の記述式につきましては、今回、民間事業者に委託しまして、そこで事業者が責任を持って選抜し、研修し、採点者の質を確保するというふうなたてつけになっているところでございます。
  50. 畑野君枝

    ○畑野委員 民間業者というのはどこですか。
  51. 義本博司

    義本参考人 学力評価研究機構でございます。
  52. 畑野君枝

    ○畑野委員 問題作成者と採点者が組織として分かれていいのかということが問題になっているわけです。  先日の参議院の参考人質疑の中で、福井県立大学教授の木村小夜さんが、各大学が行う個別試験では、規模はさまざまですが、作問者は採点全般に責任を持ち、一堂に会して採点をする、採点中に基準の訂正が必要となれば全体を見直すのは当然で、枚数が限られているからこそそれはできます、また、記述採点者は作問者と同じレベルで出題意図を理解し、出題と採点は一体であることが大前提です、採点基準というのは、あくまでも出題意図を念頭に作問当事者がつくるもので、別組織の採点側、つまり受注者ですね、の都合が入り込んではいけない、作問と採点の一体性は守られるべきですというふうに述べています。  同じ参考人質疑で、紅野さんは、採点を請け負う学力評価研究機構が十一月十二日に発表した「大学入学共通テスト国語数学の記述採点」に関する準備状況について」が持つ問題点を次のように指摘しました。細かいいろいろ説明が出ておりますが、採点作業中の問題作成委員採点者の集団の連携方法が全く書かれていません、なぜそれについての言及がないのか、不思議でならないところですと。  なぜですか。連携はされないんですか。
  53. 義本博司

    義本参考人 お答えいたします。  作問の仕方としましては、問題に対しまして、採点基準策定委員会という、これはセンターの中に組織するものでございますけれども、そこで採点基準というのを確定させまして、それを限られた学力評価研究機構の職員の方に入っていただいて、採点を、条件に合わせた形でマニュアルをつくるという形のたてつけにしているところでございます。  その中において具体の採点をするのでございますけれども、仕様書にございますように、複数の採点者採点をし、一致しなければ上位の者がチェックし、独立して、一致するまで採点作業をするんだということでございます。  さらに、それにおいて、品質のチェックということもありますので、採点作業中に課題になるところについては、全員に周知しまして、採点を統一しているというようなたてつけになっているところでございます。  連携の問題でございますけれども、事業者としての学力評価研究機構と密に連携をしまして、採点基準策定委員会と、あるいはセンターと連携させていただきまして、具体的な採点を進めているところでございます。課題等がございましたら、そこにおいて連絡し、相談してやっているところでございます。
  54. 畑野君枝

    ○畑野委員 全然だめじゃないですか。何で書いてないんですか。全く、つまり、そういうことを考えていないということでしょう。大学での入試のあり方を知らない人がつくっているんじゃないですか、記述式について。
  55. 義本博司

    義本参考人 採点をするプロセスにおきまして入試センターからの点検を行いまして、適宜採点責任者と協議しながら採点を進めるという形でやっておりまして、その点については学力評価研究機構が出されましたペーパーにも書いているところでございます。
  56. 畑野君枝

    ○畑野委員 違うんですよ。採点責任者は外の人でしょう。作問者と違うじゃないですか。作問者というのは顔を出しちゃいけないんですよ、非公開ですよ。  じゃ、その二十日間の間で五十万人を見たときに、さっきの南極の話じゃないけれども、いろいろな個性的な答えをする人がいるでしょう。基準には書いてなかったことが、五十万人いたら五十万人出るかもしれない。  だから、そういうときにどうするんですか、作問者の意図はどうですかというのを、どうやって顔も見えない人と連絡をとり合えて、そして、一万人だか一万五千人だかわからないけれども、そういう人に徹底できるのか。体制がそのようになっていないという、欠陥があるじゃないかということを言っているんですよ。どうですか。
  57. 義本博司

    義本参考人 お答えいたします。  学力評価研究機構においての組織としましては、採点者の上に統括採点のリーダーがありまして、採点の責任者というのがございまして、そこが窓口になりまして、採点についての専門的な知見を生かしながら採点プロセス全体を管理する責任者として、大学入試センター、ここではそれぞれの組織の中に作問した委員会の先生方も控えておりますけれども、そこに確認を随時行いながら、採点業務を全体としてやるというようなたてつけになっているところでございます。
  58. 畑野君枝

    ○畑野委員 それでこの間もぶれが出ているわけですよ。また、逆に、その程度記述式かということにもなるわけですよ。ここはもう大矛盾なんです、解決できない。ですから、欠陥があってできる、そういう制度にならざるを得ないんだったら、やらなければいいということだと思います。  アメリカのハーバード大学は、二〇一八年の入学者選抜に、アメリカの共通テストに当たるSATやACTに含まれるエッセー、記述式、やらないと発表した。ほかの大学でももう撤回している。なぜか。受験生に求める意味がないことがわかったと。そして、国立情報学研究所オープンサイエンス基盤研究センター記事によれば、エッセーの受験料により、若しくはエッセーの作文技術について指導を受ける機会が少ないことにより、大学への応募を見送ることのないようにという、経済的に恵まれない家庭の学生への配慮もあると。英語と同じですよ。  ですから、私が最後に聞きたいのは、そもそもどこで決まったのかということです、民間事業者に採点を委託する方針は。高大接続システム改革会議の中で、その利用の必要性を述べたのは文科省大学入試課長だったと思います。また今度確認します。  それに対していろいろな批判の声が上がったのに、その後、二〇一六年八月の大学入学希望者学力評価テスト(仮称)の検討状況についてでは、採点方法について、民間の知見も踏まえながら検討を行うとし、二〇一七年五月の大学入学共通テスト(仮称)実施方針では、民間事業者を有効に活用するという方針が打ち出されたんですね。  英語と同じように、記述式もわからないところで決まっているんです。どこで決定したのか、最後に伺いたいと思います。
  59. 伯井美徳

    伯井政府参考人 経過は今御紹介いただいたところでございますが、高大接続システム改革会議最終報告におきまして、大学入学希望者学力評価テストにおいて、記述式問題を導入するための具体的方策について今後更に検討するというようにされ、そして、今御指摘いただきました平成二十九年七月の大学入学共通テスト実施方針におきまして、文部科学省として、国語数学記述式問題を出題する、その際、多数の受験者の答案を短期間で採点するため、その能力を有する民間事業者を有効に活用するというふうに決定したものでございます。  その決定の過程におきましては、共通テスト記述式を導入する場合、大学入試センターと各大学の役割をどういうふうに考えるか、あるいは民間事業者をどういうふうに連携していくかというような議論を経て、こういう結論になったものと承知しております。
  60. 畑野君枝

    ○畑野委員 大臣、ですから資料が出てこないんです。求めている会議録、早く出していただきたい。次は二十七日ですので、それまでにお願いしたい。御答弁だけいただいて終わります。
  61. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 今、鋭意努力しています。
  62. 畑野君枝

    ○畑野委員 終わります。
  63. 橘慶一郎

    橘委員長 次に、森夏枝君。
  64. 森夏枝

    ○森(夏)委員 日本維新の会の森夏枝です。  本日も、文部科学委員会におきまして質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。  高大接続改革について、国語数学記述式試験導入と英語教育について伺います。  日本維新の会は、幼児教育から大学までの教育費の無償化を目指しております。親の経済力によって教育の機会が奪われることのないように、教育改革を進めているところでございます。  日本の未来を支える子供たちのためになるならば教育に予算をつけることは構いませんが、本当に子供たちのためになるのか、今回の記述式試験の導入には多くの疑問を持っております。  英語民間試験の導入は延期となり、今後も、検定料や地理的な不公平感など、さまざまな問題点について改善していく時間ができました。受験生を第一に考え、皆が納得のいく形の試験になるようにしていただきたいですし、それができないのであれば、再延期なのか廃止なのかも含め、今後更に検証検討をお願いしたいと思っております。  国語数学記述式試験導入に係る予算について伺います。内訳についても教えてください。
  65. 伯井美徳

    伯井政府参考人 記述式問題の採点につきましては、大学入試センター採点事業者との間で、契約金約六十二億円により業務請負契約を締結したところです。  仮に当該費用について国費で負担する場合の金額は、毎年約十五億円でございます。この点に関しましては、来年度概算要求では十六億四千四百万円を要求しておりますが、その後、一般競争入札でこういう価格で落札したことで、毎年約十五億円となっているところでございます。
  66. 森夏枝

    ○森(夏)委員 ありがとうございます。全体で約六十二億円かかるということです。  先日まで、文部科学委員会で給特法について議論をしてきましたが、教員の負担軽減のためにスクールサポートスタッフを配置するということで、スクールサポートスタッフの導入には私も賛成をしておりますが、現在、三千人の配置で予算は十二億円、来年、三千六百人で十四億円、再来年は五千四百人にふやすと予算は二十二億円と伺いました。  単純計算で三倍すると、六十二億円あればスクールサポートスタッフが一万五千人、現在の五倍にふやすこともできます。限られた予算ですので、子供たちのことを考えれば、現場の教員のことを考えれば、どこに予算をつけるのがよいのか。子供の教育、将来の日本のことを考えた教育改革をしていただきたいと思います。  次に、五十万人の受験生記述式試験を導入する意義について伺います。  これまでにも大変多くの指摘がありましたけれども、五十万人の受験生記述式試験を導入することは、予算、採点の質の確保などの面から考えても不安材料が多過ぎますし、導入の必要性に大変疑問を感じますが、導入する意義について改めて教えてください。
  67. 伯井美徳

    伯井政府参考人 お答えいたします。  大学入学者選抜におきまして、大学入学希望者の高校段階までに育成された思考力、判断力、表現力を的確に評価するためには、共通テスト、個別選抜にかかわらず、みずからの力で考えをまとめたり、相手が理解できるよう根拠に基づいて論述することが必要な記述式問題の導入が重要というふうに考えております。  その上で、国立大学の二次試験におきましても、国語、小論文、総合問題のいずれも課さない学部の募集人員は全体の六一・六%といったような実態に鑑みまして、令和二年度からの大学入学共通テストにおいて記述式問題を導入するという決定がなされたものでございます。  文部科学省といたしましては、共通テストと個別選抜の双方におきまして、それぞれの特質を踏まえながら記述式問題の充実を図ることが重要である、それによりまして、高校教育、大学教育の改革充実に好影響を与えるというふうに期待しているものでございます。     〔委員長退席、馳委員長代理着席〕
  68. 森夏枝

    ○森(夏)委員 ありがとうございます。  教育に対して好影響を与えるものを期待しているとのことですが、そうなればいいのですが、これまでもずっと議論しておりますが、不安材料の方が多いように思います。  五十万人分の採点を行うには、少なくとも一万人の採点者が必要とのことです。完璧に採点する人が一万人も本当に集まるのでしょうか。研修を受ければ完璧な採点ができるのでしょうか。  例えばですが、AIを使った採点システムを開発すれば、情報漏えいの面でも採点ミスについても、自己採点などもアプリなどで自己採点できるようにすれば、現在懸念されている問題も少しは解消されるのではないかと思います。  採点にこれだけ不安がある中導入することは、やはり時期尚早であると思います。記述式試験採点ミスも多く、大変不安の声が大きいですが、採点の質の確保のために研修等が行われると聞いておりますが、採点者の研修期間、研修内容、採点マニュアルについて詳しく教えてください。
  69. 伯井美徳

    伯井政府参考人 お答えいたします。  まず、採点者の研修につきましては、採点者に対する研修プログラムを仕様書において、採点事業者大学入試センターと事前に協議をした上で、採点者及び採点監督者に必要な研修プログラムを編成し、採点開始日までに事前研修を終了するというふうに定めております。  今後、大学入試センター採点事業者が事前に協議して、その必要な期間を定め、それを含め必要な事項を定めるということとしております。  採点マニュアルにつきましては、採点者が正答の条件等に基づき正確な採点を行うことができるよう、実際の採点作業開始までに大学入試センターが設置する採点基準策定委員会、仮称でございますが、そこにおきまして協議し、確認を受けて作成するものとされております。  今後、大学入試センターにおいて、採点マニュアルについても必要な対応を求めていくものと承知しております。
  70. 森夏枝

    ○森(夏)委員 採点開始までにということで、まだ正式には決まっていないようです。採点者も人ですので、同じ期間研修を受けたとしても、習得できる人とそうでない人がいます。採点者の研修等を行い、採点の質を確保するとのことですが、採点マニュアルがあってもまだまだ不安が残ります。  AIの活用検討していただきたいと思います。AIだけでは不十分なところを人がサポートする体制ができれば、一万人もの採点者は必要ないと思います。AIの活用といっても、開発にも時間がかかると思いますので、まだまだ導入には早いと思っております。  既に多くの指摘をされておりますけれども、記述式試験自己採点受験生に本当に難しいと思います。大学選びはその後の人生を大きく左右します。大学で出会う先生、友人、先輩、後輩、住む場所によって、出会う人全てが変わります。自己採点採点ミスで受験生が本来受けられるはずの大学を諦めるなど、あってはならないと思います。  導入を延期、廃止しないのであれば、受験生のためにわかりやすい採点マニュアルのようなものは準備されるのでしょうか。また、自己採点採点ミスは自己責任でしょうか。お答え願います。
  71. 伯井美徳

    伯井政府参考人 お答えいたします。  記述式問題につきましては、自己採点採点結果の不一致の課題があると認識しております。  大学入試センターにおきましては、正答の条件の意味や内容をわかりやすく整理して高等学校へ周知する、それとともに、その内容を生かして受験生が何らかの形で自己採点をみずからシミュレートできるような仕組みが提供できないか、大学入試センターと協議してまいりたいと考えております。  また、現在実施中の大学入学共通テスト準備事業を通じた一連のプロセスの検証、改善を通じまして採点基準のあり方の改善も図られ、それによって、受験生にとって自己採点がしやすくなることにもつながると考えております。  準備事業を通じて採点基準の改善を図るわけですが、その採点基準を利用した自己採点の改善効果を実際に確認するということも含めまして、大学入試センターと協議したいと思っております。  さまざまな措置を講じて、自己採点の一致率というのを高めていくよう努力してまいりたいと考えております。
  72. 森夏枝

    ○森(夏)委員 ありがとうございます。  採点者には採点のために一定期間研修をし、採点技術を上げていくにもかかわらず、受験生はそのような研修もなく、自己採点が合っているかどうかは確かではないけれども自分採点してくださいというのは、やはりおかしいと思います、問題だと思います。  先ほども、自己採点の不一致の問題は認識されているとお話がありました。プレテストでも、特に国語自己採点との一致率も低く、不一致率が三割では、受験生も自信を持って志望校選びができなくなると思います。これまでのようにマーク式のテストで、記述式試験を導入しなければこのような問題は起きません。記述式試験が誰のための導入なのか、やはり疑問を感じます。  先ほども申しましたが、受験生の人生、子供の人生を採点ミスによって左右するのは絶対に避けなければなりません。そして、この自己採点のための勉強をさせるのも、受験勉強をしている子供たちには大変負担です。どうすればうまく採点ができるのか、そこまで子供たちに時間をかけさせるわけにはいかないと思っております。  グローバル化の進展の中で、英語力の向上を目指すというのは理解できますし、必要なことだと思っております。高大接続改革の中で英語民間試験を導入することになった経緯について、改めて伺いたいと思います。
  73. 伯井美徳

    伯井政府参考人 お答えいたします。  御指摘をいただきましたように、グローバル化が急速に進展する中で、英語によるコミュニケーション能力の向上は喫緊の課題でございます。大学入試において、英語の読む、聞く、話す、書くの四技能を評価することが必要であるということ。  しかしながら、一方で、英語に関しては、約五十万人規模で同一日程一斉実施型試験による共通テストとして、特に、話す、書くの能力を含めた試験を実施することが極めて困難であることなどを踏まえて、英語民間試験活用、導入の検討が行われたものでございます。  具体的には、平成二十四年八月の中央教育審議会への諮問、同審議会や教育再生実行会議、高大接続システム改革会議文部科学省内の検討・準備グループなどの検討を経て、平成二十九年七月、大学入学共通テスト実施方針が策定され、大学入試において四技能を評価することができるよう、現に民間事業者等により広く実施され、高校教育や大学入試で活用が進んでいる資格検定試験活用を推進することとしたというのが経緯でございます。
  74. 森夏枝

    ○森(夏)委員 読む、書く、聞く、話す、この四技能が子供たちにとって必要だというのは私も理解をしておりますが、この四技能の英語試験を導入すれば、受験生が勉強を頑張る、高校も力を入れる、これには疑問を持っているところもございます。  英語試験については導入を延期したので、今後も改善する時間があり、大変よかったと思っております。特に、高額な検定料の経済的な負担、地理的、経済的な不公平感の解消など、受験生が安心して試験を受けられるものでなくてはなりません。既に導入のために準備をされていた方々や、英語民間試験が導入されると思い勉強してきた子供たちもいますので、現場の混乱が避けられない中、大臣も本当によく御決断されたと思っております。  高大接続改革とは少し離れますが、関連して、英語教育について伺います。  学習指導要領が見直され、二〇二〇年から、小学校三年生から英語教育の導入がスタートします。  そこで、小学校英語教育導入の経緯について教えてください。
  75. 串田俊巳

    串田政府参考人 お答えいたします。  小学校学習指導要領におきます外国語教育につきましては、平成二十年と二十九年の二回の改訂を経ているところでございます。  平成十九年以前から、当時の社会の国際化の進展などを踏まえまして、多くの小学校で総合的な学習の時間などを活用して英語活動が行われておりましたけれども、各学校の取組に相当のばらつきがございまして、小学校の外国語教育について国が一定の基準を示す必要があると考えられたところでございます。  こうしたことを踏まえまして、中央教育審議会の議論などを経まして、平成二十年に告示された現在の学習指導要領におきましては、聞くこと、話すことを中心に英語になれ親しみ、コミュニケーションの素地を養うため、全ての小学校五年生、六年生が行う外国語活動の時間を新設いたしたところでございます。  この現行の学習指導要領のもとにおきましては、以前よりも生徒が英語の音声になれ親しんでいる、英語で積極的にコミュニケーションを図る、とる態度が育っているといった成果が見られております。一方で、小学校におきます音声中心の学習が中学校での文字の学習に円滑に接続されていないといったことが課題として指摘されていたところでございます。  こうした成果と課題を踏まえまして、その後の専門家会議議論や中央教育審議会答申に基づきまして、平成二十九年に小学校の学習指導要領を改訂いたしまして、来年度から、小学校におきましては全面実施されることとなっております。  その中で、外国語につきましては、小学校三年生、四年生から外国語活動を導入し、聞くこと、話すことを中心に外国語になれ親しみ学習への動機づけを高め、その上で、小学校五、六年生では教科として位置づけまして、段階的に、文字を読むこと、書くことを加えていくこととし、中学校への接続を図るということとしたものでございます。
  76. 森夏枝

    ○森(夏)委員 ありがとうございます。  小学校の早い段階から英語を聞くこと、話すことになれ親しむというのは、私もこれはいいこととは思っております、コミュニケーションがとれるように。その教育方針に関してはよいと思いますけれども、現場の声を聞きますといろいろ問題があるように思っております。  先日の給特法の審議の中でも、教員の負担軽減策として外部指導員の増員についてもお願いをしましたが、英語教育の導入は小学校の教員には大変な負担となっております。小学校の現場の声を聞きますと、英語を教えられる教員がいない、そのためALT頼みになってしまっている、しかし、ALTの給料も安いため、すぐにやめてしまう、よい人材が集まらないとおっしゃっておりました。  ALTの先生たちは、英語を話すことはできますが、英語を指導する資格は持っておりません。せめて、子供たちに教育をする立場ですから、ALTに対する研修があってもよいのではないかと思います。  小学校英語教育導入が決まる前に教員になっている小学校の教員は、話せる英語、英会話の勉強をしておりません。英語の単位を取っておりませんし、中学校高校のような英語の教員免許も持っておりません。  小学校三年生から英語教育を導入するのであれば、できるだけネーティブに近い発音で、楽しい英語の授業をすることが、子供たちを英語嫌いにしないために重要です。そして、高大接続改革英語民間試験の導入の経緯でも、グローバル社会の中で活躍できる人材を育てるために進めてきたと思います。スピーキングの能力を伸ばす必要性があります。しかし、英語のできない小学校の教員に、文部科学省の考えているような授業を求めるのは無理があると思います。  中学校の校長先生からも御指摘を受けたのですが、なぜ、小学校の教員は英語の免許がなくても研修を受けただけで英語を教えられるのか、そして、ALTも英語の指導資格がないのに英語が話せるというだけで大切な子供たちの教育に携わっているのか。実際に現場からも問題視する声がありますが、無資格者が英語を教えることについて問題はないのか、大臣の御見解をお聞かせ願います。     〔馳委員長代理退席、委員長着席〕
  77. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 小学校の外国語の授業においては、各学校の実情に応じ、学級担任又は専科指導を行う教師が授業を担当します。いずれの場合においても、授業は教師が行うものであり、ALTは、発音や会話の例を示すことや、教師や児童とやりとりを行うなど、英語面で教師を補助するものです。  文部科学省からは、全ての小学校で外国語教育を円滑に実施できるよう、指導体制の充実と環境整備を行っているところです。  具体的には、教師に対して各地方公共団体が行う研修等への支援、専科指導を行う英語教員の配置に関する加配措置、一定の英語力、英語指導力のある新規教員採用の促進、小学校による中学校の免許状取得の支援、JET―ALTの配置に関する地方財政措置、デジタル教材の提供などICTの活用促進、また授業実践例の動画配信などを行っているところです。また、教員の養成段階については、本年度から、小学校の教員養成課程に入学した学生は必ず外国語の指導法等を学ぶことになっております。  こうした取組を通じて、来年四月からの新学習指導要領による小学校の外国語教育が円滑に進むよう、引き続き全力で取り組んでまいります。
  78. 森夏枝

    ○森(夏)委員 大臣、済みません、本年度からは外国語をしっかり勉強するということだと思いますけれども、現在、小学校において免許を持っていない先生が英語を指導することについて問題はないのか、お聞かせ願います。
  79. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 問題意識は持っています。  それで、ことしの大学一年生からは、教職課程、小学校の教員課程を目指す皆さんには外国語の指導をしておりますので。しかし、これは四年かかります。ということは、その間、そういう資格を持った先生が現場にいないということにもなりかねませんので、先ほど申し上げましたように、英語教員の配置に関する加配措置ですとか、また、一定の英語力、英語指導力のある新規教員の採用を促進して、ぜひこういった環境を向上させていきたい、こう思っております。
  80. 森夏枝

    ○森(夏)委員 ありがとうございます。問題意識は持っていただいているということで。  研修を受ければ英語が教えられるということであれば、例えば、中学校英語の教員が産休で、英語の教員が足りないときに、数学や体育の先生に英語が話せる、英語が得意な先生がいれば、研修を受けさえすれば免許がなくても英語を教えていいのかということになります。  小学校三年生から英語の授業がスタートをして、小学校六年生の卒業前の三月の授業は英語の無資格の先生が指導をし、中学校一年生の四月からは英語の教員でないと英語を教えられないというのは、この差は理解に苦しみます。  そして、中学校英語教育の現場では、スピーキングを伸ばす、話せる教育が必要だということで、英語教員に対して多くの研修が課せられております。以前、給特法の質疑の際にも言いましたが、この研修が、英語の研修が教員の大変な負担となっていること、また、この研修のために英語の先生がいない日があり、子供たちが英語の授業を受ける時間を奪われ、自習をさせられていること、この点についても、文部科学省として改めて御認識いただきたいと思います。  子供たちは、英語を教えられるよい先生に出会えるか、指導技術のあるALTの先生に出会えるかどうかで英語を学ぶ機会は全く違うと思います。これは記述式試験採点者も同じで、完璧に採点をしてくれる人とそうでない人、誰に採点されるかで子供の人生が変わることは絶対によくありません。英語教育の機会の平等についても、今後検討していただきたいと思っております。  次に、ALTの現状と課題について伺いたいと思います。  先ほどからALTの課題については少しお話をさせていただきましたが、ALTの方々は、日本に来てすぐに授業を持たせられる。指導の仕方もわからないのに、英語は話せるけれども、一度も指導の経験がないALTの方が授業をさせられている。それで、自分には負担だということで、続かなくて、やめていかれる人が多いという現状を聞いております。  こういった現状と課題についてどのように認識をされているのか、そして、このALTに対して、研修やサポート体制について何か支援策を考えているのでしょうか。お答え願います。
  81. 串田俊巳

    串田政府参考人 お答えいたします。  ALTは、教師を英語面でサポートするという位置づけでございまして、授業は教師が責任を持って行うということが必要でございます。また、ALTの活用に当たりましては、市町村の教育委員会等が責任を持って適切な研修や支援を行うということが求められております。  文部科学省が総務省、外務省と共同で行っておりますJETプログラムに関しましては、ALTの来日時に、学習指導要領の説明や英語指導法、また、児童生徒の理解を中心とした学校での役割などに関します研修を行っているという状況でございます。  また、JETプログラムによるALT、いわゆるJET―ALTの生活面のサポートなどを行うコーディネーターを配置するなど、自治体に関して地方交付税の措置を行っているという状況でございます。  また、文部科学省といたしましては、こうしたJET―ALTに限らず、ALTが全体として効果的に授業に参加するための支援といたしまして、関係機関と連携いたしまして、小学校教師向けの指導資料等の中でALTと効果的な連携について扱うこと、教育委員会が行うALTを対象とした研修に対する支援、小学校で使用される教師用指導資料の英訳版の提供などを行っているところでございます。  実際にALTを効果的に活用している地域におきましては、例えば、経験のあるALTから新任のALTに対し、授業実践から日常生活も含めてサポートする研修、教育委員会の担当者による面談、ALTを対象とした日本語教室といった具体的な研修支援といったものが行われている状況でございます。  こうした事例の収集、普及なども含めまして、ALTの一層効果的な活用が図られるよう取り組んでまいりたいと思います。
  82. 森夏枝

    ○森(夏)委員 ありがとうございます。  私が現場から聞いた声としては、サポート体制がそんなにしっかりしているようには聞こえてきませんでした。授業は教師が行うもの、ALTはサポートをすると言われますけれども、先ほどからも申しておりますけれども、小学校の教員は英語を勉強しておりませんので、特にスピーキングの勉強をしてきていない先生方が多いですので、本当にもう全て授業を任せているような感じになっている現状があります。そういったこともしっかり現場の声を聞いていただいて、ALTの方々をしっかりとサポートをして、子供たちのためのよい英語の教育、授業ができるように、しっかりとお願いをしたいと思います。  それでは、最後の質問に入ります。  高大接続改革に話を戻しますが、これまでにも多くの指摘をされておりますが、記述式試験導入には大変多くの問題があると思います。採点者の確保、採点の質の確保、大変不安です。さまざまな問題点について、大臣も御認識されていると思います。  英語民間試験のように延期になれば、受験生に大変な負担をかけ、不安にさせ、混乱させることになります。ですが、記述式試験も延期、中止にする可能性があるのであれば、一日でも早く判断をしていただきたいと思いますが、延期、中止の可能性について、大臣のお考えをお聞かせ願います。
  83. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 平成二十九年、三十年度に実施したプレテストで明らかになった採点の質、自己採点採点結果の不一致等の課題については、課題解消に向けたさまざまな取組を現在行っているところです。  採点の質の確保に向けては、今後、大学入試センターにおいて、学力試験採点業務への適性及び面接の結果、過去の採点実績等も考慮して選抜された採点者への事前研修の実施、複数の視点で組織的、多層的に採点を行う体制の構築、高校の協力を得て採点過程を検証し、一連のプロセスを改善するための準備事業の実施等に取り組むことにより、採点の質の維持向上に努めてまいります。  国語自己採点採点結果の不一致については、大学入試センターにおいて、正答の条件の意味や内容をわかりやすく整理して高等学校に周知するとともに、その内容を生かして受験生が何らかの形で自己採点をシミュレートできるような仕組みを提供できないか、大学入試センターと協議をしております。  引き続き、記述式問題の出題や採点方法について、どのような改善が可能であるか、さまざまな方策について検討し、受験生が安心して受験できるよう、円滑な実施に向けて万全を期してまいりたいと思います。
  84. 森夏枝

    ○森(夏)委員 ありがとうございます。  現段階で延期、中止というお考えではないと思いますけれども、さまざまな問題点について御認識され、改善できるところを今検証検討されているところだと思います。  高大接続改革英語教育の導入が子供たちのためになるものであってほしいと願います。英語試験の導入も、国語数学の記述試験の導入も、多額の税金を使い、誰のための試験なのだろうと思ってしまいます。中学校高校の子供を持つ保護者の方々からは不安の声しか聞こえてきません。五十万人もの受験生が一度に記述式試験を受ける必要はないと思います。大学の二次試験記述式試験は受けることができます。  英語のスピーキング能力は、四技能をはかるのにも、民間の英語試験を使わなくても大学の二次試験でできます。英語が話せる学生が欲しい大学は、スピーキングについては各大学英語での面接試験をすればいいだけだと思います。  英語が話せるようになることは、今後国際社会で活躍できる人材をつくるという意味では方向性はいいと思いますが、英語民間試験の導入や記述式試験の導入など、なぜこのような教育改革になったのかと思います。これだけ懸念の声があるのに記述式試験を本当に導入するのか、数学の記述試験にも問題はありますが、特に国語については検討が必要だと思います。現場の声を聞いていただいて、改革を進めていただきたいと思います。  以上で終わります。ありがとうございました。
  85. 橘慶一郎

    橘委員長 次に、城井崇君。
  86. 城井崇

    城井委員 国民民主党の城井崇です。  きょうも質問の時間をいただきました。ありがとうございます。  きょうも大臣に集中して御質問をというふうに思います。よろしくお願いをいたします。  まず、大学入試共通テスト、特に英語民間試験問題についてであります。  大臣に、まず一つ、お預けをしていた件から確認をさせてください。二〇一九年十一月十九日十九時のNHKニュースで報じられた、英語民間試験下村氏、東大活用するよう指導を、党内会議でについてであります。  事実関係を調べると、大臣はせんだっての十一月二十日の文部科学委員会で約束をいただきました。やらないですよ、東大はそもそも、これはやっぱり問題だと思いますよ、文部科学省はよく東大に指導していただきたい、やるということを前提にぜひ指導していただきたい、こうした発言はあったでしょうか。その当該会議文部科学省出席者はいたか、誰だったか、大学関係者出席者は誰だったか、調査の結果をお聞かせください。
  87. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 まず、当日の文部科学省からの出席者につきましては、初等中等教育局担当の大臣官房審議官、高大接続及び高等教育局担当の大臣官房審議官、生涯学習政策局の政策課長、初等中等教育局の国際教育課長、高等教育局大学振興課長、高等教育局の大学振興課大学入試室長が文部科学省からの出席者でございます。  また、大学関係者出席者につきましては、国立大学協会の入試委員会の委員長、これは山口大学の学長、国立大学協会入試委員会副委員長、茨城大学の学長でございます。  御質問下村議員発言について文部科学省からの出席者に確認したところ、そのような発言があったということでございます。
  88. 城井崇

    城井委員 では、その文部科学省の担当さんに聞いて、あったということでありましたので、その点について一つだけ伺わせてください。  その文部科学省からの同席者は、この下村氏の発言の中で、東大英語民間試験導入をやるとの記者会見をさせるよう言っていただきたい、こうした趣旨の発言があったか、聞いたか、この点をお答えください。
  89. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 そのようなせりふは承知をしておりません。
  90. 城井崇

    城井委員 この点、大変大事であります。御本人からは説明と言い、我々が聞いた録音音声では、指導していただきたい、指導という言葉でありました。大変強い言葉であります。  その指導を、何を求めたかというところが大変重要でございまして、今申した、やるという記者会見をやれということを指導していただきたいというふうに言ったというのが、今メディアが公開している録音音声の中でも確認をすることができます。  ぜひ、この点を確認して、いま一度委員会に報告いただきたいと思いますが、大臣、お願いできますでしょうか。
  91. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 確認します。
  92. 城井崇

    城井委員 よろしくお願いいたします。  委員長にも、ぜひお取り計らいをお願いしたいと思います。
  93. 橘慶一郎

    橘委員長 はい。大臣からの答弁をまず聞いて、順番だと思いますから。
  94. 城井崇

    城井委員 この点、なぜ大事かということを改めて申し上げますと、一方で説明と言い、一方で指導と受けとめている、この言葉が同じというわけにはならないというふうに思っています。もし記述式問題の採点でしたら、説明と指導というのを同じだというふうに答えたら恐らくバツがつくというふうに思いますので、この点、言葉は厳密にいきたいと思いまして、ぜひ大臣確認をお願いしたいということであります。  続きまして、大学入試共通テスト、特に記述式問題についてお伺いしてまいりたいと思います。  せんだっての委員会での私の質疑で、大臣が、たくさん、確認するということで、丁寧に預かっていただきました。一つ一つ確認をというふうに思いますが、大変多うございますので、マルかバツかの質問も多いものですから、端的にお答えいただければと思います。  まず、採点について。記述式問題の採点について請け負った請負業者とその親会社が人事上の併任を禁じていないということでよろしいか、この点、お聞かせください。
  95. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 きちんと調べましたので、後ほど重複するところは省きますけれども、まず御理解をいただきたいというふうに思いますので、説明させてください。  株式会社学力評価研究機構大学入試センターとの間で締結している契約書においては、業務の遂行に伴い相手方から知り得た一切の情報について、守秘義務が課されているところです。そのため、仮に同社社員が株式会社ベネッセコーポレーションとの兼務等に際して万が一これに反する行為があった場合は、契約解除や損害賠償等の責任が発生する可能性があるものと承知しています。  さらに、各方面からの御指摘を踏まえて、社会的懸念を招くことがないよう、大学入試センター学力評価研究機構及びベネッセコーポレーションとの間で協議を行った結果、学力評価研究機構の幹部職員及びセンターから特別に承認を受けて事前に試験問題を知り得る立場にある職員については、ベネッセコーポレーションとの兼務を十二月一日付で解消するとともに、共通テストの実施終了後一定期間まではベネッセコーポレーションの模擬試験や教材作成等にかかわる部門も含め一切の人事交流を行わないこと、その他学力評価研究機構の全ての社員について、ベネッセコーポレーションとの兼務を来年二月一日までに解消することの二点について早急に対応いただく予定であることを確認しており、この旨につきましては大学入試センターから確認書の提出を求める予定と承知をしております。
  96. 城井崇

    城井委員 今ほど大臣からも、実際に人事で兼務をしていた方を、十二月一日までにその兼務を解いてという御説明でございました。  ただ、大臣、今回の業務請負契約はいつ締結をされたか。それは、その日にちから数えますと、この十二月一日というのは前か後かでいうと、当然、大臣、後ですね。お答えください。
  97. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 後です。
  98. 城井崇

    城井委員 ということは、業務請負契約で結んでいる中身に反した状況を十二月一日まで放置する、こういうことになります。こうした、締結時にその状況をつくれていないような請負業者を信用できるのか。先ほど大臣はくしくも、契約解除や損害賠償の対象としてもということにも触れられました。もう既にその状況にあるのではありませんか。  この契約違反状態を十二月一日まで放置するという意味が全く理解できませんし、何よりも、予定である、確認書をという話ですけれども、その強制力があるのかどうかも含めてあやふやな状況でこの契約違反状態を放置するのはおかしいというふうに考えますけれども、大臣、いかがでしょうか。
  99. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 先生御指摘の兼任を禁じているかどうかというのは、これは契約にないんですね。ないんですけれども、しかし、問題意識として御指摘がこの国会の中でもあったわけで、今後そういうことのないようにということで、センターベネッセコーポレーションとの間で話し合った結果を先ほど披露したところでございますので、私は、現時点契約に反しているとは思いません。ある意味では、両方で、契約者の双方で確認し合って、よりよい、信頼性を高める方向性を示したということなので。  先方にも都合があるんだと思います、十二月一日まで。だからといって、十二月一日までは何をしてもいいんだ、十二月一日までだったらどんな情報交換もいいんだということも当然あってはならないことは縛ってありますので、その辺は私は信頼したいと思います。
  100. 城井崇

    城井委員 私が申し上げているのは、利益相反指摘があり、その疑いが大きい中でこの状況があるということだから問題だということを申し上げています。  更に一点、御確認ですが、今ほどの話と重なるところもありますが、先ほどの確認書に向かってということになりますが、人事上の出入りをそれで防ぐことができるんでしょうか。
  101. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 株式会社学力評価研究機構大学入試センターとの間で締結している契約書においては、業務の遂行に伴い相手方から知り得た一切の情報についての守秘義務が課せられております。  また、各方面からの御指摘を踏まえ、社会的懸念を招くことがないよう、大学入試センター学力評価研究機構及びベネッセコーポレーションの間で協議を行った結果、学力評価研究機構の幹部職員及びセンターから特別に承認を受けて事前に試験問題を知り得る立場にある職員については、ベネッセコーポレーションとの兼務を十二月一日付で解消するとともに、共通テストの終了後一定期間まではベネッセコーポレーションの模擬試験や教材作成等に関する部門も含め一切の人事交流を行わないことについて早急に対応していただく予定であることを確認しており、この旨については大学入試センターから同様の確認書の提出を求める予定と承知しております。
  102. 城井崇

    城井委員 続いて確認をいたします。いわゆる著作権、知的財産権の留保の件であります。  一義的に請負業者に留保されるという旨の記載でありました。協議は可能だという大臣答弁もございましたが、本来は、大学入試センターそのものが試験運営に係る著作権や知的財産権も留保すべきだと考えますが、そのようになっていないのはなぜかということも含めて御指摘を申し上げました。この点、確認をいただけたでしょうか。
  103. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 大学入試センターにおいては、採点業務を通じて、採点業務全体の運用、監督にかかわるノウハウ、また採点基準の作成にかかわるノウハウが蓄積されるため、今後の大学入学共通テスト採点事務の運営について、問題ないと考えています。  なお、採点事業者が担当する業務、例えば採点マニュアルの作成、採点者の育成、採点作業、採点システムのプログラムの開発などにかかわるノウハウについては、採点事業者が従来から保有しているノウハウを活用して実施するものであるため、採点業務終了後も採点事業者が保有することと考えています。このため、業務請負契約書の第十六条第二項においては、本業務の遂行に伴い乙が作成した著作物等の著作権及びその他一切の知的財産権は、乙に留保されるものとするとされているところでございます。
  104. 城井崇

    城井委員 もう一点お伺いをと思います。ここは、大臣、まとめて聞かせてください。  平成二十九年度のアドバイザリー業務、そして平成二十九年度のプレテスト記述式採点関連業務並びに平成三十年度プレテスト記述式問題の採点業務につきまして、それぞれ、受注者が問題作成や採点基準作成、正答の条件等の作成に何らかの形でかかわったかという趣旨のことを一つ一つお尋ねしました。大臣確認をするというふうにおっしゃいましたので、この点の確認をさせてください。
  105. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 まず、二十九年のプレテストアドバイザリー業務についてです。  ベネッセ及び教育測定研究所は、記述式問題及び採点基準の作成支援及び助言等を行ったと承知しております。その中で、具体的には、設問の意図がより明確になるようにする観点から、両社からそれぞれ、国語試行調査の問題文について文言を追加すべきという旨の指摘があり、これを、会議体において修正内容を検討、決定し、問題文に文言を追加するなどの対応がなされたと承知しております。  それから、二十九年のプレテストアドバイザリー業務でありますけれども、大学入学共通テスト等における記述式試験の実施に向けて、大学入試センターが作成するプレテスト用の記述式問題や採点基準の作成について民間事業者等のノウハウを活用するためのものだったと承知しています。この時点センター記述式問題作問のノウハウがなかったので、民間事業者の有識者から助言を得ていたものと承知しています。  問題作成は、センターから委嘱された委員の最終的な判断のもとで行われたと承知をしていますが、来年度実施する大学入学共通テストの問題作成はセンターにおいて行うものであります。
  106. 城井崇

    城井委員 文言の追加など、かかわった部分もあったということでございました。やはりそうしたプレテスト段階から、特定企業が、作問にも採点基準の作成にも、そして今回の本試験における採点業務ということで、一貫して囲んでかかわっているということが明らかになったというふうに思います。  私自身としては、そうした、問題もそして採点もという形で挟みながら、しかもその事実を自社の利益のために使っているということが明らかな限り、この利益相反が正されない限りは今回の記述式試験はできないというふうに考えます。  この点については、後ほど大臣にまた問いたいというふうに思います。  さて、きょうは同僚議員から採点体制採点者についての質問もありましたので、一言だけ申し上げます。  きょう、文部科学省からの答弁で、参考人質疑の中でベネッセから、採点スタッフは約二万人、この中からという話、そして属性は差し控えるということでございました。ただ、これだと実施の体制確認できないというのは、大臣確認いただけたというふうに思います。  これは実際数をぜひ確認いただきたいと思いますが、私から一言申し上げると、この二万人の中には、例えば高校テスト以外を担当する採点者や短期の未経験の登録アルバイト、最近は指摘があったのでぱっと引き揚げてしまいましたけれども、これまでに登録した方の中にも短期や未経験の登録アルバイトは山ほどいるはずでありますし、また、もともと自宅採点を前提に募集をしたアルバイトがたくさん含まれているはずであります。  ただ、今回の本試験に向けた採点体制は、例えば自宅採点はしませんということで確定の答弁がございますし、また、大臣にせんだって私が単発の派遣や再委託はありませんねということをわざわざお尋ねしたのは、その人手集めをどこからするかという範囲を確定したかったから確認をしたわけであります。  なので、単発の派遣や再委託もないということでありますので、そうすると、今の学力評価研究機構の中から集めたスタッフで、現在登録をしているアルバイトからしかこの採点者はできないということになりますので、かなり範囲が限定されるんだと。そうしたときに、初鹿委員からも御指摘がありましたように、実際に採点が行われる一月後半から二月前半というのは、学校関係者や学生は死ぬほど忙しいという状況なものですから、大学生を含めたところの登録アルバイトに実際にかかわってくれというのは無理だということは、ぜひ私からも申し上げたいというふうに思っています。  そもそも、未経験者や短期の採点アルバイトは、その答案が妥当かどうか、特に記述式問題は、自分の力で判断をしていくことができずに、パターンにはまるかはまらないか、パターンのマッチングしかできない採点者が多く含まれる可能性が大きいというふうに専門家からも指摘があります。この点をぜひ大臣にも自覚いただきながら確認をいただきたいということをお願いしたいというふうに思います。  さて、この採点の部分について、一点お伺いしたいと思います。  そもそも、これまで、採点の品質チェックをしながら品質を上げていくような答弁大臣文部科学省から言っておりますが、これを委託する前に本当はチェックをしておくべきだったのではないかというふうに考えています。委託側、つまり、委託をする文部科学省そして大学入試センター側に事前にサービスの品質を検証する力がなかったことが、今回のこの採点云々の話の大きな大きな問題になっている、致命的な問題になっているというふうに考えるわけであります。  例えば、採点の途中でセンターの職員が進捗状況をチェックして、ランダムに解答を選んで採点してみて、学力評価研究機構の出す採点結果に問題があると判明したときには一体どうするのか。恐らく、どうすることもできないので、業者を信じて、見て見ぬふりをして丸投げするしかないのではないかというふうに考えるわけであります。  高校大学の入試となりますと、実際の採点者を集めて何度か実証実験をして、一定の採点の質を担保することも確認してから実行する、こうしたことは当然だというふうに思うわけであります。最低でも、実際の解答の中ににせものの、モックの解答をランダムに紛れ込ませて、大学入試センター側が学力評価研究機構による採点の質を継続的に確認する、こうしたことを最初から仕様書などに盛り込むことができたはずなんだけれども、書いてない。問題が発覚するとむしろセンターが困るせいなのか、ブラックボックスの部分は完全に丸投げであります。  せめて、並行採点する二人の採点者と上級の採点者がつけたスコアのデータをセンター学力評価研究機構から受け取れるような契約にしておけば、事後にテスト理論の専門家が採点信頼性確認することもできたわけであります。でも、今の状況ですと、事後に問題が発覚すると大変なんだろうというふうに思ったせいなのか、それもやっていないわけであります。事後チェック方法がないわけであります。  センターは、テストの実施主体として果たすべき責任を果たしていません。この委託側としての大学入試センターに事前にサービスの品質を検証する能力がないという私の指摘に対して、大臣、お答えいただけますか。
  107. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 大学入試センターにおいては、事業者に対し、適正な試験等によって質の高い採点者を確保すること、必要な研修プログラムを行うことなど、採点者の質を向上する取組を求めるとともに、一次採点は複数名で独立して行うこと、複数名の採点結果が異なる場合には、採点監督者採点結果の確認や不一致のあった答案採点などを行い、独立して採点した結果が一致するまで採点を行うこと、採点作業中に適宜、採点結果の品質チェックを行い、その結果を採点作業の改善につなげること、センターにおける採点状況の点検の際には、センターが指定する答案を抽出し、事業者と質疑応答等を行うことなど、採点正確性を確保するための取組を求めています。  こうした多層的な組織体制と品質チェックの充実により、正確な採点の実施は確保されるものと考えておりますが、現段階でそういう御心配事項指摘いただきましたので、センターとしても受けとめて、向上に期するように図ってまいりたいと思っています。
  108. 城井崇

    城井委員 今指摘を申し上げた仕組みがそもそもないということに加えて、今の大臣の御説明にあった、三人一組で取り組んで、そしてそこから上がってきた意外な正解も含めて、取りまとめて確認しながらやっていくという説明でありますが、ただ、今の仕組みですと、一万五千人規模に及ぶということがきょうの委員会でも明らかになりましたが、その採点者が三人一組で分かれて、実際には二人一組でやって、正解だなと思ったり、間違いだなと思ったときに、意外な正解を見逃すケースは山ほどあるというふうに思います。  そんな二人、三人一組のところから上がってきたはずの意外な正解を、一万五千人規模に、全員に、最後の一枚の答案が終わるまでに情報を共有した上で、以前に丸をつけた分の中にも意外な正解がまざっていたかもしれないということを全部チェックするというのを二十日間でやるのは無理だということを、大臣、ぜひ御理解いただきたいというふうに思います。現場での三人一組の話はわかりますが、それを全体で共有して、最後の一枚まで間違いなくやり切ることは無理だということは、ぜひ考えていただきたいと思います。  あわせて、採点のアルバイトの件で御指摘を申し上げたいと思います。  こんな話が聞こえてきます。事前研修の情報を得るためにあちこちの塾から潜入させる、あるいは、受験生の家族が採点にかかわれないとしても、知り合いの学生に採点アルバイトと情報代の二重バイトをお願いする、仮面浪人中の大学生が採点アルバイトに入る、こうしたことも聞こえてきています。  今、この採点アルバイトに入るときに、身内に受験生はいませんねというのを確認するのはどんなふうにするかということを、報道ベースで聞こえてきているのは、住民票で確認しますぐらいのことしか聞こえてきていません。住民票に載っていない人はどうするのかということは、指摘するまでもないというふうに思いますが。  こうした情報を得ようと思えば、さまざまな工夫、努力、考えてくると思いますが、この点、大臣、いかがでしょうか。
  109. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 大学入試センター採点事業者の間で締結した業務請負契約書において、相手方から知り得た一切の情報を厳に秘密として保持し、第三者に漏えいしてはならないという守秘義務を課しています。  また、仕様書においては、採点会場のセキュリティー要件として、防犯カメラによる出入りの監視、警備員や二重扉などの措置、私物の持込禁止を伴う厳格な入退室管理、大学入試センターによる事前視察、SNSへの書き込みの監視などが定められています。  なお、採点事業者は、採点及び採点監督者に対して事前の研修を行うこととしておりますが、事前研修では正答の条件の考え方やモデル問題を用いた演習等を行うものであり、これらの研修において実際に出題される試験問題が用いられることはないというふうに聞いております。  今、私も報道ベースで知りましたけれども、住民票で確認するというのも一つの手法では行っているようでありまして、今先生から御披露いただいたさまざまなシチュエーションというのは、もしかしたら考えておかなきゃいけないんだと思いますので、この点もセンターと共有させていただきたいと思います。
  110. 城井崇

    城井委員 これまでに、大学入試において過去五十年間で情報漏えいなどの事案があった数を数えましたら、三十一件ありました。大学入試という厳密で、厳格で、大学職員に限ってやってきたものでも、この五十年間で三十一件もあります。一万五千人が集まったときに、さあ何が起こるか。そこまで厳密にやれるか、守秘義務がかかるといっても手が届くかというところは厳しく見るべきだということは申し上げたいと思います。  利益相反の懸念についてお聞かせいただきたいと思います。  十一月二十日の文部科学委員会での、私が質疑指摘した採点請負業者の利益相反について、大臣は厳重注意するとの答弁でございました。抗議ということでもありました。ただ、きょうの初鹿委員質問の中でもありましたけれども、私からもあえて申し上げたいのは、あれは今回の本試験契約に基づくものではなかったから、アドバイザリー業務のときには取引誘引するという件が書いてなかったからということを理由にして、あたかもその部分があるからそうでもないんですよというふうなことをもし大臣が思っていらっしゃるんだったら、違うということを申し上げたいと思っています。  どういうことか。アドバイザリー業務仕様書などの中にも、業務で得た情報目的外使用の禁止はしっかり書いてあるわけであります。その意味では、そもそも、かかわったことをよそで使うというのは全くだめなのであります。そこはもう言うまでもないというふうに思います。その意味では、この目的外使用という一点をとっても重大な契約違反だということを言わざるを得ないというふうに思います。  大臣契約違反であり、そして重大な利益相反行為、自社の利益のために今回の業務情報を使っている、この時点だけでも十分契約違反だというふうに思います。ただ、先ほどの抗議ですとか厳重注意で済ませてしまいますと、結果としてその営業行為を見逃してしまうことになります。  大臣、今回のこの利益相反行為、見逃してしまうんでしょうか。契約違反として契約解除や損害賠償をやるべきだというふうに思いますが、この点、見解をお聞かせください。
  111. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 株式会社ベネッセコーポレーションは、平成二十九年に同社が開催した高校向け研究会における配付資料において、大学入試センター記述式採点業務アドバイザリー業務の受託と記載をしておりました。  このことは、大学入試センターベネッセコーポレーションが締結をした平成二十八年度のアドバイザリー業務に係る契約書において、当該業務を受託する事実を利用した取引誘引することを禁ずる旨の規定がないため、直ちに当時の契約に違反するものではないと考えています。  また、本年九月に、株式会社学力評価研究機構大学入試センター大学入学テストにおける記述式問題採点関連業務に係る契約を締結し、その中にはその事実を利用した取引誘引を禁ずる旨の規定がございますが、そうした禁止事項が行われた事実は把握しておりません。  したがって、契約解除の理由には当たらないと考えておりますが、ベネッセグループ関連企業である学力評価研究機構大学入学共通テストにおける記述式問題の採点関連業務を受託したことに鑑みると、その中立性及び信頼性に対して、結果として社会的に大きな疑念を招きかねないものであることから、昨日、ベネッセコーポレーションに対し、今後このようなことを二度と起こさないように、是正及び一層の留意を求めたところです。  また、そもそもの契約当事者である大学入試センターに対しても、同様の指導を行いました。これを踏まえ、大学入試センターにおいては、学力評価研究機構共通テストにおける記述式問題の採点関連業務を受託したことを利用した宣伝行為についてはベネッセグループ全体で自粛いただくよう、確認書の提出を求めることとしております。  現段階では、こういう対応をさせていただきました。
  112. 城井崇

    城井委員 大臣ベネッセ、今回の採点請負業者を含めたグループには、利益相反がまだまだあります。もう一点、御指摘を申し上げたいと思います。  二〇一九年五月にベネッセが行った高校向けの研究会で、ある資料が配られました。共通テスト早期対策模試、モデル問題とあります。予想とあるのに、何々を目安にするとか何々を設定するなど、出題者のような書きぶりで共通テストの出題方針や基準を説明しています。  実際に、これまでオープンになっている、大学入試センター発表の令和三年度大学入学に係る大学入学共通テスト出題教科・科目の出題方法等など、少なくとも、私が大学入試センターのホームページ内にある出題方針採点方針等を見た限りでは見当たらない、出題方針等に関する情報が掲載をされています。これまで、プレテストの作問、採点から本試験採点請負業務まで一貫してかかわっている事業者だからこそ、このような内部情報を営業活動に利用できているのではないかというふうに考えます。  実は、先月、十月二十四日にも、新入試一期生の進路指導、出願指導を考える会という研究会が高校向けに開催されました。ここでも、二〇一九年度、進研模試二年生二月、大学入試共通テスト早期対策模試、モデル問題が提示をされています。  営利企業としての営業方針は、大臣、変わっておりません。少なくとも、大臣答弁にあった、契約に反する営業行為に当たるというふうに考えます。  今回、文部科学省にも大臣にもあらかじめその内容をお示ししましたが、情報漏えいや利益相反、本試験の作問への関与なども疑われます。こうした露骨な利益相反情報漏えい、重大な契約違反への大臣の見解をお伺いしたいと思います。
  113. 橘慶一郎

    橘委員長 萩生田大臣、時間が参っております。
  114. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 はい。  御指摘ベネッセコーポレーションが、本年、高校向けの研究会において配付した資料における記載内容については、大学入試センターが公表している大学入学共通テストの導入に向けた試行調査平成三十年度実施)の結果報告の記載に沿っているものであり、契約違反等の御指摘は当たらないものと考えています。  御指摘の、大学入学共通テストの予想として、何々を目安とするですとか何々を設定などの記載については、大学入試センターが本年四月四日付で公表している記載をそのまま引用しているものであり、契約違反などの御指摘には当たらないものと考えております。  しかし、いろいろ御指摘いただいて、先ほどもちょっと細かい答弁をしましたけれども、今回の採点事業者ベネッセコーポレーションそのものではありませんけれども、これはグループとしてきちんと受けとめてもらわないと、当然、こういう誤解が更に広がることは非常に困るということを厳しく伝えたところでございますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
  115. 橘慶一郎

    橘委員長 城井君、時間が来ております。
  116. 城井崇

    城井委員 せんだっての文部科学委員会参考人質疑で、ベネッセ学校カンパニー長は、弊社が受注したということ、そして、先ほどの答弁でもございましたが、登録採点者数は約二万人ということを答えたのもその学校カンパニー長であります。経営は一体であります。資本関係が切れているわけでありません。  その点を指摘申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。
  117. 橘慶一郎

    橘委員長 次に、山井和則君。
  118. 山井和則

    山井委員 三十分間、質問をさせていただきたいと思います。  きょうの毎日新聞の朝刊、きょうの配付資料に入れさせていただきました。最後のページ、ごらんください。「記述式「廃止を」高校七割 共通テスト採点に不安 千百二十九校回答」。  萩生田大臣、もうこれは答えは出ているんじゃないんですか。大体、大学入試の改革というのは、政争の具にするものでもありませんし、高校生が反対、そして高校が大反対しているのを押し切るものでもないですよね。なぜなら、これは高校生の人生がかかっているんですから。  萩生田大臣、この大学の入試改革、国語記述式も含めて、今回のこの大学入試改革の主人公は誰ですか。お答えください。
  119. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 将来を担う高校生皆さんです。
  120. 山井和則

    山井委員 そうですよね。  私たちは党派を超えて、とにかく高校生が幸せになってほしい、公平で公正な大学受験を受けて、そして、できるだけ多くの高校生が希望の大学に進んでほしい、それを、私たち党派を超えて願っているわけです。全ては高校生の幸せのためなんです。  にもかかわらず、これは七割の高校採点に不安、今も城井さんから御質問がありましたけれども、もう細かくは言いません、もう言い尽くされていますから。何と高校の七割が採点に不安ということで、廃止してくれと言っているんですよ。再来年の一月スタートですから、あともう一年二カ月、あと一年一カ月です。  きょう傍聴に高校生も来られました。今、萩生田大臣から大学入試の主人公は高校生であるという答弁がありました。  それで、高校の七割が廃止をと言っております。萩生田大臣、これはもう賛否両論じゃないんです。高校生の大多数、私が聞いたある神奈川県の高校生は、二百人に自分が私的なアンケートをとった、高校生、神奈川で。そうしたら、百八十五人が国語数学記述式は反対だったと言っていましたよ。圧倒的多数です。もうこれは答えが出ているんではないかと思います。  それで、最初のページを見ていただけますか。十一月六日に、大学入学共通テスト、その中の記述式の中止も求めて、四万二千人の署名を集めて、高校生文科省で記者会見をされました。四万二千人です。高校生がこういう署名を集めるなんていうことは、私は前代未聞ではないかと思います。  更に加えて、次の三ページ、一枚めくっていただいて、十一月十九日、ほんの三日前ですね、この高校二年生が中心となった大学入学共通テストから学生を守る会が、改めて文科省で記者会見をし、また、審議官の方に緊急声明として記述式の中止を求める、こういう申入れをされました。  きょう、これは事前に、この一ページ目、三ページ目、四ページ目、五ページ目、きのう早い時間にお渡ししましたので、お読みをいただいて、御感想、御意見をお聞かせ願いたいとお願いしておりますので、萩生田大臣、この高校生の声に対する回答をお願いしたいと思います。
  121. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 この書類は、先生からもいただいたんですが、その前に、高校生から省の職員が受け取った後に、その写しを拝見させていただきました。一つ一つ論理立って、高校生たちが何を不安に思っているかということがしっかり書いてあると思っていまして、その不安にしっかり応えていかなきゃいけない、こんな思いでございます。
  122. 山井和則

    山井委員 いや、不安に応えるって、不安ばかりじゃないですか。もうあと一年一カ月で本試験ですよ。大学入試には、二年前ルールというのがあります。大きな改革をする前には、二年前には決めてしまう。もう完全に時間切れじゃないですか。不安を払拭する段階はもう超えていますよ。  これは、きょう私が質問をするということで、ある都内の高校二年生から大臣宛てにということでメールをいただきましたので、これは非常に、先ほどおっしゃったように、萩生田大臣、この大学入試改革の主人公は高校生ですから、三分ぐらいかかりますが、ちょっとぜひお聞きをいただきたいと思います。  萩生田文部科学大臣へ。私は、都内の高校に通う高校二年生で、いわゆる共通テスト元年の世代です。僕たちの思いをぜひ大臣に聞いていただきたく、お手紙を書かせていただきます。  月初めには、英語民間試験の導入延期が発表されました。なぜここまで決断がおくれたのかという思いはありますが、実施を踏みとどまってくださったことは、当事者として素直にうれしい限りです。しかしながら、共通テストの問題は終わっていないどころか、記述式の導入という最大の懸念点は一切解決の兆しがありません。記述式テスト問題点としては、これまでにも多くの受験生や教育関係者から、1採点の質が担保されない、2自己採点が難しい、3むしろ思考力、表現力をはかれない内容になってしまうなどさまざまな点が指摘されており、極めて欠陥が多いことは文部科学省としても御存じだと思います。  これを受けて、大臣を始めとする関係者の方々は、受験生が安心して受けられるようなテスト作成に努める、改善を関係各所に要請していくなどとおっしゃってこられました。しかし、果たしてそれはこの時期に言ってよい言葉なのでしょうか。もう受験は約一年後に迫っています。僕たちはそろそろ受験に集中して勉強し始める時期です。本来なら、準備は既に完璧です、何も問題はありませんという回答が得られるべきではないでしょうか。この時期に改善ができていない時点で、もう時間切れです。少なくとも初年度の実施は不可能です。このような制度は完全廃止にすべきだと考えますが、せめて一度延期してゆっくり改善策を練ってください。このままでは、僕たち受験生は、入試自体への不信感という前代未聞の感情の中、勉強しなくてはいけません。  大臣関係者の方々が、私たち高校生や未来を担う子供のことを考えて、少しでも教育をよくしていこうとお考えなのは重々承知です。だからこそ、ぜひ勇気を持って記述式中止を決断していただきたい。この制度では、受験も教育も改善できません。ただただ失うものが多いだけです。受験生は、一点の差が合否に、そして人生にかかわってくるのだということを考えていただきたいのです。誰のために、何のためにこの記述式制度を導入しようとしているのでしょうか。曖昧で不透明で不公平な入試は、もはやそれは入試ではありません。  長くなりましたが、大臣にお願いです。これまでに指摘されている問題点を解決する明確かつ実現可能なビジョンを、今この場で示していただきたいのです。もし、それができないのであれば、これから改善する、これから検討していくという回答しか出ないのであれば、記述式の導入は今すぐ中止すべきではないでしょうか。もうデッドラインは過ぎています。受験にロスタイムはありません。難しい決断ではあると思います。しかし、全ての受験生のためにも、そしてこの国の未来のためにも、中止のたった二文字をぜひおっしゃっていただきたいと思っています。令和元年十一月吉日、高校生よりということであります。  これは、この一高校生じゃなくて全国の高校生が今不安に思い、願っておられることだと思います。今このお手紙を聞いて、大臣の見解をお聞きしたいと思います。
  123. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 私宛ての手紙が何で山井先生のところに行くのか、ちょっと不審はありますけれども、しかし内容は、高校生皆さんが真剣に今の現状を憂い、また悩み、ある意味では悲鳴に近いものもあるんだと思います。  今まで、この問題は突然出てきたわけじゃなくて、今まで積み上げてきたいろいろな経緯があります。そういう中で、今目の前に迫った、改善点というものを先生方からも御指摘いただいて、私は、この委員会の中でも、別に意地で先延ばしをするとかそんなんじゃなくて真摯に与野党の声を聞いて判断をしたい、こういう思いで議論に参加をずっとさせていただいていますし、答弁も誠意を持ってしているつもりでございます。  その中で、自己採点がきちんとできるのか、あるいは採点の質が保たれるのか、公平な採点がきちんとなされるのか、こういった点につきまして、センターを通じ、これは、前回、英語の場合は、協定という仕組みの中で、民間の企業皆さんの既にでき上がったものを使わせていただくという、言うならば構造の中での約束でしたので、例えば入札行為ですとか契約行為とはちょっと異なる形で進んできました。  これは、相手の方がやれるということを前提に、手を挙げて、応札をされて、そして、契約行為によって結ばれておりますから、その契約の中身についてきちんと一つ一つ確認する必要があると思います。  先ほど、城井先生にもお答えしましたけれども、契約ではこうなっているけれども、だからといってというところも詰めさせていただいて、その実効性をきちんと高めることがしっかりできるのか、その確認はする責任が私にはあるんだろうというふうに思っておりますので、高校生の思いというものはしっかり受けとめさせていただいて、できる努力をしっかり、努めさせていただきたいと思っています。
  124. 山井和則

    山井委員 いや、全然受けとめていないじゃないですか。  高校生の思いは、もう時間切れだと言っているんですよ。せめて延期をしてくれと。一年一カ月後で、もうこれから受験に、本番の試験勉強に入っていくときに、これだけ採点の質が担保できない、採点がばらつく、誰が採点するかわからない、アルバイトの方々、専門家でもない。不安だと言っているわけですよ。  なぜ私に萩生田大臣宛てのメールが来たのかというのは、きょう私が質問するということで、萩生田大臣が直接会ってくださらないから、私のところにこのメールが来たわけですよ。  萩生田大臣、これは難しい話じゃないんです。高校も七割が廃止をと言っているんです。高校生も大多数がやめてくれと言っているんです。萩生田大臣、口では高校生の思いをしっかり受けとめていると言っているけれども、全く受けとめていないですよ。  萩生田大臣高校生に会って、この署名を四万人分も集めた、もちろん見解の相違はあるかもしれませんけれども、冒頭の私の質問に対して大学入試改革の主人公が高校生受験生であるとおっしゃるのであれば、その主人公の方々の話を一度何とか聞いていただけませんか。
  125. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 同様の要望を川内先生からいただいたこともありまして、私なりに高校生皆さんのお話は直接聞いているつもりでございます。  きょうのお手紙の方が、もしアポを入れて何かそういう行き違いがあったとすれば申しわけないんですけれども、私はちょっと現時点では承知をしておりませんが。いずれにしても、どなたかの紹介の人に会えば、どなたかの紹介の人の意見も聞かなきゃいけないと思いますので、そこは広く皆さんの声を聞きながら判断をしたいと思っております。
  126. 山井和則

    山井委員 いや、私は、今までから、肝炎、子供の貧困、派遣労働者の方々、障害者の方々、さまざまな方々の、当事者の声を、党派を超えて大臣に届ける仕事とかをしてきましたが、やはりこれは、別に自民党であれ我が党であれ、みんな、議員を通してお願いしているんですよ。  これは、議員を通さずに、そんな簡単に大臣に会ってもらえるんですか。いや、それだったらいいですよ、私たちは誰も紹介しませんけれども。直接だったら、大臣高校生に会っていただける可能性はあるということでいいですか。
  127. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 適宜判断をしていきたいと思います。
  128. 山井和則

    山井委員 萩生田大臣、本当に記述式のこと、高校生から、しっかりじっくり、不安や意見を聞かれたことはありますか、具体的にお答えください。いつごろ、どんな場所で、何人ぐらいの方々から、記述式のことについて高校生から意見を聞いて、その高校生の方々はどんな意見をおっしゃいましたか。ちょっと、つまびらかに、丁寧にお答えください。
  129. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 大臣就任直後から、この英語試験記述式について、高校生皆さんから懸念の声というものは聞いてきました。  どこで、何人、いつ、どういう形でというのは、ここでつまびらかにお話しできませんけれども、さまざまな人たちの声を聞いてきました。  これから一切聞く耳を持たないということではありませんので、たまたま、こういう委員会の席で、山井先生の知り合いの人に会ってくれと言われて、私が会いますよと言えば、これは、山井先生だけではなくて、やはり川内先生のお断りした人にも会わなきゃならないと思いますから、そういう意味で私は申し上げているので、高校生の話を聞かないということを前提に話をしているわけではありません。  さまざまな環境の中で、適宜判断をしたいと思います。
  130. 山井和則

    山井委員 これは大事なことですよ。申しわけない、ごまかさないでください。  記述式に限って、いつ、何人ぐらいの高校生に、どれぐらいの時間、はっきり言って立ち話とかだめですよ、そんなのは。高校生の人生がかかっているんですから。  お聞きします。  文部科学省高校生の方ときっちり会って話を聞かれたこと、ありますか。
  131. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 文科省省内でお会いしたことはありません。
  132. 山井和則

    山井委員 では、ほかにどういう。これは大事なんですよ。やはり萩生田大臣と私たち、認識にかなりずれがあるんです。  高校生は、本当に困っておられますよ。毎月のように模擬試験を受けて、記述式の模擬試験を受けるけれども、自己採点と全然狂う。どう対策したらいいのかわからない。そして、自己採点できないと二次で足切りになっちゃう、どうしよう。みんな悩んでいるんですよ。  私は、その声を聞いたら萩生田大臣も、一回立ちどまろう、延期、中止しようということになると思います。だから、お聞きしたいんですよ。  文部省内では聞いたことがない。では、どこで、何人の高校生から、何分間ぐらい、記述式の問題についての意見を聞かれて、その高校生は何とおっしゃっていましたか。それぐらいは言ってください。
  133. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 さまざまな機会を通じて、直接、高校生、二年生の方もいらっしゃるし、もう自分は受験対象じゃないけれどもという方も含めてお話を聞く機会がございました。  皆さん総じて、制度上の不安のことをおっしゃっていたのは十分承知をしております。
  134. 山井和則

    山井委員 制度上の不安のことを言っているわけでしょう。  私たち、今、記述式中止法案の審議を求めています。ぜひ、これ、審議やりましょうよ。与党がオーケーと言えば、できるんですから。  そして、これは、私は白黒はっきりした方がいいと思いますよ。もし与党の方々がこの法案、つまり記述式がいいと言うんだったら、責任持って賛成されたらいいんじゃないですか。審議しましょうよ。自信があるんでしょう。やはりそういうことをすべきだと思いますよ。  そういうこともせずに、高校生の多くが、不安で苦しいのでやめてくれというものを強行するというのは、私は問題があると思います。しっかりと、高校生の人生がかかった問題なわけですから、ぜひ、まだ国会もありますから、この委員会で中止法案の審議をしていただきたいと思います。  委員長、お願いいたします。
  135. 橘慶一郎

    橘委員長 後刻、理事会で協議します。
  136. 山井和則

    山井委員 萩生田大臣、さまざまな不安があるとおっしゃいますが、プレテスト、もうないんですよね。実際、自己採点も含めて、高校生に対してプレテストは今後、再度されるんですか。
  137. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 プレテストを高等学校の協力を得て大規模に実施するのは、時間的、物理的に困難であり、まずは、これまで実施した二回のプレテストで認識した課題の解決に注力したいと考えておりますが、現在実施中の大学入学共通テスト準備事業を通じて採点基準の改善を図りますが、それを利用した自己採点の改善効果を実際に何らかの方法確認する必要があると思っております。大学入試センターと協議したいと考えております。
  138. 山井和則

    山井委員 そんないいかげんな話じゃ、全く安心できるはずないじゃないですか。  これは、今さまざまな不安や問題点がある。それが改善できたかどうかというのは、何月になったら確認できるんですか。いつになったら結論が出るんですか。現時点では不安で問題があるというふうに大臣も思っておられるわけでしょう。確認作業はいつ終わるんですか。年内ですか、来年春ですか。いつになったら、今の採点自己採点、あるいは質のばらつき、採点体制、それが万全だという確認作業はいつ終わるんですか。
  139. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 自己採点採点結果の不一致については、大学入試センターにおいて、正答の条件の意味や内容をわかりやすく整理して、今年度内に高等学校へ周知することとしております。  採点の質の確保のための体制や方策については、高校の協力を得て採点過程を検証し、一連のプロセスを改善するための準備事業を今月実施しているところであり、その結果も踏まえ、採点の質の向上に努めてまいります。  採点者を選抜するための学力試験、選抜された採点者への事前研修については、今後、採点事業者センターの協議により時期を決め、その上で、組織的、多層的に採点を行う体制を構築してまいります。  このような取組を始めとして、記述式問題の出題や採点方法についてさまざまな方策を検討し、順次速やかに実行してまいりたいと思っております。
  140. 山井和則

    山井委員 今みたいなことをやったって、改善できたかどうかというのは確認できません。  実際、きょうの配付資料の八ページにもありますように、今までのプレテストでも、正答率が低い、自己採点とのずれが三割、そして採点ミスが〇・三%あって、五十万人規模にすると千人から千五百人の修正が出る計算、これは七ページですね、こういう問題点があるわけですよ。  ということは、萩生田大臣、これはぶっつけ本番でやるんですか、もう次、プレテストをしないということは。高校生は実験台ですか、モルモットですか。余りにもかわいそうじゃないですか。今おっしゃったようなことでは、全く、本当にうまくいくかなんて、高校生も国民も納得できるはずないじゃないですか。  今おっしゃいましたね、プレテストを大規模にやる時間がない。やらないと、大丈夫な試験かどうか確認できないじゃないですか。もう一回プレテストをやりましょうよ。そして、その確認が出るまでは、再来年の一月はもう無理ですよ。大臣、何を言っているんですか。時間がないから、プレテストをやる時間がないと。高校生のこれは人生がかかっているんですよ。  大臣、実験台にしないと就任の会見でもおっしゃいましたよね。高校生の人生が一点にかかっているんですよ。万が一、運悪く不合格になったときに、その高校生は一生、この記述式国語でもしかしてひっかかったんじゃないか、採点ミスがあったんじゃないか、アルバイトで大丈夫だったのかな、そんな思いを持たせるのは、やはりこれはおかしいです。  大臣、やるのなら、プレテストをもう一回やる。プレテストができないんだったら、時間切れで、実験台でぶっつけ本番でやってしまう。高校生の人生、余りにも軽く見ているんじゃないですか。  大臣プレテストをもう一回やるのか、やる時間がないんだったら実施を延期するのか、答弁ください。
  141. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 繰り返しになりますが、現在実施中の大学入学共通テスト準備事業を通じて採点基準の改善を図りますが、それを利用した自己採点の言うならば改善効果を実際に何らかの方法確認しなかったら、意味がないと思います。大学入試センターと協議したいと考えております。
  142. 山井和則

    山井委員 何度も言いますが、何らかの方法でいつか確認するとか、そんなことを国会で議論している時期じゃないんですよ。高校生は、今模擬試験も受けて、大学、準備に入っているんですよ。冒頭おっしゃったじゃないですか、大学入試改革の主人公は高校生だと。高校生にとっては、もうデッドラインは過ぎていると言っているんですよ。  大臣、今おっしゃった、何らかの方法自己採点が改善できたかどうか確認する。じゃ、それは、確認作業はいつ終わるんですか。いつですか。お答えください。
  143. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 今月、この準備事業を行っております。その結果が出て、その採用の方法をしっかり考えて、順次速やかに対応したいと思います。
  144. 山井和則

    山井委員 今月中に結果が出るんですか。でも、それで本当に、採点の、自己採点のぶれがあるかどうか、それと、先ほど城井さんも質疑されていましたから繰り返し言いませんけれども、アルバイトはどんな方なのか、採点者がどんな方なのか、さっぱりわからないじゃないですか。全容がわからないじゃないですか。納得、安心できるはずないでしょう。  採点者体制自己採点のこと、ばらつき、どんな人が採点するか。万全かどうか、最終判断はいつされるんですか。お答えください。
  145. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 大学入試センターにおいては、採点事業者に対し、仕様書において、採点者及び採点監督者に必要な研修プログラムとして、正答の条件等を踏まえた採点作業に関する研修、システム操作に関する研修、内容面、形式面に係る正答の条件等に関する研修、採点の演習等を採点開始日までに完了することや守秘義務に関する事前研修も行うことを求めております。  採点者数の見込みにつきましては、仕様書において、適正な試験等によって質の高い採点者を確保し、期間内に正確な採点を行うことができる人員を必要人数確保すること、なお、必要人数についてはセンターと事前に協議することとしており、現時点文部科学省として具体的な人数を想定しているものではありません。
  146. 山井和則

    山井委員 無責任ですよ。人生を左右する採点を、誰がどこで何人やるか、どういう研修かも、さっぱり、一年前になってもわからない。余りにも無責任。  そして、先ほどベネッセに厳重抗議するとおっしゃいましたけれども、文科省が厳重抗議するような会社関連会社採点するような大学入試、人生を左右する、高校生に受けさせるのは余りにも失礼じゃないですか。高校生の身になってください。  私たちは諦めませんよ。私たちは、はっきり言って、これは不可能だと思っています。無理ですよ。無理だけれども、何で必死になって言っているのかというと、英語みたいに、後になって後になって、土壇場になって延期されると、本当に高校生はまたまた苦しむんですよ。どうせ無理なんですよ、不可能なんですよ。記述式をこういう五十万人規模でやるなんてことは無理、どだい不可能ですよ。でも、これ以上遅くなるとますます高校生が苦しむ。だから今決断してくれと言っているわけです。  どうしても決断されないんだったら、それは、いつ選挙があるかわかりませんが、選挙の争点になりますよ、野党は反対ですから。政権交代してでも、これは中止しますよ。将来、理科とか歴史とかもすると言っているけれども、とんでもないですよ。  でも、こういう大学入試なんというのは選挙の争点とか政争の具にするべきものじゃないんですよ。  萩生田大臣、もうデッドラインです。今この時点、一年一カ月前に、これから検討する、改善すると言っている自体でアウトですよ。時間切れ、アウト。萩生田大臣、何とか、何とか、これは延期でもいいですよ。とにかく、今こんな、何にも中身が決まっていない、そういう状況で、再来年の一月からやるなんて無理ですよ。  年が明けたら予算委員会もありますよ。私たち、徹底的にやり続けますよ。なぜならば、高校生の未来を幸せにするというのは大人の責任じゃないですか。党派を超えた大人の責任。高校生が苦しんでいる、悩んでいる、困っている、叫び声を上げている。なのに知らぬ顔ですか、文部科学省は。萩生田大臣、ぜひとも決断していただきたい。  ほかの聞き方をします。  じゃ、今後、さまざまな改善作業をしていくわけですね。そうしたら、その改善作業の結果によっては、まだ、一〇〇%、記述式を再来年一月からやると確定、決定したわけではないと理解していいですね。いかがですか。
  147. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 山井先生、多分、所属の委員会じゃなくて、きょうおいでいただいて質疑していただいていると思うんです。私、この問題を政争の具にしたことなど一度もありませんし、与野党の先生方の御意見にしっかり耳を傾けて、そして、ある意味では野党の皆さんの厳しい声と同じ思いで、企業皆さんとの契約内容の確認をしています。  ここは今まで積み上げてきた経緯もあります。また、先ほども申し上げたように、契約行為で、やれるという企業の方が総合評価で入札をし、そして、契約を結んだ大学入試センターとの関係もございます。  ですから、当然、今課題になっていること、これはいつまでかかるんだと。入試の直前までかかって大丈夫ですよというのは、これは無責任だと思います。もう、皆さんがある意味では不安に思っていることも十分承知をしておりますので、可及的速やかに課題を改善できる、そういう努力をきちんと確認してみたいと思います。
  148. 山井和則

    山井委員 ちょっと私の質問に答えてください。  今から改善とか、さまざまな取組をされるんですよね。その結果によって、最終的に記述式をやるかやらないか決めるんであって、現時点においては、再来年の一月、一〇〇%記述式をやると確定しているわけではないという理解でいいですね。
  149. 橘慶一郎

    橘委員長 萩生田大臣、時間が終わっております。
  150. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 基本的には実施に向けて努力をさせていただきますけれども、さまざまいただいた課題については、改善に努力をしたいと思います。
  151. 山井和則

    山井委員 ぜひ、即刻、中止をしていただきたいと思います。終わります。
  152. 橘慶一郎

    橘委員長 次に、川内博史君。
  153. 川内博史

    ○川内委員 大臣、よろしくお願いします。  契約確認できないことについて今確認をしているということで、基本的にはやる方向だが、先ほどの、きょうのさまざまな御答弁の中では、さまざまなことを確認した上で判断するためにいろいろやっているんだよという御答弁もありましたので、私どもの問題提起も大臣のお役に少しは立っているのかなというふうに思うところでございますけれども。  先ほど共産党の畑野先生が御紹介いただいた東大の総長の御発言の中で、五十万人の入試で一斉に記述式テストをするという事例は世界にほかにないと。ということは、採点する業者さんも、あくまでも模擬試験として十万人とか二十万人とか採点したことはあると思いますが、五十万人の入試を採点した事業者というのは、民間業者というのは世界に一社もない、現時点において。一社もない状況の中で、入試という、受験生、子供たちにとって本当に大事なイベントの採点にたえ得るのかということを私たち大人が議論していて、大臣も現時点において胸を張れる状況ではないということは、だから一生懸命改善のために入試センターを通じてやられていらっしゃるんであろうというふうに思うのですが、山井先生の議論なんかを聞いていると、これは本当に受験生に対する、ある種の暴力なんじゃないかと思うんですよね、精神的な暴力。  要するに、自己採点できない、自己採点できないということは、どこに出願していいかわからなくなる、そして、採点ミスは不可避的に起こる。今までのマークシートのセンター試験では、三十年間、採点ミスはゼロだ。これは水曜日の質疑で確定しましたけれども、今までの三十年は、マークシートだと採点ミスはゼロだ。しかし、記述式にすると採点ミスは必ず出る。その上に、自己採点できないし、自己採点できないということは出願に大変悩む。そういう不安の中で、さまざまなマスコミを通じた世論調査では、ちょっと記述式、勘弁してくださいよという意見が物すごく起きている。いや、それでもやる、いや、やるんだとなれば、これはある種の精神的暴力じゃないかと私は思ったりもするんですけれども、何でここまで意地を張られるのか、文部科学省として意地を張られるのかがちょっと理解に苦しむんです。  大臣、私、思うんですよ。ベネッセさんとかあるいは学力評価研究機構採点業務を担っているのは学力評価研究機構じゃないですか、でも、ベネッセグループとして学力評価研究機構を子会社にしている、グループである。そんなわかりやすい契約違反なんか、ベネッセみたいな優秀な会社が、リーガルもしっかりした人がついているわけで、わかりやすい契約違反なんかするわけがないんですよ。もうぎりぎりのところで、私たちがこういう議論をすること自体もベネッセさんにとってはラッキーみたいな話で、とにかく対策本は売れますよ。彼らにとっては大変なビジネスになるわけですよね。そもそもビジネスというのはそういうものだということだ。  ベネッセさんに大臣が厳重に抗議した。厳重に抗議した、こうおっしゃっていらっしゃったわけですが、というか、抗議しかできないんですよね。抗議しかできない、抗議するところまでが限界だ。これが、業者に入試の採点を委託することの本質的な問題だと思うんです、大臣、指導できないんですよ、指示できないんですよ、契約違反以外は。しかし、彼らはぎりぎりのところでビジネスするんです。そうすると、勘弁してくださいよ、それ、ちょっとやめてよという抗議とか要請はできても、解除だということは言えないんです、契約だから。そこが僕、限界だと思うんですね。  その上で、ちょっと聞かせていただきたいんですけれども、この仕様書に、採点監督者、きょうも質疑の中で採点監督者という言葉が何回か出たんですけれども、採点監督者という方々の説明に、仕様書の中では、採点監督者というのは採点者以上の能力を有する者というふうに書いてあって、採点者以上ということは、採点監督者採点者と同等の能力を有していればよいということになるわけですが、それでよろしいのかということを教えていただきたいと思います。
  154. 義本博司

    義本参考人 お答えいたします。  委員指摘採点監督者、これは採点者がやった採点の結果を確認を行うということを主な業務にしておりますけれども、仕様書には、御指摘のとおり、採点者以上の能力を有する者というふうに書いているところでございます。  具体的には、採点事業者においては、採点監督者について、採点者の中から、資質や採点の習熟度、経験等を踏まえて任命された者で構成するというふうに承知しているところでございます。  このため、大学入試センターにおきましては、採点者よりも能力が高い者が採点監督者になり、一次採点を行った結果のチェックや指導を行うものと認識しているところでございます。
  155. 川内博史

    ○川内委員 採点監督者とは採点者の中から選ぶということで、ということは、採点者は、先日のベネッセの副社長さんの山崎さんのお話では、アルバイトも当然入りますよということだったわけで、採点監督者もアルバイトを含む人たちである、属性は問わないということでよろしいですね。
  156. 義本博司

    義本参考人 採点監督者につきましては、あくまでも、資質、能力をベースにして、採点者の中から習熟度あるいは経験等を踏まえて任命するというふうに理解しております。
  157. 川内博史

    ○川内委員 ですから、アルバイトを含む、あるいは御家庭の主婦を含む、あるいは短期的なアルバイトを含む、属性は問わないという認識でよろしいかと。その認識について確認をさせてください。
  158. 義本博司

    義本参考人 あくまでも能力をベースにして選ぶということでございますので、雇用形態ということに着目して選ぶものではございません。
  159. 川内博史

    ○川内委員 だから、属性を問わないということを確認しているんだから、そうかそうじゃないかを答えてくださいよ、誠実に。
  160. 義本博司

    義本参考人 属性は問いません。
  161. 川内博史

    ○川内委員 採点監督者もアルバイトを含むということです。  要するに、大臣、アルバイトだからだめとは言っていないですよ。だけれども、そういう人たちの中から採点監督者が選ばれて、その人たちがまた採点を監督するということなんですよ。だから、模擬試験だったらいいですよ、それでも。模擬試験だから、練習だから。世界じゅう、さっきも言いましたけれども、繰り返します、模擬試験を何万人と採点している事業者は世界じゅうにあるでしょう。だけれども、五十万人の入試を、記述式採点した民間事業者は世界じゅうにないんですから。採点ミスは起こるし、自己採点はできないし。これで、私たち、子供たちの人生に責任を持つのが大人の責任だと思うんですけれども、そういう入試で私たち大人が責任を持てるんでしょうかね。  ただ、いや、おまえらのためになるんだからやれよと押しつけて、本当にためになるんだったら、時には、人生というのは、社会というのは理不尽なことの連続だから、理不尽だけど君らのためだからといって、それは押しつけることもあるでしょう、中に。だけれども、この理不尽さは押しつけちゃならぬ理不尽さだと思うんですよ、子供たちの人生にとって。何でここまで一生懸命になるのかなと。  そこで、やはり先ほどの下村文科大臣とか遠藤元文科大臣の教育再生実行本部の議論などがちょっと気になるので聞かせていただきたいんですけれども、昨年四月中旬に東京大学の総長さんが自民党の遠藤利明衆議院議員に面会した件についてお聞かせをいただきたいんですが、前回の高等教育局長答弁では当時の義本高等教育局長も同席をされたということでありますが、この面会は昨年の四月何日で、文科省の同席者は誰と誰だったのかということを教えてください。
  162. 伯井美徳

    伯井政府参考人 お答えいたします。  まず、御指摘の日付につきましては、十一月二十日の衆議院文部科学委員会においては、委員会の当日の通告に、五神総長との電話でのやりとりをもとに四月中旬とお答えしたところですが、翌日の国会質疑の報道を受けまして、東京大学から日付の誤りであったという指摘がございまして、正しくは平成三十年三月十六日とのことでした。おわび申し上げます。  また、当省からの出席者は、当時の高等教育局長、同局の大学入試室長及び初等中等教育局の国際教育課長の三名でございました。
  163. 川内博史

    ○川内委員 この会合に至った経緯、東京大学の方から連絡をして遠藤先生にお会いになられたというふうにおっしゃられたわけですが、文科省あるいは国大協が東京大学に対して、遠藤先生のところに行って説明した方がいいよというような御示唆をされたのか。どういう経緯でこの会合が実現したのかを教えてください。
  164. 伯井美徳

    伯井政府参考人 御指摘の面会の経緯でございますけれども、前高等教育局長、それから国立大学協会及び東京大学理事を通じて確認したところ、文部科学省又は国立大学協会が東京大学に働きかけたのではなく、東京大学としてアポイントをとって訪問したということでございました。
  165. 川内博史

    ○川内委員 そうすると、文科省はどのような経緯で同席をすることになられたのか、教えてください。
  166. 伯井美徳

    伯井政府参考人 その点に関しましても、当時の高等教育局長に確認をさせていただいたところ、遠藤議員事務所から依頼があったため文科省出席したとのことでございました。
  167. 川内博史

    ○川内委員 文科省さんは、同席をされて、その会合がどのような会合であったのかということについてメモがあろうかと思いますが、どのような会合で、遠藤先生はどのような御発言をされたのかということについて教えてください。
  168. 伯井美徳

    伯井政府参考人 まず、東京大学理事を通じて確認したところ、これは東京大学が説明した内容でございますけれども、国立大学協会において検討中であったガイドライン案について、平成三十年三月八日の国立大学協会総会において述べた意見の趣旨について説明したとのことでした。  ちょっと読み上げさせていただきますと、高校から大学にかけて学生の英語四技能を鍛えることが重要で、高大接続改革の本来の趣旨に立ち戻るべき、英語認定試験を入試での選抜に使うのであれば、社会からの公正、公平性の期待に応えられるか丁寧に検証すべき、東京大学では、在学中に学生の力をしっかり伸ばせるように支援を強化していくといった趣旨の説明を総長が行ったということでございます。
  169. 川内博史

    ○川内委員 それに対して、遠藤議員はどのような御発言をされたんですか。
  170. 伯井美徳

    伯井政府参考人 これも東京大学理事を通じて確認したところでございますが、入学者選抜において、英語民間試験東京大学として活用するよう要請を受けたわけではないということでございました。  また、当時の高等教育局長にも確認したところ、同様の回答でございました。
  171. 川内博史

    ○川内委員 そういう経緯があって、四月十三日の教育再生実行本部の会合があると。  マスコミの報道によれば、下村先生も個別に東大の総長さんをお呼びになられて、叱責をしたとか強い口調で何かを言ったとかいう報道があるんですけれども、その辺については文科省は御確認されていらっしゃいますか。
  172. 伯井美徳

    伯井政府参考人 その点に関しては、現時点では確認ができておりません。
  173. 川内博史

    ○川内委員 現時点ではという言葉がついたところがめちゃめちゃ怪しいわけですけれども、その辺についても経緯をちょっと詳しくお調べをいただいて、本委員会に御報告をいただくよう、委員長、お取り計らいをお願いします。
  174. 橘慶一郎

    橘委員長 後刻、理事会で協議します。そのように今おっしゃったということで。
  175. 川内博史

    ○川内委員 それでは、引き続いて、大臣の判断の参考にしていただくために、事務方から教えていただきたいんですけれども、現時点でこの記述式を中止するとすれば、事業者側への支払いというのはどのくらいの金額が生じるのかということを教えてください。
  176. 伯井美徳

    伯井政府参考人 今お尋ねの内容につきましては、仮定の話であるため、お答えすることは非常に困難ではございますが、一般論としては、大学入試センターと民間事業者間で協議することになるものと承知しております。  なお、大学入学共通テストにおける記述式問題採点を実施するための経費としては、先ほども答弁いたしましたが、毎年度約十五億円を見込んでいる旨が契約書に記載されております。
  177. 川内博史

    ○川内委員 大学入試センターと事業者とは、学力評価研究機構とは、契約を結んでいるわけですよね、契約契約解除の条文も条項もあるわけで、一体今の答弁は何なんですか。国民を欺くにもほどがある。あたかも六十二億を払わなければいけないかのごとくに答弁をし、引き返すことはできないのだ的答弁をされる。それがお役所の言うことですか。  契約しているわけですから、契約を現時点において解除するとすれば支払いはどうなるのかというのは契約に書かれていて当然じゃないですか。そのことを私は聞いているだけですよ。入試センター、答えてください。
  178. 義本博司

    義本参考人 当入試センター学力評価研究機構で結んでおります採点業務請負契約書におきましては、国及び大学入試センターの事情によりまして記述式問題の導入が廃止となった場合において、センターから同学力評価研究機構に対して賠償を行うことについての規定は特段定めておりませんので、先ほど高等局長から答弁がありましたように、個別に協議をさせていただくということになろうかと思います。
  179. 川内博史

    ○川内委員 いや、ちゃんと契約書に書いてあるじゃないですか。令和元年度は一億八百万払いますと書いてあるじゃないですか。現時点において契約を解除すれば一億八百万で済むということでしょう。違うんですか。いや、もちろん、向こうから損害賠償を請求されたら、それは別個の問題ですよ。国として、現時点において契約を解除して支払わなければならない金額は、令和元年度に支払いますという約束をしている一億八百万ですねということを確認しているんです。
  180. 義本博司

    義本参考人 お答えいたします。  委員指摘業務請負契約につきましては、令和元年、これは採点準備事業を行うということで一億、今御指摘があった金額について契約し、令和二年から令和五年度までの四年間については、毎年約十五億の採点の事業を行うというふうな契約になっているところでございます。  ただ、具体に、個別具体の、どういう形でするかについては協議させていただくということについては、先ほどお答えしたとおりでございます。
  181. 川内博史

    ○川内委員 聞いたことになぜ答えていただけないのかよくわからないんですけれども、現時点において契約を解除するとすれば、令和元年度の支払い金額は一億八百万ですね、それが契約ですねということを私は聞いているんですよ。じゃ、違うんですか。
  182. 義本博司

    義本参考人 契約内容につきましては、準備事業とそれから次年度のテストの準備の業務としまして一億八百九十六万三千四百七十円という形で代金をしておりますけれども、これはあくまでも対価でございますので、中止においてどのような形でお支払いすることになるかどうかにつきましては、これは協議で行うというものでございます。
  183. 川内博史

    ○川内委員 今非常に重要な答弁をされましたね。現時点において、ここまで、大臣、いいですか、ここまで進んでいる業務の量だけ払います、令和元年度においても一億八百万全額じゃないんだということを今お答えになられたわけです。今はまだ引き返せるんですよ、大臣。  共通テストはこういうふうに税金が入るわけですね。さっき維新の森先生が、税金が入ることをお聞きになられました。これは税金を入れるんですよ、共通テストからは。しかし、センター試験のときは税金は入っていませんよね。税金ゼロで、受験生の受験料だけでやっていましたということでよろしいですね。
  184. 伯井美徳

    伯井政府参考人 現行の大学入試センター試験は、御指摘のように、受験生からの検定料収入等の自己収入をもとに実施しておりますが、記述式問題を含めた大学入学共通テストの実施では、これまでのセンター試験では要しなかった新たな経費が発生するということが見込まれるものでございます。
  185. 川内博史

    ○川内委員 今、センター試験は税金使っていませんでしたというのを言った。
  186. 伯井美徳

    伯井政府参考人 自己収入をもとに実施しておりましたので、ある意味自己収入でやっていたと。ただ、記述式問題については、採点業務の委託業務など、委託業務に毎年約十五億円ということでございますので、これは来年度概算要求でも要求しているところでございます。
  187. 川内博史

    ○川内委員 本当に役所って何かこう、ちゃんと国民の皆さんに答えないですよね。  自己収入でやっていたということは税金使っていないということなんだから、税金は使っていませんねということに対しては、はい、そうですって言えばいいのに。  言いたくないんですか。もう死んでも言いたくないもの、それはと、そういうことですか。
  188. 伯井美徳

    伯井政府参考人 基本的には、試験自体は税金を投入しているものではなく、今回新たに記述式を導入する場合は新たな経費が発生するので、そこには概算要求しているというものでございます。
  189. 川内博史

    ○川内委員 クリアな御答弁をいただいて、まことにありがとうございます。心から感謝申し上げます。  来年度予算の概算要求では、大学入学共通テスト等の実施事業として、今まではゼロだったのに、新たに五十億五千万の予算を概算要求しているわけですよね、大臣。  従来のセンター試験では、採点ミスゼロ、税金投入もゼロ、自己採点との一致率も非常に高い、自己採点しやすいわけですね。一方、これから導入される共通テスト記述式は、採点ミスやばらつきが非常に多い、アルバイトがやる、採点監督者もアルバイトの方も含まれるかもしれない、新たに五十億五千万という多額の税金が投入される、自己採点との不一致率も約三割と非常に高い。こんなデメリットだらけの記述式にこだわっている必要は、私はないと思います。これは受験生に対して物すごい失礼だと。今だったら、先ほど聞いていただいたように、中止のコストも一億円程度以下で済むかもしれない。  それで、文部科学省の中では、漏れ聞くところによると、いや、英語民間検定試験も延期して、この記述式まで中止をしたら、大臣がもたない、やめなきゃいけなくなるというようなことを文科省の人たちが言っているとか言っていないとかいううわさを聞きます。そんなこと絶対ないですからね。大臣は、受験生のために決断したわけですから。  これ、与野党問わないですよ。関係ないです。だって、大臣しか判断する人いないんですから、このことを。全然、そんなこと考える必要全くないですからね、大臣文科省の中で、藤原さんが何を言っているか知らないけれども、何を言われても我々が守りますよ、何だったら。全然守りますから。受験生のためなんですから。  大臣は、いろいろ今努力されていると思いますけれども、それがかなわないという判断をした場合は、新たな判断、新たな判断ってどこかで聞いたような言葉ですけれども、新たな判断もあり得るということぐらいは、きょうお聞かせをいただきたいというふうに思います。
  190. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 まず、自分の保身のことは何も考えていません。引継ぎをしたこういった事業が、今までの積み上げの中である意味課題があるとすれば、それが解決できるのか否か、そのための努力を今している最中でございます。
  191. 川内博史

    ○川内委員 解決する努力をしていると。その努力が、これはちょっとまずいね、やはりなかなか無理だねという判断に立ち至る場合には、新たな判断をする可能性がある、要するに、予断を持っていない、何が何でもやるんだということではないよということだけ教えていただきたいと思います。
  192. 萩生田光一

    萩生田国務大臣 具体的に公平公正な試験として実施できるかどうか、このことはきちんと突き詰めていかなきゃいけないと思っています。そのことが担保されなければ、皆さんからの評価はいただけないと思っています。
  193. 川内博史

    ○川内委員 終わります。また来週お願いします。
  194. 橘慶一郎

    橘委員長 次回は、来る二十七日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時五分散会