○緑川
委員 十二年前ですからね。技術もやはりこれは進んでいますし、今お話しのように、さまざまな手間がかかる、例えば色選機のコスト又は除去の手間暇、そういうものが、この十二年の間でも、あるいは二〇〇七年に御
答弁をいただいた時点でも、やはり変わってきているところがあります。つまり、金額が変わってきている。
農水省が当時、かかる根拠として引用した金額は、一等米、二等米のコスト差、これは資料4をごらんいただきたいんですが、
農水省が政府
答弁のときに引用した資料、試算であります。
四百八十六円というふうに、一等米と二等米のコスト差は
説明をされているんですね。着色粒を除去する際にはお金がかかる。だから、着色粒が多目に入っている二等米は、一等米よりも安く販売していく、そういう流れの中でコスト差が肯定されていたわけですが、今申し上げたように、コスト差のこの差額が適切なのかどうかというのが、やはり問題であります。時代が進んでいます。
着色粒の混入限度で
農水省が計算したのは、一等米の上限値である〇%と二等米の下限値の〇・三%の差で計算していて、それが四百八十六円なんですけれども、下限値は下限値同士で計算しなければ、これはおかしいですね。ですから、正しいのは、赤枠で示しているこの一等米の下限値の〇・一%と二等米の下限値の〇・三%の差で計算した結果の丸で囲っているところ、三百五十六円が、その論理でいうと、まずは普通の計算ということになります。
三百五十六円という金額も、実はこの数字も、適切ではないんですね。
資料の左側の欄にある搗精賃というのがありますが、玄米を白米にする搗精の手間が違うことから
発生する経費、つまりは、着色粒の除去とは直接
関係のない固定経費が含まれているんですね。減価償却費とか土地代とか固定資産税とか金利などが含まれているのがこの搗精賃。どの等級でもかかる固定経費と、その固定経費の数字を基礎にして、搗精の作業
効率が落ちるからというので、着色粒が〇・一%ふえるごとに一一・一%を掛けて、それを足し合わせる計算でコスト差を大きく見せているのが、この計算式なんですね。
搗精の時間についても、選別機のメーカーのサタケの広報担当が、色選機の年代や機種によっても違うけれども、〇・三%から〇・五%までなら能率を落とさずに処理できると十年も前から
説明をしています。今なら更に性能が、色選機は上がっていますね。
ですから、この搗精賃もおかしいですし、その隣にある歩留りロス。
色選機にかけたときに、着色粒だけではなくて、一定程度、普通の米粒、整粒も同時に除去してしまうというのが歩留りロスなんですが、この数字も、この二〇〇七年に
説明した
段階では高目です。今の色選機の多くはデジタル画像処理が採用されている。米一粒ごとにエアーで噴射ができる。つまり、正確に着色粒を、的を絞って噴射することができる。歩留りロスは、今はおよそ一〇%にまで抑えられます。
資料の4にあるような、上の中ポツのところに、着色粒一粒を除去するのに整粒〇・八粒を余分に除去というふうにありますが、この整粒が〇・八ではなくて、今は〇・一というレベルにまで技術が進歩しているんですよ。ですから、歩留りロスというこの欄の〇・一八も正確ではなくて、現在は〇・一一にまでなっている。
以上を踏まえると、この試算をもとに計算すれば、着色粒の除去コストは三百五十六円でも適切ではなくて、百三十円ほどになります、今の計算でいけば。先ほどの三百五十六円よりも相当に低い金額。二〇〇七年の政府
答弁も、実態と余りにかけ離れたコストであって、机上計算で導かれたこのコスト差は、やはり適切ではないですね。
この
農水省の当時の試算がやはりおかしいというふうに、十年も前から、国民から声が上がっています。
説明を求める市民と二〇〇九年に面談で
対応したのが、当時食糧部長を務めていた奥原氏です。資料5、二〇〇九年の六月二十二日付の
日本消費経済新聞に写真入りで掲載されていますが、資料の六枚目は面談の概要であります。
ことしの五月にも、実は私、
質疑をしましたが、事実
関係をそのときに
確認をしていますが、奥原氏は既に退官されていると。
農水省は
確認に時間がかかったということなんですが、ようやくきのうまでに紙で回答をいただくことができました。当時の面談者からいただいた音声データも奥原氏御本人に
確認をいただいて、お答えをいただいたんですが、十年前のことなので正確にはわからないが、やりとりはあったと思うという回答でした。余り覚えていらっしゃらなかったようなので、音声データを渡していますが、
文字起こしも、私、資料につけております。これが資料の7ですが、ちょっとごらんいただきたいんです。
時間もなくなってきましたので、かいつまんでいきますと、今野さんという市民の男性が、一等米と二等米で五百円のコスト差があるのであれば、米屋で精米を頼むときに、二等米であれば精米の割増し料金がかかるはずなのに、等級で精米料金が違うということはないんだ、だから、コストが五百円もかかるということはあり得ないという話をしています。それを受けて、奥原部長が、それでは調べてみましょうと、関心を持たれていますね。
また、資料中段のところで女性の話があります。女性の話を受けて、奥原氏が、コストが相当違えばね、一等二等で変わらなきゃ意味ないですよねと。これ、うなずいているじゃないですか。コストが変わらないことについて、ちょっと勉強しましょう、うんうんと、うなずいています。
後半では、コストの具体的なデータを集める
調査をこの二カ月ぐらいの間に行う、調べるのはちゃんとやりましょうと。ちゃんとやりましょうと書いてあるんですよ。そう言っているんですね。
ですから、
調査は、記事にあるように約束はされています。でも結局、
調査が行われなかった。
調べるとはっきりしゃべっている当時のこの音声を聞いた奥原氏、何とおっしゃっていたんでしょうか。