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2019-10-30 第200回国会 衆議院 国土交通委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和元年十月三十日(水曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 土井  亨君    理事 小里 泰弘君 理事 金子 恭之君    理事 工藤 彰三君 理事 根本 幸典君    理事 三ッ矢憲生君 理事 小宮山泰子君    理事 福田 昭夫君 理事 岡本 三成君       秋本 真利君    大塚 高司君       大西 英男君    鬼木  誠君       門  博文君    神谷  昇君       小林 茂樹君    古賀  篤君       佐々木 紀君    杉田 水脈君       田所 嘉徳君    田中 英之君       谷川 とむ君    土屋 品子君       中村 裕之君    長坂 康正君       鳩山 二郎君    藤丸  敏君       堀井  学君    三谷 英弘君       宮内 秀樹君    宮路 拓馬君       簗  和生君    山本  拓君       浅野  哲君    荒井  聰君       伊藤 俊輔君    西岡 秀子君       広田  一君    古川 元久君       馬淵 澄夫君    道下 大樹君       矢上 雅義君    谷田川 元君       伊藤  渉君    北側 一雄君       高橋千鶴子君    井上 英孝君     …………………………………    国土交通大臣       赤羽 一嘉君    内閣府副大臣       平  将明君    国土交通大臣      青木 一彦君    国土交通大臣      御法川信英君    国土交通大臣政務官    門  博文君    国土交通大臣政務官    佐々木 紀君    国土交通大臣政務官    和田 政宗君    政府参考人    (内閣大臣官房審議官) 黒田 岳士君    政府参考人    (内閣大臣官房審議官) 小平  卓君    政府参考人    (内閣府政策統括官)   青柳 一郎君    政府参考人    (消費者庁審議官)    高島 竜祐君    政府参考人    (経済産業省大臣官房審議官)           河西 康之君    政府参考人    (国土交通省大臣官房公共交通物流政策審議官)  瓦林 康人君    政府参考人    (国土交通省総合政策局長)            蒲生 篤実君    政府参考人    (国土交通省土地建設産業局長)         青木 由行君    政府参考人    (国土交通省水管理国土保全局長)        五道 仁実君    政府参考人    (国土交通省道路局長)  池田 豊人君    政府参考人    (国土交通省住宅局長)  眞鍋  純君    政府参考人    (国土交通省鉄道局長)  水嶋  智君    政府参考人    (国土交通省自動車局長) 一見 勝之君    政府参考人    (国土交通省航空局長)  和田 浩一君    政府参考人    (観光庁長官)      田端  浩君    国土交通委員会専門員   宮岡 宏信君     ――――――――――――― 委員の異動 十月三十日  辞任         補欠選任   鳩山 二郎君     宮路 拓馬君   三谷 英弘君     杉田 水脈君   望月 義夫君     藤丸  敏君   谷田川 元君     浅野  哲君 同日  辞任         補欠選任   杉田 水脈君     三谷 英弘君   藤丸  敏君     望月 義夫君   宮路 拓馬君     鳩山 二郎君   浅野  哲君     谷田川 元君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  国土交通行政基本施策に関する件      ――――◇―――――
  2. 土井亨

    土井委員長 これより会議を開きます。  国土交通行政基本施策に関する件につきまして調査を進めます。  この際、お諮りをいたします。  本件調査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房公共交通物流政策審議官瓦林康人君、総合政策局長蒲生篤実君、土地建設産業局長青木由行君、水管理国土保全局長道仁実君、道路局長池田豊人君住宅局長眞鍋純君、鉄道局長水嶋智君、自動車局長一見勝之君、航空局長和田浩一君、観光庁長官田端浩君、内閣大臣官房審議官黒田岳士君、大臣官房審議官小平卓君、政策統括官青柳一郎君、消費者庁審議官高島竜祐君及び経済産業省大臣官房審議官河西康之君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 土井亨

    土井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. 土井亨

    土井委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。小里泰弘君。
  5. 小里泰弘

    小里委員 自由民主党の小里泰弘でございます。  質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。  まずは、本年夏から秋にかけて災害が相次ぎました。亡くなられた多くの方々にまずお悔やみを申し上げ、そして、被災された皆様にお見舞いを改めて申し上げたいと思います。  今次台風十九号災害におきまして、災害救助法の適用となる被災自治体数は、東日本大震災時の二百三十七自治体に対して、今次災害では三百九十一自治体堤防決壊数浸水面積土砂災害発生件数ともにここ十カ年で最大となりまして、幹線道路被害東日本大震災と同程度となっております。さらに、都市公園下水道鉄道など、被害は広範囲かつ甚大に及んでおります。  大災害時にまず必要となるのは、人的応援体制であります。避難所への対応から復旧事業に至るまで、各分野、各段階に応じて万全の応援体制が求められます。特に復旧事業につきましては、応急復旧から本格復旧まで、相当の建設作業員コンサルが必要となりますが、どのように要員確保していくのか、まずお伺いをいたします。
  6. 青木由行

    青木政府参考人 お答え申し上げます。  台風十九号からの復旧当たりましては、御指摘ございましたように、応急復旧から本格復旧に至るまで、各段階におきまして、工事それから調査設計などに必要な人員、これを確保することが大変重要な課題だというふうに認識してございます。  このため、国土交通省におきましては、台風十九号による災害発生直後から、必要な人員確保して迅速な応急復旧を図りますために、応急復旧を優先するために、既に契約をしております工事あるいは調査設計などの業務の一時中止、これを的確に行うということ、それから、必要な人員を円滑に確保していただくために、前金払い、これを適切に実施していただくということ、さらには、遠隔地から要員確保いたしますとその分コストがかかりますので、設計変更によりまして請負代金額変更をする、こういったことを通じて適切に支払いをしていくこと、こういった措置を講じますように、地方整備局それから地方公共団体に対しまして通知を発出したところでございます。  また、この旨を、地方公共団体に派遣をしてございますリエゾンなどを通じまして、各首長さんへの周知でありますとか、あるいは他省庁建設関係団体にも周知を行ってきているところでございます。  さらに、今後の本格復旧段階を見据えまして、円滑な事業執行を図りますために、被災地以外の通常工事あるいは調査設計なども含めまして、技術者の計画的な配置を行いますために、受注者が柔軟に工事着手ができます余裕期間制度、これを原則活用していくということ、それから、総合評価落札方式における技術者実績要件の緩和を行うこと、さらには、地域実情を踏まえて適切な規模の発注を行うこと、こういった対策を講じますように、関係者通知の発出、周知を行ったところでございます。  引き続き、災害復旧進捗状況それから地域実情、こういったことを把握をいたしまして、適切な対策を講じまして、円滑な事業執行を図ってまいりたいと存じます。  以上でございます。
  7. 小里泰弘

    小里委員 人を出す側も本来人手不足でありますから、よっぽど工夫をして徹底をしていかないといけないと思います。よろしくお願いしたいと思います。  復旧事業、なるべく無駄のないように、効率的に行う必要があります。従来、災害時に言われることでありますが、原形復旧にとどまることなく、より強固に、より安全な構造にしてほしいといういわゆる改良復旧を望む声、切なるものがあります。壊れたところを直し、また壊れたところを直しと繰り返すよりも、抜本的に直す方が、長い目で見れば、財政的にも効率的であります。極力改良復旧でいくべきと考えますが、いかがでしょうか。
  8. 五道仁実

    ○五道政府参考人 お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、被災地をより災害に強く安心できる地域にしていくためには、原形復旧のみならず、例えば河川においては、堤防かさ上げや川幅を広げるなどの機能を強化する改良復旧事業を行うことは極めて重要であると認識しております。  国土交通省といたしましては、復旧計画の立案に当たり原形復旧よりも抜本的な対策が必要な場合には、改修管理状況等を十分に踏まえつつ、改良復旧が適切かつ積極的に活用されるよう、地方自治体等技術的に支援してまいります。
  9. 小里泰弘

    小里委員 いつの災害でも言われることでありますけれども、ぜひ、再度、災害防止財政効率性観点からも、しっかり、思い切って進めていただきたいと思います。  今次災害におきましては、被害が甚大であった一方で、インフラ整備による防災減災効果が顕著にあらわれました。  狩野川流域では、昭和三十三年に大災害をもたらしたあの狩野川台風を上回る大雨に見舞われましたが、その後整備された狩野川放水路が、今回、地域氾濫から守ったのであります。およそ一万六千戸の家屋や、鉄道、国道の交通網などが浸水を免れまして、放水路事業費、現在価値にして約三百億円に対して、被害防止効果は約七千四百億円と推定をされます。  利根川では最高水位観測をされましたが、渡良瀬遊水地など四つの調節池が過去最大となる東京ドーム二百杯分の洪水を貯留して、首都圏洪水被害防止に貢献をしました。  さらには、荒川第一調節池、新河岸川の朝霞調節池、八ツ場ダムなど、貯水による被害防止効果が随所に見られたのであります。  天竜川流域では、昭和三十六年に戦後最大災害をもたらした雨を超える雨量観測をされましたが、その後の着実な砂防堰堤整備によりまして、今回は、土砂洪水氾濫が完全に防止されて、流域の約八百七十億円の資産が守られたと推定をされるところであります。  このようなインフラ整備効果というものをしっかりと説明をして横展開を図っていくべきと考えますが、国交省方針をお伺いします。
  10. 五道仁実

    ○五道政府参考人 お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、今回の台風第十九号を始め近年の豪雨台風災害では、インフラ整備され、かつ維持管理されてきた箇所での被害は小さく、インフラが未整備又は整備途上箇所被害が大きかった事例が多数確認されています。  例えば、鹿児島甲突川では、平成五年出水で約一万二千戸の家屋浸水が生じましたが、出水後の集中的な河川改修を行った結果、当時の雨量を上回ったことしの六月出水でも家屋浸水は生じず、洪水を安全に流すことができました。  インフラ整備効果については、順次、記者発表を行うとともに、整備効果をまとめたホームページに掲載するなど、積極的にお示ししているところでございます。  国土交通省といたしましては、今後、更に地元首長やマスコミと連携した事業広報を積極的に行い、住民皆様の御理解を得て、事前防災対策を着実に進めてまいりたいと考えております。
  11. 小里泰弘

    小里委員 この防止効果という意味でいきますと、私の地元の川内川も、おかげさま、大分おさまってまいりました。災害を防止するだけでなくて、整備された河川をより地域振興に役立てていこうということで、かわまちづくりが進んでおりまして、観光振興等大いに進めていこうということであります。まさに、九州一の暴れ川が穏やかな恵みの川へと変貌を遂げつつあるわけであります。こういった効果をぜひ全国的に広げていきたいと切に思うところであります。  既往災害に学ぶことも多いところがありますが、例えば高速道路。従来、いざ災害時の緊急避難道路物資輸送道路としての役割も担ってまいりました。東日本大震災では、高速道路サービスエリアパーキングエリアが自衛隊や消防隊等中継基地として使われました。  道の駅が避難所として位置づけられまして、災害時に多くの住民を収容して、高度な防災機能を発揮した事例もあります。  また、本年六月の大雨災害時におきまして、私の地元九州縦貫自動車道土砂流入によりまして上下線とも閉塞状態となりましたけれども、四車線区間であったために、そのうちの二車線対面通行とすることで交通機能早期確保ができました。  複数のルートの存在が広域交通機能確保につながったり、あるいは道路のり面事前防災対策により豪雨災害による被害を防止し道路確保された、円滑な救急救命活動に貢献した、そういった事例も多くあるわけであります。  道路におきましても、このような整備効果をしっかりと訴えて、防災減災対策を思い切って進めていくべきと考えますが、考え方をお伺いします。
  12. 池田豊人

    池田政府参考人 ただいま委員指摘のとおり、高速道路を始めとする幹線道路は、災害時におきまして緊急輸送道路として重要であります。また、迅速な避難活動を担う重要なインフラとして考えております。  一例といたしまして、北海道胆振東部地震発災時には、道の駅むかわ四季の館が避難所として活用をされました。道の駅は、休憩施設を持っているほかに、非常電源通信施設なども備えておりまして、避難所としても適した施設であると考えております。  このように、災害時に道路施設避難などの機能を発揮できるよう、日ごろから全国的に準備をしていくことが重要であると考えております。具体的には、防災減災国土強靱化のための三カ年緊急対策の中に非常電源整備を盛り込むなど、道の駅の防災機能の強化に取り組んでおります。  今後とも、高速道路がより防災機能を発揮するために、御指摘のありました四車線化ダブルネットワーク化及びのり面対策などを進めてまいりたいと思います。  また、先ほど申しました道の駅を始めといたしまして、SA、PAなどが防災拠点として機能を発揮するように取組を進めてまいりたいと考えております。
  13. 小里泰弘

    小里委員 災害時に道路が寸断をされまして地域孤立化をした、そういった事例も多く見られます。まさに命の道でありますから、そういった観点からもしっかり整備を進めていただきたいと思います。  老朽化対策であります。  高度経済成長期整備された社会資本が、五十年以上経過しまして、老朽化が加速度的に進んでおります。そういった中で、損傷が軽微な早期段階でこれを手当てすることで将来の維持管理更新費縮減を図る、いわゆる事後保全から予防保全への転換が求められるところであります。国交省方針をお伺いいたします。
  14. 蒲生篤実

    蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  高度経済成長期以降に整備したインフラ老朽化が進む中、その機能が十分に発揮されるよう、計画的な維持管理更新を行うことが重要でございます。  そこで、昨年、国土交通省が所管するインフラを対象に今後三十年後までの維持管理更新費の推計を行ったところ、事後保全の場合、一年当たり費用は三十年後には二〇一八年の約二・四倍となりました。一方で、予防保全の場合、一年当たり費用は三十年後には事後保全の場合と比較いたしまして約五割減少し、二〇一八年度の約一・三倍に抑えられる見込みとなりました。  国土交通省といたしましては、インフラ長寿命化を図るための計画的な維持管理更新や、予防保全取組と新技術開発導入等によるトータルコスト縮減平準化を図ってまいります。  あわせまして、地方自治体事業ごとに確実かつ集中的に予算を充てることができる個別補助制度なども活用しまして、できる限り効率的なインフラ維持管理更新に取り組んでまいります。  インフラ老朽化対策は喫緊の課題でございます。引き続き、全力で取り組んでまいります。  以上でございます。
  15. 小里泰弘

    小里委員 特に財政効率化観点からも、極めて重要な進め方であります。ぜひ集中的に、計画的に進めていただきたいと思います。  インフラ整備率でありますが、河川整備計画目標に対する国管理河川整備率は約七三%、土砂災害対策実施率は約四〇%。それぞれ年間一%も伸びておりません。インフラ整備を上回るスピードで気候変動影響顕在化をしているところであります。  前述をしましたように、災害時にも重要な役割を果たす高速道路延長割合を見ますと、全ての道路延長に対して約〇・七%と極めて低い状況であります。海外高速道路は四車線以上が基本でありますが、日本高速道路は三車線以下が三八%であります。  海外主要都市で無電柱化概成をしている中で、日本の無電柱化率は東京二十三区でも八%と大きく立ちおくれております。下水道による都市浸水対策達成率も約五九%。公園整備水準も、海外主要都市と比較しますと極めて低水準であります。  頻発する災害に備えるべきインフラ整備状況、このような状況をいかに受けとめて対策を講じていくのか、副大臣にお伺いします。
  16. 御法川信英

    御法川大臣 お答え申し上げます。  社会資本の最も重要な役割は、やはり自然災害から国民の安全と安心を守ることであり、社会資本整備水準現状のままではこの役割を十分に担うことはできないと考えております。  今、小里委員からも御指摘ございましたけれども、例えば、堤防などの整備率現状のままでは国民生命財産を守るということはできないというふうに考えますし、四車線化を含め高速道路整備が不十分なままでは、人命救助被災地への支援物資輸送などといった災害時の交通機能が十分確保できないということになると思います。  今般の台風十九号等被災状況を踏まえて、防災減災に資するインフラ整備の必要は強く意識をしているところでございます。そのため、安全、安心確保が確実となるような、必要な社会資本整備に対して、重点的かつ計画的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  17. 小里泰弘

    小里委員 ぜひとも危機感を持って取り組んでいただきたいと思います。  世界のマグニチュード六以上の地震、その約二割が日本周辺発生をしております。極めて脆弱な国土であることを認識をしなければなりません。  加えて、有識者会議提言によりますと、将来の気温上昇を二度以内に抑制した場合でも、全国平均降雨量が一・一倍、河川の流量が一・二倍、洪水発生頻度が二倍になると示されております。気候変動影響による水害や土砂災害頻発激甚化など、これまでの想定を超えて発生するさまざまな災害に改めて向き合う必要があると思います。  ここまで論じてきましたように、災害時に見るインフラ整備効果は極めて大きなものがありますが、設備投資額の何倍、何十倍もの被害防止効果を発現をしております。  一方で、災害に備えたインフラ整備進捗率は、海外に比べても大きくおくれをとっております。  また、加速度的に社会インフラ老朽化が進む中で、予防保全を中心にして、持続的、効率的なインフラメンテナンスを図っていく必要があります。  防災減災国土強靱化のための三カ年緊急対策が進んでおりますけれども、原則として三年でそれぞれの事業を完了しなければならない、このために、実施できるメニューが極めて限られておりまして、内容的にも限界があると言わざるを得ない状況であります。  災害への備えは、まさに国が責任を持つべき安全保障であります。近年の災害教訓も踏まえながら、国民の安全、安心確保のための将来へのビジョンを掲げて、分野ごと達成目標と道筋を明確に示して、中長期的、計画的にさらなる防災減災国土強靱化対策を進めていくべきと考えますが、大臣見解をお伺いいたします。
  18. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 まず、答弁に際しまして、この一連の台風災害でお亡くなりになられました皆様方に心から御冥福をお祈り申し上げたいと思います。また、被災に遭われました全ての被災者皆様に心からお見舞いを申し上げる次第でございます。  私も、先月の十一日の就任直後から、このたびの台風十五号、十七号、十九号の被災地と、また近年の激甚災害被災地を、今ちょっと数えておりますと延べ十七道府県、被災地へ足を運ばせていただいたところでございますが、今委員指摘のように、やはり近年の気候変動による自然災害激甚化頻発化、そしてそれに伴う被害規模甚大化といったものを痛感をしているところでございます。  今ありましたように、防災減災国土強靱化のための緊急三カ年というのは、近年の激甚災害教訓をもとに、総額七兆円という規模で、国とか県、市町村と連携をしながらということで、集中的にやらせていただいておりますが、どの被災地に行きましても、首長皆様は、三年後も大事だと。今お話がありましたような、インフラ老朽化も進んでおりますし、災害規模も大きくなっているので、新たに、大きくなる災害に対する対応ができるようなインフラ整備ということの重要性も訴えられているわけでございます。  国交省の中でも、昨年から、気候変動による影響というものの有識者会議も立ち上げておりまして、そうしたことについて、今、河川防災のあり方ですとか海岸保全ですとか、さまざまなことについて対応できる、しっかりとした防災減災計画をつくるべく作業しているところでございまして、こうしたことを踏まえましても、三カ年の緊急対策対策として重要でしっかりと進めたいと思いますが、その後についても、全国地方自治体皆様の声をしっかりと受けとめて、国土強靱化基本計画に基づいて、必要な予算確保できるように全力で取り組み、また、オール・ジャパンで対策を進めて、国家百年の大計として、災害に屈しない国土づくりをしっかりと進めていくように頑張っていきたい、こう考えているところでございます。  以上でございます。
  19. 小里泰弘

    小里委員 東日本大震災発生しましたとき、私どもは野党でありましたけれども、ここはしっかりと対策案提言をしていこうということで、党内に緊急対策プロジェクトチームをつくりました。そして、被災地の声を聞きながら、党を挙げて議論をして、避難所対策から復旧対策まで五百七十七項目の対策案をつくって、順次これを民主党政権に提案を申し上げて、その多くが実行されてまいりました。  災害というものは、野党も与党もないと思います。党派を超えてしっかりと議論をして、しっかりと将来を見据えた対策をぜひ進めていきたいと思うところでございます。  若干時間がありますので、もう一問、急ぐべき課題についてお伺いをいたします。  タクシーは、地域住民の足の確保インバウンド需要の取り込みなど、さまざまな場面で重要な役割を担う公共交通機関であります。  このため、配車アプリ導入やユニバーサルデザインタクシーなどの車両更新キャッシュレス対応などのための設備投資が必要でありますが、厳しい経営状況に直面している事業者も多いと伺っているところであります。  タクシー公共性に鑑みて、全国四十八地域で申請がされておりますところの運賃改定につきまして、可及的速やかに実施されるべきと考えますが、国交省見解をお伺いします。
  20. 一見勝之

    一見政府参考人 お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、タクシーについては非常に重要な公共交通機関でございます。  御質問のございました消費税率改定以外の通常運賃改定でございますけれども、複数関係省庁から、消費税率改定と同時に行うことについて、より丁寧な検討が必要との意見が示されております。  これを踏まえまして、通常運賃改定につきましては、引き続き審査を継続しておりますが、消費税率改定後の地域の利用者の受けとめやタクシー事業者さんの声もよく聞きつつ、関係省庁とも調整をし、経済への影響なども見きわめながら、可能な限り早期対応したいと考えております。
  21. 小里泰弘

    小里委員 ありがとうございました。
  22. 土井亨

    土井委員長 次に、岡本三成君。
  23. 岡本三成

    ○岡本(三)委員 皆様、おはようございます。公明党の岡本三成です。  本日は、筆頭理事、また委員皆様の御承諾を頂戴しまして質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。  まず初めに、私からも、今回の台風十九号並びに先般の集中豪雨被災をされ犠牲となられた多くの皆様に、心から哀悼の意を表します。加えまして、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。  先般の台風十九号は大変甚大な被害日本に及ぼしまして、直近の数字ですと、死者八十八名、行方不明者七名、家屋の倒壊並びに床上浸水等々を含めますと約六万三千棟に及ぶ被害、加えまして、堤防の決壊は七県で百四十カ所、想像できないような被害をもたらしました。  その上で、現場を歩きますとよく地域の皆さんに言われるのは、次に台風が来たときは大丈夫か、今まで信じられないぐらいのサイズの台風が来たので次の台風はもっと大きいんじゃないかと、大変不安に満ちた声を多くお伺いをいたします。  今まで国土交通省は、五十年に一回とか百年に一回の大水害が来たらどうするかというふうにおっしゃっていますけれども、そんなことを言っている場合じゃないような気がするんですね。このような大きさが更に今後大きくなっていく可能性は大変大きいですし、全く新たなステージに入って、このような大きな水害というのも残念ながら常態化していくような可能性が高いという前提で、さまざまな施策を進めていくべきだというふうに思っています。  私は、日本という国土は、残念ながら、現在大変まだ脆弱な状況になっていると思っていて、国民の命を守ることが私たちの使命であるということをいま一度認識をしながら、さまざまな施策に当たっていきたいというふうに決意をしております。  さまざまな機関が、今後の気候変動に伴いどのような災害が起こるかということを分析をしておりますけれども、仮に今までのスピードと同じ状況で気温の変化が起こりますと、気候変動のシナリオとして、二度から四度、ほんの二度から四度気温が上がるだけで、洪水発生の頻度というのは約二倍から四倍。今から四倍の発生頻度が今後起こっていくということを前提に、さまざまなことを取り組んでいかなければいけないと思います。  私、議員にしていただいて三期七年になるんですけれども、私が議員になったときにはやった言葉というのは、ゲリラ豪雨だったんですね。要は、集中的に降るけれども、ほんのちっちゃい県に、ほんの少ない県に集中的に降る。ですから、今回は残念ながらこの県が被害に遭ったとか、この県だとかと言うんですけれども、今回特別警報が出されたのは、十三県にまたがっています。  多分、私が議員になったときは一県とか二県が普通だったのが、要は、物すごい大きな、広範囲にまたがったものが今後も常態化していくということを大前提に、さまざまな施策を打っていくときが来ているのではないかというふうに思っています。  率直に言って、公共投資の金額が少ないと思っています。実は、数字だけ見ますと、OECD諸国の中で、日本が、一年の国家予算に占める公共投資の金額というのはほぼ他国と変わらないんですけれども、災害の起きる頻度というのは日本が突出をしています。防災白書によりますと、震度六以上の地震というのは日本で約二割。全世界の面積の〇・二五%しかない日本で全体の何と二割の震度六以上の地震というのが起こっていることを考えると、他国と同じ比率というのはもうおかしいんじゃないかなというふうに思うんですね。  実際に、一九九六年以降、どういうふうに固定資本投資形成に、いわゆる公共投資に国全体で取り組んでいるかというと、カナダは三・二七倍になっています。余り地震がないところでもそれぐらいやっているんですね。集中豪雨も余り経験したことのないイギリスも約三倍。他国はみんなそうなのに、何と日本は約半分です。やはり根本的に見直して、政治家の使命である日本人の命を守っていくということに改めて真剣に取り組むときが来ているというふうに思います。  その最たるものが河川整備ではないかと私は思っているんです。  この数年間、防災減災というふうに政府で言ってきましたけれども、私は、残念ながらというか、今までのこの七年間というのは、防災減災の軸足の七割ぐらいは地震だったと思うんです。  それは必要だったと思います。今後もその軸足を変えてはいけないと思う一方で、今の現状を考えると、これからの軸足の大きなところは水害に対する防災減災でなければいけないのではないかというふうに思いまして、一本足打法から、まあ一本足打法というのは失礼な言い方かもしれませんが、しっかりと二本足に変えて、地震、また水害対策に真剣に取り組んでいくことが必要であるというふうに思っています。  そのためには、ダムも必要だと思います。河川の強化も、スーパー堤防も必要かもしれません。遊水地、川を深くしていく、いろいろなことが必要かもしれませんけれども、新たなステージに入ったという認識をお持ちなのか、そして、国土交通省として今後どのように取り組んでいく御決意なのかということを、初めに大臣伺いたいと思います。
  24. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 先ほどの御答弁でも申し上げましたが、今お話ありましたように、五十年に一度や百年に一度の大きな自然災害が、これから毎年、いつ、どこで起こっても不思議ではない状況になっていた、こう言わざるを得ないというふうに思っております。  今回の台風十九号の災害だけでも、国管理河川全国で十二カ所も決壊するというのはこれまでなかったことでありまして、極めて、この台風十九号一つをもっても、大変大きな、甚大な被害だということでございます。  そうした中で、今、三カ年で、防災減災国土強靱化のための緊急三カ年対策、これは総額七兆円の取組でございまして、このこと自体も、それまでの国の予算のあり方から考えると、随分画期的な取組ではないかというふうに私は思っておりますし、七兆円のうちの、国の予算は約半額の三・五兆円で、残りの三・五兆円は地方で使うということでございまして、私、常日ごろから言うんですが、この七兆円という大きな予算でありますけれども、ある意味では限られた予算なので、これは国、県、市町村が共有をしながら、集中的、また計画的に取り組むべきだと。  ですから、そうしたことが、実際には、河川なんかは特に、国だけの部分をやっても何も余り効果が期待できませんので、国、県、市と連携しながら、流域、水域全体で取り組んでいくという対応がなされているというふうに承知をしております。  また、私も当選以来もう二十六年もたつんですが、阪神・淡路大震災というのが日本防災政策のある意味じゃ大きな原点で、そうした意味で、大地震に対してどうしようかということが、そもそもそういう傾向にあったというふうに思いますが、ここ近年の激甚災害というのは、集中豪雨に伴う洪水災害、水害ということが頻発しておりますので、そうしたこともしっかりと切りかえていかなければいけない、そういう認識ではあると思います。  そうした中で、国交省の中で、気候変動を踏まえた水災害対策のあり方についてということを、これまでも有識者に検討していただきましたが、改めて十月十八日に社会資本整備審議会へ諮問もさせていただいたところでございまして、この諮問に基づいて、抜本的な、河川防災対策ですとか海岸保全ですとか、さまざまな対策をとっていかなければいけない、こう承知をしておるところでございます。  そうした計画が予算が伴わないと絵に描いた餅になってしまいますので、そうした思いは、私は、全国を回っておりますと、地方自治体首長皆様、議会の皆さんは、やはり予算があってこその防災減災対策だということを強く主張されておりますので、そうした声は今後の予算をつくる際に国土交通大臣としてしっかりと主張していきたい、こう考えております。  また同時に、ハード対策だけでもなかなか難しい、限界があると思います。やはり、ハード、ソフト両面でどう考えていくのか。  よく報道で出ておりますが、ハザードマップというのは、これはもう実は、全国の市町村、九八%ぐらいが整えて、それぞれのホームページに発表しておりますが、そのハザードマップが出ているから、じゃ、レッドゾーンのところに家を建てないような状況になっているかというと、実はそうではなくて、今回も、ハザードマップの危ない地域のとおり浸水して災害が起こってしまった、被害が大きくなったということが繰り返されているのが現実でありますので、こうしたことについてどう考えていくのかというようなことにも取り組みながら、同時に、国民皆様防災意識もしっかりと高めていただくようなやはり働きかけというのも大事ではないか。  加えて、災害については、公助だけではなくて、自助、共助、公助、国として、また地方自治体としてやるべきハードだけではなくて、自分の命はどう自分で守るのか、また地域はどう守り合うのかという自助、共助、公助について、ハード面、加えてソフト面、両方の対策も必要なのではないか。  そして、事前予防というか、事が起こって壊れたものを直すというのは大変予算も時間もかかるわけでありますので、やはり災害に強い国土強靱化に資する対策をとっていくというのが大事だと思います。  加えて、官の世界だけじゃなくて、民間の協力も必要だと。これは経団連なんかもそういう発言も出ておりますが、今現在、企業の皆さんにも協力していただいて、建物の中に雨水の貯留施設の設備をつくっていただいて、今回も、いろいろな貯水池で随分雨をためてもらったということで、氾濫を未然に食いとめたという事例もありますので、そうしたことは、官民挙げて、国を守っていくということを念頭に、しっかりと、今までの延長線ではなくて、新たな防災減災対策をつくっていくよというふうに指揮をとっていきたいと思っております。
  25. 岡本三成

    ○岡本(三)委員 今、赤羽大臣御答弁いただいたままの決意で、ぜひそのお言葉を実行に移していただければと思います。  関連いたしまして、私、現在、東京都北区志茂四丁目に住んでおりまして、これは何かというと、目の前が岩淵水門です。今回の十九号で全国的には大変な被害があったんですけれども、幸運なことに、東京にはほとんど、相対的にはそんなに被害がなかったわけですけれども、これはたまたま起こったわけではなくて、実は、荒川水系の上流、中流、下流でそれぞれに物すごい努力があって、今回、やっとの思いでせきとめられたと思うんです。  台風が過ぎました次の日に、岩淵水門に参りました。その岩淵水門のすぐ横に国土交通省の荒川事務所の方がいるんですが、ここの四十人ぐらいの方は本当に徹夜で働いていただいて、心から感謝をしております。  この荒川水門というのは過去に六回閉まっておりまして、今回閉まったのは十二年ぶりです。  前日の晩に地震があったのを、皆さん、覚えていらっしゃいますでしょうか。台風地震、一緒に来るかと思ったんですが、この荒川水門は三年前に耐震化をしています。もし耐震化していなくて閉まらなかったら本当にどうなっていたんだとぞっとするんですけれども、水門が閉まりますと、土手に立ちますと、荒川と新河岸川の水位が見えるんですね。もし水門が閉まっていなくて荒川の水位がそのまま新河岸川に行っていれば、これはたらればですけれども、東京は大変なことになっていたんじゃないかと思います。  もっと更に大切なのは、今回、荒川の上流のさいたま市に実は遊水地があります。彩の国の彩湖といいますが、ここに三千九百万立方メートルの水をためていただきました。これがなければもっと水位は上がっていたはずです。今回、七百十七ミリまで行っていますけれども、荒川の水位はもっと行っています。その上にはダムもあります。岩淵水門。  いろいろなことが、今まで国土交通省そして都道府県が手を打っていただいたのでここまで来ているわけですけれども、実は、この荒川水系の周り、とりわけ、東京というのはその流域人口密度が一平方キロメートル当たり三千人、これは日本最高の人口密度です。これは、もし万が一のことがあったらとんでもないことになっちゃうんですね。  それで、その転ばぬ先のつえということで、埼玉県の第一調整池の横に、今、荒川の第二調整池、第三調整池を東京のために埼玉県につくっていただいています。東京都民として埼玉県の皆さんには足を向けて寝られないと思うんですけれども、ただ、この二つを今やっていますのを、すごい勢いでやっていますが、これが完成する予定はこれから十三年後です。この十三年間の間に物すごいことが起きちゃうようなことがあるんじゃないかというふうに東京都民は心配しているわけです。  本当に、地域の方々の御了解をとったり、また、働いていらっしゃる方々の人手不足もあると思います。大変な状況だと思うんですが、首都東京に万が一のことがあったら、それこそ日本全国を守れないと思うんです。何とか一年でも二年でもスピードを速めていただくような特別措置を国交省にお願いしたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  26. 御法川信英

    御法川大臣 荒川の上流のお話を今いただきました。  岡本委員指摘のとおり、今回の台風十九号におきましては、上流の三つのダムがございます、ここで四千五百万立方、そして、御指摘がありました荒川の第一調節池、彩湖で三千五百万立方の洪水を貯留したということでございます。  今、第二、第三につきましては、平成三十年度より事業に着手をしておりまして、令和十二年度の完成に向けて、今、さいたま市の条例に基づいて環境影響評価の手続を進めているというところでございます。  今回の災害を踏まえ、事前防災対策が大変重要だというのは委員指摘のところでございますので、この調整池の整備を強力に推進をしてまいりまして、少しでも早く効果が出るように一生懸命頑張ってまいりたいというふうに思います。
  27. 岡本三成

    ○岡本(三)委員 ありがとうございます。今の御法川大臣の一生懸命頑張ってまいりますという言葉をしっかりと忘れないように、これからも対話させていただきたいと思います。  次に、これは事実だけなので、申入れをして、ぜひお答えいただきたいんですが、実は、国土交通省のホームページに行きますと、東京大水害時を想定したタイムラインの動画がありまして、これはCG等を駆使して大変よくできています。これを見ると、どれぐらい恐ろしいものか、自分が何をやらなければいけないのか、すごいシミュレーションができまして、物すごく重要な動画で、多くの国民の方にごらんになっていただきたいんですが、何とこれは字幕がついていないので、耳の不自由な方は、何を言っているか、何をやっていいか、全くわからないんですね。これだけではなくて、国交省の動画はほとんど字幕がついていません。  いい動画をつくっていらっしゃるので、早急にこれは字幕をつけていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
  28. 五道仁実

    ○五道政府参考人 お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、国土交通省がつくっている動画というものについて、字幕がないということでございます。  これまでも、これらの動画を用いて、職員が地域や学校などに行って活用していただくということでございますけれども、これらの動画をより多くの方々に理解していただけるように、新たに字幕をつけるなど、誰にでもわかりやすい動画となるよう改善を図ってまいりたいというふうに思います。
  29. 岡本三成

    ○岡本(三)委員 お願いします。  最後に、タクシー運賃の改定、私からもお願いをしたいんです。  昨年六月以降、四十八の地域においてタクシー運賃の実質改定の申請をされました。タクシー会社さんは、地元住民と対話をする等々含めて、物すごい丁寧にやってきたんですね。  タクシーの歴史は百八年に上ります。今、政府では働き方改革と言いながら、タクシーの運転手さんの実質の年収というのは、大体、地域にもよりますが、平均で二百万円。他の産業よりも低いというふうに言われています。  私も、タクシーの利用者としては一円でも安い方がいいです。けれども、実は、いろいろなところで準公共インフラのような役割も果たしていただいています。今回の台風十九号のときでも、御自分の家が大変な状況なのに、実際、避難しなければいけないような高齢者、足の不自由な方をタクシーの運転手さんが避難所まで運ぶような例も多く見られます。これも一日も早くやってほしいですし、また、メーターの改定も、今回の消費税を上げるときで一回かえていますので、またかかります。さまざまなインバウンド対応で、新しいシステムを入れています。  こういうところに対して、支援、補助金を出すというようなことも重要じゃないかと思っているんですが、タクシー運賃改定並びに支援策、最後に御答弁をいただきたいと思います。
  30. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 今お話ございましたように、タクシーは、今高齢化が進む我が国において、高齢者の皆様は免許証を返還している、こうしたことが大変急増する中で、その受皿となる公共交通機関、そういう意味ではタクシーは大変有力な交通機関だというふうに思っておりますし、インバウンドがこれだけふえておりますので、外国人の皆様にもストレスなく利用していただけるような状況をつくらなければいけないということで、近年も、タブレットの導入等々には国としても応援させていただいているところでございますが、何よりも運転手の待遇改善。  これは、高齢化も相当進んでいますので、若い人たちが誇りを持って仕事をしていただけるような労働環境の改善ですとか、また、車両の更新といった取組を進めていくために、最近はハイヤー・タクシー業界も大変自助努力をしているというふうに私も高く評価をしておりますので、そうしたことが、更にサービスが続けられるように、今御指摘財政的な支援も含めて、しっかりと取り組んでいけるように対応していきたい、こう考えております。  以上です。
  31. 岡本三成

    ○岡本(三)委員 ありがとうございます。  以上で終わります。ありがとうございました。
  32. 土井亨

    土井委員長 次に、馬淵澄夫君。
  33. 馬淵澄夫

    ○馬淵委員 立国社の馬淵でございます。  久しぶりに国土交通委員会で質疑をさせていただきます。よろしくお願いいたします。  去る十月十二日の台風十九号の襲来による甚大な被害ということで、また、先週は千葉での豪雨もございまして、さらなる被害発生いたしました。心からお見舞いとお悔やみを申し上げますが、まさにこうした事情の中で、我が国の治水が改めて問われているというふうに思います。  現時点では、政務三役の皆さんは、この災害対策また復興を最優先とされているかと思われますが、今後のために、やはり水害に対する施策のハード面並びにソフト面の一層の検証が必要だというふうに私は考えております。  私自身は、国交省に一年四カ月、仕事をさせていただきましたが、重要なことは、施策の結果の、予断なき効果の検証だと思っております。  さきの参議院の予算委員会では、今回の台風被害が拡大したという理由の一つに、かつて我々民主党が政権時に掲げたコンクリートから人への理念と結びつけて、民主党政権が治水政策を怠ったかのような主張がちょっとありましたが、私は、これは正確さ、冷静さを欠いた議論ではないかというふうに思っております。  そこで、きょうは八ツ場ダムについて確認をしてみたいと思います。  今回のこの十九号豪雨によって、八ツ場ダムに大量の雨水がたまったわけであります。これは報道でも多くの方々がごらんになられました。これによって、八ツ場ダムが利根川の下流域堤防の破堤を防ぐ大きな効果があった、このように即断する主張もネットでは散見されております。  一方、私のもとには、国交大臣時代に八ツ場ダムの建設再開を決断していただいて感謝するというメールやファクス、電話が多数届いていますが、私自身は建設再開を決定したわけではありません。  当時、私は、大臣就任と同時に、中止の方向性で予断なく再検証するという、ある種矛盾をはらんだこの方針を転換をし、中止の方向性については今後一切言及しない、その上で予断なく再検証を行う、このように就任時に明言いたしました。  さらに、かてて加えて、ダム整備の前提となる洪水時の最大水量、いわゆる基本高水です、これについても再検証を行うようにと指示を出しました。八ツ場ダムが中止あるいは続行かというこの二項対立という単純な構図での判断ではなくて、冷静な検証に基づく責任ある政策決定を行うのが大臣の仕事と、私自身は考えていたからであります。  その後の内閣では、最終的には、これらの検証の結果として事業の継続が決定されたわけでありますが、私は、改めて申し上げますが、もう大臣も政務三役の皆さんも御理解されているとは思いますが、透明で、そして公正な政策決定プロセス、これこそが最も重要だというふうに思っております。  そこで、八ツ場ダム基本的なことを、確認のために局長にお尋ねをいたします。  この八ツ場ダムの設計時の有効貯水量と、降雨による洪水発生する時期、いわゆる洪水期、七月一日から十月五日までの利水容量及び洪水調節容量、これは幾らでしょうか。局長、お願いします。
  34. 五道仁実

    ○五道政府参考人 お答え申し上げます。  八ツ場ダムは、利根川水系の洪水調節、首都圏の利水等を担う多目的ダムでありまして、洪水期における計画上の容量は、洪水調節容量が六千五百万立方メートル、水道等の利水容量が二千五百万立方メートル、堆砂容量が一千七百五十万立方メートル、合計一億七百五十万立方メートルでございます。
  35. 馬淵澄夫

    ○馬淵委員 委員長のお許しをいただいて、お手元に貯水池の容量配分図をお配りをしています。  非洪水期には、計画堆砂容量というのが、これはダムを設計して、そして最終的に土砂が流れ込んできますので、これぐらいがたまってしまうだろうという想定の上で、有効貯水量の部分は九千万立米。非洪水期はすなわち、この九千万をためておけるということです。  そして、洪水期に入った場合には、洪水雨量が大量に流れ込んでくる可能性があるために、この二千五百万立米、洪水期利水容量としてここまではためておくけれども、残り六千五百万立米は、その洪水期の雨量をため込む容量としてあけているというような状況でありました。  局長、この十九号の襲来の直前の八ツ場ダムの稼働状況と貯水量、これを端的にお答えください。
  36. 五道仁実

    ○五道政府参考人 お答え申し上げます。  八ツ場ダムでは、令和元年十月一日から、本格的な運用の前に安全性を確認する試験湛水を始めており、台風第十九号による降雨が降り始める十月十一日午前二時までに約五百五十万立方メートルを貯水していたところでございます。
  37. 馬淵澄夫

    ○馬淵委員 すなわち、八ツ場ダムでは試験湛水が始まっていたということであります。しかし、そこにたまった水の量は五百五十万立米ということでありますから、この配分図から見ても、ほとんどゼロに近いところ。そこに大量の雨水が流れ込んできたということになります。これは、もう既に出ておりますように、七千五百万立米ということであります。これだけの水がダムに流入をし、ほぼほぼ満水に近い状態の写真が、これはもう一般に報道でも上がっておりました。  こうして満水状況になったわけでありますが、もしこれが本格的な運用がなされていたらどうだったかというと、洪水期には、利水容量二千五百万立米の水がたまっている状況が想定されているわけです。つまり、残りは六千五百万立米ということになります。  つまりは、本格運用の状況であれば、七千五百万立米の流入でありますから、一千万立米は、緊急放流、何がしかの形で放流をせざるを得ない状況が起きていることが想定されます。つまり、このダムによって貯水されたことは事実ではありますが、もし本格運用であれば一千万立米の放流は必要である、これによって全てが貯留されたというわけではないはずなんです。  そこで、局長にお尋ねします。  通常の運用中であったならば、この八ツ場ダムも緊急放流が余儀なくされたのではないでしょうか。五道局長、いかがですか。
  38. 五道仁実

    ○五道政府参考人 今回の出水におきましてためた量でございますけれども、先ほど委員から御指摘のように、約七千五百万立方メートル貯留している。合わせてダムには八千五十万立米が貯留されていたということでございます。  実際の運用になったときには、全てをためるわけではなくて、放流をしつつためていくということになりますので、今現在ここにおいて、実際の運用においてどうだったかということについては、手元に資料がございませんけれども、それについても今後また検証してまいりたいというふうに思います。
  39. 馬淵澄夫

    ○馬淵委員 それはもう容易に、私も答弁として想定をしております。すなわち、この二千五百万立米の利水容量というのは調整可能なんです。しかし、利水で必要ですから。河川の枯渇や、あるいはさまざまな利水で使うわけでして、これら農業、工業、こうした河川の枯渇に対応のこの水をためておかないと、これも困るわけですね。  したがって、台風襲来というのを予測をしますから、恐らくこの容量は調整して減らすんでしょう。ですから、七千五百万立米が入ったとしても、今、仮定の話は答えられないというのは、これも当然わかりますが、入ったとしても、その部分は放水をしながら入れているので大丈夫だというのが国交省の答弁となるのは私も承知をしています。  しかし、大切なことは、このように計画時は利水容量二千五百万立米が設定されているわけです。運用で変化させているんですね。つまりは、この八ツ場ダムの評価というものを過大にしてはならないということなんです。私は、そのことをきっちりと皆様には申し上げておきたいという上で、この検証の部分ということも重要だというふうにお尋ねをしたいと思います。  今回の七千五百万立米、これがためる役割を果たしたのは事実でありますが、それによって果たして下流域河川の水位がそれで減じられたのかどうかということも含めて、ここはしっかり検証しなければならず、その検証なくして効果云々は語れないはずなんですね。  それで、お尋ねをしますが、これは大臣にお尋ねいたします。  現時点で、この大雨で八ツ場ダムに水がたまったことによって、下流域河川の水位、これにどのような影響があったのかの調査は行っておられますでしょうか。では、局長でも結構ですよ。
  40. 五道仁実

    ○五道政府参考人 お答え申し上げます。  今現在、前回の豪雨についての検証ということを進めているところでございまして、どのような形でできるかについて、今後とも検討してまいりたいというふうに思います。
  41. 馬淵澄夫

    ○馬淵委員 局長、じゃ、もう一点。これは大臣じゃなく局長にお尋ねします。  今は検証をこれからしなきゃならないということでありますが、ダム単独です、ダム単独で、下流域河川氾濫防止にどのような効果を持つかという検証というのは、国土交通省でやられたことはありますか。あるいは、この八ツ場ダムでやられたことはありますか。お答えいただけますか。
  42. 五道仁実

    ○五道政府参考人 お答え申し上げます。  ダムの検証でございますけれども、さまざまな仮定を置いて計算するということは可能だというふうに思いますけれども、それがどのような意味を持つのかということもあわせて検証していく必要があろうかというふうに思います。
  43. 馬淵澄夫

    ○馬淵委員 五道さん、私の質問をちゃんと聞いてくださいよ。  単独のダムの検証をやったことはあるか、あるいは八ツ場ダムでもやったことはあるかということを聞いているんです。単独のダムということで、お答えいただけますか。
  44. 五道仁実

    ○五道政府参考人 お答え申し上げます。  今現在、八ツ場ダムにおいて単独でということで検証していることはございません。
  45. 馬淵澄夫

    ○馬淵委員 これは大臣、重要なところなんですが、要は、まあネットの世界ですから、私もそのことをとやかく申し上げません、しかし、国土交通省としてしっかりとした見識を示す必要があります。  単独のダムの検証なんというのは、これは意味がないんです。利根川流域において複数のダムがあります。この複数のダムによって治水を考え、あるいは利水を考えていくわけです。したがって、下流域の水位というのも、八ツ場ダム特定のダムの効果ではありません。  民間の検証で、これは民間ですから、私はそのシミュレーションの中身はわかりませんが、十七センチの水位の低下ということが報道でも上がっておりました。これをもって、効果があった、あるいはなかったという論争がネットで起こっておりますが、これは全く意味のない論争だと私は思っています。  つまりは、先ほど局長からありましたように、この流域におけるシミュレーションというのは、解析というのは、非常に複雑な条件を設定しなければなりません。出そうと思えば出せるんですが、かなり特定の条件を付さなければ結果が出ないんです。その水位の低下を出したとしても、それは意味があるものかといえば、私はないと思う。  したがって、このように、八ツ場ダムがあったから、なかったからかというようなことで、世間で、この効果の検証も明らかでない中で流布されるというのは、私は、これは政策決定プロセスという意味で全く違うんじゃないかと思っているんですね。  そこで、大臣に改めてお尋ねをいたしますが、そうはいってもこれだけの豪雨があったわけでして、そして、あれほど紆余曲折ということでの国民の耳目が集まるダムでありますから、今後、災害対策あるいは復興も含めたこうした作業、皆さん方の施策が一段落つけばこれらについて検証する、そういったお考えはお持ちではないでしょうか。いかがでしょうか。
  46. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 まず、馬淵委員におかれましては、国土交通大臣、そして大臣という職で、この八ツ場ダムについて大変難しい取組をされ、決断をされたということは、大変尊敬もしておりますし、私はあのときちょっと落選しておりましたので、本当によくわからないところもありますので、本当にこれは、政局的な感じではなくて、日本国土を守るという意味では御指導もよろしくお願いしたいというふうに思っております。  また、私、このことについて、利根川が氾濫するのではないかという本当にぎりぎりのところで結構緊迫した状況がございまして、そして、辛うじてあのときは、あの日はそれを免れた、御指摘のように何日か後にちょっと下流のところで越水したりして、改めて河川の難しさというのを学んだところもあるんですが。  そのときに、私、質問を受けて答弁したのは、ファクトで七千五百万、これもたまたま試験湛水の時期にやって七千五百万立米をためられることができたからということも一つの要因だっただろうということを述べたまででありまして、私個人の思いは、やはり昭和四十二年からさまざまな経緯がある中でいろいろな思いをしてきた地元住民の皆さんもいることをしっかり重く受けとめながら、そこは、私としては、余り浮ついたようなことで考えるべきでは当然ないというふうに思っております。  加えて、いろいろ被災地を回っておりますと、河川というのは本当に難しくて、流域全体を考えないと、釈迦に説法だと思いますが、一部分を堤防を強くすると弱いところから越水した地域もたくさんありますし、上流で辛うじて越水をとめたとしても下流であふれるというようなことなので、水系全体でやはりどう考えていくのかというのを見なければいけない。  そのときに、ちょっとまた後で御指導いただければと思うんですが、一つ一つのダムはどういうオペレーションをすればどのぐらい最大の許容量があるのかということは、やはり私はそこは少し詰める必要があるんじゃないかと思う。  最悪のときのオペレーションのことも用意して、なるべくそれが、そのときに至らないように事前に放流できるような、利水のために、関係者はいっぱいいますので、そうしたことの事前災害協定みたいなことも用意しなければいけないのではないか。私自身がちょっと考えていることですけれども、そうしたことも含めながらしっかりとしたものをつくらなければいけない、こう思っているのが私の思いでございます。
  47. 馬淵澄夫

    ○馬淵委員 ありがとうございます。大臣のお考えというのはよく私に伝わりました。  その上で、これは議事録に残すための確認ですが、国土交通省として、この十九号の台風の襲来による豪雨災害の中で八ツ場ダム効果があったのかということの問いに対しては、これを明確にお答えいただきたいんです。
  48. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 私、これは国会で答弁したとおり、予定では六千五百万というところがたまたま試験湛水という時期もあって七千五百万立米をためられたということは、あの時点で利根川の越水とか氾濫を食いとめることの要因の一つだったというふうにお答えをさせていただいたところでございます。
  49. 馬淵澄夫

    ○馬淵委員 予算委員会では、住民の安全な暮らしに大きく寄与するものというところでとどめておられましたが、今のお話ですと、越水にまでこれが寄与したとなると、これは効果があったということを国交省としてお答えされたということになりますが、それでよろしいですか。  効果の検証はされていないわけですから、つまり不明で、効果は、事実関係はもうわかっています、八ツ場ダムの存在そのものが、この貯水が効果があるかどうかは不明であるということではないんでしょうか。そこは大臣、明確にお答えいただいた方がいいと思います。
  50. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 済みません、ちょっと私、馬淵委員質問が正確に理解できていないと思うんですが、私、今回はこうだったけれども、今後はこれを前提に、安全なものだみたいな乱暴なことはするつもりは全くございません。  ただ、七千五百万立米の水が、これは馬淵委員も言われているように、それが事実だったということを述べているだけであって、当然、上流のダム群があるわけですし、また中下流には渡良瀬の遊水地があって、ここも相当ためましたので、私は、そうした遊水地みたいなことがあったことによって、先ほどの答弁でも申しましたが、多くの氾濫をとめることができたということは事実なのではないかと。  だけれども、今後は、これ以上の大きな災害があることも想定しながら、どうなのかということは不断の検証が必要だということであります。
  51. 馬淵澄夫

    ○馬淵委員 ありがとうございます。  つまりは、単独ダムの効果というのは検証されていません。そして、これは非常に難しい問題なんですね。  したがって、国土交通省としては、検証結果がない中で、効果があった、なかったかというのは、これは安易に私は踏み込むべきではないと思いますし、先ほど大臣まさにおっしゃった、総合的な治水によってどのように治水事業が完遂できるかということが最も重要なわけですから、ぜひそこを頑張って取り組んでいただきたいと思います。  あと、これは釈迦に説法で恐縮ですが、水局の皆さん、本当に頑張っておられます。ただ、私も役所にいる間見ておりまして、ダムの運用というのは、実は水局の中のまさに内部の規定によって動かしていくことです。これは当然現場のことですから水局のレベルで管理していただいたらいいんですが、先ほど申し上げたように、このお渡しした資料の中で、洪水期の制限水位、洪水の利水容量、ここの運用というのは水局の範囲内ですから、これは余り外に出ません。どのような運用がなされているかということを全国のダムが共通に、あるいは県管理も含めたダムも、やはりこれは把握すべきなんですね。  これがないと、例の城山ダムでしたか、相模原市の上流にあったダムの緊急放流が時間がずれていったりすることも含めて、やはり混乱が起きかねないわけですから、ここはしっかりと、五道局長側も監督されておられますから、大臣におかれましては、よくそこは見ていただきたいというふうに思います。  続きまして、ソフト面の整備についてです。  ここはやはりソフト面、ハードだけじゃなくソフト面の整備と検証というのも極めて重要なんです。そこで、タイムライン政策についてお尋ねしたいと思います。  このタイムラインというのは、災害発生を前提に、防災関係機関が連携して、災害時に発生する状況をあらかじめ想定して共有する、いつ誰が何をするかということを、防災行動と実施主体で時系列で整理をしたものです。これによって防災行動が行われるというわけであります。  今回、この十九号の大規模浸水被害発生した千曲川、これを見ますと、この千曲川には、タイムライン、平成二十九年三月に、想定最大規模降雨を踏まえた長野市洪水タイムラインの概要という形でまとめられております。ここで、果たしてこのタイムラインの概要に基づいた行動がなされたかということでありますが、これも皆さん御存じのように、北陸新幹線の車両百二十両が浸水するという甚大な物的被害発生し、恐らく完全な運行正常化には相当な時間がかかるものと想定されます。  局長、これは短く答えてくださいね。それではお尋ねいたしますが、この長野の新幹線の車両センター、千曲川氾濫による浸水危険地域にあるとあらかじめ想定されていたでしょうか。イエス・オア・ノーでお答えください。
  52. 水嶋智

    水嶋政府参考人 お答え申し上げます。  長野の新幹線車両センターでございますが、これは平成九年の十月に供用開始をいたしました。当時はまだ浸水想定区域の指定制度はありませんでした。一方、その後、平成十三年の水防法改正に伴いまして平成十五年三月に公表された千曲川浸水想定区域図では、当該車両センターは浸水想定区域内にあることが示されております。
  53. 馬淵澄夫

    ○馬淵委員 これは、おっしゃるとおり、設置当時はなかったけれどもということかもしれませんが、いずれにせよ、これは二十九年のこのタイムラインでも明確に浸水地域にあることが示されています。  その上で、これは鉄道局長なんでしょうね、洪水発生の際の新幹線車両の事前の退避の行動計画というのは、この千曲川のタイムラインの概要、ここで規定されていますでしょうか。これもイエスかノーで結構ですから、短くお答えください。
  54. 水嶋智

    水嶋政府参考人 お答えを申し上げます。  千曲川のタイムラインにつきましては、平成二十七年度と二十八年度にそれぞれ、計画規模降雨による浸水を想定したタイムラインと、想定最大規模降雨による浸水を想定したタイムラインが策定されておりますが、これらの検討にはJR東日本も加わっておったところでございますけれども、タイムラインにおけるJR東日本対応としては、運行停止の判断や関係機関への応援要請などは含まれておりましたが、新幹線車両の退避については含まれておりませんでした。
  55. 馬淵澄夫

    ○馬淵委員 そうなんです。このタイムライン、せっかくすばらしいタイムラインを用意しているにもかかわらず、新幹線の退避、車両の退避は、浸水地域にあったにもかかわらず、規定されていないんです。  詳細を見ますと、このタイムライン、氾濫危険水位を超える予測が出た場合、洪水予測、氾濫警戒情報という状況ですね、想定最大規模の降雨というタイムラインを見ますと、JR東日本さんは二点行うとされていまして、これは、駅旅客避難完了確認後職員退避、鉄道事業者は直近の浸水想定区域、これらを確認して運行停止、こういうことになっています。  つまりは、このタイムラインで確認できていないという状況だったんですが、一方で、国交省では大変すばらしい報告書がありました。これは昨日見つけたんですが、米国ハリケーンのサンディに関する現地調査報告書で、「海外におけるタイムラインの取り組み」というのがあります。お配りした資料、ここには、ニューヨーク市で、タイムラインに沿って、事前に地下鉄車両の退避や機器類の事前撤去を行うということが、このように別添の資料でも出ておりました。  つまりは、国土交通省としては、このサンディのリポート、これに基づいて車両の退避まで把握されていたにもかかわらず、残念ながら、この千曲川のタイムライン概要には盛り込むことができていないんです。これはやはり、国土交通省としてせっかくここまでやってこられているのに、私は非常にもったいないと思っております。  こうした状況について、大臣、今私申し上げた指摘事項に対してどのようにお感じでしょうか。
  56. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 今、馬淵委員指摘のとおりだというふうに私も思っております。  こうしたことが起こらないようにということで、全国の鉄軌道者に対しまして、浸水被害発生した場合に運行への影響が大きい施設における浸水対策について、緊急点検を指示したところでございます。  全国で供用中の新幹線車両基地及び電車の留置線二十八カ所のうち十六カ所において、全部又は一部の施設がハザードマップ等の浸水想定区域内に整備されていることが、今のところ判明をいたしました。  これらの車両基地の中で、盛土によるかさ上げですとかポンプの配置などということで浸水防止対策を講じられている箇所もありますけれども、今後、今回の災害の大きさを反省としながら、浸水による影響の大きさやその対策の有効性等について現在検証作業を行わせているところでございます。  以上です。
  57. 馬淵澄夫

    ○馬淵委員 飛行機であれば空港から別の空港に飛ばす、あるいは船舶であればこれも退避させる等々、これはBCPの問題ですので、やはりここは、JR東日本さんとか鉄道事業者さんに任せるという話ではなくて、繰り返し申し上げますが、この報告書はすばらしいんです、これをまとめておられるのは、かつて近畿整備局長だった、私もともに仕事をした仲間、部下であります。これをもとにせっかく千曲川でタイムラインをつくっていたにもかかわらず、漏れているんです。これは、大臣、しっかり指導していただいて。  私は、水局の責任を問うているのではありません。五道さん、それは私は責任を問うているのではありません。むしろ、こういった問題に対して役所全体が取り組むという姿勢が必要ではないかということを改めて申し上げておきたいというふうに思います。残りの新幹線の車両基地もぜひお願いしたいと思います。  済みません。時間がなくなってきましたが、きょうは平副大臣にもお越しいただいております。大変恐縮でございます。もう一点、二点だけということにさせていただきますが。  実は、今回の災害の中で、避難の問題です。避難の中で非常に混乱が発生したというふうに私は思っておりまして、指定緊急避難場所と指定避難所、この二つの区別がはっきりわからないがゆえに再避難などが余儀なくされている。  指定緊急避難場所というのはとりあえず逃げるところ、指定避難所というのはそこで一定期間滞在する場所ということでありますが、これが重なっていたりする場所があるんですね。それで再避難が余儀なくされる。マスコミなんかは、再避難するのはおかしいじゃないかという論調ですが、もともと重なっているところもあります。  平副大臣、ぜひ、私、これは提案なんですが、このネーミング、これはわかりません。行政用語では区分しているつもりでしょうが、一般の方にはまずわからない。おじいちゃん、おばあちゃん、子供たちにわからない。わかるようなネーミングと、さらには、これはマークもそうなんですよ。逃げる、退出、非常ドアのようなマークと、そこに家のマークのついた避難所と、これはどっちがどっちでとわかりません。こうした視覚的なマーク。  そして、もう一度区分の点検が必要じゃないかと思うんです。つまり、これは行政区が判断いたします。この指定緊急避難場所は土砂災害には対応できるけれども河川氾濫には対応できないとか、これは全部行政区が決めるんですね。これでは住民はわかりません。  ぜひ、これは内閣府として、行政も巻き込んだ今の見直し、三点私申し上げましたが、取り組んでいただくことはできないでしょうか。平副大臣、御答弁お願いします。
  58. 平将明

    ○平副大臣 今、馬淵委員からの御指摘のところで、緊急避難場所というのと避難所が大変わかりにくいということだというふうに思います。  今御指摘のとおり、JIS基準によって図示をしたということと、あと災害の種別によってまた避難所が変わるという、ちょっと連立方程式みたいになっていますので、非常に住民から見るとわかりにくいと思いますが、一方で、せっかく図示して各自治体が今取り組んでいるところでもありますので、余り短期間に変えるということも混乱が生じると思いますので、御指摘を踏まえて、防災部局と、あと自治体議論をしたいと思います。
  59. 馬淵澄夫

    ○馬淵委員 ありがとうございます。  赤羽大臣並びに平副大臣、ぜひともしっかりと、皆さん方、政策決定プロセスを明確化しながら、役所を率い、そして国民の安全、安心をつくっていただくよう重ねてお願い申し上げながら、私からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  60. 土井亨

    土井委員長 次に、古川元久君。
  61. 古川元久

    ○古川(元)委員 おはようございます。国民民主党の古川元久です。  まずは、この間、台風十五号や十九号を始め一連の自然災害で犠牲になられた皆様方に心から哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた皆様方に心からのお見舞いを申し上げたいと思います。  私たち国民民主党では、結党以来、災害がいつどこで起きてもおかしくないという状況にありましたので、災害対策本部を常設して、何か災害があればすぐ対応できるようにということで、体制を整えてまいりました。  その災害対策本部長に私がついておりまして、この台風十五号の被害の後も、先週月曜日、長野の方に朝から入りまして、一日ずっと、佐久の方から入って上田、長野、そして中野と行って、現場を見てまいりました。  大変広範囲に、そして深刻な被害が出ておりまして、その後の週末ごとに雨が降って、更に被災したところがダメージを受けているような状況を考えますと、こうした一連の災害に対する対応は、東日本大震災のときの対応と同じレベルの、やはり復旧復興に向けての対応をしていかなければいけないんではないかというふうに考えております。  今、党の方でも私たち、こうして累次で災害頻発をする、しかも、気候変動や、あるいは地震も明らかに活動期に入ったんじゃないかというところもあります。そういった意味では、目の前の起きていく被害被災地をどう立て直していくかということの短期の対応策、そして中期的に、そして長期的にどうするのか。まさにこれは、こういう時代に合った新たな国家のビジョンといいますか、国土をどう保全、守っていくのかという、大きな意味でのそういうビジョンもつくらなきゃいけないんではないかなと思っております。党の中でも議論をしていきたいと思っていますし、また、そういうものがまとまり次第、赤羽大臣始め政府の皆様方にも要望をさせていただきたいと思っております。  こうした災害への対応には与党も野党もありませんので、やはり国民生活を守っていくというのが私たち政治家、政党の役割であります。ぜひ建設的な提言をさせていただきたいと思いますので、またそのときにはお受け取りいただければと思います。  最初に、私が長野に入ったときに知事からいろいろ要望を受けましたが、その中できょうは、せっかくの機会ですので、知事からあった三点の要望についてこの場でちょっとお願いをさせていただきたいと思います。  まず一点は、これは内閣府かと思いますが、仮設住宅の入居基準についてです。  この前もちょっとお話を聞きましたら、かなり入居基準は緩和されているようでありますけれども、やはりそれでも現場はその基準に、緩和されたものでもなかなか合わない、しかし、状況を見ると、この家にすぐ戻れるような状況ではないというような人たちもやはりいるわけであって、知事からは、そこは状況に応じて弾力的に、もうこの人は応急の仮設住宅へ入れてあげようという人は入れてあげるような、そういう柔軟な、弾力な運用をしてもらいたいという要望がありました。  一定程度の柔軟化、弾力化は進んでいると思いますが、それを超えて、個別に相談とかあれば、やはりそれに応じて柔軟に対応していく、そういう形をぜひとっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  62. 青柳一郎

    青柳政府参考人 お答えいたします。  現在、被災地においては、被災者に対する住まいの意向確認が進められて、応急仮設住宅の提供準備が進んでいるところでございますけれども、今般、台風十九号において被災した方々に速やかに応急仮設住宅へ移っていただくという観点から、いわゆる全壊でなくても、半壊であっても、水害により流入した土砂や流木等によって住宅としての利用ができず、みずからの住居に居住できない方、こういった方々については応急仮設住宅を提供して差し支えないということで、十月の二十一日付で被災自治体宛てに通知をしているところでございます。  また、今御指摘ございましたけれども、更に特別な事情があるような場合であっても、事前内閣府の方に個別に協議を行っていただくことで応急仮設住宅を提供することは可能でございますので、できるだけ柔軟な対応を行ってまいりたいと考えております。
  63. 古川元久

    ○古川(元)委員 ありがとうございます。  やはり住まいというのが、一番生活の再建、そして通常に戻っていくために基礎になりますので、ぜひそのところは柔軟に対応していただければと思います。  次に、これは国交大臣の方にお伺いしたいんですが、それこそ上田に行ったときには、上田電鉄の鉄橋が崩落をしている現場も見せていただきました。なかなか復旧にまで時間がかかりそうでありました。まず、やはり堤防がもう崩れていますので、そこをちゃんと堤防を直した上でないといけないので。ですから、相当、数カ月にわたって不通になるんじゃないかと。その間、代替のバスでかわってそれを使っていた人たちの足を確保するということがとられるようでありますが、この代替バスに係る費用、台数も多いですし、また長期にわたるとなると、かなり相当な額になってくるんですね。この費用はぜひ国で負担してもらいたいという要望がありました。  ぜひこれは前向きに考えていただいて、やはり暮らしの足を確保するというところでありますので、そこのところは国で負担をいただくようにぜひ考えていただきたいと思いますが、いかがですか。
  64. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 ありがとうございます。  まず、古川議員の御発言にもありましたが、災害対策は与党も野党もないというふうに考えておりますので、ぜひ現場から聞かれた生の声を御指導いただければと思います。  今の鉄道の代替輸送の件でございますが、この上田電鉄もしかりですし、また、私も、水戸から郡山に行く水郡線というのがあって、ローカル線がやられているケースというのはやはり何か対策を立てなければなかなか難しい、御指摘のとおりです。  水郡線なんかは、基本的に、公共交通機関というのは各鉄道事業者が委託をしてバスをやらなければいけないという原則の中で頑張っているんですけれども、なかなかそうもいかないので、水郡線の場合は地方自治体がもう少し支援をしてということでありますけれども、なかなかそれでおさまらないという部分もあるかと思います。  ですから、今言われたような、国が一定の支援を行うことができないかということをしっかり前向きに検討していきたいと考えております。
  65. 古川元久

    ○古川(元)委員 ぜひ前向きに、そしてなるだけ早目に、検討する、検討する、前向きに検討するというのでずっと日がたつんじゃなくて、早くやはり方針、そういう前向きな中身のあるものをお示しいただいて、被災地の皆さんが少しでも安心できる状況をつくっていただきたいと思います。  もう一つが、今のこの秋というのは、長野県あたりは本当に観光のハイシーズンなんですね。しかし、こうした被害を受けて、観光地も被害を受けているところもあります。しかし一方で、被害を受けていない地域もたくさんあるんですね。ただ、日本人はどうしても、こういう被害があったところに観光に行くというと、何か不謹慎なような気になるせいなのかどうかわかりませんけれども、知事も、かなり観光客が減っていてやはり困っている、そういう話がありました。  私は、もちろんボランティアとか、いろいろ手伝いに行くというのも被災地支援でありますけれども、被害を受けていないところで普通の営業とかやっているところには観光に行ってあげるというのも、これもやはり大きな被災地の支援になると思うんですね。  ですから、ほかの熊本地震とか北海道とかなんかも、今までも観光地の支援をやってまいりましたけれども、今回、被災をした長野を始め、いろいろな被災県で、やはりちょっと観光に行くのをちゅうちょするようなところがある。そうじゃない、安全なところはちゃんとあるんですよと。やはり、そういうところを周知徹底をしていただく、また、支援策も講じていただくということが非常に大事じゃないか。  特に、これから前向きに考えますと言っているんじゃ、もうこのハイシーズンは終わっちゃって冬になっちゃう。そうするとやはり、まあスキー客とかそういうのは別ですけれども、特に今回被災をした地域というのは冬寒くて、なかなか観光客がと。むしろ、秋のこの時期が観光の最もなんですから。この被災地支援の、観光支援のそういう周知あるいは支援策、これはもう早急に決めていただいて発表していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  66. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 済みません、先ほどの代替の件で一言だけ申し上げると、前向きに検討するというのは、そんな悠長な話じゃないし、毎日の高校生の通学とか、通院の足になっておりますので、それは先延ばしするつもりは全くございませんし、加えて、橋脚が崩落しないようにしなければいけない。鉄道局って、予算が余り少ないものですから、河川とか一緒に合わせて、根元が削られていないかみたいな体制もしっかりとって壊れないようにしようということ、大事な答弁をちょっと忘れましたので、それだけお願いします。  それで、この観光地の問題も、やはり、相当深刻なダメージがきいてきてしまうというふうに懸念しております。  一つは、まずできることというのは、ボランティアの方を受け入れる施設として利用してもらうとか、あとは、今一生懸命やっているんですけれども、避難所に入られている方とか仮設の方も含めて高齢者の方が多いので、ぜひ、ただで行けるような旅館、ホテルに行ってもらうという仕組みも今一生懸命やっていまして、これは、旅館とかホテル側も何がしかのプラスにもなる、そうした、災害に対して直接の支援というか、利活用で進めていくというのが一つ。  もう一つは、おっしゃったように、本業としては、風評被害はしっかりなくしていくということで、もう既にJNTOのホームページですとかSNS、交通アクセスを含めた観光地の状況について、できるだけ情報発信をしていっております。今後の推移を見ながら、観光地が本当に深刻な状況になっていってしまうような状況であれば、これはまだ仮定の話でありますけれども、これまで大きな災害のときにとったさまざまな支援策についてもしっかりと取り組んでいきたい、こう考えております。  三つ目は、もう一つ、施設自体がダメージを受けたというところも結構ありまして、そうしたところについて、なかなか私有財産の云々ということは難しいところもありますが、これも東日本大震災のときに、例えば中小企業庁のグループ補助金を使うとかそうした前例もありますので、そうしたことも踏襲しながら、私、やはり、災害が起きるたびに観光業というのは結構大変な状況だということは、本当に、私も観光立国推進本部長を党でやっておりましたので、何とかしたいという思いは強くありますので、しっかりまた御指導いただきながら、対策を講じていきたいと考えております。
  67. 古川元久

    ○古川(元)委員 これも、前向きに考えていただくのはありがたいんですけれども、さっき申し上げたんですけれども、今がシーズンなので、十二月とかなんかになってやりますよとか言っても、もう本当に、この十一月にすぐできることというのをやはりぜひ考えていただきたいんですね。  あと、大臣がおっしゃられたところの、被災した方々に旅館とかを使っていただく、これももちろんいいことだと思うんです。  ただ、ちょっと私、三・一一のときにも、そうした旅館とかなんかを被災した皆さんに使っていただく、そういうことをやりましたけれども、その後、私がそういうところの旅館に泊まったときに、やはりそういう形だと、例えば夜のごちそうは、そんな、お客さんが来たときのようなお料理は出せないわけです。カレーライスだとかシンプルなものしか出せない。そうすると、やはり旅館の板前さんとか料理長とかも、ちゃんとしたものを出してそれで収入も上がるわけですし。  そういった意味では、もちろん被災した人たちにそういうところを使っていただくのも大事なんですけれども、それだけでいいかというと、やはり、普通にちゃんとお金を払ってくれる観光客も来ないと、なかなか、旅館とかそういうところの経営ということからすると大変ですから、ぜひそういった意味でも一日も早く、被災したところの観光支援というものを考えていただきたいと思います。  この観光支援にもつながる話なんですが、次にお伺いしたいのは、被災地の支援のための高速道路の活用なんですね。  東日本大震災の後には、被災地に行く、少し落ちついたところでありましたけれども、高速道路を無料化したりしました。これは今、私も先日聞いたら、ボランティアさん、ちゃんと事前にボランティアセンターとかに聞いて行くと、高速道路を無料で行けますということになっているようなんですが。  ただ、では、一般に、広く、そういうボランティアで行くときは高速道路は無料で使えますよということが周知徹底されているかというと、よくボランティアに行く人とか集団で行くとか、そういう場合はわかりますけれども、そうじゃない一般の人たちは、やはりなかなか知らない、知られていないんじゃないかと思うんですね。  ですから、そういったところに周知していただくということも非常に大事だと思いますけれども、それを超えて、例えば、一定期間、被災地に向かう高速道路は無料化にするとか、また、観光支援とかあるいはボランティアも、どうしても土日が多いですからね、土日だけでも無料にするとか、無料までは難しいというのであれば、あの麻生政権のときにやったような、土日には定額の非常に安いあれで行けるとか。やはりそういう、高速道路をこの機会に活用して被災地を支援していくということも考えるべきではないか。  これは別に知事に言われたわけじゃなくて私の考えでありますけれども、大臣の御見解伺いたいと思います。
  68. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 こういったことを周知徹底するということは大変重要だということは私も同じ認識でありますが、最近、ボランティアに行かれる方は、ふらっと行くというケースは、私としては少ないんじゃないかと思っていまして、被災自治体のボランティアの受入れを行っていただいている被災地の社会福祉協議会ですとかボランティアセンターに連絡をしながら計画的に行く、そうしないと受入れ側も、被災地も大変だということで、それは結構徹底されているというふうに、私はそう認識をしております。  そこのホームページにも載せていたり、そのやりとりというのは徹底していただいておりますので、随分昔よりは改善されたのではないかなと思いますし、今、全国で十二の都県において無料措置を実施しておりますけれども、こうした、該当しているところの高速道路各社のホームページにも当然この旨は記載をしているわけでございます。  しかし、だからといってそれでいいかというわけではなくて、そうしたことについて、周知徹底についてはできるだけ改善をしていくというのは当然だというふうに思っております。  以上です。
  69. 古川元久

    ○古川(元)委員 高速道路の無料化の、あるいは定額化するというところはどうですか。答弁していないんですが。
  70. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 これは、観光振興という意味でどうするかというのはちょっと考えさせていただきたいと思います。  先ほどの前向きに、早くというのと度合いが若干違うんですけれども、ここはちょっと今いろいろな、少し総合的に考えなきゃいけないところもあると思います。  ただ、ちょっと繰り返して申しわけありませんが、ボランティアですとか重機器を運ぶとか、災害にかかわることについては無料化を徹底して、利用していただけるようにということはしっかりとやっていきたいというふうに思います。
  71. 古川元久

    ○古川(元)委員 ぜひこれは、東日本大震災並みの対応がやはり必要だと思っていますので、そういう無料化とか、土日だけでも定額化とか、そういうことも考えていただきたいと思います。  次に、台風十九号のときには思ったほど風がそんなに強くなくて、電柱の倒壊での大規模停電というのは起きなかったようにも感じるんですが、台風十五号のときには電柱がたくさん倒壊して、大規模な、長期にわたる停電が起きました。今後、やっぱり、あのクラスの風が吹いて電柱が倒れる可能性というのは非常に高くなっているんじゃないか。  今の私たちの生活は、とにかく電気がないと何もできないという状況になっていますから、そういった意味では、こういう台風被害なんかによる電柱の倒壊とそれに伴う長期の停電をどう防ぐかということ、その観点から、無電柱化というのは非常に大事だと思うんですが、これはこの前も役所の方から聞いたんですけれども、進めていますと言っているんですけれども、世界の都市なんかと比べれば全く進んでいないと言っても過言ではない状況なんですね。  ですから、どうしたら無電柱化を一気に進められるか、やっぱりこれまでと次元の異なるレベルの無電柱化推進計画をつくってやっていく必要があるんじゃないかと思いますが、この点は大臣の御見解、いかがでしょうか。
  72. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 この無電柱化の話というのは結構歴史の長い話があって、かつて国交委員会で景観法というのができて、やはり電線があるということの景観がどうだということでそういう法律ができたんですが、現実には、やはり相当、費用負担をどうするのかということがボトルネックとなって進んでこなかった、そういう歴史だったと思います。  その中で、防災という意味ではこれは進めなきゃいけないということで、二〇一八年から三年間で千四百キロの目標を決めて取り組んでいこうということでございましたが、今回も、今、古川議員の御指摘のように、私も台風十五号で千葉県の各地を回りまして、本当に多くの地域で電線のところに倒木して、それに引っ張られて倒れた電柱が物すごく多くて、それが長期のまた大規模な停電につながってしまったというふうに思います。  こうしたことを避けるために、加速的に、この二〇一八年から二〇二〇年に加えて、プラスして一千キロの無電柱化を目標に掲げまして、計二千四百キロメートルの目標をとにかく着実に進めていこうということを私も発表しているところでございます。  このことは電力会社、電力事業者に任せるのではなくて、お互いにコストをミニマイズしながら、また、道路事業者とか、地方も国も予算を出すスキームがありますので、加速をして取り組んでいきたいというふうに決意をしております。
  73. 古川元久

    ○古川(元)委員 共同溝はコストがかかるということはわかっていますけれども、地中に直接埋めたりとか、既にある別の地下管路の活用をするなど、いろいろ考えて、加速というのも、倍速ぐらいじゃだめで、十六倍速ぐらいにしないととてもこの状況は進捗しないと思いますので、ぜひ進めていただきたいと思います。  残りの時間で、ちょっと住宅関連、消費税の増税との絡みで御質問したいと思います。  私は、住宅産業というのは、これは本当に全て内需で、特に世界経済が不安定になってきている、保護貿易主義的な動きが強まる中では、やはり内需をどう振興するか、その中で、住宅というのは最も、これは全部内需ですから、大きな、大事な産業だと思うんですが、このところ住宅が、消費税の引上げの前から、少し着工が低迷しているんじゃないかと思うんですね。  住宅着工統計によりますと、貸し家は一年以上、持家も、八月には前年同月比プラスからマイナスに転じております。また、大手ハウスメーカーの持家受注も、五月以降、前年同月比マイナス一〇%前後で推移している、そういうふうに聞いています。  やっぱり、今後ともこういう非常にだんだんと低迷している状況が続いて、消費増税対策がとられていますけれども、消費増税対策が終了すると更に悪化する危険性があるんじゃないか、そういうふうに懸念していますが、大臣、今後の住宅着工について、今後の見通しをどう見ているのか。そして、そういう低迷する場合にはもっとてこ入れするとか、そういうことが必要じゃないかと思いますが、どのように考えているのでしょうか。
  74. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 住宅産業が栄えるということは、裾野も広いので、まさに内需の効果が高いというのは古川議員御指摘のとおりですし、私もそう思っております。  ただ、一方では、少子高齢化、人口減少化が進む中で、なかなか、新規住宅の着工を以前のような勢いで維持していくというのが難しい環境にあるということもよく御理解いただけるというふうに思っております。  今回、消費税が上がるときに、前回上げたときに駆け込み増と反動減が大変厳しくて、反動減が相当長引いたということを、やはり何とか回避しなければいけないということで、よく御承知だと思いますが、住宅ローン減税を三年延長したりとか、すまい給付金を拡充したりとか、また、次世代の住宅についてのポイント制度というものを用意したりとか、住宅メーカーの営業マンも、十月以降でもお得ですよみたいなことを一生懸命やっていただいて、その結果、駆け込みは余りなかったと思いますし、今後、反動減がどうかというのはもう少ししっかりと見ていきたいというふうに思っております。  大変重要なことなので、御指摘のとおりしっかりと注視をしていくということと同時に、私、これは持論なんですけれども、新規着工だけではなくて既存住宅を、良質な住宅をつくって既存住宅の市場を活性化するですとか、リフォームとかということも、市場活性化なんかも含めて、新規着工だけに焦点を当てるのではなくて、そうした住宅政策を少し広めていって取り組んでいくことも必要なのかなというふうには思っております。  そうしたことも今、今というかこれまでも住宅局を中心に一生懸命チャレンジしていただいていると思いますので、そうしたことを踏まえながら、結論的に言うと、住宅が停滞するとこれは本当に日本の経済全体に大変大きな影響があるということは承知でございますので、しっかりと、また御指導いただきながら取り組んでいきたい、こう思っております。
  75. 古川元久

    ○古川(元)委員 住宅は、これはもちろん、大臣おっしゃるように、人口減少の時代の中で新規はなかなか難しい、空き家の問題が多く出ていると思うんですけれども、私は、日本は、衣食住という人間の生活の基本のニーズでいうと、衣と食は満ち足りていると言えると思うんですが、住環境はお世辞にも、先進国の中で見ても、誇れるものかというと、かつてはウサギ小屋と言われたような、やはり決して住環境がいいとは言えないわけでありますね。当時、何てそういうことで言われたかといったら、それでも仕方ないと言われた、こんな狭い国土に一億人以上の人がいるんだからと。  でも、今問題になっているのは、急速に人口減少して空き家がある、であれば、逆に、人口減少で空き家があるんだったら、むしろもっとスペースをとって、私、実は大臣のときに、国家戦略担当大臣のときに、内需拡大、デフレ脱却の一つの方策として、居住面積を倍増する、そうした形で、住宅をてこにして、そしてお金を回していくようにする、そういうことを考えたらどうかということを事務方に言ったんですけれども、居住面積倍増計画なんと言うと大風呂敷だと言われて、最終的には、広くてエコで長もちする住宅を推進するという、ちょっと小さくまとまっちゃったんですけれども。  改めて、私はもう一度、住環境をよくしていくということが、人口減少時代に今日本が直面している課題を逆にてこにして、人間の最低限のニーズである衣食住の暮らしをよくしていく、そういう原動力になるんじゃないかとずっと思っているんです。ですから、そういった意味では、ぜひ住宅に力を入れていただきたいというふうに思います。  その上で、もう一つ消費税絡みで言いますと、さっき大臣が言われた、幾つかの消費増税対策がとられていますけれども、本当にこれがちゃんと周知徹底されているか。これは期限とかもあるんですよ。  住宅展示場とかへ行って関心があって見ている人とかなんかは、聞いて、ああ、そうかとなるんですけれども、そうじゃない人、住宅展示場まで行かない人、そういう人たちが、今住宅をつくるといいねというふうに、ちゃんとこの対策周知徹底されているかというと、必ずしもやはりそうじゃないんじゃないか。ですから、もっとやはり周知をしなきゃいけないし、特に、こういう住宅支援制度の存在とかは期限があるわけですね。  新しく今回できた次世代住宅ポイント制度、どうも聞いてみますと、余りまだ利用されていない、予算もかなり余っているような状況みたいなんですけれども、適用されるためには、来年の三月末まで、年度内に着工が必要なんですね。しかし、年度内に着工してもらおうと思うと、普通、請負契約の締結から工事着工までには大体三カ月程度を要すると言われていますから、この年内か、あるいは遅くとも来年初めまでに契約締結をしていないと、結局、使おうと思ったのに次世代住宅ポイントが使えないということになるわけでありますから。  とにかく、こういうものを使ってもらうためには、早く契約を急いでください、期限がありますよということをもう一回政府がしっかり周知徹底するということがやはり必要じゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
  76. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 ポイント制度については、どちらかというと業界からぜひということの要望があって導入したという側面もあるんですね。  ただ、振り返ると、住宅というのは、ふらっと、急に買うという人は余りいなくて、やはり、展示場に見に行ったりとか、営業マンとちょっといろいろ話して、そこでしっかり徹底すればいいという、そういう嫌いがあったんじゃないかというふうに思っておりまして、この十月以降も、今御指摘のとおりなんですが、ラジオのCMですとか新聞の突き出し広告とかウエブ広告とか、多様なメディアでやっていこうというふうに心がけております。せっかくできた制度ですから、無駄にならないようにというふうに思っています。  加えて、住宅政策、私は、古川議員、そうだったんですけれども、私なんかは党内で、二拠点居住ということを進めていくべきだとか、週末だけ地元に帰るとか若しくはそういったこと、なぜ貧困な住宅状況かというと、これはやはり首都圏に集中しているがゆえということもあるので、首都圏に住まなくても十分豊かな生活ができるというような志向性も必要なのではないかというふうな提案をしてまいりました。  ただ、二拠点居住というと、何か金持ち優遇政策だみたいに言われて、なかなか公明党では日の目を浴びていませんけれども、私は、そういったことも必要なのではないか、人口が少なくなっていくので、やはりそういうことも考えていかなければいけないんじゃないかというふうに思っております。ちょっと蛇足ですけれども。
  77. 古川元久

    ○古川(元)委員 ありがとうございました。  時間が来ましたのでやめますけれども、私も大臣のときに居住面積倍増と言ったら、それは金持ち優遇だと言われるといって、事務方から言うなというふうに言われましたけれども。  やはりそこは、本当に住まい、暮らしというのは、被災した皆さん方もそうですけれども、一番の暮らしの基礎です。ですから、その住まいをどういかにきちんと確保して、そしてよりいい住環境をつくるかということは極めて大事なことだと思いますので、またこれからもいろいろ議論させていただきたいと思います。  どうもありがとうございました。
  78. 土井亨

    土井委員長 次に、谷田川元君。
  79. 谷田川元

    谷田川委員 野党統一会派、立国社の谷田川元です。どうぞよろしくお願いいたします。  まず、さきの台風そして大雨で亡くなられた方々に心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された方に謹んでお見舞い申し上げます。  私の地元は千葉県なんです。わずか五十日足らずの間に三回も大きな被害を受けました。恐らくは千葉県始まって以来のことだと思うんですね。  最近は、気象災害激甚化頻発化の背景には地球温暖化の進行があるということが、多くの方がおっしゃっています。  そこで、まず大臣大臣は気象庁を管轄していらっしゃいます。その観点から、やはり地球温暖化を食いとめる方策を積極的にとるべきと思いますが、大臣見解伺います。     〔委員長退席、工藤委員長代理着席〕
  80. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 きょうの委員会でも何回か同じような答弁をさせていただいておりますが、近年の激甚災害の現場、現状を分析すれば、今委員指摘のように、気候変動による地球温暖化による影響が大変強くて、災害激甚化頻発化、そして、それをもたらせる被害甚大化ということは、もう認めざるを得ないというふうに思っております。  気象庁はそうしたことを分析をしながら、その対策をとるのは国土交通省全体でとっていかなければいけないと思いますので、これまでと比べて雨の降り方も随分違っておりますし、先ほど御質問者からも出ました、平均気温が二度上がることによってどれだけ降水量がふえるのかというような分析もされますし、また、風の吹き方も、先ほど古川さんから出ましたが、電柱が倒れるのも、風速四十メートルの耐久でつくっているのが、五十メーター、六十メーターみたいな話だとなかなかもたないというようなことも現実に起こっておりますので、そうしたことを踏まえた形で抜本的な防災減災対策というのはとらなければいけないし、具体的に着手をしたい、こう思っております。
  81. 谷田川元

    谷田川委員 台風十九号の襲来に対しては、気象庁は、狩野川台風に相当する台風との表現を用いました。狩野川台風は、昭和三十三年九月に伊豆半島や関東地方に大きな被害をもたらされた台風なんですけれども、今回の十九号台風は、結果として長野県や東北地方に大きな被害を出してしまいました。  狩野川台風という表現でなくてもっと適切な表現はなかったか、これは検証すべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
  82. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 検証することは不断の努力としてやらなければいけないと思いますが、私は、この狩野川台風並みというようなことを言われたときに、狩野川台風とは何かなと調べまして、昭和三十三年という私の生まれた年にこんな巨大な災害があったんだなということでありまして、私はあれで狩野川台風というのは何ぞやと調べて、相当大きな台風が来るんだろうなということの、そういう意味での効果というのはあったのではないかなと。  ただ、場所がどうのこうのということは、それは御意見として承りたいと思いますが、私個人の受けとめ方は、狩野川台風ということで、相当従来型とは違う台風が来たのではないかなというふうに思っておりますが、いろいろな受けとめ方をされた方もいらっしゃると思いますし、地域によっても違うと思いますので、しっかりと総括はしたいと思います。
  83. 谷田川元

    谷田川委員 今回の台風大雨に関して、気象台と河川事務所、あるいは自治体役割分担について、明確な基準に従って行動していたか、しっかり検証すべき事例が多々あると思うんですが、その辺、大臣見解伺いたいと思います。
  84. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 原則論というのはちゃんとあるんです。例えば、河川事務所、それぞれの河川事務所は気象台と共同で氾濫危険情報などの洪水予報を発表する、それをもとに各地方自治体、市町村が避難勧告を発令する、そういう仕組みなんですが、さまざまな中で、例えば茨城県の那珂川では、氾濫情報のレベルファイブのところだけ、真夜中だったんですけれども、それはちょっと通達することができなかったという失態がございまして、これは私も謝罪して、現地に行っても謝罪したところでございます。  あとは、さまざまなことがあるんですけれども、今回の反省点として、例えば、国交省のホームページで「川の防災情報」というものを出しているんですけれども、相当アクセスが多くてちょっとダウンをしまして、十二、三時間ダウンしたかと思います。このことについては、その日の夕方五時ぐらいには、NHKとヤフーは同じ情報を、こちらから情報を提供しておりますので、国交省のホームページにアクセスできない方はということで誘導もさせていただきましたが、こうしたことがないようにというようなこともやっていきたいとか。  あと、被災自治体の市町村等があらかじめ取りまとめていて、こうしたものは発表しなくていいというようなこともあったんですけれども、結果として、そうしたことはもう少し、そういう取決めではなくて、未然に、ちゃんと発表できるようなことがあった方がいいんじゃないかとか、さまざまな混乱があったことは御指摘のとおりでありますので、こうしたことはいま一度しっかりと総括をして、来るべきときに混乱が起きないような情報共有体制、また発表体制をしていきたい、こう考えております。
  85. 谷田川元

    谷田川委員 私の地元は利根川に面しているんですけれども、残念ながら、銚子市、十九号台風に関して、利根川の堤防がないところから氾濫してしまいました。  実は、八年前の東日本大震災でも利根川の堤防のない場所で浸水被害がありまして、今回、銚子市では、床上浸水二十三軒、床下浸水六十九軒もの被害を出してしまいました。  早急に予算確保して築堤をすべきだと思いますが、大臣見解伺います。     〔工藤委員長代理退席、委員長着席〕
  86. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 銚子市内の利根川のところ、御指摘のところは、工事自体は平成十七年から着手をしながら、平成二十五年の五月に千葉県が利根川の河川整備計画をつくられまして、そうした意見の中で、銚子漁港より上流において堤防整備することになってきております。  ただ、地元との調整とかが結構手間取っていまして、なかなか、多分先生言われるようなスピードで進んでいないのではないかというふうに思いますので、しっかり千葉県とも連携をとりながら、御懸念がないようなことを精いっぱいやっていきたい、こう思っております。
  87. 谷田川元

    谷田川委員 前向きな答弁、ありがとうございました。  それでは次に、圏央道について伺います。  圏央道、皆さんもう御存じのとおり、都心から約四十キロから六十キロを環状に連絡する全長三百キロの道路なんですけれども、残念ながら、大栄―横芝間、十八キロあるんですけれども、これはほとんど私の選挙区なんですよ、この路線だけ完成していないんです。  ここが開通しないのは、民主党政権下、圏央道の予算を減らしたからだというデマといいますか、最近のはやりの言葉で言えばフェークニュースが流されています。  確かに、民主党政権下、道路予算は減らしましたよ。だけれども、BバイC、すなわち費用効果が一ない道路はつくらない、しかし、必要な道路はできるだけ早く完成させる、そういう方針のもと、前原大臣が陣頭指揮をとってやったんですね。  ですから、圏央道に関しては、私は地元選出国会議員として、必要な道路ですから、予算獲得に懸命に動きまして、必要な予算確保できたと私は自負しております。  そこで、大臣伺いたいんですが、民主党政権下の予算編成で、少なくとも圏央道の千葉県区間の予算が減らされたという事実はないことを確認したいと思いますが、いかがでしょうか。
  88. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 まず、圏央道の、今言われた大栄ジャンクションから松尾横芝インターチェンジがおくれているということの原因は、そもそも都市計画決定が大変おくれたということなんです。  東京都の区間ですと平成九年とか、埼玉は平成八年とか、茨城県は平成七年の中で、さまざまな地元の調整があったと想像しますが、千葉県の区間は平成二十年一月に決定をされたということで、着手できたのが、平成二十年四月から新規事業化されたということでございますので、そうしたことが理由だということでございます。
  89. 谷田川元

    谷田川委員 民主党政権下で予算が減らされている事実はないですかと聞いたので、イエスかノーかでお答えください。
  90. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 私が申し上げたかったのは、そもそもこの区間は、公共事業の着手、まあ計画化がされていなかったので、全体の予算が減ったこととは直接は影響はないと。(谷田川委員「はっきりおっしゃってください」と呼ぶ)いや、はっきりと言うと、その公共事業の対象となっていなかったので、それはお答えすることはできないということです、正確に言えば。
  91. 谷田川元

    谷田川委員 わかりました。  いずれにしても、私は地元選出議員として、しっかり民主党政権がやったということだけは改めて申し上げたいと思っております。  そこで、圏央道は、平成十七年の十一月十六日に公表された目標宣言プロジェクトで、今後十年間で完成させますとはっきり宣言されているんですね。ですから、もうかなりおくれています。令和六年度に完成するということでございますけれども、前倒しするぐらいの気持ちで取り組むことを要望したいと思います。私も一生懸命協力させていただきます。  それでは、成田空港について質問いたします。  民主党政権下、前原大臣が最初の国交大臣に就任いたしました。そのときのことを今でも私は忘れません。記者会見で、羽田空港を二十四時間使える国際的なハブ空港にしていくという方針を打ち出しました。この発言を聞いて、私の地元、成田も含みますので、多くの方から、何だ、民主党政権は成田を見放すのか、そういう抗議を受けました。  私はすぐに、前原大臣に真意を確認したくて、彼の携帯に電話しまして、彼のそのときの説明は、説明不足だった、首都圏の航空需要はどんどん伸びていくので、成田への国際線を剥がしてそれを羽田に持っていくという意味では決してない、これからも成田は国際線の基幹空港という位置づけは変わらない、そうはっきり言ってくれました。  お手元の資料一に、見ていただきたいと思うんですけれども、前原大臣が、「羽田をハブ空港に」という新聞記事の、その部分ですね。もう一回読みますけれども、「成田から羽田に(便を)移すものではない。成田との路線開設や増便を望んでいる国や航空会社は多く、羽田に国際便を振り向けたとしても、成田も使わなくてはいけない」、こうはっきりおっしゃっていただいたんです。  羽田の今国際化が進んでおりますけれども、私は皆さんにぜひ共有していただきたいんです。中国のことわざ、水を飲む人は井戸を掘った人を忘れてはならない。この羽田空港の国際化、特に四本目の滑走路を建設するに当たっては、千葉県が絶大なる協力をしたんですよ。そのことをまず指摘したいと思うんです。  まず、四本目の滑走路の飛行ルート、ほとんど千葉県上空を飛ぶんですよ。その騒音問題の解決を千葉県がしっかりやってきた。それと、四本目の滑走路、埋立てが大部分、一部桟橋はありますけれども、漁業補償の問題もあった。その漁業補償も千葉県が主体的にやったんですよ。そして、あの埋立ての土砂、あれは全部千葉県から搬入されています。  この三つの協力があったからこそ、私は羽田空港の四本目の滑走路ができたという認識を持っておりますが、大臣もそう認識をお持ちかどうか、まず確認させていただきたいと思います。
  92. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 成田空港の歴史を振り返れば、さまざま地元皆様の御苦労とか御負担があったことは事実だというふうに思っております。
  93. 谷田川元

    谷田川委員 千葉県が貢献したというふうに言っていただけないんですか。
  94. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 千葉県には御貢献いただいたというふうに思っております。
  95. 谷田川元

    谷田川委員 わかりました。安心しました。  資料二を見ていただきたいんですが、羽田増枠による成田減便数まとめという一覧、これは成田空港会社につくってもらったんですが、残念ながら、羽田の国際化によって、成田から飛んでいる国際線が引き剥がされて羽田から飛ばされているという、こういう実態がやはり浮かび上がっているんですね。  これを見て、二十一便が十四便になった、あるいは十四便が七便になったというのは、私は、ある程度これは航空会社の経営の問題もありますので、ここはとやかく言うつもりはありませんけれども、ただ、七便がゼロになるということは、成田からそこの就航先がなくなるという意味なので、これは何とか存続してほしいということを、やはり国としても千葉県の意向を踏まえてやっていただきたいと思っているんですよ。  それで、資料一の下の方に、「成田空港の国際線ネットワークに関する申入書」というのがありまして、時間がないので全て読みませんけれども、とにかく、「成田のグローバルハブとしての地位が相対的に低下したとの思いが地域では根強く残っている。」そう石井国交大臣への申入書で千葉県は言っているんですね。  ですから、この辺を踏まえて、先ほど大臣は千葉県から多大な協力を得たとおっしゃっていただきましたので、そうであるならば、やはり羽田空港の国際線の就航に関しては千葉県の意向をしっかり尊重すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  96. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 私、千葉県から貢献いただいたというふうに答えました。まあ、それはどうでもいいんですけれども。  ただ、成田空港の国際線の現状、羽田空港の二十四時間ハブ空港化というのを前原当時の大臣が宣言をしていただいた中で、旅客数でいいますと、二千八百十万人から三千三百九十三万人にふえておりますし、就航便数も一日二百三十三便だったものが二百六十八便になっております。また、就航都市数が減ったところもあるというふうに、それは認めますが、九十四都市から百十五都市に拡大している。こういう意味では、私は、我が国最大の国際ネットワークを有する国際空港としての機能は発揮していただいているというふうに思っております。  ですから、インバウンドの数も、二〇〇九年当時、前原さんが、二十四時間、羽田のハブ空港化、国際化ということを言っていただいたときと、二〇一八年の訪日外国人の旅行者数を比べても、当時は六百七十九万人だったんですが、昨年は三千百十九万人ですから、五倍近くふえているので、そういう需要自体もふえているので、私は、成田空港と、もちろん、羽田空港と成田空港ともに、しっかりと国際空港として活躍していただきたいと。  やはり、トランジットの客は、随分、成田空港から利用されると思いますが、ロングの欧州空路なんかですとどうしてもやはり羽田の方が使いやすいとか、空港によっての優位性というのは、そこまでは、それぞれの航空会社を規制するというのはいかがかなと思いますが、結果として、現状は順調に、御指摘されるような状況にはないと思っておりますし、精神的に、先ほど申し上げましたように、成田空港をめぐる歴史において千葉県に対する負荷を与えてきたという事実は事実でありますので、そうした思いは大事にしながら、成田、羽田ともに我が国を代表する国際空港として支えていきたいというふうに思っております。
  97. 谷田川元

    谷田川委員 資料一は、平成二十八年二月の申入書なんですけれども、ことしの五月にも、もう何回も何回も、地元の千葉県と地元市町村の関係者大臣に対して、当時は石井国交大臣ですけれども、申入書を入れているんですよ。こういう申入れをしなくてもいいように、地域の方を安心させるような政策をとっていただきたいなということをお願いしたいと思います。  それで、成田空港の機能強化について質問させていただきます。  三番目の滑走路供用を核とする成田空港の機能強化案が、昨年三月、成田空港周辺九市町に受け入れられました。この案に最後まで難色を示していたのが横芝光町でした。滑走路の供用地でもなく、騒音だけが町に押しつけられるとの反対の声が多くの住民から出されていました。そうした中、佐藤横芝光町長は機能強化案を受け入れる決断をしたんです。  この決断は大いに評価されるべきだと思いますが、大臣見解伺います。
  98. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 平成三十年三月十三日に、横芝光町を含めた周辺九市町、千葉県、成田空港会社、国で構成される四者協議において、成田空港のさらなる機能強化に関する御了解をいただいたのは御指摘のとおりでございます。  これは関係者皆様機能強化に対する御理解、御協力があってのことであり、大変ありがたいと感謝をしております。
  99. 谷田川元

    谷田川委員 この機能強化が順調に進みますと、年間発着回数が五十万回になります。そうなると、空港内の従業員は、今現在大体四万人と言われているんですが、それが七万人になると言われているんですね。そこで、横芝光町としては、町中心部から空港までのアクセス道路の建設を熱望しているんです。  そこで、国としてもやはり横芝光町の構想の実現に向けて積極的に協力すべきと思いますが、いかがでしょうか。
  100. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 地元からの御要望に対しては前向きにちゃんと検討したいと思いますが、さっきの四者協議会で、成田空港周辺の地域づくりに関する基本プランが策定されて、これから個別事業の実施プランというものがつくられると思いますが、そこにぜひ今の御要望、道路整備について書いていただくということが大事なんじゃないかと。やはり、そこがあってこその地元からの要望だというふうなことになると思いますので、それはぜひお願いしたいと思います。
  101. 谷田川元

    谷田川委員 非常に真摯に答えていただきまして、ありがとうございます。  成田空港の印象として、やはり、都心に住んでいる人は、遠い、アクセスが悪い、これに尽きちゃうんですね。  そこで、もう民主党政権時代から、成田空港と羽田空港を五十分台で結ぶいわゆる都心直結線の構想が検討されています。ずっと予算がついているようなんですが、目に見える形で前進していないんですよ。この原因は何ですか、大臣
  102. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 今言われた都心直結線につきましては、平成二十八年四月に取りまとめられました交通政策審議会の答申にありますように、成田空港及び羽田空港と国際競争力強化の拠点である都心や都区部東部の観光拠点のアクセス利便性の向上などに意義がある、そういう認識には立っております。  また一方、同答申においては、事業計画を精査した上で事業性の見きわめが行われること、これは採算に合うのかどうかということだと思いますが、に加えまして、関係地方公共団体鉄道事業者等において、事業主体や事業スキーム等について十分な検討が行われることが必要とも指摘されているわけでございます。  国交省としまして、これまで地盤調査ですとか施工方法、概算事業費等に関する調査は進めておりますけれども、一番肝心なことは、現時点で、本事業を具体的に進める事業主体が存在しない、いろいろ、京成とかいろいろなことも働きかけておりますが、なかなか採算性に合わないんじゃないかということで、現状、具体的な事業が進捗していない状況にあると認識をしております。
  103. 谷田川元

    谷田川委員 ありがとうございます。  問題点が浮き彫りになったと思っています。ありがとうございます。  成田高速鉄道の土屋駅設置について質問したいと思います。  成田市には年間一千万人以上訪れる施設が三つあるんですね。成田空港、成田山新勝寺、そして何とイオン成田モールなんですよ。イオンモール、地先が土屋なんですけれども、成田市土屋なんですが、ここに新駅が設置されることを成田市は望んでおります。  土屋地区の住民の方は、これは国が今から四十年以上前に約束したことだって証言する人もいるんです。私、元運輸省の幹部の方にも聞いたら、やっぱり地元との約束があったと推定できる、そう証言されていらっしゃいます。  なぜそういう約束をしたかというと、昭和五十三年に成田空港が開港したときは、まだ千葉港からのパイプラインが完成していなかったんです。それで、鹿島港から佐原とかずっと成田線を通って、土屋駅に拠点があって、そこから燃料輸送をやったという事実がございます、約五年間。あのときは、過激派の反対で、燃料輸送をやったら爆破するぞと脅されたんですね。それに対して住民が、何とか成田空港に協力しようということで、それは結局協力することになって、じゃその見返りということで土屋駅をつくりましょうとなったらしいんですね。  これは、紙に残っておりませんので、言った言わないになっちゃいますのでなかなか難しい話ですが、ただ、国が約束したということを言っている人もいるので、やはり成田市が要望しているのであれば、国としても土屋駅設置を応援すべきだと思いますが、大臣いかがでしょうか。
  104. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 ちょっと、過去のことなので、どれほど確かなのかわからないんですけれども、新線ができるまでは土屋駅をつくっていただきたいという、要望の中にもあったようであります、五十二年の二月十日に成田市より提出された要望の中にもあると。  ただ、それが現状どれだけ強い御要望があるかというと、余りそう認識をされておりません。ですから、国がということは、ちょっと先ほどの話とも似ているかもしれませんが、地元からこうしたことをしっかり要望を上げていただいて、それに対して我々が検討するというのがやっぱり道筋なのではないかというふうに思います。
  105. 谷田川元

    谷田川委員 今の大臣の答弁をしっかり成田市長に伝えます。  最後に、大臣、国交大臣としてではなくて、公明党から出ている閣僚という立場で質問をさせていただきます。  自公連立政権ができてもう二十年がたったという話でございます。政治学者に言わせますと、自民党と公明党のような政党、政策が余りにも違うのにこれだけ連立政権が続いているというのは珍しい、なかなか欧米の政治学者に説明するのは難しい、そういう話を聞きました。  それはそれで、やっぱりお互いの信頼関係でやってこられたと思うんですけれども、最近、特にこの間の参議院選挙の直前から、衆参ダブル選挙をやるべきだという解散風が吹きました。そのときは、公明党の方々が解散に反対であると強く主張したので、安倍総理は、衆参ダブル選挙を検討していたことはテレビの報道等で認めていましたけれども、結局やらなかった。やはり公明党の方々が反対したということは、大きな要素の一つと私は思っているんです。  よく閣僚の方々が衆議院の解散は総理の専権事項であるとおっしゃいますけれども、しかし、私、憲法も法律もよく見ましたけれども、決して専権事項と直接的に読める表現は全くないんですよ。  国会図書館に調べてもらいましたら、昭和五十四年に初めて国会の議事録で総理の専権事項という言葉を使った方がいたそうです。その前までは、内閣の専権事項といったそうなんですね。内閣の専権事項。つまり、憲法七条というのは、内閣の助言と承認により衆議院の解散を行うということになるんですね、天皇が国事行為として、それを国民のために行う。  ですから、閣議決定というのは全会一致ですから、もし、例えば憲法改正を争点にして衆議院解散を行う、これについては公明党の方が反対だということを私は新聞記事で拝見しました。大義なき解散のときは、やはり堂々と、公明党の方々は、安倍総理に対して反対だと言うべきだと私は思うんです。  過去のことをずっと調べてもらったんですが、戦後の日本国憲法下、閣議で解散を反対して罷免された方はたった一人、島村農林水産大臣、小泉内閣の郵政解散のときですね。それ一回きりなんです。ただ、三木内閣昭和五十一年の十二月に任期満了選挙をやりましたけれども、その三カ月前に、九月の閣議で解散しようとしたんだけれども、残念ながら十五人の閣僚が反対だと言ったんですね。だけれども、三木さんはやはり十五人の首を切ることはできなかった。それで解散を断念したんですよ。  赤羽大臣、公明党を代表されて、自公連立政権の一員になられている。もう、ある意味で三木内閣のときの十五人の閣僚よりも重い立場じゃないかと私は思っています。もし赤羽大臣が反対して罷免されたら、もう自公連立政権は崩壊ですからね。  ですから、私は、大臣、ぜひ大臣は総理の専権事項という言葉は使わないで、これからは内閣の専権事項であるとおっしゃっていただきたいんですが、いかがでしょうか。
  106. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 何というか、私はこの質問に答弁する立場でもないと思います。  大義なき解散ということは何なのか、私、ちょっと理解できませんでしたし、今、最後のところでありますが、本件について、私は内閣を代表して答弁する立場にはございませんが、同じ質問を、令和元年五月二十日の衆議院決算行政監視委員会で、同じ御質問に対して菅官房長官から答弁があったと思います。そのとおり、衆議院の解散権は総理の専権事項であるというのは、内閣総理大臣が、内閣を構成する国務大臣の任免権を有し、内閣を代表するものであることなども踏まえ、内閣における実態を述べたものであると承知しております、こう答弁したとおりだというふうに私は思います。  以上です。
  107. 谷田川元

    谷田川委員 公明党の存在感を発揮するために踏み込んだ答弁を期待したんですが、立場上、やむを得ないと思います。  ただ、やはり、大義なき解散、国民のためになる解散はいいと思うんですよ、今やれば勝てるという恣意的な解散は考えられない、そう菅官房長官がずっとおっしゃり続けておりますので、とにかく恣意的な解散はしないということを大原則にしていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  108. 土井亨

    土井委員長 次に、道下大樹君。
  109. 道下大樹

    ○道下委員 立国社の道下大樹でございます。  きょうは、御質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。  まず、被災した鉄道に対する支援について伺います。  冒頭、今般の台風災害によりまして多くの方々が亡くなられました。心より哀悼の誠をささげますとともに、被害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げたいというふうに存じます。  まず、先ほど古川議員もお話がありましたけれども、鉄道が各地で被害に遭っております。きのうの時点での資料によりますと、運転見合せ六事業者、十二路線ということでございます。この中では、年内に復旧するところもあれば、これは一カ月、二カ月、いや、それ以上かかるというような被害に遭っているところもあるわけであります。  そこで、古川議員から、被害を受けている鉄道復旧するまでの間に代替バスが運行されているということでありまして、三陸鉄道も、ついこの前再開したばかりにもかかわらず被害に遭った。それで、報道によりますと、代替バスにかかる経費が一日当たり九十万円ということでございます。これも、いつまでかかるかわからないということであります。  こうした代替バス等への補助制度、支援制度が今現状あるのかどうか、端的に伺いたいと思います。
  110. 瓦林康人

    瓦林政府参考人 お答え申し上げます。  台風十九号では岩手県の三陸鉄道など地方鉄道被災しまして、この中には運行再開まで長期間を要すると見られる路線がございます。これらの路線におきまして、生活交通を確保するため、各地方鉄道が委託する形でバスによる代替輸送が行われておりますが、経営環境が厳しい地方鉄道事業者にとりまして、災害復旧費用に加え、代替輸送の長期化に伴う運行費用の負担が拡大すれば、今後の事業運営上の大きな重荷になるものと認識しております。  このため、これらの地方鉄道復旧後に円滑に運行継続できますよう、長期にわたって運行する代替運行バスについて、運行費用に対して国が一定の支援を行うことができないか、しっかり検討してまいりたいと考えております。
  111. 道下大樹

    ○道下委員 激甚災害に指定されて、国から自治体に交付金がおりてくる、それらの使途は決められていないということでございます。もしかしたらそういったものの中で、若しくは、別にそういう代替バスへの支援というものも含めるべきかというふうに思いますし、この後の質問でありますけれども、鉄道軌道整備法、これは昨年改正されました、この中にそうした支援というものを枠として用意してもいいのではないかなというふうに思います。  また、今回被害を受けたところが、今、被害額を、詳細を調査中だというふうに思いますが、新聞報道によりますと、阿武隈急行においては東日本大震災の四億三千万円を超える見通しであり、年間の鉄道収入、この阿武隈急行は六億八千万円規模ということで、深刻な被害となっているわけであります。  それで、昨年改正された鉄道軌道整備法では、赤字鉄道会社に限定されていたものを、これをまた枠を拡大したわけでありますが、しかしながら、復旧費用被災を受けた路線の年間収入以上であることという条件があるわけであります。  例えば、阿武隈急行では、年間収入が六億八千万円でありますが、今のところ被害額は四億三千万、東日本大震災被害額を超えるという見通しでありますが、六億八千万円を超えないと鉄道軌道整備法による国からの補助が受けられないという状況であります。また、補助を受けたとしても、原則四分の一でございます。  私は、五十年、百年に一度と言われている台風災害が、もう毎年のように、しかも年に何回も来るに当たって、これからますます鉄道に対する被害というものが多発するのではないかなというふうに思います。そういった意味で、この補助割合の引上げ、さらには、この補助をするに当たっての対象の枠の拡大等を検討すべきではないかなというふうに思うんですが、大臣見解伺います。
  112. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 まず、鉄道軌道整備法についてでありますが、これは、法律ができて、また昨年、議員立法によって、今お話があったとおり、鉄道事業者が黒字であっても一定の要件を満たす路線については支援できるように法改正が行われたというのが成立したばかりでございまして、そこの審議の中でさまざまな議論があったかと思います。  ですから、その議論があって、改正された法律が施行されるのは、まだできたてほやほやの法律ですから、これについては、ここを直接的に、すぐ手を加えるというのはちょっとどうなのかなと。  ただ、私は、それとは別に、先ほど古川さんの答弁でもお答えしましたが、大体、ローカル線の場合、高校生の通学とか高齢者の通院のことが多いので、そういうところは経営状況が大変厳しいローカル線が多いものですから、そこについては、今まで国の支援ということはありませんでしたので、今回しっかりと取り組まなければいけないということを考えています。  今、事務方が答えたことと同じで、省を挙げてしっかりと具体化していこうと考えておりますので、それをもって答弁とさせていただければと思います。
  113. 道下大樹

    ○道下委員 ぜひともよろしくお願いいたします。  それでは次に、タクシー運賃改定とライドシェアについて伺いたいと思います。  この委員会でも先ほど御質問と御答弁がありましたが、私からも改めて深掘りをさせていただきたいと思います。  きょう皆様に、御許可いただきまして、資料を配らせていただきました。  今回の十月一日の消費税率引上げに伴いまして、タクシー事業者が、昨年六月から本年七月までの間、実質運賃改定の申請を、全国九十九ブロックのうち四十八ものブロックで順次申請が行われて、各地方運輸局において、この同時実施が可能かどうかについて検討を進めてきたということです。  しかしながら、ここに書いてありますとおり、複数関係省庁から、消費税率引上げとの実質運賃改定同時実施についてはより丁寧な検討が必要との意見が出て、結局は、八月三十日における各運輸局における公示では、消費税率引上げの転嫁分二%のみの改定となってしまったわけであります。  私は、タクシー利用者として、もちろんタクシー安心、安全、そして安い方がいいと思いますけれども、しかしながら、このタクシーを運行する事業者の経営、そしてそこで働く運転手の方々の給与、そして生活ということをしっかりと見きわめた上で、適正な運賃でなければならないと考えております。  そういった意味で、今回の運賃改定、これは、国交省のみならず、他の省庁も巻き込んでこういった結果になってしまったことは、私は非常に残念でございます。  質問をさせていただきますけれども、今回もし実質運賃が改定されていれば、営業区域の中で、最長で何年ぶりに実質運賃改定だったというところがあるのか、伺いたいと思います。
  114. 一見勝之

    一見政府参考人 お答え申し上げます。  現在、実質運賃改定を申請しております四十八の運賃ブロックのうち、大阪地区、京都北部地区、高知県郡部地区、長崎B地区、宮崎地区、鹿児島B地区の六ブロックにおきましては、前回実質運賃改定が平成七年度でございますので、約二十四年間実質運賃改定が行われていないということになります。
  115. 道下大樹

    ○道下委員 今回の運賃改定申請は昨年六月から順次申請があったということでありますが、二十四年前から昨年の六月まで、一切何もなかったわけではないのは御存じだというふうに思います。それまで、それぞれのブロックで実質運賃改定の申請を検討し、申請をして、しかしながら、条件である、例えば七割を超える事業者からは申請がなかったからできなかったとか、各運輸局や国土交通省との相談の上において、もう少し待ってくれ、もう少し待ってくれということで申請を控えていたところも幾つもあるわけであります。  そして、今ありました大阪等では二十四年ぶりの運賃改定申請だったということがありますが、二十四年前の最低賃金を調べてみました。一九九五年でありますけれども、全国加重平均で六百十一円です。二〇一九年十月に最低賃金がまた引き上げられましたけれども、九百一円です。計算してみると、二十四年で二百九十円の最低賃金がアップしたわけです。二百九十円も最低賃金が上がっているにもかかわらず、大阪などではタクシーの運賃が変わっていない。  私の選挙区であります札幌でありましたら、もし今回運賃が改定されれば十二年ぶりでした。十二年前の最低賃金が六百八十七円。比べると、二百十四円も十二年間で上がっているんです。しかし運賃は変わっていない。  もちろん幅運賃がありますから、その中でいろいろと事業者は工夫されておりますけれども、しかしながら、国土交通省として、これらの実質運賃改定をここまでとめてきたと言わざるを得ません。  そうしたように、最低賃金がどんどんどんどん上がってきている状況や、運転手不足です、ドライバー確保のために賃上げをして、人件費が本当に上がってきています。また、ユニバーサルデザインの新型車両の更新、また、現在では、カード決済やアプリ対応など、タクシー車両にかかるコストもここ数年で大幅に上がっているわけであります。  国交省として、この実質運賃改定の必要性についてはどのように認識しているのか、伺いたいと思います。
  116. 一見勝之

    一見政府参考人 タクシー事業者におきましては、委員指摘のように、賃金アップなど、働き方改革の実現に向けた取組や、あるいは、配車アプリ導入キャッシュレス対応など、タクシーの進化に向けた取組が進められております。各事業者におきまして、こうした取組のための原資が必要となるというふうに私ども考えております。  これを背景としまして、今般、全国の約半数を占めます四十八地域において、地域の法人タクシー車両数の七割を超える運賃改定の申請、これがなされたものと考えております。
  117. 道下大樹

    ○道下委員 全国で半分のブロック、そしてそれぞれが七割以上の申請でございますので、それだけ重要性は十分に認識されていたということで、私は、今うなずいていただいていますので、そういうことだというふうに受けとめさせていただきました。  しかしながら、なぜそれができなかったのかということにちょっと話を移させていただきたいと思います。  皆様にお配りしたその一ページ目の資料でも、ここにありますとおり、「複数関係省庁からの意見」ということで、「物価問題に関する関係閣僚会議に当たって、消費者庁から関係省庁に対し、実質改定について予め情報提供したところ、複数関係省庁から、消費税率引上げとの同時実施について、より丁寧な検討が必要との意見が出た。」ということであります。  まず、この物価問題に関する関係閣僚会議ということについて伺いたいと思いますが、これはどのような形態で会議が開催されたのか、つまり、関係する閣僚が一堂に会して、話し合って、議論して決めたのか、それとも、それぞれの判こを持ち回りでぱっぱっぱっぱっともらう持ち回り会議だったのか、端的にお答えください。消費者庁、お願いします。
  118. 高島竜祐

    高島政府参考人 お答えを申し上げます。  今回の東京都特別区のタクシー運賃の改定は、物価問題に関する関係閣僚会議に付議する案件とされております。その件につきましては、八月の三十日までに、持ち回りで各大臣の決裁を得て、了承されたところでございます。
  119. 道下大樹

    ○道下委員 資料の二枚目をごらんいただきたいと思います。運賃改定地域においては、先ほど、関係閣僚会議の対象、持ち回りで行われたということでありますが、この四十八ブロックにはそこが入っておりません。  では、それ以外のことについて、実は、三枚目をごらんいただきたいと思います、「事務連絡 令和元年八月三十日 国土交通省 物価担当官会議ご担当者様」ということで、消費者庁参事官(調査・物価等担当)という名前で、「札幌市等に係るタクシー運賃改定については、本日開催の物価問題に関する関係閣僚会議の決裁過程の中で、関係省庁から各大臣の了解を得たものとして別添のとおり意見がありましたので送付させて頂きます。」ということで、次のページ、消費者庁からは「(意見)」、そして経済産業省からは「タクシーの上限運賃の改定について」という意見、そして内閣府からは「地方におけるタクシー料金の改定について」とありました。つまり、関係閣僚会議とは関係ないんですね。  なぜこういう意見書が出たのか、消費者庁に答弁を求めます。
  120. 高島竜祐

    高島政府参考人 お答えを申し上げます。  公共料金に関しては、所管省庁がその変更等の認可をするに当たりまして、一般消費者への影響を十分に考慮すべく、重要なものによって、物価問題に関する関係閣僚会議に付議するものと、所管省庁から消費者庁が協議を受けるものとがございます。  今回のタクシー運賃の改定につきましては、特に人口の多い東京都特別区の地域に係るタクシー運賃改定は、これは物価問題に関する関係閣僚会議に付議する案件でございますけれども、そのほか、人口五十万人以上の都市に係るタクシー運賃改定は、これは私ども消費者庁と協議をしていただく案件ということになってございます。
  121. 道下大樹

    ○道下委員 消費者庁と付議する案件というのは、じゃ、四十八ブロック中、何ブロックでしょうか。
  122. 高島竜祐

    高島政府参考人 お答え申し上げます。  十二の地区がそれに該当いたします。
  123. 道下大樹

    ○道下委員 四十八のうち十二のみが消費者庁の協議案件で、それ以外は、これは簡単に申し上げると、国交省だけで決められる運賃改定のブロックであります。  それから、それぞれの、消費者庁、内閣府、経産省の文書には、より丁寧な検討が必要と思料するというふうに書かれておりますが、これは具体的にどういう意味なのでしょうか。何をもって、どのような調査データ等をもとに今回の意見を出したのか、内閣府と消費者庁に伺います。そして、これには法的拘束力があるのか、消費者庁に伺います。
  124. 黒田岳士

    黒田政府参考人 お答え申し上げます。  御指摘の意見は、本年八月二十三日の物価担当官会議の後に消費者庁から追加的に提供されました、消費税率引上げ以外の要因を含む札幌市などの十二の地区の上限運賃改定率のデータを受けて提出したものでございます。  その意見の趣旨は、内閣府もメンバーとなっております物価担当官会議の申合せ、「消費税率引上げに伴う公共料金等の改定について」におきまして、この内容が、消費税率引上げに伴う税負担の転嫁とあわせて、税負担以外の費用の変化等による公共料金等の改定の申請がなされる場合には、個別案件ごとに厳正に対処する、また、利用者等の十分な理解が得られるように努めるということとされていることを踏まえまして、これと整合的に国土交通省において検討が行われたかを確認するため提出したものでございます。  なお、提出したものはあくまで意見でございまして、国土交通省に何らかの対応を法的に義務づけるものではございません。
  125. 高島竜祐

    高島政府参考人 お答えを申し上げます。  平成二十五年八月に策定いたしました物価担当官会議申合せにおきまして、公共料金が国民生活に大きな影響を及ぼすことに鑑みまして、また、消費税率引上げに伴う税負担の転嫁とあわせて、税負担以外の費用の変化などによる公共料金の改定申請がなされる場合には、個別案件ごとに厳正に対処することとされております。  国土交通省から事務的に、人口五十万人以上の都市に係るタクシー運賃の改定率などのデータをいただいておりますけれども、ただいま申し上げた申合せの趣旨を踏まえまして、タクシー運賃改定の時期につきまして、「消費税率引き上げと同時に行うと消費者への負担が大きいことを踏まえ、より丁寧な検討が必要と考える。」という意見を注意喚起というような意味合いで出したところでございます。  この意見は拘束力を持つものではございませんけれども、国交省におかれまして総合的に検討された上で、継続審査という判断がなされたものと理解しております。
  126. 道下大樹

    ○道下委員 消費者庁に伺います。  国交省から出されたデータというものは、全て内容を精査して、確認して、そして事務方から何か疑問点があったらいろいろやりとりして、そして、この実質運賃改定の申請が何年もかかって、それぞれの地域、ブロックにおいて消費者団体も了解の上で、この実質運賃の申請をそれぞれのブロックで行っているということまでわかった上でこの意見を出したんですか。
  127. 高島竜祐

    高島政府参考人 お答えを申し上げます。  国交省からは、七月末から八月にかけまして本件についてのデータ等を順次いただいていたところでございまして、現在は、そのデータの内容につきまして、ここはこういうデータですかとか、そういうやりとりをずっと事務的にしていた、そういう段階でございます。  これまでの経緯ということにつきましては、国交省からデータをいただくまでは何も存じなかったところでございます。
  128. 道下大樹

    ○道下委員 今の答弁でおわかりのとおり、国交省から出されたデータは、全てを精査して内容を確認して完了したわけではない。しかも、これまでの実質運賃の改定の申請における経緯、経過までわからない状況でこの意見書が出された。  これは、はっきり言って、不十分な検討の上この意見書が出されたということで、それが今回の実質運賃の改定に大きな影響を与えたと私は思って、これは省庁間での行政事務のやりとりとしては非常に不適切ではないかなというふうに思いますし、こうした不十分な検討の中で出された意見書をもって、国交省も総合的に判断して、実質運賃の改定は今回しなかった、継続審査にしたということは大きな問題だというふうに言わざるを得ません。  それから、今回の運賃改定においていろいろと、もちろん、消費税率引上げと同時に運賃改定することは便乗値上げだというさまざまな批判を受けるだろうと思い、タクシー事業者は、運賃を値上げするのみならず、距離を短くして初乗り運賃を下げるだとか、さまざまな工夫をしてきたわけであります。  ただ、そうした中で、初乗り運賃を変えずに距離を短くした場合、初乗り区間のみの利用であれば消費税率引上げ分の二%が事業者負担になるということ、そして経営を圧迫しているということにも今つながってしまっているわけであります。  本来であれば、それらを全てカバーするために、実質運賃の改定申請まで一年、いや、それ以上かけて、タクシー事業者、そして労働組合、消費者団体、経済団体含めて話し合ってきたということを、多くの省庁の、国交省は御理解いただいているかもしれませんが、多くの方々に御理解いただかなければならないというふうに思います。  時間も限られてきましたけれども、北海道においては、JR北海道の赤字経営の厳しい状況に鑑みて、初乗り運賃百七十円を二百円に値上げするなど、消費増税に上乗せする形で、約一・一から一・三倍の値上げが、申請どおり、物価問題に関する関係閣僚会議の持ち回り決裁で認可されました。  JR北海道が認可されて、なぜ多くの事業者が赤字経営で苦しむ北海道ブロックにおいてはタクシー運賃の値上げが認可されなかったのか、納得のいく説明国交省からお願いします。
  129. 一見勝之

    一見政府参考人 お答え申し上げます。  タクシー運賃改定につきましては、先ほど関係省庁から御答弁を申し上げたように、関係省庁の御意見を私ども自動車局にもいただきまして、より丁寧な検討が必要と考えるということでございましたので、これを踏まえまして、通常運賃改定につきましては各運輸局において審査を継続することとしたところでございます。
  130. 道下大樹

    ○道下委員 まだ局長答弁では不十分です。  そして、実質権者は各運輸局です。地域現状は消費増税して大体こういう状況だな、反動減は今のところ多くの省庁取組でないな、では早目に運賃を改定しようというふうに働きかけてください。  これからの繁忙期、特に北海道では冬に迎えます。繁忙期前に運賃の改定をしなければ、閑散期に運賃を改定しても何も意味がありません。逆に利用者の負担増につながる、負担感を沸き立てることにつながってしまいます。ぜひ一日も早い運賃改定をお願いしたい。これについては、これから大臣に御質問させていただきます。  地方の公共交通、地域の足を守るためには、タクシー事業者団体、さらには与野党それぞれのタクシー議員連盟で国交省に求められているように、速やかな実質運賃改定を認可すべきです。私は、十二月一日付の、年内の運賃改定を実施すべきと考えます。国交大臣の英断を求めます。  また、歴代国土交通大臣は、ライドシェアについて、その問題点を指摘して、極めて慎重な検討が必要との姿勢を貫いてきました。その姿勢は変えてはならないと考えますが、赤羽大臣においての見解をあわせて伺いたいと思います。
  131. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 まず、運賃問題につきましては、これまでの経緯があります。タクシー業界の皆さんの思いもよく理解をしているつもりでございますし、十一月六日の全国大会にも私も足を運ぼうと思っております。今北海道の事情もよくわかりましたので、地域事情をよく勘案しながら、しっかりと対応していきたいと思います。これが一つです。  ライドシェアにつきましても、これはかねてから申し上げていますように、私本人もそうですし、これまで、党も、国交省もそうですが、安全が第一であるということは言うまでもないことでございます。  今のライドシェアにつきましては、運行管理ですとか車両整備等について責任を負う主体を置かないまま、自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態を前提としているということは、私は認められるものではないというふうに思っております。  ただ、これまで、全国ハイヤー・タクシー業界、川鍋会長なんかには、タクシー業界として自助努力をしないとさまざまな意見が出てくると思うというようなことは、当時私も議連のメンバーでしたので、そういう御意見を申し上げました。  この間、全国ハイヤー・タクシー業界は、アプリを入れたりとか、ジャパンタクシーを用いたりとか、バリアフリー化も進めたりとかして、大変頑張っていると思いますので、そうしたことも踏まえながら、これはライドシェアを認めないということと別ですけれども、しっかりと、安全を第一にということはいささかも変わるものではございませんので、はっきりと申し上げておきたいと思います。
  132. 道下大樹

    ○道下委員 質疑終了の時間が来ましたので、最後に一言だけ。  タクシー運賃の道路運送法上の規定、皆様御承知だと思います。第九条の三の二、「国土交通大臣は、前項の認可をしようとするときは、次の基準によつて、これをしなければならない。」ということで、「能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないものであること。」三は、「他の一般旅客自動車運送事業者との間に不当な競争を引き起こすこととなるおそれがないものであること。」私は、全く適正な原価でもなく、適正な利潤を加えたものにもなっていないというのが今の運賃だと思います。さらには、他の一般旅客自動車運送事業者と逆競争になってしまう。  北海道内でも、これまで三十社のタクシー事業者が廃業になってしまいました。これから幾つももしかしたら廃業になってしまうかもしれない。地域公共交通を守る、地域の足を守るために、ぜひよろしくお願いいたします。  終わります。
  133. 土井亨

    土井委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時五十二分休憩      ――――◇―――――     午後一時開議
  134. 土井亨

    土井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。矢上雅義君。
  135. 矢上雅義

    ○矢上委員 本日、立国社を代表して質問いたします矢上雅義でございます。  このたびの台風被害に遭われました皆様方に、まずもってお見舞いの言葉をささげたいと思います。  それでは、早速質問に入らせていただきます。  今回の災害を、私もすぐ川越の方とかを見に行ったんですけれども、私ども南九州に住む人間にとって、一つ二つ思い当たるところがございます。  平成五年の八月、当時、鹿児島市内の甲突川というところが氾濫しました。これは非常に住宅密集地域氾濫して、シラス台地も崖崩れが起きまして、このときは、激特事業で五年間で緊急河川改修をやるということで、かなり苦労されたんですけれども。  当時も、錦江湾沿いで崖崩れが起きまして、山腹にありました老人ホームの方が押し流されて亡くなったり、鹿児島から宮崎に向かう電車が更に押し流されて、錦江湾に沈没するぐらいのところまでいったところに桜島のフェリーが駆けつけまして、漁船、プレジャーボート、フェリーでみんなで救出活動をして、当時の担当された運転士の方だったか警察官の方だったか、どちらかだったんですけれども、翌日心労でお亡くなりになられたようなことがございます。  それとまた、最近とは言いませんけれども、平成十八年七月、同じく鹿児島県のさつま町で、鶴田ダムというところで緊急放流を行いました。  このときも、地球温暖化の影響で局地的にゲリラ豪雨と言われたんですけれども、ダムの下流の道路の決壊、そして上流の道路も全て閉塞したり流失したりしまして、ダム管理事務所に人が近づけない状況になって、しかも、ダム管理事務所が停電しまして電気が来なくなった。それで、自家発電機を作動させたんですけれども、自家発電機が何日ももちませんので、燃料が足りなくなって、管理道路も上下流ともやられていますので、今度は燃料をどうやって運ぶかということで、かなり苦労されました。  その結果、国土交通省、鹿児島県、また流域自治体、町内会等で、地域を交えた話合いをしました。その結果、鶴田ダム再開発事業ということで、ことしの多分一月だったと思うんですけれども、二〇一九年の一月に、ダムの治水容量の増大、緊急放流口の増設、また下流の河川拡幅、しゅんせつ等含めて、かなりの総合治水対策をされておられます。  今回、都市型災害を含め、ダムの緊急放流も含めた災害事例に対する対応としては、この平成五年の甲突川の河川改修と平成十八年の鶴田ダムの再開発事業というものがかなり、文献等もそろそろ出ておりますので、活用できるのではないかと思います。  そういうことで、今回はダムの緊急放流についてお聞きしたいんです。  まず、ダムの緊急放流を一般の方がテレビで見るときは、ダム本体が越水して壊れて大洪水が起きると下流の方に甚大な損害が起きるからやむを得ないんだということで、これは刑法でいうと、刑法三十七条にあるんですけれども、緊急避難。自己又は他人の生命、自由、財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、一定の場合に限り罰しないというような緊急避難行為にも刑法上当たり得るのではないかと思うんです。  ただ、何でもありということになりますと、一般の下流域住民の方々は泣き寝入りかということにもなりますし、また、何でもできるような発想ですと、ダムの現場の管理責任者に対する社会的批判もかなり重圧となってまいりますので、きちんと、国土交通省としてのダムの緊急放流の定義及び法令根拠等について、簡潔にお答えいただければと思います。
  136. 五道仁実

    ○五道政府参考人 お答え申し上げます。  委員指摘の緊急放流、すなわち異常洪水防災操作は、ダム貯水池に流入した洪水の貯留が進んで満水に近づいた場合に、河川法に基づき定められた操作規則等に従い、ダムの放流量を徐々に調整し、ダムの貯水池への流入量と同程度の放流を行うものでございます。  すなわち、ダムからの放流量はダムがない場合の河川に流れる流量と同程度であり、この操作に移行するまでの間は、ダム貯水池に洪水をため込むことにより、下流地域被害を軽減させるものであると考えております。
  137. 矢上雅義

    ○矢上委員 今局長御説明のように、緊急放流というものは、物理的に、ダムがない場合と同じように、入ると出るをバランスよくとるということなんですけれども、ただ、一つだけ欠点がございまして、水位が同じであろうと、その水位に達するまでに急激に水位が上がり、例えば四メートルから五メートルに上がるのに普通十分かかるところが五分で上がるとか、そういう急激に上がる操作も、結果的に操作によって引き起こしてしまうんです。  これもテレビの報道で出るんですけれども、よくテレビで専門家の方が、同一流域内に複数のダムが存在する場合、本川に一つ、支川に一つ、複数のダムが存在する場合に、結局、河川法に基づく操作規則についても、例えば、緊急避難であろうと、ダム現場管理者というのは自分の目の前のダムしか管理できないんですよ。  法令上も刑法上も、自分の目の前の、自分の担当するダムしか管理できないわけですから、テレビで言うように、国土交通省が、各流域にある複数のダム、しかも、直轄ダム、補助ダム、土地改良営、電源開発、いろいろありますけれども、それらを総合的、統合的に放流、調整をするような法令上の権限とか河川管理上の慣行とか、そういうことで、国土交通省は権限をお持ちでしょうか。
  138. 五道仁実

    ○五道政府参考人 お答え申し上げます。  ダムの操作、管理は、ダムごとに定められた操作規則等に従って操作を行うこととされております。複数のダムを統合管理した操作を行うこととした場合、こうしたダムの個々の操作ルールとは異なる操作を行うことになりますが、それには雨の降り方の予測等に基づいた相応の理由が必要となるわけでございます。  雨の降り方をあらかじめ十分に予測できるならば、その予測に基づいて、複数のダムの、ダム全体として最適になるような、通常の操作ルールと異なる操作を行うことも考えられます。しかしながら、自然現象の不確実性や降雨の予測技術の精度に制約があり、現時点では操作に入る前に雨の降り方を十分に予測することは難しく、このために、複数のダムを統合管理する操作は困難であるというふうに考えてございます。  国土交通省といたしましては、さらなるダムの有効活用のため、降雨予測の精度向上など、技術開発に取り組んでまいりたいと考えております。
  139. 矢上雅義

    ○矢上委員 今の局長の統合管理に対する考え方は、理屈としてはダム全体の統合管理というのはあり得るとしても、自然現象が前提にあるのでなかなか現実は難しいというお答えだと思います。  そうなりますと、なかなか緊急放流又は複数ダムの統合管理が難しいとなれば、事前の予備的放流とか事前放流という、事前の備えが一番大事になると思うんですね。特に、国土交通省というところは河川全体の管理者でありますから、水資源の有効活用、水資源の統合的管理権限を有すると同時に、治水対策河川の正常な流量の維持など、河川環境全般の統合管理者でもあります。  特に、事前放流をする際にダム現場管理者が一番困るのは、農業利水権者、上水道利水権者、工業利水権者、発電利水権者との間での協議や調整、同意取付けに非常に困難を要するということなんですけれども、憲法二十九条一項、二項、三項では、いわゆる財産権は、これは侵してはならないけれども、財産権の内容は公共の福祉に適合する範囲で法令で決めるとして、三項に「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」と、憲法二十九条で財産権に対する内在的制約が述べられておるんです。  今後事前放流を円滑に行うために、国土交通省として、全国にあります多目的ダム全般にわたる事前放流を円滑にするためのガイドラインの策定などを既に行っておられるのか、それとも今後とも考えていかれるのか、お答えいただきたいと思います。
  140. 五道仁実

    ○五道政府参考人 お答え申し上げます。  ダムの事前放流は、利水者の協力のもと、利水容量の一部を事前に放流し、一時的に洪水調節容量を確保する操作でございます。このように、降雨が予測される場合には、ダムにおいてできる限り水位を下げ、洪水を調節するための容量を確保していくことが有効な手段でございます。  一方、事前放流に当たっては、発電やかんがいなどのために貯留している水を放流するため、利水者としては洪水後の貯水位の回復が重要となることでございます。  このため、国土交通省では、ガイドライン等を作成し、予測雨量に応じて、放流しても回復可能な貯水位、すなわち事前放流が可能な貯水位を算定する手法をお示しするとともに、貯水位が回復しなかった場合の損失補填の考え方などを示し、地方公共団体等に通知をしているところでございます。  国土交通省といたしましては、今後も、関係利水者と調整を行い、事前放流の取組を推進することにより、洪水被害の軽減に努めてまいります。
  141. 矢上雅義

    ○矢上委員 今、事前放流を前提とする最低水位を各ダムごとにガイドラインで示したり、また、各利水権者に対する損失補填等のシステムを検討していただくということでございますので、今後とも、事前放流が可能な選択肢としてあり得るとした場合、今既存の特定多目的ダム等について、果たして、事前放流が可能な標高、いわゆる水位ですね、例えばダムの高さが百メーターとすると、一番上に、ダムの天端というところに、クレストゲートといいまして、上下可動式の非常放水口があって、真ん中に、オリフィスゲートというんですかね、中間パイプライン、一番下に、コンジットゲートといいまして、また利水用の放水路等があるんですけれども、これはあくまでも典型的によくできているダムでございまして、古いダムになりますと、事前放流するための途中の穴がないとかいろいろございますけれども、その辺の、古いダム等についての事前放流を可能にするような構造設計として、どのように捉えられているのか、お答えいただきたいと思います。
  142. 五道仁実

    ○五道政府参考人 お答え申し上げます。  事前放流の実施に当たっては、利水単独の放流設備よりもより大きな放流能力が必要となる場合や、水位を下げようとするため、既設よりも低い位置に放流設備を設ける必要がある場合がございます。このため、ゲート等の放流設備の新設や改造が必要となる場合には、利水者と調整した上で新設や改造を進めることになります。  例えば、利根川水系で国土交通省管理する相俣ダムでは、既設の放流設備の放流能力が事前放流を行うには十分でなかったため、新たにダムの低い位置に放流設備を新設する事業を実施中でございます。  国土交通省といたしましては、今後とも、関係利水者との調整を行い、必要な放流設備の整備を含め、事前放流の取組を推進することにより、洪水被害の軽減に努めてまいりたいというふうに思います。
  143. 矢上雅義

    ○矢上委員 事前放流によって結果的に洪水のための治水容量をふやしておくということで、ダムの低い場所に緊急放流口をきちっと設けておくということが非常に大事でございますので、今既存のダム等について、直轄ダム以外でも可能な限りそのような情報提供をして、ダムの構造改修等に取り組んでいただきたいと思います。  それともう一つ、次は、事前放流、緊急放流をするときに関係機関に周知をしたり一般住民周知をするときのことなんですけれども、今回の関東近辺でも、緊急避難の開始時間が遅くなったり早くなったり、報道によってかなり変わっておるものですから、住民の方が明るいうちに避難するのかなと思ったら、今度は夜十時になりますとか、今度は九時になります、九時半になりますと、かなり時間が動いちゃったんですね。そういうことで、非常に住民が困惑しております。  これは参考ですけれども、JRとか私鉄では計画運休ということを今やっておられます。そういうことで、ダムの緊急放流の時間帯についても、避難が容易な明るい時間帯を優先することや河口部の高潮の時間帯を避けるなど、ある程度、計画運休に近いようなプログラムをつくって、国土交通省も指導をしていくべきではないかと思うんですけれども、いかがお考えでしょうか。
  144. 五道仁実

    ○五道政府参考人 お答え申し上げます。  ダムの異常洪水防災操作への移行は、洪水調節容量を使い切るタイミング、すなわち降雨の状況に応じて決まるものでありまして、ダム管理者がそのタイミングを決めるということはかなり困難でございます。  しかしながら、ダムの異常洪水防災操作に際しては、下流の住民が円滑に避難できるようにすることが重要であります。これまでも、事前に市町村長への情報提供や関係機関への通知、サイレン、スピーカー等による沿川住民への警報を発してまいりました。  また、今回の台風第十九号においては、このような従来の取組に加えて、記者発表を行い、報道機関の御協力をいただき関係住民周知するとともに、一部のダムでは、より早い時間に通知をしたり、切迫感のある通知方法に変更を行うといった新たな取組が行われました。  御指摘の、明るいうちに避難ができるようにということでございます。  異常洪水防災操作への移行見込みの時間を早目に公表するということも考えられますが、同時に、降雨の予測精度の限界もあり、情報の信頼性を損ねるという課題もあるところでございます。  いずれにいたしましても、台風第十九号に際して異常洪水防災操作を行った六ダムについて、洪水時のダム操作に係る情報提供等について検証を行い、さらなる改善を行ってまいりたいと考えております。
  145. 矢上雅義

    ○矢上委員 緊急放流を河川法の法令に基づいて行う場合、刑法三十五条で法令による公務員の正当行為は罰しないとあるんですけれども、あくまでも、法令の目的と、そして最終的な目的である住民への周知徹底とか避難手段の確保、このような手順が適正に踏まれなければ、必ずしも全てが法令による正当行為ということには該当しませんので。  特に、今、農村部でひとり暮らしのお年寄りなんかは、恐らく防災のスピーカーとかサイレンとかが聞こえない人がいます。  今後は可能な限り、耳の遠いお年寄りの皆さん方とか聴覚障害の皆さん方のために、信号機じゃありませんけれども、目に見える形で、我が家でも見られるような工夫も必要ですし、特に、関東はみんな天井川ですから、我が家から川が見えません。九州は川が下の位置に結構ありますから、我が家から見えるんですけれども。そういうことで、関東平野における高齢者の方、聴覚障害者の方に関する周知の徹底というのには、もう一工夫していただきたいと思います。  あと、これと関連してなんですけれども、今回も、本川、支川の合流部が越水して堤防が壊れました。堤防が壊れる原因には、長時間水にさらされて緩んで一気に崩れる場合もあるし、一番多いのが、越水した後、外側の堤防が角砂糖のように崩れてまいります。  そういうことで、合流部の上下百メーターか二百メーターぐらいは、内部、表面も含めた堤防の強度を高めることが必要ですから、河川改修やしゅんせつで出てきたときの泥とかヘドロ等を現場で凝固剤を活用して固める、その固めた、凝固剤を使ったヘドロで、地元で出てきた堆積土砂で地元堤防を強化するような考え方も必要でございますので、何とぞ検討していただきたいということが一つ。  これは最後に国土交通大臣にもお聞きいただきたいんですけれども、地域では、消防団の数が減ってから、土のうを積んだり水防活動ができないことが多いので、土のうでは間に合いませんから、ガードレールを活用した簡易型止水板というものの活用も進めたいと思います。ガードレールの反対側がフックを外すと倒れて水を防ぐように、ガードレールを二枚にしておくんですよ。片方を倒すとこっち側に、下にくっつきますから。
  146. 土井亨

    土井委員長 矢上先生、済みません、おまとめいただきたいと思います。
  147. 矢上雅義

    ○矢上委員 長くなりましたので、これで。済みません、大臣の最後お気持ちだけ。
  148. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 何度もお話ししている話ですが、これまでの想定を超えるような大規模な水害がありますし、ダムのいわゆる緊急放流についても、本当によくよく慎重に検討して、運用できるように頑張っていきたいと思います。  また御指導よろしくお願いいたします。
  149. 土井亨

    土井委員長 次に、高橋千鶴子君。
  150. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。  本日初めて国土交通委員として質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。  私からも、死者九十一名に及ぶ台風十九号、十二名を数えました二十一号など、この間の連続した災害でお亡くなりになられた方々に心から哀悼の意を表するとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。また、救援捜索活動を始め災害対応している全ての関係者の方に敬意を表したいと思います。  今般の台風十九号の浸水面積は、把握できている国道直轄河川だけでも約二万四千六百八十ヘクタール、昨年七月の西日本豪雨の一・三倍であり、過去十年間の平均で一年分の浸水面積を一度の災害で上回ったと、十八日付の読売が報じました。また、災害救助法が十四都県、三百九十一市区町村で適用されて、東日本大震災を大きく上回っております。  政府が昨日、激甚災害の指定とともに、大規模災害復興法に基づく非常災害に指定をいたしましたが、何から手をつけてよいかわからないと途方に暮れた被災者を励まし、暮らしとなりわいの再建が果たせるように期待するものであります。  大臣が、所信挨拶でも、気候変動による水害等の自然災害頻発激甚化を、大規模地震や火山活動とあわせて我々の脅威である、こういう指摘をしておられますが、まさに同感であります。  そこで、国交省は今月十八日に、気候変動を踏まえた治水計画のあり方という提言を発表しておりますが、その考え方の基本について、簡潔にお願いいたします。
  151. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 今御指摘のありましたように、近年の続く激甚災害が一連の気候変動によるもので、災害激甚化頻発化し、被害甚大化している、私もそう思っております。  そうしたことも踏まえまして、昨年の四月に国交省内に、気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会を設置しまして、将来の降雨量河川の流量、洪水発生頻度がどの程度増加するかについて御検討いただいたところでございます。定量的に治水計画に反映させなければいけないという思いからでございまして、今月十八日に提言が取りまとめられたところでございます。  この提言では、気温が二度上昇した場合に、降雨量全国平均で一・一倍、河川の流量が全国平均で一・二倍、洪水発生頻度全国平均で二倍になると示されております。  こうした提言等を踏まえまして、将来の気候変動影響による降雨量の増加などを考慮した新たな治水計画への転換を進めまして、国、県、市のみならず、これは官民が連携した治水対策を検討するため、同じ日に社会資本整備審議会に諮問をしたところでございます。  審議会では、降雨量の増加などを考慮した治水施設整備に加えまして、自助、共助の取組として、実効性のあるマイ・タイムラインなどの避難体制づくりですとか、企業の方々の御協力による、建物内にもう既に雨水の貯留施設整備などを進めてもいただいておりますので、まさにハード、ソフト一体となった、流域全体で備える水害対策議論を進めていただきまして、防災減災が主流となる安全、安心な社会づくりに全力を傾けてまいりたい、こう考えておるところでございます。
  152. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 ありがとうございます。  この間、異常気象とか気候変動ということが随分指摘をされてきたわけでありますけれども、国交省として、それをしっかり受けとめながら、今後もこうした甚大な災害が繰り返し起こるであろうという前提に立って、社会全体で水災害リスクを低減するという取組を明記をしたことや、それを考慮した土地利用や流域が一体となった治水対策を進めていくということが考え方の中にも示されているということで、私は、その点に沿ってやはり議論を進めていきたいな、みんなで知恵を出し合っていきたいな、そういう思いできょうは指摘をさせていただきました。  そこで、毎日新聞の十八日付によれば、台風十九号で亡くなった、その時点で七十七名だったんですが、どこで亡くなったかという調査によりますと、自宅内が四割、車での移動中が三割とありました。先週末の台風二十一号でも、半日で一月分という記録的な大雨の降る中、車ごと水没して亡くなった方が多いと報じられております。  気になっているのは、あれほど気象庁が繰り返し緊迫して命を守る行動を呼びかけていたのに、結果として逃げおくれているのはなぜかということなんです。経験ある高齢者ほどここまでは来ないと思い込んだりとか、水の速さが尋常でないことは当然理解できます。でも、だからこそ、二〇一五年及び二〇一七年の水防法改正で、想定し得る最大規模の降雨、高潮に対応した浸水想定を実施してハザードマップを作成することや、ハード、ソフトを組み合わせた対策を進めてきたはずだと考えています。  そこで、まず内閣府に伺いますが、政府として、このような、どこで亡くなったのか、いつ、どのタイミングか、こういうことを把握しているのか、またその要因についてどう認識しているのか、お答えください。
  153. 小平卓

    小平政府参考人 お答えいたします。  台風第十九号及び低気圧によりまして、十月三十日の七時現在ですけれども、死者九十名と、大きな被害が生じたと理解をしてございます。  今回の災害では、自宅で被害に遭われた高齢者が多かったこと、自動車で移動中に被災された方も多かったというふうに聞いております。数字については必ずしも全貌を把握しておりませんけれども、毎日新聞の数字の比率にかなり近いものだと思ってございます。  雨や風が強い中での避難は危険を伴います。早目早目に安全な場所に避難していただくことが重要であると考えているほか、日ごろから地域で助け合って避難する仕組みをつくっておくことなどが重要だと考えてございます。  災害対策は、不断の見直しが必要です。被災された状況住民避難行動などを踏まえ、今回の災害から学べる教訓を今後の対策に生かしていけるように努めてまいりたいと思ってございます。
  154. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 具体の数字はまだないということであったんですけれども、今、新聞でも指摘された、自宅内や自動車の中での死亡が多かったという認識は一致されていたのかなと思っております。  福島県は、県の被害状況即報の中で、亡くなった方の市町村名、地区名、年齢、性別、発生時刻、原因並びに被害状況を全部細かく報告をしております。例えばいわき市は、百歳の方がお二人亡くなっておりますし、九十七歳、九十一歳の方がいらっしゃって、ケアマネさんが自宅を訪問したときにうつ伏せで亡くなっていたとか、隣組の方が様子を見に行ったらもう既に倒れていらっしゃったとか、何ともつらくなる状況でありますけれども。  ただ、これを、単に高齢者、要配慮者だからというだけではなくて、実は結構若い方も多い、車で移動中に亡くなった方はむしろ若い方が多い、こういう指摘もあるわけで、やはり、いつ、どこでを把握していくことは今後の治水対策にとっても重要だと考えています。  そこで、水防法の改正を受けて、二〇一六年の四月にハザードマップ作成の手引きも改定されました。垂直避難では命を守れない区域を早期の立ち退き避難が必要として明記することや、地域の特性を十分に分析して、住民目線で作成すると指摘をされました。  今回の一連の台風でも、このハザードマップと浸水域がほぼ一致していたということが少なくなかったと思うんですね。だからこそ非常に残念に思うわけですが。  ちょっと飛ばしてもらって、資料の三番を見ていただければ、ハザードマップ検討委員会の中で出された資料ですけれども、平成二十七年の関東・東北豪雨における活用状況で、ハザードマップを見たことはありますかという質問に対して、見たことがあるという方が三割なんですね。三割にとどまっている。だけれども、そのうち一八%は、見たことはあるがどこにしまってあるかわからないとか、四%は、しまってある場所はわかっているけれども見ていない、要するに、見ていないに等しいわけですよね。  そして、実際に災害発生時にハザードマップを見ましたかと聞くと、見て確認をしたという方は五%にとどまっているということで、実際には九三%が見ていないと答えているわけであります。ハザードマップをなぜつくるかというときのせっかくの趣旨が、やはり生かされていない現実があると思います。  二〇一七年四月十九日の国交委員会で、当時の石井国交大臣は、水防法改正によりまして、これらの取組を加速いたしまして、逃げおくれゼロと社会経済被害の最小化の実現を目指してまいりたいと答弁されています。逃げおくれゼロ、これは大事だと思うんですね。たとえ河川改修が未完成でも、頑張るんだけれども、時間がかかります。そういうことを考えて、想定以上の大雨でも、でも命を守るためにできることがあるはずなんだ、特に雨の場合は警報も早目に出されているわけですから。  大臣伺います。ハザードマップの住民への周知、活用について、どのように進めるでしょうか。
  155. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 私も、近年の激甚災害の現場に足を運んで思うことは、ハザードマップのレッドゾーンにそのまま浸水がなされてしまって大変な被害が起きたということでございます。ですから、なかなかすぐにとはまいらないかと思いますが、こうした被害教訓として、ハザードマップのレッドゾーンについて、宅地をどうするのかというようなことも中長期的に検討しなければいけないと思います。これが一つ。  もう一つは、やはりそれと同時に、というよりそれより前に、国民防災意識を本当に高めていくということが大事だというふうに思います。  ハザードマップは、一生懸命これまでやっていただいて、九八%の市町村でそれを作成して、それぞれの市町村のホームページに発表しておりますが、なかなか、私が見ても結構難しいんですね。これはどうしたらいいのかちょっとよくわからないんですけれども、見てもぴんとこないところもあって。その辺のことの伝え方の工夫も要るのかなということ。  先ほど申し上げましたが、ハード面の整備だけではなかなか限界もあると思いますので、やはりソフト面をどうしていくのかということをしっかりやっていくのと同時に、公助だけじゃなくて、自助、共助、みずからの命をどう守るのかということとか、共助は地域でどう助け合うのかというようなことも含めて、自助、共助、公助、ハード、ソフト、官民を挙げての、そういうことを進めていくことが、結局、国民の皆さんの防災意識を高めることになるのではないか、そう考えているところでございます。
  156. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 大臣おっしゃったとおり、私も十何年も前に、ハザードマップと浸水域がぴたり賞のところを見て、九州でしたけれども、でも、結局水没している、避難所自体が水没している、そういう状況で、ずっと問題意識を持っておりました。  立派なハザードマップはできたんだけれども、それを我が身に置きかえて、どうすればいいのか、いつどうすればいいのかというのをちゃんと理解できることがやはり大事だと思うんですね。台風十九号のときは、県単位で避難勧告がテレビに出ましたので、多分、誰も、それじゃどうしようもないなと思ったのではないかと思っています。  そこで、資料の一枚目、内閣府の避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドラインの中で、まさに今指摘をした、住民自身が災害避難カードを導入して、自分にとって命の危険に何があるのか、そしてそのときにどうすればよいのかを書くべきなんだということを推奨しているわけなんですね。  冷蔵庫に張っておけばいいよというので、なるほどなと思って、サンプルを取り寄せたんですけれども、それが二枚目にあります。切取り線で切っていただいて、折っていただいて、パスケースとかに入るくらいのサイズになっているんですね。  そして、土砂災害の場合は何々警報が出たらどこに、水害の場合はどこにというのをあらかじめ書いておき、かつ、声をかけるお隣さんは誰かというチェックを入れておく。そのほかに、いろいろ自分自身の、例えば血液型だとか、そういう情報を書くものをセットしておくということがあるんです。  やはり、我が身に置きかえてどうすればよいのかを常に意識しておく上でとてもいい取組だと思うんですが、これがどのくらい広がっているのか、またどう広めていくのか、これは内閣府に伺います。
  157. 小平卓

    小平政府参考人 お答えいたします。  災害対策におきましては、いわゆる自助、共助、公助が非常に重要であるということは大臣も今おっしゃったところでございますけれども、内閣府におきましては、住民皆様方が、それぞれのお住まいの地域災害リスクを把握して、避難計画を立てるなどの地区防災計画というものを策定する取組を進めてございます。  このときに、この実効性を高めるため、避難場所などをあらかじめ認識しておく、今先生がおっしゃいました災害避難カード、これを作成することについて、ガイドラインの作成や優良事例の紹介などにより推進をしているところでございます。  一例を申し上げますと、愛媛県の大洲市に三善地区というのがございますけれども、平成二十七年に、浸水予想区域であるとか地域における高齢者等の避難行動支援について、地区防災計画というのを定めまして、翌二十八年に、具体的な避難促進対策として、地域住民各自の避難場所や避難行動を確認し、高齢者と避難支援者とをひもづけした災害避難カードを作成してございます。  これが実際に地域の中で浸透しておりまして、昨年の三十年七月の豪雨のときにこのカードが活用されまして、地域住民全員が無事に避難することが……(高橋(千)委員「簡潔にお願いします」と呼ぶ)はい。  これについては、今幾つできているかについてはまだ詳細に把握してございませんけれども、この作成も含め、地区防災計画の策定によって地域力の向上に引き続き努めてまいりたいと思ってございます。
  158. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 実例を話してくださいと言ったんじゃないんです。どの程度広がっているか。つまり、一つを具体的に話す以上にないということなんですよ。だから広めてくださいということを指摘をして、それをどうするかということを伺いました。ぜひお願いをしたいと思います。  そこで、大規模氾濫によって多数の逃げおくれが生じた二〇一五年の関東・東北豪雨を契機に、水防法が先ほど来言ったように改正されて、多様な関係者が連携して、被害を軽減するための大規模氾濫減災協議会制度が創設されました。この協議会がどの程度動いているのかをまず伺います。  私は、東北中心ですけれども、被災地を歩いて必ず会うのが、その川の氾濫の歴史をみずから体験し、原因と対策について具体的な提案を言い続けている方というのは必ずいるんですね。そういう方たちの経験を本当に尊重して、地域流域住民が参加できる仕組みをやはり検討すべきと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
  159. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 今御指摘の平成二十九年の大規模氾濫減災協議会の制度を創設して、現時点でどうなっているかといいますと、令和元年九月末時点で、国管理また都道府県管理、それぞれの対象河川全てに協議会は設置をされております。  ただ、今、その中をどう充実させていくかということでは、高橋委員おっしゃっていただいたように、水害に関する豊富な知識や経験をお持ちの地元住民からの意見をお伺いするということは大変有益なことだというふうに考えております。  昨年の岡山の倉敷の真備町なんかも、あそこもハザードマップのレッドゾーンに家が張りついたわけでありますが、私の聞いているところですと、昔からいる方はそこには住まなかった、やはり危ない地点だというようなことが、それは真備町だけではなくてよく聞いているところでございまして、昔からのそうした知恵ということを反映させていくということは賢明だというふうに私も思います。
  160. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 ありがとうございます。  今、住まなかったと。本当に最悪の場合はそういう選択も含めて今回示していくということが議論されてきたのかなと思っておりますので、貴重な答弁ではなかったかなと思います。  ちなみに、大臣が宮城県大崎市を視察された日、私、ちょうど同じ日に時間がかぶっておりまして、あそこ鹿島台は三十三年ぶりの同じ水害があって、かさ上げ、宅地をみずからの力で高くしているんですけれども、それでも一階まで浸水をしたというところでありました。そういう方たちは、やはり、水門のあり方ですとか流域が平たくて流れていかないとか、そういう知恵をたくさんおっしゃっておりましたので、そういうのを生かしていただきたいなと思っております。  そこで、次のテーマに移りますけれども、大臣は所信挨拶で、阪神・淡路大震災でみずから被災したことがやはり原点であるということを踏まえて発言をされました。大臣就任直後から、台風被害、またこの間の被災地にも足を運んでおるということで、本当に大臣の思いとか意気込みを感じるところです。  二〇〇七年に被災者生活再建支援法改正に取り組んだときには、大臣自身が与党案の提出者でありました。私も質問させていただいたわけですが。個人の財産に税金を入れることはできないという壁を破った改正でもあり、また、そのときの地震に対して遡及適用するというような仕組みでも画期的な取組であったのではないかと思います。  ただ、そのときに四年後の見直しを私たちは決議で書いたわけですけれども、あれから十二年たって、着手をできておりません。ちょうど四年目が東日本大震災だったということで、すぐにはできなかった事情があるわけですが、それにしても時間がたちました。  資料の四枚目にあるように、被災者生活再建支援制度の充実と安定を図るための提言ということで、全国知事会からも、半壊まで支給対象とすることなどの提言も出されております。  この見直しの必要性について、大臣の認識を伺いたいと思います。
  161. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 よく御存じだと思いますが、私の所掌じゃないので、大臣としての発言はしにくいんです。  というのは、こうした全国知事会の申入れを受けて、今、内閣防災の中でさまざまな検討がなされているというふうに聞いております。ですから、そこの検討の場に影響を与えるようなことは言えないと思っているんですが、私がこの法律をつくった当時何を思ったかということなら差しさわりないと思いますので答えさせていただきますが。  阪神・淡路大震災のときというのは、要するに、国から現金支給みたいなことは全く認められておりませんでした。私有財産の形成につながるようなことはあってはならないという厚い壁がございました。  私は、みずからも被災者でありましたが、真面目な国民として仕事をし、税金を払い、家族を養った国民が、ある日、突然、自然災害を受けて家族を失ったり、仕事を失ったり、住宅を失った、それに対して国として何の誠意も見せられないというのは余りにもおかしいというふうに思いました。そうした意味で、ある意味では見舞金みたいな形でありますが、見舞金の百万円と、家を建てると頑張った人に、これで家が建つわけじゃありませんが、プラス二百万円という制度をつくったわけでございます。  そのときになぜ半壊を入れなかったのかという、入れるか入れないかという議論がありましたが、それはひとえに、ある意味では財源の問題であって、この仕組みは、国が半分、全国の都道府県知事会が半分という状況になっておりますので、そのときに、半壊というと相当対象が広がってしまうというようなこともあり、それはなかなかしにくいだろうということで、まず大きな第一歩ということで今の制度になったというふうに思っております。  その当時と今と随分違うと思うのは、当時、地震に関する保険が全く存在していない状況で、しかし、当時と今と比べるとそうしたことは随分改善されているのではないかと。ですから、当時は何もなかったところで被災者生活再建支援法の大改正を行ったわけでありますが、今はそうしたさまざまな、自助、共助、公助に資するような制度の改善もなされていると思いますし、災害救助法等々の中身も随分改善をされておりますので、私から今言えますことは、今の状況でそうしたさまざまなことを踏まえながら、内閣防災のところでしかるべき結論が出されるのではないかというふうに思っております。  以上です。
  162. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 当然、所管が違うというお答えをされることを前提に、そう言われるだろうと思って質問いたしました。  でも、なぜそう言ったかといいますと、それはもちろん、改正に大臣自身がかかわっていただいた思いがあるであろうということと、今回、災害救助法の世界では応急修理を、一部損壊、一部認めるということになり、防災・安全交付金で一部損壊を救うということも一定あったのも、やはり大臣はそこに思いがあったんじゃないのか、一部損壊が余りにも対象にならないということに対する思いがあったんじゃないのかというのが一つ言いたかったことなんですね。後でもう一回答弁いただきたいと思うんですが。  資料の最後に、今の浸水の、何メートル来れば半壊になるのかといった図面がございます。右側は、一括判定で、見てすぐわかるからというので、これは千曲川などが今回適用になったと思います。  それから、その前の六ページの資料では、本当にこれはピックアップしました、もっといっぱいあるんですけれども、この間の災害で、実際の住家被害があった棟数に比べて、支援金でカバーできているものは二割をいかない、二割未満なんですね。  大臣がおっしゃるように、基金というのは、都道府県が拠出して、国も拠出しています。だけれども、拠出している都道府県が、全く支援金のお世話にならないんだけれどもたくさん被害を受けているというところも現実にあるんです。財政的な意味といえば、そこもよく加味する必要がある。だから知事会が繰り返し要望してきたんだと思います。  二〇〇〇年に国土交通省被災者の住宅再建支援の在り方に関する検討委員会という報告が出されて、住宅再建の支援というのは、やはり、公共の利益があること、社会の安定の維持に著しい支障を生じるなどの公益が明確に認められるために、その限りにおいて公的支援を行うことが妥当である。つまり、国交省の報告書が出て、最初の、二〇〇四年の法律のきっかけになったと思うんですね。  つまり、支援ができなくて空き家がふえて町が壊れちゃう、コミュニティーが壊れちゃう、これじゃだめだよと国交省提言があったからこそ、個人の再建に支援をすると踏み出してきたと思うんです。  だから、国交大臣として一定のイニシアを発揮してほしいと思って伺いました。もう一言いかがですか。
  163. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 ちょっと今、済みません、質問が定かじゃなかったんですが。  私も当時、まず、家の瓦れきの処理、当時は、阪神大震災のときは個人がやるという話だったんですけれども、それは、一軒ずつは私有財産だけれども、十軒、二十軒集まればそれは町そのものではないかということで、公共性ということで、瓦れき処理は全額公費負担になったと思います。  そうしたことは、住宅の再建についても多分同様になされたのではないかと思いますし、先ほど一部損壊の話がありましたが、罹災証明の基準を何か決めなければいけないということで、今、屋根は一五%と、これは固定資産税に合わせてやっているんですけれども、現場に行っていると、屋根が飛ぶと一五%の被害という認定で本当に被災者の立場に立ってどうなのかと考えたときに、やはり、屋根から雨が降り込んで住めなくなるというようなことに思いを寄せれば、何か工夫しなければいけない。  ですから、私は、災害に関連する法案というのは、やはり被災者の側に立って、常に現場に即したものにつくらないと、下手するとそれがバリアになってはねちゃうようなことになりかねないんですね。だから、床上一メートル以上云々と言うと、現場の役人さんは真面目だから、九十九センチでだめでしたみたいな話があるので。  私は、今回、長野県のその一帯を全壊判定するというようなことは本来あるべき姿だと、それはちょっと大臣の発言としては不適当かもしれないけれども、個人的にはそういう思いでございます。
  164. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 大変踏み込んでいただいたと思います。ありがとうございます。  あと、ちょっと内閣府に伺いたいんですが、台風十五号で屋根を飛ばされ、十九号で浸水し、二十一号で更に浸水した被災者もいるわけです。  実は、これまでも秋田や山形で、同じ地域に二年連続とか、一年間に二回とか集中して、被害の認定にやはりそこを加味をしてほしいということを求めてきたんですね。  認定に対して、やはり、短い期間で災害が重なっている、そこを反映したものにするべきと思いますが、考えを伺います。
  165. 小平卓

    小平政府参考人 お答えいたします。  家屋被害認定調査は、基本的には災害ごとに実施すべきものでありますけれども、今回の台風十九号による被害は、十五号による長期停電であるとか、台風十五号の強風を伴う大雨、十七号による強風、屋根の修理が進捗していない段階発生しています。一つ一つの災害の切り分けが非常に難しい場合が多々あろうかと思いますので、十五号からの一連の災害として被害認定調査を実施しても差し支えない旨、通知をしてございます。  さらに、二十一号につきましてもまた、いずれの原因によるものか判別できない場合につきましては、十五号からの一連の災害として被害認定調査を実施して差し支えないというふうに考えてございます。
  166. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 十月十四日の内閣府の通知の中でそれが書かれておりますので、周知徹底をお願いしたいと思います。  同時に、一生懸命になって直しちゃった、修理しちゃった、そこにまた来ちゃって、どっちも一部損壊よという方たちは、本当に大変な目に遭っております。私、千葉でも、自分の作業場も全部潰れちゃっているのに、毎日出動して修理に頑張っている事業者の方に会ってまいりましたけれども、そういうことも加味してほしいなという思いで述べましたので、これは芽出しということで、要望にとどめたいと思います。  終わります。
  167. 土井亨

    土井委員長 次に、井上英孝君。
  168. 井上英孝

    ○井上(英)委員 日本維新の会の井上です。  まず初めに、このたびの台風十五号、十九号、そしてまた先週二十五日に東日本のエリアを襲った記録的な大雨によりお亡くなりになられた方々に哀悼の意を表したいというふうに思います。また、被災された全ての皆様方に心よりお見舞いを申し上げ、皆様の安全と一日も早い復興というのをお祈り申し上げたいというふうに思います。  このたびの台風災害について、二点ほどお伺いをさせていただきたいというふうに思います。  まずは、先日の台風十五号では、成田空港への鉄道やバスというのが不通になることで空港がいっとき陸の孤島というふうになりまして、約一万三千人の方々が空港で一夜を過ごすという事態になりました。その経験を踏まえて、台風十九号の際には、羽田空港と成田空港で着陸を一時的に制限することで、旅行者の方が空港に足どめされることはなかったというふうにお聞きをしています。  先週の大雨では、成田空港では着陸できない航空機が別の空港に目的地の変更をしたり、都心に向かう鉄道や高速バスが運行を取りやめて一時混乱したというのはありますけれども。  そういった中で、この首都圏では、来年、東京オリンピック・パラリンピックの競技大会を控え、そういった受入れに万全を期す必要があると思いますが、オリンピック、パラリンピック自体は夏場の開催でもありますし、今回と同様なケースが起こり得る可能性はゼロではないと思いますので、そういった、イベント期間中に万が一このような大きい災害によって羽田、成田両空港が同時閉鎖に追い込まれるような場合、どのような対応ということになるのか、見解をお伺いしたいというふうに思います。
  169. 和田浩一

    和田政府参考人 お答えをいたします。  台風十五号や十九号の教訓を踏まえ、訪日外国人を含む旅客の利便性が極力損なわれないように配慮しつつ、空港内での滞留を余儀なくされる事態を最小限にするという視点で対応することが重要と考えております。  来年の東京オリンピック・パラリンピック大会の際にも、空港での滞留者の発生を防ぐ観点から、空港管理者等を中心に空港全体の総合対策本部を早期から設置をいたしまして、航空会社、アクセス交通事業者等と緊密に情報共有を行いつつ、空港アクセスの状況や航空機の混雑状況に応じて、今般措置をしましたように、航空機の着陸や交通量の制限といった空港運用上の対応を行ってまいりたいと考えております。  こうした措置は、空港アクセス等の回復を踏まえて解除し、利用者への影響が最小限となるよう対応してまいります。
  170. 井上英孝

    ○井上(英)委員 ぜひ、さまざまなケースが想定されますし、想定どおりじゃない可能性もそれはゼロではないとは思いますけれども、本当に、もっと早い段階で空港に入れなくなるとそういうこともなくなるのかなというふうにも思うんですけれども、いろいろな問題はあるんだと思います。  また、災害に関しては集中的な一般が組まれるんじゃないかというふうに思われますので、またそのときにさせていただきたいというふうに思います。  もう一つだけ災害についてお聞きしたいんですけれども、台風十九号では全国各地で深刻な水害というのが発生しましたが、その中で、試験湛水を始めたばかりの八ツ場ダムが、台風により一気に満水となって、下流域洪水を食いとめるのに役立ったとされたと聞いています。赤羽大臣自身も予算委員会でその認識を示されたというふうにも聞いています。  この点については、先ほど馬淵委員の質疑でもありましたけれども、本格運用後であれば緊急放流が避けられなかったのではないかとか、中下流では河床掘削、川の底を削ったりしゅんせつしたりといったような、行った方が効果的だったのではないかとかなど、有識者の間ではさまざまな評価があるようでありますけれども、八ツ場ダムが一定の効果を上げたということは確かなんだろうというふうに思います。  一旦洪水発生すれば住民の命にかかわるため、洪水対策として何が行われるのか、そしてまた何が行われるべきなのかというのを、我々、多くの方々の関心事でありますけれども、いかんせん専門的であり、素人には評価自体は非常に難しいというふうに思います。であるからこそ、洪水対策としてどのような手段があって、費用効果を比較してみれば何が望ましくて、かつ、ソフト対策とどのように組み合わせていくかというのをわかりやすく示していく必要があるんじゃないかなというふうに思うんですね。  私の地元大阪では、治水事業というのは莫大な時間、労力、お金というのが当然かかってきますけれども、大阪の槇尾川ダムというのは、建設工事の着工をしていたんですけれども、途中で中止をして河川改修に切りかえて、それを実現して、今は流域の方々も含めて安心した状況になっている。  そういう実例もありますけれども、今回の台風を受けて治水対策を見直していくに当たって、ぜひともわかりやすい比較と十分な周知というのを求めていきたいと思いますし、予算もしっかりととっていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  171. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 多くの委員の皆さんから同じような質問をされております。近年の気候変動によって災害激甚化し、頻発化し、そして被害甚大化しているということは、もう皆さんそういうふうな認識だと思います。  それで、先ほど御答弁しましたが、そうした影響を定量的に治水計画に反映させるべく、国交省として、昨年の四月に気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会を設置しまして、将来の降雨量河川の流量、洪水発生頻度がどの程度増加するかについて御検討をそれぞれ有識者にしていただいて、今月十八日に提言が取りまとめられました。  そして、それを受けまして、今後、そうした気候変動影響を考慮した治水計画への転換を進めるために、同日、社会資本整備審議会に諮問をして、今後、国、県、市、また企業、住民が連携した治水対策をどう構築していくのかということを、本格的に取組が始まったところでございます。  やはり、気候変動によって災害規模が大きくなることを想定したハードの対策もさることながら、流域全体に立って安全をどう構築するかということも考えなければいけない。私は、いろいろ現場を見ると、河川って難しいなと思うのは、国管理のところだけいじっても、支流の県管理の小さな川から逆流して大変な被害が出たりとか、堤防も、部分的に強くすると、逆に、そこは大丈夫なんだけれども下流のところであふれたりとか、そうしたことを考えると、本当に流域全体の対応を考えなければいけないと。  そうしたさまざまな科学的根拠に基づいたハード整備と同時に、やはり、我が身を守る、地域で守り合うというソフトの対策もとらなければいけないと思いますし、マイ・タイムラインというのを皆さんそれぞれ持つとか、ハザードマップをどう意識していくのかといったこともやっていかなければいけないと思います。  加えて、これから新たにダムをつくるみたいなことはなかなか難しいと思いますので、ちょっと御答弁しましたが、民間の企業の中で雨水を貯留するような施設整備を進めたりとか、今回、ラグビーのワールドカップの横浜の会場のところの遊水地が随分水をためることができたとか、そうしたことはしっかり、いい参考として、そうした抜本的な対策に取り込んでいかなければいけないのではないかなというふうに思っております。
  172. 井上英孝

    ○井上(英)委員 大臣のおっしゃるとおりだと思うんですね。  今回の八ツ場も、八ツ場は本当に貢献してくれたと思うんですけれども、結果的には利根川の流域の下流域では多少氾濫しているんですよ。ですから、そういったことも考えると本当に難しいですけれども、ただ、待ってくれませんので、予算もしっかりと頑張っていただけたらというふうに思います。  次に、訪日客の急増についてお伺いをしたいと思うんです。  二問ほど考えていたんですけれども、観光庁の長官、来ていますけれども、御法川大臣に聞くだけでちょっとお許しをいただいて、また別の機会にお聞きしたいと思うんですけれども。  二〇一八年の訪日外国人の旅行者数は三千百十九万人になりまして、過去最高を記録いたしました。政府が目標とする二〇二〇年に訪日外国人旅行者数四千万人というのを達成するには、年に約一五%ずつ、これは平均ですけれども、年に一五%ずつの伸びが必要というふうになります。  ことしの一月七日からは国際観光旅客税の徴収が始まり、高次元の観光施策の実現に必要な財源の裏づけを得た上で積極的に取り組んでいるということは評価をいたしております。  大勢の外国人が日本を訪れてくれることというのは歓迎をしているんですけれども、さまざまな、種々の問題というのも一方であるというふうにもお聞きはしております。  観光庁も、昨年六月に持続可能な観光推進本部というのを設置をされていて、一生懸命、さまざまな課題にも取り組みながらやっていただいているというふうに聞いておりますけれども、いろいろな課題もあるんですけれども、全国的な問題とまではまだなっていないのかなという気がいたします。オーバーツーリズムというような表現で言われておりますけれども。  今後、政府目標である二〇三〇年の訪日外国人の旅行者数六千万人というのを見据えると、各地でいろいろな、さまざまな問題というのは生じてくるのではないかなということが懸念されます。  せっかく我が国に魅力を感じて旅行先としてチョイスしていただいているのに、いろいろなあつれきなんかが生まれたりすると非常にもったいないと思いますので、持続可能な観光推進本部は主に観光庁の方々がメンバーになっていますけれども、観光庁にとどまらず、政府全体でそういった全国レベルでの対策というのを講じていただきたいと思いますが、副大臣の思いをお聞かせいただけたらと思います。
  173. 御法川信英

    御法川大臣 御指摘でございますので、お答え申し上げたいと思います。  今るる御説明がありましたとおり、昨年の訪日外国人旅行者が三千百十九万と、六年連続で過去最高を記録しておりまして、また、消費額が四兆五千億という、日本の経済にとって極めて大きな貢献をしていただいているのがこの観光という分野でございます。  一方、一部の観光地でございますけれども、やはり外国人の旅行者が急増したということが一因として、混雑あるいはマナー違反等々の課題指摘されているというのも事実だというふうに思います。  この課題について、本来は観光庁長官から答弁があるはずだったことでございますけれども、自治体の方から調査を行いまして、観光地の混雑状況の見える化であるとか、あるいはマナー啓発の取組が進められているというふうに承知をしております。このような地方自治体取組を支援すべく、モデル事業等を実施しながら、全国にこれを横展開していこうというふうに考えております。  関係府省庁、そして民間事業者地方自治体と緊密に連携をしながら、政府としてしっかり取り組んでまいりたいというふうに思います。
  174. 井上英孝

    ○井上(英)委員 副大臣、ありがとうございます。ぜひよろしくお願いしたいというふうに思います。  地元の関西でも、二〇二一年、オリンピックの翌年にはワールドマスターズゲームズというのが関西で行われて、二〇二五年には日本万博が行われる。その間にIRもしっかり誘致ができたらなというふうにも思っています。  そういう中で、もしそういうことになると、国際行事も含めてメジロ押しになってくる。それで、こういったイベントというのは非常に大きいチャンスですので、逃すことなく、関西ひいては我が国の成長の牽引となるような足がかりにしなければならないというふうに思うんです。  関西空港では、昨年の台風二十一号では足どめされた旅行者の方々が発生したりとか、そういったリスクマネジメントというのも重要ですし、混乱がないように、羽田、成田と変わらずやっていかなければならないとは思うんですけれども、関西空港は現在非常に好調で、ますます拡大を続けていかなければ訪日外国人の窓口の受皿となりませんので、受入れ能力というのを整えていく必要があると思います。  関西は、三空港一体運用ですから、関空、伊丹、神戸の規制緩和には地元でもいろいろな議論は当然出てくるとは思います。国際空港だけでいうと関空ですけれども、関空の一層の能力拡大に加えて、大臣の御地元でもある伊丹や神戸の規制緩和というのも非常に要求されてくるような可能性も大いにあると思うんですね。  関空は三本目の滑走路ということは今の現時点ではあり得ないというふうにもお聞きもしていますし、どのように受入れ能力を高めていくのか、大臣の私見も含めてお答えいただけたらと思います。
  175. 赤羽一嘉

    赤羽国務大臣 実は、先週末、北海道倶知安町でG20の観光大臣会合がございました。三十の国・国際機関から出席されて、観光政策に対するこれからの将来展望というプラスの面と、負の面の意見が開陳されまして、ほとんど押しなべて、やはり同じような課題が示された。  オーバーツーリズムに関することは、やはり皆さん、それぞれの国、地域で悩みを抱えている。その解決方法は、まあ成功事例横展開しようというような結論ではあったんですが、例えば東京に一極集中しないとか、やはり、より多くの観光地をつくっていく、できるようにするということが非常にオーバーツーリズムの一つの解決策になるのではないかと。  そういう意味で、先ほど、首都圏空港というか、羽田と成田空港はしっかり頑張っていく、それは変わりませんけれども、それに加えて、関西の関西国際空港、でき得れば関西三空港として、しっかりその機能を果たしていただきたいなというふうに思っております。  昨年の関西空港の連絡橋が潰れたときに、実は、それを脱出させるために、陸だけでは厳しいと思って、さまざま私もちょっと働きかけて、あそこの関西国際空港から神戸空港に来る船を、ジャンボフェリーという会社にお願いして、フル回転してまあ救出はできたんですが、私も、言った手前、次の日の朝から神戸空港の方の岸壁のところでお客さんを受け入れたんですけれども、外国人が大半で、中国の方が多くて、ここに来てありがたいんだけれども、ここからどうやって上海に帰れるんだという質問をされて、いや、ここからは帰れないと言うしかなかったんですね。  それで、どうやって帰るのかというのは、とりあえずバスで三宮へ出てエージェントと相談してくれみたいな情けないことしか言えなくて、そうした意味でも、リスク対応も含めて、やはり多くの手段を持つということが非常に大事なのではないかと。  そうしたことができる関西国際空港を中心とした三空港の問題ではないかと思いますし、関西国際空港も、コンセッションが成りまして、関西エアポート社によって、新規就航便に対する着陸料の割引制度の導入を始めたりとか、LCC専用の第二ターミナルの建設が行われるなど、訪日外国人の受入れをふやそうという取組をされていると思いますし、CIQの制度も随分拡充したのもこれまでの取組でございます。  あとは、外国人にとってストレスを感じないような受入れ環境の整備をするというのは、これは国全体のことでありますが、とりあえず、関西国際空港は西の玄関でもありますので、そうしたことはしっかりと国としても支援していきたい、こう考えております。
  176. 井上英孝

    ○井上(英)委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。  また、伊丹、神戸に関しては、大臣地元ですし、またこれから鋭意議論をしていったらいいなというふうに思っています。  十一分までなので、もうあと二分なので、ちょっとお許しをいただいて、一問だけ、まとめて副大臣と自動車局長とに御答弁いただきたいと思うんですけれども。  高齢運転者による事故防止対策なんですけれども、池袋で、詳細は省きますけれども、不幸な事故が、昨年もあったり、福岡県であったり、高齢者ドライバーのさまざまな事故というのが起きています。  それをやはり抑えていくのに、国においても、国交省においては、未就学児等及び高齢運転者等の交通安全緊急対策というのが取りまとめられて、AEBS、先進緊急ブレーキシステムの義務づけというのに結論を得る予定というふうにお伺いをしているんですけれども、この検討状況御法川国交副大臣にお答えをいただきたい。  そして、ペダルの踏み間違いの防止を、抑制するのに、補助制度を、うちの吉村知事等要望しておりますし、限定条件つきの免許制度というのを要望していますけれども、けさ、ちょっと惑わすような新聞報道がありましたけれども、その辺も含めて局長に、御答弁よろしくお願いいたします。
  177. 御法川信英

    御法川大臣 お答え申し上げます。  国交省としては、今、安全運転サポート車、いわゆるサポカーSというものの普及促進に取り組んでおります。  今お話があったとおり、緊急対策、六月十八日に発表されましたが、ここで示されているとおり、来年の一月に見込まれております衝突被害軽減ブレーキの国際基準の発効を受けまして、新車の乗用車等を対象とした義務づけを行うべく、本年内に結論を得ることとしております。  この基準というのは、前方の静止している車両に後方から時速四十キロで接近した際に停止できるとか、前方を横断する歩行者に時速三十キロで接近した際に停止するなどと、一定の性能の確保を求めるというものでございます。  現在、大体二五%、四分の一程度にはこの対車両の衝突被害軽減ブレーキが搭載をされておりまして、搭載車両とそれを載せていない非搭載車両を比較すると、約五三%の追突事故防止効果が認められております。  国交省といたしましては、十一月に行われます車両安全対策検討会の意見あるいは技術開発状況などを踏まえながら、本年内に結論を得べく、引き続きこの義務化に向けた検討を行ってまいりたいというふうに思っております。
  178. 土井亨

    土井委員長 一見自動車局長、答弁は簡潔にお願いいたします。
  179. 一見勝之

    一見政府参考人 お答え申し上げます。  昨日の未来投資会議で、総理が、年末までにペダル踏み間違い防止装置などがつきましたサポカーの市場導入を加速する措置を検討するというふうにおっしゃったとホームページに載ってございますが、新聞記事が一部ございましたが、支援金を創設するというようなことはおっしゃっておらないようでございます。  いずれにしましても、装置の普及に向けた補助金につきましては、技術開発の状況などを踏まえながら、関係省庁が連携して、総合的に検討を行っていく課題であると承知しております。
  180. 井上英孝

    ○井上(英)委員 ありがとうございました。
  181. 土井亨

    土井委員長 次回は、来る十一月八日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後二時十三分散会