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2019-11-20 第200回国会 衆議院 経済産業委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和元年十一月二十日(水曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 富田 茂之君    理事 大岡 敏孝君 理事 神山 佐市君    理事 小林 鷹之君 理事 鈴木 淳司君    理事 武藤 容治君 理事 田嶋  要君    理事 山岡 達丸君 理事 鰐淵 洋子君       あきもと司君    畦元 将吾君       穴見 陽一君    安藤 高夫君       石川 昭政君    石崎  徹君       大隈 和英君    岡下 昌平君       神田  裕君    高村 正大君       國場幸之助君    辻  清人君       冨樫 博之君    野中  厚君       福田 達夫君    古川  康君       穂坂  泰君    星野 剛士君       細田 健一君    三原 朝彦君       宮澤 博行君    山際志郎君       吉川  赳君    和田 義明君       浅野  哲君    落合 貴之君       柿沢 未途君    菅  直人君       斉木 武志君    宮川  伸君       山崎  誠君    中野 洋昌君       笠井  亮君    足立 康史君     …………………………………    経済産業大臣       梶山 弘志君    文部科学大臣      上野 通子君    農林水産大臣      加藤 寛治君    経済産業大臣政務官    宮本 周司君    経済産業大臣政務官    中野 洋昌君    政府特別補佐人    (原子力規制委員会委員長)            更田 豊志君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房審議官)           諏訪園健司君    政府参考人    (農林水産省大臣官房輸出促進審議官)       池山 成俊君    政府参考人    (林野庁長官)      本郷 浩二君    政府参考人    (経済産業省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官)         三角 育生君    政府参考人    (経済産業省大臣官房審議官)           中原 裕彦君    政府参考人    (経済産業省大臣官房福島復興推進グループ長)   須藤  治君    政府参考人    (経済産業省産業技術環境局長)          飯田 祐二君    政府参考人    (経済産業省商務情報政策局商務サービス政策統括調整官)         江崎 禎英君    政府参考人    (経済産業省電力ガス取引監視等委員会事務局長) 佐藤 悦緒君    政府参考人    (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            松山 泰浩君    政府参考人    (資源エネルギー庁電力ガス事業部長)      村瀬 佳史君    政府参考人    (中小企業庁経営支援部長)            渡邉 政嘉君    政府参考人    (原子力規制庁長官官房緊急事態対策監)      山形 浩史君    政府参考人    (原子力規制庁長官官房審議官)          金子 修一君    参考人    (原子力損害賠償廃炉等支援機構理事長)     山名  元君    参考人    (東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長)           文挾 誠一君    経済産業委員会専門員   佐野圭以子君     ――――――――――――― 委員の異動 十一月二十日  辞任         補欠選任   國場幸之助君     安藤 高夫君   山際志郎君     大隈 和英君   和田 義明君     古川  康君 同日  辞任         補欠選任   安藤 高夫君     國場幸之助君   大隈 和英君     山際志郎君   古川  康君     和田 義明君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  参考人出頭要求に関する件  外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮仕向地とする貨物輸出及び北朝鮮を原産地又は船積地域とする貨物の輸入につき承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件(内閣提出、第百九十八回国会承認第三号)  経済産業基本施策に関する件  私的独占禁止及び公正取引に関する件      ――――◇―――――
  2. 富田茂之

    富田委員長 これより会議を開きます。  経済産業基本施策に関する件並びに私的独占禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。  この際、お諮りいたします。  両件調査のため、本日、参考人として原子力損害賠償廃炉等支援機構理事長山名元君及び東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長文挾誠一君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として厚生労働省大臣官房審議官諏訪園健司君、農林水産省大臣官房輸出促進審議官池山成俊君、林野庁長官本郷浩二君、経済産業省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官三角育生君、経済産業省大臣官房審議官中原裕彦君、経済産業省大臣官房福島復興推進グループ長須藤治君、経済産業省産業技術環境局長飯田祐二君、経済産業省商務情報政策局商務サービス政策統括調整官江崎禎英君、経済産業省電力ガス取引監視等委員会事務局長佐藤悦緒君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長松山泰浩君、資源エネルギー庁電力ガス事業部長村瀬佳史君、中小企業庁経営支援部長渡邉政嘉君、原子力規制庁長官官房緊急事態対策監山形浩史君及び原子力規制庁長官官房審議官金子修一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 富田茂之

    富田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. 富田茂之

    富田委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。吉川赳君。
  5. 吉川赳

    吉川(赳)委員 おはようございます。吉川でございます。  本日の委員会、開口一番ということでございまして、質問の機会をいただきましてありがとうございます。  本日、私、時間が限られておるわけでございますが、基本施策に関して二点お伺いしたいなと思います。  まず、大臣、その場でうなずく、首を振るで構いませんが、大臣地元商店街ですか、那珂湊本町通り商店街、幾つか商店街はあるかと思うんですが、ふだんこの商店街でお買物をすることは。
  6. 梶山弘志

    梶山国務大臣 あの地域に行ったときには、必ず店に顔を出して、買物をする場合もございます。
  7. 吉川赳

    吉川(赳)委員 ありがとうございます。  私も先月、地元の富士市の商店街で長女の眼鏡を購入をしました。買ったのか、娘に買わされたのか、わからないわけでありますけれども。やはり、顔の見える関係で、地元の皆さんのところで買物をするというのは気持ちがいいものだな、そんな印象を持ったわけでございます。  その中で、地域商店街活性化、経産省に力を入れていただいております。その中の調査一つといたしまして、現在、全国平均空き店舗、一三・七%の店舗があいているということでありますが、ただ、これは大分ばらつきはあるかと思います。もともと駅があって人の往来の多い商店街があったり、本当に地方商店街であったりで、うちの地元で、ぱっと見て、三〇%ぐらいはあいているのかなという印象があるんですが。  ちょっとこれは経産省に聞きたいんですけれども、この空き店舗の数の調査方法というのを簡潔に答えていただけるとありがたく思います。
  8. 渡邉政嘉

    渡邉政府参考人 お答えいたします。  中小企業庁では、今後の商店街活性化施策基礎資料とすることを目的といたしまして、商店街の最近の景況や空き店舗の状況、店舗が抱える課題などにつきまして、全国商店街を対象としたアンケート調査といたしまして、商店街実態調査を実施してございます。  本調査におきまして、空き店舗、従前は店舗であったものが空き地になったり空きビルになったり空き倉庫等など、現状空きスペースになっているものを空き店舗というふうに定義してございます。  平成三十年度に行いました調査におきましては、回答のございました約三千五百の商店街におきまして、一商店街当たり平均空き店舗数は五店舗となってございました。また、一商店街当たり平均空き店舗数につきましては、委員指摘がございましたように、一三・七%というふうになってございます。
  9. 吉川赳

    吉川(赳)委員 まず、この回答数。大体、今全国に一万以上商店街があるというので、まず、このデータ自体が本当に正確なのかというところも少し指摘をしたいと思います。というのも、やはり、商店街活性化空き店舗を埋めていくということは極めて重要ですし、また、若い方の起業促進していくということも重要な観点だと思います。  そして、この数字の中で、私、地元で話を聞いていて認識を持ったのが、管理者不明店舗というのが実在するということであります。というのも、例えば物件を貸したいときに、不動産会社に委託をしているのが一般的だと思いますが、そういうことがなされていなかったり、商店街なので所有者不明とまではいかないんですが、賃貸借の意思の有無であるとか、実際その管理を誰がしているのかわからないという店舗がある。  これは、表に出ていれば、借りたいよというときに希望者がいればそこが埋まっていくと思うんですけれども、そういった、ここの物件を借りたいのにどこに行ったらいいのかわからない、振興組合に聞いてもわからないという店舗が実はかなり潜在的にあるのではないかと、今回指摘をさせていただきたいなと思うんですね。  一三%あいているんだから、そこから入ってくれればいいじゃないのという話にもなるんですけれども、例えば、飲食業をやりたいという方が小売店を借りても、その下の排水がなければ初期投資というのは全然違ってくるわけでありまして、一つデータベースとして、現在所有者がわからない店舗ということに関してしっかりとデータ化していくということが、私は活性化に一歩踏み込めると思うんですね。  つまり、管理者不明空き店舗とでも申しましょうか、こういったものに関して、経産省としては認識があるかないかというのを答えていただきたいんですけれども。
  10. 渡邉政嘉

    渡邉政府参考人 お答えいたします。  中小企業庁が実施いたします商店街実態調査におきましては、商店街における空き店舗地権者及びその所在をどの程度把握しているかについて調査を行ってございます。  平成三十年度の同調査におきましては、約二千六百の商店街から調査回答がございました。商店街における空き店舗のうち、地権者が登録されている空き店舗割合は、八〇%以上との回答が最も多く、次いで一から三〇%未満という順番になってございます。  また、商店街における空き店舗のうち、空き店舗地権者所在が把握されているという空き店舗割合につきましては、こちらも八〇%以上というのが最も多く、次いで一から三〇%という順番になってございます。
  11. 吉川赳

    吉川(赳)委員 これは商店街なので、割と、地権者が誰かというのはわかるんですよ。山の中の土地国交省さんがやっている所有者不明の土地建物とはちょっと違って、これは割とわかる。ただ、店舗を貸したいのかどうなのかという意思確認、やはりこういうのをしっかりデータベースでまとめていくというのが今後必要かなと私は思います。  そして、さらに、これは振興組合なんかでそういうところを調べようという取組もなくはないわけなんです。  これはちょっと補足で、まれなケースなんですけれども、そういうときに登記簿を見るわけですよね。ただ、商店街というのは、やはり歴史のあるところはすごく歴史があって、戦前の建物だったり戦後すぐの建物だったり。これは地元で私が実際聞いたのが、地下が登記簿上なかったのに実際あったという、こういう古いビルなんかもあるんですね。  例えば、それを店舗を貸し出すためのデータベースとして今後明確にしていくとするのならば、例えば、国交省さんがやった所有者不明の土地建物、これに関しては、登記簿だとなかなかわからないという点があると、これは固定資産台帳を、普通これは税務以外では見られないんですが、例えば自治体で調べるときに、税務以外でも特例として閲覧ができるということを今やっているわけです。  ですから、管理者不明で古いビルなんかに関しても、今後まだまだ、これは党内でも私議論をしていきたいなとは思うんですけれども、そういった形で明確にして、しっかりと商店街データベースというのをつくっていく、正確なデータベースをつくっていく、それによって、先ほど例を出させていただきましたが、地元商店街起業したいんだという我々の世代の起業促進にもつながっていくと思いますし、経産省、頑張っていただいているわけでありますけれども、もう一歩踏み込んで、地域商店街活性化というものを、いろいろな施策を講じていただきたいと思います。  この質問の最後に、梶山大臣自身中小企業を起こされたという経験がある中で、今回の所信の中にも中小企業における後継者ということは触れていただいているわけでございますが、ちょっと突っ込んで、小規模事業者であるとか地域商店街活性化に対する思い大臣から一言いただきたいと思います。
  12. 梶山弘志

    梶山国務大臣 以前、地方創生担当大臣も務めておりました。やはり地域商店街再生というのは、地域コミュニティー再生にもつながるわけでありまして、大変大きな課題だと思っております。  そして、今委員がおっしゃったように、利用所有というものを分けて考えていく必要がある。そういったときに、まちづくり会社であるとかNPOであるとかそういったところが信用という形で間に入って、借りたい人に貸していくということでうまくいっている地域もございます。  いずれにしても、商店街というのは地域コミュニティーをつくるものであるということ、さらにまた交流の場であるということも考えながら、でも、まずは商工会とか商工会議所が主体になって、この商店街をよくしたいんだ、そして活性化したいんだという思いを、手を挙げていただければ、いろいろな制度がございますので、我々もしっかりと御支援をしてまいりたいと思っております。
  13. 吉川赳

    吉川(赳)委員 ありがとうございます。  本当におっしゃるとおりでございますので、そういった地域振興組合ですとかまちづくり株式会社、こういったところが主体的になったときにいろいろなオプションがあるように、更に商店街振興というものに力を入れていただけたらなと思います。  時間がないので、次の質問に移らせていただきます。  今、経産省が、介護現場実用化できるロボット、これに関しまして、十四億円ですか、補助金を出して進めているということなんですけれども、お金を出すのは経産省、現場で使うのは厚労省という中で、ちょっと時間がないので飛ばすんですけれども、実用化に当たって横の連携はとれているのかということに関しては、これは十分とれているということでありました。  ただ、実用化現場で欲するレベルというのがちょっと違って、ざっくばらんに聞きたいのが、例えば今、見守りセンサーであるとか、そしてさらには入浴や排せつの介助というものの開発実用化、これが進んでいるわけであります。ただ、幾ら便利になっても、厚労省さんが決めている特養ですとか老健こういったところの人的配置基準を減らしてくれないと、現場は、これは人手不足対策なんですよね。要は、二五年には大体三十四万人介護人材が不足すると言われている中で、利便性を向上させて人の手を減らそうという一環なんですが。  ただ、実際、今、老健特養利用者さん三人に対して介護職員一人という、三対一の割合というものが定められているわけであります。これを例えば、こういう介護の機械を、経産省の支援でつくったものを現場で導入したら、この配置基準というのは減らしてくれるという見込みはあるんですか。ちょっと厚労省さんになっちゃうんですけれども。
  14. 諏訪園健司

    諏訪園政府参考人 お答えを申し上げます。  介護職員負担軽減を図って、同時に質の高いサービスを効率的に提供していくためにも、介護事業所における介護ロボットなどの新しい機器活用は重要な課題であると考えております。  このため、厚労省におきましては、介護事業所介護ロボット活用人材育成等に取り組みやすくなるための生産性向上のガイドラインの作成や、事業者団体による活用促進といったことに取り組みますとともに、経済産業省連携いたしまして、介護現場のニーズを踏まえた介護ロボット開発支援、都道府県に設置している地域医療介護総合確保基金活用した介護施設等への介護ロボット導入助成などに取り組んできております。  今後とも、こうした取組の充実を図りますとともに、委員指摘事業所人員配置基準上や介護報酬上の評価につきましては、こうした介護ロボット導入等効果を検証しながら関係審議会において検討していきたい、このように考えているところでございます。
  15. 吉川赳

    吉川(赳)委員 ぜひお願いしたいと思います。  というのも、補助金はあれど導入して結局人的配置基準は変わらないと、ちょっと便利になったけれども、県の監査が入ったときに、人が足りないじゃないかと現場は怒られてしまうわけなんですよね。かなりやられるんですよ。  ですから、これはせっかく便利にするんですから、やはり厚労省の定めるところの配置基準というのを、例えば今の三対一を七対二にするとか、こういうものを導入したらそうしますよとか、それを進めていかないと、これはせっかく開発しても現場で使われないというおそれがあります。お金も出しているんですし。  そして、例えば医療機器、この需要でいくと、直近ベースで、国内需要医療機器は二・九兆円の需要がある、輸出で大体五千億円、医療機器はあるんですね。ただ、医療機器世界のランキングを見てみると、ジョンソン・エンド・ジョンソンですとかメドトロニックですとか、さらにはゼネラルだとか、アメリカとかドイツがトップ二十に入っていることが多くて、日本のテルモさんですとか、例えばカメラの部分でオリンパスさんがやっと十五位以下に入ってくるかなというのが医療機器の今の事情なんです。  今後、この介護産業ロボットというのは、まさに高齢化先進国と言われる我が国では、今後、世界に対して、日本主幹産業として成長していく産業だと私は思っております。経産省もこれは補助を出しているわけでありますから、まさに世界で一番をとれる産業に成長をさせていっていただきたいなと思います。  時間が来てしまいました。きょうは宮本政務官にも来ていただいたんですけれども、最初の質問、特に宮本政務官商工会青年部長をやっていたということで、私も地元青年部員でありますので、ちょっときょうは商店街に関してお答えいただきたかったんですけれども、申しわけなく思っておりますが、今後も一緒にこの地方活性化を頑張っていけたらと思います。  きょうは、お時間をいただきまして、ありがとうございました。
  16. 富田茂之

    富田委員長 次に、石崎徹君。
  17. 石崎徹

    石崎委員 おはようございます。自由民主党の石崎徹でございます。  本日、貴重な質問のお時間をいただきまして、委員長理事委員各位に心から御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。  早速質問に入らせていただきますが、今週の月曜日、ヤフーを展開するZホールディングスLINEが来年十月に経営統合をすると基本合意したと発表いたしました。ネットサービス企業としては利用者数が一億人規模日本最大企業となりまして、米国GAFAや中国の巨大プラットフォーマーに対抗するとのことです。  今回の統合は、グローバル競争で少し出おくれました両社が、規模拡大そして相乗効果の発揮によりまして国内データ獲得競争で優位に立ちまして、日本発プラットフォーマーとして世界の第三極を目指す第一歩と評されております。もっとも、米中の巨大プラットフォーマーとの距離は非常に大きく、米国GAFA各社時価総額が百兆円前後なのに対しまして、今回経営統合する両社時価総額は合わせても約三兆円にすぎないわけでございます。  私は、強いテクノロジー企業の存在は国にとって非常に必要なことだというふうに考えておりますけれども、今回の統合経済産業大臣としてどのようにお考えか所感を伺いたいと思いますし、その上で、GAFAに比肩するような日本発プラットフォーマー育成につきまして、今後、経産省としてどう取り組んでいくのか、梶山大臣にお伺いしたいと思います。
  18. 梶山弘志

    梶山国務大臣 委員がおっしゃるように、一昨日、ヤフーLINEが両グループ経営統合に関する基本合意書の締結を発表をいたしました。個社経営内容についてはコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、デジタルプラットフォーム企業は二〇一九年の世界時価総額ランキングトップテンの大半を占めるなど大きく成長しておりまして、そのビジネス領域を、電子商取引、検索などのバーチャルな領域から、実店舗での小売自動運転などリアルな領域拡大をしていると承知しております。このため、日本産業界にも危機感が生じていると認識をしております。  こうした中で、デジタルトランスフォーメーションを進めて、ものづくり現場における豊富なデータ活用し、新たなビジネスを生み出していくことが、我が国産業の大きな喫緊の課題でもございます。  このような観点から、デジタル市場においてさまざまな企業競争、協調する動きは評価するところであります。  政府としましては、プラットフォーム型の事業展開を含め、さまざまな企業取組支援をしてまいりたいと思います。  先般御審議をいただきました情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案では、デジタル技術データ活用前提とした企業デジタル経営改革の実現による我が国企業競争力強化、新たな産業サービス前提となる、異なる事業者間や社会全体でのデータ連携、共有を容易にするために必要な共通の技術仕様であるアーキテクチャーの策定等に必要な措置を講ずることとしております。  また、ものづくりなどの現場の、大量のデータを持つ大企業とすぐれた技術を持つベンチャーがAIシステムを共同で開発する取組などを支援しておりまして、実際にこれらはもう開発が進んでいるところであります。  こうした取組を通じまして、日本データ活用した企業競争力強化促進をしてまいりたいと考えております。
  19. 石崎徹

    石崎委員 大臣、ありがとうございました。  まさに今言及のありました法律改正等も含めて、国として今後もぜひこうしたプラットフォーマー育成に取り組んでいただければと思います。  続きまして、洋上風力発電推進につきまして御質問させていただきたいと思います。  洋上風力発電導入拡大を目指しまして、海域利用ルールを整備しました再エネ海域利用法がことし四月に施行されたところでございます。  それを受けて、ことし七月には、私の地元新潟県村上市、胎内市沖を含む、既に一定の準備が進んでいる区域の十一区域の整理が行われまして、そのうち、有望な区域とされた四区域で、促進区域指定に向けて協議会組織等準備を直ちに開始することとなったわけでございます。  私の地元新潟県は有望な区域指定から漏れてしまったわけでございますが、ちょうど昨日でございますけれども、新潟洋上風力発電導入研究会の第一回地域部会というものが地元で開催されまして、合意形成が着々と進んでいるところでもございます。  この研究会自体は、新潟県への洋上風力発電の進出を見据えて、関連産業への理解を深め、製造、施工、維持管理等への参入に関する検討を産学官金金融機関も含めて連携して行うことによりまして、こうした会議を重ねているところでございます。  昨日開催されました部会の参加者につきましては、こうした産業界だけではなくて、地元の漁業組合さん、観光協会さん、商工団体、地域区長会などなど、地域ぐるみの多様な方々が集われているところでございます。  こうした新潟県での洋上風力発電事業のための環境アセスに基づく手続にもう既に入っている当事者もおりまして、民間プロセスもしっかり行っているところでございます。  ということで、この法律の施行後に、既に有望な区域と公表されている区域に限らず、こうした、新潟県も含めて全国的に積極的に促進区域への指定、若しくは促進区域に向けた有望な区域への選定を行っていく必要があると思っております。  今後の洋上風力発電推進に向けまして、計画的、継続的な促進区域指定が非常に重要だと思いますけれども、梶山大臣の御所見をお願いいたします。
  20. 梶山弘志

    梶山国務大臣 エネルギー基本計画において、再生可能エネルギーは主力電源化を目指すこととしております。  四方を海に囲まれた日本では、コスト低減と大量導入が期待される洋上風力発電導入拡大は不可欠であると考えております。このため、再エネ海域利用法が昨年の臨時国会で成立をし、二〇一九年四月より施行をされているところでございます。  一般海域における洋上風力発電については、同法に基づき、促進区域指定を行った上で公募をし、公募による事業者の選定を行うこととしております。  この準備作業として、年度ごとに、都道府県から情報収集を行い、地元合意など環境整備が進捗している区域を有望な区域として選定をし、協議会の組織や国による風況、地質調査に着手することとしております。  現在、有望な区域として協議会を開始し具体的な協議を進めている区域は、委員指摘のとおり四区域となっておりますが、これに促進区域指定を限っているものではございません。  今後も、地域関係者の御理解が得られることを前提として、計画的、継続的な指定に努めてまいりたいと思いますし、再生可能エネルギーの拡大に努めてまいりたいと考えております。
  21. 石崎徹

    石崎委員 梶山大臣、ありがとうございます。今、力強い御決意の御答弁だったと伺っているところでございます。  こうした洋上風力発電の展開につきましては、一定の区域だけではなくて全国的に展開できるように、ぜひ後押しをお願いを申し上げたいと思います。  今大臣からも御指摘ございました、まさに再生可能エネルギーはこれから主力電源化政策という位置づけとなっているところでございまして、そういった意味で、今、日本はFIT制度、これが成功しているというふうに考えております。  太陽光発電の導入量につきましても、二〇三〇年のエネルギーミックスにおける目標値を前倒しで達成する見立ても出てきております。この見立てといいますのは、ことしの六月末時点、FIT制度の事業計画認定データにおきましては、運転開始済みの太陽光発電設備だけでも五千六十六・六万キロワットに達しておりまして、このペースで、年間五百万キロワット以上のペースで新設が進んでいきますと、二〇二二年度にはこの目標達成が見込まれるというふうに見ている方もいらっしゃるわけでございます。  こうした二〇三〇年よりもやはり前倒しで、脱FIT、主力電源化に向けました投資を促進していくために、新たな導入目標を設けるべきだというふうに考えておりますけれども、経産省のお考えを伺いたいと思います。
  22. 松山泰浩

    松山政府参考人 お答え申し上げます。  再生可能エネルギーにつきましては、国民負担を抑制しつつ最大限の導入を進めていくというのが政府の基本方針でございます。  委員指摘のように、FIT制度、二〇一二年に導入して以来、相当の導入量が拡大してまいりました。既に二〇一八年で一六・九%まで来てございます。特に太陽光発電につきましては導入が非常に大きく進んでおりまして、手元の数字では、二〇一九年六月末時点で約五千百三十万キロワットまで伸びておりまして、認定案件を含めますと七千七百四十万キロワット、これはミックスで想定しておりました六千四百万キロワットを超えるところまで来てございます。  他方で、まだ水準は達成されているわけではございません。今、足元を考えますと、相当コストでの問題に直面してきている、いわば系統の問題が大きくなってきているということと同時に、乱開発に近い形のものから、事業者の方々の事業の実施状況を踏まえた地元からの反発というのも多々出てきており、認定された案件についても事業化に至らないケースも出てまいっております。また、コストの面で考えましても、FITの賦課金を通じて二兆円を超えるところまで来ておりますので、今後、水準を達成するためにはさらなるコストダウンを進めていく必要がある。  ですので、二〇三〇年度の二二から二四%という数字はキャップではございませんので、それを更に上回る形で導入していきたいというふうに思ってございますが、まずはエネルギーミックスの水準を確実に達成していくということに全力を尽くしていきたいと考えてございます。
  23. 石崎徹

    石崎委員 今いろいろ課題等も御指摘ございましたけれども、ぜひ、FIT制度を前進させてきた経産省の底力を見せて、そういった課題を解決していただきたいと思いますし、また、世界的な動向にも留意する必要があると思っております。IEAが公表しておりますように、世界的な再生可能エネルギー発電の導入目標、こういったものもぜひ参考にしていただきたいというふうに思います。時間の関係で御質問は割愛させていただきます。  今度は、発電側基本料金の導入に関しまして、FIT制度を利用している電源からも徴収が検討されていると伺っております。  FIT制度では売電価格が固定されておりまして費用転嫁ができないわけでありますので、全てのFIT制度を利用している電源種に対しまして必要な調整措置、具体的には発電側基本料金の減免又は調達価格の補填を行うべきだというふうに思っておりますが、こういったいろいろな事業者の皆様方からの声も踏まえて今質問をしているわけでございますけれども、そのあたり、経産省のお立場を伺います。
  24. 松山泰浩

    松山政府参考人 お答え申し上げます。  今委員から御指摘の発電側基本料金というものは、これまで小売電気事業者のみが託送料金として支払っておりました送配電に関する費用の一部を、電源の種類を問わずに全ての発電事業者に対しても課すことといたしまして、いわゆる託送料金に関する部分について、小売と発電と、電力事業関係者皆さんで費用を持ち合う分担のあり方ということを定めるために導入を検討している制度でございまして、昨年七月の閣議決定でのエネルギー基本計画の中でその導入が定められたところでございます。  基本的には、発電、小売間で負担の交渉がされて転嫁されるのが基本でございますけれども、御指摘のように、FIT電源というのは売電価格を固定するというのが基本でございますものですから、他の電源と異なりまして価格転嫁が難しいということは御指摘のとおりでございます。  こうした中で、FIT電源に対する調整措置をどう考えていくかということについては今後検討していくこととなるわけでございますけれども、その際には、FIT、再エネ事業者の方々の負担がどういうものなのかということ、また、FIT以外の再エネ事業者もいらっしゃいます、同時に、FITは適用になっていない一般的な電力発電事業者の方々がいらっしゃる、この方々とのバランスをどう考えていけばいいかということもございます。仮に賦課金の投入ということがあるとなれば、国民負担のことも考えなければならない。  そういうことをさまざま考えながら、調達価格算定委員会の意見も踏まえて、関係者の負担のあり方ということを総合的に考えながら、調整措置ということのあり方を検討していきたいというふうに考えてございます。
  25. 石崎徹

    石崎委員 今御指摘ございましたように、いろいろなお立場の方がおります。  キロワット課金でありますために、設備利用率が低い太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーの事業者の負担が重くて、火力発電や原子力発電の方の負担が軽くなっているというふうにも言われておりますけれども、このあたり、事業者ごとの負担のあり方、手短に御答弁いただきたいというふうに思います。  よろしくお願いいたします。
  26. 佐藤悦緒

    佐藤政府参考人 御答弁申し上げます。  今委員指摘のように、将来的に再生可能エネルギーの普及促進を図るのにこれがマイナスになってはいけないというのは、私ども、まさにそれは重々承知しております。  そもそも、発電側基本料金の導入は、再エネ導入拡大に非常に必要な系統増強を効率的かつ確実に行うことを目的としております。また、将来的に、まさに今御指摘いただきましたような、電源ごとの稼働率の違いを考慮して、初期負担における一般負担の上限の見直しを講じようと思っております。これによって、条件によっては、再エネ事業者の初期負担額が従来に比べ大きく減額をされると考えております。  また、今後新規に計画される再エネにつきましては、発電側基本料金という運転期間中の追加支出も考慮に入れた上で買取り価格や入札価格が設定されることとなり、実質的に影響はないというふうに考えております。  以上です。
  27. 石崎徹

    石崎委員 本日は貴重な質問の機会をいただきましたことを改めて御礼申し上げまして、終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  28. 富田茂之

    富田委員長 次に、斉木武志君。
  29. 斉木武志

    ○斉木委員 おはようございます。  立国社を代表いたしまして、まず質疑をさせていただきたいと思います。  前回、関西電力から町に支払われるべき補助金が、当時の町長の個人口座に九億円入っていましたよということを指摘させていただきました。町民全体が裨益するべき寄附金が政治家の懐にダイレクトに流れ込んでいたというにわかに信じがたい事案でしたので、きょうはちょっと梶山先生にお聞きしようと思ったんですが、その前に、ちょっと、現職の政治家の方々に国の原子力の開発予算が迂回献金されているという事案が出てまいりまして、まずそのことからお聞きしたいなというふうに思っております。きょうは所管の文科副大臣にも来ていただいております。  その国の開発予算というのは、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構及び「もんじゅ」に関するものでございます。  私の地元に「もんじゅ」があって、「ふげん」もありまして、今廃炉措置を行っているさなかなんですけれども、その日本原子力研究開発機構、「もんじゅ」本体ではなくて、そのOBが天下っている天下り下請企業、いわゆるファミリー企業ですね、施設メンテナンスであるとか警備を行っている会社が、地元の高木毅衆議院議員のパーティー券を大量に購入をしております。  例えば、敦賀市に本社がある高速炉技術サービス、現称FTECと申しますけれども、高木毅議運委員長の選挙区支部と資金管理団体に対して百六十二万円パーティー券を購入しています。そして、敦賀市の敦賀原子力サービス、TASが百二万円、同じくパーティー券を購入しております。そして、茨城県ひたちなか市に本社がある原子力システム、現NESIが九十万円パーティー券を購入しております。  これだけではなくて、ここでは選挙区支部と資金管理団体が買ってもらっているという話なんですが、行政区支部も使っております。高木毅議運委員長が住んでいらっしゃる敦賀市の自由民主党敦賀市支部が、同じく高速炉技術サービス、FTECから百三十二万円、敦賀原子力サービス、TASから八十三万円、そして原子力システム、NESIに四十八万円買ってもらっております。  これ、要するに、代表を務めていた三区支部ですね、三区から二区に改編しておりますので、三区と、そして、御自身の資金管理団体で、合計すると三百五十四万円パーティー券を買ってもらっています。そして、居住するこの地元行政区支部、こちらで二百六十三万円買ってもらっている。ということは、合計すると六百十七万円パーティー券等をこの国立研究開発法人の下請から買ってもらっているという事案なんですよ。  この三社は非常に国立研究開発法人と密接な関係にありまして、天下りを全て受け入れております。  まずは、高速炉技術サービス、FTECは機構のOBを役員として四人引き受けております。そして、敦賀原子力サービス、TASは二人受け入れております。原子力システム、NESIは五人の機構OBを役員として雇用しているという、まさに密接なファミリー企業なんですね。  ここで、まず、所管する副大臣にお伺いしたいのは、国立研究開発法人でございますので文科省予算がまさにどんと、「もんじゅ」も二兆円使われました、その下請企業地元政治家のパーティー券を三百五十四万円購入するというのは、どうお考えですか。
  30. 上野通子

    ○上野副大臣 ただいまの御質問ですが、私も今まで全く知らなかった状況でしたので、きちんとしたお答えができないのは残念でございますが、しっかりとした真相究明をさせていただきたいと思います。
  31. 斉木武志

    ○斉木委員 真相究明を、ではぜひやっていただいて、また次回、文科委員会に私が伺っても構いませんので、報告をいただきたいなというふうに思います。  そもそも、「もんじゅ」は二兆円使って廃炉という憂き目に遭った、今の政権与党が廃炉を判断したわけですけれども。これだけの国費をつぎ込んできて、何のために、では「もんじゅ」をつくったんだ、地元の政治家がその下請から三百五十四万もお金をもらうためかという疑念が当然敦賀市民からは出てくると思うんですが、そうした地元住民の原子力と金に対する不信感というものはどうお考えですか、所管官庁として。
  32. 上野通子

    ○上野副大臣 たびたびですが、一般論としましても、世間やステークホルダーの信頼を失うようなことにつながる事案ですので、先生のおっしゃることをしっかりと真相究明をしていきたいと思っております。
  33. 斉木武志

    ○斉木委員 公職選挙法の条文を持ってまいりました。  公職選挙法上は、公職選挙法のたしか二十二条の三ですけれども、国から資本金、基本金その他これらに準ずるものの全部又は一部の出資又は拠出を受けている会社その他の法人は政治活動に関する寄附をしてはならないと定められております。  国立研究開発法人日本原子力研究開発機構はこの法人に該当しますね。
  34. 上野通子

    ○上野副大臣 現在ちょっと確認ができませんので、後ほどお答えさせていただきます。
  35. 斉木武志

    ○斉木委員 これは全て宿題になりそうですけれども。しっかりと時間をとっていただいて、私に答えていただく時間をぜひ、まずこの委員会でもとっていただきたいなと委員長に御要望いたします。  そして、実は同じような、機構の下請からもらっているのは、大臣ももらっていらっしゃいますね。  大臣の自由民主党茨城県第四選挙区支部及び先生の資金管理団体益習会等々の資金管理収支報告書を見させていただきました。  そこで、常陽産業、現アセンドが先生の選挙区支部に、二〇〇〇年に五十万円、寄附を直接入れております。このアセンドというのは、同じように、日本原子力研究開発機構は本部は東海村にありますね、二〇一三年まで先生の選挙区だった、まさに地元中の地元企業でございますけれども、アセンドとはどのような御関係なんでしょうか。
  36. 梶山弘志

    梶山国務大臣 当時、東海村は私の選挙区でありました。その後、選挙区変更で今は五区ということになっておりますけれども。そういった中で、私自身も、研究開発機構の前々身であります動力炉・核燃料開発事業団に勤務をしておりました。  個人的なおつき合いもございますし、支援者ということで、多分、私、ちょっと今、事前にお話がなかったので確認はできておりませんけれども、公職選挙法に基づいて、またほかの法律に基づいて、適切に処理をしているものだと思っております。
  37. 斉木武志

    ○斉木委員 大臣が受け取っていらっしゃるこの機構のファミリー企業というのはまだありまして、二〇〇〇年、同じ収支報告書を見ますと、原子力技術からも五十万円もらっていらっしゃいます。これは東海村に当時本社があって、現ひたちなか市に移転している、まさに機構のファミリー企業、現E&Eといいますけれども、こちらからも五十万円寄附を受け取っていらっしゃいますが、E&Eと常陽産業、現アセンドとE&Eは、これは原子力研究開発機構の研究施設の運転であったり保守であったりメンテナンスなどを行っている会社と承知しておりますが、まずこの二社目の原子力技術、現E&Eと、これは、先代の梶山静六先生のころからこの二社というのは繰り返し収支報告書に名前が出てくるんですけれども、先生とはどのようなおつき合いがある会社なんでしょうか。
  38. 梶山弘志

    梶山国務大臣 私とですか。(斉木委員「はい」と呼ぶ)私とということであれば、私も原子力関係に勤務をしておりましたし、その関係者はよく知っている方であると思っております。
  39. 斉木武志

    ○斉木委員 これは同じように、この二社、常陽産業、原子力技術、まさに名前のあったとおり、高速増殖炉開発、常陽ですね、高速増殖炉開発のまさに中核となる国立研究開発法人のファミリー企業として、長年、こうした「もんじゅ」であるとか常陽であるとか、そして核燃サイクル、これに携わってきた中核企業一つですけれども、そうしたこの二社の売上げを見てみますと、先ほどの国立研究開発法人、機構の売上げが大半を占めている。しかも、OBも同じように天下りで受け入れているんですね。  常陽産業を見ますと、機構のOBが、事業所長また顧問として五人、天下り行為をしております。そして、原子力技術、現E&Eも機構OBが役員として天下り、就任を受け入れているという、まさに密接な、機構と役員との天下り関係にあって、しかも、売上げの大宗を国立研究開発法人、文科省予算から発注されている。  要するに、この二社の売上げというのは、大宗を国の税金が占めているという企業だと思うんですが、そこから寄附金を受け取るというのは、大臣、どうお考えですか。
  40. 梶山弘志

    梶山国務大臣 急な質問でございますので、いつ私どもがその献金を受け取ったかということは、今ここで申し上げることはできません。  先ほどの委員質問の内容ですと、二〇〇〇年ということでありますけれども、私が初出馬をしたときでありまして、また、私の政治姿勢に対する共感をいただき献金をいただいたものだと思っておりますし、その献金につきましては公職選挙法に基づいて適切に処理をしているところであります。
  41. 斉木武志

    ○斉木委員 まさに二〇〇〇年は、先代の静六先生から弘志大臣に代がわりをして、今おっしゃったとおり、初出馬をされて初当選された年です。  私、この静六先生と弘志大臣の収支報告書をずっと見させていただいて、この二〇〇〇年だけなんですよ、常陽産業と原子力技術から五十万円、五十万円、及びその天下りを受けている警備会社のナスカから五十万円、計百五十万円。いわゆる国の予算で食べている会社から献金をもらっているのは、この二〇〇〇年、収支報告書に、表に出ております。ただ、それ以降はぴたっと消えてしまっているんですね。この後、非常にパーティー券収入がふえているんですよ。  大臣のパーティー券収入は、初当選から二〇一七年までの資料がありまして、十二億四千四百万円、パーティー券で収入を上げていらっしゃいます。年七千万円平均ですね。そして、先生の四選挙区支部と益習会に入っている寄附金収入、これは合計で四億一千二百万円入っております。同じ二〇一七年までです。合計しますと、寄附金とパーティー券で十六億五千六百万円稼いでいらっしゃる、年大体一億円収入があるということなんですけれども、これは国の予算にかかわることですので、私が思うのは、資金管理団体……(発言する者あり)
  42. 富田茂之

    富田委員長 ちょっと、御静粛にお願いします。  斉木君、今の発言について、ちょっと後刻検討させていただきたいと思います。稼いでいるというのはちょっと不適切ではないかというふうに。
  43. 斉木武志

    ○斉木委員 では、収入があるに訂正させていただきます。
  44. 富田茂之

    富田委員長 はい。
  45. 斉木武志

    ○斉木委員 収入を上げていらっしゃいます。  この資金管理団体の収入に間違いございませんね。資金管理団体が収入を上げていらっしゃると。  梶山静六先生のころは、毎年のように、この常陽産業、原子力技術、ナスカは、四区支部の寄附金欄に名前が載っております。そうやって先代から綿々と、先生の出身母体でもある機構の関連企業から受け取っていらっしゃって、二〇〇〇年、代がわりの年だけ同じように受け取っていらっしゃって後から消えているというのは、これは、二十万円以下の小口のパーティー券として、この二社の社員、経営者、役員には今も買ってもらってはいませんか。
  46. 梶山弘志

    梶山国務大臣 私の政治家としての信頼にかかわることですから、臆測で物事を言われては困るというのが、まず第一点。適切に法律に基づいて処理をしているということであります。  そして、私自身がパーティー収入がありますけれども、問題のある企業であるとか、そういうところからは、私どもも注意しながらそういったものを買っていただいているということでありますから、その結果がそういう形になっていると思っております。
  47. 斉木武志

    ○斉木委員 私は問題がある企業とは言っておりません。これは、国の予算が、まさに文科省予算がダイレクトに機構に入り、そこの天下りファミリー企業、売上げの大宗を税金が占めている企業からもらっているというのは、私はこれは道義的にいかがなものかと思うんですが。
  48. 梶山弘志

    梶山国務大臣 企業の献金が二〇〇〇年というのは確かなことだと思っております。ただ、その後のパーティーというのは、個人で買っていただいている方が大半でございます。個人、自分の給与から、自分の所得から買っていただいている方が大半だということであります。決めつけで、そういう企業から買っていただいている、そういうお金の流れがあるということは、今言われても私は心外であります。
  49. 斉木武志

    ○斉木委員 私は決めつけはしておりません。買っておられませんかというふうに質問をさせていただいたんです。(発言する者あり)
  50. 富田茂之

    富田委員長 御静粛にお願いします。
  51. 斉木武志

    ○斉木委員 再度これは御質問をさせていただきますけれども、こうした、当時の常陽産業ですね、現アセンド、そして原子力技術、現E&E及び警備会社の東海村に本社があるナスカ、この三社の職員、役員、経営者等から、先生はこれ以降、二〇〇〇年以降、一円もパーティー券を買ってもらっていないということでよろしいでしょうか。
  52. 梶山弘志

    梶山国務大臣 法令に従って適切に処理をしているということであります。それに尽きます。
  53. 斉木武志

    ○斉木委員 私、この原子力とお金の問題というのをなぜお聞きしているかといいますと、前回の質疑でもありました、関西電力の経営層が当時の助役から不適切に、ダイレクトにキックバックを受け取っていたり、また、当時の町長が逆に関西電力から寄附金を個人の口座に受け入れていたり、こういった不透明なお金の流れに対して、立地地域の住民の方からは、この前申し上げました、何で私は避難訓練を、故郷を捨てる訓練をさせられているのに、町長とか政治家ばかりが入っているんだという疑念の声が今上がっているわけですよ。  そうしたときに、先日も、梶山大臣は青森にいらっしゃって、核燃サイクルの堅持、プルサーマルの推進ということを言われたというふうに思いますけれども……(梶山国務大臣「行っていません」と呼ぶ)行っていませんか。この前、青森でどのような発言をされたんでしょうか。
  54. 梶山弘志

    梶山国務大臣 私は青森に出張しておりません。
  55. 斉木武志

    ○斉木委員 これに関しては、訂正をさせていただきます。  この先生の……(発言する者あり)ちょっと場外発言、議長。
  56. 富田茂之

    富田委員長 御静粛にお願いします。
  57. 斉木武志

    ○斉木委員 梶山先生、私が確認したいのは、先生が動燃、日本原子力研究開発機構の御出身、まさにこの国立研究開発法人の中核部門にいらっしゃった方ですので、その方々からは、当然、離職されても、OBとなられた今でも、いろいろ支援を受けられているんだろうなということも容易に想像はできます。ですので、こうした日本原子力研究開発機構の理事であるとか役員さんであるとか現職員であるとか、そういった方々からもパーティー券等は一切、個人としても買ってもらっていないということでよろしいでしょうか。
  58. 梶山弘志

    梶山国務大臣 法令に従って処理をしています。その資料の中で御判断をいただきたいと思います。
  59. 斉木武志

    ○斉木委員 これは、梶山先生の例を離れて、やはり政治資金規正法、ざる法とも言われておりますけれども、政党支部に対して、個人であれば五万円以下の献金は記載しなくていいであるとか、パーティー券収入でも二十万円までは記載しなくていいという政治資金規正法のたてつけになっておりますので、五十万円、この常陽産業であるとか原子力技術、ナスカは五十万円ずつ寄附をしておりますので、五万円を超えております。  やはりこの二十万を超える分、五十万、五十万とかもらっている場合には、二十万円に抑える形で若しくは個人が購入した体裁をとることによって、薄く広く政治資金を集めるという、まさに抜け道にされてしまうのではないかと思うんですが、大臣の御所見はいかがですか。
  60. 梶山弘志

    梶山国務大臣 法令に従って処理をしているということでありますが、例えば、政治家がパーティーをするときに、そのパーティー券を買う自由もあるわけであります。そのパーティー券を購入することが、経歴とか出自に関係あるのかということであります。
  61. 斉木武志

    ○斉木委員 経歴、出自というのは、私は、この国立研究開発法人の下請企業の場合には大いにあると。(梶山国務大臣「個人」と呼ぶ)個人ですね。  個人が、経営者、例えばナスカは警備会社の社長自身が機構OBなんですよ。まさにこういった、国の予算で発注してくれる機構の警備会社が、社長として受け入れて、そこの研究施設の警備をしているわけですね、ナスカさんは。そこから大臣がもらうというのは……(梶山国務大臣「いやいや、もらっていない」と呼ぶ)いや、寄附金として、四区支部の五十万円、これ、記載があります。(梶山国務大臣「それは二〇〇〇年のことですよ」と呼ぶ)  代表者は大臣がそのときになっておりますので、それは管理義務が当然あると思うんですが、いかがでしょうか。
  62. 梶山弘志

    梶山国務大臣 ですから、二〇〇〇年のときも、法令に従って処理をしているわけであります。  その後のパーティー券につきまして、今、委員の臆測がずっと展開をしているわけですけれども、個人で私は買っていただいているわけでありまして、パーティー券を買うことに関して個人の出自や経歴というものは関係あるのかどうなのか、政治のパーティーに参加することがそういう制限をされるのかどうかということは、私はないと思っております。
  63. 斉木武志

    ○斉木委員 私は、まさに政策に与える影響の部分を懸念をしております。  ただ、個人が、例えば警備会社のナスカ、社長さん自身が機構のOBなんですよ。非常に密接な関係を持っていらっしゃる。売上げの大宗も国の予算が占めているわけですよ。そういったところから、まさにこういった、核燃サイクルであるとかプルサーマルであるとか高速増殖炉計画であるとかそういったところ、密接にそこで禄をはんでいる企業からもらうということは、その政策を推進するというモチベーションが当然もらっている側にも働くと思うんですが、そういうモチベーションはないということでしょうか。(発言する者あり)
  64. 富田茂之

    富田委員長 御静粛にお願いします。
  65. 梶山弘志

    梶山国務大臣 パーティーは、個人に広く買っていただいていると、私はそういう開き方をしております。  その中で、その人の経歴が私の政策に影響するということをおっしゃるのであれば、全ての方が政治には関係あるということになると思うんですけれども、今回個人で買ってもらっていることについては、私は違法性はないと思っております。
  66. 斉木武志

    ○斉木委員 違法性はまさにないですので、ぜひ私はこれは調べていただきたいなというふうに思うんですけれども。個人で、今挙げた三社、役員、社長さんそして社員の方々が、先生の、梶山弘志君を励ます会のパーティー券を買われていないかどうか、調査していただけないでしょうか。
  67. 梶山弘志

    梶山国務大臣 先ほども申し上げましたように、私、五十四年から六十年まで動力炉・核燃料開発事業団、今の機構の前々身の会社に勤務をしておりました。私の同期もおります。いまだに年に数回同期会に呼ばれたりして旧交を温めているわけでありまして、そういった中で、梶山が政治に出ているのならということで、パーティー券を買ってくださる方もいるということであります。  それが政策に影響するようなことは私はありませんし、外形的にとおっしゃるのであっても、これは個人の出自とか経歴にはこのパーティーというのはかかわりないと私は思っております。
  68. 斉木武志

    ○斉木委員 調べるという御返答はいただけませんでしたので。  まず、前回私が質問をさせていただいた高浜町の元町長に対する献金、関西電力は直接九億円の寄附金を町ではなくて政治家の個人口座に振り込んでいた、この事案は事実で、お調べになった結果を手短にお伝え願えますか。
  69. 梶山弘志

    梶山国務大臣 十一月六日水曜日の質疑で委員から御指摘のありました、関西電力から高浜町の浜田町長の個人口座への協力金の振り込み等に関する事実関係について、関西電力や高浜町に確認をすぐに行いました。  個人口座への振り込みの有無について確認したところ、関西電力からは、振り込みの明細書等の詳細な記録が残っていない、振り込み先口座について確定的なことはゆえに申し上げられませんが、社内で確認を行ったところ地域振興対策等に用いる目的で高浜町の浜田町長宛てに支出をしたとの回答でありました。  こうした資金の流れを含め、本件事案の究明のため、徹底した調査が現在第三者委員会により進められているものと認識をしております。
  70. 斉木武志

    ○斉木委員 高浜の場合には、今おっしゃったように、浜田町長宛てに振り込んだというのは、関西電力さんが今経産省への回答でお認めになったので、やはり、そこに持っていらっしゃいます「広報たかはま」のとおり、それは事実だったということですね。  私は、これは非常に、電力会社そして地元政治家の不透明なお金の流れだと思っておりまして、何よりも、地元高浜町の方々、「もんじゅ」でいえば敦賀市の方々が、こうした不透明なお金の流れ方をされてしまうと何のために、地域振興と思って協力してきたのに、その裨益すべきお金は政治家の懐に一旦まず入るシステムになっている、これはちょっと許しがたいというのが立地地域の方の素直な声なんですが。  大臣としてはいかがお考えですか、この、政治家に対して直接原子力の見返りと言われる寄附金が入るという構図。
  71. 梶山弘志

    梶山国務大臣 個人の口座に入ったかどうかは明細がないということでありますけれども、町長宛てに支出をしたということは向こうから回答がございました。  私の考えですけれども、例えば、法人であっても最後には個人名が入るんですね、株式会社何々、代表取締役何々。その法人名だけ、また組織名だけで口座は持てないと思っておりますので、いろいろな場合が考えられると思いますけれども、ここでは断定はできないと思っております。  ただ、委員がおっしゃるように、そのお金が個人で使えるような口座に入ったのであれば、大きな問題であると思っております。
  72. 斉木武志

    ○斉木委員 これは非常に許しがたいなというのが立地地域の方の声だと思うんですね。  当時の梶山先生と高木議院運営委員長の例を取り上げましたけれども、全く似通った構図があります。  警備会社からももらっている。先ほど申しおくれましたが、高木毅先生の場合には、森山栄治元助役が筆頭株主兼取締役を務めておりました高浜町の警備会社オーイングから、自由民主党敦賀市支部、行政区支部で二十五万、パーティー券を買ってもらう。また、その関連会社、福井市の警備会社アイビックスからも五十万円購入してもらっております。アイビックスからは、第三選挙区支部の方で、平成十二年、六十二万円の直接献金も受け取っております。ナスカ、先生の四選挙区支部にありました東海村のナスカからは五十万円、先生に寄附が二〇〇〇年に行われている。  要するに、下請のファミリー企業、そして警備会社に至るまで、丸抱えでパーティー券、寄附金を、当地の自由民主党所属の国会議員さんに寄附をしている、パーティーで買っている。これは事実でございます。  こうしたことを、立地地域で税金を使って高速炉研究をしているさなか、そこの警備会社に至るまで、パーティー券、先生の場合寄附金ですけれども、受け取るというのは、私は、法律的には許されても、道義的な責任、原子力行政を公平な視点から、コスト、安全性含めて推進できるのかという疑念が当然湧いてくるんですが、それにはどうお答えになりますか。
  73. 梶山弘志

    梶山国務大臣 二〇〇〇年の献金については、収入ということは事実でありますから、そのとおりに報告書に書いているわけであります。  ただ、そういう決めつけで物事を言われては、私は心外であります。全てが決めつけで今言われているような気がいたします。そして、それ以降は私は献金はいただいておりません。  そして、広くパーティー券を買っていただくということで、先ほど申しましたように、当時の仲間がおります、そういった方たちと不断に旧交を温めておりますから一人一人が買ってくれている、そういうことに対しても、その人の出自、経歴に関して決めつけで言うのは少し心外である、その人の名誉に関しても私は抗議をしなくちゃならないと思っております。
  74. 斉木武志

    ○斉木委員 私はあくまで、もらっていないでしょうかと、全部質問をしておりますので、決めつけているわけでは。質問で、先生がもらっていないというふうにお答えがあるのであればそれでいいと思います。ですので……(発言する者あり)議場外はちょっと静粛にしていただいて。  私は、この高浜町、まさに選挙区でございます。東海村、日本原子力研究開発機構の「もんじゅ」も私の選挙区にございます。非常に、敦賀市の市民の方、そして高浜町民の方、今疑念が高まっているところでございますので、この原子力と政治家と金に関してはしっかりとやはり透明性を確保する、そのための国会にしていく、また継続して特別委員会などで質問させていただくことを言明いたしまして、本日の質問を終わらせていただきたいと思います。  どうもありがとうございました。(発言する者あり)ああ、十分、ありますか。失礼しました。十分、勘違いいたしました。せっかくですので。  一時間分ぐらい質問ありますので、文科副大臣にお聞きいたしますけれども、先ほどの警備会社、しかも、森山栄治元助役が筆頭株主や取締役を務めていた地元の警備会社及びその関連会社から、直接献金であったりパーティー券を買ってもらう、警備会社に至るまで金銭的なかかわりを持っているということに対しては、これは、敦賀市の市民の方というのは同じように疑念を持たれないでしょうか。
  75. 上野通子

    ○上野副大臣 先ほどもお答えさせていただきましたが、地元の皆様の信頼を損なうようなことがないよう、しっかりとした真相究明をさせていただきたいと思います。
  76. 斉木武志

    ○斉木委員 これは、文科省、副大臣が初めて聞いたという事案ですので、ぜひ次回、私、国会での質疑のときにしっかりとお答えをいただきたいなというふうに思っております。  きょう私がお聞きして、文科副大臣が持ち帰るということでしたので、この事案に関して、梶山先生の資金の流れに対する質問は、また次回、特別委員会等でやらせていただきたいと思います。梶山先生だけに特定するわけではございませんけれども。
  77. 梶山弘志

    梶山国務大臣 私は、公にしているとおりでありますので、私の資金の問題についてと、問題という表現が非常にひっかかるわけでありまして、何か問題があったのかどうなのか、いわれのない表現であると思っております。
  78. 斉木武志

    ○斉木委員 それはちょっと違うかなと思いますね。森山栄治さんの場合には、関西電力は電力料金を森山栄治さんからもらっていたという事案です。  この日本原子力研究開発機構は国立研究開発法人で、予算は文科省から支出されている、まさに一〇〇%税金で成り立っている団体……(梶山国務大臣「いや、個人のパーティー券については」と呼ぶ)違う、違う。これは、日本原子力研究開発機構の成り立ちというのは、国の研究開発法人ですよね。ということは、予算は税金で、国民の血税で直接賄われている研究開発機関なんですよ。  そこの天下り役員として社長も受け入れているような警備会社や施設メンテナンス会社が献金を直接行うというのは、これは非常に国民感覚から申しますとおかしいのではないかと。公職選挙法二十二条で本体が直接政治献金を行う行為は禁止されているから下請の方から寄附するというのは、ちょっとおかしいのではないかと素直に国民感情は思うと思うんですが、どうお答えになりますか。
  79. 梶山弘志

    梶山国務大臣 委員は会社から払っているという考えだと思うんですけれども、個人の所得で所得税を払った後に、その使い方についても、出自や経歴によって制限されるんでしょうか。
  80. 斉木武志

    ○斉木委員 私が今聞いたのは、二〇〇〇年の明記されている五十万円、五十万円、五十万円に関してなんですよ。  これは、当時の常陽産業、原子力技術、現E&Eですね、そしてナスカ、この三社は、二〇〇〇年、直接五十万円を、パーティー券の、個人ではなくて会社として、株式会社として、先生の第四選挙区支部に対して寄附金を入れているんですよ。明示されているわけです。これは、その企業株式会社の売上げは国の予算で成り立っていて、しかも、その国の予算で成り立っている機構のOBを社長として受け入れているようなファミリー企業であると。  こういったところから直接献金をいただくというのは、私は、国民から見て、何で税金が直接その地元の政治家の懐に入るんだという疑念が湧いてきませんかというふうに申し上げているんです。
  81. 梶山弘志

    梶山国務大臣 パーティーと混同して委員はおっしゃっていました、先ほどは。そういうことですね、私はそう受け取りました。パーティーにかえて、今度はそういう形で、名前が出ないような形でやっているんじゃないかというお話もありました。  そうじゃなくて、私は、個人のおつき合いでということも言わせていただきました。私はそこに元勤めていた人間でありますから、そういう個人的なつき合いがあるということで申し上げました。  その会社の役員である人たちが、また、そういう思惑を持って出しているかのような表現でありましたし、それはその人たちの名誉も傷つけているということになりますから、私は撤回をしてほしいというお話をさせていただいたわけであります。
  82. 斉木武志

    ○斉木委員 今、ちょっと質問にお答えいただいていないんですけれども。  私が今お聞きしたのは、二〇〇〇年の先生の第四選挙区支部に明示されておる常陽産業株式会社、原子力技術株式会社、ナスカ株式会社、この三社が、直接先生に献金を五十万、五十万、五十万、しているわけです。これは、その売上げは国の税金で立っているんですよ。(梶山国務大臣「全てですか」と呼ぶ)全てとは言いませんよ。ただ、そこの、社長が機構OBから入ってきているわけですよ。ですので、そういった企業から先生が直接献金をいただくというのは、これは、国民から見たら、その原子力行政に対する疑念を呼ぶことになりませんか。
  83. 梶山弘志

    梶山国務大臣 二〇〇〇年、十九年前の話でありますけれども、これは適切に処理をしたということでありまして、それを法律に従って処理をしているわけでありますから、それをまた委員がお話をするということ、さらにまた、その後の話までしたので、私はこう申し上げたということであります。
  84. 斉木武志

    ○斉木委員 結局、そこの三社からもらったことに対する所感は伺えないままなんですけれども、これ以上はちょっとお答えいただけそうにありませんので、また次回、委員会等、機会があれば、しっかりまたお聞きしたいなというふうに思っております。  あと、私は質問をさせていただいていて、しかも寄附金は直接、明示的に、これは臆測ではなくて事実として、五十万、五十万、五十万と百五十万あるわけですから、これに関して今二度にわたって……(発言する者あり)
  85. 富田茂之

    富田委員長 御静粛にお願いします。
  86. 斉木武志

    ○斉木委員 今二度にわたって質問したわけですよ。それを……(発言する者あり)いやいや、二度にわたって御質問したじゃないですか。常陽産業そして原子力技術、ナスカの、五十万、五十万、五十万で百五十万ですね。これが、経営者が直接機構OBから天下りしている警備会社だったり、研究施設の保守、メンテナンスを直接請け負って、売上げの大宗を税金が占めているというファミリー企業なんですよ。そういったところから直接献金を受け取っている。  三度目の質問ですけれども、それに対して大臣の、これはパーティー券は全く触れません、パーティー券は全く切り離して、寄附金に対して、寄附金に限定してお聞きいたしますが、それは、大臣として、国民から疑念を持たれる行為ではありませんか。
  87. 梶山弘志

    梶山国務大臣 二〇〇〇年の当時でありますけれども、その中の幾つかの会社は、幅広く事業をしている会社もございました。そして、その中での社長とのおつき合いもございました。ということで、法律の定める範囲内で献金を受けて適切に処理をさせていただいたということであります。
  88. 斉木武志

    ○斉木委員 わかりました。  この問題に関しては、今、国民の関心も、この関西電力のことを契機といたしまして非常に関心が高い……(発言する者あり)いや、一緒にしておりません。原子力にまつわるお金がどのような形で地元に流れているのか、浜田倫三さんのように政治家の懐に入ってしまっているのか、こういったことは非常に、立地地域だけに関心が高うございます。国民としても、電力料金原資ですから、そして機構の場合には税金原資ですから、これは非常に関心が高うございます。  ですので、これは継続して、また特別委員会等で質疑をさせていただくことを言明いたしまして、本日の質問を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。
  89. 富田茂之

    富田委員長 次に、菅直人君。
  90. 菅直人

    ○菅(直)委員 梶山大臣とは直接こういう形での議論は初めてですが、自社さ政権の当時、橋本内閣で私が初めて厚生大臣を拝命しまして、そのときの官房長官が梶山静六先生でありました。大変お世話になったということで、まずは、そのことの思い出を少し申し上げさせていただきました。  きょうは、できれば少し、まさに原子力行政に関する全体的な今後の展望について、大臣や、あるいは東電あるいは機構、規制委員会にもおいでいただいていますので、そういう皆さんと一緒になって、果たして今の方向のままでいいのか、そろそろ立ちどまって考えなければいけないのではないかと私は思っていますけれども、そのことについて少し話を進めていきたいと思います。  まず第一に、これはもう当たり前のことなんですけれども、現在の日本における原発の状況、これは経産省にいただいたのでもう否定されることはないと思いますが、資料一ですが、工事中を含めて六十基の原発が事故当時あって、現在は、そのうち再稼働が九基、ただ二基は今定期点検中だそうでありますが、そして設置変更許可が六基、審査中が十二基、未申請が九基、廃炉が二十四基、こういうふうに資料もいただいていますが、まずこれだけ、最初に確認だけお願いします。
  91. 梶山弘志

    梶山国務大臣 間違いございません。
  92. 菅直人

    ○菅(直)委員 次に、資料第二ですが、これはいろいろな資料に書いてあるんですけれども、一番わかりやすいのでこの新聞の記事をコピーさせていただきました。この新聞記事によれば、これは二〇一九年、ことしの八月十二日の朝日新聞ですが、「原発安全対策費五兆円超」と、電力十一社の対策費が五兆円を超えると。内容を読んでみますと、「中部電力など六社はテロ対策施設の費用を安全対策費に含めていない。」逆に言うと、これを含めれば五兆円超に更に上乗せされる、こういう状況だということであります。  私は、経産省としてこういうことをきちんと、その電力十一社、もちろんこれは電気事業法の対象になっていますから、きちんとした数字をお持ちかどうか、もしお持ちなら、この原発安全対策費、主にシビアアクシデント等とテロ対策費用の、その新しい新規制基準を満足するための費用が全体で幾らになるのか、お示しいただきたいと思います。
  93. 梶山弘志

    梶山国務大臣 マスコミ各社が開示をしている追加安全対策費の総額を整理しますと、報道されているように、今委員がおっしゃったような規模の五兆円超になると承知をしております。  この金額につきましては、御指摘のテロ対策のための特重施設の費用については、設置変更許可を未申請の三社、東北電力、中部電力、北陸電力、及び、申請しているが今後変動の可能性が高いと判断をしている二社、北海道電力、中国電力、計五社は、各社の判断で含めておりません。その他の六社は含めているものと承知をしております。
  94. 菅直人

    ○菅(直)委員 大体この報道どおりだというのが今のお答えだったと思います。  そこで、これは原子力規制委員会の方にお聞きしたいと思いますが、この表の中で、再稼働している九基とかいろいろありますけれども、テロ対策工事が完成しているのは、全部の原発の中で幾つなのか。また、工事認可から五年以内にテロ対策工事が完成しない場合は現在動いている原発も稼働を停止させると委員長はこの国会でも申されましたが、そのことも含めて確認をさせていただきたいと思います。
  95. 更田豊志

    更田政府特別補佐人 お答えをいたします。  先生の御質問の中にありますテロ対策工事というのは、特定重大事故等対処施設、特重施設のことを指しているという前提でお答えをいたしますけれども、特定重大事故等対処施設につきましては、現時点において工事が完了している原子力発電所はございません。  また、この特重施設については、本体施設の工事計画認可日から五年を経過する、御質問にあったとおりですけれども、その期限を迎えた日に当該施設が完成していない場合には、規制基準に適合していないという状態になりますので、原子力規制委員会としては、原子炉の停止を求めることとしております。
  96. 菅直人

    ○菅(直)委員 経産大臣もお聞きになりましたよね。つまりは、この九基の既に稼働している原発も含めて、一基も、特重施設、つまりテロ対策のための特重施設の工事は完了していない。そしてこの工事が工事認可から五年以内に完了しない場合は停止をさせると。  たしか川内原発は来年の三月が五年を迎えると思いますが、そういう認識はおありですか。
  97. 梶山弘志

    梶山国務大臣 規制委員長の発言も含めて、そういう認識でおります。
  98. 菅直人

    ○菅(直)委員 つまり、原発の再稼働は、今申し上げたように、前提となる新規制基準を満たすために五兆円を超える膨大な投資が必要になることはもちろんお認めになりましたが、たとえ新規制基準を満たす安全対策が完了したとしても、今、完了もしていないですよね、一時的には再稼働が認められているけれども特重施設については完了はしていない、もし完了していたとしても、地元自治体側の了解なしに再稼働が難しいところが大部分です。  例えば、今問題になっている、茨城県の、すぐ近くにある東海第二も、関係自治体の了解がなければ再稼働はさせないという約束をされているはず。  つまりは、二重三重に、再稼働しているものも含めて稼働が停止される可能性もある。そういう状態にあるということは、まず認識としてはお持ちですか。
  99. 梶山弘志

    梶山国務大臣 認識としてございます。  そして、今委員がおっしゃったように、規制基準に適合するものも、地元の理解を得るための努力を今しているということであります。
  100. 菅直人

    ○菅(直)委員 そこで、東電、きょうは副社長においでいただいていると思いますが、東電と機構において少しお聞かせをいただきたいと思います。  今回、私はこの質問をするに当たって、原子力損害賠償・廃炉等支援機構、以下、機構と呼ばせていただきますが、いろいろとちょっと読んでみました。  そして、この機構の根拠法である原子力損害賠償廃炉支援法の一条には、「原子力事業者が損害を賠償するために必要な資金の交付その他の業務を行うことにより、原子力損害の賠償の迅速かつ適切な実施及び電気の安定供給その他の原子炉の運転等に係る事業の円滑な運営の確保を図る」と規定されております。  つまり、私は最初のうちは損害賠償とか事故炉の廃炉に限っているのかと思ったら、そうではなくて、電力の安定供給のことも含めて機構がいわばかかわっている。  つまり、現在の東電は、機構を介して、ある意味で半分国営化した状態にあるのではないかと率直に受けとめたんですけれども、まず、東電御自身の認識を伺いたいと思います。
  101. 文挾誠一

    文挾参考人 それでは、お答え申し上げます。  機構は、現在、当社の株式の引受けによりまして二分の一超の議決権を保有しておりますので、当社は現時点では公的管理下の状態にあるということでございます。  ただ、その上で、当社は、新々・総合特別事業計画を機構とともに作成して、今、国の認定をいただいて事業を運営しているというところでございます。  以上でございます。
  102. 菅直人

    ○菅(直)委員 機構の方にも伺いたいと思います。  今、公的管理下にあることを東電の方も認められましたが、機構としても、東電の株を半分以上を持って、さらに、後ほどお聞きしますが、相当の資金を交付国債を通して拠出している。事実上、東電のそういった経営全体に対して監督責任、管理責任を持っている、そういう認識でよろしいですか。
  103. 山名元

    山名参考人 お答えいたします。  先生御指摘のように、私どもは東電の議決権の過半数を保有しております。  その上で、先生御指摘のように、特別事業計画の目的を達成するために、私どもは、東電とともに国の認定を受けた新々・総合特別事業計画に基づいて、東電の経営に強く関与をしてきているわけでございます。具体的には、新々総特に基づいて、賠償と廃炉の着実な実施について機構として強く関与しているわけでございます。  一方で、その他、民間企業としての東電の個別の事業にかかわる判断については、新々・総合特別事業計画の履行の確保に支障がない限り東電の経営陣に経営判断を任せております。すなわち、総合特別事業計画の履行確保を目指す範囲において、複数の社外取締役を含む経営陣の自主的な経営判断に任せているということでございます。
  104. 菅直人

    ○菅(直)委員 私もそうなのかなと思っていたんですが、今理事長も言われた新々総特に企業価値の向上という項目がありますよね。どうやって企業価値を向上させるのかといろいろ読んでみると、東電の場合、今廃炉が決まっていない原発は柏崎刈羽の原発だけですけれども、それの再稼働によって企業価値を高めるということが言葉として入っているんですけれども、つまり、これは機構が了解されているということですか。
  105. 山名元

    山名参考人 我々は、総合特別事業計画がうたっております賠償と廃炉の責任を果たさすために、経済事業をしっかりと進めていただくということで経営に関与しているわけであります。  その中で、電源のポートフォリオを含む、すなわち、できるだけ安い電源、あるいは信頼のある電源を最適に組み合わせるという判断を東電に求めているということでございまして、その調達電源を選ぶということによって責任を果たさすということで東電に関与しているということでございます。
  106. 菅直人

    ○菅(直)委員 これは関係者の皆さん、大臣も含めてぜひ聞いていただきたいんですが、一般論として、例えばコストカットをするとか合理化をするということで東電がより企業価値を高めるというのは決して私は悪いことだと思いません。しかし、再稼働をすることによって企業価値を高めるということになると、先ほども申し上げましたが、今、東電は一基も動いていません。そして、先ほど来言われていますように、他のところでも、動いているところでさえ、いわゆるテロ対策の特重は完成したところは一つもありません。ですから、私は、こういうところにどんどんお金をつぎ込むと、それは焦げつくのではないか。  一つだけ具体的な例、これもこの場でよくやりました。いわゆる東海第二原発、これは日本原電の会社ですが、これに東電が二千二百億円、いわば料金の前払いという形で出資するということをこの委員会でも発言されました。しかし、東海第二も、再稼働もしていないし、特重の完成ももちろんしていません。  つまり、それが、今理事長が言われた、何かこう、東電が経営をよくする大きな道だというのは、私は判断が間違っていると。ここで足をとめて原発政策全体を考えなきゃいけないときに、再稼働が東電の価値を上げるんだから再稼働を進めるようにと、機構がそのことを追認するようなことを言われるのは、政策的にも機構の立場からしても間違っている、私はそう思いますけれども、お聞きになってどうですか。
  107. 梶山弘志

    梶山国務大臣 これも以前から申し上げていることですけれども、まず、その安全性については、事故の教訓を踏まえて設立された原子力規制委員会が新規制基準に適合するものと認めており、その判断を尊重してまいります。その上で、地元の理解を得ていくことについては、事業者みずからがしっかりと地域に入りながら信頼を積み重ねていくことが最も重要であります。  事業者が真摯に努力を続け、地域との信頼関係を築いていくべき、そして国としては、エネルギー政策における原子力の意義を含め丁寧な説明を尽くしていくという政府の方針に変わりはございません。
  108. 菅直人

    ○菅(直)委員 私が御質問したことについては何一つ答えられていません。  今私が言ったのは、新々総特の中に、企業価値を高める、それには再稼働だ、そういうことを書かれているわけですから、そのことが不適切ではないかと御質問したんです。  あわせて御質問します。  まずは東電の方に聞きますが、これはこの場でもたくさんやりました。いわゆる、日本原電の東海第二原発の二千二百億円の支援を決定した、この支援決定は東電の取締役会で満場一致だったと聞いております。そして、その東電取締役会の中のメンバーとしては機構に在籍する職員が東電の役員に入っていますので、その人も当然了解したということですから、ということは、機構はこの二千二百億の、東電が拠出するということについて了解したということですね。機構の理事長として答えてください。
  109. 山名元

    山名参考人 先ほども申し上げましたように、私ども機構としては、新々・総合特別事業計画の履行の確保、これに支障が生じない限り個別の経営判断については東電の経営陣に任せているということでございます。  この件で、私どもの連絡調整室長が東電の取締役として入っておりますが、この取締役、総特でうたうところの競争力のある電源調達ポートフォリオの構築を目指すという趣旨に沿って、この者が一人の取締役としてその判断を下している、総特の趣旨に沿った上で判断を下していると考えておりますので、特段問題あるとは考えておりません。
  110. 菅直人

    ○菅(直)委員 非常に曖昧ですね。総特そのものが東電と機構がつくっているんですよ。それで、機構の職員が、現職職員が取締役に入っているんですよ。そして実際に了解しているんですよ。しかも、先ほど申し上げたように、私はこれは下手をすればというか、下手をしなくても、可能性として、二千二百億円が本当に発電料として戻ってくる可能性は非常に少ないと、だって、地元の人だってオーケーしていないんだから。そういう中にあって、その人が勝手に決めたんだなんということが通るはずがないじゃないですか。  そして、この職員は、籍は抜かれているようですが、経産省の出向でもあるわけです。経産省から出向して機構の現職職員、その現職職員が東電の取締役、そして二千二百億円にイエスと言って、これは経産省もいわば裏判を押している、それに対して了解しているという理解でいいですか。
  111. 梶山弘志

    梶山国務大臣 原賠機構による出資は、東京電力に賠償や廃炉、安定供給の責任を貫徹させるために行ったものであります。それらに支障が生じるおそれがある場合を除き、個別の経営判断は経営陣の裁量で行われるべきであります。  東京電力からは、競争しながら稼いで福島への責任を果たしていく必要がある中で東海第二は競争電源であると判断をいたしました。原賠機構からは、新々・総合特別事業計画の履行確保に支障が生じない限り個別の経営判断は東電の経営陣に経営判断を委ねております。  新々総特において、競争力のある電源調達ポートフォリオの構築を目指すこととされているため、山下取締役を含む東電の経営陣の判断には、特段の問題があるとは考えておりません。
  112. 菅直人

    ○菅(直)委員 結局機構と同じ答弁なんですよ。  しかし、先ほど来申し上げているように、つまりは、特重を含むこの新規制基準を満足させるための新規の投資というのは焦げつく可能性が大変高いということを先ほど申し上げました。特に二千二百億円は、三千五百億のうちの二千二百億円と言われていますけれども、三千五百億の金をかけて新規制基準を満たしたとしても、周辺自治体が了解する可能性は、私が知る限りほとんどない。そういう状況の中で、いやいや、価値が上がるんだからいいんだということを、経産大臣もきちんと調査せずに判を押している。機構の理事長も、それは東電の判断でと。そんな無責任なことがありますか、こんなことで。  そこで、水かけ論になりますのでもう少し前に進めていきたいと思います。では、どうするべきかということですよね。  私は、原発事故からもう八年半たちました、そして福島原発の事故の状況は、皆さんよく御存じのように、メルトスルーをする事故なんというのはスリーマイルを含めて世界で唯一の事故であり、私が見るところ、メルトスルーしたデブリを取り出す取り出すといっても、取り出して持っていく場所はないんですから、大変長期にかかるだけではなくて、非常に難しい作業が続くと思っています。そして、先ほど来言っているように、新しい投資を東電がやって、それが更に焦げついていく。私は、そろそろ考え方を変える必要があるんじゃないかと思います。  一つの例を挙げてみます。  東芝が、二〇〇六年に米国のウェスチングハウスを買収しました。これは、当時、原発ルネサンスと言われて、アメリカでの原発建設をするためでした。しかし、結果的には、建設が始まってもうまくいかなくて、何兆円とも言われる損害を出して撤退をしたのは、大臣も御存じでしょう。  それに加えて、日立は、二〇一二年にイギリスの、これは原発メーカーじゃないですよ、電力会社ですよ、私は現地に行きましたから見てきました、ホライズンという電力会社を買って、その買った子会社に発注させて原発を二基建設することになっていましたが、最終的に、料金の問題が、前のメイ総理とのあれで合意ができなくて、これも撤退しました。  つまり、東芝も日立も、ある段階ではこれからもう一回原発の時代が来ると思って大きなお金を投じたけれども、難しいとわかって撤退したんですよ。  どうですか、大臣。八年半たったんですよ。そして、原発の稼働は現在九基だけれども、それも来年になれば幾つかはとまる。そんな状況の中で、そろそろ足をとめて考えるときだと思いますが、いかがですか。一般的でもいいですよ。
  113. 梶山弘志

    梶山国務大臣 政府の考え方は、先ほど申したとおりであります。  二〇三〇年にどういう電源構成でいくかということも提示をさせていただいておりますけれども、一方で、化石燃料、CO2の排出の制約もあるわけであります。そういった中で、再生可能エネルギーだけでそれが達成できるかというと、なかなか難しい状況もある。その中で、原子力発電というのも一つのカードであると私は思っております。
  114. 菅直人

    ○菅(直)委員 そこで、資料五に、原発の一時国有化による全電源廃炉政策(私案)をお示ししました。  ただ、これは私案ではありますけれども、実は、立憲民主党が既に、他の野党と一緒に原発ゼロ基本法を提出している。そして、その原発ゼロ基本法の中には、そのゼロ基本法が成立したときには二年以内に実施法をつくる、そしてその二年を含む五年以内に原発ゼロを実現する、こういうたてつけになっています。ですから、私としては、実施法に相当するものとしてこういった考え方を提示しました。  これは少し、若い方にはもう覚えがないかもしれませんが、一九九八年ですか、当時、土地バブルが崩壊したときに、拓銀が倒産し、長銀や日債銀が連鎖倒産する、そういう危機的な、小渕内閣のときに、当時、政策新人類と呼ばれた今の枝野立憲民主党代表や、自民党からも石原伸晃さんなどが勉強会をやって、そしてそうした危ない銀行を一時国有化することによって取付け騒ぎが発生することをとめて、その後、合併とかなんとかで平穏裏に金融再生に向かっていったことがありました。私はそのときの民主党の党首でしたので、よく覚えています。  ですから、そろそろそういう大きな方向転換を考えないと、ますます、さっきの日立、東芝の、あれはあそこで撤退したからいいけれども、これで撤退しないでどんどん突っ込んでいったら、もっともっと大きな失敗をしたんじゃないか。  私がそのときに考えたのは、東電にそうした方がいいよと言っても、やった途端に倒産するのでは、それはなかなか踏み切れないだろう。だから、一時国有化して、いわば会計を分けて、そしてその中で、例えば今経産省が中心に発送電分離をやろうとしていますけれども、今のやり方は法的分離で、所有権分離になっていません。スペインなどは全部所有権分離です。  東電が持っている資産で一番大きいのは、私は、今残っているのは送電網だと思いますよ。それを、全国を送電網で一つの会社をつくって、十兆円ぐらいの資金を集めて、そこが東電から買う、関電から買う、そういう形でその資金もいろいろな廃炉とか賠償に使う。さらに、どうしてものときには、これは余り簡単には言えませんが、原子力政策というのはやはり国の政策として進めてきた歴史がありますから、どうしてものときには財政出動も含めて考える。  そういう大きな絵を描いて進めないと、目先目先で何かごまかしながらやっていったら、気がついてみたら先ほどの五兆円どころか数十兆円のお金を国民の新たな負担にしなきゃいけなくなる。どうでしょうか、その考え方は。
  115. 梶山弘志

    梶山国務大臣 政府の原子力またエネルギーに対する考え方は、先ほど述べたとおりであります。  委員の提唱する一時国有化の案というのも、例えば方向性を決めて負の資産を処理するときに、負債を処理するときには一つこういうこともあるのかなとは思いますけれども、今の政策の中では相入れないものだと思っております。
  116. 菅直人

    ○菅(直)委員 何かはっきりしない御答弁ですが。  つまり、このままいったときに、どうなりますか。例えば、今、野党各党が出している法案が通って、原発をなくするということがもし国会で決まって、そのときの政府がそれを実施するということになったときに、そのままやったときに東電はどうですか、債務超過になりますか、機構はどうですか、東電が債務超過になりますか、答えてください。
  117. 文挾誠一

    文挾参考人 お答えさせていただきます。  今の御質問でございますけれども、とめたらどうなるか、やめたらどうなるかということでございますけれども、基本的には、原子力発電所の稼働につきましては、メリットのある発電所ということでございますので、それを稼働することを前提として今議論を進めております。その稼働することを前提としまして、今厳しい審査を受けてございます。  そういうことからすれば、今の仮定の御質問についてはお答えしかねますけれども、基本的に、今の試算によれば、百十万の原子力発電所一基、一年間稼働すれば、火力燃料費の削減といたしまして、これは前提にもよりますが、四百億円から九百億円、その利益が上がるということですので、こういうことで企業価値が上がるというふうに考えてございます。  以上でございます。
  118. 菅直人

    ○菅(直)委員 つまり、もう頭が固定化しているんですよ。つまりは、思い切って、それは東芝だって日立だって大変だったと思いますよ、何千億、場合によっては何兆という金をつぎ込んだのを、全部損切りをしたんですよ。そういう時期に来ているのではないかということで、直接の当事者の、東電なり機構に聞いたんですよ。それを、別の話をしているじゃないですか。  だから、私は仮定で結構ですよ。つまりは、そういう法律が国会で通った、そして、そのときの政府、それは安倍政権であるか何政権になるかは別として、国会を通るということは政府がやるということですから、そうなったときに、東電の収支が債務超過になるかどうか、そのぐらいの見通しは持っているんでしょう、機構としても持っているんでしょう、もう一回答えてください、副社長
  119. 文挾誠一

    文挾参考人 お答え申し上げます。  今、御質問のありました件でございますけれども、将来のエネルギー政策にかかわる重要な法案である、見解であるというふうに御認識をしておりますので、今後、国会の場でしっかりと審議をしていただきたいというふうに思います。  以上でございます。
  120. 菅直人

    ○菅(直)委員 全然答えていないんですよ。  もちろん、しっかりと審議をするというのは、与党の皆さんによく言ってください。我々が審議しよう審議しようというのを、相変わらず審議を拒否しているのは与党ですからね。  そして、私が言っているのは、もう答えられないようですからあれですが、つまりは、そうなったときに東電は債務超過になるんじゃないですかと。場合によったら他の電力会社。これは若干違います、事故炉じゃないですから、積立金もありますから。しかし、それでも果たして債務はどうなるか。  いろいろとこの間に会計制度を見直されたと聞いています。それで、その会計制度の見直しによって、あるいは、そういうものを託送料という形で後世にツケを回そうとしているという気配が、私が読んだ限りあります。しかも、その託送料には、原発を持っている電気会社の託送料ならわかりますよ、太陽光や風力発電を今から始めた新電力の託送料にもそれを乗っけていく、もちろん事故が起きた後に生まれた人たちにも乗っけていくと。沖縄電力だけは原発を持っていなかったから乗っけないという一部の議論がありますけれども。  そういう、つまりは、原発事故を起こしたことの責任とかなんとかを全部うやむやにして、そして、託送料という形の中に新電力、つまりは再生可能エネルギーの発電業者まで含めて、それを全部補填させるような仕組みを事実上つくっているんじゃないか。  これについて答えられるのは誰でしょうね。
  121. 村瀬佳史

    村瀬政府参考人 お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、二年前、二〇一七年に、原発依存度を低減していくという観点から、廃炉をする際に事業者が合理的に廃炉判断をしっかりしていけるように、廃炉の判断をすべきときにそういった判断がゆがまないような形の環境を整えなければいけないということで、自由化の中で規制料金が託送料金だけになるという中で、託送料金の仕組みを利用して回収する廃炉会計制度を、二年前、二〇一七年に措置をさせていただいたところでございます。おっしゃるとおりでございます。
  122. 菅直人

    ○菅(直)委員 私は、この会計制度の見直しというのは、半分は理解できるんです。つまり、どういうことかというと、あした破産になることがわかってやめましょうということは、東電からは言えない。しかし、少なくとも、そういうことにはならないで、先ほどの金融の国有化のときだって、結局、長銀とか日債銀は名前は変わったかもしれないけれども生き残ったわけですよ、そういうことになる道をつくるという意味ではわからないではない。  しかし、もう一つ、全くおかしいのは、そういう再エネ業者にまで、つまり、原発事故に全く責任がない新たな業者にまでそれを上乗せする、それが、経産省が所管している、つまりは送電網を所有権分離ではなくて法的分離によってそれに一括して乗せよう、これは、私は国民的には納得できないと思います。  さっき言ったように、もしどうしてもお金が足らなくなったら、それは国の責任で進めた原発事業ですから、最終的に国が、つまり財政措置でやることは最後の最後あり得るとしても、それを託送料という形で、国民が見えにくい、それを電気料金に乗っけてやるなんということは、これはまさに国民を二重にだますことになりますから、これは絶対にやめるべきだと思いますが、見解をお聞きしたいと思います。
  123. 梶山弘志

    梶山国務大臣 廃炉の決断を場合によっては促すために、こういう会計制度の変更をしてまいりました。一括償却というよりも平準化をして十年間でできるということで、そこで債務超過にならないようにという意味合いも含まれております。  そして、これらはどう賄っていくかということになりますと、小売規制料金を通じて着実に回収されることを前提として、その費用を分割して計上することとした制度でありまして、これらもしっかりと説明責任を果たした上で御理解をいただきたいと思っております。
  124. 菅直人

    ○菅(直)委員 いや、ですから、その説明責任が、つまりは再エネ関係の新電力にまで託送料として乗っけることになるのではないかということをお聞きしたんです。それは一般にはまだほとんど伝わっていませんよ。答えてください。大臣
  125. 梶山弘志

    梶山国務大臣 電源構成が変わっていく中で、どういうネットワークを構築するかということも大きな課題であります。さらにまた、先ほど申しましたように、原子力の廃炉、冒頭お話ありましたけれども、六十基のうち二十四基が廃炉の決断もしているということでありますから、そういったものを国民負担の中で、託送料金の中で御負担をしていただくということをしっかりと説明していくということであります。
  126. 菅直人

    ○菅(直)委員 ちゃんと答えてくださいよ、何度も繰り返させないで。新電力にまで託送料金で取ろうということですか。はっきり答えてください、大臣として。
  127. 梶山弘志

    梶山国務大臣 そういうことであります。
  128. 菅直人

    ○菅(直)委員 これは大変重大なことですよ。まだそこまで、与党、野党の中でも認識は完全には理解されていないでしょう。私もこの会計処理のややこしいのを見て。地方税法の改正まで絡んでいますから。  一つだけ、念のために聞いておきます。  同じ、廃炉とかいろいろな問題があるにしても、東電の事故炉、いわゆる一号から特に四号まで、これは特殊です。とても普通の費用と期間ではできません。この事故炉に対する、いわゆるかかる費用、十六兆とか二十二兆とかいろいろ言われていますが、その費用を同じく託送料に乗せるつもりであるのかないのか、そこだけ念のために聞いておきます。
  129. 梶山弘志

    梶山国務大臣 これは別枠であります。廃炉・汚染水対策については、東京電力みずからが責任を持って対応することが原則ということで、その資金については、グループの総力を挙げて経営合理化等を進める中で確保することとしております。
  130. 菅直人

    ○菅(直)委員 あえて、もう一度、東電と機構の責任者にお聞きしたいですが、今聞かれたことで、どうですか。つまり、東電にとって最大の負担は、もちろん、柏崎刈羽を動かせば一基当たり幾らの利益が上がるとかというのは、それは買い込んだ原子力燃料が山のように余っていますから、そういうことはあるのかもしれません。しかし、それでも事故炉の処理には、いろいろな数字が出ていますが、私は、少なくとも五十兆、百兆、期間でいうと五十年、百年かかると思いますが、そういうものも含めて、東電はみずからの責任でやれると。  機構は、東電という会社をそのままの形で、私が言ったように部門を分けるとか、場合によっては東電は二つ分けなきゃいけないかもしれない。事故炉の対応と、事故を起こしていない原発の対応と、それから、残った、本来、グッドバンクとバッドバンクと当時言いましたが、ちゃんとした経営をすればちゃんと成り立つところに、私は、場合によっては三つかなとも思っていますが、複雑になるので申し上げませんが。  これは東電と機構に、そういうことについてどう考えているかをお聞かせください。
  131. 文挾誠一

    文挾参考人 それでは、お答えさせていただきます。  福島第一原子力発電所の廃炉に必要な資金ということの手当てを、みずから大丈夫なのかという御質問だというふうに認識いたしますが、これにつきましては、東京電力パワーグリッド、これは送配電部門ですが、これの合理化分を確実に一Fに充てられる措置が今講じられてございます。  加えまして、東京電力グループの経営合理化等によりまして、総力を挙げて捻出してまいる所存でございます。  以上でございます。
  132. 菅直人

    ○菅(直)委員 どのぐらいかかるということを東電としては見ているんですか、事故炉の処理に。
  133. 文挾誠一

    文挾参考人 お答え申し上げます。  これは東京電力としての試算ではございませんが、新々・総合特別事業計画に基づく試算値ということになりますけれども、これにつきましては、廃炉・汚染水で二兆円、デブリで六兆円ですので、合計で八兆円というのが、今、新々総特上の仮置きでございます。  以上でございます。
  134. 菅直人

    ○菅(直)委員 東電の副社長、これは東電の何とかではありませんがという前置きをされますけれども、新々総特というのは東電と機構がつくっているんですよ。ほかの人がつくっているんじゃないんですよ。それで見通しとして大丈夫かと聞いたんですよ。ここにこう書いてあると、他人事みたいに言わないでください。  機構の理事長、機構としてどうなんですか。機構は、まさに賠償と廃炉は直接かかわっているわけですから、事故炉の。答えてください。
  135. 山名元

    山名参考人 廃炉に係る費用の算定ですが、二〇一六年に行われた東京電力改革・一F問題委員会において、海外の有識者の知見も取り入れながら、先ほど文挾社長から回答されました数値を得ているわけです。この範囲において東京電力には責任を果たしていただくというのが我々の基本スタンスであります。
  136. 菅直人

    ○菅(直)委員 では、理事長もこの道のある部分で専門家だからお聞きしますが、本当にこれでやれると、理事長としても思っているということですか。他から来た数字じゃなくて。一般的に言われているのは、二十二兆とかいろいろなことがいろいろな専門家によって言われています。しかし、機構として、この八兆円でやれるという認識なんですね、機構という責任で。答えてください。
  137. 山名元

    山名参考人 この廃炉事業は、先生御承知のように、非常に難しい、世界で初めての、困難な状況が存在しております。それに対して、今、最大の技術的な取組で、できるだけ安く、早く、安全に上げるということを技術トライとしてやっているわけであります。したがって、これが最終的に何兆幾らになるという正確な見積りというのは、今も非常に幅があるとしか言いようがありません。  しかし、その中で、スリーマイルアイランドの経験ですとかそういうものに熟知している海外の有識者から、大体この範囲でいけるだろうという助言を得た上で、この金額でやっていけると今考えております。
  138. 菅直人

    ○菅(直)委員 前半のことが本音だと思うんですよ。正確なことを言えないと。  余り技術的なことに踏み込みたくありませんが、もちろん理事長も御存じでしょう、スリーマイルというのは、メルトダウンはしたけれども、メルトスルーはしていないんですよ。それはプロだからおわかりでしょう。圧力容器の中で溶けたけれども、圧力容器を突き抜けた事故というのは福島だけで、まあ、チェルノブイリは型が違いますから、黒鉛炉ですから。全く違うんですよ。  今、そして、デブリの取り出しだって、冠水でやるか気中でやるか。どうも冠水じゃ母体がもたない。私なんか見ていて、格納容器がこれから三十年後、五十年後はもつのかなと。あの中にあるわけですから、デブリは。ですから、先ほど言われたのが正確じゃないですか。  つまりは、正確なことはわからない、だけれども、八兆円ならやれるという計画をもし東電が立てたとしても、私は無理だと思いますよ、八兆円ではとてもとても。そういう状況にあるということをぜひ経産大臣も、本当にこれは真摯に、これは誰の責任とかなんとかを超えた問題ですから。私は、この処理を誤ると、それでなくても、今、日本の経済、日本の科学技術がどちらかというと必ずしもうまくいっていない状況にあることは我々の世代の責任としても感じていますけれども、もっと足を引っ張られますよ。  もし大臣から前向きな答弁があるんだったら、お聞かせください。
  139. 梶山弘志

    梶山国務大臣 政府の考え方は変わりませんけれども、その時々の状況で、皆さんの御意見をまた参考にしながら考えてまいりたいと思っております。
  140. 菅直人

    ○菅(直)委員 これ以上の水かけ論をやっても仕方ないかもしれませんが。つまり、政府の考え方というのは変わるんですよ、政権がかわれば。実際に変わったんですよ。  当時のことを余り細かく言いませんが、あの原発事故が起きたときに、いわゆる何とか賠償法で、全ての責任は、東電の責任はゼロにすべきだと主張された政治家もおられました。私も、多少の話をしました。しかし、幾ら何でもそれはないでしょうと言って、今のような仕組みで、ちゃんと東電が軸になって賠償をし、そして廃炉することになりました。  だから、今の政府の方針がそうだからといって、それを変えなければいけないときもあるじゃないですか。小渕内閣のときにはそういう法律を出したんですよ、ブリッジバンク法案という法律を。あのときは参議院が逆転したこともありますけれども、それにしても、小渕政権が自民党を中心に出した法案をわざわざ採決しないで、野党民主党が出した法案を採決で賛成して、そういうことを越えていった。ある意味で与野党を超えて、あの金融危機を乗り切る知恵を当時の若手が出したわけですよ。  そういう事態に今来ているんじゃないかという、これは政治家としてのそういう期待感も含めて答弁いただけると、終わりやすくなるんですけれどもね。
  141. 梶山弘志

    梶山国務大臣 当時、原賠法の想定している額を大きく超える被害が出てきたということであります。そして、その中で菅委員がおっしゃったような責任のとり方の議論がさまざまあったと思いますけれども、国としては、東電に福島への責任貫徹のために、新々総特の内容を達成をしてもらうという方針のもと、しっかりと指導してまいりたいと思っております。
  142. 菅直人

    ○菅(直)委員 これで終わりますが、やはりこの問題は次の総選挙で国民的にちゃんと判断をしてもらわなきゃいけない。だから、今のことで幾つかわかりましたけれども、このままいったら国民負担は、私の見る目では一体幾らになるかわからない、こんなやり方をとる政権をそのまま認めるのか、そうではない政権にするのか。これは、この議論を聞いていただいている国民の皆さんに最後は決めてもらいたいということを申し上げて、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  143. 富田茂之

    富田委員長 次に、柿沢未途君。
  144. 柿沢未途

    ○柿沢委員 柿沢未途でございます。  再エネ、自然エネルギーを主力電源にというんですけれども、我が国のエネルギー基本計画における青写真である、二〇三〇年に二二から二四%というこの目標の数字自体が、世界的に見れば、そんな再エネ比率は達成して当たり前以下のものである。つくったばかりの目標が既に陳腐化していると言わざるを得ないような、そんな状況になっているのではないかと思います。  IEA、国際エネルギー機関がワールド・エナジー・アウトルックで公表しているシナリオでは、二〇三〇年時点での世界の発電電力量に占める再エネの割合は、ステーテッド・ポリシー・シナリオ、つまり世界がこれだけプレッジしているというのを足し合わせると、二〇三〇年時点で三七%、そしてサステーナブル・ディベロップメント・シナリオ、パリ協定に整合するシナリオでは四九%に達すると言われている。こういう状況の中で、日本は二〇三〇年に二二から二四という目標をついこの間決めた。これを達成する、これで主力電源だと言っているわけですけれども、大変世界に比べて立ちおくれている、こういう状況だと言わざるを得ないと思います。しかし、主力電源にすると言っているわけです。  一体日本はなぜこういう状況になっているのか。課題そして今後に向けた見通し、まず大臣にお伺いしておきたいと思います。
  145. 梶山弘志

    梶山国務大臣 二〇三〇年の電源構成、委員のおっしゃるとおりであります。  ただ、これがキャップではない、上限ではないということで、できる限りの努力をしていくということでありますが、その上で、再生可能エネルギーを主力電源化するための課題、障壁としては、海外と比べて二倍と高い、二倍ということになりますが、その高い日本の再エネコストの低減をどう図っていくか、また、地域と共生した長期安定的な事業運営の確保、そして、さらなる再エネ拡大に向けた電力系統インフラの整備などが挙げられるわけであります。  具体的に申しましょうか、もう少し。(柿沢委員「いや、具体的には大丈夫です」と呼ぶ)  一応こういうテーマがあるということであります。
  146. 柿沢未途

    ○柿沢委員 御答弁どうもありがとうございました。  主力電源にすると。この主力電源の定義というのはなかなか難しいところがある、それこそ幅があるんですけれども、そういう決意は梶山大臣としても持っているということでよろしいですね。
  147. 梶山弘志

    梶山国務大臣 もちろん、そういう思いで政策を進めてまいりたいと思っております。
  148. 柿沢未途

    ○柿沢委員 その上で課題があるというお話を、少し御答弁をいただきました。  これは、その先につながってくる前置きだったんですが。資料のところに電源開発促進法に基づく電源開発促進税の仕組み等々についてペーパーをお出しをさせていただいております。  いわゆる関電問題なんですが、これは、いかに原発立地地域に対して巨額の公金が支出をされてきてそれが特定の地元業者を潤わせてきたか、そして、それが極めていびつな形で関電の経営トップにキックバックのような形で還流してきたかということを私は明らかにしたものだというふうに思っています。  よく論評されるわけですけれども、原発立地地域、原発立地自治体は、この公金による原発マネーと言われるものにどっぷり依存していると。確かに自治体によっては一般財源の一割以上が立地交付金というような自治体もあったわけであります。  二枚目の資料に、その使い道を例として、松江市のホームページから引っ張ってきたものを一覧表で示しておきましたけれども。松江市が悪いわけではないんですが、道路、河川といったハード系の公共事業を始めとして、消防団員の報酬とか町内会、自治会の活動経費とか、他の自治体では地元の中学生を海外に送り出す費用とか、相当幅広く、言いかえれば何にでも使える、自治体にとってはいわば融通のきくお金になってきたというふうに思います。  言うまでもなく、この電源三法交付金は、電源開発促進法に基づく電源開発促進税を原資としているものであります。三千三百億円に上る巨額な公金が立地地域等に対して支出をされてきました。これは全て電気代を払っている国民負担であります。電力会社を通じて千キロワットアワー当たり三百七十五円、法律に基づいて負担をさせられているわけであります。この電源開発促進税を原資とするいわゆる電源三法交付金三千三百億円、この使い道について、関電マネーの問題もあったところなわけですけれども、適正に法の趣旨に鑑みて支出をされてきた、されている、こういうふうに認識をされておられるかどうか、ぜひお伺いをしたいと思います。
  149. 梶山弘志

    梶山国務大臣 電源立地地域対策交付金は、発電用施設の設置や運転による果実が必ずしも立地する地元の経済発展や地元住民の福祉向上に結びついていないという問題を解消し、発電用施設の設置、運転の円滑化を図るために電源立地地域の自治体に対して交付されるものであります。  負担ということでありますけれども、消費者の負担によるものでありますけれども、具体的には、電源立地地域において、道路、水道などの整備の維持補修、病院、社会福祉施設の整備運営などによる医療介護の向上、教育文化施設の整備などによる教育の向上、地元産品の開発普及など、当該地域が経済発展や福祉の向上等のために必要とする事業が交付金を活用して実施をされております。これによって、発電所の立地に対する地元の方々の理解が向上することを通じて、国民生活や経済活動に不可欠な電気の安定供給に貢献することと考えられております。  支出につきましては、自治体において事業者の契約や工事の完了等を確認する検査等が実施された後に、国としても事業の成果が交付決定の内容や条件に適合しているかどうかを確認をしているところであり、適正であると考えております。
  150. 柿沢未途

    ○柿沢委員 それが今回の関電問題のようないびつな還流構造というか、こういうものを生んできたこともまた事実だというふうに思うんですね。  電源立地に関する地元理解の向上、そして電力の安定供給に資するという御答弁がありました。そのこと自体、私は全否定するつもりは全くありません。かつて、大規模水力、つまりダムですね、そして原発、こうした電源の立地開発には、地元で受け入れてもらうためには相当な困難を要した、反対運動もありました。そのために、地域振興に資するような対策予算が、まあ、地元の方々の理解を得るために必要だったというのはわかります。そして、高度経済成長、オイルショックを受けたエネルギー安全保障の中で、安定的で大規模な電源の確保、我が国がこれに腐心してきたというような歴史的な経過もわからなくはないというふうに思います。  しかし、今や、この大規模集中電源から小規模分散電源へと、電力、エネルギーの供給構造を大きく転換していくべきときになっていると思うんです。化石燃料による大規模火力や原発の立地を促進するという時代は、着実に過去のものになってきているというふうに思います。そして、小規模分散型の再エネ、自然エネルギーが発電コストの低下とともに全国各地で大量導入されつつあって、いやが応にも主力電源として位置づけざるを得ないような状況になっているわけです。  ならば、この主力電源たる再エネ、自然エネルギーの立地促進世界に負けない速度で再エネ、自然エネルギーのシェアを拡大する、これに向けて、まさに電源立地促進税、電源立地交付金なんですから、この三千三百億円に上る財源を使っていけばいいんじゃないでしょうか。いわば原発マネーを再エネマネーにする、これは逆転の発想でありますけれども、しかし、法の趣旨に鑑みて言えば、主力電源だと言っているんですから、これを促進していくことにこの財源を使うことは何らおかしくないというふうに思うんですね。  それで、この電源開発促進法、一ページ目、見ていただくと、電源開発促進税を課税、徴収する目的として、原子力発電施設、水力発電施設、地熱発電施設等の設置の促進等々と書かれているんですけれども、この原子力、水力、地熱等の、この等などには、聞いたら、火力発電所は含まれるということなんですね。昔は、これは火力発電所ってちゃんと列挙、箇条書きで明記されていたのが、いつの間にか火力は隠れちゃったんですけれども、火力は含まれるということなんですよ。  ならば、太陽光や風力といった再生可能エネルギー、自然エネルギーの発電施設の立地等については、これはこの法律の対象になっているんでしょうか。電源開発促進税はその立地のために使えるんでしょうか。お伺いします。
  151. 梶山弘志

    梶山国務大臣 今委員おっしゃるように、原子力、再生可能エネルギーでありますと地熱や水力、それに一部の火力発電所が対象と、現在はされているわけであります。その他の太陽光や風力などの発電施設は、現時点では長期固定電源には該当しないということで、電源開発促進税の使途の対象にはなっておりません。むしろ、太陽光や風力の発電施設につきましては、低コスト化の技術開発など、さらなる導入を進めるための各般の事業をエネルギー特別会計のエネルギー需給勘定において措置をしているところであります。  長期固定電源の範囲は技術革新によって変わり得るため、太陽光や風力発電について電源開発促進税の使途を拡大できないかという点につきましては、将来的には検討し得るものと考えております。
  152. 柿沢未途

    ○柿沢委員 まあ、将来的には検討し得るという大変前向きな答弁では最終的にはあったんですけれども、しかし、長期固定電源ではないから今は対象ではないということもおっしゃられておりました。  長期固定電源という言葉が出てきたり、主力電源と言ってみたり、一体、頼りにしているのか頼りにしていないのかわからないようなお答えぶりなんですけれども。そもそも、この考え方自体が、大規模集中電源が主であった、いわばベースロード電源神話みたいなものに立脚した制度のつくり方だというふうに思うんですね。  これからはそうではなくて、小規模電源をネットワーク化して、その方が災害に対するレジリエンスも高まるということで、大臣こんなにうなずいているんですけれども、答弁すると、長期固定電源じゃないという話になっちゃうわけです。  せっかくですから、もう一度御答弁いただいて、もう一歩前向きなお言葉をいただきたいと思います。
  153. 梶山弘志

    梶山国務大臣 二〇一二年からFITが導入をされました。そして、導入期ということでさまざまな支援をしてきたわけでありますが、これらがエネルギー需給勘定において措置をされているということであります。  ただ、委員おっしゃるように、これからネットワークの課題でも、例えば、災害時に切り離すことによってその地域で分散化していくという考え方もありますし、多様化、分散化という視点も含めていろいろなあり方というものは考えていかなければならないと思います。  法律上はそういうことになっておりますけれども、今後、主力電源化する中で、さまざまな制度の見直しというのはあると思っております。
  154. 柿沢未途

    ○柿沢委員 では、ぜひ法改正しましょう。あるというお話もいただきましたので、大変前向きに受けとめさせていただきたいというふうに思います。  再エネや自然エネルギーのシェア拡大を安定的に実現していけば、原発ゼロどころか、化石燃料の輸入を減らすことにもなるわけです。中東の産油国の王様や王子様に、年間二十兆円もの国富を流出させて、彼らにいわば献上しているわけですけれども、こういうことも減らすことができる。原価ゼロの太陽光や風力によって国産のエネルギー自給ができるようになるわけです。私、まさに、これこそ最大の安全保障ではないかというふうに思います。  ともすれば、原発立地地域への無原則な公金のばらまきと誤解を受ける場合もある電源三法交付金であったけれども、しかし、文字どおり、こうした電源開発促進に使えれば、新たな時代的な意義を持たせることもできるのではないかというふうに思います。  以上申し上げて、再エネ、自然エネルギーの個別論にちょっと入らせていただいてまいりたいと思います。  資料の三ページ目ですけれども、ソーラーシェアリング、営農型太陽光発電、きょうは写真の資料をつけておきました。私が撮った写真なんですけれども、千葉市緑区にあるソーラーシェアリングの大木戸アグリ・エナジーというところです。  ソーラーシェアリングといったって何のこっちゃという方もいるかもしれませんので、写真で見るとこれはぱっとわかるというふうに思うんですけれども、農地の上に架台を設置して、短冊状のパネルで、下で農業をやると同時に太陽光発電をする、これがソーラーシェアリングです。下の写真を見ればわかるとおり、三メートルの架台の下でトラクターやコンバインといった農機具もちゃんと使えます。  パネルにお日様の日が当たって太陽光発電をするわけですけれども、大体これは遮光率三〇%ぐらいが目安となっておりますけれども、七割のお日様は農地に降り注ぎますので、農作物の生育には問題ありません。むしろ、夏場なんかは、そのままお日様が降り注ぐと、農地が熱くなり過ぎて作物の生育を阻害をしてしまう。むしろ、この程度の適度な遮光率によって農作物の生育はかえってよくなる場合もある、こういうことが言われています。  ここではニンニクとか高付加価値の作物を育てているんですけれども、場所によっては田んぼなんかもありまして、田んぼの上でソーラーシェアリングを行っている、こういうケースもあります。  耕作放棄地、四十万ヘクタールと言われて、滋賀県の面積に匹敵すると言われています。農業だけでは食っていけない、だから若い人が後を継がない、そんなわけで、打ち捨てられた農地が耕作放棄地になるわけですけれども、このソーラーパネルによる売電収入とダブルインカムになることによって耕作放棄地がよみがえって、再び農業が始められる、こういう事例が相次いでいます。  実は、この青年は、私の地元の江東区から移住していった子で、全く違うビジネスをやっていたのを、これなら農業をやれるということで新規就農した青年であります。  考えてみれば、農地というのは平らで日照がいいということでいえば、太陽光発電にまさに絶好な土地の条件を具備しているわけですね。山林を伐採してソーラーパネルを置いたり、ゴルフ場の跡地にソーラーパネルを置いたりして、環境破壊だ、景観破壊だ、こういうことを言われているわけですけれども、そんなことをする必要もなく、四十万ヘクタールの太陽光発電に最適な土地が、今、いわば、まだまだそのポテンシャルを持った状態で存在をしているわけです。  ちなみに、この四十万ヘクタールの耕作放棄地でソーラーシェアリングを行ったとすれば、これは現在ある原発五十基分の電力をそこでつくることができるようになります。荒れた耕作放棄地も、緑あふれる美しい田畑として復活をすることになる。売電収入目当てで警戒してきた農水省も、大分考え方を変えて、営農型太陽光発電と位置づけて、大変肯定的な姿勢をとるようになっています。しかも、これは日本の長島彬さんという民間の技術者が実用化した技術で、日本発のいわば自然エネルギーの技術イノベーションなんですよ。そのくせ日本は、もたもたもたもたしているうちに、気がついたら、韓国だとか台湾だとか東南アジアだとかで、ソーラーシェアリングをやろう、食料の問題とエネルギーの問題を抱えた国が、これは大変注目すべき技術だということで、だんだん先行し始めている、日本が立ちおくれていてどうするんですか、こういう話だと思うんです。  この主力電源化に当たって、自然エネルギーとして、このソーラーシェアリング、農地を使った太陽光発電、これをぜひ政策的に伸ばしていくべきだと思いますが、大臣の見解を伺います。
  155. 梶山弘志

    梶山国務大臣 ソーラー発電、地方に行くと、農業に不適な地域で、斜面であるとか山間地であるとかそういうところに置かれているのが現実であります。  ただ、今委員がおっしゃったように、農業と両立できるということであれば、それは両方から収入があるということにもなり、農家というのも大変やりやすい形になると思います。それが関係省庁において、一定の要件を満たした場合には現在営農を継続しながら農地の上部に太陽光発電設備の設置ができることを認める旨、明確化していただいておりますので、このような措置により着実に普及していくのではないかと認識をしております。  引き続き、国民負担を抑制しつつ再生可能エネルギーの最大限の導入を図るという基本方針のもと、関係省庁とも連携しながら、農水省、具体的には農水省ということになろうかと思いますけれども、推進をしてまいりたいと思います。
  156. 柿沢未途

    ○柿沢委員 これは、主力電源化していく上での課題を解決する一つの道筋を示していると私は思います。  そして、日本が、何をやっても地方創生ということがなかなか結果を出してこられなかった、そういう地域の衰退や疲弊が続いてきた、そして農業者の人口も減り続けてきた、こういう時代の状況を大きく転換させる、そうした可能性のあることだというふうに思いますので、一般論的な見解ではなくて、ぜひ、いわば農村地域を背景として選出をされておられる梶山大臣ですので、こうした点に力を入れて、経済産業大臣として取り組んでいただきたいというふうに思います。  この話をしたのは、今まさにFITの見直しの議論をやっているからでもあります。ソーラーシェアリングもそうですし、また、引き続き政策的に伸ばしていく、そうした太陽光発電も私はあると思います。エネルギーの地産地消で地域が豊かになって、また、自然エネルギーの本義に鑑みれば、地域循環型で小規模分散型の太陽光発電、こうしたものは、地域外資本がどんと乗り込んできて乱開発でメガソーラーをやるとか、こういうものとは別な対応をやはりするべきことではないかと思います。  特に、ソーラーシェアリングなどについては、やはりFITの対象からいきなり来年外しちゃうとかいうことではなくて、政策的に伸ばしていく、そうした姿勢が求められるというふうに思います。  大臣の見解を伺います。
  157. 梶山弘志

    梶山国務大臣 委員が今ずっとお話ありますように、選択と集中から、また分散、多様化という発想も必要であると思っております。  そういった中で、ソーラーシェアリングというのも有効な手段の一つであると思いますので、しっかりと根づくような連携をとってまいりたいと思います。
  158. 柿沢未途

    ○柿沢委員 FIT制度の見直しをめぐる算定委員会の議論が今現に行われている状況ですから、ぜひ大臣としても密接にウオッチをしていただきたいというふうに思います。  話はかわりますが、先般、環境委員会で小泉進次郎環境大臣にもお伺いしたんですけれども、日本の住宅、建築物の断熱のおくれの問題です。  日本は、本当に、住宅の断熱に関しては、世界で最もおくれていると言ってもいい国だというふうに思います。二十年前の改正省エネ基準を、結局そのままずっと、レベルアップもできていないまま、本当は義務化するはずだったのも、先送りというか事実上断念してしまった。結果的に、その二十年前の断熱基準を満たしていない住宅、建物でも、今も建てることができる、こういう状況になってしまっているわけです。  ドイツのパッシブハウス基準というのと比べると、日本の義務化されていない改正省エネ基準でも、何と、暖房に要する一次エネルギーの消費量は六倍も違うという試算があります。つまり、室内温度を例えば二十度に保つためには、暖房に消費する電力を六倍も使わなきゃいけない。こうやって無駄な電力をだだ漏れさせて、そして、化石燃料をそのためにがんがん燃やして、それで日本が省エネ大国だ、本当にちゃんちゃらおかしい状態になっているというふうに思います。  このお寒い状況の日本の住宅の断熱の状況を、しかも、法律の改正によってそのおくれた基準、二十年前の基準をせめて義務化することすら断念してしまった、こんな現状にあるということについて、エネルギーまた省エネ政策を所管する大臣はどういうふうに感じておられるでしょうか。
  159. 梶山弘志

    梶山国務大臣 断熱等を行うことによって、熱の効率化、ひいては省エネ、また電力の化石燃料を少なくしていくということにもつながると思っております。  ただ、これは、民間の住宅の断熱化というのは大変大きな課題であると思いますので、これをどう進めていくかというのは、委員おっしゃるように、これからやはりしっかりと考えていかなくちゃなりませんし、国土交通省また地域連携しながらやっていくものだと思っておりますので、こういったことも含めて、省エネの観点から取り組んでまいりたいと思います。
  160. 柿沢未途

    ○柿沢委員 いいですか、室内の気温差がこの断熱の低さによってもう大きく違う。エアコンをがんがん回して二十五度とかにしている居間から、廊下に出て寒い寒いと思いながら歩いて、脱衣所で裸になって、お風呂にざぶんと入って、熱いお湯の中でヒートショックを起こして脳卒中でそのまま亡くなっていく、こういう死者の数が何と年間一万九千人ですよ、交通事故の死者四千人の五倍の数字になっているわけです。  私は、これは、断熱性能の低い家を放置しているために亡くなられている方が出ている、そして後遺障害、死なないまでも後遺障害で苦しんでいる方はその何倍にもなるでしょう。私、これは、国家的恥辱、シェームだというふうに思いますよ。  この話をすると、ZEHをやっています、ゼロエネルギー住宅を推進していますという話になるんですけれども、資料の四枚目を見てくださいよ。二〇二〇年に新築注文住宅半数をZEH化する、ゼロ・エネルギー・ハウスにするんだ、断熱性能を高めるんだと言っておきながら、何と、二〇一八年の時点で、その達成率は一九・六%、二割に満たない、こういう状況ですよ。大変お寒い現状です。  これも新建ハウジングさんが自分で調べてこういう数字だということをはじき出したようですけれども、数字の確認とこの今の現状についての認識をお伺いしたいと思います。
  161. 梶山弘志

    梶山国務大臣 二〇一八年七月に閣議決定した第五次エネルギー基本計画において、二〇二〇年までにハウスメーカーが新築する注文戸建て住宅の半数以上で、二〇三〇年までには新築住宅の平均でZEHの実現を目指す目標を掲げております。  二〇一八年度実績に関しましては、御指摘のとおり、新築注文戸建て住宅のうち、ZEHは一九・〇%であり、さらなるZEHの普及に向けた取組は重要と考えております。  このため、経産省では、国交省、環境省との連携のもとで、ZEHの導入支援や普及啓発を行うことでZEHの普及促進を図っているところであります。
  162. 柿沢未途

    ○柿沢委員 いや、二〇二〇年目標はもう絶望ではないですか。  しかも、このZEHの補助金ですけれども、年度内に工事を完成させなきゃいけないという制約があって、年度の後半、秋から冬にかけて家を建てようという人は、結局ZEHの補助金は使えないということになって、ZEHのゼロエネルギー住宅を建てようと思っても、施主さんが諦めているケースが大変多いということが言われています。  予算もあって、なおかつ建てたいという人がいるのに、そういうばかげたような仕組みで使えないということが起きている。改善を求めたいというふうに思います。  断熱性能のことについていえば、窓が一番大事です。暖房、冷房が抜けていくのは、開口部、窓が六割、七割ですから。単板ガラスのアルミサッシ、世界で最もスペックの低い窓をやはり大きくリプレースしていく。この断熱リフォームをやることは、私は経済効果がある、経済対策にもなるというふうに思います。  その中で、樹脂サッシまた木製サッシ、これはアルミサッシよりも千倍も断熱性能が高いです。樹脂サッシの方が大量の工場生産に向きますから、ほっておくと、全部樹脂サッシになっていっちゃうんですよ。  森林環境税なんという税金までつくって、国内の森林を活用していこうということで、林業、木材業の振興をやっているときに、木製サッシの、この巨大なリフォーム需要をそのままほっぽらかしておくのは全くもったいないと思うんですね。  しかも、最後のペーパーを見ていただければ、これはマンションの内窓リフォームですけれども、がらっと美観は上がって、断熱性能は上がって、電気代は下がって、そして、ヒートショックもなくなり住み心地もよくなる。いいことずくめなんですよ。そして、木材需要は巨大な需要が出てきて、建設産業にはリフォーム需要が出てくる。これはやらない手はないというふうに思うんですけれども。  きょうは林野庁長官も来ていますけれども、森林環境税みたいな財源もあるわけですから、これを、窓の木製サッシによるリフォームを政策的にやはり推進していく、このことが大事だと思いますけれども、見解を伺います。
  163. 本郷浩二

    本郷政府参考人 お答えをいたします。  木製サッシは、一般的に、金属製サッシに比べて熱を伝えにくく、省エネ性能が高いと言われていると承知しております。  また、木製サッシについては針葉樹の無垢材の活用も多いと承知しており、構造材と比べて付加価値が高い木製サッシなどの建具への木材需要拡大すれば、林業の採算性の向上にもつながるものと期待しております。  このため、農林水産省では、令和元年度予算において、建具や家具などについても開発普及に必要な予算を計上しているところでございまして、木製サッシについても支援することも可能となっております。  林野庁といたしましては、引き続き、予算の確保に努めてまいりたいと考えております。
  164. 梶山弘志

    梶山国務大臣 柿沢議員からの呼びかけによりまして、木製サッシの普及に向けまして、資源エネルギー庁の省エネルギー課とサッシメーカーとの意見交換会を十二月中旬に実施予定をしております。そういった意見を参考にしてまいりたいと思います。
  165. 柿沢未途

    ○柿沢委員 結果的に大分前向きな答弁を幾つもいただきました。本当にありがとうございました。  終わります。
  166. 富田茂之

    富田委員長 次に、田嶋要君。
  167. 田嶋要

    ○田嶋委員 午前中最後、立国社の田嶋要でございます。  今、柿沢さんからございました最後の方の建築の話は、私も、四年か五年前に国土交通委員会で、差しかえて質問をさせていただきまして、残念ながら、一生懸命やりましたけれども、義務化の見送りということになって。私、昨年冬にドイツに行ってまいりました、おととしはデンマークに行きましたけれども、日本の断熱性能というのは、大体、あちらの国の倉庫、人が住む場所じゃなくて倉庫水準だというような言い方もされて、本当に恥ずかしい状況にあるということでございます。  国交が中心かもしれませんが、ぜひ、きょう御関心を持っていただきましたので、大臣にも問題意識を強く持っていただきたいというふうに思います。ここが省エネを、大きく結果を出せる分野だということをぜひ御理解をいただきたいというふうに思います。  それでは、最初の質問ですが、ちょっと先ほど菅委員とのやりとりで大臣がこういうことをおっしゃいました、いきなり再生可能エネルギー一〇〇%はなかなか難しいと。これは、時々おっしゃる方がいらっしゃるんですが、私たちは、私も含めて、いきなり再生可能エネルギー一〇〇%が可能とは思っていないんですよ。  どうするかといったら、化石の中にもいろいろありまして、御存じだと思いますけれども、石炭火力はやめた方がいいというのが大きな流れ。石油火力は非常に高いですから、ただ、日本は突出して石油火力比率が先進国の中では高いんですが、我々は、主力電源として、当面はLNG火力というのはやはり必要だというふうに考えているんですよ。  大臣、そこは誤解されてほしくないんです。原発全部なくすといって、いきなり一〇〇%再エネでやるということを我々は主張しているわけじゃないということなんです。そこをぜひ御理解いただきたいと思いますが、間違っていないでしょうか。いかがですか。
  168. 梶山弘志

    梶山国務大臣 それは理解をしているつもりであります。  また、LNG火発というものもふえてまいりますし、また、燃料としてのLNGの活用というものも、船舶の燃料であるとか、バンカリングをシンガポールと連携してやるとか、そういう取組もされているということで、温暖化ガス排出のためにいろいろな取組をしていることも承知をしております。
  169. 田嶋要

    ○田嶋委員 ありがとうございます。  まず、申し上げました省エネですね。まずは、LNGよりも前に必要なのは省エネなんですよ。  日本は省エネ大国という勘違いがあるけれども、九〇年代以降、全然省エネができていない国なんですよ、相対的に言えば。だから、先進国の中で一番取り残されているのがこの日本。そして、一番問題があるのは建築分野なんですね。だからそこをしっかりやっていただく。その上で、再生可能エネルギーを主力にするんだけれども、いきなり全部は無理だから、石炭などは減らしながらLNGをしっかりと育てていく。  実は、火力発電の中でもLNGは分散型にもできるわけですよね。そうしたことも含めて、バランスよく、できる限り早くに再生可能エネルギー、できれば八〇パー、一〇〇パーという国にしていっていただきたいというふうに私は思っているところでございます。  それでは、通告をしております質問ですけれども、きょうは資料をお配りしております。一番から資料をごらんいただきたいと思いますが、これ、大臣、よく大臣がかわりますから、毎回大臣がかわるたびに言うんですが、日本の現状に関してどう思っているか。  梶山さん、私とよく並んでおりましたので、思いは共有していると思うんですが、私は世耕さんのときにも申し上げました。悲観的になることは嫌だけれども、強い危機感を持たないと日本は本当にだめになっていく。そういう恐怖感すら私は感じます。  私は、ことしから、日本を先進国とは呼べないということをあちらこちらで言っておるんですが、最近、多くの方が、例えば孫さんとか、それからユニクロの社長とか、皆さん同じようなことを言い始めています。没落途上国、衰退途上国、そんなようなこともおっしゃっています。アトキンソンさんは、世界一人口が激しく減っていく国と言っていますね。最賃を上げよとおっしゃっている方ですね。  この資料の一、二、三、四、別に、我々のときの政権がよく見えるような工作をしたわけじゃありません。これはファクトであります。一番、二番、三番、四番。私、きょうは質問をいたしませんけれども、恐ろしい状況ですよ、今の日本。だから、アベノミクスがうまくいっているなんという錯覚をせずに、もうちょっと現実を直視していただいて、せっかく大臣が新たにやられることになったから、その危機感を持ってやっていただかないと、日本は本当にこれからまずい。失われた三十年と言われますが、その九割は自民党政権ですよ。だから、それはもうよく考えて、これからキャッチアップしなきゃいけない。  例えば、この建築の問題だって、日本はおくれにおくれているんです。おくれにおくれている。そういうことが随所にあるんですよ、この国は。だから、それがちりも積もって山となって、日本は物すごく成長しない国、実質賃金が上がらない国、そういう国に今なってしまっている。そのことをぜひ御理解をいただいて、大臣としての職務を果たしていただきたいというふうに思います。  それでは、最初の質問ですが、レジ袋ですね。細かい話かどうかは人によって認識が違うと思いますが、私はこの個別の案件の中にも、またもう一つ日本がおくれる原因をつくるんじゃないかなという懸念があるので、先週、小泉大臣には会えませんでしたけれども、環境副大臣に会ってまいりました。五ページの資料でございます。  この五ページの資料を環境副大臣に御提示をしまして、申入れをしたわけでありますが、経産省はなかなか三役でお受けをいただけないということで、実はきょうの夕方ようやく入りました。私も行ってまいりますけれども、これをやってほしいんですよ、我々も当然、レジ袋の有料化ですね。  レジ袋一人当たりの使用量は、世界の中でアメリカに次いで日本が二番目だというふうな状況だと理解しておりますが、そこでちょっとひっかかるのは、いろいろな理由をつけて例外を設けようとしておるわけでありまして。どうも聞くところによると、小泉大臣も例外を設けることには否定的だといううわさは、うわさですよ、うわさで入ってきているんですね。大体こういうことは、業界側の声を聞いて抵抗勢力になるのは経産省ですから、だから経産省の大臣、経産大臣が、これはやはり例外なしにやるべきだと判断すれば、大体それは例外なしに行くと思うんです。どうも聞いているところだと、政治家はそういう方向性を理解しているけれども、役人の方々がどうも、そういうのはやはりだめだみたいにやっているといううわさも聞いているんですけれども、大臣、そういう話は聞いていますかね。  ぜひ、私は例外を設けないレジ袋の有料化を始めるべきだと思いますが、いかがですか。
  170. 梶山弘志

    梶山国務大臣 レジ袋と、あと廃棄の問題もこれはかかわってくると思うんですけれども、そういった面を考慮しながらこの対策をしていかなくちゃならないということです。  今、田嶋委員がおっしゃるような例外ということですけれども、石油資源由来のワンウエーのプラスチック製の買物袋については、使用削減を徹底すべきものとして有料化を義務化してまいります。そして、バイオマスを用いた袋等については、それぞれ一定の環境性能が認められるため、むしろ化石資源由来のワンウエーのプラスチック製買物袋から転換を進めるべき対象とするべく、有料化の対象外とするとの結論を得たところであります。  そして、これは海洋ごみ、マイクロプラスチックとかいろいろな課題がありますけれども、廃棄をしっかりしていく、またライフスタイルを変えていくということも大変重要なことだと思いますので、それらもあわせて、関係省庁と連携しながらしっかり取り組んでまいりたいと思います。
  171. 田嶋要

    ○田嶋委員 今パブコメ中なんですよね。だから、最終確定じゃないんですけれども。  要は、今大臣も後半でおっしゃいましたスリーRというのは、一番最初に出てくるのはリデュースなんですよね。リデュースということは、使用量そのものを減らそう、何でできているとかは関係ないです、そもそもが、もう大体買物するたびに袋をもらうという習慣を変えていこうじゃないかというのがポイントですよね。そうじゃないと、ごみは減りませんよ。だから、後ろでいろいろしゃべっていますけれども、大臣、これは政治家として考えたときに、やはり例外を設けずにやる、これがポイントだと思いますよ。  これはお配りしていませんけれども、先行自治体が幾つぐらいやっているんでしたっけ、これは自主的な取組をあちこちでされています。いただいた資料では、富山県の例、新潟県佐渡市の例、徳島県の例、どれも例外を設けることなく始めているんですよ。自治体が一生懸命例外なく始めているのに、これからやろうとしている国が例外の穴をつくってやるんですか。何か順序が逆なような気がしますよね。  だから、これは消費税の軽減税率に例えるのがいいのかどうかわかりませんけれども、もう一律で有料化ということにぜひスタートを切ってほしい、七月。小泉さんもそういう思いだといううわさを聞いています。  大臣もぜひ、例外なくということをもう一回念を押しておきますので、きょう夕方、申入れも行きますから、ぜひよろしくお願いします、大臣。  これは、官僚が何を言っているかということはおいておいて、皆さん政治家、地元に帰れば、わかりにくい制度にしたら大変ですよ、またこれは。みんなでシンプルに、使う量を減らそうよということです。中小企業支援とか、いろいろ零細企業が頑張っている、そこの応援はまた別に考えるとして、こういう一般国民みんなに影響する、これは象徴的ですよ。  全体のごみの中の量としては比較的少ない、少ないけれども、みんなが日々経験することだから、それは例外なく、みんなでやる、そのことを決断していただきたいです。どうぞよろしくお願いいたします。
  172. 梶山弘志

    梶山国務大臣 要請書を私も読ませていただきました。また、きょうおいでになるということで、しっかり検討してまいりたいと思います。  先ほどライフスタイルを変えると申しましたけれども、私の周りでは、やはり買物袋を持って、いつもレジ袋は要らないと。私自身もそういうことを心がけていますけれども、そういうものがしっかり行き渡るような努力をしてまいりたいと思います。
  173. 田嶋要

    ○田嶋委員 もう統計上も、有料化するとマイバッグに切りかえる割合は一番高いんですね。それは、大臣が行かれているそのスーパーはもうそういうことをやっているかもしれませんね。だから、いずれにしても、ぜひお願いいたします。  繰り返し、くどいですけれども、最初に申しました、一個一個の判断が、若干間違った判断の積み重ねが今の日本の国力の低下につながっていると私は思っています。  大臣がこれをどう判断するか、それが五年後、十年後の日本の未来を決めますよ、一個一個の。だからぜひ、私ははっきり言っておきますからね。これは大臣、後々まで残りますよ。大臣がどういう判断をするか、そのことをちゃんと期待して見ておりますので、よろしくお願いします。  次の質問に行きます。  閣僚の説明責任も少しお尋ねしますけれども、これはやはり大臣大臣は新たな大臣になられましたけれども、前の大臣はどこかに行っちゃって、何の説明もないまま今日まで来ているということですね。これは大臣の問題ではないですよ。  ただ、大臣をやめた途端に、我々はアクセス不能になるんですよ。きのうも本会議場で捜したけれどもいらっしゃらないようでした。どうしたらいいんですか。しかも、本人自身が、前の日の深夜まで、私はあしたの委員会で一生懸命説明すると言っていましたよね。どういう力関係があって突然いなくなったのか、我々にはさっぱりわかりません。何で説明がないんですか。  私の千葉県は今いろいろ大変なことが起きているんですけれども、それでも森田知事は説明していますよ。だけれども、その方が私はまだいいと思う。ちゃんとみんなの前に出てきて、なぜ説明ができないのかなと。  これはたらればの話になっちゃうけれども、今大臣をやっておられるから、こんなことを繰り返していたら政治に対する信用ががた落ちじゃないですか。どう思いますか、現状。
  174. 梶山弘志

    梶山国務大臣 政治家としての行動というのは、それぞれが襟を正して行っていくべきであり、法律に従う、またコンプライアンスを遵守するということも含めて、しっかりと取り組んでいくべきだと思います。  ただ、ほかの方に関しましては、私はコメントは控えさせていただきます。
  175. 田嶋要

    ○田嶋委員 一般論でいいんです、ほかの方というよりは。  大臣、先例がないからやらないという姿勢は私はどうかなというふうに思うんですけれども、大臣は、その点、どう思われますか。以前はこちらにもいらっしゃったわけですけれども、先例がないから呼べないというのは、そういうのは、何か官僚機構の発想はそうかもしれないけれども、我々政治家の中では、先例がないことを決断していかなかったらだめだと思うんですよ。どうですか、それは。
  176. 梶山弘志

    梶山国務大臣 国会の中でお決めいただくということで、私の判断ではありません。  それぞれがその呼びかけに応じてどう判断するかということですが、政治家たるものしっかりと襟を正して行動していく、そしてその行動は皆さんが見ている、有権者も見ているという中で判断すべきだと思います。
  177. 田嶋要

    ○田嶋委員 大臣のことではありませんけれども、今大臣がそのポストにつかれていて、私は非常におかしいなと思います。こういうことを続けることが本当に日本の政治への信頼を地に落としているというふうに感じるわけであります。  次に、もう一つ、関電に関してでございますけれども、第三者委員会と言われているものに関してお尋ねをします。  これはいろいろな方が質問されておりますけれども、改めてちょっと整理をして教えていただきたいんですが、国による報告徴収と第三者委員会なるものの関係は、大臣の頭の中ではどのように整理をされているのか、教えてください。
  178. 梶山弘志

    梶山国務大臣 九月の二十七日に事が発覚をいたしました。そして報告徴収命令をその日のうちに出しました。  そして、その報告に関しましては、第三者委員会調査したものをしっかりと関電が提出をしてほしいということで、こちらからの意向を示しているわけであります。
  179. 田嶋要

    ○田嶋委員 ということは、通常、大臣、報告徴収を行うのは大臣ですね。そして相手からそれに対する報告が来るわけですが、たまたまそこに第三者委員会なるものがあったから、そっちの方を待って、その結果を報告徴収の結果としようということをおっしゃっているんですか。
  180. 梶山弘志

    梶山国務大臣 昨年に国税の調査が入って事が起こったわけでありますけれども、そのことに関して関電の中でも内部調査がございました。その内部調査を発表したわけでありますが、これが不十分なものであったということですから、また同じような轍を踏まないためにも、日弁連のガイドラインでつくる第三者委員会でしっかりとした調査を行って報告をしてほしいという旨をこちらから申し上げたということであります。
  181. 田嶋要

    ○田嶋委員 日弁連のガイドラインにのっとった第三者委員会をつくってほしいというのは、じゃ、大臣が要請されたということですか。
  182. 梶山弘志

    梶山国務大臣 第三者委員会ということであれば、そういうコンプライアンス、また日弁連のガイドラインがあるということで、そういうものであるというお互いの認識であります。
  183. 田嶋要

    ○田嶋委員 今ある唯一のガイドラインがその日弁連のガイドラインというのは私も承知しておるんですけれども、報告徴収を行った大臣が関電に第三者委員会を日弁連のガイドラインにのっとってつくりなさいということをおっしゃったという意味なんですか。
  184. 村瀬佳史

    村瀬政府参考人 お答え申し上げます。  経済産業省の方から、外部の独立した第三者のみから成る委員会で徹底的な事実解明を行った上で報告するということを求める中で、日弁連の……(田嶋委員「報告徴収ですね」と呼ぶ)はい。報告徴収を求め、その回答をもらう際には、外部の独立した第三者のみから成る委員会で徹底的な事実解明を行った上で報告徴収の回答をしなさい、こういうようなことを求めたわけでございます。  その中で、日弁連のガイドライン、第三者ガイドラインというものに基づく第三者性のしっかりとられたもので報告するということを求めているということでございます。
  185. 田嶋要

    ○田嶋委員 ということは、報告徴収の回答を最終的に受け取る前提として、相手方の関電に対しては第三者委員会をつくってやりなさいということを言っているわけですね、経産省が。
  186. 村瀬佳史

    村瀬政府参考人 そのとおりでございます。
  187. 田嶋要

    ○田嶋委員 そうしますと、資料の六でございますけれども、その第三者委員会、これが日弁連のガイドラインの一ページでございますが、特にその中での、上から三行目の「第二 第三者委員会の独立性、中立性」ということであります。ここがよく議論になるわけでありますが、「企業等から独立した立場で、企業等のステークホルダーのために、中立・公正で客観的な調査を行う。」こういうことが書かれているわけでありますが、残念ながら、それ以上の詳細は実はこの今の日弁連のガイドラインにはどこにも書かれていないんですね。  そこで、大臣にお尋ねしますが、この第三者委員会調査、この企業、関電に対する調査の発注者は誰なのかその調査の発注者、それから費用の負担者は誰なのか、それから最終的な報告書の提出先は誰なのかということを、大臣の御理解で教えてください。
  188. 梶山弘志

    梶山国務大臣 いずれも関西電力でございます。
  189. 田嶋要

    ○田嶋委員 そうしますと、これは私の意見でありますが、大臣、日弁連のガイドラインに従ってやっているんだということをいつもおっしゃるわけでありますが、それで本当に、ここに書いてある「第二 第三者委員会の独立性、中立性」が本当に担保されているというふうにお考えですか。
  190. 梶山弘志

    梶山国務大臣 企業等の不祥事で、例えば関電以外でも第三者委員会を使って行っているものがたくさん、数多くございます。そういったものがしっかり報告されてくるものであると思っております。
  191. 田嶋要

    ○田嶋委員 そうじゃなくて、ここに中立性ということ、独立性ということがしっかりとガイドラインには書いています。ガイドラインはそれ以上の文言は見当たりません、その独立性、中立性の意味合いですね。  ただ、私は、やはり、先ほどおっしゃった、全て、関電が発注し、関電が対価を払い、そして関電が受け取る報告書ということは、ここの趣旨からして、この日弁連の言っている独立性、中立性ということには若干私は問題があるんじゃないかなというふうに思うんですが、大臣はこのガイドラインに沿っているから大丈夫だみたいなことを何度も今までおっしゃっていますけれども、私はそうじゃないような気がするんですが、大臣はどうお考えですか。
  192. 梶山弘志

    梶山国務大臣 先ほど申しましたように、電事法の百六条で報告徴収命令を出しております。  そして、捜査権がない中で、そういった形で第三者委員会に報告をしていただく……(発言する者あり)いやいや、捜査権はございません。(発言する者あり)調査権。捜査権はございません。捜査権はない中で、そういう第三者委員会調査をさせているわけであります。  先ほど申しましたけれども、昨年の社内報告では非常に不十分なものでありました。そういったことで、そこから始まるということで、これが全てということではありません。まだ不足があれば更に報告徴収命令をかける、また厳正な処分もしていくということであります。
  193. 田嶋要

    ○田嶋委員 この日弁連のガイドラインが唯一の頼るところのガイドラインということのようでありますが、私の申し上げたいのは、やはり独立性ということが誰から見ても納得のいく独立性でなければ。今回、不祥事がもう現に起きているわけでありますし、その点に関しては、社内の調査だったから、不十分だったから今回やっている、今回も似たようなことになっちゃうんじゃないかなという懸念がやはりあるわけですよ、それは。やはり力関係からして、あるいはお金の支払い元が関電であるということからして。  そこに関して、大臣が、こういうことではやはり百点満点の第三者委員会にはとても遠い、ほど遠いというふうに御認識をされていなければ私はおかしいと思うんですけれども、そこは改めて、どうですか。
  194. 梶山弘志

    梶山国務大臣 調査が出てくるわけでありまして、それをまた報告をしてもらうということになっておりまして、それの結果次第であると思っております。
  195. 田嶋要

    ○田嶋委員 新聞記事によりますと、年内に何か中間報告があるとかということを記事で見ましたけれども、その点に関しては、どういうことを行うのかを、もしよろしければコメントをいただきたいというふうに思います。事実なのかどうか。
  196. 村瀬佳史

    村瀬政府参考人 まず、日弁連のガイドラインの独立性の話でございますけれども、これは、独立した委員をもってのみ構成されることに加えまして、あらゆる……(田嶋委員「それは聞いていないから」と呼ぶ)済みません。  スケジュールについては、今、但木委員長が年内を目指して徹底調査を行うということで調査を進めていただいているというふうに承知してございます。
  197. 田嶋要

    ○田嶋委員 それに関しても、ガイドラインの中には、中間的な状況で関電側にいろいろな情報を開示してはいけないというルールがガイドラインには書いてありますので、中間報告をされるのであっても、関電に対して情報開示はされないということはぜひ押さえておいていただきたいというふうに思います。大臣、よろしくお願いしますね。  それともう一つ大臣が、新聞の記事でおっしゃっておることになっていますけれども、関電の例は特例だとおっしゃった……(梶山国務大臣「特異」と呼ぶ)特異、ごめんなさい、そうですね。関電の例は特異だ、他の電力会社に同様の問題があるかについては、各社の自主的な調査に委ねる考えを示したという、これはどの程度事実か知りませんけれども、なぜ関電の例は特異と考えるのか。  私は全く特異だとは思わなくて、原発村の普通にあることではないのかなと。それは、濃淡はあるにしても。そこは、関電は非常に例外的だから関電の調査だけでいいんだ、関電側は何か火力発電も調べるとか言っていますけれども、私からすれば、火力発電のことを調べるぐらいだったら、関電以外の原発も同じ問題がないのかと。それが原発に対する信頼を失墜させるわけだから、そこをしっかりこのタイミングで大臣がリーダーシップをとった方が、長い目で見たら、原発の産業に関してもプラスだと私は思うんですよ。いかがですか。
  198. 梶山弘志

    梶山国務大臣 特異な例であると申しましたのは、金額の多寡、また長年続いていること、そしてこういったことが社内で公にならなくて、また個人で処理をしていたこと、そういったことも含めて、私の感じたことで言わせていただきました。  これはほかの電力会社にもあるのかどうかということでありますけれども、これは各社に、こういう事例があるのかどうなのか、コンプライアンスをしっかりしてくれ、コンプライアンス遵守の申入れを電事連を通じてしたところでありまして、それぞれが調査をして、今の時点では、ないということであります。
  199. 田嶋要

    ○田嶋委員 私がどこかで発言した二日後ぐらいに、ないという返事があるという記事を読んだので、私も、非常に何か、短期間でそういう調査ができるものなのかなと思うんですが。  大臣、私が今申し上げたとおり、これはやはり原子力産業全般の問題であるし、多くの国民の皆さんは、まさかそんな、一社だけが同じような状況になっているとは思わない。もちろん、金額の問題とか、どのぐらい長い期間そうだったかということは、おっしゃるとおり、特異だったかもしれないけれども、ゆめゆめ、こういう問題がほかの事業者に関して起きていたら、もう終わりですよ、原発産業は。  私は、なくしたいと思っている立場ですよ。だけれども、推進したいという皆さんも危機感を持って、こういうことはもう関電以外にはなかったということを胸を張って言えるようにするには、やはり大臣がもっとリーダーシップをとって。社内調査の結果は何ともありませんとみんなが言っていますと、それではちょっと困ると思うんですよ。  もうちょっと踏み込んで、大臣がしっかり先頭に立って調べなきゃいけないと思いますが、どうですか。
  200. 梶山弘志

    梶山国務大臣 私の就任前にもこういう確認をしているはずであります。私が就任後も、もう一度電事連も含めて確認をしているということでありまして、それに対してまだ疑念があるということになると、これはまた別な調査をしなくちゃならないということになりますけれども、まずは聞き取り調査ということで、そういうことをさせていただいたということであります。
  201. 田嶋要

    ○田嶋委員 その点はよろしくお願いをしたいというふうに思います。  繰り返しですけれども、同じような問題がほかのところであったら、それこそ終わりだというふうに思っております。  最後ですが、東電の原電への支援に関する違和感を私も強く持っておりますので、お尋ねをします。  東電の現在の実質的な最大株主というのは日本政府だということでよろしいですね、大臣
  202. 梶山弘志

    梶山国務大臣 先ほど東電の副社長からもありましたけれども、五〇%を超える株式を原賠機構が持っているということでして、管理下にあるということであります。
  203. 田嶋要

    ○田嶋委員 機構ということは、それはすなわち政府という理解でいいと思うんですが、要は、民間企業といっても民間企業じゃない状況にあるということでありますが。  先週の質問で、宮川委員質問に対して、村瀬政府参考人がこういうことをおっしゃっていました。柏崎刈羽は東京電力みずからが建設している原子力発電所でございます、他方、東海第二はそうじゃないということを言っているんですが、そうじゃないから何が違うということをおっしゃっているんですか。
  204. 村瀬佳史

    村瀬政府参考人 あのときのあの委員会の質疑においては、いわゆる新々総特に別表のようなものがついているということで、なぜ柏崎刈羽にのみそういった別表がついているのかというふうなやりとりの中での質疑だったものですから、みずから建設をしているものと、他の電力会社が建設をしてその電気を買うものというものに違いがあるということについて言及をさせていただいたところでございます。
  205. 田嶋要

    ○田嶋委員 ポイントは、その別表がついているかついていないかじゃなくて、どちらもリスクのある投資であるんですよ。巨額のお金を出すという意味では、自分のところの原発を東電が柏崎に建てるか、あるいは、ある意味では、ほかの会社に対して二千二百億、私はそっちの方が更にリスクが大きいと思うんですよ。ということは、情報の開示、説明責任はより求められるというふうに思うんですね。  大臣、そう思いませんか。
  206. 梶山弘志

    梶山国務大臣 そのリスクも含めて判断をしたことだと思いますけれども、経営陣の裁量に任せているということであります。
  207. 田嶋要

    ○田嶋委員 いやいや、大臣、そこが経営陣の裁量に、それは先ほども機構のトップの方がそのようにおっしゃっていましたね、要するに、賠償と廃炉をしっかりやるという責任がありつつ、キャッシュフローをちゃんと生み出すものは、そこは個々の、個別の経営判断はお任せしている、そういう答弁でしたね。  個別の経営判断といったってそれぞれで、やはりこれは二千二百億円の巨額な投資をして、宮川さんもそれから菅先生もおっしゃっている、焦げつくリスクは相当高いんじゃないかと私も思うんですよ、これは。  つまり、この経営判断の失敗が、五年後、十年後のエネルギー政策にまたこれは大きな影響を及ぼすと思いますよ。大臣、そのぐらい重い決断を最大株主として大臣が行わなきゃいけないんですよ。そこは柏崎刈羽と何ら変わらない。地域の賛成はまず得られないと私も思っております。  そういう意味で、私は、一つ最後に確認したいのは、購入金の前払いですね、これは。出資じゃないわけですよ。購入金の前払い。ということは、将来、発電をして、電気をそのときは何の支払いもなく受電できる、そういうことだと思うんですが、私はそういうときは来ないと思います。  そういうときは来ないのであれば、当然、契約合意事項の中に、そうしたことが来ないんだったら、今回の二千二百億円はちゃんと戻ってくるということを確認されているのかどうか。大臣、その点、教えてください。
  208. 梶山弘志

    梶山国務大臣 万が一の仮定の御質問には答えられませんけれども、そういうことがもし万々が一起こった場合には、東電と日本原電の間の債権債務という関係になると思います。
  209. 田嶋要

    ○田嶋委員 いや、仮定の話って、契約するときは、私もいろいろな契約をやってきましたけれども、それはいろいろなシナリオを想定して、最悪の事態が起きるときのことが合意されているんですよ、契約書というのは。だから、私は万が一じゃなくて万が五千だと思っていますけれども、この問題が焦げつく可能性は極めて高いですよ。  そうなったときにはきちんと、半分出資しているんだから、国民の税金が半分入っているわけですから、そうした組織からのこうした契約が履行できない場合には、しっかりとお金を取り戻すということに関して、私は、大臣がそれを確認する責任があると思うんです、国民を代表して。もう一度お願いします。
  210. 梶山弘志

    梶山国務大臣 将来の想定の課題にはお答えすることはできません。
  211. 田嶋要

    ○田嶋委員 将来の想定、今申し上げたとおり、今契約をして今そういう決断をするんだから、その決断とセットで、そういうリスクに対してはヘッジをする責任は大臣にあるということです。お願いします。
  212. 梶山弘志

    梶山国務大臣 同じ答えになりますけれども、そのリスクについても十分承知の上で経営判断をしたということであります。  そして、先ほど申しましたように、そういうこと、この原電と東電ということじゃなくて、何かしら債務不履行が出た場合には債権と債務が生ずるということであります。
  213. 田嶋要

    ○田嶋委員 最大株主として、ぜひ責任ある判断、御行動をお願いしたいというふうに思います。  以上で終わります。ありがとうございました。
  214. 富田茂之

    富田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時五十九分休憩      ――――◇―――――     午後一時開議
  215. 富田茂之

    富田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。山崎誠君。
  216. 山崎誠

    ○山崎委員 立憲民主党、山崎誠でございます。きょうもどうぞよろしくお願いいたします。  午前中に引き続きまして、私もやはりエネルギー政策を幾つかお聞きをしてまいりたいと思います。  前回の御質問で、冒頭通告をしていなかったので十分お話ができなかったんですが、今、原発の新増設で、上関原発、中国電力の計画でございます、これについて、やはり今の段階で調査といえども工事に値するようなものを進めるべきではないというのが私の強い思いなんですが、大臣にちょっとお話をいたしました。  前回以降、少しお話をお聞きになったり調べられたりしたことがあったら教えていただきたいんですけれども。
  217. 梶山弘志

    梶山国務大臣 前回もお話ししたんですけれども、大前提は、現時点において、原発の新増設、リプレースは想定していないということでありますが、中国電力の責任において必要な許可をとってボーリング調査等をしているということでの承知はしているところであります。
  218. 山崎誠

    ○山崎委員 私はお願いしたつもりです。調査自体は、現時点では新増設をしないという政府の方針があるにもかかわらず、調査といえども工事を始める、何らか手をつけるということについてはやはり慎重であるべきだというのは、私は、経済産業省として、大臣として、中国電力に助言をしていただきたいと強く思います。  現時点ではという枕言葉がついていることについてはこの後ちょっといろいろとお聞きをしたいですが、経産省のスタンスとして、この原発新増設をどう進めるのかというお話。  そして、実はもう一つ経産省が絡んで、これは宮川委員との質疑で世耕大臣がやられていますが、重要電源開発地点の指定というのがありまして、この指定があるので山口県は埋立ての許可をしている、そういう経緯もあります。  だから、今、ある意味、二枚舌と言うと言葉は悪いんですが、二つの判断をされているんですよ。原発は新増設はしないという判断をしながらも、こういう重要電源開発地点の指定というのを取り下げていない、継続している。この重要電源開発というのは電源開発を円滑に進めるためにつくっている制度でございまして、それに入っていることというのは、つくる前提でこれは入っているわけですよ。  今、リストを資料でおつけをいたしましたけれども、見ていただきますと、これはクレジットも何にもないんですよ。  梶山大臣、私、今最新のリストを出してくださいというお話をすると、このリストが出てくるんですよ。何月何日現在ですかというのもないし、以前のリストからどんどんどんどん減っているんですよ。二〇一〇年のリストを見ますと、大変多くの電源の開発地点が一覧表として出てきます。たくさんあるんですよね。それが、今はこれだけになっているんです。見ていただいて、線を引きましたけれども、上関原発がここに入っています。  このリストの意味合い、そして重要電源開発地点の意味合いをちょっと御説明いただけますか。
  219. 村瀬佳史

    村瀬政府参考人 お答え申し上げます。  今委員から御指摘いただきましたとおり、国が電源開発を進めていく上で、それを円滑にするために指定をしているものでございまして、過去のリストから数が減っているというところは、これは運転開始が行われますと解除されることになってございまして、運転開始が進んだもの、若しくはやめたものもございます。やめると、それも指定から解除されていきますので、そういったものが減っているということでございます。  過去のものから減っているのは、やはり需要がそれなりに伸びない中で、新規開発自体がトータルに減っている中で、指定されているものの総数は、過去に比べれば減っているということでございます。
  220. 山崎誠

    ○山崎委員 それで、残っているのが原発なんですよ。下に水力がありますけれども、火力だとかはどんどんどんどん減っていく中で、残っているのは原発。  そして、これはお聞きをしたいんですけれども、この上関原発が指定されたのはいつで、完成予定はいつですか。そして、それにかかる費用はどういうふうに算出されていますか。
  221. 村瀬佳史

    村瀬政府参考人 お答え申し上げます。  上関原発が指定されたのは二〇〇五年二月十八日でございます。運転開始日は未定でございます。  事実関係といたしまして、上関原発は、中国電力がかつて申請はしているんですが、いわゆる許可の変更申請を出していない状況にあるということでございます。
  222. 山崎誠

    ○山崎委員 質問に答えていただいていないんですけれども、どのぐらいのコストがかかるんですか。
  223. 村瀬佳史

    村瀬政府参考人 まだそういう初期の段階ですので、開発にかかるコストは事業者の方も算定できていないということでございます。交付金ということではないですね。(山崎委員「建設コスト」と呼ぶ)については、まだ全く未定ということでございます。
  224. 山崎誠

    ○山崎委員 中国電力のこのプロジェクトというのは、今、中国電力管内の電力需要を見ますと年々下がっています。ホームページの資料を見ただけでもわかるんですけれども、二〇一四年から二〇一八年の数字を見ると、八・五%減っています。この傾向というのは恐らく続くでしょう。いろいろな予測をされるかもしれませんけれども、常識的に考えて、これから急激にこの電力需要が伸びるということは考えられない。  そういう中で、この開発がまだ重要電源開発地点として残っていること、これについては、私は、経産省として何らかチェックをしなきゃいけないんじゃないかと。  基本的にこれは、電力会社が提出をしている申請、それを認めてここに載せるということではありますけれども、今お話ありました、二〇〇五年ですよ、二〇〇五年に載せたまま、そして開発も未定で、コストが幾らかかるかもわからない、そういう状況の中で、このプロジェクトの実現可能性、重要性というものは極めて今低くなっているし、恐らくこの事業というのは私は要らない事業だということだと思うんですが、それをあえてまだここに載せている。  その載せていることを理由にして、山口県は埋立ての許可を出しているんですよ。中国電力もこのプロジェクトを進めようとしているんですよ。経産省のこのリストの重みというのは、私はとても重く電力会社の皆さんは受けとめていると思います。ほかの原発も恐らく同じだと思います。  どうですか。こういう事態の中で、このリストから外す、少なくとも、中国電力と協議をして、この重要電源開発地点に指定したときからの状況変化を受けとめる、見直すお考えはないですか。大臣、お願いします。
  225. 梶山弘志

    梶山国務大臣 今お話のありました件ですけれども、上関原発は、事業者が毎年提出する供給計画において開発計画があるものとして位置づけられておりまして、電力会社において同発電所が電力需給対策上重要な電源であるという認識がされている状況には変化がないものと承知しております。経営判断で申請をされて、それを認めているということであります。
  226. 山崎誠

    ○山崎委員 世耕大臣もそうお話をされているんですが、この電気事業の特殊性、電気事業法で許可を与えている経産省、そういうたてつけの事業の中でのお話なので、これは私は他人事では済まされないと思います。  というのは、今もお話ししました、今、どんどん電気の需要は落ちています。これ自体はいいことですよ。省エネも進むでしょう。いろいろな意味で、人口減少なんかの影響も大きいんでしょうけれども、需要は落ちている。電気は余っていく。  そういう中で、今、中国電力は島根にも原発を持っています。上関につくるとしたら膨大なコストがかかります。一兆円とは言わないが、今の状況であると、本当に何千億という膨大なお金がかかります。それに投資をして、それで発電を開始できるのは恐らく十年あるいは十五年でしょう、着工して。完成は未定ですから。そういう中でこれに投資をしてお金を使うことは、私は中国電力の経営の経理的基礎を壊すと思いますよ。そうしたら、経産省は中国電力に許可出せるんですか、電気事業法の。そういうぐらいのインパクトのある事業で、それも、現時点では原発の新増設はしないと言っている経産省の方針に反して進めようとしているんですよ。どう考えても私は他人事では済まされないと。  経産省として、経産大臣として、少なくとも、この指定されている重要電源開発地点、この位置づけ、今のままでいいのか、新しい状況の中で見直して外す、外した上で、そうするといろいろなことが変わりますよ。大臣、いかがですか。
  227. 梶山弘志

    梶山国務大臣 今申し上げましたように、中国電力株式会社におきましては重要な電源であるという認識をされておりますけれども、この指定につきましては、委員の御意見も参考にして考えてまいりたいと思っております。
  228. 山崎誠

    ○山崎委員 ありがとうございます。ぜひ見直しの方向で考えてください。  重要電源開発にかかわる地点の指定についてという規程がありますね。その中に条件が入っていて、「電力需給対策上重要な電源である」と五項に書いてあるんですよ。第四条の第五項目めに書いてある。「電源開発の計画の具体化が確実な電源である」、これは宮川さんも指摘をしていますけれども、電力需給対策上重要な施設なんですか、今この上関原発が。どう思いますか。
  229. 梶山弘志

    梶山国務大臣 事業者は安全を再優先に考えていますけれども、スリーEプラスSという政府が示したエネルギー政策の基本的な方針を踏まえているということで、そういった中で重要な電源であるという認識であると思っております。
  230. 山崎誠

    ○山崎委員 これができ上がるのは十年、十五年先ですよね。そのときにこれが重要であるなんというのは、私は、普通の想像力のある方で普通にロジカルに物を考えられる方であれば、絶対言えないと思います。  福島の原発事故を我々は経験しているんですよ。あれだけの事故、あれだけの原発の難しさを理解していながら、それも十年先なんかになりましたら、再エネだってどんどんコストは安くなりますよ。蓄電池のコストだってどんどん今落ちています。  そういった中で、この重要電源という位置づけは間違っている、これを正していただきたい。もう一度お願いします。
  231. 梶山弘志

    梶山国務大臣 指定をしているわけでありますけれども、委員がおっしゃったように、いろいろな環境の変化もございます。  今の時点で指定をされているということでありますけれども、状況の変化というものも当然見ていくべきだと思いますので、そういったことも参考にしてまいりたいと思っております。
  232. 山崎誠

    ○山崎委員 もう一点大事なこと、戻りますけれども、現時点では新増設を考えていないとおっしゃっている、これは政府見解ですね。
  233. 村瀬佳史

    村瀬政府参考人 そのとおりでございます。
  234. 山崎誠

    ○山崎委員 現時点というのはどういう意味ですか。現時点というのはいつのことを指すんですか。
  235. 梶山弘志

    梶山国務大臣 今の状況の中でという意味でございます。
  236. 山崎誠

    ○山崎委員 大変曖昧なんですよ。大変曖昧なんです。きょうのことなのか、あしたのことなのか。一年先はどうなんだろう。現時点。  では、誰がこの現時点をひっくり返すんですか。誰かが、新増設が必要だ、今は必要なタイミングになりましたと、未来、どこかで切りかえるとしたら、それは誰がやるんですか。
  237. 梶山弘志

    梶山国務大臣 曖昧な言葉とおっしゃいますけれども、将来の技術開発等について、また状況については誰もまだ想像ができないわけでありまして、技術開発についても、ある時期、ブレークスルーして、蓄電池が飛躍的に発展する可能性もあるということもあるわけであります。  そういったことも含めて、現時点、今あるものの状況の中ではという意味でございます。
  238. 山崎誠

    ○山崎委員 私は、今の経産省、すごくよくないなと思うところは、そういう曖昧さなんですよ。  皆さん、事業家、投資家の立場に立ってくださいよ。原発に投資しようかな、しまいかな。私は反対ですけれども。現時点では新増設しないというのに投資はできませんよ。逆に、あ、もしかしたら原発新増設になるかもしれない、じゃ、再エネに投資するのをちょっと控えようかなとなるかもしれませんよ。  今大臣は、いろいろな条件があるんだと言いました、技術開発の動向を見ながらと。では、それを明確にしないと。条件ですよ。どういうところを見ているから現時点は新増設しないんだと言っているということを、もっと明確にお示ししながら、ちゃんとした、正しいメッセージを示さないと、エネルギー業界、いろいろな産業、大混乱ですよ。  もっと言いましょう。  結局、そうやって原発にしがみついているから、原発がまだ動くんじゃないか、これから新増設、日本はエネルギーシフトしないんだな、そういう間違ったメッセージを受け取って、再エネの業界は本当に困っている。伸びていないんですよ。私は、現時点では新増設はしないなんという言い方は、大変無責任で、日本を混乱させて、日本の足を引っ張っていると思います。  皆さんも原発依存を極力下げると言っているんだから、であれば、新増設は考えないで、今動かすかどうかは別にしても、でも、新増設をしたら、あるいはそこから四十年、五十年、動かさなきゃいけないんだ、そういう選択肢を残すこと自体がおかしい。それが結局、今の上関の問題にもつながっていますよ。  上関のこの調査をとめていただきたいんです。技術的な課題だとかいろいろなことが明確になって、それで新増設ということであるならば、そのタイミングまでは、少なくとも、あの上関、自然環境豊かな土地を、海を、守っていただきたい。大臣、どうですか。
  239. 梶山弘志

    梶山国務大臣 政府の考え方は、前にも申し上げましたけれども、厳しい規制基準に合格したものはそれを尊重していくし、規制委員会の意見は尊重していくということであります。その上で、地域の理解を得た上で再稼働を進めていくということになっております。  そして、今度、新設等、リプレースに関しましては、現時点では考えていないということでありますけれども、いろいろな要素が確定をしてくればそういう判断ができるものだと思いますけれども、今の時点ではさまざまな要素が、また不確定な部分もあるということでもございます。
  240. 山崎誠

    ○山崎委員 これは水かけ論ですけれども。  今の大臣のお話を聞いていると、新増設、やはりどこかでやるんだと思いますよ。技術的な条件がどうのこうの。でも、そのときには、もう原発なんて、電気はもう再エネだとかほかのもので十分賄える、そういう時代になっていますよ。(発言する者あり)証拠がないというので、じゃ、お話ししましょう。  では、次の話題に入りますよ。再エネの話をしましょう。  資料二を見てください。エネルギーミックス、これはもう穴があくほど見ている資料ですけれども、この中で太陽光発電をちょっときょうは取り上げたいと思います。  先ほども柿沢委員からソーラーシェアリングの話が出ました。私もこれは取り上げたいなと思っていたので、農水省、副大臣に来ていただいています。  今、ソーラーシェアリング、農水省はどういうお立場で、どういう取組をされているか、ちょっと簡潔に御説明ください。
  241. 加藤寛治

    ○加藤副大臣 山崎委員の御質問にお答えいたします。  営農型太陽光発電は、営農の継続と売電収入による農家所得の向上が期待できる取組だと考えております。このため、農林水産省は、昨年五月に、担い手が営農する場合と荒廃農地を活用する場合には一時転用期間を三年以内から十年以内へ延長するとか、地方農政局等での相談窓口の設置をしたり、また優良事例等の周知等の促進策を公表して、取組支援しておるところでございます。  取組の目標というのは設定はしてはおりませんけれども、営農型太陽光発電の取組実績というのが、平成二十五年度から二十九年までを見てみますと、件数にしまして九十六件から千九百五件と二十倍増、それと、営農面積については十九ヘクタールから四百八十二ヘクタールと二十五倍増と着実に増加をしております状況にございますので、今後とも営農型太陽光発電の取組を積極的に後押しをしてまいりたい、このように考えております。
  242. 山崎誠

    ○山崎委員 副大臣、ありがとうございます。  私は、ソーラーシェアリングは、農水省は大変よく取り組まれていて、畑とか田んぼ、農地を守りたいという農水省の思いの中で、ソーラーシェアリングというのはそれに若干反するところもあるので非常にせめぎ合いの中でも、でも、農業をやはり近代化をして収益を確保して伸ばしていく、農地を復活させるという意味でも、このソーラーシェアリングを今一生懸命応援されている、制度も見直してやっている。私はとても評価しています。もっとやっていただきたいと思うんですよ。  でも、今お話ありました、件数は伸びています、では発電量は、政府参考人でいいです、農水省の方、どのぐらいの発電量が今ありますか。
  243. 池山成俊

    池山政府参考人 お答え申し上げます。  営農型太陽光発電の発電量でございますけれども、転用許可の実績の調査対象である農業委員会等は農地転用の事務を担っておりまして、営農型太陽光発電による一時転用の許可の件数でございますとか、あるいは農地の面積などは把握しておりますが、転用の許可の判断にかかわらないような発電に関するデータは、現在のところ把握しておりません。
  244. 山崎誠

    ○山崎委員 経産省は把握していますか。
  245. 松山泰浩

    松山政府参考人 お答え申し上げます。  ソーラーシェアリングは大変重要なんですけれども、太陽光発電の規模はあるんですけれども、ソーラーシェアリングという類型で集計しておりませんので、手元に数字はございません。
  246. 山崎誠

    ○山崎委員 これなんですよ、大臣。統計をとっていないんです、誰も。ソーラーシェアリングでどのぐらい発電できているかわからないんですよ。わからないんです。  今、太陽光発電をやるとしたら、事業用の野立てと言われる大きな発電所。屋根の上に置く。まあ野立てはいろいろな種類がありますよね、規模もあります。あと、ソーラーシェアリングですよ。恐らく、この三つぐらいの類型をどういうふうにこの政策で伸ばしていくかというのが大事なんですよ。  ソーラーシェアリング、せっかく農水は一生懸命やろうとしている。でも、目標値は設定をしていません。  経産省、この資料の二にありますエネルギーミックスの太陽光の二〇三〇年の目標六千四百万、これはどういう内訳で実現しようとしているんですか。
  247. 松山泰浩

    松山政府参考人 お答え申し上げます。  今委員から御指摘ありましたエネルギーミックスについて申し上げますと、二〇一五年につくったものでございますが、これは、エネルギーというものは単一のものが完璧なものではないという中で、安定供給、コスト、環境負荷、安全性というスリーEプラスSの中で、最適な形でどういう構成をつくるかという観点でマクロで計算したものでございます。  太陽光発電の中での内訳は特に定めてございません。
  248. 山崎誠

    ○山崎委員 これは、目標値がなくてどうやって、産業界をリードして再エネを伸ばしていくんですか。  太陽光発電だって、今お話ししたように、ソーラーシェアリングを伸ばすといったら、それなりの計画、目標をつくって、それに向けて施策を展開しなきゃいけませんよ。野立て、今いろいろな問題もありますメガソーラー、ではそこをどこまでやるのか。あるいは屋根置き、きょう聞きたかったですけれども、屋根置きの太陽光パネルは大事です。特に、地産地消で考えた都市型の発電所というのは、やはり屋根の上を使わなきゃいけない。そういう目標がなくて、どうやってこれを実現するのか。  あるいは、この六千四百という、これは、二二から二四%という、上限ではないと言っている数字です。もっと野心的な数字を幾つも持って、それで施策を考えなきゃいけない。  もう時間ですので、やめます。  ぜひ、こういう経産省の仕事のやり方はやめてください。しっかりとデータに基づいて、今ソーラーシェアリングでどのぐらい発電しているのかが答えられないような農水省、経産省じゃ情けなさ過ぎますよ。それを幾らに伸ばすんだ、いつまでに、そのためにどういう施策が必要なのかと、みんなに聞いて、知恵を絞ってやってください。  大臣、最後お願いします、一言。
  249. 梶山弘志

    梶山国務大臣 ソーラーシェアリングはまだ新しい試みなので、作物によって本当にこれで可能かどうかということもあると思います。成功例もあると私は承知していますけれども、こういった新しい農業の取組、就農者への希望になるものだとも思っております。それらも含めて、ソーラー発電がどうなるか。  今申入れがあった上で、今接続しているもの、そして、今後どれだけ接続できるかということで、こういう数値が出てきていると思いますけれども、しっかりと上限、あるいはキャップではなくて、しっかり伸ばしていくための努力をしてまいります。
  250. 山崎誠

    ○山崎委員 終わります。
  251. 富田茂之

    富田委員長 次に、笠井亮君。
  252. 笠井亮

    ○笠井委員 日本共産党の笠井亮です。  梶山大臣に、まず、総理主催の桜を見る会について伺います。  経済産業省からの推薦者名簿の保存期間は何年でしょうか。その根拠規定は何か。そして、現在、経産省内に何年分の名簿があるでしょうか。
  253. 梶山弘志

    梶山国務大臣 今お尋ねの件でありますが、経産省から内閣府への招待者の推薦名簿については、保存期間は現時点で五年ということであります。経済産業省行政文書管理規則に基づいて、標準文書保存期間基準、いわゆるその保存期間表を定めておりますけれども、この保存期間表において、宮中行事又は政府主催式典等のための決裁文書及び関連資料は五年となっております。
  254. 笠井亮

    ○笠井委員 現在、省内には何年分あるんでしょうか。保存期間に関することです。
  255. 梶山弘志

    梶山国務大臣 保存期間を変えたのは三十年でありまして、それ以前は十年間ということでありました。  ですから、見直しを行う以前のものを十年分、保存はされております。
  256. 笠井亮

    ○笠井委員 この名簿にある十年間、経産省からの推薦者というのは、大体毎年何人ぐらいという幅になるでしょうか。そして、ことしの推薦者数と、実際の招待者数は何人になるでしょうか。
  257. 梶山弘志

    梶山国務大臣 今保存されている文書で申し上げますと、三十一年が百六十五名、平成三十年が百六十九名、二十九年が百七十名、二十八年が百六十九名、二十七年が百六十八名、二十六年が百六十八名、二十五年も百六十八名、二十四年、二十三年は開催されておりません、二十二年が百六十八名です。  そして、三十一年四月に開催されました桜を見る会については、経産省から百六十五名を招待者として内閣府に推薦をいたしました。このうち何名が実際に桜を見る会に参加したかについては、経済産業省では推薦をしただけで、把握をしておりません。
  258. 笠井亮

    ○笠井委員 きょうも、午前中の衆議院内閣委員会で菅官房長官は、各省庁からの推薦者の名簿について、保存されているものについては速やかに委員会に明らかにするという考えを示されました。  そこで、経産省の推薦者名簿のことし分及び保存されている十年分について、当委員会に提出していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか、大臣
  259. 梶山弘志

    梶山国務大臣 情報公開の基準にのっとって、それはさせていただけると思います。
  260. 笠井亮

    ○笠井委員 では、伺いますけれども、先週十四日の参議院の経済産業委員会大臣自身も、現役大臣として、昨年、二〇一八年の桜を見る会で、功労、功績があった方を前提に何人か推薦をさせていただいたというふうに答弁されております。  経済産業省の推薦者名簿の方々にはどんな功労、功績があったのか、推薦の基準というのがあると思うんですけれども、どういうものでしょうか。例えば、名簿には、関西電力など電力、原子力事業者、あるいは高浜町など立地自治体関係者は含まれていないのかどうか、それも含めてどうでしょう。
  261. 梶山弘志

    梶山国務大臣 基準について申し上げますと、内閣府からの依頼に基づいて、まずは、事務次官、外局の長、そして局長クラスの二分の一、半分ですね、各種審議委員等の長、各界功労者を推薦をしているところであります。  各界の功労者につきましては、これも内閣府からの依頼に基づいて、勲章、褒章を受章された方、経産省の表彰を受賞された方、災害の対応、被災者支援で貢献、功労のあった方、復興策等に関する施策の企画に協力している方を推薦をしているところであります。
  262. 笠井亮

    ○笠井委員 電力事業者、原子力事業者とか、あるいはその立地自治体の関係者も含まれているんでしょうか、そういう中には。
  263. 梶山弘志

    梶山国務大臣 今言われたような資格の中で、例えば勲章、褒章を受けられている方などは入っているのではないかと推察されます。
  264. 笠井亮

    ○笠井委員 事は安倍総理主催の桜を見る会に係る国民の税金あるいは国政の私物化という重大な疑惑でありますので、そういう中でやはり行政が問われていることもあります。真相解明のためにも、名簿提出を強く求めたいと思います。  では、次のテーマですけれども、米軍三沢基地のF16戦闘機が、十一月六日、青森県六ケ所村の牧草地に模擬弾を落下する事故を起こしました。青森県の三村知事は、模擬弾は小中学校に近い民有地に落下している、相当な重量物であることを踏まえると一歩間違えれば大変な惨事になっていたというふうに、深い懸念を示されました。  菅官房長官は、七日の記者会見で、周辺地域に大きな不安を与える、あってはならないものだというふうに述べて、防衛省が米側に抗議したことを明らかにしておりますが、梶山大臣も同じ認識であると。よろしいでしょうか。
  265. 梶山弘志

    梶山国務大臣 経済産業省としましても、今回の事故は、周辺地域の方々に大きな不安を与える、あってはならないものと考えております。
  266. 笠井亮

    ○笠井委員 米軍三沢基地の米軍機による重大事故はこれが初めてではありません。  地元紙東奥日報のまとめなどによれば、同基地所属機の重大事故、トラブルというのが、この二十年余りで少なくとも十九件もあります。近年でも、二〇一五年四月には燃料タンクを日本海に投棄、二〇一七年十月には燃料タンクを三沢対地射撃場の訓練水域に投棄、二〇一八年二月にも、離陸後にエンジン火災を起こし、タンク二個を小川原湖に投棄して漁業に大きな被害を与えている。そういうことが重なっていたので、地元の怒りが高まるのは当然だと思います。  そこで、梶山大臣に伺いますが、配付資料をごらんいただきたいと思います。  今回模擬弾が投下した地点からわずか十キロ先、そこには六ケ所村の日本原燃使用済み核燃料再処理施設があります。模擬弾とはいえ、二百二十六キロものコンクリートの塊であります。そして、地元住民からは、もし今回のような重さの落下物があれば、工場の建屋は貫通してしまい、高レベルの放射性物質などが大量に飛散するだろうという声が上がって、危機感が広がっております。  三沢の米軍機が事故を頻発しているもとで、核燃料再処理施設には絶対落ちないというふうに言えるでしょうか、大臣
  267. 梶山弘志

    梶山国務大臣 絶対ということはどのことにもあり得ませんので、その可能性を少しでも少なくするために、上空の飛行等については、原子力規制当局等からの要請を受けて、国土交通省が運航者に対して規制をしているところであります。  また、在日米軍につきましては、日米合同委員会において、原子力施設などの場所を安全かつ実質的な形で回避する旨の合意がされており、それは周知しているところでもあります。
  268. 笠井亮

    ○笠井委員 絶対は絶対あり得ないと、だからこそ本当に危険だという問題もあるわけで。  私、二〇一四年の八月七日の衆議院の原子力特でも質問したんですけれども、新規制基準の航空機落下対策の規定というのは、原子力施設の上は運航しないという運用があくまで守られていることが前提になってそういうことをやっているんです。  その上に、今大臣言われたような形で措置をとっているということを言っているんですが、現実はどうかといいますと、国土交通省の航空局が、一九六九年と二〇〇一年に原子力関係施設の上空の飛行を規制する通達を出しました。そして、一九九九年の日米合同委員会でも、在日米軍の航空機は、大臣も今言及されましたけれども、原子力エネルギー施設や民間空港などの場所を安全かつ実際的な形で回避すると、回避する、避けるというように規定をしているわけで、本来、原子力施設の上空を飛行してはならないのに、実際には繰り返し飛行して、前提が崩れているということになっております。  そこで、原子力規制庁に伺いますけれども、電力事業者に対して、施設の上空や施設付近を航空機が通った場合に航空機飛行確認連絡票というので報告を求めていると思うんですけれども、今日までの報告件数というのは何件になっているでしょうか。施設ごとの件数もあわせて報告ください。
  269. 山形浩史

    ○山形政府参考人 お答えさせていただきます。  平成二十八年四月一日から集計をさせていただきましたけれども、昨日まで、全体で五十七件ございます。固定翼、回転翼両方を含んだものでございます。  サイトごとに申し上げますと、東北電力東通原子力発電所十件、女川原子力発電所四件、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所二件、福島第二原子力発電所一件、日本原子力発電株式会社東海発電所及び東海第二発電所五件、関西電力大飯発電所四件、美浜発電所五件、中国電力島根原子力発電所四件、四国電力株式会社伊方発電所一件、九州電力株式会社玄海原子力発電所五件、その他サイクル施設関係で何件かございます。
  270. 笠井亮

    ○笠井委員 実際にはこんなに飛んでいるわけですね、上空を。そういう報告もなされているということであります。  それで、三沢基地に近く、六ケ所村真北の東通原発の報告、今ある中でも非常に多いわけですが、資料に掲載をしましたのでごらんいただきたいと思いますが。二〇一六年の八月八日に、東通原発の事案というのはどのように報告されているか。航空機の情報、機数、機体色、それから飛行経路について改めて報告を述べてください。
  271. 山形浩史

    ○山形政府参考人 お答えさせていただきます。  東北電力株式会社から提出された施設付近上空の航空機飛行確認連絡票によりますと、グレーの戦闘機が二機通過したとされてございます。
  272. 笠井亮

    ○笠井委員 今、グレーの戦闘機二機とありましたが、配付資料の右側、そこに詳しくあります。ごらんいただきたいと思います。  戦闘機二機が施設上空を旋回したと。連絡票の飛行経路図には、原子炉建屋、タービン建屋の周りを弧を描くように旋回した様子がリアルに描かれております。一体何のために戦闘機二機がそろって原発の真上で旋回する必要があったのか。一つ間違って事故になっていればと、背筋が寒くなる思いであります。大臣も同じ思いだと思うんです。  規制庁は、この東北電力からの報告を受けて何をやったんですか。
  273. 山形浩史

    ○山形政府参考人 お答えいたします。  原子力規制庁では、事業者から受け取った連絡票を国土交通省に対しファクスで連絡をしております。
  274. 笠井亮

    ○笠井委員 では、その後、国交省がどうそれに対して対応したかを規制庁としては確認をしたのか。国交省からは何らかの報告を受けたんでしょうか。
  275. 山形浩史

    ○山形政府参考人 お答えいたします。  我々といたしましては、国土交通省において適切に対応していただいているものと認識しております。
  276. 笠井亮

    ○笠井委員 だから、原発事業者から報告があって、それを国交省に回しました、だけれども後は適切にやってくれるでしょうというのでは、ちっとも安全とかという話にならないわけですよ。  対応を求めているんだったら、どうやったのか、報告があったらそれに対して国交省に言って、国交省はどうしたんですかということについて報告を聞くとか。国交省から報告がなかったら、自治体にはこういうことが全然、ノーチェックみたいな話になってくるわけですよ。  対応を求めるというなら、上空を飛行させないのが一番なわけですよね。そういうことをしっかりやらなきゃいけないときに、実際には、飛びました、報告してください、わかりました、国交省に回しました、結果は知りませんという話になっている。こんな無責任な話はないと思うんです。  梶山大臣に伺いますが、今回、米軍機が模擬弾を、ある意味近くに落下したわけであります。現実にそういうことがあった。二〇一五年の十二月四日に当時の林経済産業大臣も、当委員会で我が党の藤野議員の質問に、「飛ばさないのが一番いいというのは当然だ、」「こういう実態がどこまでなのか、調査を含めて検討してみたい」と答弁をされました。  二〇一五年の十二月四日ですから今から四年前ということになりますが、その後、経済産業省としてどんな調査、どんな検討をして、何をすることにしたのか、あるいは大臣としてどういうことが必要だと思っていらっしゃるのか、いかがでしょうか。
  277. 梶山弘志

    梶山国務大臣 この二〇一五年の林大臣の発言を受けて、経済産業委員会の質疑の後に関係省庁に事実関係を問い合わせたということであります。  そして、先ほど私が申し上げましたように、原子力規制当局から国土交通省に対して、一般の飛行につきましては原子力施設付近の上空の飛行をできる限り避けるように通達をして周知をしている。そして、自衛隊機につきましては防衛省に、内部通達により原則として原子力施設の上空を回避して飛行するようにということ。そして、在日米軍の飛行につきましては日米合同委員会において、原子力施設などの場所を安全かつ実際的な形で回避する旨の合意がなされているという確認をしたところでありますけれども、さらにまた、これらの飛行が確認されたときには、今と同じようなルートで遵守についての申入れをしているところでありますが、今、規制委員会からもありましたように、三年間で五十数件の事例があるということでありますから、やはり一つ間違えば大変なことになるわけでありますから、もう一度、今までのやりとりを確認した上で、徹底できるような措置をしてまいりたいと思っております。
  278. 笠井亮

    ○笠井委員 検討ということを受けて対策をとって、事実関係の問合せをし、対策をいろいろと打っている、申入れをして遵守するようにとおっしゃったんですが、そうされているにもかかわらず、今大臣が最後に言われたように、その後四年間にわたってこんなに飛んでいるわけですよね。さっき五十七件という話も、二〇一六年以来でありました。  やっていても何でこんなにまた飛んでいるというふうになっているんでしょうか。大臣、率直にその辺、どんなふうに感じられますか。
  279. 梶山弘志

    梶山国務大臣 申入れが周知をされていないということであろうかと思いますので、もう一度、その辺の確認をした上で、徹底をしたいと考えております。
  280. 笠井亮

    ○笠井委員 申入れが周知されていない、そのとおりだと思うんです。  であればまた更に申し入れて、徹底して確認して申し入れるというふうになるわけですが、そうやって何度もやってきてもこうなっているというもとでは、その限界でそれで本当にいいのかということになってくるのではないかと思います。  そこで、原発の立地道県の知事の皆さんたちが会長、副会長を務めている原子力発電関係団体協議会というのがありますが、ここが累次にわたって、原子力発電等に関する要請書というのを政府関係のところに出されております。  航空機落下のリスク低減のため、原子力施設周辺上空の飛行禁止及び飛行禁止区域周辺の航空機の運航に係る最低安全高度の設定について法制化を図ること、法律をつくれということを求めているわけですけれども、この団体のホームページを見ますと、二〇〇六年以降、ずっとそういう申入れをしてきているんですね、毎年。  そういう点で、二〇一五年の十二月四日の、さっきの、当委員会で、林大臣当時は、そういった要請についてどう思いますかと聞かれて、そういったものを検討してみたいというふうに答弁をされておりますが、法制化の検討ということについては、どんな検討をして、どんな今到達点で、結果になっているでしょうか。
  281. 梶山弘志

    梶山国務大臣 林大臣がそういったものを検討してみたいとの答弁をしたという事実関係については確認をいたしました。飛行禁止の法制化の検討については、実態把握を行う前の段階においてさまざまな方策が考えられる中で、選択肢の一つとして挙げたものだと思っております。  そして、この林大臣の一連の発言を受けて、先ほど申しましたような各省への確認をした上で、またそれが再発されたときには申入れをしているということでありますが、先ほど、私の繰り返しになりますけれども、五十七件が四年間の間に起きているということでもありますから、しっかりとこういった御意見を踏まえた上で、こういった防止策というものを考えてまいりたいと思っております。
  282. 笠井亮

    ○笠井委員 最後のところ、私、大事だと思ったんです。本当に防止策が必要だ、五十七件もやはり続いているわけですから。  再発を防ぐためにということで措置をとられた上でもこういうことになったら、ここは到達点という点で、改めて、この関係の知事さんたちの団体の要請書というのがことし五月二十八日にも出されているわけですが、やはりここは本当に実効ある措置をとらなきゃいけないという点で、住民の切実な願いにもかかわらず事態が改善されないというもとで、もはや、航空機の上空の飛行禁止はもちろんですけれども、やはり危険な飛行訓練を繰り返す米軍F16戦闘機の三沢基地からの撤去も米側に求めるということも含めて、しっかりと対応してもらいたいということを強く求めて、質問を終わります。
  283. 富田茂之

    富田委員長 次に、足立康史君。
  284. 足立康史

    ○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。  きょうも、経済産業委員会、大変重要なテーマを皆さん議論をされてきています、原発の問題を始め。そういう中で、今、笠井委員の方からまた、この経産委でも、桜を見る会ということで、またいろいろ質問されて、もう唖然としているわけでありますが。ただ、きょう、参議院の本会議あるいは衆議院の内閣委員会でるる総理あるいは官房長官から御答弁があったやに報道で承知をしております。ほぼ、私たちが知りたかったことは、きょうの御答弁で大体わかったかなと私は思っています。  大変問題ですね、これは。それはもう、税金を使う、あるいは行政の中立性、公正性という観点から見て大問題ですよ、これは。私の選挙区の、私がさきの解散・総選挙で二千票差で競り負けました自民党の先生がいらっしゃいますが、桜を見る会さえなかったら、私、小選挙区で通っていたかもしれません。だから、これは本当に不公正ですよ、こんなこと。後援会活動でこんな税金を使うって、もう絶対に許せません。  だから、総理も、これは反省をするということで、見直すということでありますから、しっかり見直していただくということでありますが、ただ、私は、桜を見る会を見直すことだけでこれは終わったらあかんと思っています。共産党の宮本徹議員の話でしたか、要は、質問通告をしたらその書類を捨てた、あれは大問題じゃないですか。大岡先生も大問題だと思いますよね。  だから、私は、やはり、今回の桜を見る会の問題を奇貨として何をやるかといったら、安倍政権を倒すことじゃないんですよ、大事なのは。大事なのは、公文書管理を見直すことですよ。  そういう観点から、日本維新の会はかねてから、公文書管理法改正案を出しています。その維新の会の公文書管理法改正案のポイントは、公文書管理から、廃棄という二文字をもう消しました。だって、廃棄する必要ありますか、このデジタル時代に。だって、今の技術は、日本国の公文書、行政文書の量がふえていくスピードよりもデータの蓄積能力がイノベートされるスピードの方が大きいんだから、廃棄する必要はないじゃないですか。  でも、我々が幾ら廃棄という概念は要らないと言っても、共産党も野党の皆さんも反対、我々の公文書管理法改正案には反対ですよ。だから、やりましょうよ、公文書管理法改正。維新の会の案に乗ってください。廃棄という概念をなくすと言っているのは維新の会だけですから。田嶋先生、ちょっとやりませんか、ああ、経産委じゃないね、これは。  しかし、今回の問題をしっかり議論するとすれば、やるべきことはそういうことなんです。安倍政権の退陣ではありません。いや、問題ですよ、行政の税金の使い方の中立性、公正性の観点から大問題ですよ。でも、それを直そうと思ったら、安倍政権が退陣してまた別の総理が出てきても直らないでしょう。野党の皆さんも言っているじゃない、経産大臣がかわったって何も解決していない。安倍政権がかわったって何も解決しないんです。大事なことは、公文書管理法を改正することですよ。にやにやせずにさ、もう名前は忘れたけれども。ぜひこれをやりましょうということを申し上げておきたいと思います。  我々がこの臨時国会で何としてもやりたいということで議論してきたのが、東京電力福島第一原発に係るALPS処理水の放出の問題です。  前回も大臣と議論させていただきましたが、もう一回確認です。私は、韓国は悪いと思っています。韓国が風評を拡大していると思っています。韓国政府の発言、発信が、特に韓国政府ですよ、世界の中でも韓国ですよ、この韓国政府の発信、発言が風評を拡大し、風評の払拭に向けた日本国の取組に大きな障害になってきたと私は思っていますけれども、大臣、どうですか。
  285. 梶山弘志

    梶山国務大臣 ALPS処理水の取扱いについては、どのような処分方法であったとしても風評被害が生じ得ることから、科学的事実に基づいて国内外に説明をしていくことなど、風評被害対策が重要ということを認識した上で取り組んでいきたいと思っております。  その上で、韓国政府による、福島第一原発の汚染水処理の問題は世界全体の生態系に影響を与えかねないといったような、事実関係及び科学的根拠に基づかない主張は、我が国に対するいわれない風評被害を及ぼしかねないものでありまして、極めて遺憾であると思っております。  韓国政府に対しましては、事実関係及び科学的根拠に基づく対応をとるよう、関係省庁一体となって強く求めていくとともに、国際社会に対しましては、引き続き透明性を持って丁寧な説明を行っていきますけれども、自然界に存在するものとの比較、また他国での排出との比較等々を通じまして、しっかり御理解を得られるような努力をしてまいりたいと思っております。
  286. 足立康史

    ○足立委員 ありがとうございます。  まさに、他国との比較をして、そして発信していくべきなんです。前回の御答弁で、いや、韓国に対して数字を示した反論はしてこなかったということを正直におっしゃっていただいた。いろいろ御配慮もあるんだと思います。しかし、大事なのは、我々は国会議員ですから、我々は、国益です、日本国民の生命と財産、そして日本国の発展を邪魔する人たちにやはり反論していかないと。  その観点から、事務方でも結構ですが、福島第一原発にためている、タンクにためているトリチウム水、これよりも、例えばフランス、例えば韓国、大規模な海洋放出をしてきた、私は、こういう事実関係、まずその事実関係を教えてほしい。政府としてどう認識しているのか。そして、その上で、その科学的な事実関係について、内閣を挙げて広報していく、韓国に対しても明示的に反論していく。ぜひ御答弁をいただきたいと思います。
  287. 須藤治

    須藤政府参考人 お答えを申し上げます。  韓国を始め海外の原子力施設からトリチウムが海洋や大気中に放出されておりまして、福島第一原発に貯蔵されているALPS処理水に含まれるトリチウム量より多い量が放出されている事例があるのは御指摘のとおりでございます。  例えばでございますけれども、フランスの再処理施設からは年間一京ベクレル以上のトリチウムが海洋に放出されているほか、韓国政府からIAEAに提出されたデータによりますと、月城、こちらの原子力発電所からは、五年間で約九百六十兆ベクレル近くのトリチウムが環境中に放出されております。  科学的な事実に基づいた情報を丁寧に提供していくことが重要だと考えておりまして、これまでも、さまざまな機会を活用いたしまして、ALPS処理水の検討状況について説明してきたほか、ことし九月に開催されたIAEA総会では、韓国を含む世界各国に対して日本政府から、福島第一原発のALPS処理水に含まれるトリチウムは韓国を始め世界各国の原発から放出されるトリチウムと科学的に変わりがなく問題にならないことについて、英文資料を作成して配付をしております。  今後、各国の原子力施設からの放出量にも触れながら、関係各省とも連携して、国際会議などさまざまな場を活用して、科学的事実に基づいた丁寧な情報発信を行ってまいります。
  288. 足立康史

    ○足立委員 ぜひ須藤グループ長を筆頭に、もう松永さんを余り気にせず、須藤グループ長を筆頭に、大臣のもと、いや、別に松永さんが悪いわけじゃないんだけれども、皆様の、まあ、いろいろな経緯もあると思いますが、頑張っていただきたい、こう思います。  今、与党の皆様も改めて御認識をいただけたと思いますが、しかし、問題は、韓国とフランスと比べて胸を張っている場合じゃないんです。前から申し上げているように、衆議院の予算委員会で馬場幹事長から申し上げたように、国内だって情報をちゃんと皆さん認識した方がいいですよ。  ちょっと問いが飛びますが、六ケ所村の再処理工場からトリチウム水を排出をしてきています。過去の年間の最大放出量、過去ですよ、過去の年間の最大放出量と、将来、六ケ所村の再処理施設を稼働していく中で想定される最大のトリチウム水の排出規模について、端的に御紹介をいただきたいと思います。
  289. 村瀬佳史

    村瀬政府参考人 御質問にお答えさせていただきます。  今御指摘いただきました六ケ所再処理工場は、二〇〇六年から八年度にかけて、試験的に使用済み燃料の再処理を実施してございます。  このときに六ケ所再処理工場から海洋放出されるトリチウムにつきましては、その期間中に放出された二〇〇七年度の約一千三百兆ベクレルが過去最大値になってございます。  また、年間の最大処理量である八百トンの使用済み燃料を再処理した場合における推定放出量は、約一京八千兆ベクレルと承知しております。  ただ、これは、最大で年間約〇・〇二二ミリシーベルトという敷地外における人体への推定被曝量を、この値は規制の基準である年間一ミリシーベルトを大きく下回るということになっていることでございます。
  290. 足立康史

    ○足立委員 今、村瀬部長からおっしゃっていただいたことをよく肝に銘じてください、与党の皆さんも。全く問題ないんです。問題ないから、もう既に青森ではそういうことをやると決まっているんですよ。これから決めるんじゃない、決まっているんです、もう。皆さんオーケーしているんですよ、政府・与党。  聞きましたか。一京八千兆ベクレルですよ、年間。福島は、たったの一千兆ベクレルですよ。十八分の一ですよ。何で騒いでいるんですか。  今、村瀬部長が丁寧に御答弁いただいたので、私も丁寧に申し上げておかないといけませんが、私は、福島以外の地域に風評被害を拡大したくて言っているんじゃないんです。世界のオペレーション、日本全国のオペレーションの中で、なぜ福島のトリチウム水だけ、一年間で全て放出したって青森の十八分の一のトリチウム水で、何で大騒ぎしているんですか。福島いじめですか。福島をいじめたいんですか。まあ、野党の皆さんはね、まあ、やめておこう。おかしいと思う。だから、私たちはずっとこれはおかしいと思ってきた。  だから、ぜひ、これからALPS小委員会の取りまとめに入っていくと承知していますので、その取りまとめの中で、速やかに海洋放出する。我々が速やかな海洋放出を求めてきた理由は、ひとえに風評被害を払拭するためです。風評を広げたくて言っているんじゃないんです。風評被害を払拭するために一番有効な手法は、韓国を蹴飛ばして、そして粛々と淡々と、全く問題ないということを、小泉環境大臣も含めて、内閣を挙げて広報していったらいいんですよ。  そのALPS小委、先日の会合で、ALPS処理水の放出による放射線の影響についての試算結果が出ました。海洋放出の場合と大気へ放出する場合を比べたり、あるいは、自然界の被曝量と比べた場合等の丁寧な試算がなされています。これは御紹介いただくだけで二時間ぐらいかかります。ちょっともう余り時間がないんですが、重要なところだけ、簡潔に、この試算結果について御紹介をいただきたいと思います。
  291. 須藤治

    須藤政府参考人 委員会では、原子力放射線の影響に関する国連科学委員会のモデルに基づきまして、海洋、大気放出の評価を行っております。  その結果、仮にでございますけれども、現在タンクに貯蔵されている処理水全てを一年間で処理した場合の放射線による影響ですけれども、海洋放出では、年間〇・〇〇〇〇五二ミリシーベルト、点の以下、ゼロが四つでございます、から、〇・〇〇〇六二ミリシーベルト。それから、大気放出では年間約〇・〇〇一三ミリシーベルトという結果でございます。  日本国内の自然被曝による影響は年間約二・一ミリシーベルトでございます。したがいまして、これの千分の以下であるという状況でございます。
  292. 足立康史

    ○足立委員 ありがとうございます。  ぜひ、今私が申し上げたような形で取りまとめていただきたいと思いますが、あと一点、大事なのは、資料にも出てきますが、ちょっと詳細をよく存じ上げませんが、あるNPOなどがタンク貯蔵しろということをまだ言っているところがある。  きょう、また、私の同期の数少ない友人の一人である金子審議官にお越しいただいています。タンク貯蔵のリスクと海洋放出によるリスク、これをしっかりと比較考量して、経済産業省のまとめるレポートに僕は入れておいてもらった方がいいと思うんだけれども。経済産業省もちょっとこう、いろいろ配慮が多いので、ちょっと、科学的な、規制委員会というか規制庁の立場から、今申し上げたタンク貯蔵と海洋放出のリスクについての比較考量、御見解を御紹介いただきたいと思います。
  293. 金子修一

    金子政府参考人 お答え申し上げます。  福島第一原子力発電所の廃炉を規制している観点から申し上げますが、ALPSの処理水をタンクに貯留し続けること、これは、福島第一原子力発電所内における今後の廃炉作業を円滑に進める上で悪影響を及ぼすということが考えられます。  一方で、液体廃棄物の規制基準を満足する形での海洋放出をするということに関しましては、これまでも申し上げているとおり、科学的、技術観点からの環境への影響は考えられないと認識しております。
  294. 足立康史

    ○足立委員 今、金子審議官の方からしっかり御紹介をいただいた。これが科学的な認識ですよ。もうつべこべ言わずに、そういう科学的な整理を、しっかりと経産大臣のリーダーシップのもとでやはりまとめていただく。風評被害を払拭するためには本当のことを言う。本当のことを言えば、福島だけを特別扱いするなんということになりませんから。ぜひ、御尽力をいただきたいと思います。  最後に、今、資源エネルギー庁の松山部長のところで、来年、いわゆるFIT法の改正の議論が進んでいます。  太陽光パネルについては、環境面で大変な問題も起こっていますので。私の地元でも、大体、町と山の境目に大変問題が多いんです。町と山の境目ってどういうところかというと、要は、住宅地が開発されていて、電線がそこまで延びているから、住宅地の横にパネルをつくるのが一番得するわけですよ、経済性で。  だから、私の選挙区みたいに、大都市の近郊、そういうところに大変問題があって、今、私の地元の豊能町でも、大阪維新の会公認で出た町長が条例をつくってやっています。ところが、私の選挙区は隣がもう兵庫県で、県境を越えると、もういかんともしがたい。条例で、手が伸びないんですね。  これはどうしたらいいか。ちょっと、部長からの御指導を賜ってきょうはまとめていきたいと思うんですが、どうでしょうか。
  295. 松山泰浩

    松山政府参考人 お答え申し上げます。  今委員指摘のように、FIT法の見直しを今抜本的に進めているところでございますけれども、昨年のエネルギー基本計画の中で、再生可能エネルギーを主力電源化していくんだということをうたってございます。  それは、単に今だけではなくて、二十年、三十年、四十年と長期に社会に定着していくということが非常に重要でございまして、そのためには、地域の方々と一体となって、御理解を得て、根差した再エネ、太陽光になっていくことが非常に重要でございます。  現在、FIT法の運用の中でも、地域の方とコミュニケーションをとるということを義務化し、かつ指導を行っているところでございますし、委員から御指摘ありましたように、条例をつくって太陽光についてのプロセスを定めている場合には、これに違反した者は認定を取り消せるというような、割と厳しい導入運用も進めてきているところでございます。  一方で、今委員から御指摘ございました点は大変重要な点でございまして、自治体と申し上げても、その中でしか見られないというのは、大変私どももよく理解するところでございます。これをどういう形で捉えていくか。今、各地域ごとの連絡会というのを開いておるわけでございますが、これも県と県の話でございます。地域には地方経済産業局もございます。  御指摘を踏まえながら、全体として、国も前に出て、地域の中で理解の得られる再エネの導入等を目指して取組を進めてまいりたいと考えてございます。
  296. 足立康史

    ○足立委員 ありがとうございます。  時間が来ましたので終わりますが、松山エネルギー部長におかれましては、近々ぜひ私の選挙区にお越しいただいて、また視察もいただいて、ちょっと飯も食って……(発言する者あり)あ、飯食ったらだめ、じゃ、そういうことのないようにしながら、ぜひまた御指導を賜るようお願いして、質問を終わります。ありがとうございます。      ――――◇―――――
  297. 富田茂之

    富田委員長 次に、第百九十八回国会、内閣提出外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮仕向地とする貨物輸出及び北朝鮮を原産地又は船積地域とする貨物の輸入につき承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件を議題といたします。  これより趣旨の説明を聴取いたします。梶山経済産業大臣。     ―――――――――――――  外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮仕向地とする貨物輸出及び北朝鮮を原産地又は船積地域とする貨物の輸入につき承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  298. 梶山弘志

    梶山国務大臣 外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮仕向地とする貨物輸出及び北朝鮮を原産地又は船積地域とする貨物の輸入につき承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件の提案理由及び要旨について御説明申し上げます。  日本は、二〇〇六年十月九日の北朝鮮による核実験を実施した旨の発表を始めとする日本を取り巻く国際情勢に鑑み、同年十月十四日以降、北朝鮮からの輸入の禁止などの措置を厳格に実施してきました。また、二〇〇九年五月二十五日の北朝鮮による二度目の核実験を実施した旨の発表を受け、同年六月十八日以降、北朝鮮への輸出禁止などの措置を厳格に実施してきました。  しかし、関連する国際連合安全保障理事会決議は、北朝鮮の完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な方法での全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの廃棄を求めていますが、いまだにその実現には至っておりません。また、拉致問題については、現時点においても解決に至っておりません。  政府においては、こうした北朝鮮をめぐる諸般の事情を総合的に勘案し、二〇一九年四月九日の閣議において、引き続き二〇二一年四月十三日までの間、外国為替及び外国貿易法に基づき、北朝鮮への輸出及び北朝鮮からの輸入の禁止などの措置を実施することを決定いたしました。  これらの措置のうち、同法に基づき国会の承認が必要な措置について、承認を求めるべく、本件を提出した次第です。  次に、本件の要旨を御説明申し上げます。  本件は、外国為替及び外国貿易法第十条第一項の規定による二〇一九年四月九日の閣議決定に基づき、同年四月十四日から二〇二一年四月十三日までの間、北朝鮮への全ての貨物輸出及び北朝鮮からの全ての貨物の輸入について経済産業大臣承認を受ける義務を課す措置を講じたこと、及び北朝鮮と第三国との間の貨物の移動を伴う貨物の売買、貸借又は贈与に関する仲介貿易取引について経済産業大臣の許可を受ける義務を課す措置を講じたことについて、同法十条第二項の規定に基づき国会の承認を求めるものであります。  以上が、本件の提案理由及び要旨であります。  本件につき、御審議の上、速やかに御承認くださいますようよろしくお願いを申し上げます。
  299. 富田茂之

    富田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  次回は、来る二十二日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後二時十一分散会