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2019-11-15 第200回国会 衆議院 安全保障委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和元年十一月十五日(金曜日)     午後一時三十分開議  出席委員    委員長 西銘恒三郎君    理事 小田原 潔君 理事 大岡 敏孝君    理事 長島 昭久君 理事 原田 憲治君    理事 宮澤 博行君 理事 小熊 慎司君    理事 篠原  豪君 理事 佐藤 茂樹君       岩田 和親君    江渡 聡徳君       小野寺五典君    大西 宏幸君       大野敬太郎君    門山 宏哲君       工藤 彰三君    高村 正大君       國場幸之助君    左藤  章君       佐藤 明男君    塩谷  立君       中谷  元君    長尾  敬君       浜田 靖一君    百武 公親君       牧島かれん君    宮内 秀樹君       渡辺 孝一君    重徳 和彦君       高木錬太郎君    寺田  学君       照屋 寛徳君    本多 平直君       屋良 朝博君    山川百合子君       浜地 雅一君    赤嶺 政賢君       串田 誠一君     …………………………………    外務大臣         茂木 敏充君    防衛大臣         河野 太郎君    国土交通大臣      青木 一彦君    外務大臣政務官      中谷 真一君    防衛大臣政務官      岩田 和親君    防衛大臣政務官      渡辺 孝一君    政府参考人    (内閣大臣官房審議官) 小平  卓君    政府参考人    (内閣府政策統括官)   宮地  毅君    政府参考人    (外務省大臣官房参事官) 赤堀  毅君    政府参考人    (外務省北米局長)    鈴木 量博君    政府参考人    (外務省中東アフリカ局長)            高橋 克彦君    政府参考人    (林野庁林政部長)    前島 明成君    政府参考人    (国土交通省航空局安全部長)           川上 光男君    政府参考人    (運輸安全委員会事務局長)            志村  務君    政府参考人    (防衛省防衛政策局長)  槌道 明宏君    政府参考人    (防衛省整備計画局長)  鈴木 敦夫君    政府参考人    (防衛省人事教育局長)  岡  真臣君    政府参考人    (防衛省地方協力局長)  中村 吉利君    政府参考人    (防衛省統合幕僚監部総括官)           菅原 隆拓君    政府参考人    (防衛装備庁長官)    武田 博史君    安全保障委員会専門員   奥  克彦君     ――――――――――――― 委員の異動 十一月十五日  辞任         補欠選任   江渡 聡徳君     高村 正大君   熊田 裕通君     宮内 秀樹君   左藤  章君     國場幸之助君   鈴木 貴子君     佐藤 明男君   本多 平直君     山川百合子君   下地 幹郎君     串田 誠一君 同日  辞任         補欠選任   高村 正大君     牧島かれん君   國場幸之助君     左藤  章君   佐藤 明男君     百武 公親君   宮内 秀樹君     工藤 彰三君   山川百合子君     高木錬太郎君   串田 誠一君     下地 幹郎君 同日  辞任         補欠選任   工藤 彰三君     長尾  敬君   百武 公親君     鈴木 貴子君   牧島かれん君     江渡 聡徳君   高木錬太郎君     本多 平直君 同日  辞任         補欠選任   長尾  敬君     熊田 裕通君     ――――――――――――― 十一月十二日  戦争法の廃止を求めることに関する請願穀田恵二紹介)(第一六六号)  本土からの辺野古埋立て用の土砂搬出計画をやめることに関する請願赤嶺政賢君紹介)(第一六七号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  国の安全保障に関する件      ――――◇―――――
  2. 西銘恒三郎

  3. 西銘恒三郎

    西銘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. 西銘恒三郎

    西銘委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。國場幸之助君。
  5. 國場幸之助

    國場委員 安全保障委員会での初めての質問機会をまことにありがとうございます。  長島筆頭を始め、質問させていただいた小田原理事を始め、皆様方には心から感謝を申し上げたいと思います。  まずは首里城火災について、初動における自衛隊との連携への評価について、防災担当大臣も務めた、経験された大臣所見を伺いたいと思います。  首里城火災によって正殿、北殿、南殿等が焼失したことは、まことに残念なことでございます。そして、全国から多くの激励と支援の輪が広がっていることについても、深く感謝を申し上げます。  今回の火災について、通報から鎮火まで約十一時間かかり、首里城という貴重な財産を焼失しました。早期消火活動にもっと全力を期すべきではなかったのか、消火活動初動の段階で自衛隊要請しなかった判断が適切であったのかどうかという議論地元ではあります。  まず、防衛省としての見解を伺いたいと思います。
  6. 河野太郎

    河野国務大臣 十月三十一日未明に発生いたしました首里城火災に際しては、沖縄那覇市にございます第十五旅団司令部の隊員が沖縄県に対して延焼状況や煙の状況消防当局対応に係る情報収集を行いましたが、自衛隊に対する災害派遣要請が発出されなかったことなどに鑑みて、災害派遣判断には至りませんでした。  沖縄県との間では、引き続き、自衛隊が有する災害対応能力に係る情報共有災害時の対応に係る意見交換実施し、連携を深めてまいりたいと思っているところでございます。
  7. 國場幸之助

    國場委員 ありがとうございます。  私も沖縄県の方に要請しなかった理由を確認をしますと、今大臣答弁にもありましたように、人口密集地での空中消火、特に夜間においての消火活動は行わないという方針が事前に決まっており、空中消火は、建物の崩壊と原因究明の手がかりを消失するおそれから自衛隊要請をしなかったと話しておりました。  しかし、自衛隊にはヘリのみではなく消防車もあり、沖縄県は退職自衛官防災危機管理担当職員を設置していない唯一の県でもございます。つまり、自衛隊要請を行うかどうかを判断できる、平時からの自治体と自衛隊との防災対応がなかったとも考えられます。  防衛省も、要請はなかったという受け身の姿勢ではなくて、今回の事案を契機として、初動対応にも平時から連携を深めていただきたいと思います。これは要請でございます。  続きまして、林野庁お尋ねしたいと思います。  首里城は歴史的に内乱や火災や戦火によって、五百九十年間の間で五回焼失しております。今回の首里城は、沖縄県の祖国復帰事業として二十七年前に復元しました。そのときの原材料は、台湾からの献身的な協力もあり、タイワンヒノキが中心でありました。しかし、今現在、台湾でもヒノキの伐採は禁止されていると聞いております。  ちなみに、一七一五年、三度目の焼失の後再建されたときには、沖縄在来イヌマキと薩摩からの杉やヒノキ材料としておりました。  首里城復元再建には、樹齢八十年以上のヒノキなどの木材が百本以上、大量に必要となるという話も伺っておりますが、今、国内にどれだけの木材材料があるのか。  林野庁見解をお願いします。
  8. 前島明成

    前島政府参考人 お答え申し上げます。  十一月六日に開催されました首里城復元のための関係閣僚会議では、総理から、首里城早期再建に向けまして、政府一丸となって取り組むよう御指示をいただいたところでございます。  今後、復元事業具体策が検討されていく中で、どのような資材が必要になるのかという検討も行われていくものと認識しております。  農林水産省といたしましても、首里城が一日でも早く復元できるよう、木材の調達について全力対応してまいりたいと考えております。
  9. 國場幸之助

    國場委員 前回、復帰二十周年で首里城復元された際にも、沖縄の北部の山原、国頭村の方にイヌマキの植樹があったと聞いております。しかし、イヌマキ沖縄在来の木ではありますけれども、成長に物すごく時間がかかり、二十センチまでなるのに百年ぐらいかかるんでしょうか、大変な歳月のかかる作業でございます。  沖縄の中で、また、国内の中で調達できるのがベストであるかと思いますが、やはり、首里城の建国の理念というものは万国津梁でございます。私は、いろいろな国からの協力を募って建物をつくるという発想ではなく、その精神も含めて再建林野庁としても協力をお願いしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  続きまして、安全保障の緊迫する沖縄周辺での抑止力維持沖縄基地負担軽減の両立という困難な課題にどのように取り組んでいくのか、この点について大臣お尋ねをしたいと思います。  私は毎週那覇空港を使っておりますけれども、那覇空港のスクランブルは冷戦時より頻度が増しております。尖閣諸島を含む南西地域の陸海空の自衛隊の任務はますます重要性を増し、海上保安庁第十一管区日本最大管区となり、日本安全保障の最前線となっております。  一方、米軍基地整理縮小を願う県民の声も切実であります。日米合意されている沖縄基地負担軽減策は、一九九六年のSACO合意、二〇〇六年の米軍再編、二〇一三年の統合計画とありますが、これらが全て返還されても、全国米軍専用施設に対する沖縄県の米軍施設の割合が現在の七〇・三%から六九・三%、つまり、わずか一%の負担軽減でしかありません。  昨日、本日未明と大嘗祭が行われました。そして、本日十一月十五日は自由民主党の結党記念日でもあります。自民党の結党理念、党是、使命というものは、憲法の改正と、占領、戦後体制からの脱却です。敗戦から七十四年の復興の中で、同盟国アメリカとの信頼関係は重要とはいえ、現在の規模米軍専用施設が狭い沖縄の県土に今後も継続することに違和感を持つのは、保革を超えて国民の健全な意識であると思います。  普天間基地返還合意されたSACOから二十三年がたちました。那覇軍港の最初の返還合意は四十五年前です。しかし、まだ返還されておりません。返還合意されても、その実現には長い歳月がかかります。  戦後百年まであと二十六年です。中国の台頭とアメリカ相対的地位の低下、地政学とともに、サイバー、宇宙、電磁波という新領域への対応安全保障環境の大幅な変化に伴い、将来を見据えた抑止力維持負担軽減策を目指す新たな安全保障グランドデザインが必要であると考えます。  私が一貫して思うことは、米軍基地専用施設の約七割が集中している在沖米軍基地を、自衛隊との共同使用、そして将来は日本政府自衛隊が管理することを目指すことは、主権回復の一環であるとも考えております。  つまり、SACOといった面積や量的な基地整理統合縮小から、管理権獲得や緊急時の立入り、そして、航空機の安全やサイバー等での共同運用といった質的な整理統合縮小主権獲得に努めることが大切だと考えております。  この点についての大臣所見をお聞かせください。
  10. 河野太郎

    河野国務大臣 米軍施設区域共同使用につきましては、これまでも、2プラス共同発表や新ガイドラインにもあるとおり、より緊密な運用調整相互運用性の拡大、柔軟性や抗堪性の向上地元とのより堅固な関係の構築といった観点から、今後充実させるべき日米協力分野一つであると考えております。  沖縄においては、これまで、自衛隊が訓練のために、キャンプ・ハンセン、沖大東島射爆撃場トリイ通信施設ホワイトビーチなどを共同使用してきた。そういうこともございます。  防衛省としては、米軍施設区域共同使用に係る具体的な協力について、引き続きしっかり検討してまいりたいと思います。
  11. 國場幸之助

    國場委員 ありがとうございます。  この共同使用というものは、過去の2プラス2でも何度もお互いに確認している内容であると思います。もちろん、これには、地元負担が増すということはあってはならないと考えております。  しかし、米軍基地管理権運用権、このことは、極力自衛隊関与というものを、日本政府関与というものを強めていく、そのことが将来の地元対策においても必要なことであると私は考えておりますので、引き続き大臣答弁のとおりに実現されますことを強く要望したいと思います。  続きまして、飛行の安全に関する日米専門家会議米軍機事故機への緊急立入りについてお尋ねをしたいと思います。  私は、この二つ取組というものは大きな前進であると評価をしております。そしてその核心というものは、飛行安全に関する日米専門家会議米軍機事故機への緊急立入りというものを、有機的な連携を通して米軍機安全性を高め、事故再発防止を図ることに尽きると思います。  つまり、飛行安全に関する専門家会議で得た知見というものを米軍機の緊急立入りの際に生かす。そして、米軍機事故機への立入りガイドライン改正実施で知り得た経験というものを飛行安全会議で生かしていく。その相互運用連携というものが、万が一の事故の際の原因究明再発防止、そして地域住民国民への説明責任を果たすことにもつながり、日本国土で起きた事故に対する我が国主権の行使にもつながると思っております。  そこで、それぞれ質問をしたいと思いますが、まず、飛行安全に関する日米専門家会合についてお尋ねをしたいと思います。  航空機事故を起こさないために日米専門家知見を深め交流することは、両国国益にかなうと信じております。日米協力する場面は多種多様にありますけれども、パイロットや整備士に加え、航空機政策担当者相互交流をしながらメンテナンスの手順緊急着陸予防着陸考え方などを確認し合う専門家会合が初めてスタートしたことは、意義が深いと思います。  専門家会合は、昨年、ことしと二回開催されたと聞いておりますけれども、今後何を目指していくんでしょうか。この点をお願いします。
  12. 河野太郎

    河野国務大臣 飛行安全に関する日米専門家会合は、日米双方航空機による高いレベルでの飛行安全の確保目的として、日米間で、広く飛行安全をテーマにした包括的な議論実施するものであります。  これまでこの会合では、各自衛隊及び在日米軍各軍の飛行安全に関する多数の専門家が参加をしており、それぞれが専門的知識経験を有することから、日米間で意見交換情報共有実施し、一層の相互理解を深めるための重要な機会であったと考えております。  米軍機事故などが発生した際には、これまでも、米側から原因再発防止策等説明を受け、安全性について確認しておりますが、引き続き、こうした会合の場を活用し、飛行安全に一層の理解を深めていきたいと考えております。  米軍機運用に際しては、安全の確保が大前提でございます。米軍機による事故は、地域の方々に大きな不安を与えるだけでなく、日米同盟を揺るがしかねない、そういうことにもなりかねないものでございますので、日米でしっかり協力しながら、飛行安全に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
  13. 國場幸之助

    國場委員 日米航空機飛行安全に対するお互いの専門的な知見を確認し合うということは、事故を起こさない安全な飛行というものは両国国益に資するわけでありますから、過去の事故の事例というものも相互に検証をしていきながら、そしてまた地元の方からは、将来は米軍事故機自衛隊現場で立ち会えるような関係性を目指していくべきである、このような声もあります。  しかし、この専門家会合が開催されるに当たっていろいろな経緯があることも私は聞いておりますので、やはり、相手の立場も踏まえながら地元の意向も尊重していただきたいと思いますけれども、この点についての御答弁もお願いしたいと思います。
  14. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、この会合が開始されるまでにはさまざまな経緯があったところではございます。  ですが、今、日米協力をして専門家間の議論を包括的、全般的に行うことによって安全性を高めていこうという機運は高まってきておりますので、これを維持し、更に日米双方安全性向上に努めるよう、この枠組みの中で効果的な議論を進めてまいりたいというように考えているところでございます。
  15. 國場幸之助

    國場委員 二回の専門家会合が開かれました。三回目が当初予定していたものが延期になったと聞いておりますけれども、この中ではどのようなことを確認し合うんでしょうか。
  16. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  ただいま三回目の会合に向けまして調整を行っているところでございますが、この中では、これまでの経験に即しまして、例えば、予防着陸手順でありますとか耐空証明考え方も踏まえながら、更に安全性を高めるためにどういった議論ができるのか、将来的には現場の訪問も含めまして、議論を進めてまいりたいというように考えているところでございます。
  17. 國場幸之助

    國場委員 ぜひよろしくお願いします。  続きまして、外務大臣政務官中谷政務官の方にお尋ねしたいと思いますが、施設区域外での米軍機事故に関するガイドライン改正についてお尋ねしたいと思います。  施設外米軍機が起こした事故に関して、迅速かつ早期制限区域内への立入りの実施ガイドラインに明記したことを私は高く評価したいと思います。もちろん、これも米軍の同意がなければ進まないんじゃないかという意見もありますが、そうではなくて、やはり、日米がこのように明文化したということは、明らかに前進になると思います。  ちょうど二年前の高江の事故、そのときはちょうど私たちは衆議院選挙の総選挙のさなかでありましたので鮮明にその記憶を覚えておりますけれども、現場に立ち入るまでに六日間、約一週間もかかったということ、そして、現場での土砂の運搬というものが、想像を超えて多くの土が持っていかれたということに対する地元の方からの厳しい声があったのは事実でありますので、同様の事故が不幸にも起きたときに、早期に、迅速に立入りができ、また、地元への説明責任が果たせるような環境をつくっていくことはとても大切だと思いますが、このガイドライン改正についての政務官からの御答弁をお願いしたいと思います。
  18. 中谷真一

    中谷大臣政務官 もう先生御案内のとおり、今般ガイドライン改正は、これまでの事故等事案における課題等も踏まえ、日米間の強固な信頼関係のもと双方協議を重ねた結果、実現したものでございます。特に、制限区域内への立入りが迅速、早期に行われることを明確に書かせていただいております。  米軍機による事故が発生した際の対応が多くの面で一層改善される内容となっているところでございます。  もちろん、本ガイドラインが適用されるような事故が起こらないことが一番ではございますけれども、もしもの場合等々のために、今般の改正のように、米軍運用地位協定をめぐる課題について、一つ一つ私どももしっかりと具体的に前に進めてまいります。  地元負担軽減に向けて、今後も全力で取り組んでまいります。
  19. 國場幸之助

    國場委員 ありがとうございます。  今、中谷政務官、そして、先ほどの防衛省中村地方協力局長から答弁いただいたガイドライン改正飛行安全の専門家会合というものは、深く連動していると思います。つまり、事故現場へのガイドライン改正を行って、迅速に立ち入る、入るということが目的のみならず、この飛行安全の専門家会合知見を高めていきながら、事故が起きないような再発防止そしてまた原因究明、こういったことをやっていただくことが大切だと思いますので、この二つの連動というものを意識した対策というものを防衛省外務省が力を合わせて達成していただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  続きまして、サイバーにおける日米協力のあり方についてお尋ねをしたいと思います。  緊迫する南西地域におきまして、サイバー等の新領域における日米協力の将来像、未来図についてお尋ねをしたいと思います。  我が国には百三十一の米軍施設区域がありますけれども、サイバー部隊は横須賀と横田にあり、沖縄県には、サイバー作戦関連部隊海兵隊のキャンプ・バトラー、キャンプ・ハンセン嘉手納基地に配置されていることが公表されております。全国五カ所しかない米軍サイバー部隊のうちの三つが沖縄県に存在しております。2プラス2でも、日米サイバーに関する協議演習意見交換を行い、さらには、日米安保第五条の適用対象にもなっております。  そこでお尋ねしたいと思いますけれども、米軍サイバー部隊も駐屯する沖縄において、日米サイバー協力の深化により、抑止力維持に資するような取組というものは考えられるんでしょうか。
  20. 河野太郎

    河野国務大臣 平素から、自衛隊在日米軍サイバー攻撃が行われた状況を想定し、その際の情報共有連携の要領などについての協力を行うほか、ことし八月には、陸上自衛隊米陸軍によるサイバー競技会日米共同CTFサイバーサンダーを開催するなど、具体的な部隊間の演習実施をしているところでございます。  防衛省自衛隊といたしましては、引き続き、このような具体的な取組を通じて、日米サイバー防衛協力を一層加速していきたいと考えております。
  21. 國場幸之助

    國場委員 それは沖縄関係する部分はあるんでしょうか。日米両国政府ではいろいろな取組がなされていると報告を受けたんですけれども。
  22. 河野太郎

    河野国務大臣 沖縄を始めとする個々の部隊につきまして公に申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思います。
  23. 國場幸之助

    國場委員 はい、わかりました。  この分野は、非常に重要であると同時に、なかなか専門家の育成も間に合わない、足りない。これは、防衛省のみならず、民間においても切実な声は聞いておりますので、どうかこの部分でも日米協力というものを深めていただきたいと思っております。これは要望でございます。  続きまして、沖縄那覇基地及び那覇空港用地那覇駐屯地に関する法整備についてお尋ねをしたいと思います。  これは内閣府の方の答弁になるのかと思いますけれども、今、跡地利用特措法によりまして、米軍基地が返還された後、地主には補償金給付金特定給付金と、手厚い支援があります。歴史的背景的にいいますと駐留軍用地と何ら変わらないと主張する那覇基地及び那覇空港用地那覇駐屯地地主会からは、返還地跡地利用特措法内容が適用される法整備要求がありますけれども、この点についての内閣府からの所見をお願いします。  失礼しました。これはでは中村局長、お願いします。
  24. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  委員指摘のいわゆる跡地利用特措法につきましては、米軍施設用地及びその跡地が広範かつ大規模に存在する沖縄県の特殊事情に鑑みまして、米軍施設用地返還に伴う特別措置を規定したものでございます。  その上で、委員指摘の、那覇基地及び那覇駐屯地を含む、沖縄に所在する自衛隊施設のほとんどが、米軍施設の返還後に引き続き自衛隊施設として供用を開始したものでございます。  このため、自衛隊施設のほとんどにつきましては、いわゆる跡地利用特措法の趣旨であります、米軍施設用地返還後の有効かつ適切な跡地利用が既に達成されている状況でございます。  こうした自衛隊施設米軍施設と同様の取扱いとすることは、現行法の整合性といった観点から、課題が多いものであると考えているところでございます。  また、自衛隊施設の大部分沖縄以外に所在していることを踏まえますと、沖縄県に所在する自衛隊施設のみを対象とした特別措置を設けることについては、本土におけます自衛隊施設の取扱いとの関係から、慎重な検討が必要であろうと考えております。  一方で、沖縄県に所在をします自衛隊施設につきましては、米軍施設のように、返還されることが前提となっておりません。現時点で大規模整理統合縮小が行われる予定もないというところでございます。  いずれにしましても防衛省としましては、今後とも引き続き、地元の皆様との意思疎通を密にしながら、こういった問題にも適切に対処してまいりたいと考えているところでございます。
  25. 國場幸之助

    國場委員 私がこの質問をしましたのは、一つは、地元地主会からの長年の要望があったということが一点目でありますけれども、同時に、二〇〇六年五月の日米再編実施のためのロードマップによりますと、キャンプ・ハンセン陸上自衛隊の訓練に使用されるということが宣言されておりまして、その結果、自衛隊キャンプ・ハンセンの使用実績が、二〇〇七年には一回、二〇一四年には四十七回、二〇一五年には九十五回、二〇一六年には百回行われております。  同時に、二〇〇二年の2プラス2、このときにも、これは、当時の那覇基地に駐屯する陸上自衛隊は第一混成団、今の十五旅団の前身なんですけれども、その第一混成団を沖縄県北部のキャンプ・ハンセンに移転ということが行われた。そういう議論があったということを私は資料で見たんですけれども、そういう長年の変遷の中で、米軍基地が返還された後にはさまざまな手厚い支援がある。しかし、沖縄県は二十七年間の米軍統治の時代がありましたから、自衛隊施設とて、米軍に管理されてきたという歴史的な経緯もあります。  その部分も加味して、あと三年たちますと沖縄振興特別措置法も期限を迎えますけれども、その根拠法が変わるときに、そういった沖縄の特殊事情を踏まえた上での、さまざまな返還に伴う法整備をしてほしいという地元からの声がありますので、この点も考慮していただきたいと思っております。  じゃ最後に、あと二分しかないので普天間の跡利用についての答弁をお願いしたいんですけれども、特に普天間の跡地というものは、海抜が七十五メートルあります。那覇空港というものは海抜が三・三メートル、そしてまた、辺野古、キャンプ・シュワブの海抜は八・八メートル、嘉手納基地は四十四メートルでありますけれども、それと比較しても、自然災害が多く、また、津波の被害にも非常に強い場所に普天間基地というものは存在しております。  そこに対する広大なフロンティア、これははかり知れない魅力があって、もちろん、跡地利用というものは一義的には地元宜野湾市と沖縄県にありますけれども、やはり、普天間跡地の持つさまざまなこの可能性というものに対して、政府としても、英知やさまざまな知恵を受け入れる受皿としての度量、器量を発揮していただきたいと思いますので、これは内閣府からでしょうか、答弁をお願いしたいと思います。
  26. 宮地毅

    宮地政府参考人 お答え申し上げます。  平成二十五年一月に沖縄県と関係市町村が策定しております中南部都市圏駐留軍用地跡地利用広域構想、そして、同年三月に沖縄県と宜野湾市が策定しております全体計画の中間取りまとめによりますと、普天間飛行場の跡地が中南部都市圏の中央に位置する、しかも高台に位置するということや、広大な空間が活用できることに着目した構想がなされています。  この普天間飛行場の跡地利用は、沖縄県の振興を図る上で極めて重要な課題と認識をしております。四百七十六ヘクタールの広大でさまざまな可能性を秘めた土地が返還され、それを有効利用することにより、基地が生まれ変わったと地元の皆様にも実感をしていただけるように、国といたしましても、引き続き、県、関係市町村と連携をして跡地利用の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
  27. 國場幸之助

    國場委員 ありがとうございます。  沖縄県は県庁所在地は那覇でありますけれども、第二の県都としての機能や、将来の鉄道の敷設や、既に西普天間は高度医療としての整備が進んでおりますけれども、そして、全国唯一、防災ヘリを持たないのも沖縄県でございます。  さまざまな防災の拠点、人間の安全保障としての拠点、そういう可能性がある最後のフロンティアが私は普天間の跡地利用であると思っておりますので、しっかりと政府としても地元との連携を深めていきながら取組をお願いしたいと思っております。  以上をもちまして質問とさせていただきます。ありがとうございました。
  28. 西銘恒三郎

    西銘委員長 次に、本多平直君。
  29. 本多平直

    本多委員 よろしくお願いいたします。立憲民主党の本多平直です。共同会派を代表して質問をさせていただきたいと思います。  まず、前回に続いて、中東への自衛官の派遣を検討されている件について議論させていただければと思います。  今回の検討の一つは、アメリカの呼びかけというのが大きいんだと思いますけれども、事象としては、日本のタンカーが襲撃をされたということは非常に大きな出来事だったと私は認識をしております。  冒頭なんですけれども、前回の議論の中で、その議論をしようとしたんですね、タンカーの状況をどれぐらい調査していらっしゃるのかということで。その最初の一例として、国旗はどういうふうに上げていたのかという議論をさせていただきました。  新聞報道がいろいろあったので、日本の国旗を上げていたとか上げていないというのがあったので、確認していましたかという議論外務大臣に確認をさせていただいたところ、ちょっと外務省の、私の事前の聞いた話と大臣答弁がずれるということがあって、聞いていた皆さんはよくわからなかったと思うんですが、前夜の段階で、まだ聞いていなかったと言われて、この場に来て聞いたら、いや、もう確認していますよ、日本の国旗なんか掲げていなかったということを答弁されたんです。  その前夜、深夜に確認したことを、変わるんだったらやはり私に丁寧に説明をするか、若しくは大臣にその経緯をちゃんと伝えて、そのことを答弁していただけるように段取っていただくべきだったんじゃないかなと、かなり私も怒りまして外務省とやりとりさせていただいたので、この件について茂木大臣からまず御発言をいただければと思います。
  30. 茂木敏充

    ○茂木国務大臣 コクカ・カレイジャスが日章旗を掲げていたかについては、国連海洋法条約において、船舶は一つの国のみの旗を掲げて航行するものとされているため、この点は委員も御指摘いただいたとおりでありますが、パナマ船籍でありますコクカ・カレイジャスが当時日章旗を掲げて航行していたとは考えられなかったわけであります。  ただし、その後、今お話しありましたように、本多議員から、日章旗の掲揚に関して同船舶の運航会社であります国華産業に対して明示的に確認すべきではないか、そういった御指摘をいただきまして、委員会答弁をしてほしいということでありましたので、十月二十三日の夜、早速、国交省を通じて国華産業に対して確認をとったところ、当時、同船舶は日章旗を掲げていなかったとの回答を得たところであります。  私自身は、十月二十四日の本委員会での本多議員の質問に対しまして、日章旗掲揚の有無についての答弁を求められているものと理解しておりましたので、日章旗を掲げていなかったと答弁いたしました。  また、答弁の中でも申し上げましたとおり、本多議員との本件に係る前日二十三日の夜のやりとり等については聞いておりませんでした。その後、確認をしたところ、本件に関します外務省答弁対応について至らないところがあったようでありまして、おわびを申し上げます。
  31. 本多平直

    本多委員 今、質問通告のあり方、いろいろなところで議論になっていますけれども、ぜひ今後適切な対応をしていただけるようにお願いをしたいと思います。  それで、私、このことを入り口にして次のことに本当は進みたかったんですが、コクカ・カレイジャス、もう何か修理して、船の名前も変えて動いていることで、それはそれで、修理費も保険から出ているそうですが、実は、やはりこういう事件が起こったときには、きちんと現場検証というか、私も捜査の専門家ではありませんが、あけられた穴を写真に撮り、どんな化学薬品が付着をしているのか調査をする、こういうことをすべきだと思います。  当然ですけれども、これはパナマ船籍、便宜置籍というんでしょうか、税金の対策としてパナマ船籍ではありますけれども、そういうことを言い出しますと、私、ちょっと調べましたら、今、日本の商船というのは二千五百ぐらいありまして、そのうち日本の籍を持っているのは二百五十にすぎないんです。ほかの約九割はパナマの船であったり外国の船なんです。しかし、日本の会社が運航している。乗員はさまざまですけれども。  これで、捜査を、権限はないかもしれません、公海上であり、船籍もないので。しかし、この船がUAEに、ドバイですかね、引っ張られていったんだったら、UAEに要請をして、現場検証的なことを行う要請ぐらいした方がよかったと思うんですが、どうもしていないんですけれども、していないということでよろしいんですかね、外務大臣
  32. 茂木敏充

    ○茂木国務大臣 政府としては、本事案を、我が国の平和と繁栄を脅かす重大な事案として深刻に受けとめ、断固非難するとともに、米国を始めとする関係国とも連携をしつつ、本事案に対する情報収集、分析を進めているところでありました。  こうした情報収集、分析の過程の一つ一つを明らかにすることは、また、相手国であったりさまざまな関係もあるところで、明らかにすることができない部分はございますが、情報収集、分析によります一定の評価がまとまれば御説明をしたいと思います。
  33. 本多平直

    本多委員 残念ながら、私、国土交通省さんを通じて国華産業に確認をしたところ、日本のそういう機関が来たという事実はないわけです。これはもう国土交通省さんを通して確認をしていますので、日本はしていない。船員さんがおろされた後にアメリカが何をしたかは、もしかしたら何かしているかもしれない。その情報を得ているとしたら、それはしていることになるんですが、今回の派遣も独自でされているわけですよね。  アメリカ協力してと言いましたが、これは日本の会社の船に対する攻撃で、たまたま人が亡くなっていない、いいことなんですけれども、けがもしていないので、器物損壊罪だから国外犯としての捜査ができない、こういう状況説明をいただきました、役所の皆さんから。  しかし、これだけ大ごとにして、私は派遣に反対ですけれども、一隻日本の自衛艦を派遣するというところまで騒いでいて、一つの端緒の事件に対して捜査の要請もしていない。アメリカ頼りというのは、余りにも私は、一つ一つの事件をきちんと詰めていかない限り、この地域の航行の安全なんというのは確保できないと私は思うんです。  ここの姿勢について、実はこれは所管がないんです。海上保安庁なのかと聞いたら、海上保安庁はさっき言ったような事情で所管していない。外務大臣もそういう手足をお持ちではないので、厳しい立場だと思うんですけれども、所管がないということが問題なんです、この便宜置籍船がこういうふうにされた場合に。しかし、紛れもなく、日本の経済を支えている、日本の会社が運航している船なんです。これは非常に大きな割合を占めているわけです。  外務大臣、このことについて少し問題意識はお持ちになっていただけないでしょうか。所管と厳密には言えないのかもしれないんですが、所感を述べていただければ幸いです。
  34. 茂木敏充

    ○茂木国務大臣 所管といいますと、どういう形か、船自体の管轄権というのはパナマが当然持っているということでありますけれども、先ほど申し上げたように、今、関係国とも連携しつつ、情報収集、分析を進めているところでありますし、本事案に関しましては、外務省のほかに内閣官房、国土交通省、防衛省、警察庁等の各省が連携しつつ、政府全体として対応してきているところであります。  その上で、先ほども申し上げましたが、情報収集、分析によります一定の評価がまとまりましたら、どのような調査をしたのかも含めて御報告できればと思っております。
  35. 本多平直

    本多委員 私は非常に不十分だと思いますので、どんな報告がいつ上がってくるのか、もちろん、難しいと思います、犯人を特定するというのは。しかし、犯人を特定するのが難しいからといって、一定の調査をきちんとしていかないといけないのではないかということは強く指摘をさせていただきたいと思います。  それで、少し今検討されている件に入っていきたいんですが、今、皆さん、ホルムズが危ないとか、ペルシャ湾は危ないから行かないということで何か議論が、前回も私もちょっとその風潮に乗って議論をしちゃったんですが、このタンカーが襲われたのはオマーン湾の公海なんです。  オマーン湾は検討地域に入っているんです。これは非常に危険な地域だと思うんですけれども、この日本の会社のタンカーが襲われた地域は検討に入っていて、何となくみんなが危険だと思っているけれども、別に日本のタンカーが襲われたわけではないホルムズとペルシャ湾が抜かされている。これはどういうことなんですか。
  36. 河野太郎

    河野国務大臣 今、どこかの地域を特に除いて検討しているというわけではございません。オマーン湾あるいはアデン湾、アラビア海北方を中心にさまざまな検討をしておりますが、どこかの地域を対象とし、どこかの地域を対象としないということではございません。
  37. 本多平直

    本多委員 ペルシャ湾は対象とされていませんよね。
  38. 河野太郎

    河野国務大臣 我が国関係する船舶の安全確保に必要な情報を得るという観点から、オマーン湾、アラビア海北部の公海及びバブエルマンデブ海峡の東側の公海を中心に検討するということでございまして、どこか明示的に、ここを入れる、ここを抜かすということではございません。
  39. 本多平直

    本多委員 わかりました。  しかし、その「中心に」の中からペルシャ湾が抜けているのはどういうことなんでしょうか。
  40. 河野太郎

    河野国務大臣 情報収集の活動地域については今検討をしているところでございまして、ペルシャ湾を入れる入れない、まだ何も結論が出ているわけではございません。
  41. 本多平直

    本多委員 私は別にペルシャ湾もオマーン湾も入れるべきではないともちろん思っていますが、官房長官が文書で示した、北部であるとか海峡の名前もかなり出しているものに、検討のところで例示をしたものを、途中から、それはあくまで中心と言っているだけだと。普通であれば、これは与党内でも、逆に、しっかりやるべきだという方からはペルシャ湾が入っていないのはおかしいじゃないかという声も出る。重要な、日本の海上交通にとって安全な場所を検討の最初の提示からは外しておいて、それについて議論をしようとすると、中心にと言っているから別に外しているわけじゃないと。まあ何か、結論が出てから議論しなきゃいけないことが山ほどありますが。  私、ちょっと指摘したいのは、もし、危険性であるとかイランを刺激ということでここの中心にペルシャ湾を入れていないとしたら、オマーン湾も一緒ですよねと。私は、日本のタンカーが現に襲われた場所ですから、危険性も別にペルシャ湾より低いわけではないし、イランのすぐそばですから、イランを刺激しないという論点からも、別にオマーン湾というのは除外されていないというのはどういう説明なのかなということをお聞きしたいんですけれども。
  42. 河野太郎

    河野国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、どこを入れる、どこを入れないというのが決定しているわけではございません。
  43. 本多平直

    本多委員 オマーン湾は、日本のタンカーが誰かわからない方に襲われたら大変危険な海域であるという認識は今ございますか。
  44. 河野太郎

    河野国務大臣 オマーン湾で日本向けの積み荷を積んだタンカーが何らかの攻撃を受けた、そういう事実があるというのは認識をしております。
  45. 本多平直

    本多委員 大臣、正確に言うと日本向けの積み荷ではないんですが、日本の会社のと言い直していただけますか。
  46. 河野太郎

    河野国務大臣 六月十三日にホルムズ海峡付近において我が国の海運会社が運航する船舶が攻撃を受けた事案という言い方でよろしいでしょうか。
  47. 本多平直

    本多委員 積み荷は違うところ行きだったというふうに聞いています。  それで、危険であることももちろんなんですけれども、今は非常に可能性は低いですよ。いろいろ国際的な専門家に聞くとその可能性は低いんだけれども、実際、トランプ大統領は武力行使をする寸前まで行ったという報道、御自分もそういうことを言われている状況ですから、何が起こるかわからない。海上警備行動どころか、本当に、国なのか、国に準ずる者からの攻撃を受けかねない、それに対処しかねないようなところに調査研究という名目で行くなどというのは、本当にやめた方がいいということを申し上げているわけなんです。  それで、この調査研究についてですけれども、ちょっと疑問なんですけれども、設置法四条の十八号、調査研究で行くんですけれども、調査研究にはちゃんと上に言葉がついているんですよ、「所掌事務の遂行に必要な」調査研究なんですよ。それで、どの所掌事務かということを事務方にお聞きをしましたら、その前の号の「自衛隊の行動に関する」調査研究ということなんです。  それで、それは、日本周辺で哨戒活動を行ったりする場合には、日本を防衛をしなきゃいけませんから、そのために、その所掌事務を自衛隊の行動のための調査研究という理論が成り立つんですけれども、以前、テロ特をつくったけれども、まだ施行される前にその状況を見に行く、これもテロ特でのいずれの行動に向けての調査研究、所掌事務の遂行に向けての調査研究という理屈が成り立つんですが、今回の調査研究は、どういう所掌事務の目的の遂行のための調査研究に当たるんですか。
  48. 河野太郎

    河野国務大臣 海上警備行動が想定されるということでございます。
  49. 本多平直

    本多委員 海上警備行動はそういう状況になったら発令をするということでおっしゃっているんですけれども、そういう状況、それが必要な状況は想定されない場合もあり得るんですよ。その方がいいわけですよね。そうだとすると、どの所掌事務のための調査研究になるんですか。
  50. 河野太郎

    河野国務大臣 状況が変化をすれば海上警備行動の発令が考えられるということだろうと思います。現在は、その要否を含め調査研究をする、そういうことでございます。
  51. 本多平直

    本多委員 そういう理屈を立てられているということがわかりました。  それで、私、これは法律の観点からどういうふうに、これは自分の中の理屈ではすごくよくないと思うんですが、これからもちょっと追及の方法を検討中ということと、それから、とにもかくにも、この調査研究でやると言われると、まあ、ほかのいろいろなことだと当てはめができるんですけれども、これで行くと言われると非常に追及しにくく、今苦慮しているというのは正直なところですが、だからこそたちが悪いということをしっかりと申し上げておきたいと思います。  それで、野党の私が言ってもなかなかお聞きいただけないんで、ちょっと他党の方の力をかりたいんですけれども、公明党の山口代表、BSのテレビで私も録画をしてしっかり見ました。もちろん、与党の代表ですから、軽々しく行くなと断を下しているわけではないと慎重な発言はつけ加えていらっしゃいますが、こうおっしゃっています。調査研究を軽々しく適用すべきではないということ。それから、行かないで済む方策、例えば新たな核合意の仲介をするなど、そういうことを考えろという御発言を与党の代表がされています。  これについて、防衛大臣、どういうふうに受けとめられますか。調査研究、さっき私が言ったとおり、結局何でもできるんですよ。これで、戦争が起こるかもしれない非常に危険な場所に自衛官を出すことは、与党の代表がテレビでこう発言をされています。前回、私は、私が言っても聞かないので、与党内の議論、報道を引用をさせていただきました。前回は自民党さんでしたけれども、今度、公明党の代表の発言、どう受けとめられますか。
  52. 河野太郎

    河野国務大臣 政府といたしましては、中東における我が国関係する船舶の航行の安全を確保するためにどのような対応が効果的かという観点から、情報収集態勢を強化するために自衛隊のアセットの活用について検討することとしたものでございます。  その上で、今後、自衛隊のアセットを派遣することとなる場合には、その活動の目的等について関係国の理解を得るべくしっかりと対応し、また、我が国としては、航行安全対策を徹底するほか、関係国と緊密に連携しつつ、地域の緊張緩和と情勢の安定化のため、粘り強く外交努力を継続してまいります。
  53. 本多平直

    本多委員 与党の代表の発言についての受けとめは聞けませんでしたけれども、まだ検討中なんですから、しっかりと受けとめていただきたいと思います。  次に、最近相次いでいる米軍事故、不祥事についてお聞きをします。  私、ブランクがあった後、二年前に国会に戻ってきて、この安全保障委員会に所属をいたしました。その直後にCH53Eが沖縄の小学校に窓枠を落とすという事故がありまして、この委員会でも視察に参りましたし、野党の皆さんとも行って、私は二回、あの普天間の小学校を見てまいりました。その行った日にも、危険なところ、すれすれのところを飛行機が飛んでいる実態を見てまいりました。  この際は飛行停止を強く要請し、六日間の、六日間といってもわずかで、本当に何か実効性があるのかと思っていましたが、このことも強く当時の大臣に文句を言いましたけれども、今回、八月二十七日、再び同型機が窓を落下をさせています。飛行停止を求めなかったのはなぜですか。
  54. 河野太郎

    河野国務大臣 この事案に関しましては、防衛省として、米側に対し、点検整備及び安全管理の徹底、実効性のある再発防止策の実施事故発生時における速やかな通報を申し入れているところでございます。  また、アメリカ側からは、航空機を安全に運用するために、普天間飛行場所属の全てのCH53Eについて、飛行前及び飛行後に、窓を含め安全点検を詳細かつ確実に実施する旨の説明を受けております。  この件につきまして、事案の個別の対応などを踏まえ、飛行停止は求めておりませんが、いずれにせよ、米軍運用に当たっては安全の確保が大前提であり、防衛省としては、引き続き米側に対し、安全確保に万全を期すよう厳しく求めてまいります。
  55. 本多平直

    本多委員 長々といつも読むやつですね、事故が起こったたびに。コピペみたいに読むのはやめていただきたいんですよ。  これは、同じ型の飛行機から窓が落ちるというとんでもない話。前回は校庭に落として、児童の身に何かあるかもしれなかった、実際にけが人も出た。この同じ型の飛行機がまた窓を落とした。これは軽いものだったと聞いていますけれども、私は、これは相当強く抗議をしなきゃいけない事案だと思うんです。  専門家の方の中に、飛行停止したから何なんだと言う方もいるんですけれども、これはやはり住民に理解を得ていく過程でもあると思うんです。事故を起こしたものが翌日から飛ぶことというのは理解ができにくいんですよ。一日とめたから何なんだという話じゃないんですよ。ここは少し立ちどまって、もっとちゃんと点検してよという、それは当たり前の、沖縄の皆さんの気持ちも当然であるし、アメリカだって、いやいや、前回と同じ型からまた窓を落としちゃった、軽かったからよかったでしょうという話じゃなくて、何日かきちんととめて、おわびの気持ちを示す。そういう意味でも、僕は飛行停止を求めるべきだったと思うんですよ。  求めても飛ぶことはたくさんあるじゃないですか。しかし、日本政府が今回求めていないのが、同じ型の飛行機ですよ。前回、校庭に窓枠を落として、今度また窓ですよ。これ、求めるべきだったんじゃないんですか。
  56. 河野太郎

    河野国務大臣 米軍機飛行停止については、事案の個別の対応等を踏まえ、それぞれの事案に即して判断の上、米側に対して求めることとしております。  その上で、本件事案については、米側から、航空機を安全に運用するために、普天間飛行場所属の全てのCH53Eについて、飛行再開前に点検を確実に実施すること、また、今後も常に当該機の飛行前及び飛行後、窓を含め安全点検を詳細かつ確実に実施する旨の説明を受けたこともあり、飛行停止は求めておりません。  いずれにせよ、米軍運用に当たっては安全の確保が大前提であり、防衛省として、引き続き米側に対し、安全確保に万全を期すよう厳しく求めてまいります。
  57. 本多平直

    本多委員 つけ加えておきますと、全然納得できませんけれども、その答弁、単なるミスだけじゃなくて、やはり機体の老朽化という指摘をしている専門家もいらっしゃいます、この型に関しては。三度目に落ちたら、大臣の今の答弁、しっかり私もう一回読み上げさせていただきますので、しっかりと対応してくださいよ、本当に。  校庭に窓を落とした機体がまた窓を落としているので、私は飛行停止を求めるべきだったと思います。  さらに、もっととんでもない事実が明らかになってきています。二〇一六年の四月の接触事故が通報されず、そして、似たような事故が昨年の十二月、FA18とKC130、空中給油の訓練中に墜落をして六人亡くなっていますが、実は似た事故がその二年前に起こっていて、我々日本に報告がされていなかったということがアメリカ側の報告書で明らかになりました。  この報告書の過程で、岩国基地海兵隊、薬物乱用、アルコールの過剰摂取、手放し操縦、飛行中の読書、ひげを整えながらの自撮り、こういう事例が明らかになりました。  そのコピペみたいのを読むのはやめていただきたいんですけれども、処分されたみたいですけれども、全国の今の米軍、現在、他の部隊は大丈夫なんですか。
  58. 河野太郎

    河野国務大臣 平成三十年十二月に発生した高知県沖での空中接触墜落事故に関する調査報告書で、岩国基地飛行部隊の不適切な管理体制や隊員の規律違反などが記されておりました。  このような事故を起こした部隊内における規律違反の常態化につきましては、航空機の運航の安全にかかわるものであること、地元の方々の安全に影響を与える重大な事案になり得たことを踏まえれば、在日米軍全体に対する信頼を損なうものであり、在日米軍司令官、インド太平洋軍司令官、あるいはミリー統合参謀議長など、こうした規律の緩みということがないように、また、在日米軍が安定的に駐留するためには地元理解が大前提であり、こうしたことが放置されるということはこの前提を損なうものでありますから、在日米軍として安定的な駐留を果たすためにも、まずしっかりと規律を確立し安全対策を徹底する、その必要性があることを申し上げ、先方もまさしくそのとおりに考えていると私は思っております。
  59. 本多平直

    本多委員 抗議はしていないということでよろしいんですか。向こうはもう事実を認めているわけですから、向こうの報告書ですから。抗議はされたんですか、この事態を。
  60. 河野太郎

    河野国務大臣 この報告書の中にありました、他の沖縄での事故が報告をされていないことなど、本来行われるべきことが行われていないということについては、日本側から強く申入れをしているところでございます。また、こうした規律の緩みというものが放置されていることについても同様でございます。
  61. 本多平直

    本多委員 申入れしかしていないということでよろしいんですか。もちろん、当然申し入れますよね。  それから、二年前の報告、同様の事故をここでしっかりと反省しておけば、もちろん日本に報告して大ごとになっていれば、二年後の六人も亡くなる事故、防げたかもしれないってこの報告書で書いているわけです。これを報告しなかった大ごとも、今度はちゃんとやってください。  それから、飛行中の読書とか手放し操縦、アルコール、薬物乱用で飛行機を操縦している。落ちた飛行機に乗っていた方の尿からは睡眠導入剤が検出された。これというのは、二度と同じようなことが起こらないようにしてくださいねという申入れ事項なんですか。抗議を強くすべき事項なんじゃないんですかね。
  62. 河野太郎

    河野国務大臣 申入れといいますか抗議といいますか、いずれにせよ、こうしたことが放置されてはならず、安全対策が徹底されなければならないということは我々から申し上げている、あるいは抗議している、そういうことでございますし、大事なのは、米軍がそれをしっかりと受けとめて、きちんとそれを行うということだろうと思っております。  私としては、米側も、事の重要性は非常に強く認識をし、しっかりとした対応をとるものと思っているところでございます。
  63. 本多平直

    本多委員 二年前の同じ型と同じ型、二年後に六人亡くなるわけですけれども、その二年前の事故を報告しなかったことについては、向こうは何と言っているんですか。ルール違反って認めているんですか。  河野大臣は記者会見で、ルール違反、今もけしからぬと当然おっしゃってくださっていますが、向こうは何と言っているんですか。向こうは、ちっちゃい接触だから別にいいんじゃないかとまだ主張しているんですか。そこの、今の段階のあちらの言い分を報告してください。
  64. 河野太郎

    河野国務大臣 平成九年三月に日米合同委員会合意された在日米軍に係る事件・事故発生時における通報手続においては、日本国の施政下にある領域において、公共の安全又は環境に影響を及ぼす可能性がある事件、事故が発生した場合には、アメリカ側から日本側へ通報することとしております。  今回、アメリカ側からは、平成二十八年に沖縄本島沖で発生した事故については、嘉手納から約二百七十キロの公海上におけるものであったため、通報手続の対象ではなかったと認識しているとの回答を受けておりますが、この事故に係る日本の政府に通報がなかったということでございますが、この事故地元の方々の安全に影響を与える重大な事案になり得たこと、国内所属、日本国内にいる在日米軍所属部隊によるものであること、事故機国内にある嘉手納飛行場に帰投していることを踏まえれば、日本側へ情報提供されてしかるべき事案であったと考えております。  今回の事案をしっかり踏まえた上で、米軍とこうした通報のやり方について、きちんと認識をすり合わせ、協議をしていきたいと思います。
  65. 本多平直

    本多委員 米軍側は遠いところだったからいいだろうと言って、今、河野防衛大臣はそうじゃないだろうという三点をおっしゃった。私はその三点、全く同意をいたします。  その河野大臣が言った三点をアメリカ側が合意しない限り、また同じようなことが起こったときには、遠かったからいいんだろうと。日本から出ていっていて飛行機と飛行機の接触ですよ。これを報告しないとどんなことを報告するのってなるんですが、ここぐらい合意をとっていくおつもりはありますか。
  66. 河野太郎

    河野国務大臣 今申し上げましたように、こうしたことについての認識をきちんと同一にするように、協議をしっかりやってまいりたいと思っております。
  67. 本多平直

    本多委員 残念ながら、今同一じゃないという、まだということですよね。お互いに言い分を言い合っているだけという残念な状況で、アメリカ側からこれは反省の言葉があってしかるべきなんですよ。だって、自分たちがこのときの事故をきちんと反省をしていろいろ直していれば二年後の事故は起きなかったって自分たちの報告書で書いてあるものを、日本基地から出て、日本基地に帰っている飛行機のこういう事故を報告をしていないというのは、本当にとんでもない話だと私は思いますので。  私、河野大臣、すごくいいなと思ったのは、嘉手納のパラシュート降下事件のときには非常に厳しく、私から見るといろいろなおかしなことが起こっているんだけれども、何でこれだけこんなに大臣一生懸命に怒っていただいているんだろう、すばらしい姿勢だなと思ったんです。ルール違反で勝手にパラシュート降下。それと同じことを、何かあのときは役所の方を押しのけて、しっかりやると言って、あの姿勢で、人の命にかかわる航空機の安全については、あのときの、この我々の委員会の前でやった、勝手に天気が悪いからってパラシュート降下訓練をやっちゃったときのあのことと同じように、一個一個、ぜひ、河野防衛大臣防衛大臣になったことをチャンスに、難しい壁はきっとあるんだと思います、ただ、一個一個の不祥事を例にやっていかないと、だから私も細かく言っているんです、今回の窓枠の二度目も。  それは、一キロのものだと言われれば、そうなのかなとも思うかもしれないですけれども、二度目なんですよ、同型機で。専門家は老朽化ということも言っているので、ぜひ最後に決意を、あのときのパラシュート降下事件で怒っていた河野防衛大臣の、あの思いでほかのこともやっていただくという決意をお話しいただけないですか。
  68. 河野太郎

    河野国務大臣 在日米軍による事故に関する認識は委員共有していると思っております。  安定的な在日米軍の駐留の大前提が地元の御理解ということで、こうした事故を起こさない、万が一事故が起きたときの通報を含めたその後の対処、これをしっかりやる、これは絶対に必要なことだと思っておりまして、在日米軍に対しては、あるいは米国政府に対しては、これまで以上にこうしたことについて申し上げて、しっかりと是正をしていかなければならぬと思っております。  ただ、日米関係は同盟関係にございます。学校でも、親友に何か注意をするときに、みんなの前で言うのか、あるいは体育館の後ろに引っ張っていって言うのか、これはいろいろなやり方があるんだろうというふうに考えております。
  69. 本多平直

    本多委員 終わります。
  70. 西銘恒三郎

    西銘委員長 次に、篠原豪君。
  71. 篠原豪

    ○篠原(豪)委員 篠原豪でございます。  きょうは私も、自衛隊の中東の派遣の問題についてしっかりとお伺いをさせていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。  まず、イランの核合意離脱後の米国とイランの一触即発の危機的状況からちょっとどういうふうに続いているのかなというところ、そこから質問させていただきます。  政府は十月十八日に、中東へ自衛隊の艦船等を派遣する検討を開始する旨を発表しました。その背景には、トランプ政権が昨年五月、一方的に国際的な核合意から離脱した事件があります。私はそう思っています。この離脱を起点として、なぜならば、アメリカは経済制裁を復活させただけでなく、新たな制裁を科しつつ、ことし五月二日には国庫収入の約四割を占めるイラン産原油の輸出を全面的に禁止したわけです。  さらに、軍事的にも、米海軍の原子力空母ジョン・ステニスを中心とする空母打撃群をペルシャ湾に入れて、そして核弾頭を運用できるB52戦略爆撃機をカタールの基地に投入するなど、イランを対話に引き出すために最大限の圧力をかけ続けていると思います。  しかし、イランの最高指導者のハメネイ師は対話を拒否して、対話の糸口さえ見つかりません。緊張は高まるばかりで、ホルムズ海峡周辺で石油タンカーなどが攻撃を受ける事案等が続発しています。そして、アメリカは、一連の事件にイランが関与していると主張しているわけです。  この偶発的な武力衝突を招きかねない一触即発の危機が今続いている中で、六月二十日にはイスラム革命防衛隊が、同国南部のホルムズガン州のオマーン湾近くのイランの領空内で、米海軍の無人偵察機グローバルホークRQ4Aを迎撃しました。これに対してトランプ大統領は、米軍による報復攻撃を承認しましたが、直前に承認を撤回して、幸い、犠牲者を出す事態には至りませんでした。  しかし、米軍は、イラン軍のミサイルやロケット発射を制御するコンピューターシステムへのサイバー攻撃実施したとされているほか、七月十八日にはイランの無人偵察機を同海峡で撃墜したとされています。  こういった状況から見ますと、本格的な武力衝突には至っていないにせよ、米国とイランの間には敵対的行為が常態化しているので、両国の間は既に国際的な武力紛争の状態にあると考えて差し支えないのではないかと考えています。少なくとも、平時では決してないと思います。  その中でお伺いをしていきます。  米、イラン両国とも戦争は望まないとしていますが、以上のような軍事的緊張にある米国とイランは、既に国際法上の紛争当事者と言って差し支えないのではないかと思います。この点について外務大臣の御見解を伺います。
  72. 茂木敏充

    ○茂木国務大臣 まず、委員の御指摘にありました、どちらが原因でこのような緊張段階が高まっているかと。  このイラン、アメリカの問題もそうですし、パレスチナ、イスラエルでもそうですけれども、切った起点によるんですよ。切った起点によってどちらが始めたかということになりまして、第一次十字軍の時代から始めればヨーロッパ側がやった、こういうことも起こってくるわけでありますけれども、いずれにしても、中東情勢が深刻の度を増していることを強く懸念をいたしております。  中東地域は、地政学上の要衝に位置しまして、原油、天然ガス等のエネルギー資源を世界に供給する重要な地域でありまして、この地域の平和と安定は、我が国のみならず、世界の安定に直結をするものであります。  御指摘の紛争当事者、これにつきましては、我が国は御指摘事案の当事国ではないわけでありまして、本件をめぐります個々の具体的な事案について詳細に確認することはできないため、本件に係る国際法的な評価について、我が国として確定的に申し上げることは困難であります。  いずれにいたしましても、我が国としては、中東地域の緊張緩和に向けまして、引き続き、米国、イランを含みますさまざまな関係国と連携しつつ、粘り強い外交努力を継続していきたいと思っております。
  73. 篠原豪

    ○篠原(豪)委員 紛争当事者というのは、交戦権を行使している国又は国に準ずる組織を意味します。その紛争当事者と国際法上言えるかどうかという評価日本がしているのかというのは、これは言うことができるんだと思います。それができないのは、なぜ言えないのかと思います。  じゃ聞き方を変えますけれども、じゃいいです、そのどちらかでも切り取って、どちらかの時点とおっしゃるのであれば、この互いの無人機を攻撃した行為は、これは武力行使と言えるのか。ここで言う武力行使とは自衛権の行使を意味します。いかがでしょうか。
  74. 高橋克彦

    高橋政府参考人 お答えいたします。  今、大臣からも答弁いたしましたとおり、我が国は御指摘事案の当事国ではございませんので、本件をめぐる個々の具体的な事案について確認することはできません。したがいまして、本件に係る国際的な評価について、我が国として確定的に申し上げることは困難でございます。
  75. 篠原豪

    ○篠原(豪)委員 これが、無人機を迎撃した行為が武力行使でないなら、アメリカが報復攻撃をしようとしたのは、これは明確な国際法違反になるんですよ。なるんです。  なぜなら、アメリカによる自衛権行使の国際法上の正当性は、イラン側の行為が武力行使に相当することが前提だからですけれども、それで間違いないんじゃないですか。どうぞ。
  76. 高橋克彦

    高橋政府参考人 お答えいたします。  この事案に関しましては、イランは、米国の無人機がイラン領空に侵入したため米無人機を撃墜した旨説明をしております。一方で、米国は、当該無人機がイラン領空にいたとのイラン側の説明は誤りであり、国際空域における米国アセットに対する攻撃であった旨説明をしております。  したがいまして、繰り返しになりますけれども、我が国が当事者でない第三国間の事案について、我が国として法的評価を行う立場にはないということでございます。
  77. 篠原豪

    ○篠原(豪)委員 じゃ聞き方を変えます。  仮にアメリカとイランとの間で本格的な武力衝突が勃発した場合、派遣された自衛隊の艦艇等は今回撤収することになるんでしょうか。
  78. 河野太郎

    河野国務大臣 仮定の質問にお答えすることは差し控えますが、今般の検討に当たっては、中東における我が国関係する船舶の航行の安全確保に資するものとなるよう、しっかり検討していきたいと思っております。
  79. 篠原豪

    ○篠原(豪)委員 今こういう状態が起きているんです。  それで、武力行使でないならば、無人機を撃墜されたからアメリカが報復攻撃をしようとしたのは、これは明確な国際法違反になるし、これから衝突がどんどんどんどん、撃ち落としているんですよ。これは実際に武力行使じゃないですか。撃ち落としているんですから、武器使って。  この状態において、これが激化していくということになるところに持っていく。それで、調査研究による派遣も海上警備行動による派遣も平時を想定しているので、これは活動の余地はないんです。それが、もし仮になったときでも、ないということは答えられるんです。  ですので、これはちゃんと答えていただきたいんですが、時間がないので指摘しておきます。できないんです。活動の余地はありません。  何でこれをお話ししたかというと、米軍のグローバルホークが迎撃されても、アメリカは報復攻撃を実施することができませんでした。なので、そこでアメリカは、戦略的な手詰まりを解消するために、中東のイラン沖などを航行する民間船舶を護衛するために同盟国の軍などと有志連合の結成を目指す方針を表明したんだと思います。これが、米中央軍が主導する軍事作戦のオペレーション・センチネルです。  このオペレーション・センチネルに同盟国が艦船等を派遣をし、アラビア湾、ホルムズ海峡、バブエルマンデブ海峡、オマーン湾の、公海の航行を安全確保するというのが目的になっているんです。こういう状況があって今のようなことが起きたからこういうふうになっているんです。  そこに、五月二日、じゃ少し具体的にお伝えします。五月二日に、アメリカの運輸省の海事専門機関、これは米連邦海事局、MARADは、イラン若しくはイランに同調する近隣の勢力が、紅海、バブエルマンデブ海峡、ペルシャ湾で、米国や米同盟国に対し何らかの行動を起こす可能性があるということを警告しました。その直後に、六月十三日に、さっき本多委員からもありましたけれども、コクカ・カレイジャス、東京に本社がある国華産業のパナマ船籍の、運航中のタンカーが攻撃を受けました。  ポンペオ米国務長官は、イランやその関係者による米国や同盟国への一連の攻撃の一つだと非難をして、そしてイランは関与を全面的に否定をしているわけですが、政府はどのようにこれを分析しているのかということを私は伺いたいと思います。  あわせて、この事件は、ずばり日本国をターゲットにしたものだと考えているかどうか、教えていただきたいと思います。
  80. 赤堀毅

    赤堀政府参考人 お答えいたします。  政府といたしましては、コクカ・カレイジャスの事案我が国の平和と繁栄を脅かす重大な事案として深刻に受けとめ、断固非難するとともに、米国を始めとする関係国とも連携しつつ、情報収集、分析を進めているところでございます。
  81. 篠原豪

    ○篠原(豪)委員 では聞き方を変えます。  我が国の平和と安定を侵害する行為ということは、まさに日本国をターゲットとしたものと考えている、そして、そのことは今考えているけれども、具体的には、その情報分析を今やっている段階だから、だからそれが一定の評価が出たら、これは先ほどもおっしゃっていましたけれども、発表する、こういうことでよろしいんでしょうか。
  82. 赤堀毅

    赤堀政府参考人 お答えいたします。  本事案につきましては、我が国の平和と繁栄を脅かす重大な事案として受けとめているわけではございますけれども、そのことと、武力攻撃と評価しているということとは別のことでございます。
  83. 篠原豪

    ○篠原(豪)委員 つまり、日本はまだ米国とイランの間の国際的な武力紛争に巻き込まれていない、したがって、交戦権者としてこの権能を行使する立場にはなり得ないというふうに今の段階では考えていますよということですか。
  84. 赤堀毅

    赤堀政府参考人 お答えいたします。  特定の事案我が国に対する武力攻撃に該当するかどうかについては、個別の状況に応じて判断いたします。  本事案につきましては、これまでに得られた情報に基づけば、我が国に対する武力攻撃に該当するものとは考えておりません。
  85. 篠原豪

    ○篠原(豪)委員 当然、調査研究あるいは海上警備行動をするには、紛争当事者でないことが必須条件だから、そんなことであったら出せるわけないし、それで、日本国がターゲットになっている場合には、これは重要影響事態の認定につながるわけです。その可能性がある。そこには計画性、組織性が認められれば防衛出動が可能になるということであるわけです。  仮に重要影響事態の認定につながると、我が国として軍事的な対応をとる必要が出てきますので、米軍や有志連合参加国の後方支援を行うことになりますが、じゃ、もし仮にそういうふうになったら、なるというのは、どういうことが起きたらその認定の鍵となる条件になるんでしょうか。
  86. 赤堀毅

    赤堀政府参考人 お答えいたします。  特定の事態が重要影響事態に当たるか否かについては、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、事態の規模、態様、推移等を総合的に勘案して、客観的、合理的に判断することになります。
  87. 篠原豪

    ○篠原(豪)委員 一九七七年にシーレーン防衛について初めて言われたことがあって、防衛出動とみなされるかどうか、計画的、組織的な行動であるかということが判断の一番の問題になるということを言っていますので、そこのところもしっかりと見ながら考えていただきたいと思います。  オペレーション・センチネルは、ホルムズ海峡など中東海域を航行する民間船舶の安全確保目的とするとされ、一見、警察活動であるように見えますけれども、脅威の対象はイラン若しくはイランに同調する近隣の勢力であって、決して海賊などの非国家主体ではありません。  既に武力行使と思える事態も発生しています。今申し上げました。だって敵を迎撃しているんですから。一触即発の軍事的な緊張状態にあるのは、何度も申し上げますが、そういう状態に今あるんですよ。  新聞とかでも報じられていますけれども、米国はイラン包囲網を形成して、さらなる圧力をかける意図があるというふうに考えられます。つまり、有志連合軍の活動は、純粋な警察活動ではなく、軍事活動の側面を持っていて、活動の一環として武力行使をする可能性も否定できないと考えます。  もともと、有志連合というのは国連安保理決議のお墨つきのない多国籍軍を意味しますけれども、一九八〇年の政府統一見解で、「目的・任務が武力行使を伴うものであれば、自衛隊がこれに参加することは憲法上許されない」とされていますので、こうした有志連合に参加することは、武力行使の一体化の危険性があり、国際法上も紛争当事者に加わることを意味すると考えますが、これは防衛大臣、間違いないでしょうか。
  88. 河野太郎

    河野国務大臣 これまでも繰り返し申し上げているとおり、アメリカが提案している海洋安全保障イニシアチブに我が国として参加をせず、我が国は独自の取組を行っていくこととしております。
  89. 篠原豪

    ○篠原(豪)委員 それはわかっているんです。  なぜこうした質問をしているかというと、今回の自衛隊の派遣の一番の問題は、民間船舶の航行の安全確保目的とした警察活動を行う前提で自衛隊艦艇等を派遣するとしながら、そうした活動はイランと軍事的に対立する米国との軍事戦略の一環として行われることにあるのではないか。したがって、自衛隊派遣の合憲性は、こうした軍事作戦の側面から警察活動をいかに切り離して実施できるかにかかっている。そこにかかっていると考えているわけで、今質問を聞いていっているので、これからの質問もそういうふうな観点から伺っていきたいと思います。  我が国自衛隊艦船等が中東で活動する前提は非軍事の警察活動であって、憲法九条で禁止された武力行使を前提とした有志連合に参加できないわけですから、憲法上、我が国は、米国やイランのいずれの側にも加担しない、中立の立場を維持する必要があると考えてよろしいのか、伺います。
  90. 河野太郎

    河野国務大臣 今般の政府方針におきましては、我が国独自の取組を適切に行っていくこととしております。
  91. 篠原豪

    ○篠原(豪)委員 じゃ、中立かどうかは言わないけれども、我が国独自の取組であると。これは、イランに対しても米国に対しても、いずれの側にも加担しない中立の立場を維持する必要があるんです。そこにはお答えになりませんでした。  じゃ、仮に中立の立場を維持しても、ペルシャ湾やホルムズ海峡等の軍事的な緊張状態にある地域で活動することは、これは、武力行使の一体化の危険があるので私はできないと思うんですけれども、それはできないということでよろしいんでしょうか。
  92. 河野太郎

    河野国務大臣 今の時点で、自衛隊のアセットをどのような地域に派遣をするか、検討しているところでございまして、このペルシャ湾やホルムズ海峡という仮定に基づいた御質問にお答えすることは困難でございます。
  93. 篠原豪

    ○篠原(豪)委員 今の時点だと、どこに行くかは調査中だから仮定の質問には答えられないということですが、仮定の質問を、危険だと思っているから、こういうことが起きますよということで聞いているんです。別に、具体的に、何か国際法を無視して聞いているとか、こういうときにはこういう解釈になりますから日本政府の立場はいかがなのですかということを国会で当たり前に明らかにして、それを歴史に、議事録に残していくというのが大事なので、そこはしっかりと政府の今の時点での見解はお答えいただきたいと思います。  そして、イランとの間で緊張が走らないで、ペルシャ湾やホルムズ海峡等の軍事的な緊張状態にある地域に自衛艦等を投入することが現実的に本当にできると考えているんでしょうか。どこから飛んできてもおかしくない地域ですよ。国際法上、軍艦をわざわざ投入することは、これは平和憲法を踏まえた判断とは到底思えませんから、だから、今の憲法上の解釈と合憲性に照らし合わせてどうですかという話を聞いているまでです。  次の質問に移ります。  米国の海洋安全保障イニシアチブには参加せずにと今おっしゃっていました。日本独自で行っていくと。それはわかっているんです。しかし、そう言いながら、引き続き米国と緊密に連携していくとおっしゃっているから問題なんですよ。全然話が違うじゃないですか。  そこで伺います。  米国との緊密な連携には、これは、自衛隊による米艦船等の防護、自衛隊米軍との間で弾薬等の物資や役務を融通し合うACSA協定、これを活用した米国への後方支援米軍情報の提供等は含まれているのかどうか、いかがでしょうか。検討されているのかどうかも含めて教えてください。
  94. 河野太郎

    河野国務大臣 自衛隊のアセットの活用方法について今検討しているところでございますから、具体的な内容を今の時点で申し上げるのは困難でございます。米国との連携の仕方についても、今検討しているところでございます。
  95. 篠原豪

    ○篠原(豪)委員 じゃ聞き方を変えます。  政府は、その武力行使の一体化に該当しないよう、米国との連携の正当性をどのように確保するか、どういうふうに努めていくのかということを御説明願います。
  96. 槌道明宏

    槌道政府参考人 まず、繰り返しになりますけれども、我が国としては、あくまで独自の取組を行うということでございまして、米国が提案してる海洋安全保障イニシアチブには参加をしないというふうに申し上げているところでございます。  また、先生は、繰り返し、米国の海洋安全保障イニシアチブが武力の行使を行うものであるというふうにおっしゃいますけれども、私ども、必ずしもそうとは考えておりません。私ども、それに入っていないわけですから、それについて御説明するのはなかなか難しい点はございますけれども、アメリカが言っている点について申し上げれば、中東における鍵となる航路における監視及び安全を向上するべく、ペルシャ湾などの対象海域での海洋の安定の促進と航行の安全確保目的として実施されるものであるというふうに公表されていると理解しております。
  97. 篠原豪

    ○篠原(豪)委員 中立じゃなきゃ憲法上だめなんですよ。それが、米国との連携というふうに話をなさるから、それは全然中立じゃない。じゃイランとも連携するんですか。イランとも同じような形でやっていくと言うんだったら、別に、向こうのオペレーション・センチネルに参加するかどうかなんて話は聞いていないので、議論をずらさないでください。それは、そんな議論をしていたら全然出せなくなりますよ。  ですので、僕は普通に真っ当な議論を、防衛は与党野党なくて、しっかりやっていかなきゃいけないと思っているので、聞かせていただいています。(発言する者あり)はい、済みません。ぜひよろしくお願いをいたします。  自衛隊法に規定されている海上警備行動は、あくまでも海上保安庁による警察権行使の延長線上で行われるものですよ。国際法上にも、非軍事の警察活動に当たると考えられるものなんです。海賊行為から我が国関係船舶を守るために海上自衛隊の護衛艦をかつて派遣したときは、当初は海上警備行動を根拠にしたわけですけれども、それは海賊行為が非国家主体の行う不法行為であって、それを取り締まるのも警察行為に当たるという理屈だったんです。  しかし、今回は、我が国関係する船舶が海上交通を脅かされるという事態の背景には、米国とイランの間の一触即発の軍事的緊張があるので、船舶等への攻撃には国家主体が直接間接に関与している可能性が極めて高いと考えられる。  こうした情勢にあって、護衛艦が海上警備行動を根拠に民間の防護活動をするのは可能でしょうか。もし可能であれば、その根拠を教えていただければと思います。防衛大臣、よろしくお願いします。
  98. 河野太郎

    河野国務大臣 今般の検討において、情報収集態勢強化のための自衛隊アセット活用として想定している活動は、情報収集でございます。  今後、状況が変化する場合には、我が国関係する船舶の安全を確保するために必要な措置について検討することとしており、この措置をとる場合には海上警備行動の発令が考えられますが、現時点において、直ちに自衛隊アセットによる我が国関係する船舶の防護を実施する状況にはございません。  その上で、政府としては、六月十三日にホルムズ海峡付近において我が国の海運会社が運航する船舶が攻撃を受けた事案我が国の平和と繁栄を脅かす重大な事案として深刻に受けとめ、断固非難するとともに、関係国と連携しつつ、情報収集、分析を進めているところでございます。  したがって、御指摘の、国家主体が直接間接に関与している可能性が極めて高い情勢は仮定の御質問であり、お答えすることは困難でございますが、あくまで一般論として申し上げれば、海上警備行動は、海上における人命若しくは財産の保護又は治安の維持のため特別の必要がある範囲で行われるものでございます。
  99. 篠原豪

    ○篠原(豪)委員 仮にこれから可能だというふうに判断をしたら、イラン若しくはイランに同調する近隣の勢力からの攻撃である可能性が極めて高いとわかっていながら、これは断定できないので、わからないから、武器使用もためらいながら、これは本当にその後にどういうふうにつながっていくのかということがありますので、理論的に破綻をしないようにしていただきたいと思いますし、中立の立場で、武力行使の一体化の心配のない地域で活動可能であるということも、その中立の立場ということすらも言わないわけです。  そうすると、誰のためにやっているんだという話になってくるんだと思います。これはやはり危ないんじゃないかなと。憲法上の問題も国際法上の問題も、やっていいことと悪いことというのは決まっていますから、そこをやはり崩していくのは私はよくないんだなと思っていますので、きょうの質疑をさせていただいています。  政府は、中東地域における平和と安定、我が国関係する船舶の、これは先ほどの本多委員のところもそうなんですけれども、あえてもう一度、じゃちゃんとお伝えしますと、十月十八日に、中東地域における平和と安定と、我が国関係する船舶の安全の確保目的とした情報収集態勢強化のために中東へ自衛隊艦船等を派遣する検討を開始する旨を発表したということは、いつもこれはずっと言われていることです。  その際に、官房長官が、先ほど大臣もおっしゃられた活動の地理的範囲については、オマーン湾、アラビア海北部の公海及びバブエルマンデブ海峡東側の公海を中心に検討をしていくとされておりまして、河野防衛大臣も先ほどもそのことをおっしゃったものと思いますが、十月二十四日の安保委員会で、ホルムズ海峡も活動範囲からこれは除外を、排除をせずに検討を進めていくという考えを示されたと記憶しています。  これは、イランないしオマーンの領海を通過せざるを得ない。つまり公海部分がないんです、ここには。そこを、ホルムズ海峡で、国際法上、軍艦が調査研究を、活動することができるとお考えでしょうか。
  100. 河野太郎

    河野国務大臣 これまでも申し上げているとおり、今回、自衛隊のアセットを派遣する地域として、オマーン湾、アラビア海北部の公海及びバブエルマンデブ海峡東側の公海を中心に検討していくということを申し上げているわけでございまして、そうした地域を中心に検討していくわけでございますが、どこか特定の地域を入れたり、あるいは特定の地域を除いたりということではございません。  そういうことでございまして、また、自衛隊が他国の領海において情報収集活動を行うためには、航行が継続的かつ迅速に行われ、沿岸国の平和、秩序又は安全を害しないものを除いては、沿岸国の同意が必要であると考えております。
  101. 篠原豪

    ○篠原(豪)委員 じゃ聞き方を変えますけれども、これは無害航行に反するのか反しないのか、それはいかがでしょうか。
  102. 河野太郎

    河野国務大臣 自衛隊が他国の領海で活動する場合、沿岸国との関係で同意を取り付ける場合もあれば、無害通航という形で行う場合も考えられます。  無害通航という形で行う場合には、国連海洋法条約に照らして、自衛隊の活動が無害の通航という形で行われる必要がございます。
  103. 篠原豪

    ○篠原(豪)委員 そうなんですよ。勝手に調査研究なんというのはできませんで、沿岸国の防衛又は安全を害する情報収集目的とする行為は、これは国際法上、領海における無害通航違反航行となるとされています。  これは、この自衛隊の海外派遣は、憲法のみならず、国際法を遵守することが肝要だと考えていますので、防衛大臣におかれてはこのことはしっかりやっていただけるというふうに、もし仮にそうなった場合には、理解してよろしいでしょうか。
  104. 河野太郎

    河野国務大臣 自衛隊のオペレーションは、我が国の憲法、国内法及び国際法にしっかりと適合した形で行うわけでございます。
  105. 篠原豪

    ○篠原(豪)委員 ぜひそういうふうにしていっていただきたいと思います。  今回の中東の派遣、いろいろと問題がほかにもあります。  例えば、先ほど、自衛隊派遣の一番の問題は、民間船舶の航行の安全確保目的とした警察活動、この警察活動が、自衛隊の合憲性、こうした軍事作戦の面から警察活動をいかに切り離してということ、お話をちょっとさせていただきましたけれども、例えば、これまで、非国家テロ集団の海上移動を取り締まる海上阻止活動、MIOの一環として、二〇〇一年、これは日本も、同時多発テロ後、多国籍小艦隊、タスクフォース150、CTF150というやつです、が編成されて、ホルムズ海峡周辺、紅海からオマーン湾にかけてのアラビア半島一帯で活動を継続しています。これは御存じのように、日本も、二〇一〇年一月まで自衛隊の給油艦を派遣してその活動を後方支援してきました。さらに、日本も参加するタスクフォース151は、ソマリア沖・アデン湾で海賊対処に当たっています。そして、タスクフォース152はペルシャ湾内で石油施設の警護に当たっていますが、有志連合軍は、あくまでも国家主体であるイランやイラクに同調する近隣の勢力からの航行、安全等を確保する任務に専念するということで差別化されていて、日本はそれとは関係ないという理解でよろしいんでしょうか。
  106. 河野太郎

    河野国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、我が国は米国が提案している海洋安全保障イニシアチブに参加しないこととしておりますので、そのイニシアチブがどのように何をするか、お答えをする立場にございません。
  107. 篠原豪

    ○篠原(豪)委員 済みません、ちょっと聞き方を変えます。  じゃ、独自派遣された護衛艦、今後されることになったときに、これが活動中、ジブチ以外でも補給を受けること、補給について伺います。  これは、有志連合が、参加国が使用する同じ補給基地を使うことになるのかなと思っています。なぜならば、これは、艦船用燃料F76が調達できる基地は、かつて給油活動で使ったフジャイラ港などの限られているところと重なるということは避けられないと思うんです。この辺は、有志連合が参加する同じ補給基地我が国の独自の艦隊は使うのかどうか、同じところを。そこはどうなるんでしょうか。
  108. 河野太郎

    河野国務大臣 一般論として申し上げれば、自衛隊の艦艇が活動を行う際に、燃料、水、食料その他の補給を行う必要があるのは、これは当然でございます。  現在、自衛隊のアセットをどのように派遣をするのか、地域等を含め検討しているところでございまして、どのような地点で補給をするか、まだ決まっているところはございません。
  109. 篠原豪

    ○篠原(豪)委員 ジブチ以外でも補給を受けるということになると思うんです。  なぜかというと、ジブチ基地から今回の活動地域一つに想定するオマーンまで、直線距離で二千二百キロメートルあります。哨戒機でも往復で八時間かかるというそういう距離でありますので、途中の他国の基地で補給や補修を受けなければ任務は遂行できないということになるんだと現実的に思います。  私も、別に、同じ補給基地で行うことが、即この武力行使の一体化に相当するとは考えていません。けれども、これは一体化につながるきっかけになることは大いにあるんじゃないのかなというふうに思いますし、そういうふうにまた理解されることもあり得るんじゃないかということを思っていますので、これは李下に冠を正さないという配慮をぜひお願いをしたいと思います。  その点についてしっかりとした配慮をしていただけるかどうか、お伺いしたいと思います。
  110. 河野太郎

    河野国務大臣 先ほども申し上げましたように、どの地点で補給をするか、まだ決まったものはございません。
  111. 篠原豪

    ○篠原(豪)委員 物理的に見ればそういう基地を使わざるを得なくなってくる、任務を遂行できないですから。そういうふうになったときに、今言ったような、いきなり一体化はないかもしれないけれども、一体化と思われたらどうなるかという問題が起きてきます。  今回、中東のこの自衛隊派遣ですけれども、これは有事、平時の境目の法制なんですよ。有事のときと平時のときはわかっているんです、どうするかというのは。しかし、今回は境目でやるので、今回どのような法解釈をするのかを伺いました。これはやはりしっかりともうちょっと考えていただきたいと思いますし、そのときに、今後も、検討中ですけれども、憲法上の整合性をどうとるのかということが大切になってきます。  ですので、きょうはその観点から伺いましたけれども、また引き続きお話を聞かせていただきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。  きょうはありがとうございました。
  112. 西銘恒三郎

    西銘委員長 次に、寺田学君。
  113. 寺田学

    ○寺田(学)委員 寺田です。  きょう、十五分いただいて質疑をさせていただきたいと思います。後の小熊委員から、必要があれば自分の時間をということでしたので、一体的に時間を運営したいというふうに思います。  前回に引き続き、イージス・アショアの新屋演習場への配備にかかわるさまざまな問題について議論したいと思います。  前回の質疑では、河野大臣から非常に誠実な御答弁と、その答弁に基づく行動をやっていただきましたことには、心から敬意を示したいというふうに思います。  今、新屋演習場自体が、一時期いわゆる適地と政府としてされたところが非常に住宅街に近くて、その住民のみならず県全体で大きな懸念を持っていることですので、そのことについて具体的に御答弁をいただければと思います。  今、県民に対して伝わっていることは、政府として改めて再調査をしているということと、大臣も御答弁されていますけれども、結果についてゼロベースで考えるというような、この二つの、再調査、そしてゼロベースという言葉が出ています。このこと自体が何を指し示すのかということを今回の質疑で明らかにしていきたいというふうに思います。  お手元の方に今資料を配りました。ぜひ長島さんも原田さんも見ていただきたいんですけれども。役所につくっていただくといろいろ大変だと思うので、こちら側で作成をして防衛省側に見せて、御指導を仰ぎながら修正をし、作成したものです。ですので、言葉遣いも含めて、こういう言葉遣いでいいかということを聞いた上で、時系列も含めて並べたものです。  簡単に言うと、先月、再調査に関して契約があって、再調査が始まりました。このレーダーのやつは再調査関係ないですけれども、その後、約半年ぐらいかかるということでしたので、三月末ぐらい、それをめどに再調査の結果が業者から来る。それを防衛省が受け取って、その再調査を、委託した内容に関して精査をする。その精査をした上で、改めて防衛省として再説明内容を検討をする。この検討という言葉遣いもきのう調整をしました。こういうような時系列でやっていくプロセスになっています。  参考人でいいですけれども、皆さんの御指導を仰ぎながらつくった資料ですけれども、このプロセスでよろしいですね。
  114. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  委員配付いただきました資料でございますが、私どもと、意見を入れながらつくっていただいたものと認識をしているところでございます。  その上で、こちらの資料につきましては、我々が今後想定しております作業と同様であるというように考えているところでございます。
  115. 寺田学

    ○寺田(学)委員 ありがとうございます。  大臣、ここから大臣にちょっとお伺いしますけれども、前回の質疑でもやりましたけれども、再調査ということ自体は、矢印の一番上の箱になりますけれども、「「他の国有地の検討」に係る外部委託による再調査」で、他の国有地と言う以上、新屋演習場に関しては、この間の質疑でもありましたけれども、調査対象にないんです。新屋以外のところを、前回、仰角、角度を間違えていたどうこうありますので、新屋以外のところを調査を改めてするというプロセスに流れています。  ですので、この間の質疑でも明らかになったとおり、新屋演習場に対して適か不適かということはこの再調査では何ら変更されることはありません、新屋に対する調査が行われませんので。  だんだん矢印が下がってきて、その再調査内容が果たして本当にいいかどうかというのを精査をした上で、防衛省による再説明による検討というところに入る。ここが一番の肝だと思っているんです。  この資料自体の一番上に、「説明資料全体の記載内容・構成の確認と見直し」という箱で、これも防衛省の資料からそのまま抜粋したものです。今後の検討に関しては、絞り込みの評価方式ではなく、「様々な条件を総合的に評価する方式により、新屋演習場、弘前演習場、その他十八か所の国有地について、ゼロ・ベースで公平にしっかりと検討していく。」という全体方針になっています。このさまざまな条件というものをどう読めばいいかということをぜひ大臣に御答弁いただきたいんです。  今、条件という言葉が出ていますけれども、この再調査内容、もともとの調査もそうですけれども、遮蔽条件、インフラ条件、機能・役割等、住宅地からの距離、津波の影響という既存の条件があります。  大臣質問しますけれども、この最後の「防衛省による再説明内容の検討」の際には、このさまざまな条件というものは、既存の条件を総合的に判断するのか、新たな視点を加え総合的に検討されるのか。どちらでしょうか。
  116. 河野太郎

    河野国務大臣 ここで言いますさまざまな条件として、具体的には、防護範囲、遮蔽条件、インフラ条件、機能・役割、住宅地等からの距離、津波の影響などを考えております。
  117. 寺田学

    ○寺田(学)委員 今大臣が御答弁いただいたのは、既存の調査内容に関して条件とされているものです。それを……(河野国務大臣「失礼」と呼ぶ)どうぞ。
  118. 河野太郎

    河野国務大臣 今後、ゼロベースで公平にしっかり検討していくということにしておりますので、これまでの今申し上げた既存の評価に加え、評価する際の具体的な条件や方法についても、今後検討していきたいというふうに考えております。
  119. 寺田学

    ○寺田(学)委員 実際、新たな視点及び条件が加わるかどうかはまた別として、既存の条件だけで判断することはないということでいいですか。
  120. 河野太郎

    河野国務大臣 具体的な条件、方法についてどうなるかわかりませんが、しっかり検討いたします。
  121. 寺田学

    ○寺田(学)委員 役所の方々とレクをやっている間に、この最終段階の「防衛省による再説明内容の検討」の中にはどのようなことを新たに検討内容として、何というんですか、視座として入れるんですかというときに、具体的に、住民の心理的不安感、そういうことも含めて総合的に判断しますという話を事務方はされました。  大臣の方からも、そういうような方向性でいいかどうかの御答弁をいただきたいと思います。
  122. 河野太郎

    河野国務大臣 住宅地などからの距離について重要な考慮要素になると考えておりますが、住宅地などからの距離に係る具体的な評価方法について、今後検討していきたいと思っております。
  123. 寺田学

    ○寺田(学)委員 技術的な再調査をやっているわけですよね。技術的な再調査、今まで防衛省が間違えたことをもう一回技術的に、業者を使って判断をしているわけです、数字であらわれるようなものです。最終的に防衛省による検討が入っているときに、その技術的なもの以外、そういうものが入るのかどうかということを聞いているんです。  それは事務方から言われました。住民の心理的不安感、そういうものも踏まえて、最終的に、さまざまな条件を総合的に評価して検討結果を出すということでした。  ダイレクトに聞きますが、住民の心理的不安感、具体的な例示を私は受けましたけれども、そのことは入りますか。
  124. 河野太郎

    河野国務大臣 防衛省といたしましては、イージス・アショアの配備に当たって、保安距離の確保によって安全性を担保するだけでなく、住民の皆様の不安、懸念を解消し、少しでも御安心いただくことが重要であると考えております。  こうした観点から、住宅地などからの距離について重要な考慮要素となると考えておりますが、住宅地などからの距離に係る具体的な評価方法について、今後しっかり検討してまいります。
  125. 寺田学

    ○寺田(学)委員 大臣、前回と違って、あえてすれ違いの答弁をされているかもしれませんけれども、住宅地との距離は既存の評価項目なんです。既存の評価項目だけで、まあ新屋なんて、もう今回再調査の対象にもなっていないわけですよ。既存の評価項目だけでやるのであれば変わらないですよ、結果なんて。だからこそ、最終的に防衛省の検討があるわけです。  その検討の中に、事務方の方から私は言われたんですよ、具体的に住民の心理的不安感、そういうものは今の技術的な再調査でわからないですから。まさしく政治的に判断することですよ。その住民の心理的不安感というのを要素に入れないんですかということを聞いているんです。
  126. 河野太郎

    河野国務大臣 今申し上げましたように、住民の皆様の不安、懸念を解消し、少しでも御安心いただくことが重要であると考えております。  具体的な評価方法について、今後しっかり検討してまいります。
  127. 寺田学

    ○寺田(学)委員 一回ずらしながらやりますけれども、ゼロベースという話です。  最終的にこの表の中で、最後、技術的な再調査が終わって、その調査内容防衛省として精査をした上で、さまざまな条件を総合的に評価することにより防衛省による再説明内容の検討をして、それを受けて地元への再説明に入るんですけれども、ゼロベースと言われていますけれども、この最後の防衛省による再説明内容の検討結果によっては、新屋演習場が一転して適さない場所になることはあり得るんですよね。
  128. 河野太郎

    河野国務大臣 申し上げておりますように、ゼロベースで公平に検討していきたいと思います。
  129. 寺田学

    ○寺田(学)委員 そのゼロベースを伺っているんです。  そのゼロベースで検討した結果、最後の「防衛省による再説明内容の検討」、この段階で新屋演習場自体が適さない土地というふうに一転して評価が変わることはあり得るという意味でゼロベースと言われているんですか、違いますか。どっちですか。
  130. 河野太郎

    河野国務大臣 今、再調査を行おうとしているところでございますので、現時点で調査の結果を予断して何かをお答えするのは差し控えたいと思っておりますが、公平でゼロベースの検討をしっかり行いたいと思っております。
  131. 寺田学

    ○寺田(学)委員 いや、大臣はわかって答えられているのだと思いますけれども、だから、そのゼロベースというものを県民、市民はどう捉えたらいいかということを私は代弁して聞いているんです。  確かに、結果を今から予断することはできないですよ。ただ、その結果の幅というものはどういうものがあり得るかということは指し示した上で防衛省として考えた結果を、改めて新屋が適しているんだと言うのか、いや、一転して適していないんだということが含まれるのかどうかということを聞いているんです。結果を予断して言ってくれと言っているわけじゃないです。どういう幅で考えているのか、それがゼロベースというものの具体的な意味だと思うんです。  この最後の防衛省による検討によって新屋演習場が一転して適さない場所ということになり得るという意味のゼロベースですか、違いますか。これはイエス・オア・ノーです。
  132. 河野太郎

    河野国務大臣 結果について予断を持って申し上げるのは差し控えたいと思いますが、ゼロベースというのは、ゼロから考えるということでございます。(寺田(学)委員「いやいや、答えていない。イエス・オア・ノーです」と呼ぶ)
  133. 西銘恒三郎

    西銘委員長 答弁していますので、質疑を続行してください。
  134. 寺田学

    ○寺田(学)委員 大臣、別に、今この場で新屋が不適だと言ってくれと言っているわけじゃないですよ。県民として、一回信頼を失った防衛省が再調査をやると言うから、信用しようと思っている人もいると思いますよ。  その上で、本当にゼロベースにした上で調べていって、再調査内容は他の新屋以外の土地ですけれども、その調査内容も得て、さまざまな条件、はっきり言いませんでしたけれども、事務方には私は住民の不安感と言われていますけれども、そういうことをいろいろ踏まえた上で防衛省として最終的に出すわけです。その結果が今からどうなるかということを私は聞いていません。  ただ、大臣が言うゼロベースというのは、新屋が一転して不適になることも含まれたものなんですか、それを聞いているんです。これは単純明快な話ですよ。
  135. 河野太郎

    河野国務大臣 私が申し上げるゼロベースというのは、本当のゼロベースでございます。
  136. 寺田学

    ○寺田(学)委員 ごめんなさい。本当のゼロベースと本当じゃないゼロベースの違いは僕はわからないので、それを強調されてもわからないんですよ。  防衛省として、さまざまなことを客観的に、真摯に捉えてもう一回皆さんに、県民に説明したい。それは秋田県に限らないものかもしれませんよ。国民全体から防衛省に対する不信感は今あると思います、例の件も含めて。その上でさまざま考えた結果、やはりここだった、いやいややはり違った、さまざまなことが起こるからゼロベースだと私たちは思っているんですけれども。  もう一回聞きますけれども、その本当のゼロベースという意味を僕はわかりませんけれども、検討結果によっては、新屋演習場が適さない場所、じゃもう一回変えましょうか。他に適した場所になって新屋以外に動く、新屋以外が防衛省として、新屋も適だけれども、ほかのところも適だ、そういう意味で、新屋以外のところに政府としてお願いすること、そういう可能性が含まれた調査であるんですか、今回は。そういう判断になるんですか。
  137. 河野太郎

    河野国務大臣 委員がおっしゃった、さまざまなことが起こるゼロベースでございます。
  138. 寺田学

    ○寺田(学)委員 大臣の誠意を多少なりとも感じて捉えますけれども、もう小熊さんの時間になっちゃっているんですけれども、大臣、いつぐらいに、こういうステージがありますから、どういうステージで現地をごらんになられますか。一定程度検討した上で行きたいという話は以前されていましたので、こういうフェーズがいろいろありますけれども、再調査の検討を受ける前なのか、再調査の結果を受けた後に防衛省として検討する段階で行くのか。どういうふうにお考えになられているか、御答弁いただきたい。
  139. 河野太郎

    河野国務大臣 一番よろしいときに行きたいと思います。
  140. 寺田学

    ○寺田(学)委員 以上で終わります。
  141. 西銘恒三郎

    西銘委員長 次に、小熊慎司君。
  142. 小熊慎司

    ○小熊委員 立国社の小熊慎司です。  今ほど大臣がよい時期に秋田にと言いましたけれども、我が委員会としては、早急に委員会で視察を求めているところでありますので、委員の皆様においては御協力をお願いしたいと思います。  まず初めに、救難飛行艇US2についてでありますけれども、この飛行艇の歴史は、御承知のとおり、八十年以上日本がリードしてきた世界でもあり、今回、US2を開発した会社の前身の会社も、来年で百周年を迎えるという節目の年というふうにもなっています。  このUS2は、単なる兵器ということではなくて、まさに救難飛行艇でありますから、武器輸出はしてはいけませんけれども、装備品を排除してまたいろいろやっていけば、国内にとどまらず、災害派遣、救難などのさまざまな貢献ができるということが期待をされています。  ただ一方で、大変高い機体、百五十億ぐらいするということでF35より高いんですけれども、今のところ計画では、七機、各年にわたって整備をされるということであります。今ちょうどこの開発秘話が一部漫画雑誌にも載っております。この開発の苦労というのが、これは、防衛省、またメーカー側、双方の努力といったものも涙ぐましいものがあるわけでありますけれども、さっと考えると、これ、七機だけで採算ベースに合うかどうかということと、いろいろな意味合いにおいては大変厳しい環境にあるんじゃないかなというふうに思っています。  八十年以上にわたる日本のこの飛行艇の歴史を考えても、これをしっかり未来につないでいくこと、また、世界をリードしていくこと、また、さまざまな国際貢献に資する飛行機でもありますので、これを持続可能な形で開発をしていかなければならないというふうに思いますが、現状なかなか厳しい点があります。  民間転用をしっかりした上で、グレードは下げたとしても、価格を低減させてやっていくことによって、日本の技術を維持をしていくということ、裾野を広げていくということにもなりますので、そういう意味では、積極的な民間転用、そのことによって、この技術の継承、また、価格の低減といったものも可能になるというふうに思います。  積極的な民間転用のために、そしてまた、航空機産業は、これは民間がやっていることで支えていることですけれども、各国を比較してみると、国と一体となってセールスもしています。  そういう意味でも、国が民間転用を促進するということではなくて、まさに、セールスの部分においても国が積極的に関与すべきだと思いますが、政府の見解を求めます。
  143. 武田博史

    武田政府参考人 お答えいたします。  救難飛行艇US2につきましては、波高三メートルといった高い波がある場合でも着水が可能でございます。また、我が国周辺の広大な海域への進出を可能とする飛行性能も有しており、高度な性能を有する救難飛行艇であると認識をいたしております。  現時点でUS2の移転に関する具体的な計画はございませんが、複数の国から関心を示されているところでございます。  一般論として申し上げれば、自衛隊の装備品については、少量多種生産による高コスト化といった課題があるところ、海外移転を通じた量産効果等により、価格の低減が期待されるものと考えております。  私どもとしては、防衛装備の移転につきましては、防衛計画の大綱や中期防衛力整備計画において、我が国の防衛産業基盤の強靱化に資するよう、防衛装備移転三原則のもとで装備品の適切な海外移転を政府一体となって推進するという旨の基本的な考え方が示されております。  私ども、こうした方針に基づいて、委員指摘のUS2を始めとした防衛装備の移転について、しっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  144. 小熊慎司

    ○小熊委員 もちろん防衛省だけのセールスに関しては、これ、河野大臣が前の担当の外務大臣だったら答えてくれたんでしょうけれども、やはり外務大臣も本当は売っていかなきゃいけなかったんですけれども、そういう経験があったのかどうかは今は所管ではないので聞くわけにはいきませんが、ぜひこれは政府一体となってやっていくことで、日本航空機産業の進展、また、これはそういった救難飛行艇ですから、要するに、命を守る、命を救う飛行機でもありますので、ぜひ、民間転用、そして、海外へ売り込みを政府一体となって更に進めていっていただかなければならないということを指摘して、次の質問に移ります。  原子力施設等の防衛についてであります。  皆さんも記憶が薄れているかもしれませんが、二年前の解散総選挙の際には、北朝鮮からのミサイル発射によって、大分選挙中も防衛についての危機があおられていて、特に日本海側は原子力施設が多いということで、これは北朝鮮の狙いがどこにあるのかはわかりませんし、ただ、やはり、私の地元である福島県での東京電力の原発事故を鑑みれば、原子力施設が一たび破壊されたり占拠されたりしたら、それは、どんな民間施設であろうとそういうことがあってはならないし、犠牲者も出るわけですから全て許しがたいものでありますけれども、その影響の範囲といったものは、これは甚大なものがあるのは皆さん御承知のとおりであります。  この原子力施設の防衛、今の態勢は私も知っていますけれども、非常に脆弱であるというふうに思いますし、また、国対国ではなくて、今はテロの進展などもあり、こうしたテロ行為が行われる可能性がゼロではないわけであります。また、ミサイル攻撃、当たる、当たらないは別としても、当たってしまえば、これは、その兵器が核兵器でなくても、核兵器並みの、その地域においては被害が出ることも想定されます。  また、これは大分昔になりますけれども、九・一一以降、政府がそのときは小泉政権でしたけれども、タウンミーティングをやって会津に来ていただいて、たまたま私、手を挙げたら当たりまして、九・一一以降でありましたから、原子力施設にセスナとかそういうヘリコプターとかでも突っ込んだらどうなると言ったら、大分壁が厚いので大丈夫ですと当時の大臣、それは小泉さんではありませんでしたけれども、大臣が答えましたが、一週間後に私の自宅に内閣府から電話がありまして、横からは強いですが、上から当たれば壊れますというのを答えていただいたんですけれども、聞いたのは私一人で、タウンミーティングの皆さんは聞いていませんから。大変な問題だなと当時から思っていました。そうした施設でもあります。  まして、逆に大臣の方がこの世界については大変詳しいわけでありますけれども、破綻をしている核燃料サイクルも進まない、ましてや海外ではやっていない、最終処分場もできている国がほとんどない。ではどういうふうにしていくかといえば、乾式容器に入れて百年、二百年は、そこにある原発施設の敷地内に保管をしていくというのが当面の世界の潮流です。  日本も、集めてと言うけれども、中間貯蔵もこれはままならない、最終処分地も決まっていない中で今ある原発がこれが廃炉になっていけば、そこの使用済み核燃料ってどうなるのといえば、当面はそこの敷地内に置くということが想像されるわけでありますから、この原子力施設等というのも、日本全国に点在をする状況になり、そこを守っていくということは大変な苦労が要るというふうに思います。  こうした分散化してしまっている原子力施設等、そして、廃炉になったとしてもそのものは何百年も守っていかなければならないという大変大きなテーマ、そして、期間を要するこうした防衛についてまず見解をお聞きいたします。
  145. 河野太郎

    河野国務大臣 防衛大臣として所掌の範囲で申し上げたいと思いますが、防衛省自衛隊としては、いかなる事態においても、国民の生命財産を守り抜くべく万全を期していきたいというふうに思っております。  この原子力施設などを含めた防衛に関して申し上げれば、原子力発電所の警備については、一義的には、公共の安全と秩序の維持を責務とする警察機関において実施しているところでございます。自衛隊は、一般の警察力をもっては治安を維持することができない緊急事態等が発生した場合に、治安出動等の発令を受け、警察機関と緊密に連携して対処することとなります。  こうした事態に備え、平素から自衛隊は、警察、海上保安庁と共同訓練を実施し、施設の警備や検問、不審船への対処等における互いの要領を確認し、連携の強化を図っているところでございます。
  146. 小熊慎司

    ○小熊委員 大臣は多分知っていると思いますが、警察といっても、常駐して何十人もいるわけではないです。私も、あの事故が起きる前に福島の東電の原発を何回か視察したことがありますけれども、装甲車両を置いていますけれども、それを運転する人が毎日いるわけでもなく、常にいるのは普通の警備業の会社の人でした。  来るというのが予測されればその態勢をとれますけれども、まさにテロ行為などは突然のことですから、非常に脆弱であると言わざるを得ませんし、これは何かルールがあるのかどうかわかりませんが、世界的にも、この原発施設を破壊する、また、テロ行為を行うという、フィクションの世界でもその作品は少ないです、実は。あのゴジラだって、原発施設をぶっ壊されるというシーンはないんですよ。ほかのいろいろな、ハリウッドでもヨーロッパでもいろいろなテロのものがありますけれども、壊されるって、ないです。自然災害で大きな津波が来る、大きな台風が来るといっても、原発施設が壊れたというシーンはほとんどやりません。ありません。幾つかしかないんですよ。でも、映画の世界でもしそれが壊れたらというシーンを撮ろうと思ったら、すごいことになります。  これをやっていないとは言いませんけれども、一朝事起きたら大変なことになるということはこれは想像にかたくないわけで、もっともっと防衛は強化しなければならないし、はっきり言えば、もう原子力はやめた方がもっとこれは防衛のためにもいいというふうに思うのは、これは大臣は今言いませんけれども、内心共通するものがあるというのは私は確信をしておりますので、大臣が総理になったら、これは、党派を超えてそこの部分は一致協力してやっていきたいなというふうに思う次第であります。  原子力施設と言っていますが、福島の東電の第一原子力発電所は廃炉が決定をされています。第二も、何回もこれは委員会でやってきて、第二も廃炉の方針が固まりました。資産上は負の資産になって原子力施設じゃなくなるんですけれども、今言ったとおり、そこに残される核燃料については、これは、原子力施設と同じ扱いで安全を確保していくという認識でよろしいですか。
  147. 河野太郎

    河野国務大臣 恐らくそういうことになるのではないかと考えます。  きょうは防衛大臣として来ておりますので、防衛大臣としての所掌の範囲内でお答えをさせていただきたいと思います。
  148. 小熊慎司

    ○小熊委員 それは、今言ったとおり、通常であればこれは一カ所にまとめて処分して、この処分場はないんですけれども、でも、これは多分大臣が総理になったとしても、私が政治家やめるときになったとしても、ここにいる人が生きている間に最終処分ができるということはなかなか難しい状況に今日本はありますから。  日本全国点在するわけです、廃炉になったとしてもそこに置かざるを得ませんから。そうすると、分散しているということの危険性は認識しておられますか。
  149. 河野太郎

    河野国務大臣 防衛省自衛隊としては、いかなる事態であっても、国民の平和な暮らしを守り抜けるよう万全を期していきたいと思います。
  150. 小熊慎司

    ○小熊委員 であるならば、これはとりわけ日本海側に多数存在をしていて、今この日本を取り巻く東アジア、朝鮮半島をめぐる情勢というのは緊張感があるというのは、たびたび政府から発信をしているところでありますし、先ほど申し述べたとおり、二年前の衆議院選挙のさなかでは、まさにその危機を、あおっていたという言い方は失礼な言い方かもしれませんけれども、声高に言っておられました。あれから改善をされているわけでもありません。北朝鮮のこの危険な状況というのは続いています。  しかし、その選挙のとき危険を言っていた状況が、今、訓練なんかもやっていましたけれども、この状況が緩和されていないので、改善されていませんから、とりわけこの日本海の防衛といったものはもっともっと強化していかなければいけないんじゃないんですか、北朝鮮の状況を考えれば。  しかし、これは何もあのときから変わっていないというふうに思うんですが、大臣、強化していくという考えはどうですか。
  151. 河野太郎

    河野国務大臣 テロなどの不測の事態から、原子力発電所、あるいは使用済み核廃棄物を始めさまざまな原子力発電所あるいはその関連施設、再処理施設、いろいろなのがございますが、これを守る態勢を整備することは極めて重要でございます。  御指摘については、政府内の十分な調整が必要な事項ではございますが、こうした議論を踏まえつつ、適切に対処していかなければならぬと思います。
  152. 小熊慎司

    ○小熊委員 そういう意味では、私なりに検証しましたけれども、日本海側の原子力施設のある位置、防衛においてはそれだけじゃないですけれども、守らなきゃいけないものは全て守らなきゃいけないんですけれども、とりわけ先ほど言ったとおり、一たび攻撃されれば多大なる被害を及ぼすという意味では、重要な守るべき施設であります。  そのいろいろな点在をしている地域性を考えれば、まさにイージス・アショアは秋田は適当ではないということも導き出されるというふうに思います。  まさにこの原子力施設等の配置されているその地理的なことも勘案をした上で、イージス・アショアの秋田からは、これは本当にゼロベースの白紙にしていただかなければ、まさに日本海側の原子力施設等の防衛についても、これはバランスがいいというか、適正な配置にならないということになってくるかと思いますので、先ほど、秋田のイージス・アショアはゼロベースとおっしゃいましたけれども、ぜひ、この核施設を安全に守っていくということを勘案した上でこの秋田の件はもう完全になしにしていただける、そして、しっかりと原子力施設の恒久的な防衛態勢を構築するということをやっていただきたいというふうに思いますし、やはり一番早いのは、河野大臣が総理になって脱原発の国にしていくというのが一番日本の防衛上も正しいということを申し伝えまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  153. 西銘恒三郎

  154. 赤嶺政賢

    赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。  私は、きょうは米軍機事故地位協定の問題について質問をいたします。  昨年十二月、高知県沖で発生した米軍岩国基地所属のFA18戦闘機とKC130空中給油機の接触、墜落事故事故調査報告が公表されました。  報告書によりますと、FA18のパイロットは、資格がないのに夜間の空中給油訓練を実施し、状況認識能力を失ってKC130の機体後部に衝突をいたしました。訓練に参加していた二人の乗組員の尿からは睡眠薬の成分が検出をされ、部隊内には、薬物乱用、アルコールの過剰摂取、不倫、命令に対する違反行為などが横行していたことを指摘しています。  添付資料には、パイロットが飛行中に酸素マスクを外し、操縦桿から手を放し、小説を読む、口ひげを整える、こうした唖然とするほかないような写真も掲載をされています。米軍内部の緩み切った実態を示すもので、ゆゆしき事態だと思います。  防衛大臣に伺いますが、政府は事故が起きるたびに、米軍機飛行の安全確保米軍我が国に駐留する上での大前提だと述べてきました。今回の墜落事故と報告書が示した米軍内部の実態はまさにその大前提を揺るがすものだと思いますが、そういう認識はありますか。
  155. 河野太郎

    河野国務大臣 今回の事故調査は、米軍の専門の調査機関が実施したものであり、事故を引き起こした事実関係航空機の整備状況、組織の体制などのさまざまな内容を徹底的に分析し、最終的な報告書として結論づけ、評価したものであります。  米側は、調査結果を踏まえ、部隊の複数の幹部を解任するとともに、プログラムやマニュアルの見直し、管理体制の改善に取り組んでいるものと承知しております。  他方、報告書の中で新たに判明した部隊内での規律違反が横行している実態については、著しくプロ意識に欠けるものであり、在日米軍全体に対する信頼を損なうものであること、かつ、地元の方々の安全に影響を与える重大な事案になり得たものであり、大きな不安を与えるものであることから、看過できない問題です。  今後、日米協力して、地元の皆様の理解を得るために努力する必要があると認識をしております。  日米同盟維持強化あるいは在日米軍の安定的な駐留については、地元の御理解が大前提であり、そのためにも、まずはしっかりとした情報提供を行い、同時に、安全面に対して最大限の配慮がなされ、事故を起こさないということが重要です。  特に情報提供の重要性については、先日、私からインド太平洋軍司令官に対しても説明を行ったところであり、今後、日米間のさまざまなレベルでこの認識を共有していきたいと考えております。  さらに、その他の面につきましても、引き続き、日米間で協力し、米軍による事件、事故防止について、より一層しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
  156. 赤嶺政賢

    赤嶺委員 もう米軍には、日本駐留の大前提を揺るがしているわけですから、あなた方には日本に駐留する資格はない、そのぐらい強い姿勢でやはり臨むべきだと思います。  今、通報の話もありましたが、報告書の中には、二〇一六年四月二十八日も、同じ部隊が同じような接触事故を引き起こし、米軍嘉手納基地緊急着陸していたことを明らかにしています。このときにしっかりした原因究明再発防止策がとられていれば事故は防げたかもしれない、そういう認識も示しております。  この事故については、当時、日本政府への通報はありませんでした。通報がなぜなかったのか。そして、大臣はきちんと説明させるということでしたが、その説明はあったのか。この点はいかがですか。
  157. 河野太郎

    河野国務大臣 御指摘沖縄本島沖で発生した事故につきましては、米側から、事実関係として、平成二十八年四月、嘉手納から約二百七十キロの公海上の訓練空域内で夜間空中給油訓練を実施した際に、FA18戦闘機がKC130空中給油機のホース及びノズルに接触した事案であり、両機体いずれにも深刻な損害がなく、嘉手納飛行場に安全に着陸したという回答があったところでございます。  事故の概要については調査報告書に記載のものと同様でありますが、そもそも、別の事故に関する調査報告書に事故原因一つとして記載した段階で米側としては重大な事故であるとの認識を持っていたということであり、更に詳細について確認をしているところでございます。  また、米海兵隊がホームページに当該事故に関するものと思われる調査報告書が掲載されていることを確認したため、事実関係について米側に照会するとともに、先週末、関係自治体の方々に通知を行ったところでございます。
  158. 赤嶺政賢

    赤嶺委員 通報の中には、米側は公海上で起きた事故だから通報の必要なしということを言っているわけです。大臣は、これはもう重大な事故だ、市民に不安を与える事故だということをおっしゃっている。  であれば、米側日本側が共通認識を持てないでいるのは、その通報の条件として、領海内あるいは領域内に起きた事故と限っている取決めになっているわけですよ。しかし、公海上で起こったああいう重大事故が、結局、嘉手納基地に帰ってくるわけですよ。ホースを垂れ流したまま嘉手納基地に帰ってくる。  そういう点では、通報は、仮に公海上であっても、住民に不安を与えたり大きな影響を与えたりすることについては通報の義務があるんだということをはっきり日米間で合意していく必要があると思うんですが、いかがですか。
  159. 河野太郎

    河野国務大臣 先ほどの質問にもお答えをいたしましたが、今般の事故地元の方々の安全に影響を与える重大な事案になり得たこと、日本国内に駐留する在日米軍に所属している部隊によるものであること、事故機国内にある嘉手納飛行場に帰投していることを踏まえれば、日本側へ積極的に情報提供されてしかるべき事案であったと考えております。  米側としっかりとこうした通報に関する認識を共有し、今後、しっかりそうした情報の提供が行われるようにしてまいりたいと思っております。
  160. 赤嶺政賢

    赤嶺委員 認識を共有していくというそういう政府の答弁に私たちは一抹の不安を感じるわけです。  アメリカは通報の義務はなかったと言っているわけですが、これは通報すべきものであったかどうか。この点での政府の認識はいかがですか。
  161. 河野太郎

    河野国務大臣 今般の事故が、地元の方々の安全に影響を与える重大な事案になり得たこと、日本国内に駐留する在日米軍に所属する部隊によるものであること、事故機国内にある嘉手納飛行場に帰投していることを踏まえれば、日本側へ積極的に情報がもたらされてしかるべき事案であったと考えております。
  162. 赤嶺政賢

    赤嶺委員 それは通報においてもそのとおりで、いわば領域の外で起こった事故であっても、今度のように事故機嘉手納基地に帰投するとか、そういう場合には通報の義務があるというぐあいにアメリカに申し入れて、そのとおりに協議していくという理解でいいんですか。
  163. 茂木敏充

    ○茂木国務大臣 平成九年三月の日米合同委員会合意されました在日米軍にかかわる事件、事故発生時におけます通報手続、これは、日本国の施政のもとにある領域において、公共の安全又は環境に影響を及ぼす可能性がある事件、事故が発生した場合に、米側から日本側へ通報することになっております。  そして、御指摘いただいております二〇一六年四月の事故につきましては、事実関係アメリカ側からの回答は先ほど河野防衛大臣から答弁させていただいたとおりでありますが、米側からの説明を踏まえれば、当該事故に関して日本政府への通報がなかったことが直ちに合同委員会合意に反するものとはならないわけでありますが、他方で、事故の今回の性格、これについても河野大臣から三点指摘をさせていただきましたが、そういったことを踏まえますと、日本側に積極的に情報提供がされてしかるべき事案であったと考えております。  米軍機の航行の安全確保米軍我が国に駐留する上での大前提でありまして、地元の方々に不安を与えるようなことがあってはならないと考えております。  事件、事故対応については、通報のあり方も含めて、平素からさまざまな機会を通じて米側とやりとりをしております。  また、我が国における米軍機運用に際して安全性が最大限確保されるように、先週、ミリー米統合参謀本部議長が来ておりまして、先月末はデービッドソン米インド太平洋軍司令官、それぞれと私、表敬を受けまして会談をいたしましたが、その際にもこれらの件を申し入れたところでありまして、当該事案も踏まえまして、引き続き米側に対しまして、安全面に最大限配慮するよう強く求めていくとともに、事件、事故への対応についてもしっかりと協議をしてまいりたいと考えております。
  164. 赤嶺政賢

    赤嶺委員 ですから、住民に与えた不安からすればそれは日本側に連絡して当然だが、しかしアメリカ側は、これは合同委員会合意違反に当たらない、外務省も違反に当たらないと言っている。これで住民の安全が守れるわけないじゃないですか。  そうであれば、施政下にある領域というものを、公海上で事故を起こしても帰ってくるのは沖縄米軍基地、こういうのも通報に該当するようなそういう合同委員会合意に見直すべきだと思いますが、外務大臣いかがですか。
  165. 茂木敏充

    ○茂木国務大臣 先ほど申し上げましたように、事実関係からしますと合同委員会合意に反するものとはなりませんが、日本側に積極的に情報提供がされてしかるべき事案であったと日本としては考えています。  当該事案も含めまして、引き続き米側に対して安全面に最大限配慮するよう強く求めるとともに、事件、事故への対応についてもしっかりと協議をしてまいり、そして、地元の皆さんに不安を与えることがないような状況をつくってまいりたいと考えております。
  166. 赤嶺政賢

    赤嶺委員 こんな姿勢では、幾ら日本側に連絡するべきであったと日本政府だけで叫んでみても、米側は合同委員会合意違反じゃないからということで、どんな危険な事態になっても、県民には全く何も知らされないような事態が繰り返されるわけですよ。こういう姿勢では米軍事故はなくならない。そういう、合同委員会合意違反でないとするアメリカの態度を改めるためにも、きちんとそれを見直すべきだということを申し上げておきたいと思います。  この二つの衝突事故があった時期、これはこの委員会でも何度も取り上げましたが、二〇一六年十二月というのは、普天間基地に配備されたオスプレイが初めて墜落事故を引き起こして、翌年十月には同じ普天間基地所属のCH53ヘリが炎上、大破する事故を起こしました。緑ケ丘保育園や普天間第二小学校などへの部品落下、米軍機による不時着が相次いでいた時期であります。  たび重なる米軍機事故に県民が不安と怒りの声を上げていたとき、こういうこととは全くお構いなしに、ああいう訓練を本当にやってきたわけです。  そういう点では、重大な事案として抗議されたということを防衛大臣さっきおっしゃいましたけれども、抗議は防衛大臣みずからがなさったんですか。
  167. 河野太郎

    河野国務大臣 私がさまざま米軍関係者と会談をし話をする中でこちら側からも、在日米軍の安定的な駐留には地元自治体の理解が大前提であるということを繰り返し申し上げ、具体的な例もお話しをしたところでございます。  私は、私の会談相手がいずれもその問題についてはしっかりと認識をしている、そういうふうに感じているところでございます。
  168. 赤嶺政賢

    赤嶺委員 それは抗議ということだとさっきもおっしゃいましたが、それで間違いないわけですね。
  169. 河野太郎

    河野国務大臣 抗議、申入れ、どう言うかは、それは人それぞれだと思います。
  170. 赤嶺政賢

    赤嶺委員 ですから、受け取る人によってそれぞれの受取り方があるようなやり方じゃなくて、明確に、抗議なら抗議とすべきですよ。米軍は絶対に改まりませんよ、こんなことでは。改まるわけがないですよ、さんざん私たちは経験してきていますから。  問題は、この岩国の部隊に限られたものなのかということなんです。  報告書は、事故機の所属する飛行中隊の司令官がシリアの軍事作戦から戻ってきた兵士の話を紹介しながら、睡眠薬の使用は全ての航空部隊に広がっていると証言をしております。従来から、中東の軍事作戦には在日米軍部隊も参加してきました。  現在、日本に駐留する米軍関係者にもこうした薬物の使用、アルコールの過剰摂取などが広がっている可能性があります。  沖縄でも三沢でも、米軍ヘリからの窓の落下や、あるいは戦闘機からの模擬弾の落下が続発していますが、こうした事故が繰り返される背景にも、規律違反が蔓延する米軍内部の実態があるかもしれません。  この際、在日米軍の全ての部隊に対して、薬物の乱用、アルコールの過剰摂取を始めとする規律違反についての実態調査と結果の報告を米軍に求めるべきだと思います。大臣いかがですか。
  171. 河野太郎

    河野国務大臣 我々、日米同盟が極めて重要であり、我が国を防衛する、そして、この東アジアの平和と安定を維持する上でも日米同盟は非常に大事だと思っております。  先ほど申し上げましたように、そういう同盟の相手とさまざまな話をするときに対外的にどのように言うかというのは、それはさまざまな考慮が払われて当然のことだと思っております。対外的に、言ったぞ、抗議したぞ、どうしたぞと言うのがいいのか、あるいは、きちんと言うけれども、対外的には対外的にさまざまな発信の仕方があると我々は思っているところでございます。  今御指摘いただきました薬物、アルコール摂取に関する実態、あるいは綱紀粛正に向けた措置などについて、在日米軍との間で包括的に議論を行っているところでございます。
  172. 赤嶺政賢

    赤嶺委員 いろいろなやり方があるんだとそういう発言をする前に、駐留の前提が壊れている、駐留の全体は安全だということを基地が集中する沖縄県に向かって言ってきたわけですから、沖縄県民がわかるようにやってくださいよ。いや、政府はやっているんだということじゃなくて、沖縄県民がわかるようにやっていただきたいと思います。  航空法について伺います。  航空法第七十条は、アルコールや麻酔剤などの薬品の影響によって航空機の正常な運航ができないおそれがある間は航空業務を行ってはならないとしています。この規定に違反する飛行が行われていた可能性があるにもかかわらず、航空特例法によって米軍に航空法を適用していないため、日本政府はその違法性を問うことができません。  民間航空機のパイロットや客室乗務員は、少なくとも乗務前八時間以内の飲酒が禁じられています。民間航空会社で飲酒にかかわる不適切な事案が相次いだことを受け、ことし一月から、操縦士に対する飲酒基準が設けられました。業務前のアルコール検知器による検査で血中濃度一リットル当たり〇・二グラム未満、呼気中濃度〇・〇九ミリグラム未満という基準を満たさない限り、航空機の運航は認められません。  これは外務省に伺いますが、米軍は操縦士の飲酒についてどのような基準を設けておりますか。
  173. 鈴木量博

    鈴木(量)政府参考人 お答え申し上げます。  米国の統一軍事裁判法によりますと、酒に酔った状態若しくは血中若しくは呼吸気のアルコール濃度が定められた基準を超える状態で航空機などを操縦した場合には、軍法会議判断に従って処罰を受ける旨、規定されていると承知しております。
  174. 赤嶺政賢

    赤嶺委員 睡眠薬について、これは、国土交通省の身体検査マニュアルで使用できる薬剤を三種に限定し、服用後二十四時間以内は航空業務を行ってはならないと定めています。  米軍ではどうなっているんでしょうか。
  175. 鈴木量博

    鈴木(量)政府参考人 お答え申し上げます。  今般発出されました本件事故調査報告書によれば、米軍内のマニュアルにおいて、第一に、航空機操縦士が副作用や予見不能な反応をもたらす睡眠薬等の鎮静剤を含む市販薬を使用することは航空医官が特別に許可しない限りは禁止されているということ、それから第二に、未使用分の睡眠薬については航空医官又は内科診療所に返却されなければならない旨、それぞれ明記されているというふうに承知しております。
  176. 赤嶺政賢

    赤嶺委員 それは報告書の中に書いてあるということで、報告書に書いてある中身ですね、今のは。日米間で共有しているんですか。皆さん、報告書に書かれる以前から知っていましたか。それから、報告書は日本政府に届けられていますか。
  177. 鈴木量博

    鈴木(量)政府参考人 お答え申し上げます。  今申し上げましたのは報告書における記載でございますが、米国の統一軍事裁判法、ここにおきましても、同法で定められた薬物の使用により精神的及び肉体的機能が十分に発揮できない状態で航空機を操縦した場合には、軍法会議判断に従って処罰を受ける、そういうふうに明記されているところでございます。  報告書自体につきましても、これは、日本政府に対しまして、海兵隊が公表するタイミングと同時に、私どもの方に提供がございました。
  178. 赤嶺政賢

    赤嶺委員 私、これほどの、日本における米軍機のいわば特例法があるために処罰されない乱暴な運用、これについて、やはりきちんと改善していく必要があると思うんですよ。  副大臣に伺いますが、それは航空法の全面適用が必要であると思いますが、いかがですか。短く言ってください。
  179. 青木一彦

    ○青木副大臣 お答えいたします。  航空法は、民間航空の国際的な枠組みを規定する国際民間航空条約の規定等に準拠し、航空機の航行の安全等を図るために制定されたものです。  一方で米軍機につきましては、日米地位協定実施に伴う航空法の特例法により、民間航空機の円滑な航空交通を確保するためのものを除き、航空機の運航に関する規定などについて適用が除外なされております。  これは、我が国が締結した国際約束である日米地位協定等に基づき米軍我が国において活動することが認められていることを踏まえ、その履行を担保するために定められたものと承知いたしております。  その性格を鑑みると、米軍機に適用される航空法の規定を見直す際には、米国との調整を要するものと考えております。
  180. 赤嶺政賢

    赤嶺委員 資料をお配りいたしました。これは、玉城デニー知事が全国知事会に提出した、オーストラリアにおける米軍航空機運用のあり方……
  181. 西銘恒三郎

    西銘委員長 時間ですのでまとめてください。
  182. 赤嶺政賢

    赤嶺委員 これについての資料であります。  オーストラリアでは、米軍機がオーストラリアに入るときには、オーストラリアの検疫に従って、二十日間、検査を受けて入るという国内法が適用されております。  日本でも国内法の適用が必要であるということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
  183. 西銘恒三郎

    西銘委員長 次に、串田誠一君。
  184. 串田誠一

    串田委員 日本維新の会の串田誠一でございます。  きょうは、自衛隊がどこまで災害のときに活動する必要があるのかというのを、条文を引用しながら質問させていただきたいと思うんですが、今回は台風の被害も非常に甚大でありまして、自衛隊の救援活動に関しては国民は大変感謝をし、尊敬もされていらっしゃるんじゃないかなと思うんです。  ことしの台風、去年も、台風というのは毎年あるんですけれども、ことしの十五号、十九号というのは甚大だったと思うんですが、救援活動に関して例年と異なったものがあるとするならば、少し紹介をしていただきたいと思います。
  185. 菅原隆拓

    菅原政府参考人 お答え申し上げます。  記録的な暴風の影響により大規模停電や広範囲での家屋の屋根の損傷といった被害が発生した台風十五号の被害に関して、自衛隊は、電力復旧のため、東京電力本社及び千葉県内の六カ所の事業所に共同調整所を開設し、経済産業省及び東京電力との連携を強化して倒木の撤去作業を実施いたしました。  また、家屋の屋根の応急処置としてのブルーシート展張においては、実施前に専門家経験者からレクチャーを受ける等、関係機関等と連携して対応したところでございます。  また、十三都県で特別警報が発令されるなど記録的な大雨となり、河川の決壊等が広域で複数発生した台風十九号による被害に際しては、多数の家屋が浸水したことによる住民の生活圏に堆積した大量の汚れた家具等の災害廃棄物の除去を、地方自治体、環境省、NPOやボランティアと連携して、役割分担を決めて実施いたしました。  自衛隊は、これまで、このような活動を本格的に行った経験は必ずしも多くはなく、これらの活動についての実施ノウハウを十分に有しておりませんでした。今回の災害派遣において得られた経験や留意すべき事項については、今後、自衛隊内でどのように活用していくかについては、よく検討していきたいと思っております。
  186. 串田誠一

    串田委員 今の回答というのが、ちょっと、いろいろ難しい問題がありまして、今回こういう質問をさせていただいたのは、数日前に朝の報道番組で、屋根が吹き飛んでしまったという家屋が非常に多かったということで、屋根の修理業者に依頼した場合、一年後になるんだというようなことで、自衛隊がブルーシートをかぶせるというようなこともあったんですが、それについての専門家が登場しまして、ブルーシートではなくて、そのときにはアシスト瓦というのを使っていたんですが、これを使うと二年ぐらい何とかなるんだというようなことで、現場自衛隊にそれを伝授していた。そのときに、その大工の方が言うには、自衛隊員は大工道具を持っていないというようなことから、一から何か教えているような感じの報道だったんです。  今そういったようなノウハウがないのでこれからというようなことであったんですが、一方で、自衛隊というのは、国防を担っているという非常に重要な役目がある。本来は、民間の家屋が破損した場合には、保険に入っているとか業者に頼んだりとかいうようなことがあるんですけれども、一年後だということもあってそういう番組がつくられたんだと思うんですが、こういう番組を見ますと、国民としては、家が破損した場合には自衛隊が修理をしてくれるんだ、今までノウハウはないけれども、それについては自衛隊は十分にノウハウを身につけてやってくれるんだというような理解をしてしまうんじゃないかなと。その理解が正しいのであればいいんですけれども、そんなことになってしまうと、これは何か、災害が起きたときには自衛隊が修理をしてくれるんだというようなことにもなりかねない。  そこで、どこかに線引きをしなければいけないんじゃないか。その線引きについて、条文上どういうような規定があるのかというようなことが今回の質問の趣旨でございます。  ちなみに、自衛隊法の第八十三条には、他の条文とちょっと規定の仕方が異なった書き方になっておりまして、天災のことが書いてあるんですけれども、都道府県知事とその他政令で定める者は、天災地変のその他の災害で、人命又は財産の保護のため必要があると認める場合には、部隊等の派遣を防衛大臣又はその指定する者に要請することができる、こうなっているんです。  ここは非常に重要なところでありまして、「人命又は財産の保護のため必要があると認める場合には、」というのは、認める人は誰かというと、都道府県知事なんですよ。あるいは、その他政令で定める者。それで、相手方は誰かというと、防衛大臣又はその指定する者に要請することができると。そして、では防衛大臣は何をするかというと、「前項の要請があり、事態やむを得ないと認める場合には、部隊等を救援のため派遣することができる。」と書いてあるんです。  この八十三条の前の七十七条の四には、一項は、「国民の保護のための措置を実施するため、部隊等を派遣することができる。」二項は、「緊急対処保護措置を実施するため、部隊等を派遣することができる。」  これは、違いは何かといいますと、七十七条の四等は、何をすることのために派遣することができると書いてあるんです。何をするためと書いてある。ところが、この天災地変の場合は、何をするためというのは書いていなくて、都道府県知事が必要があると認める場合には要請することができて、その要請があると、緊急、事態やむを得ないときには派遣することができると書いてあるだけで、自衛隊が何をすることのために派遣するのかということが、ほかの条文と違って書かれていないんです。  何が言いたいかといいますと、財産を保護するためというときに、屋根の破損をした場合、ブルーシートよりもアシスト瓦の方がいいんですよと大工さんが言っている。そのノウハウを学ぶんだみたいなことの回答がある。とするならば、一見すると、自衛隊はそういう家屋の破損したものまで直さなきゃいけないということを条文上読み取ってしまっていいのかどうか。切りがなくなってしまうということもあると思うんですけれども、これは、条文上、どのように解釈したらいいでしょうか。
  187. 菅原隆拓

    菅原政府参考人 お答え申し上げます。  まず、自衛隊法第八十三条の条文のたてつけでございますけれども、派遣の目的につきましては、第八十三条の二項におきまして、「防衛大臣又はその指定する者は、前項の要請があり、」前項の要請というのは都道府県知事等の要請でございますけれども、「事態やむを得ないと認める場合には、部隊等を救援のため派遣することができる。」というふうな形で、救援のためであるということが規定されておるところでございます。  翻りまして、今回、どういう支援や救援を行ったのかということでございますけれども、屋根の補修ということでございますけれども、今般の台風第十五号及び台風第十九号により被災した千葉県内の家屋に対して、防衛省自衛隊は千葉県知事からの要請を受けまして、自衛隊法第八十三条に基づく災害派遣としてブルーシートの展張支援実施したということでございますけれども、これは応急復旧としての災害派遣の趣旨を踏まえて行ったものでございまして、緊急な対応が必要で、公に助けるべきものと判断して行ったものでございます。  そのような意味で、恒久的な屋根の修復というものを自衛隊が行ったわけではないというところでございます。  以上でございます。
  188. 串田誠一

    串田委員 今のことをまとめますと、テレビで見ますと、ブルーシートというのは余り、ある意味で適切でないんだ、アシスト瓦の方がよほどいいんだというような感じの番組になっていたわけですよ。それを伝授したということで、自衛隊もそれを学んでアシスト瓦というのを設置していた。  そうすると、国民から見ると、そうなると一歩前進して、ブルーシートではなくてアシスト瓦というものをこれから自衛隊というものは用意してくれる、あるいは、用意されたものを設置してくれるというふうに普通の人は見るんじゃないかなと私は思ったものですから、今後どの程度のことを自衛隊災害のときにやっていくことになるのかというのは、ちゃんと線引きしておかないと、国民は、何でこっちはやってくれるのにここはやってくれないんだというような誤解も出てくるんじゃないかなとは思うんです。  そうすると、先ほどの話に戻りますと、テレビの報道では、自衛隊は大工道具を持っていないということなので、レクのときにも、じゃ、これから自衛隊は大工道具を持つようにするんですか、そのような予算も用意するんですかという質問をさせていただいたんですが、これについてはどういう回答になるんでしょうか。
  189. 菅原隆拓

    菅原政府参考人 お答え申し上げます。  自衛隊災害派遣につきましては、平素の訓練等を通じて得られた成果を生かしまして人命救助等の各種活動を行っているというところでございます。  屋根の補修というところにつきましては、先ほども御説明申し上げましたように、緊急の対応としてブルーシートの展張支援を行いましたけれども、この展張支援において自衛隊は大工道具を使用していない。また、別の言い方をすれば、大工道具を必要としない範囲の中で仕事をしたということでございます。  そのような意味で、防衛省自衛隊として、現時点で、例えば、屋根の補修のために大工道具を必要としているというようなことはございません。
  190. 串田誠一

    串田委員 今、まとめますと、ちょっとわかりやすいような線引きができるのかなと思うんですが、大工道具を必要とするような修理というのは、本来、自衛隊の八十三条が要求されている事柄ではない。要するに、緊急な状態でブルーシートをカバーして、その後に民間業者に頼むなり、あるいは何かの形で修理するなりというのは、その後、自衛隊以外の者が行っていくんだというようなまとめ方でよろしいですか。
  191. 菅原隆拓

    菅原政府参考人 実際の線引きにつきましては、個別具体の状況についての判断が必要ではございますけれども、先ほども御説明したように、自衛隊災害派遣については、特別な訓練ですとかが必要なものを念頭に置いているわけではございませんで、平素から自衛隊が訓練をしている内容の延長線上の活動を念頭に置いているというところでございます。  そのような意味で、今先生がおっしゃられたような総括的な理解でよろしいかと思います。
  192. 串田誠一

    串田委員 その番組にアシスト瓦というのが出てきましたので、きょうはちょっと、アシスト瓦、別の所管で説明していただける方も来ていただいているので、念のため、ちょっとアシスト瓦の説明をしていただきたいと思います。
  193. 小平卓

    小平政府参考人 お答えいたします。  アシスト瓦を所管しているわけでは必ずしもないですけれども、アシスト瓦といいますのは、段ボールを瓦ぐらいの大きさにカットしまして、それを防水シートで覆ってつくるもの、簡単に言えば、誰でもできるというものでございます。被災して破損した屋根瓦の部分に差し込んで、テープ等で固定することで応急的に雨漏りを防ぐようにボランティア団体が考案をして、名づけたものと承知してございます。  破損した瓦屋根が少ない場合などには、ブルーシートを設置するよりもアシスト瓦を使う方が簡便で効率的であると聞いております。ただ、非常に広い範囲になりますと、恐らくブルーシートの方が能力としては高いものになるのではないかと思います。  今般の台風十五号などにより被災した千葉県におきましては、これまで約七百軒の家屋におきまして、およそ二千枚ほど使われたと聞いております。
  194. 串田誠一

    串田委員 総括を先ほどしていただいて、私も十分理解したつもりです。  やはり、いろいろな形で国民に資するようなことをするのはすごく大事だと思うんですが、それが余り行き過ぎになってしまうと本来の業務に支障を来すということで、どこかでやはり線引きをしていかなきゃいけない。そこら辺の部分をちゃんと国民にも理解していただかないと、今後いろいろな災害が起きたときに自衛隊に対する誤解というものもあるかと思いますので、そこの部分についての明確性というのは必要かなと思うとともに、今ちょっとアシスト瓦の話もありましたが、テレビですと、ブルーシートをかぶせるよりもよほど簡単に保護することもできるようなことの説明もありましたので、ブルーシートだけというこだわりもまた必要でないのかなと。そこら辺を臨機応変にしていただければなと思います。  次に、動物同伴に関する質問をさせていただきたいと思うんですが、かねてより、災害が起きたときには動物を同伴して避難したいという国民が非常に多いわけですけれども、今回の台風災害に関しても自衛隊としてどのような状況であったのか、簡単に説明していただければと思います。
  195. 菅原隆拓

    菅原政府参考人 お答え申し上げます。  今般の台風十五号及び十九号に係る災害派遣においては、人命第一の方針のもと、福島県や長野県等で道路寸断などにより孤立した住民を救助する活動を行ってまいりました。その際、ペットと一緒に避難したいという被災者の方の御要望があった場合には、現場状況に応じまして、ボートによる搬送を実施したほか、バッグやケージに入れられたペットをヘリコプターによりつり上げて搬送した例もあり、可能な限りペットと一緒に避難したいとの御要望に対応してきたところでございます。
  196. 串田誠一

    串田委員 ここはどういうふうな根拠条文なのかというのも、きのうちょっと省の人と話をし合ったんですが、結論から言うと、八十三条の「財産の保護」という、この財産の中に動物も入るということのようです。  そのときに、自衛隊としては、この八十三条のたてつけですと、「前項の要請があり、事態やむを得ないと認める場合には、」と書いてあるわけで、この事態やむを得ない場合にぜひ動物の保護も、人命優先というのはよくわかるんですが、動物保護というものも、この緊急事態、やむを得ない場合に含まれるということを積極的に解釈していただきたいと思っています。  そして、動物同伴といいますと、体育館に犬や猫が一緒にいるというイメージを持たれて、無理なんじゃないかという意見もあるんですが、そうじゃなくて、要するに、人がいるところとは別のところにケージを置いて、あるいは柵をつくって、一緒に避難した後に、動物は動物として別のところに避難していくというようなことが行われる。あるいは、今少子化ということなので、使われていない学校の教室を動物専用にやるというような形で、分離しながら避難していくというようなことが行われていますので、そういったようなことをどんどん進めていただきたいんです。  一方で、自衛隊も、今のお話ですと、同伴救援というのを積極的にやっているということなんですが、そうなると、動物を人間が抱えているという状況になりますと、非常に問題が、一緒に移動したり避難したりするときに問題が起きやすいという意味では、自衛隊の中に、ぜひ、救援のためのケージなど、動物を救援するということを前提とした上で、もうそのときに急に、ああ動物もいたんだじゃなくて、動物も一緒に救援をするということが当然なんだという前提の中で、救援をするための道具もぜひとも用意していただきたいと思うんですが、その点いかがでしょうか。
  197. 菅原隆拓

    菅原政府参考人 お答え申し上げます。  防衛省自衛隊としては、引き続き人命第一で災害派遣に当たる中で、ペットと一緒に避難したいという被災者の御希望に可能な限り沿いたいと考えております。  なお、現状を申し上げますと、実際に避難を行う場合には、被災者の方が用意していただいたバッグやケージにあらかじめペットを入れまして、他の要救助者に影響を及ぼさないように配慮を行った上で実施しているというところでございます。  他方で、今御指摘の、防衛省自衛隊で実際に用意したらどうかという御指摘でございますけれども、現時点でそのような折り畳みの柵等を準備するという計画はございませんけれども、今後の災害派遣の動向等も踏まえながら、勉強していきたいと考えております。
  198. 串田誠一

    串田委員 テレビで、屋根に犬と一緒に救援を待っていたシーンというのが動画でよく流されて、放送されていたというのをごらんになっているかと思うので、そういうときに、動物のためのバッグまで一緒に屋根に上がるなんということはできないんですよ。自衛隊の方も、そういったような、動物を同伴して救援するというような形の準備、ぜひとも、大臣、検討していただければと思います。  時間になりましたので、終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
  199. 西銘恒三郎

    西銘委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時三十二分散会