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2019-11-05 第200回国会 衆議院 安全保障委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和元年十一月五日(火曜日)     午後一時開議  出席委員    委員長 西銘恒三郎君    理事 小田原 潔君 理事 大岡 敏孝君    理事 長島 昭久君 理事 原田 憲治君    理事 宮澤 博行君 理事 小熊 慎司君    理事 篠原  豪君 理事 佐藤 茂樹君       岩田 和親君    江渡 聡徳君       小野寺五典君    大西 宏幸君       大野敬太郎君    鬼木  誠君       門山 宏哲君    熊田 裕通君       古賀  篤君    國場幸之助君       左藤  章君    塩谷  立君       中谷  元君    浜田 靖一君       百武 公親君    渡辺 孝一君       重徳 和彦君    寺田  学君       照屋 寛徳君    本多 平直君       屋良 朝博君    浜地 雅一君       赤嶺 政賢君    下地 幹郎君     …………………………………    防衛大臣         河野 太郎君    外務副大臣        鈴木 馨祐君    防衛大臣政務官      岩田 和親君    防衛大臣政務官      渡辺 孝一君    政府参考人    (内閣国際平和協力本部事務局長)        岩井 文男君    政府参考人    (外務省大臣官房参事官) 赤堀  毅君    政府参考人    (外務省大臣官房参事官) 長岡 寛介君    政府参考人    (環境省大臣官房審議官) 白石 隆夫君    政府参考人    (防衛省防衛政策局長)  槌道 明宏君    政府参考人    (防衛省整備計画局長)  鈴木 敦夫君    政府参考人    (防衛省人事教育局長)  岡  真臣君    政府参考人    (防衛省地方協力局長)  中村 吉利君    安全保障委員会専門員   奥  克彦君     ――――――――――――― 委員異動 十一月五日  辞任         補欠選任   岩田 和親君     鬼木  誠君   鈴木 貴子君     百武 公親君 同日  辞任         補欠選任   鬼木  誠君     古賀  篤君   百武 公親君     鈴木 貴子君 同日  辞任         補欠選任   古賀  篤君     國場幸之助君 同日  辞任         補欠選任   國場幸之助君     岩田 和親君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  防衛省職員給与等に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出第七号)      ――――◇―――――
  2. 西銘恒三郎

    西銘委員長 これより会議を開きます。  この際、河野防衛大臣から発言を求められておりますので、これを許します。河野防衛大臣
  3. 河野太郎

    河野国務大臣 昨今の台風豪雨等でお亡くなりになられた方々、そしてその御遺族の方々に深く哀悼の意を表します。また、被災者皆様に心からお見舞いを申し上げます。  先般の私の発言によって不快な思いをされた方々、特に被災者方々被災地において大変な御苦労をされている多くの皆様に、改めておわびを申し上げます。  防衛省自衛隊としては、引き続き被災者方々にしっかりと寄り添いながら、全力で業務に当たっていく所存です。私としても、防衛大臣として改めてその職責の重さに思いをいたし、職務に邁進してまいる所存です。  また、たび重なる自然災害に対し、自衛隊隊員諸君は士気高く任務に従事しております。防衛大臣として、隊員健康管理災害派遣中の隊員の処遇の中で改善を要するものについては、現場の声に十分耳を傾けながら、しっかりと実現してまいりたいと思っております。      ――――◇―――――
  4. 西銘恒三郎

    西銘委員長 内閣提出防衛省職員給与等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、政府参考人として内閣国際平和協力本部事務局長岩井文男君、外務省大臣官房参事官赤堀毅君、外務省大臣官房参事官長岡寛介君、環境省大臣官房審議官白石隆夫君、防衛省防衛政策局長槌道明宏君、防衛省整備計画局長鈴木敦夫君、防衛省人事教育局長岡真臣君、防衛省地方協力局長中村吉利君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 西銘恒三郎

    西銘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  6. 西銘恒三郎

    西銘委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申出がありますので、順次これを許します。篠原豪君。
  7. 篠原豪

    篠原(豪)委員 ありがとうございます。篠原豪でございます。  私からも、冒頭、今回の台風そして風水害におきまして亡くなられた皆様に心より哀悼の誠をささげるとともに、今なお本当に被災地のところでは大変なことが多く起きております。そういった方々に、一日も早い、本当に平和で穏やかな生活を取り戻していただけることを心より願い、お見舞いを申し上げる次第でございます。  また、防衛省そして自衛隊皆様方におかれましては、このたびの自然災害におきましても、そしてこれまでも本当に献身的にいろいろと助けていただいております。そのことにつきましては我々からも深く御礼を申し上げるとともに、御健康に留意をされながら、引き続き活動をしていただければと思っております。  そして、きょうは防衛省給与法質疑でありますので、そういったことも含めて、今どういう体制であるのか、そして、これからどういう方向に向かっていくべきなのかということも含めて、河野防衛大臣とともに建設的な議論をさせていただきたいと思っておりますので、お伺いしたいことはたくさんございますので、できれば簡潔に、明快にお答えを参考人皆様方にもお願いをさせていただきたいと思っておる次第でございますので、よろしくお願いします。  それでは質疑に入らせていただきますが、自衛官定員充足率現状について少し考えてみたいと思います。  日本が少子高齢化人材獲得競争が今強まっていて、自衛官のなり手の減少による、自衛隊の質が低下するんじゃないかという懸念がよく言われる状況にあります。  この観点から、最近十年間の自衛官定員とその充足率を見ますと、今お手元資料を配らせていただいております一枚目の資料ですけれども、「自衛官等募集状況」という紙がございます。ぜひこれを見ていただければありがたいと存じます。  そして、これを見ますと、統合幕僚監部等を除く三自衛隊それぞれの充足率は九二、三%前後で推移をしています。自衛官定員数が二十五万人弱あるのに対しまして、予算上の人数、これは実員になるんですけれども、これが二十二万人弱になっているのが現状です。  具体的には、二〇一九年度のところを見ていただきますと、二十一万七千百五十四人、陸自が十五万七百七十七人、海自が四万五千三百五十六人、そして、空自が四万六千九百二十三人となっています。  この定員割れにはさまざまな理由があると考えていますけれども、一番の要因は、二〇一八年度のところでございますけれども、採用数が全体の五割弱を占める自衛官候補生採用率が他の採用枠に比べて極めて低いということが考えられます。よろしいでしょうか。  防衛省からいただいた資料によりますと、二〇一八年度自衛官候補生には、このかかわる採用計画九千八百八十二人に対して、今お手元資料の九千八百八十二人というところにかかわるんですけれども、実際の採用者数は七千七十五人で、七一・六%の目標達成率にとどまっています。  採用数で四三%を占める一般曹候補生の、この場合には同年度目標達成率が一〇二%強、その他の、人数的には少数にとどまりますけれども、航空学生一般幹部候補生防衛大学校生等についても一〇〇%近く、あるいはそれを少し上回る目標達成率となっています。  採用難理由とこれまでの実態を考えるときに、自衛官候補生、今少ないところでありますけれども、この採用難背景には三つ理由と、それに付随する一つのプラスアルファというか、ことがあるんだと考えています。  一つ目はやはり少子化。これは、二〇一七年度で千百万人の方々が十八歳から二十六歳の人口ということになっていて、ピーク時の一九九四年、これが、比べますと実は四割減っています。四割減です。  二つ目が、やはり大学進学率上昇というのが挙げられるんではないかと思っています。高校を出られて就職を希望される方々減少しているという現状があるんだと思います。これは、今回、給与法採用の仕方を中卒程度の問題から高卒程度にするということもありますけれども、そういったところも背景にかかわってくる、同じような問題だと思っています。  三つ目は、景気回復による民間の有効求人倍率上昇というのがあるんだと思います。これはまあ社会的な構造の転換など、変わってきたところだと思います。  加えて、労働環境というのがやはり自衛隊は過酷ではないのかということがあります。海自であれば、一回航海に出ますと数カ月洋上生活が続きます。警察や消防や、地域間の異動が少ない。自衛隊全国各地への配転もまた多いということがあります。有事やPKOのときには、やはりこれは命を賭して任務に行っていただいているというこれは現実があるんだと思っています。ですので、労働環境の過酷さというか、自衛隊特有の働く環境の特性というのがあるんだと思います。  しかしながら、平成三十年までのこの間をちょっと見てみたんですが、自衛官候補生採用にこれは実は常時苦戦してきたというわけではないんです。例えば、平成年度平成七年から九年度平成十二年から十四年度平成十六から十八年度平成二十二年から二十五年度は、採用計画達成率が一〇〇%以上となっています。  この理由がまずどこにあるのかということをお伺いしたいのと、同様に、平成五から六年度平成二十年度は、目標達成率が七〇%を逆に切っているということになります。ですので、一〇〇%を超える年もあれば七〇%を切っているという年も実はあるんです。  この平成二十一年から二十三年度採用計画自体が、二千名台、四千名台と極めて少なくなっているという年度もあります。平成年度、八年度、十年度、二十八年度も六千名から七千名台になっています。今お手元資料平成二十九年度では九千四百名、そして平成三十年度は九千八百名、一万名近くになりますので、二千名のときもあれば一万名近い年もあるということで、これはどのようなことであるのかということのこの説明を、その理由はどこにあったのかということをお伺いいたします。
  8. 岡真臣

    岡政府参考人 お答え申し上げます。  自衛官募集につきましては、委員からもさまざまな要因について御指摘がございましたけれども、私どもまずその採用計画数を定めるに当たりまして、これは実際どれだけ採用できるかということで、景気や雇用の動向と深く関係する応募者の数、あるいは自衛隊側のニーズに基づく採用計画の規模、そういったことを、さまざまな要因を踏まえて、影響を受けながら検討することになりますので、一概に申し上げるのはなかなか難しい点もございますけれども、先ほど委員から幾つかの年度について御指摘ございました。そこについてあえて申し上げるといたしますと、例えば平成年度から六年度につきましては、当時の防衛計画大綱で定められた陸自の定数は十八万人という体制のときでございまして、それ以降の大綱のときと比べても非常に大きいということで、採用計画数が大きかった傾向にあろうかと思います。  また、平成二十年度でございますけれども、年度の途中の九月にいわゆるリーマンショックということがありまして、景気が急激な悪化を受けて、採用計画を立てた時点では予測ができないようなほど任期制自衛官等退職者数が少なくなった。退職者が少なくなるということは、それだけ入れる方もちょっと抑えないといけないということになります。まさにそういったような影響一つ要因として言えるのではないかと思っております。  また、採用計画数についても同じようなことでさまざまな影響を受けるわけでございますけれども、先ほどのリーマンショック影響を受けて二十一年度から二十三年度というところにつきましては、任期制自衛官退職者数がやはり全体的にずっと少ない傾向が続いてきたということが一つ要因としてございますし、また、平成年度それから十年度といったところにつきましては、先ほど陸の十八万人体制ということを申し上げましたけれども、平成七年に防衛計画大綱が策定をされまして、その中で、冷戦の終結等を踏まえて陸自定員を、これは当時コンパクト化というようなことも言っていましたけれども、十八万人の体制から十六万人の体制にする、二万人削減するというようなことがございました。そういったことも要因となっていたというふうに考えております。  いずれにいたしましても防衛省といたしましては、引き続き、さまざまな要因の中で、優秀な人材を安定的に確保するための施策を取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
  9. 篠原豪

    篠原(豪)委員 今のお話は、いろいろな時代背景があってでこぼこがあるという話だと思いますが、いつも充足率が足りない足りないというふうなことは話が出てくるんですけれども、実際にそれがなぜ足りないのかとか、どうしてそれが今回多くなっているのかというのが、なかなか計画がよく伝わっていない。その中で、足りないからとにかくやらなきゃいけないんです、拡大していきましょうとかそういういろいろこともありますので、こうやってしっかり見てからしなければいけないんだというふうに思っています。  それで、士の減少の問題についてお伺いしたいと思うんですけれども、今おっしゃっていた採用状況採用の率そして自衛隊充足率の問題というのは、実は、主に自衛官候補生の問題と言えるというふうに考えています。  自衛官候補生は、任期制採用していまして、陸自自衛官候補生は四年間の任期であります。海空自自衛官候補生は、五年を経過すると約八割が一斉に退職をするということになります。その減少分の補充がなかなか今できないというような悪循環に陥っているんじゃないのかなというふうに思っています。  もうちょっと現状について申し上げますと、自衛官候補生一般曹候補生、これは申し上げるまでもありませんけれども、一般曹候補生定年までお勤めいただくことができるんですが、自衛官候補生は、今言ったように、陸自だと四年、そして海、空だと五年経過すると八割が退職をするということでありまして、平成年度の士の総数が実は七万七千四十人、七万七千人ぐらいなんです。平成三十年度が四万四千人。つまり、三万数千人減少しているということがあります。  このときに見ていて、細かく各何歳の士が何年に何人いたかというのを、実は私、表を持っていて、これはなかなか細かいので全部申し上げることはできないんですが、どうも若い方々が、だんだん士が年齢が少しずつ上に上がってきているというようなことがあるんじゃないかと思っています。つまり、若い自衛官方々が減っているんだというふうに思います。  このように、自衛官候補生、若い方が減っていくと、もともと自衛官がなぜ士の方々任期制であるかということは、やはり、精強性、いかに力を精力的に持ってやっていけるかというような、必要とされる自衛隊の仕事の状況というのがありますから、ここをこのままだとだんだん侵食されていってしまうんじゃないのかというふうに思います。  このときに、防衛省が、近年、非任期制一般曹候補生採用数をふやして士の減少を抑えようとしている、それによってこの問題を解決しようとしていると私は思っているんですけれども、これがどの程度士減少が抑えられるようなことを今考えているのか。そして、非任期制の士がふえることによって、逆に課題というのはどんなところが生まれてくるのかをお伺いしたいと思います。
  10. 河野太郎

    河野国務大臣 やはり、任期制の士の採用が難しくなってきているというのは現実にあると思います。やはり先々を考えると、任期のない曹候補生定年まで自衛隊にいたいという若者がふえるというのは理解ができるところでございます。  また、今の自衛隊を見ておりますと、例えば、一つ国際化、それに適した人材を養成していかなければいけない。あるいは、新しい領域の宇宙、サイバーあるいは電磁波という領域を考えると、それなりの経験を積んだ人間が、あるいはその技術、能力を取得した人間が必要になってくるという意味で、曹候補生をふやしていくというのは、それなりの、自衛隊にとってもメリットがあるわけでございます。  ところが、士については、委員おっしゃったように、年齢の高まりを抑え、精強性を維持するという非常に重要な役割がありますので、全てを曹候補生に置きかえてというわけにもいきません。  そういう中で、自衛隊として、どのように士を確保するか、あるいはどれぐらいがいいバランスなのかというのは、これは不断に検討していかなければいけない課題というふうに認識しているところでございます。
  11. 篠原豪

    篠原(豪)委員 ありがとうございます。しっかりとやはり見ていっていただきたい。  少子高齢社会になって本当に少子化ですから、先ほど申し上げましたように、一九九四年と最近を比べると若年層が四割減というこの実態がありますので、本当に機能してやっていっていただけることが、我が国にとって何より、防衛上もそして災害のときも大事ですので、お願いをしたいと思います。  二枚目の資料をお配りさせていただいたところに少しお話を、同じ採用のことについてであるんですけれども、防衛大学校中途退学者数というのが、よく、よくでもないですけれども、たまに言われることであります。確認をさせていただきたいと思います。  もちろん、自衛官候補生、今お話ししたところとは遠く及ばないんですけれども、防衛大学生を見ると、毎年度かなり人数中途退学者を出しています。年によっては百人にも達します。  お手持ちの資料を見ていただきますと、平成十九年度、百名中途退校者数というふうになっていまして、直近でも、八十四名、五十九名、七十九名、九十七名というふうになっています。  かなり人数が今残念ながら中途退校されているという状態でありますけれども、じゃ、その後の採用計画を見てみると、実は、防大生目標達成率というのは一〇〇%前後で推移しているんです。ですので、ほぼ毎年の採用計画数採用者数が、つまり、やめた後の方々採用計画数になっているということは、この事実は、この百名の方々が、あるいは何十名の方々退校されて、そして、もともとされるだろうというもとにその後の採用計画のもとと合っているので、そこのところをどういうふうに考えているのか。  もちろん、よく言われる話ですけれども、税金で養われているという防大生の二割強が任官しないという状況が毎年当たり前になっていて、採用計画もそれが当たり前の採用計画となっているとなると、これは余りよろしいことではないので、簡単に看過していいことじゃないんじゃないかなと思います。  税金無駄遣いになるので、その無駄遣いはどの程度であるのか。この現状改善するおつもりがあるのかどうか。採用計画は一〇〇%になっていますから、別にしなくてもいいんじゃないか、これはしようがないんじゃないかとおっしゃるのか。それじゃなくて、ちゃんと直していくのか。  そのことについて、どのような方策も含めて考えていらっしゃるのであれば、教えていただきたいと思います。
  12. 河野太郎

    河野国務大臣 防衛大学で言う採用計画数というのは、その年に採りたい人数のことでございまして、採用数というのは、実際に入ってくれたその人数であります。  当然に、防衛大学一本で受験をする学生もいれば、ほかとかけ持ちという学生もおりますから、合格をしてもよそへ流れるという部分をやはり加味して採用をするということになるわけでございます。  防衛大学というのは、集団生活を行う、あるいは、自衛隊でございますから当然に訓練も行う、また、卒業後の職業は自衛隊自衛官と決まっているという、さまざまな、ほかの大学にない制約がございます。ですから、そういう中でどうしても途中で退校する学生が出るということはあるんだと思います。  ですから、事前にこの特殊性をきちんと説明をし、理解をしてもらった上でやはり防衛大学に来てもらうということが大事だと思っております。少しそこに差があるではないかというのはおっしゃるとおりでございまして、その差はなるべく少ない方がいいと思っております。  また、途中退校だけでなく、卒業してから任官辞退という数もございまして、そこについてもやはり私は問題だと思っております。  途中退校を減らすと同時に、やはり、卒業生の任官辞退というものを減らすためにどういうことをやっていったらいいのかというのを少ししっかりと考えてまいりたいというふうに思っているところでございます。
  13. 篠原豪

    篠原(豪)委員 ありがとうございます。  今おっしゃっていただいたところを改善するところはしていっていただいて、やはり税金無駄遣いと言われてしまいますので、二割強が退校してしまうというのはやはりちょっと多い。特殊性はあるにせよ、そこは考え方があるんじゃないかと思います。  あともう一つ、おっしゃられた、任官を辞退される方々の数なんですけれども、お手元資料を見ていただきますと、実は、二十三年度、二十四年度は四名、七名と非常に少ないんです。ここ数年、非常に多くの数が、十名、二十五名、四十七名、三十二名、三十八名、四十九名ということで、二十三年度から比べれば十二倍という、そのぐらい、これは極端な数字の比べ方かもしれませんが、でも、現実に比べようと思えば、この数年間でもここで比べられちゃうぐらい多くなっているという実態がありますので、これは、いろいろな安全保障環境であるとか安保法制をめぐったり、今のこの状況を見ていてどういうふうに学生さんが思われているのかなというのは、私は直接今度聞いてみたいと思っているんですけれども、この辺も含めてしっかりとちょっと見ていっていただいて、現実に起きている現場のことでありますので、しっかりとここのあたりも考えて総合的に防衛政策そのものも考えて、現場の方がどう思っているかということも心の中にとめておいていただきたいと思います。ありがとうございます。  それで、今回の給与法改善なんですけれども、自衛官初任給を引き上げるということになりました。これは今言ったようないろいろな要素があるんですけれども、この今回の給与法の改正では、自衛官候補生採用基準を、先ほど少し申し上げましたけれども、中卒程度から高卒程度に引き上げる、だから、それとともに自衛官初任給も引き上げることになるんですよということに伺っています。  こうした対応で今言ったような問題がどの程度改善効果が見込まれているのか。そして、特に採用における競争関係にある、競争関係というのが正しいかわかりませんけれども、例えば高卒の警察官、地方公務員さんです。同じ高卒程度公務員さんになるという方々でございます。と比較しながら、もし思っていらっしゃることがあれば教えていただきたいのと、この必要な予算と、防衛予算全体にどのように影響をするのかなということを見ていらっしゃるかをお伺いします。
  14. 河野太郎

    河野国務大臣 今般の初任給の引上げは、一般曹候補生初任給を十六万九千九百円から十七万九千二百円に引き上げる、自衛官候補生初任給を十三万三千五百円から十四万二千百円にそれぞれ引き上げようというものでございます。  また、自衛官候補生については、入隊後三カ月後の二士自衛官任官する際に支給される自衛官任用一時金を十七万六千円から二十二万一千円に引き上げる、そういう見直しを行いたいと考えているところでございまして、国家公務員である警察官の初任給十七万三千四百円と比較しても遜色のない水準となりますから、募集上の効果も期待できるというふうに考えております。  採用人数との関係もございますので、どれぐらいの予算規模かというのは難しいんですが、昨年の採用者数を前提として試算をすると、約八億円程度ということになろうかと思っております。
  15. 篠原豪

    篠原(豪)委員 やはり、時代に合わせてしっかりとした処遇もしていかなければ、これは、入ってくださる方々が、何か全然社会状況と違うようなことになっていて、なかなか自衛官になりたくないというようなところをやはり変えていくというのは、私もそう思いますし、そこのところは、今言ったような金額であればしっかりと効果があるということも含めて検証しなければいけませんけれども、後にそれはしっかりとやっていただきたいなと思っております。  入りの問題、入ってくる方の話もしたんですが、今度は、おやめになるときの話を少しお伺いをしたいと思います。  自衛官充足率を落としている要因として、例えば自衛隊には、将官に昇任できなければ五十三歳から五十六歳で定年退職になるという若年定年制の存在があります。五十三とか五十六ですから、定年といっても、今のその定年の感覚からしてどうなのかなというのでちょっとお伺いしたいんですけれども、政府は、有識者でつくる安全保障と防衛力に関する懇談会を設置して検討してきた結果、二〇二〇年度以降、階級に応じて定年年齢を一歳から五歳引き上げようじゃないかということを決定しています。  この定年延長の対象は陸海空で二十万人弱になりますけれども、一方で、自衛官定員を変えずに人件費の膨張をできる限り抑えるために、これは、複数年度に分けてこれから実施していこうよというような話になっている。  こうした定年の引上げによって自衛官の皆さんの平均年齢が上がると、これもさっきの話なんですけれども、精強性の問題とのジレンマというのがまた一方出てくるということがあります。質の低下を危惧するということになっていくとまたこれはよくないということなんで、この辺について、この定年延長について、この辺のところと、どう課題と対策を考えているのか。  あと、一般の国家公務員の皆さんは段階的に六十五歳まで定年を引き上げようという話に今なってきていまして、そういう議論がある中で、これは将来的に自衛隊もそういうふうな六十五歳定年制というものを採用するのか、あるいは、今言ったようなちょっと特殊な状況の仕事のあり方でありますので、そこはまだ一定の課題をクリアしなければむしろできないんじゃないかな、組織維持のために採用した方がいいのかな、どっちかなというのを、今どの程度、検討状況も含めて、クリアするべき課題とともに教えていただければと思います。
  16. 河野太郎

    河野国務大臣 おっしゃるように、定年の引上げというのは、その体力を要するところあるいはその精強性というところで問題が出てきかねないという御指摘はよく御理解できるものでございます。  他方、先ほど申し上げましたような国際化対応ですとか、あるいは新領域における技術の習得といったことを考えると、ある面、経験を積んだ隊員をさまざまな部署に配置しなければいかぬという部分もあります。  陸上自衛隊の普通科のように、どちらかというと体力要素が強く求められる部隊には若手の士を優先的に配置する、そのようなことをやっていきたいというふうに思っております。  また、六十五歳定年制についてお尋ねがございましたが、今の防衛省自衛隊といたしましては、今回のまず定年の引上げということをしっかり対応してまいりたいというふうに思っておりまして、そこから先どうするかというのは今後検討しなければならないことだと思っておりますが、まず今回の定年制引上げをきちんとやるということと、今、若年定年退職した自衛隊員がかなりしっかりとした確率で再就職できておりますので、そこを維持していく、あるいは、希望する職種につける割合をどんどんふやしていくということが今後の自衛隊採用についても好循環を生んでくると思っておりますので、そこをしっかりとやってまいりたいというふうに考えているところでございます。
  17. 篠原豪

    篠原(豪)委員 ぜひ考えていただきたいと思いたいですけれども、今のお話を伺っていて、クロスサービスの提供をどうしていくのかというところも関係してくるのかなと思っていまして、昨年の防衛大綱の策定に先立って、「政府は、海上、航空両自衛隊が行っている施設警備など地上任務の一部を陸上自衛隊に移管する方向で検討に入った。」というふうに一部の全国紙で報じられました。この狙いは、海空自衛隊の人員を艦艇や航空機の運用に関連する任務に優先配分をして、海洋進出を強める中国への対処力を強化するためとされているというふうに言われています。  新聞記事にもありましたけれども、昨年末に見直された防衛政策の基本方針、防衛大綱に、こういう名前なんですけれども、陸海空の所属を超えた人員提供を意味するクロスサービスの実施が明記されるとしたんですが、実際には明記されませんでした。なぜこのクロスサービスの実施が明記されなかったのかということをお伺いしたいと思います。  クロスサービスは、明記されなかったとしても、どのような検討状況にあるのかということもあわせて伺いたいと思っています。  クロスサービスです。基地や宿舎などの自衛隊の施設は、海自が四百八十一カ所、空自が三百九十二カ所あって、警備は海空の自衛官がそれぞれ今担当しているんですけれども、そのために、警備専従の要員に加えて、通信や整備要員も当番で警備に当たっているというふうになっています。したがって、何か大きなことがあった際には、各現場から隊員を集めて警備態勢を拡充するため、艦艇や航空機の運用に支障が出る懸念が指摘されているものでもあるんです。警備要員を陸自に移管できれば、これは海空自衛隊には数百人規模の余力が生じると見られています。  ですので、先ほどから大臣がおっしゃっている、専門性を持った方々が専門性を持ったところに注力をしていくために、これはどこの基地でも、特殊な専門性がなくても必要なお仕事ですよというものがあって、ここのところを、前々の、十三年度防衛大綱ではたしか統合運用という形でいろいろと書いているんですけれども、これはクロスサービスとは全く別の考え方でありますので、それを、ちょっとシェアリング的にかかっていたところを、どうもちょっとそこのところが何か前に戻ってしまって、なかなかクロスサービスの議論が進んでいないんじゃないかというふうに考えています。  やはり河野大臣に私からお願いさせていただきたいのは、大臣であれば、ちょっとしたところなんですけれども、こういった今なかなか進まないところを大きく進めていただく、議論をすりかえる方向じゃなくて、前向きにやっていくことが私本当にできるんじゃないかと思ってきょうの質疑は楽しみにしてきたんですが、海空自衛隊の、専門性が必要ない任務に当たっていただくかどうかという問題がクロスサービスの本質的な議論でありますので、まず、なぜ大綱に書かなかったのかということと今の検討状況、そして、こういったことに対してどういうふうに、これは取り組んでいこうという話はもう出てきている話だったんです。ですので、これはやっていくべきだと思います。お話しいただければと思います。
  18. 河野太郎

    河野国務大臣 大綱の記述にクロスサービスがないということでございますが、「各自衛隊間の相互協力の観点を踏まえた警備及び被害復旧に係る態勢を構築するなど、各自衛隊の要員の柔軟な活用を図る。」と明記をしております。これはもうクロスサービスのことでございまして、被害復旧、例えば、海自、空自の基地で何か被害が起きたときに陸自の施設部隊がそれを被害復旧をする。そのための予算として約七千万円を令和二年度の概算要求に計上しております。  これは、陸自が海空自衛隊の飛行場滑走路の修復支援を行えるような器材の取得のための経費でございまして、これをお認めいただければ、そうした分野での被害復旧を陸自がやるということをしっかり進めていきたいと思っております。  また、基地警備につきましては、おっしゃるとおりでありますので、これは、陸自が近傍にあります海自、空自の基地の警備に当たる体制をいかにして構築できるかという検討を今しているところでございますので、この被害復旧、基地警備についてはしっかりと進めてまいります。
  19. 篠原豪

    篠原(豪)委員 ありがとうございます。  柔軟に、本当に運用できるところは、形を変えてわかりやすい形でやっていただいて、それが定員の配置にもうまくつながっていくということもありますので、そしてまた、さっき言った、精強性と、若い自衛官方々が少しずつ減ってきているという現状もありますので、できるところは柔軟に、本当に必要なところに必要なものを充てていく、無駄は徹底的に省いて、省いたものを必要なものに充てていくというのは大事なことですので、お願いをさせていただきたいと思います。  他方で、とはいえ、ほかのところに任せて大丈夫かなという問題が一つあるので、ここのところはきちっと切り分けて考えていただきたいというふうに一つお伺いしたいのが、冷戦期体制の後の再編の考え方がどうなっているかということにつながるんですけれども、今申し上げてきて、平成年度自衛隊員に占める陸海空それぞれの割合が、陸自が六五%、海自が一六・九%、空自が一七・四%となって、陸自が圧倒的に多いんです。  この割合がなぜ多いかというと、実は、冷戦期の旧ソ連の上陸侵攻に備えて、戦車部隊などで上陸を迎え撃つのを想定として陸自中心に人員が配置された経緯があると思っています。  しかし、平成三十年度自衛隊員に占める割合も今見てみますと、今、戦車部隊などで上陸を迎え撃つ想定での人員の定数管理がこれで本当に何か少し変わったのかなと思うと、先ほど少し変わったということもおっしゃっていましたが、陸自が六一%、海自が一八・四%、空自が一九%でありまして、陸自に人員の六割が配分されています。  このリソースを国防上どういうふうに配分していくかというのは、確かに重要なことではあるんですけれども、海自の場合は、沖縄尖閣諸島周辺での警戒任務に加えて、今、北朝鮮の弾道ミサイル発射や、沖縄の宮古海峡を抜けて太平洋に出る中国軍艦などの警戒とか、北朝鮮の船舶が洋上で違法な物資を、瀬取りの問題がありまして、この監視任務が加わっていて、すごくやることがふえています。  安倍政権が掲げる自由で開かれたインド太平洋構想のもとに、海自の場合は、「いずも」もこれはできて、二〇一七年から南シナ海やインド洋で約二カ月間の長期訓練が定例化し始めているということでありまして、このように海自はここ数年で任務増に拍車がかかっているんですけれども、一方で、艦艇では定員割れが常態化しています。  きょうはちょっと時間がないので、本当は、ちっちゃな艦艇の、すごい省力化をして機能を一つにまとめて定員を半分にして、それも、一つの艦船でずっといるんじゃなくて、四つのチームで三つのクールで回していくとかというのも、いろいろやられているのは勉強させていただいているんですけれども、そういった中でやはりこうした事情が大きく影響していると思われるのが、イージス・アショアの問題なんです。  このイージス・アショアは陸自に任されるというふうになっていまして、これはやはり少し無理があるんじゃないかと思います。なぜならば、米軍でも海軍がイージス・アショアを運用しているんです。というのは、できないんです。海軍のノウハウと、これは専門性の一番高いところでありますので、アメリカですら海軍がやっていて、これはほかに任せない。  当然、米軍との連携が、何かあったときには、情報が上に上がってぱあっと広がってくる。そのときにもイージスのシステムをずっとやっているのは海上自衛隊でありますので、ノウハウを有しているのは海自だけなんです。なので、陸自はイージス・アショアのシステムを学び直さなければいけないという点からいえば、これはなかなかイージス・アショアを陸自が担当するという合理性は、専門性という意味ではここにはないんです。  ですので、これはなぜ陸自かということと、海自の定員に余裕がなく、陸自があるというふうに考えるというのはちょっと無理にくっつけ過ぎになってきますので、今言った問題は、きょうの質疑は、必要なものは必要でやっていただきたいんですが、必要じゃないところを無理にやっていくというのは問題なので、そのもとが、今も続く冷戦体制以降の定員配分が続いているということにもあると考えていますので、このことも踏まえて、どういうふうにこれから定員の問題、そして、全体を見て専門性の特化の問題、最適な人員配分の問題について最後にお伺いさせていただきたいと思います。
  20. 河野太郎

    河野国務大臣 陸海空、定員の見直しというのは、これはもう必要に応じてやっていかなければならないというのは、そのとおりだと思っております。  陸上自衛隊の方からは、例えば統合輸送能力を高めるための海上輸送部隊、これは共同の部隊ということにいたしますが、これに人員を陸自から拠出いたします。また、サイバー部隊、電磁波に関する部隊といったものも陸自から新編をすることになるわけでございますし、このイージス・アショアについても、限られた海上自衛隊の人員をしっかりと必要な艦艇に張りつけるという意味からも、もちろん、海自の知見を陸自にきちんと移すということは大前提でございますが、そういうことを実施するために行う。  それからもう一つは、首都直下地震あるいは南海トラフといった災害に対しても、これは災害派遣の要請があるわけでございまして、そうしたことを考えて今回の中期防についてはこのような人員配分ということにしておりますが、不断の見直しが必要であるということはそのとおりでございます。
  21. 篠原豪

    篠原(豪)委員 じゃ、最後に一言お話しして終わらせていただきますけれども、やはり、無人化だとかそれから省力化の問題というのはどんどんこれから進んでいくわけで、これは時代を見ても、中長期的にはいつか定数の抜本的な考え方の見直しというのは、これは与野党なく時代の背景でありますので、AIも出てくるし、いろいろな技術が上がってきますので、宇宙にも行くし。これは見直しをするところから、与野党関係なくちゃんとした議論をさせていただきたい。  それが我が国の将来のためにつながっていくということを私も信じていますので、また、きょうは時間ですけれども、終わらせていただきますが、引き続き議論をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。  ありがとうございました。
  22. 西銘恒三郎

    西銘委員長 次に、照屋寛徳君。
  23. 照屋寛徳

    ○照屋委員 社民党の照屋寛徳です。  最初に、本日議題の法案については、自衛官の待遇改善の観点から、社民党は賛成であります。  質問の冒頭に一言申し上げます。  去る十月三十一日、首里城が焼失いたしました。首里城は琉球王朝の王府であり、当時の政治、外交、文化の拠点であります。首里城は、まさにウチナーンチュの魂、マブイそのものです。河野大臣を始め、政府関係者、委員長及び各委員におかれましては、首里城再建のためにお力をかしてくださるようお願いを申し上げます。  そこで、河野大臣に尋ねます。  去る十月二十九日、極東最大の米空軍基地嘉手納で、過去最多となることし四回目のパラシュート降下訓練が、沖縄県や関係市町村の反対を押し切って強行されました。  今回の訓練について河野大臣は、十月二十九日の閣議後会見で、SACO合意違反かと記者から問われ、当然ですと答えておりますが、その認識で間違いございませんね。
  24. 河野太郎

    河野国務大臣 冒頭、委員からお話がございました首里城につきましては、私も訪ねたことがございまして、美しさ、よく認識をしておりまして、今度の焼失ということは本当に残念だと思います。  政府として、首里城の再建、しっかりやる、官房長官等からも答弁があったとおりでございますので、政府としてしっかり取り組んでまいりたいというふうに思っております。  先般の嘉手納で行われましたパラシュート降下訓練でございますが、SACOの最終報告は、基本的に伊江島補助飛行場でパラシュート降下訓練を行う、嘉手納飛行場はあくまでも例外的な場合に限ってのみ使用されるということが合意をされているわけでございます。  今回の米側の事前説明では、今回のパラシュート降下訓練が例外に当たると認識するのは極めて困難と考えておりまして、その認識に変わりはございません。
  25. 照屋寛徳

    ○照屋委員 パラシュート降下訓練については、SACO最終報告で嘉手納基地における訓練を伊江島補助飛行場で実施すると日米間で合意しているにもかかわらず、例外規定が設けられているとの理由で、再三再四、嘉手納基地でパラシュート降下訓練が強行され、嘉手納町民、周辺住民らが強い不安を抱いております。  かかる例外規定について、河野大臣は、ことし三月十二日の当委員会での私の質問に対し、外務大臣として、「この例外的な場合とは、定期的に行われるものではなく、小規模であって、なおかつ悪天候などの制約により伊江島補助飛行場で訓練を行えないもの、訓練を行う喫緊の必要がある場合、こうしたものを指すものと考えております。」と答弁し、「この例外的な場合を拡大解釈することは許されるべきではない」と明言しております。  河野大臣、今回十月二十九日のパラシュート降下訓練は、例外どころか、もはや嘉手納基地でのパラシュート降下訓練は常態化していると認識すべきではないでしょうか。見解をお聞きします。
  26. 河野太郎

    河野国務大臣 今委員からおっしゃられたとおり、例外的な場合とは、定期的に行われるものではなく、小規模のものであって、悪天候等の制約により伊江島補助飛行場で訓練を行えないもの、訓練を行う喫緊の必要がある場合、そうした場合を指すのだということを申し上げたわけでございまして、米側に対して、我々の、日本政府の例外というのはこういうことであるということを丁寧に説明をいたしました。  他方、米軍の即応性を維持するということは日米同盟の中で大変重要なことでございますので、例外が全くないかといえばそんなことはございませんが、この例外を拡大解釈し、例外だからといってたびたび行われるということはあってはならないというふうに思っております。  また、嘉手納飛行場でこうしたパラシュート降下訓練を行う場合には、当然に嘉手納飛行場を閉鎖しなければならず、これは米軍の運用にとっても決してプラスにはならないことから、米側としては、嘉手納での訓練を常態化するということは決して望ましいことではないというふうに思っております。  また、米側も、伊江島で訓練が行われるように大型船を手配し、多少波が荒くとも、しっかりと、万が一海に落ちたときに救助できるような態勢を整えつつありますので、ここは日米でしっかりと認識をすり合わせをし、本当に例外的な場合があれば、それはまず日本政府がこれは例外だということを地元にきちんと御説明ができるような、そんな態勢をとるように努力してまいりたいと思っております。
  27. 照屋寛徳

    ○照屋委員 防衛省政府参考人に尋ねます。  SACO合意に基づき伊江島飛行場で行われるべきパラシュート降下訓練に関し、二〇〇七年一月二十五日の日米合同委員会で、例外的な場合に限り嘉手納基地を使用することが追加合意されたと承知しております。  ところが、当該日米合同委員会で確認された例外規定を明記した合意文書は公表されず、報道発表にとどまっております。その理由は何でしょうか。そもそも、合意文書は存在するのでしょうか。公表できない理由とあわせて明確にお答えください。
  28. 河野太郎

    河野国務大臣 おっしゃいましたこの例外規定を定めた議事録が存在をいたします。文書で確認をしていることでございまして、この文書の公表に当たっては、日米が合意をするということが必要になっております。  外務大臣当時、私は外務省の中で、かつての合同委員会の議事録の中で公表して差し支えがないものは、これはやはりきちんと公表すべきである、だから問題のないものについては米側ときちんと合意をして順次公表していく必要があるというようなことを申し上げました。恐らく、そういうプロセスの中に今あるのではないかというふうに思っているところでございまして、米側が合意をすれば、この議事録も公表されるということでございます。  現時点で公表されていないのは、明確に日米が合意をしていないからということでございます。
  29. 照屋寛徳

    ○照屋委員 ことし三月十二日の当委員会における私の質問に対する河野大臣の御答弁に関しては、多くの嘉手納町民、県民が大変勇気づけられたんです。私は、議事録を嘉手納町長、議会関係者に送りました。本当に、私を含めてみんなが励まされ、ぜひ河野大臣の姿勢を貫いてほしいと思います。  そして、この合意文書については、もちろん速やかな公表を求めますけれども、文書がないということは、いわば日米間の口約束にすぎないのではないかと僕は思うんです。単なる口約束の例外規定に振り回される必要はございません。米軍に対し、即刻破棄を通告すべきであります。  何か大臣ありますか。
  30. 河野太郎

    河野国務大臣 これは口約束ではなくて、委員会の合意議事録という形で文書になっております。その文書を、米側と合意をした上で公表できるように努めていきたいというふうに思っております。
  31. 照屋寛徳

    ○照屋委員 大臣、去る十月二十九日のパラシュート降下訓練は、夕方から二十人以上の米兵がパラシュートで降下するという大規模なものでございました。しかも、その日、伊江島補助飛行場でもパラシュート降下訓練が行われ、米兵二人が基地フェンスを越えた民間地に落下しております。  そもそも、伊江島補助飛行場でパラシュート降下訓練が行われるならば、悪天候や喫緊の必要性などの例外規定が適用される嘉手納基地を使用して行う合理的な理由は見つかりません。  同じ日に伊江島と嘉手納基地の両方でパラシュート降下訓練が実施されるということは、例外的措置を定めた日米合意の本旨からしてあり得ない話だと考えますが、大臣の御認識はいかがでしょうか。
  32. 河野太郎

    河野国務大臣 伊江島と嘉手納と両方でパラシュート降下訓練が行われたということでございまして、今回は、米側から、なぜこれが例外に当たるかという米側の考え方の説明もないまま行われたというのは、これはやはり問題であると言わざるを得ないと思います。  日本側から米側に対して、こうしたことの問題提起をし、今後しっかり認識をすり合わせた上で、こうしたことをやっていこうという話をしたところでございますので、そこは政府としてきちんと対応できるようにやってまいりたいと思っております。
  33. 照屋寛徳

    ○照屋委員 伊江島はパラシュート降下訓練に適したところではございません。過密で過重な基地負担を強いられている沖縄に適地はございません。パラシュート降下訓練は県外に移転すべきではないでしょうか。  さて、河野大臣は、嘉手納基地におけるパラシュート降下訓練について、タイ・バンコクで今月中旬に開かれるASEAN拡大国防相会議の機会に、エスパー米国防長官に直談判する考えがあることを十月二十九日の記者会見で明らかにされました。  エスパー長官との面会は実現できそうでしょうか。バンコクで河野大臣はエスパー長官に、直接、例外措置の撤廃を申し入れる考えはありますでしょうか。
  34. 河野太郎

    河野国務大臣 諸般の事情が許せば、バンコクで行われるADMMプラスに出席をしたいと思っておりまして、その際、参加するさまざまな国の国防・防衛大臣とのバイの会談の調整をしたいと考えているところでございます。エスパー国防長官とも、長官がいらっしゃるようなら、バイの会談の調整をしたいというふうに思っております。  東アジアの安全保障環境が極めて厳しい中、在日米軍の即応性を維持するというのは極めて重要なことでございますが、その考えを共有した上で、やはり、在日米軍の即応性を維持し、あるいは安定的な駐留を実現するためには、地元の御理解というのが何よりも大事でございます。  そのために米側にもさまざま努力をしていただかなければならないところが多々あるわけでございまして、そうしたことについて国防長官と話をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  35. 照屋寛徳

    ○照屋委員 河野大臣は、去る十月三十一日に米インド太平洋軍のデービッドソン司令官と会談したようです。会談において、嘉手納基地のパラシュート訓練は例外の濫用だとの大臣指摘に、司令官の反応はどうだったでしょうか。
  36. 河野太郎

    河野国務大臣 デービッドソン・インド太平洋軍司令官がいらっしゃいましたので、同じように、こういう厳しい安全保障環境の中で、在日米軍の即応性の維持というのは非常に重要で、同盟国として日本としても、その維持に、強化にしっかりと協力はしていきたい、しかし、安定した在日米軍の駐留、そして同盟を維持強化するためには、地元の理解なしにはそうしたことはできないということを申し上げました。  私は、インド太平洋軍司令官はそうしたことをよく御理解をしていただいているというふうに考えておるところでございます。
  37. 照屋寛徳

    ○照屋委員 次に、環境省の政府参考人に尋ねます。  今や絶滅の危機に瀕するジュゴンを保護するのは、国の責務であります。  九月に沖縄防衛局が開いた環境監視等委員会で、辺野古新基地工事現場の周辺を含む沖縄本島周辺海域で確認されていたジュゴンについて、委員の一人から、絶滅してしまった可能性が高いとの発言があったようです。一方で、二〇〇〇年以降、八重山諸島や多良間島沖で、個体や死骸など計十一件のジュゴン情報が寄せられているとの報道があります。  環境省はこれらの情報を把握しておりますでしょうか。また、これまで環境省として、辺野古周辺海域や先島諸島海域でどのようなジュゴン調査を実施してきたのでしょうか。
  38. 白石隆夫

    白石政府参考人 お答え申し上げます。  御指摘の、沖縄のジュゴンの目撃情報でございますが、環境省におきましては、昨年度、過去の調査でジュゴンの目撃情報があった八重山諸島を対象にいたしまして、地元関係者に対して目撃情報のヒアリングを行ってございます。その結果、過去、西表島、波照間島及び多良間島における個体の目撃情報が収集されたところでございます。  その結果を踏まえまして、当省におきまして、今年度、さらなる目撃情報の収集を行うとともに、目撃情報のありました西表島、波照間島等の藻場を対象に、ジュゴンのはみ跡調査を実施する予定にしてございます。  引き続き、関係機関と連携しながら、ジュゴンの生息状況の把握等、保護対策の実施に努めてまいるところでございます。
  39. 照屋寛徳

    ○照屋委員 河野大臣に尋ねます。  ジュゴンは、我が国では沖縄だけに生息し、沖縄はジュゴンの生息域の北限だと言われております。ジュゴンは、国の天然記念物で絶滅危惧種であり、ウチナーンチュにとっては竜宮の神様でもあります。  沖縄防衛局が公開した環境監視等委員会の議事録によりますと、ジュゴン個体A、個体Cと呼ばれておった二頭が、辺野古新基地建設工事が始まった後に行方不明となっております。  河野大臣、個体Aや個体Cが別の海域に移動した可能性を含め、防衛省としてジュゴンの広域調査をすべきではありませんか。沖縄防衛局はなぜジュゴンの広域調査に否定的な考えを示しているのでしょうか。あわせて伺います。
  40. 河野太郎

    河野国務大臣 工事に用いる土砂運搬船などが航行している沖縄北部におきまして、航空機における調査ですとか水中録音装置を用いた鳴音の調査、あるいは海草の、藻場のはみ跡の調査などを実施しているところでございます。これまでも、環境監視等委員会の指導助言を踏まえて、それに加えて、航空機による追加調査を実施するなどしてきたところでございます。  今後の調査の実施方法につきましても、これまで同様に、環境監視等委員会の指導助言を踏まえながら、しっかりと行っていきたいというふうに考えているところでございます。
  41. 照屋寛徳

    ○照屋委員 大臣、沖縄防衛局は、個体A、個体Cの二頭のジュゴンが未確認になっている現状について、辺野古埋立工事による影響とは考えていないとの見解を示しております。沖縄県の環境審査会は、防衛局の見解を、科学的な根拠を欠いていると批判しております。  ジュゴンは、非常に音に敏感な動物であると言われております。この工事の影響がないと断定する科学的根拠を示さない限り、追加の事後調査や保全措置を講ずるべきではありませんでしょうか。
  42. 鈴木敦夫

    鈴木政府参考人 普天間飛行場代替施設の建設事業におきましては、事業者である沖縄防衛局が現在実施しているジュゴンの生息状況に係る調査につきましては、先ほど大臣からございましたように、航空機から目視によるジュゴンの生息状況調査、それから水中録音装置によるジュゴンの鳴音調査、そして潜水目視による海草藻場の利用状況、つまり、はみ跡の、この利用状況、こうしたものを実施しているところでございます。  こうしたものを、先ほども申し上げました環境監視等委員会、こちらの方に、専門家もいらっしゃるこうした場におきまして提供し、そうした議論の中で、嘉陽沖が主な生息域であるジュゴンA、それから、古宇利島から辺野古沖までを、間を行き来するなど広範囲で確認されていたジュゴンC、個体Cでございますが、が確認されていないことについては工事の影響ではないというふうに考えており、このことについては、先ほど申し上げた、専門家から成る環境監視等委員会におきまして指導助言を受けているというものでございます。
  43. 照屋寛徳

    ○照屋委員 次に、環境省の政府参考人に尋ねます。  ジュゴンの保護に関しては、環境省がこれは責任官庁である。ところが、僕からすると、あるいは多くの県民からすると、どうもジュゴンの保護に関して環境省は消極的ではないか、こういうふうに思わざるを得ません。  さて、環境省に尋ねますが、辺野古周辺海域では、二十平方キロメートルの範囲に、絶滅のおそれのある二百六十二種を含む五千三百種の海洋生物の生息が確認されております。このたび、米環境NGOから、辺野古、大浦湾一帯がホープスポットに認定されました。日本国内で初めてであります。  環境省は、かかる米環境NGOから辺野古周辺海域がホープスポットに認定された意義について、どのようにお考えでしょうか。
  44. 白石隆夫

    白石政府参考人 お答え申し上げます。  御指摘のホープスポットの認定でございますが、我々も報道及び間接的な情報で承知しておるところでございますが、本年の十月の下旬に、辺野古、大浦湾を含む海域が、その生物多様性やサンゴ礁の存在等が評価されて、米国の海洋学者のシルビア・アール博士が立ち上げたと言われていますNGOでございますミッションブルーというNGO団体によりまして、日本で初めてホープスポットというところに認定されたということは承知してございます。  当省といたしましては、NGO団体の個別の活動内容とか意義等に関してコメントすることは差し控えさせていただきたいと思っております。
  45. 照屋寛徳

    ○照屋委員 次に、防衛省政府参考人に尋ねます。  沖縄県が北谷町で整備を進める県道二十四号線バイパス道路工事で、測量調査のためのキャンプ桑江への立入りが米軍から拒否されております。県道二十四号線バイパス道路の建設は、町民、県民の利便性向上のほか、避難道路として防災の観点からも早期開通が望まれており、測量調査がおくれると大変な事態が招来されます。  なぜ基地内測量調査ができないのか。新聞報道によると、日米地位協定に付随する環境補足協定との兼ね合いもあるとの指摘もあります。明確にお答えください。
  46. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、沖縄県は、キャンプ桑江の返還後の跡地に県道二十四号線のバイパスを整備する計画でありまして、測量などの調査のためのキャンプ桑江への立入りを希望していると承知をしております。  一方で、このバイパスの整備区間の一部につきましては、返還予定のない米軍施設・区域、具体的に申し上げますとキャンプ瑞慶覧のアッパー・プラザ住宅地区、これが含まれていると承知をしております。このことから、現在、米側が沖縄県に対しまして整備計画についての説明を求めており、このため、沖縄県による立入りが認められていないというように承知をしているところでございます。  防衛省としては、沖縄県が米軍に説明を行うなどに際しまして、必要な協力を行ってまいりたいと考えております。
  47. 照屋寛徳

    ○照屋委員 防衛省、まさか防衛省として、この県道二十四号線バイパス道路工事に、その必要性を含めて、異議があるわけじゃないでしょう。もっと防衛省として迅速かつ適切な行政指導、これを米軍に求めていくと強い決意を示してもらわぬと私はいけないんじゃないかと思うんです。今ありましたように、この日米地位協定に付随する環境補足協定との関連、これを持ち出す米軍の言い分は全く理屈に合っておりません。  もう一度答えてください。
  48. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  今回の立入り申請は、環境補足協定に基づく申請ではなく、環境補足協定締結前から存在しております枠組みであります日米地位協定第三条に基づく申請であるというように認識をしているところでございます。  いずれにいたしましても、沖縄県側がこのバイパスの建設に必要性を見出しているということは我々も十分承知をしているところでございますので、今後とも必要な協力は行ってまいりたいと考えているところでございます。
  49. 照屋寛徳

    ○照屋委員 大臣、質問の締めくくりで要望を含めたお願いを申し上げますけれども、私は、嘉手納基地の直線距離でほぼ三キロぐらい離れた、うるま市の赤道というところに住んでいるんです。私の率直な感想としては、米極東最大の空軍基地嘉手納は今、機能強化が物すごいなと。パラシュート降下訓練だけではなくて、殺人的爆音と言われる、嘉手納基地から離発着する戦闘機によって暴露される爆音は物すごいんです。私がおうちで生活する限りにおいても、もういらいらする。そして、私より嘉手納基地に近い町民、あるいは軍用機の離発着のコースの真下に住む嘉手納町民や沖縄市民、うるま市民の多くは、この殺人的な爆音で苦しんでいる。これは、幾たびかの司法の場でも強く違法性が断罪をされております。  嘉手納基地には外来機も飛び交う、そして、日米間の騒音防止協定もアメリカは守らない、夜間も早朝からも爆音をまき散らしている。そういう実態をぜひ河野大臣には御理解をいただいて、この嘉手納基地周辺住民の苦しんでいる現状、これを打開していくために、これからも強い姿勢でアメリカに対して物申していただきたい。これが、沖縄県民が河野大臣に望んでいる率直な希望であるということを申し上げたいと思います。  何かありますか。
  50. 河野太郎

    河野国務大臣 防衛大臣として、日米同盟が非常に大事であると私は思っておりますが、そんな中でも、先ほどから繰り返しているように、地元の皆様の御理解というのが大前提である。そのためには、日本政府を代表してアメリカ側に言うべきところはしっかりと申し上げていきたい。そう思っております。
  51. 照屋寛徳

    ○照屋委員 終わります。
  52. 西銘恒三郎

    西銘委員長 次に、屋良朝博君。
  53. 屋良朝博

    ○屋良委員 よろしくお願いいたします。  自衛隊初任給のアップの効果についてどのように認識なさっているかについてまずお伺いしたいと思います。  昨今の充足率は九二から九三%だというふうに認識しておりますけれども、ただ、自衛官年齢構成を見てみると、平成元年には、十九歳、二十、二十一歳、それぞれ一万四千人を超えていた状況がありました。それが現在は、同じ年代の自衛官はほぼ半分、それ以下に減っており、それぞれ七千人にも届かないような現状が続いております。  どうもいびつな年齢構成になっているのではないかというふうに考えるわけですけれども、定年制のことなどさまざまな原因が考えられるかもしれません。今、状況を見てみますと、どうもその年齢がずんどうな感じになっているんです。そうすると、頭でっかちで足腰の弱いような自衛隊になっているのではないかというような、そんな危機感を感じざるを得ないわけでございます。  そこで、初任給のアップで精強性を担保していこうというようなお考えだと思いますけれども、そのインパクト、その効果についてどのように御認識なさっているのか、お願いします。
  54. 河野太郎

    河野国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、さまざま技術の要素というのが強くなってきている、あるいは国際化などへの対応もしなければいけないということから、かつてのようなピラミッド形の人員構成から、多少高い年齢の人員が必要になっているという現実はあると思いますが、それでも、委員おっしゃるように、ずんどう形というのは余り好ましいものではないというのも率直に認めなければいかぬというふうに思っております。  やはり若い士は、陸上自衛隊の普通科のような、必要とされているところにある程度優先的に配置をしていくというようなやりくりをしていかなければいかぬというふうに思っております。  そういう中で今回の初任給改善は、先ほども申し上げましたように、警察官、刑務官、皇宮護衛官などと比べても遜色のない状況をつくり出すことができるというふうに思っておりますので、今までより、若年層の、あるいは任期制の士の採用についてはプラスの効果があるというふうに思っております。  一足飛びにそれだけで全部の問題が改善できるとはとても思っておりませんので、採用のやり方をさまざま工夫をする、あるいは女性自衛官、戦闘機のパイロットも輩出いたしましたし、潜水艦に乗っていただくようにしております。女性の自衛官の活躍の場を更に広げていく、あるいは、初任給以外の待遇、処遇の改善、そうしたことも視野に入れながら考えてまいりたいというふうに思っております。
  55. 屋良朝博

    ○屋良委員 問題意識は共有できているかと思います。  さまざまな取組、ぜひいろいろ試してみて、しっかりとした自衛隊の組織を今後とも維持できるような御努力をしていただきたいと思いますが、しかし、現状は、少子高齢化などさまざま、職種の多様性もあり、なかなかそのリクルートが難しいような状況は多分変わらないだろうし、これからもっと厳しくなっていくかもしれません。  厚生労働省の人口動態統計によりますと、年間の出生数は、平成二十八年から三年間で百万人を下回って、本年には九十万人を割り込みそうな可能性が出てきておる。出生がどんどんどんどん減っていくような状況になっておりまして、自衛官候補生及び一般曹候補生採用者数の推移を見てみますと、平成三十年度までの十年間では平均約一万一千人ぐらい採用しているんです。  将来の人口推計を踏まえると、今後とも年間一万一千人程度採用を続けるには、近い将来では、ざっと単純計算してみて、同じ年の男性、四十五人のうち一人は自衛官に志願してもらう必要があるという状況が生まれます。  高校生のクラスに一人は自衛官に志願する人がいないとそれが達成できないという、どうも現実的じゃないような状況がもしかしたら生まれる可能性があって、このままでは、国の防衛どころか人材確保が行き詰まってしまって、組織防衛にもしかしたらつまずいてしまうような、そんな非常に大きな問題に直面していくのではないかなというふうに感じる次第でございます。  今、四十五人のうちの一人というふうに申しましたのは、例えば一年間の出生者数が九十万人としまして、そのうち今一〇%は女性自衛官採用しようというふうな方針だと聞いておりますので、それで、単純計算で割ってみるとそういうふうなことになるんです。  四十五人のうちの一人というと、これは非常に厳しい。僕の同級生で一学年に二人ぐらいですよ、今自衛隊で頑張っている人って。それを一クラスで一人というのがなかなか厳しいような状況があるんですけれども、僕は、これは本当に抜本的な対策を講じないと将来的に非常に危機的な状況を迎えてしまうんじゃないのかなというふうに考えておりますけれども、防衛省はどのような認識を有しておられるのか、お願いします。
  56. 河野太郎

    河野国務大臣 少子化が進む中で、また、こういう採用が非常に難しいという社会状況の中で、長期的に見ると、やはり御指摘は正しいんだろうというふうに思っております。  そういう中で、先ほど申し上げましたように、今まではどちらかというと男性中心でありましたが、女性の活躍の場をしっかりと広げていく、そういうことが大事だと思いますし、また、無人機のような、今まで人間がやっていたものをある程度、機械、ロボット、そうしたもので代替できるものは置きかえていく、そういう新しい技術を取り入れていく、あるいは、AIのようなものによる業務の支援、そうしたことも当然に視野に入れていかなければならないというふうに思っております。  できる限りきちんと採用ができるような努力はしていかなければならないと思いますが、構造的なことを考えれば、それだけではなかなか長期的に今の体制を維持するのは難しいというのは御指摘のとおりでございますので、採用その他を超えたところでもしっかりと対応ができるように、早目に準備を開始し、早目に準備をしていきたいというふうに考えております。
  57. 屋良朝博

    ○屋良委員 先ほど来、ほかの先生方が指摘されていらっしゃるように、自然災害の対応など、自衛隊のすべきこと、その任務というのは今後更に多様化し、しかも量的にふえていくだろうというふうなことが予想されておりますので、ぜひとも問題意識を共有して、自衛隊のあすをどうするのかということを議論していきたいなというふうに考えます。  自衛官と同じく、国が雇用主となっている駐留軍従業員、基地の中で働いている方々、彼らの労働条件についてちょっと議論させていただきたいんですけれども、実は、基地内で働いている従業員は、ことしの十月二十二日、天皇陛下の即位礼正殿の儀、この日に休みがとれなかったんです。  基地従業員は、北は青森三沢基地から東京の横田基地、神奈川、静岡、山口、長崎、そして沖縄など、十都道府県、約二万人ちょっといます。二万三千から二万六千ぐらいだというふうに言われておりますけれども、それは国が雇用主で、防衛大臣が雇用主であります。基地内の従業員は、日本国民がこぞって天皇の即位を祝うはずの祝日をとれなかった。  在日米軍がそれを拒否したということがあったというふうに聞いておりますが、経緯についてお伺いします。
  58. 河野太郎

    河野国務大臣 在日米軍の従業員の祝日に関しましては、日米間で労働条件等を取り決めた労務提供契約に基づいて、主として米国の祝日ということで定められているところでございます。  ことし限定の日本の祝日となります即位の日、五月一日、あるいは即位の礼正殿の儀が行われます十月二十二日ですか、ここは当初祝日というふうにはなっておりませんでした。防衛省として、米側に対しまして、在日米軍で勤務する従業員についても、天皇陛下の即位に関する我が国の祝日に特別な休暇が与えられるよう強く求めてきたところでございます。  その結果、まず五月一日が休暇として与えられたわけでございますが、この五月一日の管理休暇に関して従業員の中で平等な運用ができなかったということから、十月二十二日について再検討が米軍の中で行われ、管理休暇を付与することは適当ではないが、年休を取得することを奨励するということになったというふうに聞いているところでございます。  五月一日も米軍は動いていたということから、休暇を公平に与えることができなかったという反省からこういう決定がなされたということでございまして、そこは若干理解できなくもないところではあります。  今、基地内の従業員の祝日と日本の祝日と数日の差がございますので、なるべくこの差を埋められるように、今後、政府としても働きかけをしていきたいというふうに考えているところでございます。
  59. 屋良朝博

    ○屋良委員 私、その基地従業員から教えていただいた経緯では、ことしの二月に、五月一日、十月二十二日とも、両方休日とすることで合意を得ていたというふうに聞いております。  五月一日をお休みにしたときには公平性が確保できなかったのかというと、恐らくそうじゃないでしょう。ほかの日も、多分、日本の祝日、休みの日はありますので。  例えば警備とか消防とか、そういった穴をあけてはいけないような部門においては、日本の祝日なりを、あるいはアメリカの祝日なりを調整して、ローテーションで出るということは多分現場で対応しているというふうに思います。  そこで問題なのが、なぜ、国会で決めた国民の祝日に彼らは有給休暇を充てないといけなかったのかということなんですよ。しかも、一旦合意した後に、アメリカ側の判断でもって、私たち国会の立法をほとんど無視するような形で一方的に休日を返上させられたというふうな実態があったというふうに聞いておるんですけれども、それを公平性の確保有無でもって片づけられてしまっている現状というのが非常に問題だというふうに思います。先ほどのパラシュート訓練の例外規定とほぼ変わらない議論だというふうに思うんです。  基地の中で働いている人たちというのは、どうでしょう、私たちの日本国憲法が適用されていない人たちなのでしょうか。それとも、日本国憲法は当然彼らも適用されていて、アメリカもそれは遵守義務があるものであるのか。そういうふうなたてつけになっているのかいないのか。  そこを、基本的なものでございますので、どうかお答えください。
  60. 河野太郎

    河野国務大臣 もともと、在日米軍の中で働いている従業員の休日というのはアメリカの休日に沿った休日が与えられているわけでございますから、日本の祝日に休めないということはこれまでもあったわけでございまして、今回は、五月一日の状況を見た上でそういう判断があったという説明を受けたところでございます。
  61. 屋良朝博

    ○屋良委員 日本の休日で休める日も当然あるわけでございまして、日本の法律が彼らに適用されているか否か。もし、日本の休日を彼らがとれないというふうな状況が常態化、あるいはそれが当然だとされているのであれば、国民の祝日に関する法律というのがございます、それが全く無視されているというふうに理解されるんですけれども、どうでしょう。  アメリカの祝日は彼らはとることができる。しかし、それぞれ祝日というのは法律によって規定され、そして国民みんなでそれを祝う意味を持って休みにする。そして、家族とそういったその日の意味合いについてお話ししたり、レジャーに行ったりするわけですよ。  そういうふうな法律に基づいた休日が、なぜ、アメリカの休日は休めるのに日本の休日は休めないというような状態が今許されているのかということがここの焦点だと思います。ぜひ御答弁をお願いします。
  62. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  在日米軍の駐留軍労働者に対しましても休日などに関します日本の法律は適用されているところでございますが、今回の五月一日の休暇、十月二十二日の休暇につきましては、米軍の運用上の問題からこのような結果になったというように聞いているところでございます。  我々としては、駐留軍で働いていただいている方々にできるだけ御家族との時間を過ごせるように、通常、日本人と同じような暮らしができるような努力を継続してまいりたいと考えているところでございます。
  63. 屋良朝博

    ○屋良委員 十月二十二日は有給休暇を奨励していますよね、アメリカ軍は。有給休暇で処理してくださいというふうに言っているじゃないですか、広報で。出していますよね。何で、有給休暇を奨励するのに、国民の祝日を権利として認めてくれないんですか。  もう一度お願いします。
  64. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  有給休暇につきましては、個人の権利として認められているところであろうかと思います。個人に認められている有給休暇の枠内で可能な方はお休みをいただくというような運用がなされたというように承知をしているところでございます。
  65. 屋良朝博

    ○屋良委員 済みません、ちょっと議論のすりかえがあるような気がします。  有給休暇というのは日数が決められているわけですよ。その中で消化する、しないかというのは、これは労働者が決めることです。それを、有給休暇を国民の祝日に充てるということは、その労働者は自分の有給休暇を一つ使うということなんですよ。そこで日本の国内法が基本的に適用されているのであれば、彼らはその権利を行使すればいいだけの話じゃないですか。どうですか。  もう一度お願いします。
  66. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  駐留軍の労働者の方々は米軍で働いていただいている方々でございますので、あくまでも業務の都合上ということがあろうかと思います。  その中で、有給休暇を取得することが可能な方については当日取得をしていただいたというように承知をしているところでございます。
  67. 屋良朝博

    ○屋良委員 十月二十二日といえば、火曜日でしたよ、暦の上では。そうすると、月曜日に有給休暇をとれば、土、日、月、火と四連休とれたかもしれない。もしかしたらお父さんは子供たちに約束していたかもしれない。小旅行ならできたかもしれないじゃないですか。  それをアメリカ側が、これは八月でしょう、休日は返上しますと言ったのは。二月の交渉で日米間、合意しているわけですよ。五月一日も十月二十二日も休みとしましょうねというふうに合意しているじゃないですか。八月になって、それはやめますというふうな決定が一方的になされてしまった。これで本当に基地内で働いている人たちの権利というのは保障されるんでしょうか。これ、雇用主は防衛省ですよ。防衛大臣なんですよ。責任は大きいと思います。  しかも、全国、北は青森から南は沖縄まで、二万数千人が働いているんですよ。その人たちの権利が奪われてしまった。しかも、外国からあれほどたくさんの来賓が訪れて、そして天皇の即位をお祝いする、そんな、国民を挙げてお祝いする日ですよ。なのに、アメリカ側の人事担当のその責任者がだめだと言われたら権利を剥奪してもいいという道理はないじゃないですか。  もう一度お願いします。
  68. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  繰り返しになって恐縮でございますが、在日米軍従業員は、米軍の施設・区域内で米軍人等とともに米軍に係る業務を行っていることから、労務提供契約上、主として米国の祝日を採用しているところでございます。  委員指摘のとおり、国民を挙げてお祝いをする日に一律休暇がとれなかったということは非常に残念なことだったというように考えておりますけれども、業務の必要性の観点からは、今回の措置はやむを得ないものであったというように考えてございます。  いずれにいたしましても、防衛省といたしましては、十月二十二日にも休暇がとれるよう働きかけを行ってきたところでありますし、今回の祝日にかかわる問題も含めまして、在日米軍従業員の適正な労務管理に一層努めてまいりたいと考えているところでございます。
  69. 屋良朝博

    ○屋良委員 実は、私の父親も基地の中で働いていた基地従業員でした。小さいころから、ほかのところのお父さんは休みで、公園でキャッチボールしているのに、何でうちのところの父親は働いているのというふうに思って育ってきましたよ。それは絶対交渉の余地があるだろうし、これは日本なんですから。  基本的に地位協定では、日本の国内法をアメリカ軍も遵守するということになっているわけでしょう。地位協定十六条。それを何で日本側は、しかも、それは合意を得た事項ですよ。向こう側が一方的にやめたと言われて、そこで交渉が終わってしまうような、そんな対応で本当にいいんですか。そんな対応で二万数千人の人権を、権利を守ってあげられることというのはできるんでしょうか。  防衛省はもうちょっと対応をしっかり、これは合意事項なんだから、合意は守ってもらわないといけない。パラ訓の例外規定と同じような考え方ですよ。合意したんだから、これは。しかも、みんな楽しみにして、予定を立てていた家族があったかもしれないじゃないですか。そこのところをちょっとよく考えてほしいです。  防衛省は、在日米軍にその交渉の過程で、善処を求める要請あるいは要請文などをアメリカ側に直接手渡したなり提出したという事実はありますでしょうか。もしあったとしたら、その内容をかいつまんで教えてください。
  70. 中村吉利

    中村政府参考人 申しわけございません。今、手元にございませんので、若干お時間をいただきたいと思います。
  71. 屋良朝博

    ○屋良委員 今、文書はあるということですね。手元にはないけれども文書はありますよということですね。
  72. 西銘恒三郎

    西銘委員長 それも含めて調べたらいいんだ。
  73. 中村吉利

    中村政府参考人 細部は確認しておりますが、要請文書については発出をしております。
  74. 屋良朝博

    ○屋良委員 では委員長、後日提出を求めていただきたいと思います。よろしくお願いします。
  75. 西銘恒三郎

    西銘委員長 後刻、理事会で協議します。
  76. 屋良朝博

    ○屋良委員 先ほど来、日本の祝日はとれない、だけれどもアメリカの祝日はとれますというふうな御答弁なんですけれども、成人の日、建国記念日、春分、秋分の日、昭和の日、みどりの日、こどもの日、敬老の日、勤労感謝の日、天皇誕生日、全てとれません。ところが、マーチン・ルーサー・キング誕生日、ワシントン誕生日、コロンブスデー、ベテランズデー、ベテランズデーというのは退役軍人の日です。感謝祭、クリスマス、とれるんですよ。一体これはどこの国なんですか。こんな状態をずっと許しているということですよ。  僕が小さいころはまだ沖縄は復帰していないから、アメリカ軍の占領地だったからまあ仕方ねえかなというふうにも思っておりましたが、これが現在まで同じような状況がずっと続いている。しかも、国会で承認して、国民みんなでお祝いしましょうねといったその日に休めない人たちが二万人以上もいたというのが問題ですよ。しかも、現場担当者が、公平性が保てなかったからというだけの問題意識でその権利を奪ってしまった。  大臣、これはちょっと変えていく必要があるんじゃないでしょうか。お願いします。
  77. 河野太郎

    河野国務大臣 今、日本の休日数と在日米軍の中で働いている従業員の休日の数が違う、そこについてはしっかり是正をしていきたいと思っております。
  78. 屋良朝博

    ○屋良委員 日にちもそれは大事なんでしょうけれども、三日あるというふうに聞いております、日にちも大事だと思いますが、やはり、子供たちの休みの日にお父さんが休めない。これは家族で団らん保てないじゃないですか。しかも、日米安保が大事だとずっと皆さんおっしゃいますけれども、基地を運用して、基地を支えているその従業員がちゃんとした権利を保障されていないとなると、それは士気が下がりますよ。日本の法律で定められた祝日ぐらい、大臣、休ませてあげましょうよ。  そのような交渉をぜひやっていただきたいです。お願いします。お考えがありましたらお願いします。
  79. 河野太郎

    河野国務大臣 祝日の数の差について、政府として努力してまいりたいと思います。
  80. 屋良朝博

    ○屋良委員 もう一度、再度伺いますけれども、基地の中というのは、国内法は適用されるんでしょうか、されないんでしょうか。その休日は国内法によって定められている休日でございます。  もう一度お願いします。
  81. 河野太郎

    河野国務大臣 在日米軍の中の従業員の祝日は、日米間で労働条件等を取り決めた労務提供契約において定めているものでございます。
  82. 屋良朝博

    ○屋良委員 労務提供契約、それは、地位協定十二条五項、そこにかかわることだというふうに理解しておりますけれども、特段の合意を除く場合は国内法が適用されているというふうにちゃんと書かれています。これ、労働条件に関する地位協定の条項なんです。だから、特段の合意を除く以外のものは国内法が適用されるというふうにちゃんと規定されているんですよ。  それをちゃんと遵守してもらいましょうということだけの話じゃないですか。日にちを合わせるとかというそんな問題じゃなくて、彼らが日本国民であって、日本国民がお祝いをしようというふうに決めたお休みは彼らもちゃんと休めるようにしてあげよう。今、この二十一世紀のこの世の中ですよ。そんな理不尽がずっと続いていて本当にいいんでしょうか、この国。  どなたか済みません、ちょっとお答えいただけますか。
  83. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  駐留軍の従業員の方々にも日本の国内法は適用されているところでございますけれども、先ほど来御答弁申し上げておりますとおり、従業員の方々は、米軍の施設・区域内で米軍人等とともに米軍に係る業務を行っていることから、主として米国の祝日を採用しているところでございまして、日本の祝日にお休みいただけないということは、業務上の必要性の観点からやむを得ないところもあるのではないかというふうに考えているところでございます。  いずれにいたしましても、防衛省として、今回の祝日に係る問題も含めまして、適正な労務管理に一層努めてまいりたいと考えているところでございます。
  84. 屋良朝博

    ○屋良委員 願わくば、問題意識を共有していただきたいということです。  地位協定の条文上も彼らは国内法を適用されている。それは労働条件においてもそうです。ですよね。大前提として、地位協定十六条で日本国内法は基地の中に適用されるというふうにうたっているじゃないですか。それを伺っているわけですよ。  彼らの運用上ということは理解できないわけもないですけれども、今回の場合は既に合意された事項なんですよ。合意しておきながら、それを一方的にひっくり返した。しかも、ひっくり返した人たちは人事管理をする担当者ですよ。これ、おかしくないですか。  日本って、何で、こんなに国内法を簡単に覆されて、それでああそうですかって引き下がるの。おかしいでしょう。だって、五月一日には休みが行使されたわけですよ。そうでしょう。何で、十月二十二日のときに限ってだめだというふうに言われて、それでああそうですかというふうに引き下がるんですか。  ここは防衛省、ちょっと踏ん張りどころだと僕は思いますよ、今回の場合に限っては。一般論としては、おっしゃったのがずっと常態化してきたからそういうふうなお答えになるかもしれませんけれども、しかし、今回は違う。多くの、たくさんの国から来賓が訪れ、みんなでお祝いをしようというふうにしていたそのときですよ、天皇の即位のお祝いを。  そのときに二万人以上の人たちがアメリカ軍の運用によって、お父さんが子供たちに、ごめんね、休むはずだったけれどもできなくなっちゃったよとそんなことを言わせて、その基地の運営というのは、これは基地管理行政ですよ、基地提供行政ですよ。本当にそれでいいんでしょうか。  これを最後の質問にしたいので、お願いします。
  85. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  在日米軍従業員の方々と申しますのは大変重要な役割を担っていただいているということは、これは我々十分承知をしているところでございます。  今回の十月二十二日の件につきましては、国民こぞってお祝いをするべき日であるという認識から、米側と調整を行ったところでございます。  それが結果として一律休暇をとることができなかったということについては非常に残念なことであるというように考えているところでございまして、今回の祝日に係る問題も含めまして労務管理のあり方については、米側と継続的に協議をしてまいりたいと考えているところでございます。
  86. 屋良朝博

    ○屋良委員 ぜひとも頑張っていただきたいと思います。  先ほど河野大臣、パラシュート訓練の御答弁の中では、今回は例外との認識をするのは極めて困難であるというふうにとても力強い御答弁をいただきまして、私も心の中で拍手を送っていたものでございますが、しかし、今回の件について、どうですか、もう一度アメリカ側と正面切って話合いをする、労働者のために雇用主という立場で話合いを持つというようなお考えはあるのかどうか、教えてください。最後の質問です。
  87. 河野太郎

    河野国務大臣 先ほどから繰り返し申し上げているように、この祝日の数の差については、政府として努力していきたいと思います。
  88. 屋良朝博

    ○屋良委員 ありがとうございます。終わります。
  89. 西銘恒三郎

    西銘委員長 次に、赤嶺政賢君
  90. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。  法案については賛成であります。  先ほどのパラシュート降下訓練についてお伺いをいたします。  十月二十九日、米軍が嘉手納基地でパラシュート降下訓練を強行いたしました。ことしに入り、過去最多の四回目です。伊江島補助飛行場でも同日行って、翌日とあわせて、二日連続で提供区域外への降下を繰り返すという異常事態であります。  防衛大臣に伺いますが、在日米軍司令部は、嘉手納での訓練について、米国と日本政府の二国間協定に従って行われたとしています。  米軍のパラシュート降下訓練は、一九九六年のSACO最終報告で伊江島で実施することになっていますが、政府は二〇〇七年一月の日米合同委員会で、例外的な場合に嘉手納で実施することを容認いたしました。先ほどの照屋議員への答弁では、この合意は、合同委員会の議事録として日米間で確認したものだという御説明でした。  米軍のパラシュート降下訓練を伊江島で実施することとしたSACO合意の内容を変更するものであるにもかかわらず、正式な合意文書の形ではなく、議事録での確認としたのはなぜですか。
  91. 河野太郎

    河野国務大臣 議事録も正式な文書でございます。
  92. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 これはSACO合意を変更するという認識はありますよね。
  93. 河野太郎

    河野国務大臣 SACO合意が原則であるということに変わりはございません。
  94. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 原則が変更されているわけです。  大臣は、何が例外的な場合に当たるかについて、定期的に行われるものではなくて小規模なものであること、悪天候などの制約により伊江島補助飛行場で訓練を行えないこと、訓練を行う喫緊の必要があることなどの基準を示しております。  議事録にはそのことが明記されているのですか。
  95. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  議事録上は、累々申し上げておりますとおり、例外的に行われるとのみ書かれておりまして、先ほど委員指摘の要件につきましては、我々の認識を御答弁申し上げたというものでございます。
  96. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 日米間で大臣が認識していることを共有しているわけではない、合意議事録には例外の場合もある、このように書いているという、そういうことですか。
  97. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  合意議事録にはそういった要件は書かれておりませんが、日本側がそのような認識であるということは米側も承知をしているところでございます。
  98. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 合意議事録に書かれていないじゃないですか。日本側が例外措置とする大臣の答弁について、合意議事録も立派な文書だと言うけれども、そこに例外の定義も何もない。だから一方的にやられるわけですよ。それでこういうことが繰り返されているわけです。私は、危険な訓練の拡大という点でも、そのやり方においても、非常に問題のある合意だと思います。  米軍が日本政府の中止要請を無視して嘉手納での訓練を強行したのは、今回が初めてではありません。稲田大臣、小野寺大臣のときにも、例外的な場合には当たらないと中止を要請したにもかかわらず、米軍は訓練を強行いたしました。こんなことをいつまで許しておくのかという問題です。  二〇〇七年の日米合同委員会合意までは、日本政府は嘉手納での訓練を認めていなかったんです。例外を認めてしまったことが今の事態を招いているのではありませんか。  二〇〇七年の合同委員会での確認は、その後の経過も踏まえて撤回することを真剣に検討すべきだと思いますが、大臣いかがですか。
  99. 河野太郎

    河野国務大臣 昨今の東アジアにおける厳しい安全保障環境を考えれば、米軍の即応性の維持というのは日本の安全にとって極めて重要だと思っております。  今回の例外は、そうした米軍の即応性を維持するために真に必要な場合にのみ嘉手納飛行場で行われる、そういう合意でございまして、これを撤回する必要があるとは考えておりません。
  100. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 大臣がどんなに言葉を強めてそう言っても、アメリカはそのような認識はしていないわけですから、例外について。例外についての共有がないまま合同委員会の合意にある、結局そこを見直さない限り、撤回しない限り、これからも嘉手納では訓練が続いていくということになると思います。  地元自治体議会は、合同委員会で確認した例外的措置の撤廃、これを繰り返し求めています。この声に応えることを強く求めたいと思います。  重大なことは、伊江島でも基地負担が増大していることです。  そもそも、伊江村長が訓練を受け入れたとき、安全性の確保が条件でありました。ところが、提供区域外への人員、物資の落下は繰り返されています。その上、LHDデッキという強襲揚陸艦の甲板を模した着陸帯が建設され、米軍のF35やオスプレイによる訓練が激化をしています。  SACO合意の目的は、沖縄の基地負担の軽減にあるはずです。一部の地域に負担が集中し、従来以上の負担に苦しめられているのでは、SACO合意の趣旨に反します。  大臣は、伊江島で基地負担が増大していることについてどのように認識しておりますか。
  101. 河野太郎

    河野国務大臣 伊江島補助飛行場においては、SACO合意の最終報告に基づき米軍のパラシュート降下訓練が行われておりますが、その中で、パラシュート降下訓練中の隊員が提供施設・区域外に誤って降下する事案などが発生をしております。こうした事案の発生は、周辺住民の方々に不安を与えるものであり、あってはならないものと認識をしております。  米軍の運用に当たっては安全の確保が大前提であり、防衛省といたしましては、引き続き、米側に対し、安全管理に万全を期すよう求めてまいります。
  102. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 結局、パラシュート降下訓練が提供施設外に落ちてくる、畑が踏み荒らされるだけではないですよ。LHDデッキでのF35の訓練なんか、伊江島は負担が増す一方なんです。結局、読谷の補助飛行場で行われていたパラシュート降下訓練を伊江島に移したら解決ということではなくて、基地のたらい回しにすぎないわけです。やはり、たらい回しでは沖縄の基地問題は解決することはできないというのが、今回の嘉手納や伊江島での出来事が示しているのではないかと思います。  もうパラシュート降下訓練を沖縄でやってくれるな、こういう世論ですよ。海兵隊の撤退、米軍基地の抜本的な縮小、撤去を進めるべきだということを、このことも強く申し上げておきたいと思います。  中東への自衛隊派遣について質問をします。  官房長官は十月十八日の記者会見で、情報収集態勢の強化を目的とした艦船の新規派遣又は海賊対処部隊の活用を検討する方針を明らかにいたしました。  現在の中東情勢の緊迫化の契機となったのは、アメリカのトランプ大統領によるイラン核合意からの離脱であります。  外務副大臣に確認しますが、これまで日本政府は核合意を高く評価し、支持する立場を表明してきました。この立場、今も変わりありませんよね。
  103. 鈴木馨祐

    鈴木大臣 お答え申し上げます。  日本といたしましては、アメリカそしてイラン、双方とこれまで良好な関係を長年維持をしているところでありまして、日本としてしっかりと果たしていける役割をしっかりと模索をしていきたいというふうに考えております。
  104. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 何を答弁しているんですか。核合意の評価については変わりませんよね、このように聞いているわけですよ。
  105. 鈴木馨祐

    鈴木大臣 今申し上げましたように、日本としてしっかりと果たしていける役割を果たしていくということであります。
  106. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 日本の役割を聞いているんじゃないんです。核合意の評価について、今まで日本政府が繰り返してきたこと、これは変わりませんよねということを聞いているんですよ。ちゃんと質問の意味をわかっていますか。
  107. 鈴木馨祐

    鈴木大臣 日本といたしまして、国際不拡散体制の強化と中東の安定に資する核合意については支持をしております。
  108. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 こういうのを最初から答弁すればいいんですよ。時間の無駄ですよ、本当に。とんでもないことですよ。日本政府としてずっと言い続けてきたことを、何かそらそう、そらそうとするようなやり方、これは許せないですよ、答弁のあり方としても。  端的に伺いますけれども、これまで、日本政府としてアメリカ政府に核合意への復帰を求めたことはありますか。
  109. 長岡寛介

    ○長岡政府参考人 お答え申し上げます。  先ほど鈴木大臣が答弁しましたように、我が国は国際不拡散体制の強化と中東の安定に資する核合意を支持しており、アメリカによる核合意の離脱は残念だという立場でございます。  こうした核合意に関する我が国の立場については、これまで米国を含む関係国にも伝えており、米国との間でも、こうした立場を踏まえて意見交換を行ってきているところでございます。  以上です。
  110. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 日本の立場を伝えたかどうかということではなくて、私が聞いたのは、アメリカ政府に核合意への復帰を具体的に求めてきたのかどうかです。求めているのかいないのか、どちらですか。
  111. 長岡寛介

    ○長岡政府参考人 お答え申し上げます。  我が国の立場について、先ほど答弁をしたとおりでございますが、こうした立場を踏まえて、アメリカとはさまざまな意見交換を行ってきております。  しかしながら、外交上のやりとりでございますので、具体的な中身についての詳細は差し控えたいと思います。
  112. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 ことし九月の首脳会談の内容を見てみました。イランのロウハニ大統領に対しては、「安倍総理から、イランによる一連の核合意の履行停止措置について懸念を伝え、核合意を損なう措置を控えるよう強く求めました。」このようにしています。具体的であります。ところが、アメリカのトランプ大統領に対しては、「中東に平和と安定をもたらすため、米国と緊密に連携して対応したい旨述べました。」これだけであります。核合意のカの字も出てきません。  イランに自制を求めることは、これは当然でありますが、一番大事なことは、核合意から一方的に離脱し、情勢悪化の原因をつくったアメリカ政府に合意への復帰を求めることであります。政府はそれをやっていないのではありませんか、副大臣
  113. 鈴木馨祐

    鈴木大臣 先ほどからの御答弁の繰り返しになりますけれども、日本としては、先ほどから申し上げておりますように、核合意に対する立場というものは明確に申し上げたところでございますけれども、アメリカとの関係ということで申し上げれば、外相会談あるいは首脳会談においても、中東情勢とその緊張緩和に向けて率直な話合いをいたしましたというところでございまして、それ以上の詳細なやりとりについては控えさせていただきたいと思います。
  114. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 防衛大臣に伺いますが、今回、政府は、アメリカが提案する海洋安全保障イニシアチブには参加しないとしながら、その一方で、米国とは緊密に連携していく、このようにしています。官房長官は、自衛隊が収集した情報を米国と共有するかを問われて、緊密に連携していきたいと認めています。  自衛隊は、海賊対処行動の一環として、CTF151というアメリカ主導の多国籍軍に参加していますが、ここで行っているのは、収集した情報を米軍と共有することです。これと何が違うんですか。
  115. 河野太郎

    河野国務大臣 米国のイニシアチブに今のところ参加する予定はございません。  米国とどのような連携をしていくのか、今防衛省で検討しているところでございます。
  116. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 情報の共有というのは具体的にどういう活動なのか。不審な船舶や航空機の情報を有志連合の司令部に報告し、周辺海域に展開する米軍の艦船と共有する、さらにはデータリンクを用いて艦船同士でリアルタイムで共有する、そういうことであります。  自衛隊が実際にやることは、参加した場合の活動と変わらないではありませんか。情報共有だから有志連合に参加していないんだ、そういうことにならないんじゃないんですか、参加しなくてもやることは同じですから。いかがですか。
  117. 河野太郎

    河野国務大臣 先ほど申し上げましたように、どのような行動をとるか、どのように連携をするのか、今具体的に検討しているところでございます。
  118. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 重要なことは、こうした政府の方針をイラン政府がどのように受けとめているかです。  外務副大臣に伺いますが、政府が自衛隊派遣の検討をイラン政府に説明したのはいつですか。どのような反応がありましたか。
  119. 鈴木馨祐

    鈴木大臣 当然、外交当局間で平素より緊密に連携、意思疎通を行っているところでありますけれども、具体的な内容ということについては答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
  120. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 アメリカ主導の有志連合には参加しないが自衛隊は派遣する、こういう日本政府の方針がイラン政府にどのように受けとめられているのかというのは、政府が当然明らかにすべきことであります。  防衛大臣は、この間、派遣の検討について、バーレーンやアラブ首長国連邦、オマーンなどに説明をしております。イラン政府にはいつ説明を行い、どのような反応があったんですか。
  121. 河野太郎

    河野国務大臣 イラン政府に、イランの防衛大臣と電話会談をし、中東における情勢について意見交換を行いました。  外交儀礼として、先方がどのような発言をされたかということについて私から申し上げるのは差し控えます。
  122. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 大変危険な道に進もうとしているときに、政府は全く何も明らかにしていない。  イラン・イラク戦争のときに、日本の海運業界は労使ともに、米軍からあった護衛の申出を断ったんです、当時。船体に大きな日の丸を描いて、中立性を明確にすることで民間船舶の安全を確保したのであります。どちらか一方の側に軍事的に肩入れすることは絶対にやってはならないと思います。  政府がやるべきことは、欧州諸国と連携して、核合意の維持をアメリカ、イラン双方に働きかけることであります。政府が検討を進める中東への自衛隊派遣は、実質的に参加と変わらない、多国籍軍への軍事協力そのものだと思います。  憲法九条に違反し、中東地域の緊張を高める自衛隊派遣はやめるよう強く求め、質問を終わります。
  123. 西銘恒三郎

    西銘委員長 次に、下地幹郎君。
  124. 下地幹郎

    ○下地委員 質問をさせていただきます。  この前の委員会で私の方から河野外務大臣に対しても、事故に対する対応について御質問をさせていただきました。  事故の報告書をもってしか、送致をする海上保安庁がそれを根拠にしかできない、捜査のあり方が問題があるんじゃないかというようなことを私は言わせていただいたんですけれども、十一月三日の新聞に、二〇一六年四月の嘉手納基地の沖上空での空中給油機の事故が報告がなかったという記事が出ていたんですよね。  これは事実ですか、局長。
  125. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  御指摘の沖縄県沖での事故は、先般公表されました、昨年十二月の高知県沖での米軍機二機に関する空中接触墜落事故に関する事故調査報告書において、類似の状況下で発生した事故として初めて言及があったものでございます。  事故発生時には、日本側に通報はございませんでした。
  126. 下地幹郎

    ○下地委員 大臣、今お聞きのとおり、やはりこれは事故があっても通告がないというようなことなんですよ。  私は、この前の質問でも申し上げましたけれども、この通報がないとか検証ができないとかボイスレコーダーが聞けないとか残骸を見ることができないとかという、もう一回、できるような仕組みをぜひ、何度も申し上げますが、お願いをしたい。  それで、この記事の中に書いてありましたけれども、もしあれが通報がちゃんとあって、検証がもしあったならば、八カ月後に起こった名護市でのオスプレイの墜落の事故もこの高知沖での事故もなかった可能性がある、やはり事故のときの検証が最大の抑止力だというようなことを言っている。そのとおりだと思いますよ。そのとおりだと思います。  だから、ここは、この事故問題についてどうするかということを河野防衛大臣にはしっかりやってもらいたいということを改めて申し上げたいので、大臣の意気込みなど、ぜひお願いします。
  127. 河野太郎

    河野国務大臣 おっしゃるとおりで、やはり事故があったときにきちんと通報が行われ、検証が行われ、安全を確保するための必要な是正措置が行われるというのが、これが何よりも大切だと思います。  日米同盟を強くするためにも、地元の御理解というのが大前提でございまして、その地元の御理解を得るためには、やはりそういう対応がきちんととられるというのが必要だと思いますので、防衛省として、しっかりやるべきことはやってまいりたいというふうに考えております。
  128. 下地幹郎

    ○下地委員 一番これには地位協定を変えることが私はいいと思うんですけれども、そう簡単じゃないのはよくわかっていますから、合意議事録とかそういう中で、とにかく事故に関するもう一回あり方というのを日米で合意するということをぜひやってもらいたいということを私の方からも指摘をしておきたいと思います。  先ほど、パラシュート訓練の件がありましたが、そこでも一個だけお願いしたいんですけれども、このパラシュート降下訓練のときに、河野外務大臣のときに、伊江島が悪天候等で訓練が行えない場合にあっても、嘉手納飛行場ではない場所でそうしたものができないかということを追求する必要があると。伊江島で悪天候でできない、それを嘉手納飛行場以外となると、本土の基地でも訓練をできるというようなことを申し上げているんじゃないかと思うんですよね、これを見ると。  私は思うんですけれども、即応態勢を維持するための訓練を行う緊急の必要性のある場合とアメリカ側が言いますけれども、彼らはこのパラシュート降下訓練をやらないと、簡単に言うと、合格免許がないと戦地に行けないとか、合格免許がないと給料が上がらないとかという、そういう状況にはなっているんですよ。  だから、ずっと雨だ雨だといって定期的なパラシュート降下訓練をやらなければ、彼らにとっては軍人としての死活問題で、即応能力があっても、すぐにじゃどこかに行って戦地へ参戦しなさいと言っても、この合格通知を持っていない人を出せないんですよ。だから即応能力だと言っていると思うんですよ。だから、どうしてもやらなきゃいけないんですよ。という発想に米軍側からしたらなっている。  それを、いや、もうSACO合意で、伊江島はだめだと決まったら、彼らからすると、じゃもう嘉手納しかない。もう嘉手納しかないんですよ、彼らからすると。  それを、富士の演習場であったり日出生台の演習場であったり、広大な敷地のあるところで日本側が認めてやるというようなことをやれば、無理くり嘉手納でやらなくてもそれができる。また、それが沖縄の基地負担軽減にもなるというようなことにもなると思うので、彼らの立場、沖縄の立場を考えると、本土での訓練を前向きに検討するというようなことをお決めいただいた方が、両方にとっても、私は、SACOを守ることもできるし、彼らの即応能力を守ることができると思うんですけれども、大臣、いかがですかね、本土での訓練。
  129. 河野太郎

    河野国務大臣 こういう東アジアの安全保障状況でございますから、米軍の即応性の維持というのは、これは極めて重要だというふうに思っております。他方で、番たび例外だといって、嘉手納でパラシュートの降下訓練が行われるということは避けなければなりません。  そういうことから、少し日米間でしっかりと協議をして、必要な訓練がきちんと行われるために、それは日程の管理もあるでしょうし、どこでやるかというようなことの検討ということもあるでしょうし、さまざまなことを検討しながら、日米でこの即応性を維持しながら、地元の負担軽減をするためにどうしたらいいのか、しっかり検討してまいりたいと思います。
  130. 下地幹郎

    ○下地委員 大体いつごろまでに結論を出したいと思いますか、今言った答弁の。
  131. 河野太郎

    河野国務大臣 なるべく早くやりたいというふうに思っております。
  132. 下地幹郎

    ○下地委員 なるべく早くはどれぐらいの数字ですかね。まあそこまでは言いませんけれども、これだけ答弁しているんだから、本当に早くした方がいいと思いますよ、これは。  私は、この問題、いつまでも、伊江島がだめだから嘉手納でやったとか、こんなことをずっと繰り返していてもだめ。だから、どこかでルールをつくって、本土でもできる、そして向こうのルールを変えて、通知がなくても行けるようにするというようなことをやってもらいたいけれども、なかなかアメリカ軍というのはそう簡単なものじゃないと思うので、戦地というのは命がけの戦いなので、訓練をやらずに送るということは許されないというようなことを考えると、やはり本土での訓練かなというふうに改めて思いますので、ぜひそれを検討していただきたいというふうに思います。  それと、先ほどから話がありました自衛隊の中東派遣の問題についてちょっとお聞きしたいんですけれども、今度の海上自衛隊の中東への派遣は、防衛省の設置法の第四条第十八号の調査研究という項目がありますが、それで派遣をするというようなお考えですか。
  133. 河野太郎

    河野国務大臣 そういうことを含め、検討していきたいと思っております。
  134. 下地幹郎

    ○下地委員 一般的に多くの人たちが、これでまず派遣する以外、道はないんじゃないかと思っている方がいらっしゃるんですよね。しかし、これは、武器の使用は正当防衛や緊急避難に限られるといって、日本関係の船舶を武器を使用して護衛することも難しい。こういうふうな法律なんですよ。  だから、中東に出すということはできるけれども、海上自衛隊の人たちが職務を全うする、自分の命を守りながら全うするというのには、この防衛省設置法の第四条の第十八号の調査研究で出すというのはちょっと無理があるのではないかなと私は思うんです。  そしてもう一つ申し上げたいのは、ああいうふうな中東の状況ですから、さまざまな状況の変化があって、その変化に合わせて、自衛隊法の第八十二条の海上警備行動に発令を変えるというようなこともまたおっしゃる方もいるんです。  今言ったように、調査研究では無理、武器も使えない、だから自衛隊法の第八十二条の海上警備行動で行うということになるのではないかというけれども、それでも、閣議決定も必要だし、内閣総理大臣の承認も必要だから、緊迫した状況の中ですぐにこれが対応できるというのも、なかなかまたここも難しくて、自衛隊員の安全、安心、自信を持った仕事というのがここでもできないのではないかなというふうに思うんですよ。  また、この法律では、自国の船は守れるけれども、海外の船、自国の船以外の外国の船舶は守れないというようなことになっていますよね。  どうでしょうか、大臣。今のような、出さなければいけないという外交的な側面もありますが、出される方の海上自衛隊は、こういうふうに調査研究で出されて、大変になったら海上警備行動に変えられて、海上警備行動に変わっても外国の船舶は守れない、外国の船舶を目の前でテロの集団が襲ったりしても何もできないという状況をわかりながら海上自衛隊をまた中東に送るというのは、私は、なかなかこれは無理があるのではないかと思うんです。  本当にこれからこういう業務も我が国として必要なんだというようなことを憲法に照らし合わせてやっていくには、こういうふうな、その場その場の今の法律を使ったやり方ではなくて、こういう中東での想定はもうできるわけですから、それに合わせた、我が国らしい、もう一回新たな法案をつくって、自衛隊方々が向こうに行ってもそれ相応の役割や仕事ができるというような法案をつくるということが私は大事じゃないかなと思うんです。  そうしないと、どうもやはり私は、なかなか自衛隊員の方々が、憲法九条を変えてその誇りと自信を持たせるといっても、実態はこういうふうな法律でしか自衛隊を海外に出せないというのは、やはり問題があると思いませんか。
  135. 河野太郎

    河野国務大臣 委員の問題意識は、今お話を聞いてよくわかりました。  現時点で、我が国に関係する船舶が直ちに防護が必要であるという状況であるとは思っておりませんし、万が一自衛隊が派遣をされても、自衛隊が攻撃されるというような想定の状況でもないというふうに考えているところでございますが、今、そうした状況を含め、検討しているところでございます。
  136. 下地幹郎

    ○下地委員 今、防衛大臣は想定ないと言っているけれども、僕は想定あると思うんですよ。今の世の中、そんなものではないと思うんですよ。  だから、今、答弁上はそういうことしか言えないかもしれないけれども、世の中は、今、中東の状況はそういう状況じゃないので、やはりそこを、国際社会の中で役割を果たすというならば、我が国の法律のあり方も、もう一回真剣に考えながらやっていかなければいけない。これも改めて申し上げておきたいと思います。  最後になりますけれども、給与の改正法案は、我が党は反対です。絶対反対なんです、いつも。何で反対かといったら、やはりこれ、警察予備隊の創設時の警察に準じた給与体系になっているんです。  だから私たちは、この俸給のあり方とか、さまざまな、指定職の俸給の問題とかいろいろあるので、今の自衛隊に合わせた給与体系をつくるなら賛成しますと。本当は賛成したいんですよ。したいんだけれども……(発言する者あり)まあしたいんだけれども、やはり自衛隊の皆さんの大きな役割に見合うような自衛隊給与のあり方を独自につくってもらって、ぜひ私たちが賛成できるような状況をつくってもらいたい。  それとまた、人事院の勧告で、経済の状況の中の人事院勧告の基準をもってまた自衛隊の給与も決まるというんですよね。これもおかしくないですかと思うんです。  これね、外務大臣、外務大臣じゃない、ごめんごめん、あなたも外務大臣の印象が強過ぎる。防衛大臣、一回この給与のあり方も、さっきのやり方と一緒のように考えて、もっと自信を持って自衛隊員が仕事ができる体制をつくることをお願いして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  137. 西銘恒三郎

    西銘委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時三十二分散会