○石井苗子君
日本維新の会・
希望の党の石井苗子です。
会派を代表して、ただいま議題となりました
女性の
職業生活における
活躍の
推進に関する
法律等の一部を
改正する
法律案について
質問いたします。
男女雇用機会均等法が制定されたのは昭和六十年でした。そこから三十年掛けて、
我が国の
政策は
機会の平等から結果の平等まで進展し、平成二十七年に
女性活躍推進法が制定されたことによって、
女性活躍の
状況を
企業に公表させるところまで参りました。
しかしながら、昨年のダボス
会議で有名な
世界経済フォーラムが公表したジェンダーギャップ指数では、
日本の
女性活躍指数は百四十九か国中百十位だということです。ジェンダーギャップ指数とは、
男女の収入格差や管理職に就いている
男女の人数の差などが大きく影響して算出される指数です。平成の全ての時間を掛けて
女性の
社会進出のために
法律や
制度を整えてきたはずなのに、
日本は
世界的に見てなぜこのように低い評価にしかつながらないんでしょうか。
それは、諸外国に比べると、
日本政府の
女性活躍の
政策や
制度に強制力と即効性がないからです。
政策をつくっても、それが
企業の努力目標にしかなっていないようでは、
女性活躍も目に見える成果として表れてきません。
日本の
現状は、
能力のある
女性が自力で
社会的ポジションを獲得しているだけで、
政府の
政策の成果として
女性の
社会進出が進んでいるわけではないので、それが国際的なジェンダーギャップ指数の低さとなって表れているのではないでしょうか。
例えば、アメリカのカリフォルニア州は、二〇一九年中に
企業に一名以上の
女性取締役を置くこと、取締総数が五名以上の
企業では二名以上の
女性役員、そして総数六名以上の
企業では三名以上の
女性役員を二〇二一年末までには置くこととし、違反する
企業に罰則を科すという新法を昨年制定しています。アメリカは、こうした強制力と即効性をもって
民間企業にポジションを持った
女性の
活躍を義務付けています。
日本維新の会は、出産、育児によって
女性の就労率が下がるいわゆるM字カーブ現象の
解決策として、
女性雇用率を設定することを主張してまいりました。罰則
規定ではなく、
女性を多く
雇用した
企業に減税などの経済的インセンティブを与えることも提案しています。
しかしながら、現在の
日本政府が行っているインセンティブは、
女性活躍推進法にある、えるぼしマーク
認定です。これは、
行動計画を
策定し届出を行った
企業のうち実施
状況等が優良な
企業が申請して、えるぼし
認定を受けるという
制度です。平成三十年現在までで七百七十五社が
認定されて、六五%がえるぼしマーク三という高いマークを取得しています。
さすがにマークだけでは効果は期待できませんので、
政府は、えるぼし
企業に対して公共調達で加点することとしています。しかしながら、このような特典も、公共調達に参加しない
企業にとっては何のインセンティブにもなりません。
厚生
労働省は、今回の
改正で、更なる上級えるぼし
認定としてプラチナえるぼしというものを制定しました。こちらは更なるえるぼしマークということになります。ランクアップということです。
厚生
労働省が行っている同じような
認定マークに、くるみんマーク
認定というのがあります。こちら、
仕事と子育ての
両立に熱心な
企業に与えるもので、広告代理店電通も、平成十九年、二十五年、二十七年と三回取得していますが、平成二十八年にくるみん
認定辞退を申し出て、厚生
労働省はそれを
承認しています。辞退と
承認は、将来に向かって
認定の効力が失効するだけで、失効までの期間は有効であったということです。
強制的に
女性を登用させ罰則を設けている諸外国に比べて、このように
日本政府の
女性活躍政策は生ぬるいものなのです。したがって、国際的評価につながっていきません。
こうした
状況を踏まえ、発想の転換と
政策立案のパラダイムシフトを期待して、以下五点を厚生
労働大臣に
質問いたします。簡潔にお答えください。
世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数における
日本の順位の低さについて、
厚労大臣はどのように思われますでしょうか。
電通をくるみん
認定した際の決定過程に過誤があったとお考えでしょうか。あったとすれば、どのような過誤だったのか、教えてください。
労働政策を所管する厚生
労働省が
認定するということは、
認定企業への就職を考える
人たちを含め、大きな影響があると思います。厚生
労働省として
社会的責任を感じておられますでしょうか、お答えください。
さらに、くるみんマークの教訓は、えるぼしマーク
認定過程にどう生かされているのでしょうか。
最後に、厚生
労働省が設けているこの種の
認定マークですが、どれだけ世間は信用しているとお考えでしょうか。
次に、
女性活躍推進法の
改正内容について、
労働大臣に
質問いたします。
まず、今回の
改正で新たに設けるプラチナえるぼしですが、プラチナえるぼし
企業に限って
行動計画の
策定義務を免除されるという特典が付いています。この根拠はどこにあるのか、お答えください。
次に、えるぼし
認定マークを与えるインセンティブについて、その効果を検証されましたでしょうか。検証した結果、効果が認められたからプラチナえるぼしを設けるというのであれば、その効果とはどういうものでしょうか。できれば指数的あるいは統計的に説明してください。
最後に、アメリカのカリフォルニア州の例にありますように、
女性役員の配置を義務付け、違反に罰則
規定を設けるなど、即効性や
実効性のある手段を
導入する
検討を
政府はされているでしょうか。なぜ、こうした強制力のある手段を探らないのか、教えてください。
次に、セクシュアル
ハラスメントについて、人事院規則では、「他の者を不快にさせる
職場における性的な
言動及び職員が他の職員を不快にさせる
職場外における性的な
言動」とされています。
しかしながら、
政府は、現行
法令において
セクハラ罪という罪は存在しない、
セクハラに該当する
行為には多様なものがあり、これらの
行為をセクシュアル
ハラスメントとして処罰する旨を
規定した刑罰や
法令は存在しないと閣議決定をしています。
セクハラ罪がないという大臣
発言もございましたように、刑罰や
法令に該当しない、罰せられないという安心感が存在する限り、世の中から
セクハラ行為はなくならないと考えます。
労働大臣に二点お聞きします。
セクハラ行為は、どのようなレベルに達すれば処罰の段階に至るのか、明確に定義付ける
検討はされているのでしょうか。
検討されているなら、どのような
内容か、お答えください。
加えて、将来的に
セクハラ防止のための更なる
措置をとることも現段階で
検討しているのかどうか、お答えください。
日本維新の会は、
ハラスメントを含めた
労働行政全般を
強化するために、
労働基準監督業務の民間委託を進めるべきであると考えています。そのことを改めて主張いたしまして、
質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(
拍手)
〔
国務大臣根本匠君
登壇、
拍手〕