○田村智子君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました
子ども・
子育て支援法一部改正法案について、
総理に質問いたします。
法案
審議の前提としてお聞きします。
櫻田大臣、
塚田国交副
大臣の相次ぐ
辞任について、
総理はどのような
責任を取るおつもりなのでしょうか。
櫻田大臣は、五輪担当
大臣でありながら五輪憲章を読んだことはない、サイバーセキュリティー担当
大臣でありながらパソコンを使ったことはないなど開き直り、まともな
答弁ができない場面が繰り返されました。
大臣としての
資質、資格を著しく欠いていたことは、就任直後から誰の目にも明らかでした。
しかし、
安倍総理は、適材適所と評価し、
職務を果たしてもらいたいとかばい続けたのです。その中で、重篤な病に直面した五輪出場選手への心ない
発言、
被災地を傷つける
発言まで繰り返されてしまいました。
辞任は余りにも遅きに失したと言わなければなりません。
総理、これでも
大臣として適任だったのですか。御自身の
任命責任をどう
考えておられるのですか。
下関北九州道路構想をめぐり、安倍首相や
麻生副
総理が言えないから私が
そんたくしたと
発言した
塚田副
大臣についても、
総理は、四月四日の本院
決算委員会で、
職責を果たしてもらいたいとかばいました。
ところが、仁比聡平
議員が、
安倍総理が関門会の一員として、この道路の早期実現を
国土交通大臣に要望していたこと、また、官邸で吉田幹事長らと会談し、早期実現に向けた活動にしっかり取り組むようにと話をされたことを追及し、これがマスコミでも大きく取り上げられると、翌日、突如、副
大臣辞任となったのです。これは、
辞任で終わらせるわけにはいきません。
総理は、
決算委員会で、
総理であり要望する立場にないと
答弁された。ならば、なぜ御自身の名前が使われた要望書が提出されたのですか。そのことが
国土交通省の判断に
影響を与えたのではありませんか。
総理の指示でこれらを
調査すべきではないのか、併せてお答えください。
それでは、
子育て支援について質問を行います。
子育ての不安を取り除く、お母さん、大丈夫だよなど、
保護者に寄り添う、
子供たちの豊かな育ちを保障する、私が二十年以上前から政治に求めてきた
子育て支援です。
保護者の皆さんや
保育、
教育の現場の方々から、幾度となく要望や意見もお聞きしてきました。
その
経験から、二〇一七年総
選挙で、
安倍総理が突然、少子化という国難に立ち向かうため、三歳から五歳の全ての
子供の
幼児教育を無償とすると掲げたことに大きな違和感を抱かざるを得ませんでした。民主党
政権が
児童手当
支給の拡充と高校授業料
無償化を所得制限なく行ったことに対し、ばらまき、自助の
考え方が欠如していると猛反対したのが自民党だったからです。
総理は、年々進行する少子化を目の当たりにして心を入れ替え、
子育て支援は社会全体で行われるべきという立場に立たれたということなのか、お答えください。
子育て支援、
少子化対策として、毎年、国会にも請願署名として寄せられる切実な要求は多々あります。その一つは、
子供医療費無料化を国の制度とすることです。全国の全ての
自治体が何らかの
子供への医療費助成を行い、全国市長会も国の制度とすることを提言しています。全ての
子供の命と健康を国の
責任で守るために、国の制度として、所得制限なく、
子供の医療費無料化に踏み出すべきではありませんか。
教育費負担が少子化の要因であることは明らかです。
子供が社会人となるまでに
教育費が幾ら掛かるのかという不安が、
希望する
子供の人数と実際に出産した人数の乖離を生んでいるという
指摘は、二十年以上前から行われています。
子供の貧困
対策として、低所得世帯への授業料
無償化を行うだけでなく、大学、専門学校の授業料そのものの大幅値下げを進めるべきではありませんか。
少子化を国難と位置付ける
内閣として、今後、これらの
課題に真っ正面から取り組むのかどうか、
答弁を求めます。
総理は、衆議院本
会議の法案
審議で、三歳から五歳までの全ての
子供たちの
幼児教育、
保育を一気に
無償化することとしました、小学校、中学校九年間の普通
教育無償化以来、実に七十年ぶりの大改革でありますと
答弁しています。
しかし、法案には、所得制限なく
幼児教育を無償とすると書かれていません。改正案第二条に、「
子ども・
子育て支援給付その他の
子ども・
子育て支援の
内容及び水準は、」「
子どもの
保護者の
経済的負担の
軽減について適切に配慮されたものでなければならない。」とあるだけです。
民主党
政権の高校授業料
無償化法では、授業料を徴収しないと明記されました。なぜ同じように、無償とする、あるいは
費用を徴収しないと
規定しないのでしょうか。
負担軽減の配慮では、時の
内閣の
政策判断、国の財政事情等で
無償化でなくなることがあり得ると
考えますが、
総理の
答弁を求めます。
結局、
幼児教育無償化は、
子ども・
子育て支援給付の
支給額を政令にどう定めるかに委ねられますが、これは
認可施設に通う
子供に限定されます。そのため、無
認可施設を
対象とした
施設利用給付制度を創設することが本法案の主な
内容となっています。
認可施設への入所を
希望しても入れない
子供が多数いる下で、無
認可施設についても
費用負担軽減を行うことは必要ですが、このことにより、無
認可施設を
政府の
保育施策の柱としていくことにはならないのでしょうか、確認いたします。
また、無
認可施設の指導
基準すら満たしていない
施設でも五年間
施設利用給付の
対象とすることには大きな危惧を抱かざるを得ません。これは、
保育士が一人もいない
施設も給付
対象となり得ます。劣悪な
施設までもが
無償化対象という国のお墨付きと公費を得て経営を続けることがあってはなりません。無
認可施設での
保育の質をどう担保するのか、お答えください。
私自身は
子供二人をゼロから二歳児まで無認可
保育園に預けましたが、園庭もあり、ベテランの
保育士さんが
子供と親にしっかり寄り添ってくれました。無認可イコール
保育の質が低いとは
経験上も
考えていません。しかし、多くの無
認可施設は、ビルの一室で、外遊びにも苦慮していることは明らかです。企業主導型
保育を導入したことにより、もうけを目的とした事業者が参入していることも看過できません。また、無
認可施設では、本法案による
費用負担軽減の
措置がとられても、
無償化にはならないでしょう。
総理、
保護者の要求、
保育の質の
確保のために、また、全ての三から五歳児の
保育、
教育を無償と言うのなら、企業主導型などではなく、認可
保育所の増設で
待機児童対策を進めると明言すべきではありませんか。
私は、
子供に対する給付や
支援策は、家庭の
状況にかかわらずひとしく行われるべきであると
考えています。だからこそ、そのための
費用は所得の再分配によって賄われるべきです。ところが、
総理は、消費税増税分の使い道を出発点に
幼児教育無償化を打ち出しました。なぜ財源は消費税に限定されるのでしょうか。
子供はすぐに靴や服が小さくなります。成長とともに食費もかさみます。若い
世代の収入を
考えても、
子育て世帯の消費税の負担感はとても重いことは明らかです。消費税増税は
子育て支援に逆行するとは思わないのでしょうか。
私たち日本共産党は、繰り返し、大企業、大富豪に応分の負担をと求めています。この真っ当な道で
子育て支援を進める決意を述べ、質問を終わります。(
拍手)
〔
内閣総理大臣安倍晋三君
登壇、
拍手〕