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2019-05-29 第198回国会 参議院 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和元年五月二十九日(水曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  五月二十八日     辞任         補欠選任      衛藤 晟一君     松川 るい君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         山谷えり子君     理 事                 北村 経夫君                 山田 俊男君                 有田 芳生君                 大野 元裕君     委 員                 青山 繁晴君                 赤池 誠章君                 井上 義行君                 小川 克巳君                 島村  大君                 藤末 健三君                 松川 るい君                 白  眞勲君                 柳田  稔君                 宮崎  勝君                 横山 信一君                 高木かおり君                 武田 良介君                薬師寺みちよ君    国務大臣        外務大臣     河野 太郎君        国務大臣     菅  義偉君    事務局側        常任委員会専門        員        神田  茂君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       岡本  宰君        外務大臣官房審        議官       大鷹 正人君        外務省総合外交        政策局軍縮不拡        散・科学部長   吉田 朋之君        外務省アジア大        洋州局長     金杉 憲治君        海上保安庁次長  一見 勝之君        防衛省防衛政策        局次長      石川  武君        防衛省地方協力        局長       中村 吉利君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に  関する調査  (北朝鮮ミサイル発射に関する件)  (拉致問題解決に向けた国際的連携に関する件  )  (日朝交渉に関する件)  (国連における北朝鮮人権状況決議に関する件  )  (朝鮮半島の非核化に関する件)  (拉致問題の啓発・広報に関する件)     ─────────────
  2. 山谷えり子

    委員長山谷えり子君) ただいまから北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、衛藤晟一君が委員を辞任され、その補欠として松川るい君が選任されました。     ─────────────
  3. 山谷えり子

    委員長山谷えり子君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官岡本宰君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 山谷えり子

    委員長山谷えり子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 山谷えり子

    委員長山谷えり子君) 北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 北村経夫

    北村経夫君 自由民主党北村経夫でございます。今日は、河野外務大臣菅官房長官拉致問題担当大臣にお時間をいただきまして、ありがとうございました。  昨日、また痛ましい事件が起こりました。川崎登戸で起きたわけでありますけれども、小学六年生の児童、そして外務省の職員、ミャンマー専門家であると聞いておりますけれども、お二人が尊い命をなくされたわけでございます。心から御冥福をお祈りするとともに、けがをされた児童もいます、心からまたお見舞いを申し上げる次第でございます。  やはり、こうした事件が繰り返される昨今でございますけれども子供の命を守る、登下校時の安全確保といった防犯体制、しっかりと講じていかなければならないと思っているわけであります。そして、事件に遭遇した子供たちの痛んだ心、心のケアというものもしていかなければならない、そのように思っているわけでございます。政府もどうかその意味でしっかりと取り組んでいただきたい、そのことを申し上げて、質問に入らせていただきます。  令和になって初めて国賓としてアメリカトランプ大統領が来日されました。両大臣も無事帰国されてほっとしておられるのではないかと思うわけでありますけれども、今回のトランプ大統領訪日、私は、天皇陛下の会見安倍総理との首脳会談等日米関係日米同盟関係を深化する上で大変有意義であった、すばらしい訪日であったというふうに思っているわけであります。  とりわけ、拉致問題については、拉致被害者との面会の際、トランプ大統領は、拉致被害者帰国させるために全面協力するというふうに約束されたわけであります。大変これは大きな成果だったと思います。そして、今後、日朝首脳会談、その実現に向けてアメリカ側の力強い連携が得られるということになったことは大きな前進であるんだろうというふうに思っております。  その上で、河野大臣質問いたしますけれども、昨今の北朝鮮の動向についてでございます。  北朝鮮は、今年の春から不穏な動きを見せております。四月には飛翔体を数発撃ち、そして五月九日には短距離弾道ミサイル発射したわけであります。この弾道ミサイルは、長短限らず明らかに国連安保理決議に違反しているところでありまして、このことは私どもは無視はできないわけであります。  トランプ大統領は、この来日の際の会見で、気にしないというふうに述べておられました。これは、短距離であるがゆえにアメリカには届かないからいいのではないかと、まあいろんな見方あると思いますけれども、しかし、我が国については、既に脅威を超えた発射であったわけでございます。無視するわけにいかないわけであります。  そして、この北朝鮮動きというのは、金正恩朝鮮労働党委員長国内体制の引締めを狙ったものであるとか、あるいアメリカを牽制したものであるとか、いろんな見方があるわけでありますけれども政府としては軍事的な意図も含めましてどのように分析しているのか、まず河野外務大臣に伺いたい。
  7. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 五月九日の短距離弾道ミサイル発射は、これは明確な安保理決議違反でございまして、これはもう日米政府一致をして見ております。北朝鮮非核化を進めていくためには、これまでどおり国際社会としっかりと連携をして安保理決議を完全に履行していく、それを進めていこうということでも日米で完全に一致しているところでございます。  北朝鮮がいかなる意図を持ってこうした発射をしたかというのはなかなか我が国としてお答えをする立場ではございませんけれども、あえて申し上げれば、北朝鮮内における体制への求心力を高めるため、あるいアメリカを揺さぶるため、いろんな見方専門家の間でもなされているということは承知をしております。
  8. 北村経夫

    北村経夫君 私は、拉致問題の解決、そして北の非核化に向けて、あらゆるチャンスを逃さず、臨機応変、積極果敢、不退転の決意で臨むべきと考えております。  同時に、こうした国連決議違反に関しては厳しい態度で臨む。北朝鮮は、いつも一方的に緊張感を高めまして譲歩を引き出すという、まあ瀬戸際外交、弱者の恫喝ともいうべきそういう外交を展開しているわけでありますけれども、もうそういうことは通用しないんだということを北朝鮮に分からせること、これが問題解決に向けて確実に進むべき道だというふうに私は確信しているわけであります。  その上で、拉致問題について伺います。  一昨日、トランプ大統領、先ほども申しましたけれども拉致被害者家族皆様との面会の中で支持を表明されたわけでありますけれども、その前の最初の面会においても拉致問題に深い理解を示しておられます。その上で、安倍総理と力を合わせて母国に戻れるよう尽力したいと約束されました。そして、その言葉どおり、二月に行われました米朝首脳会談の席で、金委員長に対しまして、拉致問題への取組について顕著な進展を見せていないと、そのように強く迫ったわけであります。これに対して金委員長は、日朝間の懸案として拉致問題が存在しているということを認めました。そして、安倍総理と会うこともやぶさかでないと、そのように答えたというふうに言われているわけでございます。  そして、その後、先ほど申しました四月、五月、いろんな動き北朝鮮は見せたわけでありますけれども、そして五月に菅大臣訪米されました。私は、この拉致問題、そしてミサイルを撃った後の訪米というのはベストタイミングだったというふうに思っているわけでございます。  菅長官は、ペンス大統領ポンペオ国務長官、そしてシンポジウム等に参加されたわけでございますけれども、その成果について改めて菅大臣からお伺いいたします。
  9. 菅義偉

    国務大臣菅義偉君) 今お話にありましたように、私自身、先般訪米をいたしまして、ペンス大統領ポンペオ国務長官、さらにシャナハン国防長官代行会談をし、拉致問題の早期解決に向けて協力を要請し、引き続き緊密に連携しながら対応する、そういうことを確認をいたしました。また、ニューヨークの国連本部における拉致問題のシンポジウムにおいては、まさに拉致被害者家族の方も参加をされまして、家族の切実な生の声というものを国際社会に訴えていただくとともに、拉致問題の一刻も早い解決国際社会全体の問題として取り組んでいただけるように協力、そして理解を呼びかけてまいりました。  また、今回の日米首脳会談におきましては、最新の北朝鮮情勢を踏まえて、十分な時間を掛けて方針の綿密なすり合わせを行いました。トランプ大統領御夫妻には、一昨年に続き、改めて拉致被害者の御家族面会をしていただき、御家族皆さんを励ましていただき、そして勇気付けていただきました。総理からは、総理自身金委員長と直接向き合わなければならないとの決意を述べ、条件付けずに委員長に会って率直に虚心坦懐に話をしたい旨述べたことに対して、トランプ大統領からは、全面的に支持する、あらゆる支援を惜しまない等の力強い支持を得ることができたというふうに思っています。  御家族皆さんも御高齢になる中において、一日も早い解決に向け、引き続き日米緊密に連携をしながら、あらゆるチャンスを逃すことなく全力で取り組んでいきたい、このように思っています。
  10. 北村経夫

    北村経夫君 ありがとうございました。  本委員会、参議院の拉致問題特別委員会というのは平成十六年に設置されました。北朝鮮は、平成十四年に拉致問題を認め、そして五人の拉致被害者実現ができたわけでありますけれども、あれから十七年がたとうとしております。しかし、あの五人の方が帰国されて以降、一人も拉致被害者の方の帰国実現していないわけであります。  そうした中で、今大臣が言われましたけれども安倍総理は無条件で会うと、条件を付けずに金委員長と会ってもいいということを述べられたわけであります。これは、トランプ大統領は全面的に支持すると言われました。国内世論調査を見ますと、こうした総理決意を評価するが評価しないを大きく上回っているので、国民皆さんもそうした総理決意に対して一定の理解を示しているんだというふうに理解しているわけであります。  しかし一方で、この条件を付けずに会うということは、これまでの方針北朝鮮政策を変えたのではないか、あるい拉致が置き去りになるのではないかといった懸念も実際被害者家族関係者皆さんから聞こえてくるわけでございますけれども、改めて菅大臣に対して、この政府意図というものを御説明いただきたいと思います。
  11. 菅義偉

    国務大臣菅義偉君) 安倍総理は、北朝鮮の核、ミサイル、そして何より重要な拉致問題解決に向けて、相互不信の殻を破り、次は自分自身金委員長と向き合うとの決意を述べておりました。条件付けずに会うということは、そのことをより明確な形で表現をした、このように思っています。
  12. 北村経夫

    北村経夫君 しっかりと基本方針を守るように取り組んでいただきたいと思っております。  私は、北朝鮮において重要な決断をできるのは金正恩委員長であると、そのことからすれば、金委員長と向き合って、日本考えを率直に伝える、そして問題解決を迫っていくということはあり得るものだというふうに思っております。  その上で、最後になりますけれども外務大臣にお伺いいたします。  六月に大阪でG20が行われます。このG20の自国開催というのは大変大きな機会であるわけでありまして、こうした首脳会談るい閣僚会議等いろいろマルチの場があるわけでありますけれども、その場で拉致問題の認識を広げていく、これは大変重要な意味がある、役立つことになるんだろうというふうに思いますけれども、今の現時点においてどのような方針で臨まれるか、その辺をお伺いいたします。
  13. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 御家族も御高齢になる中、一刻も早い解決に向けてあらゆるチャンスをしっかりとつかんでいきたいと思っております。アメリカを始め関係する国あるい同志国、そうした国々との連携も必要でございます。G20でのバイの会談るい夕食会るい会議会議の間の立ち話、そうした場面を使って、この拉致問題に関してしっかりと首脳働きかけをしてまいりたいと思っております。
  14. 北村経夫

    北村経夫君 先週金曜日、特定失踪者家族会特定失踪者問題調査会皆さん国会でお会いいたしました。本当に高齢化が進んで、御家族高齢化も進み、一刻の猶予もないんだと、一日も早く解決しなければならない、そういう切迫感を改めて痛感いたした次第でございます。  そして、十九日には国民大集会が開かれまして、過去二十二年間にわたって集められました千三百四十一万人分の署名が初めて公開されたわけであります。そうした拉致被害者皆様、一日も早く帰せという国民の総意がその署名に込められているわけでございまして、それを踏まえて私どももしっかりと取り組んでいきたいと思いますので、どうか両大臣にもよろしくお願い申し上げて、私からの質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  15. 青山繁晴

    青山繁晴君 ありがとうございます。  自由民主党青山繁晴でございます。  私たちがこうやって審議をしております間にも拉致被害者方々と御家族は一日一日年を刻まれるわけで、二〇〇二年に北朝鮮が勝手に選んだところの僅か五人の方々帰国されて以来、北村委員もおっしゃったとおり既に十七年が経過し、その間お一人の帰国実現していないことを、私も国会の一員として、この席を借りまして、拉致被害者御本人の方々家族方々に深くおわびを申し上げたいと思います。  あの当時、十七年前にもしも全員帰国実現しておりましたならば、蛇足ではありますけれども横田めぐみさん、十三歳で拉致されためぐみさんは三十代の半ば過ぎであります。ところが、今はもう五十代半ばになられ、それから、例えば有本恵子さん、不肖私と神戸の幼稚園が同じなんですけれども、二十三歳で人生を奪われまして、十七年前にもしお帰りになっていればまだ四十代始まったばかりでありましたけれども、今はもう還暦が近いということを考えましても、この拉致問題特別委員会の大きな意味、この委員会こそが超党派で、僣越な物言いながら、党派の違いを超えて具体的に取り返す手段を、帰国される手段考える場だと理解しております。  したがいまして、私も、北村委員に倣いまして、トランプ大統領が来日されて再び日米連携を確認されたことに関連してお聞きしたいと思います。  また、菅大臣が新たに担当大臣になられ、訪米されてペンス大統領以下の要人とお会いになられた。これも安倍総理内閣全体が連携した新しいアプローチだと思いますので、今日はあえて菅大臣に御答弁を絞ってお伺いいたしたいと思います。  まず、今申しましたとおり、トランプ大統領拉致被害者救出について連携を再び確認してくださったんですが、実は合衆国も、今から十五年前の夏に、デービッド・スネドンさんという方、皆さんもう御存じだと思いますが、当時二十四歳の若者だったスネドンさんを北朝鮮拉致した疑いが極めて強いということが、当初はうわさの段階でしたけれども、その後、アメリカ上下両院が子細に調査をいたしまして、例えば、去年の十一月末に改めて上院アメリカ政府徹底調査を求める決議全会一致で採択いたしました。  ここにその決議案の原文があるんですけれども、その中に、例えば、北朝鮮は例外的な措置としてチャールズジェンキンスさん、私たちがよく存じ上げているところの曽我ひとみさんの御主人でいらっしゃるチャールズジェンキンスさんを例外的な措置として解放したので、その英語教師としての代役が必要になって、その意図を持って中国の雲南省デービッド・スネドンさんを拉致した疑いが強いということをはっきり記しておりまして、単なる情緒的な、感情的な決議案ではなくて、具体的に証拠を持ってアメリカ政府にも調査を要求しているわけです。  したがいまして、実はトランプさんは、私たちのはらから、同胞、日本国民拉致被害者救出連携するということをおっしゃったわけですけれども、本当はアメリカ被害者を出しているわけで、優れた民主国家であるならばたった一人の人生もゆるがせにしないはずでありますから、本当は日米両国被害者日米共同救出するための策が、少なくとも去年十一月末のこの上院決議採択の後は日米両国政府で取り組んでいるべきだと考えるのでありますが、菅大臣のお考えをお聞きします。
  16. 菅義偉

    国務大臣菅義偉君) まず、昨年十一月に、御指摘のとおり、スネドン氏に関する決議案米国上院全会一致で可決され、成立をいたしました。本件の決議は、我が国が従来から米国議会関係者働きかけをして行ってきたものであり、我が国としては、米国における拉致問題のその問題意識を高める上で極めて大事なことであり、歓迎をいたしております。  また、日米の間で、この拉致問題の早期解決に向けて、先ほど申し上げましたけれども、私自身訪米をし、ペンス大統領、そしてポンペオ国務長官、さらにシャナハン国防長官代行にもこの話をさせていただいて、そして、私自身率直に感じたことは、米国議会のそうした要人皆さんも、この拉致問題というのを自分の国のこととして、日本拉致被害者早期解決に向けて協力すると、そこは、私から説明するまでもなく、皆さんが非常に御理解をいただいていたと、そういう気持ちだったというふうに思います。大変勇気付けられて、そして連携して行っていこうという、そうしたことを会談をして帰ってきました。
  17. 青山繁晴

    青山繁晴君 今の菅大臣の御答弁はかなり踏み込んでいただいた御答弁だったと思います。というのは、もう一度申しますが、日本被害者を助けるのに協力してあげるという話ではなくて、実はアメリカ被害国であるから新たな連携を進めるんだということが、議会でもあるい合衆国政府でも感じ取れたということを初めておっしゃっていただいたと理解します。  その上で、恐縮ですが、もう少し踏み込んでお聞きしたいんですが、さはさりながら、このデービッド・スネドンさんをアメリカ政府が一体どう扱っているのかというのは、不肖なりに私も調べましたけれども、さっぱり表に出てまいりません。水面下ではいろいろ情報があっても、表に出てくることがとても大事なので、あえて申しますが、日本政府もかつて、今死語ですけど、アベックという言葉があった時代に、アベック失踪事件として産経新聞などが努力して報道してもなかなか本当のこととして取り上げられなかった。さっき質問いただいた北村先生産経新聞の出身でいらっしゃいますけれども。  もう長い道のりを経てようやく日本政府も、実際は特定失踪者という方を含めると九百人近い、九百人前後の方、疑いがあるわけですけれども、その中の僅か十七人といえども政府拉致被害者として認定するという重い事実があって、これはやっぱり北朝鮮にとっては大きなモチベーションに、解放するというモチベーションにやっぱりつながったと思います。  そうすると、これもあえて申せば、拉致被害者救出については五人しかまだ成果は出ていないけれども、少なくともアメリカ合衆国よりは日本の方が長い道のりと苦心と関係者の努力と、もう一度言いますが、一部しか結果は出ていなくても、でも一部でもとにかく取り返したという事実がありますから、まずはこのデービッド・スネドンさんについて、政府拉致被害者として認定するというノウハウを提案してはいかがでしょうか。  念のため申せば、日本政府も認定した被害者だけを取り返すんではなくて、認定のあるなしにかかわらず取り返すということは政府は明言されておられます。それも含めて、新しい人間関係をつくられたところの菅大臣を中心に、アメリカにあえてこれを呼びかけてはいかがでしょうか。大臣、お願いします。
  18. 菅義偉

    国務大臣菅義偉君) 米国議会上下両院で可決、成立したこのスネドン氏に関する決議においては、国務省及び情報機関に対して、北朝鮮による拉致可能性を含め、スネドン氏の失踪について共同調査を継続するよう求めているものと承知しています。  米国政府としての具体的な政策対応在り方についてコメントすることは差し控えたいと思いますけれども、いずれにしろ、日米間で拉致問題の解決に向けた緊密な連携が図られており、先日の日米首脳会談においてもこのことはしっかり確認されているところであります。
  19. 青山繁晴

    青山繁晴君 今の日米連携の新しい在り方ということを更に具体的に考えれば、まず、当然のことながら、この日本人が拉致された問題と、この委員会も問題と名前付いていますけれども不肖私は長年これは事件であると申してまいりました。実際に日本の警察も捜査をしまして、例えば辛光洙容疑者であったり、ちゃんと国際手配もした容疑事実も把握しているわけです。そうすると、まず、実はこれ、日米共同捜査というものが行われるべきではないんでしょうか。  これ、普通に考えれば国家公安委員長らにお伺いするところですけれども、これもあえて、菅大臣、もし可能でしたらお答え願えますか。
  20. 菅義偉

    国務大臣菅義偉君) 日米の間で拉致問題の早期解決に向けて、私自身のさきの訪米機会を含め、あらゆるレベルで緊密に連携はいたしてきております。  具体個別的な取組の内容についてお答えすることは差し控えさせていただきますけれども、いずれにしろ、米国を始めとする関係国協力をしながら、一日も早い全ての拉致被害者帰国実現に向けて全力で取り組んでいきたいと思っています。
  21. 青山繁晴

    青山繁晴君 具体的な、例えば共同捜査について、連携の中身はこの場ではおっしゃれないというのは理解します。  特に共同捜査となると情報が機微になりますけれども捜査だけではなくて、これは必ず事件と言わなきゃいけないというわけじゃなくて、やっぱり外交交渉、いわゆる外交問題の側面もありますから、日米共同交渉団というものを目に見えるように組織をして、今、安倍総理におかれては条件を付けずに首脳会談を行いたいという新しいお考えをお示しになりましたが、その前段としても、今まで例えばストックホルム合意について、今ほとんど無効の状態ですけれども北朝鮮調査委員会なるものができて、そこに事実上実務レベルで交渉に行ったこともありました。したがって、それを日本側だけじゃなくて、くどいようですが、アメリカ国民が、現に上院が提起したところの具体的な被害者が明らかになった以上は、こういう交渉についても、ストックホルム合意をもう一度やり直してくださいということも含めて、日米共同による交渉団の編成というのもあってしかるべきではないでしょうか。  恐縮ですが、菅大臣、もう一度お願いできますか。
  22. 菅義偉

    国務大臣菅義偉君) 先ほど私申し上げましたけれども自身訪米機会も含めて、あらゆるレベルで日米間では緊密に連携をいたしております。そして、具体的個別なやり取りについては差し控えたいというふうに思っております。  いずれにしろ、米国とは緊密に連携しながらこの問題は解決していきたい、こう思います。
  23. 青山繁晴

    青山繁晴君 今は共同捜査共同交渉団ということをあえて問題提起いたしましたが、実は、首脳会談についても安倍総理条件を付けずに金正恩委員長会談なさりたいと新たに提案なさったのは、不肖私も同意します。  その上で、実は、北朝鮮もベトナムでの交渉、事実上の決裂以来手詰まりなのも事実でありますから、むしろ今まで北朝鮮が避けてきたところの拉致問題に絞って、そしてトランプ大統領は非常に明確にこの拉致事件解決に尽力するということを公におっしゃってくださったわけですから、以下、私は、実は特異な、つまり変わった提案と思わないんですけれども日米朝の三首脳による拉致事件に絞った、拉致被害者救出に絞った首脳会談を第三国で行うということが、第三国は別にどこでもいいわけですけれども日本でもアメリカでも、場合によっては平壌でもいいと思いますけれども、この新しい型の日米朝の三首脳による拉致被害者帰国のための会談ということについては、菅大臣、できれば見解をお願いできますでしょうか。
  24. 菅義偉

    国務大臣菅義偉君) 今委員から御提案をいただいた上でありますけれども考え方の一つとして受け止めさせていただきたいと思います。
  25. 青山繁晴

    青山繁晴君 今の御発言、有り難く受け止めたいと思います。  もう残り一分半なんですが、一つだけ、超党派で取り組みたいということの証左として言わば申し上げたいんですけど、先ほどのアメリカ議会決議ども、この山谷先生のような、あるいは古屋先生のような、拉致問題担当大臣をなさった方の言わば議員同士の交渉で生まれたものですね。その中には、松原仁さんのような、言わば自由民主党じゃない方もいらっしゃいました。  僕、残念なのは、あと一分ですけれども、中山恭子元拉致問題担当大臣がこの委員会には今いらっしゃらないんですけれども、中山恭子先生が長年おっしゃったことの問題提起の一つが、日朝平壌宣言を読むと実は拉致被害者帰国ということは一言も書かれていないと。皆さん御存じでしょうが、あえて原文を読むと、朝鮮民主主義人民共和国側は、日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題が今後再び生じることがないよう適切な措置をとると。  つまり、拉致被害者の方の帰国のことについては触れられていなくて、今後起きないようにしましょうとも読み取れるんですけれども、もう時間がございませんが、これで終わりにしますので、菅大臣、よろしければ見解をお願いできますでしょうか。
  26. 菅義偉

    国務大臣菅義偉君) 拉致問題に関しては、日朝平壌宣言において、北朝鮮は、日本国民の生命と安全に関わる諸懸案問題について、このような遺憾な問題が今後再び生ずることがないよう適切な措置をとる、こうしたことが明確に書き記されております。  その上で、政府としては、この日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決をして、不幸な過去を清算し、国交正常化を目指す方針であることは変わりありませんし、今委員から御指摘をいただきましたこうした問題について、この平壌宣言の中にはこのように明記されておりますので、こうしたことの上に立って粘り強く交渉していきたい、こういうふうに思います。
  27. 青山繁晴

    青山繁晴君 終わります。ありがとうございました。
  28. 有田芳生

    ○有田芳生君 立憲民主党の有田芳生です。  私は、安倍政権が結果をつくる日朝交渉を是非実現していただきたい、その思いで質問させていただきます。  日朝の首脳会談が初めて行われたのは二〇〇二年の九月十七日、それが一回目でした。二回目が二〇〇四年の五月二十二日。いずれも小泉政権でした。それからもう長い時間、十五年がたちましたけれども、その十五年の間の約半分が安倍政権でした。残念ながら結果が出ていない。じゃ、どこをどのように打開していけばいいのか。そこをお二人に、大臣、お聞きをしたいというふうに思います。  二〇一二年の十二月に第二次安倍政権が発足をいたしました。その年の十二月二十八日に、安倍総理拉致被害者家族皆さんと懇談を行いました。そのとき安倍総理はこう語っております。一部ですけれども、再び総理を拝命し、必ず安倍内閣で完全解決決意で進んでいきたい。これに対して、飯塚繁雄家族会の会長はこう語りました。一部です。非常に期待が膨らんでいる、もう待てないというのが私たちの共通の立場だ、来年の早いうちに道筋が見え、結果を見たい。繰り返しますけれども、これが二〇一二年の十二月二十八日。それからもう六年半がたちました。繰り返しますけれども、残念ながら結果が出ていない。  そして、安倍総理が様々な発言をこれまでなさってきたことを少し御紹介したいと思います。  河野大臣、あるいは官房長官ですから菅大臣でも、どちらでもよろしいんですけれども総理条件を付けずに首脳会談を行いたいという発言を最近ずっと語っていらっしゃいますけれども国民に対してもう少し経過も含めて丁寧に御説明いただきたいと思いますのは、例えば、この数年間、安倍総理がどう語ってきたかということ。  例えば、二〇一三年の五月十五日、参議院の予算委員会では、これもごく一部ですけれども金委員長と会うことそのものは目的ではなくて、結果を出していかなければならない。あるいは、二〇一六年の三月七日、やはり参議院の予算委員会です。「拉致問題の解決には対話のための対話では意味がない」。あるいは、二〇一七年十一月二十一日、参議院本会議安倍総理、「あらゆる手段を使って北朝鮮に対する圧力を最大限にし、北朝鮮から対話を求めてくる状況をつくっていくことが必要と考えています。」。切りがないので、あと一つだけ。二〇一八年五月十四日、やはり参議院の予算委員会総理はこう語っています。首脳会談について、「首脳会談は、会うためだけの首脳会談ではなくて、拉致問題の解決につながるものでなければならないと、このように考えております。」。  ざっと幾つか御紹介をしましたけれども総理がそのように発言をなさってきた経過の中で、今では条件なしで首脳会談に臨みたいというお立場に変わってきましたけれども、そこのところを国民に分かりやすく、どういう変化があってどういう判断をなされたのかについて、本来ならば安倍総理にお聞きをしたい、そしてまた、安倍総理の後継のうわさも出てきている菅官房長官にお聞きしたいところではあるんですが、今日は外務大臣にお聞きしたいと思います。いかがですか。
  29. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 安倍総理はこれまで、北朝鮮の核、ミサイル、そして最も重要な拉致問題の解決に向けて、相互不信の殻を破り、次は自分自身金正恩委員長と直接向き合うという決意を従来から述べてまいりました。この条件を付けずに会談実現を目指すという発言は、そのことをより明確に述べたものであります。
  30. 有田芳生

    ○有田芳生君 ちょっと違うんですね。  先ほど、もっともっと御紹介してもいいんですけれども拉致問題の解決に資さなければ首脳会談はやらない、圧力を最大限掛けて、向こうが話し合わなければいけないという状況をつくって首脳会談実現しようと総理が語ってきた。だから、それがなぜ、どういう国際的な環境の変化の中で今のように条件なしで首脳会談をやりたいという判断に至ったのか、国際情勢の変化、そして日本側の認識の変化、そこを国民に向けて丁寧に、本当は総理にお話を伺いたいんだけれども、今日は河野大臣にお聞きをしたいということなんです。
  31. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 先ほど申し上げたとおりでございまして、条件を付けずに会談実現を目指すということは、金正恩委員長と自ら直接向き合うという決意をより明確に述べたということでございます。
  32. 有田芳生

    ○有田芳生君 違うでしょう。  もう一回、じゃ、二〇一七年十一月二十一日の参議院本会議総理の演説を正確にもう一度お伝えします。「北朝鮮に政策を変えさせるため、あらゆる手段を使って北朝鮮に対する圧力を最大限にし、北朝鮮から対話を求めてくる状況をつくっていくことが必要と考えています。」。圧力を掛けて、北朝鮮が追い込まれて、首脳会談をやらなければもう北朝鮮ももたないなという状況と判断、そこに至らないと首脳会談やらないと総理はおっしゃっていた。だから、それがどのような環境の変化で今のような方針に変わったんですかという質問です。
  33. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 先ほども申し上げたとおり、従来の発言をより明確に述べたものでございます。
  34. 有田芳生

    ○有田芳生君 委員長、ちょっと全然質疑が……。(発言する者あり)
  35. 山谷えり子

    委員長山谷えり子君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  36. 山谷えり子

    委員長山谷えり子君) 速記を起こしてください。
  37. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 先ほどから申し上げているように、環境が変わったということではなくて、これまで申し上げてきたことをより明確に述べたということでございます。  その、なぜ今、より明確に述べようとしたかというのは、トランプ大統領がハノイで金正恩委員長拉致問題に関して複数回問題提起をされた、そうしたことがございますので、より明確に申し上げたということでございます。
  38. 有田芳生

    ○有田芳生君 もう一度伺います。  そうすると、米朝の首脳会談が二回行われて、そこで安倍総理が強く望んだ拉致問題を提起してくれと、そのことをトランプ大統領金委員長に語ったと、そういう環境の変化があり、これなら直接首脳会談を申し込む意味があるなと、そういう判断をしたという理解でよろしいですか。
  39. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) これまでも、トランプ大統領を始め米側から北朝鮮側に対して拉致問題の問題提起は何度も行われております。そういう中で、今回、これまでの発言をより明確に申し上げたということでございます。
  40. 有田芳生

    ○有田芳生君 全然違うんですよ。何度言っても同じだから、繰り返しません。時間がもったいないから。  最大限の圧力を掛けたら、北朝鮮側がもう日朝の首脳会談をやらざるを得ないなというところに追い込まなければ対話はやらないと安倍さんずっとおっしゃってきた。対話のための対話は要らないってずっと国会でも語ってきたじゃないですか。  それが、状況変わったわけでしょう。変わったから、条件なしで首脳会談をやろうとおっしゃっている。私は大賛成ですよ。だけど、どういう環境が変わったんですかと、そこをお聞きしているんです。
  41. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 安倍総理は、北朝鮮の核、ミサイル、そして拉致問題の解決に向けて、相互不信の殻を破り、次は自分自身金正恩委員長と直接向き合うという決意を従来から申し上げてまいりました。今度の発言は、それをより明確な形で申し上げているということでございます。
  42. 有田芳生

    ○有田芳生君 申し上げていないんですよ。申し上げていないから、この数年間の安倍総理の具体的な発言を紹介したんですよ。水掛け論以前の話ですから、次に行きたいと思いますけれども。  要するに、二月末のハノイ会談の後で安倍総理トランプ大統領首脳会談を、電話会談を行った。そのときトランプ大統領安倍総理に何て言ったかというと、金委員長に直接電話したらどうですかとおっしゃっていますよね。だけど、安倍総理はそれできないから、その後から条件なしで日朝の首脳会談やりたいと語り始めたんですよ。  河野大臣にお聞きをしますけれども、二〇〇二年の小泉訪朝、二〇〇四年の首脳会談、二回の首脳会談実現したということは日本外交において大きな意味があると評価されておりますけれども河野大臣日朝首脳会談が二〇〇二年に実現した教訓をどのように認識されていらっしゃいますか。
  43. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 二〇〇二年、小泉総理による訪朝が行われ、それが五名の帰国につながってきたわけでございますが、様々な外交ルートを通じて調整をした結果だというふうに思っております。  拉致問題の解決のために、今後ともあらゆる努力を尽くしてまいりたいと考えております。
  44. 有田芳生

    ○有田芳生君 今大臣がおっしゃった、様々なルートを使っていてというのは間違いだと思います。教訓は、当時の金総書記、トップにつながる一つの外交ルートを、当時の小泉首相そして当時の外務省が全面的に努力をしてきたから成功したんだと私は判断しております。  いろんなルートじゃないんです。トップにつながる一つのルートに絞って、小泉訪朝の一年前から、回数で言えば約二十五回、大連や北京などで実務者交渉を行ってきた、時間にすれば三百時間の話合いがあった、その上で小泉訪朝があったと私は理解しているんですが、違いますでしょうか。
  45. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 外交上のやり取りについてつまびらかにすることは差し控えます。
  46. 有田芳生

    ○有田芳生君 複数のルートではなく、トップにつながる一つのルートで日朝交渉を進めなければいけないというのは、これは具体的な話ではなくて一般論としてお聞きをしているんですが、今の安倍政権もそういう立場を取るべきではないでしょうか、それが小泉訪朝が成功した教訓ではないんですかと、そうお聞きしております。
  47. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 外交上のやり取りについて、背景を含め、公表するのは差し控えたいと思います。
  48. 有田芳生

    ○有田芳生君 だから、一般論としての見解として、複数のルートで北朝鮮に向かっていくのか、やはりトップにつながる一つのルートで時間を掛けて安倍総理金委員長が向き合うことができるような条件を整えていくというのが、それが道じゃないんでしょうか。一般論としてお答えください。
  49. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) この特別委員会外務大臣が申し上げることは一般論にはなりませんので、差し控えさせていただきます。
  50. 有田芳生

    ○有田芳生君 じゃ、菅大臣、いかがですか。外務大臣が答えられないと言うんですけれども、一般論として。
  51. 菅義偉

    国務大臣菅義偉君) 私自身拉致問題の担当大臣として、北京ルートを始め様々な手段を通じてこの解決に向けて全力で取り組んでおります。  その具体的な内容を、今委員は一本という話をされましたけれども、何が最も効果的なことであるのか、そうしたものを確認しながら前に進めているところであります。
  52. 有田芳生

    ○有田芳生君 河野大臣、じゃ、もう一度だけ伺います。  二〇〇二年の首脳会談実現した教訓を河野大臣はどのように理解されていますか。
  53. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 先ほど申し上げたとおり、様々な調整を丁寧にやった結果だというふうに思っております。
  54. 有田芳生

    ○有田芳生君 そこに実は戻っていただきたいんです。外務省の長い伝統、そして経験もある、その外務省がもっともっと前面に出て、いわゆる官邸外交と言われるものではなく、外務省のプロが北朝鮮の扉をこじ開けるという立場に立っていただきたいという思いで今質問させていただいたんです。  北朝鮮だって人事が替わって、今度、国務委員会、写真で出ている人数数えると十四人ですよ。その中に、外務省からも二人入っている、少なくとも。外交やっている人は更に二人いる、四人いる。だから、トップにつながる人たちというのは見えているわけだから、そこにつながる外交をやっていただきたいということなんです。  そして、もう時間が来ますから最後に伺いたいんですけれども、これ、官房長官というか拉致担当大臣、それから河野大臣にもお願いをしたいんですが、道を開く道はあるんですよ。それはお二人否定しないからもう前提にしますけれども、日朝平壌宣言は有効なわけですよね。  だから、条件なしで話し合いたいというのではなくて、日朝平壌宣言に基づいて、まずは国交正常化交渉の呼びかけをするべきだと思うんです。それで、経済協力するわけでもない、もちろんのこと。扉をこじ開けるためには、日朝平壌宣言、北朝鮮だって否定していないんだから。そこに立ち戻って国交回復交渉をやっていこうという、そういう具体的な発信というものをやることが必要なんじゃないかと思いますが、河野大臣、いかがでしょうか。
  55. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 我が国といたしましては、日朝平壌宣言に基づきまして、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して国交正常化を目指す考えに変わりはございません。
  56. 有田芳生

    ○有田芳生君 だから、さっきから、条件を付けずに首脳会談をやりたいと総理が最近ずっとおっしゃっているんでしょう。それに対して、河野大臣、先ほど、条件を付けずに首脳会談をやるというのはこれまでの方針をより明確にしたとおっしゃっているけども、より明確じゃないんですよ。外交というのは相手がいるわけだから、相手の心に届くような言葉を使わなきゃいけない。ならば、日朝平壌宣言、日本北朝鮮も否定していないわけですから、国交回復交渉を進めようじゃないかと、もっとストレートにやっぱり語るべきだというふうに私は思っているんです。  拉致担当大臣、いかがですか。同じ話でしょう、平壌宣言守ると言っているんだから。その中身を言わないと扉は開かないというふうに思いますが、いかがですか。
  57. 菅義偉

    国務大臣菅義偉君) この日朝平壌宣言というのは、日朝双方の首脳の議論の結果として今後の在り方を記したものであると思っています。そして、両首脳により署名された文書であり、北朝鮮側も否定はしておりませんし、我が国としては、日朝平壌宣言において確認された事項が誠実に実施されることが重要であるというふうに考えております。  そしてまた、この平壌宣言に基づいて、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算をして国交正常化を目指す考えであるというこの方針は変わらないということであります。
  58. 有田芳生

    ○有田芳生君 そこで、もう一回確認します。  日朝平壌宣言に基づいて国交正常化交渉をやろうじゃないかと、そういう提案なんです。いかがですか。日朝平壌宣言に基づいたら、そういう中身なんですから、そこを言っていないところがまだまだちょっと扉開けるには時間掛かってしまうのかなという思いなんです。
  59. 菅義偉

    国務大臣菅義偉君) 今私が申し上げたとおりでありまして、日朝平壌宣言において確認した事項が誠実に実施されることが極めて重要であると考えています。  そして、我が国としては、この宣言に基づいて、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算をし、国交正常化を目指す考えであり、この方針に変わりはないということであります。
  60. 有田芳生

    ○有田芳生君 だから、より明確にするんだから、そこを強調していただければ少しは局面が動く可能性はあるなというふうに私は思っているからお願いしたいんです、安倍政権に。  最後に、もう終わりますけれども、五月十六日、「報道1930」、TBSですけれども、そこで北朝鮮の問題が話し合われました。そこに、衆議院の拉致問題に関する特別委員会委員長自由民主党に所属をされています山口壯さんがこの番組の中で、日朝問題を打開する一つの方策として連絡事務所をつくるべきじゃないかと何度も発言されていました。  もう御存じでしょうけれども、米朝の間では連絡事務所をつくるということはもう決まっているんですよ。この間のハノイ会談で合意がなされませんでしたけれども、いずれ米朝が動けば、まず米朝の連絡事務所はできる。だから、日本も、山口壯拉致特別委員会委員長も語っていらっしゃる、あるいは、自由民主党皆さんの中でいえば、総裁選のときには石破茂さんもそういう提案をなさっていましたけれども、これも一つのプランじゃないかなというふうに思うんです。  大臣、いかがでしょうか。菅大臣でも外務大臣でも構いません。これ終わりにしますけれども
  61. 山谷えり子

    委員長山谷えり子君) 時間が来ております。
  62. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 今後の手のうちについて明らかにするのは差し控えたいと思います。
  63. 有田芳生

    ○有田芳生君 終わります。
  64. 大野元裕

    ○大野元裕君 国民民主党・新緑風会、大野元裕です。  まず冒頭、昨日、川崎で起こりました痛ましい事件について、拉致と同様、無辜の市民を対象にした卑劣な犯罪であります。かかる犯罪の犠牲になった皆様に対しお見舞いを申し上げるとともに、今日は外務大臣もお越しでございますけれども、お亡くなりになった皆様に対し哀悼の意を表したいと思っています。  その上で、お伺いをさせていただきます。  まず、菅官房長官にお伺いをさせていただきますけれどもアメリカ御出張お疲れさまでございました。  その際に、ニューヨークの国連本部における拉致問題シンポジウム菅長官は、相互不信の殻を破り新たなスタートを切る、あるいは、北朝鮮が正しい道を歩むのであれば日本北朝鮮が有する潜在性を解き放つための助力を惜しまない、このように述べたとされています。これらは恐らく北朝鮮に対するメッセージを構成しているというふうに結果としてはなると思います。  他方、昨年の政府主催のシンポジウム、十二月だったと思いますけれども、その際にも長官は実は割と似たことをおっしゃっています。相互不信の殻を破り国交正常化を目指す決意、あるいは、北朝鮮が正しい道を歩むのであれば明るい未来を描くことができる、このような趣旨の話をされておられます。  菅長官にお伺いします。今回のシンポジウムにおける北朝鮮に対するメッセージ、あるいは前回のもの、どう変わったのか、教えていただけますでしょうか。
  65. 菅義偉

    国務大臣菅義偉君) 先般のニューヨークにおける基調講演で、私からは、今委員からお話しいただきましたけれども我が国としては北朝鮮との相互不信の殻を破り新たなスタートを切る考えであり、一日も早い解決に向けてあらゆるチャンスを逃すことなく果敢に行動していくという発信を行いました。    〔委員長退席、理事北村経夫君着席〕  昨年六月の歴史的米朝首脳会談以降、本年二月の第二回会談の開催を含め、北朝鮮をめぐる状況は大きく動いているというふうに思っています。特に、第二回会談において、初日の一対一のやり取りの中でトランプ大統領金委員長安倍総理考え方を明確に伝え、またその後の少人数夕食会でも拉致問題を提起したこと、これは大変有意義なことだったというふうに思います。  これらの動きも踏まえて、私のシンポジウムでの発言が北朝鮮に対していかなるメッセージとなったかについて私から申し上げる立場にはありませんが、いずれにしろ我が国としては、日朝平壌宣言に基づいて、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決をして、不幸な過去を清算し、国交正常化を目指す、その考え方、その方針に変わりはないということであります。
  66. 大野元裕

    ○大野元裕君 大きく動いた、そしてアメリカトランプ大統領との会談等でも非常に成果があった、それを踏まえて今回のシンポジウムになり、しかも、わざわざこれアメリカで行ったわけですから、これ当然メッセージにもなるし、後ろ盾にアメリカがいるということを暗に言うような、そういったことだと私は思いますけれども、しかしながら、いずれにせよ、不幸な過去を清算して国交正常化を目指す決意は変わらない、これもちょっと若干分かりにくいですよね。やはり、我々は、しっかりと、そういったアメリカの後ろ盾を見せるのであれば、明確なメッセージを私は出すべきだと思うんです。    〔理事北村経夫君退席、委員長着席〕  なぜならば、先ほどから、北村理事の議論でもありました、そして有田理事の議論でもありましたけれども、前提条件を付けない首脳会談について、立場が変わったのではないかという議論がこれまでお二人からも繰り返されました。  そこで、お伺いしたいんですが、実は、先ほど来おっしゃっていることも踏まえてですけれども、昨年九月の国連総会で総理は、拉致問題解決のために相互不信の殻を破って新たなスタートを切り、金委員長とお会いする用意があるとおっしゃっているんです、おっしゃっているんです。これは先ほど両大臣がおっしゃった、相互不信の殻を破って次は自分自身が会うという総理決意、ほとんど一緒なんですよ。しかし、その後段が違うんです。その後、総理国連総会で何とおっしゃったかというと、もしも日北朝鮮首脳会談が行われるのであれば、それは拉致問題解決に資する会議でならなければならないと決意をしている。つまり、このときの時点では、前提一緒なんですけれども、それをより明確にした言葉は、解決に資する会議でなければならないとおっしゃっているんです。  ところが今、両大臣ほぼ同じ言葉でおっしゃいましたけれども、この条件を付けない会談について、相互不信の殻を破り次は自分自身が会う、この決意、このことを明確にすると、前提条件を付けない首脳会談、全く入れている問題が一緒なのに答えが全然違う。だからこそ、実は、北村理事はお優しいのでやめておられましたけれども、有田理事がおっしゃっていたように、実は違うんですよ。こちらの問題設定は同じ、出てくるものは違う、だからこそどう変わったんですかというのがお二人の私は質問だったと思うんです。  そこで、改めて伺います。同じ問題設定ですからね、これ明確にすると同じ答えは出てきません。変わっているんです。何が変わったか教えてください。
  67. 菅義偉

    国務大臣菅義偉君) 先ほども外務大臣からも申し上げましたけど、米朝首脳会談が行われることによって新たな流れができたという認識であります。
  68. 大野元裕

    ○大野元裕君 いや、新たな流れは分かりました。  そうすると、今、整理して考えると、先ほどの件、去年の九月の時点では、総理がおっしゃったように、相互不信の殻を破って、新たなスタートを切って、金委員長とお会いをする用意がある、ただしそれは拉致問題の解決に資さなければならない。でも、今回は、アメリカが動いてくれたので、新たな殻を破ってお会いするんだけど、それは無条件になってよいと。無条件になる前提は、そこには日米会談があったということですね。それは先ほどの答弁と変わりましたけど、それでよろしいですね。
  69. 菅義偉

    国務大臣菅義偉君) 先ほど来も申し上げましたように、米朝首脳会談が行われたことによってこの拉致問題に新たな流れができた、そういうことはこれ事実だというふうに思っています。そうした観点に立って申し上げました。いずれにしろ、拉致問題というのは当然これ話し合われることでありますから、そこは従来と変わっていないと思いますよ。  それと同時に、安倍政権発足してから、拉致問題については常に対話と圧力、こうしたことを私ども申し上げてきました。そして、何が最も効果的であるのか、この解決に向けて、そうした観点から進めていくということも申し上げてきました。
  70. 大野元裕

    ○大野元裕君 多分大まかなところで、私、官房長官と同じ感覚だと思います。  他方で、外交というのはメッセージ性があります。私もかつて外交官でしたけれども、中東の方は、ずっと私中東にいたものですから、あの辺りにいると、無条件の対話と言って、大体条件付いているんですね。で、無条件の対話と言って対話して、うまくいかない方が後でひっくり返すときに、無条件と言ったじゃないかと、これがいつものパターンで、私、幾つも見てまいりました。だからこそ申し上げているんですけれども、ちょっと質問の方法を変えます。  二月の米朝首脳会談で、トランプ大統領金委員長に対して拉致問題の進展を働きかけた、これは新しい流れ、全くそのとおりだと思います。それであれば、当然、拉致問題取り上げることになったんだというふうにおっしゃる方がおられます。もとより、先ほど官房長官御自身がおっしゃったとおり、日朝首脳会談実現するとすれば拉致問題を取り上げることは当然だと思うし、それでなければ国民は絶対に納得しないと私は思います。  ただ、そこで、拉致問題の解決に向けた進展、解決に資する会議でなければならないという言葉が落ちている。この言葉が落ちていることは、メッセージ性が実は失われていて、これまで確認した立場を後退させたということにならないかと。  今日は、ストックホルム合意が行われて五年目です。ストックホルム合意で、これも官房長官のお言葉をお借りすれば、ストックホルム合意は何だったんですかという記者団の質問に対して、官房長官、覚えておられると思いますけれども、この合意では北朝鮮拉致問題解決の意思を表明させたことが大きかったとおっしゃっていますよね。拉致問題解決の意思を北朝鮮自体が認めている。そして、我々は、言うまでもないけれど、拉致は、できるんじゃなくて、そこを明確に書き込んだものをこれまで言ってきた。これを落としてしまったということは、私は、我が国の立場を後退させたということを、北朝鮮のみならず多くの国々に誤ったメッセージとして受け取られる可能性があると思う。  まさに、北朝鮮が認めているわけですから、これは落とすべきではない最低ラインではないんでしょうか、いかがでございましょうか。
  71. 菅義偉

    国務大臣菅義偉君) ストックホルムの合意についても会見質問がありました。  政府としては、この合意というのはまだ生きているという前提の上に立って取り組んでいます。
  72. 大野元裕

    ○大野元裕君 外務大臣に伺います。  先ほど、有田理事の方から、十五年間拉致問題に大きな進展がなくて、その半分は安倍政権であるという御指摘がありました。六者協議の参加国で北朝鮮首脳会議ができていないのは確かに日本だけであります。だからといって、この無条件首脳会議の開催というのは私は良くないと思いますが、まあこれはちょっと話が平行線なのでここでやめておきますけれども。  他方で、それを推し進めるために、これまで日本はこういった総理の強い立場の表明だけではなくて、拉致問題解決のためにありとあらゆる手段使ってきたはずなんです。そのうちの一つは、レバレッジとして国連人権理事会での非難決議。これ、日本が提案者として主導してきたがためにああいうしっかりとした、マルチの場でありながらも決議になってきました。ところが、本年は日本がそこから残念ながら降りてしまった。昨年の決議案を基礎に今回の決議が作られたので、ほとんど中身一緒なんです。でも、来年以降分かりませんよ。我が国が提案国にならないことが最初から分かっていれば、拉致問題が北朝鮮の人権問題の中核に、ほかの問題もたくさんありますからね、拉致だけじゃなくて、北朝鮮の問題は。拉致問題が中核にならなくなるんじゃないか。まさに私は、マルチという、これはバイであれば、二国間であれば、大きなものいろいろあるかもしれませんけど、マルチだと強いメッセージもほかの国の中で紛れてしまうんです。だからこそ、我が国がこれまでイニシアチブを取ってきたこのマルチのツールから降りるべきではないと私は思ってきましたけれども。  大臣、改めて外務大臣にお伺いしますけれども、降りたことは得策ではなかったんじゃないんですか。
  73. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 北朝鮮をめぐる問題、あるい拉致問題をめぐる様々な諸情勢を総合的に勘案した結果、今回のこういう決断になったわけでございます。  先ほどから申しておりますように、拉致被害者の御家族が御高齢になる中で、我々としては一日も早い解決を目指して、あらゆるチャンスを逃すことなく、全力でこの問題に取り組んでまいりたいと考えております。
  74. 大野元裕

    ○大野元裕君 全力で取り組むことは我々も同意であります。それは政府だけではなくて、先ほど青山委員からあったとおり、与党、野党関係なく、国会でも取り組んでいくべき問題であります。だからこそ申し上げているんです。少しでも我々が使えるツールは手放すべきではなかったのではないかと申し上げています。これは外交防衛委員会でも一度取り上げさせていただいた話ですので、これ以上やりませんけれども、なぜこのようなことを言っているかというと、実は無条件に会うといっても、その周りを取り巻いている環境によって随分違います。  例えば、先ほど中東の話しましたけど、アメリカでもそうです。昨年、トランプ大統領が突然、条件を付さずに金委員長と会うとおっしゃいました。これ、もしかするとまねていらっしゃるのかもしれませんが、分かりません。ただ、そのときには、立場を考えてください。米国北朝鮮に対して相対的に強い立場でありました。また、北朝鮮側から会うことを目的としたシグナルが出されていました。そんな中で、あえてアメリカ側がハードルを下げたがために、結局、私は、あの会談は、いろいろ言われているけれどもトランプ大統領ペースだったと思うんです。それが成功した背景だったと思います。  他方で、これに対してアメリカでは、北朝鮮だけではありませんが、無条件を、付さずに会うと言って大バッシングに遭った大統領がいます。それはオバマ大統領です。オバマ大統領が就任一年目に、北朝鮮、シリア、イランの首脳条件を付さずに会うと述べたときに、保守派からさんざん袋だたきに遭いました。それは、相手側が譲歩を行うような環境を何も見せていない中で、会うことを目的に発言をしたからであります。  だからこそ、今私が申し上げているのは、北朝鮮側から譲歩を引き出せる環境整った中で、我々が少しレバレッジを持った中でやるのはいい。でも、レバレッジははき出しました。これまでの態度も随分軟化してしまいました。そんな中で会うことだけが目的のように見られてしまうと、オバマ大統領がやったことの二の舞になりはしませんかということで私は申し上げているんですけれども。  これ、河野大臣に今度お伺いしますけれども、無条件に会うということは、多分変化をした。その変化、随分日本にとって、会うことが目的なら違うでしょうけれども拉致問題を解決するためには決してプラスになっていないようにも思えますけれども大臣の御見解を問います。
  75. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 政府としてはそのように考えておりません。
  76. 大野元裕

    ○大野元裕君 もう少し前向きに御答弁いただけないですかね。先ほど申し上げたとおり、政府のみならず、与党、野党関係なくみんなで頑張ろうと言っているわけですから、是非そこは共有していただきたいんです。そこはですね。  その上で、もう一つ申し上げますけれども、例えば、済みません、時間がちょっとなくなってきたので、少し、外務大臣質問飛ばしますけれども日本側と会うために向こうが一生懸命になるような環境をつくると、若しくは、我が方がハードルを一旦上げることによって、交渉ですからね、その後で、有利に出る、そういったことを考えるときに、我々はいろんなことができると思います。例えば、核、ミサイル、我々にとってもとても大事ですけれども、同様に共通の利益を考えてくれる国々とともに歩むということがとても大事です。  そうだとすると、例えば、短距離ミサイルの話もあるかもしれません、あるいはマルチの場での先ほど申し上げた人権理事会のようなツールもあるかもしれません。  そして、もう一つは外交青書です。外交青書でも表現ぶりが変わりました。私、別にそれで日本政府が腰砕けになったから情けないとかそういう話じゃないんです。これは、あくまでも拉致問題を解決するために一つでも有利なツールをつくっていく、持っておく、そして相手が折れたときにはきちんとそれを出してあげるということが本来の交渉の基本だと私は思いますけれども、これも、外交青書、いち早く表現ぶりを変えてしまいましたが、大臣、なぜこれ変えてしまったんですか、教えてください。
  77. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 先ほどから申し上げているように、一日も早いこの問題の解決のためにあらゆるチャンスを逃さずやっていきたいというふうに考えているところでございまして、交渉、あるいは交渉のための環境をつくる、我が方の手のうちを明かすことは今の時点では差し控えたいと思います。
  78. 大野元裕

    ○大野元裕君 ほとんど話にならないですね。議論にならないですよね。先ほど申し上げたとおり、共有をしていただきたいのは、我々は日本として一丸になって取り組むということであります。  最後になると思いますけれども外務大臣、もう一つお伺いをします。  これは、菅長官ポンペオ国務長官とお会いをされました。その後、国務省がステートメントを発しています。そのステートメントの中で、北朝鮮の核、大量破壊兵器、ミサイルについて取り上げていて、そこで、非核化について、その中に入っています。そこで書いてあるのは、日米北朝鮮との最終的で完全で検証可能な非核化、フリー・ファイナル・ベリファイド・ディニュークリアライゼーションかな、FFVDという言葉にコミットしているというそういう書きぶりがあります。  これ、しばらくCVIDという言葉、前からありましたけれども、こういった言葉を用いるのは久しぶりのようにも思われますけれどもアメリカは、核に対して確固たる立場というか、こういった言葉を再び使って、そこまでは譲歩は絶対にしないというふうに言ったということであるということでよろしいんでしょうか、教えてください。
  79. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) これは、日本アメリカ国際社会も、北朝鮮の核兵器及びその他の大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルについて、完全かつ検証可能、不可逆的な方法での廃棄、これを求めるという方針に変わりはございません。アメリカは様々な用語を使っておりますけれども意味するところは全く同じということでございます。
  80. 大野元裕

    ○大野元裕君 同じなんですか。私もちょっと、済みません、ちょっと記憶で、UNMOVICやUNSCOMのときにはFFCDという言葉が使われて、それはドキュメントそのものを指していました。このFFVDというのはドキュメント、つまり書面ではなくて、あのときこんなドキュメントでしたけれども、ではなくて、FFVDというのは政治的スタンスなんじゃないんですか。これ最後、もうこれで時間なのでやめておきますけれども大臣に確認して終わります。
  81. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 完全検証可能なかつ不可逆的なミサイル及び大量破壊兵器の廃棄を求めるというスタンスにおいて、アメリカは何ら変わりがないということでございます。
  82. 大野元裕

    ○大野元裕君 まだまだ質問したいですけど、時間なのでこれで終わりにします。  ありがとうございました。
  83. 横山信一

    ○横山信一君 公明党の横山信一でございます。  昨日までのトランプ大統領の様々な行事がございました。その中でやはり強固な日米同盟のきずなが確認できたということは、大変大きな成果であったというふうにも思います。また、拉致被害者家族との面会、また日米首脳会談等で北朝鮮をめぐる問題の今後の対応について非常に重要な時期での様々な行事だったというふうにも思っております。  これを受けて公明党の山口代表も、安倍首相が前提条件を付けずに金正恩朝鮮労働党委員長と向き合いたいとの決意を示し、国際社会に対話の用意があるというメッセージを発した、これに対しトランプ大統領が全面的な支援を明言したのは大変に心強いという見解を発表しております。  そこで、まず外務大臣にお聞きをしたいんですけれども、さきに歴史的な米朝首脳会談実現をしました。その結果と言えると思いますが、北朝鮮による挑発的な行動が少なくなってきました。さきに短距離弾道ミサイル発射をされたのは残念なことでありますけれども、長距離弾道弾等がないということは、少なくなってきたと言える。  また一方で、朝鮮半島の非核化がこの米朝首脳会談によって進展がなかったということも、これも残念なことでありました。私たち拉致問題を抱える我が国にとっては、この朝鮮半島の非核化拉致問題というのは一体で考えていかなければいけない問題でありますので、そういう意味では、この進展がなかったことは残念に思います。  トランプ政権は、安倍総理働きかけによりまして拉致問題を重視するようになりましたが、一方で、この拉致問題と同様に重要な非核化に関して我が国はどのように連携をしているのか。また、金正恩委員長大統領選を控えるトランプ大統領との交渉妥結についてどういう態度を取っていくか、いまだ分からないという状況にもございます。  そういう意味では、これ、もうよく言われることでありますけれども米朝首脳会談があって、いわゆる米国任せにしておくと長距離ミサイルだけが非核化の対象になるのではないかという不安を抱く国民も多いわけであります。私は北海道に住んでおりまして、道南の奥尻島というところには三年前に長距離ミサイルが、弾道ミサイルが落下をいたしました。その距離は島から二百から二百五十キロメートルぐらいしか離れていなくて、奥尻町民からすると本当に目と鼻の先にミサイルが落下してきたという、そういう恐怖感を味わっているわけであります。  そうした国民の不安を払拭し、なおかつ拉致問題を進展させるという意味非核化をどう進めるのか、お聞きをします。
  84. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) ハノイで米朝会談を行いましたのは、アメリカとベトナム戦争を戦い、今現在も共産党の一党支配というベトナムという国であっても、正しい決断をした際には、経済を開き外国からの投資を受け入れるという決断をすれば、経済が成長し国民生活が豊かになる、その現実を金正恩委員長に御自分の目で見ていただきたいという思いがあってハノイでの首脳会談になって、実際に金正恩委員長はこのベトナムの発展ぶりを見て帰ったわけでございます。  今、北朝鮮が正しい決断をするかどうか、ボールは北朝鮮側のコートにあるということでございます。そのために、国際社会は、これまで同様に国際社会しっかりと連携を強めて安保理決議をしっかりと完全に履行していく、そして瀬取りや北朝鮮の労働者問題といった抜け穴を各国協調してしっかりと塞いでいく、そういうことに尽きるだろうというふうに思っているところでございます。  今回来日されたトランプ大統領は、前回と同じように拉致被害者の御家族にお目にかかっていただき、また会談の中で複数回この拉致問題を提起した、そういうことについても首脳の間で様々すり合わせをやらせていただきました。  国際社会連携をして核、ミサイル問題を解決すると同時に、この拉致問題に関しても日朝しっかりと向き合って解決に結び付けてまいりたいというふうに考えております。
  85. 横山信一

    ○横山信一君 米国の歴代政権は、これまで北朝鮮に対しては行動対行動という対応をしてまいりました。要するに、北朝鮮が具体的な行動を取らない限りその見返りは出さないということでありますが、それがトランプ政権になって、CVIDという、大量破壊兵器の完全で検証可能かつ不可逆的な廃棄というのを求めてきたわけでありますが、それがここに来て、先ほども話題になりましたけれども、FFVDという言葉を使うようになっております。結果的に、このFFVD、CVIDも求めるところは同じだと先ほど河野大臣もおっしゃっておりましたけれども、この対応が結果的にハノイの米朝首脳会談の物別れを招いたとも言えるというふうにも思うわけでありますが。  日米連携して北朝鮮問題に臨むことは当然のことでありますが、我が国は、このアメリカと決定的に違うのは、この拉致問題をどう解決するかということが最重要課題であるというところであります。この拉致問題を抱える我が国にとって、そのFFVDをかざしているアメリカと協調しながらどのように北朝鮮に向き合おうとしているのか、これも河野外務大臣にお聞きいたします。
  86. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 先ほども申し上げましたように、CVID、FFVD、コンプリート・ディニュークリアライゼーション、いろんな言葉がございますが、意味するところは全く同じ、全ての大量破壊兵器と全てのミサイルの、あらゆる射程のミサイルの完全かつ検証可能で不可逆的な廃棄というものを実現させる、これはもう日米を始め国際社会一致をしているところでございまして、これが実現されるまで、しっかりと国際社会連携をして、安保理決議を完全に履行していく、そして抜け穴を塞いでいく、そういうことを今進めているところでございます。  その中にあって、トランプ大統領からも、あるいは様々北朝鮮外務大臣会談をした各国の外務大臣からも、この日本拉致問題についての問題提起が今行われているわけでございますので、我が国としては、こうした国際社会連携をしながら、しっかりと拉致問題の解決のために北朝鮮と直接向き合ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
  87. 横山信一

    ○横山信一君 外務大臣としてはそういう言い方になるのかなと思いますが、私が思いとして言ってもらいたかったのは、その拉致問題を抱えるということでいえば、それは国際社会と協調してやっていくのはもちろんでありますし、安保理決議を守らせるということも当然なことでありますけれども、その一方で、やはり柔軟性という含みも日本側にはあってもいいのではないかという思いがあるわけでありますが。  北朝鮮の労働新聞には、安倍首相はトランプ氏に拉致問題の解決を提起して会談の邪魔をしたというふうに報じたというふうに、これ報道で出ていたものでありますが、一方で、昨年四月の南北首脳会談で文在寅大統領日本拉致問題に触れると、なぜ日本は直接言ってこないのかとか、あるいは、さきの二月の米朝首脳会談では、安倍総理と会う用意があるというふうにトランプ大統領に伝えたということも明らかになっているところであります。その上で総理は前提条件なしの日朝首脳会談を目指すという方針を発表しているわけでありますが、今のところ北朝鮮の反応はないという状況にございます。  菅官房長官は、様々な手段でやり取りを行っている、先ほども答弁されておりましたけれども、ということを述べておりますが、ここは外務大臣にお聞きしたいんですけれども日朝首脳会談実現に向けての外務大臣としての決意をお願いいたします。
  88. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 五名の拉致被害者帰国されて以来、一人の拉致被害者帰国実現していないというのは誠に痛恨の極みでございます。被害者の御家族が御高齢になっている今となっては、一日も早い全員の帰国のためにしっかりと努力をしていかなければならないというふうに思っております。  現段階で日朝首脳会談のめどは立っていないわけでございますが、あらゆるチャンスをつかまえてしっかりと働きかけをしてまいりたいと思っております。
  89. 横山信一

    ○横山信一君 次に、菅拉致問題担当大臣にお伺いしたいんですが、日朝首脳会談というのは実現に向けての十分な機運は高まっているというふうに思うのでありますけれども、是非実現をさせていただきたいと、今外務大臣決意もありましたが、その上で、米朝首脳会談がハノイという場所で行われたということの意味も先ほど述べていただきました。もし仮にということになってしまうのでありますが、この日朝首脳会談が行われるとしたら、是非考えていただきたい場所があります。それは、中国の大連ではどうかということであります。  なぜかという理由は幾つかあるんですが、一つには、金正恩委員長が安全に移動しやすい場所であるということ。また以前にも、この大連の隣に丹東という町がありますが、この丹東を通って金正恩委員長が中国に入ってきているという経緯もあるということで、安全な移動が確保できるということであります。また、大連は日本企業が多く進出しているところでもありますし、人口約二百万人のうち約十九万人がこの日本企業で働いているというふうに出ておりまして、日本企業の存在感が大きい。また、元々親日的な地域でもあります。その上、昨年五月には、日本遺産に認定された北前船寄港地という関係者が集う観光フォーラムがあったんですが、これが大連で開催をされて、昨年は岡本大臣政務官が行っておりますし、今年は、今月の第三十回アカシア祭りに鈴木憲和大臣政務官が行っております。そういう意味では、日本とこの大連との関係が非常に今いい関係にあると。  先ほども触れましたけれども、大連の隣には丹東という地域があって、ここは中朝国境最大の町でありまして、鴨緑江を渡って、この経済制裁の前には、鉄道、それからトラック、また船舶を通して大量の物流が行われていたというところでもございます。かつて中朝貿易の七割がこの丹東にあったというふうにも言われておりまして、また、この丹東は今、新市街の建設が進んでいるんですが、ここには経済制裁の緩和をにらんで多くのお金が投資をされているというふうにも言われておりまして、この投資マネーが流れ込んでいるというふうにも言われているところでもございます。  そういう意味では、中国にとってもまた北朝鮮にとっても、経済制裁の緩和というところをにらんだ地域としても非常に関心が高い場所ではないかというふうにも思うわけでありますし、ここで開催できれば日朝双方にとっての実りの多い対話も期待できるのではないかというふうに思うわけでありますが、この大連の開催についてどう思うかお伺いしたいと思います。
  90. 菅義偉

    国務大臣菅義偉君) この日韓の首脳会談については、開催地を含め、現時点においてめどが立っているわけではありません。  その上で申し上げれば、北朝鮮との間では北京の大使館ルート等様々な手段を通じてやり取りを行い、拉致問題解決に向けてあらゆる努力を行っているところでありますが、今後の交渉に影響を及ぼすおそれがあるため、詳細については控えたいというふうに思います。  いずれにしろ、拉致問題の解決に向けて我が国自身が主体的に取り組むことが重要であると考えており、そして御家族皆さんも御高齢となる中、一日も早い解決に向けて、あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で取り組んでいるところであります。  今提案を、失礼しました、私、今、日韓と言いました。日朝の首脳会談の誤りであります。  いずれにしろ、今提案をいただきました場所については、提案があったということは、私どもも記憶に残させていただきたいと思います。
  91. 横山信一

    ○横山信一君 ありがとうございます。  さきの米朝首脳会談の後、北朝鮮の反応でちょっと気になることがありました。それは、二回目の米朝首脳会談の後、李容浩外相が、現状の信頼レベルだから米国とはこういう取引になっているというふうに発言をしたというふうに言われております。  この発言から見え隠れするのは、北朝鮮は信頼という価値観を重視しているということがうかがわれるのではないかということであります。これは、日朝に限らず、どこの国ともそうでありますけれども、国際関係の交渉事にあってはお互いの信頼関係があってこそ様々な交渉での決断ができるわけであります。  菅官房長官は、国連本部シンポジウムにおいて、北朝鮮との相互不信の殻を破り、新たなスタートを切るというふうにも述べておりますし、また、これは新聞報道ですけれども北朝鮮側は政府間の正式な対話のためには人的往来を制裁に加えてはならないという、そういうふうにも見解を発表しているということでもありますので、人的往来は信頼関係の一環と位置付けているというふうにも考えられるわけであります。  この拉致問題解決のために、金正恩委員長るい北朝鮮という国との信頼関係の醸成、これをどのようにつくっていくべきか。これは拉致問題担当大臣にお聞きいたします。
  92. 菅義偉

    国務大臣菅義偉君) ここに来て北朝鮮から日本に対しての様々なメッセージが発信をされております。そうしたことについて、何が事実であるのか、内容について様々な今分析等を常に政府では行っております。  我が国は一貫して、日朝平壌宣言に基づいて、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決をして、不幸な過去を清算し、北朝鮮との国交正常化を目指す考えであり、その方針の下に今取り組んでおります。  安倍総理条件付けずに金委員長と直接向き合う決意であり、我が国としては、相互不信の殻を破り、北朝鮮の核、ミサイル、そして何よりも重要な拉致問題を解決する、その決意の下に引き続き全力で取り組んでいるところであります。
  93. 横山信一

    ○横山信一君 北朝鮮が求めているものというのは経済制裁の緩和と体制の安全保証だと、これはよく言われることでありますが、とりわけ経済制裁によって大きく今北朝鮮経済というのはへこんでいるというふうに言われているわけでありますが、例えば中朝貿易を見ても、経済制裁によって貿易総額というのは五一%以上減っているという統計も出ておりますし、非常に大きな経済への打撃が出ているという事実があろうと思います。  その中で、世界食糧計画、WFPによれば、北朝鮮の食糧事情というのはここ十年間で最悪の状態に陥るというふうに報告をされておりまして、人口の約四〇%、一千万人以上ですけれども、に食糧支援が必要になるというふうにも試算をしているところでもあります。  菅担当大臣は、北朝鮮が正しい道を歩むのであれば、日本北朝鮮が有する潜在性を解き放つため助力を惜しまないというふうにも述べておられますので、その条件によっては経済協力に応じていく、向かう意向も示しているわけであります。  この北朝鮮周辺の国々、我が国も含めてでありますが、六者協議というのがありました。ロシアは六者協議の再開を求めているわけでありますけれども、この六者協議の仕組みというのは非常に大事だと私は思っているのでありますが、今はバイでそれぞれやっておりますので、北朝鮮はですね、その中でそれぞれの国の思惑が様々に働くわけでありますが、例えば韓国では開城工業地区の再開を模索をしていると、あるいは食糧支援の検討に入っているという報道もあります。  様々な国々の思惑があるわけでありますが、この朝鮮半島の平和体制ということを位置付けるにはやはり六者協議というものが非常に重要ではないかと、六者協議の中に位置付けていかなければいけないというふうにも考えるわけでありますが、米朝の非核化プロセスを重視しながらも、我が国としては、このロシア、中国、韓国と今後どのように連携をしていくのか、最後にお聞きをいたします。
  94. 菅義偉

    国務大臣菅義偉君) 朝鮮半島の平和と安全をどのように確保するかということは、我が国を含む関係国の間でこれ議論をしていく課題であるというふうに思っています。  我が国としては、引き続き、朝鮮半島の非核化に向けて、日米及び日米韓で緊密に連携をし、中国及びロシアを始めとする国際社会協力していく考えであります。
  95. 横山信一

    ○横山信一君 終わります。
  96. 高木かおり

    高木かおり君 日本維新の会・希望の党の高木かおりでございます。  昨日の川崎市の痛ましい事件、本当に亡くなられた方に心から御冥福をお祈りしたいと思います。  さて、拉致問題の打開について今日は議論させていただきたいと思いますけれども、先ほどから様々なお話がございました。安倍総理は、家族会と支援組織の救う会が開いた集会で、金正恩委員長と会って率直に虚心坦懐に話をしたいと表明したものの、残念ながら日朝首脳会談が行われるめどが立っていないというふうにも説明していらっしゃいます。  国連人権理事会に北朝鮮を非難する決議案共同提出を見送りながら、決議案については無投票で採択されている、こういった状況があるわけです。私は、日朝首脳会談、是非とも期待をするわけなんですけれども拉致を人権問題と捉えてEUと一緒に北朝鮮と対峙してきたはずなのに共同提出をしないと、こういった選択の意図というのは何かあったんでしょうか。お答えいただけますでしょうか、外務大臣
  97. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 先ほど申し上げましたとおり、諸情勢を総合的に勘案した結果の決断でございます。
  98. 高木かおり

    高木かおり君 是非とも、やはりこれは微妙な外交問題ということもあるかと思いますので、しっかりとこの交渉の方は進めていっていただきたいというふうに思います。  そんな中で、今日も、拉致被害者方々関係者方々、本当に私も、当時拉致をされてしまった横田めぐみさん、十三歳であったということで、私の娘も今十三歳、重ね合わせますと、本当につらい思いで何十年もの間いらっしゃったと。  そして、五人の帰国方々があった後、十七年間そのままであるというような状況の中で、前回の委員会でも質問させていただきましたが、拉致被害者の御家族高齢化が本当に進んでいて、先日の集会も、ずっと先頭に立って活動されておられた横田めぐみさんの父親の滋さんも昨年に続いて欠席、田口八重子さんのお兄様の繁雄さんも初めて欠席をされたというような、本当に高齢化や病に御家族方々が直面をしているというような状況の中で、先日、菅拉致問題担当大臣におかれましては、先ほどから出ておりますペンス大統領、そういった関係者方々とお話をされ、そしてシンポジウムにも参加をされたということで、本当に、国民皆様、また拉致被害者の御家族方々に対しましては多くの期待の姿に見受けられたんではないかなというふうに思うんです。  そういった中で、大臣がいかに、どういうふうに被害者の御家族方々とコミュニケーションを取られ、そして様々な情報、そういったことを共有されているのか、その点についてお聞かせいただけますでしょうか。
  99. 菅義偉

    国務大臣菅義偉君) 私自身は、政治家として、当選二回のときから拉致問題解決に向けて全力で取り組んできました。隣の河野外務大臣と一緒に万景峰号入港禁止の法案を作ったり、議員立法にも取り組んできました。  そして、拉致問題担当大臣に就任をしてから、御家族皆様、そして横田さんが拉致をされた現場等にも出向いてまいりました。五人の方が帰られてから御家族皆さんを取り戻すことができない、大変政府として申し訳ない思いを抱きながら、解決に向けて全力で取り組んでいるところであります。  御家族皆様には、様々な思いを持ちながら、今御高齢になる中で全力で頑張っておるわけでありまして、政府としては、そうしたお話を伺うと同時に、様々な情報を可能な限り提供するように努めているところであります。  私、昨年の十月に拉致問題担当大臣に就任したのでありますけれども国民の集い等の集会、署名提出、多くの機会皆さんとお会いをし、話合いをし続けております。今月の国民大集会に先立つ昼食懇談会では、御家族から肉親の帰国を求める痛切な思いを伺い、総理とともに心に重く受け止めたところであります。  今後とも、拉致被害の御家族皆様に寄り添いながらきめ細かく対応をさせていただいて、全ての拉致被害者の一日も早い帰国に向けて全力で頑張っていきたい、このように思います。
  100. 高木かおり

    高木かおり君 大臣、ありがとうございました。  本当に、被害者皆様に寄り添いながらというお言葉をいただきました。私も、約三年前に当選をさせていただき、そしてこの拉致委員会に所属をさせていただきました。それから、もちろん外交問題様々あるかと思いますが、私自身どのようにこの拉致の問題に向き合っていけばいいのかということを考えながら、もういても立ってもいられずに、前回、私質問させていただきましたけれども日本海に漂着船が、遭難船といいますか、そういったものが来るという問題について質問させていただきましたけれども、昨年の夏に秋田県の湯之尻漁港の海岸沿いの方へ行ってきまして、そちらの方に五年前から遭難船がそのままになっている、また平成二十九年にももう一隻そのままに、漁港に船が漂着したままになっているような現状がございます。  そこに、平成二十八年の時点では約六十六件の漂着船だったのが、次の年二十九年には百四件、それから平成三十年には二百二十五件、そういった、どんどんこういった北朝鮮からと思われる漂着船、遭難船が来ております。  そこには実は生存者もいらっしゃるということで、平成二十九年には生存者が四十二名も日本海に遭難してきていたと、そして、この遭難された生存者の方々、そういった方々を、日本政府としてしっかりと、北朝鮮の事情をよく知っている方々であるわけですから、そういった方々からきちんと事情聴取をしていただいているのか、そういったこともいろいろと海上保安庁の方ともこの質問に向けてやり取りをさせていただきました。  そういった中で、二年前にも私、この件は質問をさせていただきましたけれども、そういった、まず日本海の水際の危機管理、こういったこともこれからしっかりとやっていかなければならないんですけれども、二年前と今と少しは進展したんでしょうか。その点についてお聞かせください。
  101. 一見勝之

    政府参考人(一見勝之君) 漂着船の早期発見が何よりも重要だと海上保安庁では考えておりまして、巡視船艇や航空機による巡視警戒、それから地元の自治体などとの迅速な連絡・通報体制の構築、これを私ども徹底しております。  そういった形で漂着・漂流船の早期発見ということでしっかりやっておりますが、二十八年の十二月に関係閣僚会議をお開きいただきまして、私どもの海上保安庁の体制の強化、この方針を決めていただきました。それに基づきまして、大型巡視船や高性能監視レーダーを搭載した新型ジェット機を整備、これを進めておるところでございまして、今年度には大型の巡視船が六隻、それからジェット機が四機追加で配備することができるようになっております。  こういった形で、いずれにしましても海洋監視体制の強化に努めておるところでございます。
  102. 高木かおり

    高木かおり君 是非とも、この拉致問題というのは、もちろん国と国との外交問題というのはあると思いますけれども、まずはそういった日本の方に、言ったら水際ですよね、海岸にそういった北朝鮮からの漂着船、また生存者が来られているということで、様々なありとあらゆる手段を使って解決の糸口を見付けるということですので、是非ともその点をしっかりと今後もやっていただいて、拉致解決の糸口にしていただきたいと思います。  時間がございませんので、これで終了させていただきます。ありがとうございました。
  103. 武田良介

    ○武田良介君 日本共産党の武田良介です。  安倍総理は、前提条件なしで、条件を付けずに日朝首脳会談を行う旨を表明されております。その際、日朝平壌宣言、先ほどもありましたように、核、ミサイル拉致問題、そして過去の清算、こういう諸懸案を包括的に解決して国交正常化に向かっていくと、こういう精神に立って積極的な対応を取っていくということが必要であるということを強調したいと思います。  今日は時間に限りがありますので、以下ちょっと絞って質問させていただきたいというふうに思っております。  北朝鮮は、五月の九日にミサイル発射をいたしました。私は安保理決議に反する軍事的挑発は厳に慎むべきだというふうに考えますけれども政府の認識をお聞かせいただけますでしょうか。
  104. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) この五月の北朝鮮ミサイルは、明確な安保理決議違反でございます。そのために、我が国といたしましては、アメリカを始め国際社会連携をして、これまで累次の安保理決議の完全な履行並びに瀬取りを始めとする安保理決議の抜け穴をしっかり塞ぐべく、国際的なオペレーションをやってまいりたいと思います。
  105. 武田良介

    ○武田良介君 国連安保理決議、これが本当に大事だというふうに思っております。  国連安保理決議二三九七は、北朝鮮による弾道ミサイル技術を使用したいかなる発射も実施しないように求めております。さらに、事態の平和的、外交的かつ政治的解決の約束を表明し、対話を通じた平和的かつ包括的な解決を容易にするための理事国及びその他の国による努力を歓迎するとともに、朝鮮半島内外の緊張を緩和するための取組の重要性を強調すると、こういうふうにしております。  やはり、この安保理決議の立場で国際社会一致をして取り組むことが本当に大事だというふうに思いますけれども大臣の認識、改めてお伺いしたいと思います。
  106. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) おっしゃるとおり、この安保理決議が非常に大事でございまして、国際社会がこの安保理決議をしっかりと履行をする、そして、瀬取りですとか、あるい北朝鮮の労働者、あるいはサイバーでの仮想通貨の奪取といった抜け穴をしっかりと塞ぐべく、国際社会連携をしてまいりたいというふうに思っております。
  107. 武田良介

    ○武田良介君 こういう安保理決議の立場が非常に大事だと思うんですが、昨年六月のシンガポールでの共同声明、ここで一致をした朝鮮半島の非核化、それから平和体制の構築、これが具体化をされました。これを履行するための真剣な協議を続けていくということが本当に大事だと思いますので、そのことを求めたいと思いますし、今の米朝のこの膠着状態をいかに打開をしていくのか、そのためには、この朝鮮半島の非核化や平和体制の構築という、そのことを目指した包括的な合意を交わして段階的に履行していくことが最も現実的な道だということをこれは強調しておきたいというふうに思います。  次に移らせていただきたいというふうに思いますが、トランプ政権が今年二月に未臨界核実験を行ったことが明らかになりました。同政権では二回目の未臨界核実験ということになりますけれども、これ以上の核実験はもうこれ断じて許されないというふうに思いますけれども大臣、いかがでしょうか。
  108. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) アメリカが未臨界実験を行ったという公表をいたしました。こうした未臨界の実験を行ったものを公表してきているのはアメリカだけでございまして、それ以外の国が実験をやっても公表をしていないというのが現実でございます。  我が国といたしましては、CTBTの発効に向けた取組の重要性を一貫して訴えてきているところでございまして、国連総会に提出する核兵器廃絶決議においてもそうした趣旨を盛り込んできているところでございます。日本としては、引き続きCTBTの発効促進に向け努力を積み重ねてまいりたいと思っております。  その上で、この未臨界実験など核爆発を伴わない核実験の扱いにつきましては、最終的に核兵器のない世界を目指すとの立場から、核軍縮に取り組んでいく中でしっかり検討すべき課題であるというふうに認識をしているところでございます。
  109. 武田良介

    ○武田良介君 私は、日本は唯一の戦争被爆国なわけですから、こういう未臨界核実験が行われたということに対してやはり抗議をしていくことが本当に必要になってくるというふうに思っているんですが、河野大臣、今公表しているのはアメリカだけというお話もありましたけれども、今回の未臨界核実験についてアメリカからはどのような説明がされているんでしょうか。
  110. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 今、日本は、この我が国を取り巻く厳しい安全保障環境の中で、米国の核兵器を含む抑止力に依存をしている部分があるわけでございまして、日米間では日頃から軍備管理・軍縮、安全保障について様々やり取りをしてきているところでございます。  その詳細につきましては公表は差し控えたいというふうに思っておりますが、日米でこうした問題について様々やり取りをやってきているところでございます。
  111. 武田良介

    ○武田良介君 NPTの第六条ですけれども、これは核軍備の縮小を約束するということで、核軍備、その縮小の義務を明記しているものだというふうに思います。  一方で、トランプ政権は新たな核態勢の見直し、これに沿って核兵器の近代化、強化のために未臨界核実験を行っているんではないか。そうなると、これはまさにNPTの第六条に反することになるんではないかと。政府としては、アメリカに対して、NPTのこの第六条の核軍縮の義務、これを果たすように迫るというのが、これは私、当然だというふうに思うんですけれども大臣、いかがでしょうか。
  112. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 今回のアメリカの未臨界実験につきましては、オバマ前政権時代に米国エネルギー国家核安全保障管理局、NNSAにより立ち上げられた核備蓄の安全性と有効性の確認のための未臨界実験計画に基づいて実施されたものであると承知をしております。  委員御指摘のNPT第六条につきましては、各締約国が誠実に核軍縮交渉を行う義務を規定しており、我が国が昨年国連総会に提出した核兵器廃絶決議においても、NPT第六条に言及しながら核兵器の全面的廃絶に向けNPTを完全に実施することが重要である旨を強調しているところでございます。  核兵器のない世界を目指すとの立場から核軍縮に取り組んでいく中で、この未臨界実験についてもしっかりと検討すべき課題であると認識しております。
  113. 武田良介

    ○武田良介君 今回の未臨界核実験に対しまして、例えば広島県の湯崎知事も抗議文を送っておられます。若干紹介したいと思いますけれども、核兵器廃絶を願う広島県民の願いを踏みにじるもので、誠に遺憾であると。その上で、核兵器による徹底した破壊の現実を深く理解していただくため、広島を訪問していただくことを強く求めます。核兵器の使用がもたらすのは悲惨な現実であり、被爆者の苦労は今なお続いていることを理解していただけるはずですというふうに述べておられます。  長崎県の中村知事も抗議文を出しておられますけれども、これまでも核実験を行わないように求めてきたが、繰り返されたことは極めて遺憾であるというふうにいたしまして、長崎県民は一日も早い核兵器廃絶を願っているということを述べておられます。  広島、長崎の両知事がこういう抗議文を送り、立場を明確にしている下で、今、日本政府がその立場を鋭く問われることになっているんだろうというふうに思います。  北朝鮮に対しては、アメリカはですね、北朝鮮に対しては核開発、その放棄ということを求めながら、一方で、アメリカ自身は核兵器の近代化、強化、これを公然と進めることは、朝鮮半島の非核化を目指す今後の交渉に悪影響を与えることになってしまうのではないだろうかと。  日本政府として、唯一の戦争被爆国の政府として、これは、未臨界核実験を行ったことに対して抗議すべきではないかと改めて求めたいと思いますけれども菅官房長官、いかがでしょうか。
  114. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 我が国といたしましては、引き続き、国際的な安全保障環境の改善や国家間の信頼関係の強化を図りつつ、核兵器国と非核兵器国の双方の協力を得て、核兵器のない世界に向けて一歩ずつ着実に進んでまいりたいと思います。そのために粘り強く努力をしてまいりたいと考えております。
  115. 武田良介

    ○武田良介君 終わります。
  116. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。よろしくお願い申し上げます。  私も、川崎で起こりましたあの悲惨な事件、大変心を痛めまして、しかし、考えてみますと、心臓が動いていることだけが生きているかというと、そうではございません。人権を奪われてしまったまさに拉致被害者皆様方にとって、本当に生きるか死ぬかという、そういう問題が今、一刻一刻と迫っているのではないかという思いで私は今日質問をさせていただきたいと思っております。  この拉致問題、実は私も脳裏に焼き付いている光景がございます。飛行機で降り立って、皆様方、この日本の地に足を踏み入れられたその瞬間というものは、私の年代の人間であれば、誰しももう忘れることができない記憶として、まさにその歴史の一ページ、忘れたくても忘れられないような、脳裏のその一ページの中に組み込まれているわけです。しかし、残念なことながら、先ほどからも多くの議員が指摘しておりますように、二〇〇四年以来それが行われていないということで、だんだんその思いが風化していっているのではないかということ、大変心配をいたしております。  そこで、岡本議官にお伺いさせていただきたいんですけれども、やはりこの拉致問題に対して国民皆様方がどういう思いを抱いていらっしゃるのか、今調査を行っていらっしゃいますでしょうか、教えてください。
  117. 岡本宰

    政府参考人岡本宰君) お答え申し上げます。  拉致問題の認知度ですとか広報啓発行事への参加意識など、拉致問題に関する国民の意識につきましては、平成二十四年度に北朝鮮による日本拉致問題に関する特別世論調査を実施しております。この調査の結果によれば、回答者のほとんどの方、九九・七%ですけれども拉致問題を認知しているという結果が出ております。ただ、今委員が御指摘になられましたように、あのタラップから降りてきたのはもう十七年も前になりまして、それ以降生まれてきた若い世代の方々は、そういった拉致問題についてなかなか触れる機会も少ないということで、私ども、若い世代の方々への広報啓発に力を入れて取り組んでいるところであります。
  118. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  私も様々なツールも見せていただきました。アニメで、今もホームページで公開をされておりますけれどもめぐみさんの御様子を見せていただいたり、最近では作文コンクールなども行われておりまして、多くの子供たちもこの拉致問題ということに触れる機会が増えてきているのではないかと思っております。  私も、十代の息子、二十代の息子おります。十代の息子の方が、実は拉致問題詳しいんです。最近すごく、学校でもいろんな形で触れる機会をつくってくださっているんだなという証拠だと思うんですけど、一方で、それがなかなか行われなかった二十代、三十代前半の今の若者たち、少し意識が薄いんではないのかなという思いがしてなりません。  しっかり調査をするにしても、年代ごとにどのような反応を示し、そしてそういうツールが有効に活用されているのかということも私考えていく必要があるんではないかと思いますけれども担当大臣として今後どのようなアプローチを考えていらっしゃるのか、教えていただけますでしょうか。お願い申し上げます。
  119. 菅義偉

    国務大臣菅義偉君) 今委員から御指摘がありました、これまで拉致問題について触れる機会の少なかった若い世代の方々への啓発がこれ重要な課題でありまして、中高生を対象とした作文コンクールだとか、あるいは教員等を対象にした研修、こうしたものを実施をしてきております。  さらに、今年度は、新規施策として、教員を目指す大学生を対象に、授業の実践事例を積み重ねていく事業を実施いたしております。  また、全国各地で開催されます国民の集いなどの集会に、担当大臣である私や副大臣、政務官などが参加をし、担当大臣として就任して以来、幾度となく各地の集会にも参加をしてきています。  加えて、毎年十二月十日から十六日までの期間は、法律で北朝鮮人権侵害問題啓発週間と定められておりまして、全国で様々な啓発のイベントが開催をされております。  政府としては、今後とも、拉致問題に関する国内外の世論の理解と支援を得るためにいかなる方法が効果的であるのかとの観点から、不断の検討を行い、しっかりとした広報宣伝活動というのを行っていきたいと思います。
  120. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 是非お願いいたします。  子供たちだけではなく、やっぱり青年がもっと参加しやすいようなイベント等も私は企画していただければ、もっと多くの方々にこの問題の深刻さというものが認識され、そして国民一丸となって、何としてでも一人残らず日本帰国するという思いが強くなってくるんではないかと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。  そこで、外務大臣にもお尋ねをさせていただきたいと思います。  まず、そういう活動をするに当たりましても、様々な調査というものが私は行われていかなければならないと考えております。前回の質問のときにも御紹介いただきました北朝鮮における人権に関する国連調査委員会、COIの最終報告書、これは二〇一四年に出されておりますけれども、既にもう五年が経過をいたしております。五年のうちに様々世界の状況も変わり、そして北朝鮮の状況も変わってきております。  北朝鮮に関する様々なこの状況をしっかりと私どもでも把握する、そして世界中の皆様方にも共有するためにも、この国連調査委員会というものを私はもう一回開催をし、もう一回この報告というものを出していただく、若しくは、最終報告書の勧告というものがございましたので、それが上手に機能しているかどうかという評価も行っていかなければならないんではないかと考えておりますけれども、その辺り、どのような動きになっていらっしゃるのか、教えていただけませんでしょうか。お願い申し上げます。
  121. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 委員御指摘のこの調査委員会は、二〇一三年から二〇一四年までの一年間の活動期間で設置をされ、二〇一四年三月に最終報告書を提出して活動が終わっているところでございますが、現在、北朝鮮の人権状況を監視する枠組みというのは、例えば、北朝鮮人権状況特別報告者が北朝鮮の人権状況について調査を行い、調査結果及び勧告を国連総会及び人権理事会に報告することになっております。また、国連人権高等弁務官事務所の能力強化も二〇二一年三月まで継続して行われることになっておりますので、我が国としては、あらゆる選択肢を勘案しながら、委員おっしゃるように、しっかりと情報の収集、分析、そして行動ということにつなげてまいりたいというふうに考えております。
  122. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  先ほど青山先生からもお話がございましたデービッド・スネドンさんのこの形でも、実はこの報告書の中にはまだ入っていないような状況も見受けられます。ですから、そういった形で国際的にもしっかりと私は共有をさせていただくためにも、こういう報告書というものがすごく重要な立ち位置を示すのではないかと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  その報告書にもございました、韓国は、実は五百十六名の失踪ということがこの報告書の中で明確になっております。今、外交的にも様々な問題を抱えていることは私も承知いたしておりますけれども、やはりパートナーとして、韓国とこの拉致問題解決というこの一点におきましてはしっかりと協力体制強化していただきたいと思いますけれども外務大臣としてどのような御意見いただけますでしょうか。
  123. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 委員御指摘のとおり、韓国においても、拉北者と呼ばれる北朝鮮による拉致被害者が五百名以上いるとされております。これまで韓国政府との間では、累次にわたりこの両国の拉致問題の解決に向けた協力というのを確認をしてきているところでございます。  確かに今、日韓両国政府、難しい問題を抱えているところではございますけれども北朝鮮問題を始め連携すべき課題については韓国としっかり連携していくことが重要だと思いますので、今後とも、この連携を、この拉致問題、しっかりと続けてまいりたいと思っております。
  124. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  私どももこのような形で議論させていただいておりますけれども、もう悲願は一つでございます。その問題を一刻も早く解決できる体制を、そのために超党派でこのような議論もまだまだ続けさせていただきたいと思いますので、お時間いただきますようよろしくお願い申し上げます。  今日はどうもありがとうございました。
  125. 山谷えり子

    委員長山谷えり子君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時六分散会