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政府参考人(
牧元幸司君)
お答えを申し上げます。
森林は、国土の保全でありますとか、あるいは生物多様性の保全でありますとか保健休養
機能、いろいろな
多面的機能を有していることはもう
委員も御案内のとおりでございます。これらの
機能を高度に発揮させるためには、
森林・
林業基本計画におきましても
地域の
自然条件等に応じて多様で健全な
森林を
育成するということを基本方針としているところでございます。
具体的には、
委員からゾーニングというお話もあったところでございますけれ
ども、まずこういう人工林を主体とする
育成単層林、これが現在約一千万ヘクタールあるというふうに言われておりますが、この一千万ヘクタールのうち、里に近くて比較的傾斜が緩い場所、まあ言ってみれば
林業に適したような山、人工林ということが言えようかと
思います。こういうものが大体一千万ヘクタールのうちの約六百六十万ヘクタールあるというふうに
承知をしておりまして、こういったところにつきましては、適切な間伐や再
造林を行うことによりまして人工林を維持し、国土の保全等の
機能のみならず
木材等の
生産機能の持続的な発揮、これも図る必要がある、しっかりその
林業生産活動をやっていく必要があるのではないかということでございます。
また、間伐等の
森林施業の
効率化を図るために
民有林の
森林所有者と
国有林が
連携をいたしまして、こういう山については路網整備等もしっかり行っていくというような取組もやっていく必要があろうかというふうに思っております。
一方、奥山というふうに言われておりますけれ
ども、急傾斜地とか非常に標高の高いところとか、立地
条件が悪いような奥地の人工林、これも大体約三百五十万ヘクタールほどあるというふうに
承知をしておりますが、こういった森につきましては、国土保全あるいは生物多様性保全等の
機能の発揮を図るために、広葉樹の導入等によりまして広葉樹と針葉樹が交ざったような森、いわゆる針広混交林などを目指すというふうにしているところでございます。
さらに、最近、例えば再生
利用が困難な荒廃農地というものも出てきているわけでございますので、こういったもののうち、
森林として管理、活用を図ることが適当であるものにつきましては、
森林としての
利用に向けた調査とか、あるいは、例えばアイデアとして、早生樹ということで二十年、三十年で大きくなってしまうような品種、コウヨウザンとか幾つか知られておりますけれ
ども、こういったものをそういう放棄されているような棚田とかそういうところに植えたらいいんじゃないかというようなアイデアもございますので、そういうものの実証というものにも取り組んでいきたいというふうに考えております。
いずれにいたしましても、このような方針の下で、将来の望ましい
森林の姿を描きつつ、
地域の
自然条件等に応じまして多様で健全な
森づくりということを進めることが大事だというふうに考えておりまして、その実現に向けましてしっかり取り組んでまいりたいと考えております。