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2019-06-11 第198回国会 参議院 経済産業委員会 第12号
公式Web版
会議録情報
0
令和元年
六月十一日(火曜日) 午後一時開会 ─────────────
委員
の
異動
五月二十九日
辞任
補欠選任
青山
繁晴
君
岡田
直樹
君
三木
亨君
磯崎
仁彦君
宮本
周司
君
石井
準一
君 五月三十日
辞任
補欠選任
石井
準一
君
宮本
周司
君
岡田
直樹
君
青山
繁晴
君
谷合
正明
君
佐々木さやか
君 五月三十一日
辞任
補欠選任
佐々木さやか
君
谷合
正明
君 六月三日
辞任
補欠選任
真山
勇一
君
藤田
幸久
君 六月四日
辞任
補欠選任
藤田
幸久
君
真山
勇一
君 六月五日
辞任
補欠選任
青山
繁晴
君
吉田
博美
君
佐藤
啓君
岡田
直樹
君
宮本
周司
君
山東
昭子
君
谷合
正明
君
魚住裕一郎
君 六月六日
辞任
補欠選任
岡田
直樹
君
佐藤
啓君
山東
昭子
君
宮本
周司
君
吉田
博美
君
青山
繁晴
君
魚住裕一郎
君
谷合
正明
君 六月十日
辞任
補欠選任
石井
章君
山口
和之
君
辰巳孝太郎
君
大門実紀史
君 六月十一日
辞任
補欠選任
北村
経夫
君 こやり
隆史
君
石上
俊雄
君
木戸口英司
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
浜野
喜史
君 理 事 井原 巧君
佐藤
啓君
吉川ゆうみ
君 浜口 誠君 委 員
青山
繁晴
君
磯崎
仁彦君
こやり
隆史
君 滝波 宏文君 松村
祥史
君 丸川 珠代君
宮本
周司
君 渡辺 猛之君 斎藤 嘉隆君
真山
勇一
君
木戸口英司
君
谷合
正明
君 平木 大作君
山口
和之
君 岩渕 友君
大門実紀史
君
国務大臣
国務大臣
(
内閣
府
特命担
当
大臣
)
宮腰
光寛
君
政府特別補佐人
公正取引委員会
委員長
杉本
和行
君
事務局側
常任委員会専門
員
山口
秀樹君
政府参考人
公正取引委員会
事務総局
経済
取 引局長
菅久
修一
君
公正取引委員会
事務総局審査局
長 南部 利之君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○
理事補欠選任
の件 ○
政府参考人
の
出席要求
に関する件 ○
私的独占
の
禁止
及び
公正取引
の
確保
に関する法 律の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
、衆議院 送付) ○
参考人
の
出席要求
に関する件 ─────────────
浜野喜史
1
○
委員長
(
浜野喜史
君) ただいまから
経済産業委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御報告いたします。 昨日までに、
三木亨
君、
辰巳孝太郎
君及び
石井章
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
磯崎仁彦君
、
大門実紀史
君及び
山口和之
君が
選任
されました。 また、本日、
北村経夫
君及び
石上俊雄
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
としてこやり
隆史
君及び
木戸口英司
君が
選任
されました。 ─────────────
浜野喜史
2
○
委員長
(
浜野喜史
君)
理事
の
補欠選任
についてお諮りいたします。
委員
の
異動
に伴い現在
理事
が二名欠員となっておりますので、その
補欠選任
を行いたいと存じます。
理事
の
選任
につきましては、先例により、
委員長
の指名に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
浜野喜史
3
○
委員長
(
浜野喜史
君) 御
異議
ないと認めます。 それでは、
理事
に
佐藤啓
君を指名いたします。 なお、あと一名の
理事
につきましては、後日これを指名いたします。 ─────────────
浜野喜史
4
○
委員長
(
浜野喜史
君)
政府参考人
の
出席要求
に関する件についてお諮りいたします。
私的独占
の
禁止
及び
公正取引
の
確保
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
の
審査
のため、本日の
委員会
に、
理事会協議
のとおり、
公正取引委員会事務総局経済取引局長菅久修一
君外一名を
政府参考人
として
出席
を求め、その
説明
を聴取することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
浜野喜史
5
○
委員長
(
浜野喜史
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
浜野喜史
6
○
委員長
(
浜野喜史
君)
私的独占
の
禁止
及び
公正取引
の
確保
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたします。
政府
から
趣旨説明
を聴取いたします。
宮腰内閣
府
特命担当大臣
。
宮腰光寛
7
○
国務大臣
(
宮腰光寛
君)
私的独占
の
禁止
及び
公正取引
の
確保
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
について、その
提案理由
及び
概要
を御
説明
申し上げます。
私的独占
の
禁止
及び
公正取引
の
確保
に関する
法律
、いわゆる
独占禁止法
の
課徴金制度
は、
昭和
五十二年に成立した一部
改正法
により
導入
されました。その後、
平成
十七年に成立した一部
改正法
により
課徴金減免制度
が
導入
されるなど、所要の
見直し
が行われてきました。しかし、
現行
の
課徴金制度
は、一律かつ画一的に
算定
、賦課するものであるため、
事業者
が
公正取引委員会
の
調査
に
協力
した
度合い
にかかわらず一律の
減算率
となることから
事業者
による
調査協力
が促進されず、また、
違反行為
の
実態
に応じて適切な
課徴金
を課すことができないものとなっています。 このため、
事業者
による
調査協力
を促進し、適切な
課徴金
を課すことができるものとすることなどにより、不当な
取引制限等
を一層抑止し、公正で自由な
競争
による
我が国経済
の
活性化
と
消費者利益
の
増進
を図るため、ここにこの
法律案
を提出した次第であります。 次に、この
法律案
について、その
概要
を御
説明
申し上げます。 第一に、
課徴金減免制度
について、新たに
事業者
が
公正取引委員会
との合意により
事件
の
解明
に資する資料の
提出等
をした場合に
課徴金
の額を減額することができる
制度
を
導入
するとともに、
減額対象事業者数
の
上限
を廃止することとしています。 第二に、
課徴金
の
算定方法
について、
課徴金
の
算定基礎額
の追加、
算定期間
の延長、
卸売業
又は
小売業
の場合に適用する
算定率
の廃止、繰り返し
違反行為
をした
事業者
及び
主導的役割
を果たした
事業者
に対して
割増し算定率
を適用する場合の
見直し等
を行うこととしています。 第三に、
検査妨害等
の罪に係る
法人等
に対する
罰金
の
上限額
を引き上げるなど
罰則規定
の
見直し
を行うこととしています。 なお、これらの
改正
は、一部を除き、公布の日から起算して一年六月を超えない
範囲
内において政令で定める日から施行することとしています。 以上が、この
法律案
の
提案理由
及び
概要
であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
浜野喜史
8
○
委員長
(
浜野喜史
君) 以上で
趣旨説明
の聴取は終わりました。 これより
質疑
に入ります。
質疑
のある方は順次御発言願います。
吉川ゆうみ
9
○
吉川ゆうみ
君 自由民主党、
吉川ゆうみ
でございます。
独禁法改正案
について、
大臣
や
政府
の皆様に御質問させていただきます。 まず初めに、この
独禁法改正
の背景あるいはその
意義
について
大臣
にお
伺い
をさせていただきたいと思います。 この
課徴金制度
は、
昭和
五十二年
制度導入
以降、
数次
にわたり
改正
が行われ、
課徴金引上げ
、あるいは
課徴金
の
対象範囲
の拡大など、
課徴金制度
の強化のための
改正
が行われてきたと
承知
をいたしております。一方で、一律あるいは画一的に
課徴金
を
算定
し、義務的に賦課する、この
仕組み
については
見直し
が行われてこなかったというふうにも
承知
をいたしております。 まず、これまでの
課徴金制度
につきまして、その
評価
、そして今回の
改正
の
必要性
、そしてこのタイミングで
法改正
を行う
意義
について、
宮腰大臣
よりお
伺い
できればと思います。
宮腰光寛
10
○
国務大臣
(
宮腰光寛
君)
独占禁止法
の
課徴金制度
は、
違反行為者
に対して
金銭的不利益処分
を課すことによって
違反行為
を抑止するための
行政
上の
措置
として
昭和
五十二年に
導入
され、
数次
の
改正
が行われています。 また、
カルテル
、
入札談合
は発覚しにくく、摘発が困難であるという特性があります。このため、
平成
十七年の
独占禁止法
の
改正
によって
現行
の
課徴金減免制度
が
導入
されました。例えば
平成
二十六年度から
平成
三十年度までの五年間では、
延べ
二百四十一
事業者
に対して計約三百七十億円の
課徴金納付命令
を行っています。また、
課徴金減免制度
の
導入
以降、
平成
三十年度末までに
延べ
千二百三十七件の
減免申請
がなされ、百三十六件、三百四十八
事業者
に対して適用されています。 このように、
課徴金制度
は全体的には機能しているものと
承知
しています。
他方
、
現行
の
課徴金制度
は、一律かつ画一的に
算定
、賦課されるため、
事業者
による
調査協力
が促進されず、また
違反行為
の
実態
に応じた適切な
課徴金
を賦課することができない場合が生じております。 そのため、
事業者
が
公正取引委員会
の
調査
に
協力
する
インセンティブ
を高め、また
事業者
の
経済活動
や
企業形態
の変化が進む中で、
多様化
、複雑化した
独占禁止法違反行為
に対しても適切な
課徴金
を課すことができる
制度
とする必要があります。 今般、本
法案
により
課徴金制度等
を見直すことによって、
独占禁止法違反行為
が一層抑止され、公正で自由な
競争
による
我が国経済
の
活性化
と
消費者利益
の
増進
が図られるというふうに考えております。
吉川ゆうみ
11
○
吉川ゆうみ
君 ありがとうございます。 ただいま
大臣
より御
説明
いただきましたように、
事業者
への
調査
への
協力
の程度を勘案して
一定
の
裁量
の下での
課徴金
を決定する
仕組み
、この
導入
というのは
実態解明機能
の
向上
、あるいは迅速な
事件処理
にも資するものであろうというふうに私も考えます。 一方、今回の
改正
においても、
EU
のように、
当局
に広範な
裁量
までは認めず、
売上高
を基準とした
課徴金
の
上限
を設定する、このような
制度
は
導入
しないということとされております。 この
理由
にいたしまして、
グローバル化
が進む中であえてこういう形にしたということの
理由
についてお
伺い
をできればと思います。
菅久修一
12
○
政府参考人
(
菅久修一
君) お答え申し上げます。 御
指摘
の
EU
におきましては、
違反行為者
に対しまして課す
制裁金
の額の
算定
に当たりまして広範な
裁量
を有することが許容されております。
他方
、
我が国
の
課徴金制度
は、
違反行為者
に対しまして
金銭的不利益処分
を課すことによって
違反行為
を抑止するための
行政
上の
措置
として、
制度導入
当初から、
違反行為
によって生じる
不当利得
をベースとして
制度設計
がなされてまいりました。
公正取引委員会
が開催しました
独占禁止法研究会
でもこの点については
議論
されたわけでございますが、
公正取引委員会
による適正な
運用
が
確保
される
制度
とすること、また
我が国
における憲法上の要請や
法体系
、
法理論
を踏まえた
制度
とすること、
課徴金制度
の機動的、効率的な
運用
が
確保
される
制度
とすること、そういった
必要性
にも配慮しながら、諸
外国
の
制裁金等
の
制度
のように広範な
裁量
までを認める
必要性
、
必然性
は認められないものの、
調査協力インセンティブ
が十分ではなく、
違反行為
の
実態
に応じた適切な
課徴金
を課すことができないことがある、こうした問題を解消できるよう留意しつつ
検討
を進めるべき、そのように
議論
の結論となったものでございます。 こうした
議論
を受けまして、本
改正法案
で規定されております
調査協力減算制度
などを
導入
すると、このようにしたものでございます。
吉川ゆうみ
13
○
吉川ゆうみ
君 ありがとうございます。 とはいうものの、
独占禁止法
の
見直し
に関する
検討
が行われました
独占禁止法研究会
の
報告書
によりますと、ある国や地域では高額な
制裁金
などが課される一方で、
我が国
においては
課徴金
が課されないあるいは極めて少額な
課徴金
しか課すことができなかったりする
状況
が生じないよう、
課徴金制度
と諸
外国
の
制度
の
国際整合性
を
向上
させる
必要性
があるという
指摘
もなされております。 現在、
経済活動
の
グローバル化
、これが進展する中において、
国際市場分割カルテル
などの
行為
、こういったものも増加しつつあるというのが
現状
であるというふうに思っております。こういった同一の
違反行為
、これにつきまして各国によって
制裁
のばらつきがあるということは、今後、
日本
では
課徴金
が課されないあるいは著しく低い金額になっているということにおいて、この
違法行為
が
我が国
に集中してしまう、そういった
懸念
があるのではないかということも考えられるかと思います。 今回の
法改正
によって、国際的な
整合性
、この
グローバル化
の進展する中においてどの程度
向上
させていく必要があると思われるか、今後の
国際整合性
の
確保
、そういったものについて、まさに
我が国
の
経済
、
世界
の中でのしっかりとした信頼、こういったものを
確保
するためにどうお考えか、お聞かせをいただければと思います。
菅久修一
14
○
政府参考人
(
菅久修一
君) お答え申し上げます。
外国
の
競争法
におきましては、
違反行為者
に対しまして
制裁金
や
罰金
などの
措置
がとられる場合、その額の
算定
に当たりまして、
事業者
の
調査協力
の
度合い
を考慮して、また
違反行為
の
実態
に応じて
制裁金等
を
算定
するなど、
競争当局
などが
裁量
的に
制裁金
などを決定することが許容されていると、そのように
承知
しております。 本
法案
によりまして、
我が国
の
独占禁止法
におきましても、
課徴金
の
算定
に当たりまして、
事業者
の
調査協力度合い
を考慮し、
公正取引委員会
の
調査
に
協力
する
インセンティブ
を
向上
させることとしております。 また、
違反行為
が長期化している
実態
に鑑みまして、
課徴金
の
算定期間
を
現行
の三年から十年に延長する、これによりまして、
違反行為
の
実態
に応じた
課徴金
を課すことが可能になると考えております。 さらに、複雑化する
経済環境
に応じて適切な
課徴金
を課せるよう、この
法案
によりまして、
課徴金
の
算定基礎
に、
対象商品
、
役務
を供給しないことの見返りとして受けた
経済的利得
や、
対象商品
、
役務
に密接に関連する業務により生じた
売上額
、また
違反事業者
から指示や
情報
を受けた
一定
の
グループ企業
の
売上額
、これらを追加するということにしております。 これらによりまして、
公正取引委員会
の
調査
に
協力
する
インセンティブ
が高まり、また
違反行為
の
実態
に応じた
課徴金
を課すことができるようになりまして、
国際的整合性
の
向上
にもつながるものと考えております。 また、
経済活動
が
グローバル化
することに伴いまして、
事業者
は多くの国の
競争法
を遵守することが求められております。こうした中、国によって従うべき
ルール
が異なることとなりますと、
事業活動
の妨げとなりかねないということでございます。 今後も、
競争法
、
競争政策
の
国際的整合性
の
確保
、これを積極的に図る
必要性
があると考えておりまして、
公正取引委員会
としましても、これまでの
独占禁止法
の
歴史的経緯
や
我が国法体系
全体との
整合性
の
確保
にも留意しつつ、必要な
取組
を今後も進めていきたいと考えております。
吉川ゆうみ
15
○
吉川ゆうみ
君 ありがとうございます。
是非
とも、この国際的な
グローバル化
が進展する中で、
我が国
がそういった形にならないように、細心の注意を持ってしっかりと進めていただければというふうに思います。 次に、またちょっと視点を変えまして、
デジタルプラットフォーマー
への
対応
についてお
伺い
をさせていただきたいと思います。
公正取引委員会
では、
全国各地
の
経済団体
あるいは
消費者団体
あるいは
学識経験者
などの
有識者
との
懇談会
を開催し、各地区の実情やあるいは
要望
、こういったものを踏まえながら
独禁法
の
運用
をしていこうということにしていただいていると
承知
をいたしております。 去る五月二十九日、私の
地元
でございます
中部経済連合会
との初めての
懇談会
が行われ、
プラットフォーマー
への
対応
などについて
意見交換
がなされたと報じられております。 そこで、この
懇談会
において
有識者
の
方々
から
プラットフォーマー
の
対応
についてどのような
意見
が出されたのか、御紹介をいただければと思います。
菅久修一
16
○
政府参考人
(
菅久修一
君) お答え申し上げます。 御
指摘
のとおり、先月二十九日に
公正取引委員会
は
中部経済連合会
との
懇談会
を開催いたしましたが、この
懇談会
では、
独占禁止法改正法案
についてのほか、御
指摘
の
デジタルプラットフォーマー
への
対応
、また
地方基盤企業
の
統合等
に関する
公正取引委員会
の考え方、これらを
議題
としまして活発な
議論
が行われたと
承知
しております。 特に
デジタルプラットフォーマー
への
対応
についての
議論
におきましては、例えば、
地元
にとっても
デジタルプラットフォーマー
の台頭により
日本全国
から海外までビジネスチャンスが広がっているという
評価
の声がある一方で、現在の
取引条件
が今後急に変更されるのではないかという
懸念
の声も示されておりました。また、
世界
の
競争当局
と連携して取締りを行う必要がある、
関係省庁等
の結び付きがますます重要になる、こうした新しい分野についてエコノミストや
専門家
をそろえた上で迅速な
対応
をお願いする、このような
指摘
や助言もいただいたところでございます。
吉川ゆうみ
17
○
吉川ゆうみ
君 どうもありがとうございます。
プラットフォーマー
に対する
政府
の
検討
、これは、デジタル・
プラットフォーマー
を巡る
取引環境整備
に関する
検討会
におきましてこの
プラットフォーマー
に対する
具体的措置
の実施に向けた詳細な
検討
が進められていると思いますけれども、例えば先ほどの
中部経済連合会
との
懇談
によって得られた
意見
など、
公正取引委員会
が収集した
意見
や様々な
要望
、これからまだ
中部
だけではなくて
全国各地
から集約をされてくるかと思いますけれども、これらの本当に多種多様な
要望
につきまして、
政府
におきましてはどのような形でこれからの
検討過程
に取り込み、活用していくこととしているのか。 現段階での、もちろん具体的にどういうふうに活用していこうということを想定をしながらこの
検討会
していらっしゃると思いますので、その現在のお考え、それから、この間の
中部
の
意見
を聞いた上での今後どのような形で取り組もうとしているのか、そういったことについて具体的にお教えをいただければと思います。
杉本和行
18
○
政府特別補佐人
(
杉本和行
君)
公正取引委員会
が行います
懇談会
におきまして、先生御
指摘
のような
中部経済連合会
とも
懇談会
も行いまして、非常に
有識者
の方から貴重な
意見
、
要望等
をいただいているところでございます。こうした
経済界
の
有識者
から得た貴重な
意見
、
要望
につきましては、私
ども公正取引委員会
としても、
競争政策
の有効かつ適正な
運用
に生かすようにしているところでございます。 さらに、
デジタルプラットフォーマー
をめぐる
取引環境
の
整備
についての御質問もございましたが、この
デジタルプラットフォーマー
に係る
取引環境
の
整備
につきましては、
経済産業省
、
公正取引委員会
、
総務省
の三
省庁
を
事務局
とする
有識者検討会
において
検討
が行われてきたところでございまして、本年の五月に、
取引環境
の
透明性
・
公正性
の
確保
に向けた
ルール
の
整備
の
在り方
に関する
オプション
、それから、データの移転・開放の
在り方
に関する
オプション
というものが公表されております。 また、
デジタルプラットフォーマー
への
対応
をめぐりましては、
省庁
横断的な
専門組織
を設けることが
検討
されておりますので、こうした
組織
において更なる
検討
が行われることになると考えております。 そうした
検討
におきまして、
公正取引委員会
が
有識者
の
方々
から得られました
意見
、
要望
のうち、
デジタルプラットフォーマー
に関するものについても、その
検討
において生かされるものになると考えているところでございます。
吉川ゆうみ
19
○
吉川ゆうみ
君 どうもありがとうございます。
是非
ともしっかりとした有効な体系にしていただくために、様々な
学識経験者
あるいは
関係者
の
意見
をしっかりと取り入れた、そういった形にしていただければというふうに思います。 そして次に、この
独禁法
と、今
世界
的な
潮流
でございます
ESG投資
との
関係
についてお
伺い
をさせていただきたいと思います。 今、この
ESG投資
、E、
エンバイロンメント
、
環境
、
ソーシャル
、社会、そして
ガバナンス
。
SDGs
が
世界
的に、これは
経済界
においてもあるいは
政府
においても、様々な面の
団体
においても、ところから、この持続可能な
開発目標
、
SDGs
の進展が求められる中において、それを解決する一つの手段として、あるいは、そういった
SDGs
のような
サステナビリティー
に取り組む会社がしっかりと
経済
的にも
評価
をされる、そして
企業価値
として返ってくるために、この
ESG投資
というものが今
世界
の
潮流
としては大きく広がっております。
我が国
におきましては、国連の
PRI
というイニシアチブができてから、なかなかこの
署名
が進まないということで、諸
外国
に
後れ
を取っておるという
状況
でございましたけれども、数年前に
我が国
もしっかりとこの
PRI
に
署名
をいたしまして、そして、
日本
の中ではGPIFのCIO、
世界
の中でのしっかりと役員として働きかけをしてもらっていることにより、
我が国
におけるこの
ESG投資
の位置付け、そして
企業
の
取組
というのは進んでおるところではございますけれども、まだまだ欧米から見ると
日本
は
後れ
を取っているというのが
世界
の見方でございます。 その中におきましても、
我が国
も
金融庁
、
経済産業省
始め、様々なコードをつくって
投資家側
あるいは
企業側
の
取組
を後押ししているところではございますけれども、この今回の
独占禁止法
、こちらと国際的なハーモナイゼーションの構築を見据えたこの
ESG投資
の推進、この連携についてお
伺い
させていただきたいと思います。 この
ESG投資
によりまして、従来の
財務情報
だけではなくて、
企業
の経営の
サステナビリティー
、先ほど申しましたように、
エンバイロンメント
、
ソーシャル
、
ガバナンス
というところを考慮した
投資
というところが
企業
の新たな
収益創出
の機会ということで注目をされており、
評価
をするベンチマークということで今されております。 そんな中で、この
SDGs
への意識の高まりと相まって、この
ESG
を更に広げていかなければならないというのが
我が国
の
現状
でございますけれども、
リスクマネジメント
という観点から、まさにこの
公正取引
というのは
ESG
の中のG、
ガバナンス
のところに該当いたします。この
独禁法
の遵守、これを掲げ、不公正な
取引
や不正な
競争行為
をしない、あるいは
取引相手
を対等なパートナーとして認め適切な
関係
を築く、こちらをコンプライアンスの方針として表明する、こういった
企業
も増えてきているというのが
我が国
の
現状
でございます。 今後の
競争政策
、あるいは
独禁法
の
運用
に当たりましては、
課徴金制度
を始め、
違反行為
を抑制するための
取引
、こういったものを引き続き適切に
運用
をしていくと同時に、
政府
といたしましては、公正な
取引
を行い社会に貢献をしていく、こういった
企業
こそが
投資
家や社会から
評価
され、グローバルな成長をし得る、このモメンタムを生み出していくということをしっかりと出していくことも必要ではないかというふうに私は考えております。 この
ESG投資
の推進、今後、
独占禁止法
にも係る国際的なハーモナイゼーションを後押しするというふうに、その後押しするための一つの大きなアプローチとなるというふうに捉えておりますけれども、
宮腰大臣
の御見解をお聞かせ願えればと思います。
宮腰光寛
20
○
国務大臣
(
宮腰光寛
君)
環境
、社会、
ガバナンス
に関する要素を考慮した
ESG投資
を推進し、
環境
、社会、
ガバナンス
等の持続可能性をめぐる課題を適切に考慮することは、
企業価値
、
経済
全体の安定的成長のために重要であると認識しております。また、
事業者
によるコンプライアンス体制の
整備
を促し、
事業者
のコンプライアンス意識を高めることにも資するものと考えております。 今般の
改正
は、
事業者
の
公正取引委員会
による
調査
に
協力
する
インセンティブ
を高めることによって、
事業者
と
公正取引委員会
が対立した
関係
ではなく、
協力
して
独占禁止法違反行為
を排除することを後押しするものです。そのため、今般の
改正
は、
事業者
のコンプライアンス体制の
整備
を促すことなどに資するものというふうに考えております。 このように、
事業者
のコンプライアンス体制の
整備
を促進するなどの観点で、
ESG投資
の推進と今般の
改正
はいずれも重要であるというふうに考えております。
吉川ゆうみ
21
○
吉川ゆうみ
君 ありがとうございます。まさに前向きな御答弁をいただきまして、感謝申し上げます。 私は、
我が国
のこの
企業
のマインドこそが、もう本当に旧来から、まさにこの
ESG投資
を
企業
経営の価値として、中枢として、中軸として取り組んできたのが
我が国
であろうと思っております。 近江商人の言葉に三方よしという言葉があります。まさに、顧客よし、そして自分もしっかりともうかる、そして世間よし。こういったまさにこの
ESG
の概念、あるいは
サステナビリティー
という
SDGs
の概念を持っている
企業
、これこそが
我が国
のもう本当に何百年も前から脈々と続いてきた精神であるというふうに思っておりまして、そういう意味では、私は、この
ガバナンス
の面におきましても、
我が国
の
企業
というのは
世界
に誇るべきものを脈々と続けてきたんだというふうに思っております。
是非
とも、今、欧米にまだ
後れ
を取っていると言われているこの分野でございますけれども、
大臣
始め
政府
の皆様におかれましては、この
ガバナンス
、このGの部分をしっかりと
世界
に出していただくことによって、
我が国
の
企業
が
世界
の中でもこの
ESG投資
、あるいは
サステナビリティー
にしっかりとした貢献をしていく
企業
なのだということを
是非
とも
世界
経済
の中でお示しいただきますこと、心からお願いをさせていただきまして、私からの質問を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
谷合正明
22
○
谷合
正明
君 公明党の
谷合
です。
独禁法
の
見直し
でございますが、公明党の中にも
独禁法
調査
委員会
というものがございまして、これまで、この
法改正
に伴いまして、
法改正
をするということで、経団連でございますとか日弁連、また全国中小
企業
団体
中央会、また全国
消費者団体
連絡会からもヒアリングをさせていただきまして、
見直し
の主眼であります
課徴金制度
の
見直し
ということについて、おおむねその方向性に賛同していただいているというふうに
承知
をしております。 その上で、今日は、いろいろな切り口があろうかと思いますが、消費者の利益というところからの視点で質問させていただきたいと思っております。 まず、
独占禁止法
ですけれども、第一条に、一般消費者の利益を
確保
するとともに、国民
経済
の民主的で健全な発達を促進することを目的とするとございまして、
消費者利益
の
確保
を明確に規定しているところでございます。 そこで、まず
大臣
にお
伺い
しますけれども、基本的な認識でございます。この
独占禁止法
が
消費者利益
の
確保
に対して果たす役割、
意義
についてどのように認識しているのか、見解を問いたいと思います。
宮腰光寛
23
○
国務大臣
(
宮腰光寛
君) 社会
経済活動
の中で消費活動は大きなウエートを占めておりまして、
平成
三十年版消費者白書において記述されているように、消費者の消費活動は
日本
の
経済
社会全体に大きな影響を及ぼすものであります。
経済
社会の持続的な発展のためには、消費者が安心して消費活動を行える市場を構築し、
消費者利益
の
確保
を図ることが重要であると考えます。
独占禁止法
は、市場の独占や
カルテル
などの市場における
競争
を阻害する
行為
を排除し、公正かつ自由な
競争
の促進を図ることにより、
事業者
が市場における公正かつ自由な
競争
に参加し、商品やサービスの品質
向上
や技術開発等を行い、消費者は、そのように豊富に提供された商品やサービスの中から適正な価格で自由に選べるようにすることを目的としておりまして、
消費者利益
の
確保
のため非常に重要な役割を担うものであるというふうに考えております。
谷合正明
24
○
谷合
正明
君 安心して消費者がその活動をできるようにするということだと思いますが、その中でこの
独占禁止法
が果たす役割というものが極めて重要であって、消費者に被害を与える
カルテル
、
入札談合
を防ぐということは消費者の利益の
確保
につながっていくということだと思います。 今回の
独占禁止法
の
改正
につきましては、適切な
課徴金
を課すことができるものとするとしているところでございます。
カルテル
、
入札談合
等の
独占禁止法違反行為
を未然に防いでいくためには、
課徴金
がしっかりと課せられるようにする必要があるということは理解をしておりますが、その適切な
課徴金
を課すことができるものとするということはどのような意味なのか。
独占禁止法
の強化の
改正
ということなのかということですね。まず、その意味を
委員長
の方に問いたいと思います。
杉本和行
25
○
政府特別補佐人
(
杉本和行
君) ありがとうございます。
独占禁止法
の
現行
の
課徴金制度
は、法定された
算定
方式に従いまして一律かつ画一的に
算定
、賦課されるものでございます。しかし、
事業者
の
経済活動
や
企業形態
の変化が進む中で、
独占禁止法違反行為
も
多様化
、複雑化しております。したがいまして、
現行
の
課徴金制度
では
違反行為
に対しまして適切な
課徴金
を賦課することができない事案が生じていることも事実でございます。
課徴金
の
算定方法
について所要の
改正
を行うことによりまして、こうした
多様化
、複雑化した
違反行為
に対しても適切な
課徴金
を課すことができるようになりますと、
独占禁止法
の
違反行為
に対する抑止効果が
向上
するのではないかと考えておるところでございます。これにより、
独占禁止法
の目的である公正かつ自由な
競争
の促進、そして一般消費者の利益の
確保
と国民
経済
の民主的で健全な発展を図っていくことに貢献するものじゃないかと考えておるところでございます。
谷合正明
26
○
谷合
正明
君
多様化
、また複雑化した
違反行為
に対しまして抑止の効果があるということだと思います。 今回の
課徴金
の
算定基礎
の
改正
内容を見ますと、例えばこれ、
算定期間
の延長でございますとか
算定基礎
の追加、また、この
算定率
におきましても、適用対象を実質的な中小
企業
に限定することでありますとか業種別
算定率
の廃止など、おおむね
課徴金
が取れるようになる、
課徴金
額が増加するという内容と理解をしております。 一方、今般の
改正
内容の中には、繰り返し違反の適用対象の整理として、最初の
課徴金納付命令
等よりも前に、同時並行する
違反行為
を取りやめた場合を除外するというものが含まれております。これは
課徴金
額が減少する方向のものであると理解しますが、どのような
理由
でこの
改正
を行うのか。適切な
課徴金
を課すことができるものとするとの趣旨との
整合性
についての確認をさせていただきたいと思います。
菅久修一
27
○
政府参考人
(
菅久修一
君) お答え申し上げます。
違反行為
を繰り返すなど複数の
違反行為
を行う
事業者
、これは、
課徴金
を納付してもなお
違反行為
を行う
インセンティブ
が生じるほどの利得を得ていると考えられますので、そのような
違反行為
を抑止するために必要な
課徴金
を賦課するという観点から、
平成
十七年の
独占禁止法
改正
におきまして繰り返し違反に対する
割増し算定率
が
導入
されたものでございます。 本
改正法案
では、さらに、
企業
グループ単位での
違反行為
についても抑止効果を及ぼすという観点から、過去十年以内に完全子会社が
課徴金納付命令
等を受けている場合や、
課徴金納付命令
等を受けた違反対象事業を承継している場合も、繰り返し違反に対する
割増し算定率
を適用することとしております。 さらに、
現行
規定におきましては、同時並行的な
違反行為
に対しましても繰り返し違反に対する
割増し算定率
が適用されますが、本
法案
では、繰り返し違反による
割増し算定率
の適用対象を追加する、今まで申しましたように、追加することによって抑止力を高めることと併せまして、最初の
課徴金納付命令
等が出されるより前に、御
指摘
のように、同時並行的な
違反行為
をやめている場合には
割増し算定率
の適用対象とはしないこととしております。これは、これによりまして
違反事業者
が自発的に、より早期に
違反行為
を取りやめることが一層期待できる、このようなことのため、このような
改正
を行うということでございます。 このような
改正
は、いずれも適切な
課徴金
を課すことにより
独占禁止法違反行為
の抑止を図るという
制度
の趣旨に沿うものであるというふうに考えております。
谷合正明
28
○
谷合
正明
君 自発的に、また早期に
違反行為
をやめるということで、そういう狙いがあるということで理解をしたところでございます。 さて、その
独占禁止法
を
改正
した後におきましては、
公正取引委員会
によります
運用
というものが重要になってまいります。過去数年の
独占禁止法
の
運用
状況
に目を向けますと、二十八年度の
課徴金
額から二十九年度にがくっと下がって、三十年度も若干また下がっているというふうに聞いております。 この二十九年度から三十一年度の
課徴金
額の動向など、
独占禁止法
の
運用
の
状況
をまず確認したいということと、一見、この
課徴金
額が大幅に減少するなど、公取の方のこの執行が低迷しているのではないかという見方もあるのではないかというふうに思うんですね。この
課徴金
額が減少している
理由
は何なのか、また最近の公取の法
運用
の
状況
についてどのようにそもそも
評価
しているのか、この点について併せて確認をさせていただきたいと思います。
南部利之
29
○
政府参考人
(南部利之君) お答えいたします。 法的
措置
の件数につきまして、
平成
二十九年から三十一年の三年間ということで御紹介いたしますと、
平成
二十八年度は十一件、
平成
二十九年度は十三件、
平成
三十年度は八件と。また、
課徴金
額につきましては、それぞれ九十一・四億円、十八・九億円、二・六億円というふうになってございます。
平成
二十九年度と
平成
三十年度の
課徴金
額はそれぞれ、それ以前の年度と比べまして減少しておりますけれども、
課徴金
の対象になりました法的
措置
の件数、これ自体は
平成
二十六年度や
平成
二十七年度と比べましても相応の件数となっているのではないかと。 また、法的
措置
には当たりませんけれども、
デジタルプラットフォーマー
等のIT、デジタル関連分野に積極的に取り組んでおりまして、
事業者
からの改善
措置
を講じる旨の申出などを受けて、
独占禁止法
違反の疑いを解消するものと認めて
審査
を終了したという事案が
平成
二十九年度に一件、それから
平成
三十年度に三件ございました。 このように、
公正取引委員会
としましては、社会的なニーズに
対応
して適切な対処をすることにより
競争
環境
の回復を図ってきたところでございます。
谷合正明
30
○
谷合
正明
君 件数自体はそう変わらないという話と、また、今日的なこの社会的な課題に対する公取の
対応
というものも、
デジタルプラットフォーマー
等出てきたという話もございました。 そこで、取り扱う
事件
により金額というものは上下していくものだと、執行が低迷しているというものではないということなんですけれども、しかし、どのような
事件
を取り上げるかということも公取が決めていると理解しておりまして、
法改正
成立後は今までにも増してこの法
運用
に力を入れてほしいというふうに考えます。 そこで、
杉本
委員長
の方には、
改正
後のこの
独占禁止法
の
運用
に対する決意を
伺い
たいと思います。
杉本和行
31
○
政府特別補佐人
(
杉本和行
君) 本
法案
は、
事業者
による
調査協力
を促進しまして、適切な
課徴金
を課すことができるようにするものでございますので、これらにより
違反行為
の効率的な排除、
違反行為
に対する抑止力の
向上
が期待されるところでございます。
公正取引委員会
といたしましては、このような本
法案
の趣旨を踏まえまして、
改正法案
が成立した場合には、引き続き、迅速かつ実効性のある
事件
審査
を行いまして、
独占禁止法違反行為
に対して厳正かつ積極的に、かつ、しっかりと対処してまいりたいと考えているところでございます。
谷合正明
32
○
谷合
正明
君 御答弁ありましたとおり、引き続き
独占禁止法違反行為
に対してしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思っております。 先ほども吉川先生の方からも問題提起がございましたこの
デジタルプラットフォーマー
への
取組
でございますが、やはり最近の公取に関連する報道を見ていますと、この
デジタルプラットフォーマー
への
取組
というもので今一斉
調査
を進めているということで、
委員長
自身もいろんなメディアで、いろんなところで発信をされているというふうに聞いております。 この
デジタルプラットフォーマー
自体は、消費者にとっては身近なものでありますし、私自身も身近でございますし、皆さんにとっても身近なんですけれども、しかも便利なものであるということはもうこれは間違いないんですけれども、
他方
、様々な問題も出てきているということでございます。知らない間に個人
情報
がどこかに提供されているですとか、様々、海外でも今大きな問題となって取り上げているところでございますけれども。 そもそも
公正取引委員会
では、この
デジタルプラットフォーマー
をどのようなものとして捉えていて、どのような課題があると考えているのか、そしてまた、今どのような
取組
を進めているのかについてお答えいただきたいというふうに思います。
菅久修一
33
○
政府参考人
(
菅久修一
君) お答え申し上げます。
デジタルプラットフォーマー
は、革新的なビジネスの担い手といたしまして、
事業者
による市場へのアクセスの可能性を飛躍的に高め、また消費者に
一定
の安全、安心な
取引
の場を提供するなど、
事業者
、消費者の双方にメリットをもたらしている面もある、このように
承知
しております。 一方、
デジタルプラットフォーマー
におきましては、ネットワーク効果が働くことに加えまして、限界費用が低く、独占化、寡占化につながりやすいといった特徴があると言われております。 自由
競争
によって実現された地位、これ自体が直ちに問題になるわけではございませんが、そのような地位を濫用する
行為
などがございますと
独占禁止法
上問題になり得る、そのように考えているところでございます。
委員
御
指摘
のとおり、
公正取引委員会
は、本年一月から
デジタルプラットフォーマー
の
取引
慣行等に関する
実態
調査
を行ってきております。
現状
、まだ
調査
中でございますが、第一に、プラットフォームの運営
事業者
がプラットフォームを利用せざるを得ない利用
事業者
に対しまして不当な不利益を与えていないかどうか、また第二に、プラットフォームの運営
事業者
が利用
事業者
の立場を兼ねる場合、このような場合に競合商品を販売する利用
事業者
を不当に排除していないか、このような観点から、
デジタルプラットフォーマー
の
取引
実態
を十分に把握いたしまして、今後、
独占禁止法
、
競争政策
上の考え方を整理していきたいと、このように考えております。
谷合正明
34
○
谷合
正明
君 ちょっと関連しますけど、その
調査
を始めているということで、今後は、例えば中間報告なり、どの時点で出していきたいとかいうような、めどみたいなものはあるんでしょうか。お答えできる
範囲
で結構ですが。
菅久修一
35
○
政府参考人
(
菅久修一
君) お答え申し上げます。 徹底した
調査
ということが期待されて進めておりますので、相応の時間は要するかと考えております。 四月に一度、アンケート
調査
結果などを中間的に公表したものでございますが、今、引き続き、
関係
事業者
からのヒアリングや
プラットフォーマー
自体へのヒアリング、また
意見
聴取なども行いながら
調査
を進めているところでございます。もうしばらく時間を掛けて
調査
を進めていくことになろうかと考えております。
谷合正明
36
○
谷合
正明
君
独占禁止法
で
禁止
されておりますこの優越的地位の濫用につきまして、
事業者
間の
取引
だけでなくて、関連しますけれども、
事業者
と消費者の間での
取引
への適用も
検討
しているとの話も聞きます。
委員長
にお
伺い
しますけれども、具体的にどのようなことを
検討
しているのか、
説明
を求めたいと思います。
杉本和行
37
○
政府特別補佐人
(
杉本和行
君) これまで
独占禁止法
の優越的地位の濫用規制は
事業者
間
取引
のみに適用されておりまして、
事業者
と消費者の
取引
について適用された例はないというところでございます。 しかしながら、
公正取引委員会
としては、
デジタルプラットフォーマー
と消費者との
取引
に関して優越的地位の濫用規制を適用することは、
独占禁止法
を執行していく上で排除されないと考えているところでございます。
デジタルプラットフォーマー
がサービスをたとえ無料で提供している場合、例えば、検索サービスにいたしましてもSNSサービスにしましても消費者が無料で検索サービスを利用できますけれども、それに対しまして、消費者は
デジタルプラットフォーマー
に対して
情報
を反対給付しているというふうに考えることもできると思います。この
情報
はまた重要な財でございまして、こういった
情報
を基に
デジタルプラットフォーマー
はターゲット広告を打つというようなビジネスモデルを確立しているんだと思っております。 したがいまして、こうした
情報
というものは投入財として位置付けられるものでございますのでサービスの対価と見られるということから、
デジタルプラットフォーマー
と消費者は
取引
していると見ることが可能であると考えております。
情報
というものが非常に今重要になっておりますので、そういった
取引
として認識することが可能であることから、
独禁法
の対象になるものだと私どもは考えているわけでございます。 したがいまして、その適用に当たりましては、
デジタルプラットフォーマー
の
取引
上の地位が消費者に優越しているかどうか、
デジタルプラットフォーマー
が消費者に対して不当に不利益を与えていると言えるかどうか、
デジタルプラットフォーマー
の
行為
が
競争
に悪影響を与えているかどうか、すなわち公正な
競争
を阻害するおそれがあるかといった点について、個別のケースに応じて判断をしていくことが必要であると考えているところでございます。 これらの論点も含めまして、
デジタルプラットフォーマー
と消費者との
取引
に対して優越的地位の濫用規制を適用することにつきまして、基本的な考え方を今整理しているところでございます。
谷合正明
38
○
谷合
正明
君 消費者にとっても大変関心のあるところでございますので、今のこの
調査
をしっかりとしていただきたいと思いますし、また、消費者の方にもしっかりとその周知ができるようにしていただきたいというふうに思っております。 さて、
独占禁止法違反行為
に対して、今回の
改正
後の法
運用
、また今答弁のありました
デジタルプラットフォーマー
に対する
取組
に加えまして、それらを支える体制というものも重要になってまいります。
公正取引委員会
の体制強化という点について、人員ですとか専門性ですとか様々な観点があろうかと思いますけれども、この体制強化の重要性、
必要性
についての見解を問いたいと思います。
杉本和行
39
○
政府特別補佐人
(
杉本和行
君) 本
法案
により
導入
されます
調査協力減算制度
や、その施行に伴い
運用
を開始することを考えておりますいわゆる秘匿特権への
対応
に係る
制度
は初めて
導入
するものでございます。また、御質問にございましたように、
プラットフォーマー
については、
独占禁止法
に違反する
行為
があれば厳正に対処するとともに、
実態
把握のための継続的な
実態
調査
を行っていく必要があると考えているところでございます。 したがいまして、こういったものに
対応
するためには
公正取引委員会
にもリソースが必要でございまして、その
対応
に必要な人員、体制については、各方面の理解を得ながら、その充実に努めてまいりたいと考えているところでございます。
谷合正明
40
○
谷合
正明
君 消費者の利益の
確保
ということについて改めて問いたいと思いますけれども、先ほど私も、
デジタルプラットフォーマー
のところで消費者の関心が極めて高いというお話もさせていただきました。その
デジタルプラットフォーマー
だけでなく、
独占禁止法
により消費者の利益が
確保
されることに鑑みますと、
事業者
に対する周知活動のみならず、消費者への周知、また消費者からの理解も極めて重要になってまいります。 これら消費者に対する周知活動についてしっかり行っていただきたいと思うんですけれども、どのように行っていくのか、その方針について
伺い
たいと思います。
菅久修一
41
○
政府参考人
(
菅久修一
君) お答え申し上げます。 御
指摘
のとおり、
公正取引委員会
といたしましては、この
改正法案
成立した場合には、この
改正
される
法律
の内容とともに、法
運用
の考え方につきましても、
事業者
、消費者に対しまして十分周知していきたいと考えております。 この
法案
におきましては、一部を除きまして、成立した場合には、公布から一年六か月を超えない
範囲
内で政令で定める日から施行するとされております。この施行までの間に、政令、
委員会
規則、ガイドライン、こうしたものを
整備
を行いつつ、例えば
事業者
向けには
説明
会を開催するなどということを行うことで十分周知活動を行っていきたいと考えておりますし、また、
消費者団体
との間では、現在でも定期的に
意見交換
を実施してきております。 こうした機会を十分に活用して、消費者からの理解も得られるよう、十分な周知活動を対消費者についても行っていきたいというふうに考えております。
谷合正明
42
○
谷合
正明
君 最後の質問とさせていただきたいと思います。 今、周知の話がございましたが、今回、
法改正
そのものじゃないんですけれども、弁護士・依頼者間秘匿特権
制度
の件について取り上げたいと思っております。衆議院の審議でも度々この特権
制度
について
質疑
、やり取りされましたが、私の方からこの周知ということについて最後確認したいと思います。 この
制度
は、諸
外国
において権利として認められている秘匿特権について、
独占禁止法
において今後は規則等で
整備
していくということなんですけれども、この
制度
については、
我が国
の
事業者
に周知するのみならず、海外において、
日本
の
独占禁止法
にも秘匿特権に相当するものがあると理解させていく必要がございます。それが重要であるというふうに考えています。実際に、ヒアリングをした
団体
の一部からもこうした声が上がってきてまいりました。 そのため、この
制度
の海外向けの周知というものをどのように行っていくのかということについてお
伺い
したいと思います。
杉本和行
43
○
政府特別補佐人
(
杉本和行
君) お答えさせていただきたいと思います。 お尋ねの
制度
は、本
法案
により
導入
される新たな
課徴金減免制度
をより機能させる等の観点から、
事業者
と弁護士との間で行われた通信の内容を記載した物件の取扱いにつきまして、
独占禁止法
七十六条に基づく規則、指針等により、
審査
手続の一環として
整備
しようと考えているものでございます。 この規則等の策定に当たりましては、本
制度
の
導入
までに、周知期間も考慮した上でパブリックコメントを実施することを考えております。その際には、英訳したものも示した上で、諸
外国
を含めて広く
意見
等を求めることとしたいと考えているところでございます。また、規則等の成案の公表に当たっても、英訳したものも併せて公表することといたしまして、海外にも周知徹底を図りたいと考えているところでございます。 これらの
取組
によりまして、海外諸国においても本
制度
の内容が適切に理解されるよう周知を行ってまいりたいと考えているところでございます。
谷合正明
44
○
谷合
正明
君 以上で質問を終わりますけれども、改めて、今回の
改正
におきまして、この消費者の利益の
確保
をしっかりと公取の方でも
確保
していただくということを要請させていただきまして、私の質問とさせていただきます。 ありがとうございます。
浜野喜史
45
○
委員長
(
浜野喜史
君) 本日の
質疑
はこの程度にとどめます。 ─────────────
浜野喜史
46
○
委員長
(
浜野喜史
君)
参考人
の
出席要求
に関する件についてお諮りいたします。
私的独占
の
禁止
及び
公正取引
の
確保
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
の
審査
のため、
参考人
の
出席
を求め、その
意見
を聴取することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
浜野喜史
47
○
委員長
(
浜野喜史
君) 御
異議
ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
浜野喜史
48
○
委員長
(
浜野喜史
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時五十二分散会