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参考人(
田中弥生君)
効果の測定をどのようにしていったらいいのかという御
質問と承知いたしました。
おっしゃるとおり、
効果の発現というのは非常に難しいです。これ一般論としても難しくて、というのは、いつその
効果が発現するのかというのが、これが特に、例えば
教育なんですけれども、今すぐなのか、五年後なのか、十年後なのかというそのタイミングがなかなか分からないというところで、測定、把握し切れないという問題があります。また、その
成果が大きければ大きいほど、この
教育をしたから、この事業を行ったからこの
成果が生まれたのかという因果関係を証明するのも非常に難しいところがあります。
ただ、そうは言っていられないので、さっきのマイナンバーの例でありましたら、やはりマイナンバー制度を取り入れた当初の目的ですね、これを、抽象的な目的にとどまらず、どういう状態にあったら
目標が達成できたのかということを具体に定義をし直して、そこから私
たち評価をする人間は指標を導き出していったりします。でも、そのためにはまず
政策の
目標が明確でなければいけないんですね。
これまでいろいろな
政策評価にも関わってきて感じるのは、そもそも目的が余り明確に定義されていなかったために
成果が測りにくいというようなケースもあって、まさにPDCAのところのP、あるいはその目的のところが不明確であったというようなケースは結構あります。こういう場合には、やはり
評価を事後的にするときには、振り返りになるんですけれども、この
政策は何の目的であったのかということをもう一回関係者に聞き直して、再定義をして、その定義に基づいて指標と
データを導き出すというようなことを行っています。
よろしいでしょうか。