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2019-05-28 第198回国会 参議院 環境委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和元年五月二十八日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  五月二十三日     辞任         補欠選任      猪口 邦子君     関口 昌一君  五月二十七日     辞任         補欠選任      関口 昌一君     足立 敏之君  五月二十八日     辞任         補欠選任      世耕 弘成君     松川 るい君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         那谷屋正義君     理 事                 滝沢  求君                 森 まさこ君                 宮沢 由佳君                 片山 大介君     委 員                 足立 敏之君                 尾辻 秀久君                 大沼みずほ君                 佐藤 信秋君                 二之湯武史君                 松川 るい君                 松山 政司君                 芝  博一君                 柳田  稔君                 竹谷とし子君                 山本 博司君                 市田 忠義君                 武田 良介君    国務大臣        環境大臣     原田 義昭君    副大臣        環境大臣    城内  実君    大臣政務官        環境大臣政務官  勝俣 孝明君    事務局側        常任委員会専門        員        星   明君    政府参考人        文部科学大臣官        房審議官     渡辺その子君        経済産業大臣官        房審議官     水野 政義君        経済産業大臣官        房審議官     上田 洋二君        資源エネルギー        庁長官官房資源        エネルギー政策        統括調整官    小澤 典明君        資源エネルギー        庁資源燃料部        長        南   亮君        環境省地球環境        局長       森下  哲君        環境省水・大気        環境局長     田中 聡志君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○フロン類使用合理化及び管理適正化に関  する法律の一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付)     ─────────────
  2. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) ただいまから環境委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、猪口邦子君が委員辞任され、その補欠として足立敏之君が選任されました。     ─────────────
  3. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  フロン類使用合理化及び管理適正化に関する法律の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、環境省地球環境局長森下哲君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) フロン類使用合理化及び管理適正化に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 大沼みずほ

    大沼みずほ君 自由民主党の大沼みずほでございます。  環境委員会に配属となって初めての質問になります。本日はよろしくお願いいたします。  法案審議に入る前に、一つだけ質問させていただきたいと思います。  海洋プラスチックごみの問題について、これまで環境委員会でも様々な審議がなされてきたと思います。日中関係日韓関係厳しい状況の中においても、この日中韓大臣外交を含め、この問題については非常に協力的にこれまで会合が行われてきたことは非常に意義深いことだというふうに認識しております。そして、この日中韓のみならず、日本、韓国、中国、ロシアによる北西太平洋地域海行動計画などでも議論されていると承知しております。  それぞれの開催地各国持ち回りということでありますが、東北ではいまだに開催されたことがないというふうに伺っております。海洋プラスチック問題に関する国民意識を高めるためにも、こうした国際会議是非国内地域ごと開催されていくことが重要ではないかなというふうに思っております。  例えば、日中韓大臣会合も今年は大臣の御地元福岡県ということで、福岡でもこれまで二回されてきて、あとは東京二回ですとか、ちょっとそういった意味では、経験値があるとは思うんですが、是非いろんな地域開催いただきたいというふうに思います。  実は、私の地元山形県も、この漂着ごみモニタリング調査地点となっております遊佐町や、また酒田市、鶴岡市といった日本海に面している地域においてはこの海洋ごみ問題、大変深刻であります。特に、飛島という離島がありまして、離島のため重機が使えずに、財政的負担、また人的負担が大きいという声も聞いています。行政また民間皆様が一緒になってごみ回収作業を行っているところであります。  全国各地で様々そういった取組が行われていると承知しています。そうした取組是非各国認識してもらうという意味でも、国際会合国内各地開催していただくことを検討していただきたいと思いますし、併せて山形県での開催も御提案したいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  7. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) 大沼委員が非常に大事なことを御指摘いただいたところであります。  この海洋プラスチック問題については、今や地球規模での汚染懸念されている喫緊の課題でありまして、G7の先進国でもしっかり議論されておりますし、また、いよいよ来月、もうすぐになりましたけれども、G20でもこれが一番大きな課題だというふうに、私どもも今いろんな準備を進めておるところであります。そしてまた、それをしっかりと発信するためにはやっぱり国際会議をどういうふうに活用するかということも大切であろうと、こう思っております。  御提案いただきました山形県を含め、関係自治体の御意見も踏まえつつ開催地検討させていただきたいと、こう思っております。  その上で、大沼委員、今お話しになりましたけど、日中韓三か国の環境大臣会議が、今年の秋は北九州ということになっておりますけれども、北海道、福岡県の北九州市、静岡静岡市で開催して、そういう意味ではなかなか東北地方というのは入っておりません。さらに、北太平洋地域海行動計画、これは日本ではこれまで二十三回開催されまして、日本では東京都が二回、それから富山富山市が何と四回、今年は中国北京において開かれると、こういうふうになっております。  いずれにいたしましても、今委員おっしゃったとおり、是非こういう問題を、地域開催する、その地域の熱心さ、これがやっぱりそこで反映できるんではないかと、こう思っているところでありまして、今のところ御県山形県はなかなか名前出てきておりませんけど、どうぞ山形県の皆さんもしっかり頑張っていただきまして、是非我が県また我が市がやっぱり一番困っているんだからということを訴えていただいて、私どもにしっかりまた御報告いただきたいなと、こう思っております。是非御努力お願いいたします。
  8. 大沼みずほ

    大沼みずほ君 大臣から大変前向きな御答弁いただいたことに心から感謝申し上げたいと思います。全国各地域でこうした会議が行われ、国民運動になっていくことが、この後、解決につながっていくものだというふうに認識しております。我が山形県もしっかり頑張れるように私も尽力してまいりたいと思います。  それでは、法案審議に移りたいと思います。  今回の改正におきましては、フロン排出抑制法間接罰に加えて直接罰の規定が整備されることになります。フロン類の確実な回収が実施されるように罰則によって法令遵守意識を高めていくことは非常に重要であると思います。一方で、税制、デポジット制など経済的手法によってフロン回収率を上げることも一つ方法として考えていくべきと考えます。  経済的手法導入是非につきましては、従来から議論が重ねられ、環境省においても、デンマーク等導入されているフロン類への課税、また我が国自動車リサイクル制度のような課金制度デポジット制度など経済的手法導入について検討してきたことかと思います。前回改正時の参議院環境委員会附帯決議でも、検討を進めることを求めたところでございます。検討されてきたこの経済的手法について、政府参考人の方に簡潔に御説明いただければ幸いです。
  9. 森下哲

    政府参考人森下哲君) お答え申し上げます。  御指摘経済的手法、これにつきましては御指摘のあった三つの手法がございますが、いろいろ課題もあるということが審議会等でも分かってきております。  一点目のフロン税につきましては、税率の設定方法ですとか、あるい冷媒価格が上がったときに機器管理しているユーザー方々がどう行動していくか、その辺が不明であるといった課題があるということが指摘されております。  二点目のメーカーによる課金制度でございますけれども、こちらは、メーカーユーザーに関する情報を把握する仕組みの構築、これがなかなか難しい点があるということに加えまして、設置時に回収費用想定が難しい機器課金額設定といったような課題もあるという指摘がなされてございます。  三点目、御指摘いただいたデポジットでございますけれども、既に市中に出回っている機器への制度の適用ですとか、設置時に改修費用想定が難しい機器預託金額設定といった課題があるということなどが指摘されているところでございます。
  10. 大沼みずほ

    大沼みずほ君 ありがとうございます。  それぞれ課題はあると思いますが、ゼロからいろんな制度を構築するというのは非常に難しい、まずやはり並行して出口戦略という形でやっていくのも必要かなというふうに思います。  例えば、エコカー減税などは、もちろん多くの国民環境問題を考えてエコカーを購入しているというふうに思いますが、この減税措置があるということが購入の後押しになっているということも確かでありますので、やはり回収業者、またユーザーの方に何らかしらのインセンティブというものがあれば、より回収率が上がって、二〇二〇年に五〇%、二〇三〇年に七〇%のこの目標達成是非しっかりとしたものにしていく意味でも、経済的手法については前向きに進めていっていただきたいというふうに思いますし、私も後押しをすべく各方面へ働きかけをしてまいりたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  11. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) 今局長から問題点指摘はあったところでありますが、その一つ一つを潰していくということが大切ではないかと思っております。現在、そういう技術的な問題について、有識者によるワーキンググループを随時開催いたしまして検討を進めておるところであります。  今後も、関係制度改正法施行状況等を踏まえながら、結論を出す上でですね、しっかりと結論を出していきたいと、こう思っております。ただいま大沼委員から出していただきました論点もしっかり踏まえたいと思っております。
  12. 大沼みずほ

    大沼みずほ君 ありがとうございます。  直接罰ということで我々の方が民間また国民の方にこういった法律遵守してくださいよとお願いするということでも、やはり皆さんがやる気を持ってこの回収率アップに取り組めるように環境整備をしていっていただきたいと強く思います。  次に、特定フロンについてお伺いしたいと思います。  特定フロンについていいますと、国の研究機関でも使用されていると思います。私の地元山形県新庄市にあります防災科学技術研究所雪氷研究センターにおいては、吹雪とか雪崩など、雪氷災害についても研究が行われております。二〇一九年度末に特定フロンの生産が全廃されるということから、地元皆様からも、それ以降使用できなくなるのではないかという心配の声をいただいておりました。こちらについては、三月の予算委員会柴山大臣より、二〇二〇年度以降の適切な時期にフロン使用しない冷凍機導入することなどによりまして引き続きこのセンターを私どもとしても推進してまいりたいという答弁いただきました。  このように、防災科学技術研究所においては適切に対応いただくと御発言いただいたところなんでありますが、この研究機関を含めた多くの国の施設がいまだ特定フロン使用していると伺っております。  まず、文科省にお伺いしたいと思います。  この雪氷防災研究センターについては継続して御支援いただけるという認識でまずよろしいでしょうか。また、この防災科学技術研究所を含む幾つの施設で、特定フロンというものが国の施設で使われているんでしょうか。
  13. 渡辺その子

    政府参考人渡辺その子君) お答えいたします。  まず、委員指摘防災科学技術研究所雪氷防災研究センターにつきましては、本年三月十三日に開催された参議院予算委員会柴山文科大臣よりお答えいたしましたとおり、非常に重要な実験や研究の場であると認識しておりまして、二〇二〇年度以降の適切な時期にフロン使用しない冷凍機導入することなどによりまして、引き続き雪氷防災研究を推進してまいりたいと考えてございます。  また、文科省が所管しております国立研究開発法人、具体的には、物質材料研究機構防災科学技術研究機構量子科学技術研究開発機構科学技術振興機構、理化学研究所、宇宙航空研究開発機構海洋研究開発機構日本原子力研究開発機構の八法人でございますが、八法人全てにおいて特定フロン使用する施設若しくは機器を保有している状況認識しております。  文科省といたしましては、各法人法案趣旨を踏まえて適切に対応できるように促してまいりたいと考えております。  以上でございます。
  14. 大沼みずほ

    大沼みずほ君 我が県も含む全国的に、豪雨災害豪雪災害というものが増えてきています。こういったものを研究する施設特定フロンまた代替フロンなどで環境汚染をしているということはちょっとやっぱり、国が率先してフロン規制をしていく中において、国の施設を率先してやはり環境に優しい冷凍機導入していくことが大切なのではないかと私自身思っているところでございます。  環境省に伺います。  環境省では、特定フロン使用した国の施設がどれくらいあるのか把握されておられますでしょうか。また、把握されていない場合、把握に向け是非とも調査いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  15. 森下哲

    政府参考人森下哲君) 私ども環境省経済産業省では、国自らが製品使用する場合は可能な限りノンフロン、そして低GWP製品を選択することをフロン法の指針で位置付けて、国の率先実行を促してまいりました。また、モントリオール議定書にのっとりまして、我が国における特定フロンの消費を二〇一九年末までに全廃する措置を一九九六年に行うことで、自然に機器転換が促されるという環境を整えてございます。  一方で、御指摘のとおり、転換がなされていない機器も引き続き存在いたしますので、着実に特定フロン対策を進めていくために、関係省庁と連携し、研究機関を含めた国の施設に対しまして必要な実態把握調査を実施してまいりたいと考えてございます。
  16. 大沼みずほ

    大沼みずほ君 今、調査を実施いただけるという御答弁をいただきました。ありがとうございます。  是非とも、国の施設気候変動に関わるような施設海洋関係もそうでしょうし、我が県の豪雪や雪の研究もそうであります、非常に関係しているわけでありますので、そういった施設が、特定フロン代替フロンから、より環境に優しい冷凍機能を備えていくことが、率先してやっていただきたいというふうに思います。  一方で、次に、経産省にお伺いしたいというふうに思います。  グリーン冷媒安全性についての懸念というのは言われております。代替フロンからノンフロン自然冷媒と、温室効果が低く化学的に合成された人工冷媒の総称であるグリーン冷媒への転換というものを政府は推進しているわけでありますが、このグリーン冷媒のうち、化学的に合成された人工冷媒温室効果が低くても人体に悪影響を及ぼす可能性があるという懸念の声がありまして、平成三十年のオゾン層保護法改正案質疑の際にも多くの委員が取り上げてきたところでございます。  この点について、政府は、化学物質審査製造規制法により対応される旨、安全であると答弁しておりましたが、どのような審査により安全性が担保されるのか、改めてお伺いしたいと思います。
  17. 上田洋二

    政府参考人上田洋二君) お答え申し上げます。  化学物質審査及び製造等規制に関する法律化審法におきましては、新規の化学物質について上市前に届出を行うことが義務付けられております。その届出を受け、分解性蓄積性及び毒性に係る標準的な試験の結果等に基づき、環境経由で継続的に摂取される場合の人の健康等への影響を審査をしております。また、国は、上市後の化学物質についても、人及び動植物への有害性及び環境経由での暴露量に基づきまして、毎年度、環境リスク評価を行っております。例えば、カーエアコンで普及が始まっておりますHFO1234yfの場合、環境リスク評価の結果、環境排出量が低く、人や生体へのリスクは低いとの評価がなされているため、製造等に対する制限は課されておりません。  代替フロンからグリーン冷媒へのこの転換を進めていくに当たっては、今後も様々な種類のHFO開発が行われていくと考えられますが、引き続き、最新の科学的知見も注視しつつ、化審法などにより適切なリスク評価を行い、安全性の確保に努めてまいります。
  18. 大沼みずほ

    大沼みずほ君 ありがとうございます。  やはり新しいものが作られるということは非常にいいことでありますが、それが安全性が一番担保されるのが非常に重要であります。特定フロンから代替フロンと、この代替フロンも今地球温暖化には良くないんだよというふうになってきて、今回のこの規制にもつながってきているものというふうに思います。新しいものができてきても、それを常にチェックする、しっかり審査をしていく、そういったことを政府にはしっかりやっていっていただきたいというふうに思います。  本日の質問は終わらせていただきます。誠にありがとうございました。
  19. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 立憲民主党民友会・希望の会の宮沢由佳です。  フロン類使用合理化及び管理適正化に関する法律の一部を改正する法律案に関して質問させていただきます。  まず、今回の改正にも関わる地球温暖化に関して伺います。  本年三月十五日、世界中百か国以上でフライデー・フォー・フューチャー、未来のための金曜日が実施されましたが、大臣は御存じでしょうか。
  20. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) 私も、報道も含めて、これは大変な大事な活動だなと、こういう感銘を受けておるところであります。
  21. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 ありがとうございます。  報道によると、スウェーデン人の高校生、グレタ・トゥーンベリさんは、地球温暖化対策が不十分な国際社会に声を上げるため、一人で学校ストライキを始めたそうです。トゥーンベリさんは、政治家科学者の声に耳を傾けてほしい、あなたたちは誰よりも自分子供が大切だと言いながら、子供たちの目の前で彼らの未来を奪おうとしている、二〇五〇年より先なんて考えない、でも、私はそのとき人生の半分しか生きていないと訴え続けています。  また、今から二十七年も前になりますが、一九九二年、ブラジルのリオデジャネイロで開かれた環境開発に関する国連会議において、当時十二歳だったセヴァン・カリス・スズキさんは、直す方法を知らないのなら地球を壊し続けるのはやめてほしい、犠牲になるのは私たち子供未来ですと訴えました。  ずっと前から子供たち大人環境問題の解決を求め続けています。しかし、地球環境は良い方向へは進んでいません。未来を担う子供たちのために私たち大人はもっともっと真剣に温暖化対策を考えなくてはなりません。大臣の御認識も同じだとは思いますが、いかがでしょうか。
  22. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) 今委員が御説明していたことも含めまして、私ども、本当に若い方々がやっぱり自分たちの将来を考えて、それだけ本当に血を吐くような努力されていることについて心から感銘を受けて、その教訓として受け取らなきゃいけないと思っております。  とりわけ、今回のこのFFFが、学校を休んでというところも議論されているようでありますけれども、いかに彼らが自分たち人生を懸けて、まだ子供ですけど将来のことを感ずるということは、やっぱり私たち大人が真剣に受け止めなければいけない、このように思っておりまして、こういう思いでこれからも日本政策、また国際社会にそのことを訴えていきたいなと、こう思っております。  ありがとうございます。
  23. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 大臣若者子供たちに心を寄せていただいていること、とてもうれしく思います。ありがとうございます。  地球温暖化への早急な対応が必要との若者の声を今こそ私たち大人が真剣に聞き、より効果的な政策に着手するときです。それは私たち大人責任であり、国民の代表である国会議員の使命でもあり、日本環境行政責任者である大臣政府責任です。みんなで知恵を出し合い、一丸となれば実現できると信じております。  そこで、環境問題の重要な課題一つであり、世界の流れである脱炭素社会の実現に向け、一刻の猶予もできません。いかがですか、大臣、御所見を伺います。
  24. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) おっしゃるとおりでありまして、私ども政府としても、長期戦略というようなことでこのCO2対策、これを今真剣に取り組んでいるところであります。未来を担う子供たちのためにも、豊かな環境を将来に引き継いでいくということは私たちのもう固有の務めであるというふうに考えているところであります。  私としても、気候変動対策は最重要課題一つ認識しております。将来、対策を講じて手遅れだということにならないように、今の時代を担う我々ができることを精いっぱい努めていきたいと、こう思っております。
  25. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 ありがとうございます。  そこで、今大臣がおっしゃったことと少し矛盾するような対応政府が取っているように思います。石炭火力発電に関してです。  釈迦に説法ですが、石炭火力発電は、効率化してもなおほかのエネルギー源と比べCO2を多く排出しています。なぜ政府国内石炭火力発電所建設計画を止めないのでしょうか。なぜ既存石炭火力発電フェーズアウトに取りかからないのでしょうか。もちろん、石炭火力発電に従事している方々雇用の問題もあります。それは、国策として石炭火力発電をやめるのであれば、国民全体で雇用対応検討すればいいと思います。また、既存の設備をいきなりあしたから止めるわけにもいきません。  そこで、年限を明示して石炭火力発電からフェーズアウトするべき、その姿勢を見せるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  26. 森下哲

    政府参考人森下哲君) 御指摘いただきましたとおり、石炭火力発電は、最新鋭の技術でも天然ガス火力発電の約二倍のCO2排出をいたします。また、我が国では多数の石炭火力発電の新増設計画がございまして、これらの計画が全て実行され、ベースロードとして運用されますと、仮に既存の老朽石炭火力発電が順次廃止されたといたしましても、我が国の二〇三〇年度の温室効果ガス削減目標の達成は困難でございます。  さらに、世界の流れを見ますと、パリ協定が発効いたしまして諸外国で石炭火力発電に対する抑制の動きがある中、ビジネスも投資家も脱石炭に向けてかじを切ってございます。  こうした状況を踏まえまして、本年三月に原田環境大臣から、電力分野の低炭素化に向けた新たなアクションを発表いたしまして、石炭火力に係るアセス手続を更に厳格化するとともに、地域での再生可能エネルギーの拡大等に取り組む姿勢を明確にしたところでございます。  また、現在策定中の政府長期戦略案におきましては、火力発電につきましてはパリ協定の長期目標と整合的にCO2排出削減に取り組み、再エネについては主力電源化を目指すということとしてございます。  石炭火力につきましては、引き続き厳しい姿勢で臨んでまいります。
  27. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 厳しい姿勢との御返答がございましたが、海外への石炭火力発電所の輸出についても伺いたいと思います。  なぜ海外へ輸出するのでしょうか。脱炭素化の流れに沿わないと思いますけれども経済産業省、いかがでしょうか。
  28. 南亮

    政府参考人(南亮君) お答え申し上げます。  石炭火力発電の輸出につきましては、相手国のニーズに応じまして再生可能エネルギーや水素なども含め、CO2排出削減に資するあらゆる選択肢を相手国に提案する中で、エネルギー安全保障及び経済性の観点から石炭をエネルギーとして選択せざるを得ないといった国に限りまして、OECDルールも踏まえて行うということが日本政府の方針となっております。  石炭火力は、CO2排出量が多いなど環境面の課題がもちろんありますが、途上国においてはエネルギーアクセス確保の観点から重要な役割を担っているという面もございます。  また、石炭火力を必要とする国に対し日本企業の持つ世界最高レベルの高効率石炭火力の技術導入されれば、他国の、より低効率のものが導入される場合と比べましても、結果的にCO2排出量が抑えられるという面もございます。  また、長期的には、石炭を含む化石燃料に由来するCO2の抜本的な削減が必要でございまして、こうした観点からは、CO2を資源として再利用するカーボンリサイクルの実現や社会実装に向けまして各国とも連携してイノベーション促進に取り組んでいくというのが考えております。
  29. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 石炭火力発電所の輸出に関しては、輸出相手国の地元住民の反対運動も起きています。私も、アジアのある国の住民たちから直接お話を伺いました。  政府は、地元の住民から石炭火力発電所建設反対の訴えがあった場合、どのような対応を行っているのでしょうか。
  30. 水野政義

    政府参考人(水野政義君) 経済産業省が所管している株式会社日本貿易保険、NEXIが支援を行う場合について申し上げますと、NEXIにおいては、同社が定める環境社会配慮のためのガイドラインに基づく審査を行った上で、保険の契約、付保を行うこととなっております。  具体的には、地域住民との十分な協議が行われているのか、非自発的住民移転などがある場合には十分な補償が行われているのかなどの観点から審査を行い、ガイドラインの要求を満たしていることを確認の上、付保を行うこととしております。  付保の決定後におきましては、同ガイドラインに基づく環境社会配慮が適切に行われているかどうか、プロジェクト実施者が継続的にモニタリングを行い、被保険者を通じてNEXIに報告することとなっております。例えば、現地住民の反対運動が起こったような場合、NEXIとしては、被保険者を通じて報告された事実関係を踏まえ、必要があればプロジェクト実施者が住民から直接話を聞き、丁寧に説明を行うといった適切な対応を求めることとなっております。  経済産業省としては、所管官庁として、NEXIがガイドラインにのっとって適切に対応するよう監督をしていきます。  以上です。
  31. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 先ほど述べたように、脱炭素社会が世界の常識になりつつ、今、この石炭火力発電所は日本の支援でできたという事実は将来世界の流れに逆らうような対応を取っていたと世界から失笑を買うことにならないか、危惧しています。  パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略案の中にも、「我が国は、世界の脱炭素化を牽引するとの決意の下、高い志と脱炭素化のための取組を積極的に推進していく姿勢を力強く内外に示していきたい。」としています。高い志を示すとはどのような志でしょうか。環境省お答えください。
  32. 森下哲

    政府参考人森下哲君) 御質問のありました長期戦略でございますけれども、現在、政府検討中ということでございます。  現在検討中のこの案におきましては、今世紀後半のできるだけ早期に脱炭素社会、すなわち実質排出ゼロの実現を目指すという長期的なビジョンを掲げたいということでございますとともに、国際社会の一員としてパリ協定の一・五度努力目標の実現にも貢献することを明記しているということでございます。いずれも、これまでのG7の長期戦略の中にはまだ盛り込まれていない、ほかの国の長期戦略の中にはない踏み込んだ方向性でございまして、しっかりと世界の国々に発信をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。  また、対策、施策の方向性としましては、例えば、環境性能の高い技術製品等によりまして世界の排出削減に最大限貢献をしていくとともに、石炭火力を含めましてエネルギーインフラの輸出につきましては、パリ協定の長期目標と整合的に世界のCO2排出削減に貢献をするために推進をしていくとしているところでございます。  こうした内容は、パリ協定の目指す脱炭素社会の実現に向けまして、世界全体の排出削減に最大限に貢献するという我が国の高い志の一端を示すものであるというふうに考えてございます。
  33. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) 非常に大事な石炭火力についての御指摘があったところであります。  既に事務的にも御報告いたしましたけど、実は、この石炭火力、これは日本においてもしかりでありますし、諸外国においてもそうなんですけれども、石炭火力をそれぞれの国のエネルギー政策としてどう扱うかということがまず第一ですね。それから二点目に、環境政策の中でといいますと実は三つ分野がありまして、一つは今動かしている石炭火力はどう評価するか、新規のものはどうするか、さらに、今委員が御指摘のとおり、日本の持つ高度技術を諸外国にどう持っていくかということだろうと思います。  それぞれについて私どもはまた徹底した抑制策を取るべきというふうな観点から、まず第一点の既に動いておるやつについては、これは、当然のことながら、できるだけ効率の悪いものはやめていくという指導をしております。  それから、新規のものについては、先ほどガイドラインの話を局長からしましたけれども、私は、やっぱり新規は極端に抑えるべきだということで、今回、新規の段階でアセスの協議が来たときにはむしろ中止を中身とする指導をしたいと、こういうふうに思っております。中止という言葉は、初めて今回使ったところであります。  輸出につきましては、今経産省がいろいろお話ありましたけれども、それぞれの国が、やっぱりいろんなエネルギー政策の観点から、これはそれぞれの国の判断でありますけれども、私どもからすれば、最高度の技術を取りあえず、仮に輸出することがあっても、最高度の技術を取りあえずしっかりまた持っていくということを心掛けております。  技術開発につきましては中国を含め非常にこれはこれで進んでおるところでありますけれども、しかし、中長期的には、今お話のありました輸出というのは、やっぱり今の国際社会の中で非常にシンボルとして扱われますので、中長期的には、やっぱりそういうものを踏まえて、もう最終的にはやめていくというような方向で努力をしたいなと思っております。  かたがた、この出てくるCO2は止めようがないという意味では、CCUというような言葉が、CCUSというような言葉がありますけど、様々な技術開発をしっかりやるという方向で進めておりまして、お聞きになると、なかなかはっきりしないお答えになっております。物によっちゃ弁解にしか聞こえないようなものがありますけど、私どもも非常にこの問題は悩みながら、しかし必ずやそんなに遠くない時期にしっかりとした答えを出したいと、こう思っておりますので、何とぞよろしく御理解いただきたいと思います。
  34. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 大臣、ありがとうございます。中止、やめていく、そのお言葉を重く受け止めたいと思います。  国際的に支援を要する国への支援は必要ですし、エネルギーに関する支援が不要と言っているのではありません。脱炭素社会の実現に向けた支援とリーダーシップが日本にとって必要と思っています。二〇一六年のG7エネルギー大臣会合共同声明においても、世界経済の脱炭素化を可能とするエネルギーシステムへの移行に向けての決意を表明しています。  今のエネルギー産業で日本が輸出できるものは、石炭火力発電所のほかに何がありますでしょうか。それは世界の脱炭素社会の流れに貢献できるものか、お答えください、経済産業省
  35. 小澤典明

    政府参考人(小澤典明君) お答えいたします。  パリ協定を踏まえまして、地球規模課題でございます気候変動への対応を進めるためには、国内外で環境と経済の好循環を実現するための取組、これを進めていくことが必要でございます。  このため、我が国といたしましては、相手国のニーズに応じまして、低炭素、脱炭素技術の幅広い選択肢を提案してまいりたいと考えてございます。その際、石炭火力発電以外にも、再生可能エネルギーや省エネルギー技術、それからエネルギーマネジメントシステム、高効率のガス火力発電、原子力等の日本の持つ優れた技術の展開を図ってまいりたいと考えてございます。  こうした提案を、相手国の制度構築とも連動させながら、相手国における、より迅速な社会実装、こういったものにつなげていきたいと考えてございます。  例えばでございますけれども我が国が得意な技術として地熱発電システムというのがございます。これは世界の市場の五〇%以上のシェアを持ってございまして、現在、インドネシア、メキシコ、トルコ等での案件がございます。こういったものを積極的に展開していきたいと考えてございますし、省エネにつきましては、これはアジア諸国との政策対話、こういったものを通じまして、省エネのラベル制度るいは省エネ制度の紹介を通じて、それを制度整備につなげながら、我が国の省エネ技術製品の展開を図っていくというようなことがございます。  こうした取組は、今後の長い目で見て世界の脱炭素化、こういったことに貢献していくということにつながっていくものというように考えてございます。
  36. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 ありがとうございました。  環境省はいかがでしょうか。脱炭素社会を目指すための技術開発や普及促進、システム開発に早急に着手すべきだと思いますが、そのための予算を教えてください。
  37. 森下哲

    政府参考人森下哲君) 環境省では、脱炭素社会の構築に向けまして、エネルギー対策特別会計を活用した技術開発、普及等を行ってございまして、本年度の予算総額は一千七百二億円となってございます。  具体的に、これらの予算を活用いたしまして、例えば窒化ガリウム半導体など最先端素材を、省エネ型の素材を開発をしていく、二酸化炭素の回収・有効利用・貯留、いわゆるCCUSでございますけれども、こういったものに関する技術開発を進めていく、さらには、地域の再生可能エネルギーや水素も活用しました自立分散型エネルギーシステムの実証を行う、それから、エネルギー収支が正味ゼロの住宅や建築物、ZEH、ZEBと呼ばれておりますが、その普及など、脱炭素社会の構築に必要な技術開発、普及等に取り組んでいるというところでございます。
  38. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 ありがとうございました。  環境問題解決へ向けての技術開発は、人類の生存のための投資です。危機感を持って対応していただきたいと思います。  先ほど大臣からも環境省からも出た、CCUSについてお聞きしたいと思います。そもそもこの事業、進捗状況、併せてどのような事業かも教えてください。
  39. 森下哲

    政府参考人森下哲君) CCUSでございますけれども、これは、火力発電所等の排ガスから二酸化炭素、CO2回収、キャプチャー、これは頭文字がCでございます、これを資源として有効利用する、ユーティライゼーション、これ頭文字がU、や地下への貯留、ストレージで、これ頭文字がSになります、を行う技術のことをいいまして、これをつづめるとCCUSという略称になりますが、気候変動の緩和や炭素の循環利用を実現する有力なイノベーションの一つとして期待をされているということでございます。  環境省におきましては、様々な民間事業者の皆様方と協力させていただいて、CCUSの実証事業に取り組んできております。日本初となる実用規模のCO2回収技術の実証ですとか、人工光合成やメタネーションといった有効利用の検討、貯留に向けた輸送手段、あるいはモニタリング手法検討などを進めているというところでございます。  経済産業省さんとも連携をしながら、これらの実証事業を着実に進めまして、二〇二三年までのCCUSの商業技術の確立を目指し、我が国排出削減はもとより、世界の脱炭素化に貢献をしてまいりたいというふうに考えてございます。
  40. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 CCUSなどイノベーションに期待する、今できることから進めていくということが大切だと思います。脱炭素社会を目指すためにやるべきことを早急に行うべきだと思います。  例えば、石炭火力発電所建設を見直し、その分の発電を自然エネルギーへ移行してはいかがでしょうか。自然エネルギーが電源として不安定だというのであれば、AIなどを使って地域の需給の見通しを直前まで予測し、それを受けて市場での電力の売買を活性化させることにより電力市場において需給調整を行うなど、すぐに打つ手はあると思いますが、いかがでしょうか。  今までのようなやり方で環境問題と経済を同時並行的に解決、発展させるという時代は終わったと思います。なぜなら、今まで人類が知恵を出していろいろな政策を行ってきましたが、世界の環境は近い将来の人類の生存を脅かすところまで来ていると言っても過言ではないからです。  環境省のこども環境白書を見てびっくりしました。二一〇〇年の天気予報図が載っていて、東京の最高気温が四十四度と書いてあります。十代、二十代の若者たちにとって、自分の生存が懸かった深刻な大問題です。人生百年の時代にあって、二一〇〇年の四十四度という気温、若者には決して他人事ではありません。  これからは環境問題を最優先に解決すべき時代だと考えます。経済界も様々な提言を行っています。経済界が自ら、今は自分たちに不利益になることでも将来に見据えて提言し、技術開発を進めていることはすばらしいことと思います。環境問題解決に向け、技術開発など新たなビジネスに結び付け、日本はもとより世界全体で発展していくことが望まれます。  私たちも国会で、この委員会で、環境問題をどう解決していくか、環境問題を解決することによって世界も発展していく、そのために積極的に議論し、考えを発信し、国民と共に行動していくべきと思いますという意見を述べさせていただきます。  それでは、法案の中身について環境省に伺います。  まず、フロン回収について伺います。  今回の回収率を増やすための改正は必要です。しかし、遅過ぎたと思います。二〇〇一年、フロン排出抑制法が制定されてから十九年になります。なぜ回収率が低いままなのでしょうか。実態調査を二〇一八年に行っていますが、同法の二〇〇六年、二〇一三年の改正時には実態調査を実施していないのでしょうか。お答えください。
  41. 森下哲

    政府参考人森下哲君) フロン類の廃棄時回収につきましては、御紹介がございましたけれども、平成十三年の法制定以降、平成十八年、そして平成二十五年と逐次法改正が行われておりまして、その時点で必要な情報収集を行った上で制度を強化してまいってございます。  それらの取組によりまして廃棄時回収率も一定程度向上してございますけれども地球温暖化対策計画の目標の達成には更なる対策の強化が不可欠となったことから、廃棄時回収率の低迷の要因について、経済産業省さんと合同で要因分析を行ったということでございます。  その結果、回収率低迷の要因といたしまして、フロン法に反しましてフロン類回収作業自体が行われていないこと、回収作業が行われていても、配管の長い機器などがございまして、現場で回収し切れずに機器の中にフロンが残ってしまうということなどが明らかになっているということでございます。
  42. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 では、フロン類の現状、特に代替フロンについて伺います。  日本において今どのくらいの代替フロン使用中なのでしょうか。業務用機器と家庭用機器と、両方教えてください。
  43. 森下哲

    政府参考人森下哲君) 代替フロン使用機器の出荷データに基づく推計でございますけれども、冷媒の市中ストックはCO2換算ベースで約四・五億CO2トンとなってございます。そのうち三分の一の約一・五億CO2トンを家庭用の機器が占めまして、残りの三分の二、約三億CO2トンがカーエアコン及び業務用機器使用されてございます。
  44. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 ありがとうございます。  使用中でも自然に漏れるフロン代替フロンはどのくらいと推定しているでしょうか。自然に漏れるフロン類対策はどのように進めているでしょうか、お答えください。
  45. 森下哲

    政府参考人森下哲君) 我が国温室効果ガスインベントリーにおけますフロンの漏えい率でございますけれども、業務用冷凍空調機器では機器の種類ごとに年間二%から一七%程度であると想定をされているところでございます。こうした中、平成二十七年の四月に施行されました改正フロン法、その中で、機器ユーザー方々などを管理者として位置付けまして、機器の点検の義務付け、そして算定漏えい量報告制度といった新たな対策導入をされてございます。  今後、前回の法改正による漏えい量の削減効果を明らかにするための調査経済産業省さんと合同で実施をしまして、対策の進捗状況をフォローアップして対策の効果を見定めてまいりたいと考えてございます。
  46. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 法八十六条においてみだりに放出することを禁止している対象は特定製品ですが、家庭用のものについても対象とすべきと思いますが、現在の対応について教えてください。
  47. 森下哲

    政府参考人森下哲君) 御指摘の法第八十六条のみだり放出禁止の対象は家庭用機器は含まれていないということでございます。  この家庭用機器でございますが、こちらは、家電リサイクル法に基づきまして、小売業者やメーカーの指定引取り場所を経由して認定事業者がリサイクルそしてフロン回収を行っているということでございます。政府としては、この回収率を向上させるためのアクションプランを策定をしておりまして、適正な排出方法の周知ですとか、家電リサイクル法そして廃棄物処理法に基づく規制の徹底などの施策を進めております。  それから、この家庭用の機器でございますけれども、適正なリサイクルルートを外れまして雑品スクラップとして海外に不適正に輸出をされるということが問題となっていたところでございますが、平成二十九年の廃棄物処理法そしてバーゼル法の改正によりまして規制が強化されておりまして、家電リサイクル法に基づく適正なルートに流れることが後押しをされるということになるというふうに考えてございます。  こうした施策を推進することによりまして、適正なリサイクルルートでの回収率を向上することでフロン回収率の向上も図ってまいります。
  48. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 ありがとうございました。  フロン類廃絶への大臣の意気込みについて伺います。  現在のフロン排出抑制法の指針ではフロン類の中長期的廃絶を目指すことを掲げていますが、その具体的な時期が分かりません。大臣は衆議院の審議の中で、「具体的な廃絶の時期については、現時点ではエアコン等の分野で代替となるグリーン冷媒技術が確立されていない段階で、必ずしもお示しすることが難しい状態でありますけれども、代替できる技術が確立できた場合には、可能な限り早期のフロン類の廃絶を目指す」とおっしゃいました。  おっしゃっている趣旨は分かりますし、恐らく日本技術力からいっても本当に近い近い将来にフロンの廃絶を目指せると思います。ですが、大臣、まずは的確な目標を設定すべきではないでしょうか。閣議決定されている地球温暖化対策計画においては、フロン類の廃棄時回収率を二〇二〇年度に五〇%、二〇三〇年度に七〇%とする目標を掲げているではありませんか。なぜフロン類の廃絶目標だけが曖昧にされているのか、理由をお答えください。
  49. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) 御指摘のように、これについてはまだ私ども決定するには至りませんけれども、気持ちはまさにそれに沿ってこれから努力しなきゃいけないなと、こう思っております。  現在ではエアコン等の分野で代替となるグリーン冷媒技術が確立されておらず、お示しすることが困難であります。このグリーン冷媒技術についても、今本当に各省連絡取りながらしっかり進めておりまして、私はそんなに遠くない時期にこのこともお示しできると、こう思っておるところであります。  政府としては、引き続きグリーン冷媒技術開発及び普及に取り組み、中長期的にフロン類を廃絶できるよう努めてまいりたい、こう思っております。
  50. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 可能な限り二〇五〇年までにフロン類の大気中への排出はゼロにすると明確に設定すべきだと思います。目標を明確にすることは、私たち大人環境問題解決に向けて一生懸命努力を続けているという子供若者へのメッセージになると思います。環境省のリーダーシップ、大臣のリーダーシップに期待して、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  51. 柳田稔

    ○柳田稔君 おはようございます。  今日は、グリーン冷媒について質問したいと思います。  グリーン冷媒って一体どのようなものなんですか。御説明お願いします。
  52. 森下哲

    政府参考人森下哲君) グリーン冷媒でございますけれどもフロン類と同様に冷媒としての機能を果たす物質である一方、オゾン層を破壊せず、かつ温室効果が低いことによりまして、フロン法又はオゾン層保護法の規制対象とはならない物質のことを意味しております。  具体的には、人工的なフッ素系の冷媒でありますHFOや、元々自然界に存在をいたしますCO2るいはアンモニアといった物質使用されているということでございます。
  53. 柳田稔

    ○柳田稔君 ああ、そういうことですか。  もっと詳しく説明してもらってもよかったんですけれども、まあそういうことで、なかなか、さっきから質問聞いていますと開発が難しいというふうなことも聞こえますんですけれども、このグリーン冷媒技術を世界に先駆けて開発していくというのが日本の姿勢だというふうに聞いておりますけれども、他国の開発状況製品への導入状況というのはどのようになっておりますか。
  54. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) 概念についてはただいま局長から御説明したとおりでございますけれどもグリーン冷媒技術開発については、日本、アメリカ等の先進国間でそれぞれ横一線のような状況で進んでいるというふうに理解しております。その中で、モントリオール議定書改正による代替フロンの段階的削減が今年一月から始まったことに伴い、激しい開発競争が行われております。  例えば、業務用冷凍冷蔵機器分野については、日米欧メーカーCO2冷媒機器製品開発を競っております。その普及については欧州がやや先行しておりますが、日本と同じくコスト面などで課題を有しておりまして、市場を日本が多くを占めるには至っておりません。一方、家庭用を含めてエアコン分野については、各国とも代替冷媒が見出せてはおらず、その開発が進められている状況であります。  こうした状況を踏まえて、世界的に普及が見込まれるグリーン冷媒技術日本が先駆けて開発し、世界に展開していきたい、こういうふうに考えているところであります。  今それぞれの分野について御説明はしたつもりでございますけど、この分野、技術的には実はかなりはっきりしているんですけれども、生産コスト、使うときのコスト等がまだまだ高いということから、新しい技術がまだそう普及していないというのが現状であります。  日本が先駆けてと申し上げましたけれども、この分野は、私どもの官民挙げての努力をいかに集中するかによって、アメリカはもとよりEU諸国にも私は十分凌駕できるというか先行できるというふうに感じておりまして、さらにこの際にこの技術開発を進めたいと、こう思っております。  なお、出てきております議論の中で、直線的な開発では駄目だと、この環境問題に対応できないというお話が何回か出てきましたけど、要するに、真っすぐ上がって少しずつ上がるというんじゃなくて、不連続なというんですか、そういうような発展、また発想の転換というのが大事ではないかと。実は安倍総理もいつも言われるんですけれども、この環境分野については、とにかく不連続な一直線でない開発こそが大事だということをしょっちゅう言われますので、私どもはそういうことを頭に置きながら今後の活動を進めていきたいと、こう思っております。
  55. 柳田稔

    ○柳田稔君 なかなか難しい開発ですけれども、しっかりと頑張ってやっていければと思いますので、よろしくお願いします。  ということで、グリーン冷媒導入拡大に向けて環境省さんと経済産業省さんが分担して支援を行っていると聞いております。  まず、環境省では、今年度予算に省エネ型自然冷媒機器導入加速化事業として七十五億円計上しておりますけれども、具体的にはどのような支援を行っているのか。また、二〇一八年度は六十五億円の予算が計上されていましたが、導入は順調に進んでいますか。
  56. 森下哲

    政府参考人森下哲君) 御質問のございました省エネ型自然冷媒機器導入加速化事業でございますけれども、こちらは、冷凍冷蔵倉庫、そして食品製造工場、食品小売店舗における省エネ型の自然冷媒機器導入に対しまして支援を行うものでございます。自然冷媒機器に一定の需要を生み出す、初期需要をつくり出すということで、機器の低価格化を図りまして、自立的な普及に向けた導入の更なる推進と加速化を図るということでございます。  この事業でございますけれども、平成二十六年度から実施をしておりまして、平成三十年度は六十五億円の予算で約二百二十件、これまでの累計で一千八百五十件の省エネ型自然冷媒機器導入をされてございます。その成果もありまして、例えば冷凍冷蔵倉庫におけますフロン類使用機器との価格差でございますけれども、これまで平成二十五年度末には約二倍を超えて価格差があったということでございますが、現時点ではそれが約一・六倍程度まで縮まっている、低減しているということから、事業は着実に進んでいるというふうに考えてございます。
  57. 柳田稔

    ○柳田稔君 一方、経済産業省さんですけれども、代替冷媒候補が開発されていない機器について、技術開発関連予算として今年度予算に六・五億円計上していらっしゃいます。こちらは、フロン類の中長期的な廃絶を目指す方針が取られている中、そもそも代替技術が見込めない機器についての支援施策であることから、一層の拡充が必要でないかと考えますけれども、現在の開発状況課題についてお聞かせください。
  58. 上田洋二

    政府参考人上田洋二君) お答え申し上げます。  オゾン層を破壊せず温室効果も低いグリーン冷媒は、代替フロンに比べまして、一般的に、燃焼性を有したり、適切な温度で気化あるいは液化をしないといった物性面の課題がございます。このため、冷媒量が少なく冷房用途のみのカーエアコンなどではグリーン冷媒への転換のめどが立っている一方、冷媒量が大きく冷暖房用途の家庭用あるいは業務用エアコン、この分野についてはその転換のめどは立っていないというのが現状でございます。  今年発効いたしましたモントリオール議定書キガリ改正における二〇二九年以降の基準値比七〇%削減という厳しい義務の達成というのは、日本にとって大きな挑戦である一方、他国にも厳しい削減義務が課せられる中、これは日本が世界の新たな市場を獲得するチャンスでもございます。このため、二〇二九年を見越してグリーン冷媒技術開発に産学官が一体となって取り組んでいるところでございます。  具体的には、まず、グリーン冷媒は燃焼性を有するものが多くて、漏えいをした場合の着火リスク、これを考慮する必要が生じてきますけれども、その評価手法、これがまだ確立をしておりません。このため、経済産業省では、平成三十年度から、燃焼性に関するリスク評価手法、これを世界に先駆けて確立する産学官のプロジェクトを開始したところでございます。また、加えまして、今年度からは開発を加速すべく予算を拡充いたしまして、民間事業者におけるグリーン冷媒及びそれを用いた機器開発、これに対する支援制度を創設をいたしました。  開発成果は国際標準化を図って、日本の優れた技術を海外に展開をすることを目指してまいります。これによって、世界のフロン類対策に貢献をするとともに、日本技術日本の企業の新たな市場の獲得にもつなげていきたいという具合に考えております。
  59. 柳田稔

    ○柳田稔君 つい先日、北海道で三十九・何度でしたか、これも温暖化の一環なのかなと思いつつニュースを見ていましたけれども、北海道の家庭でもクーラーの設置が増えていくのかと、そう考えると、早くこういった冷媒を開発していただきたいなと思いますので、頑張っていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。  ありがとうございました。
  60. 山本博司

    ○山本博司君 公明党の山本博司でございます。  本日は、フロン排出抑制法改正案に関して御質問をしたいと思います。  法案の内容に入る前に、オゾン層の保護に関しましてお伺いをしたいと思います。  フロン類は、エアコンや冷蔵庫などの冷媒等の様々な用途に活用されてきた一方で、特定フロンと呼ばれるフロン類はオゾン層を破壊する効果を有しておりまして、一九八〇年代より、ウィーン条約、またモントリオール議定書の採択に基づきまして、我が国でもオゾン層保護法や今回の前段でもございますフロン回収・破壊法の制定が図られ、この特定フロンの生産、消費の規制を進めてまいりました。  こうした国際的な取組によりまして特定フロンの削減が進んだ結果、最近の国連の報告書では、南極のオゾンホールの長期的な拡大傾向は見られなくなったとの報告も出てきております。こうした長年にわたる国際的な協調によりまして、環境に関する課題につきましては、解決に向けまして着実に継続することで大きな効果を得る場合もあると思います。  そこで、このオゾン層の保護に向けてこれまで取ってきた対策でどのように効果が現れてきたと認識しているのか、見解を伺いたいと思います。
  61. 森下哲

    政府参考人森下哲君) オゾン層保護の国際的な取組といたしまして、ウィーン条約が一九八五年に、そしてモントリオール議定書が一九八七年に採択をされてございます。これらによりまして、国際的にオゾン層を破壊する特定フロンの生産等の段階的全廃が定められてございます。国内では、これらの採択に合わせまして、一九八八年にオゾン層保護法を制定しまして、特定フロンの生産等の規制等を定め、これに基づいて国内において特定フロンの生産等の全廃を着実に進めてきているところでございます。  オゾン層の状況でございますが、南極域で形成をされるオゾンホールの規模が特定フロン等の大気放出により一九八〇年代から一九九〇年代半ばにかけて急激に拡大をいたしましたけれども、議定書に基づき特定フロンの生産等が国際的に規制をされたことで、一九九〇年代後半以降は、年々変動ございますけれども、回復傾向にあるということでございます。  WMO、世界気象機関、UNEP、国連環境計画が取りまとめましたオゾン層破壊の科学アセスメント二〇一八によりますと、南極オゾンホールがオゾン層破壊が顕著になる前の指標となる一九八〇年の量に回復するのは二〇六〇年代になるだろうというふうに予測をされているというところでございます。
  62. 山本博司

    ○山本博司君 この点、しっかり保護に向けてお願いをしたいと思います。  それでは、法案に関して伺いたいと思います。  まず、回収率の向上策について伺います。  特定フロンに代わるこの代替フロンと呼ばれるフロン類、オゾン層は破壊しませんけれども特定フロンと同様に二酸化炭素の数十倍から一万倍を超えるとも言われる強い温室効果を有しているわけでございます。このため、二〇一六年にアフリカのルワンダで開かれました国際会議では、代替フロンモントリオール議定書のキガリ改正によって新たに規制対象となりました。  そうした状況を踏まえて、本法律フロン回収・破壊法として二〇〇一年に制定されて以降二回の改正を経て、このフロン類排出抑制対策、およそ約二十年間という長い期間が経過をしております。しかしながら、依然として、この機器廃棄時の冷媒回収率三割台、こう低迷しているわけでございます。こうした長期間が経過してもなかなか回収率の改善が進まなかった要因、どのように分析しているんでしょうか。
  63. 森下哲

    政府参考人森下哲君) 我が国は、フロンの廃棄時の回収そして破壊というようなことを世界に誇るレベルで取組を進めているということは最初に申し上げておきたいと思います。  御質問のございましたフロン類の廃棄時回収率の低迷につきまして、今回実態調査そして要因分析を行ってございますが、その結果、二つの大きな要因があるということが分かってございます。一つは、フロン法に反しましてフロン類回収作業自体が行われていないということと、二点目は、回収作業が行われていても、配管がどうしても長い機器どもございまして、現場でうまく回収し切れずにその機器の中にフロンが残ってしまうと、こういったことが明らかになってきてございます。  調査の結果、現状で未回収が六割強ございますが、そのうちの三割強が回収作業自体が行われていないこと、そして残りが回収し切れずに機器の中にフロンが残ってしまうことに起因するということが分かってきているということでございます。
  64. 山本博司

    ○山本博司君 こうした要因分析をされているわけですけれども、その上で、政府地球温暖化対策目標達成計画における廃棄時回収率の目標、二〇二〇年度に五〇%、二〇三〇年度に七〇%、こうされているわけでございます。  この目標を達成するには相当な努力が必要であると考えますけれども、今回の改正によりまして回収率目標達成に十分な対策と言えるのかどうか、二〇二〇年、もう目前に迫っておりますけれども大丈夫なのか、見解を伺いたいと思います。
  65. 勝俣孝明

    大臣政務官(勝俣孝明君) 本改正は、関係事業者の相互連携により機器ユーザーの義務違反によるフロン類の未回収を防止し、機器廃棄時にフロン類回収作業が確実に行われる仕組みを構築しようとするものであります。法律の施行後には、機器ユーザーや関係事業者、団体、都道府県への着実な周知を行い、改正法の円滑な施行を図ることにより、二〇二〇年度の廃棄時回収率五〇%の目標を確実に達成したいと考えております。  さらに、本改正法の施行と並行して、作業を行っても回収できないフロンの量を可能な限り減らす対策も進め、二〇三〇年度の廃棄時回収率七〇%の目標達成につなげたいと考えております。
  66. 山本博司

    ○山本博司君 ありがとうございます。  現行法では、使用者が機器の廃棄時に専門業者に依頼をして代替フロンを抜き取ることを義務付けておりますけれども、周知が進まず、違反を繰り返さなければ罰則が科せられなかったために、そのまま廃棄する例が後を絶ちませんでした。今回の改正によりまして直接罰の導入、また廃棄物・リサイクル業者へのフロン回収済証明の交付、これを義務付けることになるわけでございますけれども使用者や処理業者への周知、制度の普及、これを進めるよう求めていくとともに、これまで以上にフロン類回収がしやすい機器開発や、フロン類を大気に放出することを減らす回収技術の向上や、回収作業効率の改善に向けた対策など、とてもこれは重要になると考えます。  この回収率の飛躍的な向上を目指すのであれば、法令を遵守する健全な仕組みの醸成が必要であると考えます。そこで、こうした点への支援策、手厚くすべきと考えますけれども認識を伺いたいと思います。
  67. 森下哲

    政府参考人森下哲君) 御指摘いただいた点はいずれも重要なポイントだというふうに考えてございます。  まず、廃棄物・リサイクル業者の方々につきましては、これは充填回収業の登録を既にお持ちでいらっしゃる業者さん、あるいは、フロン回収されているのかどうか、自分にあるボンベの中のフロンもう抜かれているかどうか、これ自主的に確認をされている業者さんなどもいらっしゃいまして、フロン回収についてしっかり知識を有しておられる方も相当程度存在する中で、一方で、業者の方々の中にはこのフロンに対する認識、差があるということはそうであるというふうに理解をしておりまして、そういった方々にしっかり周知、そして普及啓発していくことが非常に重要だというふうに考えてございます。  既に業界団体を通じまして意見交換もさせていただいておりまして、法改正の内容につきましても、業界への説明会の開催、あるいは業界を通じた関係企業への普及啓発ツールの配付等を通じまして、周知を徹底をしてまいりたいというふうに考えてございます。  それから、御指摘もございましたその回収技術の向上、これも非常に重要でございます。冷媒回収時の回収残の要因につきまして、環境省経済産業省さん共同で、専門家の協力もいただきながら、技術的見地から要因分析と対策検討をしっかりと進めてまいりたいというふうに考えてございます。要因分析を進めましたその結果を踏まえて、適切な対策、考えてまいりたいと思っております。
  68. 山本博司

    ○山本博司君 今回の改正案では、廃棄物・リサイクル業者等が機器の引取り時にフロン回収済証明、これを確認をして、証明が確認できない機器の引取りを禁止すると、こういうことになっているわけです。この証明の確認をしやすくするためにも、現在でも、民間団体では確実にフロン回収を行うために、事前確認で業務用空調冷凍機器が確認されれば、フロン使用機器の目印としてフロン回収シール、赤いシール、これが貼り付けることを推奨しているわけです。また、回収済みの場合は緑シール、回収済みのシールということで緑のシールが貼られて撤去が可能となるということでございますけれども、このような、証明が交付されているかいないか、これが一目で分かるような見える化のできる仕組み、これが必要であると思います。  また、建築物の解体届などの他法令と照らし合わせて、どの段階でフロン回収されているのかITを活用して分かるようなシステムがあれば、情報の効果的な活用がこれは可能になると思います。  また、業務用空調冷凍機器は全国に二千万台あると推計されておりますけれども、その所在を正確に把握する、こういう仕組みはありません。産業廃棄物の処理におきましては電子マニフェスト制度、こういうのがございまして、こうした制度も参考にして情報システムの構築を行うということも大変大事ではないかと思いますけれども認識を伺います。
  69. 森下哲

    政府参考人森下哲君) まず、御指摘のあった見える化、情報をしっかりと視覚化するということは非常に大事だと思っておりまして、今回の法改正の中でも、廃棄物・リサイクル業者の方々フロン回収済証明の交付を義務付けているということで、回収しましたよ、抜きましたよという証明書が一緒に流れてくるということで、回収率の向上を目指していきたいということでございます。  御指摘にもありましたけれども、今後、やっぱりITを活用をしましたシステムの利用というのが非常に重要になってくると考えてございます。現在、フロン法に基づく情報処理センターの指定を受けました一般財団法人日本冷媒・環境保全機構が証明書の交付等を電子的に行うシステムを構築をしております。このようなシステムは、機器や冷媒の管理の効率化とともに法令遵守に役立つものと考えておりまして、国としてもこのシステム、是非御活用をいただきたいということで、効果的な周知、そしてより使いやすいシステムへの改善等、情報処理センターとともに検討していきたいというふうに思ってございます。  日本にあるいろんな機器をうまくしっかり把握をしていくということが非常に重要だということを御指摘いただきました。これは非常に重要な課題だというふうに私どもも考えてございます。今後、将来的には、機器使用時も含めてうまくIoTを活用することで、機器、冷媒情報の管理を統合的にしっかり行っていくということに関しても勉強していかなきゃいけないというふうに考えてございます。
  70. 山本博司

    ○山本博司君 ありがとうございます。  前向きなお話でございました。しっかりこうした情報システムの構築等の活用ということも御検討をお願いしたいと思います。  また、今回の改正では特定解体工事元請業者による説明時の書面の保存義務が追加されまして、建物の解体情報を基に解体工事現場に、都道府県が現場を立入検査する仕組みも設けることとなっております。都道府県による指導監督の実効性の向上、これを図っていくためには、人員の配置増など都道府県による一層の積極的で効率的かつ効果的な対応が求められると思いますけれども政府として都道府県に対してどのような支援を行っていくのか、確認をしたいと思います。
  71. 森下哲

    政府参考人森下哲君) この法改正の実効性上げていくためには、都道府県による指導監督の効果的そして効率的な実施、非常に重要だと考えてございます。  私ども国といたしましては、従来から行っております都道府県職員向けの研修ですとか都道府県への専門家の派遣の充実、さらに、都道府県の職員の方々が事業者の方に指導監督を行う際に参考となる情報をまとめたハンドブック、この改定、さらには、国にデータが集約されてまいります、毎年集約されるフロン類の充填回収量報告ですとか算定漏えい量の報告、そういった情報が集まってまいりますので、それをうまく整理、分析をいたしまして情報をお戻しをする、提供するといったことを行いまして、都道府県による効果的、効率的な指導監督をしっかり後押しをしてまいりたいというふうに考えてございます。
  72. 山本博司

    ○山本博司君 ありがとうございます。  一方で、この指導監督を都道府県のみが行うのでは十分な指導監督ができないのではないかと、こういう指摘も一部ございます。都道府県の指導監督権限を政令市や中核市若しくは国の地方機関等に移譲して効果的な指導監督を行う体制について検討すべきではないか、こういう意見もございますけれども、この指導監督権限についての見解を伺います。
  73. 森下哲

    政府参考人森下哲君) 御指摘の権限の移譲でございますけれども、権限移譲ということになりますと、それに伴います指導監督の効果、効率性、そして財源ですとか人員の確保等、そういったいろんな課題検討していくことが必要になってまいります。  このフロン法におきます都道府県から政令市等への権限の移譲についてでございますけれども、平成二十八年十二月の閣議決定におきまして、その段階の前回の改正法、これ平成二十五年改正時のことでございますが、その見直しということで、施行が平成二十七年の四月後の五年後見直しということになりますけれども、その際に、地方公共団体等の意見を踏まえて検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとされております。  権限の移譲を行うべきとする県からの提案に対しまして、移譲を受ける側である政令市等からは慎重な検討を求める意見があるということを踏まえながら、適切に検討を行う必要があるというふうに考えてございます。
  74. 山本博司

    ○山本博司君 ありがとうございます。  我が国では、フロン排出抑制法とともに、自動車リサイクル法、家電リサイクル法においてフロン回収が義務付けられておりまして、廃棄された家庭用の冷蔵庫や洗濯機に冷媒や断熱材等に用いられるこのフロン類回収は、この家電リサイクル法に基づいて実施されております。  この家電リサイクル法における現在の回収状況、どのようになっているのか、確認をしたいと思います。
  75. 森下哲

    政府参考人森下哲君) 家電リサイクル法でございますけれども、御家庭から出てくる家電につきましては、廃棄物・リサイクル業者のところに、家電メーカーが例えば新しい製品をお届けするときに今あるものを回収をするという形で収集をされておりまして、家電リサイクル法に基づきまして、小売業者あるいメーカーの指定引取り場所、こちらを経由をしまして認定事業者の方がリサイクル及びフロン回収を行うという、そういうスキームが家電リサイクル法の中ではつくられているということでございます。  この家電リサイクルルートに流れていけば適正なフロン回収がなされるということでございますが、家庭用エアコンの回収率、今推計で、排出台数を分母といたしますと、回収ベースで見ますと、台数ベースで四から五割にとどまっているということでございまして、フロン類回収の量のベースは約三割というふうに今推計をされるという状況でございます。
  76. 山本博司

    ○山本博司君 この回収率をアップするということに関して、この家電リサイクル法のやり方等も含めて参考に是非ともしていただきたいと思います。  このフロン類排出削減のための回収率の向上のためには、国民全体の理解、協力が欠かせないと思います。例えば、温室効果ガスの削減という観点からいいますと、事務所のエアコンたった一台からフロンを放出させてしまうと、二酸化炭素三・六トンほど放出したことになります。これは、レジ袋一枚を使用したときの二酸化炭素の排出量が二十グラムと言われておりますので、およそ十八万枚のレジ袋を使用したことと同じになります。  私たちが日頃、地球環境のためにとエアコンを弱めたり、レジ袋を使わずにマイバッグを使用して二酸化炭素の排出を減らそうと努力、頑張ってみたとしても、フロンをほんの僅かでも放出してしまうと、このような努力は全て無駄になってしまいます。こうした点も、もっと国民に周知をして理解を得ていく努力、これは常に行うべきと考えます。  大臣にお伺いしますけれども、こうした国民の理解という点も踏まえて、廃棄時のフロン回収率向上に向けた大臣の決意を伺います。
  77. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) 我が国温室効果ガス排出量は四年連続で減少しているということを、国際社会にもしっかりまた実績として報告をしたところであります。ただ、その中でも代替フロン排出量については増加の一途をたどっているということも、しっかりまた御報告をいたしました。これまでの温室効果ガスの排出削減努力を無駄にしないためにも、いまだ四割弱にとどまっているフロン類の廃棄時回収率を早急に向上させる必要がございます。  そのため、本改正により、関係事業者の相互連携により機器ユーザーの義務違反によるフロン類の未回収を防止して、機器廃棄時にフロン類回収作業が確実に行われる仕組みを構築したところであります。さらに、フロン類対策の重要性についての普及啓発を広く行い、国民皆様の理解、協力を求めながら、回収率向上に向け全力で取り組んでまいりたいと思います。  今申し上げましたけれども、おっしゃるように、CO2対策をどうするか、またプラスチックのレジ袋をどうするか、これはこれで非常に大事なことでありますけど、今回のフロン規制法の強化を通じまして、そのフロンをいかにこれを規制する、強化することは大事かということが分かったところであります。  実は、このフロン類規制というのは、日本は比較的というか非常にしっかりとした法制度に基づきまして今回もあれしているんですけど、目を国際社会に転じますと、私は実は個人的にはびっくりしたんですけど、よその国はほとんど、そこについては規制をやっておりません。高い目標を、そのモントリオールの関係の国際会議をやっておりますけど、しかしそれは高い目標をお互い共有しているだけであって、例えば自分たちのモニタリングとか、またそれをどうやって強制するか、規制するかということは十分でないようにも感じますので、そのことも含めて、今回この法律を決めていただいた後にはしっかりその辺を、国内でしっかりやることと併せて国際社会にもそのことを警告を鳴らさないかぬなと、そんなことを感じているところであります。  皆さん是非また御指導、御協力をお願いしたいと思っております。
  78. 山本博司

    ○山本博司君 大臣、ありがとうございます。是非とも、このフロン回収率向上に向けた取組を進めていただきたいと思います。  次に、代替フロンに代わる新しい冷媒の開発につきまして、経産省、環境省からお伺いをしたいと思います。  先ほどもお話ございましたこのグリーン冷媒技術、これに関しまして、それぞれ経産省、環境省から、その取組状況を御報告いただきたいと思います。
  79. 上田洋二

    政府参考人上田洋二君) お答え申し上げます。  グリーン冷媒は、一般的に、燃焼性を有したり、あるいは適切な温度で気化、液化しないといったような物性面の課題もございます。このため、カーエアコンなどではグリーン冷媒への転換の目途は立っておりますけれども、冷媒量が大きく、冷暖房用途の家庭用・業務用エアコン、これではまだ転換のめどは立っていないというのが状況でございます。  また、二〇二九年以降の基準値比七〇%削減という厳しいこの義務の達成は、日本にとって非常に大きな挑戦である一方、やはり日本がこれから世界の新たな市場を獲得するチャンスでもございます。このため、二〇二九年を見越して、グリーン冷媒技術開発、これを産学官一体となって取り組んでいるところでございます。  具体的には、経済産業省では、平成三十年度からグリーン冷媒の燃焼性に関するリスク評価手法を世界に先駆けて確立する産学官プロジェクトを開始したところでございます。また、加えて、今年度からは、予算を拡充をして、民間事業者におけるグリーン冷媒等の開発に対する支援制度を創設したところでございます。  今後、国際標準化あるい技術の海外展開といったことを目指して、世界のフロン類対策への貢献、そして日本企業の新たな市場獲得、これにつなげていきたいという具合に思っております。
  80. 森下哲

    政府参考人森下哲君) 環境省取組でございます。  自然冷媒機器の普及を図っていくということで、平成二十六年度から補助事業を実施しておりまして、これまで千八百五十件の省エネ型自然冷媒機器導入をされてございます。その成果もありまして、例えば冷凍冷蔵倉庫におけるフロン類使用機器との価格差でございますけれども、これは平成二十五年度末には約二倍を超えていたということでありましたが、現時点では約一・六倍程度まで縮まってきているということでございます。  今後とも、自然冷媒機器に一定の需要を生み出すことで機器の低価格化を図りまして、自立的普及に向けた更なる導入の推進と加速化を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
  81. 山本博司

    ○山本博司君 こうした技術が確立されますと、世界の温室効果ガス削減にも貢献できると思います。また、成長戦略の中においてもインフラ輸出、大変大事な観点でございますけれども、この点、どのように認識されているんでしょうか。
  82. 城内実

    ○副大臣(城内実君) 山本委員の御質問にお答えいたします。  我が国フロン回収、破壊のシステムは、回収量を正確に把握し公表するなど、先ほど原田大臣からも御発言ありましたとおり、世界的に誇ることのできる先進的なものであると認識しております。  こうした様々な知見を生かしまして、環境省では、昨年度から二国間クレジット制度の仕組みを活用しつつ、代替フロン等の回収、破壊を実施する事業への支援を開始したところであります。今後もこうした取組を通じて世界にフロン回収取組を普及させていきたいと考えております。  また、今後世界に普及が見込まれるグリーン冷媒機器の分野については、経済産業省技術開発環境省導入促進という役割分担の下でしっかり連携して支援を行い、日本の優れた技術の海外展開を目指してまいります。  これらの取組により、日本、さらには世界の温暖化防止に貢献してまいります。  以上でございます。
  83. 山本博司

    ○山本博司君 時間になりましたので終わります。ありがとうございました。
  84. 片山大介

    ○片山大介君 日本維新の会・希望の党の片山大介です。  私が用意してきた質問、大体今一通り委員の方が言われたと思うので、ちょっと繰り返しになるかもしれませんが、御容赦いただければと思います。  それで、今回の法改正は、都道府県の指導監督の実効性を上げようというのが主な目的ですね。それによって、近年三割程度に低迷しているフロン類回収率を上げて、政府の温対計画にある二〇二〇年五〇%、そして二〇三〇年七〇%を何とか実現しようというものだということです。  まず、フロン類のこの引渡義務違反などについて新たにこれ直接罰の規定が設けられた、これが大きな柱になっていますね。それで、ユーザーは、廃棄物・リサイクル業者などに機器の処分を依頼する際、フロン類回収を実施した証明の送付が義務付けられる。これまでどうだったかというと、これまでは指導、勧告、命令、罰則の四段階にわたる間接罰のみでほとんど効果がなかったと聞いています。  まあ、そりゃそうですよね、聞くと、空調機器の耐用年数って大体十年から十五年掛かるというんですね。だから、最初にその指導を受けたとしても、その後それを生かすというのは十年、十五年先になるから、そうするとほとんど意味がなくなるというのは大体分かるんですけれども。  じゃ、逆に聞きたいのは、それが分かっておきながら、なぜ、これまでなかなかこの間接罰のままだったのか、これまでそうだったのかというのを教えていただけますか。
  85. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) 議論をしておりますけれども、そういうものを踏まえて、また反省をして、今回の法改正に至ったところであります。  二〇〇一年の法制定のときは訓示規定、二〇〇六年においては間接罰導入、二〇一三年には機器の点検の義務付けと、こういうものを踏まえまして、今回、直罰を含めた制度強化をするということでございます。その結果、かなりの効果を得たけれどもまだまだやらなきゃいけないという意味では、これからの運用をしっかりまた私ども心掛けていかなきゃいけないなと、こう思っているところであります。  とりわけ、実際の都道府県が実効性のある指導監督を行うということが非常に大事になっております。実は、これに関連しましても、都道府県に、実際の業務としては、例えば立入り等も具体的にやるんですけれども、正直言って必ずしもその辺の業務が、忙しいとか人材が足りないということで、必ずしもちゃんと行われていないのではないかということも今回の法案のプロセスで私ども理解したところでありまして、例えば個人保護条例というものがいろいろございまして、入りたいけれどもなかなかそれが皆さんの御了解を得ないというような、いろんな現実の問題としてあるようでありますから、しかし私どもは、このフロン法規制というのは、これは絶対に進めなければならないという観点から、更にその運用も実際には強化していきたい、こう思っております。
  86. 片山大介

    ○片山大介君 今大臣いろいろ言われて、その解体情報についてもまたこの後でちょっと聞きたいと思っているんですけれども。  それで、だからそうすると、これまで回収率低かったわけだから、そうすると現状では、ちまたにもう未回収機器があふれているというのが現状だと思うんですけれども。だから、今回のこの直接罰を導入することによって、これまでできていなかった、一件もなかったと言っていましたかね、その検挙事案というのも出てくるでしょうし、それから、何よりも環境省として期待しているのはこれによる抑止効果だということなんですけれども、じゃ、これ検挙事案とかはどんなふうになるのか予測立てているのか。実際にこれ、そうするとなるといろんな体制整備も必要になってくるんですけれども、ここら辺についても併せてどのようにお考えになっているのか、お聞かせいただけますか。
  87. 森下哲

    政府参考人森下哲君) お答え申し上げます。  直接罰の導入によります検挙件数を見込むことはなかなか困難なところがございますけれども、お話にもありましたけれども、この直接罰を背景といたしまして都道府県が実効性のある指導監督を行うことができるということになりますので、それを国としてもしっかり後押しをしてまいりたいと思います。  また、今回は様々な関係者が情報を共有をしてフロンの適切な回収を、回収率を高めていこうという仕組みでもございます。先ほどお話もございました廃棄物・リサイクル業者の方々フロン回収済証明書の交付を義務付けるというような規定も併せまして、しっかりと、フロンがどう動いているのか、それが分かるような形にして、関係者がそれを、情報を共有することでしっかりと実効性を上げていくということに取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
  88. 片山大介

    ○片山大介君 はい、分かりました。  それで、さっき大臣が言われたその建物解体の方も行きたいんですけど、その建物解体については、都道府県が現場に立入検査をすることになると。ただ、それにはもちろん解体情報というのが事前に入手しておくことが必要で、それで、これ、環境省が五年前に、建設リサイクル法に基づく届出情報を活用することに対して、個人情報との兼ね合いは問題ありませんよという通知を各自治体に出していたけれども、各自治体はやはりどうしても自分たちのところの条例との関係でなかなか、ちゅうちょしたりだとか進まなかったという現実があったという、まあ今回それをちょっと変えようということなんですが。  ただ、自治体の方の条例はそもそも変わらないわけで、そこの関係がどうなるのか、その自治体の懸念というのは払拭できるのかどうか、そのための取組としてはどういうことを考えているのか、教えていただけますか。
  89. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) 先ほど、やや言葉足らずで、申しかけましたけれども、まさにそこが一番大事なところでして、直罰という法律はきちっとできました。ただ、実際の運用は都道府県が中心になって、そしてまた、そのための情報を誰が得て、そして直罰の対象になるかというのは、これは私は、実際これ動き始めますと、司法当局も含めてしっかりまたお話をしなきゃいけないなと、こう思っております。  例えば、建設リサイクル法につきましても、これ今はちゃんとした、壊すときにはちゃんと届け出るというのがあるんですけど、そのことが必ずしも環境当局に届かないまま、それはそれ、環境当局側は当然のことながらこのフロン法の関係を見るという、ただ十分な情報が与えられませんので、やっぱりそれはしっかりしたものができていないというのが現状だったような気がいたしまして、個人保護条例の話も出ましたけれども、ある地域はそういうことについて当然国の制度については個人保護条例の下でもしっかり報告しなきゃいけないという部分もありますし、条例ができていないところは、必ずしもそこはうまくいかない。  いずれにしましても、これ、実際の運用については、相当工夫が、また、現状を踏まえて改善する余地があるかなと、こう思っております。せっかくとは言いませんけれども、こういう関連の法令等、調整をしながら、いかにその実効性を上げるかということ、そのことを都道府県の皆さんともやっぱりよく話し合わなきゃいけないなと、こう思っております。
  90. 片山大介

    ○片山大介君 そこは、是非やっていただければなというふうに思います。  それで、あと、解体の後、機器を引き取る業者の方もちょっと聞きたいんですけれども、基本的には、これ、まずユーザーからそのフロン類回収したことを証明したものを受け付けるなど、フロン類放出のおそれがない場合以外は機器の引取りは禁止されることになるんですね、今回。  だけれども、その業者の中にもいろんな業者がいると思うんですけれども、その業者に対しての周知とか、これ徹底させることというのは何か、単にもう直罰を導入したからというだけじゃなくて、そこら辺の取組はどういうふうにお考えになっているのか。
  91. 森下哲

    政府参考人森下哲君) まず、いわゆる業界団体を通じた取組でございますけれども、既に意見交換も開始をしてございまして、この法改正案の内容につきましても、あるいは団体の皆様方の御協力をいただきながら、説明会の開催、あるいは会員企業への普及啓発ツールの配付等、こういうことを行っていきたいというふうに考えておりまして、しっかりと法律改正の内容の周知を徹底をしてまいりたいと思っております。  それから、なかなかその法令を遵守していない事業者に対しましては、これはしっかりと厳正に対処をしていくことが非常に重要だと思っております。  ちなみに、既に御案内のところだと思いますが、平成二十九年に廃棄物処理法が改正をされまして、有害使用機器の保管等に関するいわゆるヤード業者の方々届出制度というのが創設をされていまして、それをしっかりと施行をしていくことで、見えないところに流れていたものをやっぱりちゃんと見えるところに戻していくということも、様々な制度と連動させながら取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
  92. 片山大介

    ○片山大介君 そうはいっても、業者にもいろいろあるし、やっぱりフロン類がまだ含まれていることを知りながら違法に引き取る業者なんかもやはりそれはなかなか根絶できない可能性があるんですけれども、そこら辺のパトロール的なものみたいなことは何か考えているのか、どうするのか、教えていただけますか。
  93. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) 今局長から御報告いたしましたけど、非常に、直罰というこれは多分相当な抑制効果になると思います。しっかり勉強した人は、これはやっぱり直罰受けるんだということでありますけど、それで、実際には、皆さん方の御理解をいただきながら、それを運用するということになるわけであります。  例えば、都道府県も、必ずしもその専門の方も全ておるわけじゃありませんし、だからその実際の見回りなんかもやっているとは必ずしも思えません。決してGメンのようなものがあった方がいいとは私は思いませんけど、少なくともそういう形で、事の性質上それぐらいの気持ちでやっぱり探して、またちゃんとした報告を受けなきゃいけないというぐらい大事な案件ではないかなと思っておりますので、是非またそういう御意見をいただきながら、私どもは更にこれ積極的な、何といっても大事なのは実効性であります。先ほどありましたよね、このレジ袋のこれからいろいろ規制もやっていきますけれども、同時に、それとどれぐらいの比率をフロンというのは持つんだということをしっかり理解しておかなきゃいけないな、こう思っております。
  94. 片山大介

    ○片山大介君 大臣がおっしゃるとおりだと思います。  それで、あとは、業者への周知もそうだけど、やっぱり国民的に、世の中にももっと周知して、いろんな人たちが、監視の目じゃないけれどもフロン類のことに注意するような目をもっとつくってもらうようにすればいいんじゃないかなというふうに思います。  それで、いずれにしろ、今回の法改正だと、どっちにしても都道府県の負担というのは増えると思うんですけれども、国として都道府県への支援、これ、資金面も含めてどのように考えているのか教えていただけますか。
  95. 森下哲

    政府参考人森下哲君) おっしゃるように、法改正の実効性を上げていくためには都道府県による指導監督を適切に実施をしていただくことが非常に重要であると思っております。  今回の法改正、都道府県の限られた人員により効果的な指導監督が行えるよう様々な工夫をしておりまして、ユーザー、解体業者、廃棄物・リサイクル業者等の関係者が相互に確認、連携して、機器の廃棄時のフロン類回収を確保するということも意図した仕組みとしているところでございます。  国としての取組でございますが、従来から行っておりますけれども、都道府県職員向けの研修ですとか、あるいは都道府県への専門家の派遣、これを充実をしていく、都道府県職員が事業者に指導監督を行う際に参考となる情報をまとめたハンドブックの改定、国に毎年上がってくる情報を集約されるフロン類の充填回収量報告ですとか、算定漏えい量報告等のこういった情報を整理、分析をいたしまして、それをお返しをする、自治体に情報提供させていただく、こういったことをしまして、都道府県の効果的、効率的な指導監督を後押しをしていくということを考えているということでございます。
  96. 片山大介

    ○片山大介君 そういう情報とかをきちんと提供してあげる、これは大切だけど、やっぱりお金の面は、なかなかない袖はという感じなのでしょうか。
  97. 森下哲

    政府参考人森下哲君) 立て付けとして、この法律はもう指導監督は都道府県の自治事務ということになってございます。それも踏まえて、しっかりと我々もできることをやっていきたいというふうに考えてございます。
  98. 片山大介

    ○片山大介君 じゃ、是非都道府県にしっかりと御説明していただければと思います。  それで、最初にも言った温対計画の話にちょっと戻るんですけど、二〇二〇年に五〇%ですよね、それで二〇三〇年に七〇%にする。まず、二〇二〇年って来年度なんですけれども、これ今三割程度なのを五〇%。これから法が成立をして、仮に施行するとすれば、これ可能なのかどうか、見通しどうでしょうか。
  99. 森下哲

    政府参考人森下哲君) この法律の施行後、お認めいただきますと、成立いたしますと、この法律の施行後には、機器ユーザー、関係事業者、団体、都道府県への着実な周知を行いまして、改正法の円滑な施行を図ることによりまして、二〇二〇年度の廃棄時回収率五〇%の目標を確実に達成をしていきたいというふうに思ってございます。
  100. 片山大介

    ○片山大介君 あと、最後なので七〇%の方、十年後の七〇%、これは新たな技術がないとやっぱりもう難しいのかなと思いますが、それについて、じゃ教えていただけますか。
  101. 森下哲

    政府参考人森下哲君) 御指摘のように、二〇三〇年度の廃棄時回収率は七〇%の目標ということで地球温暖化対策計画の中に位置付けられてございます。  今回、法改正を成立させていただきますと、その施行と並行いたしまして、先ほどもちょっと御質問いただきましたけれども、やっぱり現場で回収率を上げていくという技術的な検討もしっかり進めていきたいと思っております。作業を行ってもなかなか回収できないフロンの量が何割かあるということでございますので、その量を可能な限り減らす、そのための対策というのもしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。  これについては、経済産業省さんと一緒に合同の調査を実施をして、どういうことをやっていったらいいのかというのをしっかり明らかにしてまいりたいというふうに思っております。
  102. 片山大介

    ○片山大介君 はい、分かりました。頑張ってください。  ありがとうございました。
  103. 武田良介

    ○武田良介君 日本共産党の武田良介です。  フロン排出抑制法について質問をさせていただきます。  まず、特定フロンから代替フロンへの転換がこれまでも進めてこられました。今、代替フロンから更に転換が進められようということが求められているわけですが、なぜ転換が必要なのか、環境省、御説明いただけますでしょうか。
  104. 森下哲

    政府参考人森下哲君) お答え申し上げます。  特定フロンにつきましては、オゾン層破壊効果があるということ、その観点からオゾン層破壊効果がない代替フロン転換が進められてきておるということでございます。  しかし、この代替フロンにつきましては、二酸化炭素の数十倍から一万倍以上と非常に高い温室効果を有するということから、現在、オゾン層破壊効果もなく温室効果も低い物質であるグリーン冷媒への転換が進められているということでございます。
  105. 武田良介

    ○武田良介君 経産省、国交省、それから環境省の三省は、フロン排出抑制法に基づく指針を二〇一四年十二月十日に出されております。  この内容の要点ですけれども、中長期的には、ノンフロン・低GWP化の状況等を踏まえつつ中長期的なフロン類の廃絶を目指しというふうにされていますが、このことと、それから短期的には、フロン類の段階的な削減を進めていくというふうになっている、ここが要点ではないかなというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。この指針の中身、間違いないでしょうか。
  106. 森下哲

    政府参考人森下哲君) おっしゃるとおりでございまして、フロン法の目的は大気へのフロン類排出を抑制していくということでございますけれども、その観点から、この指針におきまして目指すべき姿として、中長期的には、これはフロン類の段階的な削減を着実に進めて、フロン類を廃絶をすることを目指すということを書いてございますし、もう一つ、短期的には、市中にありますフロン類の大気中への排出を可能な限り抑制をしていく、これを目指すということを位置付けているということでございます。
  107. 武田良介

    ○武田良介君 中長期的には廃絶をしていく、短期的にも段階的に削減していくということが非常に重要なポイントだというふうに思うんです。確認をしておきたいと思います。  この指針には、国が講ずべき事項ということで、こういうところもあるんですね。⑦というところがありまして、現在主に使われている冷媒に比べて地球温暖化係数の小さいHFC32等の使用に係る高圧ガス保安法に基づく基準の整備について、ガスの利用に伴う条件の緩和や適用除外の措置を講じることについて検討を行う等、法令及び他の法令との合理的な調和を図るということがあるんですが、これは、つまり、日本冷凍空調工業会だとか、そういった産業界からの要求に沿って規制緩和をして、HFC32、これはR32というふうにも言われたりしますけれども、この使用を一気に拡大するそのための措置を講じたということではないかというふうに思いますけれども、この点、大臣、御認識いかがでしょうか。
  108. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) この高圧ガス保安法につきましては、これは経産省さんが所管する法律でございますから、いろんな観点からこういうふうな扱いになっているんだろうと、こう思っているところであります。  その上で、HFCを、R32を、やっぱり環境政策からすると是非必要なことだと思っております。むしろ、ほかにも使われているHFC404Aとか410Aとか、ましてや業務用の施設に対する、使われているものをどんどん減らし、そのCO2排出量を減らしていかなきゃいけないわけでありますから、フロン排出量をですね、そういう意味で、規制緩和によってHFC32を増やしていくというばかりでなくて、私どもからすれば、むしろそれをどんどん使えというような観点からR32を進めていかなきゃいけないなと、こう思っておりますので、それが規制緩和という理解でもあり得ると思いますし、むしろ私どもからすればどんどん使えと、政策的な誘導もしなきゃいけないなと、こう思っております。
  109. 武田良介

    ○武田良介君 規制緩和ということでもあろうし、HFCの32、R32、これをどんどん使えということで御答弁がありました。  実際に、これは、高圧ガス保安法はその基準が見直されたわけですよね。不活性ガス、まあ活性ガスと不活性ガスという大きな区分があって、不活性ガスの区分の中に特定不活性ガスというのを設けて、ここにこのHFC32が含まれるんだということで、これが使えるようになっているということであります。  これ、指摘はされているんですが、HFC32、これ微燃性があるということでありました。欧米では、可燃性、微燃性と、ところによってその区分が若干違うというお話も聞きましたけれども、いずれにしても慎重な取扱いをしているということでありました。  そういうものがこのHFC32ということだと思うんですけれども安全性の担保はどのようになっているんでしょうか。
  110. 森下哲

    政府参考人森下哲君) 経済産業省さんによれば、このHFC32等の微燃性を有するガスを冷凍空調機器の冷媒として使用するに当たり、専門家による安全性等に関する技術検討が行われたということでございます。その結果、当該冷媒を用いた場合に必要な技術上の基準のうち、一つは滞留しないような構造、もう一つは検知警報設備の設置、この二つの措置を講ずることで冷媒として安全に取り扱うことができるとの結論が得られたというふうに伺っております。  なお、こうした微燃性ガスにつきましては、こうした技術検討等を踏まえ、特定不活性ガスとして位置付けられたというふうに承知をしているところでございます。
  111. 武田良介

    ○武田良介君 技術的な基準、滞留しないようにする、また漏えいに対して検知器を用いるなどして確認をしていくということなんですけれども、やっぱりその安全性は担保されるのかということの疑問というのは引き続きあると思うんですね。  そもそも、先ほども質疑の中にありましたけれども、全ての機器がどこにあるのかということが十分把握し切れていない現状があるんだろうというふうに思うんですけれども、そういう中で、漏えいもするのであれば、危険がないというふうにはこれは言い切れないのではないかというふうに思うわけです。  そもそも、このHFC32ですけれども、キガリ改正によって削減すべきフロンガス、その対象になっているのではないかというふうに思いますけれども環境省に確認をしたいと思います。
  112. 森下哲

    政府参考人森下哲君) 御指摘のとおりでございます。キガリ改正の対象にHFC32はなっているということでございます。
  113. 武田良介

    ○武田良介君 今、懸命に転換しているそのHFC32もいずれノンフロン化していかなければならない、そのキガリ改正の対象であるということを強調しておきたいと思うんですね。  一方で、自然冷媒だとか、フロンガスであっても低GWPガスであれば、これはグリーン冷媒だといって普及もさせているということもあるわけであります。どれだけ増えているかということなんですけれども、二〇一七年度のフロン類製造業者からの報告では、フロンの全体の出荷相当量、それからHFCは幾ら出荷されているのか、CO2換算で結構ですので御紹介いただけますでしょうか。
  114. 森下哲

    政府参考人森下哲君) 経済産業省さんがフロン法に基づきましてこういったデータを収集されておられまして、御質問のありました二〇一七年度の代替フロン国内出荷相当量は、CO2に換算をしまして約五千万CO2トンであり、うちHFC32の占める割合ですが、その一四%、約七百万CO2トンであったというふうに伺っております。
  115. 武田良介

    ○武田良介君 私の資料では、全体が五千二十五万トン、CO2トンですね、正確に言うと。HFC32が七百十一・三万トンというふうになっておりましたけれども、これはその二〇一六年に比べると、全体で六百八十六万トン増えているということでありました。  つまり、結局、規制緩和をしてそのHFCを使用可能にするということでフロンが増えているというのが実態だというふうに思うんですね。中長期的には廃絶を目指すと最初に確認をさせていただきましたけれども、この指針からして矛盾しているのではないかというふうに思いますけれども大臣、この点、御認識いかがでしょうか。
  116. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) これは非常に大事なところでございまして、実はフロンの冷媒の技術的な開発という意味では、今御指摘のHFCシリーズではこの32というのが一番いいわけであります。ですから、ほかのHFCを依存するというのであれば、ぎりぎりまでHFC32に収束すべきだなというふうに思うわけです。ただ、絶対量とか何とかの関係で今はまだまだ、CO2トンでいくと大きくはなっておりますけれども、そういう意味では、流れとしてはHFC32を増やすということは、これは増えていくということは望ましいことではないかと思っております。  ただ、今最終的にフロンゼロを目指すというこの流れの中では、やっぱり技術的にそこをもっと努力するという部分と、しかしこのような在来型の技術ではもう達せられないというのなら、逆を言えば、従来の発想を変えて、先ほど不連続な発想ということを言いましたけど、空気とかアンモニアとかCO2とか、それ自体を自然冷媒として使うという方法はもう既に考えられているんですけど、ただ、そのコストの面やら何やらでそこまで至っていないから将来の技術目標がはっきり立たないというのが現状でありまして、そういうものも含めまして、二〇年には五〇%、三〇年には七〇%という取りあえずの目標を立てておるところでありますけれども。  しかし、このフロン問題は、数字で言いますと、これは皆さんお分かりとは思いますけど、例えばこの業務用冷蔵庫ではHFC404Aというのは、これは実にそのCO2の三千九百二十倍にもなると、こういうことであります。HFC32でも六百七十五倍ということですから、いかにこのフロンを効率的に実効的に抑制することが大事かということを私は言いたいわけでありまして、いずれにしましても、今のように、私どもは決して矛盾と考えておりません。まさに全体の中ではこの32をできるだけ増やしていくと。ただ、それでも十分でないということから、更なるやっぱりイノベーションを考えないかぬと、こういうふうに理解しておるところであります。
  117. 武田良介

    ○武田良介君 矛盾とは考えていないと、HFCの32を中心にもっと使えという答弁も先ほどもありました。しかし、そのノンフロン自然冷媒への転換ということを指針でもやはり言っているわけでありまして、そこにどう向かっていくのかということが今本当に大事なんだと思うんです。  もう一つちょっとお聞きをしたいと思いますが、こういう事態を許しているのは、フロンの削減についてはフロンの製造者の業界に自主行動計画を作ってもらう、そこに任せているということにあるんではないかというふうに思うんです。先ほどの指針を国は示すわけですけれども、中長期的なフロン類の廃絶と段階的な削減と、これを指針の中でいいながら、努力義務を掛けるということにとどまっていると、ここに問題があるんじゃないかというふうに思いますけれども、この点は大臣、どう御認識でしょうか。
  118. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) 大事なことは、あくまでも目標にどう切迫して到達するかということは、要するに実効性ということだろうと思います。それに向けて、今までのやり方でよかったのか、今業界への自己規制も含めてよかったのか、それで十分でなければしっかりまた国が、私どもが指導していかなきゃいけないなと。しかくかように、フロンの問題というのは深刻であるということを私は考えておるところであります。
  119. 武田良介

    ○武田良介君 後でも紹介をしたいと思うんですが、今回の法改正に関わって、中部冷凍空調設備協会というところから私も聞き取りをさせていただきました。そちらの方もおっしゃっていたんですが、ちょっと紹介しますけれども、業務用冷凍空調機器の冷媒が本来なら自然冷媒へと進まなければならないが現状エアコンなどはR32が推奨され普及している、R32は可燃物質で冷媒として認められなかったものが環境省も妥協して条件を付けた不活性ガス扱いとしたことはおかしい、R32の名称は暫定冷媒とした方がいいと、簡単にこういうものを受け入れる環境省も問題だということを御指摘をされていました。  また大臣に、今の答弁の関係もありますので、こういう指摘も踏まえてちょっともう一度お伺いしたいと思うんですが、そのキガリ改正を受けて、先ほど紹介した指針、今後見直していくというふうに思いますけれども、そのフロン製造業者に対して、GWPの高いガスについては年限を区切って使用を認めないようにする、こういう規制も掛けていくべきではないかと思うんですね。脱フロンということが今世界の大きな流れになってきている、こういうものに照らせば、この人為的に製造された温室効果ガスであるHFC、これはもう例えば二〇五〇年までに廃絶していくと、こういう必要があるんじゃないかというふうに思いますけれども、いかがですか。
  120. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) まさに私どもも、法規制を進めている過程で、最終的にはどこを目指すべきかというのは、今委員が御指摘いただいたようなことも含めてしっかりまた再検討していきたいと、こういうふうに思っているところであります。
  121. 武田良介

    ○武田良介君 是非、年限区切って、二〇五〇年までに、パリ協定の関係含めても、温室効果ガスの実質ゼロということをやらなきゃいけないわけですから、これはもう年限区切ってやっていく必要があるというふうに思うんです。  大臣が先ほど来答弁されてきましたHFCもっと使っていくんだと、実効性という言葉でしたけれども、それが現実的といいますか、それしかないんだと、ニュアンスかなというふうに聞かせていただきましたけれども、今大量のHFC32、R32がどんどんどんどん出ていく、市中にですね、ストックされている量がどんどん増えていく。これが今どんどん増えることで、将来どうなっていくのか。そこから漏えいしていく量もまた増えるわけでありますから、年限を区切って自然冷媒転換していくということを基本に据えるということが今本当に必要なんだろうということを重ねて指摘をさせていただきたいというふうに思います。  環境省にお伺いをしたいと思いますけれども、現在、市中に約二千万台の業務用の冷凍空調機器があるということでしたけれども、これ、どこに存在するのかは把握されているんでしょうか。
  122. 森下哲

    政府参考人森下哲君) 御質問の業務用冷凍空調機器でございますけれども、平成二十八年度の市中台数、これは業務用の冷凍冷蔵機器、空調機器を合わせて、お話ありましたが、約二千万台と推計をしております。  具体的には、業務用の冷蔵庫、そして内蔵型ショーケース、自動販売機、こういったものが全体の三四%、店舗用、設備用パッケージエアコンといった小型の空調が四四%、冷凍冷蔵用チリングユニット、コンデンシングユニットといったものが一二%、ビル用マルチエアコン、GHPエアコンといったようなものが、これは中型の空調機に該当しますが、一〇%ということで市中に存在をしているというふうに認識をしてございます。
  123. 武田良介

    ○武田良介君 台数としてはつかんでおられるということだと思いますし、その機器の種別ごとに対してどのぐらいということは把握されているのかというふうに思いますけれども、どこに存在するのか、さすがに全国二千万台どこにあるのか全て把握するというふうにはなかなかなっていないということだというふうに思うんです。  愛知県から私もお話をお伺いをいたしました。愛知県は回収量が全国三位というふうになっているということでありました。今回の法改正で行われようとしている各部局との連携、先ほどもお話がありました連携についても、既に建設リサイクル法による解体工事の届出の情報を用いて、その協働が実際に行われているということをおっしゃっておられました。こういう愛知でも、中小業者、そういうユーザーに対しては実態が把握できないということが課題だということをやはり指摘をされておられました。中小業者の方は運転に支障がない限り使用をし続けるし、点検を忘れてしまうこともある、よりGWPの低い製品への買換えといっても高額でなかなか進まないということも予想されているということでありました。  こういう中小業者のところから漏えいをしてしまうということは明らかだというふうに思いますけれども、こういう実態を環境省はどう捉えておられるでしょうか。
  124. 森下哲

    政府参考人森下哲君) 愛知の事例、御紹介ありましたけれども、実は、こういった都道府県が進めておられます先進的なあるいは優良な取組事例を国の方で集約させていただいて自治体にフィードバックをするという試みも最近開始をさせていただいております。やはり経験を共有することでしっかりと実効性を上げていただくということが、少しでも後押しになるというふうに我々考えております。そういった中で、やはり中小事業者の方々に対する対策というのも様々な工夫がきっとあり得るだろうと思いますので、しっかりと都道府県の優良な取組を吸い上げて、それをまた共有をしていくということをやっていきたいなというふうに思っております。  お話がありましたように、使用時に漏えいをしてしまう部分があるという、これ、もう結構の実は量があるということは私ども認識をしております。これらについては、前回の法改正使用時の取組についても導入をされてきておりますので、しっかり管理をすることを含めて、その点検なども含めてどれぐらい効果があるのかというのが、これ三年回りますと一回りをいたしますので、ちゃんとその効果が中小企業でもしっかり発揮をされているのかどうか、そういったことも含めてしっかりと調査を、これは経済産業省さんと合同でした上で、どんな取組が必要なのかということをしっかり考えてまいりたいというふうに思っております。
  125. 武田良介

    ○武田良介君 愛知県では、愛知県フロン類排出抑制推進協議会だとか、先ほど言いました中部冷凍空調設備協会、こういった方たちの力も借りて、その点検、定期点検の立入調査などをやっているということでございました。こういう取組は重要だというふうに思うわけですけれども機器の廃棄時のフロン回収についても懸念があるわけです。  愛知県では、本庁の担当者の方が五人、出先の機関では三十四人という体制になっているということでありました。その立入検査は、第一種フロン類の重点回収業者千七百四十一件あるようですが、五%弱の八十四件ということでありましたし、建設リサイクル法のパトロールに一緒に同行して行っている、これは解体工事の現場が大体年間一万四千から一万五千件程度あるということでしたが、約二%の二百九十九件の合同パトロールということでありました。  立入検査だとか、これ以上更に増やしていくというのもなかなか大変なのかなということも思うわけですけれども、これはなかなか自治体の手に負えないのではないか、今回の法改正で都道府県の権限拡大ということはあるわけですけれども、これに対応できるのかどうか、これ大臣にお伺いしたいと思います。
  126. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) 先ほどから、まさに実際の実施体制というのは都道府県が中心になるところであります。その辺の、今までのやり方で新しい法制度の下で大丈夫かどうか。直罰というのは、これは言うまでもありませんが、非常に重い制度導入ですからね。それを実際運用するには非常に大事なことだなと思いまして、全体の見直しも含めまして、都道府県の権限を強化するなりなんなり、これしなきゃいけないと思っております。私どもからすれば、フロンガスがいかにこの地球環境問題に大事なことかということを踏まえてしっかりやりたいと思っております。  また、ここで、ついででございますけど、実は、ついせんだって、国立環境研究所が、中国のある地域でこのフロンガスをかなり排出していたというやや衝撃的な発表があったところであります。これは、私ども自分たちの足下をしっかり固めるということと併せて、私たちがやっぱり共有しているのは地球全体ですから、これは、中国に対しては、私どもの識見も含めまして、やっぱりこういう問題だってあると。それで、場合によっては、私どもからやっぱり抑制してくれということもお願いしなきゃいけないかなと。当然のことながらこのモントリオールについては事務局もございますから、当然のことながら、そのちゃんとしたルートを使って中国というか特定の問題についても取り組まなきゃいけないな、こう思っております。  私は、このオゾンガスについては、これはもうまさに地球で共有している問題だと思いますから、それは私たちがやらなきゃならない仕事の一つだと、このように思っているところであります。
  127. 武田良介

    ○武田良介君 時間ですので終わりますけれども、先ほどの担当者の関係ですね、職員の数、多くの県では担当者は一人か二人というところが多いというふうにも聞いておりますので、実態に即した職員数にすることが本当に必要だというふうに思いますし、今回の法改正されても、そのフロン類の大気中への放出ということはなくなるわけではありません。中長期的な廃絶ということに照らして、また、二〇五〇年パリ協定の目標に照らしても、今から脱フロン自然冷媒へ進んでいくことが大事だということを改めて指摘をさせていただきまして、質問を終わりたいと思います。     ─────────────
  128. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、世耕弘成君委員辞任され、その補欠として松川るい君が選任されました。     ─────────────
  129. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  フロン類使用合理化及び管理適正化に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  130. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、宮沢君から発言を求められておりますので、これを許します。宮沢由佳君。
  131. 宮沢由佳

    宮沢由佳君 私は、ただいま可決されましたフロン類使用合理化及び管理適正化に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主党民友会・希望の会、国民民主党・新緑風会、公明党及び日本維新の会・希望の党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     フロン類使用合理化及び管理適正化に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。  一、業務用冷凍空調機器フロン類の廃棄時回収率が長期にわたって低迷してきたことを深刻に受け止め、回収率を早急に向上させるため、フロン類排出抑制の関係者による相互の連携強化を図るとともに、現場で指導監督を担う都道府県への支援に万全を期すること。  二、フロン類の大気中への排出を可能な限り抑制し、できうる限り早くフロン類を廃絶するとの目標の達成を確実にするため、指定製品の対象範囲の拡大や、指定製品の製造事業者等の判断の基準において長期的な削減目標の設定を率先して行い、フロン類の中長期的な廃絶に向けた具体的なロードマップを作成すること。  三、建築物の解体工事の際の事前確認制度に係る書面保存の義務付けや、廃棄機器の引取り時におけるフロン類回収済みを証明する書面交付の義務付け等の規制強化については、そもそも廃棄等の際におけるフロン類回収が実施されていなかった事例が多数あったことを踏まえての措置であることに鑑み、その遵守状況を的確に把握すること。  四、フロン類排出抑制のためには、前回法改正により措置された使用時の漏えい対策も引き続き重要であり、施行状況を点検した上で、関連施策を強化するなど、追加的な措置の必要性について検討すること。  五、フロン類から代替物質転換を進めるに当たっては、環境に対する負荷がより少ない冷媒への転換を行うことを政策的に位置付け、その加速度的な導入を進めること。  六、フロン類の生産及び排出のさらなる抑制に向け、改正法の施行状況も踏まえつつ、我が国における経済的手法の在り方について、その導入による回収率向上等の効果、行政コスト及び負担の公平性等を総合的に勘案しつつ検討を進め、五年を目途に結論を得ること。  七、フロン類回収における技術課題等を早期に究明し、その結果に応じて、フロン類回収が容易な機器等の開発の促進並びにフロン類回収機の性能及び回収技術の向上のため、機器メーカー等に対する支援等、所要の措置を講ずること。  八、脱フロン化・低炭素化を推進するためには、環境に対する負荷がより少ない冷媒への転換を加速度的に進めていくことが必要とされることから、代替技術の確立していない分野の技術開発の促進、初期導入コストが割高なため普及が進まない機器導入のための支援を充実・強化すること。  九、フロン類使用量が増加している開発途上国において、フロン類回収・破壊・再生処理等に関する取組、代替物質及び代替技術の普及等、フロン類のライフサイクル全体で排出量を低減するためのシステムの構築を支援し、世界の脱フロン化に向けて、我が国の経験・知見を活かした積極的な国際協力を行うこと。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
  132. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) ただいま宮沢君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  133. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) 全会一致と認めます。よって、宮沢君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、原田環境大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。原田環境大臣
  134. 原田義昭

    国務大臣原田義昭君) ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして、関係省庁とも連携を図りつつ努力してまいる所存でございます。よろしくお願いいたします。
  135. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  136. 那谷屋正義

    委員長那谷屋正義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時十六分散会