○本多
委員 残念な答弁でした、これも。私は本当に、何か時計ばかり例に出して悪いんですけれども、これが時計ですかという話から
議論を始めなきゃいけない
議論を何とか脱却して、本当にこれが、憲法の
観点、
予算の
観点、そして、事実上、ヘリコプター、潜水艦哨戒という大事な役目が失われないのか、こういうような
議論に進んでいきたいと思っています。
さて、次の
質問なんですが、先ほど冒頭、
委員長との私のやりとり、
総理は昨日は米朝会談の
対応などでお忙しかったと思うので、知らないと思う、知らなくていいことなんですが、私、実はもう
総理と二度にわたって、自衛官の息子さんが涙を流した話をやらせていただき、そして、ある種、結構
議論も呼びまして、賛否両論、いろいろな声をいただきました。
そこで、
議論は喚起したので、こういうことで憲法改正の理由でいいのかということも提起をできたので、余り細かいことをこれ以上聞くのも何かなと思ったんですが、昨日、与党
議員の振る舞いから大変残念な思いをいたしまして、どうもこの問題の本質がわかっていないな、これはもうちょっとしっかり、やはり自分で途中でやめたことはちょっとよくなかったなと思うので、きょうも少し
質問させていただきますので、
総理も冷静に
議論していただければ幸いです。もし、むかつかれたとしたら、昨日の与党
議員の振る舞いをどなたかからお聞きになっていただければと思います。
ただ、私ちょっと、この問題の
ポイントは、その子が実在するかどうかというのも後で聞きますが、あの日は、うそをついていると言っているじゃないかとか相当言われましたけれども、別に私は、二十何万人もいるし、これだけ長い歴史の中にいろいろな出来事があったと思います。そして、特に三十年ぐらい前には大変つらい思いをされた方がいたかもしれない、そのことは認めます。しかし、今、
総理が憲法改正の理由として挙げていらっしゃる、ここに
ポイントがあります。
私、事実
関係の前に、
総理の
発言で大変問題だった、これはちょっと息子さんの話とは別で、自衛官の募集ですね。憲法を変えたら楽になるんですかということを聞いたわけですよね。そうしたら、
総理は、学者もいろいろ、言い切る人は二割しかいない、憲法違反ではないと言い切る人は二割しかいない、ある種の空気が醸成さえされてきたのは事実、自治体にもそういう人がいる、自衛隊を明記するということによってそういう空気は大きく変わっていくということを答弁をされたんですよ。
私は、涙の子供論争より、涙の子供論争を突っ込むためにずっと議事録を見ていたんですが、ここのところに大きな衝撃を受けました。憲法を変えて空気を変える。空気というのは、私は憲法で変えるものではないと思います。
国民が自由に暮らしていく中で
日本の空気が生まれていく、そういうものだと思っています。
実は、きのう私が感じたのは、
総理が思っている、もちろん自衛隊に反対の方はいます。せっかく自衛隊で行事をやっているのに、鐘を鳴らしたり太鼓をたたいたりして、迷惑なことはあるかもしれません。しかし、
国民なんです。違憲だという反対の仕方もあるでしょう。もっと小さくしてくれという反対の仕方もあるでしょう。
国民なんです。空気を変えてそういう人を減らしていく。私は大変恐ろしいことだと思うんです。
私が守りたい
日本は、その方たちは私とは考えが違います、安保法制反対のところでは一緒になったりするんですけれども、私は自衛隊をなくそうとは思っていないので、その方と違うんですけれども、その方の自由、その方が反対をする自由を守りたいんです。その方が自衛隊に反対をしたり、そういう自由も守らなきゃいけないと思っているんです。
反対運動というのは嫌なものですよ。自民党の大会のときにもいろいろな人が来たりするかもしれませんが、我々の政党にもいろいろな人が来るんですよ。私はいいですけれども、せっかく一年に一回の行事に全国から来た党員の方に、反対運動を見せるのは悲しい。自衛官の方もそうですよ。
しかし、
日本はそういう活動があることが、すばらしい国にしているんじゃないんですか。どんな人もいろいろなことに反対運動ができる。いろいろなことに反対運動がない国が
日本のそばに二つぐらいありますよね、
総理が多分お嫌いな国だと思いますけれども。あえて国名は挙げませんけれども、そういう国に
日本をしたいんですか。私はすごく強い危惧を感じているので、
総理にこの思いをわかっていただきたいんですよ。
あなたたちは憲法違反と集団的自衛権を言っている、
日本の防衛のためには集団的自衛権が絶対必要だ、だから憲法を変える、こういう理屈は、私は反対しますよ。しかし、あり得ると思いますよ。しかし、空気を変えて反対運動が少なくなる、それは非常に間違った考えじゃないかと私は思うんです。
そして、きのうのやりとりを思っていて感じたのは、実は、
総理、わかっていただきたいのは、逆の空気が今あるんです。私が
質疑のたびに自衛隊は憲法違反だと思っていないとなぜ確認しているのか。
総理に何か嫌みで言っているわけではないんです。今、ネット上では、私は、自衛隊はいいけれども「いずも」の空母化はだめだとか、自衛隊はいいけれどもイージス・アショアはだめだとか、こういうことを言っただけで自衛隊の敵みたいにネットで書かれて、非常に攻撃を受けたりする空気も、
総理、一方にあるんです。
総理の認識とは逆で、自衛官を、それは一部いますよ。あれだけの大きな戦争、軍部が突っ走って数百万亡くなった国で、厳しい声は出ますよ。憲法があるから、ないからだけじゃなくて、憲法改正を
総理の思うとおりやった後も出ますよ。
だけれども、逆の空気があるんですよ。自衛官の方を九割の方が今支持していますよ。好意を持っているんですよ。
その中で、しかし、これは行き過ぎだと思って私が必死に
議論をすると、あれだけ頑張っている自衛隊を批判するのか、災害派遣であんなに頑張っている自衛官を批判するのか、売国奴じゃないか、こういう空気があるんですよ、
総理。私は、日米安保は要るけれども辺野古の基地はまずいと。こう思っていると、
中国の回し者じゃないかというネットの書き込みがあるんですよ。
誰でもが批判するものを批判するのは簡単です。しかし、自衛隊、みんなが九割いいと思っているものに、厳しく、ここはしちゃいけないんじゃないか、こういう
議論をしたら、おまえは自衛官の息子じゃないから自衛官の息子の気持ちはわからないだろうとか。私は勇気を振り絞って、そういういろいろなネットを見ないようにしていますけれども、そういうことを言われるのを
覚悟して。
しかし、
日本は軍部の暴走を議会も
政治家もとめられずに太平洋戦争に突っ込んでいったじゃないですか。こういう歴史の中で、私は、しっかりと憲法を歯どめにして、必要なものは必要、そして、
総理と
意見が違っても、これはだめじゃないかという
議論を自由に闘わせたいし、静かに楽しくやりたい行事のときに反対運動が来るのは嫌かもしれない、我々も嫌だし自衛隊の方も嫌な思いをするかもしれないけれども、そういう運動もある
日本でありたいんですよ。
それを
総理、憲法を変えて空気を変える、この
発言は、子供の涙の問題以上に私は非常に怖い
発言だと思ったんですが、
総理、いかがですか。