○畑野
委員 大臣が、
負担が重くなっているというふうにお認めになったことがすごく大事だと思います。このグラフは平均ですから、平均として全体として重くなっているということの共通の認識を持たせていただきました。
一昨日の
参考人質疑で、東京
大学大学総合
教育研究センターの
小林雅之教授が、
給付型奨学金と
授業料等減免が一緒に示されたという今
法案について、だからこそどの
程度の授業料水準がいいのか改めて議論すべきだという旨をお話しされました。また、労働者福祉中央協議会の花井圭子事務局長が、学費の値上がりを放置したままでの
支援は車の両輪として違うという旨の発言もされておられます。
やはり、この学費の問題について、今どうあるべきかということを改めて議論をしていく必要が私はあるというふうに思います。
大臣はそれぞれの
大学でとおっしゃるけれども、
国立大学の場合は、標準額というのを一応決めてやっているわけですね。
では、
大学が学費を下げても適切な
教育・研究環境が確保できるような
支援、それは
運営費
交付金、私学助成を含めてやっていく、それは何のためかといったら、この
学生の今の現状の上での学費の重い
負担、これをどうやって国として軽くしていくのか、そういう
政策的な態度が求められるし、その方向、
無償化に向かって議論していくときに今来ているというふうに思うんです。
私のところにもいろいろな若い方
たちが来てくださいます。この間お話を伺わせていただいたのは、さまざまな
大学に通う
学生でつくる、FREE、
高等教育無償化プロジェクトの皆さんです。三月十一日、
文部科学省内で記者会見をいたしまして、学費・奨学金
実態聞き取り集を発表しました。たくさんあるんですけれども、私は、
柴山大臣に御紹介したい話を三つだけさせていただきたいと思います。
年収は父が六百万円、母が二百万から三百万円。奨学金は、月、無
利子五万円と有
利子十万円をとりあえず借りた。授業料は奨学金の中から払うことになっている。家賃も食費も交通費も奨学金。返済の総額は、有
利子が今のままだと総額七百万円くらい。学費はただに、奨学金は給付制に。そっちの方がよくないですか。学費をただにしたら、経済的な壁がなくなるから、勉強しやすい環境になるかなと、
国立大学一年生。
年収は父親が六百五十万円、母親が二百八十万円。
大学付近でひとり暮らし。収入は月十三万円くらい。なるべく生活費は自分で稼いでいる。奨学金は二年になって月八万円に減らした。額が大きいので無
利子を利用することができず、全て有
利子。バイトで月四万から五万円稼いでいる。学費が無料になれば仕送りはふえるはずで、バイトをしなくて済む。最低でも学費が年間五十万円減れば、バイト分が浮き、奨学金の必要額も減る。返済の援助も欲しい。せめて
利子部分だけでも返済の援助があれば、心持ちは大きく変わる。
私立大学二年生。
ひとり暮らし。七人家族で収入は合わせて五百万円から六百万円ほどで、自分も大変ではあるが、妹、弟
たちの方が自分よりも満足に学べなさそうであることを考えるとつらい。バイト月五万円、奨学金、無
利子六万円と有
利子八万円。仕送りなし。学費は親が
負担。奨学金の返済に何年かかるか計算したが、自分は約三十年間、妹は上限いっぱいまで借りているから五十年かかる。奨学金返済があるからいろいろ諦めるなんてことはおかしい。奨学金は未来への投資のはずなのに、なぜ返さなければいけない。
私立大学三年生。
これ以外にも、たくさんの声が
大臣のところにも届けられているというふうに思います。
先ほどの、花井
参考人が紹介をされた労働者福祉中央協議会のアンケートでも、勤労者の皆さんの
高等教育の
負担に関して優先的に実現してほしいことは、
一つだけ挙げたら、一位は
大学などの授業料の引下げが四八・〇%で、断然に多いんですね。三つ以内で選択しても、これは七二・四%、断然多いんです。
ですから、私は、国民の世論、それは各階層含めて、本当に値下げに向けて考える必要があるのではないかと思います。
最後に紹介したいのは、広島の
学生たちが遠くから来てくださいまして、広島市内で
調査をした三百七十一人の声。そのうち
学生は百八十八人、十八歳以上が百三十九人、十八歳未満が四十九人、
高校生もいたということですけれども。安心して学ぶ環境づくりのために実現してほしいことを問う項目で、学費の値下げにチェックをした人は三百七十一人中二百二十人で一番多く、全体の六割が求めているということです。
これは、だから、本当に若い人
たち全体の、
学生だけではなく、あらゆる、仕事をしている人も含めてですけれども、そういう声になっているということを御紹介させていただきました。
そういうことから考えますと、やはり国として学費引下げを真剣に検討するべきときになっているのではないか、そういうことをやるべきではないかというふうに思いますが、
柴山大臣、いかがでしょうか。