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山井委員 極めて建設的な提案であると思います。
無償化とともに、どうやって
待機児童ゼロ作戦を進めて
保育士さんの処遇改善を含むか。まさか与党の
方々が、この
保育士や幼児教諭の処遇改善
法案の審議を拒否するということはあり得ないとは思いますので、ぜひともセットで審議をさせていただければと思います。
それで、ついては、もう一つ大きな
懸念があるんですね。格差が広がるということで、配付
資料の二ページを見ていただけますか。
私はもともと理系の、酵母菌の研究をやっていたんですけれども、私が政治家になった最大の理由は、学生時代、児童福祉
施設、母子生活
支援施設ということで、本当に貧困家庭や虐待を受けた
子供たちのボランティアを六年間やっていました。その中で政治家になりたいというふうに決意したわけで、そのきっかけは、貧困家庭の
子供は本当に大変なんですよ。
ところが、今回の
法案の致命的な欠陥は、見てください、この七千七百億円のうちの内訳。
例えば、
保育所の
無償化に関しては、赤線を引きました、
年収二百六十万から三百三十万の
方々への恩恵は年間十万円。しかし、
年収一千百三十万円という超金持ちへの一年間の恩恵は五十一万円。つまり、五倍違うんですね。
さらに、
幼稚園の方も、
住民税非課税世帯、
年収二百七十万円以下は四・六万円の恩恵。しかし、
年収六百八十万円以上では二十二万八千円。これも約五倍の恩恵。
宮腰大臣、私はこれは深刻な問題だと思いますよ。この
法案が成立することによって貧富の格差は拡大するんです、子育て家庭の。格差は拡大するんです。もう反論はわかっています。今まで低
所得者を先に
無償化していたから、残りをやったらこうなるんだということ。でも、それでは済まないんですよ。
というのは、今回、特に
政府・与党がおっしゃっているのは
消費税増税でしょう。
消費税増税の
財源ということは、
消費税というのは社会保障目的です。社会保障とは何ですか。一言で言えば、
所得の再分配。
所得の再分配というのは、簡単に言えば、裕福な方はちょっと我慢していただいて、困っている低
所得者の方により多く配分しましょうというのが社会保障。という
意味では、残念ながら、この
法案のお金の使い方は、逆社会保障、逆
所得配分。裕福な人にはたくさん給付を、貧しい人にはほとんど給付しない。
消費税増税でこの政策をすることによって貧富の格差が広がる。
本当に申し上げにくいんですけれども、これは私のライフワークなんですよ、
子供の貧困対策というのは。二十年前から児童扶養手当の
引上げのことも取り組んでまいりましたけれども、
子供の貧困対策は予算を獲得できないんですよ、全然。本当に。児童扶養手当の
引上げというのはなかなか実施困難ですよ。二十年たっても、十八歳までの支給を二十に上げるとかにしても、
財源がない、
財源がない、
財源がないと言われているんですよ。
ところが、今回、私が試算したところによると、その試算を見ていただければ、三ページ目、試算をしてみたら、九百万円以上の
年収の
方々、幾ら以上が高額
所得者というのかは難しいですけれども、あえて九百万で切ると、その
方々に千二百億円の給付が行くんです。
私は、もちろん、予算が無尽蔵にあれば、みんなやったらいいと思いますよ。しかし、予算が無尽蔵にない以上は、ない以上は、私もつらいですよ、高額
所得者の方は我慢しろと言うのは。でも、限られた
財源を、一千万ぐらいの
所得がある人と二百万や三百万しか
所得がない人のどっちの
お子さんが生活に困っているかで
考えたら、これは明らかですよ。
はっきり言って、私は与党も野党も関係ないと思いますよ。限られた
財源をやるんだったら、私は、その千二百億円は、今回、具体的な提案ですけれども、私の配付
資料の表紙を見てください。これは個人的な提案ですけれども、例えば、
年収九百万円以上の高
所得者の
方々には、申しわけないけれども
所得制限をさせていただいて、
無償化は諦めてもらう。それで千二百億円の
財源をゲットしたら、それで
保育士さんの処遇改善、三%、約一万円上げられます。六百億円の
財源。そして、かつ、今言ったように、今回の法律が成立したら格差は大幅に拡大します。それをちょっとでも緩和するために、児童扶養手当をゼロ歳から五歳までは二万円引き上げる。これで約六百億円。
宮腰大臣、具体的な建設的な提案ということで、私は別に対立する気はありません。でも、本当に、
消費税財源をどう使うかは、十年後、二十年後、三十年後、これは検証されますよ。今後、
保育士さんの待遇を上げたいといったときに、いや、
財源がな
いからできません。
子供の貧困対策をやりたいときに、
財源がな
いからできません。そのときに必ずこの議論は戻ってきますよ。
では、あの
消費税を上げたときの虎の子の
財源千二百億円を、九百万円以上の高
所得者には我慢しておいてもらったら、多くの貧困家庭の
子供が救われた。あるいは、我慢しておいてもらったら、
待機児童対策、
保育士さんの処遇改善、
保育士さんの
確保ができた。やはりあそこは、つらいけれども、
所得制限をかけてでも、限られた
財源を、より喫緊の課題である
子供の貧困対策や、一人
親家庭の
子供の
支援や、
保育士さんの処遇改善に充てるべきだったんじゃないだろうか。私は、五年、十年、二十年先、必ずこの批判は出てくる。
そして、与党も野党も関係ない。今の与党の議員、私も含めた野党の議員、
宮腰大臣、みんながこの歴史的な検証にたえねばならないけれども、私は、この税金の使い方はたえられないと思います。繰り返し言います。この
法案が成立することによって
子供の貧富の差は広がります。
宮腰大臣、このような
所得制限を設けて修正をして、やはり
子供の貧困対策や
保育士さんの処遇改善にもうちょっと予算を振り向けるべきじゃありませんか。
宮腰大臣の見解をお聞きします。