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麻生国務大臣 これは、緑川先生御
指摘のとおり、発展途上国とか新興国の成長に貢献していくためには、これは、資金の量だけじゃなくて、知恵とか、いろんな表現があるんでしょうけれ
ども、質というものが重要であるという点に関しましては、これはもう
日本もこれまでその方向で取り組んできたと思ってきております。
例えば、かねてから、インフラだったら、安かろう悪かろうみたいなのがやたら多かったように思いますけれ
ども、少なくとも、カンボジアの橋の話が多分、一番
最初に世の中に出てきたのかな、世界でお札の裏が橋というのは多分カンボジアだけだと思いますから。あの橋は
日本橋という橋ですけれ
ども、きちんとした橋の絵が出ているというので、質の高いインフラストラクチャーというのを私
どもとしては推進してきているんですが。
この質の高い、ハイクオリティーインフラストラクチャーという言葉を我々が使い始めたのは五年ぐらい前だと思いますけれ
ども、昨年からはとにかく
中国でも、質の高いインフラとかなんとか、
意味をどれぐらい理解しているのか知りませんけれ
ども、そういう言葉を使い始めているのは事実なので、この言葉が定着しつつあることは確かなんですが。
いずれにしても、こういったものは、そのもの自体がいいんじゃなくて、それによって、少なくとも、例えば雇用が創出されるとか、
中国みたいに、ごそっと人を連れていってそのままそれを置いてきちゃうとかいうようなことではありませんから、雇用を創出する、また、そこにいた人、従業員を全部
教育して技術のレベルを上げていくとか、そして、例えば鉄道であれば、その後のメンテナンスも、運用、運営、運転する、ずっと継続していくそのメンテナンスもやっていくとか、そういった
意味で、技術の移転等々を含めまして、こういったものの現地で与える経済的な波及効果の大きなもの、そういったようなものが質の高いインフラストラクチャーだということでこの議論は結構定着したと思いますので。
G7はもちろんですけれ
ども、G20などでも、主なコンセプトは理解されておりますので、今回のG20の議長になりますので、そのときには、さらに、これに加えて、開放性だと。少なくとも、一国だけで独占的に使おうとかいうんじゃありませんよ、開放的にしなきゃだめだよと。それから、これは、借りた国はその金を返済するということになりますので、その金が返済が可能なような、きちんと
日本が何十年かけて返済してきたのは、約定どおり返済してきたわけですから、そういった返済できるような、いわゆる返済の継続性、そういったようなものを含めたものも含めて
考えてもらわないといかぬというので、私
どもとしては、新たな原則を合意させていきたいものだ、このように思っております。
また、人へのインフラの投資の観点からは、今、UHC、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ、これは
世銀と
日本が一緒に組んでいる
プロジェクトですけれ
ども、そういったものに関連した
取組で、いわゆるパンデミック等々のものをきちんとやるというのに際して、
日本の技術というか、例えば国民皆保険
制度とかそういったいわゆるソフトなインフラの話ですけれ
ども、そういったものを含めた
取組とか、それから、低所得国に対しての債務というものに関して、その返済するに当たってのやり方、金利、どれくらいの分担で返していくかという年数、五年で返せないでしょうから……