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谷委員長 次に、
国土交通行政の
基本施策に関する件について
調査を進めます。
この際、去る三月二十七日、
アイヌ施策の実施状況等
調査のため、北海道を視察しましたので、参加
委員を代表して、私からその概要を御報告申し上げます。
当日の参加
委員は、自由民主党の
伊藤忠彦君、岩田和親君、
金子恭之君、根本幸典君、松本文明君、
立憲民主党・無所属フォーラムの矢上
雅義君、国民民主党・無所属クラブの津村啓介君、公明党の中野
洋昌君、日本共産党の
宮本岳志君、日本維新の会の井上英孝君、
社会保障を立て直す国民
会議の重徳和彦君、そして私、谷公一の十二名であります。
このほか、現地参加として、
立憲民主党・無所属フォーラムの
荒井聰君、自由民主党の堀井学君、国民民主党・無所属クラブの
山岡達丸君が参加されました。
それでは、
調査の概要について御報告申し上げます。
まず、北海道白老町で二〇二〇年四月二十四日のオープンを目指して
整備が行われております、
アイヌの文化復興等に関するナショナルセンターとなる民族共生象徴空間において、和泉
国土交通省北海道局長から象徴空間の
整備状況などについて
説明聴取しました。
民族共生象徴空間は、中核区域である国立民族共生公園、国立
アイヌ民族博物館等で構成されており、既に
平成二十九年に、この象徴空間に関し、白老町における
整備、二〇二〇年四月の一般公開、年間来場者百万人の目標等について閣議
決定されております。また、象徴空間の管理に関する措置としては、先ほど
石井国務大臣から提案理由の
説明を聴取した
アイヌの
人々の
誇りが尊重される
社会を実現するための
施策の
推進に関する
法律案において、象徴空間の管理の委託及び入場料等の徴収に関する措置等について規定されております。
ポロト湖畔に
整備されている国立民族共生公園は、舞踊、工芸等の
アイヌ文化の体験等を行うフィールドミュージアムとして、現在土地造成工事や体験交流ホール等の施設の建設工事が実施されておりました。また、国立
アイヌ民族博物館は、
アイヌの歴史や文化等に関する正しい
認識と理解を促進する展示及び研究拠点であり、
平成三十年二月に建物建築工事に着手しており、本年九月末に予定される建物完成に向け、
整備が進められておりました。
次に、象徴空間の一般公開に向けた準備の拠点となっております旧社台小学校において、村木美幸
アイヌ民族文化財団民族共生象徴空間運営本部長代理などから、展示及び舞踊等の準備状況について
説明聴取しました。
同財団は象徴空間の管理を行う法人として指定されることが見込まれており、国立
アイヌ民族博物館に展示予定の工芸品等の準備を行うとともに、ユネスコの無形文化遺産に登録されている
アイヌの伝統芸能としての歌や踊りを象徴空間において披露するための練習を行っております。展示品や伝統芸能に関する
説明聴取等により、
アイヌ文化の保存及び継承のための人材育成の
重要性について
認識いたしました。
その後、苫小牧港湾事務所において、
自治体関係者、
アイヌ関係者、学識経験者それぞれ三名ずつ、合わせて九名の方々と意見交換を行いました。
意見交換では、まず、
出席いただいた
関係者からそれぞれ意見を聴取いたしました。
北海道の
自治体関係者については、当
委員会側から、象徴空間及び同
法律案に基づく新たな交付金制度を活用する今後の計画をお聞きし、白老町における来場者に対応したインフラ
整備及び地域産業の活性化等の
方針並びに平取町における交付金
事業の考え方が示されました。
また、
アイヌ文化の振興等に現場で取り組んでいる
アイヌの方々については、当
委員会側から、慰霊施設における慰霊のあり方について伺い、国内の
アイヌ民族全体と
アイヌでない方も参加し、一緒に慰霊を行いたいとの
要望等が述べられました。
さらに、当
委員会側から、交付金
事業に対する
アイヌ関係者からの意見聴取のあり方について伺い、交付金
事業への期待の高さから、
予算額の今後のさらなる拡充の
要望等が述べられました。
このほかに、
アイヌ語の方言や舞踊の地域性に対する
認識、象徴空間の管理運営に関する会計の透明性
確保に向けた取組と来場者目標の達成見込み等について意見交換を行いました。
また、学識経験者については、当
委員会側から、諸外国の先住民族政策と比較した同
法律案への
評価及び先住民族の権利に関する国際連合宣言における先住民族の権利を
アイヌ民族に保障することに対する所見をお聞きし、同宣言における自決権等の権利を
アイヌ民族に関して法制化した場合の効果と問題点等が述べられました。
以上が
調査の概要であります。
委員会といたしましては、今回の視察で寄せられた
関係者からの
要望や意見を当
委員会の場に反映させ、一層議論を深めてまいりたいと存じます。
最後になりましたが、今回の
調査に御協力いただきました多くの
皆様に心から御礼を申し上げまして、御報告とさせていただきます。
次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後三時二十三分散会