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2018-12-07 第197回国会 参議院 農林水産委員会 第7号
公式Web版
会議録情報
0
平成
三十年十二月七日(金曜日) 午後一時三十五分開会 ─────────────
委員
の
異動
十二月六日
辞任
補欠選任
佐々木さやか
君
三浦
信祐
君 十二月七日
辞任
補欠選任
礒崎
陽輔君
小野田紀美
君
三浦
信祐
君
佐々木さやか
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
堂故 茂君 理 事 上月 良祐君 藤木
眞也君
田名部匡代
君 紙
智子
君 委 員 岩井 茂樹君
小野田紀美
君
進藤金日子
君
高野光二郎
君 野村 哲郎君 平野 達男君 山田 俊男君
佐々木さやか
君 里見 隆治君
小川
勝也
君
鉢呂
吉雄君
徳永
エリ
君 藤田 幸久君 儀間 光男君 森
ゆうこ
君 国務
大臣
農林水産大臣
吉川 貴盛君 副
大臣
農林水産
副
大臣
高鳥 修一君
事務局側
常任委員会専門
員 大川
昭隆
君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
漁業法等
の一部を
改正
する等の
法律案
(
内閣提
出、
衆議院送付
) ─────────────
堂故茂
1
○
委員長
(堂故茂君) ただいまから
農林水産委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御報告いたします。 本日、
礒崎陽輔君
が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
小野田紀美
君が選任されました。 ─────────────
堂故茂
2
○
委員長
(堂故茂君)
漁業法等
の一部を
改正
する等の
法律案
を
議題
といたします。 この際、お諮りいたします。
本案
に対する
質疑
を終局することに
賛成
の方の
挙手
を願います。 〔
賛成者挙手
〕
堂故茂
3
○
委員長
(堂故茂君) 多数と認めます。よって、
本案
に対する
質疑
は終局することに決定いたしました。 これより
討論
に入ります。 御
意見
のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。 なお、
理事会
での協議に基づき、お一人三分以内でお願いをいたします。
小川勝也
4
○
小川勝也
君
立憲民主党
・
民友会
の
小川勝也
です。
採決
になるとは思っておりませんでしたので、当然、
原稿
がございません。数ある
漁業法
の
問題点
については、後の
討論者
がしっかりと述べてくれることを期待をいたします。 私からは、まずこの
参議院
の
役割
について、
皆さん
の前に御確認をさせていただきたいと
思い
ます。
参議院農林水産委員会
では、例えば
農協法
あるいは
農業担い手法
など、二十時間を超える
審議
をした
法案
もございました。また、今回の七十年
ぶり
の
漁業法
の
改正
のような大きな重要な
法案
の
審議
のときには、中央・
地方公聴会
の開催、あるいは複数の
参考人質疑
、そして充実した
審議
時間の確保、これは
参議院
の古き良き伝統であったことは
委員
の
皆さん
御承知のとおりだったろうというふうに
思い
ます。 しかし、今回、会期の短い
臨時国会
に七十年
ぶり
の
漁業法
が
衆議院
に提出され、
参議院
に送られてきたときには、私も本
会議
で
嫌々質問
をさせていただきましたけれども、残る
定例日
は二回ということであります。これは立法府と
参議院
の自殺と言わざるを得ません。しっかりと
審議
をして、
議事録
にそれぞれの
会派
の
思い
を残し、
全国
の
漁民
を始めとする多くの
国民
、
消費者
に対して、
国会
が
参議院
がどういう
議論
をしたのか残す、これが
参議院
の
役割
だと私
たち
は考えます。 そして、
議事
の中で明らかになったとおり、今回の
漁業法
の
改正
は、
平成
二十六年の八月十九日、
国家戦略特区ワーキンググループ
で
議論
されたとおり、何が何でも
民間企業
に
漁業権
の一部を開放したいという
人たち
のよこしまな
思い
からスタートしたものでありました。
漁業者
は七十年間、
現行
の
漁業法
第一条に象徴される現
憲法下
における民主的な浜の
運営
、安心して
漁業
を営めること、このことを大事に、つらいときも、しけのときも、あるいは
資源
が少なくなったときも浜を守ってきたのであります。そのいきさつを知らない素人の
人たち
が
企業
に効率的な
成長産業
に富むようにという
改正
をした本
法案
を安易に成立させることは、後世に大きな
禍根
を残すことを私
たち
は確実視するものであります。
漁業
と
資源
の
関係
は、
経済成長
と得る収入の多寡だけで測れるものではありません。我々が考えなければならないことは、
国土保全
、
多面的機能
の発揮、そして国境の監視などたくさんあるわけであります。今回の
改正
は、まさに
お金
、
企業
の
参入
、そういうところのみに着目した
法案
であり、海を守る、
資源
を守る、そして浜の
秩序
を守るという現
漁業法
の本旨をないがしろにするあしき
改正
だと言わざるを得ません。 私
たち
は、今回の
法改正
が将来に大きな
禍根
を残しかねないということを改めて申し上げ、
反対
の
討論
に代えさせていただきます。ありがとうございました。
徳永エリ
5
○
徳永エリ
君
国民民主党
・新緑風会の
徳永エリ
です。 私は、
会派
を代表して、
漁業法等
の一部を
改正
する等の
法律案
に断固
反対
の
立場
で
討論
させていただきます。
現行法
第一条の
目的
、「この
法律
は、
漁業生産
に関する
基本的制度
を定め、
漁業者
及び
漁業従事者
を
主体
とする
漁業調整機構
の運用によ
つて水面
を総合的に利用し、もつて
漁業生産力
を発展させ、あわせて
漁業
の
民主化
を図ることを
目的
とする。」、
水産庁
はこの第一条を変えないと言ったそうですね。改めて、こんなすばらしい法の
目的
をすっかり変えてしまって本当にいいんでしょうか。 今回の
改正
は一部
改正
ではなく、まさに
新法
であります。
水産庁
は、
法律
の
目的
を変えた
理由
を、戦後期の
羽織漁師
による
零細漁民
の支配はなくなり、
民主化
の
目的
は
役割
を終えたと
説明
していますが、
現行法
の第一条があったからこそ
民主化
は維持されてきたのです。
目的
が変われば、長い間保たれてきた浜の
秩序
が崩壊しかねません。特に
民主化
の象徴である
漁業調整委員会
の
漁民代表委員
は、これまで
選挙
で選ばれてきましたが、
法改正
後は
都道府県知事
が
議会
の
同意
を得て任命する
仕組み
になる。
公選制
をなくすこと自体が
民主化
の後退であり、
議会
の
同意
を得てとはいえ、
知事
が恣意的に
漁民代表委員
を選任する
可能性
は否定できません。 また、
漁業調整委員会
の
権限
、
法律
上の
規定
が
幾つ
か削除されました。
都道府県知事
は
漁業調整委員会
の
意見
を聞かねばならないと
幾つ
かの条文に書かれていますが、
漁業調整委員会
の
権限
が
法律
上弱まったことは否めません。 そして、
漁協
や
漁業生産者
に優先的に付与されてきた
漁業権
の
優先順位
が廃止されることになりますが、
規定
が曖昧な適切かつ有効に活用、適切かつ有効に活用していないと
知事
が判断すれば、
小規模漁業生産者
が排除される
可能性
も否定できません。 また、
国家戦略特区ワーキンググループ
での
養殖業
への
企業参入
について、
水産庁
とのやり取りは驚くべき内容で、
企業
が
漁業権
の
主体
として入る、
漁業権
を
入札制度
にして、
お金
をたくさん払った人がその権利を得る、
漁協
の
優先権
をなくして、
特定区画漁業権
を
企業
が得る、
目的
が
資源管理
だということを明確化すれば誰がやってもいいなどというものでした。そして、
規制改革推進会議
の
水産ワーキング
・グループでの
討論
、
養殖業
への
民間参入
を進めるということが今回の
法改正
の
目的
であることは明らかであり、この
法案
が成立すれば、浜に
混乱
と
対立
をもたらしかねません。 戦後の
漁業法
の
改正
は三年掛けて、昭和三十七年の
改正
も三年掛けて、
漁業者
の
意見
も聞きながらしっかりと
議論
をしてきたと聞いています。
堂故茂
6
○
委員長
(堂故茂君)
申合せ
の時間が参りましたので、おまとめください。
徳永エリ
7
○
徳永エリ
君
政府
は、今回の
法案検討経緯
について、二〇一七年に始まり、二〇一八年六月、
農林水産業
・
地域
の
活力創造プラン
の再改定で成案になったとしていますが、その間の
水産政策審議会
など
水産庁内部
の
検討状況
が全く分かりません。七十年
ぶり
の
改革
だというのに、昨日の
参考人質疑
でも分かりましたけれども、浜の
人たち
は聞いていない、知らない、
説明
を受けたらますます不安になる、そんな
状況
であります。
皆さん
、先ほどの
紙委員
の本
会議
での
討論
をお聞きになってどう感じたでしょうか。
現場
に行って浜の声を聞いているからこそ、思わず姿が目に浮かんで涙が出たのではないでしょうか。 急ぐ必要はありません。私は、拙速にこの
新法
を成立させるべきではないと思っています。せめて、
委員長
、もっと
議論
させてください。
継続審議
にしていただきたい。今
国会
での……
堂故茂
8
○
委員長
(堂故茂君)
申合せ
の時間が参りましたので、
討論
をおまとめください。
徳永エリ
9
○
徳永エリ
君 この
漁業法
の成立は断固
反対
ということを重ねて申し上げまして、私の
反対討論
とさせていただきます。 ありがとうございました。
紙智子
10
○
紙智子
君
日本共産党
を代表して、
漁業法等
一部
改正案
に
反対
する
討論
を行います。 その前に一言。
委員長
は、
解任決議
が否決されたことをいいことに、この
委員会
を
前提抜き
に強行してしまいました。そのことに強く
抗議
をしたいと
思い
ます。 七十年
ぶり
の
改正
でありながら、
質疑
時間は八時間四十五分だけです。本
会議登壇物
でありながら、
現場
の調査も行われませんでした。
農協法並み
の
質疑
を求める野党の要求も受け入れず、
漁業
、漁村の形を変える重要な
改正案
を一方的に強行することに強く
抗議
するものです。 第一の
反対
は、
現場
を置き去りにしているからです。
参考人
からは、戦後、
漁業法
ができたときは浜に喜びが沸き起こったのに、
改正案
について多くの
漁業者
は知らない、分からないと言われました。
水産庁
が行った
説明会
に参加したのは、
沿岸地区漁協
九百五十五中七十七
漁協
だけです。拙速な
質疑
、採択は行うべきでありません。 第二に
反対
する
理由
は、浜に
対立
と
混乱
を持ち込むからです。
目的
から、
漁業者
及び
漁業従事者
を
主体
、この言葉も、
漁業民主化
も削除し、
漁業権
の
優先順位
も
漁業調整委員会
の
公選制
も廃止すれば、
漁業
による利益を
地域
に広く行き渡らせる
漁業法
の骨格を骨抜きにするものです。ましてや、
漁業権
の
優先順位
を廃止し、適切、有効を
基準
にすれば、
規制緩和論者
がその
基準
の
緩和
、廃止を求めてくるのは明らかです。 第三に、強権的な
仕組み
が導入されているからです。 国と
都道府県
の責務を定めたことに加え、
漁場計画
に
農林水産大臣
の
助言
と
指示
を新たに明文化しました。
我が国生産力
を発展を図るための
助言
、
指示
ですから、国の
政策
に従うことを求めています。
政府
が
漁業
の
成長産業化
を掲げ、
企業
による
養殖産業
の
新規参入
を掲げているもので、
漁場
が
企業本位
に変質されることになります。 第四に、
大型船
の
トン数規制
を撤廃するからです。 乱獲を防ぐために取られてきた漁船の
トン数規制
をなくし
大型化
を進めれば、
沖合漁業
と接する
沿岸漁業
の
資源
が減少する懸念は払拭されません。 第五に、
資源管理
のために導入する
漁獲割当て制度
、IQに
沿岸漁業者
の
同意
を得ることが明記されていないからです。 今年、
沿岸漁業者
の
意見
も聞かずに導入した
太平洋クロマグロ
への
漁獲規制
の反省がありません。 第六に、
自主自立
が
基本
である
協同組合
の原則を踏みにじるものだったからです。
農協法
の
改正
と同様、
漁協
に所得の増大を求め、
経営
の
高度化
を促進するために定期的な点検を求めれば、小規模な
経営
が否定されかねません。
安倍政権
は、世界で一番
企業
が活躍しやすい国にするとして、
岩盤規制
の打破を掲げて、
農業
、林業に続き、
漁業
の
規制緩和
を迫りました。TPPなど歯止めなき
自由化
に合わせて、
日本
の
農林漁業
を犠牲にすべきではありません。 以上、
反対討論
とします。
森ゆうこ
11
○
森ゆうこ
君 希望の会(自由・社民)、自由党の
森ゆうこ
でございます。 私も、まさか今日、何の
議論
もないまま、いきなり
委員会
を開いて
採決
をするというふうには思っておりませんでしたので、
討論
の
原稿
の準備はございません。 ただいま
議題
となりました
漁業法等
の
改正案
に
反対
の
討論
をさせていただきます。 まず
委員長
、昨日のあ
のぶざま
な
委員会運営
、堂故
委員長
らしからぬあの
議事運営
に改めて強く
抗議
を申し上げます。 明らかに私の
質問権
が剥奪されました。
水産庁長官
が、実は
国家戦略特区
の
議事録
は公開できると、提出できるという答弁をしたことから、全く違う
説明
を
与党理事
から受けていた
田名部理事
、
紙理事
、そして
小川理事
、
皆さん
、本当にどうなっているんだということで、大変紛糾し、その場で
委員会
は休憩に入ったわけです。そのときに、
委員長
は、私の
質問
の終局を宣言されておりません。つまり、私の
質問
の途中であるにもかかわらず、
委員会
を休憩したのであります。 当然、再開されるのであれば、もちろん
理事
の
先生方
の
着席
も当然ではございますけれども、少なくとも
質問者
である私の
着席
を待ってされるのが筋ではないんですか。
余り
にもひど過ぎますよ。
余り
にもひど過ぎますよ。
資料
は三十分もしないうちに出てきたじゃないですか。後で聞いたら、そもそもそこで、役所の
人たち
はこの
資料
を持っていたというじゃないですか。何で出してからやらなかったんですか。 そして、今、
反対討論
が三
会派
から続きました。なぜ
賛成
討論
やらないんですか。
議会
じゃないよ、これは。
反対討論
されたら、堂々と
与党側
は
賛成
討論
すべきなんですよ。
自信
を持って、僅かこの一週間で無理やり、どうしてもこの
臨時国会
で成立させなきゃいけない
自信
のある
法案
なんでしょう。堂々と
討論
すればいいじゃないですか。それともあれですか、
種子法
のときみたいに、本当は
法案
の中身分からなかった、みんな分からないのに
賛成票
を投じたんだ、俺もその一人だという……
堂故茂
12
○
委員長
(堂故茂君)
申合せ
の時間が参りましたので、
討論
をおまとめください。
森ゆうこ
13
○
森ゆうこ
君 という、竹下前
自民党総務会長
のように、何にも
法案
の一番重要な部分を分からないまま
賛成
の投票をされるということなんでしょうか。 私は、お願いしておきたいと
思い
ます。
主要農作物種子法
あるいは
農業競争力強化支援法
、結局、
地元
へ帰ってみると、
自民党
の
先生方
は、
農業関係
の
人たち
から何であんな
法案
通したんだというふうに言われると、いや、私は本当は
反対
だったんですと、でも仕方なく、仕方なく……
堂故茂
14
○
委員長
(堂故茂君)
理事会
における
申合せ
の時間が超過しましたので、
発言
をおまとめください。
森ゆうこ
15
○
森ゆうこ
君 仕方なく、私の
立場
では
反対票
を投じられない、仕方なく
賛成
したんです。また、
農業
の
団体
の
組織内議員
である
皆さん
も、
国会終了
後、
全国比例
の
方たち
ですけれども、私の
選挙
区の
農業関係
の
団体
を回られました。
先生方
がそこでどんなにすばらしい演説をされ、
国会報告
をされたのかは
地元
の
農業団体
の
方たち
から詳しく様子を聞いております。やはりそのときに、
主要農作物種子法
には本当は
反対
だったんだ、でも仕方なかったんだと。今回も、
漁業法
は問題で
反対
だったと、本当は。でも、仕方なかったんだと……
堂故茂
16
○
委員長
(堂故茂君) 繰り返し申し上げます。
発言
をおまとめください。
森ゆうこ
17
○
森ゆうこ
君 だから仕方なかったんだって、そういううそつくのだけはやめてくださいよ。
反対
だったら今
反対
してください、今
反対
してください。 この
法案
を成立させたら、浜が壊れますよ、浜が壊れます。
賛成
討論
してください、まず。
堂故茂
18
○
委員長
(堂故茂君) 繰り返し申し上げます。
発言
をおまとめください。
森ゆうこ
19
○
森ゆうこ
君
委員長
、
賛成
討論
させてくださいよ。これ、
議会
じゃないですよ、
討論
に
賛成
がないなんというのは。
議会
じゃないよ、おかしいよ。 もし堂々と
賛成
できるんだったら
与党
は
賛成
討論
すべきだということを申し上げて、私の
討論
を終わります。
堂故茂
20
○
委員長
(堂故茂君) 他に御
意見
もないようですから、
討論
は終局したものと認めます。 これより
採決
に入ります。
漁業法等
の一部を
改正
する等の
法律案
に
賛成
の方の
挙手
を願います。 〔
賛成者挙手
〕
堂故茂
21
○
委員長
(堂故茂君) 多数と認めます。よって、
本案
は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、
審査報告書
の作成につきましては、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
堂故茂
22
○
委員長
(堂故茂君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時五十四分散会