○一宮
政府特別補佐人 人事院は、八月十日、
国会と
内閣に対し、
国家公務員の
給与に関する報告及び勧告を行い、あわせて
公務員人事
管理に関する報告を行いました。また、同日、定年を段階的に六十五歳に引き上げるための
国家公務員法等の改正についての意見の申出を行いました。
このたび、その内容について御説明申し上げる機会をいただき、厚く御礼申し上げます。以下、その概要を御説明いたします。
まず、
給与に関する報告及び勧告について御説明いたします。
月例給につきましては、行政
事務を行う
国家公務員と
事務・技術
関係職種の民間
企業従業員の四月時点の
給与を比較した結果、
公務員給与が民間
給与を〇・一六%、六百五十五円下回ることとなりました。この較差を解消するため、初任給及び若年層に重点を置きながら、俸給表の水準を引き上げることといたしました。
特別給につきましては、公務における年間の支給月数と民間事業所における直近一年間の支給割合を比較した結果、
公務員が民間を下回ったことから、〇・〇五月分の引上げを行い、年間四・四五月分とすることといたしました。引上げ分につきましては、勤務実績を反映する勤勉手当に配分することとし、本年十二月期分から引き上げることといたしました。
このほか、宿日直手当について
所要の
改善を行うこととしております。
なお、月例給、特別給の引上げの勧告は、五年連続となります。
続きまして、
公務員人事
管理に関する報告について御説明いたします。
近時、一部の
公務員の不祥事により公務に対する
信頼を損なうような事態が発生していることは極めて遺憾であり、人事院としましても、
国民の
信頼回復に向けて、研修等を通じた倫理観、使命感の涵養に努めるとともに、不祥事が発生したセクシュアルハラスメントや公文書
管理に関し人事
管理面からの
対策を講じてまいります。
また、公務を的確に遂行できる人材の
確保及び
育成にも引き続き積極的に取り組んでまいります。さらに、職員が意欲を持って生き生きと働くことができるよう、公務職場における働き方
改革と勤務
環境の
整備にも取り組んでまいります。特に、長時間労働の是正につきましては、民間労働法制の改正が行われたことも踏まえ、人事院規則において超過勤務命令を行うことができる上限の時間を設定するなどの
措置を講じてまいります。
次に、
国家公務員の定年を段階的に六十五歳に引き上げるための
国家公務員法等の改正についての意見の申出について御説明申し上げます。
若年労働力人口の減少により、意欲と能力のある
高齢者が
活躍できる場をつくることが
社会全体の重要な
課題となる中で、複雑高度化する行政
課題に的確に
対応し、質の高い行政サービスを維持していくためには、公務におきましても六十歳を超える職員の能力及び経験を本格的に
活用することが不可欠であり、定年を段階的に六十五歳に引き上げることが必要と考えます。
その際、一、
組織活力を維持するため、当分の間、役職定年制を導入すること、二、民間の高齢期雇用の実情を考慮して、当面、六十歳を超える職員の年間
給与を六十歳前の七割水準に設定すること、三、多様な働き方を
実現するため、短時間勤務制を導入すること、四、能力、実績に基づく人事
管理を徹底するなど人事
管理全体を見直すこと、さらに、五、定年の引上げの円滑な
実施に向けた
環境整備について公務全体で取り組むことが必要と考えております。
以上、本年の報告及び勧告並びに意見の申出の概要を御説明いたしました。
牧原委員長始め
内閣委員会の
委員の皆様におかれましては、
人事院勧告制度の意義や
役割に御
理解を賜り、この勧告を速やかに
実施していただくとともに、意見の申出の
実現のために
所要の
措置をとっていただきますようお願い申し上げます。