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大西(健)
委員 さっき言ったように、だから、
東京都のこと一つとっても意見、言い分が食い違っているんですから、聞かないでいいという話では私はないと
思います。
ですから、それも聞いていない、あるいは政務三役なんかにも聞いていない、そういう
報告書は不十分だと
思いますし、きょうのこの議論の中でも、この
報告書で、これで終わりだということで納得する人なんか私はいないと
思いますよ。ぜひ、引き続き、しっかりもう一度
報告書を出し直していただきたいと
思います。
この
事案で私がやはり問題だと思うのは、これはほかの
委員も言われていましたけれども、
厚労省が不適切なこの
調査に気づいて、それを改めるチャンスは何度もあったと思うんです。それを逃してきたこと、これが一番大きな問題だと
思います。
その一つのタイミングが、私は、
平成三十年の一月
調査以降の
給与に係る数値の上振れに関していろいろな議論が昨年の夏ごろにあったんですね、このときにこれを見つけられたと思うんです。
資料としてお配りした西日本新聞の昨年の九月十二日の記事でありますけれども、一月以降の現金
給与総額の前年比増加率が大き過ぎる状態がずっと続いている、特に六月については三・三%を記録して、二十一年五カ月ぶりに高い伸びを記録したということが大きく報道されたんですけれども、このことに関して、エコノミストら
専門家からさまざまな疑義が生じて議論になったんですよ、この時期に。
このとき、
資料の二ページ目ですけれども、
厚労省はこの二ページ目の
資料を使って、この上振れの要因は、
調査対象の部分入れかえと
労働者推計のベンチマークの更新でこれは上振れしたんだ、こういう
説明をしてきたんです。ところが、実際には、この同じ昨年の一月の時期からまさに復元をやっていたということなんですね。だから、これが
影響していたんですよ。
やはり、何でこのことをこのときにしっかり、上振れ要因が何なんだ何なんだといってみんなで議論をしていたわけですから、だから、上振れ要因の中に、このベンチマークの話とサンプルの部分入れかえの話、ローテーションサンプリングの話はもちろん要因の一部にあるんですけれども、もう一つの要因としては、当然、
東京都の復元をやったことが入っているんですよ。ところが、それを、何だろう何だろうと議論したら絶対わかるはずなんですよ、何でそのときに言わなかったんだという話なんですね。
時間がないのでちょっとそのまま行きますけれども、
資料の三ページを見ていただくと、これは一月二十一日付の同じく西日本新聞ですから、今回の、まさに復元をしていなかった、あるいは、
全数調査じゃなくて
抽出調査をやっていたということが明らかになって以降、西日本新聞さんが出した記事ですけれども、一月から
補正が行われたことを踏まえて、
専門家の協力を得て再集計値の前年度比増加率を試算したところ、
確報が出ている昨年一月から十月は約〇・四%から一・一%になって、
公表値が約〇・二ポイントから〇・三ポイント過大だったことが判明した、こういうふうに書いているんです。
それで、この件に関して
厚労省がきのうになってやっと、これはずっと山井
委員が合同ヒアリングの中でも求めてきたことですけれども、やっと再集計値の数値を出してきました。
追加でお配りした一枚物のものがこれなんですけれども、これを見て私は驚きました。何と、乖離は最大で〇・七ポイントですよ。西日本新聞の試算よりもはるかに大きい乖離が出ていた。しかも、問題になった、二十一年ぶりの高い伸びになった昨年六月の三・三%の再集計値では〇・五ポイントも低く、実際には二・八%だと。まさに、
東京都の復元の部分の効果を除けば、三・三じゃなくて二・八で、〇・五ポイントも実際は低かったということが、やっときのうになって出てきたんです。
記事に戻っていただくと、この西日本新聞の記事のところで、私は線を引いておきましたけれども、一月二十一日の記事ですけれども、
専門家の意見として、
賃金上昇率が高まる、つまり、復元の
要素を入れると
賃金上昇率が高まるのはわかっていたはずなのに、秘したまま、それを隠したまま
補正した理由が全くわからないと。これはアベノミクスによる賃上げ効果を大きく見せるための
統計操作だったのではないかという疑念が呈されているということなんですね。
根本大臣、本来比較できない
補正済みの数値と
補正していない前年度の低い数値、これを比べれば伸び率が高く出るということはわかるんですよ。それをわかった上でやっている。これはまさに
国民をだましたんじゃないですか。アベノミクス偽装、まさに、
国民をだまして、
賃金が高く伸びているように見せるために、
補正をしていない低いものと
補正をした高いものを比べて伸び率を高くするように
国民をだましたということではないんですか。
大臣、どうなんですか。