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2018-11-14 第197回国会 衆議院 議院運営委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成三十年十一月十四日(水曜日)     午前十一時開議  出席委員    委員長 高市 早苗君    理事 菅原 一秀君 理事 御法川信英君    理事 赤澤 亮正君 理事 大塚  拓君    理事 松本 洋平君 理事 熊田 裕通君    理事 手塚 仁雄君 理事 牧  義夫君    理事 佐藤 英道君       大隈 和英君    古賀  篤君       根本 幸典君    百武 公親君       藤丸  敏君    星野 剛士君       本田 太郎君    牧島かれん君       川内 博史君    武内 則男君       伊藤 俊輔君    関 健一郎君       広田  一君    宮本  徹君       遠藤  敬君     …………………………………    議長           大島 理森君    副議長          赤松 広隆君    事務総長         向大野新治君    参考人    (検査官候補者会計検査院事務総長))      岡村  肇君     ————————————— 委員の異動 十一月十四日  辞任         補欠選任   松田  功君     川内 博史君   塩川 鉄也君     宮本  徹君 同日  辞任         補欠選任   川内 博史君     松田  功君   宮本  徹君     塩川 鉄也君     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  検査官任命につき同意を求めるの件  次回の本会議等に関する件      ————◇—————
  2. 高市早苗

    高市委員長 これより会議を開きます。  まず、検査官任命につき同意を求めるの件についてでありますが、去る九日の理事会において、西村内閣官房副長官から、内閣として、検査官会計検査院事務総長岡村肇君を任命いたしたい旨の内示がありました。  つきましては、理事会申合せに基づき、検査官候補者から、所信聴取することといたしたいと存じます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本日、参考人として検査官候補者岡村肇君の出席を求め、所信聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 高市早苗

    高市委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。     —————————————
  4. 高市早苗

    高市委員長 まず、議事の順序について申し上げます。  最初に、岡村参考人所信をお述べいただき、その後、参考人所信に対する質疑を行いますので、委員質疑に対してお答えいただきたいと存じます。  それでは、岡村参考人、お願いいたします。
  5. 岡村肇

    岡村参考人 岡村肇でございます。  本日は、このような機会を与えていただき、厚く御礼を申し上げます。  近年、我が国の社会経済は、今後本格化する人口減少少子高齢化に伴う社会保障費の増大、潜在成長率の伸び悩み、社会資本老朽化等の難しい課題に直面しております。また、東日本大震災からの復興が引き続き大きな課題となっており、行政等にはこうした課題への適切な対応が求められております。  会計検査院としては、このような社会経済の動向を踏まえながら、一部の府省等において不正不当な事態が見受けられたことも踏まえて、正確性合規性観点から厳正な検査を行うこと、厳しい国の財政状況にも鑑みて、事務事業予算執行効果及び国等が保有している資産、補助金等によって造成された基金等状況についても積極的に取り上げるなど、経済性効率性及び有効性観点からの検査を重視すること、行財政透明性説明責任向上事業運営改善に資するために、国の決算及び財政健全化に向けた取組について分析や評価を行っていくとともに、特別会計独立行政法人等について、財務状況検査の充実を図っていくことが重要と考えております。  会計検査院は、内閣から独立した憲法上の機関として、国の会計検査実施し、検査の結果に基づき、検査報告作成して内閣を通じて国会に御報告するという重要な使命を課されております。  私は、昭和五十八年に会計検査院採用されて以来、会計検査業務にかかわり、現在は、事務総長として、検査官会議指揮監督のもと、事務総局業務を統理する任にございます。  仮に検査官に任ぜられるとするならば、事務総局指揮監督する検査官会議構成員としての自覚と責任感を持ち、これまで会計検査に関する実務で培った知識経験を生かすとともに、国民皆様関心所在や、国会における御審議の状況に常に注意を払うなど、いろいろな御意見に耳を傾けながら、検査官会議における公平かつ均衡のとれた意思決定に貢献することによって、全力を尽くして検査官としての職責を担ってまいりたいと考えております。  以上、簡単ではございますが、私の所信を述べさせていただきました。  本日は、このような機会を与えていただき、改めて厚く御礼を申し上げます。
  6. 高市早苗

    高市委員長 ありがとうございました。  これにて参考人からの所信聴取は終了いたしました。  議長、副議長は御退席いただいて結構でございます。  理事会申合せに基づき、報道関係の方々は御退席をお願いいたします。     —————————————
  7. 高市早苗

    高市委員長 これより岡村参考人所信に対する質疑を行います。  質疑は、まず、各会派を代表する委員が順次三分以内で質疑を行い、その後、各委員が自由に質疑を行うことといたします。  大塚拓君。
  8. 大塚拓

    大塚(拓)委員 自由民主党の大塚拓でございます。  早速でございますけれども、岡村肇検査官候補者に御質問させていただきたいと存じます。  候補者は、会計検査院事務総長出身でありますので、国や独法会計やこれらに対する会計検査については、恐らく、今、日本で最も知悉をしておられる方の一人だろうというふうに存ずるわけでございます。  国等会計に対する会計検査というのは、当然のことながら、民間会計監査とは大きな違いもあるわけでございます。共通の部分もあるわけですけれども、主に、外部経済外部経済といった、なかなか数字にできないものも相手にしていかなければいけない、そういう側面もあるかと思いますが、これまでの岡村候補者経験を生かして検査官としてどのように取り組んでいかれるおつもりか、お聞かせいただければと存じます。
  9. 岡村肇

    岡村参考人 御質問ありがとうございます。  検査官検査官会議構成員でございます。検査官会議は、会計検査院意思決定機関でありまして、検査実施機関である事務総局を常時指揮監督しております。  検査官会議を構成する三人の検査官につきましては、法律行財政企業会計会計検査等に関し豊富な知識経験をそれぞれ有することが望ましいとされております。  このうち会計検査院出身者につきましては、事務総局の的確かつ効率的な指揮監督決算検査報告作成最終段階における検査官会議での意思決定におきまして、今まで会計検査院で勤務してきた中で培った会計検査等に関する知識経験を生かして、公平かつ均衡のとれた意思決定に貢献することが期待されているものと認識しております。  民間監査との違いということ、お話がございました。  民間企業財務諸表に対する公認会計士監査は、財務諸表に対して合理的な保証を与えるためのものでありますが、国の決算に対する会計検査は、不適切又は不合理な会計経理やこれと関連する事務事業遂行指摘する検査となっておりまして、正確性合規性経済性効率性有効性といった多角的な観点から行うものとされております。  国や地方公共団体政策はさまざまな目的を持って行われておりますが、究極的には、その政策実施により国民や住民の福利向上を図ることが目的になっておると思われます。会計検査院役割は、多角的な観点から国民皆様から徴収した税金の使われ方に目を光らせることによって国民福利向上に寄与することにあり、政策目的効果を損なうことなく、経済的、効率的に予算執行がされているかを検査していくことがその重要な役割の一つと考えております。  仮に検査官に任ぜられるとするならば、これまで会計検査に関する実務で培った知識経験を生かして、国民会計検査院に対する期待に応えるべく、全力を尽くして検査官職責を果たしてまいりたいと考えております。
  10. 大塚拓

    大塚(拓)委員 ありがとうございます。  冒頭所信の中でも述べておられましたけれども、近年の行財政は非常に複雑化高度化してきているところがございます。社会資本老朽化、例で挙げられましたけれども、人口減少少子高齢化、こういった問題もございます。単に無駄がないかを検査すれば足りるという状況ではなくなってきているのかなというふうに思うわけでございます。  更に言えば、安全保障とか先端の科学技術といったものは、もともと高度な専門性が求められる分野である一方、近年、より一層、複雑化高度化してきております。安全保障環境あるいは国際競争といった面でさまざまな変化があり、投資効果の発現も、これは複雑な経路をたどって非常に長期にわたっていくタイプの分野であるわけでございます。なかなかこの政策目標を、どういうふうに投資効果評価していくかというのが難しい問題であろうというふうに思います。  会計検査院においても、今後は会計検査担当者に高い専門性やマクロの視点というものを持っていくことが求められると思います。どのような体制を整備し、どのように人材育成し、またどのように評価手法高度化していくお考えか、お聞かせいただければというふうに存じます。
  11. 岡村肇

    岡村参考人 会計検査院は、社会情勢変化国民関心所在等に対応して検査のテーマ、着眼点検査勢力配分等を毎年見直して、検査実施してきております。正確性合規性といった観点検査ばかりでなく、経済性効率性有効性観点からの検査を重視してまいりました。個々の事務事業における不正不当な事態指摘するのみでなく、政策目的を達成しているか、予算執行効果が上がっているかなどについても着眼して検査実施してまいりました。  その結果、これまでに、大規模公共事業効果についての検査ですとか、独立行政法人研究開発、あるいは防衛装備品調達等についての検査にも取り組んでまいったところでございます。  御指摘のように、何をもって効果があったと言えるのか、投資効果評価が難しい分野もございます。このような分野については、例えば、第三者による客観的な評価検証によって予算執行透明性を確保することが重要であるということから、第三者が客観的に評価できるよう必要な情報を公表しているかといった検証可能性に着目したりして検査をしたというような事例もございます。  今後とも、御指摘の点を踏まえて、投資効果評価などを含めた多角的な観点から検査を行い、会計検査院に課せられた使命を的確に果たしていくことが必要であると考えております。  また、会計検査手法高度化につきましては、現場の第一線で検査に携わる職員知識向上スキルアップが重要でございます。  会計検査院では、内部で専門家を講師とした研修を行うとともに、大学院に派遣する、留学させるなどの外部機関による研修も行ってまいりました。  さらに、会計検査対象行財政全般と大変広範なものとなっておりますことから、研修等によるプロパー職員育成だけでなく、さまざまな専門的知識実務経験を持った民間人任期つき職員として受け入れましたり、大学教授やシンクタンクの職員を非常勤の特別調査職として採用するなど、多様な人材を確保していくことも引き続き必要であると考えているところでございます。
  12. 大塚拓

    大塚(拓)委員 そういう高度、複雑な問題に対処していくということには、これは予算策定段階での改善というのも必要になっていくんだろうというふうに思います。  予算査定当局においても、これはなかなか難儀している問題でありまして、担当者人事サイクルが短いとか、長期、複雑な政策事業効果を分析するための手法をやはり十分に持っているとはなかなか言えないという状況だと思っておりますので、こうした高度化複雑化する行政ニーズ安全保障科学技術、こういったことも含めてですけれども、ニーズに対応していくためには、会計検査院は、予算執行面検査していくことはもちろんとして、予算査定プロセス予算策定プロセスにも着目をして検査を行っていくことが今後必要になっていくのではないかというふうに考えておりますけれども、候補者のお考え、また決意をお伺いいたしたいと存じます。
  13. 岡村肇

    岡村参考人 近年、会計検査院では、事務事業遂行及び予算執行の結果が所期の目的を達しているか、また効果を上げているかという有効性観点からの検査を重視してきたところでございます。  会計検査院検査は、予算政策執行過程あるいは執行結果を対象としておりますので、政策の裏づけとなる予算執行に問題がある場合には、その原因の究明を徹底して行うこととしてまいりました。その結果、予算政策上の問題が認められれば、これを積極的に取り上げることにしてきたところでございます。  財政当局とは定期的に連絡会を開いておりまして、会計検査院から、検査報告掲記事項説明を行いましたり、検査過程で気づいた予算編成上又は財政運営上参考事項について意見を述べたりしております。また、財政当局からは、予算編成の背景、意図、執行上の留意点などを聴取したりしているところでございます。  今後とも、御指摘の点も踏まえて、会計検査院に課せられた使命を的確に果たしていくため、多角的な観点からの検査に取り組んでまいりたいと考えております。
  14. 大塚拓

    大塚(拓)委員 終わります。
  15. 高市早苗

    高市委員長 次に、川内博史君。
  16. 川内博史

    川内委員 立憲民主党川内といいます。  委員長理事先生方にお許しをいただいて、発言をさせていただきます。ありがとうございます。  岡村さん、冒頭議長、副議長岡村さんの所信というか方針について発言を聞いていただいておりました。  議長は、七月三十一日に、通常会を終えての所感というものを発表していらっしゃいます。この大島議長所感、お読みになられましたか。
  17. 岡村肇

    岡村参考人 概略を読ませていただいたというふうに思います。
  18. 川内博史

    川内委員 概略を読ませていただいたというのはどういうことですか。読んでいるのか読んでいないのかということを聞いているんですけれども。
  19. 岡村肇

    岡村参考人 読ませていただいたと思いますが、ちょっと細部まで現在しっかり理解をしているということではないということでございます。
  20. 川内博史

    川内委員 読んでいらっしゃるというふうに理解をしたいというふうに思います。  岡村さんは、きょうこの場に、会計検査院とは、先ほどの御挨拶で、独立した機関として憲法上位置づけられているよと御挨拶されたわけですけれども、しかし、指名を受けているのは、内閣から指名を受けてこの場にいらっしゃるわけですね。そういう内閣との関係で、指名を受けたが内閣からは独立して、何物にも影響を受けず、検査院としての、検査官としての仕事を自分は全うする、そういう強いお気持ちはおありになられますか。
  21. 岡村肇

    岡村参考人 会計検査院検査官は、内閣から任命をされますけれども、現在こうやって所信聴取をいただいているように、両議院の同意を経て任命されるということでございます。そして、任期中はその身分が保障されているという重いものでございます。  これまでの検査官におきましても、そういう点で、しっかりとした独立した立場から職務に当たってきたというふうに理解をしておりますし、私もそのつもりで務めさせていただきたいと思っているところでございます。
  22. 川内博史

    川内委員 何物にも影響をされず検査官としての仕事を、任期中、身分が保障されているので、全うをされるという御意思をお示しいただいたものというふうに思いますが、議長談話の中にこんなことが書いてあるんです。  「政府においては、このような問題」、このような問題とは、森友学園の問題やさまざまな隠蔽の問題等を指してこのような問題というふうに議長はおっしゃっていらっしゃるわけですが、「政府においては、このような問題を引き起こした経緯原因を早急に究明するとともに、」というふうに書いてございます。まださまざまな事実が明らかになっていないということを国権の最高機関の長がお述べになられていらっしゃる。私もそう思います。  そこで重要な役割を果たすのが会計検査院である、なぜなら会計帳簿の精査を通じて事実というものを特定していくからであるというふうに思います。  森友学園問題に関して申し上げれば、検査報告が出た後、改ざんが明らかになり、そして、その改ざんされた文書等について、会計検査院としてもこれはもう一度きちんと検査をするよ、そして、誰が指示をし、なぜ改ざんされたのかということについて事実を明らかにするという決意報告の中で述べていらっしゃいます。  今、再検査されていらっしゃいますけれども、公文書偽造があったのかなかったのか、さらには、会計を妨害する偽計業務妨害があったのかなかったのか、そういうことをきちんと調査し、報告をするという決意をいただけますか。
  23. 岡村肇

    岡村参考人 国会から御要請をいただいた項目につきまして検査実施し、その結果を昨年十一月に報告させていただいたところでありますが、その後、検査過程におきまして、財務省から改ざんされた資料が提出されるなどの極めて異例な行為が行われていたことが明らかになったところでございます。  会計検査院実施した検査において、改ざんされた資料が提出されたことは、会計検査院法第二十六条の規定に違反するものであり、あってはならないことと考えております。  一方、本件につきまして、会計検査院においても、この報告書作成に当たって提出資料信憑性について十分確認しておらず、改ざんが見抜けなかったということについて、これは検査実施機関である事務総局の長として大いに反省しているところでございます。再発防止策を講じてまいりたいと考えております。  本件につきましては、国会での御議論を踏まえまして、今般明らかになった改ざん前の決裁文書交渉記録内容改ざん経緯等についても確認をするなどして、改ざんが行われたことによる二十九年の報告への影響、あるいは、六月に中間報告をさせていただきましたけれども、検査実施すると申し上げた事項について、現在、調査を進めているところでございます。
  24. 川内博史

    川内委員 終わります。
  25. 高市早苗

    高市委員長 次に、関健一郎君。
  26. 関健一郎

    ○関(健)委員 国民民主党関健一郎でございます。  委員長並びに与野党の理事先生方におかれましては、質問機会をいただきまして、ありがとうございます。  岡村肇検査官候補者聴取をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。  前の委員質問がありましたので、関連で質問をさせていただきます。  同様ですけれども、議長から談話というものが出されました。その内容としては、少し引用させていただきますと、「国政に対する国民信頼に関わる問題が、数多く明らかになりました。」森友問題を念頭に、「民主主義の根幹を揺るがす問題であり、行政府・立法府は、共に深刻に自省し、改善を図らねばなりません。」という談話が出されました。  森友学園に関しまして、会計検査院は二つの異なる文書を把握しておられたわけです。国土交通省が提出した文書財務省改ざん後の文書。それを認識してありながら、財務省がこれのものだと理解しているという、つまり、改ざんの疑いのある当事者の発言をそのまま信じて、問題がなかったという御発言をされていますけれども、これであれば、ここまで制度として独立性を担保していく意味がないと言わざるを得ません。国民皆様にしてみれば、これだけ制度として独立性を担保しているといいながら、時の権力の言うがままじゃないかという認識もあるわけです。  つまり、強い疑念を持たれているということが現状だと思いますが、この今の現状国民皆様からそういう受けとめを持たれていることに対して、どう認識をしておられるでしょうか。また、どう改善をしていくおつもりか、お聞かせください。
  27. 岡村肇

    岡村参考人 御質問ありがとうございます。  先ほどとも重なりますが、会計検査院におきましても、報告書作成に当たって、提出資料信憑性、これは大前提でございますが、十分に確認しておらず、改ざんを見抜けなかったということについて、検査実施機関である事務総局の長として大いに反省しているところでございます。  今回の事態につきましては、参議院決算委員会におきまして会計検査院検査体制の強化に関する決議がなされるなど、会計検査院に対して厳しい御批判があることについては承知をしているところでございます。  再発防止策ということにつきましては、まず、検査担当者に対しまして、改ざんがされているというような可能性について、より一層しっかりと把握するようにということを徹底したところでございますが、更に今後、検査の中核を担う課長級あるいは補佐級職員、全職員対象とした特別の研修を行うなどして効果的な再発防止策を講じてまいりたいと考えているところでございます。  内閣から独立した地位を有する会計検査機関として、その職責を十分果たすことができるよう、一層努力してまいる所存でございます。
  28. 関健一郎

    ○関(健)委員 議長談話の中にもあるんですけれども、これは、行政も立法もみんな深刻に反省しなさいと言っているわけです。その点、私にもその責があるわけですけれども。  これは御意見をお尋ねしたいんですけれども、先ほど、独立性が担保されているという中にありましたけれども、会計検査院の方というのは、職員のお立場国家公務員法が適用される、お給料に関しては給与法です、予算査定財務省が行う。これは制度上の問題ですけれども、先ほどおっしゃったように、二度とこういうことがないためにも、更に強い独立性を担保するにも、更に制度、構造上の改革をする必要があるのではないかなと私は思うんです。お立場もあると思いますが、御所感を伺いたいと思います。
  29. 岡村肇

    岡村参考人 御指摘ございましたように、会計検査院職員一般職職員ということでございまして、その採用一般採用試験に基づいて行われているということでございます。給与法につきましても、一般職職員の給与に関する法律が適用をされているということはおっしゃったとおりでございます。  この点について、特別職化というような議論、随分以前にはあったように聞いておりますけれども、果たしてそれがどうなのかということを考えてみますに、私ども、一番大事なのは職員でございます。憲法上の独立機関としての矜持を持って公正中立検査を行うことができるという職員採用いたしまして、更に育成をしていくということが最も重要なことでございます。  それから、私どもの仕事会計検査業務大変対象が広範でございますので、法律経済といった事務系職種だけではなくて、技術系職種職員も幅広く採用しているということがございます。  そういう点では、現在のような採用の形の方が幅広い人材を得ることができるという点でメリットがあるのではないかというふうに考えているところでございまして、そういった形で採用した優秀な人材を、採用後の研修等におきまして、本院の職員として必要な公正中立、あるいは独立機関としての矜持を持つといったことをしっかりと教育しまして、優秀な調査官に育てていくということがいいのではないかな、これは個人的な感想でございます。
  30. 関健一郎

    ○関(健)委員 ありがとうございます。  国民皆さん信頼に、負託するという意味でも、現場職員皆さんが働きやすい環境をつくるということは大切なことだと思いますが、改めて、国民皆さんの負託に応えるべく、現場職員人たちが働きやすい環境をつくるべく、抱負をおっしゃっていただきまして、終わらせていただきます。
  31. 岡村肇

    岡村参考人 本院の仕事にとりまして一番考えますのは、検査は人なりということでございます。おっしゃっていただきましたように、職員の能力を向上する、あるいは職場環境改善するということは、非常に重要な、最も重要なことというふうに私も常々考えておるところでございまして、仮に検査官に任ぜられるとするならば、今度は検査官会議立場からそういったことにしっかりと目配りをしていきたいというふうに考えているところでございます。
  32. 関健一郎

    ○関(健)委員 ありがとうございました。
  33. 高市早苗

    高市委員長 次に、佐藤英道君。
  34. 佐藤英道

    ○佐藤(英)委員 おはようございます。公明党の佐藤英道です。  早速、岡村肇検査官候補者にお伺いをさせていただきたいと思います。  候補者は、御略歴等から見ても、当然、会計検査実務にはお詳しいとは思いますけれども、改めて、会計検査院役割使命をどのようなものと認識されていらっしゃるのか。また、現在の課題はどこにあるとお考えなのか。さらにまた、検査官任命されたら今後どのようなことを意識しながら取り組んでいこうとされているのか、まず抱負を伺いたいと思います。
  35. 岡村肇

    岡村参考人 御質問ありがとうございます。  会計検査院は、内閣から独立した憲法上の機関として、国や国の出資法人等の会計検査いたしまして、検査の結果に基づき、検査報告作成して内閣を通じて国会に御報告するという重要な使命を課されております。また、会計検査は多角的な観点から行うべきことが定められておりますが、厳しい財政状況に鑑みますと、経済性効率性及び有効性観点から問題を指摘していくということが会計検査院に課された重要な役割であると考えております。  そして、政策事業が有効に機能していない、効率的に行われていないなどの事態が発見された場合には、その原因を徹底的に究明いたしまして、その結果、予算制度上の問題が認められれば、積極的に改善の処置を要求したり意見の表示をしたりすべきであるというふうに考えております。  課題といたしましては、会計検査院人材予算といった資源に制約がある中で、いかにして効果的、効率的に、国民の目線に立った検査をしていくかということにあると考えております。そのために、専門的な検査に対応できる人材育成、あるいは民間実務経験者、専門家採用など、検査能力の向上に努めますとともに、国民皆様の御関心国会等のさまざまな御議論に日ごろから留意いたしまして、重要な課題検査対象といったものを発見して、それらについて検査を行っていくということが必要不可欠であると考えております。  会計検査院出身の私に期待されますのは、会計検査実務に関する知識経験、あるいは会計検査に従事する中で触れた行財政に関する知見というものを生かして、検査官会議による事務総局指揮監督が的確かつ効率的に行われるように、検査官会議意思決定が公平かつ均衡のとれたものとなるように貢献することではないかと認識しておりまして、仮に検査官に任ぜられるとするならば、全力を尽くして務めてまいりたいと考えております。
  36. 佐藤英道

    ○佐藤(英)委員 毎年、会計検査院は多くのことを指摘されておりますけれども、これは見方を変えれば、会計検査院指摘を受けた問題が各府省にしっかりと反映されていないのではないか、同じような指摘が繰り返されているということではないのかと思うことがあります。無駄遣いや不正をなくすためにはどうすればよいのか、お考えをお聞かせください。
  37. 岡村肇

    岡村参考人 会計検査対象となる会計に毎年多数の不当事項指摘があることは大変遺憾に存じております。  無駄遣いや不正をなくすためには、まずは指摘を受けた当局が同種事態の再発防止をしっかりと図ることが大事でありまして、各機関における内部統制に係る体制の整備、あるいは職員一人一人の適正かつ効率的、効果的な予算執行に対する意識の向上といったことについて不断の努力が必要であると考えております。  加えて、内閣から独立した会計検査院による検査の充実ということも、不正や無駄遣いに対する牽制になるものと考えております。  会計検査院といたしましては、指摘された事態が確実に改善されるよう、各府省任せではなく、フォローアップ検査を行いましたり、あるいは同種の事態が他府省で繰り返されることのないように、検査を他の府省に広げていく、横展開していく検査を充実させるように努めております。検査報告説明会ですとか講習会を開催いたしましたり、あるいは検査対象機関が開催する研修会に講師を派遣いたしましたり、検査報告指摘した事態の周知徹底に努めているところでございます。  また、個別の事項指摘するだけではなく、事態の発生原因を究明いたしまして、制度に問題がある場合にはそこに焦点を当てて制度の是正改善を求めるなどしていくことが重要であると考えております。  仮に検査官に任ぜられるとするならば、あらゆる機会を捉えて、不正等の根絶に向けて努力してまいりたいと考えております。
  38. 佐藤英道

    ○佐藤(英)委員 次に、ストック検査認識についてお伺いしたいと思います。  アカウンタビリティーの向上財政の見える化のためにも、会計検査院は資産や基金などストックについての検査も充実させるべきと考えますが、いかがでしょうか。
  39. 岡村肇

    岡村参考人 御指摘のとおり、資産、基金等のいわゆるストックの検査は大変重要であると考えております。  平成十五年ごろから、国会等におきまして、特別会計独立行政法人、公益法人等の剰余金、積立金についての議論がされるようになりました。  会計検査院では、独立行政法人印刷局の保有資産につきまして、不要な資産を国庫に返納させるような制度を整備するように意見を表示しまして、その結果、独立行政法人通則法が改正されて、国庫納付の制度が設けられるなどの成果もあったところでございます。  検査におきましては、未利用となっていて今後も利用される見込みのない資産はないか、社会情勢変化等を踏まえた資産の活用が図られているか、国庫納付することが可能な資金等はないか、補助金等により造成された基金等の規模が適切なものとなっているかなどに着眼して検査を行ってきておりまして、ことしの検査報告では、商工組合中央金庫が計上している危機対応準備金につきまして、その額の適正な水準の検討が十分行われていなかったことなどについて指摘いたしました結果、百五十億円の国庫返納が決定されたなどの事例がございます。  ストックに関する検査は、今後とも引き続き積極的に取り組んでいく必要があると考えておりまして、その際には、必要に応じ、国の財務書類などの発生主義に基づく財務情報を活用していくことも有効であると考えているところでございます。
  40. 佐藤英道

    ○佐藤(英)委員 平成二十九年度の決算検査報告についてもお伺いさせていただきたいと思います。  去る十一月九日に平成二十九年度決算検査報告が手交されたと承知しておりますけれども、今回の検査では、特に、近年相次ぐ大規模な自然災害等々、こうしたことに大変に、国民関心も非常に高まって、会計検査院としてもこうした問題についても問題意識を持たれたと承知をしているわけであります。特に、今回の検査報告の特徴とそれに対する所感はどうなのか、また、今後どのような検査を目指していこうとされているのか、お伺いをしたいと思います。
  41. 岡村肇

    岡村参考人 御指摘いただきましたとおり、本年の検査では、近年相次ぐ大規模な自然災害の発生により国民関心が非常に高まっております国民生活の安全性の確保に関する問題を多数取り上げております。また、少子高齢化の進展等を背景といたしまして、毎年多額の国費が投入されている社会保障につきましても多数掲記しているところでございます。  今回の検査報告でも、会計経理の基本的なルールを逸脱した不適正経理や、その他、不正不当な事態も掲記しておりますが、このように、個々の事業を一つ一つ丁寧に見ていくことによって不適切な事態を正していくということはもちろんでございますが、それと同時に、予算が効率的に執行されているか、事業有効性が確保されているか、事業国民の税金を投じる価値があるものかなどについて幅広く検査していくことによりまして、問題点を把握して、積極的に、処置要求や、改善意見の表示をするということで制度を正していくということ、こうした広い意味、大きな意味での無駄の削減を心がけ、検査に取り組んでいくことが必要だと思っております。  そして、会計検査を通じて、国の行政財政改善に積極的に貢献してまいりたいと考えているところでございます。
  42. 佐藤英道

    ○佐藤(英)委員 最後に、広報活動の強化についてお伺いしたいと思います。  国民会計検査院に対する期待はやはり高まっていると思います。こうした中で、会計検査院も広報活動を更に強化し、情報公開にも積極的に取り組んでいくべきと考えますが、御見解を伺いたいと思います。
  43. 岡村肇

    岡村参考人 会計検査院は、国民の負託を受けて会計検査を行う機関でございますので、国民理解信頼を得るために検査活動の内容をできるだけ明らかにしていく、説明責任を果たしていくということは、御指摘のとおり非常に重要なことというふうに考えているところでございます。  例えば、会計検査院の活動の状況や結果について、検査報告において国民にわかりやすく説明するということはもう言うまでもないことでございますけれども、検査の方針につきましては、会計検査の基本方針を公表したりしております。  検査活動によって得られる効果につきましては、財務上の是正改善効果というものを試算して公表したりしているところでございます。  このほかにも、会計検査院の活動をわかりやすく説明する小冊子「会計検査のあらまし」というものを発行いたしましたり、ホームページで情報発信したりするなどして検査活動の説明に努めているところでございます。  今後とも引き続き、国民に対して検査活動の内容を十分に説明し、会計検査院としての説明責任を果たすよう努力していくことが必要であると考えているところでございます。
  44. 佐藤英道

    ○佐藤(英)委員 ありがとうございます。  終わります。
  45. 高市早苗

    高市委員長 次に、広田一君。
  46. 広田一

    ○広田委員 無所属の会の広田一でございます。  岡村候補者、同じハジメ同士でございますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。  候補者検査官に御就任をされた場合は、河戸前院長にかわりまして、三名の検査官の中でも唯一の、会計検査院生え抜きの人員となります。  その場合の御自身の果たすべき役割についてまずお伺いすると同時に、あわせて、検査官会議の指示や意見を踏まえて、事務総長としてこれまでは事務総局を仕切ってきたわけでございますけれども、これは、よくも悪くも組織を熟知されていることであります。また、職員皆さんの資質や性格もよく御存じであります。先ほどの御答弁の中でも、検査は人なりというふうにおっしゃり、また、人を育てようという、静かではありますけれども本当に熱い思いを持った方だろうというふうに思うわけでございます。  その一方で、懸念されることの一つとしては、これも河戸前院長も述べられておりましたけれども、事務総局とのなれ合い又はしがらみであります。無論、有能な方でございますので、頭を切りかえられて一線を画し、みずからを律するように取り組まれるというふうに思いますが、この点についても御所見をお伺いします。
  47. 岡村肇

    岡村参考人 御質問ありがとうございます。  先ほどもございましたが、会計検査院出身者である私につきましては、事務総局指揮監督というものが的確かつ効率的に行われるように貢献してまいりたいということが第一だろうと思っております。長年、会計検査院事務総局に勤務している中で、検査の第一線の現場も承知をしておりますし、検査報告の取りまとめにも当たってきたということで、事務総局全般のことは熟知しておりますので、検査官会議による事務総局指揮監督が的確に行われるようにという点では貢献をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。  それから、これまでと立場が変わるということでございまして、そこでなれ合いというようなことになってはいけないということをおっしゃられましたが、まさにそのとおりでございまして、事務総局から事務総局指揮監督する意思決定機関検査官会議へと立場が変わるということを強く認識いたしまして、まさに一線を画するというつもりでやってまいりたいということでございます。  ただ、事務総局のことはよく存じておりますので、職員の能力向上ですとか、あるいは業務の効率化でございますとか、そういうことにつきましては引き続き検査官会議立場からもしっかりと目配りをしていきたい。そういうことも私の役割ではないかというふうに考えているところでございます。
  48. 広田一

    ○広田委員 どうもありがとうございます。ぜひ候補者の強みを生かして能力を発揮してもらえればと思います。  次に、段々のお話で、森友学園のことについて質問したいと思います。  候補者の方からも改ざんが見抜けなかったということにつきましては反省の弁があったわけでございますけれども、もう少し踏み込んでいただいて、見抜けなかった点について、会計検査院に求められている正確性等の観点から、やはり厳正な検査がなされていなかったんじゃないか。この原因と今後の再発防止策についてお伺いをしたいと思います。  あわせて、財務省と国交省の幹部が、二〇一七年九月に、森友問題に関する会計検査院報告書について、検査院が試算した値引きなどの記載を回避できないか事前協議をしたことが報道等でも判明をいたしているところでございます。これは、会計検査院独立性そして中立性を脅かすものではないか、このように思うわけでございますけれども、この点についての御所見と、再発防止策もあわせてお伺いしたいと思います。
  49. 岡村肇

    岡村参考人 先ほどもございましたが、会計検査院におきましても、報告書作成に当たって、提出資料信憑性について十分確認しておらず、改ざんを見抜けなかったということについて深く反省していると申し上げたところでございます。  この点につきましては、やはり、正直申し上げまして、よもや改ざんが行われているということに思いが至らず、そうした点のチェックというものが最重要の課題とは考えられていなかった。当時、膨大な資料を収集、分析する中で、検査担当者といたしましては、やはり価格の適正性というものについて検査をするということに一番の力を割いていたということだろうと思います。  そういう点で、信憑性を確認するということももちろん大前提なわけでございますけれども、その点がちょっと不十分になってしまったということであろうかと思います。  再発防止策でございますが、先ほども申し上げたところでございますけれども、検査担当者に対しまして、より一層チェックをするように徹底したことに加えまして、今後になりますが、課長級補佐級等の全職員対象とした特別な研修実施するなどして再発防止にしっかりと取り組んでいくつもりでございます。  それから、二十九年九月の財務省、国交省の局長のというお話がございました。  私ども、検査過程で事実の確認あるいは疑問点をただすなどのために、質問を公文書で発する、それに対して回答を得るということをやっているところでございます。この過程検査対象機関がどういう行動をとられるか、これは私どもとしては関知しないところでございます。  私どもとしては、そうした回答も得まして、その検査の結果につきましては、あくまでも検査院内の数次にわたる審議を経て、最終的には検査官会議において自律的に決定をしておるということでございます。
  50. 広田一

    ○広田委員 ぜひとも積極的な取り組みを期待しています。  最後になりましたけれども、東京オリンピック・パラリンピックの関係等で、会計検査院が八千億円に上る指摘をいたしました、支出について。これについて、実際は、五千四百億円は経費としての算出は困難だった、こういったことが判明したわけであります。  こういったオリパラに便乗して予算をとろうとする、そういったやり方は非常に散見されるわけでございますけれども、これらのことが相次いでいるということ、そして、原因究明を含めて、再発防止策、これについても御所見をお伺いできればと思います。
  51. 岡村肇

    岡村参考人 先日、オリンピック・パラリンピックについての検査要請の報告を出させていただいたところでございます。  八千十一億円という数字を検査の結果として示させていただきましたけれども、あれは、各府省に対して調書という形で徴取いたしまして、その結果を集計させていただいたということでございます。  その後、政府におきまして、区分A、B、Cというふうな形で示されておりますので、またそれは今後、検査の中で確認をしてまいりたいと考えておりますし、確かに、便乗というようなことも可能性としては考えられるところでございますので、そのあたりについてもしっかりと目を光らせていきたいというふうに考えているところでございます。
  52. 高市早苗

    高市委員長 次に、宮本徹君。
  53. 宮本徹

    宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。  経済調査研究レビューの岡村さんのインタビューを読みました。国民の目線に即した検査を一段と強化することが求められると発言されておりますが、国民目線からはどういうことが求められているというふうに考えられているんでしょうか。
  54. 岡村肇

    岡村参考人 なかなか一概に申し上げることは難しいと思うのでございますけれども、まずは国会での御議論、これは国民の代表としての国会での御議論でございますので、これについては私ども常時注視させていただきまして、検査の中に生かすようにしているところでございます。  私ども、制度として、検査の要請をいただいて検査をするというような制度でございますけれども、そういう要請に至らないものについても、常時、国会での御議論を注視する中で、テーマを取り上げて検査をいたしまして、そういった報告をさせていただいているというような事例は数多くあるところでございます。  また、国民関心という点で一番強いと感じますのは、やはり社会保障に関する関心というのは引き続きずっと強いのではないかなと思っておりまして、その点、私どもの検査におきましても、社会保障というのはずっと重点的な分野として取り組んで、数多くの検査事例を出しているというところでございます。  また、この数年、東日本大震災、あるいは、二十四年でございましたか、笹子トンネルの崩落事故というようなものもございました。そういう社会インフラの老朽化というようなものと自然災害、両面から、国民生活の安全性の確保に関する関心も非常に高まっているというふうに考えているところでございまして、こうした面の検査も近年非常に力を入れて取り組んできているところでございます。
  55. 宮本徹

    宮本(徹)委員 国民は、税金の無駄遣いがないかと、やはり独立した組織として厳しく行政をチェックすることを私は求めているというふうに思います。  さきの通常国会で、森友学園問題にかかわって我が党は、航空局長と理財局長との意見交換概要を明らかにしました。その中で、検査院対応として、森友学園報告書原案に対して、総額を消すことが重要だ、金額よりもトン数の方がましとあります。そして、次長級折衝をもう一度行った後、第三局長との局長折衝も行っていきたいとある。  先ほどは何か、公文書で何か質問を発して返ってくるような話でしたけれども、折衝をやっているんですよね。  岡村さんは、この財務省、国交省との折衝にどうかかわってきたんでしょうか。
  56. 岡村肇

    岡村参考人 先ほど、公文書質問、回答のやりとりをするということを申し上げましたが、もちろん、そのほかにも検査対象機関との間で意見交換を重ねているというところでございます。それは、いろいろなレベルで、検査担当者から、今お話のありました次長あるいは局長、一般論で申せばいろいろなレベルで、そういう意見の交換、これは真摯な議論を積み重ねているということでございます。
  57. 宮本徹

    宮本(徹)委員 岡村さんは、それを全部報告は受けていたわけですか。
  58. 岡村肇

    岡村参考人 検査過程のことでございますけれども、全部、逐一というようなことではなくて、先ほど申しましたように、いろいろなレベルでいろいろな意見交換が常時積み重ねられているというのが実態であろうというふうに考えております。
  59. 宮本徹

    宮本(徹)委員 でき上がった報告書では、この意見交換概要にあるとおり、ごみ撤去費用の試算は金額ではなくごみの埋蔵量のトン数で表示されるということになったわけですね。これは圧力に屈したということなんじゃないんですか。
  60. 岡村肇

    岡村参考人 報告書に金額に関する記載がない、記述がないということの理由でございますけれども、これは、その根拠となる資料が必ずしも十分ではなく、会計検査院検査の結果として具体的に記述するに足りる信頼性のある金額を示すには至らなかったことによるものでございます。  そして、検査報告に掲記すべき内容につきましては、外部からの干渉を受けることなく、あくまで会計検査院の内部における数次にわたる審議、慎重な審議のもと、最終的には検査官会議の議決を経て自律的に決定しているところでございます。
  61. 宮本徹

    宮本(徹)委員 外部からの干渉を受けることなくということをおっしゃいますけれども、この意見交換概要を見たら、失点を最小限にするために、表現ぶり、書きぶりを改めさせるんだという話をしているわけですよね。  ですから、私は、これはまさに外からの不当な働きかけだったというふうに思いますが、そうは思われませんか。
  62. 岡村肇

    岡村参考人 先ほど申し上げましたように、会計検査院検査の結果として具体的に記述するに足る信頼性のある金額を示すに至らなかったということでございますが、例えば、処分費の単価ということがございました。二万二千五百円というような単価でございましたが、これがどのような条件下で提示された単価であるかなどを示す資料はなく、単価の詳細な内容について確認することはできなかったというふうに記述をしているところであります。  こういったような事情のもとで、先ほど申し上げましたように、会計検査院検査の結果として具体的に記述するに足る信頼性のある金額を示すには至らなかったという判断、これは、内部における数次の慎重な審議のもと、最終的には検査官会議の議決を経て自律的に決定したものでございます。
  63. 宮本徹

    宮本(徹)委員 いや、私が聞いたことは、国交省や財務省が失点を最小限にするためにということで書きぶりを改めよというのは、それはやり方としてはおかしいんじゃないですか。そういうことを各省庁がやることはどんどん、いいことですよという話なんですか。
  64. 岡村肇

    岡村参考人 検査対象機関との間では、先ほど申し上げましたように、意見交換を重ねているということでございます。その結果につきましては、先ほど申し上げましたように、検査院内部で慎重な審議の結果、自律的に決定しているということでございます。
  65. 宮本徹

    宮本(徹)委員 自律的に決定しているということを重ねられますけれども、森友検査チームの責任者のインタビューで、この金額というのは、それが一番の肝やからね、書かれたらダメージがでかいからということで、物すごくここは大事なところだというふうに考えられていたんだと思うんですよね。  そして、この森友検査チームの責任者インタビューで、上司の意見で書き直したというのはある、これはどこのことか触れてないですけれども、というのを言っておりますが、この金額を削れというのは上司からの指示だったんですか。
  66. 岡村肇

    岡村参考人 一般的に申しまして、検査担当者としては、価格の適正性について検査をするということになれば、それは価格というもので最終的に示したいということで検査に取り組んでいるということかと思います。  一方で、先ほど来申し上げておりますように、やはり金額を示すとなりますと、検査院検査の結果として具体的に記述するに足りる信頼性のある金額でなければならないということでございますので、その判断の結果、報告書が決定されたということでございます。
  67. 宮本徹

    宮本(徹)委員 国民の目線というのであれば、金額で示した方がはるかにわかりやすいということを言っておきたいというふうに思います。  最後に、会計検査院独立性について、今回のこういう内部文書も出てきたことによって疑念を抱かれている、国民から疑念を抱かれているということについての自覚と反省はありますか。
  68. 岡村肇

    岡村参考人 今回の検査につきましては、国民皆様からも批判的な目で見られているということはあろうかと思っております。  先ほど来申し上げておりますような、改ざんを見抜けなかったこともそうでございますけれども、もろもろの反省のもとに、改めて、内閣から独立した会計検査機関としての重要な職責を果たしてまいりたいということで一生懸命務めてまいりたいと思います。
  69. 宮本徹

    宮本(徹)委員 終わります。ありがとうございました。
  70. 高市早苗

    高市委員長 次に、遠藤敬君。
  71. 遠藤敬

    ○遠藤(敬)委員 もうお昼の十二時を過ぎてまいりましたけれども、日本維新の会の遠藤敬でございます。  先ほど来、各会派の委員より質問がありまして、同意人事の案件では、冒頭候補者以外、マスコミを、退室をしておりますよね。これは両筆頭、御存じですか。昔からなんですよね。なぜ、冒頭だけマスコミを入れて、出されるのか。院内放送されておりますけれども、ぜひ、委員長、こういったことも、できるだけオープンにするということも国会改革の一つであるのではないかと思いますので、ぜひそういったことも御検討いただきたいと思っております。理事会で協議してください。  それでは、岡村検査官候補者にお伺いいたします。  会計検査院国民関心の高い事項を積極的に取り上げるべきと考えております。とりわけ、今後増大する社会保障費検査について具体的にどのように取り組んでいきたいか、お考えをお伺いいたします。
  72. 岡村肇

    岡村参考人 御質問ありがとうございます。  社会保障費政府支出の相当の部分を占めております。国民関心も非常に高いことから、会計検査院も、従来から重点を置いて検査を行ってきたところでございます。  社会保障費検査に関しましては、保険料の徴収不足や保険の過大給付、補助金の過大交付といった事態を不当事項として毎年多数を指摘しておりますとともに、事業運営制度上の問題につきまして、意見表示、処置要求を行ってきております。  さらに、国会からの検査要請を受けまして、平成二十八年三月には、介護保険制度実施状況について取りまとめるなど、広く制度全般の状況についても検査実施してきているところでございます。  そして、三十年六月には、参議院から、待機児童解消、子どもの貧困対策等の子ども・子育て支援施策の実施状況について要請をいただいているところでございまして、検査を進めているところでございます。  仮に検査官に任ぜられるとするならば、引き続き、社会保障費について多角的な観点から検査実施してまいりたいと考えております。
  73. 遠藤敬

    ○遠藤(敬)委員 会計検査院は単に指摘をするだけではなく、それが予算編成執行事業にどう反映されたか、改善されたかといったフォローアップをしっかり行い、検査の実効性を高めていくというように考えますが、岡村候補者のお考えをお伺いいたします。
  74. 岡村肇

    岡村参考人 会計検査院では、検査におきまして不適切、不合理等とした会計経理の是正やその後の再発防止が確実に図られるなど、検査の結果が予算の編成、執行事業運営等に的確に反映され実効あるものとなるように、その後の是正改善等を継続的にフォローアップしているところでございます。  具体的には、まず、不当事項につきましては、その是正措置の状況を毎年度の検査報告に掲記しております。  意見を表示し又は処置を要求した事項につきましては、その後の処置状況検査いたしまして、要求等いたしました全ての処置がとられるまで、処置状況を毎年度の検査報告に掲記をしているところでございます。  会計検査院指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項につきましては、省庁等が講じた改善の処置が確実に履行されて初めて指摘が実効あるものとなるということから、改善の処置の履行状況を取りまとめて、毎年度の検査報告に掲記をしているところでございます。  その他の事項につきましても、その後の事態の推移を注視いたしまして、必要に応じて、再度、当該問題について検査を行い、検査報告に掲記してきたところでございます。  今後とも、引き続き、検査報告に掲記した事項等についてフォローアップ検査を行っていくことによりまして、検査成果の実効性の確保に努めていく必要があると考えているところでございます。
  75. 遠藤敬

    ○遠藤(敬)委員 予定時間も過ぎておりますので、最後の質問にさせていただきたいと思います。  国会との関係であります。  会計検査院は、国民の代表である国会との連携を強化していくべきと考えておりますが、会計検査院国会関係についてどのように認識をされているのか、最後にお伺いしたいと思います。
  76. 岡村肇

    岡村参考人 会計検査院は、内閣から独立した憲法上の機関として、国や国の出資法人等の会計検査し、検査の結果に基づき、検査報告作成して内閣を通じて国会報告するという重要な使命を課せられておりますので、国会との関係は極めて重要であると認識しております。  国会との関係につきましては、平成に入りまして大きな制度改正が行われ、その関係は非常に緊密なものとなってきております。  まず、平成九年の国会法改正によりまして、会計検査院に対する検査要請の制度が設けられております。検査要請の実績はこれまで四十三件に上っておりますが、この検査要請に係る検査におきましては、国会における審査又は調査に資するものとなるよう、要請の趣旨を十分に踏まえて、必要な調査内容を盛り込むなどして、的確な検査実施に努めてまいりました。  また、国会での決算の早期審査、予算への反映のため、検査報告国会提出の早期化が望まれましたことから、平成十五年度決算から、十一月上旬に検査報告内閣に送付するよう、早期化を図ったところでございます。  さらに、平成十七年の会計検査院法改正によりまして、随時報告制度が設けられております。国会における審議の充実に資するため、毎年度の決算検査報告とは別に、会計検査院が必要と認める事項について、随時、国会及び内閣報告することができるとされたものでございますが、十八年に初めて随時報告をして以来、これまで百十四件の報告をしております。  このほか、国会における審議の状況に常に注意を払い、これを十分に踏まえて検査実施することが何より重要と考えておりまして、今後とも、国会との連携を密に会計検査を行ってまいりたいと考えております。
  77. 遠藤敬

    ○遠藤(敬)委員 終わります。
  78. 高市早苗

    高市委員長 これにて各会派を代表する委員質疑は終了いたしました。  これより自由質疑を行います。  質疑される方は、挙手の上、委員長の許可を得て発言されるようお願いいたします。  また、発言の際は、所属会派及び氏名をお述べいただき、一人一問一分以内としていただきますようお願いいたします。  それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
  79. 武内則男

    ○武内委員 御質問機会をいただきましてありがとうございます。  検査官の方に一点だけお伺いしたい。  立憲民主党の武内則男です。よろしくお願いいたします。  私、地方自治体で土木の技術職員として会計検査を受けたことがあります。検査指摘内容によっては、現場職員の処分から自治体の長の処分にまで行きます。それだけの緊張感を持って、自治体職員は必死になって職務に励んでいますが、今回の森友をめぐる会計検査院指摘、それにおける内閣の対応、これを見たときに、地方自治体の職員、全国の自治体の職員からは、今後の会計検査院の動向というものを非常に注目しております。  そうした全国から注目をされているという自覚を持って、その任務、役割を果たしていくべきと考えますが、検査官の御所見をお伺いいたします。
  80. 岡村肇

    岡村参考人 私どもも、地方自治体の検査、これは仕事の中で大きな割合を占めているものでございまして、自治体の職員の方に御協力をいただきながら、補助金検査を中心としましてやらせていただいているということでございます。  今お話がございましたような声がおありになるということ、これも肝に銘じまして今後の検査に当たってまいりたいというふうに考えているところでございます。
  81. 宮本徹

    宮本(徹)委員 話題をかえます。  防衛省の予算が、安倍政権のもとで後年度負担がどんどんどんどんふえて、民主党政権のときに三・一兆円だったものが、今度の概算要求で五・三兆円ということにまでなっております。そして、中期防の見積り、立てたときの見積りよりも兵器の単価も大きく上がって購入しているという状況もありますが、私も財政民主主義上も大変危惧をしておるところです。  会計検査院として、防衛費の検査に当たっての問題意識についてお伺いしたいと思います。
  82. 岡村肇

    岡村参考人 防衛費の検査については私どもも非常に重視をして取り組んできているところでございます。  防衛の検査におきましては、防衛秘密にかかわる検査ということもございますし、それから、市場価格のない調達がほとんどであるという問題がございます。あるいは、履行完了までに長期間を要するというようなものもございます。  それから、FMSにつきまして、納入のおくれですとか価格の問題が提起をされたりしておりまして、何度か検査に取り組んだこともございます。これは現在検査要請をいただいておりまして、取り組んでいるところでございます。  いろいろな点に注意していく分野だというふうに考えておりますので、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
  83. 川内博史

    川内委員 立憲民主党川内です。ありがとうございます。  先ほどの私の質問に対して、岡村さんは、森友学園の問題について再び調査をしているという言葉を使われました。適正な値段で売却されたのか、なぜ改ざんが起きたのか、誰が何をしたのかということについて、一つ一つ事実を特定するためには検査をきちんと、再検査を、私はしているという認識でいたんですが、先ほど調査という言葉を使われました。これは、検査院法をきちんと駆使して資料要求などを行う再検査をしている、そしてその報告をするという理解でよろしいかということを改めて明確に御答弁いただきたいというふうに思います。
  84. 岡村肇

    岡村参考人 失礼いたしました。  調査と申し上げたかもしれませんが、検査対象機関に対しては検査をしているということでございます。
  85. 高市早苗

    高市委員長 他に御質疑はございませんか。  御質疑がないようですので、これにて岡村参考人所信に対する質疑は終了いたしました。  岡村参考人、ありがとうございました。どうぞ御退席ください。  以上をもちまして検査官候補者からの所信聴取及び所信に対する質疑は終了いたしました。     —————————————
  86. 高市早苗

    高市委員長 次に、次回の本会議の件についてでありますが、次回の本会議は、明十五日木曜日午後一時から開会することといたします。  また、同日午前十一時理事会、正午から委員会を開会いたします。  この際、休憩いたします。     午後零時十五分休憩      ————◇—————     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕