運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2018-03-19 第196回国会 参議院 予算委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成三十年三月十九日(月曜日)    午前八時五十八分開会     ─────────────    委員の異動  三月十六日     辞任         補欠選任      杉尾 秀哉君     伊藤 孝恵君      白  眞勲君     石橋 通宏君      三浦 信祐君     矢倉 克夫君      武田 良介君     小池  晃君      片山 大介君     清水 貴之君      川田 龍平君     江崎  孝君  三月十九日     辞任         補欠選任      佐藤  啓君     平野 達男君      松川 るい君     中西  哲君      伊藤 孝恵君     浜口  誠君      大野 元裕君     矢田わか子君      江崎  孝君     福山 哲郎君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         金子原二郎君     理 事                 石井 準一君                 宇都 隆史君                 高野光二郎君                 二之湯武史君                 丸川 珠代君                 川合 孝典君                 難波 奨二君                 横山 信一君                 辰巳孝太郎君     委 員                 青山 繁晴君                 朝日健太郎君                 有村 治子君                 上野 通子君                 太田 房江君                 こやり隆史君                 島田 三郎君                 滝沢  求君                 中泉 松司君                 中西  哲君                 中野 正志君                 平野 達男君                 舞立 昇治君                 松川 るい君                 元榮太一郎君                 山田  宏君                 吉川ゆうみ君                 和田 政宗君                 渡邉 美樹君                 伊藤 孝恵君                 石橋 通宏君                 大島九州男君                 大野 元裕君                 小西 洋之君                 浜口  誠君                 藤田 幸久君                 矢田わか子君                 熊野 正士君                 杉  久武君                 竹内 真二君                 矢倉 克夫君                 小池  晃君                 大門実紀史君                 浅田  均君                 清水 貴之君                 福島みずほ君                 江崎  孝君                 福山 哲郎君                薬師寺みちよ君    国務大臣        内閣総理大臣   安倍 晋三君        財務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣(金融)        )        麻生 太郎君        外務大臣     河野 太郎君        文部科学大臣        国務大臣     林  芳正君        農林水産大臣   齋藤  健君        国土交通大臣        国務大臣     石井 啓一君        国務大臣        (内閣官房長官) 菅  義偉君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣規制改        革、地方創生)        )        梶山 弘志君    副大臣        内閣府副大臣   田中 良生君        財務大臣   うえの賢一郎君         ─────        会計検査院長   河戸 光彦君         ─────    事務局側        常任委員会専門        員        小野 亮治君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       原  邦彰君        内閣官房内閣人        事局人事政策統        括官       植田  浩君        内閣大臣官房        審議官      田中愛智朗君        総務省行政管理        局長       山下 哲夫君        法務省刑事局長  辻  裕教君        外務省中東アフ        リカ局長     岡   浩君        外務省国際協力        局長       梨田 和也君        財務大臣官房長  矢野 康治君        財務省理財局長  太田  充君        文部科学省初等        中等教育局長   高橋 道和君        国土交通省航空        局長       蝦名 邦晴君    説明員        会計検査院事務        総局第三局長   戸田 直行君    参考人        独立行政法人国        立公文書館長   加藤 丈夫君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○平成三十年度一般会計予算内閣提出衆議院  送付) ○平成三十年度特別会計予算内閣提出衆議院  送付) ○平成三十年度政府関係機関予算内閣提出、衆  議院送付) ○委嘱審査に関する件     ─────────────
  2. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成三十年度総予算案審査のため、本日の委員会独立行政法人国立公文書館長加藤丈夫君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 平成三十年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。  本日は、公文書管理行政在り方等に関する集中審議を行うこととし、質疑往復方式で行い、質疑割当て時間は四百十四分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党こころ八十二分、民進党・新緑風会九十五分、公明党六十分、日本共産党六十分、日本維新の会四十五分、希望の会(自由・社民)二十四分、立憲民主党二十四分、無所属クラブ二十四分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。     ─────────────
  5. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 平成三十年度一般会計予算平成三十年度特別会計予算平成三十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、公文書管理行政在り方等に関する集中審議を行います。  これより質疑を行います。青山繁晴君。
  6. 青山繁晴

    青山繁晴君 皆様、おはようございます。自由民主党こころ青山繁晴です。党利党略のためでなく、ただ国益のためにこそ質問いたしますので、よろしくお願いいたします。  まず、財務省理財局長にお尋ねしたいと思います。  昨年十一月のことです。森友事件での国有地取引をめぐって、会計検査院の報告が出されました。それを受けた予算委員会質問することになり、私は初めて財務省ルールどおり質問通告をいたしました。  議員会館の部屋にやってきた理財局幹部方々は、私が何かを言う前に、ある意味言わば慣れた動作で一枚の紙を私にお渡しになりました。それを見ますと、全体のイメージというタイトルが付いておりまして、私は理財局方々にこれは何ですかとお尋ねをいたしました。つまり、イメージという言葉できれいに飾ってあるけれども、書いてある中身質問項目です。  私はまだ一回生ですけれども、そのとき質問が十一回目であったと思いますから、質問通告というのを何度もやってきて、いろんな省庁に通告いたしましたが、役所の方から勝手に質問を作ってきたというのは全く財務省が初めてです。今回の問題の淵源の一つはここにあるのではないかと思い、冒頭にこれをお尋ねするのであります。  つまり、あえて申しますが、私は政治献金を一円も受け取らず、陳情を受け付けません。しかし、通常陳情を受け付けるのが国会議員方々の大切な仕事でありますから、当然それは予算措置を伴うものであって、それに財務省が言わば独占的に権限を行使するうちに、国会議員といえども、国民から選ばれたといえども、実際は財務省の言うことを聞かないと陳情の処理もできないということで、おごり高ぶる体質ができてきて、今回の偽造公文書を平然と国会に出してくる、国民の前にもお示ししたということになったのではないかと推察するんですが、率直なお考え、お聞きしたいです。理財局長、お願いします。
  7. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  今ほどの委員の御指摘でございますが、国会論議というものは、今委員からおっしゃったように、国民の代表たる国会議員皆様方論議でございますので、我々からすれば大変重いものだというふうに本当に思っております。であるからこそ、国会答弁については大変責任が重いと思っていますし、正直に申し上げれば、物すごく緊張するものであります。  その上で、今ほどその財務省がということでお話をいただきましたが、ある意味で、財務省予算を提出する責任があります。予算を提出すれば、通常国会で、一月の終わりから年度内成立だとしても三月までこうやって総理大臣も御出席いただいて審議をいただくということでございますし、税制改正で、例えば大きい税制改正、前回でいいますと、前の政権ではございますが、消費税を五%から八%、一〇%に上げるという法律は、社会保障と税の一体改革特別委員会という委員会で大変長時間御審議をいただきました。  そういう意味で、財務省は、出すものについて国会で相当御審議をいただかないといけないものであって、そういう意味で、国会が重いものだと、すごく大事なものだというのは、物すごくそういうふうに思っているということだけは御理解を頂戴いたしたいというふうに思います。
  8. 青山繁晴

    青山繁晴君 国会審議が重いものだというところまでは私も今耳を傾けておりましたけれども、それが祖国や国民のためというよりは、財務省のためになっているという面があったんではないでしょうか。私に一枚紙を渡されて、私がこれは何ですかとお聞きしたときの理財局幹部方々のあのぽかんとした表情、つまり、そんなことを何で聞くのかと、これが普通だという姿勢が表れていました。  したがって、もうこの件はこれ以上答弁求めませんけれども、国会は当然大事に思っているという通り一遍の話で済むような事件では今回ではないということを踏まえて、この後も私たちの、与野党問わず、質問に答えていただきたいと思います。  さて、今日は集中審議ですから官房長官いらっしゃらないんですけれども、菅官房長官におかれては先般の記者会見で、記者質問で、改ざんなのか書換えなのかという質問があったときに官房長官は、主文書き換えられたのではない、いや、変えられたのではないから、改ざんではなく書換えだと思うという趣旨をおっしゃいました。  今回、ようやく財務省から書換えを認めて国会に提出された文書を見ますと、官房長官に僕はあえて確認しておりません、したがって推測の上ですけれども、官房長官主文とおっしゃったのは、紙でいうと多分これなんですよね。これ、十四種類あるんですが、全部一枚紙です。なおかつ、これは予算委員会には正式に提出されたものではないです。野党のPTを始め、そこから国会の側にも示されていったんですけれども、予算委員会にはこれは出されていないんですね。  これは、例えばタイトルというのは、普通財産決議書と書いてあったり近畿財務局決裁書と書いてあって、これ、役所ではいわゆる鑑と言っているやつですね。一般にはなじみ薄いですけれども、鑑というのはかねへんに監督の監ですね。だから、これは文書表紙にもなり、これ、例えばこの一枚目の普通財産決議書を見ますと、今回の相手先森友学園理事長籠池康博氏であることやあるい土地取引の金額、つまり契約の主たることがここに書いてあります。  それ以外に予算委員会に正式に出されたものがこちらであって、これは財務省付けタイトルが「決裁文書書き換えの状況」となっておりまして、これは要は、この決裁書主文ではなくて調書です。調書というのは、取調べや何かでも調書と言ったりしますけれども、要するに契約に至る経緯を示したものですね。  それで、これ調べますと、まあ当たり前のこととはいいながら、この契約本体契約本体については書き換えられていません。つまり、官房長官があえて主文とおっしゃったんでしょうが、契約そのものがごまかしたりごまかされたり改ざんされたりしたわけではなくて、調書、つまり経緯について書き換えたということが事実ではないかと思いますけれども、ここは理財局長、いかがでしょうか。済みません。
  9. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  決裁文書の、何といいますか、例えば貸付け契約、あるいは売払いの契約、あるい特例承認契約そのもの自体がその書換え前と書換え後で違っているかといえば、そうではないというのは委員のおっしゃるとおりであります。  ただ、調書というのは、鑑の後ろに付いているものですが、極めて重要な部分でございますので、調書書き換えたということは決裁文書書き換えたことにならないかといえば、そういうことではなくて、調書書き換えたということは決裁文書書き換えた、それだけ重いことをしてしまったということだというふうに認識をしております。
  10. 青山繁晴

    青山繁晴君 その上で、ここから先が言わば今回の奇っ怪な、不可思議な経緯でありまして、といいますのは、財務省にとって、あるい財務省とその周辺にとって都合が悪いから後で削ったり書き換えたりしたであろうということは容易に推察できるわけです。つまり、調書には都合の悪い部分が含まれていたと考えるのが当然客観的なことです。ところが、それを一旦決裁しているわけですね。  この決裁文書の鑑である表紙を見ますと、たくさん判こが押してあって、今、理財局長がお認めになったように、この鑑の下に調書もたっぷり付いているわけですから、その調書もまさか見ないで判こを押したということは想像しにくいですから、その調書を見た上で一旦決裁しているわけですね。  その一旦決裁したものを、今度は決裁判こが全部押されてからその後に削る、これは余りにも前代未聞理解が難しい経緯なんですけれども、まず元に戻って、削ったということは、財務省その他にとって都合の悪いことがあったから削った、あるい書き換えた、言い方によってはもちろん改ざんしたと言ってもいいですね。そこに決裁判こを全て押したのはなぜですか。理財局長、お願いします。
  11. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  決裁判こを押したというのは、貸付けなりあるいは売払いをしたとき、平成二十七年なり二十八年のときに、それでいいということで決裁判こを押したということであります。その決裁の最初の判この鑑をそのままにして、その後ろ調書を差し替えるということをやったのは平成二十九年の二月下旬から四月にかけてということでございまして、要すれば、決裁を押したときの貸付けなり売払いのことについて了解をした上で、二十九年の二月下旬から四月にかけてということは、要するに国会審議との関係、もう少し丁寧に申し上げさせていただきますと、書換え内容を反映するか、書換え内容の文言を見る限りで見ますと、それまでの二月から三月にかけての国会での答弁誤解を受けることのないようにということで、そういう観点、そういう考え方をもって調書というものを差し替えていると、そういうことでございます。  大変申し訳ないことであり、深くおわびを申し上げなければ、何度おわび申し上げても許していただけないと思いますが、そういうことでございます。
  12. 青山繁晴

    青山繁晴君 太田理財局長、恐縮ながら、ちょっと答弁が、済みません、きつい表現で、先走っています。  今僕がお聞きしているのは、この元の調書決裁判こをたくさんの責任者が押しているんですよね。与党質問ですからやっぱり誤解を受けやすいと思うんですけれども、でも、客観的に文書を何度も読み込んでみると、これ、調書作ったときには、政治家の名前も出てくるし、あるい籠池理事長がおっしゃった安倍昭恵夫人の言葉なるものも引用で出てきますよね。でも、それでも構わない、問題ないと思って決裁判こ押しているわけですよね。それ普通に考えたら、この契約に影響がなかったからこの調書でよいと思って決裁判こ押したんじゃないんですか。
  13. 太田充

    政府参考人太田充君) 済みません。おっしゃっている意味は了解いたしました。  その上でですが、要するに、決裁文書について経緯も含めてそれでいいと思っているから判こ押している、了解しているということであります。逆に言えば、委員のおっしゃりたいことはよく分かりました。要すれば、ある意味での不当な働きかけがあって、それでということではないというふうには理解していると。そうであればこういうふうな決裁文書は作らないと思いますので、そういう意味で、そこをその経緯も含めて全て見た上で決裁としては了としていると、そういうことだろうと思います。
  14. 青山繁晴

    青山繁晴君 これも理財局長におかれては、はっきり言って勝手に解釈しないでほしいんですが、だから問題ないと言っているんじゃなくて、そうやって決裁したものをですよ、佐川理財局長答弁があったというだけで、明らかに犯罪ですよね、これ、公文書偽造ですから、一旦決裁された公文書をいかなる理由があっても勝手に変えるということは。これは、実はこの後はもちろん司法に任せなきゃいけません。司法がどう判断するかでありますけれども、一般的に考えると偽造で、犯罪であることに気が付かない国家公務員は多分いらっしゃらないと思います。それを、言わば全ての責をかぶるように、わざわざ決裁後の文書改ざん書換えるいは削除を加えるというのは、ここでさっき理財局長がさきに答弁なさった佐川答弁云々になるんですけれども、しかし、もう一度申します、前代未聞の、まあ憲政史上初めてとは言いませんけれども、恐らく大規模に表に出てきたのは実は初めてのようなことを一人の局長答弁に合わせるためにみんなでやるんですか。そんなこと僕はあり得ないと思います。  したがって、その決裁判こを押したときには、調書中身後ろ指を指されることはないと思って押したわけでしょう。それが何で自ら削らなきゃいけなかったのか。その佐川さんの答弁というだけでは説明にならないので、そこをもう一度、理財局長のお考え、まずは聞かせてください。
  15. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  今ほどおっしゃられている大変申し訳ないことをした時期は、平成二十九年の二月下旬から四月にかけて、要すれば国会審議をしてその過程答弁をして、その答弁誤解を生じさせないようにというふうに申し上げました。冒頭委員から御質問がいただいて、難しい質問だったと思っているんですが、私は国会での答弁大変責任が重いし、物すごく緊張しているというふうに正直に申し上げました。人の心の中を全部のぞき切ることは難しいのかもしれませんが、同じ理財局長をして思うに、前局長もそうだったろうと思います。  ただ、その話が、そのことが、それをもって決裁文書書き換えるという方向に進んだのはそれはもう全然方向が間違っているので、そういう意味では私は理解できないのですが、やっぱり国会審議を物すごくある意味では重く思っている、それについての対応が物すごく間違った方向に行ってしまっていると、そういうことだと思っております。
  16. 青山繁晴

    青山繁晴君 国会での答弁国会審議を大事にしていると繰り返しおっしゃっているのは理解したいんですよ。でも、今改めて問題にされている佐川当時の理財局長答弁を、僕は予算委員ですから終始一貫その端っこで間近に聞いておりました。そのときに、例えば価格交渉がなかった、あるい文書は基本的に全部捨てた、これで大丈夫かということを正直、自由民主党の一員としても思いました。  これも残念ながら推測ではありますけれども、あの場で現役の理財局長がこの調書に書いてあるようなこと、例えば政治家から、まあ政治家って実際には秘書さんですけれども、秘書さんからこういう話があったとか、籠池理事長総理夫人についてこういうことを言っていたとかいうことを踏まえた上で、そういうことは影響されない、この調書を読むと、例えばどんな契約を結んでも結局は大阪府知事が認可しないと全部駄目だということも書いてあって、そこは書き換えられずに残っているわけですよ。  だから、今申した政治家とかあるい総理夫人とか、そういう話を理財局長がここで答弁すると国会が紛糾して、特に野党方々から激しい追及受けて物すごい困ったことになるから、だから木で鼻をくくるような答弁にしたんではないかと。これ、とても僕の個人的な推測とは思えないんですよ。健全な常識で考えたら、今回の奇っ怪な事件も、実は根っこにあるのは、ある意味何でもないそういう国会軽視、つまり、騒がない国会、燃えない国会、淡々と終わればいいんだと。それはしかし正常な議論じゃないんですよ、それは。  冒頭申し上げたことは単なるエピソードで申し上げたんじゃなくて、国会審議というのは利害関係のためにやるんじゃなくて国益のためにとことん話し合うことをいうわけですから、そうすると、例えば理財局政治家からそういう、秘書さんであっても、働きかけがあったことをどう考えるかは言ってもいいじゃないですか。堂々と与野党共に議論すればいいじゃないですか。それを国会軽視と言っているんであって、それが今回のこの奇っ怪な行動の背景になっているんじゃないかということをお聞きしているんです。いかがでしょうか。
  17. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  委員の御指摘はよく分かりました。基本的なラインとしておっしゃるとおりだというふうに私も思います。  冒頭で、国会審議云々責任が重くてと申し上げました。それは委員のおっしゃるとおりで、国会審議は、国会審議は、波風立たなくて審議が終わるということが本来のことではないので、おっしゃるとおり、事実関係を、苦しくても事実はきちんと説明した上で、それについてちゃんと御説明申し上げる。基本的に、いろんなこの過程や、秋以降、音声データなりいろんなものがありましたけれども、それについても基本的にお答えしようと思って、お答えをしようと、十分ではなかったと思いますが、しようとしてきたつもりです。  基本的には、お答えをするのはやはりなかなか容易ではないし、簡単に御理解が得られるとは思いませんが、理解が得られない中でもきちんと説明をして、それに対して、違うという御批判を受けて議論を深めるというのが国会の役割だと思いますので、それは委員のおっしゃっているとおりだと本当に思います。
  18. 青山繁晴

    青山繁晴君 麻生大臣、済みません、この部分大臣にお聞きすると明確に通告はしておりませんが、全体の通告してありますからこれも御承知だと思います。  今僕が申し上げた今回の奇っ怪な決裁後の書換え改ざん、削除という背景に、大臣が主導しておられる財務省国会審議というものをそもそも軽視、単なる軽視というよりは勘違いしていて、その場で乗り切ればいいというふうに思い込んできたんじゃないか、その背景には私たち国会議員責任もあるというふうに今全体お聞きしたつもりです。  麻生大臣の率直なお考え、できましたら。
  19. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 今理財局長から答弁を申し上げましたが、財務省の職員にとりましても、やはり、少なくとも法案を出すに当たりましては、まずは部会だ、与党の部会だ、政調会だ、総務会だ、いろんなものを経て、そして国会で今度は野党方々の御質問等々を受けるというのに対してきちんと対応をしていかねばならぬということに関しましては、これは間違いなく、毎年の予算に限らず、法案、税制等々の体制の問題に限らず、これは我々所管をいたしております立場といたしましても、ここの答弁をいかにというのは最も大事なところの一つですが、それに当たりましての元の元は、やっぱりこれが、でき上がった法案は確実に施行されて、それによって、国民がそれによって被害を、利害を直接受けることになりますんで、そういう意味では極めて緊張感のある答弁を誠意を持ってしているというところで、これはもう極めて大きな要素であろうと思いますんで、二月、三月、この予算審議、それに関係いたしますいわゆる期限切れ、日切れの法案等々の審議に関しましては、これは日程も極めて限られておりますんで、極めて慎重かつ真剣な、真摯に対応していると思っております。
  20. 青山繁晴

    青山繁晴君 あえて麻生大臣にもう一度お尋ねしたいんですけれども、この書換え改ざん、削除される前の調書を、この今、さっき申しました鑑を付けて、そのままこの予算委員会に普通に出していて、あらかじめ出して、その上で与野党共質疑をしていれば、さっきの日切れ法案の問題とかあっても、むしろこういう異常な国会運営にならなかったんじゃないかと思うんです。だから、最初からお出しになった方がよかったんではないかと思うんですが、そこはいかがでしょうか。
  21. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 私も、全文、その後の文書を両方とも比較させていただきましたけれども、何でこれを書き換えることにしたのかがちょっと私にも理解ができないというところで、別に前に出しておいてもらった方がよかったんではないかというのは率直な私自身の感想ではあります。
  22. 青山繁晴

    青山繁晴君 じゃ、ここで総理にお伺いしたいと思います。  総理にあらかじめ申さずに今までの質問で昭恵夫人の名前もあえて出しましたけれども、この調書を繰り返して読みますと、財務省は言わば解釈を加えていないんですけれども、調書全体で言おうとしているのは、この籠池理事長という交渉相手が、昭恵夫人であったりあるい政治家であったり、そういう存在を利用して迫ってきたんだと。そういう解釈書いていないですよ。でも、影響を受けたとも書いていないんですけれども、全体読むと、籠池理事長はそういうタフネゴシエーターとして、昭恵夫人のお名前まで、あるいは言動まで利用したというふうにもうかがえるんですが、総理はこの調書を全体改めてお読みになったと思いますけれども、そういう辺り、いかがお考えでしょうか。
  23. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) まず、今回の決裁文書書換え問題によって行政全体に対する国民の信頼を揺るがす事態になっていることに対しまして、行政府の長として責任を痛感しております。行政全体に対する最終的な責任総理大臣たる私にあります。改めて国民皆様におわびを申し上げたいと、こう思っております。  その上で御質問お答えをいたしますと、書換え前のこの文書を見て、私や私の妻が国有地の払下げや学校の認可に関与した事実はなく、私や私の妻が関わったことにならないことは明らかだと、このように思っております。  書換え前の文書で私の妻に言及している箇所について、例えば産経新聞のウエブに出ているものについては、既に公開されているものについて引用したものであります。また、前に進めてくださいとの箇所についても、これは私の妻が言ったと書いてあるのではなくて、これは籠池氏の発言が書かれたものであります。  決裁文書書換えについて私は全く指示もしておりませんし、そもそも理財局内や財務局内の決裁文書など、私はその存在すらも知りません。指示のしようがないわけであります。  私の二月十七日の答弁は、私も妻も一切この認可にも国有地の払下げにも関係ないというものでありまして、書換え前の貸付けに係る特例承認決裁文書に、土地を見に行ったとか講演をしたとか書いてありますが、書換えがなされたとされる二月下旬から四月には、既に妻が名誉校長でありまして、講演に行ったことあるいは学校建設予定地に行ったことは言わば既に知られていたことであり、国会でも議論になっていました。二月十七日の一切関係ないという答弁をひっくり返すような記述では全くないということは申し上げておきたいと思います。  決裁文書書換えが行われた目的やあるい経緯等については財務省において引き続き調査が行われているところでありますが、書換え前の文書を見ても、私の妻について書かれた記述は書換え全体の中のごく一部にすぎず、政治家からの問合せやさらにそれ以外の詳細に記載されていた経緯部分についてはほぼ全て削除されていることであります。しかも、貸付けに係る特例承認決裁文書だけではなくて、私の妻が出てこない貸付けに係る決裁文書経緯部分についても同様にほぼ全てが削除されているわけであります。そういうことから、私の妻の記述かどうかにかかわりなく削除されたものと思われるということはまず指摘をしておきたいと、こう思う次第でございますが。  この今の御下問でございますが、いずれにせよ、私の妻が一時名誉校長を務めていたということにおいて国民皆様から疑念の目が向けられることは当然のことであろうと、こう思うわけでございまして、今後は、妻もこうした名誉職を、一部のものを除いて、ほぼ全て辞退をさせていただくということにしておるところでございます。
  24. 青山繁晴

    青山繁晴君 今総理がお触れになった調書の中の引用部分には、これは野党方々からも御指摘ありましたけれども、安倍昭恵の倍の字が間違っていたり、あるいはほかの議員の名前も間違っていたりする部分もありました。したがって、契約に重大な影響があったという認識で引用したり記述したのではなくて、こういうことが多々ありましたと、相手はタフでありましたという、要は言い訳を並べてあるような調書だということも、実は、これは与党がどうのこうのじゃなくて、客観的に読めば誰でもお分かりになることではないかと思います。  それを、しかし、もう少し踏み込んで正確に言えば、たかがそのような省内の言い訳のために、これ省内の言い訳ですよね、つまり決裁を受けるときのですね、そのために間違った引用もしたり、国会審議だけじゃなくて公文書の存在自体が極めて重いものですから、適当な引用をしたり、あるいは影響なかったことを何の理由もなく書き込んだりされたら困るんですよ。それを、さらに、やってしまった後で、自分で、犯罪事実にも当たるおそれを犯して、書換え改ざん、削除するというのは大きな、大きな問題であって……(発言する者あり)
  25. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 御静粛に。御静粛に。
  26. 青山繁晴

    青山繁晴君 じゃ、これからどうするかということも考えねばならないと思います。  これからどうするかということについてまずお聞きしたいのは、これ公文書に係る集中審議でありますから、直接的にまず公文書管理法、これ実は罰則がないこと自体、僕は以前から不可思議に思っていましたけれども、今回、この災いを生かすために、不幸な事態を生かすために、この際、総理の指導力を発揮されて公文書管理法に罰則を入れることを、これ、もちろん国会が決めることですけれども、最終的には行政としてもお考えになってはいかがでしょうか。総理、お願いします。
  27. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 公文書に関しては、刑法において、公務所で用いる文書又は電磁的記録を毀棄した者を罰する公文書等毀棄罪、公務員がその職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は文書若しくは図画を変造することを罰する虚偽公文書作成罪が既に規定されているところであります。  また、不適切な公文書管理を行った職員については、国家公務員法に基づき事案によっては懲戒処分が行われることもあるところであることから、公文書管理法において改めて罰則を規定することとはされていないものと承知をしております。  他方、こうした中で、現に今回のような事案が発生してしまったことも事実でありまして、現在、国民皆様から厳しい目が向けられていることを真摯に受け止め、なぜこんなことが起きたのか、全容を解明するため調査を進めているところであります。また、検察による捜査も行われています。  今後、捜査、調査状況等も踏まえながら、政府全体として、再発防止のために何をなすべきか、御指摘の点なども参考にしながら、よく検討し、できることから実行し、徹底してまいりたいと思います。
  28. 青山繁晴

    青山繁晴君 今総理がおっしゃった現状はおっしゃるとおりです。二重罰を避けるという意味合いも恐らくあるんだろうと思いますけれども、これも総理がおっしゃったとおり、しかし、決裁後の文書をこんなに大規模に書換え改ざん、削除するということが行われたということは、やっぱり公文書管理法そのものに罰則がないので、どうしても意識が希薄になることではないかと思います。是非、総理の答弁の後段にありましたように、積極的に御検討願いたいと思います。  麻生大臣に、財務省そのものについてお聞きします。  自らを省みられて、この際、歳入と歳出を独占しているということを切り離してはいかがでしょうか。
  29. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 歳入と歳出を切り離すという、いわゆる税収、税外収入、それから国債収入など、これ、歳入面というものを一体的に図りつつ、いわゆる歳出面の調整を行うということは困難ということになるんだと思っておる、別にするということは。そういう意味で、やっぱり適切な財政運営を行うためには、これは歳入と歳出は一体で行う必要があろうというのは、これは私どもそのように思っております。  したがって、G7の各国見ましても、アメリカが歳入庁だか歳入局だか何かにしていると思いましたけれども、ここは御存じのように、ここのところ数年間、えらい毎年、国立公文書館が閉鎖になってみたり、国立公園が閉鎖になってみたり、毎年そういったことがここのところ数年起きておりますが、そういったようなことになるというのが現実でもあろうと思いますので、今の段階で歳入歳出を分離するというのはいかがなものかというのが率直な実感です。
  30. 青山繁晴

    青山繁晴君 その歳入と歳出が一体であった方がいいというお話は、もう延々と財務省、大蔵省の時代から言われてきたわけですけれども、僣越ながら申しますが、いかなる制度にもメリットとデメリットがあるのであって、切り離したら全部うまくいくと私も今申しておりません。当然それなりのデメリットも出るから、その対処は必要になると思いますけれども、しかし、今回の問題がこのまま言わば終わって、財務省が旧来のままだというのでは、まず主権者がとても納得されないと思います。  その上で、大臣のお考えは今お聞きしましたので、総理にお聞きしたいんですけれども、この歳入と歳出を切り離すという話は、ずっと以前から、歳入庁をつくってはどうかと、今大臣からアメリカの話もありましたけれども、ただ、これ、今まで語られてきた歳入庁というのは、例えば税金を徴収すること、それから年金の保険料をいただくこと、そういうことを、国民からいただくのは同じだから、これは全部一緒にしたらいいんじゃないかというふうにむしろ語られてきたと思うんですね、主な考えは。しかし、実際にはそれでいわゆるシナジー効果、一緒にしたから全部うまくいくと、個人的にもとても、これは経済記者の時代から思えないんです。それは、税金と保険料は全く違いますし。  したがって、今日この不祥事を受けて御提案したいのは、これは総理にお答え願いたいんですけれども、かつて社会保険庁があり、言わば今は実質民間に委託した形になっている保険料を一緒にするんじゃなくて、税だけを切り離して、税を集めること、そして国税庁の査察部のように税が適切に払われているかということも調べる。これ、実はこの査察の権限というのは財務省の隠れた大きな力になっていますよね。これは、もうはっきり申せば、一部の政治家やあるいは民間に対してもこれは大きな発言権になっている。うわさだけが独り歩きしている面もありますけれども、しかし、僕は記者時代の取材のときに、国税あるいは大本の財務省、旧大蔵省がその力を言わば自ら持っていることを意識しているということが分かったときもあります。  何を申しているかというと、税を切り離して、税の部分だけ切り離して、税に特化して税管理庁というものをつくり、それを財務省から離して内閣府などに置くというのはいかがでしょうか。総理、お願いします。
  31. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 委員からお話がございました。  委員からお話があった組織の見直しについては、今委員から言われたのとは正確には同じものではございませんが、既に政府の検討チームでこれまでも議論がなされたところでありますし、それぞれこれ難しい面があるものと承知をしておりますが、その御趣旨は、それほどまでに国民皆様から財務省に向けられた目が厳しいということだろうと、こう思っております。  財務大臣には、今回の問題の全容を明らかにするためしっかりと調査を進め、二度とこうしたことが起きることのないように、信頼の回復に向けて全力を挙げて取り組んでもらいたいと考えております。
  32. 青山繁晴

    青山繁晴君 この歳入庁の提案が幾ら言っても聞く耳持たれない、そして実際には水面下で財務省はこういう話が出ないようにずっと運動も続けているという国民が必ずしも御存じない事実もありますから、こういう不幸な事態を引き起こした責任について、総理も責任をおっしゃいましたから、その責任を具体的に果たすためにも今回だけは是非実行していただきたいと考えています。  集中審議でありますけれども、この国会審議が混乱もしている中にあっても、一方で憲法をめぐる論議というのも実は粛々と行われています。私の持ち時間の最後に、そこのところ一点だけ総理にお尋ねしたいと思います。  自由民主党の中で、憲法九条の、特に九条についての論議が盛んに行われています。総理は去年の五月三日に、一項、二項はそのままにして、自衛隊が合憲であるという趣旨の、これ案文としてお示しになったのではなくてお考えを示されただけでありますけれども、そういう考えをおっしゃいました。  不肖私は、現状の自衛隊を固定する憲法改正あるいは加憲はむしろ禍根を残すので、自衛権は、ほとんどの政党がお認めになった上で、持っているけれども、実際は自衛隊がきちんと発動、行使できていないんではないかという趣旨を込めて、自衛権の発動はこれを妨げないということも考えていただきたいと提案いたしました。  その上で、今日お尋ねしたいのは一番根っこの部分であります。敗戦後の七十三年間、特に私たちの大切な日本国憲法が施行されて七十一年間、これで全部よかったとお考えなのか。経済は、今デフレで苦しんできたり、様々にありましたけれども、実はおおむねやっぱり見事な成功を重ねてきた七十数年であったと思います。しかし、一方で、国家安全保障や危機管理、拉致事件の発生と、そして拉致被害者をいまだ全員は救出できていない、僅か五人しかお帰りになっていないということを考えても、実は、経済はデフレを含めてもなおうまくいっていても、国家安全保障や危機管理には大きな黒い穴が空いているということを考える立場と。実はこの憲法論議を通じてこの二つあるということを正直感じました。  総理はどっちの立場にお立ちになるんでしょうか。
  33. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 我が国は戦後七十三年間、憲法の下、一貫して平和国家としての道を歩んでまいりました。しかし、それは平和国家という言葉を唱えるだけで実現したものではありません。時代の変化に対応しながら、憲法が掲げる平和主義の理念の下で最善を尽くし、自衛隊の創設、日米安保条約の改定、そして国連PKOへの参加など、国際社会の変化と向き合い、果敢に行動してきた先人たちの努力の結果であると、こう考えております。  その中におきまして、私たちは今を生きる政治家として、特定秘密保護法を成立をさせ、そして平和安全法制を成立をさせ、そしてテロ等準備罪を成立をさせているところであります。国民の命と平和な暮らしを守り抜くことは政府の最も重要な責務であり、安倍政権発足以来、安全保障と危機管理に全力で取り組んできたところであります。  我が国初となる国家安全保障戦略を策定し、その司令塔としてNSCを設置をしました。また、厳しさを増す安全保障環境を踏まえて、憲法の範囲内であらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする平和安全法制を整備をしました。平和安全法制がなければ緊迫する北朝鮮情勢にしっかり対応することはできなかったと思います。国民の命と平和な暮らしを守り抜くためには、目の前の現実に真正面から向き合い、自ら課題に取り組んでいく必要があると、こう考えております。  私は、昨日、防衛大学校の卒業式に出席をしました。新たに自衛官になった諸君の宣誓の言葉を聞きました。事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託に応える。自衛隊員は、この言葉にたがうことなく、いかなる事態にあっても常に国民のため黙々と任務に精励をしています。この自衛隊員たちに、君たちは憲法違反かもしれないが何かあれば命を張ってくれと言うのは余りにも無責任であると、こう思います。そうした議論が行われる余地をなくしていくことは私たちの世代の責任ではないかと、こう考えています。  国会の憲法審査会において議論される憲法改正の内容について、私が内閣総理大臣としてこの場でお答えすることは差し控えたいと、こう思っておりますが、憲法は、国の形、理想の姿を語るものでありまして、戦後七十年が過ぎた今、まさにしっかりと議論を深めていく責任があるのではないかと、このように考えております。
  34. 青山繁晴

    青山繁晴君 終わります。
  35. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で青山繁晴君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  36. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 次に、和田政宗君の質疑を行います。和田政宗君。
  37. 和田政宗

    ○和田政宗君 自由民主党こころの和田政宗です。  まず、会派よりこの質問の機会をいただいたことに感謝を申し上げますとともに、今回の書換え問題の本質を明らかにするために徹底的に質問をしていきます。  今回の財務省による文書書換えはあってはならない問題であり、私も猛烈に怒っています。そのまま出しても全く問題ない文書書き換えたことによって、どれだけ国民を怒らせ、どれだけ国会を空転させたか。そして、財務省は自民党に対しても官邸に対してもうそをつき通したわけです。党や官邸が徹底調査を指示して隠蔽の扉をこじ開けなければ、財務省内部で完全に書換えの事実は隠されていたかもしれません。こんなことはあり得ないし、あってはなりません。    〔委員長退席、理事二之湯武史君着席〕  しかし、政府・与党としては、官僚による文書書換えを許してしまった部分はしっかりと反省をしなくてはなりません。だからこそ徹底調査をして究明しなくてはならないわけです。政治側にはやましいことは一つもないわけですが、仮に徹底究明の中で政権が痛手を被ることが出てきたとしても、我々は国民の信託を受けた国会議員であり、政府・与党であるわけですから、国民のためにも全てを明らかにしなくてはなりません。  これは政治と官僚との闘いでもあります。官僚の暴走を許してしまった政治側も反省をしっかりしながら徹底的な究明をする。まず、安倍総理に徹底調査と解明への決意を改めて伺います。
  38. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 先日、財務省から文書を明らかにいたしました。今回の件は行政全体に対する国民皆様の信頼を揺るがす事態となっており、行政の長として責任を痛感しております。行政の最終責任総理大臣たる私にあります。国民皆様に深くおわびを申し上げたいと思います。  国民皆様から厳しい目が向けられていることを真摯に受け止め、捜査に全面的に協力するとともに、なぜこのようなことが起こったのか全容を明らかにするためしっかりと調査を進めていく、麻生大臣にはその責任を果たしてもらいたいと思います。  その上で、全てが明らかになった段階において、二度とこのようなことが起きることのないように、信頼の回復に向けた組織の立て直しに全力を挙げて取り組んでまいります。  今後とも、国会審議の場でしっかりと説明責任を果たしてまいります。
  39. 和田政宗

    ○和田政宗君 では、具体的に聞いてまいりますが、書換え疑惑報道以後の財務省による調査について聞きます。  報道があったのは今月二日ですが、その二日の時点で財務省書換えの事実を把握していたのではないかというふうに思います。そもそも書き換えた人物が理財局内部にいるわけですから、書き換えたか書き換えていないかはすぐ分かるはずです。二日朝の時点で財務省は把握していたんじゃないでしょうか。理財局長に聞きます。
  40. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  委員指摘のとおり、三月二日に新聞報道がございました。その日、その報道を受けて国会で御審議がありました。その中で、国会の御審議で国政調査権を背景として国会としてきちんと調査をするようにという御指示を、御指示というか、そういう議論がございました。  それまでの間は捜査を受けておりましたので、捜査を受ける中で、捜査を受けていることで何を受けているかというようなことを聞くわけにもいかないという状況でございましたので、そういうふうに我々は思っていましたが、そういう意味で捜査最優先ということでしたが、国会の御審議を受け、国政調査権を背景としたというお話でございましたので、三月二日のその国会の御審議、その審議を受けて調査を始めたということでございます。  その過程において、職員の聴取あるいは資料の探索というようなことをやり、最終的には三月十二日に報告をさせていただいたということでございます。
  41. 和田政宗

    ○和田政宗君 簡潔に答弁願いたいんですけれども、二日の朝に、財務省は我が党、我が会派に対し、本省の指示により文書書き換えられたとの報道についてという説明をしているんですね。これ、朝日新聞の報道はですね、本省の指示によって書き換えられたとは一言も言っていないんですよ。それなのに、本省の指示によって書き換えられた報道についてということで我が会派に説明しているんですよ。これ、書換えがあったのを二日の朝の時点で知っていましたよね。
  42. 太田充

    政府参考人太田充君) 申し訳ありません。今委員のおっしゃられた本省においてというふうに私どもが申し上げたと、私はそういうふうには、財務省においてという記事があるということを御報告申し上げているつもりですが、もしそういう御報告を誰かしたとすれば、それはおわびを申し上げないといけないということでございます。
  43. 和田政宗

    ○和田政宗君 これ、統制どうなっているんですか。これ、ペーパーで残っていますよ。我が会派持っていますよ、これ。  これ、太田理財局長書換え知ったのはいつなんですか。
  44. 太田充

    政府参考人太田充君) 三月二日から調査を始めました。最終的に確認ができて報告できると思い、大臣に御報告できたのは三月十二日の前日、三月十一日です。
  45. 和田政宗

    ○和田政宗君 昨年理財局長に就任しているわけですけれども、書換えがあった事実、その時点で知っているんじゃないですか。
  46. 太田充

    政府参考人太田充君) それは承知をしておりません。
  47. 和田政宗

    ○和田政宗君 もういろいろな経過の中で、信用できないわけですよ、財務省。  自民党や官邸に対して二日の報道以降もどのようにうそをついてきたかということを、書換え判明までの経緯をまとめたパネルで説明をしていきたいというふうに思いますけれども。(資料提示)  自民党や官邸は、二日の報道以後、徹底調査をするように財務省に指示をしてきましたけれども、財務省は一貫して、自民党にも官邸にも、調査をしたが書換えの事実はないとか、確たる証拠が見付からないといううその報告をしていました。五日に国土交通省から口頭で官邸の杉田副長官に文書書き換えられているかもしれないという情報がもたらされて、杉田副長官から財務省の矢野官房長に対し改めて徹底調査を指示したわけですけれども、翌日の六日に至っても、自民党に説明に来た財務省は、いろいろヒアリングをしたけれども書換えの事実は見当たらないと、うその報告を続けたわけです。    〔理事二之湯武史君退席、委員長着席〕  こうした状況が続いたことから、官邸の方で、法務省経由で検察に対して、持っている資料を開示するなど徹底協力を要請をしたわけです。そして、九日の夜になってようやく財務省が大阪地検が持っている資料を取りに行って、持って帰ってきて、余りに多い書換えが客観的証拠として残っていたので、もう隠し通せないと観念して書換えの公表となったわけです。まさに、政治側が財務省官僚の隠蔽工作を防いでこじ開けたわけです。  政治サイドはやましいことは一つもないわけですから、一貫して徹底調査を指示したわけですけれども、財務省書換えの事実を隠し続けており、官邸や自民党がこじ開けなければ書換えの事実は完全に闇に葬られていたかもしれません。これは言語道断です。  なぜ書換えを自民党や官邸に隠し続けたのか、財務省矢野官房長、答えてください。
  48. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  今ほど委員から御指摘があったことについて三月二日から調査を始めました。職員からも聴取もし、事実の確認をいたそうといたしました。委員から御指摘がありましたように、三月五日に国土交通省からそういう情報をいただきました。貴重な情報であります。一方で一つの情報であります。  そういう情報を全部突き合わせて、突き合わせて、我々としていろんな意味で資料なりをできるだけ確定して、できるだけの努力をして、努力をした上で、それでも足らざる部分をどうしても最終的に捜査当局に確認をしない限り、御協力をいただかない限り、最終的に調査の結果はまとめられない、事実が本当に確認できないというふうに思っておりました。  我々としてできるだけのことをやって、捜査当局にお願いをして、捜査当局に御協力をいただけるような段階に至ったのは九日の昼ぐらいであります。それから捜査当局にお願いをして、現地に向かって、そのコピーを取らせていただいて、そのコピーが本省、財務省まで届いたのは日付変更線が変わって十日の土曜日になってからということでございました。  そのものを基に、もう一度いろんな意味での確認、あるいは確定をさせていただいて、十一日に大臣に御報告でき、十二日に御報告できたというのがこれが事実でございます。
  49. 和田政宗

    ○和田政宗君 これ、途中で書換えの可能性を把握していたんじゃないかということになるわけですけれども、財務大臣、五日ないし翌六日の時点で官邸の杉田副長官から矢野官房長に伝えられた話は財務大臣に報告は上がっていたんでしょうか。
  50. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 五日の日、五日の日に上がってきておりません。上がってきておりません。
  51. 和田政宗

    ○和田政宗君 これ、上がってきていないということは、その可能性も含めて財務大臣に上げなかったということですけれども、これ矢野官房長、報告受けているということですけれども、これ財務大臣になぜ上げなかったんですか。
  52. 矢野康治

    政府参考人(矢野康治君) お答え申し上げます。  五日の日に、先ほど先生から御指摘のとおり、杉田官房副長官から一つの可能性のある情報を頂戴いたしました。そのいただいた情報、電話でしたけれども、それを私は理財局に至急確認するようにということをお伝えしました。  大臣に上げるべき情報、いろいろ錯綜している中で調査をしている中で総合的に確認をして上げなければいけない状況にあったということでございます。
  53. 和田政宗

    ○和田政宗君 これ、可能性も含めて、我々は徹底調査ということで、我々に情報を示してくれていれば、その時点で書換えがあったというようなことの事実も、野党側にも国民にも対しても説明できるわけですよ。もう隠しているとしか言いようがないじゃないですか。これ、そのまま隠して隠して、ばれなければ隠していたんじゃないかというふうに思いますけれども。  今、財務省の調査は、誰が責任者となってどのように行っているんでしょうか。
  54. 矢野康治

    政府参考人(矢野康治君) お答え申し上げます。  三月十二日の月曜日に、書換えが当時の理財局の一部の職員によって行われたということを御報告させていただきましたけれども、その上で、どの職員がどの程度関与したか、またなぜやったのかということについて今調査をいたしております。  これは職員の処分にもつながる可能性のある調査でありますことから、官房長である私の下で、大臣官房の人事担当部局である秘書課及びその秘書課に属する首席監察官室を中心に、先ほど理財局長からもお答えしましたけれども、聞き取り調査などを行っているところでございます。
  55. 和田政宗

    ○和田政宗君 理財局の調査はどの部局がやっているんでしょうか。
  56. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  どの部局と言いますよりも、総務課あるいは国有財産企画課、国有財産の中心は国有財産企画課というのが筆頭課でございますので、そこを中心として、事実関係を確認するのが理財局の最大の仕事なので、その関係した者を中心に調べさせていただいていると、等を対象に調べさせていただいているということでございます。
  57. 和田政宗

    ○和田政宗君 これ、理財局の調査を理財局がやっているわけではないですよね。
  58. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  事実関係の確認を私どもとしてはやっていますが、今委員の御指摘は、要すれば、関与した者がそれを隠すようなことがあればそれは調査にならないからということだろうと思います。そういう意味で、最終的に人事処分を担当している官房が最終的なそこの調査をしているということを官房長が御答弁を申し上げているということだと思っております。
  59. 和田政宗

    ○和田政宗君 では、これまでの調査で書換えを誰が指示し、何のために行ったのか、判明したかどうか、答えてください。
  60. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  現時点で分かっていることは、誰が指示し、誰がというところについては、理財局の一部の職員がと、基本的に本省理財局がというふうに思っております。ということは、本省の理財局の外からの指示、あるい理財局の上、我が省でいえば大臣が一番トップにいらっしゃるわけですが、そこからの指示あるいはそこに御相談したということではないということと、近畿財務局に対しては、近畿財務局に対して本省理財局が指示をしてということで、本省の指示の下に近畿財務局は命ぜられてやらされたと、そういう状況だということだというのを認識をしております。  それから、なぜということですが、今回調べた書換えの文言を見る限り、少なくとも二月下旬から四月にかけてこの書換えが行われているわけですが、二月から三月にかけてのそれまでの国会答弁について誤解を受けないようにするためにということだと、全体としてそういう整理をしてございます。
  61. 和田政宗

    ○和田政宗君 佐川理財局長はいつから書換えの事実を知っていたんでしょうか。
  62. 太田充

    政府参考人太田充君) いつからというところまで今お答えできるような材料を私どもは持ち合わせておりません。  ただ、他の委員会で御質問があってお答えを申し上げましたが、基本的には、当時、理財局のトップは佐川局長であったこと、それから、今ほど申し上げましたように、それまでの答弁誤解を受けないようにするためにということでございましたが、国会答弁を主として担当しておったのはもちろん当時の佐川理財局長ということですから、その関与の度合いは大きかったのではないかというふうに御答弁を申し上げております。
  63. 和田政宗

    ○和田政宗君 これ、何にも調査していないですよね。調査、本当にこれやっているんですか、もう答弁、全然最初から変わっていないじゃないですか、これ。  この書換えに関して、安倍総理の、私や妻が国有地払下げに関わっていたのであれば総理大臣国会議員も辞めるという発言について、この発言があったから財務省の官僚がそんたくして書換えをやった、不用意だったと言っている人や一部のメディアがありますけれども、これはとてもおかしな話でありまして、やましいことがあれば国会議員を辞めるという決意は、これ政治家として皆が肝に銘じておかなくてはならないことでありまして、これだけの気概を持った政治家がどれだけいるでしょうか。その覚悟が褒められるなら分かりますけれども、批判される意味が分かりません。政治家は身を賭して政治を行う、こうした決意が批判されるなら、政治はそうした覚悟のない、もう極めて甘っちょろいものになってしまいます。  そこで、財務省に聞きますが、麻生財務大臣書換えにこの総理発言の影響はないというふうに答弁をしているのに、先週金曜日に太田理財局長は、首相や大臣答弁がある、政府全体の答弁は気にしていたと思うと答弁をしています。麻生財務大臣財務省が作った答弁要領を基に答弁しているのに、一方で太田理財局長は矛盾したことを言う。佐川理財局長答弁矛盾から書換えが起こったのに、まだこうしたことをやっているわけです。  太田理財局長、この答弁について説明してください。
  64. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  基本的に、今回のことは国会答弁を気にして、そのことをということで申し上げました。それは、基本的には佐川局長答弁が主ですけれども、じゃ、総理大臣なり大臣なり、政府の答弁は気にしていないというふうに言えるほどの材料は持ち合わせておりません。  ただ、申し上げますが、そのときにも御答弁を申し上げておるつもりなんですが、ただ、一つには、今回の書換えについて、それは全体として六十二ページで、今日また、大変申し訳ないことですが、一ページ抜け落ちていたので六十三ページということになるんですが、その全体を御覧をいただくと、大変細かいというか技術的なといいますか、そういう部分が多数、大変多数、大宗を占めている直しをしております。そういう細かいといいますか技術的なと申しますか事務的なと申しますか、そういうことについて答弁をするのは理財局長、今でいけば私の責任であります。  そういう意味で、その主たるものがそうであるということと、もう一つは、政治家の方、あるい総理夫人の名前が出てきて削除しているというふうに言われているものは、特例承認という決裁に付いている経緯でございます。その経緯は、元々の書換え前のものは、相当大部なものであったものの中に、確かに政治家の、議員の秘書の名前、秘書の方、あるい総理夫人のが出てくるわけですが、それはその経緯の中の一部であって、そこだけを消しているわけじゃないです、その結局経緯をほとんど全部落としている。そういう意味で、その経緯を落としている。  あるいは、もう一つ申し上げますと、それだけじゃなくて、貸付けについての、特例承認というのは、貸付けについての決裁書にも実は相当大部な経緯が付いているんですが、これは政治家の先生方もあるい総理夫人も出ていらっしゃらないものなんですが、それもほとんど全部落としているということで、この経緯は、先ほど青山委員質疑のところにも出てきたように思いますが、基本的にそういう経緯が書いてあって、その後また国会での御審議でいろんな議論が起きることを、大変申し訳ないんですが、そういうことを恐れてそういうことをしてしまったということだというふうに思ってございますということを事実として申し上げております。
  65. 和田政宗

    ○和田政宗君 訳分からないですよね、これ、消さなくてもいいものも消してしまったということも含めて。太田理財局長、一生懸命答弁してくれているのかもしれないですけれども、そこに、例えば一部メディアで切り取られるような、そういう発言も入っているんですよ。これは佐川理財局長がそういう発言を、答弁をここでしたからそういうふうになっているのに、また同じことをやっているんですよ。  まさかとは思いますけれども、太田理財局長は、増税派だから、アベノミクスを潰すために、意図的に変な答弁しているんじゃないですか、どうですか。
  66. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  私は、公務員として、お仕えした方に一生懸命お仕えするのが仕事なので、それを言われると、さすがに幾ら何でも、そんなつもりは全くありません。それは幾ら何でも、それは幾ら何でも御容赦ください。
  67. 和田政宗

    ○和田政宗君 では、次のパネルを御覧ください。  今回書き換えられた調書とは何かということですけれども、売買契約書や……(発言する者あり)ちょっと不規則発言がうるさいですね、売買契約書や貸付契約書とは全く別のもので、契約に至る経緯などを書いて、売買契約書の上や下に添付文書として付けるものです。これはまあ付けても付けなくてもよいというようなものですけれども、やはり決裁文書の中のものでありますので、これは書換えというものは本来あってはならないものです。  財務省は、この調書について、添付文書だからと軽い扱いだったから書き換えたのではないですか。お答えください。
  68. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  調書というのは、決裁文書の中でも概要なり経緯なりが書いてあるもので、大変重要なものでございます。そういう意味で、委員のおっしゃるように軽いものだと考えてということではございません。
  69. 和田政宗

    ○和田政宗君 では、次のパネルを御覧ください。  これは、森友問題が報道される前である今から三年前に財務省決裁文書から抜き取って消した行政文書です。昨年の森友問題の報道よりも二年前にこうした文書を消す行為が財務省内部で行われていたわけです。全く政治サイドが知らない中で、官僚によってこうした行為が行われました。  そして今日、今日になってまた新たに財務省は、一枚抜いていました、済みませんということで理事会に出してきたわけですよ。これ、先週までの国会答弁で、もうこれ以上はないと思いますということで言っていたのに、結局抜き取られたものが出てきているわけですね。  これはもう言語道断なわけですけれども、財務省では日常的にこうした書換えや隠蔽が行われていたのではないですか。理財局長お答えください。
  70. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  書換えはもちろん大変申し訳ない、大変深くおわびしなければならないことですし、それ以降、今委員が御指摘のあるように、度重なる不手際があったことは大変申し訳ありません。  それで、二つの話、最初に、今御提示をいただいていたのかどうか分かりませんけど、三年前のときの話のものは、それは、今回一年前のときのものを調べている中で、そこに気が付かないで、その後で、ある過程があるんですが、そこに気が付いたということで、それはある意味で故意でやっていたことでございますので、そういう意味で、委員のおっしゃるように、意図的にといいますか、そういうことが日常的に行われているじゃないかということに対して、そうは思っていませんけど、そうは思っていませんが、そうでないと言えるほどの、言えないようなことが起きているということは事実だと思っております。  それから、本日お示ししたことは、これは現体制の私どもの、局長は私になるわけですが、その現体制の私どもの責任でございまして、要すれば、十四の文書について調査をして、ぎりぎり全部、その書換え前のところに全部貼り付けていたつもりだったんですが、一枚貼付けをそびれていた。それで、平日、もうちょっと何も作業ができない状況なので、この土日に、週末にもう一回次に向けての作業をしているときにそれが気が付いてしまった。それはもう本当に我々の事務的な、事務方の我々のミスでございます。本当に申し訳ありません。
  71. 和田政宗

    ○和田政宗君 もう財務省の調査を何信用したらいいのかというのが本当にこれ分からない状況になっているということは、もうしっかり肝に銘じてほしいというふうに思うんですが。  次のパネルを御覧ください。  貸付契約時の調書に書かれた特例的な内容という言葉が一部で問題視をされておりますが、なぜ特例的な内容となったかを見ていけば、法令上全く問題ないことが分かりますし、おかしな言葉でないことも分かります。  これは調書自体に書いてありますが、通常三年間の貸付けを十年間の貸付け後の購入という契約にしたわけですけれども、こうした延長措置は財務省本省の理財局長決裁で行うことができます。  なぜ延ばしたかということですけれども、これも、調書には小学校新設という公共的事案であったからというふうに書いてありますし、森友学園が提示した条件は国の予定売却価格を上回るものでありました。森友学園が購入希望を伝える一年前に、ある学校法人が購入希望を国に伝えているんですけれども、その価格は七億円で、国の売却予定価格に二億円足りません。一方、森友学園は、借受け料が年間二千七百三十万円、これが十年で二億七千三百万円、さらに売却時はそのときの時価で購入ということで、仮に十年後に地価の値上がり、値下がりがなかったとしますと、時価九億円ですから、合計十一億七千三百万円ということで、国の売却予定価格を二億円以上上回るわけです。だから、特例的に貸付期間を延ばしたわけです。  そこで、財務省に聞きますけれども、事情によって貸付期間を三年以上に延ばすような特例措置は、森友の案件以外にもこれは過去にありますよね。
  72. 太田充

    政府参考人太田充君) 特例承認ということについてのお尋ねでございました。  貸付けの期間そのものを特例的に延ばすものは森友を含めて二件。ただ、期間以外のところも特例ということがありますので、この五年間で特例承認というものは全部で森友も含めて八件ございます。
  73. 和田政宗

    ○和田政宗君 こうした特例措置は、別に、既に法令にのっとって行われているわけで、特例的ではありますけれども、森友だけではないわけです。  そして、次のパネル行きましょう、御覧ください。  さも調書安倍昭恵夫人の名が書かれているのでそれによってそんたくが生まれたみたいな言い方をする人がいますけれども、これはあくまで森友側が勝手に言っていることが伝聞形で記載されているだけです。その内容も事実ではありません。総理が昭恵夫人に確認をしたところ、昭恵夫人はいい土地ですから前に進めてくださいなどとは言っていないということですし、私はこのときに昭恵夫人の横にずっと付いていた昭恵夫人の知人の方にこの発言があったかを確認しました。そうしたところ、その同行された方は全くそんな言葉は聞いていないということでした。そして、籠池氏自身も証人喚問で、夫人からはいい田んぼができそうですねと言われたと述べているんですね。  実は、この二日前に昭恵夫人は岡山に田んぼを見に行っていますので、もしかしたら田んぼというフレーズはあったかもしれません。しかも、強引にこの学校用地に昭恵夫人は連れていかれていますから、もしかしたら皮肉を込めて田んぼにでもしたらということで言ったのかもしれませんけれども、いい土地ですから前に進めてくださいなどとは言っていないわけです。あくまで籠池氏側が勝手に言っていることで、事実ではありません。  そして、次のパネル見ていただきたいというふうに思うんですけれども、昭恵夫人の名前があったから国有地が値引きされたかのように言う人がいますけれども、そもそも昭恵夫人の名前が籠池氏側に勝手に使われているわけですけれども、それは貸付時の話です。売買時の調書には昭恵夫人の名は一言も出てきません。しかも、貸付時の調書に書かれている発言は森友側が勝手に言っているだけで、事実ではありません。  そして、これは調書には全く書かれていないので役所としても全く意識していない事柄だったというふうに思うんですが、あえて触れますと、昭恵夫人付きの職員が籠池事務所にゼロ回答のファクスを送ったというのは、これもう貸付契約が全て終わった後なんですね。十年貸付けが五十年貸付けに延びないかというこれ無理筋の話で、それは無理ですというのがこのファクスです。貸付契約にも売買契約にも全く関係のないことです。  では、なぜ八億円の値引きをしたのかですけれども、これも、ちょっと分かりやすくしていますので、次のパネルを御覧いただければというふうに思います。  これは調書にも記載されていて分かることなんですけれども、全ては新たなごみが出てきたという森友学園側の言葉から始まっておりまして、新たなごみが出てきたことにより、損害賠償をするぞと半ば脅しに近いことを籠池氏側、森友学園側に言われ続けたことにあります。森友が借り受けた土地から新たなごみが出てきた、森友側から国に対しごみの即時撤去が要請されたわけですけれども、予算を新たに取る手続をしていたら開校予定日には間に合いません。そこで、埋まっているであろうごみの量を積算して、新たなごみが出てきても賠償責任を国が負わないとの特約で売却をしたわけです。  ちなみに、近くにある豊中市の給食センター、これは元国有地が売却されたものですけれども、ここからはごみがもうぼこぼこ出てきまして、十四億円のごみ撤去費用が掛かっております。そして、森友学園が買った国有地も、昔の航空写真、これはもう簡単に検索できますので見ていただければ分かりますけれども、以前は沼地や湿地で、生活ごみの不法投棄がかなり行われていたという話なんですね。実は、こうしたことを一切森友学園に言わないで売却したというのも、結局これ、森友学園側に付け入る隙を与えてしまうことになったわけで、近畿財務局は猛省をしなくてはならないというふうに思います。  さらに、詳しく見ていきますと、決裁文書の記述を基に説明をいたしますと、ごみが出てきた後、森友の弁護士から、小学校建設の工期が遅れないように即座にごみを撤去するよう国に要請があります。しかし、国は新たに予算を取る必要がありますから即時撤去はできません。すると、森友の弁護士は、現実的な解決策として、ごみの撤去費を考慮した売買価格を国が示し、その金額が納得できれば損害賠償を行わないと提案をします。  この過程での籠池氏側と近畿財務局のやり取りの録音はメディアで流れていますので聞いた方も多いというふうに思いますけれども、もう籠池氏側は物すごい口調で、恫喝に近いとも言えるもので、近畿財務局も相当これはプレッシャーを感じたというふうに思います。すなわち、学園の提案に応じなかった場合は、これも調書に書いてありますけれども、損害賠償に発展し、建設中止を騒がれる可能性があり、それを危惧したわけです。  つまり、新たなごみにより森友学園から損害賠償を盾に強い要求を受け、近畿財務局が応じたというより、屈したということが明白なわけです。それ以外の理由や政治家の名は売却の決裁文書には一切書かれておらず、まさにこの損害賠償をするぞするぞという激しい要求がこの値引き売却につながったわけです。  最後に、次のパネルを御覧ください。つまりということでまとめますと、八億円値引きの理由は、政治家らへのそんたくや関与があったのではなく、新たなごみが主たる理由であるということ、また、ごみの量が大体これくらいになると積算して八億一千九百万円をごみ撤去分として値引きしたわけですけれども、施工業者のF工業さんは、実際は九億六千万円掛かるということを記者会見でも述べて、根拠を示しています。  そこで、財務省森友学園側との交渉の実態について聞きますが……(発言する者あり)ちょっと不規則発言うるさいですね。森友側から相当激しいことも言われて、これ、近畿財務局、きつかったというふうに思うんですけれども、実態はどうだったんでしょうか。
  74. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  今ほど委員が御指摘になられたといいますか、あるい音声データというものを他党から頂戴をして、それも拝聴させていただいております。私もそれを聞かせていただいて、先方が大変なタフネゴシエーターだというふうに印象を持っております。  ただ、現場の財務省職員もそうだったろうと思いますが、ただ、そういう方だから、だから大幅に値引きをしたと、世間的に言われているようなことをやるわけではなくて、それは近畿財務局の職員もちゃんと法令に従ってやるのが仕事ですから、それはそういうことで一生懸命やろうとしたというふうに私は思っております。
  75. 和田政宗

    ○和田政宗君 これ、近畿財務局の職員は、いわゆるそういうもう恫喝に近いようなことをやられても、我々は法令にのっとってやりましたというのが書換え前の文書に書いてあるわけですよ。これは、そのまま出していただければ、森友学園と近畿財務局側で何があったかということが分かるわけですよ。これを消しちゃったというのが、もう何というかミス以上の、もうあり得ないことでありまして。  公文書の管理について残りの時間で聞いてまいりますけれども、これ、大阪地検から戻ってきた書換えの証拠はパソコンに残っていたデータだったのでしょうか、それとも紙の文書だったのでしょうか。理財局長お答えください。
  76. 太田充

    政府参考人太田充君) 今回提出をさせていただいた十四の文書について、書換え前のものをどうやって探索したかというようなことにつながるお話だと思いますが、十四のうち一件だけ本省の決裁がございます。これは、最終的には本省の一元化のシステムという特別なシステムの中に残っておったということでございます。  残りの十三件は基本的には近畿財務局の決裁でございますが、それは、紙のデータのものもあれば個人のパソコンの中に個人的に、いずれにせよ、パソコンデータで手控えとして持っておったものでございますが、紙のものもあれば個人のパソコンのデータのものもあるということでございます。
  77. 和田政宗

    ○和田政宗君 それは、大阪地検から戻していただいたコピーというのが、いわゆるそのパソコンのデータのものもあるし紙のものもあるということだったんでしょうか。
  78. 太田充

    政府参考人太田充君) 今ほど申し上げたようなものがあるはずだということを我々なりには確定をしたつもりで、大阪地検にお願いをしてコピーを取らせていただいて、そのコピーのものを今回ある意味書換え前として貼り付けております。それは、紙のものからコピーさせてもらったものもあれば、元々はパソコンのデータの中からのものでコピーさせていただいたものもあるということでございます。
  79. 和田政宗

    ○和田政宗君 これ、紙のものが、いわゆる決裁前のものも含めて、職員の何かとじたファイルに残っていたのかもしれないですし、あと、パソコン上で操作しているんでしたら、前のものはもう書き換えていくというような形で、これはその痕跡が残るということを認識してやっていたのかやっていなかったのかというところも問題になってくるわけですけれども。  そこで、いろいろ各省庁の公文書の管理のことについて調べましたら、既に各省庁で導入されている電子決裁システムでは、決裁前の修正の履歴、これは、その稟議が上に上がっていく段階で上司からこの文言は書き換えた方がいいよということで修正などの指示があるわけですが、そういった履歴ですとか、決裁後に書換えがあった場合でも、これ履歴が全て残るようになっています。  今回は、近畿財務局の決裁が紙ベースで行われていたのでこういう書換えというものもできるのではないかということで判断したのかもしれないですけれども、総理、今回のようなことが起きないように、各省庁の決裁文書はこれ原則全てを電子決裁にする、いかがでしょうか。    〔委員長退席、理事二之湯武史君着席〕
  80. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 安倍内閣では、平成二十五年に閣議決定した世界最先端IT国家創造宣言に基づき、業務効率化と行政文書の適切な管理を図るため、政府全体として電子決裁を推進をしています。  議員御指摘のとおり、決裁を電子的に処理することによって、決裁文書に誰がいつアクセスし、どのような更新を行ったか、全ての履歴が残ることになるため、決裁文書を適正に保存する観点からも有意義であると考えています。  今回の財務省の事案を踏まえて、今、和田委員からも御指摘をいただいた点も踏まえて、改めて全府省における取組状況を詳しく調査をし、電子決裁の一層の推進に向けて必要な対応を行ってまいります。
  81. 和田政宗

    ○和田政宗君 では、それを踏まえて総理にお聞きしたいというふうに思いますけれども、今回は行政への信頼が揺るぎかねない事態であるわけです。今回の事態を受け、どのように行政や官僚機構を改革していくか、総理にお聞きをします。
  82. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) ただいま和田委員に御指摘をされ、また冒頭申し上げましたように、今回の決裁文書書換え行政全体への国民皆様の信頼を揺るがしかねない事態となっております。今回の事態を受けて、改めて職員の一人一人が国民全体の奉仕者であることを自覚をし、高い使命感と倫理観の下で職務を遂行するよう徹底する必要があると考えています。  今後、捜査、調査の状況等も踏まえながら、政府全体として、再発防止のために何をなすべきか、公務員、行政組織の在り方を含めよく検討し、できることから実行し、徹底してまいりたいと思います。    〔理事二之湯武史君退席、委員長着席〕
  83. 和田政宗

    ○和田政宗君 これ、書換えを行った財務省というのは、もうこれ大改革というのが必要だというふうに思います。先ほど青山委員からも歳入庁の創設など出ましたけれども、これはもう解体的に私は出直しをさせなくてはならないというふうに思っています。やはり官僚中の官僚、スーパー省庁と言われている中で、我々が書換えを行っても問題がない、隠し通せるんじゃないか、そういったことを思ったというのがこれはまさに今回の書換えにつながっているわけで、これはもう答弁訂正をしてもらうなりそういうことをやってもらって、全部証拠を出してもらえれば、それを基に国会でも議論ができたわけですし、国民皆様も分かったわけです。ですので、これはもう本当に徹底調査をして、しっかりメスを入れていかなくてはならないというふうに思っております。  また、安倍昭恵夫人の証人喚問云々を言っている人もいますけれども、不正の証拠は全くないわけです。文書に伝聞形で書かれているということで証人喚問に呼べというなら、山梨のある学校法人が格安で国有地の払下げを受けた案件は、これはどうなるんでしょうか。この学校の保護者の会の連合会長は、野党のある国会議員です。まさか関与はしていないと思いますけれども、名前があるので関与をしている可能性があるから証人喚問ということになれば、これはおかしなことになるというふうに思っております。事実と証拠に基づいて国会の議論を進めていかなくてはなりません。  以上で私の質問を終わります。
  84. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で和田政宗君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  85. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 次に、難波奨二君の質疑を行います。難波奨二君。
  86. 難波奨二

    ○難波奨二君 民進党の難波奨二でございます。  今日は、森友問題の集中審議でございます。先ほどの自民党の先生方の御質問聞いておりまして、やはりこの問題というのはいろんな見方があるんだなというふうに確認をしたところでございます。  そこで、まず最初に総理に申し上げたいことがございますが、今回のこの国有地売却に関する財務省改ざん問題、いろんな表現はあるんでしょうが、私は、やはり憲政史上類のない重大な事件であるというふうに指摘しておきたいというふうに思います。  今日も、先ほどもありましたけれども、新たにまた財務省から資料の改ざんといいますか、排除というものがあったという話がございましたけれども、一年間掛けても何も事実が解明されない。今日のお二人の先生方の御質問を、そしてその答弁聞いても、全くこれは解決につながらないんですよ。  後ほど様々申し上げてまいりたいと思いますけれども、立法府に対しまして行政が丸一年虚偽資料、虚偽答弁を行ってきたというのは、これは三権分立、議会制民主主義を揺るがすものでございまして、前代未聞、言語道断、空前絶後、驚天動地というふうに私は厳しく指摘をしておきたい。まさに内閣総辞職に値する問題だということを申し上げておきたいというふうに思います。  さて、週末に各マスコミが世論調査を行いました。三紙実施をされておりますけれども、おおむね傾向は似た数値が出ております。安倍内閣の支持率でございますが、共同、支持する、三八・七、毎日三三、朝日三一、支持しない、共同四八・二、毎日四七、朝日四八と、こういう状況で、それぞれ一〇ポイント下がり、一〇ポイント上がるという、大体そういう傾向値が出ております。  そこで、総理にお伺いしたいと思いますけれども、この世論調査の結果を見られましてどのように印象を持たれておるか、まずお伺いしたいと思います。
  87. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 世論調査は国民の声の一つの形であると真摯に受け止めておりますが、基本的には、月々の世論調査、まあ上がるときもありますが、一喜一憂することなく、やるべきことをなしていくことが私たちの責任であろうと、このように考えております。
  88. 難波奨二

    ○難波奨二君 低下の原因ですね、おっしゃるように時によっていろいろ数値が変わってくるんですけれども、今回の世論調査の低下の原因というのはどこにあるというふうにお考えですか。
  89. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 報道機関の調査について一々コメントすることは差し控えさせていただきたいと、このように思いますが、いずれにせよ、決裁文書書換え問題について、行政全体に対する国民の信頼を揺るがす事態となっていることについて深刻に受け止めているところでございます。
  90. 難波奨二

    ○難波奨二君 今、最後御答弁いただきましたけれども、やはりこの問題に対しまして国民の皆さんはやっぱり厳しい疑念の目、そして不信感というのをお持ちなわけで、この間政府の取ってこられた対応、あるい内閣の取ってこられた対応に対しまして厳しい厳しい批判の目があるんだろうというふうに思います。  そういう意味では、これは政府だけの責任でもありません、今回の問題は。政府がやはりきちっと対応するというのも当然でありますけれども、この国会として、衆議院、参議院において、この森友問題の全容、真相解明にやっぱり取り組んでいくんだという真剣な姿勢が私は必要だと思うんです。したがって、金子委員長にも、是非公正公平な委員会運営をしていただいて、後ほどお願いする件ございますけれども、私は御決断、御指導いただきたいということを申し上げておきたいと思います。  そして、この世論調査、少し紹介をいたしますが、この問題の中で、問いの中で、総理に責任があるかという質問に対しまして、共同では六六%、朝日では八二%に上っております。昭恵夫人の国会招致につきましても、毎日で六三、共同で六五、朝日六五でございます。そして、今日の委員会の非常に大きなテーマでございますが、佐川氏の国会招致についての問いでございますが、毎日は八三・五、共同は八三でございます。極めて高い数字をもって国民の皆さんは、この佐川氏の証人喚問あるいは昭恵夫人の国会招致についてもお求めになられているということも申し上げておきたいと思います。  先週、大変またこれ驚いた事件がございました。自民党の衆議院議員というふうに今言われておりますけれども、この衆議院議員の方の問合せによりまして、文科省が名古屋市の教育委員会に対しまして、中学校の学校現場でございますが、この講演内容について調査をしたという報道でございます。  授業内容や学校現場に政治が介入したというふうに判断をできるわけでございますし、国が学校現場に介入したという、そういうことも受け取れるわけでございまして、これは教育への国家統制と言えるんじゃないかというふうに指摘をしておきたいというふうに思います。  また、十五問の質問を行っておるわけでございますが、複数回にわたってその回答に対して更問を行うというような執拗な行動も取られておるわけでございまして、総理、教育委員会の設置がなぜ戦後我が国に設置されたかということも御承知だというふうに思いますが、今回のこの案件に対してどのようにお考えになっておられるか、お聞きしたいと思います。
  91. 高橋道和

    政府参考人(高橋道和君) 御指摘の件につきましては、前文部科学事務次官という文部科学行政の事務方の最高責任者としての地位にあった者が中学校という公教育の場で授業を行ったという事例であります。この授業を行った前次官は、いわゆる天下り問題等に関わって、監督責任だけでなく本人自身の違法行為により停職相当とされたものでございます。  このため、文科省初等中等教育局として、こうした背景も踏まえ、授業の狙いや内容、前次官を招いた理由や経緯など、今回の件が適切な教育的配慮の下で行われたものであるかどうかについて確認する必要があると考え、教育委員会に対して質問を行ったものでございます。
  92. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 御指摘のあった点については今文科省から答弁をさせていただいたとおりでございますが、今後とも文部科学省において法令に基づきしっかりと対応してもらう考えでございます。
  93. 難波奨二

    ○難波奨二君 もう少しやはり総理にはお答えをいただきたいと思いますが、自民党のその国会議員、まあ衆議院議員というふうに言われておりますけれども、御党の国会議員がこのような問合せを行った結果、そして文科省がこのような行動をしたということに対するそのお考え。
  94. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) その件について私、承知をしておりませんので、答えようがございませんので、文科省が把握した範囲内において文科省からお答えをさせていただきたいと思います。
  95. 難波奨二

    ○難波奨二君 あってはならないことなのか、あってもいいことなのかぐらいは答えてくださいよ。
  96. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) その事案について私、全く承知をしておりませんので、答えようがないということを申し上げておりますので、事実関係について文科省から、もし文科省が把握しているのであれば答弁をさせたいと思います。
  97. 難波奨二

    ○難波奨二君 まあ今日の本題じゃないですからこれ以上申し上げませんけれども、官房長官、是非、総理に今回の問題のその案件について詳しく御説明、レクチャーしていただきたいというふうに思いますよ。  私は、もういろいろ言われておりますけれども、前川前事務次官だからこそこうした対応を文科省がやったんじゃないかというふうに考えられるわけですよ。  そして、我が国は自由で民主的な社会ですよ。言論統制するような、そんな社会にやっぱりなっていくことは、これはゆゆしき事態なんですよ。安倍政権の体質そのものが私は今回のこの案件も現れているというふうに思いますよ。御反論をどうぞ、御反論を、総理。
  98. 高橋道和

    政府参考人(高橋道和君) 外部からの問合せに関する報道についてのお尋ねでございましたが、今回、文部科学省が事実確認を行うことは文科省としての判断でございます。この点だけ申し上げさせていただきたいと思います。(発言する者あり)
  99. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) どうぞ答弁してください。(発言する者あり)  難波奨二君。
  100. 難波奨二

    ○難波奨二君 私は総理に、総理にお聞きしているんですよ。今私が申し上げたことを文科省のお役人に答えてもらってもしようがないですよ。(発言する者あり)
  101. 高橋道和

    政府参考人(高橋道和君) 委員長の御指名でございますので、答弁をさせていただきます。  今回のこの事実確認の問合せの判断は、文部科学省の判断として行ったものでございます。
  102. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 今の問合せについては、御質問について、私は事案を承知をしておりませんのでお答えのしようがないところでございますが、ただいま局長から答弁したとおりだと思います。
  103. 難波奨二

    ○難波奨二君 それでは、もうこれ以上申し上げませんけれども、是非、今回の事案というのは、きちっとやっぱり官邸の中で御議論いただいて、総理も正しい認識を持っていただきたいというふうに思うし、そしてやっぱり注意すべきことはきちんと注意するという、そういう姿勢を取っていただきたいと思います。  それでは、パネルの二をお願いしたいと思います。(資料提示)  今回の改ざん問題の経緯について、官房長官が御退席になられますので、まずこの問題からお話をお伺いしたいと思いますけど、石井大臣が十三日の会見で、この国交省内部にあったコピーというものを五日の時点で財務省るいは官邸に報告をしたというふうに言われておるわけでございますが、私は考えると、別に石井大臣が国交省の中にこの文書があったからということを記者会見で発表されることの必要性というのはある意味感じないんですよ。別に黙っておられても何の問題もなかったんです。  なぜ大臣は、国交省内部にあったその改ざん前のコピーといいますか、そのものを記者会見で発表しようというお気持ちになられたのか、これをまずお聞きしたいと思います。
  104. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) あれですね、財務省に対して文書を提供したという話ですね。  実は私、三月十三日の会見で申し上げたのですが、その前日、三月十二日に野党の合同ヒアリングというのがありまして、そこで実は国交省の担当者から、野党の皆さんから御質問をいただきましたので、その旨はもう既に発言をしております。それを前提として記者から十三日の会見で聞かれたものですから、私の方から改めてお答えをさせていただいたということであります。
  105. 難波奨二

    ○難波奨二君 国交省は、あの五日の時点で財務省改ざんというものを、可能性があるというふうに認識したというふうに、このように言われておるわけでございますけれども、これは大臣、五日より前に国交省内部では、いや、ちょっと怪しいかも分からないよねというような話が内部ではあったんじゃないですか。いかがですか。
  106. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 国土交通省といたしましては、三月二日の朝日新聞の報道で初めて書換えの可能性があるということを知ったわけでありまして、その日に財務省に、国会に公表されている資料を改めて入手をし、私どもが手元にある資料との確認をしたということであります。
  107. 難波奨二

    ○難波奨二君 官邸は、五日の時点で杉田官房副長官が国交省から連絡を受けまして、そして菅官房長官に六日に報告したということをこの間もお答えになられておりますし、総理にも官房長官は六日に報告したというふうに答弁でなされておるわけでございますが、その前の委員会での総理大臣答弁というのは、十一日に私は知ったというふうにおっしゃっておりますけれども、これは総理、六日が正しいんでしょうか、十一日が正しいんでしょうか。
  108. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) まず時系列で御説明をさせていただきたいと思いますが、まず、三月の五日月曜日に国土交通省より杉田副長官に対し報告がなされた際は、森友学園財務省文書の一部が国土交通省に保存されており、その文書書換え前のものである可能性があるとの報告でありました。それを受けた杉田副長官は、国土交通省に対しては財務省の調査に全面的に協力するよう指示を行い、財務省に対しては調査を徹底的に行うよう改めて指示をするなど、それぞれの省庁に対し事実の解明に向けてしっかり対応するよう指示を行ったものと承知をしております。  そうした動きについて、六日、杉田副長官より私に対して、秘書官経由ではございますが、報告がありました。そして、杉田副長官より関係省庁に対し既に指示をしたとの報告を受け、私としては、必要な指示を行ったと、こう認識をしたところでございます。そして、財務省からまとまった報告を受けたのは十一日というふうに答弁をさせていただいているところでございます。
  109. 難波奨二

    ○難波奨二君 官房長官は、この六日の時点でその報告を聞いておって、なぜ、国会含め、あるい官房長官記者会見でそういう改ざんの疑いがあるということをお話しにならなかったかという問いに対しまして、不確実性な問題だから、政府として確実なものじゃないからお話しすることはしなかったというふうにお話しされておりますけれども、しかし、この問題というのは、御案内のように、国会の空転も呼んだ話でございます。この問題によって大切な大切な国民の皆さんのこの予算審議というものが一週間以上にわたって行われることができなかったわけですよ。官房長官がもっとそういう状況というものを早く国会に示したり、国民の皆さんにお話しなされていたら、また状況は違ったんじゃないですか。どうですか、官房長官
  110. 菅義偉

    国務大臣(菅義偉君) 今総理からお話がありましたけれども、まず、五日の日に杉田副長官に対して国交省から書換え前のものである可能性があるとの報告を受けて、そして副長官は、その場で国交省に対して財務省の調査に全面的に協力するよう、財務省に対しては調査を徹底して行うよう指示をした。で、六日の日、私、そうした動きについて報告がありました。  そして、是非ここは御理解いただきたいんですけど、その際、今副長官は財務省に指示していますので、まず財務省においては、確認を行うため職員の聞き取りや徹底した文書の調査、その自ら調査を行って、その上で九日に検察当局に協力を依頼をし、そこで最終的に書換え前の文書の確認に至ったということなんです。ですから、その間に、政府の立場で不確実なことは申し上げる、このことはですね、べきじゃないという、今財務省でやっているところでありましたので、そういう判断をさせていただきました。
  111. 難波奨二

    ○難波奨二君 まあそうはおっしゃいますけれども、申し上げておるように、大変な混乱を生んだその今の状況の中でですよ、もっともっとやっぱり官房長官の取る対応というのは私は適切な対応があったんじゃないかというふうに思っておりますので、記者会見でございますからまああれでございますが。  私、次に麻生大臣にちょっとお伺い、どうも私、これもよく分からないんですよ。先ほどの質問の中にも大臣お答えになられておりましたけど、大臣は、国交省から五日に財務省にその話があって、六日、十一日に大臣はそのことを知ったというふうにおっしゃっているわけですよ、改ざんを。ところが、私は不思議なのは、この佐川長官が九日に辞任をなされているんですよ、九日に佐川国税庁長官は辞任なされているんです。  これ一般的な、一般的ですよ、これ非常に私、理解できないんですけれども、大臣は、佐川長官の辞任をお認めになられた。普通ならですよ、この改ざん問題というものを御存じの上で私は辞任をお認めになられたなら、九日に辞任をお認めになられたなら私、理解できるんですよ。ところが、そのことを全く御存じのない中で佐川長官が、私の答弁国会の混乱を招いたと、そして今ちょうど徴税事務の期間だから、私が国税庁長官でいることにその徴税事務にも影響が起きちゃならないから私は辞任するということでお辞めになられたわけですけど、なぜ長官の辞任をお認めになられたんですか。改ざん問題は全く御存じなかったんですよ。
  112. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) これは前に財務金融委員会かどこかで御同様の質問を頂戴したんで答弁をさせていただいておりますけれども、私ども、私の立場として、三月の九日の段階で、佐川前長官のいわゆる書換えをした又は書換えがあったという事実を私自身は全く知っておりません。  繰り返し答弁をしておりますけど、この事務方の調査というか結果を聞きましたのは三月の十日、十一日であります。九日の日に佐川前長官からの依頼、戒告というか、依頼解雇の話が、退職の話、退官の話がありましたときには、私どもとしては書換えがあったという点をその段階で本人からは聞いてはおりません。また、本人の退官理由もこの書換え等々の話に言及することはありませんで、きちんといわゆる国会の中において一連の混乱を招いた責任をという話が主たる理由だったと記憶いたしますので、私どもとしては、国税庁長官という現場の一番大事なところにおりますので、そういった者が、まだ今三月の十五日前でもありましたんで、そういう状況の中で現場混乱を招くのはいかがなものかというんで、素直にそれを受諾させていただいたということであります。
  113. 難波奨二

    ○難波奨二君 九日の大臣記者会見でございますけれども、実は佐川さんの処分がもう九日には出されているわけですよね。二〇%の給与の減額、そしてそれが三か月ということでございます。私の経験でいうと、これはかなり重い実は処分なんですよね。  そこで、もう一つ、その会見で大臣はこう述べられておるわけですよ。更に処分があって、そして申し上げたような懲戒処分、これもあり得るというふうにおっしゃっておられるんですが、これは何の根拠に基づいてそのようにおっしゃったんですか。
  114. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) これは、難波先生御存じのように、今大阪地検では捜査が継続中であります。  したがいまして、私どもとしては、今これがまだ、結果というか結審というか、最終が出ておりませんので、その段階の途中でありますから、私としては佐川長官に対して、少なくとも今回は希望というか要望を私どもとしては受けますが、今の状況においては捜査が継続中でありますので、更にいろいろな問題が出てくるかもしれないという状況にあります。  したがって、今の段階としては、一連の状況というのは間違いなく、しかるべきということで三〇%、済みません、三か月二〇%というのは出させていただきましたけれども、更にそういった大阪地検等々のものが出てきた場合においては、更に、何というの、減給等の話をさせていただくというのは当然のことなんだと、私どもはそう思っておりますので、そういう前提もあり得ると思っておりましたからそう申し上げたというのが経緯です。
  115. 難波奨二

    ○難波奨二君 理財局長、通告しておりませんけれども、佐川前長官でございますけど、もう退職金は支払われましたか。
  116. 矢野康治

    政府参考人(矢野康治君) お答えいたします。  法令にのっとって手続を進めますけれども、まだでございます。
  117. 難波奨二

    ○難波奨二君 正しい私は対応だというふうに思いますけれども。おっしゃっておられるように、結果が全て出ないと、この処分というのは更に重くなる可能性がございますし、これは本当、本当に重い重い懲戒処分になる可能性もあるわけですよ。だから、退職金なんてそんなに早く出すという行為は私はあっちゃならないというふうに思っておりますので、そのことを申し上げておきたいと思います。  しかし、そしてもう一つは、先ほどもありましたけれども、麻生大臣が十一日まで知らなかったというのは、こんなことあり得ませんよ、それは。官房長にはもう聞きませんけどね、それはあり得ないことをやっぱりやられておられるわけです。そのことも指摘しておきたいと思います。  次は、パネル一をお願いしたいというふうに思います。  総理大臣にお伺いいたしますけれども、この間も申し上げてまいりましたが、この問題は、一年にわたってこの国会で、衆参で議論してきたわけです。改ざんという問題が起きて大きな前提条件は変わりましたけれども、いまだこの二つのポイントというのは何も明らかになっていないんですよ。今日も確かに理財局長は想定的なことをお話しなされたけれども、公文書はなぜ改ざんされたのか、動機は、誰の指示で、誰が書き換えたのか、これは全く分からないんですよ。  そして、二点目のポイントなんですけれども、これもずっとお話があるように、九億以上のこの国有地が、八億以上の値引きがあって、これはごみがあってということでございますが、一億円になったという、八億二千万も値下げをしたと、ディスカウントしたことが適正だったのかどうなのか、そして政治家等の関与や官僚のそんたくはなかったのかということも、全くこれ、明らかになっていないんですよ。私は今日の議論聞いていても、恐らくまあこの後も質問は続きますが、この二つのポイントの全容解明というのは、こういう議論を行っていたのでは私は一歩も前へ進まないというふうに思いますよ。  したがって、要求しておきたいというふうに思いますけれども、森友劇場というふうにあえて呼びたいというふうに思いますが、森友劇場に登場する人物を、国会に来ていただいて、やっぱり正しい真実をお話ししていただかなくちゃ私はこの全容解明というのはできないというふうに思っているんです。  是非、この間も求めておりますけれども、佐川長官、そして昭恵夫人、総理の、お付きであった谷査恵子さんを含めて国会に招致いただきますよう、証人喚問という、そういう対応をしていただきますよう、そして今日の委員会で議決をしていただきますよう、委員長にお願い申し上げます。
  118. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) ただいまの要求に関しましては、後刻理事会で協議をさせていただきます。
  119. 難波奨二

    ○難波奨二君 私は総理に、この問題の全容解明、全容解明に向けた決意はもうお二人の御発言の中では答えておられますので、私はその問いはいたしません。今私が申し上げたこの森友問題の全容解明のためには、この二つのポイントが必須の条件だというこの私の言っていることを同感していただけますか。どうですか。
  120. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 従来から申し上げておりますように、売却、この国有地の売却あるいは認可について私も妻も一切関与していないということは申し上げてきたとおりでございますし、また、今回の書換え前の文書を見ていただいても、それは私や妻が関わっていないということはむしろこれは明らかになっていると、こう思うところでございまして、妻についての御質問について私は誠意を持ってお答えをさせていただいているところでございます。  また、谷さんについて御言及があったんですが、言わば谷さんのファクスについてはこの原文にも全く記述がないわけでございまして、言わばこの売買等々、貸付け等々には全く関わりがないということで、元々の文書自体にも載ってはいなかったのではないかと、こう推測もしているところでございますが、いずれにせよ、この原文を見ていただきましても、私の妻につきましては、既に産経新聞のウエブで紹介されている、一般に公開されているものの引用にすぎないわけでございますし、そしてまた籠池氏の発言が載っているだけであろうと、このように考えているところでございます。
  121. 難波奨二

    ○難波奨二君 私はそういうことを総理に……(発言する者あり)
  122. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) ちょっと御静粛に。
  123. 難波奨二

    ○難波奨二君 お聞きしているんじゃないんですよ。一年間、一年間国会で森友の問題ばかり質問するな、加計の問題ばかり質問するな、もっと重要なことがあるだろうというふうな、そういう批判も受けてきたわけですよね。しかし、何の解決もできていないんですよ、申し上げたように。前提も大きく変わった、ごみの積算根拠についてもこれも変わってきた。全くステージがもう変わってきたわけですよ。  そういう中で、私が、再度もう一遍お聞きしますけれども、この二つのポイントが解決されない限り、森友問題というのは終結しないという私のこの意見に対して、総理はどう思うかということを私は聞いているんです。イエスかノーでいいんですよ。そのとおりか、そうじゃないでいいんですよ。
  124. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) この終結をするというのは国民皆様の御納得ということだろうと思いますので、それは私が答えるべきことではなくて、国民皆様が御判断されることだろうと、こう思うところでございます。  そして、売買価格が適切であったかどうかについては、今までも財務省からるる説明があったと、このように思いますので、今後ともこの点につきましては理財局から誠意を持って答弁すべきであろうと、このように思います。  かつ、私や妻がこの売買に関与をしていたかどうかということについては、今までも何回も申し上げてきたとおりでございますが、この文書にですね、この文書の中にそれを示すものがあれば別でありますが、むしろそれはそうではないということが……(発言する者あり)
  125. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 静かに、お静かに。
  126. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 私は明らかになっていると、このように思います。
  127. 難波奨二

    ○難波奨二君 私、二回同じ質問しているんですよ。また違うことをおっしゃっているんですよ。もう一度、三回目ですよ、もう時間稼ぎしないでくださいよ。  森友問題の終結には、この二つのポイントが解決されない限り、このことが明々白々、世の中の中に真実として明らかにならない限り、解決になりませんよねというふうに私、申し上げているんですよ。
  128. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) この公文書がですね、公文書が、今ちょっと、済みません、よく十分に理解をしていなかったかもしれません、公文書はなぜ改ざんされたかということにつきましては、まさにこれは大変重要なことでございますから、当然捜査に全面的に協力をするとともに、しっかりとこの全容を解明していかなければならないと、こう思っております。  また、国有地につきましては、これは既に今まで財務省からも答弁をさせていただいているとおりでございますが、更にこれは御質問があれば誠意を持って財務省から答えなければならないと、このように考えております。
  129. 難波奨二

    ○難波奨二君 もう国民皆様、もう今の総理の答弁お聞きになられてお分かりになられたと思いますけれども、本気度がないわけですよ。  確かに、確かにこの週末では……(発言する者あり)
  130. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 御静粛に。
  131. 難波奨二

    ○難波奨二君 安倍内閣の支持率は落ちたかも分からない。でも、圧倒的に衆参で三分の二以上の議席を持っておられるんですよ。そして、国民の支持率も非常に高い政党であるし、内閣なんですよ、これ間違いなく。  だからこそ、安倍総理が本当にその思いを持ってこの問題の解決に取り組まれようとすれば、私はできると思いますよ。そんなものは官僚がそんたくするので、そんたくしますよ、そんなことは、解決に向けてですよ。そのことを、もうこれ以上申し上げませんが、是非総理がその本気度を見せていただきたい。何かあれば、総理、どうぞ。
  132. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) まさにこれは国民の信頼を揺るがす事態になっているということは十分に承知をしておりますし、国民皆様から厳しい目が向けられているということを真摯に受け止め、その中で今委員が、難波委員が御指摘になったように、なぜこの公文書改ざんされたか、なぜこんなことが起こったかということはしっかりと解明していくその責任が私にはあると、このように思っておりますので、それはしっかりと解明していきたいと、こう考えております。  そして、この値引きにつきましては、私は、まさに今までもこの一年間掛けて様々な御説明をさせていただいたところでございますし、また会計検査院からも御指摘があったことは承知をしておりますが、また、今後ともこの問題につきましてはまさにしっかりと財務省から答弁することが求められていると、このように思っております。
  133. 難波奨二

    ○難波奨二君 このキーワードも……(発言する者あり)
  134. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) お静かに。
  135. 難波奨二

    ○難波奨二君 ちょっと静かにしていただけますか。  このキーワードも、実は国会審議で度々……(発言する者あり)
  136. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 質問が聞こえませんので、御静粛に。
  137. 難波奨二

    ○難波奨二君 度々出てくるわけでございますが、総理がこの問題に関係したとしていたならば総理大臣国会議員も辞めたという、やっぱりこのキーワードは非常に大きかったというふうに思うんですよね、これは。総理自身も、先ほどもありましたが、総理自身の覚悟も、それは確かにおっしゃったことでございましょう。  しかし、私は、やっぱりそんたくというのは、まあ日本人の美学として私は別にあってもいいと思っているんですよ、そんたくというのはですよ。しかし、そのそんたくというのが間違った方向に使われると、これはもう大変な問題になるわけでございまして、今回のその問題に対して総理の発言が影響あったかどうか。これは、総理、御自身の進退の問題ですよね、これが非常にやっぱり官僚の皆さんにとって非常に大きな影響があったんじゃないかという、そういう思いは今持っておられますか。
  138. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 確かに、諸先輩からも、自分の進退について発言すべきではないと、特に総理大臣はというお言葉を、お叱りもいただいたことがございますが、私は、こうした国有地の売買について私が影響を与えて、しかも、私と、妻が名誉校長を務めていたということによって私が影響を与えて、影響を与えてですね、あるいは関与して、これ安くしてくださいという、そういう関与をしているのであれば、それはまさに私自身としてはこれは国会議員を辞するに値すると、私はこれは私の信念として申し上げたところでございます。そして、まさに今回の文書書換え前の文書を見ていただいても、これは全くそうではなかったということは明らかであろうと、このように確信をしております。
  139. 難波奨二

    ○難波奨二君 この問題もそうなんですけど、やっぱり総理だけの御発言ではこれは実証にならないわけですよね。したがって、やはり佐川さんの証人喚問というのは必要なんだということを申し上げておきたいというふうに思います。  また、同様なんですが、パネル五をお願いしたいと思いますけれども、同様に、今回の決裁書改ざん前の表でございますけれども、この決裁書には多くの政治家の名前が出ているし、そして昭恵夫人の名前も出ているわけです。  こうしたことをやっぱり考えると、常識的にはですよ、常識的には、この政治家なりあるいは昭恵夫人という総理の御夫人の意向やそんたくというものを受けて行政側がいろんな配慮を行ったというのは、これは確かに推察ではあるんですけれども、しかしこれは、これを正しく実証するためには、これもやっぱり佐川長官に来ていただいて、国会の中で証人をしていただかなくちゃならない一つの事案なわけです。  こういうふうな形で、総理、財務省理財局のこの決裁書政治家の名前があったりあるいは昭恵夫人があったことに対して、政治家案件というような、今回の森友問題、土地取引の問題が政治家案件だという認識を持つことに対してはどういうお考えを持ちますか。
  140. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  今委員から御指摘のいただいた書換え前の文書は、特例承認というものについての経緯でございます。これはただ一つ本省の決裁になるもので、それでそういうものが付いておったということで、基本的には、今回のこの森友学園をめぐる議論でも様々なところで出てまいりましたけれども、国会対応は本省の責任だというふうに地方支分部局は思っております、近畿財務局も含めて。そういうことなので、国会対応をする本省に対して、その国会周りのことで関係することは書こうということでそういうものを付けておったということだというふうに思ってございます。  ただ、政治家なりあるいはそういう方以外のところも、その経緯は随分たくさん、ある意味でその本省の特例承認のために詳しく書いてあって、それを結果的にはほとんど削除しているというのは事実でございます。
  141. 難波奨二

    ○難波奨二君 総理、今申し上げましたけれども、多くの政治家の皆さんと昭恵夫人は同列でこの決裁書に記載されているんです。おっしゃっておられますように、直接、昭恵さんが云々の話じゃございません、おっしゃっておられるように。しかし、この記載の文書には、政治家の名前と昭恵夫人の名前が同列でここには記載してあるんですよ。そのことに対する事実ですよ。この事実に対しては総理はどういうふうにお受け止めになられますか。
  142. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 今、難波委員も正確に事実関係を述べていただいたと、このように思っております。政治家の事務所からの陳情についての事実と、また、昭恵につきましては、それは陳情等ではなかったということも今、難波委員も御紹介をいただいたと、このように思いますが、記述を書いてあるのは事実でございます。  それは、先ほど太田局長から答弁をさせていただいたように、この特例という意味についても局長から答弁をさせていただきましたが、その中、全体、特例ということとは別に、言わばこの交渉過程の中であったことを基本的に全て記述をされたということではないかと、このように思います。
  143. 難波奨二

    ○難波奨二君 この問題もそうなんですけど、結局、やはり関与した人、あるいは、森友劇場という私、表現いたしましたけれども、そこに登場の人たちを国会においでいただいて、そしてやっぱり御発言をしていただく、その真実を明らかにしていただくことが極めて重要だということを、これも重ねて指摘をしておきたいというふうに思います。  もう一個、ちょっとまあこれも、この質問も余りやってももうくどいんでしょうが、私、よく分からないんですよ。総理は、この改ざん前の文書にこう書いてあるから昭恵夫人の関与なんて全くなかったということが証明されたということを先ほどからもうずっと答弁なされておりますけど、その理由がよく分からないんですよ。籠池さんの話だから、あるいは産経新聞のウエブの記事でよかったですかね、のその紹介だから、だから全く昭恵夫人は関係ないんだというふうにおっしゃるんですけれども、どうもこれ、分からないんですよね。  私、また同じ答弁なされると思いますので、私はもう求めませんけれども、それは、やっぱり私は、分かりにくいですよ、正直申し上げて。多分、国民の皆さんもそうだと思いますよ。名前が出ているから、昭恵夫人は全く関係ないんだというこの理屈はなかなか通りにくいと思いますが、どうですか。
  144. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 言わば、名前が出ていることと、先ほど私が申し上げましたように、国有地の売買と認可について関与していたということは、これはまた別のことでありまして、名前が出ていたことにつきましては、私、先ほど紹介をさせていただきましたが、産経のウエブの記事を紹介した、そしてその段階においては、その段階においては、既に私の妻が名誉校長を引き受けている、あるいは講演に行っている、現地に行っているということが、学校を訪問しているということは明らかになっているわけであります。その中において産経のウエブの記事が出ていたということであります。  と同時に、同時にまた、籠池氏が言ったことの紹介、発言の紹介でしかないわけでございまして、ほかの言わば……(発言する者あり)
  145. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 御静粛に。
  146. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 陳情を昭恵がしている、あるいは私がしている、あるいは事務所がしているということは一つも書いていないわけでございますから、それは全く事実では、言わば全く関与、関与があるのであればまさに元の文書に関与について書いていなければならないわけでありますが、その関与を示すものは全くないということであろうと思うわけであります。(発言する者あり)
  147. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 御静粛に。
  148. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) また、例えば政治家の事務所からについては、その陳情について、これはゼロ回答でございますが、言わば政治的な陳情については書いてあるわけでございますから、それとは事実が異なると、事実の質が異なるということを申し上げているところでございます。
  149. 難波奨二

    ○難波奨二君 総理ね、財務省決裁文書政治家と同列に奥様のお名前が、昭恵夫人のお名前が掲載されていることに問題があるわけですよ。一つの根拠になっているんですよ。  だから、申し上げますけど、申し上げますが、おっしゃるとおり、おっしゃるとおり、直接的な関与は昭恵夫人はなかったのでしょう。私、そういう言い方をします。直接的な関与はなかったのでしょう、そうあえて私は申し上げます。しかし、間接的な関与は昭恵夫人、あったんじゃないですか。そのことにやはり大きな問題があるんですよ、そんたくというのはそういうところに生じるわけですから。そのように指摘しておきたいと思います。  麻生大臣に、麻生大臣、最後の時間、何問かお伺いしたいというふうに思いますが。  今回、やはり財務省のトップとしての麻生大臣のこの対応、あるい責任の取りよう、これはやっぱりいろいろあるんだろうと思いますね。この間も述べられておりますが、数日たった今どのような心境か、お答えいただきたいと思います。
  150. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) まず、これは難波先生、やっぱり度々御指摘があっておりますように、決裁が下ろされた文書というもの、しかもそれが、国会に提出をされた文書というものが、いろいろな説明があっておりましたけど、書き換えられたという事実は、これはゆゆしき事態なんであって、これは誠にふざけた話というか、まあ正直申し上げて、与党側としても、正直こういった話は過去に例がないわけじゃありませんよ、正直申し上げて。一つもこういった決裁文書書換えがなかったというわけじゃありませんけれども、少なくともこういった話というのはあってはならないことなんであって、ゆゆしき事態だと申し上げ、私どもとしても深くおわびを申し上げますということを最初に申し上げたとおりであります。
  151. 難波奨二

    ○難波奨二君 これも国会で都度指摘をされておりますけれども、まあ一部の職員、そしてまあ佐川当時理財局長個人の指示でこれだけの大掛かりなことが起きたなんていうのはやっぱり考えにくいんですよ、これどうしても。これ、やっぱり大臣。  大臣佐川当時理財局長、この方よりも上位クラスの方がこの問題に対して関わっていたのかどうなのか、現状をどう把握されているか、お答えいただきたいと思います。
  152. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 今、御質問ですけれども、少なくともまず書換えは当時の理財局の一部の職員によって行われた、これは私どものこれまでの調査で判明しているところなんですが、その上で、どの職員がどの程度関与したか、また、今から、上部の圧力があったかとかいうお話もありましたけれども、そういった調査を行っておるところでありますので、今の段階で軽々しくこういうのが結論ですということを申し上げられる段階にはないと、まだ調査が進んでおりますので、そういった状況であるとは思っておりますけれども。  少なくとも、当時、主として答弁をいたしておりますのが佐川理財局長であったということは事実でありますので、そういった意味では関与の度合いが大きかったのではないかということを申し上げておりますが、それ以上、佐川に、当時の理財局長に対していろんな形で圧力があったということを全く考えてはおりません。
  153. 難波奨二

    ○難波奨二君 今回の問題を財務省内部だけ、そして理財局の内部だけ、そして、まあ佐川事件だなんというふうに表現をされる方がおられますけれども、佐川さんだけに、一人にやっぱり責任を負わせるというのは、これはなかなかな無理筋だというふうに思いますよ。この問題も含めて、やっぱり佐川さんには国会においでいただいて、証人喚問に応じていただいて、真実を述べていただく、そういう対応をしていただきたいと思います。  そして、同様に、佐川さんはこれまで、価格交渉というのは全く行ってこなかったというふうに国会の中で答弁をされてきておるわけです。しかし、この間の様々な事実関係というものが明らかに出てきて、今回のこの改ざん前の文書もそうでございますけれども、この価格交渉も事前に行われていたことも明々白々なわけでございますよ。このことも、佐川さんが国会に来ていただいて、きちっとこの場で証言をしていただかないと、真実が明らかにならないんです。  委員長、何度もこの佐川さんの証人喚問、求めてまいりました。今日是非議決をしていただきたいと思いますが、委員長、いかがですか。
  154. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 後刻理事会で協議をいたします。
  155. 難波奨二

    ○難波奨二君 これでもう私の質問、時間がなくなりましたので、まとめてまいりたいというふうに思いますが、恐らく国民の皆さんも、今日これまでのやり取りを聞いて、よりこの問題というのは分かりにくくなった、そういう印象を持っておられるんだろうと思います。国会がこの問題の解決に向けてどういう対応をしていくのか、そして、安倍政権が本気でこの問題の解決に向けてどう取り組むのかというのが極めてやっぱり重要なんですよ、この問題は。  そして、申し上げてきたように、全容解明、あの二つのポイントなんです。この二つの解明のために、これはもう与野党を超えてやはり取り組んでいくんだ、そして政府を挙げて取り組んでいくんだということを最後求めまして、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  156. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で難波奨二君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  157. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 次に、大野元裕君の質疑を行います。大野元裕君。
  158. 大野元裕

    大野元裕君 民進党・新緑風会の大野元裕でございます。本日は、理事、同僚の皆様の御理解をいただき、質問に立たせていただきたいと思います。  総理、そして大臣、若干質問の順番が変わりますが、御容赦をいただきたいと思っております。  まず、冒頭、麻生大臣、今日の朝の報道なので通告をしておりませんでしたけれども、毎日新聞の方で、これまで財務省が廃棄したあるいは存在しないと言ってきた森友側の交渉の経緯に関わる文書が存在したという報道が出てきました。大臣、是非、これまず御確認の上、あるのであれば是非この委員会にお出しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  159. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 今の御質問だけ、今朝の毎日新聞か、毎日新聞だというお話でしたけど、通告をいただいていませんでしたけれども、一連の対応が一段落付いたところで更なる対応を行っていかなというのははっきりしておると思っておりますので、今回も、意図的に隠したというような話ではなくて、ちょっと抜け落ちたとか、一ページ丸々抜けちゃっているという話でございますので、そういった意味では、ばたばたばたばたさせておりますので、そういった意味では落ち度があったということだと思いますので、おわびを申し上げます。
  160. 大野元裕

    大野元裕君 その文書とはまた逆、違って、経緯文書が確認をもしされた場合には是非お出しをいただきたいと、ちょっとそこだけ、もう簡潔で結構です。
  161. 太田充

    政府参考人太田充君) お答え申し上げます。  今朝の毎日新聞の報道は承知をしております。先週に御党の白眞勲委員から同趣旨の御質問を頂戴、毎日新聞の報道はございませんけど、同趣旨の御質問を頂戴いたしました。今日の朝、ああいう今大臣からお答えのあったミスがあって、大変申し訳ない状況でございますが、おっしゃるとおり、今回の公文書書換え、あっ、決裁文書書換えということの状況からして、ほかにも、今までこういうことを言ったけど違うことが起きているんじゃないかという御疑問はよく分かります。  それで、この報道も含めて必死になって調べようと思いますが、まず、ちょっとこの決裁文書書換えのことをきちんと整理をさせていただいて、きちんと御報告をさせていただいて、その上でと思っております。一段落付いたらと申し上げ、できるだけ早くというのは重々分かっております、一段落を、はあるかもしれませんが、誠心誠意それを調査して御報告をさせていただきます。それはお約束をさせていただきます。
  162. 大野元裕

    大野元裕君 委員長、早急なこの資料の提出を求めます。
  163. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。
  164. 大野元裕

    大野元裕君 さて、この森友学園をめぐる問題は、当初、不当な価格で国有財産が売られたのではないか、大阪府の認可は適当であったのか、その背後に政治家の圧力や官僚のそんたくがあったのではないかというと、どちらかというと個別の問題の色彩が強かった。ところが、財務省が、あろうことか決裁文書改ざんし、それを国会議員に提出していたことが明らかになり、民主主義の根幹が損なわれ、国会行政、三権分立、これが問われているという非常に大きな問題になったと私は考えております。  そこで、まずは、財務省の官房長に今日来ていただいているので、財務省の官房長にお伺いしたいんですけれども、財務省という省庁は、公文書に何の意味もないものを書く、そんなことを指導しているんですか、教えてください。
  165. 矢野康治

    政府参考人(矢野康治君) お答えいたします。  公文書管理法では、意思決定に至る過程や事務事業の実績を合理的に跡付けし、検証できるように文書を作成すべきものと法律に規定されておりますので、決裁文書にどのような情報を盛り込むかにつきましてはそれぞれの部署においてきちんと判断をしていく問題だと思っております。
  166. 大野元裕

    大野元裕君 さて、私もかつて国家公務員でした。意味のないことを公文書に書いたとすれば、上司から怒られる、あるい決裁を経る過程で削られる、これが当然だと思っています。財務省行政文書管理規則第十条にも、行政文書は的確かつ簡潔でなければならないとあります。先ほどの自民党の委員質疑では、太田局長が、決裁書には良いと思って判を押したと思っている、意味があるから書くということをおっしゃっておられました。  そこで、この公文書についてなんですけれども、午前中、あっ、済みません、先ほどの質疑の中でもございましたけれども、この公文書の中には政治家の関与が記されていました。(資料提示)この黄色い部分政治家の関与があるところであります。これきっと意味があるんだと思います。また、そこにはただ一人だけ政治家じゃない方がいるんですね。それは昭恵夫人です。平成二十六年四月二十八日の近財と籠池理事長が打合せをした際、本年四月二十五日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは、いい土地ですから前に進めてくださいとのお言葉をいただいたとの発言ありと、二十七年二月四日の特例承認決裁文書にはあります。さらに同じ文書には、産経新聞の先ほど来議論になっているネット記事のことが掲載されています。  総理にお伺いしたいんですけれども、これ、なぜこんな記述、意味があるから書いたと思うんですけど、書いたんでしょうか。また、多くの人が決裁をした文書、そこから削られなかったんでしょうか。総理、政治家以外のこの方が書かれている意味、何を示そうとお考えになりますか。
  167. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) これは、書いた方にこれは聞いていただかなければ、私はお答えのしようがないわけであります。私自身が書いたわけではございません。
  168. 大野元裕

    大野元裕君 行政責任者として、公文書についての管理は勝手なことを書いてはいけないのは当然であります。  また、もう一つお伺いしますけれども、これは意味があって書いたと思いますけれども、昭恵夫人のお名前を書くというのは、これ大きな問題ですよね。私が公務員だったら、恐れ多くも時の総理夫人の名前を好き勝手に書くわけにはなかなかいきません。しかし、そのときに、逆に今度はこれ提出するときに違法な改ざんまで行って二つの記述を消そうとしたんです。総理、これ公表されるとまずいかなと思って消したんじゃないかなと私は疑っているんですけど、何がまずいとお考えですか。
  169. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 消す、何がまずいかという、ちょっと意味がよく分からないんですが。何がまずいというのを、誰がそう考えたんですか。
  170. 大野元裕

    大野元裕君 そうなんです。書いた方が私にはよく分かりませんけれども、少なくとも太田局長のお話によれば、佐川理財局長はこれを知っていたと。総理は、想像も付かないのであれば、是非、じゃ、ここで話聞いてみませんか。  佐川理財局長を証人として喚問することを求め、それにつき本日議決をしていただくことをまずは求めます。
  171. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) ただいまの御要求に対しましては、後刻理事会で協議をさせていただきます。
  172. 大野元裕

    大野元裕君 それでは、総理は、なぜ書いたのか、なぜ消したのかがお分かりにならないというお話でございました。  他方、こういったお名前があるということが役人にそんたくを強いたということはお考えにはなりませんか。
  173. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) これは、大野委員推測を述べよということだろうと、このように思います。  言わばこれは、そんたくをしたかどうかということは、これは私には、正確に、その本人の気持ちに、その本人でなければお答えのしようがないわけでございますが、いずれにせよ、この当事者、書いた当事者はそれまでの言わば経緯について淡々と事実を述べたんだろうと、このように思う次第でございますし、同時にですね、同時に、正しく判断をしているということもしっかりと書き込んでいたのだろうと、全文読んでそう理解をしているわけでございますし、言わばその事実関係を淡々と述べている中において妻に対する記述も書いていた。しかし、それが、例えばですね、例えば私の妻が具体的にこうしてくれということを頼んだということは全くもちろんないわけでありますし、言わばそういう疑いが掛けられていたわけでありますが、その記述は全くなかったわけでございます。  また、今、例えば谷さんのファクスについても、この記述そのものがないわけでございます。ということについては、それは全く影響を与えていなかったかもしれないと、まあ、こう推測もできるわけでございますが、いずれにせよ、これ何回も述べているようにですね、既に公表されている、既に公表されている産経のウエブについても引用し、また、籠池氏が発言した中身、これは妻は述べていないと、こういうふうに明確に私に伝えているところでございますが、しかし、そうした事実を書いているということであろうと、こう考えているところでございまして、また、これがですね、これが元の文書を出していただいていれば、むしろ元の文書を出していただいていれば、妻の関与が全くなかったということの証明になると、私はそう思っているところでございます。
  174. 大野元裕

    大野元裕君 総理、踏み込み過ぎです。  私は、そこで昭恵夫人が何かの陳情をしたとか指示したとか、そこまで私、何も言っていません。そこに書かれていた事実自体、なぜ書かれたか、そして、そこで消されたかということ自体が官僚がそんたくをしたということを意味しているとはお考えになりませんかということを聞いたわけですけれども、それでは少し聞きましょう。  実は、佐川局長国会答弁に合わせて決裁書改ざんされた云々という話がございましたが、別に、昭恵夫人のところ、私は、答弁はほとんど総理がなさっておられますから、これ、つじつまを合わせるのであれば総理の部分になると思います。  総理はこの件に関して、昨年の三月のことなんですけれども、本院の財政金融委員会で我が党議員の質問に対して、当時の近財局長も当時の理財局長も、全くこの案件は知らなかったというふうに答えているわけです、私の妻がここに講演に行ったということも近財局長は全く知らなかったわけでございまして、そういう意味では、当然そんたくの働く余地は全くなかったと言っていいものではないかとお答えになっております。  要するに、この文書に基づくと、公表された方のこの財務省改ざん文書に基づくと、近財局長は講演に行ったことを知っていたんじゃないですか。理財局次長も決裁をしていますから知っていますよね。局議がありますから、局議の中では理財局長も御存じであった可能性が高いと思います。  そもそも、総理、決裁者は理財局次長です。つまり、最終的にこの案件を左右できるのは紙の上からは理財局長なんです。つまり、総理のお話は、権限を有する人間が知らないのであればそんたくの働く余地はないという話でした。ところが、権限のある人間が、そんたくの余地のある人間がこの件知っていたじゃないですか。ということは、総理の論理に従えば、つまり、総理は権限のある人間が知らなかったから全くそんたくの余地はないと言ったわけですから、今回の文書で明らかになったので、そんたくする余地はなかったという答弁はおかしい、あったということでよろしいですね。
  175. 太田充

    政府参考人太田充君) 済みません、事実関係だけ、事実関係だけ申し上げさせてください。  今委員の御指摘のあった総理の答弁るいは今のこのお話ですが、今委員が議論をされておられる特例承認というのについて本省決裁だと、理財局長決裁だとおっしゃいました。それは平成二十七年の四月……(発言する者あり)あっ、局次長であり、局次長決裁は二十七年の四月の話でございます。総理が国会で御答弁されておられるのは、売払いのときの二十八年の春、六月、最終的に六月になりますが、そのときの局長は、理財局長は迫田理財局長であり、近畿財務局長は武内局長、武内なので、その二人が国会でそういう答弁を申し上げたということを総理が答弁されているだけで、特例承認のときのは違いますので……
  176. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 答弁簡潔に。
  177. 太田充

    政府参考人太田充君) ということだけはお願い、事実関係だけ。
  178. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 今事実関係を、太田局長の事実関係を聞いていただければもう既に明らかになっていると、このように思うわけでありまして、私はそのときの迫田言わば局長と当時の近財局長のこの答弁をそのまま述べたということでございまして、言わば既にそのお二人も述べているわけでございますから、そう述べていたということでございまして、今委員が挙げられたときの理財局長とは別ということでございますので、言わば私が紹介したのは、その二十七年の理財局長ではなくて、言わばそのとき、そのときの、そのとき指摘をされていた、指摘をされていたお二人が、迫田局長と武内局長答弁をされておりましたから、この二人の答弁を私は聞いて、それを紹介をさせていただいたということでございますので、何の矛盾もないだろうと、このように思っております。
  179. 大野元裕

    大野元裕君 全く取り違えだと私は思います。なぜならば、確かに、総理が言うとおり、迫田局長と武内局長答弁はしました。しかしながら、そのことをもって、実は総理は迫田さんと武内さんの答弁を紹介したんじゃないんです。それを引いておっしゃったのは、何を言ったかというと、「私の妻がここに講演に行ったことも近財局長は全く知らなかったわけでございまして、そういう意味においては、当然そんたくの働く余地は全くなかった」。つまり、権限を有している人間が知らなければそんたくなんか働かないよねということを総理はおっしゃったんです。そうですよね。  ところが、その前の、例えば、二十七年時点の例えば認可の話、貸付けの話、売払いの話、それぞれに確かに担当者は違いますが、それぞれの決裁権限がある人間がそのときに総理夫人が行ったということをわざわざ書いているんです。そして、その人間が決裁しているんです。要するに、権限のある人間は、それを知っていたとしたらば、全くそんたくの余地がないとする総理の論理は崩れてしまうではないですか、そこにそんたくの余地がないとは言えないんじゃないんですかと聞いているわけですから、そのときの答弁の個別の話ではありません。是非答弁ください。
  180. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) これは、私が述べたのは、言わば迫田局長と武内局長が、言わばまさにこの売り買い、国有地の売却について関わって、言わばそのときの責任者ということであれば、この二人は知らなかったのは事実でございまして、それを、それを知らなかったということを私は答弁で聞いているわけでありますから、それを答えたということでございます。それが全てでございます。
  181. 大野元裕

    大野元裕君 どこが全てなんですか。知らなかったということが全てじゃないじゃないですか。私が聞いているのはそこじゃないです、その後。私の妻がここに講演と、行ったことも近財局長は全く知らなかった、ここまでそうです、わけでございまして、そういう意味においては、当然そんたくの働く余地は全くなかった、権限のある人間が知らなかったからそんたくの余地がない、これは私、論理としてはあると思いますよ。でも、実際には、それぞれ個別の案件ではなく、例えばこの先ほど申し上げた売払いの特例措置、あるいはその貸付け、それぞれの問題について権限のある人間は知っていたということになりますから、総理の御答弁にあった局長が知らなかったからそんたくの余地がないというこの論理は崩れていませんかと聞いているんです。
  182. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) それは、委員、言わば私と局長、言わば局長は総理と接する機会というのはございますから、言わばそういう政治的な判断をする可能性があるとすれば局長までだろうと、こう考えたわけでありまして、その局長がそれは知らなかったということを述べているわけでありますから、言わば、これちょっと擦れ違っているんですが、私が述べているのは、まさに局長が既にそういう答弁をしているわけでありますから、私はそう申し上げているわけでございます。  そこで、大野委員がおっしゃっているわけでありますが、これはまさに、そのそんたくされたかどうかということは、私は最終的に正確にお答えのしようがないわけでございますが、しかし、そんたくしたかしないかということについて言えば、この文書の中において一回も私の妻がお願いをしているというところは全く出ていないわけでありますから、この文書を見ていただければそれは明らかなんだろうと思います。(発言する者あり)
  183. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  184. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) それじゃ、速記を起こしてください。  もう一回ちょっと質問してください、簡単に。
  185. 大野元裕

    大野元裕君 いや、明確です。クリアです。
  186. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) いやいや、簡単に。
  187. 大野元裕

    大野元裕君 権限を持っている者がそれを知らなければ、失礼、講演に行ったことを知らなければそんたくの余地がないという、これは議論としては私も分かります。しかしながら、今、局次長は決裁をしていますから知っていますということは、全くそんたくの余地がないという総理の御答弁はおかしいんじゃないんですかということです。
  188. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 言わば私が申し上げているのは、あのとき問題になっているのは売却の件であろうと思います。売却のところについては、実は全く妻に対する記述はゼロでございます。そのことを申し上げておきたいと思いますし、あのとき議論になっておりましたのは、まさに国有地の売却についてこの値引きがあったのではないかという議論がなされていて、それに私や妻が関わっていれば責任を取るということを申し上げたところでございます。で、公文書決裁文書の中においても、売却についてはこれは全く妻の記述がないんですから、妻の記述がないんですよ。ですから、それは、今委員がおっしゃっているのは貸付け文書であろうと、このように思います。(発言する者あり)
  189. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  190. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 速記を起こしてください。
  191. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 私がそんたくの余地というふうに申し上げておりますのは、まさにこの売却について、売却について、これもう明確にこのファクトを申し上げているわけでありまして、売却について、九億円が一億数千万円になったという売却について関わっていたかどうか、言わば私の妻が名誉校長というか講演に行ったりしていたことをもってしてこれ値引きがされたかどうかといえば、これ売却におけるこれはそんたくがあったかどうかということになるわけでありまして、それは、言わばそういうものに影響を与えたかどうかということについて私が申し上げているのは、迫田局長も武内局長も全く事実を知らないわけでありまして、そういう説明をさせていただいた、ここまでは御了解いただけると思います。  その意味におきましては、言わば売買の決裁書には全く妻の名前は書いていないわけでありますから、これは全く、これは違うわけでありまして、一方、妻の名前が書いてあるところには次長までの決裁があるから、この次長は決裁権者だからと、こうおっしゃっているんだろうと思うわけでございますが、しかし、書かれている中身につきましては、知っているか知らないかということにつきましては、私が迫田局長との関係で申し上げたのはそういうことでございまして、これを、これ今強引に、強引にそちら側と混ぜているのは論理的におかしいと、こう思うわけでありまして、つまり、この貸借について出てくることによって、中身を見ていただいてもそれは全くそんたくしたという形跡はないわけでありまして、そんたくしたのであればそういう記述があってしかるべきでしょうし、そういう働きかけがあったということではないかと。  今委員がおっしゃっているのは、言わば、言わば私の妻が大阪に訪問したかどうかということ……(発言する者あり)いや、これ今、訪問したことについて、訪問したことについて、訪問したことについて知っていたかどうかということと、そんたくしていたかどうかということについて、これを結び付けるのであれば、ですから、最初に申し上げましたように、私が述べていたのは、売買に関わることでありますからそれを述べていたということでありまして、今の御下問は、こちらの決裁権者は次長ではなかったかということでありますが、その中身を見ていただければ、そんたく、言わば関わっていなかったということは明確ではないかと、こう思っているところでございます。
  192. 大野元裕

    大野元裕君 なぜならば、総理が全く余地はないと断言をされたときにこの話をされたんです。  確かに、総理ね、総理との関係では局長が会うでしょう。局次長やその下の人は関係ないでしょう。でも、その人たちはそんたくをする可能性は当然あるわけですよ。可能性はですよ、ですよ。直接局長に対して話すのであれば、これは働きかけであり、違法な働きかけですよ。しかしながら、そんたくというのは、会わなくても、会おうが会うまいが、それをそんたくをするというのはまた別の話ですから。だとすれば、そんたくする可能性がある。その権限がある人間が当然その訪問を知っていたということは総理が言っていたんですよ。総理の論理に従って言っているんです。総理は、それを知らなかったんだからそんたくする余地が全くないと言い切ったんですから。  これは、総理、きちんと御説明をいただかなければいけないと私は思いますが、今、これ延々と、十分ぐらい私の時間使われていますので、これは是非、この話、確かに総理がおっしゃるとおり、売買に関して、谷さんのファクスと、そしてその御夫人のお話が、その前にやって質問が出ているんです。だとすれば、この件について、私は、谷夫人付き及び昭恵夫人の国会での証人喚問、そして、その前提となったのは迫田局長、武内局長参考人質疑ですが、それについて明確にもう一度聞きたいと思っておりますので、証人喚問を求めたいと思います。
  193. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) ただいまの要求に関しましては、後刻理事会で協議をさせていただきます。
  194. 大野元裕

    大野元裕君 財務大臣にお伺いをさせていただきたいと思っています。  財務大臣、今回の改ざん文書に関してですけれども、財務大臣はこの改ざんについて十一日にお知りになったということで、まず確認ですが、それはそれでよろしいですか。
  195. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 度々御答弁申し上げておると存じますが、調査結果につきましては三月の十一日に報告を受けております。
  196. 大野元裕

    大野元裕君 先ほど、自民党の委員質問の中で私もこれ初めて知ったんですけれども、官邸において報告があり、これ六日に報告があった。最初の菅官房長官の御答弁は、杉田副長官の方ですか、からその報告があったときに、財務省に徹底的に協力するよう指示したという話がありました。  先ほど総理は、六日にこの報告を受けて、総理、指示をしたとおっしゃいました。何を指示されたんでしょう。
  197. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) これは、私が指示をしたというふうに申し上げてはおりません。  この動きについて、六日に杉田副長官より私に対して秘書官経由で報告があった。その報告の中身とは、国土交通省に対しては財務省の調査に全面的に協力するよう指示を行い、財務省に対しては調査を徹底的に行うよう改めて指示をするなど、それぞれの省庁に対し事実の解明に向けてしっかり対応するよう指示を行ったものと承知をしております。  そうした動きについて、六日に杉田副長官より私に対して秘書官経由で報告がありました。杉田副長官より、関係省庁に対し既に指示をしたとの報告を受け、私としては必要な指示を行ったと認識をしたと、このように申し上げたところであります。
  198. 大野元裕

    大野元裕君 先ほどの、済みません、私、答弁そのように聞いたものですから。いずれにしても、官邸の方から財務省にきちんと協力するようにと、こういった指示は行ったと、杉田副官房長官から。それは事実だというふうに思っています。  さて、そうすると、ちょっと不思議なのは、国交大臣は知っている、そして官房長官、もちろん総理もそれを知っていて、指示したことまで知っている。これは官房長のところに行ったと聞いていますけど、財務省の官房長、なぜ大臣に上げなかったんですか。
  199. 矢野康治

    政府参考人(矢野康治君) これは先ほども御答弁させていただきましたけれども、五日の日に杉田副長官からお電話を頂戴いたしました。私は、その話をいろいろ情報が錯綜している中において理財局に伝えまして、真偽を究明するようにということをお伝えさせていただいた、以上でございます。
  200. 大野元裕

    大野元裕君 なぜ、なぜ伝えなかったんですか。
  201. 矢野康治

    政府参考人(矢野康治君) 多々情報が錯綜している中で、全てを確認してから大臣に上げるというのが役人の務めだと思っております。
  202. 大野元裕

    大野元裕君 これ、八日には集中審議国会で予定されていました。そして、そのときに、まさにこの文書の問題というのは大きな争点だった。それで、その後、実は野党と与党との間のいろんなその議論があって、国会一回止まっているんですよ。そんな議論の中で、情報が錯綜している、五日間も大臣に上げなかった理由は何ですか。
  203. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  今ほど官房長が御答弁しましたように、官房長は理財局に伝えました。そういう意味で、大臣に報告しなかったという責めを負うのは理財局長の私であります。  その上で、その上で、要すれば、確かに国土交通省から貴重な情報をいただきました。でも、それは一つの情報です。いろんな関係者からも聴取をし、さらに資料を各方面から集め、それをいろんな意味で確認をした上で、こういうことではないかということをやった上ででも、最終的には捜査機関の協力を得ないとできないという状況だったものですから、そういうものを全部確認した上で捜査機関に協力をお願いできたのは九日の金曜日、捜査機関から物がいただいて、コピーをさせていただいて、私どもの手元に来たのは日付変更線を越えて十日の土曜日ということでございましたので、最終的に十一日の日に大臣に報告させていただけたと、そういうことでございます。
  204. 大野元裕

    大野元裕君 それは余りにもおかしいと私は思いますよ。即座に大臣に対して述べなきゃいけないし、そもそも官房長と理財局長、どっちが上なんですか。理財局長が判断をして、官房長に言うなって話なんですか。それ当然、大臣にどっちが上げるかとか上げないかって、私も役人でしたから、当然そこ議論しますよね。どういう判断で上げなかったんですか、そして誰が判断したんですか。
  205. 太田充

    政府参考人太田充君) どちらが上かというのは、済みません、ちょっと分かりかねるんですが、役所は年次だと言われれば、私の方が二年ほど年次が上です。  要すれば、最終的に報告する責任があったのは理財局でございますので、それは理財局責任だと言われて、そういうことだと思っております。(発言する者あり)なぜというのは、先ほど一つ前のところで御答弁を申し上げたと思っておりましたので、申し訳ありません。  基本的に、きちんと事実を確認して、確認できて、要するに、途中で一度報告したけど、また変わる、また変わるというようなことは、大変混乱を、大臣に対しても失礼だというふうに思いますので、きちんと確認して、これではないかという状況で御報告したということでございます。
  206. 大野元裕

    大野元裕君 麻生大臣、お伺いしますけれども、多くの閣僚が知っていた、総理も知っていた、私、内閣の中よく分かりませんけれども、六日間、全然、五日間、失礼、お聞きになっておられなかったわけですけど、大臣、このように、所管の大臣であるにもかかわらず、ほかの大臣が知っていた、総理まで知っていたにもかかわらず、大臣に上げられなかったことは適切だったとお考えですか。
  207. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 三月十一日の報告をふっかいしますと、三月の二日の日に私の方から調査指示というのをいたしておりますので、約一週間強になりましょうか、その間、事務方としては、いわゆる職員への聞き取り、聞き取りというのは、これ結構、今捜査を受けております立場ですから、職員に対して調査のために質問をするということは、口裏合わせをしている等々にて、極めて制限が掛かっておるような状況にはあります。  また、文書の確認、また捜査当局に対して、きちんとこういうことをしたので、きちんとした、我々として提出しております資料を是非見せてもらいたい、被疑者の方が向こうに対して捜査の内容の資料を要求するというのはなかなか難しい話なので、そういった情報を全て突き合わせるために、全体像というものを突き合わせるためには少々の時間が掛かるだろうということは、これは私どもの方としても当然内容理解できたと思っておりましたので。  しかしながら、組織のトップとしては、一次情報の話から中間報告の話から逐一全部私に出せということに関しては、それはまた別の時間を要しますので、そういった意味では、最終的な調査結果を待つというのが上としてのあるべき態度だと思いますけれども。
  208. 大野元裕

    大野元裕君 ほかの、総理まで知っているこの案件が大臣に上がらない。しかしながら、これは当然整理をして、今の段階ではこうです、こういう情報がありますと来るのは当然の話じゃないですか。麻生大臣財務省に対するコントロールという意味で、私は疑義を感じざるを得ません。  法務省に聞きます。  刑事訴訟法二百三十九条第二項について説明してください。
  209. 辻裕教

    政府参考人(辻裕教君) お尋ねの刑事訴訟法第二百三十九条第二項は、「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」と規定してございます。
  210. 大野元裕

    大野元裕君 犯罪があるその可能性があるときには告発をしなければならない。  官房長、決裁文書改ざんは虚偽文書作成罪に問われる可能性がある大問題ですよね。官房長、お手元にあるいは情報が、失礼、電話で情報が来たときもそうですけれども、この告発義務、なぜ行わなかったんですか。
  211. 矢野康治

    政府参考人(矢野康治君) お答えをいたします。  お電話で杉田副長官から情報をいただきました。今日発表させていただいた十四件のうちの一部の話です。そのときは一部なのか大部なのか全く分からない状況でした。三月二日に最初の報道があってから我々は慌てて内部の調査を始めておったわけですが、その中で一ついただいた有力な情報ということでしたので、まずは理財局に伝えて真偽を追求するということであったと思います。
  212. 大野元裕

    大野元裕君 そうなんです。理財局でこれ上がってきて、大臣の御判断もいただきながら、何をどうするかという判断、全体で財務省考えなきゃしようがないじゃないですか。しかしながら、なぜそこで話を座らせてしまうんですか、話を終わらせてしまうんですか。私はそこは納得が全くできません。しかも、理財局だけの問題では私はないと思います。  財務大臣、あなたの財務省に対する、その全体に対する責任というのは当然大きなものがある、これは私も同じ認識であります。他方で、その十二日、財務大臣は、記者に対して、佐川局長答弁に合わせて理財局書換えがなされた、最終責任者佐川局長だというふうにお答えになっておられますが、今もそういう御認識ですか。
  213. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) これは最終責任者というお話なんだと思いますが、これは佐川前長官を含めまして当時の理財局のどの職員がどの程度関与していたかということにつきましては、これはまだ捜査の段階でもありますので、調査を行っているところですが、当時の理財局長佐川前長官であったこと、また、書き換えられた文言というのを私どもが見る限りでは、書換えはそれまでの国会での答弁誤解を受けることとならぬようにするために行われたと見られること、また当時、主として答弁を行っておりましたのは佐川前長官であるということを考えれば、佐川前長官の関与の度合いは大きかったであろうということを考えておるところでありますので、私どもといたしまして、引き続き、これは更なる調査を進める段階でありますけれど、まだいわゆる査察というか、大阪地検の捜査というものはまだ終結いたしておりませんので、その上ではある程度限られてはおりますけれども、私どもとしては、これをきちんとして信頼回復というものに努めていかねばならぬと考えております。
  214. 大野元裕

    大野元裕君 大臣御本人がおっしゃったんです。最終責任者佐川局長だとお答えになっておられますが今もそういう御認識ですかと、これを聞いているだけです。
  215. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 今は調査をいたしております段階ですから、何ともお答えようのできる段階には、限られておると最初から申し上げておるので、したがって、きっちり結論が出るまでの間、私どもとしては、お答えするというのに関しましてはまだ最終結論が出ていないと申し上げておりますので、そういった意味では、私どもとしては、きちっとした対応についてもまだ、減俸処分の等々の話にいたしましてもまだ追加処分があるかもしれぬということを本人に申し渡しておるような途中経過の段階でありますから、今の段階ではその程度にしかお答えようのしようがないと申し上げております。(発言する者あり)
  216. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  217. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 速記を起こしてください。
  218. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 私の今の御質問ですけれども、大野先生の中で、佐川前長官の関与の度合いは大きかったのではないかと、そう答えたと記憶しますけれども。違いますか。
  219. 大野元裕

    大野元裕君 改めて聞きます。  十二日に記者団に対して、最終責任者佐川局長だとお答えになっておりますけれども、そういう御認識ですかと聞いているんです。
  220. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 大きかったのではないかというのが今でも基本的には、そういうのが基本的な立場ですけれども、最終責任というのでいけば、私どもとしては、今の段階で申し上げれば、佐川の最終責任というか、責任は極めて大きかったと思っておりますとお答え申し上げました。
  221. 大野元裕

    大野元裕君 佐川局長が最終責任者であったというその認識、あるいはそのかつての答弁については撤回されるということですか。
  222. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 撤回するとかいうような、どういう意味かよく分かりかねますけれども、私どもとしては、今の段階では佐川前長官が最終責任ということになり得る可能性が大きいと思ったので、佐川前長官の関わりが大きいと申し上げたんだと思いますが。
  223. 大野元裕

    大野元裕君 佐川局長に対して責任を負っていただく、これは当然あると思います。他方で、最終責任者ということを今の段階で大臣が私は言ったことに、十二日、非常に違和感を覚えました。なぜならば、この国会答弁でも先日、太田局長がおっしゃっておられましたけれども、中間報告を出すような類いのものではないと言っていました。  これ、調査をしているときに、調査を命じたのは大臣ですよね。大臣が調査を命じておられて、その大臣が最終責任者を断定してしまえば、ほかの人になど調査の報告は上がるわけがない、別な結果になるはずがない。聞いている国民には、自分は最終責任者ではない、トカゲの尻尾切りをします、こういうふうに聞こえてしまうんではないんですか。麻生大臣はこれまで佐川局長について、極めて有能あるいは適材と答弁されてこられましたけれども、佐川局長責任を負わせ、御自身の監督責任を取らないというのは、私は極めて不誠実だと思います。  先ほど申し上げた、理財局だけではありません、先ほど官房長にも話聞きました、全体としての意思決定の問題。五日間も大臣に重要な案件が、総理が知っているものが上がらなかったこと、そして今回の調査における大臣のコントロール、それを併せれば、私は財務大臣は御自身で身を引くことが適切だと思います。  以上、ここで、午後に質問は触れさせていただきます。
  224. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十三分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  225. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  平成三十年度総予算三案を一括して議題とし、公文書管理行政在り方等に関する集中審議を行います。  休憩前に引き続き質疑を行います。大野元裕君。
  226. 大野元裕

    大野元裕君 民進党・新緑風会の大野元裕でございます。  午前中に引き続き質問をさせていただきたいと思います。  午前中、麻生大臣財務省偽造文書改ざん文書に関して調査の話が出てきました。お手元にお配りをしておりますけれども、稲田元防衛大臣の時代です。やはりPKOの日報問題というのがありました。あのときには国民もあきれ返ったわけですけれども、しかし、あのときの調査、いわゆる特別防衛監察は、第三者に委ねられることなく、結局内部による調査に法曹界、研究者を加えるだけでお茶を濁したんです。しかし、あのときですら、調査の責任者、調査の対象項目あるいは調査の機関、組織、調査の方法等々を公表してから調査を行っています。  麻生大臣、今回の調査に際して、これらを公表するべきではありませんか、いかがですか。
  227. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 今、御存じのように、私どもは調査を、いや、査察か、調査を受けておる立場の状況にありますので、私どもに今の段階でできることは限られたものであるというのは、もう度々御説明をさせていただいております。  地検の捜査が終わり次第、私どもとしてできることというのは更にあろうかと思いますので、きちんとそういったものをさせていただいた上で、私どもとしてはきちんと御疑念に対するお答えができるように最善の努力を図りたいと考えております。
  228. 大野元裕

    大野元裕君 調査を受けている段階で、しかもその調査の権者である大臣御自身が、先ほど午前中にも申し上げましたけれども、記者団に対して、最終責任者理財局長である佐川ということになると、これ言ってしまったら、調査をしている方も、そんたくとあるいは萎縮の中では、これもうそれしかないですよね。あるいは、捜査を受けていても、もしかすると影響すら与えるかもしれない。これ、大臣、言ってはいけないことだと私は思います。  そこで、安倍総理にお伺いをさせていただきたいと思います。  総理、私は財務省に今もう自浄能力ないと思っています。総理、「カーブボール」という著書、本を御覧になったことありますでしょうか。これ実は、ブッシュ大統領がイラクに大量破壊兵器がある、こういう話をしたときに、カーブボールというのは情報提供者、実はうその情報を流していたんです。その情報提供者の名前なんです。これ、何で覚えているかというと、この本の帯、私が書いていまして、それでよく覚えているんですけれども。政権にとっては、権力者にとっては、情報に介入してしまっては信じたい情報のみが来る、あるいは、調査を命じた人間が彼が最終責任者であると言えばそこに定まってしまう、こんなことをしてはいけないというその教訓が書かれているんです。  国民全体の奉仕者としての公務員は、それを作成した文書というものは中立であり、我々は客観的で信じる立場に本来あります。政府もそのとおりのはずです。そうでなければ民主主義は成り立たないし、議会の議論は成り立ちません。だからこそ、いま一度信頼を取り戻すためには、安倍総理にお願いなんですけれども、これもう安倍総理やあるい財務大臣の手から離れた第三者委員会を設置して私は調べるべきだと思いますけれども、いかがお考えですか。
  229. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 今まさに検察の捜査が入っているわけでございまして、取調べが行われているところであります。そういう意味におきましては、まさに第三者機関というか、司法の手によって取調べが行われているのでありまして、我々はその結果をまず、全面的に協力するとともに、結果を待ちたいと思います。そして、基本的には全容を更にその上において調査をする、どのような形で捜査をするかということについての大野委員の御指摘であろうと思いますが、まずはこの検察の判断とともに財務省においてもできることからしっかりと調査をし、全容を解明すべきだろうと、このように思うところでございます。
  230. 大野元裕

    大野元裕君 司法に委ねられているのは、そこで犯罪があったかどうかです。我々が議論しているのは、我が党が要請をして出てきた文書改ざん文書だった、そしてそれが真っ当に出てこない。国会行政関係については我々が議論するしかないじゃないですか。政府には期待できません。  国会としても、信頼の置けない資料や行政のデータを基に議論することはできません。国民の信頼を取り戻すためには、国会において財務省における一連の改ざん文書の問題について調査特別委員会を立ち上げて、国民の代表たる我々の手で徹底的に真相を究明する必要があると考えます。  委員長、議長に対して、本件調査特別委員会の設置を要求するよう求めます。
  231. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) ただいまの件に関しましては、後刻理事会で協議をさせていただきます。
  232. 大野元裕

    大野元裕君 もう時間が余りないので、最後にまとめに入りたいと思っておりますけれども、今回、財務省による前代未聞決裁文書改ざん、隠蔽問題が行われました。私はもう、麻生大臣、尊敬申し上げておりますけれども、財務省をコントロールできていないと思います。だからこそ、ここは一度身を引かれた方が私はいいと思います。  その一方で、安倍政権全体の話ですけれども、改ざん、隠蔽問題を契機として萎縮、そんたくの問題が取り上げられました。トップだけを守る安倍政権の体質が明らかになったと言わざるを得ないと思います。  民進党はこれまで、これ批判もありますけれども、実はもう安倍政権の手に任せておけないということで、実はこれまでにも、政府の瑕疵を覆い隠す目的で、公務員がその瑕疵を見付けた場合には告発を義務化するような情報公開法の改正案を国会に提出し、あるいは公益者通報制度、これを守る改正案も提出をしています。さらには、様々なパッケージで、政府を浄化するための法律、歳入庁の設置法案等も用意しておりますので、どうぞ安心してお譲りをいただきまして、我々の手で改革を進めることを最後に申し上げまして、私の質問とさせていただきます。  どうもありがとうございました。
  233. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で大野元裕君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  234. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 次に、矢倉克夫君の質疑を行います。矢倉克夫君。
  235. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。  十四日に引き続きまして、本日のテーマに関連し、主に財務省文書書換え問題について御質問をいたします。  信なくば立たず、政治、行政への信頼が失われていることは、国家の基が失われるかどうかという重大な瀬戸際に立っているということでございます。与野党の区別なく、真相究明そして信頼回復に努めたいと思っております。  財務省に聞く前に、まず総理に確認したいというふうに思います。御自身の関与の有無は別といたしまして、この問題が国政に支障を与えております。今回のこの予算委員会も、本来であれば、復興であったり、外交であったり、財政である、そういうことを議論をすべきことは多いわけでありますが、それができていないしわ寄せは国民に来ているわけであります。  行政のトップとして総理はこの事態、どのように受け止めていられるのか、まずはお伺いをしたいというふうに思います。
  236. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) まず、これまでも申し上げてきたとおり、私や妻が、この国有地払下げや学校の認可に、もちろん事務所も含めて一切関わっていないということは再度明確にさせていただきたいと思います。ただ、私の妻が一時期名誉校長を務めていたこともあり、国民皆様から疑念を、目を向けられたとしてももっともだと思います。  その上で、本件については、私自身、さきの衆議院選挙における各種の討論会やこれまでの国会においても質問に対して丁寧に説明をしてきたところでありまして、今後ともしっかりと説明をしていかなければならないと考えております。  財務省において決裁文書書換えが行われたことは、行政全体に対する信頼を揺るがしかねない事態であり、行政の長として責任を痛感するところでございますし、行政全般に対する最終的な責任内閣総理大臣たる私にあるわけでありまして、改めて国民皆様に深くおわびを申し上げたいと思います。国民皆様から厳しい目が向けられていることを真摯に受け止めながら、捜査に全面的に協力するとともに、なぜこのようなことが起こったのか、全容を明らかにするためしっかりと調査を進めていく、麻生大臣にはその責任を果たしてもらいたいと思います。  その上で、全てが明らかとなった段階において、二度とこのようなことが起きることのないように、信頼の回復に向けた組織の立て直しに全力を挙げて取り組んでいきたいと、このように考えております。今後とも、国会審議などの場でしっかりと説明責任を果たしてまいりたいと思います。
  237. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 このようなことが起きる行政の体質をどのように変えていかれるのか、総理の御覚悟が求められております。後ほどまた改めて総理にはお伺いをしたいというふうに思います。  さて、財務省、今回の件は、書換えといういまだかつてない、言語道断と言ってもいい事態であります。これは国民の財産である情報を私物化しているのではないかと、このような疑念が持たれてもしようがない。問われているのは、単なる情報管理という話ではなく、行政がどこに向いて仕事をしているのかというこの姿勢の問題であります。改めて猛省を促したい。  まず、この点をお伺いしたいと思いますとともに、特に、この一連の流れで、私も議院運営委員会の理事として様々なやり取りもさせていただきました。五日の時点では国交省から書換えの疑いがあると通知があったということであります。それが、官邸の方には話も行ったが、最終的には我々与党も含めて情報が入ってこなかった。これは国民軽視と言っても、国会軽視と言ってもいいのではないか。これについてはどういう事情があったのか、改めて説明を求めたいというふうに思います。
  238. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  今月の二日の日に朝日新聞の報道があり、それを受けて国会でも、本国会でも御議論がいただきました。その中で、国政調査権を背景として国会からの強い御要請といいますか御指示があり、それを受けて、私ども、それまでは捜査に全面的に協力する、捜査最優先という立場でございましたが、その国会からの御指摘を踏まえ、その捜査の分は一部乗り越えて調査をしないといけないということで調査に取りかかったということでございます。職員から事情を聴取し、あるい文書を探索し云々ということをやっていきました。  委員指摘のように、五日の日に国土交通省から情報をいただきました。貴重な情報でございましたが、一つの情報でもありました。それも含めて、我々としては、調べられる限りのことを調べて、ただ、我々の力だけではどうにも力が及ばないところがあるということを認識したものですから、捜査当局に協力をお願いいたしました。  ただ、我々は、捜査を受けている立場でございますので、我々ができるだけのことをやって、ある程度の特定ができない限り捜査機関には協力はいただけないということだというのは認識をしておりましたので、そういう意味で、その協力がお願いできるような段階になったのが九日金曜日の昼ぐらいということで、そこから正式にといいますかお願いをして、大阪地検にお邪魔をしてコピーを取らせていただいて、そのコピーを取って帰ってきたのが日付変更線を越えて十日の日、それを、いただいたものをその日の夜中から作業をし始めてということをやって、十一日に大臣に報告ができ、十二日に国会に報告ができたということでございます。  午前中の委員会でも御指摘いただいたように、五日の日に国土交通省から情報をいただき、それを、最終責任は私だと思っておりますが、それがこういう形になったということについて厳しい御批判を頂戴しております。その御批判は、私の責任として、そこは申し訳ありません、真摯に受け止めさせていただいておりますし、真摯に受け止めなければならないというふうに存じております。
  239. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 二言目には捜査とおっしゃるわけでありますが、捜査機関の協力、確かに捜査機関にある原本をコピーする等の協力はあるかもしれませんが、その職員の中の聞き取り、それについてなぜ捜査機関の協力を得なければいけないのか。それをやるべきどうかという判断が捜査機関にあるのか。それを伝えるべき判断権限が捜査機関にあるのか。  先ほどの国交省の話にしても、国交省から情報が来た、この情報を国会の方にも開示をしない、それがこの一週間の混乱にもつながったわけであります。捜査、捜査という姿勢だけで全て隠れみのにするようなことは是非やめていただきたい、改めて申し上げたいというふうに思います。  その上で、次の質問に更に真摯に答えていただきたいというふうに思います。  今回のこの書換えにつきまして、財務省の方としては、理財局の一部、これが答弁との誤解を生じないようにというようなお話でありました。これについては、改めてでありますが、まず、なぜそのようなことが起きたかを測る上では、今回の関連する事実について一旦確認をしなければいけない。具体的には、なぜ森友学園だったのかということを改めて幾らか確認をしたいというふうに思っております。  基本的なところからでありますが、国有地の払下げというのは、これは原則一般競争入札であります。ただ、公共、公用、公共利用であればそちらが優先となる。今回は学校法人への払下げというこの例に該当するというような話でありますが、そもそも森友学園は、土地の取得要望書提出時点においては小学校の設置許可もまだ受けておらず、資金計画の妥当性も説明はできていない、認可資料の受理すら許されていなかった団体であります。この団体に対して、なぜ公共、公用利用優先という適用があったのか。申請なしとして通常の原則にのっとって一般競争入札というやり方もあったかと思うんですが、基本的なところで、まず、それについてはどういう判断があったのかを理財局からいただきたいというふうに思います。
  240. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  今ほどの御質問、要するに、国有地で、元々は利用価値があって国有地として所有していたものですが、それが国有地として利用する必要がなくなったものをどういうふうに取り扱うかということがまず出発点でございます。  その上で、まず一番最初には、要するに、そういう状態を宙ぶらりんにしておいているのが一番ある意味国民皆様に裨益をしないので、まずは公用、公共用に活用できないかというのをやるというのが、長い間国会でも御議論いただいていたと思いますが、国有地の有効活用という言葉の下に御議論いただいたのがそういう考え方でございます。  それで、公用、公共用、公共用という場合には基本は社会福祉法人と学校法人ということになりますが、そこで活用できないということであれば、これはもう経済的にその土地の価値を金銭として、まあある意味入れ替えさせていただくということで一般競争入札で売却をするということになるわけですが、基本的に、まず公用、公共用優先というのがずっと続いてきた基本的な考え方でございますので、その下で処理をしておる。で、学校法人として手を挙げてこられたので、学校法人としてはもう認可されないということになれば、それは当然そうじゃなくなるわけですが、手を挙げてこられておられて、大阪府の方も認可する可能性があるというか、認可しないという決断にもなっていない状況の下ではその次の段階には踏み込めていないということだったというふうに認識をしております。
  241. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 とはいえ、森友の土地取得申請から大阪府による設置計画書の受理、これは認可ではなく、ただの受理です、受理まで一年間もこれ掛かっているわけであります。そのためにも、わざわざ近畿財務局は審査を延長してまでお付き合いをしているわけでありますが。  財務省の処分方針通達によれば、受付期間終了後、原則二か月以内に相手方を決めるとされております。それにもかかわらず、最終的に将来的な売払いを前提にした事業用定期借地権契約という、これ締結まで申請から一年五か月も掛かっている。これだけ長い間どう転ぶか分からないこの森友に関わっていたというのは気の長い話であるというふうに思いますが、これは通常なのでしょうか。その点の御判断をお願いします。
  242. 太田充

    政府参考人太田充君) 私の承知している限り、二か月という目安はありますが、なかなか二か月でそう簡単に進んでいないというのが、済みません、今通告を明確にはいただいていなかったので調べ切れていないんですが、私の記憶する限り、そんなに簡単には物は進んでいないというのが多いという印象で、私は仕事上はそういう印象で仕事をさせていただいているということでございます。基本的にはやっぱり社会福祉法人なり学校法人なりについては相当程度優先順位があり、そこが使っていただけるならという考え方でやってきたのが国有財産の有効活用といった言葉の下でやられてきたことだというふうに思ってございます。
  243. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 目安が二か月とある以上、その割には長くなっているという事実がやはりあるかというふうに思います。  その上で、今回は定期借地権の契約という形になっております。先ほどの質問の中では、こういう賃借という形の特例は五年で八件あるという形でありますが、定期借地権という形は一件のみという理解でおります。これは、借地借家法でやはり賃借権が必要以上に保護、この場合で保護されてしまうのを回避するためというような財務省説明もあらかじめ受けておりました。もうこれは確かに理解はするところであります。  加えて、先ほども話にもありました、今回新たに欠落していたというこの文書、こちら、今、公租公課の取扱いについてでありますが、これが欠落した経緯というのは、貸付料から公租公課料の関係の控除をすることの関係であります。一部、財務省に確認をすると、こういうものが森友側に見えてしまうことであらぬ紛争になってしまうと、そういうような関係もあって欠落させたのではないかというような話もある。  要するに、いろいろ交渉していく中であっても、これ近畿財務局としても、森友側との交渉というのは一筋縄ではいかない大変なものだという理解はあった。であれば、なぜならば、そのような相手に対してこれだけ長く付き合わざるを得なかったのか。他方で、政治家のいろんな働きかけがあるということはいろいろ事実としてあったわけであります。こういう客観事実を応じた上で、本当に政治へのそんたくというのがなかったとこれは断言できるのか、これはまた改めて理財局の方にお伺いしたい。ほかに理由があるとすれば何なのか、それについての御意見をいただきたいというふうに思います。
  244. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  今委員がそんたくという言葉をお使いになられました。そんたくというのは、基本的にはその本人の心の中ということでございますので、そのときの担当者なりの心の中まで私が見通してお話しすることはいたしかねる、私にはそういう能力はないというふうに思ってございますが。  ただ、私なりにこのポストに就いてこの話をずっと勉強もし、見てきた中で申し上げると、基本的に、森友学園という、あるい籠池理事長という、そういう方がいらっしゃって、それに対してというよりも、やっぱり、最初に申し上げましたように、基本的に、私どもというか国有財産を担当しておる者は、まず国有財産を処分をするというのが仕事である、処分するときにはまず公用、公共用が優先であると、その中でそれでどうしてもできないときには、要するに金銭の解決、要すれば一般競争入札だという頭ででき上がっておりますので、そういう意味で、学校法人として出てきてこられたものについては、それができないということに、学校法人になれないということであれば、もちろんそういうことになるんですが、そうではなければ、それについて努力はしないといけないという気持ちでやっておったと思います。  遅れたという批判のある法律相談文書のときの担当しておった第一統括国有財産官のところが法曹部門になかなか大変なんでというようなことを言っている部分が出てきますが、まさにそういう苦しい中ではあるものの、原理原則にのっとってやろうとしたということだというふうに私は認識しております。
  245. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 局長が今おっしゃったとおり、このそんたくというのは、まさにされる側が分かるわけではない、した側がどういう心の思いかというところがあります。であれば、今回現場でいろいろと苦労をされた方々がどういう思いだったのかを早く聞いて我々に伝えていただきたい、その辺りについては。彼らもやはりやりたくなくていいことをやらされたかもしれない。被害者かもしれない。そういう方々のどういう思いだったのかということを我々も情報をいただかない限り、いつまでたってもこの議論は同じことを繰り返して繰り返して時間だけが浪費をするわけであります。内部調査を早く終わらせて、すぐ出していただきたい。それが我々に開示されない限り、いつまでたっても同じ議論で何も進まない。  それについてはいつまで出せるのか、改めてお伺いしたいというふうに思います。
  246. 矢野康治

    政府参考人(矢野康治君) お答えいたします。  内部調査、今急いでやっておるところでございますけれども、きちんと、誰が何のためにやったのか、どこまで関与したのかということを突き止めたいと思っておりますので、し尽くしてからさせていただきたいと思っております。  また、捜査当局との関係にも考慮する必要がございます。それらを考えながらも、できるだけ早く結論を出して御報告したいと思っております。
  247. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 後ほど財務大臣にもお伺いをしたいというふうに思います。  それでは、今回のこの書換えというもの、これがなぜ行われたのか、今まで分かっている範囲での事実を基に、ある程度の確認をさせていただきたいというふうに思います。  まず、また理財局長にお伺いをしたいというふうに思うんですが、この書換え、どのような対応でなされたのか。  我が党の横山委員質問に対して局長は、ある一つの文書に対して、ある日、書換え前の文書書換えのものに変わったというようなことではなく、答弁に合わせて何回も何回も繰り返し換えられたというような趣旨の説明をされていたかというふうに思います。  複数人でこれは意思の疎通、連絡があったということでありましょうか、書換えということについて。
  248. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  先日の横山委員の御質問に対して、私、確かに、何回も何回もというような言葉遣いをいたしました。それはちょっと私の言葉遣いが不適切だったと思っています。何回も何回もと申し上げますと、要するに調書というものを、書換え前のもの、書換え後のものにしているんですが、その調書そのものを何度も何度も差し替えをしていたというふうな印象を与える言葉遣いであったと思って反省をしております。基本的に紙を何度も、一回だけとまで確認はできているわけじゃ、何度も何度もということじゃなくて、直す、こういうふうに書き換えよう書き換えようというのを何度か何度か考えていたと、そういうことを申し上げるつもりで申し上げました。  その上で、委員の御指摘の、複数人でやっていたのかということの御質問でございますが、理財局の一部でと申し上げております。当然、単数ではなくて複数でやっているというふうに私どもは認識してございます。
  249. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 答弁があって、それとの関係も考えてこのようなことをした、何回か、何回かに分けてやったと。  今改めて申し上げますけど、複数人であるということは、この複数人で意思の疎通、連絡があってやったということでまずよろしいか、その点とともに、これはやはり、何が目的かは別にしても、組織の中で統一的にやられていたという理解でよいか、それだけ確認させていただきたい。結論だけで結構です。
  250. 太田充

    政府参考人太田充君) 複数の中で意思疎通が図られていたということだと考えております。  理財局全体の組織と言われるとそこはあれなんですが、一部の職員の間では意思疎通がなされてそういうことが行われていたということだと考えております。
  251. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 これは、この前も横山委員の答えに通してありますが、答弁が先で、それに応じてなされたということでよろしいわけですね。
  252. 太田充

    政府参考人太田充君) 基本的には、答弁があってそれを踏まえてということですが、答弁をしたことによって、その先の議論の展開もある程度考えてというところまで含めてという意味答弁があってというふうに申し上げているつもりでございます。
  253. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 今の答弁だと、やはりなかなか分かりにくい。またちょっと改めてお伺いをしたいというふうに思いますが。  それでは、答弁があってということを前提に回答されているわけであります。具体的にどういう答弁だったのかを、いつ頃の答弁かということも含めてお答えいただきたいというふうに思います。
  254. 太田充

    政府参考人太田充君) 一つ一つが、この答弁があってここはこうなって、この答弁があってここはこうあってというふうには、そういうふうに結び付けてまでできてはおりません。基本的には、二月下旬からそういうことをやり始めているということですが、最終四月までかけてということでございますので、基本的に二月から三月にかけての答弁があってということだと思います。  何か一つということで、仮に例えば例を挙げさせていただければ、大変問題だったと思いますけれども、要するに、書類なり、何がないのでお答えできないというようなことを答弁をしておりました、当時。それで、そういうことであれば、基本的には、今回の書換え前にあるような経緯というようなものは、まさにそういうことだということを気にしてそういうことをしていたんだろうというふうに考えられるということを、例えばの例でございますが、申し上げさせていただきたいと思います。
  255. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 答弁に合わせて書き換えたということを断定的におっしゃるのであれば、どの答弁で、それに対してこういう書換えがなされたということまでしっかりと、特に書換えがいつなされたかということを特定して比較対照をするぐらいの調査をしないと、これはいつまでたっても何も分からない。分からない分からない状態の質問のやり取りばかりになってしまう。時間もたっているわけであります。そこまでやっていないという答弁ではなく、やっていただきたい。それは是非お願いをしたいというふうに思います。  その上で、ではいつ書換えがこれはなされたのかということを改めてお伺いをしたいというふうに思います。  私も、議運の理事として、また筆頭の国会対策としても十二日にもいろいろ確認もさせていただいたんですが、財務省の方からお話をいただいている話は、この書換えの事実が分かったのは、個人ファイル、聞き取り調査の結果分かった個人ファイルを見ていった上で、その中の文書書換えの前の文書が残っていたということでありました。  私も一時期役所にいた時期もあるわけでありますが、普通、ファイルはあえて消さなければ作成の日時というものもちゃんと残っております。また、場合によっては変更履歴などのこの過程も全部これは残っている。これを見れば、ファイルがあるということは分かったわけでありますから、少なくともこのファイルについて書換えというものが疑われた時期というのはいつなのかというのは今はもう御答弁いただけると思うんですが、この辺りについてはいかがでございましょうか、局長
  256. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  委員のおっしゃっていることは重々分かっておりますので、要すれば、きちんと調べて、何がいつどうということを御報告申し上げなければいけないというのはそう思っております、それは重々承知をしています。  ただ、現時点で、その十四の文書のうちの十三の文書は基本的に近畿財務局が決裁をしたもので、それについて今回提出をさせていただけたものは、紙のものもあれば、いずれも個人が手控えとして持っていたというものでございますが、紙のものもあれば電子的な個人のパソコンに残っているものもあって、それは、じゃ誰がそのものを持っておったかということは、それは今の捜査なり調査そのものの対象の相手ということもありますので、それも含めてきちんと調査をして報告させていただければ、ないとと思っております。  ただ、一点、何でもかんでも、要するに、おまえが言っているのは隠しているだけじゃないかという顔で皆さんが御覧になっているのは重々承知をしております。それで、十四のうちで一つだけ要するに本省の決裁だと申し上げました。それは特例決裁で電子決裁だともう申し上げました。それは電子決裁でございますので、変更履歴も残っているので、それはいつその変更をしたかというのが私どもでも今明確に答えられる状況で把握ができております。それは特例決裁という、政治家の先生なり総理夫人なりが出てきているといって、今委員会でも一番、一番と言うとあれですけど、取り上げられている資料だということだと思っておりますが、これが変更されておるのは、平成、昨年、二十九年の四月四日に変更をしております。
  257. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 今ほど局長答弁されたこの十四のうちの一つは本省決裁、電子決裁、これは、我が党の里見議員が財政金融委員会質問されたことに対しての事実であったかというふうに思います。お伺いをしたとおり、確かに電子決裁ですからちゃんと残っているわけであります。こういう事実も含めて、しっかりとこれからも開示はいただきたい。  この上で、この四月四日というのが分かったのであれば、じゃ、なぜそれがここで書き換えられなきゃいけなかったのか、その背景を測る上で、どういう答弁と関連しているのか、どんどんどんどん調べれることは調べれると思います。そういうのは是非調べていただかないと困ります。  捜査機関がということもありますが、この捜査が最終的に刑事罰を構成するために必要な捜査の事実というものと、今回、国民国会財務省に対してどういうふうに思っているのか、これを考えるための基礎的な事実というのは、もう必ずしも一致するわけではない、捜査があるから全部出せないということではないわけであります。そういう部分も含めて、是非どんどんどんどんとこれは出していただきたいというふうに思います。後ほど改めて調査の加速をお訴えをしたいというふうに思います。  その上で、今局長がおっしゃった電子ファイル、もうこれは当然でありますが、紙ファイルのように物理的に置いてあるところを誰でも地理的に物理的にアクセスできるというものとはまた違い、電子の中で管理もされて、アクセスできる人というのはある程度限定はされ得るものであるというふうに思います。  この本省決裁の電子ファイルは、どの範囲のレベルの人がしっかりアクセスできたのか、書換えという行為についてどこまでやれたのか、それは明確なんでしょうか。それについてお答えをいただきたいというふうに思います。
  258. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  基本的に、今のことはある意味で固有名詞につながる話なのではございますが、理屈の上でといいますか、そういうことで申し上げますと、基本的には文書管理責任者というのがおります。その文書管理責任者は基本的には課長級の者でございます。それと、あとはその文書管理責任者から権限の委任を受けた者はできますので、基本的には課長級の者及びその課長級の者からこれをやっていいよという意味で委任を受けた者というものがそれを見ることができる、あるい書き換えることができるということになるというシステムでございます。
  259. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 この辺りの事情も引き続きしっかりと開示をいただきたいというふうに思います。  その上で、こういう形で一つ一つしっかりと、書換えがいつだったかということも、客観事実をどんどんどんどんと開示をしていかなければいけない。何でもかんでも調査が終わっていないということだけで済まないで、分かることはどんどん出していただく。もうこれは、こちらが聞くよりも前にどんどんどんどんと出していただくというような姿勢を持っていただかないと、これはいつまでたっても終わりません。その辺りの姿勢は是非改めていただきたいというふうに思います。  その上で、では、答弁についてでありますが、改めて、問題となったその書換えをしようとしている原因となった答弁というもの、これがどういうふうに形作られたかということでありますが、十四日の私の質問に対して局長は、佐川氏の関与は大きかったと答弁をされました。その後、衆議院財務金融委員会におきまして、佐川氏は知っていたと思うというような答弁もあった。書換えを知った上で、局長の具体的な関与というのは、これは書換えを具体的に指示をしたということの理解でよろしいんでしょうか。
  260. 太田充

    政府参考人太田充君) 先日、委員るいは今御指摘のいただいた財務金融委員会で御答弁を申し上げたところまでしか、まだ我々としてきちんと把握ができて御答弁、御回答申し上げられる状況には至っておりません。  まさに、誰が指示をしたかということは、今捜査も含め、あるいは調査でやっていることの一番の、それができれば、基本的に調査のもうほとんど肝でございますので、それを今、先ほど官房長もできるだけ早くと申し上げましたが、そういう覚悟でやっておるというところでございます。今まで御答弁申し上げたところまでのところが私の今答えられるぎりぎりのところでございます。
  261. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 それでは、次はこの答弁ですが、通常役所答弁を作るときは、これ応答要領というのを作ります。今回の関連の答弁というものもその例に外れないというふうに思いますが、改めてですが、この一連の流れの中での答弁、いろんなものもあります。  先ほどは、文書があったかどうかというような答弁だということもありました。ほかには、例えば事前の価格交渉があったかどうかというような質問に対する答弁というのも考えられます。政治家の関与があったかどうかというような質問に対する答弁も考えられる。そういうようなものそれぞれがどのような形で、これはテレビでも見ていらっしゃいますから、どのような形で、応答要領というのがどのラインで作られているのか、これは改めて局長の方に確認をしたいというふうに思います。
  262. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  今、問題の森友学園に関する答弁ということで御説明を申し上げます。  前任の佐川もここで答弁をしておったわけですが、物によっては各局、要するに理財局だけではなくてほかの局にも調整をしないといけないという場合がありますが、基本的に、本件森友学園の国有財産の処理ということは、財務省の中でも理財局単独で答弁を作成する責任が、できると、そういうことでございます。そういたしますと、大臣なりあるいは総理なりの答弁ということであれば、それは大臣であれば私どもの方の大臣官房、総理であればもうちょっと違うところまでだと思いますが、理財局長答弁は基本的に理財局の中だけで答弁書を作ることは完結をいたします。  もう一点、通常であれば、普通であれば、答弁書を作って、それを最終的には、たしか局長なんだと思いますが、最終決裁をしてということになるわけですが、今の私も実は同じ状況にありますが、多分、当時の佐川局長も毎日毎日物すごいたくさん御質問を頂戴して、そうすると、答弁書を作っている職員は正直に言って本当に朝まで作業をしておりますので、それを局長が見て直してというような時間はありません。物すごく一生懸命作ってくれますので、その答弁書は参考にさせてはいただきますが、結局最後答弁するのは、局長本人が自分の頭の中でちゃんと整理をして答弁できるかどうかということですので、その責任は、答弁書を作った者ではなくて、答弁する局長本人の責任だというふうに思ってございます。
  263. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 それで、まず物によっては理財局以外のところも関わる可能性もある、今回に関しては理財局がという御答弁でありましたが、その上で、あと局長通常のラインとはまた別に、これは業務が忙しくなったという結果もあるのかもしれませんが、局長がそれを全部把握した上で答弁するわけでもないというようなことでもありました。  今回の一連の答弁というのは、これは佐川、これは前局長と申し上げていいのか、前局長答弁ラインに沿って話したものなのか、それともそれとは外れて御自身の独断で話されたものなのか、それについては御答弁をいただきたいというふうに思います。
  264. 太田充

    政府参考人太田充君) 独断でというのは、それはそんなことはないと思います。  基本的に答弁書があって、それを頭に入れた上でということだと思いますが、ただ、昨年のときも相当厳しいやり取りでございましたので、正直に申し上げれば、あらかじめ質問通告があって、あらかじめ用意された想定問答の答弁書を読んでいてというようなやり取りではおよそなかったと思いますので、それは基本的には最終責任はその時々の答弁する局長責任だというふうに思っているということでございます。
  265. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 独断でというよりはラインを、局長佐川さんがどんどんと超えて答弁をしていったという事実はあるんですか。
  266. 太田充

    政府参考人太田充君) 済みません、ラインを超えてというのはどういう意味でおっしゃっておられるんでしょうか。申し訳ありません。
  267. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 応答要領で書いた趣旨を超えてということであります。
  268. 太田充

    政府参考人太田充君) 基本は趣旨の範囲内だというふうに思います。
  269. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 それでは、これ趣旨の範囲内か否か。少なくとも書き換えなければいけなかった原因というものの動機は、佐川さんが自分でどんどんと離れた答弁をした、それを合わせるために佐川さんが具体的に指示をしたのか、それとも、理財局全体として作った答弁がどんどんずれていく、だから理財局全体の意思としてやったのか、その辺りについて御答弁をいただきたいというふうに思います。
  270. 太田充

    政府参考人太田充君) 離れたというふうにおっしゃられると、ちょっとそこは、基本的には趣旨の範囲内じゃないかと申し上げました。  基本的に、相当厳しいやり取りでございましたので、その中で言葉の使い方が必ずしも、不適切でないと、その部分を捉えられて、捉えてというようなことがあり、あとは、答弁をきちんと、きちんとでなかったと思っても、やはり、なかったかもしれませんが、きちんと答弁しているというつもりでも、基本的には報道は、報道が悪いわけじゃなくて、どうしても報道は、テレビであれ、あるいは新聞であれ、字数なり放送時間が限られておりますので、そういう意味では一部が切り取られることに、それはもうやむを得ないと思いますが、そうすると、その報道を前提として次の質疑が始まるということになると、その前のところ、自分たちの答弁とは違っていて、その前提になってという辺りから、いろんなところで掛け違えというか、誤解を生じさせるんじゃないかということを考えてということだったろうというふうに思います。
  271. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 やはりなかなか分かりにくい。どういう状態だったのか、これだけではやはり分からない状態であります。  それであれば、この理財局のみで今回の答弁というのは作られたのか。先ほども話にありました、それ以外のところの関与というのも、調整の必要もある。これだけ世間が大きく騒いでいる一連の過程の中での答弁であります。それにもかかわらず、ずっと理財局だけでこれは答弁ラインを作っていったということでよろしいんですか。その辺りは断言できますでしょうか。
  272. 太田充

    政府参考人太田充君) どこのところが、誰が、どこが所管をするかということについては、問題が大きくなったかどうかということではなくて、やはりその問題の関係するところがどこかということになるわけでございます。  これは明確に森友学園に対する国有財産の処分ということでございますので、非常に対象が明確でございますので、それは理財局だけで基本的に答弁する、答弁が作られるという感覚になるわけでございます。例えば、これが予算であり、その結果国債を発行するということに、予算、今は税収だけでは足りないですから、国債を発行することにということになるわけですが、そうすると、予算を作る主計局と国債を発行する理財局、両方で協議をして答弁を作らないといけない、そういう課題だということになるわけですが、本件は森友学園に対する国有財産の処分なので、それは明確に基本的には理財局しかない、関係しないということになりますので、理財局でということになるわけでございます。
  273. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 答弁ラインを作るときに、このままだとこの答弁ラインは合わないから書き換えたのか、それともある程度の応答要領は作ったけど実際の答弁がどんどんずれていくからそれに合わせるために書き換えたのか、理財局としては今どのように検討されているんですか。
  274. 太田充

    政府参考人太田充君) 今委員のお話しの二つの明確にどちらかだけだというふうに言えるほど整理ができていると思っていませんけれども、基本は前者の方、要するに、基本的には、答弁をしていたんだけど、その答弁がメディアでもあるいは世の中にも受け止められる、こういうふうに受け止められているということを前提に次の議論がスタートするということを考えて行動していたというふうに思ってございます。
  275. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 やはり、こういうふうに思っているとか、なかなかこう、もっと事実を示して、こういう形で答弁書き換えられたということを示していただかないと、やはりなかなか明確になってこない。その辺りはもっと更に調査を加速していただかなければいけないかというふうに思います。理財局以外のところからも何か声があったのではないか、答弁を作るラインでもいろんな話があったのではないか、この辺りもやはり否定し切れないところもあるかというふうに思っております。その辺りも含めて、どんどんどんどんとこれは調査を加速していただきたいというふうに思います。  麻生大臣にお伺いをしたいというふうに思うんですが、やはりこの調査をいつまで待たなければいけないのかというところはあります。他方で、調査が終わらないからということでおっしゃっておりますが、理財局の一部によるというところだけはなぜか断定をされている。これ、なぜ終局していない調査だけでここだけは断定されるのか、やはり矛盾しているというふうに思います。  省内でどういう意見があるのかは、やはり大臣が政治のリーダーシップでしっかりと検討をしていただいて、しっかりした調査というのをやれということをおっしゃっていただかなければいけないというふうに思います。そうでないと、いつまでたってもこの国政に対しての影響というのがなかなか払拭されない。やはり、役所のラインではいろいろ言ってくるかもしれませんが、そういう部分での都合いい情報だけではなくて、ちゃんと内部調査を早くやる。これは、起訴、不起訴というような刑事の話が聞く前に終わらせなければいけない話であるかというふうに思います。  大臣責任で早く内部調査を終わらせていただきたい、すぐに開示をしていただきたい、中間報告でも出していただきたいというふうに思いますが、その点について御所見いただければというふうに思います。
  276. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) これは、矢倉先生、度々申し上げておりますように、これ、いわゆる判こが押された決裁文書というものを書き換えるというような話は、これは誠にゆゆしき話なんであって、私どもとしても、これは財務省始まって以来というか、いろんな表現はあろうかと思いますけど、これは深くおわびを申し上げないかぬところだと考えております。  私どもとしては、三月の十五日でしたか、事務次官以下を部屋に呼んで、少なくともこれについてのいわゆる役所としての反省をということで、各局長以上、これは理財局だけの話ではないんであって、これ役所全体、役所というか財務省に対する信頼というものを失墜させたというところは最も大きなところなんだと思いますので、その信頼回復に向けてこれは全省挙げて取り組まねばならぬという点が一点と、また、もう一個は、やっぱりこれ、理財局だけに押し付けるんじゃないよということが一番大事なところなんですが、私どもとしては、これに全然関係なくまともにやっておる職員の方が圧倒的に多いわけなんであって、そこに対してはいろんな意味でこれは心身共に負担を与えておることも確かだと思いますので、それについての気をちゃんときちんと配った対応をしないと上司としてはいかがなものかということを訓示したところなんですが。  いずれにしても、この捜査をこれ全面的に今受けておる最中ですので、これいつ終わるのか、ちょっと正直、受けております立場の方から、しておる人に対していつ終わるんですかともなかなか言える話でもありませんので、そういった意味では、私どもとしては、それはある程度待たないかぬというのは確かなんですが、その上でも、私どもでできる範囲の話はあるだろうということを申し上げておりますので、私どもとしては、こういった状況というものを、矢倉先生に言われるまでもなく、私どもとしてもこれはきちんと対応せねばならぬと思って日々努力をさせていただいております。
  277. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 今大臣から、できる範囲の話はあるだろうと、省内で指示いただいているというふうに聞きました。  そうなんです。捜査があるからといって、それ以外でしっかりとできる範囲の話は幾らでもあるわけであります。その部分でどこまでが開示できるのか、その限界はあるかもしれませんが、開示できるものは早く開示をする、調査はすぐに終わらせてしっかりと開示をしていただかなければいけない。改めて、中間報告というものをしっかりと出していただきたいというふうに思いますが、財務大臣、改めて御所見いただければ。
  278. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) できる限りのものをということで、この間も理財局の一部によってというところまである程度限定ができましたので、その点を一部は報告をさせていただきましたところではありますけれども、いずれにいたしましても、さらに、いろいろ他のところにも関係いたしますので、官房を主にしてきちんとした対応をさせていただきたいと思っております。
  279. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 この理財局の一部、それがどういう判断で、資料に基づいてなされたかということまで我々も示していただかないと、示せる範囲で結構ではありますが、示していただかないと、いつまでたっても同じ議論になってしまう。必ず、是非早めに開示をいただきたいというふうに思います。  改めて、総理に最後、今回の件は本当に民主主義の根幹を揺るがす件であります。そして、役所の中でやはりそんたくというふうに疑われるようなこの文化というものもある、部分もあるということは否定できないところもあるかというふうに思います。そういった中で、やはり行政の客観性、中立性というものをしっかりと維持していく、そのためにはやはり長のリーダーシップが必要であるというふうに思います。  あるべき行政の姿というのをしっかり示していくために、最後、総理としてどのようにされるのか、お伺いしたいというふうに思います。
  280. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) この議院内閣制の政府として、私は、国会で首班指名を受け、総理大臣として行政全般に対して責任を負っているわけでございます。そして、我々、政策を立案し、法律によってそれを実現していくものもございますし、しっかりと政府として方針を示していくわけでございます。示していく方針によって行政は動いていくわけでございますが、しかし、決してそれが私事についてそんたくがあってはならないのは当然のことであろうと、こう思う次第でございます。  進むべき道を示したことについては、政策的に、それについては、しっかりと行政全般でその方向に向けて政策を立案し進めていくことが求められていると思うわけでございますが、重ねて申し上げれば、私事についてのそんたくがあってはならないと、このことは徹底していかなければならないし、今回のことが二度と起こらないように、組織の立て直し、信頼回復に向けて組織の立て直しに全力を傾けていきたいと、このように思っております。
  281. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 政治、行政が信頼できないということで一番不幸になるのはやはり国民であります。国民のためにも、早期に信頼回復、そしてそれに値する政治、行政というものを我々も一体となってつくっていきたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  以上で私の質問を終わりまして、同僚議員に譲りたいというふうに思います。
  282. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 関連質疑を許します。横山信一君。
  283. 横山信一

    ○横山信一君 公明党の横山信一でございます。  まず、私からは、昨年から今年にかけて大変な大雪で農業被害が出たわけでございますけれども、その農業被害について幾つかお伺いいたします。  この二月四日からの大雪は、北海道、北陸地方を中心に大規模な農業被害が発生をいたしました。とりわけ農業用ハウス、福井、富山、北海道などで大規模な被害を受けております。災害対策としては、農業共済の迅速な損害評価、あるいは早期の共済金の支払、さらには査定前着工を利用しての早期復旧、そしてまた農林漁業セーフティネット資金などの災害関連資金を利用する、円滑な融通と、こうしたことを進めていかなければならないわけですが、そうした制度を利用した上で更に防がなければならないことは、被災農業者が希望を失うということであります。希望を失って離農を考えてしまう、これを何としても防がなくてはいけないということであります。  三月二日の同僚の熊野議員の質問に対しまして、齋藤大臣は、今回の雪害が離農につながるようなことが内々ないように検討を行っているというふうに御答弁をされております。その具体策が先週末に通知をされました。どのような対策を講じたのか、伺います。    〔委員長退席、理事二之湯武史君着席〕
  284. 齋藤健

    国務大臣(齋藤健君) 今冬季の大雪では、北陸を中心に、五六豪雪以来三十七年ぶりの積雪となりましたし、また、北海道の日高地方でも想定を超える大雪が数日間継続したために、農業用ハウスなどに大きな被害が発生をいたしました。  こうした被害の状況を踏まえて、先週十六日の金曜日に、被災したハウスの撤去も含めた農業用ハウスの導入経費の助成、それから被災に伴い必要となる追加的な種子、種苗の確保、種苗の融通のための輸送に要する経費の助成、それから被害果樹の植え替えや未収益期間に要する経費の助成などの対策を決定をいたしました。  本日、谷合副大臣を福井県に派遣をいたしまして、本支援対策の内容説明しているところでありまして、今後、周知に努め、被災された農業者の皆様が支援対策を活用して一日も早く経営再開ができるよう全力で取り組んでまいりたいと思います。  なお、施設園芸を営む農業者の皆様には、農業用ハウスは経営に不可欠な生産施設であると改めて認識をしていただいて、今後も起こり得る甚大な自然災害に対し自ら備えていただく観点からも、園芸施設共済に加入をしていただく必要があると考えておりまして、あらゆる機会を通じて園芸施設共済の加入も推進をしていきたいと考えております。
  285. 横山信一

    ○横山信一君 その施設共済に加入されなかった方たちがいたのは非常に残念なことでございまして、是非テレビを御覧の皆様方、農業者の皆様方は、加入されていなければ、積極的に、いつ災害があってもいいように加入をしていただきたいと思います。  私も、山形県の大石田町とか村山市とか北海道の新ひだか町に行って、この農業被害の状況を見てきました。その中で、新ひだか町では新規就農者のハウスの倒壊が非常に多く目立っておりました。私がお会いした方は大阪から来られた方でございまして、昨年にハウスを十棟新築したばかり、そのハウスが全て倒壊をしてしまったという状況でございます。  新規であるがゆえに相当な負債を抱えているという現状もございます。この新規就農者の経営継続に向けた支援をどうされるのか、これも大臣にお伺いいたします。
  286. 齋藤健

    国務大臣(齋藤健君) 今般の大雪によりまして、特に北海道において新規就農者の農業用ハウスにも損壊等の被害が発生しております。  農林省としては、先ほど申し上げた三月十六日に決定した対策の中で、経営体育成支援事業の優先採択等による農業用ハウス等の導入の支援、それから、被災した新規就農者の方々の経営継続を支援するために農業次世代人材投資資金の交付時期を前倒しをする、それから、新規農業者向けの無利子資金の円滑な融通あるいは償還猶予等を行うこととしたところであります。  こうした対策によりまして、被災された新規就農者の方々が営農意欲を失わずに一日も早く経営再開できるよう、きめ細やかに対応してまいりたいと思います。
  287. 横山信一

    ○横山信一君 是非よろしくお願いいたします。  ここで総理にも是非、この新規就農者、被災した新規就農者への激励の言葉を頂戴したいと思うんですが、実は、二年前の二〇一六年、台風、大雨災害が東北、北海道で大きな農業被害をもたらしました。そのときにも私は予算委員会で、この新規就農者への激励をということで総理に、通告なかったんですけれどもお願いいたしまして、総理、非常に一生懸命激励を、励ましの言葉を贈っていただきました。  実は私、そのときに頭の中にあった被災した農業者という方は、南富良野町で、静岡から来られた方でしたけれども、やはりようやくハウス園芸が順調に乗り始めたときにあの大雨災害でほとんど流されてしまったという方を実は頭に思い浮かべながら話をしていたんでありますが、その方は、総理の激励もあって今再起を果たしまして、おいしいトマトジュースを今販売をしている、六次化にも挑戦して販売をされているということでありますので、今回の大雪で希望を見出せないでいるこの新規就農者に対しまして、是非激励の言葉をいただきたいと思います。
  288. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) まず、この度の大雪で被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げる次第でございます。  今、横山委員がおっしゃったように、新規就農された方々、農業という分野においてまさに自分たちの努力と情熱で新しい未来を切り開いていこうと、こういう気持ちで農業に就農していただいたと、こう思っております。そのやさきに被害に遭って、今後も経営を続けていくことができるだろうかという不安を当然お持ちなんだろうと、このように思います。  農業というのは、やはり時には大雨とか台風と闘わなければならない、急激に変わっていく自然と立ち向かっていく厳しい仕事でありますが、同時に、まさに農業こそが国の基を担ってきた、地域を支えてきたのは間違いないわけでありまして、皆さんはその誇りとともに生きてきたんだろうと、このように思います。そして、大切な国の基である、基幹産業である農林水産業を速やかに復旧させていく、そして私たちもしっかりと支援をしていく、そのことを示していく必要があると、こう思っております。農林水産大臣が述べたとおり、しっかりと対応してまいります。  まさに、新規就農された方々の意欲こそが我々の農業の未来につながっていくと思います。新規就農者も含め、被害に遭われた農業者が一日も早く経営再開できるよう全力で取り組んでまいりますことをお約束申し上げます。
  289. 横山信一

    ○横山信一君 では、この森友の決裁文書について私からも取り上げていきます。(資料提示)  この文書の、決裁文書書換え問題というのは極めて深刻な問題であります。この行政文書に基づいて私たちは様々な議論をしてきたわけであります。そこに基づいた、その根拠としてきたものが崩れてしまうような、そういう事態になったわけでありまして、これは行政の信頼を損なう極めて重大な問題であります。  時系列的にこの二日からのことをちょっと並べてみたわけでありますけれども、二日に新聞報道があって、五日には国交省から連絡があって、十二日に財務省書換えの事実を認めるということになります、土日を挟んで。九日の日に佐川氏は辞任をするわけでありますけれども、この時系列だけで見ると、何で佐川氏の辞職というのは九日なのかと単純に思ってしまうわけですね。十二日以降でなくて何で九日で決めてしまったのかと、そういう疑問。もしかすると、この佐川氏とそれからこの決裁文書書換えというのを切り離そうとしていたのかなというふうにうがった見方も見えてしまうわけでありますけれども、この事実関係について財務大臣に伺います。
  290. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) これは、御疑問の点というのは、時系列から見ますとそういうことになるんだと存じますが、三月の八日、九日の日だったと記憶しますけれども、金曜日だったと思います、そのときに本人自身からの申出がありました。  国税庁長官というのは、御存じのように現場の一番でおりますので、本省におるのとちょっと訳が違う立場にもありますし、当時まだ確定申告等々の応対が続いておる状態でもありましたので、これはちょっとそのまま任に置いておくのはいかがなものかと判断をさせていただいて、その場で辞職を受け取らせてもらったというのが経緯であります。  本人の意識としても、いろいろこの一年間、行政文書に対していろいろな信用を損なわしめたということに関して非常に自分としての反省の念も述べておりましたし、そういった点も考えて、何もしないで退職というわけにもいかがなものかと思いましたので、少々きついとは思いましたけど減俸ということで、二〇%、三か月という減俸処分を言い渡したということであります。  加えて、まだいろいろな話が起きているという、今、我々、被疑者、調査を受けております立場でありますので、更にいろいろなものが出てきた場合については更なる減俸処分もあり得るということだと思いましたので、その点につきましても本人にやくやく申し渡して、そのときは私の指示に従ってもらうということもその段階で申し上げさせていただいたというのが経緯であります。
  291. 横山信一

    ○横山信一君 一方、この佐川氏の辞任というのは、全てを佐川氏に責任を取ってもらおうとしているのではないかというふうにも一方では見えてしまうわけです。  先週の私の質問の中で、別の力が働いたんじゃないですかということを財務大臣にお伺いいたしました。大臣からは、佐川国会答弁誤解を受けないようにするために行われた、不当な圧力等ということではないという御答弁があったわけであります。  その後に同僚の矢倉議員が質問されたときには、太田局長は、当時の理財局のトップの佐川局長の関与は大きかったというふうに述べているわけでありますけれども、この一連の答弁を踏まえると、その決裁文書書換えというのは、要するに佐川さんだけの判断というふうにもうだんだん収束するように見えてくるんですけれども、そこはどうお考えですか。理財局長
  292. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  最終的に、誰がどういう指示をして、どういうことが起きたかというのは、再三御答弁を申し上げていて恐縮ですが、捜査ということを見極めつつ、今調査をぎりぎりのところをしているというふうに申し上げております。  その上で、当初、十二日の日に御報告申し上げましたように、今ほどに関わるところは財務省理財局においてという御説明を申し上げました。これは、一つは、財務省理財局より上のところ、要すれば、我が社でいけばトップは大臣でいらっしゃいますけれども、大臣から指示があったり、大臣に御相談したりというようなことはしていないということ。それからもう一つは、本省が指示をして、物理的にはある意味で近畿財務局ということなんですが、そういうことをやる、あるいはやれということをやったのは本省なので、責任は本省にあるという意味財務省理財局においてというふうに御報告を申し上げております。  そこのところまでは、我々が調べた限りにおいては、そこのところまではきちんと御報告できると思って御報告できているという状況でございますが、その上で、誰が指示をして云々という話は今調査をしているというところでございます。
  293. 横山信一

    ○横山信一君 地検が捜査を進めているわけですから、そこにはしっかりと協力をすることとして、先週も言いましたけれども、国民の信頼を失っているわけですから、ですから、財務省としては、もう自分たちで出せるところはどんどん出していくというその姿勢を示してもらいたいと思います。  今回の事件というか、ことに関しては、速やかな全容解明と再発防止に取り組まなければなりません。そうなると、理財局だけということにはとどまりません。文書管理、国会対応、人事当局としての職員の懲戒というような処分も見えてくるわけであります。そういう意味では大臣官房るいは官房長の役割が重要になってきますけれども、組織体制の立て直しを含めて今後どうしていくのか、官房長に伺います。    〔理事二之湯武史君退席、委員長着席〕
  294. 矢野康治

    政府参考人(矢野康治君) お答えをいたします。  行政の在り方として、決裁を経た行政文書について書換えを後から行い、それを国会に提出するというようなことはあってはならないことであります。大変申し訳なく、深くおわびを申し上げます。  今後、進行中の捜査にも全面的に協力するとともに、財務省自身としても、引き続き更なる調査を進めた上で、関係した職員の処分など必要な対応を行うほか、二度とこのような事態を起こらないように、公文書管理の徹底を始め、失われた信頼を回復すべく取り組んでいく必要があると存じております。委員指摘のとおり、こうした取組は、大臣官房が中心となって財務省全体として取り組んでいくべき課題でありまして、官房長である私も、麻生大臣の強い指示、指揮の下、しっかりと役割を果たしていきたいと思っております。
  295. 横山信一

    ○横山信一君 残り一分となりましたので、いろいろお聞きしたいこともあるんですが、先週、梶山大臣に、今管理規則を作っているんですね、公文書管理のですね。その管理規則の、今作っている最中なんですけれども、それについての御答弁をいただいたところなんですが、財務省も今チェックを受けている最中です。そういう意味では、この全容解明ができる前にこうした流れが先に進んでいくということでは、ちょっと拙速ではないのかなというような思いもするんですが……
  296. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 時間が来ておりますので。
  297. 横山信一

    ○横山信一君 ええ、終わります。終わりますが、今この時点では、四月までにまとめていかなきゃいけない非常に重要な時期でありますので、これは規制改革の内閣府でもしっかりとこれに取り組んでいただきたいというふうに思います。  以上で終わります。
  298. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で矢倉克夫君及び横山信一君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  299. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 次に、小池晃君の質疑を行います。小池晃君。
  300. 小池晃

    小池晃君 日本共産党小池晃です。  学校法人森友学園との国有地取引をめぐる財務省決裁文書改ざん問題、これは、この委員会が与野党全会一致で求めた資料が改ざんされていたわけです。十四日の委員会で金子委員長は、本委員会に対する冒涜であるだけでなく、行政全般に対する国民の信頼性を失わせる言語道断の行為だと述べられました。そのとおりだと思います。  総理にお聞きしたいんですが、総理も金子委員長と同様に、今回の文書改ざん行政府による立法府への冒涜だという認識でしょうか。
  301. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 既にお答えをさせていただいておりますように、今回の決裁文書書換えについては、国民行政全般に対する信頼を揺るがす事態となっており、私は行政府の長でございますから責任を痛感はしているところでございます。当然、今、行政府と国会、立法府との関係においての責任はどうかということでございますから、その点についても責任を痛感しているところでございまして、行政全般に対する責任は、最終的な責任内閣総理大臣たる私にあるわけでございまして、深く皆様におわびを申し上げたいと思います。
  302. 小池晃

    小池晃君 冒涜ということを金子委員長おっしゃったんで、そういう認識はあるかと聞いたんです。
  303. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 今私が申し上げましたのは、まさに行政府の長として私の考え方を申し上げたわけでございまして、金子委員長は院として、委員長として厳しい御指摘をいただいたわけでございまして、真摯に受け止めなければならないと、このように思っております。
  304. 小池晃

    小池晃君 何でこう、素直に冒涜だという、金子委員長のことを言わないのか。民主主義の根幹に関わる問題なんですよ、これは。そういう認識がないんじゃないですか。財務省の一部局の不始末の問題ではないんです、これは。内閣全体の国会に対する、国民に対する責任が問われていると、そういう性格の問題だという認識があるかと聞いているんです。答えてください。
  305. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) だからこそ今お答えをいたしました。私は行政府の長として責任を痛感をしておりますし、まさに責任はないのかということでございますから、最終的な責任は私にあると、重ねてこのように申し上げているわけでございまして、言わば金子委員長が冒涜であると、このようにおっしゃった、行政府の長としてこの言葉を深刻に受け止め、しっかりと対応していかなければならないと、このように考えているわけでございます。
  306. 小池晃

    小池晃君 朝日新聞の世論調査では、改ざん責任は首相にあると答えた人が八二%なんですよ。総理は行政府の長として、内閣としての責任を、これは重大な民主主義に対する冒涜であるし、歴史的な犯罪的な行為だという認識を持たなきゃいけないんですよ。  その上でちょっと具体的に聞きますが、この文書改ざん、朝日新聞が三月二日に報道して、五日には国土交通省から官邸に改ざんの可能性があると伝えられる、財務省にも伝えられていた。で、先ほどの自民党議員の質問を聞いていましたら、自民党に対する六日の説明でも財務省書換えを認めなかったそうですね。で、麻生財務大臣にも報告していなかったわけです。  先ほど自民党の和田議員は、何で報告しなかったのかと財務省を責め立てておりました。それに対して財務省の官房長は、確認できていないのでこれは麻生財務大臣には報告しなかったと答弁しているんですが、六日には総理は知っていたわけであります。総理は知っていたんですよ、これを。しかし、八日の朝の当委員会理事会に財務省から改ざん後と全く同じ資料が提出されて、これではゼロ回答以下だと怒りが燃え上がったわけですね。繰り返しますけど、その時点で総理は知っていたわけですよ、改ざんの可能性があるということを。  先ほど自民党議員が財務省に向けた質問と全く同じことを私は総理に問いたい。何で六日に改ざんの可能性があるということを報告を受けながら、国会にも国民にも知らせなかったんですか。少なくとも、改ざんの可能性を知らされていたのであれば、あの八日の朝の財務省の対応、これは黙認すべきではなかったと私は思いますよ。先ほどの議員は、ばれなければそのまま隠していたのではないかと言っていた、私はそこまで言いませんが。しかし、総理の対応は、これは野党国民の疑問に丁寧に誠実に対応する姿勢とは、この八日の対応見たって思えないじゃないですか。どう答えるんですか。
  307. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) まずですね、まず、三月五日の月曜日でありますが、国土交通省より杉田副長官に対し報告がなされた際は、森友学園財務省文書の一部が国土交通省に保存されており、その文書書換え前のものである可能性があるとの報告があったわけでありまして、それを受けた杉田副長官は、国土交通省に対しては財務省の調査に全面的に協力するよう指示を行い、そして、財務省に対しては調査を徹底的に行うよう改めて指示をするなど、それぞれの省庁に対して事実の解明に向けてしっかり対応するよう指示を行ったものと承知をしております。  また、そうした動きについて、六日、火曜日でありますが、杉田副長官より私に対して、これは秘書官経由でありますが、報告がありました。そして、杉田副長官より関係省庁に対し既に指示をしたとの報告を受け、私としては必要な指示を行ったと認識をしたわけでございます。  そして、事実関係が明らかになった時点で直ちに、事実関係が明らかになった時点で直ちに公表するというのが一貫した方針でありますが、一方で、政府の立場で不確実なことを申し上げるべきではないということは当然のことであります。事実関係を確認できるのはこれは財務省だけでありまして、その中で、財務省として八日の時点では事実関係が明らかになっていないと判断していたということだと思います。その判断につきましては、必要があれば財務省から答弁をさせたいと思いますが、いずれにせよですね、いずれにせよ、杉田副長官から調査を徹底的に行うよう指示をしていたものであります。
  308. 小池晃

    小池晃君 あのね、不確実なことをここで報告しろと言っているわけじゃない。財務省はこれをここで出したわけじゃないですか。それでみんな混乱したわけじゃないですか。少なくとも、その可能性があるという情報を得ていたのであれば、そういうことはしないで、きちんと納得いく対応をしようじゃないかと言うのが総理の責任でしょう。私はそれを聞いているんですよ。全く答えてない。
  309. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 今申し上げましたように、これは国交省から五日にその可能性があるという報告があって、そして杉田副長官から財務省と言わば国交省にそれぞれしっかりと調査をするように指示をしたところでございますが、今、先ほど答弁をさせていただいたように、我々は事実関係を確認はできないわけでありまして、確認できるのは財務省だけでありまして、その中で、財務省として八日の時点では事実関係が明らかになっていないと判断していたということだと思うわけであります。それは、その後我々は聞いたのでございますが、そのことについては、その判断については財務省が行うということでございまして、私たちがそれを乗り越えて、確認できないにもかかわらずこれを行うことはできないと、こういうことでございます。
  310. 小池晃

    小池晃君 総理でしょう、何で乗り越えられないんですか。財務省がとんでもない対応をしているときに、こんなことやったら国会混乱すると、やっぱり改ざんの可能性あるという情報があるんだからちょっと待てと、これ言わなきゃ駄目でしょう。私は、財務省は三月八日にもこれは国民欺いたと思いますよ。それを黙認した総理の責任は重大だと。これも大事な問題だと思います。  それから、確認したいんですけれども、麻生大臣は、佐川理財局長文書改ざん知っていたと思うと答えている。ところが、佐川氏にはそのことをただしていないわけですね。刑事責任が問われるんじゃないかという問題を何で本人に確認もせずに答弁するんですか。
  311. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 今の御質問ですけど、佐川前長官含めまして、当時の理財局の職員がどの程度関与したかについては、これは私どもとしては捜査の影響も考えながら、私どもとしては今やっている最中ですからね。(発言する者あり)いえ、最中ですから、そこをちょっと前提として理解しておいてもらわぬと話になりませんので。  当時の理財局長佐川理財局長でしたんで、私どもとしては、あの文書を見る限りでは、少なくとも国会での答弁というものに関して誤解を受ける等という、取られないようにするために行われたんだと見られておりますので、当時、主として答弁しておりましたのが佐川前長官であることを考えれば、関与の度合いは大きかったのではないかということを申し上げておるんだと思っておりますが。
  312. 小池晃

    小池晃君 何で佐川氏は改ざんを知っていたと答えたのかと、本人に聞かないでどうしてそれが分かるんですかと言っているんですよ。  ちょっと答えになっていないから止めてください。(発言する者あり)
  313. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  314. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 速記を起こしてください。
  315. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 今答弁申し上げましたとおりでして、当然のこととして、当時の主たる答弁者でしたから。佐川前長官が答弁をしていた本人でしたので、私どもとしては関与の度合いというのは大きかったのではないかということを考えておるということです。何のおかしい、何のおかしいところないと存じますが。(発言する者あり)
  316. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) じゃ、速記止めてください。    〔速記中止〕
  317. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 速記を起こしてください。
  318. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  佐川局長が知っていたというふうに答弁をしたのは、先週金曜日の財務金融委員会で私が一番最初に答弁したんだろうと思っております。それは、関係者に聴取をして、その結果として我々の知り得る限りということでそういう御答弁を申し上げております。
  319. 小池晃

    小池晃君 だから、関係者と言うけど、本人に聞かないで何で知っていたと分かるんですか。
  320. 太田充

    政府参考人太田充君) 周囲含め関係者がそういう認識ですから、それは知っていたというふうに認識できたということで御答弁申し上げております。(発言する者あり)
  321. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  322. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 速記を起こしてください。
  323. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  今の委員の御質問は、要すれば佐川前長官から聞いていないのかということだろうと思います。  佐川長官が退任するに際して、その過程において事務次官が佐川前長官からも聞き取りはしております。そのときに彼が答えたことは、決裁文書の提出時の担当局長なので責任は感じていると、ただ自分、佐川本人が具体的にどのように関与したかについては、刑事訴追の可能性もある状況なので答えは差し控えたい、これは、退任したときにぶら下がりと称するところで佐川本人が答えていたことと同じことでございますが、そういう回答だったというふうに承知をしております。
  324. 小池晃

    小池晃君 じゃ、確認していないんじゃないですか。刑事責任に問われるかもしれないことを推測で言っているんですよ。  それからもう一つ、じゃ聞くけど、じゃ、佐川氏は当時の官房長あるいは事務次官に相談していないんですか。
  325. 太田充

    政府参考人太田充君) 相談という意味は、それは書換えについて相談をしていないかということですか。  相談をしていないというふうに我々は承知しています。
  326. 小池晃

    小池晃君 それは佐川氏に聞いたんですか。
  327. 太田充

    政府参考人太田充君) その当時の官房長、あるいは当時の理財局において仕えていた者、そういうところから聞いてということです。  佐川本人には、今申し上げたことが全てであります。
  328. 小池晃

    小池晃君 佐川氏には何も聞いていないんですよ。それであんなことを言っているわけですよね。何で佐川氏に直接聞かないんですか。問いただせばいいじゃないですか。
  329. 太田充

    政府参考人太田充君) 今ほど申し上げたとおり、その退任をする過程において事務次官が聞き取りをして今申し上げたことを答えたということ、先ほど申し上げたとおりでございます。
  330. 小池晃

    小池晃君 何で今聞かないのかと聞いているんです。
  331. 太田充

    政府参考人太田充君) 今後の調査なり捜査の過程においてということはあるかもしれませんけれども、少なくとも、退任をしたのはつい最近でございますので、そのときに聞いてそういう答えだったというふうに承知をしております。
  332. 小池晃

    小池晃君 あのね、もうこれは証人喚問するしかないですよ。今日の委員会で、委員長、今日の委員会で議決してください。
  333. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) ただいまの御要求に関しては、後刻理事会で協議をさせていただきます。
  334. 小池晃

    小池晃君 改ざんされた文書では、安倍昭恵氏に関わる記述が削除されている。総理は、改ざん前の文書を見ても私や私の妻が関わっていないということは明らかだと言いますが、朝日新聞では、総理の答弁納得できないという方は七二%です。  総理は先ほど、削除されたからといって自分の答弁がひっくり返るわけではないと述べたけれども、問題は、削除されたかどうか以前に、何でそもそも決裁文書安倍昭恵さんが出てくるのかなんですよ。  その理由について財務省は、この間、国会対応だから、それは近畿財務局、地方支分部局は、本省は国会対応だから、そのことを配慮して参考になるのではないかといって書いたというふうに国会答弁されてきましたが、安倍昭恵さん、国会議員じゃありませんよ。何で国会議員でもない安倍昭恵さんの動向が決裁文書に記載されているんですか。
  335. 太田充

    政府参考人太田充君) それは、基本的に総理夫人だということでということだと思います。
  336. 小池晃

    小池晃君 重大な発言ですよね。重大な発言ですよ。総理夫人なんですよ。まさに、国会議員以上に配慮しなきゃいけない存在なんですよ。だから決裁文書に登場してきているわけじゃないですか。これはやっぱり重大だと。要するに……(発言する者あり)
  337. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 御静粛に。御静粛に。
  338. 小池晃

    小池晃君 特例承認するに当たって、森友学園安倍昭恵総理夫人が関わっていることがこれは極めて重大な要素だったということなんですよ。だから書いたんですよ。  この経過見ても、安倍昭恵さんが要所要所で、大事な局面で登場してくるんです。これ、非常に大事なところですよ、これは。(資料提示)  例えば、これは、森友学園の小学校用地取得について近畿財務局が、平成二十六年四月十五日に、大阪府私学審議会の答申得る前の契約はできないと断っていた四月十五日の二週間後の二十八日に、例の籠池氏の発言がここに書かれているわけですね。籠池氏と近畿財務局の打合せで、いい土地ですから前に進めてください、で、並んで写っている写真が示される。この日を境にして、その次、六月二日には、売払いを前提とした貸付けについては協力させていただく、前進するわけですよ。  それから、もう一回登場するのは、平成二十七年一月八日。なぜか産経新聞社のインターネット記事が、なぜかこの決裁文書に書かれるわけですね。で、その記事を書かれた翌日の一月九日に貸付料の概算額が伝えられる。そして、大阪府の私学審が認可するわけですよ。ここでも昭恵氏に関わる記述が決裁文書の中ではターニングポイントに出てくるわけですよ。それはまさに、今理財局長が言ったように、総理夫人だからですよ。  これは、結局、今日午前中に自民党の青山議員が、これは財務省近畿財務局が言い訳を並べていたんだと、こうおっしゃった。そのとおりだと私、思いますよ。これ、やっぱり近畿財務局がこの極めて異例な取引特例承認することを本省に了解してもらうためには、やっぱりこれが総理夫人だと、総理夫人案件だということを、そういう言い訳をする必要があると、だからこういうふうに書いているとしか思えないじゃないですか。  財務省、そういうこととしか受け取れないですよね、これはまさに。
  339. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  基本的に、籠池理事長が、あるい森友学園側が総理夫人の名前を出していらっしゃったということは事実でございますので、それがあってということだろうと思います。そういう意味お答えを申し上げたつもりだったのですが、そういうことだというふうに、籠池理事長が盛んに昭恵総理夫人のお名前を出していらっしゃったということでそういうふうに記述をしているということだろうと思っておりますが。
  340. 小池晃

    小池晃君 昨年三月一日の当委員会で私、質問したときに、総理夫人森友学園を度々訪問されて講演されて、名誉校長に就任されていたと、それを総理に指摘をいたしました。そうしたことが国有地の払下げに一切影響がなかったんですかという私の質問に対して、総理はこう答えているんです。例えば小池さん、安倍昭恵幼稚園と書かれてあれば、理財局が恐れ入りましたといって安くするんですかと。しかし、改ざん前の決裁文書は、それこそ恐れ入りましたと、対応したと。何笑っているんですか、総理。笑っている場合じゃないと思いますよ、これはね。少なくとも、少なくともね、財務省がそう受け取った、そう考えたとしても不思議ではないと思いますよ。  私は、こういう総理の国会での対応がこの文書改ざんに与えた影響は、これは総理も否定できないと思いますが、いかがですか。
  341. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) それは全く違います。  まず、最初申し上げましたように、この元の文書を見ていただければ、財務省が、あっ、そうですか、安倍昭恵夫人が関わっているからそうですかとは全くなっていないわけでありまして、先ほど太田理財局長答弁したのも、安倍昭恵というのが別に私の妻でなければ、それは当然載りませんよ。それは当たり前の話だろうと。私の妻であるから、この経緯の中で、籠池氏がですね、籠池氏が述べた、籠池氏がまさに私の妻の名前を出して、籠池氏が私の妻がそう言っていたと言っていたという記述は、その経緯の中で当然総理夫人の名前を籠池氏が出したからそれは載せていたんだろうと、こう思うわけでありまして、産経ウエブの話も、これは既にオープンになっている話でありますが、それも一応載せてあるわけでありますが、言わばそれは載せているわけでありますが、産経ウエブについては載せているわけでありますが、しかし、それは既に公開情報としてあったものを事実として淡々と述べているんだろうと思います。  そして、ここにおいては、ここにおいては、例えば私の妻自体が近畿財務局に働きかけを行っている、あるいは私の事務所の者が行っているということはもちろん全く書いていないのみならず、書換え前のこの文書を見ていただければ、私の妻について書かれた記述は書換え全体の中のごく一部にすぎないわけでありまして、政治家からの問合せや、さらにそれ以外の詳細に記載されていた経緯部分について、これはほぼ全て削除がされているわけであります。  かてて加えて、ここは重要な点なんですが、是非言わさせていただきたいと思いますが、貸付けに係る特例承認のこれ決裁文書だけではありません。例えば、私の妻が出てこない貸付けに係る決裁文書というのも決裁文書ではありますが、その経緯部分についても同様にほぼ全て削除がなされているわけであります。そしてまた、さらに、売買に関する、また、売買に関する決裁文書には一切妻のことは、これ売買に関する、一番皆さんが議論しておられたところの点でありますが、売買に関する決裁文書については一切妻のことは出ていないわけでありまして、今委員がですね、委員がつくっておられるストーリーとしては、妻の名前が出ているから削除したということでありますが、妻の名前が出ていないところも全て決裁文書については削除されているということは申し上げておきたいと思います。  このように考えれば、答弁がある、書換えを行う理由が、妻の名前があるからこうした書換えを行ったことではないと、このように考えているところでございます。
  342. 小池晃

    小池晃君 長々長々関係ないことしゃべらないでくださいよ。  あのね、私が言っているのは、じゃ、今の説明ありましたが、いろいろありました、全部出ていると、インターネットも出ていると、国会でも議論された、それは知っていますよ。でも、何でそれを決裁文書に書いてあるのかということなんですよ、こんなに詳細に。これ、どう考えたっておかしいじゃないですか。  麻生大臣、麻生大臣に今日は、麻生大臣にお聞きしますよ。麻生大臣ね、麻生大臣は十四日の当委員会でこうおっしゃっています。国有財産の管理、処分は、相手がどのような方とかどのような機関かとに関係なく、法令に基づいて行ってきていると、こう言っているんですね。どのような方か、どのような機関か関係なく、法令に基づいてやる。だったら何で決裁文書にどのような方かというのを書くんですか。説明付かないじゃないですか。
  343. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  国会議員の先生方の秘書からのお話も書いてあります。再三答弁しているようで恐縮ですが、基本的に本省決裁なので、そういう意味で、国会周りの方の情報を書いておこうということで書いていると、そういう判断だと思います。
  344. 小池晃

    小池晃君 あのね……(発言する者あり)ちょっとうるさいな、もう自民党のやじ、やめてください。  地方からの文書だけではなくて、決裁文書理財局文書ですよ。理財局文書にあの日本会議の例の話が出てくるわけですよ。しかも、その中で安倍昭恵さんの名前出てくるわけですよ。  やっぱり、結局、だから、これは近畿財務局の問題ではなくて、理財局がやっぱり安倍昭恵さんの名前を出せというふうに書いたわけですね、これ。これは確認しますよ。この学校法人森友学園の概要は、これは理財局で書いた文書ですよね。そこに……(発言する者あり)理財局なんですよ。理財局が書いた文書ですね、確認します。
  345. 太田充

    政府参考人太田充君) 今御指摘のものは、基本的に近畿財務局の決裁の中には入っておりませんので、理財局の段階のときに、まあ近畿財務局に多分教えてもらったということだろうと思いますが、本省決裁のときに入っている資料であることは事実です。
  346. 小池晃

    小池晃君 だから、国会周りだから近畿財務局が書いたと言うけれども、これは理財局が書いているんじゃないですか。言い逃れはもうやめなさいよ。  大臣ね、これどう考えたって、安倍昭恵さんの存在というのがこの決裁にとって必要だと理財局が判断したという、そういうことじゃないですか。
  347. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) これは先ほど太田理財局長の方から御答弁申し上げましたとおりなんであって、本省の理財局として、国会答弁関係がありますので、いろいろな形で出てきた人の名前をざっと書いたというだけのことだと思いますが。
  348. 小池晃

    小池晃君 安倍昭恵さんは国会答弁とは関係ないと思いますが。
  349. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) いえ、その中のこれまで出てきた関係者の名前としていろいろ出てきたんだと思っておりますが。
  350. 小池晃

    小池晃君 もう本当に説得力、私、ないと思います。やっぱりこういうことだから国民はこの問題での説明に納得していない。  しかも、森友との関わり、安倍昭恵さんの森友との関わりというのは、これ一過性じゃないんです。何度も一緒に写真を撮って、籠池夫人と頻繁にメールを交わして、そして森友学園を訪問して講演会でお話をされ、教育方針に感動して涙まで流したと言っているわけですよ。それなのに、森友学園の危機のときに、最大の課題だった土地の取得の問題が座礁しかかったときに、これには一切関わっていないと。これね、私、納得できる説明では到底ないと思いますよ。  そして、これだけの問題に大きく発展してきている。予算委員長が、国会審議が停滞したと、論戦の貴重な機会が失われたと嘆くような事態をつくった。しかも、これ異例尽くしの土地取引の結果、八億円の国有財産がこれは失われたということになれば、大変な思いで税金払っている国民はどう思うのか、社会保障の削減で苦しんでいる国民はどう思うのか、国民はやっぱりそういうのを怒っているということを総理は知るべきである。  朝日も毎日も共同も日本テレビ系の世論調査も、六五%の方が昭恵夫人の国会招致、証人喚問が必要だと思うと考えている。それなのに昭恵氏は、この問題が明るみになって以来、一度たりとも森友学園の問題について語っていませんよ。国会招致どころか、インタビューにも記者会見にも応じていないんですよ。  総理、これだけ国会を揺るがす問題にまで発展している、国民が疑問を持っているときにこんな対応を続けていたら、いつまでたったって国民の疑念は晴れないんじゃないですか。いつまでこんなことを続けるつもりなんですか。総理、お答えいただきたい。
  351. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 先ほど来答弁をさせていただいておりますように、私も妻の昭恵もこの国有地の売買あるいは学校の認可について全く関わっていない、関与していないということはそのとおりでございまして、この元の文書を見ていただいても関与の事実はないわけであります。  籠池氏が、妻がこう言ったと、これ籠池氏が言っていることが紹介をされているわけであります。当人の、この交渉をしている当人の口から出たということについて記述があるというふうに理解をしているところでございます。  そして、言わば妻についてのことについては私がこれまでも丁寧に答弁をさせていただいておりますし、この前に進めてくださいということについてもお答えをさせていただいているところでございます。  これからも言わば御質問があれば丁寧に説明をさせていただきたいと、このように思うわけでございますが、いずれにいたしましても、この決裁文書につきましては、決裁文書につきましては一切私からも指示をしていないということは何回も申し上げているとおりでございますし、この決裁文書の変更については関わっておりませんし、当然妻の昭恵も全く関わってはいないということは何回も申し上げている次第でございます。
  352. 小池晃

    小池晃君 あのね、安倍昭恵さんがそういうことを言っていないと私は聞きましたと、そんな説明で誰が納得するんですか。夫婦の家庭の会話でこんな問題を乗り切ろうなんというのはあり得ない話だ。大体この問題は、私や妻が関係していれば総理大臣国会議員も辞めると、こういう総理の断言があったわけですよ。仮定の質問には答えないといつも言うのに、仮定の質問に答えているんですよ。公的な存在だということを認めているんですよ。  こんな発言をした以上、幾ら総理が、安倍昭恵さん、家では言っていないと言ったって誰も納得しない。これは国会でしゃべっていただくしかありません。安倍昭恵さんの国会招致を求めます。  あわせて、首相夫人付けの谷査恵子さん、それから佐川氏の前の理財局長である迫田英典さんの証人喚問を求めて、私の質問を終わります。
  353. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) ただいまの要求の件は、後刻理事会で協議をさせていただきます。  以上で小池晃君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  354. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 次に、辰巳孝太郎君の質疑を行います。辰巳孝太郎君。
  355. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 日本共産党辰巳孝太郎でございます。  国有地がただ同然で売却された森友疑惑は、前代未聞公文書改ざん事件にまで発展をいたしました。総理は、私や妻が関わっていたら総理も議員も辞める、十六日の予算委員会では、財務省は、総理のこの答弁の整合性を取るために改ざんをしたということを否定できませんでした。  総理にお尋ねいたします。御自身には不都合な真実が明らかになるかもしれませんが、御自身の発言がきっかけとなってこの改ざんが始まったかどうかを明らかにする必要があるのではないですか。
  356. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) お答えいたします。  決裁文書書換えについては、私は全く指示もしておりません。そもそも、理財局内や財務局内の決裁文書など、私はその存在すらも知らず、指示のしようがないわけであります。また、書換え前の文書でも、私や私の妻が国有地の払下げや学校の認可に関与した事実はなく、私や私の妻が関わったことにならないことは明らかであります。  私の二月十七日の答弁は、私も妻も一切この認可にも国有地の払下げにも関係ないというものであります。書換え前の貸付けに係る特例承認決裁文書に土地を見に行ったとか講演をしたとか、こう書いてありますが、書換えがなされたとされる二月下旬から四月には既に、妻が名誉校長であり、講演に行ったことあるいは学校建設予定地に行ったことは言わば既に知られていたことであり、国会でも議論になっていました。二月十七日の一切関係ないという答弁をこれはひっくり返すような記述はないことは明らかであろうと、このように思います。  決裁文書書換えが行われた目的、経緯等については、これは財務省において引き続き調査が行われているところでありますが、その上で申し上げれば、書換え前の文書を見ても、私の妻について書かれた記述は書換え全体の中のごく一部にすぎず、政治家からの問合せや、さらにそれ以外の詳細に記載されていた経緯部分について、ほぼ全てがこれ削除されております。しかも、貸付けに係る特例承認決裁文書だけではなくて、私の妻が出てこないこれは貸付けに係る決裁文書もあるんですが、この貸付けに係る決裁文書経緯部分についても同様にほぼ全て削除されていることから、私の妻の記述かどうかに関わりなく削除されたものと思われることを指摘しておきたいと思いますし、また、売払いに関する決裁文書には一切妻のことは出てこないわけでありまして、このように考えれば、この二月十七日の答弁があるからといって書換えを行う理由、必要性はないものと思われるわけでございます。  これまでも申し上げてきたとおり、私や妻がこの国有地払下げや学校の認可に、もちろん事務所も含め、一切関わっていないということは明確にさせていただきたいと思います。
  357. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 委員長、長答弁注意していただきたいですよ。これ質問妨害ですよ。  私は総理が指示していたのかどうかということは聞いておりません。総理の答弁がきっかけとなって改ざんが始まったのか、これを調査するべきではないかと聞いたわけであります。  総理、一部にすぎないと言いますけれども、これ一部であっても全体であっても関係ないんですよ。安倍総理の発言によってこの改ざんが、きっかけとなって始まったのか、これを私は聞いているわけです。指示はしていない、一部だ、いろいろおっしゃいましたけれども、今調査中なんでしょう、今調査中なんでしょう。政治家の指示も含めてこれきちっと調査をしていただきたい。総理には不都合かもしれないけれども、総理の二月十七日の発言がきっかけとなって改ざんが行われたのか、これを国民は知りたがっているんですよ。総理としてちゃんとその辺も含めて調査を指示していただきたい。
  358. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 今、辰巳委員から私の発言がきっかけではなかったかという問いがございましたので、私は今までのその仮説に対してこの事実を申し上げたわけでございまして、事実、幾つかある文書、その仮説が事実であるならば全ての削除された文書に私の妻の記述がなければならないところでございますが、そうではなかったということについて申し上げたところでありまして、いずれにいたしましても、調査をしっかりとしていく、そして全容が解明された段階において、二度とこうしたことが起こらないように、国民の信頼を得るために組織を立て直していくということは申し上げているとおりでございまして、その責任を果たしていく考えでございます。
  359. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 私も身内の調査じゃ駄目だと思いますよ、これは。この改ざん問題というのは、我々国会が持っている国政調査権、つまり、民主主義の基本である三権分立、行政機関を監視するために我々に強力な権限を与えられているこの国政調査権がじゅうりんされた問題ですから、これは野党も与党もないんですよ。我々が求めた資料が改ざんされて出てきたわけですから、これはもう身内の調査では私は駄目だと言わなければならないと思います。  委員長国会法百四条に基づいて、これ、与党、野党全ての全会一致での議決、国政調査権の発動を求めたいと思います。
  360. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) ただいまの要求の件につきましては、後刻理事会で協議をさせていただきます。
  361. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 この行政の私物化である森友事件の核心は二〇一五年五月の貸付契約にあります。なぜならば、当初貸付契約後ろ向きになっていた国側の対応が、ある事件を、出来事をきっかけに一変するからであります。改ざん前の文書と突き合わせると、一体何を隠そうとしたのかがよく分かります。  財務省、聞きますが、二〇一三年の九月、学校法人から取得要望書が提出されて以降、彼らの折衝は順調に進んでいたんでしょうか。
  362. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  基本的に大阪府の小学校の認可というのを得ていただかないといけないので、その上でということでございましたので、一定程度の時間が掛かっているということだったというふうに承知をしております。
  363. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 もうちょっと詳しく通告していたのでね。(資料提示)  十月の三十日に、近財は事前審査の状況について大阪府に照会をしております。大阪府は審査できる書類が整っていない状況と確認したと。二〇一四年、大阪府は、資金計画の妥当性が説明できる資料の提出がなく、小学校新設の計画書を正式に受理した状況にない旨を確認をしております。学校法人の大阪府への小学校設置認可申請手続が順調ではなくて事業の実現性が判断できない状況であった、これ政府の資料ですからね。四月の十五日には先行貸付けも断ったということであります。二〇一三年の九月以降、八か月待ってもまともな資金計画すら出てこない、これどころでは審査どころではない、当然、契約には進めない。  財務省、二〇一四年の四月の二十八日に近財は籠池氏と向き合いました。何を伝えたんですか。
  364. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  近畿財務局において審査を行っていたわけですけれども、大阪府の認可が下りてこない、審査に必要な書類が提出されなかったために事業の実現性が判断できない状況でございましたので、いつまでも審査期間を延ばすというわけにはいかないものですから、なかなか、もう待てない、早くしていただきたいということを申し上げているということでございます。
  365. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 これ、いつまでも待てない、これも資料で今回出てきているわけですね。つまり、この時期には近畿財務局は学園に対して三くだり半を突き付け契約は頓挫、打切りの方向に向かっていたわけです。  ところが、事態が一変するわけですよ。改ざんされる前の文書でこれもよく分かる。籠池氏が一枚の写真を提示いたしました。籠池夫妻と安倍昭恵氏が学校予定地を見学している写真であります。  そして、これ、このときに二つの要望を突き付けているんですね。一つが審査の延長、これを前提に考えてほしい。二つ目は、豊中市との開発協議を急ぐ必要があるため、契約を締結することを証する旨の文書を豊中市に提出をしてもらいたい。  近畿財務局はこのことを本省に相談をしております。なぜ本省に相談したんですか。
  366. 太田充

    政府参考人太田充君) 基本的にそれぞれの財務局で仕事をしているわけですけれども、案件に応じては、法令なり通達の解釈なりあるいは個別財産の処理方針なりということを本省の担当者といろいろ話をするというのはある話でございますので、そういうことで本省の担当者と相談をしたということだと承知をしております。
  367. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 私が聞いているのは、籠池氏が要望したこの二つについて、これは本省の決裁が必要なんですか。近畿財務局で判断できるような要望ではないんですか。なぜ本省に相談したのかを聞いております。
  368. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  本省の決裁が必要なものだけについて財務局は本省に相談をしておるというわけではありません。随時必要に応じて相談をしておることは、それはよくあることだと思っております。
  369. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 これが特例案件になっていくからなんですね。  相談の結果、この二つの要望に、約一か月後に近畿財務局は籠池氏に対して返事をしております。この二つの要望、どういう結果になったんでしょうか。
  370. 太田充

    政府参考人太田充君) 申し訳ありません、二つの要望と今委員がおっしゃったのは何と何を指しておっしゃっておられるんでしょうか。(発言する者あり)
  371. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 辰巳孝太郎君、もう一回。
  372. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 ちょっと、言っています。時間止めていただきたい。もったいない。
  373. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) いや、だから、よく趣旨が分からないと言っているからもう一回言ってください。止める間の時間も無駄でしょうから。
  374. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 延長のお願いと、あとは契約を締結することを証する旨の文書を豊中市に提出することです。
  375. 太田充

    政府参考人太田充君) 申し訳ありません、ちょっと、通告をいただいていたのかもしれませんが、私のところまで届いていませんでした。申し訳ありません。  いずれも基本的にその方向で進んでいたというふうに今この場で確認をさせていただきました。
  376. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 ですから、森友側の主張は受け入れられて要望に沿う形になった。  それだけじゃないんですよ。私はこのパネルにも示しましたけれども、売払いを前提とした貸付けについては協力すると。先ほどまで三くだり半突き付けて、打切りは、もう断念だと言っていたものが、一か月の相談の後には協力に変わるわけなんですね。なぜ待てないものが待てるようになって協力することになったのか。これ、本省からの指示があったんじゃないんですか。
  377. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  そういう件について本省が指示をするというのは、少なくとも私の知る限り、普通の状況の話ではそんなことはないと思います。  何が起きていたかというと、先ほど来の御質問の中にもございましたけれども、基本的には公用、公共用というものが優先で、公用あるいは学校法人、社会福祉法人に有効活用していただくというのがずっと長い間国有財産の処理方針でございました。それで、学校法人として使っていただけない、あるいはもう使えないということであれば次のステップ、要すれば売却をして金銭に換算するということなわけですが、その学校法人として使われるという状況になるんであれば、それにできるだけ進めるようにするというのが、これは別に森友学園に限らず、およそ学校法人あるいは社会福祉法人が出てきたときにはそういうふうに努力をするというのが私どもの基本的な考え方でございます。
  378. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 指示はしていないんですか。
  379. 太田充

    政府参考人太田充君) 恐らくそういうことで指示をするようなお話ではないと思いますので、基本的に現地が判断しない限りこういう話はできませんので。
  380. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 今年になって出てきたリーガル文書、近畿財務局と法務監査官との間のリーガル文書で、実はこの件に関して近畿財務局管財部から法務監査官に宛てたメールがあります。二〇一四年九月一日のものでありますけれども、ここにはどう書いてあるか。財務本省理財局より短期賃貸借(貸付期間三年)を利用した処理案を検討してもらいたいとの指示を受けたとはっきり書かれておりますけれども、本省の指示じゃなかったんですか。
  381. 太田充

    政府参考人太田充君) 基本的に、それぞれ物の表現の仕方なりなんなりという問題は十分あり得ると思います。それで、本件は、基本的には先方側の状況もあり、今貸付けの話をされましたから貸付けの話を申し上げますけれども、要すれば、通常であれば一番最初に売却ということです。でも、その売却ということが困難で、貸付けをして七、八年後には買いたいというお話でございましたので、それについてどう対応するかということでございました。  三年の短期というのは、その後が影響があります……(発言する者あり)あっ、分かりました。じゃ、今のところで終わらせていただきます。
  382. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 ですから、三くだり半突き付けて打切り寸前になったものが、籠池氏がスリーショットの、この夫妻と安倍昭恵さんとの写真を見せた途端に近畿財務局は本省に相談をして、本省から指示をして、貸付契約について協力するべしと、こういう流れがあるということを言っているわけなんですね。  これ、安倍昭恵氏の関与によって本省がこういう流れに持っていったと、協力になったということは、もうこれ事実はっきりしているじゃないですか。改ざんされる前の決裁文書の、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは、いい土地ですから前に進めてくださいとのお言葉をいただいた、こういう記述もありました。  総理、大体、昭恵さんは、まだ貸付契約もしていない、しかもこの段階ではもう頓挫寸前なんですね。こういう状況の小学校予定地、これペンペン草生えていますから、まだ。何で行ったんですか。
  383. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) それは、まずこれ、妻は幼稚園を訪問をしたところであります。それで、幼稚園を訪問した際に、籠池氏が案内したいということでありましたので、断るわけにもいきませんから付いていったということでございます。ですから、その段階において、そこで当然、幼稚園まで行っておりますから、そこで同行したと、同行することを求められたので同行したと、時間的な余裕があったので同行したということでございます。  そしてその際、進めてくださいということは、籠池氏とこれ上下関係にあるわけでもございませんし、決裁権を持っているというか、そういう指示をできる立場にも全くいないわけでありますから、そういうことを言うはずがないということを言っているわけでございますし、籠池氏もほかの場所で言うことはそれぞれ違っているんだろうと、このように思うところでございますが、そういうことでございます。
  384. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 これでは、国民、納得を私はしないと思いますね。こうした事実関係見れば、昭恵さんが国有地の貸付けについて、売却だけじゃないんです、貸付けからこれが始まっているんですよ。関わりを持って、貸付契約に影響を与えたということはもう明白だと思います。昭恵さん本人に国会で語ってもらうしかありません。  本日の委員会で、安倍昭恵さん、佐川理財局長の証人喚問を議決するよう求めたいと思います。
  385. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) ただいまの要求の件につきましては、後刻理事会で協議をさせていただきます。
  386. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 国交大臣にお聞きしたいと思います。  国交大臣改ざんがあると国交省が知ったのはいつなんですか。
  387. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 改ざんかどうかといいますか、文書書換えがある可能性があるということについては、三月二日に朝日新聞の報道があり、その日、国土交通省から財務省に対して、国会に提出した資料を入手し、国土交通省にあった文書と照合して違いがあるということが判明をしたというふうに報告を受けております。
  388. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 今日のお昼の報道で、森友文書改ざんがありますが、これは昨年の二月下旬から四月ですが、実はそのときに財務省が国交省にも改ざんを依頼していた、こういう報道が出ておりますが、これについては依頼を受けていたんですか。
  389. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 今日のお昼前のテレビのニュースでそういった報道があったということは私は承知をしておりますけれども、現時点で事実関係が確認できておりませんので、確認をいたしたいと思っております。
  390. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 否定できないわけですね。  もしこのことが本当であれば、本当であればですよ、三月五日に財務省や官邸に改ざん前の文書を渡したと、こういう話ですが、そうではなくて、昨年の時点で国交省は改ざんされていたことを知っていたと、財務省と国交省、ぐるでこれやっていたという話になるわけですから、これは大変な問題だと言わなければなりません。  森友事件の発端は、この国有地、八億二千万円もの値引きで、なぜ学園にただ同然で売り払われたのか、これであります。  八億二千万円引きの根拠を突き崩す重大な疑義が更に持ち上がっております。くい打ちの部分は九・九メーターまでごみが埋まっている、それ以外は三・八メートルまでごみが存在することを前提に八億二千万円の値引きがされております。三・八メートルの根拠は、学園側が行った八か所の試掘ということになっております。  報道で、この三・八メートルに関して、業者は国から三・八メートルと書かされたと、我々業者は三・三メートルより深いところからはそんなに出てきていないと言いましたけれども、三・八と書けと言われたと、こういう報道がありますけれども、国交大臣、三・八メートルはどうやって確認したんですか。
  391. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) まず、今委員が御紹介いただいた報道については、これは捜査当局に説明したとか証言したという報道でありますから、まさに捜査に直接関わる事項でございますので、それに関しては、私ども、コメントは控えさせていただきたいと思います。  三・八メートルの深度におけるごみにつきましては、平成二十八年四月五日の試掘、森友側の建設会社が行った試掘の現地確認の際に、近畿財務局の職員とともに現地に赴いた大阪航空局の職員が、工事関係者の説明を受けながら、試掘の工事の写真と実際の試掘箇所を確認するとともに、試掘箇所周辺にごみを含む土砂が積み上がっていることを確認したと聞いております。また、後日、試掘位置図や説明が記載をされた報告書の形のものを改めて入手をしているところでございます。
  392. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 この間の大臣国会答弁では、現場には行ったけれども、メジャーでその場で測ったところは見ていない、そして写真などで報告書は入手したと、こういう話ですね。  今日、パネルにしましたけれども、これが報告書の写真であります。ナンバー3と書いてありますけれども、これが三・八メートルのごみがあったと言われている写真であります。  大臣、このホワイトボードに書かれている深さ三メートル、実際はこれ、データでは四メートルまで試掘をして三・八メートルのところにまでごみがあったという、そういう記録になっているんですが、これ三メートルに見えませんか。
  393. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 確かに、現地確認の際に大阪航空局の職員が直接自分たちでメジャーでその正確な穴の深さを計測したわけではありませんけれども、実際に試掘の状況を見て工事関係者から説明を受けることにより、試掘の穴の状況はおおよそ把握したものと考えられるところであります。  ところで、そのパネルでお示しをいただいたものは、右側の真ん中辺りにA工区ナンバー1と書いてありますように、ナンバー1の試掘箇所の写真でありまして、その右上にナンバー3、三番目の写真ということです。今日お示しいただきましたが、そのナンバー1の試掘の穴の写真がナンバー1、ナンバー2にございます。それは穴の、メジャーを差し込んだ穴の上部と下部を示している写真でありますから、それをくっつけると穴の状況が分かるわけでありますけれども、そこにはメジャーが差し込んでありまして、これが一メートル単位で黄色と白と色分けしてありますが、そのナンバー1、ナンバー2の写真を見ますと、穴の底から黄色、白、黄色、白となっていることが分かるわけでありまして、大体穴の長さは、深さは四メーター程度とみなされるわけでございます。  そこで、その写真がなぜ看板の、その左下に確かに看板の深さは三メーターと書いています。実はこれは昨年から他の委員からも御指摘をいただいておりまして、右側の説明には深さ四メートルまで掘ったということで、何で三メーターというふうに看板があるんだということで私どもも質問を投げかけられておりまして、この工事関係者に複数回確認をしているところですが、残念ながらいまだに説明をいただいていないという状況でございます。
  394. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 確かに、同じ箇所だと言われている写真がこれよりも二つあるんです。メジャーが差してあるんですね。  会計検査院、これ、メジャー、読み取れるんですか。
  395. 戸田直行

    説明員(戸田直行君) お答え申し上げます。  校舎建設業者が当該箇所で行った試掘では、深さ三・八メーターで廃棄物混合土が確認されたとのことですが、この点につきましては、報告書におきまして、当該工事写真は深度を計測するために標尺と呼ばれる目盛りの付いた測量機器を試掘した穴に立てかけている様子が写っているものであるが、三・八メーターを正確に指し示していることを確認することができる状況は写っていないというふうに記述してございます。
  396. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 メジャー見ても分からないんですよ、大臣会計検査院や我々に見えなくて、大臣には何か別のものが見えているんですか。おかしいでしょう。  この資料ありますけれども、これ幾つかの試掘の写真があるんですね。それごとにホワイトボードで何メートルというふうに書かれている写真がありますが、これ私、数えたところ、ホワイトボード九つ出てくるんですよ。しかし、文字がはっきり見えるのは先ほどの写真含めて二つなんです。残り七つは、全部ホワイトボードの文字、不自然にも消されているんですよ。大臣、こんなもので三・八メートル確認して八億二千万円の根拠にしたんですか。おかしいでしょう。  写真使い回しの疑念も出てまいりました。今日パネルに示させていただきました。例えば、写真ナンバー7は校舎の下での試掘で二・七メートルまでのごみであると、こうなっているんですね。一方で、写真ナンバー10と11はグラウンドでの試掘、別の場所の試掘ですね、これは一・二メートルまでのごみということで、別の箇所のはず、別の写真にならなければならないはずの写真が、同一の写真が使い回されているのではないかというのがこの疑惑であります。  大臣、これ見ていただいて、そう見えませんか、同じように見えませんか。いかがですか。
  397. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) その点につきましても、実は昨年から別の委員により御指摘をいただいているところでございます。私どもも先ほどの三メーターの表示と同様に工事関係者に確認を取りましたが、残念ながら回答がいただけていないという状況であります。
  398. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 いや、そうじゃなくて、国交省、航空局の職員に聞き取りやりましたか、もう一回。ちゃんと見たのかと、確かなのかと。大臣、事業者じゃなくて、あなたのところの部下にちゃんと調査をしたのかと聞いているんですよ。今、改ざん問題で調査やっていますよ。だけど、疑惑の目は国交省にも向けられているんですよ。部内の調査をやっているのかということを聞いているんです。
  399. 蝦名邦晴

    政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。  三・八メートルの条件設定につきましては、工事関係者に、四月五日に現場に当局の職員と近畿財務局の職員が確認に参りまして、穴の状況を確認をし、それから後日、今委員がお示しいただきました報告書、これも確認をいたしまして、さらに当時の地歴なども含めまして総合的に勘案して設定をしたということでございました。
  400. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 国交省は積算のプロだといって大臣はこの間答弁されてきたんですよ。様々な公共事業を発注されていると思いますけれども、目視で確認したと、そんな調査報告で国交省は全部の公共事業を認めるんですか。一級建築士の皆さんは怒っていますよ、こんなことで。  さらに、決定的な証拠が出ております。次のパネルありますけれども、これは会計検査院が昨年十一月二十二日に調査報告で出したものであります。幾つかの試掘をボーリング調査も含めて国や事業者はやっているんですね。それを地図に落としたものなんですけれども、何と深度三・八メートルの試掘をしたとされている場所と森友学園が行ったボーリング調査の二つのうちの一つが一緒の箇所になっているんですよ。  ボーリング調査では、この箇所は何メートルまでの廃棄物混合土が混入されていると会計検査院は報告書で書いていますか。
  401. 戸田直行

    説明員(戸田直行君) お答え申し上げます。  お尋ねの仮称M学園小学校新築工事地盤調査報告書によれば、当該箇所においてボーリング調査を行っており、廃棄物混合土が確認された最大深度は三・一メーターとなっております。
  402. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 ボーリング調査では三・一メートル辺りしかごみは出ていないんですよ。あそこが三・八メートルである、その根拠は客観的な資料では全くないんですよ。業者が口裏合わせで三・八メートルまでごみがあるということにしとけと国から言われた、あるいはテープが出てきてそこで口裏合わせがやられている。まさにそのことが起こっているんですよ。この問題は財務省だけの問題じゃないんです。国交省も二人三脚で……
  403. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 時間が来ております。
  404. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 八億二千万円の値引きのために、森友学園に値下げをして国有地を売ったんですよ。  こういう問題だということを訴えて、国会法百四条の国政調査権、あるいは証人喚問を求めて、私の質問を終わります。
  405. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で辰巳孝太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  406. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 次に、清水貴之君の質疑を行います。清水貴之君。
  407. 清水貴之

    清水貴之君 日本維新の会の清水貴之です。どうぞよろしくお願いをいたします。  森友問題、文書改ざんが十二日に公表されまして、決裁した文書書き換えるなんてそんなことがあるのかと、本当に当初信じられない気持ちでした。一方で、改ざん前のものをしっかり読みましたけれども、読んだら逆にいろいろなことも見えてくるんじゃないかとも思ったんですが、ますます謎とか疑問、こういったものが膨らむわけです。  今日、これまでにも何人もの議員が質問に立っていますが、やはりまだ分からないことが多々あるように思います。繰り返しの質問もあるかもしれませんが、そういった疑問点を挙げていきたいというふうに思います。(資料提示)  まず、第一の疑問はやっぱりここなんです。何で書き換えたのか、書換えの目的は何なのか、これがやっぱり分からないんです。二つの意味で分からなくて、もう財務省という省庁の中の省庁と言われるその役所が何でこんな初歩的なといいますか幼稚なことをしたのかという意味と、改ざん前、書換え前を読みますと、何で書き換える必要があったのかなと、そのままでもよかったんじゃないかと思う部分も多々あるわけですね。  そういった二点の意味でなぜ書き換える必要があったのかというふうに思ってしまうんですが、これについては、大臣、いかがでしょうか。    〔委員長退席、理事宇都隆史君着席〕
  408. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 書換えが行われました経緯とかその目的というものの御質問なんだと思いますが、これは今調査の結果を踏まえる必要があろうとは存じます。  しかし、この書換えは昨年の二月から四月中旬ぐらい、下旬にかけて行われておると思われますので、当時、国会のいわゆる対応を担当しております財務省理財局において行われたものであって、書き換えられた、おっしゃるように文言を見る限り、それまでの国会での答弁がいわゆる誤解を受けるのではないかというようなことで行われたものと見られます。見られますとしか申し上げようがありませんけれども。書き換える必要なんかなかったんじゃないかというところも、私らも見てもそう思わぬところもないわけではございませんが。  いずれにしても、こういった問題は確かにあるんですけれども、私どもにしてみては、もっと問題なのは、決裁が行われた文書を後から書き換えるという行為が問題だと、私に言わせると。そちらの方がゆゆしきことなんだと思って、私ども深くおわびを申し上げると申し上げているのはその点です。  いずれにしても、今捜査が進行中でもありますんで、引き続ききちんとした対応を進めるべく、必要な対応を今後とも行ってまいりたいと考えております。
  409. 清水貴之

    清水貴之君 誤解がという話がありました、佐川氏の答弁ですけれども。普通でしたら、答弁というのはもう日々たくさん行われていて、あっ、ちょっと違う答弁をしてしまったなということもあるわけですね。これ、普通で考えたら答弁を訂正するわけです。こういうことはしばしば行われています。  今回は、答弁は訂正せずに、決裁文書、元々あった事実の方を変えてしまったわけです。ここがやっぱり分からなくて、ここは、大臣若しくは理財局、何でそんなことが起きてしまったんですか。
  410. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  それは、今ほど委員おっしゃられたとおり、基本的には答弁の方を直さないといけないということだと思っております。それにもかかわらずなぜだと言われると、そこのところではあるんですが、要すれば、やっぱり随分、当時、今でもそうですけど、それは我々の至らないところでこうなっているんですが、森友学園についての議論が激しく行われていて、その中で、要すれば、毎日毎日のやり取りの中でそういうことが起きていたものですから、そこから先は本当に何でだと言われると本当のところは分からない面もあるんですが、要すれば、やっぱり答弁の方が正しかったというふうに、そこはそういうふうにならないといけない、正しかったと。答弁自体はあれなんですが、その先また議論が起きるのが非常に混乱が起きるというふうに考えて、それは何でやったかと、私的にはとても結び付かないことですが、決裁文書の方の調書の方を書換えをしてしまったということに尽きるということだと思っております。
  411. 清水貴之

    清水貴之君 今、帳尻合わせをするということで、大臣から誤解という表現がありました。ここも僕はちょっと分からないところがありまして、誤解なのか、今回のことはどうなのかというところで、佐川氏が発言していること、答弁していることと決裁文書の書かれていること、これは同じことを書いてあって、言っていて、表現が違うからそれをつじつま合わせをしようとしたのか。  僕は読むに当たっていろいろ見たんですけれども、やはり、価格交渉はしていない、佐川氏の答弁で、政治家の関与はないという発言がありました。こういったところは、決して誤解ではなくて、事実と僕は違っていることを発言しているんじゃないか、だから事実と合わせるためにその調整をしたんじゃないかというふうに思うんですね。それは決して誤解ではないんじゃないかというふうに思ってしまいますが、これはいかがですか。
  412. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  総じて、まとめてそれまでの国会答弁誤解を受けることのないようにという整理をしておりますが、今委員が言われたところで申し上げると、その価格交渉はないということは、当時も含めて申し上げているのは、予定価格という仕組みがあって、その仕組みの下でのことを申し上げておるんですが、報道ではその予定という言葉も抜け、要するに価格交渉はないという言葉だけが躍ってしまって、それを前提にして議論が起きているので、その議論がまたもう一度起きることを、まあ大変失礼ですけど、恐れてと、そういうことをやってしまったんではないか。  それから、政治家の関与ということについても、当時の答弁、基本的に政治家の方からの不当な働きかけはないと。ただ、一方で、政治家の方も含めて、問合せ、それは政治家の方だけではなくて一般の方からもいろんな問合せはあるというふうに答弁をしておったはずなんですが、というか、答弁をしておったんですが、見出しとすると、政治家の関与なしというような見出しになりがちなものですから、そうすると、そう答弁しただろうということでその次の議論が起きると。そういうことを、そういうことを恐れちゃいけないんですが、恐れてそういう書換えをしてしまったということだというふうに認識をしております。
  413. 清水貴之

    清水貴之君 その答弁なんですけれども、じゃ、佐川氏がその中でうっかり発言をしてしまったということなんですが、先ほど矢倉委員からも御質問ありましたが、じゃ、答弁書はどうなっていたんだという話ですね。  答弁書というのは、本当に何人もが関わってしっかり作られるものだと思います。その答弁書はしっかりしていた、しっかりしていたというか、決裁文書書換え前のものに即して作られていたのに、佐川さんがちょっと、何ですかね、違うことを言ってしまった、若しくは誤解を招く発言をしてしまった、財務省の言葉を借りるならば、ということで書き換えたと。  答弁書には問題がなかったということでいいんですか。
  414. 太田充

    政府参考人太田充君) 基本的には、答弁書というのは、今おっしゃられたとおり何人もで掛けて作っておりますので、答弁書自体がということではないと思っています。ただ、昨年のこの時期も大変激しい厳しい御議論をいただいておりましたので、その答弁書をそのまま使えるような答弁の状況では当時の佐川局長もなかったと思っています。そういう中でということでございます。  それで、二つあって、一つは、それは相当激しいやり取りで、答弁書そのものが使えるようじゃないやり取りの中で、大変申し訳ないんですが、若干、何というか、丁寧さを欠いた答弁をしてしまっていた部分があるのかもしれないということと、むしろ、答弁そのものよりも答弁の後が、それがどういうふうに世の中に、答弁そのものが世の中には、残念ながら、議事録ではあるんですが、見ていただけるわけじゃなくて、こういうふうに答弁をしたという報道があって、その報道がもとで基本的に議論が起こるので、その報道はどうしても答弁した方からするとその意図と必ずしもぴったり合わないような報道になって、その報道のことを気にして、その先の議論を気にしてということだったというふうに思っております。
  415. 清水貴之

    清水貴之君 いや、でも、やっぱり順序というか、その根本のところが違っていますよね。もうそういった先のことを心配するんじゃなくて、やっぱり違うこと、誤解を招くことを言ってしまった、それを訂正するというのがもうこれは当たり前のことですから、それに合わせていろいろと変な根回しするからこんな全部がおかしくなって、いろいろ絡み合わなくなってしまっているわけですね。  次のパネル。もう一点、次の疑問なんですけれども、今も話ありましたけれども、政治家の関与というのが削除されています。複数の国会議員秘書から財務省に対して、近畿財務局から示された概算の貸付料が高い、高額だと、何とかならないかと、面会をしたいというような要望があったと。こういった記述が書換え前にはあるんですが、それに対して財務省、国交省もなんですけれども、法律に基づき適正な時価を算出するため、価格についてはもうどうにもならないんだということで、これは言ってみたら断っているわけですね。  国会議員、我々もいろいろお願いされて、こうやって問合せをすることありますので、これに対してしっかりと、できませんよ、そんな何か議員が言ったから何か通るような話じゃありませんよというふうにちゃんと言っているのに、何で削除したんですか、これを。
  416. 太田充

    政府参考人太田充君) これは、この政治家の関与の部分を削除しようと思って削除したということではないと思っています。要すれば、経緯全体を削除しようということで削除をしたということだと思っています。  政治家の関与ということを気にして削除するのであれば、そこの部分だけを削除すればいい話なんですが、これは基本的に経緯をほとんど削除していますので、要すれば、様々な経緯が出てまた次の議論が起きるということを恐れた、恐れたと言うと大変失礼で大変申し訳ないことをしたということだと思いますが、いずれにせよ、特定のことではなくて、およそ経緯全体を削除しているということだと考えられるというふうに思います。
  417. 清水貴之

    清水貴之君 これ是非、総理、大臣にもお聞きしたいんですが、これ、そもそも書く必要があったのか、そして消す必要はあったのか、これ御覧になってどう思われます。
  418. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 先ほどの共産党の方とのやり取りでも御説明をさせていただいたんですが、言わば妻の記述との関係答弁をさせていただいたんですが、幾つかの文書が、決裁文書がありまして、妻の記述がある文書もありますし、また、売買そのものについての決裁、貸付けそのものについての決裁文書、あるいは売買の決裁文書にはそもそも妻の記述はないわけでございますが、妻の記述がないにもかかわらず全部削除がなされているわけでございまして、今、太田局長答弁したとおり、つまり、その経緯を全部削除する中において、それはその記述が中に含まれていたということではないかと、このように思います。  また、妻の部分はまだ局長に聞いておられないので、別途聞いていただければと、このように思います。
  419. 清水貴之

    清水貴之君 では、その今総理からあった昭恵夫人の記述、次のパネルですけれども、も削除されています。  これが平成二十六年の四月に安倍昭恵総理夫人講演、視察ということで、これは事実が書かれているわけですね。その次には、学園より、夫人からいい土地ですから前に進めてくださいとのお言葉をいただいたとの発言ありということが書かれているわけで、ほかにも、これまでにも出ていますが、産経新聞の記事の紹介なども削除されているわけですね。  これは、局長、なぜ削除したんでしょう。
  420. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  これも先ほどと同じことになりますが、これは特例承認というところの経緯で出てまいります。それは政治家の方もあり、総理夫人の記述もあるわけですが、そこだけに限らず、およそ経緯として相当詳しめに書いてあるものをほとんど削除しているということでございます。  この特例承認以外にも、貸付けそのものの決裁書にも同じように経緯を割と詳しめに書いてあって、それは政治家の方も、あるい総理夫人も何の記述もないんですが、その部分経緯もほとんど削除しているということで、要すれば、経緯、詳しい経緯のようなものを、その後の多分国会審議を考えてということだと、大変申し訳ないことをしているんですが、そういうことで、およそ基本的にほとんど削除しているというのが実態だということだと思います。
  421. 清水貴之

    清水貴之君 今の説明だと、総理夫人だから、若しくは国会議員だから削除したわけではないという話で、先ほど小池委員質問に、やっぱり総理夫人だからということをおっしゃっていましたが、あれはどうなんですか、そこの整合性は。
  422. 太田充

    政府参考人太田充君) 済みません、申し訳ありません。先ほど、その削除した理由で、私は、総理夫人だからという、そのときは、もしかするとちゃんと質問が聞き取れていなかったかもしれません。申し訳ありません。  私は、何でそこに出てきているのかということについて、それは総理夫人であり、国会議員の方は書いたと、要するに国会周りのことで書いてあるということだと思って私は答弁申し上げました。  なおかつ、総理夫人の場合は、籠池さんが盛んに総理夫人の名前を出しておられるので、そういう意味でということで書いてあったというつもりで私は御答弁を申し上げていて、総理夫人だから削除したという意味で、もし問いがそうであれば、私が問いをちゃんと聞けていなかったということなので申し訳ないんですが、そういうつもりで、質問だと思って私は答弁をしていなかったので、もしそうだとすればおわびを申し上げます。
  423. 清水貴之

    清水貴之君 じゃ、そもそも何で消すような内容を書いたんですか。別に、じゃ書かなければよかったんじゃないんですか。
  424. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  元々どこまで詳しく書くかというときで、そこについて詳し過ぎたんじゃないかという御議論が一つあるとは思います。ただ、それは当時の、基本的には、近畿財務局にとってみれば、国会対応が中央、本省なので丁寧にしようと思ったからだというふうには思っております。  その上で、その消す云々の話はこれはまた別の話で、それに限らず、およそ二月、三月の国会答弁誤解を受けることのないように、あるいはその後の国会審議のことを考えてしまってそういうことをしてしまったということで、それはもう大変申し訳ないことでございますが、そういう判断を当時してしまっているということだということでございます。
  425. 清水貴之

    清水貴之君 先ほど総理から、直接総理若しくは夫人、事務所が関わった、働きかけをしたことがないということをおっしゃっていました。それはもう間違いないですね。
  426. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 国有地の売却あるいは学校の認可については、私も妻も、そして事務所も一切関与していないということは申し上げたとおりでございますし、この元の文書を見てもそのことははっきりしていると、このように考えております。
  427. 清水貴之

    清水貴之君 直接働きかけた、影響を与えたことはないかもしれませんが、その一方で、こういう名前が実際出てきた、そして、削除されることになったことによってこうやって議論が広がって、若しくは財務省が何かを考えて削除しているわけですね。こういったことで、間接的に影響を与えたというふうには感じませんか。
  428. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 私が申し上げることができるのは、私が指示をしていないということは明確に申し上げることができると、このように思います。  そして、では間接的にどうかということについては、先ほど太田局長答弁したとおりだろう、これは書換え部分については太田局長から答弁したとおりでございまして、言わば全体を削除する中において政治家の名前も昭恵の名前も入っていた、言わばそれを削除するために削除したのではないということという趣旨の答弁があったというふうに私は理解をしたところでございますが、いずれにせよ、これは書換えを行った方御本人に聞いてみなければこれは分からないことだろうと思っております。
  429. 清水貴之

    清水貴之君 では、今の総理の発言を受けて、じゃ、誰が書換えをしたのか、若しくは指示したのかという話です。  これもやっぱりもう謎です。これだけ調査も今しているということですけれども、まだはっきりしない。そして、なぜ、誰がというのが本当に分からないところでして、今のここまでの説明ですと、理財局の一部の職員からの指示によって行ったと、理財局が近畿財務局に指示したというふうに今日は説明されていると認識しているのですが、よろしいでしょうか、もう一度説明お願いします。
  430. 太田充

    政府参考人太田充君) 誰の指示でというところで、今委員が言われた側面だけ申し上げますが、本省理財局でといううちの一つは、本省理財局が考えてということで、近畿財務局は本省に命じられてやったということだというふうに認識をしていますので、そういう意味で、やったのは誰かという意味は本省、財務省理財局だということで、そういうふうに我々調べた限りそう考えていますので、それを御報告申し上げているということです。
  431. 清水貴之

    清水貴之君 じゃ、本省のやっぱり誰なんですかということになりますよね。それは誰の指示なんですか。
  432. 太田充

    政府参考人太田充君) そこはこれまでも御答弁申し上げているとおりで、一部の職員だという認識でございますが、誰が指示をし、誰がどういう責任を持ってというのは今まさに人事当局が処分の関係も含めて調べておりますし、また、捜査もそれが基本的には中心というか大きい課題だと思いますので、そのことも見極めてきちんと結論を出さないといけない、それはできるだけ早くやらないといけないというふうに思っているということでございます。
  433. 清水貴之

    清水貴之君 時間が決して掛かるこれは調査ではないとやっぱり思うんですね。もう理財局の一部、しかも本省の一部の人がやったということが分かっているわけですから、それは話聞いていけば誰がやったというのはもうこれは明らかなわけですね。  これ、もうもちろん分かっているわけですよね。何でなかなか公表はできないものなんですか。
  434. 太田充

    政府参考人太田充君) そこは、判明すれば当然御報告を申し上げます。  ですが、私どもはよく分かりませんけれども、司法当局がやっていらっしゃる捜査というのもまさにそういう部分が一番難しい部分ではないかというふうに思って、事実関係を確定して、あとは誰がどういう役割かというのは、それは本人の申告ではなくて、いろんな周囲の人あるい関係者の証言といいますか、そういうものを積み上げて多分やっていらっしゃると思うので、私には分かりませんけれども、その部分が一番難しい部分だと思いますので、そういう意味で、そんなに簡単に、事実関係は確認できました、紙をどうしているか、で、今の、誰がどうというのは非常に難しいので時間が掛かっている、掛かるというふうに承知をしております。
  435. 清水貴之

    清水貴之君 これも今日まで出てきていますが、佐川氏本人、元理財局長は関わっていたものなんですか、どうですか。
  436. 太田充

    政府参考人太田充君) それも今国会で御答弁をさせていただいたとおりでございますが、基本的には、一つは、当時、理財局、本省理財局においてと申し上げました。当時の理財局のトップは佐川局長であるということ。もう一つは、なぜということに対して、二月から四月にかけて書換えを行っているんですが、それまでの二月から三月までの国会答弁について誤解を受けないようにということでございましたので、そういう意味で、国会答弁を中心としてやっておったのも、昨年の国会を思い出していただければ、それは佐川局長であったと。  その二つを含めてから、基本的に佐川局長の関与は大きかったのではないかというふうに認識をしているというふうに答弁をさせていただいております、御報告をさせていただいております。
  437. 清水貴之

    清水貴之君 となると、やっぱり佐川局長本人の話を聞かないと、もうなかなかこの事件、問題の本質は解明できないと我々日本維新の会としても思いますので、是非佐川さんには国会へ来ていただいて話をしていただきたいというふうに思います。  これ、委員長、協議いただきたいと思います。
  438. 宇都隆史

    ○理事(宇都隆史君) ただいま要求の件につきましては、後刻理事会におきまして協議をいたします。
  439. 清水貴之

    清水貴之君 大臣、是非これお聞きしたいんですけれども、捜査の話が必ず出てきます。もちろん兼ね合いはあるとは思うんですけれども、どうもやっぱり捜査を待ってとか捜査の影響とかいう話が出てくると、どうも財務省の中で時間を掛け過ぎている、若しくは時間を引き延ばしている、何かまた隠そうとしているんじゃないかとこれは思われても仕方がないような気がします。  もう捜査がどうこうよりも、財務省の中でこれ自浄作用を働かせて、まずは自分たちの中でしっかりと問題を解決する、問題の本質がどこにあるかというのをしっかりと見極めて、まずは、我々これだけのことをやったんです、こういう人たちが関わってきましたと、捜査に影響があってももう仕方ないですよ、これ、だってこんな悪いことをしたんですから。それぐらい財務省大臣、もう率先してやってもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
  440. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 三月の十二日に、この書換えが当時の理財局の一部の職員によって行われたということを御報告をさせていただきました。これも少々、まだ最終の捜査が終わっていない段階でいかがなものかとは存じましたけれども、まあ確信が一部持てるところがありましたので御報告をいたしましたが、その上で、どの職員がどの程度関与したのかということにつきましては、これはまだ今調査中であります。  職員の処分につながる調査になりますので、そういった意味では、これは官房長の下で、いわゆる大臣官房の人事担当部局、具体的には秘書課とか同課の首席監察官室というのを中心に、いわゆる職員からの聞き取りなどの調査を進めているところなんですが、調査を尽くす必要も、これ身分に関わりますのでありますので、捜査当局による捜査への影響というものも、これ、うかつに質問すると、口裏合わせしているという話になってなかなか難しいのが実態なんではあるんですけれども、確たることは申し上げられることはできませんけれども、これは速やかに対応せねばならぬという御意見、私もそう思っておりますので、対応させていただければと思っております。
  441. 清水貴之

    清水貴之君 今おっしゃったとおり、いろいろ事情はあると思います。僕も全然財務省をかばう気もないんですけれども、まあそうするべきだろうなと心から思いますので、言わせていただきました。  次、総理にもお聞きしたいんですけれども、その佐川氏の発言、まあ誤解という話になっていますけれども、混乱しました。この一年間ずうっとやっぱり議論をしてきたんですが、その議論の前提がその佐川氏の発言に基づいて、我々は、税金の無駄遣いがなかったのか、八億円の値引きは本当に正しかったのかと、こういった議論をずっとしてきたわけですね。  これが僕はやっぱり、この一年間が、じゃ何だったのかと、そんな混乱するような発言で、事実を書き換えるようなことがあって、そういったことを前提に議論をしてきたこの一年の国会は何だったのかと思ってしまうんですが、総理、そういったことに関しては、何か責任感じたり思ったりされることはありませんか。
  442. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) この件につきまして、私や妻がですね、この国有地払下げや学校の認可に、もちろん事務所も含めて一切関わっていないということは何回も明確に申し上げてきたところでございますが、ただ、私の妻が一時期名誉校長を務めていたこともあり、国民皆様から疑念の目を向けられたとしてももっともだと思います。その上で、私も何回もこの委員会において答弁をさせていただいたところでございます。今後とも、求められればしっかりと説明責任を果たしていきたいと、このように考えております。  そしてまた、今般の書換えにつきましては行政府の長として責任を痛感をしているところでございまして、しっかりと全容を解明していくことが極めて重要でありまして、麻生財務大臣にはその責任を果たしてもらいたいと考えておりますし、全容を解明した上において、二度とこうしたことが起こらないように組織を立て直していく、その責任も果たしていかなければならないと、このように考えております。
  443. 清水貴之

    清水貴之君 そして、麻生大臣佐川氏を理財局長から国税庁長官へと就任をさせた、これに関してはこれまでの答弁でも適材適所でということをおっしゃってきました。ここも僕はやっぱり疑問です。  すごく頭のいい方だったんでしょう、能力あったんでしょう。ただ、やっぱり、これだけこの国会の場を混乱させた人です。組織の中も混乱させました。リーダーシップという面でも果たしてどうだったのか、本当に適材適所と大臣がおっしゃっていることが正しいのか、これは疑問に思ってしまうんですけれども、いかがでしょうか。
  444. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) この佐川の、前長官として、これは間違いなく、今言われましたように、決裁というような文書国会提出をいたしたときの当時の局長理財局のいわゆる担当局長であり、結果として国会を混乱させることになっておりますし、また行政文書の管理ということにつきましても、これはおっしゃるとおりに、国有財産行政に関するいわゆる信頼というものを大きく損ねたと、これ言わざるを得ぬということははっきりしておると思っております。  佐川前長官を理財局長に任命したのも私でありますので、三月の九日の日に懲戒処分を行った上で退職をさせたものであります。  私としては、佐川前長官の行政能力の全てが否定されるものではないんではないかとも考えておりますし、実際、国税庁長官として、国税分野においてこれまで極めて豊富な経験も持っておりますので、そういった意味では職務を適切に行ってきたとは考えておりますけれども、いずれにいたしましても、本人のいわゆる責任感等々から退官をということで申出がありましたので、それを私ども受けて即日退官ということをさせておりますけれども、少なくともこういった文書を、いわゆる文書書換え等々によっていろいろな疑念を招いた、また信用をなくしたという点に関しては、これは何のいわゆる処罰もなしに退官させるというわけにはいかぬだろうと思いまして、少なくとも二〇%の減給三か月というのはかなりの重たい処分だったとは思っておりますけれども、させております。    〔理事宇都隆史君退席、委員長着席〕  加えて、更に問題が大きくなる可能性があるというのはゼロではないと思っておりましたので、引き続き、もし更に何か行政処分等々の問題が起きたときについては私の指示に従ってもらうという面も言明をして退官をさせたというのは経緯であります。
  445. 清水貴之

    清水貴之君 次の疑問に移りたいと思うんですが、官房長官、済みません、お越しいただいたんですが、ちょっと質問の前に、もう長官の記者会見があるというふうにお聞きしていますので、御退席いただいて結構ですので、済みません、失礼いたしました。委員長のお許しがあれば。
  446. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) どうぞ。
  447. 清水貴之

    清水貴之君 次の質問なんですけれども、これも今日何度かもう議論されていますけれども、何で知っていて、官邸も財務省ももういろんな場所が知っていたのに、これだけ公表がやっぱり一週間遅れてしまったのかというところです。  まず一番最初のところ、これ国交省からスタートしているということですので、これ国交大臣、まず経緯、国交省からどう伝わったというところをもし御説明いただけたらというふうに思いますが。
  448. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 官邸への連絡ということですか。  決裁文書書換えについて、三月二日、朝日新聞による報道がございまして、報道当日に、財務省から国会議員等に公開されている決議書を入手し、航空局内にあるものと比較して確認をいたしましたところ、財務省が公開している決議書と航空局で保有している決議書のうち、貸付決議書の添付文書の一部に記載が異なる部分があることが判明をいたしました。  三月五日に航空局から私に対して報告があったところでありまして、また、同日に事務方より杉田官房副長官に対しまして電話によりまして、国交省に保存されている文書書換え前のものである可能性がある旨、報告をしております。その際、杉田官房副長官からは、財務省の調査に全面的に協力するよう指示があったと聞いております。
  449. 清水貴之

    清水貴之君 その後、そう伝わって、問題と思うのが二点ありまして、まず三月八日です。  これは財務省なんですけれども、国会、この予算委員会の理事会に局次長が、近畿財務局にあるコピーはこれが全てだということを言ったわけですね。やっぱり、もうこれも多くの議員が指摘しているところですけれども、もっと言い方、違う言い方があったんじゃないかと。今いろいろと問題が出てきていますと、調査をしているところです、何かほかの言い方ができたんじゃ、何かこれ、もう完全に全てをはねのけていますよね。もうこれしかないんです、これが全部ですというようにやっぱり聞こえるわけです。  この言い方は果たして適切だったのか、ここが疑問ですが、財務省、いかがでしょうか。
  450. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  三月八日の時点では、要すれば最終的な結論を得られていなかったというのは残念ながら事実でございます。  その上で、そのときの正確な表現ぶりを、申し訳ありません、理事会で正確な、私どもの、当時、次長がやっていますけれども、正確な表現ぶりを私も完全に把握しているわけではありませんが、当時そのときの次長が申し上げたかったことは、それは、近畿財務局に正式の文書として把握しているもの、これは全てですということで、たしかそのときに全体五千ページの情報公開を、国会における請求に応じてお出ししたものを全部ファイルとして提出をさせていただいたと思いますが、近畿財務局の正式、正式というか、正式なんですが、その時点において、そのものを全てお出ししているということを言いたかったはずなので、そういう表現をしていたというふうに思います。  いずれにせよ、これまでこの委員会でもうずっと議論いただいているのは、要すれば、最終的に我々としてきちんと報告できるのは十二日だったんですけれども、私の大臣に対する報告も含めて報告の仕方がいろいろあったのではないかという御指摘をいただいております。それは真摯に受け止めさせていただいて、それを含めて今後きちんと対応させていただきたいというふうに思ってございます。
  451. 清水貴之

    清水貴之君 その後といいますか、その前に、六日に総理そして官房長官には可能性ということで伝わっていたと。ただ、やっぱり財務大臣、麻生大臣に伝わったのは、しっかりした全てが整った十一日だと。それまでに本当に聞いていなかったのかなというのは疑問ですし、聞いていなかったとしたら、本当に聞いていなかったとしたら、それはそれでリスク管理の面で問題があるんじゃないかなというふうに思います。  次の疑問、行きたいと思います。  六、次の疑問なんですが、その元々の文書が見付かった場所、この説明が異なっています。当初は、財務省の富山次長の方なんですけれども、本省の理財局、近畿財務局の一部の職員のパソコンのフォルダに残っていたという説明でした。その後、太田局長の方からは、財務省の一元的な文書管理システムの中で書換え前のものも残されていて書換えが確認できたという、こういった説明も出てきているわけですね。  これ、どれが事実なんですか。
  452. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  今回、十四の決裁文書書換えについて御報告をさせていただきました。十四のうち十三は近畿財務局の決裁のもの、一つは本省のものであります。  本省のものにつきましては、一元的な文書管理システムというのがございまして、その中、それは書換え前のものも残っておるということが調査の過程で分かりましたので、それは本省のもので、今委員が御提示いただいている、財務省太田といって書いていただいている、そういうことで、一元的な文書管理システムの中で残されていて、書換えが確認できたということでございます。  残り十三のものは基本的に近畿財務局のものでありますが、これはある意味で正規のところにあったわけではなくて、個人が手控えとして、紙の状態で持っていたものもあれば、個人のフォルダ、パソコンの中の個人フォルダで持っていたものもあるという状況でございました。で、そういうものがあるということをある意味で確認をした上で、特に紙のものは、完全にもうこちらには、あるはずだというのはありましたけど、私どものもう手元にございませんでしたので、それで地検に協力をお願いをして、両方とも地検でその物を見せていただいてコピーをさせていただいて、それを持って帰ってきて、東京に着いたのが、本省に着いたのが十日土曜日、九日の金曜日から十日の土曜日に日付を越えてからということで手に入って、それで再度確認をしてというのが実際のところでございますので、左の方の次長といって書いていただいているものは、十三の残りのものについてはこれは手控えとしてということで、フォルダだけではなくて紙の状態でということもあるんですが、それで残っていたというのが事実でございます。
  453. 清水貴之

    清水貴之君 もういろんなところから出てくるわけですよ。フォルダにあった、紙として職員のところに残っていた、国交省にもあった、書換え前は地検の方に提出していた。もうこれ、やっぱりデータが散失していて、管理状況がもう本当に甘いんじゃないかと。    〔委員長退席、理事丸川珠代君着席〕  もう一つよく分からないのが、こんな大それた書換えをしていたら、書換えをこれ是認するわけじゃない、肯定するわけでは全くないですけれども、普通でしたら書き換えた前のものというのは、言ったら証拠隠滅ですよね、もう消すわけですよ、新しいものを残すわけです。それが、もういろんなところからいろんな情報が出てくる。  こんな今の管理状況というのは、これは余りにもずさん過ぎるんじゃないかと思いますが、いかがですか。
  454. 太田充

    政府参考人太田充君) いろんな意味で管理状況が不十分だと言われれば、そのとおりだと思います。それはおっしゃるとおりだと思います。  その結果として、ある意味ではその管理状況が不十分で、ある意味では今おっしゃったようにその消滅し切っていないことがあって分かった部分はあって、もう何とも申し上げようがないんですが、管理状況が不十分だと、もっときちんと文書管理をすべきだということには全く反論の余地はありません。
  455. 清水貴之

    清水貴之君 次の疑問なんですけれども、価格交渉があったのではないかという話です。  佐川氏は事前に価格交渉をしたということを否定しているんですけれども、やっぱり書換え前の文書を見ますと、こういった記述があります。学園から要請を受けて、価格等について協議、価格等について協議をした結果と書いているんですね、学園が買い取ることで合意した、学園の提案に応じて鑑定評価を行い、価格提示を行うこととした。価格とか協議って言葉がもう幾つも出てくるわけですよ。これは価格交渉ではないんですか。
  456. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  これまで私どもがしていた答弁というのは、こういうところで言っている価格というのは予定価格ということで、今回の売却というか、見積価格、見積り合わせということを行うことができないと判断したので、当方が不動産鑑定評価等々で予定価格というものを決定をして相手方に通知をして、それで相手方がよしとされればそれで契約が成立すると、よしとされなければもう契約が成立しなくて売買が成立しないという、そういうことだというふうに御説明を申し上げてまいりました。それは今も変わりません。  ただ、今委員がおっしゃるように、価格交渉ということで、今申し上げたのは予定価格ということなんですが、価格及び価格交渉という言葉だけが飛び交って、それが報道もされ、あるいは議論になってしまったために、予定価格ということで言ったことがそうは理解していただけないようになって、それで、価格交渉と言ったのか言わないのかと、そういうような議論になってしまったことが大変、こういう議論を、混乱を招いたというか不幸なことになってしまったというふうに思っております。  多くの委員の方がおっしゃっていることは、私なりに理解をすると、要すれば、要すれば、価格交渉というか、あるいは金額のやり取りというかということは別として、お互いにいろんな交渉があって、その結果決まったのではないかということですが、国の今の先ほど申し上げたような仕組みでは、そういうやり取りをした結果として決まるような仕組みにはなっていないというのは事実でございます。  ただ、こういう疑念を招いたのは何でかといえば、不動産鑑定評価だけで決まっていれば、それは完全に第三者ですから恐らくそういう疑念は起こらなかったと思いますが、今回の場合は、先にですけれども八・二億円という金額を決めて、これは財務局からすれば第三者である国土交通省の大阪航空局にお願いをして作ったものであって、それから後で不動産鑑定評価が出てきて差っ引くんですが、世間の一般の方からすれば、いやいや、財務局だって航空局だって同じ政府の中じゃないかと、そういう意味で疑念が招かれていると、それが根本だと思っております。  そういう意味で、やはり第三者の方がいいということで、今回のこの反省を踏まえて、今後、もう必ず第三者を入れてやるというふうに仕組みを変える。今回の反省を踏まえて、我々、当時の近畿財務局からすれば第三者の大阪航空局だったんですが、それが世間、世の中的にはやっぱり同じ身内だというふうに理解をされてしまったので、だからこういう議論が起きたと思いますので、そういう意味で、根本的に変えるということを今後するということを今我々として決めておるということでございます。
  457. 清水貴之

    清水貴之君 音声データ、出てきましたよね、あれはどうなんですか。ぐうんと下げていかなあかんよ、籠池さんが言って、いや、ゼロに近い金額まで下げる努力しています。音声データ出てきました。あれは交渉じゃないんですか。
  458. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  それを交渉と言う、あるいはやり取りと言うかという話は、そういうことを言われる方があるのも、あるい委員がそういうふうにおっしゃるのもよく分かります。  ただ、先ほども申し上げましたように、この価格の決め方は、当方が、国側が予定価格というのを決めて、それを通知して、それを相手側がのんでいただけるか否かということしかないので、そういう意味で、その今おっしゃられたところの音声データを聞くと、いかにも金額を、百でどうだと、二百はどうですかというようなやり取り、そこで決まっているようですが、それはそこで決まっているわけではなくて、あくまで国の今持っているルールは、国が予定価格を決めて、それを通知してのむかどうか。  ただ、そのやり取りがそういうふうに聞こえて、それがそういうふうに受け取られているということは事実なので、そこのところの問題だと。我々としては、ルールはこうで、ルールに従ってやっているものですから、常に議論がかみ合わなく、あるいはお叱りを受けているということだと思っております。
  459. 清水貴之

    清水貴之君 その国の決め方というのがあるんでしょうが、ただ、やっぱりこれだけの大きなものを売買するのは、普通で考えたらですよ、価格交渉があって、普通は交渉してやっぱり値段決めていくのが世の中のいろんな売買するときの当たり前のやり方じゃないかなと。ただ、そこをばあんと佐川さんがもう最初に否定したものだから、いや本当かとやっぱりみんなこれ思うわけですね。そういったところから疑問がスタートしていると思わなくないんですが。  最後、もう一個の疑問なんですけれども、やっぱり僕はこれがスタートだと思います。もう何といってもやっぱり八億円の値引き、これが本当に正しかったのか。書換え前には、この上の方ですけれども、本地の地下埋設物の問題については、学園と国との間で継続して協議すべき問題が残っていると、こんな記述があるんですよ。やっぱりいろいろ問題がある、そういった土地だったわけです。会計検査院の報告書でも、八億円の値引きの根拠となったごみ撤去費について十分な根拠が確認できない、こういった報告書の内容があるわけですね。  さらに、これ石井大臣にお聞きしたいんですけれども、次のもう一個パネル、縦のパネルなんですけれども、その撤去費の算出ですね。三メートルという、ごみが三メートルの深さまであるというのを前提に一億数千万円の額を決めたんですが、もっと深くまである、三・八メートルだということで、値引き額というのががっと増えて八億円以上になったわけです。  ただ、この三・八メートル、少し前に報道がありましたけれども、実は、この作業をした業者が書かされたんだということを言っています。実は三・八メートルではないんだと、三メートルだったものを増やすように言われたと、こういった報道が出ていますが、国交省としては大臣、どうでしょうか。
  460. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) その報道は先週なされたものと承知をしておりますが、その報道の中身は、工事事業者が大阪地検に対して説明をした、あるいは証言をしたと言われるという報道でありまして、まさにこれ捜査に直接関係する事項でありますから、そのこと自体について私どもはコメントは控えさせていただきたいと思います。
  461. 清水貴之

    清水貴之君 それは、大臣、その作業をした業者というのは分かっているわけですね。これ実際どうなんだと業者にやっぱり聞いて、国交省として、また捜査という話が出てきますけれども、国交省として、その八億円の根拠が大きく揺らいでいるわけですよ、これが事実だとしたらもう大変な事態なわけですから、国交省として調査する、調べる、こういった姿勢も僕は大事じゃないか、必要じゃないかと思いますが、いかがですか。
  462. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 仮に委員の御指摘が報道の中身そのものを確認しろということであれば、それはその捜査事実そのものを確認しろということでありますから、それは適切ではないと思いますし、私どもでは難しいと思っています。
  463. 清水貴之

    清水貴之君 報道の中身でも、業者に確認をすることは僕はできるんじゃないかなと思うわけです。施工した業者がいるわけですね。その業者が証言をしているわけですね。そういったところからこの話はスタートしているわけですから、業者に確認はするべきではないですか。
  464. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 工事事業者に、地検にどのように証言をしたのか、説明をしたのかということを確認すること自体は、これはもう捜査そのものに関わることですから、それは控えなければいけないというふうに考えています。
  465. 清水貴之

    清水貴之君 いや、本当に作業をしたんですかという確認です。その確認、さっきも辰巳議員からもありましたけれども、その三・八メートルが本当だったのかという話は、やっぱりこれ、ずっとくすぶっているわけですね。この辺もはっきりしないから、なかなか明らかにはっきりならないから、この八億円の値引きの根拠は正しかったのかなんて話がずっと続いているわけです。  これも国交省として、職員は行ったかもしれません。でも、ちゃんと作業して、何かさっきみたいな、メジャー入れたわけでもなかったみたいな話になるわけです。曖昧な部分が僕は残っているところが問題じゃないかと思いますが、大臣、いかがですか。
  466. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 工事事業者から出されています試掘の報告書の内容については、これまでもいろんな指摘を受けまして、私ども確認を、聞き取りをしているところでありますが、これは引き続き聞き取りをしていきたいと思っています。
  467. 清水貴之

    清水貴之君 時間になりましたので、質問を終わります。  ありがとうございました。
  468. 丸川珠代

    ○理事(丸川珠代君) 以上で清水貴之君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  469. 丸川珠代

    ○理事(丸川珠代君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。
  470. 福島みずほ

    福島みずほ君 希望の会、社民党の福島みずほです。  総理、決裁文書改ざんに当たった近畿財務局、財務省職員が自ら命を絶ちました。心から御冥福を祈ります。  報道によれば、この職員が書き残したメモの中に、上からの指示で書き換えさせられたという言葉があったといいます。総理としてどのように受け止めますか。国民の前で明らかにしてください。
  471. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 近畿財務局の職員が自らの命を絶ったことは大変残念なことでありまして、御冥福をお祈りしたいと、このように思う次第でございます。  今回の決裁文書書換え問題につきましては、国民行政に対する信頼を揺るがす事態となっているわけでございまして、行政府の長として責任を痛感しているところでございますし、行政全般に関することについては最終的に総理大臣たる私に責任があるわけでありまして、改めて国民皆様にもおわびを申し上げたいと思います。  この上はしっかりと全容を解明していくことが求められていると、このように考えているところでございまして、全容を解明した上において、二度とこうしたことが起こらないようにしっかりと対応していきたいと思います。
  472. 福島みずほ

    福島みずほ君 総理大臣として責任を取るべきではないですか。官僚、職員に刑法犯を犯させてまで守ってもらったんでしょう。佐川さんなどがもし改ざんをしていたのであれば、あなたを守るためですよ。総理を守るための書類の改ざんでさらに人が死んでいるんですよ。政治的、道義的責任があるでしょう。政治的、道義的責任を感じますか。
  473. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 福島委員の今の御発言でございますが、全て決め付けであろうと思います。そう決め付けるのであればその理由を示していただきたいと、こう思う次第でございますし、先ほど来答弁をさせていただいております、私も妻も、国有地の払下げの問題あるいはまた学校の認可について一切関与はしていない、このことは何回も申し上げてきたところでございますが、今回の元の文書を見ていただいても、関わって、関与していないことは明確だろうと、このように考えております。
  474. 福島みずほ

    福島みずほ君 これは森友の関係の五番の文書です。(資料提示)まさに特例的なもので、特例承認決裁文書で、これのみ本省決裁です。財務省が見て、森友学園安倍昭恵さんの関係がどう見えていたかというのがはっきり出てきます。まさに、安倍昭恵さんがこのように関与している、関わっている、関係しているということの記述があります。  ですから、これ十八名が決裁しているんですね。局次長、それから中村課長、それから田村国有財産審査室長、みんな、十八名が決裁をして、これを読んでいるんです。この森友学園のこの問題に総理大臣夫人が関係しているということをみんな共有をしているわけです。  そして、その次に、十月に安倍総理大臣夫人付きの秘書官である谷査恵子さんが、官邸から財務省の国有財産審議室長である田村室長に問合せをして交渉します。その結果を十一月、籠池さんにファクスし、報告をしています。田村室長にしてみれば、来た来た来たじゃないけれど、バックに内閣総理大臣夫人がいる、場合によってはそのバックに総理がいるという理解はしているわけです。そして、三月にごみの問題が、次の年の二〇一六年三月にごみが出てきたと。ごみを理由とした値引き交渉が始まり、三月、籠池さんが財務省に行き、この田村交渉と交渉し、結局値引きされていきます。  重要なことは、近畿財務局、本省、財務省もこの森友学園安倍昭恵さんの関係理解し、バックとして考えていた。特例、特例、特例、特例、特殊という本件の特殊性は、まさに安倍夫妻のことじゃないですか。そして、安倍夫妻の問題であり、安倍総理は今日も一日、例えば、貸与とそれから売買契約は別で、払下げには関係していないと言っています。それはへ理屈の言い訳ですよ。なぜならば、この契約は売買契約付貸与契約で、まさに安倍昭恵さんの側はこの貸与の期間についても介入をしています。  一体のもので、一連のものですよ。ここまでは関係している、ここまでは関係したいというのではない。このまさに森友学園の小学校の瑞穂の国の記念小学院建設に当たって、一連のことについて関係しているじゃないですか。  総理にお聞きします。二つのもの、分離できないと思いますが、いかがですか。    〔理事丸川珠代君退席、委員長着席〕
  475. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 今いろいろと御質問をいただいたところでございますが、まず、本件の特殊性、特例的な内容について、これは私の妻が関わっていたという趣旨の質問をしておられますが、この本件の特殊性については、本件土地については売買特約付きの貸付けを行っていたが、既に地下埋設物等が明らかになっており、その撤去費用等については国が有益費として支払うことを行うこととなっていた。地下埋設物の撤去を行った場合には、土地の価値が上がるため、その後の賃料改定に当たり賃料を引き上げる必要があり、そのための手続は、近畿財務局と大阪航空局とで協議を行い、対応していく必要があり、このような点を本件の特殊性と表現したものであります。  そして、特例的な内容についてはですね……(発言する者あり)今、これがまさに核心でございますから申し上げているわけであります。個別の国有財産の管理、処分については、国有財産法等に基づき各財務局長に分掌されており、各財務局の担当部局において事務処理が行われるわけであります。その上で、通達に基づき、個別の事情に応じ、各財務局から本省に対して特例処理の申請を行い、承認をした上で、事案に応じた個別的な処理を行うこともあります。  森友学園に対して本件土地を貸し付けるに当たっては、通達上、貸付期間は三年以内とされていますが、借地借家法上、通常の貸付けについては、貸主は貸付けを継続することが可能であり……(発言する者あり)
  476. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 総理、簡潔にお願いします。
  477. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 貸付期間が延びる可能性があります。  一方で、本件には、においてはですね……(発言する者あり)私、丁寧に分かりやすく答弁をすることに心掛けているわけでありまして、一方で、本件においては、貸付期間中の買受けを確実なものとし、貸付期間終了時には更地返還の義務が生じる事業用定期借地とすることが適当と考えていたが、この場合、借地借家法上、貸付けの最短期間は十年間と定められているわけでありまして、今申し上げたところから、委員は、委員は特殊性等々について、これはまさに妻が関わっていたから特殊性ということをおっしゃったわけでありますが、それとは違うということを今申し上げているところでございます。  それとともにですね、それとともに、この、それとともに、今御質問の趣旨についてはですね、御質問の趣旨につきましては、私の妻が国有地の払下げに関わっていないということは再三申し上げたとおりでございますし、一切この元の文書にも出てきていないわけでございます。  そしてまた、谷氏のファクスについてもお話があったわけでございますが、この件についても回答は全くゼロ回答であったわけでございますので、こう申し上げた次第でございます。
  478. 福島みずほ

    福島みずほ君 長いですよ。私はこう聞いたんです。売買と賃貸は一体のもので、一連のものではないかと言ったわけです。  次の質問に行きます。  総理は、いい土地ですから前に進めてくださいと安倍昭恵さんは言っていないという主張をしています。しかし、他方、安倍昭恵さんは、二〇一四年十二月の森友学園での講演で、安倍総理も籠池さんと会ったと述べています。これは事実ではないですね。
  479. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) それは、妻がそこでどう述べたかということでありますが、それは妻の言わば勘違いであろうと。その段階では籠池氏は私と会ったということも述べていたのでありますが、その後、籠池氏は、会っていない、実際、私の演説会に来ていたこと、これはもう街頭演説でありますから、その場にいたということについて会ったと言っていたのを家内が聞いてそう答えたかもしれませんが、その後、私の方から会っていないということを明確に申し上げてきたところでございますが、その後、籠池氏も会っていないということを述べていると、このように承知をしております。
  480. 福島みずほ

    福島みずほ君 結局、籠池さんと安倍総理は会っていないにもかかわらず、会っていると言ったわけです。  私が言いたいことは、全て、全てですね、安倍昭恵さんが全て正しいことを言っているわけではないわけです。ですから、直接聞かないと分かりません。  安倍昭恵さんの証人喚問を求めます。
  481. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) ただいまの要求の件につきましては、後刻理事会で協議をさせていただきます。
  482. 福島みずほ

    福島みずほ君 安倍総理も昭恵夫人も、森友学園塚本幼稚園の教育勅語など、戦前の教育を復活させるような教育方針を是として期待をしてきたと伺っております。今振り返ると、その認識は間違っていたと考えますか。
  483. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) その認識よりも、基本的に、籠池氏がこうした形で起訴をされるに至ろうとしている、起訴されるに至っているわけでございまして、そこにおいて、名誉校長を引き受けるべきではなかったと、このように思うところでございます。
  484. 福島みずほ

    福島みずほ君 答えてくださいよ。  この学校を、教育勅語を推奨する学校をお二人とも応援したわけです。安倍昭恵さんの言葉でも、こちらの教育方針は大変主人もすばらしいと思っているとか、たくさん発言があります。この考えは今も変わらないんですか。
  485. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) これは、言わば籠池氏の学校を応援するというつもりはもう全くもちろんないわけでございます。  他方、教育勅語と籠池氏のこの結び付きについては、私は十分に把握はしていない、実際にその精神で本当に学校を運用しているかどうかというのは、今の段階ではもう何とも言えない状況になっているわけでありまして、何ともコメントのしようがないということでございます。
  486. 福島みずほ

    福島みずほ君 分からないですよ。  私の考え方に非常に共鳴している方で、その方から小学校をつくりたいという話がありましたとあります。まさにこの学校はお金のことでも今森友学園問題になっていますが、もう一つ、こういう学校、幼稚園があって、その小学校をつくることに総理大臣夫人と安倍総理が、とりわけ安倍昭恵さんが名誉校長になって応援をしてきたということの意味です。二人ともこの学校ができることを望んでいたわけでしょう、とりわけ総理大臣夫人は。  次に、これまで国会に対して数え切れないぐらいの虚偽答弁、言い逃れ、事実の隠蔽がありました。予算委員会に対してこれが全てと言いながら、これもうそだったということがあります。今回、決裁文書改ざん財務省は明らかにしましたが、決裁文書はこれが全てですか。また、決裁文書以外の森友学園に関わる文書で公表していないものはないんでしょうか。
  487. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 決裁文書につきまして、これまでということで、新しく十四でしたか、新しい文書が出てきたり、また、これまでと申し上げてまた一通出てきたりして、いろいろな混乱を与えておりますのは大変申し訳ないと思いますが、今の段階で、私どもの掌握している範囲ではこれが全てです。
  488. 福島みずほ

    福島みずほ君 谷査恵子さんの問合せが、本省にそのメモ書きは残っていますか。  では、それについても、今後、あるかどうかというか、今ので全てなのかどうか、きちっと全てを出してほしいというふうに思います。  それで、虚偽答弁文書改ざんに乗っかって総理も答弁を続けました。一年前の国会で既に議論は始まっていますが、始まったんですが、総理は積極的に情報開示や調査報告を怠った責任は重いと思います。財務省改ざんが明らかになって、なぜこのような事態となったか究明したいという旨の発言をしていますが、一年遅過ぎるんじゃないですか。
  489. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) それは書換えについてでありましょうか。書換えについてであれば、それは、言わば書換えをしたということについて財務省から書面をもって報告を受けたのはこの日で、十一日の日でございます。
  490. 福島みずほ

    福島みずほ君 去年、森友学園で問題になっていたときにきちっと解明していたら、この一年間の空転もないんですよ。年金記録問題でも第三者を入れて調査、検証をしました。タウンミーティングの問題のときも調査報告書が出ました。  今回の一連の森友学園をめぐる問題の事実関係をきちっと政府が報告書を作成し、明らかにするというのを今後やるんですか。それで、一年前になぜそれをやらなかったんですか。
  491. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 一年前というのは昨年の三月ですか、この書換えについて。書換えについてはまだ起こって、発生していないわけでございますし、でも、ただ、その段階でこちらは全く掌握をしていないわけでありますから調べようがないわけでありますし、まず、そうしたことが起こっているということを把握しなければこれは対応のしようがないわけでありまして、しかし、その中で、こうしたことが起こらないようにすることが一方大切だろうと我々も認識をしているところでございますし、国民皆様の厳しい目が注がれているということもしっかりと真摯に受け止めなければならないと、こう思っております。  その上において、今回、なぜこうしたことが起こったかということについて、しっかりと調査をし、そして全容を解明した上において、二度とこうしたことが起こらないように、組織の立て直しを行っていくことによって責任を果たしていきたいと、このように考えております。
  492. 福島みずほ

    福島みずほ君 おかしいですよ。財務省の中でだけやったら、それ以上の責任追及もできなければ、客観的なことなどできません。結局、財務省の官僚と役人に押し付けるだけじゃないですか。そんなひどいことがあるんですか。  きちっと、これは第三者委員会のようなきちっと委員会を立ててやる、そして特別委員会を設置すべきです。  委員長、後で諮ってください。
  493. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 後刻、今の件につきましては、理事会で協議をさせていただきます。
  494. 福島みずほ

    福島みずほ君 この一年間の空転、改ざん、虚偽答弁改ざん文書、この罪は本当に重いと思います。  野党は、憲法五十三条に基づいて総議員の四分の一以上の要求で臨時国会の要求を求めました。憲法は、内閣はその召集を決定しなければならないと規定しているにもかかわらず、総理は憲法を無視し、臨時国会を開きませんでした。臨時国会をその次に総理が開いたときに解散をし、総選挙になりました。森友、加計隠しと言われましたが、捏造された文書と虚偽答弁国会国民を欺いて、総選挙をしたと思います。なぜ臨時国会できちっと究明しなかったんですか。虚偽の上につくられた内閣に正統性はありません。総辞職すべきではないですか。
  495. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 行政全般に対しては、やっぱり行政について、行政全般について最終的な責任内閣総理大臣たる私にあるということは明確に申し上げているとおりでございまして、その責任は痛感をしているところでございまして、国民皆様に改めておわびを申し上げたいと、このように思っております。  同時に、なぜこうしたことが起こったのかということをしっかりと解明していくことも私の責任であろうと、このように思います。  同時に、二度とこうしたことが起こらないように対応していくことも私の責任だろうと、このように思っております。その責任をしっかりと果たしていく決意でございます。
  496. 福島みずほ

    福島みずほ君 この一年間、虚偽答弁と虚偽文書、捏造された文書の上にやってきて、臨時国会すら拒否して、調査もしないでやってきたんですよ。その責任は本当に重いです。  本件は、一つ目、まず、その八億円のごみがもう疑惑が持たれています、第一のうそです。第二のうその部分は、その改ざん部分です。第三番目、この改ざんが分かって、でも、これは政府の調査なんかじゃないですよ、メディアのすっぱ抜きによってこの改ざんが明らかになって、それから動き始めたんです、第三番目。一、二、三のステージ全てで疑惑はちっとも解明されていないし、むしろ改ざんを積極的にやってきたわけじゃないですか。この責任は極めて重いと思います。  総理、山口県出身の迫田英典理財局長と、佐川さんの前ですが、例えば二〇一五年七月三十一日、八月七日、九月三日、その後もですが、総理はサカタ理財局長と面談をしています……(発言する者あり)あっ、迫田、ごめんなさい、迫田さん、失礼しました。それで、九月五日の日、九月三日にも会っているんですが、九月五日はまさに安倍昭恵さんがこの森友学園に行って講演をし、名誉校長になるわけですね。偶然、九月四日も安倍総理は大阪に行っていらっしゃいますが、この九月とりわけ三日ですね、八月七日、七月三十一日、この理財局長と何を話して何を面談したんですか。
  497. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) お答えをいたします。  二十七年の七月三十一日については、これは、当時、理財局にとって一番大きな課題であり問題でありました郵政株の売却について、この郵政株の売却の時期等についてであります。この郵政株の売却というのは国の収益に大きく関わってくるわけでございますので、七月三十一日、そして七月の七日についても、また九月の三日についても、これはそれぞれ郵政株の売却、そして郵政株の、やはり郵政株の売却でありますが、当時の株価等々の動きも見ながら、どのように対応していくかということについて、これは当時の理財局方々に聞いていただければ明らかになると思いますが、これが最大の問題であったわけでありまして、大きな政治的な決断が必要であったと、こういうことでございます。  そして、十月の……(発言する者あり)あっ、じゃ、ここまでですか。ほかも一応……(発言する者あり)あっ、結構ですか。
  498. 福島みずほ

    福島みずほ君 是非、そのときの、あと二回はあって全部で五回、このときには五回なんですが、是非そのときのメモを出していただきたいと思います。  で、迫田さんは、まさに、この八億円のごみがあるかどうかというときに、売買契約を提示したときの担当の理財局長であり、その売買契約が成立した二〇一六年六月十四日の三日後に、まさに国税庁長官に栄転をしております。  迫田理財局長がどういう、この八億円のごみ等に関してどういう認識を持っていたのか、総理とどういう話をしていたのか、迫田英典理財局長の証人喚問が必要だと思います。
  499. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) ただいまの要求の件につきましては、後刻理事会で協議をさせていただきます。
  500. 福島みずほ

    福島みずほ君 要求しますと言うべきでした。失礼しました。要求をいたします。  二月十七日、去年、私や妻が関係したということになれば、まさに私は、それはもう間違いなく総理大臣国会議員も辞めるということははっきりと申し上げておきたい。このときに、払下げがどう、認可がどうと言っていないですよ。まさに関係をしていたらというのがあります。しかし、今度の改ざん前の決裁文書で、まさに財務省の認識としても、安倍昭恵さんが、総理大臣夫人が関係しているということが本当に明らかになっております。だとしたら、総理大臣国会議員も辞めるということをまさに総理はやるべきじゃないですか。どうですか。
  501. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 当時のですね、当時の、もう国会の、一年前でございますが、御議論を思い出していただきたいと思いますが、既に私の妻は名誉校長を引き受けておりましたし、何回か講演もしておりましたし、現地にも行っていたという、これを前提の上において、言わば今、福島議員はそういう関係があったら辞めろというニュアンスでおっしゃっていましたが、それを前提、その上において私がそういう疑いを掛けられていますが、しかし、その上において、この国有地の払下げあるいは学校の認可に関与をしていれば責任を取ると、こういうことを申し上げたわけでございます。  そして、この中、元の文書にあることはまさに、もう既に周知の事実であったこと、あるいはまた、これは一方的に籠池氏が述べていることにすぎないことの紹介でしかないと、こういうことでございます。そういう意味において、では、籠池が紹介する発言を、籠池氏がこう言っていたという関係があるではないかということについては、既に名誉校長であったということはそれはもう周知の事実であったわけでありまして、その上において、私は言わば国有地の払下げ、そして学校の認可に関与していれば責任を取ると、こういうふうに申し上げたわけでございます。
  502. 福島みずほ

    福島みずほ君 これは……
  503. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 時間が来ておりますので簡潔に。
  504. 福島みずほ

    福島みずほ君 はい。  認可とかなんとか言っていないんですよ。それから、今回の決裁文書によっても、財務省側がまさに総理大臣夫人がバックにいるということを理解し、やっているんですよ。そして、安倍内閣総理大臣夫人と安倍総理がこの小学校の建設に関して本当に……
  505. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 済みません、後の時間もありますからね。
  506. 福島みずほ

    福島みずほ君 分かりました。  応援をしているということは明らかじゃないですか。まさにそれだからこそ八億円のごみの値引きも売却も起きたんじゃないですか。これはまさに安倍夫妻の事件ですよ。こんなことで捏造が起きたということは本当に問題だと思います。責任を取ってこの言葉どおり辞めるべきだということを申し上げ、私の質問を終わります。
  507. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  508. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 次に、福山哲郎君の質疑を行います。福山哲郎君。
  509. 福山哲郎

    福山哲郎君 立憲民主党福山でございます。よろしくお願い申し上げます。  安倍政権は国会で全く真実を語らない、ごまかし通せればそれでいいという姿勢が国民に分かってしまいました。この決裁文書改ざんは、国会審議の信頼と前提を覆す前代未聞の異常事態であると考えています。財務省理財局だけで責任を押し付けるなどということはあってはならないと思います。  総理、総理経験者である麻生財務大臣は、私、残念でした。麻生大臣が適材適所と言っていた佐川前長官を、手のひらを返したように佐川佐川と呼び捨てにして、理財局の一部でやったと責任を官僚に押し付けようとしています。総理は去年と全く変わらない。指示していない、安倍昭恵総理夫人は言っていないと答弁を繰り返すだけです。ちょっと格好悪過ぎませんか。日本の宰相論として、私は今の姿勢を非常に残念に思います。私は、今回のこの問題は、防衛省の日報問題も、加計学園の文書を怪文書扱いしたことも含めて、本当に安倍政権の姿勢が問われていると、まずそのことを御認識いただきたいと思います。  太田局長、あなたは、三月の二日に朝日に記事が出てから、私の質問に別の文書があるかどうか答えられないと極めて不誠実な答弁を繰り返しました。議論になっています五日に国交省が別の文書を届けられているにもかかわらず、十二日まで国会においてもそのことを何も明かしませんでした。理財局長が言われている、きちんと自分たちで調べるだけのことを調べないと捜査機関に協力はいただけない、できるだけこういう文書があるはずだという、文書を提出しているはずだということを確認した上で大阪地検にお願いしたと言われていますが、これは大阪地検に確認をしたら、相手がこういうことを要請をしたことですか。お答えください。
  510. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  委員からはこれまでの委員会でいろいろ厳しい御指摘をいただいておりますので、それを承知の上でお答えを申し上げますが、基本的に、我々として、我々はやっぱり捜査を受ける立場なので、一方で捜査に全面的に協力する立場なので、そういう中で、捜査機関にお願いをするにはということで、我々なりに考えた、これまでのいろんな意味での捜査機関との関係も含めて考えた結論でございます。
  511. 福山哲郎

    福山哲郎君 じゃ、お伺いします。財務省は資料を強制的に押収されたのか、任意提出したのか、どちらかお答えください。
  512. 太田充

    政府参考人太田充君) それは、基本的に捜査の先方がどうされたかということなので、それをお答えするのは良くないんだろうというふうに思っております。
  513. 福山哲郎

    福山哲郎君 刑事局長、刑事局長は地検の立場として、こういったことに対して何らかの制限を加えることに対して、法的な根拠や制限を加える権限は、刑事局長、ありますか。
  514. 辻裕教

    政府参考人(辻裕教君) ただいまのお尋ねでございますけれども、ちょっと御趣旨を測りかねるところもございますけど、捜査機関が具体的にどのような活動を行ったかという点でございますれば、その点はお答えを差し控えたいと存じます。  その上で、財務省におかれまして、あるい関係行政機関が国会でのお求めに対してどのように御説明をなさるかということにつきましては、各行政機関において御判断いただくものと承知しております。
  515. 福山哲郎

    福山哲郎君 そうなんですよ。二言目には捜査だ、捜査だと言っていましたが、それは、大阪地検はそんなことを制限する根拠もなければ、それを要請もしていません。言うなれば、今回の問題の根本であるそんたくをまたしているということです。それを国会の隠れみのにしているということだと思います。私は問題だと思いますよ。  太田局長、今の刑事局長答弁を聞かれて、もう一回聞きます、強制的に押収されたのか、任意提出したのか、どちらですか。
  516. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  捜査において、いつ、どういうものをというのは根幹の部分だと思っております。そういう意味では、我々は全面的に協力する立場としてお答えするわけにはいかないと思って御答弁を申し上げております。(発言する者あり)
  517. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  518. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 速記を起こしてください。
  519. 太田充

    政府参考人太田充君) 今ほどの御質問は、要すれば捜査支障をという話につながるというふうに私どもとして考えていますので、全面的に協力する立場としてこの件はお答えをいたしかねるというふうに考えてございます。
  520. 福山哲郎

    福山哲郎君 刑事局長、今のことは地検の捜査に関係するんですか。それは刑事局長が判断するんですか。地検はちゃんとそのことに対して制限をする根拠を持っているんですか。
  521. 辻裕教

    政府参考人(辻裕教君) 先ほどお答え申し上げたとおりでございまして、捜査の支障の有無を含めまして、国会からのお求めに対してどのような御説明をなさるかというのは各行政機関で御判断いただくことではございますけれども、捜査機関の立場で申し上げましたら、ただいまのお尋ねは具体的な事件に関する捜査機関の具体的な活動内容に関することでございますので、法務省の立場としてはお答えを差し控えさせていただきます。
  522. 福山哲郎

    福山哲郎君 財務省、ここは国会の場ですからね、国政調査権のある。ヒアリングの場では、財務省は任意だと答えているんですよ。何で国会の場で答えられないのか、お答えください。
  523. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  国会の場は、私どもとして正式の場として当然お答えをしております。そのヒアリングの場云々という話は、それでやられますと、我々は国会での答弁るい国会での質疑ということの意味が違うと思いますので、我々は国会に対して正式にお答えを申し上げているつもりでございます。
  524. 福山哲郎

    福山哲郎君 じゃ、国会議員のヒアリングの場で任意だと答えているものを国会で答えられない理由は何ですか。
  525. 太田充

    政府参考人太田充君) 国会では、我々責任を持って御答弁しないといけない立場でございます。そういうことでございます。(発言する者あり)
  526. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  527. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 速記を起こしてください。
  528. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  先ほどの発言で失礼なことがございました。申し訳ありません、おわびをまず申し上げます。  その上で、国会の場であれ、あるい野党皆様のヒアリングの場であれ、私どもとしては誠心誠意お答えをするという態度で臨まないといけないし、そういうつもりでございます。  その上で、その上で、この件は私ども捜査を受ける立場、全面的に協力する立場として捜査の支障に関わることでございますという判断をしておりますので、私どもとしてお答えは差し控えさせていただきます。
  529. 福山哲郎

    福山哲郎君 じゃ、もうイエスかノーで答えてください。  財務省は押収品目録交付書を持っていますね。イエスかノーですよ。
  530. 太田充

    政府参考人太田充君) それも基本的に捜査の支障に関わることだと思っておりますので、お答えはいたしかねると思っております。
  531. 福山哲郎

    福山哲郎君 刑事局長、もうイエスかノーかで答えてください、時間ないから。  任意であれ強制であれ、大阪地検はあれですよね、押収品目録交付書出していますよね、財務省に。イエスかノーかでお答えください。
  532. 辻裕教

    政府参考人(辻裕教君) 一般論として申し上げますと、押収をした場合には、その所有者、所持者、保管者又はこれらの者に代わるべき者に押収品目録を交付することとされているところでございます。
  533. 福山哲郎

    福山哲郎君 これ、押収品目録の紙なんですね、全部細かく出るんです、本当は。で、これ出したくないと言っている。これも別に、押収品、何が押収品だったかなんというのは、別に捜査関係ありません。  それと、先ほど申し上げているように、捜査だから出せないというのは地検が言っているんじゃありません。彼らが判断しています。つまり、彼らは、捜査を盾に本当に情報を出さないようにまだしている。これ、押収品目録があるということは、何を大阪地検に持っていかれたか全部分かっているんです。  太田局長の言われている、自分たちで調べられるだけのことを調べないと捜査機関には協力をいただけない、できるだけ、こういう文書があるはずだ、こういう文書を提出しているはずだということを確認した上で。こんなの確認する必要ありませんよ、目録付いてきているんだから。交付されているんでしょう、太田さん。交付されているんだから、それを見れば大阪地検に何があるか一発で分かるんじゃないんですか。四日も五日も掛からないでしょう。  国会にうその、また相変わらず前の、改ざんした後の文書を出してきて、国交省から言われているのに官邸にも何も報告をしないでやらなくたって、目録が出て、交付書があるわけでしょう。そうですよね。何時間もしなくたって、それ見れば、何が地検にあるか、あなたは分かっているはずですよね。
  534. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  何がということは、要するに、私どもとして必要なものが何か。要すれば、オリジナルのものが何かということを調べた上で、特定した上でそれをお願いしないといけないということで私は答弁を申し上げております。
  535. 福山哲郎

    福山哲郎君 もう一回聞く。  押収品目録交付書には、じゃ、改ざん前と改ざん後の文書、ちゃんと載っていますか、載っていませんか。
  536. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  今ほど申し上げましたとおり、押収品目録云々の話を御答弁申し上げるのは差し控えますと申し上げた上で申し上げますけれども、基本的には、書換え後のものは当時私ども、財務局としては正式のものだと思って、そういう意味では、ある意味での当然のようにきちんとといいますか、そういう対応ができるわけです。そうでないものは、ある意味では非公式の状態のものでございますので、そういうものはまた違う扱いでございます。
  537. 福山哲郎

    福山哲郎君 何言っているのかさっぱり分かりません。  委員長、理事会でこの押収品目録交付書の提示を求めたいと思いますので、資料請求しますので御検討ください。
  538. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。
  539. 福山哲郎

    福山哲郎君 全くもって反省のかけらもない。  昨年の二月から三月にかけて答弁をされていました。太田理財局長は、決裁文書改ざんは二月の下旬から四月だと言われていました。ということは、二月から三月の答弁は、基本的には前の、元の決裁文書を共有して理財局では答弁書を作っていましたね。イエスかノーか、答えてください。
  540. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  基本的に、その当時の決裁文書を前提に答弁書を作るというのが当然基本だと思っております。
  541. 福山哲郎

    福山哲郎君 ということは、あの改ざん前のいろんなことが書いてある文書理財局は共有して答弁書を作っていました。この改ざん前の決裁文書の存在は菅官房長官も御存じでしたよね。
  542. 菅義偉

    国務大臣(菅義偉君) 私は承知しておりませんでした。
  543. 福山哲郎

    福山哲郎君 ごめんなさい、官房長官、二月の二十四日、昨年ですが、基本的には決裁文書については三十年間保存しているわけでありますから、そこにはほとんどの部分というのは書かれているんじゃないでしょうかと官房長官が会見で言われているんです。それで、さらには、私もあの説明を受けましたけどと言って、ちゃんと秘書官から説明を受けていることになっているんです。このときには改ざんしていませんから。  改ざん前の文書を、官房長官、もう一回聞きます、基本的に御存じでしたよね、改ざん前の文書があることは。
  544. 菅義偉

    国務大臣(菅義偉君) 知りませんでした。
  545. 福山哲郎

    福山哲郎君 知っていますって。だって会見で言われているんだから。  いいですか。これ、答弁作っています。それぞれ、理財局だけじゃありません。総理に関係する官房長官財務大臣、みんな財務省秘書官付いています。みんなこの改ざん前の文書を前提に答弁書いています。当然、総理に直接言ったかどうか分かりません、官房長官に直接言ったかどうかも分かりませんが、財務省秘書官は官邸も含めてこのことは共有していますね。
  546. 太田充

    政府参考人太田充君) 決裁文書を前提として担当補佐なり係長は答弁書を作るという作業はしていると思います。しかしながら、その決裁文書の事細かいところをそんなに秘書官が共有しているとは到底思えないということでございます。
  547. 福山哲郎

    福山哲郎君 このときは、安倍昭恵総理大臣夫人が関わっていたり、実は籠池さんがテレビに出るかどうか、インタビューを受けるかと大騒ぎになっていたときです。当然秘書官同士ではどうなっているんだと確認するのは決まっているので、これを言ってもどうせ水掛け論になりますが、私は官房長官の二月二十四日の会見の発言は重たいと思いますよ、いろいろ聞いているとおっしゃっているわけですから。  それで、次行きますね。  二月二十四日、官房長官は、先ほど申し上げたように、決裁文書の存在も認めています。実は、三月二日、佐川局長決裁文書の存在も認めているんです。決裁文書というのは改ざん前ですよ。  それで、私は理事会にこれを出せと言いました。当然ですよね。決裁文書だから出せる文書のはずです。なぜ三月の二日に理事会で求めたものが国会に出てこなかったんですか。
  548. 太田充

    政府参考人太田充君) 国会で御論議があって、その後、特定をしていただいて、マスキング等の作業をしてということでございます。  ただ、委員のおっしゃっていることは、恐らく売払い、どちらかが五月で、売払いが五月で貸付けが十一月だったと、それが遅いということだと思います。それは……(発言する者あり)さようですか。申し訳ありません。
  549. 福山哲郎

    福山哲郎君 マスキング見ました。ほとんどありません。こんなのに半年以上掛かるなんてあり得ません。  会計検査院、お伺いします。会計検査院が、三月の六日、特定事項調査でこの院で議決をしました。財務省から会計検査院決裁文書が提出されたのはいつですか。
  550. 河戸光彦

    会計検査院長(河戸光彦君) 財務省が三月十二日に公表しました決裁文書についての調査の結果において、書換えが行われていた決裁文書十四文書のうち、会計検査院が国土交通省から提出を受けた書換え前の文書は貸付決議書二文書でございますが、会計検査院財務省及び国土交通省から昨年の四月下旬にそれぞれ提出を受けております。
  551. 福山哲郎

    福山哲郎君 それは改ざん前ですか、改ざん後の文書ですか、どちらですか。
  552. 河戸光彦

    会計検査院長(河戸光彦君) お答えいたします。  書換え前の文書でございます。(発言する者あり)大変失礼いたしました。間違って答弁いたしました。書換え後の文書でございます。
  553. 福山哲郎

    福山哲郎君 四月の下旬に会計検査院書換え後のいわゆる改ざん物を提出しているんです、財務省は。このとき、財務省の中で会計検査院改ざん後のものを提出しようと意思決定したのは誰ですか。
  554. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  それは、今回の書換えを行って、誰がどういう役割をしてということとある意味で類似する話でございますので、まさにそれは今調査をしているというところでございます。
  555. 福山哲郎

    福山哲郎君 それはおかしい。あなたは、国会誤解を招くかもしれないから改ざんをしたと言っている。会計検査院は全く別の、院の要請でしているんだから、今の話は違う。会計検査院改ざん後の文書を提出しようとするのは役所同士の話ですから。  行政機関として、会計検査院法上で求められている、ましてや院の要請で求められているものに対して、改ざん後のものを出すと意思決定したのは誰かと聞いているんです。
  556. 太田充

    政府参考人太田充君) それは、基本的には、書換えをすると、あるい書換えを行った者ということになるわけですから、そういう意味で、先ほど申し上げているとおり、基本的に今回の書換えを誰がどういう役割をしてどういう責任を負ってやったかということを調査をしてお答えを申し上げると言って申し上げているつもりです。(発言する者あり)
  557. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 速記を止めて。    〔速記中止〕
  558. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 速記を起こしてください。
  559. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  会計検査院には、様々な資料の御要求があるわけですが、その時点において、その要求をいただいた資料の局として正式なものだと思っているものを提出するということになるわけです。そうすると、そういう資料を作った者の、責任は誰かということになるということを私は申し上げているつもりでございます。(発言する者あり)
  560. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) まだ指名していませんから、福山さん。
  561. 福山哲郎

    福山哲郎君 何言っているんだかさっぱり分かりません。  これ、二月から四月に改ざんをしたということを皆さん認めているんです。四月に会計検査院にその改ざん物を提出しているんです。そんなの、理財局長佐川さん、知っていたと思うのレベルじゃないじゃないですか。みんな答弁のときだってこれ共有しているんですよ。みんな、安倍昭恵夫人のことが書いてあることも、政治家が関与していることも、ごみのことがいろいろ大変だったことも、全部みんな共有して答弁書いていたんですよ。さっきおっしゃったじゃないですか。それで改ざんをして会計検査院に提出しているんですよ。理財局長関わっていないわけないじゃないですか。  理財局長は知っていたとか知らないのレベル超えていますよね、太田さん。会計検査院に提出するときに理財局長に了解もらわないわけないですよね、決裁文書。どうですか。
  562. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  検査院に提出するときに一つ一つ何らかの決裁を取らないといけないというような、そういうシステムにはなってございません。  ただ、委員のおっしゃるように、私どもも御答弁申し上げているつもりですが、そのときに当時の局のトップは佐川局長であったこと、それから国会答弁との関係、その国会答弁をやっていたのは佐川局長であったことから、その関与は大きかったのではないかというふうに御答弁を申し上げているということでございます。
  563. 福山哲郎

    福山哲郎君 今、実質的には認められたと思います。  それで、実は二月の二十日ぐらいから、下旬から改ざんされていたと聞いているんですが、実は二月の二十日、籠池さんはしばらくの間、行方をくらまします。これは、証人喚問の発言によれば、財務省の指示で十日ほど隠れてくれと言われていました。  皆さん、誤解あるかもしれませんが、この頃はまだ籠池さんは安倍総理を信じていました。二十日の私はラジオ番組の籠池さんの状況を全部見ましたが、安倍総理に対する批判はほとんどありませんでした。まだ小学校ができると信じていたかもしれません。  理財局が籠池さんに十日ほど行方をくらませという指示を出したというのは事実かどうか、お答えください。
  564. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  それは多分、当時の頃に確認をせよということで確認をしたということだと思いますが、そういう事実は確認されていないというふうにお答えをしているというふうに承知をしております。
  565. 福山哲郎

    福山哲郎君 これは、籠池さんは証人喚問でお話しされていますので、理事会で、当然、佐川理財局長の証人喚問を求めたいと思います。
  566. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議をさせていただきます。
  567. 福山哲郎

    福山哲郎君 続いて申し上げます。もう一枚のペーパーを出してください。  もう時間がないので、国民の皆さんにちょっとイメージだけつかんでいただきたいと思いますが、これ実は今回、経緯のところで、削られたものと、赤字が安倍昭恵夫人の表記と、残った改ざん後のものがあります。実は、残った改ざん物ってこれ黒字です。青字が全部削除されています。そして、安倍昭恵総理大臣夫人のフェイスブックとか等で森友学園に関わられたことが赤字になっています。全部の実はプロセスのところのどこかの場面で安倍昭恵総理大臣夫人が関わられています。そして、その青字が全部削除されています。この削除の仕方、私、ひどいと思いますよ。  総理、これやっぱりどう見ても、総理が、安倍昭恵総理夫人は言っていませんと言ったって、それは国民、納得できませんよ、ねえ。納得できないと思いますよ。今の話もそうでしょう。これ、財務省、全く誠実に国民説明する気ないですよ、先ほどの答弁から見ても。  私、非常に問題だと思いますよ。現実問題として……
  568. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 福山君、時間が来ておりますので、質問をまとめてください。
  569. 福山哲郎

    福山哲郎君 会計検査院改ざん物を出したということ自身が問題だと思いますし、私としては、ここに関わっている迫田前理財局長、それからもう一つだけ申し上げます、改ざん物で徹底的に削除されているのは、ごみの処理に関わったと言われている前の籠池さんのところの弁護士です、代理人です。
  570. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 次の質問者の時間がありますから。
  571. 福山哲郎

    福山哲郎君 このことも全く改ざんのところからは削除されています。  このことも含めて、まだまだこの問題は根が深いと思いますので、引き続き国会の場でしっかりと調査をしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
  572. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で福山哲郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  573. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 次に、薬師寺みちよ君の質疑を行います。薬師寺みちよ君。
  574. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 無所属クラブ薬師寺みちよでございます。本日もよろしくお願いいたします。  まず、総理にお尋ねをさせていただきたいと思います。  この参議院予算委員会、この二年間、予算案の質疑がほとんどできておりません。これでは私、国民に対して大変申し訳ないと思っておりますが、総理のお考えをまずはお聞かせいただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
  575. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 今回、決裁文書書換えによって行政全体に対する国民皆様の信頼を揺るがす事態となっており、行政の長として責任を痛感をしているところでございます。当然、大変重要な問題でございますから、この予算委員会において議論になることは当然であろうと思います。そのことによって大切な予算中身について議論が余りされていないという状況について、今委員から御指摘がございました。そのことについても私も責任を感じているところでございまして、一日も早く全容を解明し、二度とこうしたことが起こらないようにしっかりと対応していきたいと、このように決意をしているところでございます。
  576. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  私も残念でございますけれども、しっかり今日は事実の確認もさせていただきたいと思います。  三月十二日、決裁文書書換えというものが、私ども報告をいただきました。実はその二日後、三月十四日に、一部が削除されていたということも報告されました。この一枚、ぺら紙がなくなってしまった、削除されてしまった日時はいつなのか、教えていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
  577. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  三月十二日に報告をした後、三月十三日に、翌日にもう一件御報告をさせていただきました。それは、今回の書換えが行われたという説明をしております平成二十九年の二月下旬から四月ということではなくて、その約二年近く前の平成二十七年に、二十七年四月の決裁のものから二十七年六月にその一枚を抜き取っておったというお話でございます。誠に申し訳ありません。
  578. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  その抜き取られてしまったとき、平成二十七年というのは、籠池氏にまつわる問題というものは国会で議論されていたかどうか、教えていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
  579. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  全く、国会では議論されているということでは全くございません。
  580. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  だから問題なんです。国会で問題になっていなくてもそれを抜き取った人がいる。じゃ、それが誰なのか、その理由は何なのか、教えていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
  581. 太田充

    政府参考人太田充君) この件は、近畿財務局の中において近畿財務局の職員が行ったというものであります。本省は一切知らなかったというものでございます。  委員の御指摘はもう一つ、何でその一枚抜取りが行われたかということでございますが、大変申し訳ないことですが、森友学園側の方から開示請求がなされた関係で、部内の賃料、当時賃料を検討しているんですが、それを相手方、森友学園側に示すことで今後の様々な交渉に影響を与えかねないというふうに考えてそういう間違った行動をし、削除をしてしまったということでございます。一枚抜き取ってしまったということでございます。
  582. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  今のを聞いていても、あしき習慣があったんではないかと、これ国民皆様方に思われても仕方がないと思うんですけれども、いかがでいらっしゃいますでしょうか。そういう習慣があったんでしょうか。自分たちに都合が悪くなってしまうと、何か改ざんをしたり書換えをしたり、若しくは抜き取るということがあったんでしょうか。お願いいたします。
  583. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  今回、その十四件の決裁文書書換えという、もうとてもあってはならない、想像を超えるようなあってはならないことをやってしまっている身が、その二年ほど前に一枚こういうことが別の場所とはいえ起きている中で、これは我々として今の御質問には、いや、そんなことはありませんとお答えをしたいし、心底そう思って答えるんですが、そう幾ら答えても、それは今の状況で誰にも信じていただけないというのは本当にそう思っています。  これから先、我々は、もうそうはいっても、そうではないと信じてもらえるようにするために、それは何としても努力をしないといけないということだと思っております。
  584. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  この森友問題で分からないことというのはたくさんございますけれども、分かっていることが一つございます。それは、政府として公文書管理の在り方というものをもう一度見直していかなければならないということでございます。  今日は、国立公文書館長加藤館長にお出ましいただきました。まさに、この国の公文書の管理につきまして、専門家の見地から様々御意見をいただきたいと思っております。  まず、加藤館長にお尋ねをさせていただきます。公文書管理が極めて今関心が持たれているこの中で、公文書管理の現状について御紹介いただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
  585. 加藤丈夫

    参考人加藤丈夫君) 加藤でございます。  今の公文書管理法が施行されて七年がたちましたが、運用上不十分な点も起こっておりますので、現在、内閣府でこの運用上のガイドラインについての見直しを進めております。例えば、保存期間一年未満の文書の取扱い、あるいは各省庁における文書管理者の設置など、こういう見直しによりまして、今後、公文書管理のレベルはかなり向上するだろうというふうに思っております。  ただ、作成される文書が重要であるかどうかというのは、ガイドラインというのは主に事務手続をきちっとするというものでございまして、その重要性というのは文書の価値判断に関わる問題でございます。したがいまして、今後は、公文書管理の担当者に対して、法律やガイドラインの内容をよく理解していただくと同時に、この公文書とはどういうものか、公文書の意義についてしっかりとした研修をしていく、このことが重要だと思っております。
  586. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  国立公文書館というものは、まさに国の根幹を揺るがすともかかわらない、そういう公文書というものを長年保存し、そして管理をしてくださっておりました。  そこで、お尋ねをしたいと思います。  先ほども研修というものを一つ例示していただきましたけれども、今後、更にこの公文書というものの管理を、水準を高めるためには、ほかに何か御提案ございましたらお願いいたします。
  587. 加藤丈夫

    参考人加藤丈夫君) 今、公文書の重要性ということについては価値判断の問題があるということを申し上げましたけれども、現在、国立公文書館もそうですけれども、全国に九十か所ある公文書館では、この公文書の価値を判断する目利きの存在、公文書管理の専門家、アーキビストといっておりますけれども、この絶対数が不足しておりまして、それがかなり深刻な問題になっております。したがいまして、この文書管理の専門家、アーキビストの育成ということが喫緊の課題であるというふうに考えております。
  588. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  私もいろいろ調べておりましたら、海外の様々な事例の中で、このアーキビストの皆様方が官庁に入り、そしてしっかりこの公文書の管理というものを徹底してくださっているような実態も分かってまいりました。  そこで、館長、いかがでございますでしょうか、その海外の事例なども引き合わせまして、この日本の今の水準というもの、もしこういう事例で日本も管理していったらいいんではないかという御提案ございましたらいただきたいんですけれども、よろしくお願い申し上げます。
  589. 加藤丈夫

    参考人加藤丈夫君) アーキビストの数の比較で申しますと、現在、私どもの国立公文書館には約百八十名の職員がおりますけれども、この中で文書管理の専門家と言っていいアーキビストは約三十名でございます。これに対しまして、先進国であるアメリカの場合には三千名のアーキビストがおりますし、イギリスでも六百名、近年では、中国、韓国等でもアーキビストの育成には積極的に取り組んでおります。  一番の問題は、日本においてアーキビストという職業が、図書館における司書とか、美術館、博物館における学芸員のように専門的な立場として確立されていない。この専門性をどのようにして確立していくか。できれば国家的な資格としてしっかり専門性を認めてあげることが必要だと思いますけれども、これは、これからの長い取組になると思いますけれども、避けて通れない対策だと考えております。
  590. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  館長、そのように公文書の管理に関する専門家というものが更にこの日本で育成されてくることがございましたら、例えば、今回のような形で様々、原本がどこにあるか分からない、そして一年未満だからといって破棄されてしまったようなこともございました。そういうことというのが予防できる可能性ございますでしょうか。御意見いただけますか、お願いいたします。
  591. 加藤丈夫

    参考人加藤丈夫君) 今申し上げました専門家としてのアーキビストというのは、そういう文書の作成、保存、管理、それから公文書館への移管、公開に至る一連の作業についての専門知識を持った人たちですので、この人たちがそれぞれの部署に責任を持って配置されれば、今起こっている問題といいましょうか、今御指摘のあった問題についてはかなりの部分が解決できるというふうに考えております。
  592. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  総理にお尋ねしたいと思います。今、専門家として加藤館長からいろいろお話しいただきました。やはりこういう問題というものを政府として積極的に関わりながら解決をしていくという姿勢ございますでしょうか。御意見いただきたいと思います。
  593. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 公文書の管理について私も余り詳しい方ではございませんが、この公文書の管理をしっかりやっていこうという議員連盟もあると承知をしておりますし、今、薬師寺委員からも御指摘をいただき、また館長からも答弁があったところでございまして、我々も十分に参考にさせていただきたいと、このように思っております。
  594. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  館長からもございましたけれども、我が国のこの公文書の管理の水準というものはかなり遅れているということが分かってまいりました。だから、今回のこの問題というのは氷山の一角でありまして、次から次へともしかしたら様々な事例が出てくるかもしれません。今、各官庁におきまして、省庁におきましても、こういうことがあってはならないということでもう一度管理の状況などを調査してくださっているとも聞き及んでおります。ですから、今後のことを考えましても、再発防止というものはしっかり私ども検討を続けていかなければならないと思いますし、スピーディーにできるものは即座に解決をしていってほしいと私は願っております。  そこで、財務大臣にお尋ねをしてみたいと思います。  このような様々な御意見いただきました。財務省の信頼というものは、本当に残念なことながら今大変な状況にございます。この一連の流れにつきまして、多分様々な思いもあるでしょう。しかし、私、調べてみましたら、公文書管理法、それは麻生政権で成立をしている法律なんです。だということは、それなりの思いも私は大臣にあるのではないかと思います。ですから、どのように信頼を回復していらっしゃるおつもりなのか、聞かせていただけますでしょうか。よろしくお願い申し上げます。
  595. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 二つ御質問をいただきましたけれども、まず、これはもう最初の、後段の部分ですけれども、やっぱり一番の肝腎なところは、決裁が押された、決裁の判が押された文書というものを、いわゆる公文書になりますけれども、それを書き換えるということ自体がふざけた、ふざけたというかゆゆしき事態なんであって、こういったようなことが現実問題、普通、役人の倫理観とか道徳観とか常識とかいうものがあれば起きるはずがないものが起きたということが一つ大問題なのであって、そういった意味では、これをどうするかということに関しましては、原因究明、同時に再発防止、もって信頼の回復ということになろうと思います。その点に関しましては我々は真剣にこれは取り組まねばいかぬ大事なところです。  もう一点、アーキビストという、国立、何ですか、司書というんですかね、そういう、正確な日本語はちょっと知りませんけれども、こういうものは、国立公文書館というものは、普通、どこにあるといって知っている人ほとんど、国会議員の方でも余りおられないんですな。これは随分長いこと取り組まさせていただいて、今少しずつでき上がりつつあるときになったんですが、日本の場合は、多分、薬師寺先生、これ歴史的に、岩倉具視という方が海外に使節団として行かれたときに、西欧諸国で少なくとも図書館とか絵画館とか国会とか中央銀行とかいろんなものを見学されて、それなりに明治の時代に持ち込まれて、それを必死になってつくられていったんですが、公文書館というのは見なかったんですね、あのとき。したがって、公文書館があるということすら知らなかった、長く。結果としてそういったものがきちんとできなかったのがそもそもの生い立ちなんだと、私どもにはそう思います。  私もこれ、そんなに詳しく知っていたわけじゃないので、この公文書館をきちんとしないと文書がとてもじゃないことになるという話から、私ども、マイクロソフトを使うとかいろんなことを考えさせていただいた時代があったんですけれども、そのときに私どもは、これをきちんとやらないと、これからどんどんどんどん横文字の資料も増えてくる等々、膨大な資料になりますので、それを小さなものにする技術がありますので、そういったものを使えば今の場所の中でもうまいこと収められるだけの技術は可能なので、要はそれに付け予算やらという話をさせていただいて、随分長いこと掛けて、少なくとも今は形ができ上がりつつあるところまで来たと思っておりますが。  これも一つの答えなんですけれども、その前の段階として、個人の持っている資質、個人の持っている倫理観とかそういったところもきちんとしたものをつくっておかないと、こういったことが起きないという前提で役人のシステムというのはでき上がっていると思いますので、私どもとしては、そういったことが起きましたので、私どもとしてはそれにきちんと対応する制度、同時にまたこちらのもの、公文書館等々のものを含めまして、そこに要します人数、膨大な人数が要ると思いますけれども、そういったものを含めてやっていく必要があろうと、そういうふうに考えております。
  596. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  まさにそのとおりですよね。ハードとソフトと両面でしっかりと今回のことの反省を基に制度というものを構築していかなければならない、これはもう誰しもが願うところだと思います。  かつ、様々な省庁にわたりましても多分同じようなことが起こっているかもしれません。総理、是非そこの調査というものをまずはしていただけますでしょうか、公文書管理の方法について。もし、そこで改ざんが行われても分からないよというような管理の方法でしたら、徹底的に、早急に策を打っていただきたいんですけれども、総理の御意見いただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
  597. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 今回のことにおいて重要なことは、しっかりと全容を解明して明らかにしていくということと、もう一点は、今、薬師寺委員が御指摘になったように、なぜこうしたことが起こったかということを全容を解明した段階において、二度とこうしたことが起こらないようにしていくということであろうと思います。これは、一財務省ではなくて行政全般に対する不信を招いておりますので、その意味におきまして、決裁文書についてしっかりと、このようなことが二度と起こらないような対応を取っていくということについてもしっかりと検討していかなければならない、対応していかなければならないと考えております。
  598. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  これは、政府の信頼だけではなく、やはり私ども政治家の信頼にも関わっておりますので、この公文書というものにつきまして政府として真摯に取り組んでいただきたいと思っております。  そこで、財務省皆様方、今本当に日々日々時間を忘れながら、寝食を忘れながらこの問題の解決に取り組んでくださっております。一部では痛ましいような話も報道なされました。  私も医師でございます。今日、太田局長も様々御答弁いただいておりますけれども、やはりしっかりといい結果を残していただくためにも、心のケア、徹底していただく必要があると思います。責めればいいというものではないと思います。官僚の皆様方でも人間です。責められるだけでは心身すり減ってしまいます。ですから、是非ここは大臣にそういうケアも徹底するぞというふうに号令を掛けていただきまして、安心して仕事をしていただくような環境も提供していただきたいんですけれども、大臣、いかがでいらっしゃいますでしょうか。お願いいたします。
  599. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) ありがとうございます。  財務省として、調査も当然のこととしてしっかりいたす決意なんですが、捜査当局による捜査への影響も十分留意しながらということは、これは当然なんですが、今回のようなことによって、これは財務省職員全体、ひいては霞が関におります者、国家公務員全体につきましてもこれは信頼が大きく損なわれたという面は否めぬ事実なんだと思っております。  したがって、それが職員全体の士気にも関わってくることになりますし、また、いろんな意味で、メンタルという言葉が最近よく使われますけど、心の対応というものにつきましても配慮が必要だという職員も出てきているという感じを私どもも持っておりますので、去る三月の十五日でしたか、事務次官以下、私ども幹部クラス集めて私どもとして訓示をしたときに、いわゆるきちんとした対応、今後の対応、原因究明プラス、同時に職員の、自分の下におります課長よりもっと若い人、そういった中級職含めまして、そういった者に対して心身の負担の気を遣ってもらいたいという話を訓示をさせていただいたところなんですが、いずれにしても、悩んでいる職員の相談に応じるカウンセラーを配置しているところでもありますけれども、これらを活用してメンタル面というものを十分に対応しておかないと更なる悲惨なことになりかねぬというのを私どもとしても注意しておりますので、お気遣いいただきましてありがとうございました。
  600. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  やはりこういうことというのは専門家でなければ分かりません。中途半端なカウンセリング若しくは中途半端なヒアリングということになってしまうと更なる被害を生んでしまう可能性もございますので、しっかりとした専門家をまた新たに私は配置をしていただきたいと思うんですけれども、大臣、御意見いただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
  601. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 検討させていただきます。
  602. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  私どもも、これから議論が進んでまいります。しかし、今日もいろいろございました。やり取りをするというのは、真実を明確にする上でとても大事なことなのかもしれません。この国会では事実というものを明らかにしなければならない。だから、ついつい声もあらがってしまうような場面も出てくるかもしれません。しかし、人間対人間です。信頼関係の中で仕事をしているということも私どもは忘れてはならないのではないかと思っております。ここは決して人を裁く場ではありません。ですから、私もしっかり議論をこれからも続けていきたいんですけれども、是非先生方にも言動にも御注意いただきたいと思います。  いろいろ問題がこれから明らかになってまいります。私は、来年度の予算についてしっかり議論がしたい、それが願いです。国民もそれを願っております。それによって自分たちの生活がどう変わっていくのか、それを私ども国会議員に求められている使命だと思っておりますので、是非、今後とも真摯な議論続けてまいりますので、よろしくお願い申し上げます。  以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
  603. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で薬師寺みちよ君の質疑は終了いたしました。(拍手)  これにて公文書管理行政在り方等に関する集中審議は終了いたしました。  速記を止めてください。    〔速記中止〕
  604. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 速記を起こしてください。     ─────────────
  605. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) この際、平成三十年度総予算三案の審査の委嘱についてお諮りいたします。  本件につきましては、協議の結果、次のとおり決定いたしました。  一、審査を委嘱する委員会及び各委員会の所管は、お手元に配付のとおりとする。  一、審査を委嘱する期間は、特別委員会については三月二十二日の一日間、常任委員会については三月二十三日の一日間とする。  以上でございます。  ただいま御報告いたしましたとおりとすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  606. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次回は明二十日午前九時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十四分散会