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2018-03-16 第196回国会 参議院 予算委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成三十年三月十六日(金曜日)    午後一時一分開会     ─────────────    委員の異動  三月十五日     辞任         補欠選任      中西  哲君     朝日健太郎君      藤木 眞也君     舞立 昇治君      伊藤 孝恵君     杉尾 秀哉君      石橋 通宏君     白  眞勲君      井上 哲士君     武田 良介君      山添  拓君     大門実紀史君      山本 太郎君     福島みずほ君      福山 哲郎君     川田 龍平君  三月十六日     辞任         補欠選任      平野 達男君     佐藤  啓君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         金子原二郎君     理 事                 石井 準一君                 宇都 隆史君                 高野光二郎君                 二之湯武史君                 丸川 珠代君                 川合 孝典君                 難波 奨二君                 横山 信一君                 辰巳孝太郎君     委 員                 青山 繁晴君                 朝日健太郎君                 有村 治子君                 上野 通子君                 太田 房江君                 こやり隆史君                 佐藤  啓君                 島田 三郎君                 滝沢  求君                 中泉 松司君                 中野 正志君                 舞立 昇治君                 松川 るい君                 元榮太一郎君                 山田  宏君                 吉川ゆうみ君                 和田 政宗君                 渡邉 美樹君                 大島九州男君                 大野 元裕君                 小西 洋之君                 杉尾 秀哉君                 白  眞勲君                 藤田 幸久君                 熊野 正士君                 杉  久武君                 竹内 真二君                 三浦 信祐君                 大門実紀史君                 武田 良介君                 浅田  均君                 片山 大介君                 福島みずほ君                 川田 龍平君                薬師寺みちよ君    国務大臣        財務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣(金融)        )        麻生 太郎君        総務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣男女共        同参画、マイナ        ンバー制度))  野田 聖子君        法務大臣     上川 陽子君        文部科学大臣        国務大臣     林  芳正君        厚生労働大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣拉致問        題))      加藤 勝信君        経済産業大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣(原子力        損害賠償廃炉        等支援機構))  世耕 弘成君        国土交通大臣        国務大臣     石井 啓一君        国務大臣        (内閣官房長官) 菅  義偉君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣沖縄及        び北方対策、消        費者及び食品安        全、海洋政策)        )        福井  照君    副大臣        外務大臣    佐藤 正久君        財務大臣    木原  稔君        厚生労働大臣  高木美智代君         ─────        会計検査院長   河戸 光彦君         ─────    事務局側        常任委員会専門        員        小野 亮治君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       原  邦彰君        内閣大臣官房        審議官      田中愛智朗君        内閣地方創生        推進事務局長   河村 正人君        消費者庁次長   川口 康裕君        法務省民事局長  小野瀬 厚君        外務大臣官房参        事官       長岡 寛介君        外務大臣官房参        事官       志水 史雄君        財務省理財局長  太田  充君        文部科学省初等        中等教育局長   高橋 道和君        厚生労働省老健        局長       浜谷 浩樹君        経済産業大臣官        房審議官     小瀬 達之君        経済産業省商務        情報政策局商務        ・サービス政策        統括調整官    江崎 禎英君        国土交通省航空        局長       蝦名 邦晴君        防衛省防衛政策        局長       前田  哲君        防衛省整備計画        局長       西田 安範君    説明員        会計検査院事務        総局事務長官        房審議官     宮川 尚博君        会計検査院事務        総局第三局長   戸田 直行君     ─────────────   本日の会議に付した案件平成三十年度一般会計予算内閣提出衆議院  送付) ○平成三十年度特別会計予算内閣提出衆議院  送付) ○平成三十年度政府関係機関予算内閣提出、衆  議院送付)     ─────────────
  2. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  平成三十年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。  本日は、一般質疑を八十分行うこととし、各会派への割当て時間は、自由民主党こころ十四分、民進党・新緑風会二十七分、公明党十一分、日本共産党九分、日本維新の会七分、希望の会(自由・社民)四分、立憲民主党四分、無所属クラブ四分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。     ─────────────
  3. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 平成三十年度一般会計予算平成三十年度特別会計予算平成三十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  これより質疑を行います。松川るい君。
  4. 松川るい

    松川るい君 委員長、ありがとうございます。自由民主党こころ大阪選出松川るいでございます。本日は質問の機会をいただき、誠にありがとうございます。  まず、与野党そろっての質疑ということで、第一委員会室はやはりこうでなければならないと思っているところです。よろしくお願いいたします。  そして、本題に入ります前に、やはり森友問題について一言申し上げさせていただきたいと思います。  決裁後の文書国会提出前に書き換えられるというのは言語道断でありまして、しかも、それが省庁の中の省庁である財務省が行ったということは大きなショックでありまして、国民国会への冒涜だと思いますし、これは与野党問わず徹底解明をしていきたいと考えます。  ただ、私は、この削除文書の箇所を全国民の皆さんに読んでいただきたいんです。隠す必要のあることなんか一つも書いていない。むしろ、この削除された部分を読めば、籠池さんという詐欺的傾向のある人が無理筋の要求をどんどんと積み重ね、しかし、財務省が法令を守るために必死にこれを首の皮一枚で防戦した様子が分かるんです。  これ、申し訳ありません、一年間ここで何をしてきたのかという気持ちになるわけですけれど、政治の介入とか政治家へのそんたく、そんな話じゃないんです。これは、役所の中でよく言う筋悪案件なんです、本当に。  これは、この一年の国会、そして、総理から始め閣僚の皆様もです、費やした時間が一体何だったのか、国益をどれだけ害したのかについて財務省は深く反省をしていただき、そして、このカルチャーを変える解党的な、解党じゃない、済みません、解体的なもう決意を持ってこの組織文化を変えていただきたいということをお願いいたします。  まず最初に、私の愛する地元大阪から、大阪万博について質問させていただきます。  十日前に、万博博覧会事務局BIE視察に来られ、私も万博議連のメンバーとして誘致、発言をさせていただきました。そして、ここで強調したいのが、大阪万博、名前は大阪が付いておりますけど、別に大阪関西のためじゃないんです。日本全体にとって重要だということです。東京オリパラ後の日本経済を牽引し、そして東京一極集中を解消する、そういう意味もあります。ただ、万博のメリットは一般の方にはなかなか分かっていただけない、そういうところもあります。  そこで、傑出した説明力をお持ちの世耕大臣から、万博誘致の意気込み、そしてまた、どのような経済効果をもたらすかにつきましてお話をいただきたいと存じます。
  5. 世耕弘成

    国務大臣世耕弘成君) 過去、日本は二〇二〇年に東京オリンピック・パラリンピックが予定されているんですが、過去の開催国経済を見ていますと、やはりオリンピック終わった後、経済に少し勢いがなくなるという傾向があるわけであります。  今非常に日本景気状況悪くないわけでありますけれども、オリンピック後のことも考えなければいけない。そのときに、二〇二五年に大阪万博が開催するという新たな目標ができますと、いろんな意味で、もう気持ちの面が非常に大きいと思いますけれども、経済の活力を維持することにもつながるんじゃないかというふうに思いますし、世界中からいろんな方がお見えになりますので、そこで日本の企業ですとか産品とか、そういったものもPRすることができるというふうに思っておりますし、何よりも万博をきっかけに観光客が増大する。特に、大阪関西の場合は、大阪の単独の町だけではなくて、京都、神戸、奈良、さらに和歌山という、いろんな特徴を持った町が連携している地域でありますから、観光魅力も非常に強いんではないか、もちろん滋賀も入ってくるわけでありますけれども。  今、開催計画においては、大体二千八百万人のこの万博への来場というのを予定しておりますし、経済波及効果は二兆円ぐらいというふうに見込んでいます。  今、四か国、四つの町が立候補していたんですが、パリが立候補を取り下げました。ただ、残るロシアのエカテリンブルクとアゼルバイジャンのバクーと今激しい競争を繰り広げているという状況であります。  私ども全力投球でやっておりますけれども、先週五日から九日にかけて、この博覧会国際事務局BIE調査団が来日をいたしました。日本万博開催計画実行可能性、あるい地元の盛り上がりといったことを審査をいただきました。総理経済界、そして超党派議連との意見交換なども行われました。その議連との意見交換では、松川議員も三か国語を駆使して対応していただいたという話を聞いておりました。さらに、大阪へ入ってからは、夢洲視察を経て、開催候補地である大阪関西魅力に触れていただいたというふうに思っております。  いろんなことをやったんですが、ライバル国に余り見せたくないのでまだここで申し上げることは控えさせていただきますが、私も国会の御理解をいただいて可能な限り同行をさせていただいて、「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマをどのように実現するかという考え方、政府が全面的にサポートしているということも伝えさせていただきました。結果、調査団長崔BIE執行委員長から、帰り際の記者会見で、日本計画については暫定的ではあるけど良好だという評価もいただきました。  本番は十一月の決選の投票でありますので、それに向けて、気を緩めることなく、何が何でも誘致を成功させるという決意の下、全力で取り組んでまいりたいというふうに思います。
  6. 松川るい

    松川るい君 世耕大臣、本当にありがとうございます。今聞いていた方がいたら、本当にわくわくして、これから大阪万博行くぞという気持ちになったと思います。  私も、大阪世界都市にするというスローガンで当選させていただきました。来年はG20、そして、もう一つ今頑張っているのが百舌鳥・古市古墳群でございます。このユネスコ登録、そして万博が実現すれば、まさに大阪世界都市として日本全体に貢献できる、そういうふうにも思います。引き続き、十一月への勝利に向けて、政府一丸となって走り抜けていただきたいと存じます。ありがとうございました。  さて、本年は明治維新百五十年でございますが、私はそのときと同等以上の大きな激動の中に日本がいると感じております。何より最大震源地は、米中の相対的な力関係変化、そして既存の国際秩序が後退し、力による政治、これが潮流になっているということです。  二〇三〇年には中国米国のGDPを凌駕する見込みであり、憲法改正をして超長期政権となった習近平国家主席は、昨年の共産党大会において、二〇三五年までに軍の近代化を完成、二〇四九年までに世界覇権国となるという趣旨のことを発表しています。  同盟国である米国が、国家安全保障戦略などにおいて、この挑戦に対して自国及び同盟国のために正面から取り組むと言っていることは高く評価したいのですが、しかし、軍事力とて相対的には格差は縮小する方向にございます。この中で、日本の繁栄と、そして平和をいかにして守っていくのかということが日本最大課題だと思います。  今日お配りした資料を見ながらお聞きいただきたいと思うんですが、まず朝鮮半島についてお伺いします。  四月に南北首脳会談、五月に米朝首脳会談との流れです。やはり日本として気になるのは、米国向けの核やICBMは除去するが、日本に到達可能な短距離の核ミサイルは保有を事実上認めるとか放置されるといったことがあっては困るということでございます。  これ、どのようにして北朝鮮日本に対して脅威となる核ミサイルを除去していく方針なのか、お伺いしたいと存じます。
  7. 佐藤正久

    ○副大臣佐藤正久君) 松川委員にお答えいたします。  北朝鮮が、昨年、国連安保理決議違反をしまして、弾道ミサイル、これを、中距離あるいICBM級のものを幾度も発射しました。また、核実験も繰り返しました。このような行為は絶対に容認できないという考えであります。その意味で、朝鮮半島非核化なくして日本を含むアジア太平洋地域の安定はないというふうに考えます。  今般、北朝鮮非核化に向けた動きを示してきたこと、これはこれまで日米韓が連携して最大限の圧力を掛けてきた成果だというふうに考えます。その意味で、韓国政府動き、これを評価したいと思います。ただ、現時点として、非核化の意思は示したものの、行動は一切起こしていないという状況です。  よって、日米韓三か国が連携して、北朝鮮の完全な、検証可能な、かつ不可逆的な方法で核、ミサイルの放棄を実現するため、南北米朝首脳会談等を通じて北朝鮮から具体的な行動を求めていく考えであります。同時に、それまでの間、日米同盟米韓同盟の下で米軍前方展開を確保して、米軍抑止力、これをもって我が国を含む地域の安全を確保することが必要不可欠だというふうに考えます。
  8. 松川るい

    松川るい君 ありがとうございます。  まさに北朝鮮変化日米変化であり、また一方では、核、ミサイルが一定程度関係したということもあるかなというふうには思っております。  もう一つの心配は、拉致問題が置き去りにされないようにするということなんですけれども、これ、米国に訴えるとしても、最後は日朝で解決しなければならないと思います。いずれかの時点で日朝協議考えていただきたいと思います。こうしたことを考えても、安倍総理の四月初旬での訪米は極めて重要でございまして、この難しい時期に世界の中で存在感があり外交力のある安倍総理がリーダーでよかったなと私は非常に思っています。  また、今回の危機は、これまでと違い、朝鮮半島の形が変わるような事態もあり得るように思います。古来、日本にとって朝鮮半島安全保障上非常に重要な場所でありまして、日本が確保すべきもうちょっと中長期的な、ストラテジックな目標は何だとお考えでしょうか。
  9. 佐藤正久

    ○副大臣佐藤正久君) お答えいたします。  朝鮮半島、これは非常に日本にとって地政学上も重要な地域でございます。ただ、かといって、その関係というものは経済的な分野だけではなく、政治的あるい文化面歴史面でもいろんなものがあります。  そういう状況を踏まえまして、いかにしてその地域を安定を図っていくか、これについては、アメリカあるいは韓国含めたこの同盟の中でしっかり整えていく、あるいは、場合によっては、このアジア太平洋地域地域枠組み、あるい国連国際社会枠組みを得ながらいかにしてその安定化を図っていくか、まさに二国間、あるい地域、あるい国際社会の中で、そういう枠組みの中でこの安定化を図っていくということが必要だと考えます。
  10. 松川るい

    松川るい君 ありがとうございます。  おっしゃるとおりだと思いますし、私、また中長期的には、日本にとっては、朝鮮半島において大事なのは米韓同盟が維持されることだと思っております。在韓米軍のおかげで日本の事実上の防衛ラインは三十八度線ですし、歴史上も白村江の戦いからずっと日本はここに、日本に接する部分に、ここ見ていただいて分かると思うんですけど、本当にそばなんです。フェリーで釜山とそれから福岡は三時間しか離れておりません。ここが敵対的勢力によって占められないことを、これをずっと日本安全保障の根幹としてやってまいりました。  米国の関与のない朝鮮半島というのは、やっぱりどうしても、この先の趨勢考えますと、中国影響下に置かれることになって、これは日本にとっては結構難しい状況じゃないかと思います。そして、南北緊張関係緩和は大変結構なことだと私は思うんですけど、今後の展開によっては米韓同盟が揺らぐ可能性は大いにあると思います。むしろ、中長期的にはその趨勢であることを覚悟しなければならないとすら私は思っておりますが、ここはやはり外交努力でございます。是非、強い米韓同盟、そしてこれ、日米韓の連携にも大変重要ですので、最大限努力をしていただきたいと思います。  さて、喫緊の課題北朝鮮なんですけれども、やはり中長期的には何といっても日本外交最大課題中国とどう付き合っていくかということだと思います。  そこでお伺いします。日中関係の改善の機運が高まる中、中国は、本年一月に初めて潜水艦尖閣諸島接続水域に潜航したまま航行させ、そしてまた対馬上空、今まで来たことがなかったところです、ここに軍用機を飛行させております。これ、どのような意図と分析しておられますか。  私は、北極航路、これが解けて通過できることも念頭に、日本海を内海化することを狙っているんじゃないのかなという気がしております。そうすると、これは私の仮定ですけど、今後、対馬ですね、まさに日本海中国が出ていく出口にあります。これが戦略的に極めて重要な場所となってくると思いますが、御見解はいかがでしょうか。ちょっとまとめてお伺いします。
  11. 前田哲

    政府参考人前田哲君) お答えいたします。  中国は、強固な国防と強大な軍隊建設、これを国家近代化建設のための戦略的な任務であると位置付けており、国力の向上に伴い軍事力も発展させていく考えであると見られます。具体的な目標として、先ほど委員も御指摘になりましたが、昨年十月に開催された中国共産党の党大会におきましては、二〇三五年までに、国防、軍の近代化を基本的に実現、そして今世紀中葉までに中国軍世界一流軍隊にすると、このように発表しているわけでございます。  実際に、中国は、継続的に高い水準で国防費を増加させ、透明性を欠いたままで海上・航空戦力を中心とした軍事力を広範かつ急速に強化をしております。その一環として、中国は、周辺地域への他国の軍事力の接近、展開を阻止をする、そして当該地域での軍事活動を阻害する非対称的な軍事能力、これはいわゆるA2AD能力と言われるものでございますが、これの強化に取り組んでいるものと見られます。  さらに、中国は、東シナ海、南シナ海を始めとする海空域などにおいても、質、量とも活動を急速に拡大、活発化をさせています。具体的には、委員も御指摘になりました、一月には中国海軍潜水艦及び水上艦艇、これが尖閣諸島接続水域を同日、同じ日に航行いたしております。また、中国軍日本海における活動、これも活発化をしておりまして、例えば、昨年十二月には中国軍戦闘機、これ初めて日本海進出をしておりますし、本年二月には軍用機対馬海峡を越えたんですが、このとき西水道、すなわち対馬朝鮮半島側ですね、ここを初めて通過する、こういった事象が確認されています。  また、御指摘になりましたが、北極の話でございますけど、中国は一九九九年以降、計八回にわたって、極地科学調査船雪竜というものがございますが、これを利用した北極科学観測を実施しているほか、今年の一月には中国北極政策白書というものを発表するなど、北極海に対して積極的に関与する姿勢を示しております。二〇一五年の八月でありますが、北極海と太平洋の間に位置するベーリング海における中国海軍艦艇の航行が初めて確認をされています。中国海軍による将来的な北極進出との関連に注目しなければならないと思います。  このように様々な事象が起こっているわけでございますが、対馬海峡、御指摘のとおり、東シナ海日本海を結ぶ重要な交通路でございます。朝鮮半島にも近く、先日も中国情報収集機対馬海峡を通過して、申し上げましたように、日本海進出するといったことがあるわけで、国の防衛を検討する上で重要であると考えてございます。  我が国領土、領海、領空を断固として守るという観点から、引き続きこうした我が国周辺海空域における警戒監視活動に万全を期してまいるとともに、各種事態に適切に対応できる体制を取ってまいりたいと、このように考えてございます。
  12. 松川るい

    松川るい君 ありがとうございます。是非問題意識を持って取り組んでいただきたいと思います。  地図を見ていただいたら分かるんですけど、この北極海解けますと、北極航路が通れば、これ、マラッカ海峡がいわゆる我々日本のストラテジックポイントと言っていますが、北にも一つできてしまうんです。なので、日本海はもうシーレーンだと思わなければならないということを私は将来的に是非考えていただきたい。  対馬は沖縄と同じぐらい戦略的に重要な場所になります。その対馬だけでなく、北海道や沖縄、無数の島嶼を始め国境地帯を我が国は海の国ですから形成しているわけですけど、これは安全保障上とても大事な場所です。  また、安全保障の話をすれば、国境地帯だけではなくて、防衛施設の周辺であったり水源地なども大事な場所だと思います。  しかし、日本には、安全保障の観点から問題となるような土地所有を制限する法律が全くありません、外国人であろうとなかろうとです。誰でも、意図を明らかにせずに、どの土地でも買い放題です。  主要国では、安全保障上の観点から外国人の土地所有を制限する法律を有していたり、新たに導入する方向だと承知しています。各国どのような対応を取っているのか、教えていただけますか。
  13. 長岡寛介

    政府参考人(長岡寛介君) お答えいたします。  政府として、現時点で必ずしも網羅的に把握しているわけではなく、また、各国における規制の根拠となる法制度や規制の態様等も国ごとに異なってはおりますものの、主要国について把握している範囲で申し上げますと、米国、ドイツ、韓国、中国、ロシアにおいては、自国民、外国人を問わず、軍事施設等の周辺における土地利用に関し何らかの規制があると承知をいたしております。  以上です。
  14. 松川るい

    松川るい君 ありがとうございます。  そのほかにも、豪州やそれからフランス、ニュージーランドにおいてもそういう安全保障の観点からの外国人の土地所有の規制がなされておると私は承知しております。  具体的にお伺いします、一つ例を取って。豪州の外国人土地規制法はどういう仕組みなんでしょうか。
  15. 志水史雄

    政府参考人(志水史雄君) お答え申し上げます。  オーストラリアでは、土地の取得も含め一定額以上の外国投資案件については財務大臣の認可を得る必要があると承知しております。具体的には、外資による資産取得及び企業買収法などに基づき、外国投資審査委員会などが審査を行い、オーストラリアの国益に反する投資案件については財務大臣が不認可とする権限を有していると承知しております。審査の際には、国家安全保障、競争、政府の施策への影響、経済及び社会への影響、投資家の性質などの要素が検討されると承知しております。
  16. 松川るい

    松川るい君 ありがとうございます。  私は、別に外国の方とか外資が土地を取得すること自体が悪いとは全然思っていません。ただ、グローバル経済の中で外資による土地取得や取引が増大化するというのは、これはもう必至なんです。その中に安全保障上問題がある土地取引があるかどうかをチェックする体制すらない、そしてそれが問題があると分かったときに対策すら取れない、この状態が非常に問題だと思っております。  本日は時間がありませんので頭出しにとどめますが、私は、この安全保障上の観点から、土地取引を、又は土地所有を制限する、これができる法制を導入することは日本にとって不可欠だと考えておりまして、実現に向け取り組んでまいりたいと思います。  次に、外交、安全保障について考える際に、地図は今お見せしたんですけど、規模感というのも非常に大事だと思っております。  そこで、お尋ねします。ここは一つの例ですが、日中の間で第四世代、第五世代戦闘機の保有数、海軍力はどうなっているでしょうか。また、防衛費については、ニュージーランドやアメリカの対GDP比率はいかがとなっておりますでしょうか。
  17. 西田安範

    政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。  戦闘機に関しましては、その世代区分について確立した定義があるわけではございませんが、一般的に言われているところを申し上げますと、いわゆる第四世代機につきましては、我が国はF15及びF2、合わせて二百九十三機に対しまして、中国はスホーイ30等、合計で七百八十七機を保有しております。また、第五世代機については、我が国はF35A六機に対しまして、中国は第五世代機との指摘があるJ20を二機保有しているというふうに承知をしております。  ただいま申し上げましたこの保有数につきましては、日本側は平成三十年二月末時点のものであり、中国側はミリタリー・バランス二〇一七によるものでございます。  中国は海上・航空戦力近代化を広範かつ急速に進めておりまして、いわゆる第四世代機については、十年前の保有数はミリタリー・バランス二〇〇七によれば三百三十一機でございました。  また、我が国、それからニュージーランド、中国防衛費のGDP比率ということでございますけれども、各国の発表資料及びIMFの公表資料に基づきまして二〇一六年度の国防費の対GDP比を算出いたしますと、日本は約〇・九%、それからニュージーランドは約一・三%、中国は約一・三%でございます。
  18. 松川るい

    松川るい君 ありがとうございます。  制空権でいくと八百対三百、それからGDP比でいくと、ニュージーランドという非常に平和な国が日本以上に、一・三%、きちんと防衛費を割いて自国防衛をしているということに私は思いを致します。そして同時に、日本だけではなくて、日米同盟なしにはなかなか抑止が難しいということも分かるところでございます。  一方で、私は、中国経済的にはより重要な存在になりますし、きっと、党の巧みで、難しい情報統制といういびつな形ではありますけれども、きっとノーベル化学賞を輩出し、イノベーションがあり、それなりにクールな国になっていくんだろうと思います。  こういう中国とどのような大きな方針で対処していくかをお聞かせください。
  19. 佐藤正久

    ○副大臣佐藤正久君) お答えいたします。  今、累次議論がありましたように、中国透明性を欠いた軍事力強化るい地域における一方的な現状変更というこの試みは、国際社会共通の懸念事項であり、日本としても引き続き注視してまいります。  また、日本の領土、領海、領空を断固として守り抜く、隙のない防衛、警戒態勢というものが大事であり、尖閣諸島をめぐる状況については今後とも毅然かつ冷静に対処していくという方針を安全保障面では取っています。  ただ、一方、本年は日中平和友好条約締結四十周年の節目であります。日本中国はアジアの平和と繁栄に大きな責任をやっぱり共有している国同士ということでありますので、日中関係には隣国の観点で難しい課題もありますけれども、引き続き戦略的互恵関係という考えの下で大局的な観点から協力と交流を進めてまいります。
  20. 松川るい

    松川るい君 まさに大局的観点でお願いしたいということでございます。  日本はよく世界第三位の経済大国と言われますが、第二位の中国とどれぐらい違うのか。二・五倍なんです。そして、更に差は広がると思います。だから、何が言いたいかというと、一衣帯水で引っ越しもできません。私は、中国は、安全保障上警戒しなければならないけれども、一方的に敵視していてはいけない、やはり建設的な関係をつくっていくことは絶対に必要だと思います。ですから、今年の記念すべき年に関係改善、うまい全体的な形でやっていただくこと、そして、中国との中長期的な均衡点を見出していただくことをお願いしたいと存じます。  さて、こうした大きなトレンドを考えますと、安全保障のためには日米同盟に加えて多層的なネットワークが必要でありまして、インド太平洋戦略はその観点でも有効だと思います。  地図を見ていただければ分かりますが、ユーラシア、そしてインド洋に面する西を押さえるインドというのは本当にストラテジックに重要な場所にあります。領土的野心もなく、大変、民主主義国で価値も共有している、才能の面でも補完性があると思います。ということで、インドを私は非常に推しております。  もう一つ大切なのがTPPでありまして、これ、単なる経済連携協定ではなく、海洋国家同盟であるということなんですね。この資料は、私が一昨年十一月のTPP特委の際に力を込めて作った資料でありまして、再登場してもらいました。  インド太平洋戦略もそうですが、オーシャンズ11ことTPP11を実現したのは日本外交の大きな成果だと思います。ただ、海洋国家同盟にアメリカが欠けているのはやっぱり画竜点睛を欠いております。アメリカをどうやって参加させていくのか、方針をお聞かせください。
  21. 佐藤正久

    ○副大臣佐藤正久君) お答えいたします。  最初に、御指摘のありましたインド、インドについては、まさに今、安倍外交の一つの柱でありますインド太平洋戦略、その中で非常に重要なパートナーというふうに考えており、その中でしっかり連携を図っていくということをまずお答えいたします。    〔委員長退席、理事二之湯武史君着席〕  続きまして、TPPの話でございますが、今回署名いたしましたTPP11協定は、二十一世紀型の自由で公平な貿易・投資のルールをアジア太平洋地域に構築するという経済的な意義だけではなく、基本的価値を有する国々が経済のきずなを深めることによって地域の平和と安定を強化するという側面もあります。そういう観点から、米国、非常に重要な役割を、経済的にもあるいは安定という意味でも果たすというふうに思います。  米国はTPPの署名国ではありますが締約国ではありません。その意味で、我々といたしましては、TPP11の早期発効が米国のTPP復帰を促すことにつながると考えておりまして、アジア太平洋地域におけるハイスタンダードな貿易・投資の枠組みの早期確立を図る観点からも、早期のTPP11協定の発効に全力を挙げたいと思います。  最近、トランプ大統領の一連の発言が、TPPの意義とかあるいは重要性の認識を示すものであれば歓迎したいと思っております。我が国といたしましても、米国に対しては引き続きTPPの持つ経済的、戦略的な重要性を訴えてまいりたいと思います。
  22. 松川るい

    松川るい君 ありがとうございます。是非期待したいと思っております。早期発効に向け努力をしたいと思います。  最後に、女性活躍を先頭に立って進める野田大臣にお伺いしたいと思います。  私は、日本は成熟した先進国としてもっと幸せについて正面から取り組むべきだと思っています。  私は、自分の作った言葉なんですけど、ライフスタイル革命と称して、地元にいたときなんかは、働き方とか新しい結婚の仕方とか、いろんなことを提案しております。幸福度の高いライフスタイル、それから女性活躍の観点から、私は日本で真っ先に取り組むべきは男性の実は家事・育児参画の拡大だと思っております。  資料でお配りしましたが、一番最後のページですが、日本の女性は男性の七倍の時間を家事、育児に使っておりまして、これで男性と同じように活躍できるはずがありません。しかも、夫の育児・家事参画の多い家庭ほど第二子以降の生まれる割合がまさに多いわけで、今うなずいておられますが、少子化対策にも、恐らく働き方改革にも、女性活躍にも役立つ一石五鳥なんです。  じゃ、どうやって具体的に男性の育児・家事参画を増やすのかということでいえば、私は既存のベストツールは男性の育児休暇取得だと思います。育休は、パパスイッチを押して、いやが応にもおむつ替えたり家事をしたりする機会がありますから、イクメン、カジメン研修みたいなものだと。ところが、三%しか取っていないんです、日本の男性。若者は取りたいと思っている人多いんですが、なかなか職場の雰囲気がそれを許さないとか、出世に影響するとかいったことがそれを阻んでいる主因です。  男性の育児休業取得、どうやって向上させるか、お伺いしたいと存じます。
  23. 二之湯武史

    ○理事(二之湯武史君) 野田大臣、時間が来ておりますので、簡潔にお願いいたします。
  24. 野田聖子

    国務大臣(野田聖子君) お答えします。  我が国における男性の家事、育児等の参画は、例えば六歳未満の子供を持つ共働き世帯の男性のうち約八割が家事を行いません。約七割が育児を行いません。また、男性家事・育児関連時間は他の先進国に比べて非常に短い。全く十分ではありません。こうした現状は、私たち女性活躍以前の問題になります。すなわち、これからは仕事も家事も育児も男女が分かち合うということが当たり前で、フェアであることが女性の能力の最大限の発揮につながるわけです。  御指摘のとおり、男性の育休取得は、男性の家事、育児の参画を促すためにも極めて重要な取組であると考えていますが、今御指摘のとおり、民間では男性は三%と低迷しています。  この理由は何かといろいろ考え行動するわけですけど、まず、周知はもとより、組織のトップの意識改革が必要です。今の若い人たちは、やっぱり男性、育休取りたいと願っているけれども、直属の上司又は経営者が余りいい顔をしないという話もよく耳にします。    〔理事二之湯武史君退席、委員長着席〕  そこで、先日、女性活躍に積極的に取り組む男性リーダーの会の行動宣言への賛同者拡大に取り組んでいて、このミーティングに出席して、トップの意識改革、上司の意識改革を訴えてまいりました。また、育休を取得しやすい環境整備に取り組む事業者に対しての助成や表彰、また、男性が当事者意識を持って家事、育児に参画するために、内閣府の方でおとう飯キャンペーン、つまり、お父さん、夫、男性自らが子供のために食事を作るという、当たり前のことなんですけどやっていない方が多いので、そのキャンペーンの展開とか、配偶者の出産直後の男性の休暇取得を促進するための広報啓発を行うさんきゅうパパプロジェクトなど、一生懸命取り組んでいるところです。  自民党におきましても、男性の家事参画促進のためにエプロン王子というプロジェクトを取り組んでいると伺いました。大変、メンバーの方いらっしゃいます、是非全員エプロン王子になっていただきまして、まずはやってみる、そして楽しんでみる、そして家族を幸せにする、そういう当たり前な男性の環境の下で私たちも活躍できるような、自然な形での働き方改革を目指していければと思っています。  ありがとうございました。
  25. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 松川君、時間が来ています。
  26. 松川るい

    松川るい君 はい。  どうもありがとうございました。
  27. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で松川るい君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  28. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 次に、白眞勲君の質疑を行います。白眞勲君。
  29. 白眞勲

    ○白眞勲君 民進党の白眞勲でございます。  本来でしたらば、現在様々な課題、例えば北朝鮮情勢や、その他、財政、働き方改革についても質問したいんですけれども、今、この改ざん問題が国会で、ないがしろにされていたのではという状態の中では、この一年間は一体何だったんだと。これ、野党のみならず与党の国会議員の皆様、ひいては国民に対する冒涜なのではないか、そういう事象であるというふうに思っております。  今日は、この森友学園と国有地取引に関する決裁文書改ざんの問題について質問をさせていただきます。  まず、国交大臣にお聞きしたいと思います。  今朝の朝刊に、これ質問通告していないのでしゃべれる範囲内で結構でございますが、森友ごみ報告書は虚偽だったと、「業者証言「書かされた」」という記事が出ております。これは国交省も、今まで提出された写真は、ごみを、写真は確認したというふうに答弁していた部分もあるわけなんですけれども、これについて国交大臣としてどういう認識なのか、お願いします。
  30. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 御指摘の報道があったことは承知をしておりますが、その内容はまさに捜査に関する事項でございますので、私からのコメントは差し控えさせていただきます。
  31. 白眞勲

    ○白眞勲君 もちろん捜査に関することかもしれませんけれども、国交省としてもやっぱりもう一回この件について再調査する必要はあるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  32. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 報道の内容は、まさに捜査において証言をしたかどうかということでありますので、私どもでそのことを調べることは難しいというふうに考えています。
  33. 白眞勲

    ○白眞勲君 まあ難しい。これは今朝の、今朝ですから、まだ、もう一回これはちょっと検討してもらいたいなと私、思うんですけれども。  この決裁文書について、国交省から財務省と官邸に、これ大臣が三月五日に報告したと記者会見で述べておられますけれども、改ざんされた可能性があったと思ったとき、どう感じましたか。
  34. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) これは事実関係をやっぱり早急に解明をしなければいけないというふうに思いました。
  35. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうなんですよ。だから、事実関係を解明しなきゃいけない、早急に。であるならば、ごみもそうするべきなんじゃないんでしょうか。
  36. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) ごみは見積りでございます。ごみは見積もったもの、どれぐらいあるかということを見積もったものでございます。なおかつ、現在、当該建物また土地については、建設業者が建物については所有権を主張し、土地については、ちょっと今名前はど忘れしましたけど、まあいずれにしろ占有しているという状況でございますから、直ちに調査するのは難しい状況ではあります。
  37. 白眞勲

    ○白眞勲君 国交省にお聞きしますけれども、これ、改ざんされたと見られる文書というかな、そういったものというのは、これ、官邸とそれから財務省にどの文書を報告したんでしょうか。
  38. 蝦名邦晴

    政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。  三月十二日に財務省において書換えがあったと公表されたもののうち、貸付決議書につきまして、私どもの債権発生通知と呼ばれるところに添付しておりました。しかしながら、貸付決議書につきましては、書換えがあったとされる部分のうち、その添付書類であります調書と契約書等の再作成の部分であると承知しておりますけれども、調書のうちの経緯部分が添付されておりませんでした。したがいまして、私どもに三月十一日に書換えがあったと公表された文書に関しましては、国土交通省が保有していた書換え前の文書は、貸付決議書のうちの経緯の部分を除いた調書と契約書等の再作成についてというところでございます。
  39. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、別に、僕が聞いているのは十四文書だけじゃないんです。つまり、財務省に出した文書はどれだったんですか。どういう内容の文書、全部それちょっと言ってくれませんか。
  40. 蝦名邦晴

    政府参考人(蝦名邦晴君) 十四文書のうち、国土交通省が保有していた書換え前の文書というのは、貸付決議書のうちの経緯の部分を除いた調書と契約書等の再作成についてというところでございます。
  41. 白眞勲

    ○白眞勲君 済みません、ちょっと言っていることがよく分からないんですけれども。これ、財務省から十四文書が出ているんですね。表があると思うんですけれども、そのうちの何番目と何番目か教えてください。
  42. 蝦名邦晴

    政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。  一番目と二番目にあります貸付決議書のうちの一部ということでございます。
  43. 白眞勲

    ○白眞勲君 ありがとうございます。  そうすると、この三番目から十四番目は持っていないんですか。
  44. 蝦名邦晴

    政府参考人(蝦名邦晴君) はい、そこは持っておりません。
  45. 白眞勲

    ○白眞勲君 よく私も分からないんですけど、この資料二を皆さん見ていただきたいと思うんですけれども、そこに一番下に、資料二、三分の一という、その一枚目、資料二です、資料二。資料二の方の一番下に所属会計といって、自動車安全特別会計って書いてあるんですよね。ということは、これ国交省の方じゃないのかなと私は思うんですけれども、これは国交省は持っていないんですか。
  46. 蝦名邦晴

    政府参考人(蝦名邦晴君) 三番目の売払決議書の調書と言われる部分は添付されておりませんでした。
  47. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、今、一番目、二番目しかないと言って、何で今度また三番目があるんですか。
  48. 蝦名邦晴

    政府参考人(蝦名邦晴君) 私どもが保有していた書換え前の文書のうち、貸付決議書のうちのその経緯の部分を除いた調書と契約書等の再作成についてという部分について私どもが保有をしていたということでございますけれども、売払決議書については、その今度書換えがされたと言われています調書の部分が元々送られてきていなかったということでございます。(発言する者あり)
  49. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  50. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 速記を起こしてください。
  51. 白眞勲

    ○白眞勲君 もう一回お聞きします。  財務省から、書換えの状況という文書があるんですけど、一番から十四番まで、そのうちの一番、二番はあるということだったんですけれども、もう一回これお願いします。
  52. 蝦名邦晴

    政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。  三月十一に書換えがあったと公表されました文書に関しまして、国土交通省が保有していました書換え前の文書といいますのは、一番、二番に当たります貸付決議書の部分ということになります。丸三番目にあります売払決議書につきましては、調書と言われる部分が添付をされていなかったということでございます。
  53. 白眞勲

    ○白眞勲君 じゃ、四番目から十四番目はなかったということですね。
  54. 蝦名邦晴

    政府参考人(蝦名邦晴君) それはございません。
  55. 白眞勲

    ○白眞勲君 ちょっとそれで聞きたいんですよ。  その自動車安全特別会計というふうに書いてある空港整備勘定、これ、なのに、何でこれ国交省にはないんでしょうか、こういう書類が。
  56. 蝦名邦晴

    政府参考人(蝦名邦晴君) 調書と言われる、今回公表されました、書換えがあったと公表された文書のうちの調書と言われる部分でございますけれども、そこが私どもに通知をされてきていなかったということでございます。
  57. 白眞勲

    ○白眞勲君 つまり、なかったんですか、そこは、じゃ。抜かれていたということなんですか。
  58. 蝦名邦晴

    政府参考人(蝦名邦晴君) 私どもの方に送られてきた債権発生通知という文書の中に添付されていた文書として、その三番の文書も付いていたわけですけれども、その中には今回書換えが言われていた調書と言われる該当する部分は添付されてこなかったということでございまして、これはどういうものを添付されてくるかということは、先方といいますか近畿財務局側から送られてくるものでございますので、そこは添付はされていなかったということでございます。
  59. 白眞勲

    ○白眞勲君 じゃ、四番、五番の決裁文書につきましては、これはあるんですね。
  60. 蝦名邦晴

    政府参考人(蝦名邦晴君) それはございません。
  61. 白眞勲

    ○白眞勲君 これ分からないな。所属会計がこれ、今も言ったように自動車安全特別会計なのに、ないんですか。
  62. 蝦名邦晴

    政府参考人(蝦名邦晴君) 本件の土地は特別会計に所属をしておる土地でございますけれども、その中で一番から十四番までというのは、近畿財務局においていろいろな手続の決裁が近畿財務局の中で取られたものでございます。  その中で私どもに通知がされてくる文書というのが債権発生通知という文書がございまして、その中に添付されているものが貸付決議書というものがありまして、そこに更にその調書というものが付いていたということでございまして、売払決議書の方に送られてきたときにはその調書という部分が付いてはいなかったということでございます。
  63. 白眞勲

    ○白眞勲君 もう一回ここ整理してちょっと答弁していただきたいんですけど、つまり、四番、五番の決裁文書の写しあるいは原本というのは国交省は持っていないということなんですね。あるかないか、これをお答えください。
  64. 蝦名邦晴

    政府参考人(蝦名邦晴君) それは持っておりません。
  65. 白眞勲

    ○白眞勲君 菅官房長官にお聞きいたします。  三月十五日の会見で、今回国交省から三月六日にはこの件については聞いていたというふうに言っています。そのときどう思われましたか。
  66. 菅義偉

    国務大臣(菅義偉君) まず、事実関係でありますけれども、五日の日に国土交通省より杉田副長官に対し報告がなされた際は、森友関係財務省文書の一部が国交省に保存されており、その文書というのは書換え前のものである可能性がある、その報告があったということです。そして、それを受けて杉田副長官は、国交省に対しては財務省の調査に全面的に協力するよう指示を行い、財務省に対しては調査を徹底的に行うよう改めて指示をするなど、それぞれの省庁に対し事実の解明に向けてしっかり対応するよう指示を行った、そうした動きを私に六日の日に報告があったということであります。  私自身は、やはりこれは徹底して事実関係を明らかにすべき、そういう思いでありました。
  67. 白眞勲

    ○白眞勲君 三月八日に国会には改ざん後の文書が出てきたときに、御存じのように野党は大反発をしたわけですけれども、このときは菅官房長官、どう思われましたか。
  68. 菅義偉

    国務大臣(菅義偉君) そういう指示を副長官がしていたのを私、当然報告受けていました。そして、その際、財務省においてはまず確認のために職員の聞き取りだとか文書の調査など自ら徹底して行っている、その最中だというふうに私は思っていました。
  69. 白眞勲

    ○白眞勲君 いえ、ですから、その最中だというのは思っていたんでしょうけれども、野党が反発したことに対してどう思われましたか。
  70. 菅義偉

    国務大臣(菅義偉君) まさに杉田副長官の指示によって財務省において文書の調査をまず徹底をしている、しかし、残念ながらその時点においてどうであるかという結論は出ていなかったというふうに思っています。ですから、そういう意味で丁寧に説明はすべきだというふうには思いました。(発言する者あり)
  71. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 白さん、まだ指名していませんから。  白君。
  72. 白眞勲

    ○白眞勲君 これは、やっぱり可能性ありますよぐらいのことは言っておいてもよかったような気がするんですけれども、菅官房長官、どうですか、それは。
  73. 菅義偉

    国務大臣(菅義偉君) 政府の立場で不確実なことを申し上げることはやはり控えるべきではないかなというふうに思います。
  74. 白眞勲

    ○白眞勲君 でも、政府のやったことに不確実ということは、結局、国交省が持ってきた書類が不確実だということになっちゃうんじゃないでしょうかね。どうです、その辺は。
  75. 菅義偉

    国務大臣(菅義偉君) そのまず事実関係を徹底して財務省においてまず調査を行っている段階だというふうに私は思っていました。(発言する者あり)
  76. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 白君、まだ指名していませんから。  白君。
  77. 白眞勲

    ○白眞勲君 はい。せっかちなもので。  これだけの大騒ぎになっている問題ですから、当然、これは麻生大臣にお聞きしたいんですけれども、連絡しているはずですよね。麻生大臣は国交省からの改ざん前の文書が提出されていたことをいつ御存じになりましたか。
  78. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 調査結果につきましては三月十一日に報告を受けたと思いますが、それは主に書換え前と書換え後の違いに関するものだったと記憶をします。  国土交通省が保存していた資料につきましては、これは書換えを特定する一つの材料にはなろうと思いますが、特段個別に報告をそのことに関して受けているわけではありません。ただ、三月十三日に石井国交大臣記者会見で言及をしておられる旨は秘書官などから聞いております。
  79. 白眞勲

    ○白眞勲君 つまり、財務省、つまり麻生大臣は、六日には、この可能性としてですね、可能性指摘されたときには知っていたんでしょうか。
  80. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 六日、五日の日には話で可能性があるだろうかというのについては、それは想像はいろいろいたしますよ。それは、もしかしたら書換えがあったかもしれない等々の話があり得るかもしれないと、それはいろいろと心配はしますけれども、私自身として、それをきちんと確認が取れない、途中経過を私どもとして個別に全部聞くわけではありませんから、最終結果というのが三月十一日まで掛かったんだと理解しております。
  81. 白眞勲

    ○白眞勲君 いえ、つまり、国交省が財務省と官邸には三月五日に報告し、そして官邸には、菅官房長官は三月六日には聞いているわけですね、その内容を、その報告の内容を聞いている。  ですから、麻生大臣はその報告の内容はいつ聞いたかを聞いているんです。
  82. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) それは、今申し上げましたように、三月十一日に聞いております。
  83. 白眞勲

    ○白眞勲君 ちょっと驚きましたね。これ、内閣で菅官房長官とそれから総理もたしか報告を六日の日に聞いているのに、麻生大臣は十一日に聞いたというのはちょっと私も驚きました。  そこで、佐川氏がお辞めになると十一日に聞いたということは、それまでは改ざんについてのはっきりしたことは報道ベースでしか知らなかったわけでしょうから、佐川氏がお辞めになるということで驚きませんでしたか。急に辞めるって言って、佐川さんが急に辞める。
  84. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 佐川前長官がいつ辞めるということを聞いたかという話ですか。
  85. 白眞勲

    ○白眞勲君 いえ、佐川さんが国税庁を辞めますという辞表を持ってきたときに、これは何日だっけな、まあその日に、持ってきたときにびっくりしませんでしたかということなんです。
  86. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 三月九日の日だったと……(発言する者あり)九日でしょう、十一日じゃなくて九日の日だと思いますが、九日の日に佐川前局長というか長官辞任をしたいという話を、たしかあれは私どもは次官の福田から聞いたのが最初だったと思いますが、えっという感じがしました。
  87. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうすると、佐川さんとお会いになりましたよね、その後。
  88. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) その日に辞令を交付しておりますので、会っております。
  89. 白眞勲

    ○白眞勲君 そのときに、何で君、辞めるんだと普通言いますよね。言わなかったんですか。
  90. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 私どもとしては、私の立場としては、辞めるということに関しましては、少なくとも国税庁長官というのはかなりな責任の重たい仕事ですから、やる意欲がなくなった、落ちたという人をそのまま留任させておくなんということは考えられませんですね、私どもとしては。  したがって、私としては、その段階で、辞めるということを申しましたので、それで、それを受けて、当然のこととして後任等々を考えたところが正直なところです。
  91. 白眞勲

    ○白眞勲君 分かりました、辞表は受理したと。  だけど、普通辞めるときに、辞表は受理したと、びっくりしたと、そのときに減給の件を話していますよね、給料減らすということを言っていますよね。つまり、その辞表をもらった途端、おまえは減給だというのは普通あり得ません。そうですよね。  ですから、これ普通言いませんよね、何で言っちゃったんでしょうか、そういう話を。
  92. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 少なくともこれまでの話で、行政文書に関するいろいろな信用等々について失墜をさせたということに関して、何の責任もなくということはちょっと考えられぬなという感じが正直なところです。
  93. 白眞勲

    ○白眞勲君 しかし、まだ事実ははっきりしていないうちでしたらば、依願退職というのではなくて、例えば辞職させないで官房付とかにすると、追って沙汰を待つべしみたいなのが私は当たり前だと思うんですね、もしそういうことであるならば、何となく疑惑の渦中であるならば。なぜそれをしなかったんでしょうか。
  94. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 本人が辞めるということを言って、辞任をしたいということを正式に申し出てきている以上、私どもとしてそれを慰留していって、私どもとしては国税庁長官の仕事をしてもらわなきゃいけませんから、そういった意味では、その段階で慰留するということを考えませんでした。  また、減俸の話について出ましたけど、これ、本人についても、まだ捜査が途中だから、そういった意味では今後更にいろいろな問題が出てくる、まだ捜査が終結しておりませんので。その終結した段階までにいろいろな、更にいろんな問題が出てきた場合には、我々としては更なる処分というのを考えざるを得ぬよという話はしてありますので、本人もその点に関しましては、そういったときにおいては、当然のこととして更なるものが出てくるぞと……(発言する者あり)やかましいな。
  95. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 静粛にお願いします。
  96. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 聞きたい、答弁を。はい。じゃ、静かにしていただけますか。  少なくとも、私どもとしては、佐川に関しましては、更なる問題等々が指摘された場合、私どもとしては、減給なり減俸なりいろんな処分が出てくるということはきちっと今の段階であらかじめ言っておきます、そのときは私の指示に従ってもらいますよという話も本人にさせていただいたというところです。
  97. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、ですから、私が聞きたいのは、退職をすぐにさせるということは、退職金が出るわけですよね。そうではなくて、そういう可能性があるんであるならば、取りあえずは官房付にして、追って沙汰を待つべしにすべきだったんじゃないのかということを聞いているんですけれども。
  98. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 私としては、少なくとも、退職したい、退官したいという人に関してそれを慰留するということを、国税庁長官という職というのは、少なくとも国税としては最高のポジションでもありますので、そこの一人の人が何か宙ぶらりんのような形というものは避けたいと思っております。
  99. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、ですけど、別に国税庁長官として宙ぶらりんじゃなくて、それは当然交代させるわけですからというふうに思うんですけど。  まあここでこれ以上はあれですから、太田理財局長にお聞きいたします。改ざんというのはいけないことですよね。
  100. 太田充

    政府参考人太田充君) 今回、こういう形で、決裁書の調書という部分が中心ですが、書換えが行われたということでございます。これは、国会の御審議を、提出したものでその御審議に混乱を招きましたし、それは国会を冒涜するものだという批判は免れないものだというふうに思っております。大変申し訳ないと思っております。深くおわびを申し上げます。
  101. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、聞いていませんよ、そんなこと。改ざんというのはいけないかどうか聞いているんですよ。
  102. 太田充

    政府参考人太田充君) あってはならないことであり、いけないことであります。
  103. 白眞勲

    ○白眞勲君 何であってはならないんですか。
  104. 太田充

    政府参考人太田充君) 先ほどちょっと申し上げましたけれども、国会の審議との関係、あるいは、それは、背景には国民の皆さんに対する説明あるいは情報公開と、あらゆる面においてそういうことだと思っております。
  105. 白眞勲

    ○白眞勲君 改ざんしたらペナルティーが来ることは、財務省の少なくとも係長以上の皆さんだったらみんな知っているんじゃないでしょうか。
  106. 太田充

    政府参考人太田充君) 正しくないことだということは当然認識をしておると思いますし、それはそれなりのといいますか、責めを負わなければいけないというのは当然承知をしております。
  107. 白眞勲

    ○白眞勲君 それはそれなりの責めというのは、どんな責めが想定されますか。
  108. 太田充

    政府参考人太田充君) それは、仮にのような話でございますが、法に反して、それは司法の世界まで行かないといけないということもあり得ますし、そうでなくても、我々、行政処分の世界としてということもあるというふうに考えてございます。(発言する者あり)行政処分という、行政処分、司法の世界と、それから行政処分、我々の行政官としての行政処分ということはあるというふうに思っております。
  109. 白眞勲

    ○白眞勲君 太田理財局長さんにちょっと失礼な質問かもしれませんが、自ら公文書の改ざんをするとか、あるいは部下にやらせることって考えられますか。
  110. 太田充

    政府参考人太田充君) いや、私個人ということのお尋ねだということだと思いますので、そこは答えにくいんですが、私自身は、そういうことをやるということは、考えたことは、当然のことですから、ありません。
  111. 白眞勲

    ○白眞勲君 それはそうだと思うんですね。  それで、佐川氏は答弁に合わせるように改ざんをしたという趣旨のことを言っていますが、どうしても私、腑に落ちないんですよ、だから。後任の理財局長だってそうおっしゃっているわけですよ。普通なら、答弁、おわびして訂正しますですよ。そうすれば、それは怒られるかもしれないけど、別に厳しい責めを負わなくていいんですよ。  太田理財局長に聞きます。何でおわびで済むのに改ざんまでしたんですか。
  112. 太田充

    政府参考人太田充君) そこは今、私ども、誰がどういう関与をし、どういう責任を負うかと、どういう関係だったかということは調査をしておりますし、また、捜査機関が捜査もしております。そういうことで、その部分はそういう中で解明をされるものだというふうに思ってございます。
  113. 白眞勲

    ○白眞勲君 つまり、それは、佐川さんがやっぱりそれをちゃんとしゃべってもらわないといけないということになりませんか。  太田理財局長は、その佐川さんがやった、少なくとも知っていたということも答弁でおっしゃっているような気がしましたけど、どうですか、それは。
  114. 太田充

    政府参考人太田充君) そこのところは、基本的には、一番のところは、今、司法の手続に入った、捜査が入っているわけですから、そこのところで解明されることということなんではないかというふうに私は思っております。
  115. 白眞勲

    ○白眞勲君 ペナルティーが多い方を選んだ合理的な理由は何だと思いますか。
  116. 太田充

    政府参考人太田充君) それは、今ほど来申し上げているとおり、その目的なりなんなりということは、私どもの中でいけば、人事と、人事処分に向けての調査を引き続き続けております。最終的には捜査ということだろうと思いますが、その中で解明されるということだと思っております。
  117. 白眞勲

    ○白眞勲君 だけど、ペナルティーが多い方を選んだ合理的な理由は何だと思うのかを、太田さんには、太田さんの思いとして聞いているんです、私は。どうなんですか、それは。司法の捜査に任せるって、そういう無責任なことでいいんでしょうか。
  118. 太田充

    政府参考人太田充君) 司法当局を越えて、私、行政官がそのようなことを申し上げるというわけにはまいらないんではないかというふうに思っております。
  119. 白眞勲

    ○白眞勲君 委員長、何でもかんでも司法司法と言っていますけど、我々、国政調査権がある以上は、やっぱり佐川さんを国会にちゃんと証人喚問してもらいたい。それを是非お願いしたいと思いますので、よろしくお計らいをお願いします。
  120. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) ただいまの御要求に対しては、後刻理事会で協議をさせていただきます。
  121. 白眞勲

    ○白眞勲君 今のやり取りを、麻生副総理、どういうふうに思われましたか。
  122. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 今、太田の答弁をさせていただきましたところですけれども、これは基本的に、理財局長の、現職の理財局長として当然のことを答えたと思いますが。
  123. 白眞勲

    ○白眞勲君 次に、お手元の資料一をちょっともう一回見ていただきたいんですけれども、これは、先日の野党合同ヒアリングで財務省から提示のあった決裁文書の書換えの状況の資料から、これ、特例承認の決裁文書②という「普通財産の貸付けに係る特例処理について」の中を抜粋したものです。  この資料の十の六、十分の六と言うのかな、十分の六、六ページ目を見ていただきたい。資料一の六ページ目を見ていただきたいと思いますが、そこには、昭恵夫人が、いい土地ですね、いい土地ですから前に進めてくださいとの記述がある資料です。  ここで財務省にお聞きしますが、ちょっとこれ、分かります、言っていること。この十分の五を見てください、十分の五ね、これね。十分の五の、「書き換え前」と「書き換え後」と書いてあるその下に、別紙一、別紙となっているんですね。これ、別紙一があるなら別紙二がありますよね。何でこれ、別紙一しかないんですか。
  124. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  大変恥ずかしいお話かなと思いながら御答弁を申し上げるわけですが、元々のところに別紙一と書いてあるんですが、別紙二があったわけではなくて、別紙が一つなんですけれども別紙一と書いていた。それを、そのまま書き換えるときに、別紙が一つしかないんならば別紙一の一を付けなくてもいいのではないかということでそういうことをしたということが事実のようでございます。
  125. 白眞勲

    ○白眞勲君 そういうところはちゃんと調べているんですね。そういうところを調べているんですね。  で、私は不思議だと思って原本を本日要求したのに、出てこないですね。何でですか。(発言する者あり)
  126. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 御静粛にお願いします。
  127. 白眞勲

    ○白眞勲君 これ、何で原本を出してくれないんですか。
  128. 太田充

    政府参考人太田充君) 原本という意味が、委員のおっしゃっていることは、今ある、今書換え後のものがある意味で我々としては原本、正本としてあるわけですが、その前にもう一冊、その書換え前の原本があるというイメージ、ということをおっしゃっていると思いますが、今回のことは、要すれば、基本的には鑑といいまして、一枚目の判こであったりあるいは電子決裁であればその印であったりみたいな紙があって、その後ろに調書みたいなものがあって、それからいろんな参考資料が付いているわけですが、その調書の部分というのを、書換え前のものを書換え後のものに紙として入れ替えているという世界をやっているものですから、そういう意味で、書換え前のもう一冊原本があるかというと、もうその原本は存在しない状態になっているということでございます。
  129. 白眞勲

    ○白眞勲君 そうすると、この書換え前はコピーをしているから、もしかしたらもっと書換え前の前があるかもしれないということになりませんか。
  130. 太田充

    政府参考人太田充君) 委員の御指摘はよく分かります。  そういうことが、そういうことがないようにと、そういうことを、書換えの、これで最初の、何といったか、オリジナルという言葉を使わせていただければ、オリジナルを探さないといけないということで探索をして、結果として三月二日から始めたものが御報告が三月十二日になったということの一つは、まさにそういうことを懸念をして、それをきちんと確認しないといけなかったというのが事実でございます。
  131. 白眞勲

    ○白眞勲君 つまり、探索して見付けたんだということになると、もっと探索したらもっと見付かるかもしれないということになりませんか。
  132. 太田充

    政府参考人太田充君) 探索に関しては、探索ということだけではなくて、だけではなくてというか、基本的には、探索するためには関係した人間に聴取をして、その聴取の下でないと実はどこにあるかも全く分からなかったので、そういう意味で、聴取があって、その上でということであります。そういうのがあるので確認ができるということでございます。
  133. 白眞勲

    ○白眞勲君 国交省にちょっとお聞きしますが、事務方で結構ですけれども、この資料一の原本というのはおたくは持っていますか。
  134. 蝦名邦晴

    政府参考人(蝦名邦晴君) 原本というものは持っておりません。
  135. 白眞勲

    ○白眞勲君 保管されているものはありますか。
  136. 蝦名邦晴

    政府参考人(蝦名邦晴君) 資料にあります、その〇五の資料は、私どもには保有しておりません。
  137. 白眞勲

    ○白眞勲君 これ、私は非常に、この文書を見ていただきたいと思うんですけれども、資料一の文書をこれずうっと見てもらうと、これまでの経緯というこの五ページ目からのやつを見てもらいたいんですけれども、だだだだっと、書換え後は本当に短くなっちゃったんだけど、書換え前は相当長く詳しく書いてあるんですね。で、今言ったように、六ページ目には、一番上には、前に進めてくださいとのお言葉をいただいたと、夫人からですね。  これ見ると、その前をずっと読んでみて、皆さん見てください。例えば平成二十五年十月の三十日、審査できる書類が整っていない状況である旨を確認。その下は、二月三日、正式に受理した状況にない旨を確認。その下、四月十五日、うぬうぬ書いてあって、契約できないとして断る。そこまで行った。そして、最後、四月の二十八日も、いろいろ書いてありますけれども、その四月の二十八日に、前に進めてくださいという言葉が夫人からあった。そうしたら……(発言する者あり)いや、要請あり、あの、後ろでがたがた言わないようにしてください。これ読めば分かるからいいんですよ、それで。  それで、近畿……(発言する者あり)あのね、いいですよ。ともかく、籠池さんからそういう話があったということを言ったということですよね。それで、その後に、六月の二日に近畿財務局から森友学園に対しって、いきなり審査の延長をすること、これ変わっているんですよ、からっと変わったんですよ。それで、その後に、その後ずっとたったったっとやると、また途中で、これずっとやると、何だ、説明したりなんなりかんなりしているんだけれども、結局開催して、その継続審議というのがこの十二月の十八日になったんですよね、平成二十六年。  七ページ目、見てください。  そうすると、今度は、昭恵夫人が涙を流したという旨が記載される。そうすると、その翌日に、今度は近畿財務局が貸付料の概算額を伝えている。こういうふうに、で、その後、北川イッセイ副大臣がうぬうぬ言って、その下の一月二十九日ですね、何とかならないかと相談と書いてあるわけですよ。何とかならないかと相談すると、二月の十日に答申を得て、そしてやる。で、今度は鳩山邦夫氏、これ何とかならないか、二月の十七日、と言うと、またどんどん、この見積りがどんどんなるというふうに、いわゆる筋目筋目でそういう。  だから、私は、そういった面でいうと、この問題というのは、やはりこの、非常にこの資料というのはよくできているなと思ったんですよ、そういう面では。関与が非常に疑われるんですよ、昭恵夫人の、私は、疑われるんですよ。  だから、そういうことを考えたら、やっぱり私は、これきちっとやっぱり……(発言する者あり)
  138. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 御静粛に。御静粛に。
  139. 白眞勲

    ○白眞勲君 これ、谷査恵子さん、これをやっぱり私は証人喚問すべきなんじゃないのかなと。ちゃんとこの辺を……(発言する者あり)いや、そういう、皆さん、いや、やじがあるんだったらば、ちゃんと皆さんでこれ、国会でやろうじゃありませんか。ちゃんと呼んで話を聞こうじゃありませんか。  委員長、これ、谷査恵子氏の証人喚問をお願い申し上げます。
  140. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) ただいまの要求に関しましては、後刻理事会で協議をさせていただきます。
  141. 白眞勲

    ○白眞勲君 会計検査院にお聞きします。  会計検査院は、改ざん前の文書と後の文書を持っていますよね。これ、財務省に問合せをしたということですけれども、財務省がこちらが本物だと言われた。国交省には問合せしたんでしょうか。
  142. 河戸光彦

    会計検査院長(河戸光彦君) 本件決議書の作成者である財務省から回答を得たことから、重ねて国土交通省に確認を行うことはしておりませんでした。
  143. 白眞勲

    ○白眞勲君 何でしなかったんですか。
  144. 戸田直行

    説明員(戸田直行君) お答え申し上げます。  検査担当者に確認したところでは、財務省近畿財務局から財務省が提出したものは決議書であり、国土交通省から提出されたものはいわゆるドラフトである旨の説明を受けていたとのことでございます。
  145. 白眞勲

    ○白眞勲君 決裁文書が二つあるわけですよね、判こが押されているの。それで、こっちはドラフトだというのおかしいと思わなかったんですか。
  146. 戸田直行

    説明員(戸田直行君) 繰り返しの答弁になり恐縮でございますが、会計検査院は本件検査の過程で昨年四月下旬頃に財務省から貸付決議書の提出を受ける一方、同時期に国土交通省から提出された資料の中にも貸付決議書が含まれておりましたが、これらの貸付決議書に含まれていた書類の内容が異なっておりました。そして、検査担当者に確認したところ、繰り返しになりますけれども、貸付決議書の作成者である財務省にその理由を問い合わせておりまして、財務省が提出したものが決議書であり、国土交通省から提出されたものがドラフトである旨を説明を受けておりまして、これを受けて財務省が提出したものを決議書として判断したところでございます。
  147. 白眞勲

    ○白眞勲君 だから、国交省はドラフトだったらば、国交省にちゃんとしたものを出せと言えばよかったじゃないですか。何でそれをやらなかったんですか。
  148. 戸田直行

    説明員(戸田直行君) お答えいたします。  本件決議書につきましては、財務省が作成しており、財務省からの説明を疑うに足るような状況もなかったということでございます。
  149. 白眞勲

    ○白眞勲君 最初から信用しているんだったら検査になりませんよ。何で財務省からの書類を検査しなかったのか、もう一回答えてください。おかしいよ、それ。
  150. 戸田直行

    説明員(戸田直行君) お答え申し上げます。  今回の事態につきまして、会計検査院に対し厳しい御批判をいただいていることは十分に承知をしております。  会計検査院といたしましては、人員や期間の制約の中で最大限努力を払って、膨大な資料の収集や分析を行いつつ報告の取りまとめを行ってきたものであり、その中でよもや書類が書き換えられているとの思いには至らず、その文書自体の真正性の検証については必ずしも最優先事項とは位置付けられていなかったものでございます。  いずれにいたしましても、厳しい御批判を受けていることにつきましてはこれを重く受け止め、会計検査院の検査について御理解いただけるように取り組んでいきたいというふうに考えております。
  151. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、これひどいですよ。  院長、これもう一回検査する気ありますか。
  152. 河戸光彦

    会計検査院長(河戸光彦君) 会計検査院は、昨年三月六日、参議院から、国会法第百五条の規定に基づきまして、学校法人森友学園に対する国有地の売却等に関し、大阪府豊中市の国有地の貸付及び売却の経緯、貸付価格及び売却価格並びに価格算定手続の適正性、当該国有地の貸付及び売却に関する行政文書の管理状況について会計検査を行い、その結果を報告することを求める御要請を受け、十一月二十二日にその結果を御報告しているところでございます。  本件につきましては、決裁文書に関する問題が明らかになりましたことから、国会での御議論も踏まえて、一連の事実関係の確認をするなどして検査を実施してまいりたいと考えております。(発言する者あり)
  153. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  154. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 速記を起こしてください。
  155. 河戸光彦

    会計検査院長(河戸光彦君) 国会からの御要請を受けまして検査を行った結果を御報告したところでございます。  国会での御議論を踏まえまして、今後しっかりと検査してまいりたいと考えております。
  156. 白眞勲

    ○白眞勲君 院長、これ再検査してください。  それとですね、人員が足りないというから、もう全部、全員、全員投入してやる気ありますか、そうしたら。国会からそういう要請があったら、全員やります、いや、全員やる気でやるぐらい頑張りますか。
  157. 河戸光彦

    会計検査院長(河戸光彦君) 非常に重要な事案であると考えておりますので、しっかりと検査をしてまいりたいと考えております。
  158. 白眞勲

    ○白眞勲君 委員長、これ、検査要請をもう一回お願いします。
  159. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 改めて、後刻理事会で検討させていただきます。
  160. 白眞勲

    ○白眞勲君 自殺した方が、交渉記録を破棄したという答弁にしていることで、資料は残っているはずで、ないことはあり得ないと、NHKで出ています。これ、どうでしょうか。もう一回調べる気ありますか。本当に資料残っていないんですか。これをお答えください。
  161. 太田充

    政府参考人太田充君) 今回、決裁文書の書換えについては、遅いという御批判をいただきましたけれども、徹底的に調べたつもりでございますので、書換え文書については、我々としてはもうこれが全てだというふうに思っております。
  162. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、私が聞いているのは、交渉記録のメモとか資料が破棄していないんではないかということ。ここら辺、もう一回探す気ありませんか。
  163. 太田充

    政府参考人太田充君) 今私どもが決裁文書の書換えという問題を起こしておりますので、そういう中で、今委員がおっしゃるようなことが、疑問だとおっしゃることはよく分かります。よく分かりますので、それはそういうことをしなければいけないという気持ちはありますが、まずこの対応をきちんとやらないといけないので、それをきちんとやらせてください。  その上で、そこが一段落付いた、一段落というか、お認めいただける状況になるかどうか分かりません、その状況になってその次のことを考えさせていただきたいというふうに思います。
  164. 白眞勲

    ○白眞勲君 じゃ、ちゃんと調べてくださいね、それもですね。よろしくまた国会で報告をお願い申し上げます。  じゃ、以上で私の質問はこれとします。ありがとうございました。
  165. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で白眞勲君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  166. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 次に、杉尾秀哉君の質疑を行います。杉尾秀哉君。
  167. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 民進党・新緑風会の杉尾秀哉でございます。白委員に続いて森友関連質問させていただきます。  今も最後に話出ましたけれども、過去の大きな事件と同じように、今回も極めて痛ましい犠牲者が出ました。今月七日に自殺をされた近畿財務局のAさん、あえて仮名で申し上げますけれども、私も九日の朝に一報を聞いて各方面から情報を集めました。遺書というかメモが複数残っていた、その中に本件書換えに触れたくだりがあった。最初、御家族は近畿の財務局に通報したそうですけれども、その過程の中で、遺書の件は口外しないでほしいと、こういう話が近財からあったということも聞いております。  そこで、財務省に伺いますけれども、これは真相解明のためです、プライバシーに触れない範囲で事実関係説明していただけますでしょうか。
  168. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  御指摘の近畿財務局の職員が亡くなったということは大変残念なことであり、誠に悲しい話だというふうに思ってございます。  今ほど委員から、プライバシーなんだけれども、事実を解明するためにというふうにおっしゃられました。おっしゃられましたけれども、この件はさすがに亡くなった方のプライバシーそのものであって、御遺族との関係もありますので、それは御容赦を賜りたいというふうに思います。
  169. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 その後も報道が続いておりまして、昨日もNHK、そして今日も朝刊が何紙か書いておりましたけれども、遺書の内容としてこういうことが伝えられております。調書の内容が詳し過ぎるからと上司から言われた、このままでは自分一人の責任にされてしまう、こういう内容があったそうでございます。この方は良心の呵責に耐えかねていたのではないか、ここまで追い込まれてしまった。この遺書の内容について、知り得る範囲でお答えください。
  170. 太田充

    政府参考人太田充君) 基本的なスタンスは先ほど御答弁申し上げたとおりなんですが、今、遺書の内容に、遺書というかメモでしょうか、報道があることは承知しておりますけれども、私ども報道でしか承知をしておりませんので、その内容については私ども承知をしておりません。  それと、今ほど来のお言葉の中で、近畿財務局が遺書を公開しないようにですか、何かそういうようなことをおっしゃられたというふうに聞き取れましたけど、私どもの承知する限りというか、そういうことをお願いしているとは承知をしておりません。
  171. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 事実関係についてはおいおいまた明らかになると思いますけれども、御家族にこの方は、自分の中で常識が壊れた、こういうふうに言っていたそうでございます。近い御親族の方です。それから、遺書の中に、上からの指示で書き換えさせられていたと、こういうくだりがあったということです。私どももずっとヒアリング続けておりますけれども、この中で、理財局の次長さんが、今回の改ざんは本省理財局からの指示であったということを認めております。  では、どんな形で誰から近畿財務局に理財局から指示があったのか。そして佐川前局長、国税庁長官ですね、前。関与はどこまで判明しているんでしょうか、お答えください。
  172. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  本件につきまして、誰がどういう形でどのようにという、個々の人間の責任あるいは役割といったことは今調査をしている最中でございます。  その上で、ただ、基本的な構図は、本省理財局において、本省理財局がある意味でやったというか、考えてやったということでございますので、近畿財務局の方はある意味で命ぜられてやったということだということは私どもとして把握できているという考え方の下にこういう報告をさせていただいているということでございます。
  173. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 それについてはちょっと後でまたもう一回聞きますけれども、実は、今回の一連の出来事でもう一人自殺された方がいらっしゃいます。本省理財局国有財産業務課債権管理係長のBさん、お名前は伏せます。亡くなられたのが一月二十九日、その前の夜に同僚の方とお酒を飲まれていたそうです。局内では病死というふうに説明されているそうですけれども、実際は自殺だったそうです。遺書はなかったというふうに聞いております。  この方は、福岡国税局から異動してこられた、国有地関係の答弁を作っていたという話もあります。この方はどんな業務に就いていたんでしょうか。太田局長の部下でございますので、御説明ください。
  174. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  私の部下の職員の話でございまして、本当に悲しい話でございます。それをこういうところで取り上げられて皆様の前になることは、大変本当に、何と申しますか、何とも答えようがないことでございますが。  その上で、お尋ねでございますので、彼は国有財産の仕事をしておりましたが、多分これはもう申し上げないといろんな意味で疑惑というか誤解を招きそうなので、プライバシーに関わることだと思いますし、遺族の方との関係もあるんですが、申し上げますけれども、彼は森友の関係の、国有財産ってたくさん、たくさん、課というか広いところがありますので、彼は森友のそういう事案を処理していたとは、関係がある人間ではございません。ましていわんや、この書換えということには一切関係する人間ではありません。それだけは申し上げさせていただきます。
  175. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 いや、書換えに関係があるとは言っていないんです、一月ですからね。まだこれ、朝日の報道も出る前ですし。ただ、物すごくプレッシャーを受けていたことは間違いないと思うんですよ。  実際にお二人の方が亡くなられているんですね。こういう結果になっていることについて……(発言する者あり)
  176. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 静粛に。静粛に。
  177. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 黙ってください。私は、プライバシーに触れることは全然言っていないですから。  経済同友会の小林代表幹事がこういうふうにおっしゃっています。民間の社長なら、知ろうが知るまいが普通は辞めると、こういうふうにおっしゃっているんです。これ、社会の常識だと思います。  麻生大臣は責任は感じていらっしゃらないんでしょうか。お辞めになるおつもりは全くないんでしょうか。
  178. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 民間の会社と同列に扱うのはいかがなものかと。いろんな御意見はあろうかと思いますよ、正直なところ。そういった意味で、私も民間の社長をしていましたから、よく分からぬわけではありませんけれども。  そういった意味では、私どもは、基本として、今、立場上、役人と私ら立法府から来た人間の関係ですから、いわゆる議院内閣制の中において、我々が行政官の上に立っていろいろ管理監督しなきゃいかぬ立場にありますので、私どもとしては、民間の会社が、ずっと上がってきた立場とは全然違いますので、私どもとしてはきちんとした対応ができるように職責を果たしていく。いわゆる原因究明、二度とこういったことが起きないための再発防止等々の職責をきちんとやらねばならぬというのが基本的なところで、今の段階で辞めるということを考えているわけではありません。
  179. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 今の段階でということは、後々辞める可能性が十分あるということですか。
  180. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 仮定の質問というものの最たるものだと思いますが、今のその問題に対してお答えするつもりはありませんし、辞めるつもりはないと申し上げております。
  181. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 麻生大臣は、例えば九日に佐川局長長官が辞めたときも支離滅裂なんですよ、説明が。適材適所とずっと最後までおっしゃっている。理財局長時代もきちんと仕事をしてきた、極めて有能できちんと対応した、こういうふうにるる説明されています。だけど、実際どうなんですか。今回の、これ歴史的な改ざん事件ですよ。改ざん問題じゃなくて、これ事件ですよ。  その部署の説明してきた責任者が、どこが適材適所で、どこがきちんとした仕事をしたんでしょうか、お答えください。
  182. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 基本的には、佐川前長官の場合は、これは決裁文書国会提出時の担当局長ということもありますので、私どもは、国政、国有財産行政に対する信頼というものを損なったと言わざるを得ぬということから、今回の処分というものを、本人が退職ということを希望したこともあり、加えてやらして、申し上げたとおりなんですが、私どもは、佐川長官の行政官としての能力というものに関しまして、その経験が全て全否定されるものではないと、私はそう考えておりますので、少なくともこれまで、国税庁長官、またその前の役職として、税務畑では国税、国税局の、三課長、二課長、総務課長というものをやり、主税官をやり、大阪国税局局長もしておりますので、そういった意味では、私どもとしてはきちんとした対応をやってきたと思っておりますので、国税庁長官としては適任だと判断をしたものであります。
  183. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 理財局長に伺いたいんですけれども、先ほど調査の話を少し伺いましたけれども、省内の調査というのは一体誰が中心となって行われているのか、その方法、それから規模、理財局以外も調査対象だというふうに聞いておりますけれども、お答えください。
  184. 太田充

    政府参考人太田充君) 中できちんと調査ができるようにするという意味でいろんなことをある意味でオープンにするということは、中で調査がやりにくくなるということだと思っておりますが、その上で申し上げますけれども、基本的には、ある意味で事実関係は今回御報告したことで基本的に全て御報告していると思っております。あとは、誰がどういう役割をした云々ということで、それは基本的には人事処分につながる話ということになりますので、基本的に人事当局、大臣官房という組織があるわけですが、そこがある意味で主体となって引き続き調査をしておるということでございます。
  185. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 マスコミ関係者の話によりますと、今月中にも中間報告というような形で、今、誰がどういう役割でという話をされましたけれども、この中間報告を出すという話があるようですけれども、それについてお答えください。
  186. 太田充

    政府参考人太田充君) 基本的に、中間報告といったものは承知をしておりません。基本的には、捜査の状況も見極めつつということでございますが、中間報告といったことになじむようなことではないんではないかというふうに思ってございます。
  187. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 これだけ調査中、調査中と言いながら、麻生大臣はこういうふうに断言されているんですね。理財局の一部の職員によって行われた、断言されています。一部の者によって全体の信頼が失われた、こういうふうに断言されています。  これ、一部の者と断言する具体的な根拠というのはおありなんでしょうか。この発言は何に基づいて行われているんでしょうか。一部の職員に責任を押し付けているんではないでしょうか。いかがでしょうか。
  188. 太田充

    政府参考人太田充君) 一部という事実関係について、まず私の方から御説明させてください。  その一部ということは、我々、基本的に、関係した者あるい関係のありそうな者に聴取をして、その上での判断をしております。そういう意味で、聴取の結果としてそこは判断をしているということを御理解いただければと思います。
  189. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 今理財局長から答弁をさせていただいたとおりなんですが、どの部局の人間が関与していたかということについても、これは本来であれば最終的には今後の調査結果を待たなければお示しできないということなんだと思っておりますが、職員への聞き取りとか文書の確認などを通じて、今般の件については少なくとも昨年二月下旬から四月にかけて理財局の一部の職員により決裁文書の書換えが行われたと判断することはできると、できたという状況にありましたので、私どもとしては、今後、書換えが行われた経緯、目的、また個々の職員の関与がどの程度あったかなどなど、詳細な様態については今後更に職員が聞き取り調査などの調査を尽くす必要があろうかと思いますが、今の段階で一部の職員において関わりがあったということは明確だということから発言を、発表をさせていただいたという、処分をさせていただいたということです。
  190. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 私も組織の一員でございました。組織のトップが一部の責任だと言ってしまって組織というのは成り立つんでしょうか。しかも、末端の人間に責任を押し付けていいんですか。トップの人間としてあるべき姿なんですか。お答えください。
  191. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 私の立場として、度々これもいろんなところで申し上げてきたと思いますが、少なくとも職責を果たすということは、今後ともこういったようなことが起きないように、原因究明並びにその対策というものをきちんとすることによって職責を果たすべきものだと、私どもはそう考えております。
  192. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 全く答えになっていないです。全く答えになっていないです。トップとしてあるべき姿かどうかというのを聞いています。
  193. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 職責をきちんと果たすべきということが私どもとしてのトップのあるべき姿だと申し上げております。
  194. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 もう一つ太田理財局長にも伺います。  今日の午前中の衆議院財務金融委員会、こういうふうにおっしゃっています。佐川国税庁長官について、関与の度合いが大きかったのではないか、知っていたか知っていなかったかといえば、知っていたと思っている。この思っているというのはどういうことですか。
  195. 太田充

    政府参考人太田充君) 済みません、思っているということに特段の意味を設けたつもりではなくて、要すれば、今回調査をした結果として、もちろん、佐川前長官を始めとして職員がどういうふうに関与したかというのは、捜査への影響も見つつではありますが、調査を進めなければいけないということではございますけれども、今回のこういう決裁文書の書換えということがなぜ行われたかということを、文言全体を捉えて見れば、基本的にはそれまでの国会の答弁が誤解をまた受けないようにするためというふうに考えられるというのが私どもの認識でございます。  そういたしますと、基本的に当時の理財局のトップは佐川当時の局長であり、もう一つ、その今ほど申し上げたような整理からして、国会答弁をやっていたのは当然のことながら主として佐川前局長であるということから、佐川前局長の関与が大きかったのではないかということであり、知っていたか知っていなかったのかという御質問については、我々が聴取をした限りで佐川前局長は知っていたというふうに認識をしておりますので、そういうことを申し上げたということでございます。
  196. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 ただ知っていたじゃないんですよ。関与の度合いが大きかったと言っているんですよ、大きかった。具体的根拠が何かと聞いているんですよ、大きかったという根拠。
  197. 太田充

    政府参考人太田充君) 今ほど御説明申し上げたとおり、一つは、佐川局長は当時の理財局のトップということであること、それからもう一つは、今ほど申し上げましたように、今回の書換えということは、基本的にそれまでの国会の答弁が誤解を受けることのないようにするためにということでございまして、国会の答弁をやっておったのは主として佐川前局長であるということから、そういうふうに考えておりますと申し上げております。
  198. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 佐川長官に責任を押し付けようとしている、マスコミ的に言うといわゆるトカゲの尻尾切りということだと思います。  佐川長官にここに来ていただいてお話を伺って真相を聞くしかないと、こういうふうに思います。  委員長、証人喚問を求めます。
  199. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) ただいまの御要求に対しては、後刻理事会で協議をさせていただきます。
  200. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 ちょっと先ほど白委員が示した十四の改ざん文書のうちの、私も資料としてコピーを皆さんの手元にお渡しいたしました。  一番問題になるのが、さっきも話に出ておりました五番目の本省理財局の決裁の特例承認の決裁文書だと思いますけれども、実は昨日の答弁の中で、この文書が本省の文書管理システムに残っていたということを太田局長が答弁されたと思いますけれども、いかがでしょうか。
  201. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  今回の十四の決裁文書のうち、一つだけ、今ほど御指摘のあります特例承認の決裁文書は本省の決裁でございます。  そこで、本省の中で一元的な文書管理システムという特別なシステムがございまして、その中に、その中のものは書換えを行ったわけですが、書換えを行うと、俗に言うといいますか、上書き保存をされるのではなくて前のものも残っているという、そういうシステムになっておると。これは実は調査の結果気が付いているんですが、それが分かっておりますので、前のものが、ちょっといろいろ何か作業をしないとできないということなので、そんなに簡単に出てくるということではないというふうに私も承知をしていますが、いずれにせよ、そのシステムの中に残っておったということでございます。
  202. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 最初、本省には何も残っていないと言っていませんでしたか。
  203. 太田充

    政府参考人太田充君) いや、それは、そういうふうにお答えしているとは思いません。私が委員会において全部近畿財務局だと申し上げたつもりはございません。
  204. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 じゃ、後でちょっと議事録精査しますけれども。  ということは、これ、書換えの状況なんかも分かるということは、ほかにもやはり文書が残っているんじゃないですか。書き換えられた痕跡があるものはないんですか。
  205. 太田充

    政府参考人太田充君) 先ほど申し上げましたように、今回の十四のうち本省のものはその一つだけということでございますので、そういう意味で確認ができるものはこの一つということでございます。  先ほど議事録云々というお話がございましたが、近畿財務局の話としての話があって、そういう中でそういうふうに聞き取れるようなことがもしかするとあるのかもしれませんが、私は近畿財務局と本省のものは区別をして基本的には頭の中に入れておりますので、その下で答弁をさせていただいているというつもりでございます。
  206. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 先ほど白委員も紹介されていましたけれども、この五の文書に書かれている経緯が非常に細かいわけですね。あの四十ページの、先ほど来話が出ていますけれども、籠池さんの発言の引用として、いい土地ですから前に進めてくださいという昭恵夫人の発言と記念写真の件。それから四十一ページの、安倍昭恵夫人が感涙した。(発言する者あり)これは一方通行じゃないです、ネットの記事です。ネットの記事です。これも書いてあります。実際に映像が残っています。何度も何度も放送されています。そして、複数の秘書の名前が登場して、四十三ページに日本会議の説明がされている。麻生財務大臣安倍総理の名前も出ております。その後、続いて維新の会の関係があって、昭恵夫人が学園で講演と視察までした、こういうふうに書いています。  太田局長に伺いますけれども、一般的にこういう決裁文書の調書、経緯で、ここまで詳しく政治家の名前、それから特定団体について説明するものというのは通常あるんでしょうか。
  207. 太田充

    政府参考人太田充君) 全ての決裁文書を全て今回把握をして、把握をしてというか、私も見ておるわけではありませんので分かりかねますが、基本的にこの話は、特例承認と言われるものについて、それだけ、ある意味で今委員がおっしゃるような記述がございます。  これは、基本的に近畿財務局がやっておった仕事でございますけれども、特例承認だけは本省の決裁を近畿財務局としてもらわないといけない、最終的に本省の了解を取らないといけない。そうすると、今回のこの議論の中でもよく起きましたけれども、基本的には、地方の支分部局からすれば、国会対応は本省の仕事であるという、そういう意識が非常に強うございますので、そういう意味で本省にとって参考になるのではないかということで、そういう意味政治関係のものも含めて詳しく解説をしたものを基本的には付けてくれていた、あるいは我々の方の起案をする部下職員がそういうことを配慮してそういうものを作っていたと、そういうことだと思っております。
  208. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 先ほど御紹介した近畿財務局の自殺された方が遺書に書いた、調書の内容が細か過ぎるというのは、これを指しているんじゃないですか。
  209. 太田充

    政府参考人太田充君) 先ほど御答弁申し上げましたように、私は、遺書の内容は私どもは承知をしておりません。それを前提にした御質問はお答えをいたしかねます。
  210. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 資料二の二を見ていただければそうなんですけれども、この文書を本省で決裁した人、太田局長、何人いますか。この文書の本省で決裁をした人が何人いるかというのを、太田局長、ちょっと説明してください。
  211. 太田充

    政府参考人太田充君) 十八名でございます。
  212. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 そうなんですね。十八名いて、その真ん中に理財局の田村室長が出ているんですよね、国有財産審理室長。田村室長、さっきも話出ていましたけれども、昭恵夫人の秘書の谷査恵子さんとやり取りをして、その翌年に籠池理事長に理財局で面会をしている。キーマンです。この方のお名前も載っている。  この十八人の方、この文書を全部目を通しているということでいいですね。
  213. 太田充

    政府参考人太田充君) 決裁でございますから、そこにある意味で判こを押したと称するようなそういう人間は、それを全部目を通して理解をしているという、そういう責任は生じるということだと思っております。
  214. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 ということは、本省理財局の中で、この事細かに書かれて、政治家の名前が出て昭恵夫人のことが書かれているこれを目にしているということは、これ、どう考えてもこの案件がほかの案件と違う特別な案件だというふうに、それはそういう認識を持って当然なんじゃないですか、どうですか。
  215. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  事実関係は承知をしておるということでなければ責任は持てないということだと思いますが、それをもって特別だというふうに、何というか、称されますと、それはそうでない、こういう事実関係を承知しているということだと思っております。
  216. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 あのね、これまで改ざんは佐川局長の答弁と整合性を取るためって何度も何度も繰り返し説明されているんですよ。だけど、そのためだけだったらこんなに大幅に改ざんする必要はないんですよ。さっきの自民党の方も質問されていましたけど、目に触れてまずいものだったら、消す必要ないんですよ。  何でその安倍総理を始めとした多数の政治家、そして昭恵夫人の名前、一括して消す必要があったんですか。逆に言うと、佐川答弁との整合性を取るためだけだったらこんなに消す必要ないんじゃないですか、どうですか。
  217. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。二つお答えを申し上げます。  一つは、この部分を捉えられると、確かに特例承認の部分で、非常に詳細な経緯のところが、ある意味で物すごく簡略化されております。ほかのところの調書を御覧いただくと、それも大変申し訳ないことですけれども、大変詳細な経緯が付いているものもやっぱりある意味で削除をしているというものがございます。  全体として、これだけ、全体を御覧をいただかないと、ある意味で、それぞれの委員の方々にどういうものだったかというのを御理解、それぞれの委員の方が考えられると思いますが、御理解いただけないと思っていて、今回お出ししている全体、書き換えている部分だけで六十ページを超えるものですが、その全体を御覧いただくと、今ほど御覧の特例承認の部分は確かにそういうところがございますが、全体を御覧いただくとそうではない部分が大量にあって、その部分まで含めて何でこういうことをしたのかといえば、国会答弁に疑念を受けないようにということだと思っています。  もう一点、先ほど来出ている御議論で、書換え前のもので問題がなかったのではないか、書換えをする必要はなかったのではないかという趣旨のお話が出ていたと思います。書換え前のものは、現時点で捉えてみますと、正直に申し上げて、その後、国会でも議論になり、あるいはいろんなところの報道、あるいは資料でも出ていて、実は今回出ているもので書換え前のものは、実は内容的にはある意味で、多くの意味で公表され、あるい国会でも御議論がされていたというものでございます。  そういう意味で、そういう観点からすれば、書換えの前のものが何が問題があったのかという御議論は、それは理解ができるということでございます。
  218. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 だから、まずいから、表に出ちゃまずいから消したんでしょう。
  219. 太田充

    政府参考人太田充君) 当時、それまでの、それまで二月下旬から四月にかけて書換えを行ったというふうに御報告を申し上げていますが、二月から三月にかけての国会答弁、それを踏まえた上で、基本的にはそれを踏まえた上で、また疑念を受けないようにということでやったということでございます。  その後、そのときもありますし、その後の議論も含めて、今から見てみればということを私は申し上げております。あるいは、そういう議論がなされているというふうに私は承知をしております。
  220. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 これ、まあ、ばれちゃったんですよね。我々が一年追及をして、恐らく、これ二月の下旬から始まっているので、先ほども本会議のやり取りの中でもありましたけれども、二月十七日の総理答弁がターニングポイントになっているというふうに思います。はっきり、総理どころか議員も辞めるというふうに断言されました。これ、福島議員、質問した人は、何も総理の責任なんて言っていないんですよね。にもかかわらず、総理が急におっしゃったわけです。  そこで、菅官房長官に伺いますけれども、この総理の答弁というのは、通常、事前に役所と事前調整をしているはずだと思いますけれども、にもかかわらず、あの唐突な発言があった。菅長官は議場にいてお聞きになっていたと思います。あそこまで断定的に言うはずじゃなかったんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
  221. 菅義偉

    国務大臣(菅義偉君) 私自身承知しておりませんけれども、総理があそこまで明確に言ったということは、総理御自身がそういう思いの中で発言されたんだろうと思います。
  222. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 びっくりされましたか、正直な感想。
  223. 菅義偉

    国務大臣(菅義偉君) 個人的なことは控えたいというふうに思います。ただ、先ほど申し上げたとおりです。
  224. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 恐らく、これは数人から聞いたんですけれども、総理とすれば、あそこまではっきり言えばこれ以上追及されることはないんじゃないだろうかと、これで事態が鎮静化できるんじゃないだろうかというふうに思っていらっしゃった節があります。  で、さっきの文書に戻りますけれども、昭恵夫人の前に進めてくださいというあの籠池さんの発言について、安倍総理は、おとといだったですかね、昭恵夫人に確認したら、そのようなことは言っていないと、こういうふうに答弁されています。私たちの、妻も私も関わっていないということがこの文書で明らかになったんじゃないだろうかと、こういうふうに言っています。だけど、その根拠は全く示されていません。実際に、妻がそう言っていないというその理由として、妻がこの学校をつくる責任者ではない、籠池氏との上下関係があるわけではない、全然意味不明な理由を挙げていらっしゃるんですけれども、太田理財局長に聞きますが、ここ、これまでの中で、この昭恵夫人とのやり取りについて何か、理財局の中でどういう話が出ているのか教えてください。
  225. 太田充

    政府参考人太田充君) このことについてというか、昭恵夫人、総理夫人のことについて、特段そういう話が出たということはありません。
  226. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 ちょっと時間が来ましたので、通告していないんですけれども、最後にちょっと麻生財務大臣に伺います。  今お配りした資料の中に、最後に写真が付いていると思いますけれども……
  227. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 時間が来ておりますので、取りまとめてください。
  228. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 この写真、御記憶ですか。
  229. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) これについて記憶があるかという話は、ありません。  この状況というのは、これはたしか、どなただったですかな、TBSじゃなかったですね、どこでしたかね、御質問をいただいていたんだと思いますので、それに対して私どもの事務所として、共同通信でしたね、それに対して既に答弁をさせていただいていると思いますが、これは足下が切ってありますが、この足下には多分、為公会のパーティーって書いてあったんだと思うんですが、その為公会のパーティーで、二千四、五百人来られますかね、その中でいつも私どもはその真ん中に座らせていただいて、希望者の方が写真を撮影をされるという会の一環で、大体四、五百人写真を撮ると記憶しますけれども、そういったときの中の一つだったんだということが私どもの調べで分かっておりますので、この方自身を直接どなたかということは存じ上げません。
  230. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 時間が来ています。
  231. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 時間が来たから終わりますけれども、ちょうど一年前に籠池さんとの関係について聞いたときに、私は全く記憶をしていないというふうに言っておりました。
  232. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 時間が来ておりますから。
  233. 杉尾秀哉

    杉尾秀哉君 ただ、こういう証拠があるということだけを申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
  234. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で杉尾秀哉君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  235. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 次に、竹内真二君の質疑を行います。竹内真二君。
  236. 竹内真二

    ○竹内真二君 公明党の竹内真二です。  予算委員会で初の一般質問となります。よろしくお願い申し上げます。  質問の本題に入る前に、財務省による決裁文書の書換え問題について触れさせていただきます。  今月二日に報道がなされ、今日で二週間、書換えという言語道断の事実が判明し、今なお、誰の指示か、なぜやったのか、これで本当に全部なのかといった国民の間で疑念も今なおくすぶっております。これまで、財務省理財局の一部職員により書換えが行われ、国会での答弁が誤解を受けないようにという説明がなされていますけれども、しかし、国民の間では、やはり本当に理財局の一部だけでこれだけというものをやったのかというような疑念も払拭されておりません。やはりここは、一刻も早く真相を解明せよとの国民の厳しい声、そして一方で、山積する国民生活の課題にもしっかり取り組めと、こういう国民の思いをしっかりと政治が受け止めていかなければならないと考えております。  そこで、麻生財務大臣に書換え問題の早期全容解明にリーダーシップを発揮していただき、国民の信頼回復に全力を挙げていただきたい、このことを強く申し上げまして、本来の質問に入らせていただきます。    〔委員長退席、理事宇都隆史君着席〕  本日は、国民の健康という観点から、我が党が力を入れておりますがん対策、認知症施策の二点について政府の取組を伺いたいと思います。  初めにがん対策です。  昨年十月に第三期がん対策推進基本計画が策定されましたが、その重点分野の一つががん医療の充実です。この中にあるゲノム医療は、患者の遺伝子情報、ゲノムを解析することで最善のがん治療を選択できるようにしようという試みであります。この最先端のがん医療により、がん患者の治療効果が上がり、副作用も減らすことができる、医療費の抑制にもつながる、こうした効果があると期待をされております。  しかし、同時に、忘れてはならないことは、がん対策基本法の立法の趣旨が、日本のがん対策の遅れた分野をカバーするとして、診断時からの緩和ケアの推進、放射線治療、化学療法の推進、そしてさらには医療者の育成であるとか、がん検診受診率の向上ということであったことです。  そこで、厚生労働省に伺いますが、今後本格化する我が国のがんゲノム医療の現状と来年度予算案を含めた政府の対応、そしてがん対策基本法の目指してきた緩和ケアや放射線治療、化学療法の推進などについてどのようにお考えでしょうか。よろしくお願いいたします。
  237. 高木美智代

    ○副大臣高木美智代君) お答えいたします。  一人一人のゲノム情報に基づきまして個人に最適化したがん診療を行うがんゲノム医療につきましては、昨年十月に策定した第三期のがん対策推進基本計画におきましても基本計画の三本の柱のうちのがん医療の充実に位置付けまして、現在、提供体制の構築や患者が安心して治療を受けられる環境の整備などを進めているところでございます。  平成三十年度予算案におきましては、がんゲノム医療に関連する予算といたしまして四十九・一億円を計上しております。そのうち、がんゲノム医療中核拠点病院機能強化事業といたしまして三・三億円を計上しており、がんゲノム医療を牽引する高度な機能を有するとして指定をした十一の中核病院を中心に、今後、がんゲノム医療の提供体制の整備などに取り組むこととしております。  また、緩和ケアや放射線治療、化学療法につきましても、第三期の基本計画に基づきまして、一つは、緩和ケアにつきましては、平成三十年四月より緩和ケア研修会の対象者をがんなどの診療に携わる医師など以外の医療従事者にも拡大をすること、また、放射線治療につきましては、引き続き標準的な治療の提供体制の均てん化を進めるとともに、粒子線治療などといった高度な放射線治療につきまして都道府県を越えた連携体制の整備を検討をすること、またさらに、化学療法につきましては、専門的な医師や薬剤師、看護師などの人材育成や適正配置に努めることとしております。  引き続きまして、こうしたがん医療提供体制の充実などを通じて、がん対策の推進に取り組んでまいる所存でございます。
  238. 竹内真二

    ○竹内真二君 高木副大臣、ありがとうございます。  がん対策でもう一点、がん教育についてお聞きします。  改正がん対策基本法では、がんに関する教育の推進の条文も新たに加えられ、中学校、高校の学習指導要領にがんに関する記述も盛り込まれました。こうしたことから、児童生徒に対するがん教育が進むことが期待をされております。  がん教育の目標は、がんを正しく理解する、命の大切さへの認識を深めるということにあります。そのために、教師による授業と医師やがん経験者ら外部講師による授業、この二つが車の両輪となって行われなければなりません。衆議院の代表質問でも、我が党の井上幹事長が、医師等の外部講師の活用によるがん教育の全国展開にも取り組むべきと訴え、答弁で安倍総理も、医師等の活用と明言をされております。  一方で、学校教育の現場では、自治体によっては教師による授業のみにとどまっていたり、外部講師もがん経験者のみであったりと、その対応はばらばらであるのが今実態であります。  そこで、林文部科学大臣に伺います。  がん教育における外部講師の医師の活用ということに関して、文部科学省として、厚生労働省とも連携をしていただいて、各自治体にもう少し方向性を明示すべきではないでしょうか。そのためにも、現場の課題を集約、分析し、スムーズに展開を図っていくために、従来、がん教育を牽引してきたがん教育検討会を開催して、がん教育実践者や現場の方々から意見を伺っていくということこそが重要であると思いますけれども、我が党幹事長の質問や総理答弁も踏まえ、林大臣の積極的な答弁をお願いいたします。
  239. 林芳正

    国務大臣(林芳正君) がん教育につきましては、平成二十四年の六月に閣議決定をされました第二期がん対策推進基本計画におきまして、五年以内に、学校での教育の在り方も含めまして、健康教育全体の中でがん教育をどのようにするべきか検討し、検討結果に基づく教育活動の実施を目標とすると、こういうふうにされておるところでございまして、これを踏まえて文科省では、平成二十六年度に有識者で構成されたがん教育の在り方に関する検討会を設置いたしまして、がん教育の定義や目標など学校におけるがん教育の基本的な考え方や、今お話のありました外部講師の確保、さらには教材の作成など、今後の検討課題について報告を既に取りまとめております。  この検討会での議論を踏まえまして、今度は、平成二十七年度から二十八年度にかけて、外部講師の活用に関するガイドライン、それから、がん教育に関する教材、これを作成しまして、さらに平成二十九年度には、その教材の教師用指導参考資料、これを作成してきたところでございます。  昨年十月に第三期がん対策推進基本計画が策定されておりますが、ここには、国は、全国での実施状況を把握した上で、地域の実情に応じて、外部講師の活用体制を整備し、がん教育の充実に努めると、こういうふうにされたことも踏まえまして、今御指摘のありましたがん教育の在り方に関する検討の場の設置、これも含めて、どのようにきめ細かく現場の御意見を伺うべきか検討し、引き続きがん教育の充実に努めてまいりたいと思っております。
  240. 竹内真二

    ○竹内真二君 この外部講師の医師の活用ということと、それから検討会の開催、非常に重要な視点でありますので、是非重ねてお願い申し上げます。  林大臣への質問は以上ですので、どうぞ退席いただいても結構でございます。
  241. 宇都隆史

    ○理事(宇都隆史君) 林文部科学大臣は御退室いただいて結構でございます。
  242. 竹内真二

    ○竹内真二君 次に、認知症施策についてです。  人生百年時代とも言われる中で、認知症は、家族が発症するところまで含めると、誰もが直面する可能性のある問題と言えます。  我が国における認知症の人の数は、二〇一二年時点で四百六十二万人と推計され、高齢者の約七人に一人が認知症とも言われております。そして、二〇二五年には認知症の人は約七百万人を突破し、高齢者の約五人に一人を占めると予想されております。さらに、認知症になる可能性が高い軽度認知障害、MCIの人、いわゆる予備軍とも言われますが、その存在を含めて考えれば、認知症施策の展開はまさに待ったなしという状況となっております。  そこで、認知症施策を効果的に進めるに当たっては、認知症の人の数を正しく把握するとともに、まず予備軍の方々への予防、それから認知症が発症したばかりのこの初期の段階、そして症状が進んだ認知症の人、それぞれの施策を適切に実施していくことが重要であると考えますが、見解をよろしくお願い申し上げます。
  243. 浜谷浩樹

    政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  先生御指摘のとおり、認知症の方の数でございますけれども、平成二十三年度から平成二十四年度に行いました研究事業によりますと、平成二十四年におきまして約四百六十二万人、六十五歳以上人口の約七人に一人と推計されております。また、平成二十六年度に行いました研究事業によりますと、認知症の方の数、二〇二五年には約七百万人、御指摘のとおり六十五歳人口の約五人に一人になると推計されております。また、軽度認知障害の方の数につきましても、平成二十四年におきまして約四百万人と推計されております。  御指摘のとおり、認知症の発症予防、あるいは認知症の容体に応じて適時適切に切れ目なく医療、介護等が提供されることは極めて重要であるというふうに考えております。  厚生労働省におきましては、基本的には、新オレンジプランに基づきまして体制整備等を推進しております。  具体的にでございますけれども、運動、社会交流、趣味活動など日常生活における取組が認知機能低下の予防につながる可能性が高いということが指摘されておりまして、住民主体の運営によるサロンあるいは体操教室の開催など、通いの場の充実に向けた取組を進めております。  また、医療、介護等の関係者が連携して支援できるような体制づくりが重要と考えておりまして、認知症地域支援推進員あるいは認知症初期集中支援チームといったものの配置を進めるほかに、認知症の方の鑑別診断あるいは相談支援を行います専門的機関であります認知症疾患医療センターの設置などを進めているところでございます。
  244. 竹内真二

    ○竹内真二君 今答弁いただきましたように、この認知症に対する施策というのは大変多くの政策分野にまたがっておりまして、政府も今言われたように新オレンジプランを策定して国家戦略として取り組んでおりますが、公明党は認知症対策推進本部として、当事者や家族、有識者らとの意見交換、そして現場での調査も重ねて、昨年十二月に政府に提言をさせていただいたところです。  提言では、認知症当事者の本人意思を尊重しながら、家族を含めて寄り添う姿勢を重視、従来のお世話型支援から寄り添い型支援への転換を促しております。その上で、認知症施策を政府が総合的に進めるための基本法制定や若年性認知症への対策など、七分野にわたる施策の推進を強く求めております。  そこで、党の提言を踏まえながら政府の対応をお聞きします。  まず、新オレンジプランが昨年七月に改定をされ、二〇二〇年度末までに達成を目指す数値目標が盛り込まれております。しかし、認知症サポーターのように順調に整備が進む項目がある一方で、地域のかかりつけ医に助言する認知症サポート医の養成研修については新たに一万人という目標を掲げておりますけれども、間に合うのか、果たしてと心配をする声も一部に出ております。  さらに、二〇一八年度から全市町村に配置するとしながら、道半ばの項目も二つほどあります。一つは、専門医と医療、介護の専門職とで構成される初期集中支援チームです。二〇一六年度末時点では、これは前の数字ですけれども、市町村への設置は約四〇%という数字でありました。もう一つは、各支援機関の間に立って連携支援や相談業務などを行う地域支援推進員、これも配置している市町村は先ほどの時点で約七〇%にとどまっておりました。  そこで、サポート医の養成研修の見通しはどうか、また、この初期集中支援チームと地域支援推進員の配置は二〇一八年度に間に合うのか、配置が遅れた理由を政府としてどう捉え、地方自治体にどのような支援策を行っているのか、お聞かせください。
  245. 高木美智代

    ○副大臣高木美智代君) お答えいたします。  公明党から御提言をいただきまして、心から御礼を申し上げます。  この認知症サポート医につきましては、御指摘のとおり、認知症の国家戦略である新オレンジプランにおきまして、二〇二〇年度末までに一万人の認知症サポート医の養成を目標としておりまして、認知症サポート医研修の総受講者数は二〇一六年度末時点で約六千七百人と、目標に向けまして着実に養成を進めているところでございます。  また、認知症初期集中支援チームや認知症地域支援推進員の設置状況につきましては、二〇一七年十二月末時点におきまして、初期集中支援チームが千百五市町村、約六三%、また地域支援推進員は千四百六十二市町村、約八四%となっておりますが、未設置の自治体につきましても確認をしたところ、ほぼ全市町村が二〇一八年、本年四月までに設置する見込みということでございます。  この厚労省の取組といたしましては、初期集中支援チームのチーム医の確保が困難との要望を踏まえまして、その要件の緩和措置を行ってきたほか、財政支援といたしまして、初期集中支援チーム員などが受講する研修費用や、都道府県におきまして未設置の市町村を支援するための会議開催の費用への支援などの実施、またさらには情報提供といたしまして全国の取組事例の共有など、設置の推進を図ってきたところでございます。  四月以降は、設置された初期集中支援チームなどの活動がより円滑に進むための事業費を平成三十年度予算に計上しておりまして、引き続き、認知症の方やその御家族が地域において安心して暮らし続けられるよう、自治体の取組を支援してまいりたいと考えております。
  246. 竹内真二

    ○竹内真二君 設置見込みということで安心いたしました。よろしくお願いいたします。  次に、党の提言でも柱の一つとしております若年性認知症の問題です。  六十五歳未満で発症した場合に若年性認知症としていますが、その数は全国で約三・八万人に上ります、推計ですけれどもね。推計の基となったこの調査から約十年が経過し、新たに若年性認知症の全国実態調査が行われると聞いております。正確な実態の把握というのは施策の実施に不可欠でありますから、しっかりと調査が進められることをお願いしたいと思います。  この若年性認知症については、初期症状というものが認知症特有のものではなくてなかなか診断しにくいことや、本人や周囲が何らかの異常に気付いたとしても受診が遅れがちになるといった特徴があります。また、その多くは現役世代が発症することから、生活費、子供の教育費など経済的な負担が大きく、支援を受けながら仕事との両立が課題となっています。  そこでお聞きしますが、全国実態調査の見通し、そして、この若年性認知症の人の視点に立った施策をどう進めていくか。特に、御本人や御家族のワンストップ窓口として全国に配置するとしている若年性認知症支援コーディネーターについて、公明党は都道府県ごとの設置では負担が大きいので設置を政令指定都市に拡充すべきではないかと提言していますが、この点についての見解もお願いいたします。
  247. 浜谷浩樹

    政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。  若年性認知症の数でございますが、御指摘のとおり、平成二十一年におきまして約三万八千人と推計されておりますけれども、今年度から全国の若年性認知症の有病率や生活実態を把握するための調査を、三か年の調査を実施いたしております。  具体的にでございますけれども、今年度は、一次調査といたしまして、全国十地域の医療機関、介護施設に対しまして協力を依頼しまして、若年性認知症の方の有無に関する調査を行ったところでございます。来年度以降でございますが、さらに、御協力いただける御本人や家族等に対しまして、医学的な情報や生活状況、サービスの利用状況等の調査を行うことといたしております。  若年性認知症の方に対する施策、就労面、経済面、社会参加など、様々な課題を先生御指摘のとおり抱えております。新オレンジプランでは、若年性認知症の施策の強化を柱の一つとして掲げております。  具体的にでございますけれども、現在、四十三都道府県に設置されております若年性認知症支援コーディネーターが中心となりまして、若年性認知症の方やその家族に対する相談支援、それから医療、福祉、就労等の関係機関のネットワークの構築などを行っております。  先生御指摘の指定都市までの拡充でございますけれども、平成三十年度予算案におきまして、この配置に係る費用助成の対象を指定都市まで拡充することといたしておりまして、引き続き、当事者や家族の声など幅広く伺いながら、若年性認知症の方に対する支援を推進してまいりたいというふうに考えております。
  248. 竹内真二

    ○竹内真二君 次に、認知症と診断された直後の対応について、相当本人にはショックが大きいわけですけれども、すぐになかなか施設には入れない、相談できる人もいないと、非常に空白期間というのが生まれていると言われるんですね。この空白期間に診断を受けた方が必要とする支援や情報にいかにつながっていくか、これ大事なんですけれども、この若年性認知症を含めて、この御本人に役立つガイドブックの作成、これによって支援すべきと考えておりますけれども、加藤厚生労働大臣の見解をお聞かせください。
  249. 加藤勝信

    国務大臣(加藤勝信君) 初期の認知症の方については、必ずしも介護が必要な状態にないということもございます。  診断直後の対応において、本人に必要な今後の生活に関する様々なサポートがこれ十分行われていない、こういう声も聞かせていただいているわけでありまして、厚生労働省においては、平成二十七年に策定をいたしました新オレンジプランに基づき、認知症と診断された後の早期支援に対する体制整備を推進しておりまして、今委員から御指摘もありました認知症地域支援推進員や認知症初期集中支援チームの全市町村への設置を進める中で、認知症の方や家族からの相談対応、あるいは複数の専門職による訪問支援、こういったことにもまず取り組んでいきたいと思っておりますし、今御指摘のガイドブックについては、昨年十二月、公明党からの御提言の中にも盛り込まれております。診断直後の不安を軽減するため、多様な主体による地域のサポート体制を紹介する、こういった中身などを内容とした小冊子、これを今年度末までに作成をし、活用を図っていきたいと思っております。  いずれにしても、こうした取組を通じて、認知症の方御自身、またそれを支える家族の皆さん方が住み慣れた地域の中で仕事もしながらまた暮らし続けていける、こうした社会の実現に向けてしっかりと取り組ませていただきたいと思います。
  250. 竹内真二

    ○竹内真二君 小冊子の発行という答弁をいただきまして、ありがとうございました。  時間がなくなってきましたので、あと二問なんですけれども……
  251. 宇都隆史

    ○理事(宇都隆史君) 時間が参りましたので、おまとめください。
  252. 竹内真二

    ○竹内真二君 以上で終わります。ありがとうございました。
  253. 宇都隆史

    ○理事(宇都隆史君) 以上で竹内真二君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  254. 宇都隆史

    ○理事(宇都隆史君) 次に、辰巳孝太郎君の質疑を行います。辰巳孝太郎君。
  255. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 日本共産党辰巳孝太郎でございます。  驚愕の事実が発覚をいたしました。本年二月に名古屋の公立中学校が行った公開授業に元文科省事務次官前川喜平氏が講師として招かれたことに対して、教育委員会に対して異常な調査を文科省が行っていたということであります。  大臣、この説明を求めたいと思います。
  256. 林芳正

    国務大臣(林芳正君) 今お尋ねのあったこの件につきましては、事務方から説明を受けておりますが、この事実関係の確認として行ったものだというふうに聞いておるところでございます。  詳細な経緯が必要であれば申し上げますが。
  257. 高橋道和

    政府参考人(高橋道和君) お答え申し上げます。  今回の事実確認は、中学校の授業という公教育の場において、いわゆる天下り問題等に関わって、単に監督責任でなく、本人自身の違法行為をもって停職相当となった方をどのような狙いで総合的な学習の時間のゲストスピーカーとして招くことになったのか、また、その本人の違法行為などについても十分承知した上で招かれていたのかなど、中学生という発達段階にいる生徒に対する教育について責任を担う学校として適切な教育的配慮の下で行われたものであったかの事実を確認するために行ったものでございます。
  258. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 事実の確認という話がありました。  十五項目にわたる質問項目であります。この八番を読み上げていただけますか。
  259. 高橋道和

    政府参考人(高橋道和君) 八番目でございますけれども、同校に外部講師として依頼をしたのは具体的にはいつ頃か御教示ください。特に、報道によれば、三年ほど前から校長が同氏と面識を得て昨年から依頼をしていたとのことですが、これは事実でしょうか。また、校長は個人的な関係を基に招いたということでしょうか、御教示ください。こういった質問をさせていただいております。
  260. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 これ、つまり、当該校長と前川氏との個人的な関係について報告せよということですね。こんな事実関係の確認が必要なんですか。
  261. 高橋道和

    政府参考人(高橋道和君) 今回、どのような経緯でこの方を招くことになったかという経緯を問う中で、その事実を確認させていただいたものでございます。
  262. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 全く必要ないですよ。  十二番も読み上げていただきたい。
  263. 高橋道和

    政府参考人(高橋道和君) 同氏を講師で招いた際の交通費や謝金の支出はあったのか、あった場合、それらの金額は幾らか。また、それらの経費はどこから出ているのか、具体的に御教示ください。また、同氏以外の外部講師の交通費や謝金の扱いはどうなっているかも併せて御教示ください。
  264. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 何でこんな事実確認が必要なんですか。
  265. 高橋道和

    政府参考人(高橋道和君) これは、今回の経費について確認をさせていただいたものでございます。
  266. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 理由を聞いております。
  267. 高橋道和

    政府参考人(高橋道和君) 今回の授業に関する事実関係を調べる一環としてこの経費についてもお聞きしたということでございます。(発言する者あり)
  268. 宇都隆史

    ○理事(宇都隆史君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  269. 宇都隆史

    ○理事(宇都隆史君) 速記を起こしてください。
  270. 高橋道和

    政府参考人(高橋道和君) 今回はこの類似授業についても聞いておりますので、そういった中で経費についてもお聞かせいただいたと、そういうものでございます。
  271. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 全く理由になっていないじゃないですか。  十五番はいかがですか。
  272. 高橋道和

    政府参考人(高橋道和君) 十五番目の質問としては、学校設置者の名古屋市教育委員会として、上記の経緯を含め、今回の同氏の講演による授業をどのように判断されているのかをお考えを御教示ください、こういった質問をさせていただいております。    〔理事宇都隆史君退席、委員長着席〕
  273. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 これ、事実関係ちゃうじゃないですか。これ、前川氏を招いた是非をこれ問うているんじゃないんですか。いかがですか。
  274. 高橋道和

    政府参考人(高橋道和君) 今回は、最後に、名古屋市の教育委員会としてこういった経緯を含めてどのように考えているか、そういったことを聞かせていただいたものでございます。
  275. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 ですから、これ、是非を問うているわけですね。これ事実関係や経緯じゃないですね。これだけをお伺いします。
  276. 高橋道和

    政府参考人(高橋道和君) このようなこれまでの事実関係について、名古屋市教育委員会についてのお考えを聞いたものでございます。
  277. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 是非を問うているんですね。
  278. 高橋道和

    政府参考人(高橋道和君) 名古屋市教育委員会はこの学校の設置者でございますので、設置者としての認識を確認させていただいたものでございます。
  279. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 ですから、これ、およそ事実関係の確認とか把握とかじゃないんですよ。これ政治の教育への介入ですよ。  大臣、いかがですか。
  280. 林芳正

    国務大臣(林芳正君) 一般論として、文部科学省が必要に応じて教育委員会等に対して問合せや事実関係の確認等を行うということはあることであるというふうに認識しております。  ただ、事実関係の確認を行うに当たって、教育現場においてやはり誤解が生じないように十分留意すべきことは当然であるということでございますので、そのような観点からは、今回の書面についてはやや誤解を招きかねない面もあったと考えられるため、今回確認を行った担当の初等中等教育局に対しては、このような事実関係の確認を行う際には表現ぶり等について十分に留意をする必要があると注意をしたところでございます。
  281. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 これは、安倍政権の、気に入らない、刃向かう者には民間人となっても容赦なく攻撃をする、私はこの政権の異常な体質を物語っていると言わなければならないと思います。  森友学園の問題を聞きたいと思います。  今日の毎日新聞の朝刊では、「森友ごみ報告書は虚偽」、「書かされた」、この記事が出ました。これ、言わば、およそ三メートルより深くにはごみはない、これ私がずっと主張してきたことでありますけれども、新たなごみを捏造した、この口裏合わせをこの業者が認めたというものであります。  国交省、大臣にお聞きします。八億二千万円の値引きとなった積算を行ったのは国交省であります。どう受け止めますか。
  282. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 済みません、もう一回質問の中身。
  283. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 この記事、どう受け止めますか。
  284. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 御指摘の報道があったことは承知をしておりますけれども、内容が捜査に関する事項でありますので、コメントは控えたいと思います。
  285. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 ごみは三・八メートルの地点で、あったことを確認したんですね。
  286. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 大阪航空局の見積りにつきましては、当時、検証可能なあらゆる材料を用いて行われたものであります。
  287. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 写真、あるいは現場で確認したんですね。
  288. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 試掘の後、現場を確認いたしましたし、その後、写真等が付いた報告書等でも確認をしているということであります。
  289. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 試掘の現場に行って三・八メートルのごみを確認したんですね。
  290. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 現場に行ったとき職員が直接測ったということはなかったようでありますけれども、現場で実際にその穴を見たと、穴の中を見たということと、その後の報告書等々で確認をしたということかと思います。
  291. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 現場に行ったけれども、メジャーで測っているところは職員は見なかった。どれで、つまり写真で確認をしたということですか。
  292. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) まず、現場で試掘をされているということと、その試掘の中を見ていますから、大体どれぐらいの深さかというのは想定が付くと思います。その上で、メジャーを差し込んでいる写真等で確認をしたかということかと思います。
  293. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 会計検査院に聞きます。  三・八メートルの写真はあったんですか。根拠になる写真はあったんですか。
  294. 宮川尚博

    説明員(宮川尚博君) お答え申し上げます。  お尋ねの点につきましては、報告書におきまして、「当該工事写真は、深度を計測するために標尺と呼ばれる目盛りのついた測量機材を試掘した穴に立てかけている様子が写っているものであるが、三・八メートルを正確に指し示していることを確認することができる状況は写っていない。また、二十八年三月三十日に近畿財務局の職員が現地で確認し、同年四月五日に近畿財務局及び大阪航空局の職員が現地で確認した際等に、別途、廃棄物混合土の深度を計測した記録はないことも踏まえると、廃棄物混合土を三・八メートルの深度において確認したとしていることの裏付けは確認することができなかった。」、このように記述しております。
  295. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 国交省、大臣、これ、もし三・八メートルの根拠ない、あるいは業者と口裏合わせをしていたということになれば、これ、国交大臣の答弁そのものが問われることになります。これ責任問題になります。責任取られますね。
  296. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) いずれにいたしましても、委員の御指摘は今朝の報道に基づくものかと思いますが、報道の中身につきましては、これは捜査に関係する事項でありますので、私どもはコメントは控えます。
  297. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 財務省、新たなごみはなかったということになるんじゃないですか。
  298. 太田充

    政府参考人太田充君) 私どもは、当時の現地の視察、それは私どもと国土交通省大阪航空局も一緒に参ったというものもありますし、それから報告書、あるいは過去の土地の歴史、地歴、あるいは過去の地下構造物の調査、そういったものを全て総合勘案して、国土交通省さんが算定された三・八メートル、九・九メートルというものを前提に算定された地下埋設物の撤去費用ということを前提にこういう作業をいたしております。
  299. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 音源テープを渡してあります。音源テープ、あれは口裏合わせではないということでよろしいですね。
  300. 太田充

    政府参考人太田充君) 音源テープというものは承知をしております。承りました。  御党の場合、二ついただいているような気がいたしますので、どちらのことを指していただいているのかちょっと分かりかねますので、何を問いておられるのかということが分からないので、そこを確実にしていただければ御答弁を申し上げます。
  301. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 渡したのは、三月十六日と三月三十日の音源テープです。口裏合わせが行われたのは三月三十日のテープです。口裏合わせ、ありませんか。
  302. 太田充

    政府参考人太田充君) 私ども、三月下旬から四月にかけてのやり取りを、テープを一ついただいたと、それを聞かせていただいていると思っています。  いつも申し上げておりますが、そのテープそのものについて、我々は、それはこちらの了解もなく取られたものであって、我々は先方の了解も取らずにそういうことはしておりませんのでそういうものは確認できませんが、確認できない中でその音声テープそのものを一応前提として聞いたということを前提にいたしましても、その場のやり取りは、当時、新たな地下埋設物が発見された、それで、それについてどういうふうに処理をするか、そのある意味で三メートルより深いところと新たな地下埋設物というものの必要な資料なり情報を頂戴をしないといけないと、そういうことを申し上げていると、そういう状況のときだったと、そういうふうに認識をしてございます。
  303. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 許可なく取られた言いますけれども、公党が皆さんに渡した音源テープを、つまり改ざん、改変されている、そういう可能性があるということを言っているんですか。これは籠池氏が取ったテープですよ。そういうふうにテープの瑕疵を指摘する、そういう根拠があるんですか。
  304. 太田充

    政府参考人太田充君) いえいえ、基本的にいただいたものを前提として御答弁を申し上げていると思います。  ただ、我々として、それが本当に、御党のことを公党だとおっしゃいますので、それを信用して我々は御答弁を申し上げておりますが、我々として、それが本当、本当のものとして、我々がそれが本当に完全に確実なものかということを確認できるかと言われれば、それはそういうことをしていないんで分からないということを申し上げているだけのつもりでございます。
  305. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 石井大臣、国交省にもこのテープをお渡しいたします。これ聞いていただければ、誰もが、三メートルより下にごみはないにもかかわらず、あると口裏合わせをした、そういうものが残っております。これ聞いていただいて、月曜日に答弁いただけますね。
  306. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 今までテープをいただいていなかったようですが、テープをいただければお聞きするように努力したいと思います。
  307. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 公文書管理法の目的をお答えいただきたい。
  308. 田中愛智朗

    政府参考人田中愛智朗君) お答えいたします。  公文書管理法の一条につきましては、「この法律は、国及び独立行政法人等の諸活動歴史的事実の記録である公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものであることにかんがみ、国民主権の理念にのっとり、公文書等の管理に関する基本的事項を定めること等により、行政文書等の適正な管理、歴史文書等の適切な保存及び利用等を図り、もって行政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とする。」と規定されておるところでございます。
  309. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 麻生大臣の認識を問いたいと思います。  この法律の制定時の総理大臣が麻生大臣であります。この文書の改ざんが、言わば歴史の改ざんであり、民主主義の根幹を揺るがすものであるという認識はございますか。
  310. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) これは度々御答弁をいたしておると思いますが、少なくとも決裁文書というものの改ざん、書換え、いろんな表現があろうかと思いますが、そういった、決裁文書が既に出されて、国会に提出された後のものが一方的に書き換えられるというのはゆゆしき事態だと申し上げております。
  311. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 歴史の改ざんである、民主主義の根幹を揺るがすものであるという認識はありますか。
  312. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 歴史的な話だとは思いますけれども、歴史の改ざんかと言われたら、今それほどの認識があるわけだという意識はないと思います。
  313. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 これ、全く認識が足りないと思いますね。  昨年二月以降、森友疑惑は国会で相当な時間取り上げられました。国権の最高機関である国会の答弁が改ざんされた文書を基に作られたこの責任、麻生大臣、どう取られますか。
  314. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 先ほど度々申し上げましておりますように、こういう決裁が行われた後の文書を書き換えるというような話は、これはゆゆしき事態であって、甚だ遺憾だということはもう度々申し上げておりますので、私どもとしてもその責任を感じております。  同時に、そういった意味で、私どもとしては、こういったようなものが二度と起きないようにするためには、まずはこの事実の解明と、それに併せて今後の対策というものをきちんとするというのをもって職責を全うすべきものだと考えております。
  315. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 いや、そうじゃないんですよ。私が言っているのは、大臣の資格そのものがないんじゃないかということなんですね。  経済同友会の小林代表幹事は、民間の社長の場合は、自分が知っていようがいまいが、不祥事を起こしたら普通は辞める、辞めるかどうかは政治家の美学だが、監督責任はあると述べました。  麻生大臣、二〇〇九年、九年前、六月二十五日の衆議院の本会議、麻生総理時代ですけれども、こうおっしゃられております。本会議で、総理大臣は会社でいえば言わば社長、社長は社員をたたくだけでやる気をなくさせて、これでは社長は務まらない。  大臣、この考えに今もお変わりありませんか。
  316. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) どんな組織の長でも、同じような考え方で、少なくとも、私、共産党は知りませんけど、日本の私どもの経済社会という会社社会の中においては、今言われたような話は私どもとしては普通考えられて、一方的な責任を押し付けないようにするというのは当然のことだというのは、これは常に常識的な考え方だと思っております。
  317. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 いや、だったら責任取って辞めていただきたい。それ当然だと思いますね。何があっても責任取る気のないトップが調査をすると言っても、私は実効性はないと思います。  十二日に財務省は改ざんを認め、十四もの改ざん文書が提出をされました。誰が何のために改ざんしたんですか。
  318. 太田充

    政府参考人太田充君) 基本的に財務省理財局においてこういうことが行われておりました。  その何のためにという御質問でございますが、書き換えられた、書換え前、書換え後を比較して、その文言を見る限り、基本的には、これ二月下旬から四月にかけて行われたというふうに御報告を申し上げておりますが、二月から三月にかけてのそれまでの国会答弁について誤解を受けないようにするために行われたものだというふうに考えてございます。(発言する者あり)冒頭、財務省理財局においてというふうに申し上げました。
  319. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 書換えのメリット、あったんですか。
  320. 太田充

    政府参考人太田充君) 今ほど御答弁申し上げましたように、二月下旬から四月にかけて行われたわけですが、二月から三月までのそれまでの国会答弁について誤解を受けないようにするという考え方の下でやられたものだと思っております。  今ほど、メリットと言われれば、そういうことを考えてやったんだというふうに私どもとしては思っております。
  321. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 書換えしなくても通じたという答弁があったと思いますけど。
  322. 太田充

    政府参考人太田充君) 現時点のといいますか、これを承知をしてから私なりに、あるいはこの本委員会でもそういった議論はございましたけれども、書換え前のものが、基本的には、その後の国会議論あるいは報道、あるいはその前からもう既にあったんですが、基本的には説明できるもの、あるいは今となっては、あるいはその当時でも相当そうだったかもしれませんが、周知のものだったものがほとんどでございますので、そういう意味で書き換える必要はなかったのではないかという御議論があるというふうに承知をしてございます。
  323. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 だから、結局メリットもないのに、単に誤解を受けることがないようにということで公文書を改ざんまでする組織なのか、財務省はということなんですよ。  大臣、それ信じられますか。大臣、どうですか、これ。
  324. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 度々申し上げているので同じことだと思いますが、私どもとしては、改ざん、書換え等々の、決裁を押された文書の後やるのは、これは極めてゆゆしきことだということを申し上げております。
  325. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 ですから、私が申し上げているのは、公務員が誰の指示もなしに、メリットも特にないのにこんな大それたことをやるはずないじゃないかということなんです。何のために改ざんしたのか、これは安倍昭恵氏の名前があったからにほかなりません。  総理の答弁、二月の十七日ですが、私や妻が関与していれば総理も議員も辞めると豪語いたしました。この総理の答弁の整合性を取るために消された、この可能性は否定できますか。
  326. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  今回御報告をさせていただきましたもの、全体で六十二ページほど書換えのところがございます。今ほど委員総理夫人の関係のお話だったというふうに思いますが、その部分、確かに元々書いてあった文が削除になっている部分がありますが、御承知のとおり、それは特例承認という決裁で、その部分は経緯が大変詳しかったものを基本的に全体としてほぼ削除する格好になってございます。しかも、全体として六十二ページのものを書き換えておって、全体として御覧いただければ、大変細かいといいますか、大変、答弁あるいは将来の答弁を気にして非常に事細かく書換えをしていると、そういう状況でございます。  そういう意味で、それまでの答弁、あるいは物によっては今後の議論の展開るいは答弁までにらんでということだったかもしれませんが、非常に、何というか、心配をして書き換えているということではないかというふうに、書き換えていること自体は誠に申し訳ないことなので、それはもう何ともお答えのしようがないことなのですが、そういうお尋ねでございましたのでお答えを申し上げさせていただきます。
  327. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 答えておりません。  総理の答弁の整合性を取るために消された可能性を否定できるかと聞いたんです。
  328. 太田充

    政府参考人太田充君) お答え申し上げます。  一つ一つのどの答弁がということでそういうことをやったとは思っておりません。  基本的に、国会の答弁、それは基本は、あの当時、特に今回その書き換えている部分は非常に技術的な細かいところが大変、数としては多うございますので、それを主としていたのは当然理財局長であります。ただ、総理るい大臣も御答弁ありますので、政府全体の答弁は気にはしていたということは、それはそういうことだろうと思います。
  329. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 否定できないということですね。
  330. 太田充

    政府参考人太田充君) 否定する否定しないということを申し上げているつもりはありません。基本的には、政府の答弁ということが前提でございますけれども、ただ、内容的には大変細かい部分が多うございましたので、その部分、基本的に今回の書換え部分の大宗の部分は、いい悪いは別として、理財局が、当時の理財局長が答弁しないといけなかったものという部分が中心、明らかに大宗ということではあろうと思っております。
  331. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 否定できませんでした。  安倍昭恵氏が出てくる公文書、その文書の趣旨をお答えください。
  332. 太田充

    政府参考人太田充君) 趣旨というお尋ねでございましたが、基本的に特例承認という本省決裁に係るその決裁、十四の中の一つでございますが、それでございます。  それと、実質的には一つですが、事前のものとして、その手前で近畿財務局から本省にそのことを上げないといけないので、その近畿財務局から上げたものについても同じことが書かれているということでございます。
  333. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 安倍昭恵氏に関するどのような記述があるんですか。
  334. 太田充

    政府参考人太田充君) 大筋、基本的に同じですが、若干相違はございます。(発言する者あり)
  335. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 太田理財局長
  336. 太田充

    政府参考人太田充君) 済みません、確認をさせていただきましたので。  経緯の部分に出てくるところは同じだと思います。その後ろ、本省の決裁、最終決裁のところには学校法人森友学園の概要という部分がございまして、その中に参考として森友学園への議員等の来訪状況というのがあって、そのところに、「平成二十六年四月 安倍昭恵総理夫人 講演・視察」というくだりがあるということでございます。
  337. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 本年四月二十五日から始まる経緯の部分も読んでほしいんですよ。
  338. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 分かります、質問趣旨。
  339. 太田充

    政府参考人太田充君) 申し訳ありません。  経緯のところで出てくるところを読み上げろということですね。はい、承知をいたしました。  平成二十六年四月二十八日のところで、「なお、打合せの際、」、ということは森友学園側の発言、籠池理事長なんですが、その発言、「「本年四月二十五日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは」」、夫人の発言ということですが、「「『いい土地ですから、前に進めてください。』とのお言葉をいただいた。」との発言あり(森友学園籠池理事長と夫人が現地の前で並んで写っている写真を提示)。」。  それからもう一つ、二十七年一月八日。「産経新聞社のインターネット記事(産経WEST産経オンライン【関西の議論】)に森友学園が小学校運営に乗り出している旨の記事が掲載。 記事の中で、安部首相夫人が森友学園に訪問した際に、学園の教育方針に感涙した旨が記載される。」。  以上でございます。
  340. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 この文書以外に昭恵氏の名前が出るものはありますか。
  341. 太田充

    政府参考人太田充君) 今読み上げさせていただいたものは特例承認の決裁でございまして、これは本省のものですが、その手前の近畿財務局のものにも同じものが出ています。  それから、今ほどの御質問に、その手前で答えを落としてしまいましたけれども、学校法人森友学園の概要というところに、先ほど一つ前ぐらいのところで御答弁を申し上げさせていただいた、その部分が出てくる、それで全てでございます。
  342. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 ですから、特例承認の二つの文書以外には昭恵氏の名前が出てこないわけなんですね。これ、特例の条件が昭恵氏であるということは私は明らかだと思うんですよ。  この特例承認に関する公文書の存在を財務省国会に隠し続けました。疑惑の核心はこの貸付けの実は経緯にあるんですね。貸付けの決裁文書国会に提出したのはいつですか。
  343. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  情報開示で開示いたしましたのは九月、国会解散・総選挙といったこともございましたので、国会に御提出申し上げたのは十一月ということでございます。
  344. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 我々、売払いの決議書は昨年五月にいただいております。ところが、売払いの決議書にはこの特例の文書はごっそり抜けておりますので、この特例の文書の存在そのものを私たちはうかがい知ることはできませんでした。貸付けのこの決裁文書の方にはこれあるんですね、あるんですよ。しかし、我々はこの貸付けの決裁文書を入手したのは、十一月とおっしゃいましたけれども、私は本年一月になってからなんですね。  私たちは、この予算委員会のこれ合意ですよ、与野党の、委員会の中で、三月の十七日にはっきり貸付けと売払いの決裁文書をいただきたいということを申し上げておりまして、なぜ十一月、提出が遅れたんですか。
  345. 太田充

    政府参考人太田充君) 当時、たくさんの文書を情報開示、あるい国会の先生方からの御要請があって提出用意をしておりました。その中でマスキングという、御案内のことでございますが、作業もあり、そういう中で大部のものは時間が掛かって、先ほど申し上げましたように、情報開示も九月になってしまったということでございます。  遅いというお叱りは、それは重々受けます。結果としてそういうことになっているというのは事実でございます。
  346. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 これ、理由になりません。  私ははっきりと貸付けの決裁文書を出すようにと三月十七日に求めております。これ、理由になりません。もう一回答弁ください。
  347. 太田充

    政府参考人太田充君) 委員の御指摘は重々承知をしております。  ただ、理由を述べよということでございましたので、理由は今ほど申し上げたことでございます。
  348. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 いいですか、売払決議書はいただきましたが、この特例文書にはたどり着けないんです。それは削除されていたからです。  貸付けの文書は、これは本省の決裁が要る、この項目がありますから文書は残っているんです。これを五月の時点で、昨年の時点で我々が貸付けの決裁文書を入手していたら、この特例の文書についても国会で議論できたんですよ。  大臣、これいかがですか。これ、安倍昭恵さんのこの文書の痕跡を消すために国会に提出しなかったと、こう言われても仕方がないんじゃないですか。
  349. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  大変申し訳ないことでございますが、この書換えというのは、御報告申し上げておりますように、昨年の二月下旬から四月にかけて行われております。一方で、その情報公開なり国会提出というのはそれぞれのルールに従って時間がそういう形になっておるわけですが、いずれにせよ、その特例承認ということについて、今ほど来委員の御質問は、貸付けの決議書の提出が遅かった、特例承認もよってもって遅かった、特例承認には安倍総理夫人のが書いてあると。  よってもってという議論だと思いますが、特例承認のときに、経緯が大変詳しくて、政治家の先生なりが、そういうことが出てきているのは、特例承認だけが、今委員もお話がありましたように、本省の決裁が最終的になるものでございました。基本的には、近畿財務局だけでありますとそういうことはなかったと思いますけれども、本省決裁なので、本省は基本的に国会対応をやることが仕事だと、地方支分部局はそれが非常に大きい仕事だと思っております。そういう観点から、政治関係のことも非常に詳しく書いて上げてきたということだと思っております。
  350. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 ですから、全く理由になっていないわけですよ。  亡くなった方のメモには、決裁文書が詳し過ぎるから改ざんを指示された、こういうことも報道をされております。詳し過ぎると不都合なものが削られたわけであります。安倍昭恵氏につながる文書の存在、痕跡を消すために改ざんを行ったということがますますはっきりしたと思います。この真相解明には、改ざんを行ったと言われているこの佐川前理財局長、証人喚問、必ずやらなければなりません。  佐川前理財局長と安倍昭恵氏の証人喚問を求めます。
  351. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) ただいまの御要求は、後刻理事会で協議をさせていただきます。  時間来ています。
  352. 辰巳孝太郎

    辰巳孝太郎君 はい。
  353. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で辰巳孝太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)(発言する者あり)静かに。御静粛に。     ─────────────
  354. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 次に、片山大介君の質疑を行います。片山大介君。
  355. 片山大介

    ○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。  私も、引き続き、財務省の改ざん問題についてお話を聞いていきたい、そう思っています。  まず、昨日の審議で我が党の浅田均議員の質問に対して太田理財局長は、近畿財務局の職員が改ざん前の文書を個人的に保管していたと、こう述べました。そして、その後、大阪地検の協力を得て確認ができたというふうに述べているんですが、そうなると、この個人的に保管していた文書というのが今回財務省考えている元々のオリジナルの原本という考えなのか、まずそれについてお伺いしたいんですが。
  356. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  今回、いろいろ事情といいますか、それぞれ職員から聴取をして、それで、オリジナルのもの、元々の書き換えられる前のものが何かということを特定したいという作業をいたしました。  その中で、一つの本省決裁は別途のところである意味ではあるということが分かるわけですが、残りのものは基本的に近畿財務局のもの、近畿財務局、あるいは本省のも一部あるんですけれども、本省の職員も一部手控えみたいにして持っていたというものがあるんですが、基本は近畿財務局でございましたので、それは紙の形のものもあれば、パソコンの中に個人データとして残っていたものというものもあります。それをある程度特定して、それがオリジナルのものであろうというところまで特定した努力をした上で、最終的には、大阪地検にお願いをして大阪地検のところに行って、そこで物をコピーをさせていただいて、それで今回の提出をさせていただいた。我々がこれが最終ではないかと思ったものを、これを見せてくださいということでお願いをして、それでコピーをさせていただいて、今回御提出をさせていただいているということでございます。
  357. 片山大介

    ○片山大介君 そうすると、あれですか、オリジナルの原本じゃない可能性もあるということですか。
  358. 太田充

    政府参考人太田充君) 原本そのものの、紙そのものかと言われれば、それはそうでない可能性は十分あると思いますが、オリジナルであるかどうかということについては、我々なりには調べた上でこれがオリジナルだという一応の確信を持ってやらせていただいているというものでございます。オリジナルという意味が、内容的にオリジナルのものだというふうに我々なりには一応これでと確認をした上で出させていただいているというものでございます。
  359. 片山大介

    ○片山大介君 いや、ちょっとそこがよく分かりづらいんですけど。  だから、いずれにせよ、その原本というのが本当なのかどうかはよく分からなくて、やっぱりこれは、もう原本を廃棄した、改ざんした後に廃棄したということなんで、やっぱりこれは罪が重いと思いますよ。  それで、近畿財務局のその管理ファイルにももう原本は残っていないというんだから、そうすると、これは明らかにやっぱり犯罪行為になると思いますよ。公文書を廃棄した毀棄の罪ということになると思うんですが、これについてどうお考えですか。
  360. 太田充

    政府参考人太田充君) 司法の世界のことはちょっと私には御答弁いたしかねますが、原本そのものという意味で、原本というのを今国会での議論でも様々な意味で捉えられているような気がいたしますが、普通に、普通にというか、私なりの理解は、今委員が原本とおっしゃっているものは、一番最初の本来の書換え前の、鑑が付いて、調書も付いて、その後ろに参考資料がとじられているという意味での原本ということだろうと思って御答弁を申し上げますが、そういう意味では、その調書の部分は差し替えて、その部分に今書換え後のものを差し替えてもおりますので、そういう意味で、もう原本は存在しないと言われればそういうことだと思っております。
  361. 片山大介

    ○片山大介君 いや、それで、大阪地検の方にその原本だろうというのが、オリジナルだろうというのがあるのもちょっと分からなくて、時系列的からいうと、改ざんした後の文書を地検には提出しているはずで、それが、元のその文書たるものがなぜあるのか、ちょっとこれを教えてもらえますか。
  362. 太田充

    政府参考人太田充君) 書換え後のものは、我々としては、当時といいますか、基本的に正本のものですので、それは提出をしております。  一方で、その前のオリジナルのものという言い方をいたしましたが、書換え前のものは、それは要するに、今ほど申し上げたように、差し替えた、その差し替えたもの、あるいはそのコピーなのかもしれませんが、それを一部の職員が手控えとして持っていた、あるいは個人のパソコンの中に個人データとして保管したものがあった、それを地検に御提出をして、それを地検からコピーをさせていただいてと、基本的にそういう流れでございます。
  363. 片山大介

    ○片山大介君 そうすると、だから、提出したときにはその二種類あるというのを認識していたんじゃないかということが言いたいんですけど。
  364. 太田充

    政府参考人太田充君) 提出と申し上げておりますのは、基本的に組織として提出したというわけでは、当然のこと、当然といいますか、ございません。要するに、それを持っていた職員が、ある意味でそういう、ある意味で個人としてそういうことをしているということでございます。
  365. 片山大介

    ○片山大介君 今の意味がよく分からない。もう一度言ってもらえますか。  だから、提出をした、任意なのか強制なのかは別としても提出したわけであって、そのときに、その文書が二種類向こうに行っていたわけですよね。それを把握できていなかったということ、把握できずに提出したということなのか。
  366. 太田充

    政府参考人太田充君) 組織としては把握できていないということです。近畿財務局としては、それは書換え後のものが正規のものと、それしかある意味で基本的に組織としては知らない。もちろん、関与し、知っていた人間がいないわけではありませんけれども、基本的には知らないので、組織として我々がこれが正本だと思っているものは、その書換え後のものだけということでございますので。
  367. 片山大介

    ○片山大介君 それで、次に聞きたいのが、昨日のこれは答弁で、それ何回か書き換えたと、それで最終形ができ上がっていったということなんですけれども、そうすると、答弁のたびにその改ざんを指示していたということでよろしいですか。
  368. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  済みません、昨日でしたか、何回かという言い方を私がしてしまいまして、それはちょっと誤解を与える表現だったと思っております。  何回かと言ったつもりは、何度も何度もそのものを差し替えたというつもりで申し上げているつもりではなくて、基本的に、二月下旬から四月というふうに申し上げましたけれども、その間、毎日とかそういうことではありませんが、答弁の状況なりなんなりを見て、こうか、ここはこういうふうに書き換えた方がいいじゃないか、ここはこういうふうに書き換えた方がいいじゃないかと、一日で、一発でああしているという状況ではないようで、そういう意味で何回かということを申し上げたと。その紙そのものを何度も何度もということで申し上げているというつもりではございません。
  369. 片山大介

    ○片山大介君 そうすると、いずれにしろ頻繁にこれをやっていたということになると思うんですけど。  これ、やり取りはどうなんですか、メールなんですか、何ですか。
  370. 太田充

    政府参考人太田充君) やり取りと申しますか、やり取りは基本的にメールなりあるいは電話なりということはあったのかもしれませんが、基本的に今申し上げた何度か何度かというのは、それをどういうふうに直すかというのを考えている人間の頭なりその行動みたいなことですので、それを何度も何度もといいますか、やって、考えているのは、基本的にやったのはという言い方をしていますが、それは基本的に本省の理財局でございますので、それは、理財局の中の一部の職員の間であれば、それは同じ場所にいますので、本省理財局の中の一部の職員でどうするああするということは、本省の理財局内にいるわけですから、基本的にはメールがなくても電話がなくても面と向かって話ができますのでということでございます。
  371. 片山大介

    ○片山大介君 それで、これもまた昨日出た話なんですけど、そのやっぱり十四文書のうち一つは本省の電子決裁のシステムで管理されていて、それから元のその改ざん前の文書も一緒に残っていたと言っていますね。まあこれも驚くんだけれども、そもそも決裁した後に改ざんなんかなかなかできないんです。だから、それをやるとなると、もうその特定の人物しかアクセスできないのは間違いないと思います。そうすると、まあ誰かとは言わないけど、そのアクセスした人物というのは特定できているんですか。
  372. 太田充

    政府参考人太田充君) その部分、もちろんそういうことも含めて、今誰がどういう役割でどうだということを調査をしておりますので、おっしゃるように、コンピューターそのものにアクセスしようとすれば、それは誰がアクセスしたかというようなことを含めてそれは分かることはあると思いますので、そういうことを含めて今作業をしている、調査をしているというふうに承知をしております。  まず第一には、物そのものを確定して、とにかく国会にできるだけ早く御提出をしたいということで作業をしておりましたというのが実情でございます。
  373. 片山大介

    ○片山大介君 いや、実行者は理財局内の一部の行為だと、一部の者だと言っていて、そこまである程度実行者を限定して言っているんだったら、これ、理財局内のほかの人に対しても疑念が掛かっているわけだから、これはある程度言った方がいいのかなと思いますけどね。
  374. 太田充

    政府参考人太田充君) 今、それは、誰がどういうふうにしてというのは今調査をしている、それは捜査との影響も十分配慮してやらざるを得ないので、そこで、そういうことはいたしかねるというふうに思っております。
  375. 片山大介

    ○片山大介君 そして、またこれも昨日、おとといか、明らかになったんですが、例の国交省からの改ざんの文書の疑いがある報告ですね、これ、今官房長官がいなくなっちゃったんですけれども、その五日の日には財務局とそれから官邸の方にもこの話が一応行ったと。それで、じゃ、総理への報告はいつだったのかというと、これは総理自身が報告を受けたのが十一日と答えていた。だけど、昨日の官房長官の答弁では、六日の時点でもう官房副長官から話行っていたと思うというふうに言っているんです。  これ、事実関係をもう一度教えてもらえますか。
  376. 原邦彰

    政府参考人(原邦彰君) お答え申し上げます。  まず、先週の五日、国土交通省から杉田副長官に対し報告がなされた際は、森友関係財務省文書の一部が国交省に保存されており、その文書は書換え前のものである可能性があるとの報告があったと承知しております。それを受けました杉田副長官は、国交省に対しては財務省の調査に全面的に協力するよう指示を行い、財務省に対しては調査を徹底的に行うよう改めて指示をするなど、それぞれの省庁に対し事実の解明に向けてしっかり対応するよう指示を行ったと承知しております。  そうした動きについて、六日の日に杉田副長官から官房長官に対して報告があったということであります。それから、同じ六日の日に、総理にも秘書官を通じて報告があったと、こういうことでございます。
  377. 片山大介

    ○片山大介君 いや、それで、官房長官は、その事実関係が確認できるまで公表を控えた対応には問題ないというふうに言っているんですが、これは、あれですよね、おとといの議論だと財務省と全く同じなんですよね。  それで、おととい私、これ質問したんですけど、財務省としてその公表を控えた判断の最終決定誰だったのかと言ったら、たしか局長局長自身だというふうにおっしゃったと思うんですが、これ、そうすると、官邸とこの公表見送りというのはすり合わせたんですか。
  378. 太田充

    政府参考人太田充君) いえいえ、すり合わせということではなくて、後ほど官邸からは、杉田副長官からだったでしょうか、私どもにも、きちんととにかく徹底的に調査するようにというふうに私どもの官房長の方に御指示はいただいているということでございまして、その公表といいますか、最終的な調査結果が出て、それをもって公表すると。その結果が確認できない限り公表できないし、その作業を一生懸命やるというのが私ども財務省の責務だったというふうに考えてございます。
  379. 片山大介

    ○片山大介君 官房長官もそれでよろしいんですか。
  380. 原邦彰

    政府参考人(原邦彰君) お答え申し上げます。  本件は財務省における文書の問題でございますけれども、官邸としては、書換えの可能性があるという五日の国土交通省の報告を受けまして、財務省において徹底的に調査するよう指示をしているところと承知しております。  その際、財務省においては、まずは職員の聞き取りや文書の調査など自ら徹底して行い、その上で、九日、検察当局に協力を依頼し、そこで最終的に書換え前の文書の確認に至り、翌十日未明になって実際に文書の写しを入手し、十二日に国会への報告がなされたものと承知しております。  このように、それまでの間は、財務大臣の指揮の下でできる限りの徹底した調査が行われていたものと、そのように承知してございます。
  381. 片山大介

    ○片山大介君 だけど、そのおとといの委員会では、同じ対応をした財務省に対して、もうこの委員会でかなり叱責が飛んだんですよ。これ、同じそしりをやっぱり官邸側も免れないと思いますけど、これ、どうお考えですか。
  382. 原邦彰

    政府参考人(原邦彰君) お答え申し上げます。  繰り返しになりますけれども、財務省において様々な努力をされて、最終的に十二日に国会に報告がなされたと承知をしております。それまでの間は、財務大臣の指揮の下でできる限りの徹底した調査が行われているということで承知しております。
  383. 片山大介

    ○片山大介君 それで、まだ聞きたいことがいろいろあるんですけど、財務省は今回の件に、また新しくほかにも、三年前にも決裁文書からメモを削除していたと。それで、それが、森友からの情報公開請求に対してメモを抜いて公開したとかと言っているんだから、結構これも驚くんですよね。  財務省というのは、体質として、都合の悪いことがあるたびにそうした公文書に手を加えるということを頻繁にやっていたんじゃないかというふうに思ってしまいますが、これについてはどういうふうに考えていますか。
  384. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  今回の決裁文書の書換えは、大臣からも再三御答弁があるように、あってはならないこと、大臣からはゆゆしき事態というふうにお答え、お言葉をいただいております。こういう決裁文書の書換えということが行われていて、なおかつ、その関係もあって調べたときにそういうことが分かったと。一日後なんですけれども、一枚、今回のことよりは二年ぐらい前、近畿財務局において、これは本省のということではなくて近畿財務局においてということで、こういうことが立て続けに結果が分かり、報告をしないといけないということは、今委員がおっしゃるとおり、財務省はいつもこういうことをやっていたんじゃないかという疑念は持たれるのはある意味では当然だと思っております。  ただ、我々は、ここで私は、いや、これは、今回のことは本当に申し訳ないことでありますが、こういうことは、そんなにというか、こんなことはありませんと本気でそう思っていますが、それを私が言っても、今の状況でどなたにも信じていただけないというふうには本当に思っております。ですけれども、我々はこんなことをそんなにしょっちゅう、しょっちゅうというか、いや、そんなにじゃない、しょっちゅうじゃなくても、そんなことをやるような組織ではない、あるいはそんな人間ではないと思っておりますが、今の時点では御理解いただけないのは重々承知をしております。
  385. 片山大介

    ○片山大介君 そう言われてもという感じなんですよ、やっぱり。  それで、大臣は昨日、ほかの部署でも同じようなことがないか調査指示したというふうに言っているんですが、これは、今回、近畿財務局、外局でしたけど、外局を含めてやるのか、どういうふうにやるのか、ちょっとこれをお話しいただきたいんですが。
  386. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) これは私ども、今、理財局が主導して近畿財務局のいわゆる公文書を後で書き換えさせたということになって、理財局だけがスポットライトを浴びたような形になっていますが、少なくとも、他に主計局、主税局、いろいろ局がありますので、そこの局長を全部集めた上で、これは理財局だけの話で事を逃げているんじゃこれは駄目だと、少なくとも財務省全体にこれ信頼がなくなった形になっているんだから。  したがって、他の局も、これは自分の局の内容も含めて、この種のことがないのかもう一回洗い直す必要があるという話を厳命して、かつ、このことに関して、局とか、局長とか課長とかその辺ならいろいろあるでしょうけど、そのまた下の若い人にとっては全く、何だろうね、我々には全然関係ないところで動かされ働かされて、俺たちまで疑われちゃたまらねえという意見もそれはありますよ、多分若い人たちは。そういった人たちのことも考えて、きちんと上に立つ者として手当てをしないと、士気に関わることになるから。  そういった意味では、この省の信用回復というのは、今回は、少なくとも信用というのは、御存じのように、なくすのは一瞬でなくなりますけれども、つくり上げる、ましてや再構築するというのはかなりな時間を要する話だと思いますので、長期的なことをきちんと考えてやらせているという必要を次官以下きっちりという話を昨日させていただいたところなんですけれども。  いずれにしても、こういったような問題を二度と起きないように、先ほど太田理財局長の方から話があっておりましたけれども、きちんとそういったことをやらせていくという必要が今最も多い、大事なところだと、私はそう思っております。
  387. 片山大介

    ○片山大介君 いや、その気持ちは分かるんですが、具体的にどうするのかなというふうに思っていて、それで、ほかにも改ざんがあるかどうかということをやっぱり一番みんなが知りたくて、そうすると、それぞれの公文書が本当に正しい、真正なものなのかというのを、何というか、証明する手段って何かあるんですか。
  388. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) まずは、今もう膨大なことになっていますので、まずは理財局以外の局、理財局以外の行政文書の管理状況等々がありますので、そういったものの監督については、これは時期や対応方針というのはちょっと今すぐというわけにはいかないと思いますので、少々時間がずれるとは思いますけれども、そこらのところも併せてやるようなことをしないと長期的な信用は獲得できないと、私どもはそう思っております。
  389. 片山大介

    ○片山大介君 聞きたいのは、理財局長、そういうのは証明できるんですか。
  390. 太田充

    政府参考人太田充君) そういうことはないということを証明せよということですので、それは大変難しいとは思っておりますが、とにかくそれに向けて我々は努力をしなければいけない、そうでなければ信頼は回復できない、それを回復することは大変容易じゃないんですが、それは、本当にそれはできないと思っております。
  391. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 基本的にこれは個々の人間の意識とか矜持とか、そういった、誇りとか、いろんなものに関係するんだと思いますけれども、いずれにしても、個々の職員というものが、公文書管理法というのがきちんとあるわけなので、そういったものをきちんと踏まえて、いわゆるコンプライアンスとか法令遵守とかいろんな表現がありますけれども、そういったものをきちんと腹に収めて公文書管理というものに関してきちんと対応していくという姿勢からまずはスタートしないとどうにもならぬと思っております。
  392. 片山大介

    ○片山大介君 いや、だから、そうするとやっぱりヒアリング中心になるのかなと。そうすると、やっぱりどこまできちんとした調査になるのかなと思っているので、それは財務省内だけの調査じゃなくて、やはり、国会の場できちんと委員会とかつくって、外部の目から見てきちっとした調査が私は必要だと思いますね。  そういうことによって、やはり今回は国会の権威も傷つけられたわけなんだから、やっぱり委員会つくって、それで集中して審議やっていくということが大切だと思うんですけど、これ実は大臣大臣におとといも聞いて、おととい大臣に否定されたんですが、やっぱりこういうことを、もうこれだけ問題が大きくなっているんだから必要じゃないかと思いますが、どうでしょうか。
  393. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 国会でどのような委員会、そういったものを設置されるとか、またそういったものについては、これは国会で決められるので、ちょっと私の方からはコメントは差し控えさせていただきますけれども。  その上で、調査の客観性というものにつきましては、これは担保すべきものだという、そういった問題意識というのは私もよく分かるところなので、捜査当局の捜査が目下進んでおりますので、これもっと、第三者が一つなのかもしれませんけれども、そういった状況にありますので、自らの財務省としての責任においてもやるべきこと、捜査と別にやるべきことがあろうかと思いますが、そういった意味では、調査を進めるとともに、財務省を挙げてこれまでの信頼回復という、ここからスタートをさせなきゃいかぬと思っております。
  394. 片山大介

    ○片山大介君 それで、その客観的なということでいえば、やはりこれ、今日何人の方、言っていますけれども、私も、もうそもそもの問題のやっぱり国有地のそのごみが本当にあるのかどうかということは、これやっぱり調べるべきだと思いますよね。大幅値引きのほとんど根拠なんだから。これ、本当に調べて、もしあれば、やっぱり合理性があったと、値引きの合理性があったという話になるんだし、なければ、やっぱりこれおかしかったんだなということが分かるんだから。  だから、今いろんな権利の問題があるとかという話は言っているけれども、これだけ問題大きくなっていて、みんなやっぱり気にしているんだから、それは私、ごみはやっぱり調査すべきだと思いますよ。これについてどうお考えか、大臣、お伺いしたいです。
  395. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) これも度々御答弁させていただいておりますけれども、少なくとも今この土地は、土地そのもの自体は大阪航空局か、にいわゆる国有地になって返ってきておるというのは事実ですけれども、その上にいわゆる建物が建っていて、その建物は、籠池という人が主張しても、これは実際金払っていませんから、この建物を建てた何とか工業という工業がそれを押さえている話なので、その土地の中にいきなりボーリングするということができるかといえば、これはなかなかその了解を得られないとできないところだと思いますので、今これはいろいろ、何というの、現場で交渉をいろいろ、このところいろいろ交渉をさせていただいているということは知っておりますけれども、果たしてその人がそれをのむかなというのはちょっと別問題なんだと思いますので、ちょっとこれはこっちだけの都合だけでできるという状況にないということだと存じます。
  396. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 片山君、時間来ています。
  397. 片山大介

    ○片山大介君 是非やっていただいて、その疑惑の真相究明に応えてほしいと思います。  終わります。ありがとうございました。
  398. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で片山大介君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  399. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。
  400. 福島みずほ

    福島みずほ君 希望の会、社民党の福島みずほです。  麻生大臣にお聞きをします。三月二日、朝日新聞の記事が出て、何かアクション取られましたか。
  401. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 三月五日の前に、三月二日の日に、既にこの種の話、いろいろな話題が出ていましたので、三月二日の日にいろいろな指示をしたというのは記憶がありますけれども、そういった意味で、三月二日の、既に同等のことをやっていたと記憶します。
  402. 福島みずほ

    福島みずほ君 どんな調査を誰に命じましたか。
  403. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 官房長をして、この種の話の内容についてどのようなものになっているか、理財局、官房長という、官房というので、この理財局が主な話なので理財局、同時に、人の関係が出てきますので官房というので、両方に指示をしたと記憶します。
  404. 福島みずほ

    福島みずほ君 その結果、どういう答弁でしたか。
  405. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 三月十一日にその報告が出てきたと記憶します。
  406. 福島みずほ

    福島みずほ君 長い時間たっていますね。二日の日に理財局は、私たちにはほかに原本があるかどうか答えられないと言いました。  麻生大臣、監督責任があるでしょう。二日の日にどうされましたか。
  407. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 少なくとも、三月十一日の報告ですけれども、私の二日の日の指示を受けて、約一週間強になりますか、財務省の事務方として、職員への聞き取りと文書の確認と、それから捜査当局への協力の依頼などと併せて、私どもとしては全力を挙げて、何というの、調査をさせていただいた。ですから、全体像の確認をさせていただいたということだと思っております。  私自身としては、記事の内容というのがこれは本当かなという心配もありましたし、書換えがあると認められる可能性もこれは皆無じゃないということも考えたのは事実ですが、しかしながら、これ、私どもとしては、組織のトップとして、これは精査がまだ終わっていない段階で、中間報告とか一次調査とか、そういったものだけで事を、現場を混乱させるということになるのは私どもとしては愚かだと思いますので、全体像の解明を遅らせるということになるようなことになると元も子もありませんので、最終的な調査の結果を待ってだということだと思いますが、私どもとして、いろいろ時間は掛かったということで御批判があることは承知しておりますが、三月十二日という、我々としては、これだけの調べにしてはそれなりに早いと考える段階で調査結果を国会にお示しすることができたということだと考えております。
  408. 福島みずほ

    福島みずほ君 理解できません。二日から十二日まで一切大臣がどうなっているかを聞かないなんて大臣としてあり得ませんが、いかがですか。
  409. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 先ほども申し上げましたように、見解が違うだけの話だと思いますが、私どもとしては、毎日毎日どうなっている、どうなっているということを言われなきゃやらぬというような組織じゃありませんから。
  410. 福島みずほ

    福島みずほ君 余りに時間がたって不自然です。  五日の日に国土交通省が官邸に、違う文書があると出し、そして杉田副官房長官財務省に調査を指示したと。  麻生大臣が国土交通省の別の文書があるというのを聞いたのはいつですか。
  411. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 私どもが、石井交通大臣から記者会見等々で言及している旨は、これは私どもも秘書官などから聞いちゃおりましたけれども、私どもに正式にというのが来ましたのは三月十一日というのが先ほど申し上げてきたとおりです。
  412. 福島みずほ

    福島みずほ君 これも不自然ですね。  杉田副官房長官財務省に対して、誰にどういう調査を命じたんですか。
  413. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  徹底的に調査をせよということでございました。事務的に大臣官房長の方に杉田副長官からお話がございました。
  414. 福島みずほ

    福島みずほ君 二種類あったら捏造の可能性があるじゃないですか。どうですか。
  415. 太田充

    政府参考人太田充君) 三月二日に朝日新聞の報道があり、それから国会でも御論議があり、私どもは調査をするというふうに申し上げました。それまで基本的に捜査を受ける身でしたので、基本的に捜査優先ということだったと思いますが、その日の国会の議論も踏まえて、捜査ということももちろん大事だけど、国政調査権を背景とした国会からの御要請というものを重く受け止めて調査を始めたということでございます。  それで、三月五日のその件については、確かにそれも一つの貴重な情報ではありましたけれども、一つの情報でございます。それ以外にも、事情聴取をし、様々な文書を探索をして、全てのものについていろんな意味で確認をしないと、国土交通省からいただいたものが我々の書換え後のものとは違っておるというのはもちろん承知をしましたけれども、いろんなものを確認をし、最終的には、それを地検に協力をいただける状況にまでして、それでお願いをしてということで、最終的に十二日に報告ができたということでございます。
  416. 福島みずほ

    福島みずほ君 あり得ないです。  じゃ、なぜ国会にこのたくさんの書類を、これが今の時点で全てですと言って八日の日に出したんですか。
  417. 太田充

    政府参考人太田充君) 八日の日のお話は、基本的には、その以前に近畿財務局で紙のコピーを、委員の、議員の先生方がおいでになられてそれを持って帰られて、それが先生方にお出しをしていたものと違っておると、なので、そこを出せということだと考えてそういう行動をいたしました。  その上で、委員のおっしゃっていることは、要するに、その時点で別のものがあるということが分かっているならそれを出せということだと思っております。  で、別のものがあるということが確定できていれば、我々はそうしております。でも、それができたのは、十二日に報告できたということでございますので、それで八日の日に、我々、近畿財務局において正本として保有していたもの、行政文書のファイルに入っていたものは、コピーの状態は、近畿財務局においでになられた先生方にお渡しができたものであり、基本的にはPDFの形にしたものが国会に提出しておりましたので、そのものということを御提出させていただいているということです。
  418. 福島みずほ

    福島みずほ君 理解できません。  大臣、これ、国会にこれが全てですと言って大量に出されたんですよ。これ、うそだったんですよ。調査中であり、しかも、五日、六日に別の書類があることを知りながら、これが全てですと国会に出すのは国会を愚弄していませんか。
  419. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 今、太田が答弁をさせていただきましたけれども、理財局長の立場として、途中の話でありますから、少なくとも、近畿財務局に行かれた方々が持ってこられた書類という話と整合性を持って、私ども持っている書類、その段階ではそれが全てだということだと存じます。
  420. 福島みずほ

    福島みずほ君 一年以上だまして、しかも、これが全てですと出したのがうそっぱちだったことが十二日に分かったんですよ。調査中で、別の書類を国土交通省から出ているのが知って国会にうそをついた責任はどうなるんですか。
  421. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 重ねて申し上げますけれども、私どもとしては、その書類を近畿財務局の方からお持ち帰りになられた方々に対して、こういうのがあるとかいうので、元のと違うじゃないかと、我々と見解が違ったんですが。その段階ではまだ、五日の話がまだ現物として十二日の調査ができるまで、私どもは少なくとも被疑者の立場ですから、そういったものをきちんとした上で、精査した上で、その上で大阪地方検察局に対して協力を要請できるところまで精査するのに極めて長時間、時間が掛かった、それが全てだと思いますが。
  422. 福島みずほ

    福島みずほ君 うそですよ。これが全てですとうそをついたことは絶対に許せないですよ。うそのうそじゃないですか。  大臣、十一日に知ったということであれば、もしそれが本当であれば、私、違うと思いますが、余りに遅過ぎる、監督責任果たしていない。いかがですか。
  423. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) これだけ膨大な資料を各方面から、捜査当局のある程度の縛りもある中で調査するにはそれ相当の時間が掛かるというのは、数千ページにわたる話ですからなかなか簡単な話ではない、私どもはそう理解しておりますし、きちっとしたものを出さなければこれはまた、いろいろまた御批判を受けることになりますから、きちんとしたものを出すためにはそれ相当な時間が掛かるだろうと思いますが。
  424. 福島みずほ

    福島みずほ君 電子データもあるし、書類はあるんですよ。捏造して、それを隠し通してきて十一日に知った、もしそれが仮に本当であれば、監督責任がない、大臣辞めるべきだと思いますが、いかがですか。
  425. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 私どもとして、監督責任等々いろんな話があろうかと存じますが、少なくとも今の段階、度々申し上げておりますけれども、この種の話は、目下調査中の話、捜査中の話でもありますので、私としては、きちっとした答えが出せて、その上で原因究明、また今後の対策等々のものがきちんとでき上がった、そういうものをきちんとつくり上げる、それが私に与えられている責任だろうと思っております。
  426. 福島みずほ

    福島みずほ君 前代未聞の捏造事件があったことのトップなんだから、責任取るべきですよ。辞めるべきじゃないですか。
  427. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 答弁は今申し上げたとおりであります。
  428. 福島みずほ

    福島みずほ君 調査中であれば、なぜ佐川さんが責任者だとあなた言えるんですか。
  429. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) これは、我々が調べた中で、今の段階で言える段階。少なくとも、今、本人は辞めると言ってきた段階ですから、そういったのを受けて、私どもとしては、その辞めると言ってきた人に対して、少なくともその本人はいわゆる国会、公文書等々についていろいろな信頼を失わせたというところが大きな問題だという自覚がありましたので、そういった意味では、私どもとしては、退職をするというのであれば、それはこれ以上責任ある仕事を継続させておくような、国税庁というのはそういうところではありませんから、辞めると言ってきた段階で丁寧に、それは辞めるのはいいけれどもその代わりという話でいろいろさせていただいたということです。
  430. 福島みずほ

    福島みずほ君 問題ねじ曲げていますよ。佐川さんが信頼を失わせた責任があるんだったら、大臣はもっとそうじゃないですか。
  431. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 先ほど答弁を申し上げたとおりであって、その責任の取り方というのは先ほど御答弁を申し上げたとおりです。
  432. 福島みずほ

    福島みずほ君 佐川さんがこの責任者、改ざんした責任者だというのは、どうして今の時点で言えるんですか。
  433. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  この本件について誰がどういう役割をしてということは調査をしているということは申し上げております。  その上ででございますが、基本的に、そうはいっても、近畿財務局の関係るいは外との関係ということも、当然いろんな職員から聴取をし、あるいは証拠といいますか、そういうものの確認をした上で、基本的に本省理財局においてということであるというふうに私どもとしては認識をしています。  その上で、今ほど委員が佐川前長官がと言われることについては、これまで御答弁を申し上げているとおり、当時の局長であるということと、それから、基本的には、何でという話について、御答弁申し上げておりますように、本件、二月の下旬から四月にかけて書換えが行われたということですが、二月から三月にかけてのそれまでの答弁について誤解を受けないようにするためにということでございましたので、当時の答弁を主としてやっていたのは佐川前局長だということで、そういうことを申し上げておるということでございます。
  434. 福島みずほ

    福島みずほ君 おかしいですよ。佐川さんの答弁、全部読みました。改ざん部分と違うところ、いや、違うというか、安倍昭恵さんのことや日本会議のことなど言っておりません。  麻生さん、佐川さんが責任者だとおっしゃいましたが、この佐川答弁とそれから改ざんした部分の対照ってちゃんとやったんですか。
  435. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  書き換えられた部分を全体として見て、そういうふうに認識をして御答弁申し上げております。今ほどの二月下旬から四月にかけてということで、二月から三月までのそれまでの答弁ということを考えて、認識をした上で御答弁を申し上げております。
  436. 福島みずほ

    福島みずほ君 何で責任者と分かるんですか。  そして、さっき太田さんは、政府の答弁とのそごと言いましたね。政府の答弁というのの中に、安倍総理関係ないという発言は入っていますね。
  437. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  まず、私はそごとは申し上げておりません。それは発言させていただきます。  その上で、基本的には、政府の答弁ということは、当然、当時の局長もありますし、大臣もありますし、総理大臣もあります。それは政府の答弁ということだと思います。  ただ、申し上げておりますのは、今回、ページ数でいうと六十二ページの書換えを見ていただくと、今委員がおっしゃっている部分、そういう部分があることはありますけれども、全体として見れば、大変いろんな意味での事務的なといいますか、細かいところが多数ございます。そういう部分は、いい悪いという意味ではなくて、責務上、仕事上、それを答弁するのは私ども理財局長の仕事でございますので、そういうものが大宗を占めておるということを申し上げているということでございます。
  438. 福島みずほ

    福島みずほ君 理財局長の責任じゃないじゃないですか。大臣総理大臣、とりわけ、私は関係ないというところと合わせるために改ざんしたんじゃないですか。
  439. 太田充

    政府参考人太田充君) 今ほどのお話は、その目的、何でということの目的といった話ですが、それは私どもも、最終、誰の責任、処分をしないといけないので、そういう意味も含めて調査もしていますし、最終的には、それは捜査ということもありますので、そういうことだろうと思います。その上で、委員が御意見ということでおっしゃっておられるというふうにお聞きをしております。
  440. 福島みずほ

    福島みずほ君 全容解明のために安倍昭恵さんと佐川さんの証人喚問を要求します。
  441. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) ただいまの要求に関しましては、後刻理事会で協議をさせていただきます。
  442. 福島みずほ

    福島みずほ君 また、全容解明のために十四件の原本全て出してください。
  443. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 理事会で協議いたします。
  444. 福島みずほ

    福島みずほ君 一件、本省が決裁している四月三十日の文書、十八名の、本省の田村さんや中村課長、局次長、決裁しています。安倍昭恵さんのことを四月三十日の時点で本省は知っているんですよ。そして、田村さんと十一月、谷査恵子さんは交渉する。そして、その年の次に、三月、田村室長とまさに籠池さんが交渉する。まさにこの決裁書で、これ、本省の理財局長、理財局の人たちは、これは安倍マターだ、安倍昭恵さんと安倍総理のテーマだということが分かっていたんじゃないですか。
  445. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 時間が来ておりますので、いいですか。
  446. 福島みずほ

    福島みずほ君 答弁をお願いします。
  447. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 理財局長、簡単に答弁を。
  448. 太田充

    政府参考人太田充君) 答弁について決裁したものは、責任としてはその中を承知をしておるというのが責任だというふうに思っております。
  449. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) はい、これにて終わります。
  450. 福島みずほ

    福島みずほ君 更なる追及が必要です。  大臣辞任すべきです。
  451. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  452. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 次に、川田龍平君の質疑を行います。川田龍平君。
  453. 川田龍平

    川田龍平君 立憲民主党川田龍平です。  まず、事実関係について理財局に伺います。  この十二日に公開された文書、公文書について、表紙が付いていないんですが、表紙がありますでしょうか。
  454. 太田充

    政府参考人太田充君) 申し訳ありません、どういう御趣旨かちょっと。十四の決裁文書の提出したものに表紙が付いていないという意味ですか、それとも、それぞれの決裁文書の表紙が付いていないということでしょうか。どういう意味でしょうか。
  455. 川田龍平

    川田龍平君 この十四の文書の表紙です。
  456. 太田充

    政府参考人太田充君) 今回提出をさせていただきましたものは書換えをしているものの十四を全部まとめたもので、ある意味で、それぞれ何ページというのを示しているものが表紙として付けさせていただいたつもりで提出をさせていただいております。
  457. 川田龍平

    川田龍平君 公文書には秘密指定とかそういうこと書いてあると思うんですけど、そういった鑑文はないということですか。
  458. 太田充

    政府参考人太田充君) 申し訳ありません。国会に提出するものということで、機密指定云々というようなことをして出しておるものではございません。
  459. 川田龍平

    川田龍平君 これ、配付先の指定もないということですか。
  460. 太田充

    政府参考人太田充君) 公開をするものでございますというふうに考えておりますので、特にそういうことを考えてはございません。
  461. 川田龍平

    川田龍平君 やはりこの原本を出していただかなければ、この文書がどこまでこれが皆さんに供覧されているのか分からないですが、表紙をちゃんと付いたその原本を出していただきたいと思いますが、いかがですか。
  462. 太田充

    政府参考人太田充君) 申し上げます。  今のこの御提出をさせていただいた資料そのものは、原本といいましても、まあ原本といえば、その一番最初の切って貼ったものが原本といえばそうですけど、そういうことで、恐らく委員がおっしゃっておられるのはそうではなくて、済みません、十四のそれぞれ決裁文書、書換え後というものと書換え前を出して、書換え前のある、付いている元々の決裁文書が十四それぞれある、その原本を出すようにという御指示でございましょうか。  そうだといたしますと、基本的に元々書換え前の原本そのものがあるわけでは残念ながらなくて、その決裁文書の中にあった表紙というか鑑みたいなものがあって、その次に調書という今回書き換えている部分のものがあって、その後にいろんな参考資料が付いているということでございまして、その調書の部分を書き換えて前のものと差し替えて、それで今のもの、今の書換え後のものを作っているものでございますので、そういう意味で、書換え前の原本というものはもはや存在しないものになっているということでございます。
  463. 川田龍平

    川田龍平君 その書換え後の原本というのは、誰がそれ見て判こを押したんですか。
  464. 太田充

    政府参考人太田充君) 大変申し訳ないことをやっておるんでございますが、要すれば書換え前のその判こを押したその決裁の一部の調書のものを差し替えているということで、書換え後のものについてある意味での正式の決裁を取っているわけではないので、そういう意味で書換えをしているということを申し上げております。
  465. 川田龍平

    川田龍平君 それでは次に、八億円の値引きの根拠である地中ごみについて、これ、実際より深くあると見せかけた虚偽の報告書を書かれたと証言が出ていますが、これについて政府は、再調査を検討するのではなく、価格は適切だったと言い張っていますが、虚偽でも適切とは一体どういうことでしょうか。
  466. 太田充

    政府参考人太田充君) 申し訳ありません、今おっしゃっておられるのは、虚偽でも適切というのは、それは今日の毎日新聞の報道のことをおっしゃっておられるということでよろしゅうございますか。    〔委員長退席、理事宇都隆史君着席〕  今日、毎日新聞で報道があったことは承知をしております。これは、基本的には今捜査の段階ということでございますので、先ほど来、石井国土交通大臣からも、捜査の段階のお話なのでそれはコメントはいたしかねるという答弁がなされているというふうに承知をしてございます。
  467. 川田龍平

    川田龍平君 これは再調査すべきと思いますが、いかがですか、国交省。
  468. 石井啓一

    国務大臣石井啓一君) 現在、当該土地につきましては、森友学園から建設工事を請け負った建設会社が、請負工事代金が支払われていないということから建設した建物についての所有権を主張し、また、土地についても、そのほかの代金が支払われていないということから留置権、とどめ置く権利を主張して占有している状況でございますので、直ちに当該土地についての地下埋設物について調査する状況にはございません。
  469. 川田龍平

    川田龍平君 麻生大臣は十二日の会見で、文書書換えについて、一部職員がやったことだと繰り返していますが、公務員でありながら国会で虚偽答弁をしているこの佐川前長官について、いまだに適切な人事だったと言い張る理由は何でしょうか。
  470. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) いわゆる、判こがつかれた後の文書、決裁文書を書き換えるというような話は、これはゆゆしき話なんであって、この点に関しましては私どもも間違いなく甚だ遺憾というふうに、私どももこれはおわびを申し上げないかぬところだと度々申し上げさせていただいております。  その上で、佐川前長官、その前の理財局長ですけれども、この理財局長から国税庁長官ということになりましたけれども、国税庁長官になりますに当たっては、少なくとも大阪国税局長、その前は国税庁の次長、主税局の大臣官房をやり、総務課長やり、二課長やり、三課長というようなことで、国税のことに関しましては極めてきちんとした彼の経歴もありますので、そういった意味では、今回のこの一点に関してこれまでの彼の経歴が全否定されるものではないと、そういうふうに考えておりますので、私どもとしては、少なくともこういったような話に関しましてはきちんとした仕事をやってきたと思っておりますと申し上げております。
  471. 川田龍平

    川田龍平君 大臣は昨年の三月二日の当委員会で、理財局の報告というのを最も信用しているのであって、週刊誌とか誰がどうこう言ったという話より理財局長の話を信用すると答弁されていますが、結局だまされたということですか。
  472. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 少なくとも、今、昨年の二月から三月以降の書類のことに関しましては、書き換えられたものを我々は見せられておるということだと思いますので、そういった意味では、私どもとしてはそれに関しましては間違いなく作られた、いや、本物ではないというものを我々としては信用させられていたということなんだということになろうと存じます。
  473. 川田龍平

    川田龍平君 ということは、だまされたということですね。だまされたということを認めるんですね。
  474. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) だまされたって、本人もだますという気があったかどうか分かりませんけれども、情況証拠としてはそういった形を言われるというのは、今のところは私どもとして認めざるを得ぬかなと思っております。
  475. 川田龍平

    川田龍平君 じゃ、今は、理財局長より朝日新聞を信用するということでしょうか。
  476. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 朝日も信用できるところはありますよ。めったに、めったに、めったに読んだことのない新聞ですからよく分かりませんけれども、時々当たったりすることもあるんだと思っておりますが。
  477. 川田龍平

    川田龍平君 これ、理財局の一部の人間がやったことだと繰り返し発言していますが、まだ調査中ということですよね。
  478. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  誰がどういう責任でどういう役割だというところは、それは最終、人事処分ということにもつながりますので、そこは調査中ですが、理財局の一部のというのは、一定聴取をし、そういうことを、聴取をしたというようなことも含めた結果として、理財局の一部だということは確認できると思ってそういうことを申し上げております。
  479. 川田龍平

    川田龍平君 財務省の部局というのは、国会対応というのは理財局だけがやるんでしょうか。
  480. 太田充

    政府参考人太田充君) 国会対応は本省全省を挙げてやります。ただ、本件の答弁ということについては、森友学園についての答弁ということは、その答弁書を含め、それは理財局が基本的に責任を持ってやるということだと思っております。
  481. 川田龍平

    川田龍平君 昨年、国会、参議院の予算委員会に提出をしたその書類というのは、これは理財局と、ほかにどこが見ていたんでしょうか。
  482. 太田充

    政府参考人太田充君) 様々に国会に御提出をさせていただいた本件森友学園に関する資料についてはということでございますが、それは基本的に理財局がやっております。
  483. 川田龍平

    川田龍平君 理財局だけではないと思うんですが、関わった局はどこでしょうか。
  484. 太田充

    政府参考人太田充君) いろんな意味で、国会に提出をするということについて、国会を担当する部局として大臣官房文書課というのがありますので、そういう意味ではありますけれども、その文書の中身、特に今回の決裁文書といったものは、それは理財局ということでございます。
  485. 川田龍平

    川田龍平君 国会に提出するときには官房長は見ていないんですか。
  486. 太田充

    政府参考人太田充君) 総体的にといいますか、どういうものが提出されるかというようなことは基本的に官房長も承知をしておる、あるいは承知をしておらなければならないということかと思いますが、基本的に一つ一つの書類はそれぞれの局が責任を持ってやりますので、理財局がといえば基本的にそういうことだと思っております。
  487. 川田龍平

    川田龍平君 私はこの理財局の一部の人間だけの責任とは思えないんですが、やはり官房長や大臣もこれ関わっているんじゃないんですか。
  488. 太田充

    政府参考人太田充君) 今の委員の御質問は、今回の申し訳ないその書換えについて関わっておるのが理財局だけではなくて官房長、官房、あるい大臣もということで御質問だとすれば、それは、我々が調べた限り、それは理財局のみということでございます。
  489. 川田龍平

    川田龍平君 でも、国会に提出する文書大臣官房も通りますし、官房長も把握していると思いますが、いかがでしょうか。
  490. 太田充

    政府参考人太田充君) 先ほど来御答弁を申し上げているつもりでございますが、一般的な意味で官房あるいは官房長が、まあ官房のトップだという意味で官房長ということをおっしゃっておられると思いますが、今ほどの書換えということについて、それは基本的に理財局で、理財局の一部でやっていることだというふうに我々は調べた限りそう思っていますので、それを官房なりが知っているということではないというふうに我々は調べた結果として申し上げております。    〔理事宇都隆史君退席、委員長着席〕
  491. 川田龍平

    川田龍平君 これ、一年以上も国民国会もだまされてきたんです。仮に一部の職員がやったことだとすると、失礼ですが、五年も財務大臣の席に座りながら、こうした不祥事を察知する能力が全くなかったということでしょうか、大臣
  492. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) いろいろ御意見があろうかと思いますけど、そういう御意見もあろうかと存じます。
  493. 川田龍平

    川田龍平君 もう一度確認しますが、大臣がこの十二日の報告を最初に受けたのはいつでしょうか。
  494. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 前の日の三月十一日だと思います。
  495. 川田龍平

    川田龍平君 これ、六日に官邸が、先ほども、官房長官総理も受けているにもかかわらず、財務大臣、所管の官庁が十一日まで受けなかったということでしょうか。
  496. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 三月の五日の、これ、国土交通省から官邸に上がった書類の話を聞いておられるんだと思いますが、その文書の内容につきましては、官房副長官の方から財務省の官房長の方に直ちに下りてきたというように聞いておりますが。
  497. 川田龍平

    川田龍平君 いつですか。
  498. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) その日だと記憶していますが。
  499. 川田龍平

    川田龍平君 大臣に上がったのはいつでしょうか。
  500. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 先ほど申し上げたように、三月十一日だと申し上げております。(発言する者あり)
  501. 川田龍平

    川田龍平君 いや、これは改ざん……。
  502. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  503. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 速記を起こしてください。
  504. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 調査結果について三月十一日に報告を受けておりますが、これは主に書換え前と書換え後の違いに関するものだったと記憶をしております。  国土交通省が保存をしておられた資料につきましては、書換えを特定する一つの材料であろうかとは思いますが、特段個別に報告を受けてはおりません。ただ、三月十三日に石井国交大臣記者会見で言及をしておられるという旨は、私ども、秘書官などから聞いておるところです。
  505. 川田龍平

    川田龍平君 この任命責任ということを聞きたいんですが、これ、理財局長に任命したのは大臣ですが、適材適所だったと言っていますが、理財局長の任命責任を認めますでしょうか。
  506. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 理財局長に佐川理財局長を任命したことについて、それは間違いなく私が任命しました。
  507. 川田龍平

    川田龍平君 任命責任を取るべきじゃないでしょうか。
  508. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 私どもは、これも先ほどどなたかの御質問にあったと、御答弁を申し上げたと思いますが、私どもとしては、少なくとも佐川理財局長のことに関しまして、その理財局の局長としてその責任を取って彼は今回退職、減俸二〇%、三か月というのをもって私どもとしては対応をさせていただきましたけれども、私としては甚だ残念だとは思いますけれども、こういった事態を起こしたということに関しましては彼自身が責任を非常に強く感じておるというところだと思いますので、私どもとしてはその線に沿って退職をさせていただくということになりました。
  509. 川田龍平

    川田龍平君 これは、改ざんをした責任とは別に、改ざんの事実を隠蔽してきた責任があると思うんですが、これについても大臣は自分にはないと考えますか。
  510. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) この資料を、少なくとも判こが、決裁が置かれた資料というものについて、それをいわゆる書き直したというような話は、これは極めてゆゆしき話なんであって、しかもそれが国会に提出までされておるわけですから、そういった話は甚だゆゆしき事態なんだと、私どもはそう思って、これはもう私どもとしては甚だ申し訳なかったということも度々申し上げているとおりです。
  511. 川田龍平

    川田龍平君 改ざんのこの事実だけではなく、真相究明のための調査をすべきと考えますが、いかがですか。
  512. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 真相究明をすべきというのは当然のことなんであって、原因の解明かつ再発防止、こういったことがきちんとした責任としてやっていかねばならぬところだと思っておりますが。
  513. 川田龍平

    川田龍平君 財務省自らの調査では、私はこれは納得が国民はいかないと思います。やはり国会にしっかりと関係者を呼んで、しっかりとこの調査をすべきだと思っております。  これは、委員長是非安倍総理昭恵夫人、それから担当だった政府職員の谷査恵子氏と迫田元理財局長国会招致を委員長に強く求めます。
  514. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) ただいまの御要求に対しましては、後刻理事会で協議をさせていただきます。
  515. 川田龍平

    川田龍平君 先週の三月六日に、この公文書書換えの事実について調査報告書を財務省が提出せずにゼロ回答にして、私の質問が流れました。実は、あの日は薬害エイズの被害者として実名を公表してから二十三年目でした。  大臣、薬害エイズの事件の本質は一体何だと考えていますか。
  516. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 薬害エイズの話を記憶をしておられるかというお話ですか。はい、記憶しております。
  517. 川田龍平

    川田龍平君 本質は何だったとお考えですか。
  518. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) 正確な記憶ではありませんけど、あれはミドリ十字というような会社がかんでいたんでしたね、たしかね。あの話は、ちょっと正確な記憶はありませんけど、その会社の数字の改ざんが行われたことによって、そこの、出てきたいわゆる話の、その薬は効くとか効かないとかいう話は、実は効くという検証がしっかりなされていなかったその薬害エイズ等々の薬を売却したと、売ったとかいう話が非常に、詐称していたというところが非常に大きな問題だった、何かそんな記憶です。ちょっと正確な記憶ではありません、恐縮ですけれども。
  519. 川田龍平

    川田龍平君 薬害エイズの本質は国による情報隠蔽によってたくさんの命が奪われたことで、あのときも裁判所や国会議員が幾ら要求をしても国は今回の財務省と同じように言い訳をして資料を出さなかったんです。日本史上最も罪深い、政府による……
  520. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 時間が来ております。
  521. 川田龍平

    川田龍平君 情報隠蔽が引き起こした犯罪でした。  都合の悪い情報を隠蔽してあれだけたくさんの命を奪っていたのに、二十三年たった今でも政府がまだ同じことをやって繰り返している。悔しさと絶望感は拭えません。民主主義を壊し、国民を裏切り、そのツケを払わせ続けるこの腐った体質をこれ以上許すことはできません。都合が悪くなるとトカゲの尻尾切りのように、俺は知らない、やったのは部下だと逃げ回り、誠に遺憾だ、おわびすると済ませるような無責任な体質、腐った体質には国民はうんざりしています。末端の小役人が八億円値引きしたんですなんて、国民をなめるのもいいかげんにしてください。  この国は、今本当におかしくなっています。二十三年前の薬害エイズの事件の頃よりももっと異常な状態が平気で行われるようになっている。自殺者が二人出ても、彼らの死を全く無駄にしようとしています。壊さなければならないのは、最高権力者にそんたくしなければならないような、今のそんたく政治です。国民はそのことをもう分かっています。日本を根っこから腐らせている一億総そんたく体質を国のトップが堂々とやっているんです。今の異常事態は誠に遺憾だという言葉が本気なら、この異常事態の責任を取って内閣総辞職をしていただきたいということを申し上げて、終わります。  ありがとうございました。
  522. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で川田龍平君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  523. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 次に、薬師寺みちよ君の質疑を行います。薬師寺みちよ君。
  524. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 無所属クラブ薬師寺みちよでございます。  私ども参議院の予算委員会には残された時間がございません。三十日ルールがございますので、しっかりと平成三十年度総予算案の質疑を行わせていただきたいと思います。  ゲノム医療についてでございます。  先ほども竹内委員からも発言ございました、がんゲノム医療、まさに今これを厚労省が先頭に立って牽引してくださっておりますけれども、今回の予算案でも約五十億というものが付いております。がんだけでございます。それ以外にも様々なもので、いわゆるゲノムバブルというふうにも言われるぐらいになってきております。  ゲノムを調べると我々の将来が分かるんです。しかし、今の保険制度というものは現在の疾患しかカバーできない。これから先、ゲノム医療が進むことによってそういった疾患の概念さえも覆してしまう可能性がございますけれども、加藤大臣の御意見、いただけますでしょうか。
  525. 加藤勝信

    国務大臣(加藤勝信君) 近年、今委員指摘のように、個人のゲノム解析技術、またその結果を解釈するための情報通信技術が飛躍的に向上し、一人一人の患者の特性に即した、従来よりも効果が高く、かつ副作用が少ない形での医療が提供できる可能性が出てきているわけであります。将来のがん等の発症リスクを健康な段階で予測することによって、個々の状況に配慮した、より効果的、効率的な対応が可能となる、こういった一面があります。  しかし他方で、現段階では確定的な診断は下せない、疾病発症の可能性が一定程度あることが判明する、こういったケースも出てきているわけでありまして、このため、将来の疾患発症のリスクを示された健康な方が、あるいはその御家族が不安を感じてしまうということにもなるわけでありますから、そうしたことがないように、あるいはそうしたことに応えられるように、疾患の発症リスクを評価していく、あるいはカウンセリング体制を確保していく、そうしたことを通じて、ゲノム医療の進展に応じたこうした環境の整備も併せて取り組んでいかなければならないと考えております。
  526. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  例えば、がんのお薬であれば、昔は胃がんに効く薬、大腸がんに効く薬というように臓器別だったんですけれども、どこの遺伝子が悪いからということで、全く違ったお薬を臓器が別であったとしても使われるような、そんな世の中になってきておりますし、先ほどありました認知症につきましても、このゲノムを解析というものが今まさに世界中で行われております。  このような段階におきまして、実は医療とビジネスの垣根がなくなってきております。これが医療なのかビジネスで行われているものか、ビジネスで行われているものが医療で提供されているというふうな現状もございます。  ここは、医療については加藤大臣、そしてビジネスについては世耕大臣是非ちょっと御意見をいただきたいと思います。
  527. 加藤勝信

    国務大臣(加藤勝信君) 個別のゲノム検査が医療に該当するかどうかについては、これは個々、個別ごとに判断していくということにならざるを得ないと考えております。  例えば、ハンチントン病遺伝子検査など診療に直接活用される検査、これは医療に該当するということで医事法制の対象とし、医師の関与の下、医療機関等において実施される必要がありますし、これは当然厚生労働省がしっかり見ていかなければいけないと思っております。また、健康増進や疾病予防をうたう検査について、これについても科学的な根拠に基づく必要は当然あるわけでありますが、検査の質の確保策等を行っていくことが必要だと思います。  遺伝カウンセリングの体制などを含む遺伝子検査の実態について、平成二十八年度において厚生労働科学研究において調査をいたしました。こうした研究結果も踏まえて、引き続き、遺伝子検査サービスを所管する後ほど答弁される経産大臣ともしっかりと連携をして検査の質を確保していく、あるいは科学的根拠の担保等の必要な施策についても併せて検討していきたいと考えております。
  528. 世耕弘成

    国務大臣世耕弘成君) 個別のゲノム診査がこのいわゆる医療法制の対象になるかどうか、この点については基本的には厚生労働省において判断をされるべきものだというふうに思っています。  ただ一方で、いわゆる医療に当たらない、予防ですとか健康管理といった医療に当たらない分野も含めた総合的なヘルスケアソリューションの重要性、関心というのも高まっていまして、例えば遺伝子検査でも、太りやすいかどうかとかアルコールに強いか弱いかとか、こういったゲノム検査は、例えばその消費者の検査の結果で、一人一人の行動を変えたりとか生活習慣を変えることによって健康の維持増進につながるものとして期待をされているわけであります。  ただ、こういったサービスはやはり信頼性を確保するということが非常に重要でありまして、特に個人情報の保護ですとかあるいは検査の質の確保、こういったことに関してはガイドラインを策定をして適正な事業の実施に向けた環境整備を進めてきているところであります。現在では、経産省のガイドラインに準拠した業界独自の事業者認定制度というのもスタートをしています。  サービス提供の適正性や信頼性確保に向けた方策については、健康・医療戦略本部の下で省庁横断的に検討を進めておりまして、この本部の検討を踏まえて厚生労働省が行った調査でも、やはりサービスの信頼性確保の必要性ですとか医療機関におけるサービスの提供といった実態が報告をされているというふうに認識をしています。  こういった調査結果を踏まえて、改めて厚生労働省ともしっかり連携をしながら対応を検討してまいりたいと思っております。
  529. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  実は一年前に、私、同じ質問をいたしました。しかし、まだまだ、経産省の中でのそのガイドライン、守られているところは半分にも満たないというような厚労省の結果も出てまいりましたので、これからますます必要になってくる分野でございますので、調整をしていただきたいと思っております。  それから、今日は新しいゲノム検査ではなく、古典的なんですけれども、親子鑑定ということが簡単にできるようになってきたということもこれは恐ろしい事実でございます。お子さんの髪の毛一本あれば、それで検査ができてしまう。法的にまた様々な問題も起こってくるんではないかと思いますけれども、大臣の方から御答弁いただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
  530. 上川陽子

    国務大臣(上川陽子君) 先生からの御質問のことでございますが、本人の同意を得ずに遺伝学的な検査が行われた場合にどのような法的問題が生じるかということでございます。  個別の事案において具体的な事情に基づいて判断をされるという事項ではございますので、一概にお答えすることはなかなか難しいわけでありますが、あくまで一般論ということで申し上げるところでありますが、このような場面におきまして法的問題となり得るものの一例ということで、例えば、本人のプライバシー等を侵害したかどうか、これとの関連で損害賠償責任、これを負うかどうかなどということが考えられるというふうに思います。また、事案によりましては、検査結果が民事裁判の証拠として提出される場面におきまして、それが違法に収集されたものであるというような主張がなされることもあり得るのではないかと、こんなふうに考えているところであります。
  531. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  例えば、飲んだコップから唾液を抽出して、それがまた検査をされてしまうということがあってはなりません。ですから、しっかりとその辺り、法的な整備もお願いをしていきたいと思います。  というように、様々このゲノム情報というものはこれから活用される可能性がございます。ですから、ゲノムというものをしっかりこれから子供たちも理解していかなければならない。文科省におきまして、初等中等教育の中でどのように充実させていくおつもりなのか、大臣の御意見いただけますでしょうか。
  532. 林芳正

    国務大臣(林芳正君) これからの社会を生きていく子供たちが、日常生活や社会との関連を図りながら、ゲノムを始め生物や生命現象等々についてやはり科学的に正しく理解をするということが大変大切であるというふうに認識をしております。  昨今、クリスパーのような新しいことも出てきておりまして、我々が学校で学んだ頃とはもう隔絶の感が、隔日の感があるわけでございますので、しっかりと新しいところも踏まえながら教えていくことが必要だと、こういうふうに思っておりまして、中学校理科におきましては、細胞分裂の際に染色体が複製されること、それから、遺伝の規則性と遺伝子を学ぶ際に、遺伝子の本体がDNAであることなどについて学習することにしております。また、高等学校に行きますと、生物基礎でございますが、遺伝子とその働きを学習する中で、遺伝情報を担う物質としてのDNAの特徴や複製、遺伝子とゲノムとの関係等々について学習をすることとしております。  文科省としては、今後とも、次代を担う子供たちがゲノムについて科学的に理解できるように、生物や生命現象に関する教育の充実にしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
  533. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  まさにそうやって、ゲノムを切って、貼ったり切ったりができるゲノム外科みたいな新しい言葉まで生まれております。もう想像を超えたところで医療は進んでおりますので、是非子供たちにも新しい知識をお願いしたいと思います。  これは消費者庁にもお願いでございます。これ、消費者教育の中でしっかりこういったことも知らせていかなければならないと私は考えておりますけれども、御意見ございますでしょうか、お願い申し上げます。
  534. 福井照

    国務大臣(福井照君) 先生御指摘のとおり、ゲノム医療ビジネスに関しましては技術の進展が大変進んでおります。今後利用者が増加することも見込まれると考えております。そのため、消費者庁におきましては、厚生労働省、経済産業省、文部科学省等の関係府省とも連携の上、先生の御指摘も得ながら、ホームページやSNSなども活用して消費者向けに情報提供を行ってまいりたいと考えているところでございます。
  535. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。是非進めていただきたいと思います。  それから、麻生金融担当大臣としてお願いしたいんですけれども、医療保険の審査などにもこの遺伝学的検査を今後どのように対応していくのかということの御検討も進めていかなければならないんではないかと思いますが、いかがでいらっしゃいますでしょうか。
  536. 麻生太郎

    国務大臣(麻生太郎君) これはGINA法の話を聞いておられるんだと思いますけれども、GINA法、ジェネリック・インフォメーション・ノンディスクリミネーション・アクトでしたっけね、それ略してGINAというんだと記憶しますけれども。  この法律等々でよほどきちんとある程度しておかないと、麻生さん、あんた保険入るけど、かくかくかくかく、はい、がんになる確率はこれこれこれで、あなたのDNAはこうですよ、だからあなたはがん保険に入れませんと、簡単に言えばそういうことですよね。だから、これでディスクリミネーションができるということになりかねないのをいかにして防ぐかというので、これ、医療の進歩に伴ってそういうことが起こり得るということに対してのディフェンスというか、ということになっておるんですが、今この種のものがいろいろな勢いで研究されているのは事実ですけれども、今の状況で生保協会等々の中において研究しているのは確かですけど、これを直ちに、何というの、実践をして、保険加入の際の一つのバリアにしようということをしようとしているところはございません、今のところで。  これ、将来ということが正直なところなので、私どもとしては、抜本的なこの医療保険の加入審査という話になってくるんだと思いますけれども、いずれにしても、この遺伝情報の取扱いというのは、これは極めて個人情報の極みみたいな話になりますので、そういった意味では、これは業界でも自主的なガイドラインというのをよほどやらないと、これをうまく使えば俺のところは確率が猛烈に良くなるというのは、それは計算ができるわけなので、そういったようなことにならないようにするためには、これは今外国でもいろいろこの研究がされておりますので、そういったものと併せてきちんとした対応を今度検討させていかねばならぬところだと思っております。
  537. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  厚労省、進めていただくのは大変有り難いんですけど、やっぱりこういう社会環境整備というのがまだまだ立ち遅れている、それが日本の現状でございますので、しっかり予算を付けてやる、そしてしっかりとセーフティーネットも張っていく、両輪できっちりと動かしていけますように私からもお願いをいたします。  安全で安心に医療を受けていただくための施策と、私は今後ゲノム医療を育てていきたいと思っておりますので、その辺りも御協力いただきたいと思います。  ありがとうございました。終わらせていただきます。
  538. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で薬師寺みちよ君の質疑は終了いたしました。(拍手)  次回は来る十九日午前八時五十五分から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時五分散会