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2018-03-14 第196回国会 参議院 予算委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成三十年三月十四日(水曜日)    午前九時開会     ─────────────    委員の異動  三月九日     辞任         補欠選任      伊藤 孝江君     三浦 信祐君      山添  拓君     大門実紀史君      福島みずほ君     山本 太郎君    アントニオ猪木君    薬師寺みちよ君  三月十二日     辞任         補欠選任      上野 通子君     足立 敏之君      島田 三郎君     宮島 喜文君      滝沢  求君     小川 克巳君      中泉 松司君     小野田紀美君      舞立 昇治君     佐藤  啓君      山田  宏君     自見はなこ君      吉川ゆうみ君     進藤金日子君      和田 政宗君     徳茂 雅之君      大門実紀史君     山添  拓君  三月十三日     辞任         補欠選任      足立 敏之君     上野 通子君      小川 克巳君     滝沢  求君      小野田紀美君     中泉 松司君      佐藤  啓君     舞立 昇治君      自見はなこ君     山田  宏君      進藤金日子君     今井絵理子君      徳茂 雅之君     和田 政宗君      宮島 喜文君     島田 三郎君      元榮太一郎君     西田 昌司君      杉  久武君     矢倉 克夫君      浅田  均君     藤巻 健史君  三月十四日     辞任         補欠選任      今井絵理子君     吉川ゆうみ君      西田 昌司君     元榮太一郎君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         金子原二郎君     理 事                 石井 準一君                 宇都 隆史君                 高野光二郎君                 二之湯武史君                 丸川 珠代君                 横山 信一君     委 員                 青山 繁晴君                 朝日健太郎君                 有村 治子君                 上野 通子君                 太田 房江君                 こやり隆史君                 島田 三郎君                 滝沢  求君                 中泉 松司君                 中野 正志君                 西田 昌司君                 平野 達男君                 舞立 昇治君                 松川 るい君                 元榮太一郎君                 山田  宏君                 吉川ゆうみ君                 和田 政宗君                 渡邉 美樹君                 熊野 正士君                 竹内 真二君                 三浦 信祐君                 矢倉 克夫君                 片山 大介君                 藤巻 健史君                薬師寺みちよ君    国務大臣        内閣総理大臣   安倍 晋三君        財務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣(金融)        )        麻生 太郎君        厚生労働大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣拉致問        題))      加藤 勝信君        経済産業大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣(原子力        損害賠償廃炉        等支援機構))  世耕 弘成君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣経済財        政政策))    茂木 敏充君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣規制改        革、地方創生)        )        梶山 弘志君    副大臣        財務大臣    木原  稔君    大臣政務官        経済産業大臣政        務官       平木 大作君    事務局側        常任委員会専門        員        小野 亮治君    政府参考人        内閣官房TPP        等政府対策本部        政策調整統括官  澁谷 和久君        人事院事務総局        人材局長     福田 紀夫君        内閣大臣官房        審議官      田中愛智朗君        消費者庁次長   川口 康裕君        法務省刑事局長  辻  裕教君        財務省理財局長  太田  充君        経済産業大臣官        房審議官     中川  勉君    説明員        会計検査院事務        総局第三局長   戸田 直行君    参考人        日本銀行総裁   黒田 東彦君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○平成三十年度一般会計予算内閣提出衆議院  送付) ○平成三十年度特別会計予算内閣提出衆議院  送付) ○平成三十年度政府関係機関予算内閣提出、衆  議院送付)     ─────────────
  2. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  議事に先立ち、申し上げます。  民進党・新緑風会、日本共産党、希望の会(自由・社民)、立憲民主党所属委員出席が得られません。理事をして出席要請をいたさせますので、しばらくお待ちください。  速記を止めてください。    〔速記中止
  3. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 速記を起こしてください。  平成三十年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。  本日は、TPP経済財政内外の諸情勢に関する集中審議を行うこととし、質疑往復方式で行い、質疑割当て時間は二百十一分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党・こころ八十二分、公明党六十分、日本維新の会四十五分、無所属クラブ二十四分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。     ─────────────
  4. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 平成三十年度一般会計予算平成三十年度特別会計予算平成三十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、TPP経済財政内外の諸情勢に関する集中審議を行います。     ─────────────
  5. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) この際、茂木国務大臣より、TPP11(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)に関する報告を聴取いたします。茂木国務大臣
  6. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 先週、チリで開催されたTPP11協定署名式に関して御報告申し上げます。  三月七日から十日までチリに出張し、三月八日に開催されたTPP11(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)の署名式及び閣僚会合に参加してきました。  署名式に先立つ閣僚会合においては、TPP11交渉において我が国が果たした主導的な役割に対し、多くの国から謝意が表明されました。また、各国とも早期発効に向けて速やかに国内手続を進めるとの前向きな発言がありました。私からは、協定早期発効、円滑な実施に向け、我が国が引き続き各国との連絡調整など必要な事務局的機能を果たしていきたいと発言し、参加国からの支持、賛同が得られたところです。  また、閣僚会合においてTPP11に関する閣僚声明が採択され、署名式において十一か国を代表して私が発表いたしました。この閣僚声明においては、今後各国において本協定を迅速に発効させるために国内手続を完了すること、また、本協定に新たに加入することを希望する国・地域によって示された関心を歓迎する旨が盛り込まれました。  昨年七月、箱根での首席交渉官会合以降、我が国が議論を主導し、私自身も、ベトナム・ダナン閣僚会合共同議長を務めたり、関係国閣僚との協議を重ね、僅か半年で署名に向けた準備を整え、三月八日に協定署名することができました。  多くの困難な課題がありましたが、それを克服し、このように非常に速いスピードで署名に至ることができました。TPPというハイスタンダードかつバランスの取れた協定によって、二十一世紀型の新たなルールによる自由で公正な市場をアジア太平洋につくり上げることになります。我が国にとってはもちろん、世界の成長センターであるアジア太平洋地域にとって極めて大きな成果であり、この上はTPP協定早期に発効させることが重要であると考えております。  署名により最終確定したTPP11協定関連国内法案については、できるだけ早く国会に提出し、承認を求めていきたいと考えています。我が国が率先して動くことが早期発効に向けた機運を高める上でも重要で、参加国もそれを期待しています。委員各位の御理解と御協力をよろしくお願いいたします。     ─────────────
  7. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 次に、学校法人森友学園に対する国有地売却等に関する決裁文書に関し、財務省理財局長太田充君から説明を聴取いたします。太田理財局長
  8. 太田充

    政府参考人太田充君) 森友学園国有地売却に関する決裁文書書換えにつきましては、国会において大変大きな問題になっており、一昨日、三月十二日月曜日に調査結果を整理をさせていただきました。その結果、昨年二月下旬から四月にかけて、財務省理財局において決裁文書書換えが行われておりました。  決裁文書書換え状況については、既に委員皆様方には資料をお届けをさせていただいているところではございますが、資料全体で七十八ページのうち六十二ページで書換えが行われておりました。書換えの主たるものは、貸付決議書、売払決議書特例承認に関する五つの決裁文書になりますが、主としてその書換え内容を反映する形で九件の決裁文書についても書換えが行われ、合計十四件の決裁文書書換えが行われておりました。  書換えが行われた経緯目的については、最終的に調査結果を踏まえる必要がありますが、書き換えられた文言を見る限り、それまでの国会での答弁誤解を受けることとならないようにするために行われたと見られます。  なお、これらの書換えより二年近く前に決裁文書の一つについて資料の一ページを抜き取っていたことが昨日判明しており、併せて御報告をさせていただきます。  いずれにいたしましても、行政文書内容について書換えを行うようなことはあってはならないことであり、書き換えられた資料国会に提出し、国会の御審議に混乱を招いてしまったことにつきましては、国会を冒涜するものであるとの御批判は免れないものと考えております。  大変申し訳ありません。深くおわび申し上げます。
  9. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 委員長から一言申し上げます。  ただいま財務省から本委員会の場で改めての説明はありましたが、これは、財務省に対して決裁文書を含む様々な文書提出を求めてきた本委員会に対する冒涜であるだけではなく、行政全般に対する国民信頼性を失わせる言語道断の行為であります。  また、昨年来の資料要求答弁要求、本委員会理事会からの調査報告要求に対し、財務省からは不誠実な対応が繰り返されてきました。この結果、国会審議が混乱し、国民の求める予算委員会の論戦の貴重な機会が失われたことは、誠に遺憾であります。  財務省には、引き続き、捜査機関に対して全面的な協力を行いつつ、自らも事実関係の解明に全力で当たっていただくよう、委員長として強く求めます。あわせて、二度とこのような事態が起こることがないよう、原因をしっかりと究明した上で、根本的な対策を講じ、徹底するように求めます。  この際、麻生財務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。麻生財務大臣
  10. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今ほど委員長から今回の決裁文書書換えについて厳しいお言葉を頂戴しました。決裁を終えた行政文書について書換えを行うというようなことは極めてゆゆしきことであって、誠に遺憾であります。私としても深くおわびを申し上げる次第です。  今後、進行中の捜査にも全面的に協力をいたすとともに、二度とこうした事態が起こらないよう、財務省として引き続き更なる調査を進め、その上で信頼回復に向けて必要な対応を行ってまいりたいと考えております。また、国会からのお尋ねについて説明責任を果たせるよう、財務省を挙げて最大限努力をしてまいりたいと考えております。     ─────────────
  11. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) これより質疑を行います。西田昌司君。
  12. 西田昌司

    西田昌司君 自民党の西田昌司でございます。  今回のこの財務省による文書書換え疑惑というのは、本当に我々もいまだに信じられない思いでした。この国の省庁の中でも一番の省庁だと思われ、恐らく自覚もしていたでしょう、自負もあったでしょう、その官庁の中でこういう改ざんがあったというのは本当に許し難いことです。今もその報告がありましたけれども、今日はこの問題を中心に総理財務大臣にも御質問させていただきたいと思います。  まず、麻生財務大臣、今一応説明があったんですけれども、もう一度改めてお伺いしますが、佐川国税庁長官、当時の理財局長を事実上更迭をされたわけですが、なぜこの時期にこの処分を行ったのかと、この至る経緯をもう一度国民に納得できるように御説明ください。
  13. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 佐川につきましては、先週金曜日、三月の九日に退職したいと申出が来たものでありまして、本人がそういう意向であれば、これ以上国税庁長官の仕事を担わせるわけにはいかないと判断したものであります。  その上で、佐川本人からも申出があったとおり、佐川は、決裁文書国会提出時の担当局長、また、国会審議を混乱させ、行政文書管理状況についての批判を集めるなどなど、国有財産行政に対する信頼というものを失ったと言わざるを得ません。これを考えますと、処分なしで退職を認めるというわけにはいかないと考え、その日のうちに減給二〇%、三か月の懲戒処分を実施した上で退職をさせたものであります。  また、佐川退職させるに当たりまして、私の方から佐川に対しては、今後とも捜査当局による捜査、いわゆる地検捜査のことです、また財務省が行う調査等々に対して真摯に協力すべきこと、また、捜査調査の結果次第では更に重い懲戒処分に相当するという判断をせざるを得ないという可能性も否定はできません。したがって、仮にそうなった場合には、退職後でも私の指示には従ってもらうということを申し渡し、佐川もこれを了解をいたしております。
  14. 西田昌司

    西田昌司君 それは今までから発表されてきたことなんですが、まず、そこでお聞きしたいのは、この文書書換え、この事実を知ったのは、麻生大臣が知ったのはいつだったんですか。
  15. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 文書書換えにつきましては、三月の十一日と記憶しています。
  16. 西田昌司

    西田昌司君 それで、佐川さんが辞められたんですが、そのときに佐川さんから、国会を混乱したということだけじゃなくて、そもそも書換えがあったことについて、自分がその部下に命じてやったとか、具体的なそういう話はそこで発言なかったんですか。
  17. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 佐川がどのような話をしたかという細目にわたって、その三月十一日の段階で直接本人から聞いたわけではありません。
  18. 西田昌司

    西田昌司君 では、今大臣が知る範囲で、この事件は、誰がどのように何のために改ざんしたのかと、そういうことについてもう少し具体的に説明してください。
  19. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 私の方から、事務方より、書換えが行われた経緯また目的についてということで、最終的には書換え経緯につきましての調査結果を踏まえる必要があろうと考えておりますが、本件の書換えは昨年の二月下旬から四月にかけて森友学園に関する国有地売却についての国会対応を担当しておりました本省理財局において、本省理財局において行われたものであり、書き換えられた文書等々を読む限り、見ますと、それまでの国会での答弁というものが誤解を受けることにならないようにするために行われたと見られるとの報告を受けております。
  20. 西田昌司

    西田昌司君 その理由もちょっと納得できないんですが、ちょっと念のために聞いておきますが、麻生大臣麻生大臣文書書換えを指示したことはもちろんないでしょうね。
  21. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 私の方から文書書換えを指示したという御指摘は当たりません、ありません。
  22. 西田昌司

    西田昌司君 総理にも同じ質問をしておきます。ないでしょうね。
  23. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 当然、私から文書書換えを指示したことは全くございません。
  24. 西田昌司

    西田昌司君 それで、この事件は、一年前、私、実は質問もしたんですけれども、当初から、いわゆる森友学園国有地を払下げを受けて学園開設しようとしたと、そのときに、名誉校長総理夫人名前があったと。そういうことから、いかにも総理が政治的な圧力で、しかも安いお金売却をさせたのではないかということが一方的にこれ論じられてきました。そして、今もこの事件がもう一度論じられて、テレビなんかでは、この森友学園安倍総理夫人ありがとうございますと言っている子供たちの絵が毎日流されるんですよ。これ見ていると、本当に私でもそういう事件だったのかなと思ってしまうぐらい、これを毎日毎日流されるとそういう思いになるんですが、ここでもう一度この事件についてちょっと整理をしておきたいんです。  ということで、法務省刑事局長にお聞きしますが、森友事件は、今言ったように、この国有地売却政治家口利き等で不当に安く売却されたのではないかという疑惑なんです、疑惑そのものはね。籠池さんはそういうふうにお願いしたんだというふうなことを言っていましたけれども。ところが、実際には、その籠池さん自身が今刑事被告人になって勾留中なんですよね。その罪は、一体何の罪で今勾留されているんですか、ちょっと教えてください。
  25. 辻裕教

    政府参考人辻裕教君) お尋ね学校法人森友学園の前理事長及びその妻につきましては、大阪地検におきまして、平成二十九年八月二十一日、国土交通省所管補助金不正受給に関して詐欺罪により公判請求しております。また、同じく平成二十九年九月十一日、大阪府及び大阪市が交付する補助金不正受給に関しまして詐欺罪及び詐欺未遂罪により公判請求しているというふうに承知しております。
  26. 西田昌司

    西田昌司君 今ありましたように、取りあえずなっているのは詐欺罪ですよ。詐欺というのは人をだます、そういうことで、その容疑で今公判にかけられようとしているんですけれども、その詐欺になっている容疑者の意見が一方的にまた流されるわけですね。  よく言われるのは、総理からといってお金をもらいましたとか、そういう話も言っていますけれども、それも、もう一度、自分総理にもらったお金だから返しに行くんだと言ってテレビの前に現れたときには、百万円をもらったから百万円返すと言いながら、見たら、表と裏側に一万円札が付いているだけで中身は真っ白な紙が入っていたと、これは皆さん方は御存じだと思うんですけれどもね。要するに、だから、元々、そういう極めて悪質な詐欺罪という容疑者で、容疑を掛けられている方が元々首謀者となっている事件だったということをもう一度確認したいんですね。  それで、現実には、あのときの土地売却について私が質問しましたけれども、要するに、籠池さん側から、ごみが出てきたと、この国有地ごみが出てきたら、こんな土地では小学校を建てられないじゃないか、どうしてくれるんだということで、このままでは訴訟になるぞと、訴訟するぞということが言われたわけですね。ところが、そうなっちゃうと、国の方も損害賠償は幾らになるか分からないと。しかも、学校側にしても開校日が決まっていますから、じゃ、そこで、それではこの瑕疵担保責任を免責すると。つまり、これ以上何かごみが出てきても、もうこれ以上国は責任持ちませんよということをお互い了解して、弁護士さんも入って了解の上で実は土地の売買が行われたということですから、不当に安くなったという事実は全くなかったわけなんです。そのことが私の去年の質問で、これ国交省も含めて説明していたわけなんですが。  ただ、それでも、不当に安くやったんじゃないのかと、こういう疑惑がずっと残っていましたよ。そこで、この参議院の予算委員会で、会計検査院にもう一度調査しろと、こういうことにもなったわけなんです。そこで調査されたんですが、その中で、結局、じゃ、今言ったように、不当に安く売ったというようなそういう事実は出てきたのか、そのことをまず会計検査院に聞きたい。
  27. 戸田直行

    説明員戸田直行君) お答え申し上げます。  今回の報告書は、国会法第百五条の規定による会計検査要請を受けて検査した事項につきまして、会計検査院法第三十条の三の規定により国会報告したものでございます。  一方、会計検査院が憲法第九十条の規定に基づいて作成し、毎年度内閣送付しております決算検査報告におきましては、検査の結果、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項をいわゆる不当事項として掲記いたしておりますが、今回の報告書決算検査報告とは異なる報告書でございまして、いわゆる不当事項が掲記されるものではございません。  今回の報告書におきましては、必ずしも適切とは認められない事態、より慎重な調査検討が必要であったと認められる事態などについて記述をしてございますが、これまで決算検査報告において不当事項として掲記したものと比べますと、国損額を明確に算定することができないなどの点で不当事項として決算検査報告に掲記することは難しいものであると考えているところでございます。
  28. 西田昌司

    西田昌司君 かいつまんで言うと、そういう不当事項はなかったということであるわけなんですね。そういう形で一応これは、この事件自体整理が付いていたはずだったんです。  ところが、今年になってもう一度これが再燃してきたのは、そのときのこの書類ですね、これが新たに出てきたと。それが当初国会報告していた書類とは内容が違うということが出てきたわけなんですけれども、その内容につきまして言う前に、これ一応、総理も見られましたね、私も、これが改ざん前の文書だということを見たんですが、そこで驚いたのは、何かそこに新しい事実があったのかというと全くないわけなんです。というか、私が先ほど言ったように、この籠池さんとの間の交渉経緯が詳しく書いてあって、まさに私の、国会答弁の中で明らかになってきたのがそのまま出ているだけなんですよね。  そこに安倍昭恵夫人のお名前も出たりしているんですけれども、そのこと自体が、消すこと自体が果たして意味があるのかと。むしろそういうことを、この報道なんかでは、総理に要らぬ疑念が掛からないように、そのために消したんではないかと、こういうふうに言われたりしているんですけれども、私はそのまま公表していただいて全く問題がなかったと思うし、かえって、そういう削られることによって、とんでもない、御夫人総理も迷惑を受けたと思っているんですけれども、この出てきた情報について、まさに総理自身、どういうふうにお考えになりますでしょうか。
  29. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 私も、これは十一日に報告を受けたわけでございますが、この書換え前の文書、割と大部ではありますが、読まさせていただいたところでございますが、この書換え前の文書を見ても、私や私の妻が関わっていないということは明らかであろうと、こう思うわけであります。  妻に関する記述についても、この産経のウエブに出ているもの、既に公開されたものについて引用されているところ、もう一点は籠池氏の発言が書かれているだけであろうと思うわけでございまして、この書換え前の文書を見ても、私や私の妻が関わっていないということは明らかでありました。  繰り返しになりますが、これまでも申し上げてきたとおり、私や妻がこの国有地払下げや学校の認可に、もちろん事務所も含めて、一切関わっていないということは明確にさせていただきたいと思います。
  30. 西田昌司

    西田昌司君 それで、しかも、今総理もお話しになりましたけれども、そこで言っているのは、安倍昭恵夫人がこう言っていたと。つまり、これは、いい土地ですから進めてくださいと夫人が言っていたと籠池さんが言っているんですね。これは訳の分からない話で、要するに籠池さんの話が書かれているわけなんですけど。  籠池さんという人は、元々、私、証人喚問で言いましたけれども、お金もないのに、寄附金もほとんど集まっていない、その寄附金も改ざんして集まったようにしていっているということが今明らかになっていますけれども、皇室と御縁があるというふうにうわさが出るように、わざわざ自分の幼稚園のホームページには皇室の来られたような雰囲気で情報公開しているけれども、実は全く関係なくて、天皇陛下が御幸されたときに旗を振りに園児が行った写真を写しているだけの話で、全く関係ないんですね。つまり、これははっきり言いましてかたりというやつですよね。まさに詐欺罪の、何かかたりというようなことが平気でされているわけで、そのことがまさに書いているわけなんですよ。  そこで、ちょっとこれは質問通告、総理にしておきましたので確認したいんですけれども、昭恵夫人にお聞きになって、そういうふうに、ここの土地、良さそうですから進めてくださいと言われたことがあったんでしょうか。
  31. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 妻に確認をいたしました。そのようなことは申し上げていないということでございました。もちろん、妻がこの学校をつくるという責任者ではないわけでありますし、籠池氏との上下関係があるわけでないわけでございますから、当然そんなことは言っていないということでございました。
  32. 西田昌司

    西田昌司君 そういうふうに、まあ当然だと思います。  ちなみに、この人はその証人喚問のときには、そうじゃなくて、昭恵夫人が来られたら、何か田んぼができそうないい土地ですねと言ったので、そのことを念頭に置いて、瑞穂の国記念小学校ですか、そういうふうに付けたんだというようなことを言っていますから、要するに、この籠池さんが言っていることというのは、その場その場で自分の都合のいいように言葉を使っていかれると。その結果、結果です、結果的には詐欺罪で今起訴されているというのが事実だと、このことだけは国民皆さん方にも再認識をしておいていただきたいと思うんです。  さて、そこで麻生大臣にお聞かせいただきたいんですけれども、この国会で私が特に質問して、何で安くなったかという理由ですね、ごみが出てきて、そしてごみの、引く場合に、その立米を単価で掛けて出したという話があったんですけれども、この内容、この文書を見たら、新たに公開された文書を見たら、まさに私が国会質問をし、説明を受けた内容そのものが出てきているわけですよ、これ。じゃ、そうすると、何でこれを公開、国会に言われたときに出さないのか、それが本当に理解、不明なんです、意味が分からないんですよ。要するに、総理のそんたくするとかいうんだったら、まさに出している方がよっぽどいいわけですよ。何で出さないのかと。  そのことを、麻生大臣財務省のトップとして、これどういうふうに御理解されていますか。
  33. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今ほどの西田先生の御質問なんですが、同様な疑問を持ったのは、これは普通の人はみんなそう思ったと思いますし、私もその例外ではありませんが。  この書換えが行われました目的また経緯等々については、これは最終的に調査結果を踏まえる必要があろうとは思いますが、少なくとも書き換えられた文書というのを見る限りは、それまでの国会での答弁佐川の、主として佐川ですけど、佐川答弁誤解を受けることのないようにするために行われたということぐらいしか考えられないんですが、いずれにしても、とにかく決裁文書というものは、もう既に行われた、決裁が行われた行政文書を後からいわゆる書換えを行うというようなことは、これは誠にゆゆしきことなんであって、甚だ遺憾だと、私どもはその点に関しては強くそう思っております。
  34. 西田昌司

    西田昌司君 私は、実はこれからがこの問題の本番、本質なんですけれども、要するに、書き換えたのは総理のため、それをそんたくするためじゃなくて、今おっしゃったように、自分答弁に不都合なことがもしあったらまずいので直していったと、そういうことだろうと。ということは、自分のためにやっているわけですよ。しかし、そのこと自身自分のためにならなかったんですがね。  そこで、一つこのこともちょっと聞いておきたいんですよ。理財局長に聞きますが、これも驚いたんですが、三月二日にこれ朝日新聞でそもそも資料書換えがあるんじゃないかという疑惑が報じられましたよね。我々はそのとき、財務省ともあろうものがそんなこと絶対するはずがないと確信していましたよ。だから、そういうつもりで国会対応もしておりましたし、総理もそうだと思いますし、財務大臣は取りあえずこれで調査するという話されていたんですが、実は驚いたことに、この三月二日に疑惑が出て、国交省航空局、ここもこの土地の売買には関与していましたからね、要するに土地の値段の算定するのに国交省が関与していたわけなんですが、そこで、財務省国会に開示している貸付けのこの決議書と自分たちが持っていたものと比べてみたら、あれっ、自分たちがもらっているのと違うじゃないかと。つまり、国会に出ているのは、まあ改ざんといいましょうかね、書き換えられている文書だなということに気が付いたわけですよ、これ。そこで、国交省側からこれは財務省理財局の方に通知をしたというんですよ。それを三月五日に財務省にその情報を伝えたと、昨日、石井国交大臣が記者会見で発表されました。  麻生大臣にまずこのことを、麻生大臣はこのこと、いつ報告を受けたんですか。理財局長に聞きますが、麻生大臣にいつ報告したんですか、大体。
  35. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えをいたします。  三月五日に国土交通省から私ども理財局の方に連絡をいただきました。それも含めて全てを整理をして最終的に大臣に御報告したのは三月の十一日ということでございます。三月五日の日に聞いて、それをすぐ大臣にお伝えしたというわけではないということでございます。
  36. 西田昌司

    西田昌司君 あなた、何を考えているんだという話ですよ。まさに、実は私は昨日、この事実を与党国対やっている中で理財局長から報告受けて、ところでこれどうなんだと聞いたらそういう話であって、いいかげんにしろと怒ったんですよ。  というのは、我々国会で、この文書があるのかないのかと、当然あるはずがないと思っていたのが、実は一部ではあるけれども、ある事実がそのとき判明したわけじゃない。何でそのことを我々与党にも、国会にも、政府にも報告しないんだね。その報告をしていれば当然国会対応変わるんですよ。こんな事態にならない、野党が出てこないような異常事態にならないんだよ。何で報告しなかったんだよ。
  37. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  三月二日の報道があって、その日の国会審議で厳しく御指摘をいただいて、私ども調査を始めました。調査をするときには、関係する者から聴取をする、あるいは資料を特定する、探索をするということで、様々な情報を集めました。三月五日には国土交通省からそういう情報もいただきました。そういう情報を一生懸命集めて、ある意味で情報の裏を取って、それできちんと確認しなければいけないと思って作業しました。  それで、その上ででございますが、作業を確認、我々としてはできるだけのことをやるんですが、やってもどうしても分からない部分があり、逆に言うと、そこまで努力をしないと捜査を受けている身として捜査当局協力がお願いできなかったので、結果的に我々がそこまでできて捜査当局にお願いできたのが三月九日の金曜日でございました。  そして、そこまでやったおかげか、捜査当局には大変感謝をしておりますが、御協力をいただけました。三月十日土曜日に、現地で物のコピーをさせていただいて、本省財務省に来たのは日付が変わって十日の土曜日ということになりました。十日の土曜日に捜査当局からいただいたものも含めて最後に確認をしていろんなことが分かって、それで十一日に大臣に御報告をさせていただいたというのが経緯でございます。
  38. 西田昌司

    西田昌司君 今の理財局長答弁を聞いていましても分かりますように、自己弁明、自分たちは整理をして、事実関係整理して渡そうと、まあこういうことですよ。しかし、大事なのは、要するに、麻生大臣もこう答弁したわけですよ、あるかないか、存否の有無も含めて今調査中だと言っているわけですよ。それ、分からないからそう答えるわけですよ。  ところが、片っ方で事務方には既に情報が、総理、入っていたわけですよ。これ、とんでもない話で、つまり何が言いたいかというと、我々の仕事というのは、与党側の議員ですから、例えばこういう事態が起きたときに、当然政府側にどうなっているんだと、野党側が指摘しているような、また報道が言っているような事実があるのかどうか、まずそのことを我々は聞いているわけですよ。ところが、彼らは知っていたわけですよ、三月五日の時点で既に。ところが、そのことを全く我々には、大臣にも含めて報告がない。ないだけで国会が大変な混乱しているわけですよ。まさにこれは、官僚が自分、やるべき判断じゃない、政治家がやるべき判断。政治家が情報をもらって、それを、じゃ、こういう説明の仕方して混乱を収めようとか、野党側にこういう話をしっかり説明しなさいとか、いろいろあるわけですよ。ところが、与党側にも情報が上がってこない。まさにこれが今回の問題の一番の問題点なんですよ。  つまり、官僚システムというのは、我々政治家よりもはっきり言って圧倒的に情報を持っているわけですよ。総理よりも財務大臣よりも、あらゆる分野で、各省庁、情報を持っているわけなんですよ。ところが、その情報を全てそのトップの政治家に知らせ、その中で政治判断をして政策の決定をしていくのが、総理、仕事じゃないですか、我々。そして、我々与党は、同じく政府のその情報を共有しながら国会運営をどうしていくかと、野党側にどういうふうにこれを説明していくかと、そういうことをやっていくのが、私、国対の仕事ですよ。  ところが、その肝腎の情報を一切我々に知らせていない。そして後、十一日になってからですよ、報告して、いや、こんなのでしたと。しかも、出てきた資料を見たらですよ、出てきた資料は何で隠す必要があるんだと、まさに既に今まで明らかになっていることばかり。  で、結局、その理由はこれからしっかり調べていただきますが、要は、こういう事態から推測すると、要するに自分たちの立場として、自分たちの答弁したこと、自分たちの言ってきたこと、これが逸脱することがなかったということを見せるために隠していたということしか考えられないんじゃないか。まさに財務省による財務省のための情報操作なんだよ、これは。  麻生大臣、いかがですか。これが今回の、この財務省の抱えている問題の真実じゃないですか。
  39. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは西田先生、先ほど答弁を申し上げましたとおり、この一連の資料を読んだ感想を申し上げさせていただければ、少なくとも誤解を招かないようにというので、佐川の昨年の二月から四月までの間の答弁とその資料との間にそごがとか、また誤解を招くとか、そういった誤解を招かないためにということが主たる目的であって、いわゆる偉い方々の意見をとか、陳情等々にそんたくをして何とかしたというようなことではないというのははっきりしておると、私どももそう思いますので、その点に関しましては、今御指摘のありましたとおり、答弁との間の誤解を招かないようにというためが主たる目的だったのではないかと。今、あの文書を読む限りだけの、私どもの正直なところの感想であります。
  40. 西田昌司

    西田昌司君 ちょっと、麻生大臣はもう少し深刻にこれを受けてもらわなきゃ駄目だと思いますね。というのは、これはこれだけじゃないんですよ。この問題だけじゃないんです。  麻生大臣は、大臣になられる前、私も野党時代、よく大臣のところにお邪魔しまして、是非、今度政権を取ったら、安倍総理がなったら、積極的に財政をしてデフレから脱却していこうという話を言っていましたよ。それは、まさに平成自分は是清になるんだと、そこまで公言されていましたね。ところが、財務大臣になられて、はっきり言いまして随分方向性が変わってきましたよ。それはなぜか。財務省が様々な資料を持ってくるわけですね。つまり、今やらなきゃならないのはプライマリーバランス、財政再建なんだと、こういう話が、当然、財務大臣ですからね、財政再建というのも、それは言わなきゃならぬのも分かりますよ。  しかし、私は、今回の事件ではたと気が付いたのは、財務省というのは、自分たちは膨大な資料を持っていますよ。その資料自分たちの都合のいいところだけをちょいちょいと出して大臣説明する、国会議員にも説明する、これしょっちゅうやっているわけですよ。  これははっきり言いまして、今自民党の中でも財政再建のPTを、特命委員会やっていますよ。そこ、ずっとできたときから私、入っていますが、総理、これとんでもないのは、この彼らが言っている議論、理論は、もうはっきり言って私の前で全て破綻しています。破綻しているんだけれども、つまり、二十年間彼らが言っていたプライマリーバランスの財政再建論ですけれども、彼らが言っているのは、このまま放っておけばこの日本はハイパーインフレになる、通貨の信用はなくなる、円安、とんでもない円安になる、これをずっと言い続けているんです。ところが、なっているのは全部逆でしょう、逆でしょう。これ、ハイパーインフレじゃなくて本当のデフレになっちゃって、しかも円高になっているわけですよ。  何でそうなのかと。つまり、彼らの説明している理論が全く破綻している。だから、我々は、違う学者の方も含めてそのことを言っているんですけれども、いまだに、いまだに彼らはいわゆる財務省お抱えの学者しか連れてこない。そして、その中で、じゃ、これですかと。そういう話を麻生大臣も毎日毎日聞かされるんじゃないですか。そうすると、これはさすがの麻生大臣でも、これは財務省のやつがみんなこう言っているとそういう方向になっちゃうと思いますよ。そして、洗脳される。そして、それを知らないうちにそういう情報がばらまかれる。これが総理、せっかくアベノミクスでデフレ脱却をやろうとしているのに、財務省側からのそういう情報操作、つまり、財務省が流している情報だけが正しいかのような形で、新聞社も含め、全部これ使われているんですから。今回のこの事件というのは、まさにこの体質そのものを私、示していると思いますよ。  だから、総理は、今日の委員会ではあえて消費税の話まで私、言いませんが、言いませんが、要するにデフレ脱却していかなきゃならないという時代になって、様々な正しい情報を国民に伝えて、その中で政策判断していかなきゃいけないんだけれども、今回のこういうような財務省の体質だったら、これはできると思いませんよ。だから、根本的に総理自身が、これは財務省のその情報、果たして本当に操作していないのかと、こういうことも含めてやらないと、これは政治が官僚にこれ牛耳られて、自分たちの都合のいいところだけ使われますよ。  はっきり言いまして、今の財務省のやり方は昔の陸軍と同じなんですよ。自分たちの都合のいいところだけやって、今負けているのに、負けていませんと、転戦、転戦ですよ。デフレなのに、デフレじゃない、今これから良くなっているところですよ。同じことなんですよ。そして、あのときは最後、天皇陛下の御聖断で、もういいかげんにしろと、このままでは日本の国潰れるじゃないかというので敗戦を認めることになりましたよ。同じく今我々やらなきゃならないのは、この財務省始めこの様々な政策、総点検していく中で、やっぱり前提となっている情報が違っていた、考え方が違っていたと、その結果、大きな大きなこのデフレの病にかかっているんですよ、これ。  だから、ここのところは、まず総理がやっぱりそういう認識を持っていただいて、麻生大臣に対してもですよ、もう少し、麻生大臣財務省のトップではあるけれども、もう少しそういうところまで調べてもらわないといけないんじゃないかという認識を持つべきだと思いますし、また、これ同じ、ほかの省庁でも同じことがあると思いますよ。  つまり、官僚による情報操作がされてきている、日常茶飯されているというのが今回の書換え問題の根本的なところですよ。私はそういう問題意識持っていますが、総理、どう思われますか。
  41. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 先日、財務省から文書を明らかにいたしました。今、西田委員が御指摘になったように、行政全体に対する信頼を揺るがしかねない事態となっております。行政の長として責任を痛感をしているところでございまして、改めて国民の皆様に深くおわびを申し上げたいと思います。  国民の皆様から厳しい目が向けられている、そのことを真摯に受け止めながら、捜査に全面協力することはもちろんでございますが、それとともに、なぜこのようなことが起こったのか全容を明らかにする、そのためにしっかりと調査を進めていく、麻生大臣にはその責任を果たしてもらいたいと思います。  そして、その上で、全容が、全てが明らかになった段階において、二度とこのようなことが起こらないように、信頼の回復に向けた組織の立て直し、全力を挙げて取り組んでいかなければならないと、こう思います。そして、麻生財務大臣にもその考え方の下、取り組んでいただきたいと、こう思っております。  また、この問題については、今後とも、国会において、国会審議において誠実にしっかりと説明責任を果たしてまいりたいと、このように考えております。
  42. 西田昌司

    西田昌司君 麻生大臣も今手挙げておられたんですけれども、麻生大臣は直接のこの財務省の責任者ですから、今の総理発言も受けて、この問題、どういうふうに取り組むのか、おっしゃってください。
  43. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) この一連の佐川の件に関しましては、先ほど度々答弁をさせていただいたとおりです。  その上で、今そのほかにもいろいろ、デフレの話とか財政再建の話とかいろいろあったのも御指摘のとおりですが、少なくとも財務省の情報によってそういう環境になりますのは、それはもうどこの役所に限りませんが、どこの組織の中においても、一人で落下傘で降りてきたらそういうことにならざるを得ぬ、どこの組織でも同じです。私は、それは何も財務省だけに限った話ではないんだと思いますが、それを上回る情報と指導力がない限りはそういうことにならざるを得ぬことになってきたんだと思っていますね。  しかし、この五年間、言わせていただければ、少なくとも財務省の反対を押し切っていろいろな形で、例えば財政投融資を使わせてもらうと、絶対反対のものを。また、いわゆる承継、今度、今やらせていただいております事業承継税制にしても、これは相続税とかそういったものをゼロにするなんという話はなかなか、そういったこともやらせていただく。そういったのは、やっぱりある程度きちっとした、上回る情報と別の角度の情報と、きちっとした信念を持ってそれを通すといういわゆる指導力というものがないと、なかなか役所とか組織の上に別のところから来てそれをやっていくというのは至難の業だと、何もこれ財務省に限った話だとは思いませんが。  少なくとも、そういう結果、我々の意見というもので我々はこの五年間の間に大きく財政なり金融なりいろんなものを変えさせていただいて、日銀まで行って金融緩和の方向に変えさせ、また財政もいろんな形で方向を変えさせた結果、今日、少なくとも経済は、絶対成長しないと言われた経済が約五十兆成長し、税収も大幅に増え、新規の国債発行も十一兆減らすというようなことができたのは、従来の大蔵省のやり方だったら、ああ、財務省のやり方だったらできなかったことをやれたというようには、この内閣だからできたんだと私はそう思っておりますので。  ですから、今言われましたように、そういった確執が常にあるのはある程度やむを得ぬと思いますけど、それを上回るものをやっていくだけの力が必要だと思っております。
  44. 西田昌司

    西田昌司君 この議論につきましては、本委員会ではなくて、後に麻生大臣の所信の質問、私がやる予定でおりますので、しっかりそこでも議論させていただきます。  それで、今日は、もうあとちょっと時間なくなりましたからこれ確認したいんですけど、要するに、世間では、麻生大臣、この人を罷免するべきだとか、いや、安倍総理自身が政治責任取るべきだと、こういう話もありますよ。しかし、私は、この話は、先ほどから事実関係全部積み上げて冷静に見ていくと、要するに役人が勝手に自分たちの都合で情報を書き換え、そしてそれを政治家にもトップにも伝えない、与党にも説明しない、それが出てきているわけですよ。これは本当むちゃくちゃですよ。官僚システムとして、これはあるまじきことが常態化してしまっていますよ。  だから、これをしっかりともう一度立て直すのがこれは安倍内閣の仕事ですよ。そして、その責任者として、特に財務省については麻生大臣が、検察が捜査がどうのこうのじゃなくて、ここまで来たら、はっきり言いまして、いついつまでに出すんだと、そこまでやっぱり麻生大臣がこれ検察も含めて話をしてやってくださいよ。そういうやっぱりことをやることが麻生大臣が責任を果たすことになると思います。  ですから、まずお二人に、その二点、お聞かせください。
  45. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) ただいま西田委員から大変厳しい御指摘をいただきました。行政内で起こったことでございますから、基本的には行政の長である私が責任を持っているわけでございますので、その責任を痛感をしているところでございます。  そして、今後は二度とこうしたことが起こらないようにしっかりと全容を解明する、調査を進めていく。麻生大臣にはまさにその責任を果たしていただく。そして、全容を解明し、その上で二度とこうしたことが起こらないように信頼ある組織に立て直していくことが求められている、そのことに対しましても全力を傾けていきたいと、このように考えております。
  46. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今ほど総理の方から御答弁のあったとおりですが、いついつまでにというところは、今、私どもは今被疑者の立場ですので、我々は調べられておる立場ですので、ちょっと調べがいつまでに終わるのかなんというのは、なかなかちょっと聞ける立場にはありませんのはもう御存じのとおりです。  その上で、私どもとしては全ての調査が終わった段階できちっとしたものをさせていただきますので、ちょっといつまでにということについては確たることは申し上げられませんけれども、少なくとも、今調査をできる範囲でさせていただいておりますが、引き続き調査を続けさせていただいて、きっちりとしたものをつくり上げた上で、信頼回復、ここが一番肝腎なところだと思いますので、こういったことが二度と起きないようにすること、また信頼回復等々について全力を挙げたいと思っております。
  47. 西田昌司

    西田昌司君 終わります。
  48. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で西田昌司君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  49. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 次に、平野達男君の質疑を行います。平野達男君。
  50. 平野達男

    ○平野達男君 今日、参議院、平野達男でございます、時間をお与えいただきました同僚議員の皆さん方の御配慮に感謝を申し上げます。  といって、余り気が乗る質問ではありませんが、国会に公文書を書き換えて出したという、本当にこれは重い事実であります。私、委員長が先ほど冒頭言っていただいたとおりだったと思いますが、国会を本当に軽視した、そしてまた国民を欺く行為だったというふうに思います。そういう観点で、国会の立場から何点か、この公文書書換え、あるいは偽造になるのかもしれませんが、これに関しての質問をさせていただきたいと思います。  まず冒頭、この売払決議書あるいは貸付決議書についてでありますが、この原本、元々の原本というのはどうなっているんでしょうか。
  51. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  今ほどのお尋ねについて、元々決裁文書というのは、鑑と申しますか、判こを押してある紙があって、その後ろに調書といいまして事案の概要あるいは経緯といったものが書いた紙があり、その後ろに様々な参考となる資料、例えば不動産鑑定書でありますとかいろんなものが付いてでき上がっているという、そういう格好になってございます。  それで、書換え前のものがそういう状態だったことを、今回書換えをしたものは、その今ほど申し上げましたうちの調書という部分だけを書き換えて新たなものに差し替えているということでございますので、そういう意味で、そのときの修正前の書換えのものはある意味で処分をしてしまっている、その処分をしてしまっているものを発見することによって今回の修正前というものがお示しをできたわけですが、そういう意味では、原本という形のものは、ある意味ではその差し替え前のものをもう一回復元というか処理をして今の決裁文書に戻すということをするということでない限りは存在しないのですが、中身としては今回お示しをさせていただいたことで、中身としてはお示しをさせていただけているものだというふうには思ってございます。
  52. 平野達男

    ○平野達男君 だから、もう原本そのものはなくなったということなんですよね、これはね。  この原本がなくなって、後は原本を置き換えた文書で、これはいつ、段階では書き換えたか分かりませんけれども、昨年の五月に売払決議書国会に出しています。これがその書き換えた文書が公になってきた最初の時期だと思います。そこからずうっとこの文書で、この国会審議会計検査院も検察へも、元々のその書換えじゃない、書換え文書を出したと言っていますから、その流れでずっと来たという、そういう理解でいいですか。
  53. 太田充

    政府参考人太田充君) 申し訳ございません。委員のおっしゃっているとおりでございます。
  54. 平野達男

    ○平野達男君 国会では、いまだに売払決議書貸付決議書、この提示を求めています。これはまだミッションとしては、与えられた、求められた、その国会財務省に対する求めに対してはまだ答えが得られていないということになります。これはどのように処理されるつもりですか。
  55. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  事実上、内容とすれば、差し替え、今まで国会に提出させていただいたものは、調書の部分が書換え後のものを付けた決裁書を国会に提出をさせていただいておりました。今回、その書換え前のものと並べて提出をさせていただきましたので、内容とすれば書換え前のものを提出させていただいておると思いますが、委員の御指摘は書換え前のものをきちんと提出をせよというお話だと思っておりますので、それをさせていただかなければならないというふうに思ってございます。
  56. 平野達男

    ○平野達男君 私が言っているのは極めて事務的なことです。そういう決議書を出せるのかということを言っているんですよ、もう。今度出すときは作り替えたもので、原本はもうなくなっていますから。本来国会が求めたのは、売払決議書とその貸付決議書の元々の文書なんです。だから、今財務省が言うのは、それはもう出せませんということなんですね。  変わって、作り替えて、新たに作り出したものしか出せませんという、こういう理解でよろしいですか。
  57. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  内容的には書換え前のものだと私どもが思っているものはお出しできるんですが、委員のおっしゃるとおり、それが原本そのものというか、そのときのそのものの紙かというと、そうではないわけですから、そこは委員のおっしゃっていることはそういうことだと思っております。
  58. 平野達男

    ○平野達男君 ちょっと話が変わりますけれども、報道で、近畿財務局の職員が書換えを命じられたということで自殺をしたという報道があります。これはプライバシーに関わること等々のことでなかなか答えられない面があるとは思いますが、これは事実関係どうなんでしょうか。
  59. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  近畿財務局の職員が亡くなりましたことは、大変残念なことであり、誠に悲しい話だと思っております。  ただ、今委員がおっしゃられました詳細と申しますか内容については、御遺族との関係もございますので、お答えを差し控えさせていただきたいというふうに思います。
  60. 平野達男

    ○平野達男君 そこは分かります。そこは理解しないわけではありませんけれども、先ほど太田局長が言った、差し替えを誰かがやっていますね。これは、理財局でやったんじゃなくて、多分近畿農政局でやったと思うんです。(発言する者あり)あっ、近畿財務局でやったというふうに私は推察しますが、それは答えられますか。
  61. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えします。  具体的な固有名詞含めてのところはただいま調査をしているところですが、委員のおっしゃっているとおり、基本的にはほとんどのものが近畿財務局の決裁でございますので、物理的なと申しますか、そういう作業を近畿財務局の職員に指示をしてやらせていたということだと思ってございます。
  62. 平野達男

    ○平野達男君 じゃ、今日説明にありましたけど、理財局でやったということでありますけれども、理財局が中心で、実際の作業は近畿財務局がやったという、こういう理解でよろしいですか。
  63. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えします。  やったということは、誰が責任を持ってやっているかという意味だと思って、そういう意味では責任があるのは本省理財局だというふうに思ってございますので、財務省理財局においてという説明をさせていただいております。
  64. 平野達男

    ○平野達男君 いずれ、これで、この一連の中でもし本当に犠牲者が出たということでありますと、これ更に深刻なんですね、事態が。これが単に、今日言ったように、自分答弁を、書き改めるためにやって、文書で書き改めて、近畿財務局にこういう作業を命じて、かつまた犠牲者まで出たということは、これよほど深刻に受け止めないかぬと思いますね、ここは。  財務大臣、どうですか、そこは。
  65. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは近畿財務局の資料がほとんどのものですけれども、それを、国会対応ということが主たる業務になりますんで、したがいまして、本省における理財局において、近畿財務局をしていろいろ書き直し等々をさせたというのが背景だと思っております。
  66. 平野達男

    ○平野達男君 いずれ国会としては、まだ貸付決議書、それからあと売払決議書、これの提示を求めています。これから、もう一回お聞きしますけど、どうされますか、財務省は。
  67. 太田充

    政府参考人太田充君) 先ほど来委員から御指摘いただいていますように、そのときの原本というか紙そのものは基本的にはもはや不可能なんですが、内容的にはこれが書換え前のもの、原本のものだというものを事実上は提出をさせていただいているんですが、それも含めて、対応も含めて、御指示も受け、きちんと対応させていただきたいというふうに思います。
  68. 平野達男

    ○平野達男君 きちんと対応というのは、これからちゃんときちっと答えていただきたいと思いますが、少なくとも国会に出すときは、なぜ要するに書換えが起こったのか、そしてまた、どういう経緯でこういうふうになったのか、そういったもののセットで、今代わりの文書をこういう文書で出さなくちゃなりませんという意味で、売払決議書、それから貸付決議書というのはやっぱり出すべきだと思いますけれども、それはそういう理解でよろしいですか。
  69. 太田充

    政府参考人太田充君) 委員の御指摘はよく分かりました。おっしゃることを踏まえて対応させていただきます。
  70. 平野達男

    ○平野達男君 私が申し上げたいのは、その捜査が、まあいろいろあると思いますよ、国会にこういう文書を出したんですから、財務省国会に対して、まず理財局が一義的に、一日も早くなぜこうやったかということを詳細にとにかく説明する義務があるんですよ。その責任を、ここずっと答弁聞いているんですけど、感じないのね。この文書の出したこと、国会に出してしまって、あとは再発防止と。再発防止ももちろん大事ですよ。だけど、今、国会はずっとこの売払決議書貸付決議書の提示を求め続けているんですよ。  それに対して、まず、この国会に対してまだ出せないという状況に対して、やっぱりこれは何らかのコメントも欲しかったと思うんですけれども、そこの一日も早く出すというその決意を、捜査がいろいろ影響あると思いますけれども、国会に出すということは国民説明するということでもありますけどね、そこを早く進めていただきたいと思います。  麻生大臣、もう一度御答弁を願いたいと思いますが。
  71. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今御指摘の点は、先ほど太田答弁をさせていただきましたけれども、御趣旨踏まえて対応させていただきたいと存じます。
  72. 平野達男

    ○平野達男君 いつまでというふうに答えられないという、それも理解しないわけではありません。先ほどの西田委員に対する御答弁の中にですね。しかし、少なくとも国会に対しては、やはりある一定のスケジュールというのを示していただいて、取りあえずの中間報告でも何でもいいです、その中間報告でも何でもいいんですが、売払決議書貸付決議書については国会へ出していただきたい。そこにプラスして、なぜそういった経過というのがあったのかというのをセットとしてですね。  そうでないと、実は国会としては売払決議書貸付決議書についても何の議論もできないんです。これ、出てきたのはただの比較表ですから、比較表で議論しろというわけにいかないでしょう。財務省としては、国会に対して、今求めていることに対しての売払決議書貸付決議書については、原本はないんだけど、そういうものを出さないと駄目ですよ。そうでなかったら、私、今与党の立場に立っていますけれども、国会審議ができないと言われてもしようがないですよ、これは。出てきていないんだから。正式に言いますと、二十九年の五月の段階からもう出てきていないんですよ、その文書は。この状況を早く是正しないと。そのことだけはちょっと強く申し上げさせていただきたいというふうに思います。  それからあと、西田委員もいろいろお聞きしましたけど、私、もう一つ解せないのは、三月の八日にまたこの同じ文書を出してきたわけですよ、国会に、財務省は。その段階では、既に少なくとも事務局は、これはもう本物の文書でないということについての確証を得ていたはずですよ。そしてまた、国交省からそういう文書も出てきている。なぜ、それにもかかわらず、何か、言い方は何か、国会、国対から言われたからこの文書を出したという言い方なんだけど、これ出してきたのか、これが解せない。もう一回これ説明していただけますか。
  73. 太田充

    政府参考人太田充君) 今ほどのお話は、私どもとしてはこういうふうに承っております。  五日以降、先週でございますが、近畿財務局に原本があるか否かというお話があって、一部の議員の先生方が実際に現地に行かれまして、近畿財務局で保管をしている紙のコピーの売払決議書を入手をされました。それが、私どもが以前国会に提出をさせていただいたものと、私どもが提出させていただいたものは調書の部分がある意味で白いというか、何もチェックというか、そういうものがなかったんですが、近畿財務局の紙の原本をコピーされると、そこにはチェックというかこういうものが、手書きのものが入っておったんで、これは今まで国会に提出したものとその近畿財務局の原本のものが違うのではないかと。それを、野党の先生がでしたけれども、そういう話があって、その二つが違っているならその二つのものを出せという御指示がございましたので、それで私どもは、近畿財務局が保管されている、議員の先生方が行かれたときのものの紙のコピーと、それから、以前国会に提出をさせていただいたのはPDFだったんで、それを二つ提出をさせていただいたということでございます。
  74. 平野達男

    ○平野達男君 まあ、西田委員が言いましたから、繰り返し言いませんけどね。  ここのときの議論は、別に印があったからどうとか、野党の議員が行った、どの議員が行ったというのは、それは確かにあったかもしれません。だけど、審議でずっと議論になっているのはこの文書の信憑性についての一連の要するに議論の過程の中ですから、で、私は、この文書を出したときは、やっぱりこの文書が本物なんだなと、そういう意思で出したんだなと受け取ってしまいました。その後、一転して、あれだけの書換え文書が出てきたわけですよ。  ここは先ほどの、その財務大臣にも上げていなかったという、国交省のペーパーを財務大臣にも上げていなかったということだったんですけれども、危機管理という意味も含めて対応が非常にまずかったと思います。与えなくてもいい誤解を要はまた与えてしまったんですよ。不信感を増幅させてしまいましたよ、ここは。  少なくとも事務方は、その段階ではこの文書そのものについての正確性といいますか、信憑性というか真贋性については、もうかなり疑問を付けられる、付ける状況になっていたわけですから。それをあのときも、何も一言も触れないで、ただ文書を出してしまったと。これは本当にやっちゃいけないことをまたやったと思いますよ、これは。  それで、財務大臣にちょっとお聞きしますけれども、今のこの貸付決議書、売払決議書、書き換えたものを国会に提出したということに対しての国会審議に与える影響というのはどのように理解されているでしょうか。
  75. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今の話を言うと、これは先日の報道を受けて国会審議の中で大きな問題になったことを受けまして、私どもとしては全省挙げて調査を指示をさせていただいております。  いろいろ前々からの答弁で申し上げておりますとおり、職員への聞き取りというのはこれなかなか、今捜査中ですので、誘導尋問するんじゃないとかいろいろ言われておりますので、なかなかしにくいところなんですが、いずれも文書の確認を行いました上で、捜査当局などへの協力もいただいて私どもが調査を実施させていただいた結果、昨年の二月下旬から四月にかけましての本省理財局において、森友事案に関するいわゆる複数、十四件の決裁文書書換えが行われていたということが明らかになり、私ども、三月の十二日の日に国会報告をさせていただいたというのが背景であります。  決裁文書を書き換えるということになったことは、これは極めてゆゆしきところであって、私どもとしては深くおわびを申し上げなきゃならぬということを先ほど申し上げたところであります。  いずれにいたしましても、説明責任を果たせるように、今後とも財務省挙げて引き続き最大限努力をさせていただきます。
  76. 平野達男

    ○平野達男君 私もこの書換え前の文書を見たときは、最初は驚いたんです。だけど、ずっと読んでいくうちに、結果的に、国会審議でやったことをそのまま、答えていることを全部書いているんですね。だから、私もこれ、西田委員とちょっと同じなんですけど、そのときの当初の判断あったと思いますよ。このまま出していた方がよっぽどよかったと思う。これは本当に痛恨の判断ミスですよ。残念ですよ。  ただ、担当者にしてみますと、いろんな疑心暗鬼を生んで、うろうろしたのかもしれませんね。だけど、何ら、この中の文書の中でつつかれても、最終的にはきちっと答えられることばっかしなんですよ。昭恵夫人の記述についてだって、今マスコミはあんなに取り上げていますけれども、先ほど西田委員の言ったとおりです。籠池さんが言ったということを記述しているだけですから。ただ、近畿財務局の職員にしますと、やっぱり籠池さんというああいうパーソナリティーの人にぶつかっちゃってすごい大変だったと思います。大変で大変で、何で私はこんな人間にと、と言うと申し訳ないですけれども、すごいこと言われていますから。  実は私も農水省にいたときに現場で用地交渉を何回もやったんです。相手次第でむちゃくちゃ大変です、これは。籠池さんはどういう人間かは分からないですけど、このやったときに、近畿財務局、こんなことで、これをやるから配慮するとかなんとかというんじゃなくて、一種の、私らこんな苦労していますよというペーパーなんですよね、と私は読みました。だから、結果的に見たら、これは本当に最初から出していた方がよっぽどよかった。こんなことにならなかったんだよ、これ。  しかし、その一方で、これだけの書換え文書を細かく細かくこういうふうに書いているところを見たときに、一般的には、私も当初思ったのは、役所ではできないともう瞬間思った。それが役所だけでやるということになるには、本当に詳細なというか、きちっとした説明、やっぱり佐川さんからきっちり、だから、私は多分、財務大臣聞いたと思いますけど、まあ勝手に推測ですけどね、ただ、聞いたということは言えないと思いますが、捜査上の問題もありますから。佐川さんを始め、佐川氏始め関係職員からはそこのいきさつをきっちり説明しない限り、役所だけでやったという疑念はこれ払拭できません。  これをこれからどのように対応していくか。どうでしょうか、財務大臣
  77. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) この今回の決裁文書書換えというのは、これは国会、先ほど申し上げましたように、国会対応ということを行う関係上、これは財務省のいわゆる本省理財局において行ったものであって、これは外部からの指示で行われたということはないと、そのように考えております。
  78. 平野達男

    ○平野達男君 いずれそこの動機、それから私はやっぱり、どうしても一般的にはこれだけのことを役所の人間はやれないという通念がやっぱり広がっていますから、ここをどうやって解消していくかというのは、時間が掛かっても何でも、いずれ捜査が終わればこの辺の事実も全部明らかになってきますから、その中で明らかになるということなんですが、その間、私は国会にも説明できるものは是非説明していただきたいというふうに思います。  その上で、私も一言だけ私の意見として申し上げさせていただきますけれども、私はこの事件国会の中継を見ていたときに非常に印象に残ったのが、籠池さんのあの神風発言です。神風が吹いたと思ったときという瞬間です。あれは、あのとき思ったのは、これは、あそこにごみが出てきたから、ごみを撤去する費用を差し引いて、その費用を差し引いて、ごみを撤去したということで価格設定したわけですね。あれを神風と言ったのは、籠池さんはどういう意味、つもりで言ったのか分かりませんけれども、この契約上、残念ながらこのごみの撤去を確認する仕組みになっていなかったという問題はありますが、本人ごみを撤去する意思はなかったのかなというふうに思っちゃったんです。  本当にぎっちり詰めていれば、神風じゃなくて、あれは、あそこの中にごみが出てきましたから、そのごみを撤去するということに対してそれ相応のやっぱり責任と、やっぱりこれから何をするかということを意識がないと駄目だったと思うんですよね。それをマスコミも一切伝えない。あたかも神風が下げたように下げたように伝えているわけです。しかし、実際には、これは西田さんも言ったように、ここの部分についての、下げた部分については掘削費用、処理費用として見た部分ですから、これは神風なんかになりようがないんですよ。もし神風になるのであれば、そこの部分に対して意図的に何か下げたという立証がなされなければならない。  会計検査院は、ちょっと私はここ、西田さんの見解とちょっと違うんですが、不当事項ではないというふうにはいっとき捉えたと言いましたが、私は、文書を見る限り、会計検査院はぎっちり検査しています。かなり精緻な報告書を出していると思います。正確に言いますと、忙し過ぎてバックを、検証するバックがなかったということなんです。だから十分な調査ができなかったということで、不当事項を出すためにはバックがないと不当事項も出せないんです。だから、それぐらいあのときは短期間の中でやったという、まあ致し方がないという、そういう報告書だったと思います。  ここは国交省も実はいろいろ反省するところはあると思いますけれども、少なくとも、意図的に価格を下げたというのは報告書の中では全く見て取れないんですね。ある材料の中でいろいろ知恵つくって、だけど、地下に埋まっているし、期間もないから、思い切ってばあっと推測してやったというような点は私は否めないと思います。だから、そういうところも、これから神風発言するときはきっちりやっぱり配慮して発言してもらわないと、これは一方的な報道にちょっとなっているという気がするということは意見としても私もちょっと言わせていただきたいと思います。  ここの根本のところで、もし価格が、査定がもうちょっとぎっちりしていれば、実はこの問題、もう一つは、ここの査定のその価格の、最終的に一億三千四百万にしたというところについて根拠さえしっかりしていれば国会の議論もまた大きく変わったというのも、ここも実はちょっと残念なところではあります。会計検査院はそこについては大丈夫ですという報告書出せませんでしたから。  ただ同時に、三か月、四か月、損害賠償も掛けられているあの期間の中で、物すごい時間の中で近畿財務局の職員はいろいろ知恵出しながらやったというのは、私も現場の感覚からいうと、お涙ちょうだいで、それで話するわけじゃないんですけれども、分かります。だからといって、ああいうちょっと、何というんでしょうか、全てが全てが、その価格まで含めて精緻なバックを用意していなかったという部分については、やっぱりこれは一定の反省、かなりの反省はやっぱり必要だということは重ねて申し上げておかなければならないというふうに思います。  それから最後に、書換えについてですけど、最後にもう一点だけ確認しておきますけれども、財務省としては、この書換えの問題が確実にあるというふうに認識したというのはいつの時点というふうに言えばいいですか、思えばいいですか。
  79. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  先ほど西田委員、それから今の平野委員から大変厳しい御指摘いただいたのは重々承知をしていますが、調査を始めてもちろんいろんな情報は手に入ってきました。入ってきましたけれども、最終的に我々として、やっぱり調べた上で、捜査当局の御協力もいただいて、それを確認できた時点で事実が確認できたというふうに思っております。そういう意味で、十日の日が我々としては本当にこれで確認できたと思った日だということに私は思っております。
  80. 平野達男

    ○平野達男君 実は、佐川氏は私が民主党時代の復興大臣の直属の部下です。まあ大変厳しいときに一緒に仕事しました。だから、彼の仕事ぶりというのは私、大変評価していますし、この事件に関わったというのはいまだにちょっと信じられない面があります。  ただ、今、太田局長は、そういう、最近だということもありますけれども、一方で、財務省の中では書換えをやったというその職員はずっといたし、その事実を知っていた人がずっといたということですよね。これは、組織の在り方そのものも物すごいやっぱり大きな問いかけがされているというふうに思います。これは西田さんが財務省の体質の問題だと言いましたけれども、そう言われてもしようがないですよ。そういうことが出てこないという体質だったんですよ。そういうことを、誰もこの一年間、こういうことをやりましたということを言ってくる人がいなかったということだから。  そんな中で、その結果としての一方で、もしこれが事実だとすればあれなんですが、自殺者まで出てしまったということについては猛省の上に猛省を重ねなくちゃならないし、そして、繰り返しになりますけれども、国会にはうその文書を出したんですから、ここの背景説明は、国会にまず一番最初にぎっちり、そして国民に、検察の捜査もさることながら、早く説明してくることをこの件に関しては重ね重ね強く要望を申し上げておきたいというふうに思います。  まだまだいっぱい言いたいことあるんですが、TPPについてもお伺いしなくちゃなりません。  TPP11、三月八日調印をいたしまして、これからこれの発効に向けた審議国会でもやっていくというふうに思いますが、総理にお伺いしますけれども、このTPP11の意義ということについてお聞かせをいただきたいというふうに思います。
  81. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) TPPの意義について御質問がございました。  このTPPは、単に関税を下げるだけではなくて、知的財産の保護、環境、労働規制、そして国有企業の競争条件の規律など幅広い分野について、二十一世紀型の自由で公正なルールをアジア太平洋地域に作り出すものであります。良いものが良いと評価される広大なマーケットが生まれ、品質の高いものをこしらえてきた我が国の農業者や中小企業にとって大きなチャンスであると、こう考えています。  昨年一月に米国がTPPからの離脱を表明した後、一時的にモメンタムが失われかけたわけでありますが、昨年の七月の箱根での会合以降、日本が議論を主導して立て直しを行い、僅か半年の交渉で三月八日に署名に至ったところであります。茂木大臣閣僚会合共同議長を務めるなど、各国間の意見の調整に直接当たりましたが、私自身も節目節目で豪州、ベトナム、メキシコの首脳などと直接話を行いました。そして、合意に向けてリーダーシップを発揮することができたと考えております。こうした日本の主導的役割に対しては、TPP11署名式に先立って行われた閣僚会合において全ての国から謝意が表明されたところであります。    〔委員長退席、理事宇都隆史君着席〕  我が国としては、引き続きTPP11の早期発効に向けて主導的な役割を果たしていく考えでございます。
  82. 平野達男

    ○平野達男君 このTPPは、元々アメリカが入った十二か国で締結をするということを目指しまして、一旦は十二か国で締結したんですが、残念ながらトランプ大統領がやめると言って撤退をしてしまいました。  このTPP11でこれが発効しますと、これはまあできるだけ発効した方がいいと思いますが、最低六か国の批准でこれ発効するということなんですが、ちょっと私が気になるのは農産物であります。土地利用型農業につきましては、これは前の国会のときにもちょっと申し上げましたけれども、かなり上手に付きまして、麦についても米についても砂糖についても、国内の生産にはほとんど影響が出ないという仕組みをしっかり導入しています。  気になるのは牛肉なんですね。今の牛肉の輸入というのは、アメリカ産と豪州産が輸入牛でほとんどを占めています。一時、アメリカでBSEが発生したときにどんと落ち込んで、豪州産の牛肉がどっと入ってきて、そこからアメリカは一生懸命努力しながら、多分努力したと思いますけど、その牛肉のシェアを戻してきました。  今、これが発効していきますと、対豪州産は実は日豪EPAで既にもう下がるプロセスに入っているんですが、TPP11でいきますと更に下がるプロセスに入るわけですね。アメリカの牛肉業界はなかなかこれは黙っていないだろうなというふうに思います。そのときに、アメリカが二国間というものをやっぱり持ち出してくる可能性もこれは排除できないと思うんですね。  しかし、私は、今回元々これ、TPPは十二か国が入って十二か国で共有することで効果も非常に大きいというふうに理解していますし、安倍内閣の姿勢としては、あくまでもアメリカからそういうものが来たときについては、十二か国に入ってくださいということで対応をするというふうに理解したいと思いますが、茂木大臣、どうでしょうか。
  83. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) TPP11、参加国の様々な利害関係ありまして、率直に言いまして苦労しました。それを綿密に調整して作り上げた、ハイスタンダードかつバランスの取れた言わばガラス細工のような協定でありまして、そこの中で一部のみを取り出して再交渉する、さらには変えるということは極めて困難である、これが十一か国の共通認識であります。  そのことはチリにおいても改めて確認をさせていただいたところでありますが、チリでの署名式において発表されました閣僚声明にあるとおり、十一か国としてまずこのTPP11の早期発効に全力を挙げる考えでありまして、TPP11協定が発効した後、つまりこれは六か国若しくは半分以上という形になるわけでありますが、新たな国・地域が加入する場合には締結国全ての同意が必要ということになるわけでありまして、いずれにしましても、我が国として、基本的にこのTPPが発効した後これを拡大していくということについては大きな方向として賛同しておりますが、その上で、なかなかこれは、米国であれ、どこの国であれ、この協定そのものを見直すということは極めて困難であると、また国益に反するような再交渉はしないと、こういうつもりでおります。
  84. 平野達男

    ○平野達男君 もしアメリカ、米国に言うにしても、今のイレブンの枠組み、元々で言えばトゥエルブでやったわけですけれども、十二の枠組みの中で入っていただくということを求めるという、それが基本姿勢だというふうに理解をいたしました。  それから、アメリカにつきましてはもう一つ気になることがございます。鉄鋼、アルミについて制裁関税を掛ける、要するに輸入制限を掛けるということをトランプ大統領がもう決めたということであるらしいんですが、これをやっていきますと、例えば、日本がその対象になるかならないかという問題もありますが、やっぱり中国、EUと、ほかの制裁関税を課された方が報復関税を課すというような状況になりますと、これはもうWTOの枠組みそのもの自体も脅かしかねないという、かなり深刻な、深刻というか、事態になってくるのではないかなと思います。  今、これからアメリカとはこの件に関してどういう姿勢で、何をこれ、アメリカに訴えようとしておられるのか、この件についてお聞きしたいというふうに思います。
  85. 世耕弘成

    国務大臣世耕弘成君) アメリカの通商拡大法二百三十二条というものに基づいて、鉄鋼、アルミの輸入に対して追加関税を課すということになったわけです。  まさに、今、平野委員御指摘のように、そういうことが行われると、アメリカからあぶれた鉄鋼やアルミがこれ、ほかのマーケットへ回っていって市場が混乱する、さらに、それが回ってきた各国が今度は自分のところでセーフガードを打ち出したら、これはもう多角的貿易体制が崩壊してしまうわけでありまして、そういう意味で、私は先日、ライトハイザーUSTR通商代表に強く遺憾の意を申し入れてまいりました。  今回のこの発動は、いわゆるガットの安全保障例外というのを根拠にしているわけでありますけれども、であるならば、同盟国である日本の鉄鋼やアルミがアメリカの安保に影響を与えるわけはない、これはEUも同じ思いだと思いますけれども、日本を除外することということも強く求めてまいりました。  この事の本質は、確かに鉄鋼の過剰生産で非常にアメリカも苦しい状況にあるというのは事実、そこはよく理解をいたしますが、事の本質はやっぱり過剰生産している国がある、そこに国の補助金、公的補助金なんかがバックで入っている、そして、その国からあぶれた鉄鋼がいろんな国を迂回して世界を流れている、これが本質でありまして、こういった問題に各国が連携して対処していくことこそがこの問題の本質を改めることにつながるということ、この辺もアメリカにも強く申し上げました。  また、今委員おっしゃるように、対抗措置の応酬なんということになったら、これはもう自由貿易体制の崩壊であります。ブリュッセルでマルムストローム欧州委員ともお会いしました。そのこともEUともしっかりと議論をさせていただいているところであります。
  86. 平野達男

    ○平野達男君 何としても、これが自由貿易体制にひびが入るとか、あるいはWTO体制にひびが入るというようなことがないように、これは総理も是非御努力を願いたいというふうに思います。  最後になりますけれども、東日本大震災でありますが、先般七周年の追悼式が行われました。岩手県でも県主催は宮古市で行ったんですが、八年目に入るということでありまして、復興がかなり進んだという面がある一方で、様々なやっぱり問題も出てきています。  私が復興大臣、前の予算委員会でも申し上げましたけれども、人口減少社会ということを十分に入れないまま計画を作った面があって、縮小すべきところは縮小すべきだというところが十分でなかった面があったということは、前に予算委員会でも安倍総理出席のときに申し上げたかと思いますが、現実、今復興が、進めている反面、高台移転とか何かで用地ができたところの用地の使用先が、住宅の再建が進まないとか、そういった空き地問題も出てまいります。そういった新しい問題にもしっかり向けながら、復興に、引き続きこの加速化に向けて取り組んでいただくことを心からお願い申し上げたいと思いますし、福島につきましては、これは本当に最後まで国が責任持って復興をやるという、その体制をつくってくださることを、つくらなければならないということを申し上げまして、私の質問に代えさせていただきたいというふうに思います。  どうもありがとうございました。
  87. 宇都隆史

    理事(宇都隆史君) 以上で平野達男君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  88. 宇都隆史

    理事(宇都隆史君) 次に、横山信一君の質疑を行います。横山信一君。
  89. 横山信一

    ○横山信一君 公明党の横山信一でございます。  私からは、森友の決裁文書問題について取り上げさせていただきます。  三月二日に新聞報道によって書換え疑惑が持たれて以来、本予算委員会ではこの決裁文書の提出を求めてまいりました。しかし、八日に財務省から提出された決裁文書のコピーは既に公表済みの文書と同じ内容であるなど、財務省対応は誠実とは言えないものでございました。その僅か四日後の十二日に書換えの事実が明らかになりました。しかも、五日には国交省から連絡があったにもかかわらず、この十二日に書換えの事実を明らかにした。この間、八日には参議院にこのコピーを提出しているわけですから、これほど国会をなめた話はありません。国会国民のものですから、財務省は本当に国民をばかにしている、まさにそういう行為だった、それがこの八日から十二日の間の出来事でございました。  本来であれば、この時期の参議院は予算審議の真っただ中でございます。ところが、国民生活に直結する平成三十年度予算案、それとは直接関係のないこの決裁文書書換えという問題を取り上げなければならない。国会審議を無用に混乱させてきた財務省の責任は重大です。まず、冒頭このことを申し上げておきます。  一連の報道を見聞きをしている国民からすると、このような大それたルール違反、これを財務省理財局だけの判断でできるのかという疑問を持って当然だというふうに思います。もっと別の力が働いたんじゃないか、あるいは上からの指示があったんじゃないか、こう考えるのが普通だと思いますけれども、この点どう考えるか、総理にお伺いいたします。    〔理事宇都隆史君退席、委員長着席〕
  90. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) まず、経緯について財務大臣から答弁させまして、その上でお答えをさせていただきたいと思います。
  91. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは、財務省といたしましては、これはもう御存じのように、国有財産のいわゆる管理、処分というものに関しましては、これは度々御答弁をさせていただいておりますが、相手がどのような方とかどのような機関とか、いろんな表現あろうかと思いますが、それに関係なく、これは法令に基づいて行ってきているというところであります。  書き換えられる前の文書を見ましても、政治家等々の名前が幾つか挙げられておりますけれども、不当な働き方があった旨ということが記されているわけではございませんでした。  書換えが行われた経緯目的については、これは最終的に、書換えというものの経緯等については、これはいわゆる調査結果を踏まえる必要があろうとは存じますけれども、この本書の書換えの件は、昨年の二月下旬から四月等々にかけて国会対応を担当する当時の理財局の一部の職員が行ったものであろうと想像がされるところでありまして、書き換えられた文言というものを見る限りにおきましては、これまでの国会答弁、主として佐川ですけれども、佐川国会答弁誤解を受けることにならないようにするために行われたものだと思って、不当な圧力が等々にということではないと思っております。
  92. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 経緯につきましては財務大臣から答弁したとおりでありますが、いずれにせよ、今回のこの一連の書換えについて、行政全体に対する信頼を揺るがしかねない事態になっておりまして、行政の長として責任を痛感しております。改めて国民の皆様におわびを申し上げたいと思います。  そして、今回、国民の皆様から厳しい目が向けられている、このことをしっかりと真摯に受け止めながら、捜査に全面的に協力をしていく、これは当然のことでありますが、とともに、なぜこんなことが起こったのか、全容を明らかにするためにしっかりと調査を進めていく、麻生大臣にはその責任を果たしてもらいたいと思います。  その上で、全てが明らかになった段階において、二度とこうしたことが起こらないように、信頼の回復に向けた組織の立て直しに全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。  今後とも、国会審議の場などを通じてしっかりと説明責任を果たしてまいりたいと思います。
  93. 横山信一

    ○横山信一君 違法性の有無は今後の捜査によって明らかにされることだというふうに思いますけれども、私、本当に不思議に思うのでありますが、決裁文書書換えというこれほどのルール違反に対して、一部の職員というふうに財務大臣説明をされておりますけれども、一人の人間の仕業ではなく一部の職員でということになるわけですが、これほどの重大な行為に対して複数の職員が関わっていたとすれば、なぜ止められないのかと、こっちの方が不思議に思ってしまいます。  理財局長、これどうして止められなかったのですか。
  94. 太田充

    政府参考人太田充君) おっしゃることはよく分かります。その上で、今、誰がどういうふうに関与してこういうことになったかということはまさに調査をしているところでありますが、委員のおっしゃるとおり、基本的に、これは仮に上がいて下の職員がいたとして、上が仮にそういう指示をしても、下の、下と言うと言い方は悪いですけど、ポストとして下の職員が、いやいやそんなことをしてはやっぱり駄目だということがならないといけないし、ただ、上が物すごく強くて強くてということもあるので、そこのところをよく調べてということですが、いずれにせよ組織の問題であり、あるいはそのときの出てくる個人、固有名詞の問題と、そういう面もあると思いますが、それは本当に徹底的に調べ、あるいは徹底的にそのことのうみを出さない限り二度と立ち直れないというふうには思っております。
  95. 横山信一

    ○横山信一君 理財局の中では、財務大臣も三月十二日のぶら下がりでも財務省理財局からの指示で書換えが行われたというふうに答えているわけですから、理財局の中では誰の指示でやったのかということはもう分かっているはずなんですね。どういう系統でというか、決裁の流れって基本的に仕事の中であるわけですから、そういう意味では、誰の指示で書換えを行ったのかということはもう当然分かっているというふうにも思います。  少なくとも佐川さんは知っていたというふうに思うんですけれども、財務大臣、どうですか。
  96. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 誰がと言われると、今の段階で特定のいわゆる人の名前を申し上げられる段階にはないんだと思いますが、最終的に書換え経緯等々については、これは今やっております調査結果を踏まえる必要があろうと思いますんで、ちょっとこれは、今の段階で誰がということをお答えは差し控えさせていただきたいと存じますが、いずれにしても、この進行中であります捜査というものに関しまして私どもこれ全面的に協力するとともに、財務省としては引き続き更なる調査をさせていただきますんで、その上で、私どもとしては、これはきちんとせぬと信頼回復ということにつながらぬと思いますんで、そこのところはきちんとさせていただきたいと思っております。
  97. 横山信一

    ○横山信一君 組織としてというか、理財局としてこの書換えという行為を止められなかったということは、これは、もう少し敷衍して考えると、決裁文書書換えというのが日常化していたんではないのかというふうに思われてもしようがない。また、報告のあった決裁文書以外にもやっているんじゃないのか、ほかにもあるんじゃないかというふうにも疑われてもしようがないというふうに思いますけれども、理財局長、どうですか。
  98. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  今の状況下で、委員がおっしゃられていることに、委員皆様方国民皆様方に納得をいただけるような状況ではないというのは重々承知をしております。  その上ででございますけれども、今回、本当にそれはもう我々としても必死なので、必死に確認をして、最終的に捜査当局の御協力もいただいて提出をさせていただきました。  今回のこの書換えについては、今回十四件お出しをさせていただいたわけですが、我々としては本当にぎりぎりできるだけのことをやって、これで本当に全てだと思っております。我々がまた至らなくてということも心配され、あるいは懸念を持たれるのは重々分かっておりますが、我々としては本当にこれで全て、事実関係については、少なくとも何があるかという事実関係については全て出せているものだと、本気でそう思っております。そういうことだということは、御理解はいただけないと思いますが、私どもがそう言っているということだけはお聞きをいただきたいというふうに思います。
  99. 横山信一

    ○横山信一君 本当にこれで全てだと言いながら、今日もまた出てきたんですよ。私たちは、野党等の対応もある、そういう意味では財務省をある程度信用しながら、出てきたものに対してですよ、対応してきたわけです。それを裏切られたんですから、それで信用しろと言ってもそれは信用できない。  先ほど来話が出ていますが、この出てきた報告書、新しい書換え報告書を見ますと、全体的には今まで言われてきたこと、聞いてきたことと何ら変わりなく、新しい事実が出てきたというわけではありません。それよりも、先ほど来話に出ているように、むしろ全部出した方がよかったんじゃないのかと、むしろそういう内容でありまして、様々な与野党の国会議員からの問合せに対しても、面会しても意味を成さないとか、価格についてはどうにもならないというふうに出てきて、むしろ現場ではちゃんとやっているじゃないかという、そういう事実の方がよく浮き出ている、そういう報告書であります。  それなのにですよ、それなのに、何でわざわざ削除しなきゃいけないのかということが本当に分からないことなんですけれども、佐川さんが自分答弁のためにやったという、その答弁にそごを成さないように書き換えたんだという話が出ているわけでありますけれども、当時、佐川さんが理財局長だった、その同じ今立場に太田局長がいて、同じ公務員として、その同じ立場として、同じ官僚として、何でわざわざ削除する必要があったのかということについてどう考えますか。
  100. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  今ほどの御下問は私の個人の意見を言えというような御趣旨かと思いましたので、そういう意味で申し上げさせていただきます。  私も去年の夏からこのポストで答弁をさせていただいております。やっぱり国会答弁をさせていただくということは大変責任が重いですし、正直に申し上げて、物すごく緊張しているということは事実でございます。ただ、ただ、そういう中で、だからといって、自分答弁をしたということと、それが誤解を招かないようにということで決裁書を書き換えるということは、私としては、どう考えてもそれは結び付く話ではありません。  やはり答弁をするのは大変、私が至らないんですが、大変なんですが、やっぱりそれは一生懸命整理をして勉強して、その上で、もちろん発言をしても、答弁をしてもなかなか上手にできなくて理解いただけないということは多いと思いますが、それをやるのが私どもの仕事だと思っておりますので、そういう意味では、このことは、正直に申し上げると、私個人にとっては理解ができないということではございます。
  101. 横山信一

    ○横山信一君 役人にとってもなかなか理解できないことだったということなのかもしれませんが、我々にとってみると、なお一層分からないんですね。  この決裁文書と、先ほども言いましたけれども、大臣のお話の中で、佐川理財局長答弁との間にそごがあったから誤解を招くことのないように書き換えたというふうに説明をされているわけですが、この説明の中には、答弁が先か、それとも書換えに基づいて答弁したのかと、どっちなんだという疑問が残ります。さきに、二月下旬から四月に書換えが行われたというふうに報告をされておりますので、書換えの日時は理財局では分かっていると思うんですね、いつ書き換えたのかという。  あるいは、フォルダーの中を、幾つもフォルダーを探していったらあるというわけですから、そのファイルを書き換えた、あるいはファイルを登録したその日時を見ればそのことも分かるはずであります。言ってみれば、答弁が先か書換えが先か、これはファイルで当然今分かっていると思うんですけれども、このことについてどうですか。
  102. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  二月下旬から四月にかけて書換えをしているというふうに御報告をしております。  我々が今調べて、調べられる限りのところで御報告申し上げれば、書換えというのは、一つの決裁文書についてある一日をもって書換え前と書換え後が生じているというわけではないというふうに認識をしております。要すれば、何回か何回か、全てではもちろんありませんが、何回か何回かある意味で書き換えていって、最終形といいますか、書換え後のものができ上がっているというふうになっているというふうに承知をしております。  要すれば、二月下旬というのは、二月十五日に初めてこの件について国会質疑があったときですから、まだ非常に割と最初の時期でございますし、三月は相当御議論があったときであります。要すれば、二月から三月にかけて、三月の方がもちろん審議、日にちも多いですし、審議、何というか、時間も多いんですが、その答弁があって、それとの関係を考えてこういうことをしていたというふうに考えられるというふうに思ってございます。
  103. 横山信一

    ○横山信一君 一つ一つ佐川さんの答弁書換えの日時を明らかにすべきだと思いますけれども、今の説明ではちょっとよく分からない。答弁が先かそれとも書換えが先かは言えるんじゃないですか。どうですか。
  104. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  ぴったりということではないと思いますが、というのは、答弁あるいは国会での議論をある程度先まで読んで、あるいはこういうことがありそうだということも含めてという面もあるかもしれませんが、どちらが先かというのを、どちらかと言われれば、それは答弁が先だということだというふうに認識をしております。
  105. 横山信一

    ○横山信一君 そう言ってくれればいいんですね。答弁が先だったということだということであります。  質問を変えますけれども、現在、財務省内で調査が引き続き行われているわけでありますけれども、今回のことによって国民の多くは財務省信頼できなくなっているということであります。理財局の責任だと言っている以上、既に財務省は全容をある程度把握しているんだと思うんですね。もちろん、地検調査は続いていますから、その調査に全面的に協力をしなければなりません。  しかし、国民信頼を失っている以上、理財局自ら、明らかになったことはどんどん国民に明らかにしていく、そういうことが必要じゃないかというふうに思うんですけれども、財務大臣、どうですか。
  106. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは、元々この決裁文書というものを書き換えるというようなことはこれは誠にゆゆしきことなんであって、これは甚だ遺憾で、これ度々御答弁申し上げ、おわびを申し上げたところであります。  今後、この進行中の捜査に、これは当然、全面的に協力するのは当然にしても、これは財務省として引き続き更なる調査というものを進めさせていただいてこの信頼回復に努めていくというのは必要なことなんだと思っておりますが、いわゆる書換えというものが、当時の本省理財局国会答弁担当、対応する職員ということになろうかと思いますが、どの職員がどの程度関与したかということの調査にも、これは当然ながら着手をしておるんですが、しっかりとこの調査を尽くす必要があろうと考えております。  したがいまして、捜査当局によります捜査への影響というものも十分に配慮をせにゃいかぬところだと思いますが、御指摘を踏まえて、できるだけ速やかにこれは対応していかねばならぬ、それをもって信頼回復に当てねばならぬと思っております。
  107. 横山信一

    ○横山信一君 国民は注目しておりますので、是非それを実行していただきたいと、誠実に実行していただきたいというふうに思います。  三月二日の予算委員会におきまして、我が党の魚住議員の行政文書管理の質問がございました。そのとき梶山大臣は、公文書を扱う職員一人一人の意識をより一層高めていくことも重要なので、各府省職員向けの研修の充実を通じてルールの徹底を図るというふうに述べておられます。  この問題は、やはり官僚の、何というか、傲慢さというか、そういうことが見え隠れしてしまう部分があって、財務省だけの問題として捉えられるべきものではないというふうに私は思っております。公文書の管理の運用というのは各省庁に任されておりますので、その公文書管理の希薄化ということも背景にあったのかもしれません。そういう意味では、この行政文書管理の在り方というのをしっかり職員に徹底をしていくということは大事だというふうに思います。  公文書管理法という法律がありますけれども、五年ごとの見直しがなされておりますが、今も見直しに向けて検討が行われているというふうに承知をしておりますが、これまでの見直しの結果というのは附則を変えているだけなんですね。ですから、その本体の中身について触れられていない。ましてや、今回の事案のような、決裁文書を書き換えるなんてことを全く想定していないんですね、この公文書管理法というのはですね。  そういうことを考えると、この法律の見直しも含めてしっかりと今取り組んでいかなければいけないというふうに思うわけですが、一方で、職員に対してどうするのかということについては、昨日の公聴会でも公述人の意見陳述の中にありましたけれども、公文書管理研修、しっかりやっていかなきゃいけないと、またそれの講師も足りないんだという発言もございました。  この公文書管理研修の行政機関の受講者を調べてみると、これ、もう驚くべき数字でございまして、二〇一三年が二・二%、二〇一四年が二・四%、二〇一五年が二・七%で、ずっと二%台しか受講していないというこういう実態もある。そういう実態を見てみると、やはりこの公文書管理の意識の低さというか、そういうのが見えてくるわけであります。  そういう意味で、全省庁が公文書管理の意義をもう一回捉え直す必要があるというふうに考えるんですけれども、梶山大臣、お願いいたします。
  108. 梶山弘志

    国務大臣(梶山弘志君) 今回の決裁文書書換えは、公文書への信頼を揺るがしかねない行為であり、誠に遺憾に思っております。  公文書管理は現在と将来の国民に対する説明責任を全うする上において極めて重要なインフラであるとの認識を全行政機関の全職員が共有をし、適正な管理を実践することが重要であります。  公文書管理の見直しについては、昨年末に行政文書の管理に関するガイドラインを改正をいたしました。これは、今委員御指摘のように、二十三年四月に公文書管理法が施行され、五年の見直しを外部の有識者から成る公文書管理委員会のメンバーにしていただきました。その御指摘事項が入ることと、あと、昨年、様々な事案があり、様々な御指摘がありました。それも踏まえて年末にガイドラインの改正を行ったところであります。  そして、さらに、行政文書の管理規則ということで、今年度末までに、外部の、先ほど申しました有識者による公文書管理委員会でチェックを今行っているところであります。そして、新年度からそれらを適用していくという今作業を行っているところであります。  ルールの見直しに加えまして、公文書を扱う職員一人一人の意識をより一層高めていくことも重要であります。研修の充実を通じてルールの徹底を図っていくことは極めて重要であると考えております。  具体的には、先ほど研修の参加の比率のお話がありましたけれども、各府省において全職員が少なくとも毎年度一回研修を受講させることを求めることといたしました。ほかにも、出先機関の職員等も含め、各府省の全ての職員が公文書管理に関する研修を受講できるよう、内閣府においてもe―ラーニングやサテライト研修の導入を進めているところであります。  このほか、公文書管理の専門職員の育成を図っていきたい、また、各府省における公文書管理業務を支援する専門職員の配置等についても検討を進めるなど、公文書管理の質を高めるための不断の取組を続けて改正ガイドラインの実効性を高めてまいりたいと考えております。
  109. 横山信一

    ○横山信一君 ここは非常に大事なところだと思いますので、積極的に取り組んでいただきたいんですが、どうでしょうか、大臣、今回の事案を踏まえて、公文書管理の在り方というか、公文書管理法の内容が今回の決裁文書書換えみたいなところまで含めて見直されるのかどうか、その点、今の状況でお答えできることがあれば。
  110. 梶山弘志

    国務大臣(梶山弘志君) 現在、財務省の事案については調査をしているところということで、その推移を見守っているところでありますが、全ての可能性を排除せずに、できるところを努力をしてまいりたい、このように考えております。
  111. 横山信一

    ○横山信一君 最後の質問にしたいと思いますけれども、総理にお聞きをいたしますが、財務省は、今まで立法府と国民を欺いてきたということを深く反省をして、説明責任をしっかり果たしていただかなければなりません。そして、今後二度とこのようなことを起こさないようにしなければならない。そういう意味では、今言ったような公文書管理の研修なんかも非常に大事なんでありますけれども、この再発防止と併せて、国民信頼をどのように回復するのか、最後、総理にお聞きをいたします。
  112. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 先ほど答弁をさせていただきましたが、国民の皆様は、なぜこのようなことが起こったのか、こう思われておられるんだろうと思います。その意味におきまして、しっかりとこの疑問に答えていかなければなりません。捜査において、もちろん全容を解明するために我々全面的に協力をしていくところでございますが、同時に、財務省においてもしっかりと調査を進めていくことが求められている、そのことについて麻生大臣にその責任を果たしてもらいたいと、こう考えております。  その上で、やはり再発を防止をしていく、二度とこうしたことを起こさないようにしていくためにも全容を解明する必要がございます。全容をまず解明し、そしてその段階において、こうしたことを二度と起こさないように、組織の在り方、先ほど委員が御指摘になった文書管理について、果たしてしっかりと公務員の皆さんがそれを意識しているかどうか、二%しか受講していないではないかという重要な御指摘もございました。こうした点も踏まえて、言わば行政全体としても、二度とこうしたことが起こらないようにしていく上において対策をしていく、そして組織をしっかりと立て直していくことが求められている、その我々責任を果たしていきたいと、こう考えております。
  113. 横山信一

    ○横山信一君 以上で私からの質問を終わります。
  114. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 関連質疑を許します。矢倉克夫君。
  115. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。  私からも、公文書書換え問題について。事は、財務省を始め役所が国民の財産である情報を私物化しているんじゃないかと、その姿勢がまず問われているわけであります。  この問題が現実化した後も、私も議運の理事として、また筆頭の国会対策委員長として、様々厳しく激しくやり取りはさせていただいたんですが、やはり感じたのは、もう率直な印象としては、捜査を隠れみのにして逃げていると、本当にそう思っております。二点目には、捜査中だから捜査中だからと、こういうことを言うわけでありますが、確かに、個人が刑法を始め構成要件に該当するかという刑事罰、これが科せられるかどうかの捜査権は重要なんですけど、それよりもまず、国民から財務省、霞が関が信用できるかどうかということが今問われているわけなんですよ。どちらが大事かという話じゃないかもしれませんが、捜査だからこれをなおざりにしてはいいなんという話では全くない。  しかし、とにかく決裁後の書換え文書であります。官僚による情報操作が考えられるわけでありますが、国民に提供された情報が勝手に書き換えられたおそれもこれはあるわけであります。もうあってはならないことが起きた。信用問題ですし、信頼されない行政機関、政治というのは権力基盤としての基礎をなくしているわけなんです。国家の基というものが、これは今瀬戸際にある状態だと、もうそういう重大な事態であるということを財務省はよく理解をして真摯に対応していただきたい。とにかく捜査に最大に協力する、そのためには、まだ出せないものがあるなんという姿勢はもう全く許されない、国民や国家をないがしろにしていると、このように改めて強く申し上げたいというふうに思います。  私も弁護士させていただいたことがありますが、確かに、地検の方などに資料があった、その原本は出せないかもしれませんが、いろいろと協力してお願いをすればコピーはすぐ出してもらえる事例はたまにあります、よくあります。それなのに、三月六日にもこのような事例でというような形で財務省から紙が出てきた。全力で挙げてやります、しかし紙の半分以下はこういう事情があって出せませんという言い訳のような文書が出てきた。本当に、例えば、地検にしっかりとコピーでもいいから出させてくださいとその時点でお願いしたのか。そんな努力もしないで捜査中だから出せないなんという姿勢は、全く隠れみのに捜査を利用していて、やるべきことをやっていないと、このように改めて強く申し上げたい。  是非、財務大臣、これは役所がどうかというようなことを役所だけに任せていては全く事は進まない。本当の意味での政治主導をしっかりとやっていかなければいけないタイミングであるかというふうに思います。財務大臣から、とにかく全部出せと、これ自分たちが丸裸になってもいいぐらいの気持ちで出すんだと、その出す姿勢が信頼回復につながっていくと、それが政治家の役回りでもあると思いますし、それを号令していただくのが、今非常に課題に直面しているこの国政の、ある意味麻痺と言ってもいい、その状態から回復する上で第一歩であると思います。  是非財務大臣の強い指示をいただければというふうに思います。
  116. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これ、度々申し上げておりますように、決裁が行われた行政文書というものを書き換えるなんというような話は、これは極めてゆゆしき事態なんであって、これもう誠に遺憾という話で、先ほど何%とかいう話が出ていましたけど、この種の話はそのパーセントがあるほど出るはずはありませんから、これまで幾つかないわけじゃありませんけれども。  そういった意味では、私どもとしては、今回は極めてゆゆしき事態であることはもうはっきりしておりますので、今捜査中というのは事実でありますので、いろいろ職員の調査をすると、誘導尋問、その話と口裏合わせということを捜査当局から言われますので、私どもとしてはなかなかそこはしにくいというのは事実。これはもう弁護士しておられるのでその種の話はお分かりだと思いますので、私どもとしてもできる範囲があろうとは思いますけれども、いずれにしても、財務省としては引き続き調査というものをきっちり進めさせていただいて、信頼回復というところに行き着かないとどうにもなりませんので、そこのところが一番肝腎だと思っておりますので、私どもとしては、ある程度捜査への留意はしつつも調査をきちんと進めさせていただきたいと考えております。
  117. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 ありがとうございます。  誘導尋問であるというようなことを役所が言っていると。本当に捜査機関がそういうことを言っているのか、そこはやはりしっかりチェックをしなきゃいけない。そういうことが懸念があるんであれば、そのような疑念を持たれないような形で内部にしっかりと調査をするやり方はあると思います。独自に第三者にでもチェックをするであるとか、そういう体制をつくることがやはり政治の役回りでもありますし、とにかく役所は、今のいろんな今までの答弁の姿勢を通じても、いろいろとにかく理由を付けて出さないように出さないようにしている、そこを是非財務大臣のリーダーシップで打ち破っていただきたいと、改めて御期待を申し上げたいというふうに思います。  改めてですが、財務省に何度も申し上げますけど、とにかく情報が小出しに出てくる、どう責任逃れをするかばかり考えて、自分たちが言い訳できるような情報になったら初めて出してくると。こういうような姿勢がつながっているから、もっと早くに出せるものを出さなかったんじゃないか、自分たちは逃げているんじゃないかという疑念が今国民いっぱいにどんどん広がっているわけなんです。その姿勢をまず改めていただかなければいけない。  先ほど来からも、五日の時点で国交省から異なる内容文書財務省に通知が行っていたというような話もあります。何でそういう事情を含めて八日の時点で出さなかったのか。理由は何かといえば、いや、要求されたのは近畿財務局にある原本のコピーを出せと言われた、だから我々はそれだけ出したんだと。じゃ、我々の要求の仕方がまずかったから出さなかったのかと、そういう問題じゃないでしょうと。あなた方は今自分たちがどういう状況に置かれているのか本当に分かっているのかと。国民に対して国民が求めたい情報をなぜすぐ提供できないのか。本当に内部で書換えがあったのかどうかということを知っているわけで、それに対して我々が判断する基礎になるような情報もなぜ出さないのか。出さないで言い訳ばかりする、こういうような姿勢は本当に改めていただきたいというふうに思います。  もうこの週明けにも、こんな改ざんの、これだけの文書がばっと出てきた。これが、週末だけで一気にこれが分かったのか、もっと早くからこういうのがあり得るという情報はあったんじゃないか。何でそういう情報が出せなかったのか。もっと早くに情報を出すべきだと思いますが、太田局長、今後の情報開示について改めて姿勢を問いたいというふうに思います。
  118. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  もっと早く出すべきだったと委員から、あるいはそれまでの質疑でも厳しいお叱りを受けたのは重々もちろん承知をしています。承知をしておりますが、我々とすれば、きちんと確認をして全貌、全体をお示ししないとなかなか御理解がいただけないので、もちろんこれで御理解がいただけるなんて思っていませんけれども、ということがありました。  今回の十四の文書でも、どれかあるいはそのうちの三つ、四つだけを捉えると全体の印象が相当違うことになるかなと思っております。物によっては政治家の先生の名前が割と随分出ているものもあれば、全く関係ないものもあって、そういうものを全体を御覧いただかないと、こいつらは何をやっていたんだというのが分かっていただけないかということと、それから、やっぱりとにかく事実を確認しないといけないということで、最後こういうことになりました。  ただ、いずれにせよ、遅いというお叱りはもう重々承知をしています。今後、本当に早く出さないといけないというのは肝に銘じて行動させていただきたいと思います。
  119. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 だから、それを判断するのは我々なんですよ。あなた方が勝手に判断をして選別している。その時点で情報を私物化していると言われてもこれは致し方ないところ。何を出すべきか、それは自分たちの利害の中で判断する、そういう意図があるからそういう姿勢を取るのであって、出せるものは全部出す、そして我々の判断に値するような情報は全部出す、そういう姿勢を財務省は本当に持っていかないと、財務省自体信頼の基礎がなくなって、存在意義がなくなっていきますよ。本当に考えないと大変な問題だということを改めて申し上げたいというふうに思います。  また改めて局長に聞きたいと思うんですが、書換え理財局の一部だというようなことをおっしゃっていました。一部というのにこの佐川氏の関与というのが全くないと、これ断言できるんですか。お伺いしたいというふうに思います。
  120. 太田充

    政府参考人太田充君) 佐川当時の局長は、先ほど来申し上げて、大臣から御答弁がありますように、基本的には国会答弁誤解を招かないようにという、招かないようにするためということだったと、この書換えは、私ども考えておりますが、とすると、当時の理財局の最高責任者、トップは佐川局長でございますし、国会答弁を主としてやっていたのも、これも当然、佐川局長でございますので、佐川局長の関与といいますか度合いといいますか、そういうものは大きかったんではないかというふうに私どもとしては思ってございます。
  121. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 それでは、その関与の度合いが大きかった、それを裏付けるような調査もされていると思いますが、はっきり、終了次第にすぐに我々にも、今すぐできればお答えいただきたいというふうに思いますが。
  122. 太田充

    政府参考人太田充君) そこは、今私どもの中で、人事当局がそういうところの、誰がどういう役割、重さでということは今調査をしておる最中でございます。一方で、捜査の話をすると委員からお叱りを受けますのであれですけれども、捜査の方もやっておられるので、それも、いろいろ見極めなければいけないと思っておりますが、大臣からも先ほど来御答弁がありますように、捜査のことも見極めるけれども、できるだけ早くできるよう、やるようにするという大臣からも御答弁がございますので、私どもとして、財務省としてそういう基本的な態度で臨んでいきたいというふうに思ってございます。
  123. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 捜査の方の刑事罰に該当するかどうかというようなために必要な基礎事情と、また、我々が今説いている、行政が本当に信用できるのか、中で行政の文書を書き換えするような事態があったのではないかというような、組織の在り方そのものに判断するための情報というのは必ずしも全く同一ではないと。出せる情報はあるわけであります。何でもかんでも捜査捜査といって逃げるというような姿勢は本当にやめていただきたい、こんなことを続けていると本当に信頼関係が失ってしまいますので。  改めてでありますが、大臣にも、全省を挙げてこれは調査するとおっしゃっていただいています、財務大臣にも。これは財務省の全職員が当事者であるという意識で当たるという、もうこれは決意表明であるというふうに私は理解させていただいております。  他方で、この一昨日の大臣の御報告では、理財局の一部がこれは関与したと。理財局の一部のみの特異事例のような認識も若干確認されるところでありますが、一方で、同じ報告書の中で、報告の中で、捜査が今は継続中であるから調査は終局していないと。調査が終局していないのに、他方で理財局の一部だけと断定するというのは、これは非常に矛盾している感覚もございます。  やはり、役所は、都合のいいところの情報だけ大臣に上げていろいろと話をするようなシナリオを持っていこうとしている。理財局の一部であることは、確かに今のところの事実ではそうなのかもしれませんが、本当にこれ全省的な問題として、財務省のどこにどういう問題があるのか、これを徹底的に立て直す、組織全体の体制を立て直すぐらいの思い財務大臣が、役所は言ってくることは言ってくるとしても、そこはまた役所の言い分は言い分として聞いた上で、御自身の判断でしっかりとリーダーシップを持ってやっていただく必要はあるかというふうに思いますが、改めて財務大臣から一言いただければ。
  124. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) この件につきましては、これは国会の論議の中で非常に大きな問題になったということを我々としては非常に重く受け止めて、財務省としてこれは全省を挙げて職員等々への聞き取りを、また文書の確認等々を行って、加えて捜査当局協力というものもいただいた上で、決裁文書書換えの事案についてこれは調査を実施したというのがこれまでの経緯です。  それで、書換えが行われた経緯につきましては、これは最終的にはまだ、今後の調査結果の報告がまだ、を踏まえる必要はあろうかとは思いますが、一部の人間が関与していたということに関して、理財局の一部の人間が関与したということになれば、本来であれば調査結果を待たなければ示せるものでは、できないのではないかという御指摘なんだと思いますが、これは職員の聞き取りとか文書の確認などを通じて、今般の件につきましては、この今の指摘につきましては、これは二月下旬、昨年の二月下旬から四月にかけての理財局の一部の職員による決裁文書書換えが行われたとこれは判断ができたと、私どもはそう思っておりますので、この部分を出させていただいたということだと思っております。  また、これまで行われました目的とか経緯とかいろいろ疑問の残るところではありますけれども、どの程度の関与があったのかなどの詳細については今後更に調査をしていかねばならぬというように考えております。
  125. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 特に、今回お一人の方がお亡くなりなった、大変痛ましいことであるというふうに思います。本当に心から、どういう事件の背景があるのかというようなことはまたこれから調査中であるといいますが、心から御冥福をお祈り申し上げたいというふうに思います。  実際に関係した財務本省やまた近畿財務局の方、こういう職員の声、やっぱり生の声を聞かないといけないなというふうに思います。国会に呼ぶかは別にしても、彼らにしてみたらやりたくないことをやらされたというような犠牲者である部分もあるかというふうに思います。そういった方々の声もやっぱりしっかりと聞いていくというようなことも必要であるかなというふうに思います。  是非、これからも国会要請があったら、財務大臣からも関係者の聴取にしっかり対応いただくように、是非省内をしっかり御指導いただきたいなというふうに思います。  また、あわせて、今回、全ての公文書、これは改ざんがなされないというような前提で今制度があったわけでありますが、それが書換えがなされたという、これはあってはいけないようなことが行われたと。役人というのはそういうことをしないんだという性善説で立っていたわけでありますが、これからはやはりそれを省内でもちゃんと相互にチェックする、その体制づくりというのはこれは必要、これも是非、これは財務省に限らず、総理も含めて全省的にこれはやっていただきたいというふうに思います。  その上で、今回のようなことが起こると良くないことなんだということをやはり認識付けるためには、許されざる行為を繰り返さないためにも、書換えを指導した責任者はこれしっかりと処罰をしなければいけないというふうに思いますが、その点について財務大臣から御意見いただければと思います。
  126. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは、決裁文書書換えが行われるというようなことがあり得るかもしれぬという前提でいわゆる公文書規則が作られているわけではありませんのじゃないかと、いわゆる性善説に基づいているのではないかという、これは矢倉先生の御指摘はそのとおりだと思いますが、大体こういったことが行われるというのは、これは極めて異例であって、私どもの知っている範囲で過去にそんなたくさん例があるわけでは、ゼロではありませんけれども、例があるわけではありませんので、私どもとしては極めてこれは特異な例だとは思っております、今回のことに関して。  しかし、今後、進行中であります今捜査というものを見た上で、いろんなことを考えにゃいかぬところだと思いますが、二度とこうした事態が起きないようにするということに関しましては、私どもとしてはしかるべき対応を考えねばならぬということだと思いますので、これは公文書の管理につきましては、いわゆる行革担当というか、担当の大臣とも話をさせていただかなきゃいかぬところだと思いますので、公文書管理のガイドラインというのを踏まえまして、踏まえた上で、私どもとしては文書管理規制というものを適切にこれは改正をするということも考えにゃいかぬところだと思っておりますので、こういったものを、研修等々、改正した後の研修等々を通じて職員のいわゆる意識の向上というものを徹底してやらにゃいかぬ、また制度も改めにゃいかぬというところをきちんとやっていく必要があろうというように考えております。
  127. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 事は、信頼が、本当に失われた信頼を取り戻すかどうか、もうこれは国政全般について本当に重要な今岐路に立たされているというふうに思います。  総理には、これ全省の問題だということを、今後の公文書の在り方も含めて、また、こういうことが起きた背景に何があるのかということをしっかりお考えいただいて、是非全省に対して指導をいただきたいというふうに思います。どうぞよろしく、御要請だけで、申し上げたいというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げます。  それでは、残りの時間を使ってTPPについて御質問をしたいというふうに思います。  私も党の方ではTPPの総合対策本部事務局長をさせていただいております。日本の外交努力というのを見てきました。今回の署名に至った経緯というのは、非常に日本のリーダーシップがあってここまでの形でまとまったかなということで、今後の日本の通商交渉も一皮むけた印象でありました。非常に敬意を表したいなというふうに思います。  改めて、署名出席された茂木大臣に、まずTPPに対しての評価をいただければというふうに思います。
  128. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 冒頭御報告をさせていただいたとおり、三月八日にチリTPP11の署名式、行われたわけであります。昨年、アメリカがTPPから離脱をする、一時は漂流するんではないかなと、このように言われていたTPPでありますが、昨年七月、箱根での首席交渉官会合以降、我が国が議論を主導し、私自身もベトナム・ダナンの閣僚会合共同議長を務めたり関係国閣僚と協議を重ねたり、総理にも、折に触れてベトナムのフック首相であったり、またメキシコの大統領等々とも電話会談もしていただいたり、こういった形で、僅か半年で署名に向けた準備を整えて署名をすることができたわけであります。これは、我が国にとっても、またアジア太平洋地域にとっても画期的な成果であると、こんなふうに思っているところであります。  具体的に、TPPは、これまでの二国間のEPAと違いまして、二十一世紀型の自由で公正な新たな共通ルールをアジア太平洋地域につくり上げて、人口でいいますと五億人、そしてGDPで十兆ドル、さらに貿易総額でも五兆ドルという巨大な一つの経済圏、これをつくり出していくものでありまして、昨年末に公表させていただきました経済効果分析では、日本の実質GDPを約七・八兆円押し上げて四十六万人の雇用を生み出すと、このようにも試算をしております。  各国とも国内手続をこれから進めることになるわけでありますが、日本としては、TPP11の早期発効に向けて、引き続き、各国との連絡調整、これも今まで日本が主導してきたわけでありますが、そういったことも含めた事務局的な機能を果たしていくつもりでありまして、また、そういった役割、日本が主導的な役割を果たすことが各国からも期待をされているところでありまして、しっかり、そういった意味で、そういった役割を果たしながら、TPP11の早期発効、目指していきたいと思っております。
  129. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 ありがとうございます。  まさにこのTPP、今、後ほども申し上げますけど、やっぱり世界に極端な保護主義があるわけでありますが、それに対する、しっかり対峙をする旗頭として日本が存在感を発揮し、こういう形になったと。各国からも日本のリーダーシップに更に期待をするという声が非常に高まっていると、現にそういう声が署名式でもあったというような報告もいただいたところであります。是非引き続きこの意義を発していただきたいというふうに思います。  私からはこのTPPについて、今日はお手元にも資料はお配りをさせていただいたんですが、まず強調したいことは、やはり日本としては、このTPPを使って、グローバル経済下において、海外に行った仕事を取り戻す関連で、この日本にいる中小企業が日本にいながらにして世界につながっていく、そういう力があるんだということを示したいがために今書類を付けさせていただきました。  時間も関係もあって簡単に御説明はしたいというふうに思いますが、やはり今までの、上の段の、まあ今までのTPPがなかった時点でありますが、これは完全累積制度を排した話なんですけど、A国、B国で作った部品をC国で組み立ててX国に輸出をするという場合で、例えば関税ゼロでの輸出のためには六〇%以上の付加価値を付ける必要があるとしますと、(資料提示)この上の場合においては、これは付加価値が、結局、二国間FTAがあったとしても、C国で二〇%だけですから関税ゼロにはならないと。こういうような事態にあり、この結果どうなったかというと、日本の大企業も含めて、やはりこれ、例えばA国が日本だとしましたら、C国の方に拠点を全部移すことでこういう関税ゼロのメリットを受けようと。やはりA国からC国の方に製造拠点が動くというような機転があったわけであります。  これがTPP11の場合に、やはりA国、B国、C国でそれぞれもう全ての付加価値が、高まりがかさ上げられることで、まさにメード・イン・TPPというもので関税ゼロがこれは実現をすると。こういうTPPの枠組みで、今までの域内関税の撤廃とか、通関手続の円滑化などで事業コストの内外価格差がなくされていく、こういう事情が、結局大企業とかも、日本を含めたサプライチェーンを再構築しようという動きに大きくなっていくわけであります。  政府としても、是非これを武器として、これまで海外に行っていた仕事をどんどん国内に回帰させる。さらには、日本企業の中小企業、とりわけですね、やはり日本にいながらにして世界につながるというような、そういう政策を更に後押ししていただきたいというふうに思いますが、それについての具体的政策を問いたいというふうに思います。
  130. 平木大作

    大臣政務官(平木大作君) 経済連携協定には様々なメリットがあるわけでございますが、例えばTPP11におきましては、ただいま委員から御指摘をいただきましたとおり、完全累積制度を活用しながら、日本で基幹部品を製造する中小企業が、加工を行う国に部品製造拠点を移動することなく引き続き国内に拠点を維持したまま海外に部品を輸出する、こういったことが容易になるなどのメリットがあるわけでございます。  ただし、制度をつくるだけではなくて、経済連携協定のメリットが、これまで海外展開に取り組んでいない中小企業等も含めて全国津々浦々に行き渡るように取り組んでいくことが必要であるというふうに考えております。この意味で二つのアプローチ、対策を今後講じていくこととしております。  まず第一に、これまで海外展開に取り組んでいない中小企業等が経済連携協定を新たな市場開拓のチャンスと捉え、海外展開へ挑戦することをきめ細かく支援してまいります。具体的には、全国で中小企業に対して経済連携協定のメリットに関して説明会等を行っていくとともに、新輸出大国コンソーシアムにおいて、国内での事業計画策定から海外での販路開拓、現地での商談へのサポートに至るまで切れ目のない支援を引き続き実施してまいります。  また第二に、地域経済を牽引する地域の中核企業による海外販路開拓を支援することによりまして、地域中核企業と取引や連携を行っている地域の中小企業にも波及効果が及ぶようにしてまいります。具体的には、国際市場に精通した専門家等が海外市場も視野に入れた事業化戦略の立案ですとか、あるいは販路開拓を行う地域中核企業を支援してまいります。
  131. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 引き続き、是非よろしくお願いします。  やはり、TPPによるマクロの経済効果をいかにミクロまで広げていくのかという部分でも、中小企業がこれを武器にしてやはり利益を享受していくという姿勢は重要であるというふうに思いますので、よろしくお願いします。  総理に、世界に蔓延する極端な保護主義に対しての対峙の姿勢とともに、特にアメリカが今後これを再交渉する場合どのように、交渉を求めた場合どのようにするかということをお伺いしたいというふうに思いますが。  私も農水大臣政務官をやらせていただいたとき、一年前に、ちょうど昨年の一月二十日でありましたダボスの方のWTOの非公式の閣僚会合に参加させていただいたときにも、アゼベド事務局長とかとも、立ち話もしながらでありますが、やはり、この自国の利益のためには他国の利益を奪うという、そういう観点の下での保護主義というのがやはり蔓延しているというのは非常に重要であるなと、大変な事態であるなというところで理解が、意見は一致したところであります。今回、TPP署名し、これを推進していく日本の使命の一つは、そうではなくて、経済というのは支え合いで進んでいるんだということの旗をしっかりと広げていく役割はあるというふうに思います。  こちらの資料の方にも、TPPは支え合いの枠組みというふうに書いてあったわけでありますけど、上の方ではやはり連携が、関税の部分でも連携がない分だけ全体はメリットを受けないわけでありますが、やはりTPPの場合は、A、B、C国みんな連携をして、その連携の中でサプライチェーンをつくり、その結果、関税ゼロというメリットが非常に受けられることができたと。このTPPを支えているのはまさにこの支え合い、みんなが利益を受けるという、そういう理念であるかなと、この極端な保護主義に対しては真反対にあるというようなものであるかなというふうに思います。  是非、総理には改めてこの保護主義というものに対して対峙する御姿勢をお伺いしたいというふうに思うとともに、例えばアメリカがこのTPP11、これを、極端な保護主義的な姿勢で再交渉というのをこれ求めてきた場合は断固これは拒否すべきである、この御意見を、総理の御決意を改めてお伺いしたいというふうに思います。よろしくお願いします。
  132. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) このTPPは、元々米国とともに、我々普遍的価値を共有する国々が自由で公正な新たな二十一世紀型の市場をつくっていこうということで交渉がスタートしたところでございまして、米国が入るということを前提に、みんな協議をしてきたところでございます。  残念ながら米国が離脱を表明したところでございますが、その際にも私はトランプ大統領にも申し上げたところでございますが、このTPPというのは、まさに単に関税を下げるということではなくて、知的財産の保護や環境、労働規制、国有企業の競争条件の規律という言わばルールを作っていくものであり、どちらかが一方が利益を得てどちらかが利益を失うというゼロサムゲームではなくて、まさにこうした公正なルールの中で、お互いが自由に物、そして人、お金を動かしていくことによって、それぞれの地域が共に成長していくという考え方ですよということをずっとお話をさせていただいたところでございます。この新たなTPP11によって良いものが良いと正当に評価される新しい経済圏がつくられると、こう期待をしているところでございます。  そこで、現在、御指摘のとおり、世界において保護主義への懸念が高まっている中、このアジア太平洋地域に自由で公正なルールを広げるTPP11が合意に至ったことは、自由貿易を推進する観点から極めて画期的な成果と考えています。我が国は、自由貿易の旗手として、自由で公正なルールに基づく経済圏を世界に広げていく観点から、今後ともリーダーシップを発揮したいと思います。  そのためにも、TPPに参加を希望する国があればその意思は歓迎しますが、TPP参加国の様々な利害関係を綿密に調整して作り上げたガラス細工のような協定であり、一部のみを取り出して変えることは極めて困難と考えます。  いずれにしても、我が国としてはいかなる国とも国益に反するような合意を行うつもりはないということは申し上げておきたいと、こう思いますが、いずれにいたしましても、このTPPというのは新たな二十一世紀型のルールを作るという意味において画期的な枠組みができたと、このように考えております。
  133. 矢倉克夫

    矢倉克夫君 以上で終わりますが、このTPPをしっかりと、このTPPが支えている、TPPの基にある理念をしっかりと世界に広げるリーダーシップがまた日本にはあると、その能力もあるということを改めて強調申し上げまして、御期待申し上げまして、質問を終わりたいというふうに思います。  ありがとうございました。
  134. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で横山信一君及び矢倉克夫君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  135. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 次に、藤巻健史君の質疑を行います。藤巻健史君。
  136. 藤巻健史

    藤巻健史君 日本維新の会の藤巻健史です。  公文書書換え問題については、この後、我が党の片山大介議員が質問させていただきますので、私は黒田日銀総裁に日銀の出口問題について集中してお聞きさせていただきたいと思っております。  前の日銀総裁である白川前総裁が退任会見のその後の記者会見で、非伝統的な政策の評価は、出口から円滑に脱出できて初めて全プロセスを、全てのプロセスを通じた金融政策の評価が可能となるとおっしゃっているわけですね。これを十分かみしめながら、本日は黒田総裁に出口議論をお聞きしたい、日銀に円滑に出口から出る手段があるのかどうかということについてお聞きしたいと思っております。  安倍政権がアベノミクス、非常に成果を誇っていらっしゃいますけれども、もし出口がないということであるならば、どんでん返しになる可能性がありますし、先ほども更なる財政出動の質疑がありましたけれども、果たして更なる財政出動をして大丈夫なのかという問題にも通じると思いますので、今日は出口問題についてお聞きしたいと思います。  FRB、アメリカの中央銀行であるFRBは、二〇一五年十二月に一回、一六年に一回、一七年に三回の短期金利利上げを行っていますけれども、このときは、リバースレポとかそういう問題もありましたけれども、主として当座預金残高に対する付利金利を上げるという方法で利上げを進めてきたと思います。  日銀もそのような同じような方法が可能なのであるか、そしてそれを考えているのかどうかについて、黒田日銀総裁にお聞きしたいと思います。
  137. 黒田東彦

    参考人(黒田東彦君) 量的・質的金融緩和からの出口に当たっては、金利水準の調整や拡大したバランスシートの扱いなどが課題となります。その際には、確かに、FRBを始めとする海外の中央銀行の先行事例なども踏まえ、保有国債の償還や各種の資金吸収オペレーションのほか、超過準備に対する付利金利の引上げなどによって対応していくことが考えられると思います。  もっとも、現状、二%の物価安定の目標の実現までにはなお距離があることを踏まえますと、出口のタイミングやその際の対応を具体的に検討する局面には至っていないというふうに考えております。
  138. 藤巻健史

    藤巻健史君 二〇一七年の六月八日の財政金融委員会で岩田副総裁からお聞きしたんですけれども、二〇一六年上期での日銀の保有国債は利回りが〇・三三二%であると、そして上期の国債利息収入は六千二百八十四億円だったというふうにお聞きいたしました。年間大体国債の方から約一兆二千億円の収入が上がっているというふうに理解したわけですけれども、同じような数字、要するに直近のFRBの保有債券の利回り、そしてどのくらいの債券関連益があるのか、教えていただければと思います。
  139. 黒田東彦

    参考人(黒田東彦君) 二〇一七年の一月から九月までの利息収入から算出したFRBの保有債券の平均的な利回りは年率約二・六%であります。同期間の保有債券の平均残高は約四・四兆ドル、債券関連損益は約八百五十億ドルというふうになっております。
  140. 藤巻健史

    藤巻健史君 八百五十億ドルということは約十兆円でありますし、債券利回りが二・六%ということであるならば、これ、当座預金金利を上げていってもそれなりの余裕があるわけですね。  資料の一を見ていただくとお分かりだと思うんですけれども、右側の日銀当座預金に相当するところ、ここの金利を上げていくということですが、左側の資産サイドの利回りが二・六%ある、十分な収入がありますので、FRBの当座預金の金利を上げていっても十分余裕はあるということなんですが。  日銀の場合、〇・三三一、多少は上がっているか下がっているか知りませんけれども、保有国債の利回りが〇・三三一%、かなり低いです。要するに収入が一兆二千億しかないということ。そのときに、まあ発行銀行券はずっと金利がゼロだからいいですけれども、負債サイドの日銀当座預金、三百六十七兆円約ありますが、これ一%上げると三・七六兆円ですよね。二%で七・三兆円。もう収入が上がらないのにこんなところ日銀当座預金上げていったらば、損の垂れ流しで、引当金勘定、準備金も七・一兆円しかないわけですから、もう損の垂れ流し、日銀債務超過というような大変な状態になってしまう可能性がありますが、その辺についてはどうでしょうか。
  141. 黒田東彦

    参考人(黒田東彦君) この量的・質的金融緩和は、この実施中はバランスシートの拡大によって収益が押し上げられる一方で、出口の局面では日銀当座預金に対する付利金利の引上げ等によって収益が減少しやすいという特徴があります。  もっとも、将来、経済・物価情勢が好転して日本銀行が付利金利を引き上げる場合には、長期金利も上昇していると考えられます。したがいまして、日本銀行の保有国債はより高い利回りの国債に入れ替わっていくため、受取利息も増加すると思われます。  このように、出口における収益面の影響というものは、受取利息を含めたバランスシート全体を考える必要があるというふうに思っております。
  142. 藤巻健史

    藤巻健史君 お答えを聞いていると、ああ、確かにそうかなと思っちゃいますよ。資産サイドの国債の方の利回りも上がる、収入が上がるから、負債の方の当座預金金利上げていっても大丈夫だというふうにお聞きしますが、異次元の量的緩和、正確には異次元の質的・量的緩和ということであって、要するに質的とは何かというと、十年国債、三十年国債を大量に買っているということですよ。  私は元々銀行員でしたけど、私が現役のときには短期国債しかほとんど買っていませんでしたから、それは、金利が上がってくれば、すぐ新しい金利の高い国債に乗り換えて、収入も上がってくるというのは分かりますけれども、今、三十年債、十年債、がばがば買っているわけですね。これ、全然金利上がりませんよ、十年間は固定金利ですからほとんど上がらないんですから。それはまさにごまかしの答弁というふうにしか考えられませんけど、どうでしょうか。国債の持っている方の金利は、収入はほとんど上がらない、負債の方の支払う方はぐいぐい上がっていってしまう。かなり早い段階で債務超過になると思いますが、いかがでしょう。
  143. 黒田東彦

    参考人(黒田東彦君) 日本銀行の現在の保有国債の平均残存期間七・五年ぐらいでございますので、ある程度のスピードで入れ替わっていくということは確かだと思います。
  144. 藤巻健史

    藤巻健史君 ある程度のしか金利が上がっていかない、負債サイドはもう日に日に即上がっていくという大変な状況にあるのではないかということだけは指摘しておきたいと思います。  次に、私どもの片山虎之助共同代表がこの予算委員会での、代表質問質問したんですけど、そのときに麻生財務大臣が、普通、借金がこれだけ増えていれば、当然のこととして金利は暴騰しなくちゃおかしいんですね、まあこれ、長期金利の話だと思いますけれども。それにもかかわらず、それが上がらず、〇・〇三%ぐらいのところで止まっているのは、国際社会の中で信用はそれなりに得ている証拠だと思うとお答えになった。要するに、これだけ財政出動をして借金をしていたらば、長期金利の金利はべらぼうに上がっているはずなんだけれども、上がっていないと。それは、日本の財政政策とか国債の政策とか、いろんなことが信用されているせいだというふうに麻生大臣は理解されていると思うんですが、そこでお聞きしたいんですが、まず、二〇一七年の国債発行予定額は百五十六・一兆円だというふうに財務省からお聞きしているわけなんですけれども、二〇一七年度の日銀の国債購入額はどのくらいになるのか、それは国債発行額の約何%に当たるのかを教えてください。
  145. 黒田東彦

    参考人(黒田東彦君) 現在、日本銀行が行っております長短金利操作付き量的・質的金融緩和の中の重要な一部がイールドカーブコントロールでありますけれども、この枠組みの下では、実際の国債買入れ額というものは金融市場の状況に応じて幅を持って変動するわけでございます。したがいまして、二〇一七年度の国債購入額について現時点で申し上げることは難しいということでございます。  なお、今年度のこれまでの途中の状況を言いますと、グロスの政府の国債発行額の七五%程度を日本銀行が購入しているということですが、これ、先ほど申し上げたように、二〇一七年度の数字はまだ動き得るわけですし、イールドカーブコントロールの下ではあくまでも金利が目標になっておりまして、国債の買入れ額は、その適切なイールドカーブを実現するために行っているということで、そうなると当然変動するということでございます。
  146. 藤巻健史

    藤巻健史君 国債発行額の七五%を購入しているわけですね、日銀がね。普通、マーケットは、私が現役、私は二〇〇〇年、まあ九九年まで現役だったわけですけれども、そのときというのは、日銀はほとんど、特に長期国債買っていなかったですよ。要するに、買っていなかった日銀が出てきて七五%買っていく、要するに需要が一・七五倍になったわけですよ。それは何だって、国債市場に限らず、何でも市場では物の値段って上がりますよ、そんな一・七五倍も大量な爆買いするような人が出てくればね。当然のことながら、値段が上がるということは長期金利が下がるわけですから、当然のことながら、要するに、麻生大臣がおっしゃった長期金利が低い、低く安定しているということは、ひとえに日銀が爆買いをしているせいだと私は思うんですが、日銀総裁はいかがお考えですか。  それともう一つ、こういうことをやっていれば、これは財政規律って全くなくなりますよね。財政出動をする、必要だから国債を発行する。全部、七五%も国債発行していれば、長期金利は上がるわけないですよ。まさに財政規律といったって、どんどんこれは財政出動して景気を良くすればいいってなっちゃいますよね。それについてはいかがお考えでしょうか。
  147. 黒田東彦

    参考人(黒田東彦君) 現在、我が国の長期金利は低位で安定しております。これは、二%の物価安定の目標を実現するために、定期金利をマイナス〇・一%、十年物国債金利をゼロ%程度とする金融市場調節方針と整合的なイールドカーブを形成しているということの一つの結果であろうと思います。  もちろん、国債に対する信認が失われるというようなことがあれば、日本銀行はそういう下で、こういうイールドカーブコントロールで長期金利を低位に安定させるというのは困難になると思いますけれども、現状、国債に対する信認が確保されている下で、日本銀行がイールドカーブコントロールで長期金利を低位に安定させているということだと思います。  なお、そういったことで長期金利が低位に安定していること自体、もちろん政府にとっての国債費が少なくて済んでいるということは事実だと思いますけれども、財政規律云々、あるいは財政政策そのもの、これはあくまでも政府、国会において議論され決定されるものであるというふうに承知しております。
  148. 藤巻健史

    藤巻健史君 いや、そう総裁おっしゃいますけど、これ、魚のサンマだって、そんな幾ら誰も買わなくたって、日銀がサンマ買ったってサンマの値段上がりますよ、これ、こんな七五%も買っているようだとね。ということで、私自身は、ひとえに日本の長期金利が低迷している理由というのは日銀の爆買いにあるのだというふうに理解しております。  そうはいっても、私が爆買いのせいで日銀のバランスシートが極大していると申し上げても、よく、ほかの中央銀行もいろいろ国債を買いまくっているんじゃないかと、出口議論をするときにはほかの中央銀行も同じようなことをすればいいのではないかという話をよく聞くんですけれども、資料の二を見ていただきたいんですが、日銀のバランスシート、最近物すごい勢いで膨れ上がっていますですね。そして、資料三を見ていただきたいんですが、この資料三というのは、これは二〇一七年三月の二十二日の財政金融委員会で、私が黒田総裁に、ほかの中央銀行はどのくらいバランスシートを膨らませているのかという話を聞いたとき、それをまとめた表なんですね。  今、最初の資料一見ていただくと分かるように、日銀のバランスシート五百三十三・二兆円。済みません、これちょっと二〇一七年十一月と書いていますが、これちょっと書き換えしちゃったかもしれないです。これ、二〇一八年二月か、ちょっと申し訳ありません、ちょっとこの期日が間違えている可能性がありますので、これ前もって申し上げておきますけれども、直近の数字ではあります。二〇一六年度末の名目GDP、約五百三十九兆円だったと思いますので、名目GDPと同じぐらいのバランスシート、日銀あるわけですね、もう既に。当然、日銀のバランスシートの負債サイドというのは発行銀行券と日銀当座預金ですから、要するに、世の中にというか、ばらまいているお金ですよ。要するに、名目GDPと同じようなぐらい、一〇〇%ぐらいに日銀はお金をばらまいているわけですね。  ほかの、他国、黒田日銀総裁にお聞きした当時、FRBというのはテーパリングを始める直前の二〇一三年末で二四%だと。バンク・オブ・イングランドが一六年二月で二二・二%、それからヨーロッパ中央銀行は三三・八%ということで、バランスシートは対GDP比、そんなに大きくないわけですよ。日銀だけもう世界断トツに一〇〇%、対GDP比一〇〇%というメタボになっているわけですね。  要するに、財政が危ない、なかなか財政が苦しいということで国債を発行して、それを日銀が買ってあげると、ゆえに日銀が世界最大のメタボになっちゃったわけですよ。財政赤字は世界最悪、対GDP比ですよ、世界最悪、そして、それを何とか賄おうとして日銀がどんどんどんどん国債を買っていったゆえに日銀が世界最大のメタボなバランスシート。これだけのメタボなバランスシートから簡単に縮小する、先ほど黒田日銀総裁は出口でバランスシートを縮小するとおっしゃっていましたけれども、それが可能なのか。  アメリカのFRBでさえ、あれほど苦労しているわけです。売却はできないだろうから満期待ちをするというように苦労しているんですが、こんなにバランスシートをメタボにして、黒田総裁、バランスシートを縮めるなんということできるんでしょうか。
  149. 黒田東彦

    参考人(黒田東彦君) 量的・質的金融緩和からの出口に際して、拡大したバランスシートの扱いが一つの課題となるということは御指摘のとおりであります。  もっとも、海外の中央銀行の先行事例なども踏まえ、その時々の状況に応じて保有国債の償還や再投資などもうまく組み合わせることによって、市場の安定を確保しながら適切なペースでバランスシートを縮小していくことは十分可能だと考えております。  いずれにせよ、現状、二%の物価安定の目標の実現までにはまだ距離があるということを踏まえますと、出口のタイミングやその際の対応を具体的に検討する局面には至っていないというふうに考えております。
  150. 藤巻健史

    藤巻健史君 他国の中央銀行の先行事例を参照にする。全然規模が、程度が違うメタボぶりの日銀がその参考でうまくできるのかどうか、非常に疑問に思うんですけれども。  実は、この資料四に資金運用部ショックのときの事例が書いてあるんですけど、資金運用部ショック、一九九八年の十二月に、資金運用部、そのときは最大の、国債市場において最大の国債の買手だった資金運用部が、もうちょっとなかなか資金繰りが苦しいのでもう国債買いませんよと言ったわけです。そのときに、私はまだ現役でしたからよく覚えていますけれども、長期金利は〇・六から二・四まで跳ね上がったんですね。それを見て慌てた大蔵省は、やっぱり国債を買い続けますよと、こう言って何とか収まったわけです。  そのときの資金運用部、これ発行額七十六・四兆円で、資金運用部が買っていた、引き受けていたのが十五・二兆円ですから、約二〇%しか買っていなかったんですよ。その二〇%しか買っていなかった資金運用部が国債購入をやめるよと言うだけでマーケットに激震が走ったわけですね。かつ、そのとき私どもトレーダーというかディーラーは、でも、資金運用部がやめても日銀という買手がいるから、最後のとりでがいるからまあどうにかなるだろうと思っていたわけです。当時、ちょっと書いてありますけど、日銀の購入額が約六兆円で、ほとんど買っていなかったわけですね。でも、日銀がいるから大丈夫だと。  でも、今回は、今七五%を日銀が買っているんですよ。二〇%どころじゃない。七五%を買っている日銀がやめますなんて言ったらば、それも最後のとりでですよ、最後のとりでが、日銀、変えますと言ったらば、金利は私は暴騰してしまうと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  151. 黒田東彦

    参考人(黒田東彦君) 先ほど来申し上げておりますとおり、量的・質的金融緩和からの出口に際しましては、保有国債の償還や各種の資金吸収オペレーションなど様々な政策手段を有しておりまして、市場金利の安定を確保しつつ、その時々の状況に応じて適切な政策運営を行うことは十分可能だと考えております。
  152. 藤巻健史

    藤巻健史君 なかなか苦しい御答弁だなと思うんですけれども。  もう一つ、長期金利が上がった場合、万が一日銀が爆買いを少しでもやめて長期金利が上がった場合、アメリカでも二月の最初にいろいろ長期金利が上昇してきた、世界的にも長期金利が上昇してきている環境下にあって、日銀が少しでも買入れ額を減らすとか万々が一売るなんということがあったら大変なことになるんじゃないかと思うんですが、世間も大変なことになるとは思いますが、日銀も大丈夫かなと思っちゃうわけですよね。先ほどの最初の資料一にありますように、日銀は国債四百五十一兆円も買っているわけです。  その前に、ちょっと異次元の量的緩和は何かという一応おさらいをしておきますと、左側にある表は一九九八年十二月で、私が現役だった頃ですけれども、国債五十二兆円しか日銀買っていないわけです。今は四百五十一兆円ですよ。国債を民間金融機関が買うから、それをまさに現金で払っているわけじゃなくて、その民間金融機関が日銀に持っている口座預金にお金をつぎ込むということで、異次元の質的・量的緩和のおかげで日銀のバランスシートは国債がべらぼうに増え、そして日銀当座預金が、私が現役の頃は四・四兆円が三百六十六兆円になったということなんですね。  ここまで国債を買っていますと、これ、四百五十一兆円もありますから、長期金利が一%上がったり二%上がってきたら大変なことになりますね。  これも私、実は去年の六月八日に岩田副総裁に聞いたんですけれども、これ過去のデータですけれども、その当時、時価総額が九・六兆円、日銀の、時価総額。それが一%金利がパラレルシフトすると二十四・六兆円、二%で四十四・六兆円、五%上昇で八十八・三兆円。一一%、これ一九八〇年に一一%まで行っていますけれども、一九八〇年の四月か、ごめんなさい、に一一%まで行っていますけれども、一一%も上がれば百四十兆円も評価額が下がるというふうに岩田副総裁はおっしゃったわけですけれども、これ、この引当金四・九兆円、準備金三・二兆円しかないのに、そんなに評価損が大きくなったらば、これもう円の信用なんか完璧に失墜しちゃうと思いますけれども、その辺いかがでしょうか。
  153. 黒田東彦

    参考人(黒田東彦君) 日本銀行では、保有国債の評価方法について償却原価法を採用しております。このため、金利が上昇したとしても、決算上の期間損益について評価損失が計上されることはありません。  なお、日本銀行が保有する国債については、二〇一七年九月末時点で九・二兆円の含み益超となっております。将来、金利が上昇した場合、金利上昇によっては含み損に転化する可能性はありますけれども、その場合でも、中央銀行には継続的に通貨発行益が発生するので、円の信用が毀損されることはないというふうに考えております。
  154. 藤巻健史

    藤巻健史君 償却原価法を採用しているから大丈夫だと。それは、日銀が大丈夫ですとおっしゃっても、マーケットは普通は時価評価しますからね。企業が危ないとなったときに、誰がその百円で買った株を百円で評価するか、マーケットが十円になった場合、十円で評価するんですよ。幾ら日銀が大丈夫だと言っても、マーケットは時価評価をする、簿価評価ではないということだけは申し上げておきたいと思います。  そうした場合に、過大なる、もう膨大なる債務超過に陥ったときに、果たして日銀が円の信認を持ち続けることができるのかどうか。要は、大変重要な問題がありますので、もう出口議論というのは早々にやるべきであるし、更なる異次元の量的緩和を続けてもいいのかどうかということの検討も早く進めるべきだろうと私は思います。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。
  155. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で藤巻健史君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  156. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 次に、片山大介君の質疑を行います。片山大介君。
  157. 片山大介

    ○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。  私は、財務省文書改ざん問題についてお話を聞きたいというふうに思います。    〔委員長退席、理事宇都隆史君着席〕  今回の問題は、国民が一番知りたがっていた問題の国有地交渉経緯が隠されていたもので、これは国民への背信行為であることにほかならないというふうに思っています。そして、財務省は十四件だと言っているが、これは文書の数にすぎなくて、これを箇所数に変えると実に三百件を超えているんですね。これはもうモラルの問題というよりは、もう私は、やっぱり犯罪に近い、このように思います。そして、この今回の発表はおとといでした。それまで財務省は、捜査への影響、これを理由にほとんど何もしゃべってこなかった。そして、先ほどから話が出ているんだけれども、これ、先週の木曜日、八日ですね、このときには改ざん後の文書を出してきて、もうこれで全てだ、こんなことまで言っていたんですね。それがその数日後に一転してこの報告書を出してきた。  まず、この前後の経緯がどうもよく分からない、これをきちんと明らかにすべきというのと、あと、それまで捜査への影響ということを盛んに言っていた、その捜査の影響というのはこの件に関してクリアしたのか、どういうふうにクリアしたのか、自主的に地検に接触をしたのか、その点も含めてお話、まずいただきたいです。
  158. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  我々は捜査を受けている立場なので、捜査への影響というのはずっと気にしていたということは事実であります。ただ、先々週、三月二日の日に朝日新聞の報道があって、その後、国会審議の御指摘も踏まえて調査をするということを申し上げました。その段階からは、基本的には、国政調査権を背景とする国会からの御要請でございますから、もちろん捜査への影響は気にはしていましたけれども、それを相当程度乗り越える状況になっている、そういう意味で調査をしなければいけないという覚悟で臨みました。  ただ、その上で、まず、そうはいっても捜査を受ける立場なので、我々がきちんと自分たちで調べられるだけのことを調べないと捜査機関協力はいただけないという判断の下で、事情、関係する職員から聴取もし、いろんな資料も集め、ということをやってまいりました。そういう中で、ここまでやれば協力がいただけるのではないかというふうに判断をして、協力がお願い、我々が、それは捜査機関の問題ではなくて我々の責任の問題ですが、お願いができたというのが先週の金曜日、九日でございました。  それをお願いして協力していただけるかどうかというのは、協力していただけないと作業が非常に進まないということと、協力をしていただけるということは捜査への影響ということについて捜査機関のある意味で御理解が得られたということになるのではないかという思いも含めて協力をお願いしました。そうしたところ、捜査の機関に御協力をいただけて、それで我々の方が大阪地検までお邪魔をして、そこでコピーを取らせていただいて、それが東京の財務省まで持ち帰れたのは日付変更線が越えて十日の土曜日ということになったわけでございます。それで、そのいただけた資料で最終的に確認をさせていただいて、私どもとしては十日に整理を付けて、十一日に大臣報告させていただけたと。  そういう形で、今委員からお話のあった捜査をどうやってクリアしたかということは、そういう形でクリアをさせていただいたというふうに考えてございます。
  159. 片山大介

    ○片山大介君 じゃ、法務省に聞きたいんですが、そもそも捜査への影響というものをどういうふうに考えているのか、これをお伺いしたいんですが。
  160. 辻裕教

    政府参考人辻裕教君) 具体的な事件におきまして捜査にどのような影響があるかということにつきましては、捜査機関の活動内容に関わることでございますので、法務省といたしましてはお答えを差し控えさせていただきたいと存じます。  ただ、各行政機関におきまして、国会審議あるいは国政調査権を背景とした御説明を求められてどのような説明をされるかということにつきましては、各行政機関において御判断いただく事柄であるというふうに考えております。
  161. 片山大介

    ○片山大介君 いずれにしても、私はその捜査への影響というのを財務省が隠れみのにする必要は全くないというふうに思います。  それで、これも話に出ているんですが、国交省の方から一週間ほど前にその改ざんされる前の文書の写しを提供を受けていた。それも八日の理事会の日ではこれ報告をしなかったわけですよね。そうすると、財務省に聞きたいのは、この間にどういう処理をしていたのか、そしてこれは誰の判断だったのか、これ教えてもらえますか。
  162. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えをいたします。  五日の日に国土交通省から資料を頂戴をいたしました。その五日の日前後、様々な事情の聴取も、職員からの聴取もいたしましたし、我々なりにいろんな資料書換え前のものを探すべく探索もしておりました。そういう中で、国土交通省からいただいたのは大変貴重な情報ではありますが、一つの情報といえば一つの情報でありました。それで、全てのものをとにかく我々なりにそろえられるだけそろえて、その上で、最終的には我々ではそろえ切れないものもあるし、あるいはそろえたものが本当に正しいかどうかということの確認もしないといけないということで捜査機関にお願いをしてということは、先ほど申し上げた九日とか十日ということでございます。  それで、八日の日は、先ほど来の御質問で厳しい御指摘をいただいていますが、我々としては御要請のあったものを出している、ただしそれは、八日のときに知っているものの、書換え前のが分かっていたならそれを出せということだったんだという御趣旨で委員の先生方から御指摘をいただいていると思っていますが、その時点において、我々として、最終形、これが書換え前のものであるということを責任持って言える段階ではなかったので、それも含めて責任を持って言える状況にしてきちんと御報告をさせていただきたいと、あるいはそうしなければお認めいただけないということで作業をしていたということでございます。
  163. 片山大介

    ○片山大介君 一言、誰の判断だったのか教えてもらえますか。
  164. 太田充

    政府参考人太田充君) そこは、最終判断は理財局長、私の判断ということでございます。
  165. 片山大介

    ○片山大介君 いや、それが不信を招いているわけであって、それはやっぱり国会の場で言うべきですよ、あの理事会のときに。それは調査中であるということで言えばいいんですよ。その判断がおかしいと思いますよ。それが今のこの状態を招いているということをもっと重々にこれ承知してもらわなきゃ困ります。  それで、ちょっと時間がないので、今回のその調査結果について言うと、どのような調査が行われた、これも実はきちっと明らかにしていないんですよね。それも問題なんだけれども、実際に国民が今一番知りたいのは、誰が、どのように、なぜというところなんですけど、これについて今どこまで分かっているのか、これお話しいただきたいと思うんですが。
  166. 太田充

    政府参考人太田充君) 様々なところというか、特に最終的に人事処分につながるところの調査を引き続き急いでやっていますので、その結論が出るまではというふうに思っているところはありますが、今の時点で申し上げられることは申し上げているつもりでございます。  まず、誰がというのは、本省財務省理財局がと、もう少し具体的に言えば、一部の職員がというふうに申し上げております。それから、なぜというのは、基本的には二月下旬から四月にかけて書換えを行っていますので、それまでの間の国会答弁について誤解を生じさせないようにするためにというふうに御説明を申し上げています。
  167. 片山大介

    ○片山大介君 その二つについて聞きたいんですが、まず、麻生大臣佐川氏の答弁とその文書の間にそごがあったというふうに言っているんですね。そうすると、これ、一年前の佐川さんの答弁、これ間違いだったということでいいんでしょうか。
  168. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 三月十二日の私の会見の話なんだと思いますけれども、これ、一部のみが映像が流れて、たしか八時か何かで情報が切れて、テレビが流れを止めたんだと思いますので、ちょっと改めて全体を説明しますが。  書換えが行われていた経緯とか目的については、これは、最終的には書換え経緯等について、まあ調査結果を踏まえる必要がまだありますので、その意味では、書き換えられた文言だけを見る限りにおいては、国会での答弁、その二月から四月、去年の二月から四月までの話が主たるものですが、それの誤解を受けることになるということにならないようにするために書換えが行われたという旨を申し上げたというのがそのときの背景だと記憶しています。
  169. 片山大介

    ○片山大介君 私もそのときのその動画を全部見ました。そのとき、大臣、そごとおっしゃっているんですね。そごがあるのでというふうにおっしゃっていました。だから、そのそごということは、やはりどちらかがおかしくなっている、間違っているということだと思うので、そうすると、一年前の答弁は間違いなんじゃないかなと。そして、その前に決裁文書はあるわけですから、だから、それは答弁が間違っていたということにもなるんじゃないかなと思いましたが。
  170. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) そごという単語を使わせていただいた、多分翌日の記者会見ではきちんと言わせていただいたと思いますが、あの答弁誤解を受けることにならないようにするためというように翌日の記者会見できちんと申し上げさせていただいておると記憶しています。
  171. 片山大介

    ○片山大介君 それで、佐川さんは、その一年前の答弁、あれだけ小気味よくしゃべっていて、それで、ちょっと、普通は答弁するときは事前にその事実関係確認してやるものだと思うんですけれども、それで、そのときはもちろん元々の、何というか、決裁文書ってあるわけですから、だから、そうすると、佐川さんは、じゃ、そごがあるというか、誤解を招かないようにというのであれば、そもそもその文書の事実確認をきちんとしていなかったのか、決め打ちで話していたのかというような気もするんですが、そこはどうなんですか。    〔理事宇都隆史君退席、委員長着席〕
  172. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  国会を、答弁するに当たっては、事務方がこれまでの国会答弁、あるいは、それこそ今委員の御指摘の決裁文書等々をもちろんきちんと見た上で答弁書を作ります。その答弁書を、当然、答弁する者はそれを勉強して答弁するのが仕事ですので、そういうことをやっておるということが基本だと思います。  ただ、昨年二月から三月にかけて急速に、それまで、正直に言えば森友問題、前任の佐川も正直に言えば全く知らなかったと思いますが、その中で激しく御質問をいただいて、それに対して、一問一答のやり取りですので、その中で答えている中で、それはやや雑になっちゃってしまったというものもあるかということと、もう一つは、今回のこの書換えの前後を見てみると、当時の局長なりには答弁したつもりのものが、いろんな意味で、報道なりは、それは報道は字数が限られますので、例えばですけれども、価格について提示というときに、予定価格ということは言っているつもりでも価格提示というふうに変えて、そうすると価格提示あった、ないということについて報道されているので、そう言ったということを前提に次の議論が始まるので、そうするとというようなことを考えて、それで誤解を受けることのないようにと、今は例えばの例ですが、そういうことをやっていたということだろうというふうに思ってございます。
  173. 片山大介

    ○片山大介君 なかなか苦しいなと思います。  それで、ちょっと、そしてもう一つ、今回が理財局の一部の職員で行われたということ。これまではいろいろとその内容については余り説明がないのに、その部分だけは今回断定されているんですよね。これは何でなのか。これを教えてもらえますか。
  174. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) この件については、国会の議論の中で大きな話題となっておりましたのも我々としても非常に重く受け止めておりまして、これは財務省としては、これは全省挙げて、これはきちんと職員の聞き取り、いろいろ限定されておりますけれども、限定されるというのは捜査関係で限定されてはおりますけれども、職員の聞き取りとか文書の確認を行って、加えて、捜査当局からの御理解と協力を得ながら決裁文書書換えの事実について調査を実施をさせていただきました。  書換えが行われた経緯等については、まだ最終的には調査結果というのを踏まえる必要がありますので、どの部局の人間が関与したということでありましたので、本来であればこれは調査結果が出るのを待たねばならないところだと思いますが、職員への聞き取りとか文書の確認などを通じて、今般のこの件については、昨年二月下旬から四月にかけて、理財局の一部の職員により決裁文書書換えが行われたと判断することができたという調査の結果だと思っております。  書換えが行われた経緯目的とか、個々の職員の関与がどの程度あったかについては、これなどの詳細については今後更に職員から聞き取り調査をせにゃいかぬところだとは思っておりますけれども、いずれにいたしても、今の段階で申し上げられる範囲で答弁をさせていただいたということであります。
  175. 片山大介

    ○片山大介君 いや、これがもし犯罪だとすれば、まさにこれはその犯人につながるところだから、それこそ私は捜査に影響を与えるんじゃないかと思いますが、これは法務省、どういうお考えですか。
  176. 辻裕教

    政府参考人辻裕教君) ただいまのお尋ねはまさに個別事件における捜査の具体的内容に関わるということでございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
  177. 片山大介

    ○片山大介君 それで、いずれにしろ、今、維新の方では、その行為を行ったのが理財局でやったというんであるから、今、その近畿財務局から理財局に出張してきていた、二月から四月にかけて、その出張記録というものを今資料要請をしているので、是非それを財務省、出していただきたい、そういうふうに思います。  そして、今回のキーマンがいずれにしろ佐川さんであることには間違いないので、私は、佐川さんが前に出て国民に対してきちんと真相を話すこと、これ何より大切だと思いますが、これについて総理、どのようにお考えですか。
  178. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 国会において説明せよというお話だと思いますが、それはまさに国会の運営においてどのように対応していくかということでございますので、委員会でお決めいただければと、このように思います。
  179. 片山大介

    ○片山大介君 私は、総理のお考えとして、やっぱり行政府の長としてどういうふうに思っているのか、お伺いしたいと思います。
  180. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 行政府の長としては、まさにこれは国会の御要請があればということでございますが、しかし、現在、佐川局長は既に辞職をされているという事情も御理解をいただきたいと、こう思う次第でございますが、その上で国会で御判断をいただきたいと、このように思います。
  181. 片山大介

    ○片山大介君 それで、今回の文書を更にちょっと見ていくと、その特殊性や本省承認といった文言も削除されているんですが、これについて財務省は、その問題の国有地について、三年以内の売買の貸付契約、これを森友側の要請で十年に変えたことによるものだと言っているんですよね。  それで、先ほども話があったんですが、それだったら、私、わざわざ削除する必要がないんじゃないかと思う。それで、その本省承認だというのを丁寧に説明すればいい。それを隠すとなると、隠さざるを得ないような何か要素がほかにあるのかなと思ってしまう。これについてはどうお考えですか。
  182. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  今ほど委員から、特例とか特殊性とかということについて削除されているんだけれどもというお話でございました。  いずれも、特例というのは、基本的に今委員が例として挙げられたことなんですが、基本は三年の賃貸借、貸借というのを十年の定期借地にすると、それがある意味での特例なので、それは特例承認と言っているんですが、ということですが、そのことはこれまでも国会でも御説明、あるいは質疑の中でも、といって御説明をさせていただいています。  あるいは、特殊性という話は、基本的には、地下にある埋設物、それは契約のときに判明していたものを、それを取り除けば土地の価値が増大するので有益費としてそれをお支払いすることになると。その結果として、土地の価値が高まったときにはそれで貸付料が、土地の価値が低いときには貸付料が低いわけですが、その地下埋設物を取ることで土地の価値が上がればその分だけ貸付料を上げることもできるというようなことが決めていて、それを特殊性ということで整理をしているわけですが、おっしゃるとおり、特殊性も特例もいずれも説明ができることで、以後、正直に申し上げれば、この件はこれまでの国会の議論の中でも質問もあり、お答えをさせていただいている内容であることは事実でございます。
  183. 片山大介

    ○片山大介君 そして、今言われているのが、総理が去年二月十七日に、私や妻が関係していたら総理国会議員も辞めるとおっしゃった発言との関連性なんですよね。  それで、確かに、議事録を見ると、その後、佐川さんを始めとする財務省側の答弁もやっぱり強気になっているように見える。政治家の関与は一切ないだとか、価格についての事前交渉をした事実はないだとか。総理の言葉に合わせるようにやっぱりそんたくされたんじゃないかという指摘がある。これについてはどのようにお考えですか。総理でも。
  184. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 総理発言があったから財務省答弁が強めに変わったという御指摘ですか、今の御指摘、言わんとしておられることは。強くに変わっていったのは総理の意見をそんたくした結果じゃないかという。関係ありません。
  185. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 私が申し上げたのは事実を申し上げたわけでありまして、私も妻も国有地の払下げについて一切関わっていないということ、また認可について一切関わっていないということを申し上げたわけでありまして、それが今回の書換えについてということであれば、この文書書換えが行われたという経緯については麻生大臣も当委員会説明させていただいているとおりでありますが、これ、書換え前の文書を見ていただければ一目瞭然だろうと思っております。書換え前の文書を見ていただければ、私も妻も一切関わっていないということは明白、むしろ明白になっているんだろうと、このように思います。  妻の記述についても、それを見ていただければ、妻が言っているわけではなくて籠池氏が言っているということが書かれているわけでありますし、もう一点は、産経のウエブ、言わば公開情報の引用にすぎないわけでございますから、これも全く、関わっているということについては全く何の関わりもない記述であろうと、こう思う次第でございまして、むしろ見ていただければ明白になるんだろうと、このように思っております。
  186. 片山大介

    ○片山大介君 最後に、今回は財務省内で起きた不祥事を財務省内で調査している、やっぱり私、これはおかしいと思います。やっぱり国会の中できちんと調査をすべきだと思います。それについてどのように思うか、これは大臣、お願いします。
  187. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これ、私ども度々答弁をさせていただいておりますとおり、きちんと対応させていただきます。
  188. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 片山君、時間が来ています。
  189. 片山大介

    ○片山大介君 分かりました。  ありがとうございました。
  190. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で片山大介君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  191. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 次に、薬師寺みちよ君の質疑を行います。薬師寺みちよ君。
  192. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 無所属クラブ薬師寺みちよでございます。  私、一人で二役を果たさなければなりませんので、済みません、答弁はなるべく簡潔にお願いしたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。  まず、茂木大臣TPP発効後、国民の生活はどう変わるのか御説明いただけますでしょうか、お願い申し上げます。
  193. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) TPPは、単にGDPを拡大するだけではなくて、国民一人一人にとっても、域内の様々な商品を安く、そして手軽に入手することが可能となるものであります。  昨年末のTPP協定の経済効果分析では、日本の実質GDPを七・八兆円押し上げると試算されておりますが、ここでは、貿易投資の自由化が、成長を促すメカニズムだけではなくて、消費者、家計にもメリットがもたらされると、このようなメカニズムを明らかにしているわけであります。  具体的に二点だけ申し上げますと、一つは、関税や非関税障壁が撤廃されることによりまして、小売価格、これが低下をして家計の負担が減少、実質所得が増加をすると。もう一点、経済活動が活性化し、生産性が向上することで賃金等も上昇し、また四十六万人の雇用増と、こういったものも見込まれておりまして、家計所得が増加すると、こういったことも期待されておりますし、あと、なかなか数値化はできないんですが、消費者にとっては商品の選択肢が広がるという形で消費の満足度と、こういったものが高まると考えております。
  194. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございました。  以前TPP特別委員会などでも問題になったことで、私はどうしても加藤大臣にも確認をしなければなりません。  国民皆保険制度というものがむしばまれていくんではないか、そういう大きな声があったかと思いますけれども、今回のTPP11で影響が生じるのかどうなのか、もう一度お答えいただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
  195. 加藤勝信

    国務大臣(加藤勝信君) TPP協定については、今委員御指摘の参議院のTPP特別委員会においても御議論があり、そして塩崎前厚生労働大臣から、医療民間保険の参入やいわゆる混合診療の解禁等、我が国の公的医療保険制度について変更を生じさせるような内容は含まれていないということ、また、社会保障、社会保険等の社会事業サービスについては、これ附属書Ⅱというのがあるんですが、そこにおいて、我が国は内国民待遇等の投資章の規定に適合しない措置などを将来にわたって包括的に留保していること、投資受入れ国が公共の福祉に係る正当な目的のための必要かつ合理的な措置を差別的でない態様で講ずることが妨げられていないことなどについて答弁をさせていただきました。  今般のTPP11についても、これ、今申し上げたような点については変更がなく、引き続き我が国の公的医療保険制度に変更を生じさせるような内容は含まれていない、国民皆保険を今後とも堅持されていくものと考えておりますし、厚生労働省としても、この日本が誇る国民皆保険制度をしっかりと次の世代に引き継いでいきたいと、こう思っております。
  196. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございました。  総理、今様々御説明いただきましたけれども、やはりこういうことというものをもう少し国民皆様方も今回御理解いただきたいなと私は考えております。アメリカがというときには大変大きく話題になりまして、国民的な議論も巻き起こってまいりました。でも、今回TPP11になってまいりましたら、急にそれがしぼんだように私は思えてなりません。  しかし、先ほど茂木大臣からも御説明いただきましたけれども、大きな影響が、そしてメリットの部分がもしかしたら多いのではないか、そして逆にセーフティーネットの部分では安心してください、そういうメッセージを国民に対しても丁寧に私は総理大臣として行っていただきたいと思いますが、いかがでいらっしゃいますでしょうか。
  197. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 先ほどメリットについては茂木大臣からもお答えをさせていただきましたが、消費者の皆さんにとって最大のメリットは、域内の様々な良い商品をより安く安心して手に入れることができるようになって生活が豊かになっていく、もちろん選択肢も広がっていくわけであります。同時に、中小企業の皆さんにとっても、透明なルールの下で取引ができるということになります。今まではなかなか輸出は難しいと考えておられた中小企業や小規模事業者の皆様にとっても、安心して取引が可能になっていく、ルールがきっちりとした経済圏ができていくということにもなるんだろうと、このように思いますので、良いものをつくっている日本にとっては、まさに良いものが正しく評価される、正当に評価されるマーケットができるということにおいても大変有意義だろうと思います。  他方で、様々な不安を持っておられる方々がいらっしゃることは承知をしておりますが、TPP11にも、先ほど厚労大臣からも答弁させていただきましたが、国民皆保険や、あるいはまた食の安全を脅かすようなルールは一切ありません。それでもなお残る不安や懸念にもしっかりと向き合うために、農業者や中小企業者の皆さんに対してきめ細やかな対策を引き続き講じていく考えでございます。  また、まさにこの画期的な二十一世紀型の経済圏ができていくということで、更に多くの国々が関心を示しているというのは御承知のとおりだろうと思います。そういう中におきましても、このTPPを、国民の皆様にとってこのTPPができてよかったなということを感じていただけるようにしっかりと対応してまいりたいと、このように思っております。
  198. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  これから様々発効につきましても関係の法令等も整備されていくこととなると思いますけれども、私どももしっかりそれに対しても議論を続けてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  ところで、先ほどから問題になっておりますので、私も今回は取り上げさせていただきます。  昨日、財務省から説明を受けました。新しく、調書の後ろに添付されていたメモが、そのまま平成二十七年六月に抜き去られてしまっていた、抜き取られていた。この時期というのは、この国会で森友問題、そして籠池問題、言われているような問題、そういうものが議論されていないときです。それ以前にもやはりそういう体質があったということになってしまいます。  ですから、これは安倍政権の問題というよりも、もしかしたら民主党政権のときにもこういうことが行われていたのかもしれない、これは国民皆様方、今そういうふうに感じていらっしゃるんだと思います。政府、そして行政の信頼に関わる私はとても大事な問題だと思います。  やはり、これは、国家公務員として倫理規程がございます、職務規程がございます、それに違反をするということになってまいりました。ということは、もう一度ここで総理からしっかりとその倫理教育も徹底していただき、そしてその倫理規範というものを守ろうじゃないかと大きな私は声を上げるべきときではないかと思いますけれども、総理、どのようにお考えになりますか。
  199. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 今回の財務省決裁文書書換え問題は、行政全体の信頼を揺るがしかねない事態であり、行政の長として責任を痛感をしております。  今回の事態を受けて、改めて、職員の一人一人が国民全体の奉仕者としての使命感、倫理観を持ち、服務規程を遵守するよう徹底する必要があります。これまでも公務員の倫理や服務に関する研修等を実施してきたところでありますが、今後二度とこうしたことがないよう、服務規律の遵守をより一層徹底してまいりたいと考えております。
  200. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  どうも私は待ちの姿勢のようにも思えてならないんです。もっと攻めて攻めてしっかりと、調査が終わる前にできることはたくさんあるはずなんです。  その一つとしまして、先ほどもございました、梶山大臣からも、公文書の取扱いに関する教育、研修を徹底していくと。全く受けていないんですよね、私どもも昨日、公述人の方からもそういう御意見をいただいたところでございます。各省庁受けていないんだったらペナルティーを科すぐらい私は厳しくそこも徹底していただきたいんですけれども、大臣の御意見いただけますでしょうか。
  201. 梶山弘志

    国務大臣(梶山弘志君) 公文書管理につきましては、昨年末に行政文書の管理に関するガイドラインの改正を行ったところであり、さらに、本年度中にガイドラインを踏まえた各府省の行政文書管理規則の見直しを行うこととしておりますが、今作業の真っ最中であります。  そのルールの見直しにとどまらずに、公文書を扱う職員一人一人の意識をより一層高めていくことも重要であることから、御指摘のとおり、研修の充実を図ってまいりたいと考えております。  具体的には、各府省においては、全職員が少なくとも毎年度一回研修を受講させることを求めることといたしました。ほかに、出先機関の職員も含め、各府省の全ての職員が公文書管理に関する研修を受講できるよう、内閣府においてもe―ラーニングやサテライト研修の導入を進めているところであります。  このような公文書管理の質を高めるための不断の努力、不断の取組を続け、改正ガイドラインの実効性を高めてまいりたいと考えております。
  202. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございました。  ガイドラインの運用も各省それぞれだということを昨日も指摘を受けたところでございます。ということは、今までのままだったら手ぬるいということですよね。さらに、今御答弁いただいたような内容というのはもう既存のものでございます。  これから新しくどのような形を打ち出していかれるのか、大臣としての御決意いただけますでしょうか、お願い申し上げます。
  203. 梶山弘志

    国務大臣(梶山弘志君) 先ほど申しましたけれども、改正ガイドラインが昨年末に決定をいたしました。この改正のガイドラインというのは、公文書管理法の施行の五年後の見直しというか、取りまとめで受けた御意見を踏まえたもの、さらにまた、昨年いろんな事案がございました、そして御指摘もありました。それも踏まえて、それも入れた形でガイドラインを取りまとめたと。そして、各府省の今行政文書管理規則を外部の有識者による公文書管理委員会の皆様に、昨日も、そしてまたあと数回やっていただくところでありますし、それらの徹底を図ってまいりたいという思いであります。
  204. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  私、先ほども申しました。そういうことが管理できない、若しくはしっかりとその研修も受けられないような省庁に関しましては、更に厳しく私は徹底していくべきではないかと考えております。  財務省も同じでございます。今ずっと議論を聞いておりましたら、財務省の中で調査をしておりますというお話もございました。しかし、ここまで様々期待を裏切られてしまうと、財務省以外の第三者による調査委員会なども立ち上げるべきではないかと私は考えておりますし、今度は、様々な指摘を受けたのでしたら、即座に財務省内で再発防止チームというものを編成し、そして、このようなことが生じないように徹底的な取組を行うというような号令を私は大臣に掛けていただきたいんですけれども、麻生大臣、いかがでいらっしゃいますでしょうか。
  205. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 御指摘のありました第三者による調査と少々意味合いが異なるかもしれませんけれども、御存じのように、今この件につきましては、いわゆる大阪地検のというか、捜査の当局から今受けている最中でもありますんで、この進行中の捜査にまずは全面的に協力していくということだと思っております。  あわせて、国会を始めいろいろな方々から御指摘をいただいておることを踏まえれば、財務省においても更なる調査というものを進めていく必要があろうと思って、これはしっかり取り組んでまいりますが、問題はこうした事態が起こらないようにきちんとしたいわゆる取組を行うべしという御指摘なんだと思いますんで、この点は私どもとしては信頼回復という点が一番きちんと対応せねばならぬ長期的には最も大事なところだと思いますんで、この信頼回復に向けてどうやって取り組んでいくかというのをきちんとやらせていただきたいと思っております。
  206. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  信頼回復といったような点につきまして、これから様々指摘を受けながら財務省内でも検討が進んでいくことだと思いますけれども、是非そういう場合にも外部の目というものをしっかり入れていただきたいと思います。ただ、それも漫然と会議を続けるというわけではなく、スピーディーに実効性が高いものから行っていただく、しっかり私どもも国会としてチェックをさせていただきたいとは思いますけれども、財務省内の自浄作用というものも発揮してもらわないといけないと考えておりますけれども、大臣、その辺り、お考え何かございましたらお聞かせいただけますでしょうか。
  207. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 御指摘、誠にもっともだと思っておりますんで、私どもとしては、きちんとした対応ということで、これちょっとまだ捜査の途中でもありますが、同時に、これは今の段階から取り組めるところもいろいろあろうかと思いますんで、検討させていただきたいと存じます。
  208. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  そういたしましたら、総理にもお願いがございます。  公益通報窓口というものがございます。私、今回、財務省の公益通報窓口がどこにあるかということを探してみました。ネット上でも、いわゆる秘書課というところが担当しているということが分かってまいりました。それを問い合わせいたしましたら、それ以外にも第三者として弁護士事務所につながるような、ダイレクトにつながるような道もあるんですよ、でも、それは職員の皆様方にはお知らせしておりますがという御回答をいただいたところでございます。しかし、ネット上でどこかに、やっぱりこういうことはやってはならないよなと思ったときに、ふと吐き出せるところがあるだけでも今回のような事件、以後、起こらなかったかもしれません。  そういう意味におきまして、もっと公益通報窓口というのが財務省に限らず全省庁挙げてしっかりと確保され、そしてそれが公平公正であるということも私は重要かと思いますけれども、総理の御意見いただけますでしょうか。
  209. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 公益通報者保護法の趣旨を踏まえて、内部の職員等から公益通報が容易に行われるよう環境をつくることは、法令遵守の確保や不祥事の未然防止、そして早期是正の観点から極めて重要と考えています。このため、昨年ですね、昨年、国の行政機関の通報対応に関するガイドラインを改正したところでございます。こうした改正を行っているわけでありますが、実際にその改正したガイドラインということを御存じない公務員の方もおられると思います。その意味におきましては、制度の内容や通報窓口についての周知強化をしていきたいと思います。  そしてまた、通報に関する秘密保持、これは極めて重要なんだろうと。果たして自分が通報したことによって自分に大きな不利益が来るのではないかということを心配される方もおられるんだろうと思います。通報に関する秘密保持、通報者保護の徹底により、誰もが通報しやすい環境整備を行っています。こういうことを行っているということもしっかりと周知徹底していく必要があると思います。  今後とも通報窓口が確実に機能するよう取組を不断に進めてまいりたいと思います。
  210. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  ですから、しっかりと、それが第三者であって、自らの秘書課であったり省庁内の人間でなくということも、もう一度総理、御確認をいただきました上で周知徹底をお願いしたいと思いますし、それが誰でも見えるようにということが一番私は重要かと思います。そういう場合に、どうしたらいいんだろうと悩んだときに、他人には相談できないからそういうところを利用するわけです。誰かに、じゃ、通報窓口どこにあるんでしょうということを聞けないのであれば、先ほど申しましたように、しっかり、じゃ、財務省であればこことここですよということが分かるように明示もしていただきたいんですけれども、それを全省庁に呼びかけていただけますでしょうか、お願い申し上げます。
  211. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) ただいまのお話を承りまして、そうした御趣旨に沿うようしっかりと検討してまいりたいと思います。
  212. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  まさに、この公文書の在り方というものが今問われております。この公文書の価値をやはり高めていくということは一つ重要なことかと思います。まさに厚労省におきましても年金記録の喪失というものもございましたし、様々な省庁におきまして、まだまだ、公文書というものがどういう意味を成すものなのか、そして自分たちがこれを改ざんするということはまさに何を意味することなのか、私はもっと意識を高めていただきたいと思っております。  それに関しましても、そういう管理をする専門家というのが日本にいない。これは、以前から指摘をされているところなんですけれども、なかなか整備をされることはございません。昨日も公述人の方から御意見をいただきました。公文書管理におけるアーキビストというような公的な資格というものを設けるべきではないのか。フランスなどでは、アーキビストが内閣府に八百人所属いたしまして、各省庁に張り付きでしっかりと管理を行っていると。やっぱり国々によっても、まさにもう文化によっても違いますけれども、そのような形で、日本でも更にその公文書の価値を高め、そして管理体制を高めていくために、そのような専門職というものも早急に検討して、各省庁にも御協力いただきたいと思うんですけれども、大臣、御意見いただけますでしょうか。
  213. 梶山弘志

    国務大臣(梶山弘志君) 今御指摘のありました公文書管理の専門職員、いわゆるアーキビストにつきましては、従来から国立公文書館において、主に歴史公文書等の文書管理に関わる専門人材を広く養成、確保するため、専門職員の職務基準書策定に係る検討が行われてきたところであります。  アーキビストの職務基準書については、昨年十二月に国立公文書館主催の有識者による検討会議において取りまとめが行われたところであります。引き続き、国立公文書館内で検討を進め、関係機関との調整を経て、来年度中の完成を目指していると承知をしております。  また、平成二十九年二月に公文書管理委員会に御報告した公文書管理法施行五年後見直し対応案においても、本職務基準書が人材の育成及び確保につながるよう、有効活用方策について検討すべきとしたところであります。その際、具体的取組として、専門職員の信頼性、専門性を確保するため、国立公文書館などの公的機関による認証制度についても検討をすることとしております。  こうした取組は公文書管理の質を不断に高めていく上で大変有用と考えておりまして、内閣府としても国立公文書館による取組を後押ししてまいりたいと考えております。
  214. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  資格をつくるだけではなく、どのように配置をしていくのか、何をすべきなのかということは、実はこのアーキビストということの日本語訳もないぐらいまだまだ、地位としてもそうですし、職務としても不安定なものがございます。ですから、そこは海外に倣うことなく、日本の今のこの問題を更にプラスアルファ、引き受けながら、どういう職務としていくのかということも、また新たに私は構築していただきたいと思うんですけれども、大臣の御意見いただけますでしょうか。
  215. 梶山弘志

    国務大臣(梶山弘志君) 先ほど申しましたけれども、関係機関との調整というのは、アーキビスト学会というのもございまして、そういう関係団体との調整も入ってくるということであります。  さらに、委員おっしゃるように、国立公文書館のみならず、公文書の管理という点で、各省庁に対して指導ができるような形にできまいかということで、今検討を進めているところであります。
  216. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ありがとうございます。  総理、私、思うのでございます。こうやって様々議論が行われておりますけれども、なぜもっと前向きな情報を国民に対して発信してくれないんだろうということでございます。こうやって質疑しておりまして、私どもの質問に対してお答えいただくだけになってしまうんです。そうすることになると、すごく狭い情報しか国民皆様方には理解していただけないということになってしまいます。  私も、先ほど申しました、私のスタンスといたしましては、今までもやはりこういうことがあったんではないか、それがただ分からなかっただけであって、これから新しく更に政府の信頼を獲得していくためには安倍政権としてこういうようなことをやっていきたいと、私は前向きに何か国民に対してメッセージを発信していただきたいんですけれども、お考え、お聞かせいただけますでしょうか。
  217. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 今回の決裁文書書換え問題について、財務大臣、また太田局長から答弁をさせていただいておりますが、言わばこの国会で話題となり、そして、その答弁に対して誤解を生じることがないように、そうしたことが行われたという説明をしているところでございますが、同時に、今委員がおっしゃったように、二〇一五年にもこの書類が、出すべき書類が出されていなかったという御説明をいただきました。まさにそれは国会で議論になる前であるわけでございまして、そうした意味において、こうした公文書に対する信頼を失墜せしめる事態となっているわけで、全体、言わばこの事案ということだけではなくて、そういう疑いも生じさせているということは我々は真剣に受け止めなければならないと、このように思います。  その意味で、徹底的にしっかりと国民信頼を回復するためにこの立て直しをしていかなければならないと、このように決意をいたしております。
  218. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で薬師寺みちよ君の質疑は終了いたしました。(拍手)  これにてTPP経済財政内外の諸情勢に関する集中審議は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十九分散会