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国務大臣(
麻生太郎君) これは、御
指摘、いわゆる御心配をいただいているということなので、それに対する説明ということなんだと存じますけれども、少なくとも、いわゆる年金の話というのが一時期えらい騒ぎになったことがありましたが、あのときは、年金がなくなっちゃうとか年金が給付されなくなるんじゃないかという話がえらくあおって随分言われたり書かれたりしたと記憶しますけれども。
少なくとも、社会保障というものを考えるときには、日本は世界の中で最も早く少子
高齢化という
状況が進んでいますので、そういった
状況の中には、一体、年金、医療、介護といったような社会保障の給付費が、働いている勤労者に対する負担が当然ひどくなります。昔は六人働いている人で高齢者一人、今は二・何人で一人ということになりますと、簡単なことを言えば三倍ぐらいの負担ということになろうと思いますので。
そういった
意味では、こういった社会保障というものに対して、我々は、保険とかいろんな形で昭和三十年代から、岸
内閣のときからこの皆保険というのをスタートさせているんですけれども、そういった税率の引上げ等々いろいろやらせてきていただいたんですが、なお将来世代への負担というものを、今、そういった
部分を税収で賄うというのに、いわゆる保険ではなくていわゆる借金を使ってそのぐらいは穴埋めしているという
状況にありますので、こうなっていくんじゃないかという御心配をいただいておるわけなので、そういった社会保険料の増加というものがこのままいくとずっと上がっていくことになりますので、給付と負担のバランスというのの取組というのをどれくらいバランスさせるかというのは、これはすごく大事なところだと思っています。
日本の場合は、アメリカみたいに低福祉低負担、スウェーデン、フィンランド等々は高福祉高負担、両方の中間ぐらいのところで、国際的にいくとそういうことになっているんだと思いますので、そういった
意味では、私どもの現政権としては、少なくとも社会保障の伸びというのが毎年一兆円ずつぐらい伸びていくというのは、とてもではないけど堪えられるというような、いわゆる負担率が、社会保障負担費がえらく高くなって、今四二%ぐらいのものが増えていって五〇超えちゃう、六〇になっちゃうというような話になりかねませんので、
是非ということで、三年間で一兆五千億ということにさせていただいて、三年間毎年約五千億ということでやらせていただいて、おおむねその
高齢化の伸びの範囲内に止めさせていただいたと思っております。
また、消費税というものに関しましては、二〇一四年の四月に八%というのに引き上げさせていただいたんだと思いますけれども、これを二〇一九年十月に八%から一〇%、二%引き上げるということにさせていただいておりますが、この二%分のかなりの
部分を、いわゆる低所得と言われる
方々の医療とか介護保険料の負担の軽減を行うとか、また、いわゆる介護とか保育とか、そういった受皿を拡充するということはやっぱり今の話なので、今の
状況としては急ぐべき話なのではないのかという御意見を踏まえて、これを大幅に拡充させていただくということで社会保障の
充実等々をさせていただいておりますので、今御心配の言われております
部分は私どもも十分それを考えた上で、少なくとも、私どもは、社会保障、保険のことに関して、GPIF、いわゆる
国民年金の運用等々に関しましては、ガバメント・ペンション・インベストメント・ファンドというのを略してGPIFと言っておりますけれども、こういったお金の運用を使わせていただいて、そういったものを、この
内閣になってから五十数兆円、それを大きくさせていただいておりますので、そういった
部分では年金がなくなっちゃうとかいうような話はなくなっておるという、最近は聞かなくなってきていると思っておりますので、
国民の不安の払拭というのは引き続き努めていくと同時に、きちんとしたこういった対応をやり続けていくというのは財政再建の
意味からも極めて大事なことだと思っております。