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高野光二郎君 ありがとうございます。
続きまして、CLTの普及促進についてお伺いします。吉川議員、一枚目をお願いします。(
資料提示)
森林環境税が今後創設する中で、木材の需要の拡大は必須であります。そのために有効な切り札が私はCLTだと考えます。
CLTは日本産材の杉やヒノキの直交の集成板であります。英名はクロス・ラミネート・ティンバーです。ひき板を直交するように何枚も積み重ねて接着した建築・建設部材です。CLTパネル工法は、壁で建物を支える構造のため施工が容易かつ頑丈となり、基礎工事等の簡素化、工期の縮減も可能となります。ちなみに、ボルトとナットで結び付けるので、取り外して別のところで新しく建て替えたりとかということもできます。また、大量の木材を使用するため、CO2の吸収源が
増加し、再生可能
エネルギーの供給から国土保全へとつながり、地域の
雇用と所得につながる大きな可能性を持っています。
私は、
平成二十六年から過去四年間、CLTについて四回質問をしてきました。
平成二十六年、
地方創生に関する特別
委員会では、東京オリンピック・パラリンピックでCLTの採用を強く希望し、
平成二十八年五月にはCLTで
地方創生を実現する議員連盟が発足し、石破茂会長、吉野正芳幹事長、そして齋藤健
農林水産大臣を始めまして自民党の先生方百四十名の入会議員とともに、私は事務
局長として頑張ってきました。
そして、この議連からの要請に対し
総理がいよいよ決裁をしていただきまして、官邸にCLT活用促進に関する関係省庁連絡会議を設置していただきました。当時は
世耕弘成
大臣が議長として筆頭に、現在は野上浩
太郎議長が頑張ってくれています。そして、ついに東京オリンピック・パラリンピックの選手ロッカー室や案内板パネル、そして選手村ビレッジに高知県産を含む国産材を用いたCLTの採用が決定をいたしました。
日本で第一号のCLT構造による建築物ができたのは
平成二十六年三月、高知県のおおとよ製材社員寮でした。パネル二、お願いします。CLTはいろんなものができます、これ、パネルをちょっと見ていただきたいんですけど。
そして、
平成二十八年四月にCLT関連の建築基準法が告示をされまして、
平成二十八年度末で九十五件が
全国で施工がもう進んでいます。
平成二十九年度中には百十二件ものCLTの構造物が建てられます。
さらに、福島県いわき市では、東日本大震災による復興住宅の建築においてもCLT工法が使用されます。今年二月完成予定で、CLT工法の建築物では国内最大級、公営の集合住宅では東北初、建築における工期は一般の復興住宅より約四割も短縮ができます。これも吉野先生の多大な御尽力があったと思います。大災害で痛められた心、そしてCLTは木の温かみ、匂いを始めセラピー効果もありまして、大変すばらしいと思います。
また、CLTは単に木材の需要拡大を可能とするわけではありません。例えば、
一つのCLTパネル工場を核とした林業・木材産業ユニット五万立米を中山間地域に造ると、七百七十名の
雇用と百七十億円の
経済効果が生まれることを高知県が算出をしております。仮にこれを
全国で五十か所造れば約八千五百億円の
経済効果、波及効果が地方の中山間地域に生まれます。山に
仕事があるということはとてもいいことであります。
そこで、
安倍晋三
内閣総理大臣にお伺いします。
国産材の需要を切り開き、
地方創生を更に加速していくために、国産材の利用推進の必要性について
総理の御見解をお伺いします。また、その核としてCLTの需要拡大が重要であると考えますが、御所見お願い申し上げます。