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仁比聡平君 最高裁は、国会での答弁では、もちろん十分な
調査は行われているのですという御答弁になるのはそうなんでしょうけれども、実際現場で行くと、
調査官による
調査を例えば代理人としてお願いをしても、調停
委員の方々がとてもちゅうちょをされると。いや、
調査官の方々はお忙しいですからと、いや、この件は私どもでというようなことはよくあることではないのか。
加えて、今局長おっしゃったように、争点になっていないとというお話があって、つまり、父、母が、面会交流についてはもう決めていますとか
親権者についてはもう決まっていますとかということになると、子の福祉について
調査官の関与が行われないということがずっとあって、実際上あって、そうなんだけれども、面会交流を実際に行ったときに重大な事故が起こるということがあり得るということなんですね。
私、一年前のこの
委員会で、長崎で、これは協議
離婚だったようですけれども、面会交流の約束をして初めて父親のところに
子供をお母さんが連れていった、そうしたら、父親からめった刺しにされてお母さんが殺され、お父さんが自殺をしてしまった、二歳の男の子が両親をそうやって失ってしまったと、こういう
事件について認識をお尋ねしたことがありますけれども。つまり、子の福祉、子の最善の
利益ということを考えたときに、父、母が争っていようがいまいが、本当にどこに子の福祉があるのかということを探求していく、そうした
調査が本当は必要とされる
事件がもっとたくさんあるんじゃないのか、そんな思いがするんです。
そこで、家庭
裁判所調査官のいろんな取組を勉強させていただきますと、例えば、
平成二十八年の三月十七日付けで、最高裁家庭局第三課長のお名前で全国の家裁首席
調査官宛てに共有されている京都家裁の特別研究の報告があります。これは、
離婚調停における
調査官による子の
調査の有用性を明らかにしようということのようですけれども、この中、最後の部分に面白い記述がありまして、本研究の着手時に行った
裁判官などとの意見交換においては、どのような
事案で何を目的にどのような
調査を行えば、子の福祉への配慮、
当事者の主体的解決及び家族
関係の再構築を目指した調停運営につながるのかについての認識が
関係職種間で明確化され、共有されることを望む意見があったと。
つまり、調停
委員とか、それから
裁判官のこともあるかもしれないんですよ。この
調査官による
調査の意義だとか位置付けについて、これ明確化して共有しなきゃいけないという問題意識がある。これは、裏返せば共有されていない、
調査の重要性が共有されていないからこういうことになっているんじゃないんですか。