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2018-03-08 第196回国会 参議院 法務委員会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
平成
三十年三月八日(木曜日) 午後零時五十六分
開会
─────────────
委員氏名
委員長
石川
博崇
君 理 事
中西
健治
君 理 事
山田
宏君 理 事 真山
勇一
君 理 事
若松
謙維君
岡田
直樹
君
福岡
資麿
君
松山
政司
君
丸山
和也
君
元榮太一郎
君
柳本
卓治
君
山谷えり子
君 小川 敏夫君
仁比
聡平君 東 徹君 有田 芳生君 糸数 慶子君 郡司 彰君 伊達 忠一君
山口
和之
君 ─────────────
委員
の
異動
一月二十二日
辞任
補欠選任
東 徹君
石井
苗子
君 三月七日
辞任
補欠選任
丸山
和也
君
豊田
俊郎
君 三月八日
辞任
補欠選任
松山
政司
君
小野田紀美
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
石川
博崇
君 理 事
中西
健治
君
山田
宏君
若松
謙維君
委 員
小野田紀美
君
岡田
直樹
君
豊田
俊郎
君
福岡
資麿
君
元榮太一郎
君
柳本
卓治
君
山谷えり子
君
石井
苗子
君
山口
和之
君
国務大臣
法務大臣
上川
陽子
君 副
大臣
法務
副
大臣
葉梨
康弘
君
大臣政務官
法務大臣政務官
山下 貴司君
最高裁判所長官代理者
最高裁判所事務
総局経理局長
笠井
之
彦君
事務局側
常任委員会専門
員
青木勢津子
君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
国政調査
に関する件 ○
法務
及び
司法行政等
に関する
調査
(
法務行政
の
基本方針
に関する件) (
平成
三十年度
法務省
及び
裁判所関係予算
に関 する件) ─────────────
石川博崇
1
○
委員長
(
石川博崇
君) ただいまから
法務委員会
を
開会
をいたします。
委員
の
異動
について御報告いたします。 本日までに、
徳茂雅之
君、
東徹
君及び
丸山和也
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
石井苗子
君、
豊田俊郎
君及び
小野田紀美
君が選任されました。 ─────────────
石川博崇
2
○
委員長
(
石川博崇
君) この際、申し上げます。
民進党
・
新緑風会
、
日本共産党
、
立憲民主党
及び
沖縄
の
風所属委員
の
出席
が得られておりませんので、
出席
を要請いたしたいと存じます。しばらくお待ちください。
速記
を止めてください。 〔
速記中止
〕
石川博崇
3
○
委員長
(
石川博崇
君)
速記
を起こしてください。
民進党
・
新緑風会
、
日本共産党
、
立憲民主党
及び
沖縄
の
風所属委員
の
先生方
に対し
出席
を要請いたしましたが、
出席
を得ることができませんでしたので、やむを得ず議事を進めます。
国政調査
に関する件についてお諮りいたします。 本
委員会
は、
今期国会
におきましても、
法務
及び
司法行政等
に関する
調査
を行いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
石川博崇
4
○
委員長
(
石川博崇
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
石川博崇
5
○
委員長
(
石川博崇
君)
法務
及び
司法行政等
に関する
調査
を議題といたします。
法務行政
の
基本方針
に関する件について、
上川法務大臣
から所信を聴取いたします。
上川法務大臣
。
上川陽子
6
○
国務大臣
(
上川陽子
君)
法務大臣
の
上川陽子
です。改めましてよろしくお願いします。 昨年末に
政府
として初めてとなる
再犯防止推進計画
が
閣議決定
されました。本年は、まさに
推進計画
元年です。また、第十四回
国連犯罪防止刑事司法会議
、
京都コングレス
や
東京オリンピック
・
パラリンピック競技大会
が開催される二〇二〇年まであと二年に迫った年でもあり、本年は
法務行政
にとって節目ともいうべき重要な一年であると考えています。 こうしたときであるからこそ、
法務行政
が、
国民
一人一人の生命、身体、財産を守り、全ての
活動
の
基盤
となる安全、
安心
を、法の
支配
を貫徹することにより
実現
する役割を担っていることを、第一線で勤務する
職員
を含めて、全ての
職員
が改めて共有する必要があります。昨年八月三日に
法務大臣
に再任されて以降、
機会
を見付けては
現場
の視察に行き、
職員
から話を聞く
機会
を設けてきました。こうした経験をも踏まえ、これまで以上に省内の
連携
を緊密にし、
法務行政
の諸
課題
にオール
法務省
として
スピード感
を持って取り組んでまいります。
法務省
の
取組
を積極的に広報し、
国民
の
皆様
に身近に感じていただくとともに、安全、
安心
の
実現
に御
協力
いただくことが重要と考えています。 そして、
職務
に当たっては、二〇一五年九月、
国連
で採択された持続可能な
開発目標
、
SDGs
においてうたわれている誰一人取り残さない
社会
を
実現
するため、着々寸進
洋々万里
を心に刻んで一歩一歩着実に
職務
を遂行したいと考えていますので、
委員長
を始め、
委員
の
皆様
の御
理解
、御
協力
をよろしくお願い申し上げます。 まず、
国民
に身近で
頼りがい
のある
司法
を
実現
するため、次の
取組
を行いたいと考えています。
総合法律支援法
の一部を改正する
法律
の施行により、
日本司法支援センター
、
通称法テラス
の
業務
が拡充され、
認知機能
が十分でない
高齢者
や
障害者等
を
対象
とした新たな
法的支援制度
の
運用
が開始されました。また、
法テラス
では、
福祉機関等
と
連携
して、
高齢者
や
障害者
の潜在的な問題について、総合的な
解決
を図る
司法ソーシャルワーク
と呼ばれる
取組
も
推進
しています。引き続き、
法テラス
の
業務
の円滑な実施と
体制
の
充実
を図り、
地域
に寄り添いながら
国民生活
の
法的側面
からの
支援
に努めてまいります。 法的な物の考え方を身に付けるための
法教育
は、自由で公正な
社会
の担い手を育成する上で不可欠なものであり、
多様性
を包摂する
共生社会
の
実現
にも資するものです。
未来
を担う
若者
への期待が高まる中で、多様な意見を様々な角度から
検討
し、自ら考える力を身に付けることがこれまで以上に求められていますので、
関係機関
とも
連携
しながら、
対象世代
や
現場
の
ニーズ
に応じた
法教育
の
充実
に努めてまいります。 次に、
差別
や
虐待
のない
人権
に配慮した
社会
を
実現
するため、次の
取組
を行いたいと考えています。 インターネットを悪用した
名誉毀損
、プライバシーの
侵害
、
障害
を理由とする
差別
、
虐待
、ヘイトスピーチを含む
外国人
に対する
人権侵害
、
部落差別
などの
同和問題等
の様々な
人権
問題を
解消
するため、引き続き、
人権啓発
、
調査救済活動等
に丁寧かつ粘り強く取り組んでまいります。また、冒頭申し上げた二〇二〇年に向けて、心のバリアフリーを
推進
し、誰もがお互いの
人権
を大切にし、支え合う
共生社会
を
実現
するための
人権啓発活動
を
推進
してまいります。 親によって出生の届出がされておらず、無
戸籍
となっている
方々
について、徹底した
実態把握
に努めるとともに、
全国各地
の
法務局
において常時
相談
を受け付け、
戸籍
を作っていただくための丁寧な
手続案内
をする等の寄り添い型の
取組
を行っています。今後も引き続き、無
戸籍
となっている
方々
への
支援
、無
戸籍状態
の
解消
に
全力
で取り組んでまいります。
難民
問題については、世界的に深刻な
状況
にあります。
我が国
で急増する
難民認定申請者
の中には、
就労等
を
目的
として、明らかに
難民
とは認められないような
濫用
、誤用的な
申請
が相当数含まれていることにより、真の
難民
の迅速な
保護
に支障が生じる事態となっています。これらの
状況
を踏まえ、本年一月十五日から、
庇護
が必要な
申請者
について早期に安定した
在留許可
をする等更なる配慮を行うため、
難民認定制度
の
運用
を見直し、
濫用
、誤用的な
申請
についてはこれまでより厳格な
対応
を行い、引き続き、
我が国
における
難民認定
の
迅速適正化
を
推進
し、真に
庇護
を必要とする方への
保護
を図ってまいります。 次に、世界一安全な
国日本
をつくるため、次の
取組
を行いたいと考えています。
国民
の
皆様
が安全に
安心
して暮らせる
社会
を
実現
するため、
関係機関
とも
連携
し、
組織犯罪
、
凶悪犯罪
への
対策
を始めとする
治安確保
のための
対策
を万全に講じてまいります。 また、
現下
の
国際テロ情勢
を踏まえ、
国内外
における
テロ関連動向
の
把握
に努め、
関係機関
との
連携
を緊密にしつつ、
情報収集
・
分析機能
の
強化
に努めてまいります。 現在、アレフ及びひかりの輪を
中心
に
活動
するオウム真理教については、引き続き、
団体規制法
に基づく
観察処分
を適正かつ厳格に実施することにより、
地域住民
の
不安感
を
解消
、緩和するとともに、
公共
の安全の
確保
に努めてまいります。 昨年
閣議決定
された
再犯防止推進計画
は、五つの
基本方針
、七つの
重点課題
について百十五の
施策
を盛り込んでいる総合的な
計画
です。
関係省庁
や
地方公共団体
との
連携
を一層
推進
し、
刑事手続
のあらゆる段階において、
就労
、
住居
の
確保
や
高齢者
又は
障害
のある者への
支援
、
薬物依存
を有する者への
支援
といった
犯罪
や非行をした者の
立ち直り
に必要な
指導
、
支援
を個々の特性に着目して適切に実施するとともに、
立ち直り
を支える
保護司
、
更生保護施設
、
協力雇用主等
の民間の
方々
の
活動
に対する
支援
を
充実強化
してまいります。 昨年成立した
性犯罪
に対処するための刑法の一部を改正する
法律
については、その
審議
において、
性犯罪被害者
の御負担に関する様々な指摘をいただいており、
附帯決議
においても、
被害者
の二次
被害
の
防止
や、その心情に配慮することが求められています。 今後も、こうした経緯や
犯罪被害者等基本法
の
理念
にのっとり、
性犯罪被害者
に限らず、
犯罪被害者等
の
権利利益
の
保護
を図るための
各種制度
を適切に
運用
し、きめ細やかな
対応
に努めてまいります。 一昨年成立した新たな
刑事司法制度
を構築するための
刑事訴訟法等
の一部を改正する
法律
について、その趣旨を踏まえた適正な
運用
を図るなど、
国民
の
皆様
の信頼に応える
刑事司法
の
実現
のための
検察改革
の
取組
を引き続き実施してまいります。 次に、
我が国
の領土、領海、領空の
警戒警備等
について、次の
取組
を行いたいと考えています。
我が国
を取り巻く
テロ情勢
が非常に厳しい
状況
にある中、二〇一九年にはG20サミットや
ラグビーワールドカップ大会
が、二〇二〇年には
京都コングレス
や
東京オリンピック
・
パラリンピック競技大会
が開催されます。その一方、
観光立国推進
に向けた
各種取組
が進められ、昨年の
訪日外国人旅行者数
は約二千八百六十九万人と、一昨年に引き続き過去
最高
を更新しています。 こうした中で、
水際対策
としての
テロ
の
未然防止
を含む厳格な
入国管理
と
観光立国推進
に向けた円滑な
入国審査
を高度な
次元
で両立させる必要があり、今後も
入国審査
の更なる
高度化
の
実現
に努めてまいります。 度重なる
核実験
や
各種弾道ミサイル
の発射を繰り返す
北朝鮮
に対しては、今後も
人的往来
の
規制強化措置等
を適切に実施していくとともに、核・
ミサイル開発
の
動向
、
日本人
拉致問題を含む
北朝鮮
の
対外動向
や
国内状況等
について
関連情報
の
収集
、
分析等
を進めてまいります。
尖閣諸島関係
については、
我が国
の主権に関わる事案の相次ぐ発生を踏まえ、
関係機関
と
連携
し、
関連情報
の
収集
、
分析
に尽力するなど、遺漏のない
対応
をしてまいります。 次に、
国土強靱化
、
国民
の
社会経済活動
の重要な
インフラ整備
のため、次の
取組
を行いたいと考えています。
民事基本法
について、
国民
の意識や
社会情勢
の
変化
に
対応
し、必要な見直しを進めてまいります。
日本人
と
外国人夫婦
の離婚など、国際的な要素を有する
家庭
に関する
事件
の適正かつ迅速な
解決
を図るため、いかなる場合に
日本
の
裁判所
で裁判ができるのか等について定める
人事訴訟法等
の一部を改正する
法律案
及び、
商法
の
運送
・
海商関係
について、
社会経済
の
変化
への
対応等
を図るとともに、
片仮名文語体
の表記を現代用語化する
商法
及び
国際海上物品運送法
の一部を改正する
法律案
を今
国会
に再度提出しましたので、十分に御
審議
の上、速やかに御可決くださいますようお願いします。 また、
選挙権年齢
の
引下げ等
への
対応
を図るため、
民法
が定める
成年年齢
を二十歳から十八歳に引き下げること等を
内容
とする
民法
の一部を改正する
法律案
を今
国会
に提出する
予定
です。 さらに、
民法
の
相続関係
については、
高齢化
の
進展等
への
対応
を図るため、
法制審議会
における
審議
結果を踏まえ、
配偶者
の居住の
権利
に関する規律を設けること等を
内容
とする
民法
及び
家事事件手続法
の一部を改正する
法律案
及び
自筆証書遺言
を
法務局
において保管すること等を
内容
とする
法務局
における
遺言書
の
保管等
に関する
法律案
を今
国会
に提出する
予定
です。 近時、
所有者
を特定することが困難な、いわゆる
所有者不明土地
の存在が
社会
問題化しており、その要因の一つとして、
相続登記
が
未了
のまま放置されていることが指摘されています。この問題は、
相続
が繰り返されるにつれ更に深刻化することが懸念され、
関係省庁
が一体となって
対応
する必要があります。そこで、
法務省
では、
法定相続情報証明制度等
による
相続登記
の
促進
及び長期間
相続登記
が
未了
の
土地
の
解消
に向けた
取組
を
推進
してまいります。 また、今後、
人口減少
に伴い、
所有者
を特定することが困難な
土地
が増大することも見据えて、
登記制度
や
土地所有権
の
在り方等
の
中長期的課題
についても
検討
を進めてまいります。
東日本大震災
からの
復興支援
については、これまで、
登記嘱託事件等
の適切かつ迅速な
対応
に努めるとともに、登記所備付け
地図
の
整備
についても積極的に行ってきました。また、
法テラス
において、
被災地
に出張所を設置し、
無料法律相談
を実施するなどの
支援
を行ってきたほか、
人権擁護機関
において、
風評等
に基づく様々な
人権
問題に対し、
仮設住宅等
における
相談
を実施するなど、
相談
・
調査救済活動
を行ってきました。
平成
二十八年
熊本地震
からの
復興支援
についても、倒壊するなどした建物の
登記官
の職権による
滅失登記
、
地震
によって
土地
が移動している
地域
の登記所備付け
地図
の
修正作業
、
被災地
の
人権擁護委員
を
中心
とした
仮設住宅等
を訪問しての
相談活動
を行っています。 今後も、引き続き、震災からの
復興
を
支援
するとともに、
各種災害
からの
復旧復興支援
に取り組んでまいります。
我が国
が本格的な
少子高齢
・
人口減少時代
を迎える中、
経済社会
に活力をもたらす
外国人
を積極的に受け入れていく必要があります。このため、
未来投資戦略等
に掲げられた
施策
の
実現
により、
高度外国人材
の更なる
受入れ
の
促進等
に努めるとともに、本年二月二十日に開催された
経済財政諮問会議
における
内閣総理大臣
からの指示を受け、専門的、技術的な
外国人受入れ
の
制度
の
在り方
について早急に
検討
を進めてまいります。その際には、
我が国
が、
人々
の
多様性
を尊重し、そして、多様な
人々
を
我が国社会
に包摂していく
日本人
と
外国人
の
共生社会
の
実現
に向けて、着実に
検討
を進めてまいります。 このほか、
日系
四世の
若者
を受け入れ、
日本文化
を習得する
活動等
を通じて
日本
に
理解
や
関心
を深めてもらい、
日本
と海外の
日系人社会
との懸け橋になる
人材
を育成することを
目的
とした
制度
の創設に向けて
準備
をしてまいります。 次に、法の
支配
を貫徹し、
国際分野
に至るあらゆる
活動
に法が適用されるように、
司法外交
を
推進
してまいります。
犯罪防止
や
法制度整備等
に関する
国際協力
については、
アジア
・
アフリカ諸国等
の
刑事司法実務家
に対し、
犯罪
の
防止
や
犯罪者
の
処遇等
に関する
国際研修等
を行うとともに、
アジア
を
中心
とする開発途上国に対し、
基本法令
の起草、
司法制度整備
及び
司法関係者
の
人材育成等
の
法制度整備支援
を行ってまいりました。 これらの
国際協力
は、根本的な
理念
として、
我が国
が尊重してきた法の
支配
を各国が
実現
することに貢献するものであり、冒頭申し上げた
SDGs
の
達成
にもかなうものであることから、今後も積極的に
推進
してまいります。
我が国
の
利害
に重大な影響を及ぼす
国内外
における
法的紛争
に適切かつ迅速に
対応
するために、国の
利害
に
関係
する
訴訟
に対する
指揮権限
をより適切かつ効果的に行使するとともに、
国内外
の
法的紛争
を
未然
に
防止
するための
予防司法機能
の
充実
や、
国際訴訟等
への
対応
について
外務省等
の
関係省庁
との
連携
を進めるなどして、
訟務機能
の
充実強化
に取り組んでまいります。 二〇二〇年
開催予定
の
京都コングレス
では、
SDGs達成
に向けた
犯罪防止
、
刑事司法
及び法の
支配
の
推進
に関し、世界中の
司法関係者等
による議論が行われます。
京都コングレス
を
司法外交
の
晴れ舞台
とし、参加してくださる
方々
に、
我が国
が長年にわたり築き上げた法の
支配
が浸透した
社会
を体感していただくとともに、安全、
安心
な
社会
の
実現
や
再犯防止
、そしてそれらを支える
法遵守
の
文化
についての
国民的関心
を高める
機会
としたいと考えています。特に、次代を担う
若者
、ユースの参画を積極的に進めます。今後、
関係省庁
、
関係機関
と
連携
し、十分な
準備
を進めてまいります。 最後に、
司法
、
法務行政
を支える
人材
、
施設等
を含む
環境整備
のため、次の
取組
を行いたいと考えています。
法曹養成制度
については、
法曹
に対する幅広い
社会
の
ニーズ
を踏まえ、質、
量共
に豊かな
法曹
が輩出されるよう、
法曹養成制度改革推進会議決定
「
法曹養成制度改革
の更なる
推進
について」に掲げられた各
取組
について、
文部科学省
と
連携
し、他の
関係機関
の
協力
も得ながら、引き続き進めてまいります。 また、
司法
の中核を成す
裁判所
の
体制
の
充実強化等
を図るため、判事の
増員
などを
内容
とする
裁判所職員定員法
の一部を改正する
法律案
を今
国会
に提出しましたので、十分に御
審議
の上、速やかに御可決くださいますようお願いします。
刑務所
などの
施設
については、現行の
耐震基準
が定められた昭和五十六年以前に建設された
施設
が約半数に上るという現状を踏まえ、
老朽化
の問題を
解消
するための
整備
を
推進
してまいります。 これまでも、全
職員
が
職場
や
家庭
において個性と能力を十分に発揮できるよう
各種取組
を実施し、
男性職員
の産休・
育休取得率
及び
女性職員
の採用、
登用等
において成果が現れつつありますが、引き続き、
法務省
・
公安審査委員会
・
公安調査庁特定事業主行動計画
、
通称アット・ホウムプラン
の
推進
を通じ、より一層働き方
改革
を進め、男女を問わず活躍できる
職場環境
の
整備
と
職員
のワーク・ライフ・バランスの
実現
に努めてまいります。 特に、
離職率
が高い
女性刑務官
の働き方
改革
は重要な
課題
であり、これまで
推進
してきた
女子刑事施設
の
運営改善
に関する
総合対策
、
マーガレットアクション
を
強化
し、更なる働きやすい
職場環境
の
整備
に努めてまいります。
委員長
を始め、
委員
の
皆様方
には、日頃から
法務行政
の
運営
に格別の御尽力を賜っております。 今後も、様々な
課題
に対し
全力
で取り組んでまいりますので、より一層の御
理解
と御
協力
を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
石川博崇
7
○
委員長
(
石川博崇
君) 次に、
平成
三十年度
法務省
及び
裁判所関係予算
に関する件について順次説明を聴取いたします。
葉梨法務
副
大臣
。
葉梨康弘
8
○副
大臣
(
葉梨康弘
君)
平成
三十年度
法務省所管等予算
につきまして、その
概要
を御説明申し上げます。
法務省所管
の
一般会計予算額
は七千六百三十七億五千七百万円となっており、前年度当初
予算額
七千五百三億八千八百万円と比較いたしますと、百三十三億六千九百万円の
増額
となっております。 また、
復興庁所管
として計上されている
法務省関係
の
東日本大震災復興特別会計予算額
は二十億二百万円となっており、前年度当初
予算額
十四億五千百万円と比較しますと、五億五千百万円の
増額
となっております。 次に、
一般会計予算
について、
主要事項
の
経費
を御説明申し上げます。 まず、
テロ
の
未然防止
を含む厳格な
入国管理
と
観光立国推進
に向けた円滑な
入国審査
を高度な
次元
で両立させる
体制
を
整備
するため、
出入国管理関係
の
経費
として五百三十五億九千八百万円を計上しております。 また、
現下
の
テロ情勢等
を踏まえ、
関連情報
の
収集
・
分析機能
を
強化
するため、
公安調査庁関係
の
経費
として百四十六億二千二百万円を計上しております。 次に、
刑務所出所者等
の
再犯防止対策
を
推進
するため、
施設
内における
指導
、
社会復帰
、
職業訓練等
を実施する
経費
として、
矯正関係
で二千三百七十二億七千万円を、
社会
内における
住居
の
確保
、
保護司等
の
活動支援等
を実施する
経費
として、
更生保護関係
で二百七十三億二百万円を計上しております。 あわせて、
再犯防止対策
の
基盤
となる
刑務所
などの
施設
について、
老朽化
している
施設
の
建て替え等
を
促進
する
経費
として二百五十億四千六百万円を計上しております。 また、
不動産取引
の
基盤
や
災害復興等
の下支えとなる
相続登記
の
促進
や登記所備付け
地図
の
整備
を含む
登記事務等
の
関係経費
として一千二百五十九億五千五百万円を計上しております。 さらに、
法的紛争
を
未然
に
防止
するための
予防司法機能
の
強化
や
国際訴訟等
への
積極的対応
を図るための
訟務関係
の
経費
として十九億二千百万円を、
投資環境
の
整備
を図るための
法制度整備支援
を含む
法務総合研究所関係
の
経費
として二十二億七千四百万円を計上しております。 このほか、
治安
を
確保
し、
国民
の安全、
安心
な
社会
を
実現
するための
検察関係
の
経費
として一千百七億八千七百万円を、様々な
人権
問題への
取組
を
促進
するための
人権擁護関係
の
経費
として三十四億七百万円を、
総合法律支援
の更なる
充実
のための
日本司法支援センター関係経費
として三百十億五千七百万円を計上しております。 次に、
定員
の
関係
でありますが、
平成
二十六年七月二十五日の
閣議決定
に基づく
定員合理化
により、
平成
三十年度においては九百七十一人の減員となる中、
訪日外国人
に
対応
するための
出入国管理体制
の
整備
や
所有者不明土地
問題、
治安
・
テロ対策等
の
政府
の
重要課題
に
対応
するため、
法務省
全体で一千二百七十三人の
増員
が認められており、
定員合理化
と差引きいたしますと、純増三百二人となっております。
組織関係
では、
国際的課題
に的確に
対応
し、
司法分野
における
国内外
の
施策
を総合的、戦略的に
推進
していくため、
大臣官房国際課
の新設が盛り込まれています。 以上、
平成
三十年度
法務省所管等
の
予算概要
を御説明させていただきました。
石川博崇
9
○
委員長
(
石川博崇
君) 次に、
笠井最高裁判所事務総局経理局長
。
笠井之彦
10
○
最高裁判所長官代理者
(
笠井
之
彦君
)
平成
三十年度
裁判所所管歳出予算
について御説明申し上げます。
平成
三十年度
裁判所所管歳出予算
の総額は三千二百十二億一千百万円でありまして、これを前年度当初
予算額
三千百七十七億円と比較いたしますと、差引き三十五億八百万円の増加となっております。 次に、
平成
三十年度
歳出予算
のうち、主な
事項
について御説明申し上げます。 まず、
人的機構
の
充実
、すなわち裁判官、書記官及び
事務官
の
増員等
であります。 かねてより
裁判所
の
体制
の
充実強化
が求められている中で、複雑困難化する
民事訴
訟
事件
の審理
充実
、成年後見
関係
事件
を始めとする
家庭
事件
処理の
充実強化等
のため、裁判官は判事補からの振替二十五人を含め判事五十人、書記官は
速記
官からの振替二人を含め十九人、
事務官
は十八人、合計八十七人の
増員
をすることとしております。 他方、
政府
の
定員合理化
計画
への
協力
として七十人の減員をすることとしておりますので、差引き十人の純減となります。 次に、
司法
の
体制
の
充実強化
に必要な
経費
であります。 まず、裁判事務処理態勢の
充実
を図るため百三十五億九千七百万円を計上しております。 その
内容
について申し上げますと、第一に、民事
事件
関係経費
として三十二億円を計上しております。この中には、民事調停
委員
手当、専門
委員
手当、労働審判員関連
経費
等が含まれております。 第二に、刑事
事件
関係経費
として四十億二千六百万円を計上しております。この中には、裁判員
制度
関連
経費
、心神喪失者等医療観察
事件
関連
経費
等が含まれております。 第三に、
家庭
事件
関係経費
として六十三億七千百万円を計上しております。この中には、家事調停
委員
手当等が含まれております。 また、庁舎の耐震化等のための
経費
として百五十三億九千二百万円を計上しております。 以上が
平成
三十年度
裁判所所管歳出予算
の
概要
でございます。 よろしく御
審議
のほどお願い申し上げます。
石川博崇
11
○
委員長
(
石川博崇
君) 以上で
法務大臣
の所信並びに
平成
三十年度
法務省
及び
裁判所関係予算
の説明聴取は終了いたしました。
法務大臣
の所信に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時三十三分散会