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2018-04-17 第196回国会 参議院 文教科学委員会 第6号
公式Web版
会議録情報
0
平成
三十年四月十七日(火曜日) 午前十時開会 ─────────────
委員
の
異動
四月十日
辞任
補欠選任
小野田紀美
君 林
芳正
君 四月十一日
辞任
補欠選任
林
芳正
君
小野田紀美
君 四月十六日
辞任
補欠選任
小野田紀美
君
福岡
資麿
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
高階恵美子
君 理 事
上野
通子
君
大野
泰正
君
神本美恵子
君
吉良よし子
君 委 員 赤池
誠章
君 石井
浩郎
君
今井絵理子
君 衛藤 晟一君 橋本 聖子君
福岡
資麿
君 水落 敏栄君
大島九州男
君 宮沢 由佳君
佐々木さやか
君 新妻
秀規
君
高木かおり
君
木戸口英司
君 蓮 舫君
松沢
成文
君
発議者
福岡
資麿
君
発議者
松沢
成文
君
委員
以外の
議員
発議者
山本
博司
君
発議者
中山
恭子
君
国務大臣
文部科学大臣
林
芳正
君
事務局側
常任委員会専門
員 戸田 浩史君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
障害者
による
文化芸術活動
の
推進
に関する
法律
案(
大野泰正
君外八名
発議
) ○
国際文化交流
の
祭典
の
実施
の
推進
に関する
法律
案(
上野通子
君外九名
発議
) ─────────────
高階恵美子
1
○
委員長
(
高階恵美子
君) ただいまから
文教科学委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御報告いたします。 昨日、
小野田紀美
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
福岡資麿
君が選任されました。 ─────────────
高階恵美子
2
○
委員長
(
高階恵美子
君)
障害者
による
文化芸術活動
の
推進
に関する
法律案
及び
国際文化交流
の
祭典
の
実施
の
推進
に関する
法律案
の両案を一括して
議題
といたします。 まず、
障害者
による
文化芸術活動
の
推進
に関する
法律案
について、
発議者山本博司
君から
趣旨説明
を聴取いたします。
山本博司
君。
山本博司
3
○
委員
以外の
議員
(
山本博司
君) ただいま
議題
となりました
障害者
による
文化芸術活動
の
推進
に関する
法律案
につきまして、
発議者
を代表して、その
提案
の
趣旨
及び
内容
の
概要
を御
説明
申し上げます。
文化芸術
を
創造
し、享受することは、
障害
の
有無
にかかわらず、
人々
の生まれながらの
権利
であります。
文化芸術
は、
人々
の心に直接的に訴えることにより、
障害
の
有無
による分け隔てなく、深い共感や
相互理解
をもたらすものであります。 近年、
文化芸術
の分野においては、
アールブリュット
、生の
芸術等
の
呼称
で、専門的な
教育
に基づかずに
人々
が本来有する
創造性
が発揮された
作品
が注目されてきております。既成の概念にとらわれないこれらの
作品
の特性は、
文化芸術
の
発展
に寄与しておりますが、その
中心
となっているものは
障害者
による
芸術作品
であり、とりわけ、
我が国
の
障害者
による
作品
は、国際的にも高い
評価
を得ております。 現在、
平成
三十二年の
東京オリンピック競技大会
・
東京パラリンピック競技大会
に向けて、
文化プログラム
が
実施
されておりますが、両
大会
の
開催
を
契機
として
障害者
による
文化芸術活動
の
推進
に関する機運を高めていくことが重要であります。 本
法律案
は、このような
視点
に立ち、
文化芸術基本法
及び
障害者基本法
の
基本
的な
理念
にのっとり、将来にわたって
障害者
による
文化芸術活動
の
推進
に関する
施策
を総合的かつ
計画
的に
推進
し、もって
文化芸術活動
を通じた
障害者
の個性と
能力
の発揮及び
社会参加
の
促進
を図ろうとするものであります。 以下、本
法律案
の主な
内容
につきまして御
説明
申し上げます。 第一に、
基本理念
として、
障害者
による
文化芸術活動
の
推進
は、
文化芸術
の
鑑賞等
を含め
障害者
による
文化芸術活動
を幅広く
促進
すること、
障害者
による
芸術
上
価値
が高い
作品等
の
創造
に対する
支援
を強化すること、住民が心豊かに暮らすことのできる住みよい
地域社会
の
実現
に寄与することを旨として行われなければならないこと等を定めております。 第二に、
障害者
による
文化芸術活動
の
推進
に関する国及び
地方公共団体
の
責務
を明らかにするとともに、
政府
は、必要な
財政
上の
措置
その他の
措置
を講じなければならないとしております。 第三に、
文部科学大臣
及び
厚生労働大臣
は、
障害者
による
文化芸術活動
の
推進
に関する
施策
の総合的かつ
計画
的な
推進
を図るため、
基本計画
を定めなければならないとするとともに、
地方公共団体
は、
基本計画
を勘案して、
当該地方公共団体
における
計画
を定めるよう努めなければならないとしております。 第四に、
基本的施策
として、国及び
地方公共団体
は、
障害者
による
文化芸術活動
に関し、
文化芸術
の
鑑賞
及び
創造
の
機会
の拡大、
文化芸術作品等
の
発表
の
機会
の
確保
、
芸術
上
価値
が高い
作品等
の
評価
及び
販売等
に係る
支援
、
権利保護
の
推進等
の必要な
施策
を講ずるものとしております。 第五に、
政府
は、
文化
庁、
厚生労働省
、
経済産業省
その他の
関係行政機関
の職員をもって構成する
障害者文化芸術活動推進会議
を設け、
障害者
による
文化芸術活動
の
推進
に関する
施策
の総合的かつ効果的な
推進
を図るための
連絡調整
を行うものとすること等を定めております。 以上が本
法律案
の
提案
の
趣旨
及び
内容
の
概要
であります。 何とぞ、御
審議
の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
高階恵美子
4
○
委員長
(
高階恵美子
君) 次に、
国際文化交流
の
祭典
の
実施
の
推進
に関する
法律案
について、
発議者松沢成文
君から
趣旨説明
を聴取いたします。
松沢成文
君。
松沢成文
5
○
松沢成文
君 ただいま
議題
となりました
国際文化交流
の
祭典
の
実施
の
推進
に関する
法律案
につきまして、
発議者
を代表して、その
提案
の
趣旨
及び
内容
の
概要
を御
説明
申し上げます。 現在、
世界
には、美術の
オリンピック
とも称される
ベネチア
・
ビエンナーレ
に代表されるように、国際的に大きな
影響力
を有する
文化芸術
の
祭典
があります。
我が国
においても、そのような
世界レベル
の
国際文化交流
の
祭典
を
実施
していくことは、
世界
の
文化芸術
の
発展
に貢献するものであり、
国内
の
文化政策
の
観点
に加え、
我が国
の
国際的地位
の
向上等
の
観点
からも重要な
課題
となっております。 また、近年、
日本各地
において、
地域
の歴史や
風土等
を生かした各種の
国際文化交流
の
祭典
が
実施
されており、これらは活力ある
地域社会
の
実現
にもつながるものであります。 本
法律案
は、このような
視点
に立ち、
国際文化交流
の
祭典
の
実施
を
推進
するために必要な
事項
を定めようとするものであります。 以下、本
法律案
の主な
内容
につきまして御
説明
申し上げます。 第一に、
基本理念
として、
国際文化交流
の
祭典
の
実施
の
推進
について、
国際文化交流
の場の提供により
我が国
に対する諸
外国
の
理解
の
増進等
を図ること、
世界レベル
の
祭典
の
実施
を目指すこと、
全国各地
において多彩な
祭典
が
実施
されるようにすること等を定めております。 第二に、
国際文化交流
の
祭典
の
実施
の
推進
に関する国及び
地方公共団体
の
責務
を明らかにするとともに、
政府
は、必要な
財政
上、
税制
上の
措置等
を講じなければならないとしております。 第三に、
政府
は、
国際文化交流
の
祭典
の
実施
の
推進
に関する
施策
を総合的かつ
計画
的に
推進
するため、
基本計画
を定めなければならないとしております。 第四に、
基本的施策
として、国は、
世界レベル
の
祭典
及びこれを目指す大
規模
な
祭典
について、継続的かつ安定的な
実施
、国際的な
評価
の確立及び
向上等
に必要な
施策
を講ずるとともに、
地域
の
祭典
を含む幅広い
国際文化交流
の
祭典
について、その
企画等
に関し
専門的能力
を有する者の
確保
、
祭典
の
実施
の
支援等
に必要な
施策
を講ずるものとしております。また、
地方公共団体
においても、国の
施策
を勘案し、
地域
の実情に応じた
施策
を講ずるものとしております。 第五に、
政府
は、
文部科学省
、
外務省
、
経済産業省
、
国土交通省等
の
関係行政機関相互
の
調整
を行うことにより、
国際文化交流
の
祭典
の
実施
の総合的、効果的かつ効率的な
推進
を図るため、
国際文化交流
の
祭典推進会議
を設けるものとしております。 以上が本
法律案
の
提案
の
趣旨
及び
内容
の
概要
であります。 何とぞ、御
審議
の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
高階恵美子
6
○
委員長
(
高階恵美子
君) 以上で両案の
趣旨説明
の聴取は終わりました。 これより両案について
質疑
に入ります。
質疑
のある方は順次御
発言
願います。
吉良よし子
7
○
吉良よし子
君
日本共産党
の
吉良よし子
です。 先ほどの
理事会
では報告ありませんで、後でということですけれども、
質問
に先立って一言申し上げたいと思うんです。
加計学園
に関わる新たな文書について、
報道
では、
文科省
においては確認できなかった、その一方で、今治市の
官邸訪問
については知っていた旨の
報道
がありました。これ、事実とすれば重大な事実です。 また、辞職して一年以上たつ前
事務次官
の
出会い系バー通い
について一方的な
報道
に基づき執拗な調査を行った
文科省
の対応、この間問題になっている、一方で、現職の
財務事務次官
がセクハラをした若しくは女性の接客する店で
言葉遊び
をしていても不問に付している。
安倍政権
のこの
政治姿勢
というのは本当に異常としか言いようがない
事態
だと思います。 こうした様々な問題の
真相究明
、事実を明らかにする必要がある、本
委員会
でもそのような場をしっかり持っていただくことを強く要求いたしまして、
法案
の
質疑
に移りたいと思います。 まず、両
法案
に関わって、両
法案
を所管することとなる
文科大臣
に伺います。 二
法案
が提出された
背景
には、諸
外国
に比して少な過ぎる
文化予算
の下では
文化芸術活動
を思うように
推進
できないという
文化芸術
に携わる
人々
の共通の
認識
があるように思います。
文化芸術基本法
の
質疑
の際に私は、この
予算規模
を思い切って
増額
すべきとただしたのに対して、当時の
松野文科大臣
は、
趣旨
を踏まえ、
文化芸術振興
のための
予算
の
充実
に努力をしてまいりたいと
答弁
をされました。しかし、今年度の
文化予算
については一千億円台の微増にとどまっている状況です。
文化芸術活動
の裾野を広げるためには、やはりそれではなくて、抜本的にこの
予算
、
増額
することが必要と
考え
ますが、
大臣
、いかがでしょうか。
林芳正
8
○
国務大臣
(
林芳正
君)
文化芸術施策
の
推進
に当たりましては多様な
文化芸術
の
保護
、
発展
が図られる必要がございまして、
我が国
の
文化芸術
を
振興
するために、
芸術家等
の人材の育成、また広く
国民
に開かれた
参加
、
鑑賞機会
の
充実
、
地域
、
学校等
での
文化活動
の
充実
、
文化関係機関
への
支援
、観光、
まちづくり
、
国際交流
、福祉、
産業等
との
連携
など、関連する
施策
を国、
地方
、民間などとともに総合的かつ
計画
的に
推進
していく必要があると
考え
ております。このため、
文化芸術基本法
では、
政府
は、
文化芸術施策
の
実施
に必要な法制上、
財政
上又は
税制
上の
措置
を講じていくように求められておるところでございます。
文部科学省
としては、今後とも
文化芸術
の
振興
に必要な
予算
の
確保
に努めてまいりたいと思っております。
吉良よし子
9
○
吉良よし子
君 努めてまいりたいということですけれども、抜本的な
増額
を改めて要求したいと思います。 そして、もう
一つ確認
をしておきたいと思います。
文化芸術
を進める基盤となるのが
芸術家
の
自主性
、そして
表現
の自由の
尊重
だと思います。どのような
発表
の場であっても、誰であっても、不当な理由でそうした自由を侵害されたり、
芸術家
の
自主性
が奪われるようなことはあってはならないですし、時の
政権
の
意向
に沿ったような方が
支援
を受けられるのではと、
意向
をそんたくして
創作活動
を萎縮させるようなことはあってはならないと
考え
ますが、その点、
大臣
のお
考え
を伺いたいと思います。
林芳正
10
○
国務大臣
(
林芳正
君)
文化芸術活動
におきまして
表現
の自由は極めて重要であり、
我が国
の
憲法
第二十一条で保障されている
権利
でございます。 昨年六月に
改正
されました
文化芸術基本法
においては、
改正
前においても
文化芸術活動
を行う者の
自主性
の
尊重
について繰り返し規定をされておりましたが、
改正
後は、「
文化芸術
の礎たる
表現
の自由の
重要性
を深く
認識
し、」という文言が新たに追加されるなど、改めてその
必要性
について明
文化
をされたところでございます。
文科省
としては、
障害者
の
文化芸術活動
や
国際文化交流
の
推進
に当たりまして、この
文化芸術基本法
の
理念
を踏まえて、
文化芸術活動
を行う者の
自主性
と
表現
の自由を十分に
尊重
した
施策
を
推進
してまいりたいと
考え
ております。
吉良よし子
11
○
吉良よし子
君
文化芸術
、
鑑賞
すること、
参加
すること、さらに、
創造
し、
発表
の場や
機会
が保障されることはもう本当に
国民
の
権利
です。
大臣
も極めて重要とおっしゃられましたけれども、その
芸術家
の
自主性
、
表現
の自由の
尊重
、また
予算
の抜本的な
増額
、改めて強く求めまして、次に、両
法案
の
提出者
に
法案
について伺っていきたいと思います。 まず、
障害者
による
文化芸術活動
の
推進
に関する
法案
についてでございます。
法案
の
基本理念
において、専門的な
教育
に基づかず
人々
が本来有する
創造性
が発揮された
作品
が高い
評価
を受け、その
中心
が
障害者
の
作品
であること等を踏まえ、
障害者
による
芸術
上
価値
が高い
作品等
の
創造
に対する
支援
を強化するとありますが、これだけ見ていると、
芸術
上
価値
が高い
作品等
だけを
支援
するというふうに読めなくもない部分があると思います。 しかし、私は、
価値
の高低にかかわらず、全ての
障害者
の
文化芸術活動
を
支援
することが必要と
考え
ますが、本
法案
もそうした
立場
という
理解
でよろしいかどうか、御
説明
をよろしくお願いします。
山本博司
12
○
委員
以外の
議員
(
山本博司
君)
吉良委員
にお答え申し上げたいと思います。 今回の、
芸術
上の
価値
が高くなければ
支援
がなされないのではないか、こういう御
懸念
についての御
質問
をいただいたものと思いますけれども、この
法案
は、まず
基本理念
の第一に、
芸術
上の
価値
を問わず、
障害者
の
方々
の
文化芸術活動
について幅広く
促進
することをまず掲げております。これは、
文化芸術
を
創造
し享受することが
人々
の生まれながらの
権利
であることを鑑みたものでございます。これに加えて、この
法案
では、
芸術
上
価値
が高い
作品等
について定め、優れた才能の更なる飛躍に向けた
支援
も行うという
仕組み
としておりまして、両方の
観点
から
支援
を定めているわけでございます。 御
指摘
の
芸術
上
価値
の高い
作品等
について規定しておりますのは、近年、
アールブリュット
などの
呼称
で
障害者
の
方々
の
作品
が優れた
作品
として高い
評価
を受けるようになっているにもかかわらず、そうした
作品等
についての
支援
が十分ではなく、それらが世に出ないままとなっていることや、また、
販売
、
公演等
の
事業化
が円滑に進んでいない、こういった
課題
があることがございますので、特にそれに対応する必要があったからでございます。 この
法案
を
契機
として、全ての
障害者
の
文化芸術活動
の
推進
について一層の
充実
を図ることが重要であると
考え
ております。
吉良よし子
13
○
吉良よし子
君 幅広く
支援
するのが
基本
であり、また全ての
障害者
の
芸術活動
を
推進
するというお
立場
だということでした。 その上で、
障害者
の
文化芸術
に関する
理解
や
作品
の
評価
などについて、
国内
においては途上であることを鑑みれば、
支援
、広く行っていくというのは大事だと思いますし、
作品等
というところについてなのですが、そこには
実演芸術
も含まれるべきと
考え
ますが、その点についての
提案者
のお
考え
をお聞かせください。
福岡資麿
14
○
福岡資麿
君
委員
御
指摘
の幅広く
支援
することの
重要性
については、
発議者
としても同じ
認識
でございます。 その上で、
基本理念
の第一として、
文化芸術活動
を幅広く
促進
することを掲げておりますが、その
促進
の
対象
は、
文化芸術基本法
の
文化芸術活動全般
となっておりまして、御
指摘
の
実演芸術
に関する
活動
も含まれるというふうに思っております。 また、御
指摘
のように、
作品等
という
表現
がございますが、この等を付けることによりまして、演奏や
公演
などの
実演
が含まれるものというふうに
考え
ております。
文化芸術
の
創造
の様態は様々なものがありますから、その全てを例示することは難しいことからこのような
表現
とさせていただいているところでございます。
吉良よし子
15
○
吉良よし子
君 改めて、幅広いものであり、
実演
も含まれるという御
答弁
でした。大事だと思っております。 それでは、次に、
国際文化交流
の
祭典
の
実施
の
推進
に関する
法案
について伺いたいと思います。 まず、本
法案
の立法に至った
背景
についてお聞きしたいと思います。昨年は、
全会一致
で成立した
文化芸術基本法
第十五条には、国は、
文化芸術
に係る国際的な
交流
及び貢献の
推進
を図ることにより、
我が国
及び
世界
の
文化芸術活動
の
発展
を図るため、
文化芸術活動
を行う者の国際的な
交流
及び
芸術祭
その他の
文化芸術
に係る国際的な催しの
開催
又はこれへの
参加
など、必要な
施策
を講ずるとされております。 これでも一定こうした
国際文化交流
の
祭典
の
実施
というのは担保されていると思いますが、これだけでは不十分とお
考え
なのか、その点についてお聞かせください。
中山恭子
16
○
委員
以外の
議員
(
中山恭子
君)
発議者
を代表してお答えいたします。
文化芸術基本法
は、
吉良先生
御
指摘
のとおり、昨年六月に
改正
され、第十五条に
文化芸術
の
国際的交流
として
芸術祭等
について国が必要な
施策
を講ずることが定められました。今回の
法案
はその
趣旨
を
実行
に移すことを目指したものでございます。
ベネチア
・
ビエンナーレ
に代表される伝統ある
世界レベル
の
祭典
と肩を並べるような大
規模
な
文化
の
祭典
を
我が国
で
開催
するには、その
祭典
が継続的に
実施
されること、また安定的に
実施
されることが重要でございます。そのためには、
法律
をもって
世界レベル
の
祭典
の
実施
を目指す
方針等
を示し、その
内容
の
充実
を図り、そしてその
継続性
、
安定性
を担保することが不可欠でございます。 また、
国際文化交流
の
祭典
の
実施
の
推進
は、
文化芸術
の
振興
だけでなく、
国際相互理解
の
増進
、
我が国
の
国際的地位
の
向上
といった面でも大きく貢献すると
考え
られます。特に、
世界レベル
の
祭典
の
実施
のためには、
海外
の情報の収集や
海外
への
発信力
の
強化等
が求められます。そうした
観点
から、
外務省
を共管とすることが必要です。さらに、
経済産業省
、
国土交通省
、
総務省等
の
関連施策
との
連携
も大切になってまいります。こうした点を
実現
するためには、
文化芸術基本法
第十五条の定めに加え、この
法案
が必要であると
考え
ております。 現在、二〇二〇年の
東京オリンピック
・
パラリンピック
に向けた
文化プログラム
が進められているところでございますが、
オリンピック
・
パラリンピック
の後も
日本
において
国際文化交流
の
祭典
が
各地
で
開催
されることは好ましいことであり、そのためにも早期に
法律
を整備する必要があると
考え
ております。
吉良よし子
17
○
吉良よし子
君 十五条の
趣旨
を
実行
に移すためということでございました。 もう一つ伺いたいのですけれども、先ほど
大臣
から、
芸術家
の
自主性
、
表現
の自由の
尊重
は極めて大事だという御
答弁
もありましたが、本
法案
においても上からの
押し付け
というのはあってはならないと思います。
芸術家
らの
自主性
の
尊重
、
表現
の自由、最大限
尊重
すべきと思いますが、その点いかがでしょうか。
中山恭子
18
○
委員
以外の
議員
(
中山恭子
君) 私の思いといたしまして、
文化芸術
への不当な
関与
はあってはならないと
考え
ております。また、国による
文化芸術
の
内容
への干渉は、かえって
文化芸術
の質の低下につながるとさえ
考え
ております。 この
法案
は、
文化芸術基本法
の体系の中に位置付けられるものであり、
表現
の自由を重視し、
文化芸術活動
を行う者の
自主性
を
尊重
する
文化芸術基本法
の
基本理念
はこの
法案
にも当然に及ぶところでございます。したがいまして、
自主性
や
表現
の自由の
尊重
に
十分配慮
をしつつ、この
法案
の運用がなされるべきであると
考え
ております。
法案
の
基本的施策
では、
文化芸術
の
内容
に踏み込まず、
祭典
の
実施
を
推進
するための言わば
環境整備
としての項目を定めているところでございます。
吉良よし子
19
○
吉良よし子
君
自主性
、自由は最大限
尊重
すべきということでしたけれども、その
仕組み
が本
法案
だということですが、ここでやはり
一つ懸念
があるのが、本
法案
は
政府
の
閣議決定
により
基本方針
と
推進基本計画
を定めて大
規模
な
国際文化交流祭典
の
実施
を
推進
するものと、つまり、
閣議決定
される
基本計画
が時々の
政策
によって左右されて
推進
される
対象
が変わってしまうのではないかという
懸念
があるわけですが、その点いかがでしょうか。ちょっと簡潔にお願いいたします。
中山恭子
20
○
委員
以外の
議員
(
中山恭子
君) 時の
政府
の
考え
により
推進対象
が変わるのではないかとの御
懸念
につきましては、そのような国による
文化芸術
への不当な
関与
はあってはならないことであると
考え
ております。 この
法案
の第八条におきまして、大
規模祭典
の継続的かつ安定的な
実施
を図るため、
企画等
に関し
専門的能力
を有する者の継続的な
確保
、
公演
、
展示等
を行う施設の
確保
、
海外
の
芸術家
を円滑に受け入れることができる体制の
整備等
を行えるよう必要な
施策
を講ずるものとしております。
吉良よし子
21
○
吉良よし子
君 そうならないようにということではございますけれども、ただ、やはり私、
法案
を読んでいると、それだけでは
推進
する
対象
が
法案
で明確になっていない、その時点でやはり時の
政権
の恣意的な判断や
政策
が
文化芸術
の場に持ち込まれかねない、そういう
懸念
は払拭できないと思うんですね。
文化行政
については、戦後、
憲法
の下、国は金を出しても口を出さないことが原則だったはずですが、本
法案
が時の
政権
によって場合によっては悪用され、金も口も出す
事態
にならないとも限らないその
懸念
が払拭できない以上、ちょっとこの
法案
には
賛成
しかねるという
意見
を申し上げたいと思います。
高階恵美子
22
○
委員長
(
高階恵美子
君) お時間が参っておりますので、おまとめください。
吉良よし子
23
○
吉良よし子
君 また、なお、
障害者
の
文化芸術活動
の
推進
に関する
法案
については
賛成
することを述べまして、
質問
を終わらせていただきます。 済みません。ありがとうございました。
高階恵美子
24
○
委員長
(
高階恵美子
君) 他に御
発言
もないようですから、両案に対する
質疑
は終局したものと認めます。 これより両案について討論に入ります。──別に御
意見
もないようですから、これより直ちに
採決
に入ります。 まず、
障害者
による
文化芸術活動
の
推進
に関する
法律案
について
採決
を行います。
本案
に
賛成
の方の
挙手
を願います。 〔
賛成者挙手
〕
高階恵美子
25
○
委員長
(
高階恵美子
君)
全会一致
と認めます。よって、
本案
は
全会一致
をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、
大島九州男
君から
発言
を求められておりますので、これを許します。
大島九州男
君。
大島九州男
26
○
大島九州男
君 私は、ただいま可決されました
障害者
による
文化芸術活動
の
推進
に関する
法律案
に対し、自由民主党・こころ、民進党・新緑風会、公明党、
日本維新
の会、
希望
の会(自由・社民)、
立憲民主党
及び
希望
の党の
各派共同提案
による
附帯決議案
を提出いたします。 案文を朗読いたします。
障害者
による
文化芸術活動
の
推進
に関する
法律案
に対する
附帯決議
(案)
政府
及び
関係者
は、本法の施行に当たり、次の
事項
について特段の配慮をすべきである。 一、
基本計画
の策定に当たっては、
国民
の果たすべき役割についても定めること。 二、
障害
の特性に応じた
文化芸術
を
鑑賞
しやすい環境の整備の
促進
に関する
施策
の一環として、
障害者
の
鑑賞
のために
文化芸術
の
作品等
に係る複製、提供等を行う事業の円滑化を図るため、著作権制度等について所要の検討を行うこと。 三、この
法律
で定める
施策
を講ずるに当たっては、
障害者
の
作品等
の
評価
に際し、既存の
価値
観にとらわれず、幅広い
作品等
の
価値
が認められるようにするとともに、その
評価
によって分断や差別が生ずることのないよう十分留意すること。 四、
障害者
文化芸術活動
推進
有識者
会議
の構成員には、
障害者
による
文化芸術活動
を
支援
する団体の
関係者
や
文化芸術活動
を行う
障害者
本人が含まれるようにすること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ
委員
各位の御賛同をお願い申し上げます。
高階恵美子
27
○
委員長
(
高階恵美子
君) ただいま大島君から提出されました
附帯決議案
を
議題
とし、
採決
を行います。 本
附帯決議案
に
賛成
の方の
挙手
を願います。 〔
賛成者挙手
〕
高階恵美子
28
○
委員長
(
高階恵美子
君) 多数と認めます。よって、大島君提出の
附帯決議案
は多数をもって本
委員会
の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、林
文部科学大臣
から
発言
を求められておりますので、この際、これを許します。林
文部科学大臣
。
林芳正
29
○
国務大臣
(
林芳正
君) ただいまの御決議につきましては、その御
趣旨
に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
高階恵美子
30
○
委員長
(
高階恵美子
君) 次に、
国際文化交流
の
祭典
の
実施
の
推進
に関する
法律案
について
採決
を行います。
本案
に
賛成
の方の
挙手
を願います。 〔
賛成者挙手
〕
高階恵美子
31
○
委員長
(
高階恵美子
君) 多数と認めます。よって、
本案
は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
高階恵美子
32
○
委員長
(
高階恵美子
君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時二十八分散会