○徳永エリ君 ありがとうございます。
トラックから船舶へのモーダルシフトという話でありましたけれども、じゃ、船舶が出発したり戻ってきたり、港まで何が運ぶのかということでありますが、トラックだけではなくて、やはり鉄道貨物というのが非常に重要ですし、数年前からそのトラック不足を受けて、
農業者の
方々あるいは農協の
皆さんからも、やっぱり鉄道貨物、これをもう少し見直してもらいたいと、力を入れていただきたいという声を多くいただいておりました。
そんな中で、JR北海道でありますが、十路線十三線区、これが見直しを検討されていると。上下分離あるいは廃止も含めたバス転換ということで、一昨年から、JR北海道会社と、それから
関係自治体と協議をしてまいりました。今年に入ってからは、国、そして北海道、そしてJR北海道ということで三者協議も行われております。どうも夏頃までには一定の
方向性が決まるということでありまして、もう時間がないので、正直大変危機感を持って、私としては焦っております。
道民の生活、それから北海道は観光インバウンドもどんどん増えておりますので、これから観光の可能性という
意味でも、非常にこの鉄路を維持することは重要だと思いますが、単独では維持が困難とされている線区の中には、北海道から全国に農
水産物を運ぶ物流にとって大変に重要な線区が含まれております。何としてでもこの線区を維持しなければ、近い将来、北海道には確実に物流の危機が訪れると思っております。このことを是非とも
大臣や与党の
先生方にも御
理解をいただいて御
支援をいただきたいということでこの問題を取り上げさせていただきました。
配付した資料を御覧いただきたいと思います。北海道発着の貨物についてという資料でございますが、ここにタマネギとバレイショがあります。タマネギは
生産量、北海道は全国シェアの約七割です。バレイショ、ジャガイモは全国シェアの
生産量約八割。タマネギは鉄道貨物で六二%運ばれています、二十二万トン。そしてバレイショ、ジャガイモは三八%、十一万トンが鉄道貨物で全国に運ばれているということであります。
北海道から全国に運ばれる農産物の月平均出荷量は八十九万三千トンということであります。
こういう中でなぜ物流の危機が起きているのかということでありますけれども、まず、先ほども申し上げましたけれども、ドライバーが不足している。宅配に取られて、長距離を走るドライバーがいない。
平成二十六年の安全規制強化によって片道四時間半の壁というものもできました。運賃負担の増加。
それから二つ目は、地方空港では取り扱えない航空貨物があるんですね。これは、地方空港から飛ぶ利用者の
方々が非常に少なくなっているということで、航空機が小型化しています。そのことによって、座席数二百人以下といった小さな航空機ですので、大きな航空貨物が運べないという
現実があります。
それから、異常気象。これ異常気象というよりも、もう北海道には秋になったら
台風は上陸するものだと思っています。ここ数年続いています。この異常気象、
台風や局地的な豪雨によって交通網の寸断、国道の不通などが起きているということです。
それから、厳しくなるJR貨物による輸送ということでありますけれども、先ほど申し上げました路線維持問題、それから青函トンネル内の擦れ違いですよね、スピードを落としたりしていますけれども、これから新幹線が札幌まで延伸ということになりますと、この鉄道貨物の減便が迫られると、そういう可能性があるんですね。こういったことを考えてフェリーによる代替ということもあるんでしょうけれども、フェリーによる代替をするためにも、先ほど申し上げましたように、まずは港まで運ばなければいけないということであります。
次の資料を御覧いただきたいと思いますが、北海道の地図、これが今、維持困難線区と言われているところ、書かれておりますけれども、この赤いところと黄色いところが今まさに見直しの対象になっているところであります。この見直しの対象になっているところにこの物流にとって大変に重要な線区が含まれているということで、ここから釧路港とかそれから苫小牧港、あるいは室蘭港といったところに北海道の農
水産物が運ばれるということであります。
この
一つが石北線の新旭川—北見間、それから根室線の滝川—富良野間、室蘭線の沼ノ端—岩見沢の三区間であります。ここでタマネギとかそれからジャガイモとか、もう全国シェアの非常に高い農産物を運んでいるわけでありますけれども、この三区間が廃止になったら、農産物は札幌までトラックで運んでそこから鉄道輸送することになるので、輸送時間が長くなって運賃も高くなるんですね。先ほど申し上げましたように、出来秋に
台風が上陸して国道などが不通になれば、農産物を運べず腐らせてしまいかねないということであります。
リスクを回避していかなければならないということなんですけれども、どうやって回避するかということなんですが、例えば港に近いところ、あるいは室蘭、港のエリアもそうなんですけど、広い土地があるんですね。そこに巨大な備蓄倉庫を建てると。自然エネルギー、雪氷冷熱エネルギーなどを使ってコストを削減していくと。タマネギとかカボチャとか、それからジャガイモ、こういったものをその雪氷冷熱エネルギーで備蓄すると
糖度が増すということで、
付加価値が上がるんですね。そうするとブランド化ということもできるわけであります。
もう
一つ資料を御覧いただきたいんですけれども、実は、これ東京市場における月別の産地別入荷
状況でありますけれども、北海道産が出回っているのはほとんど出来秋なんですよね。北海道産が出回る秋の頃は平均価格は低いんですよ。カボチャなんか見ていただくと顕著なんですけれども、もう秋の出来秋に北海道産が集中的に出回っていて、輸入物に代わる時期が値段が上がっているんです。北海道産が低くて、逆に輸入物が値段が高いという
状況なんですね。これを備蓄することによって、年間を通して平準化をして全国に出荷していけば価格ももう少し上げられるし、本州の
皆さんもほかの
地域の
方々も年間を通して北海道産の農作物を買うことができると、こういうことになるんだと思うんですね。
こういった展望を考えても、鉄道貨物の
需要というのは非常に大きいと思っておりますので、夏までの方針、本当に時間がありません、是非とも
農林水産大臣にもお力を借りたいと思っております。
この鉄道貨物、物流の危機ということに関して
国土交通省としてはどう考えているのか、北海道の鉄道貨物の重要性ということをどう受け止めておられるのか、お伺いしておきたいと思います。