○
山本太郎君 先ほどの資料の三の一なんですけれども、フィナンシャル・タイムズ、今年二月五日の記事、引用した赤の下線
部分、
PFIを導入するに至る自治体の理由ですけれども、自治体にとって、支払に役立つ
政府からの補助金があるということだ、つまり、ゆすりであり賄賂なのであると専門家が指摘している
部分です。
PFIに誘導するための施策として、
政府は補助金などを与え、自治体に事実上の賄賂を贈っていると批判している
内容です。
PFIの先進国である
イギリスでは、インセンティブとして
PFIクレジット、
PFI事業に限定される補助金というものが存在していたが、二〇一〇年に廃止された。
PFIを大きく進めるために国がニンジンをぶら下げる。この日本でも、
PFIにかじを切るよう自治体を誘導していますよね。
内閣府でも、
水道、
下水道を
対象として
PPP、
PFIの導入
可能性を調査するための補助金、
平成二十八年第二次補正予算で十三・九億出ている。
ほかにも、本法案附則四条にも似たようなニンジンがある。その
内容をかみ砕いて言うと、これまで自治体が
水道事業に関して国から借金していたお金がある、これを前倒しで返済されてしまうと元々の国に入る利息収入が減るから、その分の利息を考慮した補償金を払うペナルティーが存在していたと、ただ、
PFIで
コンセッションの仕組みを導入して
企業に
水道事業の運営権売っちゃえば、まとまったお金が運営権対価として入るから、それで一括返済すればいいじゃないのよと、ペナルティーなしにしてあげるからというものなんですよね。
内閣府になぜこれが必要かを聞いたら、先ほど
大臣も全く同じ
答弁されていました。
水道事業への
コンセッション方式の導入を
促進する観点、今後の横展開の呼び水となる先駆的
取組を支援するものと。全く隠していないんですよ。全力
PFI誘導キャンペーンなんですよね。
現在、上又は
下水道で
PFIを
検討している十二の自治体、既に
実施されているところもありますけどね、免除される補助金の額を仮に積み上げたら、最大で十五億円程度だといいます。借金が億単位で免除される、確かにこれ、地方にとってはすごく有り難いというか魅力的な話じゃないですか。これからも、恐らく、期限の間までに名のりを上げる自治体は増えるかもしれません、増えそうですよね。
政府は、ほかにも地方に
PFIを導入させる包囲網として、二〇一五年十二月に優先的
検討規程の策定要請に関しての通知を地方自治体に送りました。全ての自治体に、
水道事業に限らず、おまえたちのどんな
事業に
民間企業をかませられるかちゃんと調べろ、考えろということの入口なんですよね。
内閣府は、自治体が
PPP、
PFIの導入を優先的に
検討しているかどうか
実施状況を調査、その結果もネットで公表される仕組み。自治体が
検討した結果、
PPP、
PFIを導入しない場合には、その旨及び
評価の
内容をネット上で公表しなければならず、国の方針に忠実に従っているか外部から
検証が可能になる。このような、ネットでさらしものになる、ネットでさらしものにするというやり方、自治体の主体的な
行政運営に圧力掛けていると言えませんかね。私、それ以外の何物でもないと思うんですけど。
これらと並行して
政府が自治体に求めたことは、
コンセッションに色気を持つ
企業側が数々の自治体の
PFI推進への意欲や公共施設、所在地、施設面積、建設年度、老朽化度など一目でチェックできるように、
公共施設等総合管理計画と一緒に
民間事業者向けの不動産カタログに当たる固定資産台帳の作成をさせた、二〇一四年四月から二〇一六年度末までの間の出来事。それに掛かる費用は特別交付税措置などでインセンティブを与えていた。
PPP、
PFIアクションプランの
平成二十九年
改定版では、公的不動産への
活用への
民間事業者への参画を促す環境の整備を進めると記載。おかしくないですか、これ、
内容変わっていませんかという話なんですよ。つまり、建前は長期的な視点に立って公共施設をマネジメントしましょうと言っていたはずが、しかし、本音は、
PFI推進を図る観点からどの施設が
民間企業にとっておいしい
PFIの
事業対象になり得るか、その整理でしかなかったってよく分かる話じゃないですか。
内閣府は、
コンセッション導入後、資金調達の責任を負うのは自治体ではなく一般的には
事業者との見解。運営権に抵当権を設定することや運営権の移転も許されているのが
コンセッション。つまり、運営権を担保に資金調達ができる。SPCに入らない第三者である金融機関が
コンセッションの運転資金を融資する
ケースは当然考えられますよね。第三者からお金を借りるということ、十分あり得ますよ。
もし運営側の資金が焦げ付いた場合どうなるんですかって。融資する側に最悪は最終的には運営権持っていかれる
可能性ないですか。その場合、議会の議決が必要になるんですよって言われるんですけど、でも、
水道という絶対に欠くことができないサービス、途中で止めるわけいかないじゃないですか。ということは、議会もこれ承諾、承認せざるを得ない状況になっていくんじゃないですかって。歯止めになっていませんよねって。
生存権にひも付けて守られてきた
水道を、このような状況に陥ることも予測される抵当権とつなげるなど愚の骨頂、命に関わる事柄を金融商品として扱わせるなと言いたい。
民間と組むというのはそういうことなんだよ、そう言うならば、命に関わるインフラは
コンセッションにするべきではなく、国が、自治体が責任を持って運営するというだけの話なんですよ、シンプルな話なんですよ。
企業側に新しいビジネスチャンスを差し上げるために、世界で既に失敗と認められる施策を今更もう一度この国で採用することなど、
国民への背信でしかないじゃないですか。人々が生きる上で絶対的に必要な水を自ら危険にさらすリスクを上げるなんてあり得ません。これ以上国を壊すような施策を進めるのはやめていただきたい。聞こえていますか、竹中平蔵さんという話になっていくんですけどね。
官業の
民間開放、雇用流動化というビジネスチャンス、御自身が会長を務める
企業やお仲間にとって、おいしい場面には必ず登場するミスターセイショウナゴン、永田町の政商ナンバーワン、日本をぶっ壊し続ける主犯格、都合のいいときは大学教授、国家戦略特区諮問会議
民間議員、そして、泣く子も黙るスイスのダボス会議、世界経済フォーラムの理事、オリックスの社外取締役でもある人材派遣会社パソナの会長。最近でも、大学教授を名のりNHKに出演。高度プロフェッショナル制度について、私は、これを適用する人が一%じゃなくて、もっともっと増えていかないと日本の経済は強くなっていかないと思っていると、利害関係者丸出しの御発言。ぶれない男。
第四次産業革命会合の議事要旨、
PFIについて竹中様の御発言、これを見てみると、
上下水道の直営での運営で様々な困難を抱えて困っているという自治体は確かにたくさんあると思いますので、そういう自治体を募って、海外での
事業実績や
事業ノウハウを持った
企業に診断をしてもらって、上げられそうな成果を診断
レポートとして示してもらうというモデル
事業を行ってはどうかと思うのですが、いかがでしょうなどと、どう
PFIに引きずり込むかの
提案に余念がない。というよりも、立場、会長ですよ。
委員の一人みたいな意見の
提案の仕方じゃないですか。
内閣委員会の
委員長、
委員長も、しっかりと
委員のみんなの議論を活発にさせるようなお立場をずっと守られているのに、これ、会長の立場でも
委員の立場みたいな、しっかりと意見言っている会長ですね、これ。
また、別の
部分では、会長としてのお願いとして、
是非とも
内閣府が調整役になって、国交省、厚労省、そして財政当局とともに相談しながら
検討をしていただけないかと思いますと省庁に要請するなど、
コンセッション推進に精力的に立ち回っておられる。
その竹中さん、二〇一七年十月、金融財政事情という雑誌で、
PFIは地元
企業による運営にこだわるべきではないと御発言。びっくりですね。
PFIの先行事例でよく批判されるのが、受注するのは地元の業者じゃないじゃないかという問題に、こだわるなと言ってのける竹中さん。
二〇〇九年に出版された
PFI神話の崩壊という本の中では、高知県の高知医療センターの
PFIの失敗事例が記されている。この病院の運営を行った
企業体、いわゆるSPCでは、あのオリックスが中心。問題になったのが、まさにこの地元
企業が関与できない、これ地域経済との関係でしたよね。
開始当初から、地元
企業の参入の余地がなくなるんじゃないかという懸念の声が県議会でも上がっていたんですけれども、実際に蓋を開けてみると、病院建設の受託
企業は県外
企業が五六・一%、建設後の運営についても、維持管理はオリックス系の
企業、医療関連サービスなどでも三菱系など、東京に本社がある大手
企業グループ中心に参入している。県内に本社があるのは四国医療サービスという
企業と喫茶店、理容店、自販機の一部のみ。ほかにも消耗品の調達で地元
企業対策を打ち出したんだけれども、納入業者は結局、経営危機のために県外業者に切り替えざるを得なかった。このように、SPCが入り、利益を確保しながら、より安く地元尊重を行うのは極めて難しかったということ。
過去事例で見ても、地元議会で心配されていたとおりの地元置き去り、大手
企業が地方の財を吸い取った挙げ句、
PFIが失敗したという例ですよね。それには目もくれず、お仲間の資本家のために規制改革と称する我田引水を堂々と主張される姿は、竹中さん、圧巻です。厚顔無恥、辞書で引けば竹中と出る時代まであと少し。
私、思うんですけど、このまま行ったら、この人を一日も早く永田町から出入り禁止にしないと、国富がどんどん切り売りされるような状況が進んでいくと思うんですけど、いかがお考えですか、
大臣。