○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻です。よろしくお願いいたします。
今の大門
委員の最後の
黒田総裁の御回答に、まず今日はちょっと出口戦略についてお聞きしたいんですけど、大門
委員の最後の質問に対する
黒田総裁の回答に、出口の方法、手段としては二つあるというような例示をされていました、等ということですね。
一つは日銀当座預金への付利
金利の引上げとそれからバランスシートの縮小、これを、二つ例示を挙げられたと思うんですが、私自身もこの参議院の
財政金融委員会でこれについてかなりお聞きしました。今までの感想としては、この方法では無理だなということですよね。
日銀当座
預金金利を上げるといっても、アメリカが今、FRBがやっている方法ですけれども、何度も申し上げますけれども、FRBの方は保有している国債が、大量に買っている国債が利回りが三%ぐらいあると、国債並びにモーゲージバックセキュリティーの利回りが三%ある。だから、
収入がたくさんあるから負債である支払の方のFRB当座預金に
金利を払っても十分バッファーあるけれども、日銀の場合には大量に今買っている国債が平均〇・三を割るか割らないかという
状況ですから、
収入が少ない、今一兆二千億ぐらいだと思いますけれども。それが日銀当座預金に
金利上げていったら損の垂れ流しになって、バッファーもたしか七兆幾らでしたっけね、引当金と準備金、しかありませんから、すぐ
債務超過になる
リスクがある。だから、FRBのようには日銀当座
預金金利を上げるわけにはいかない。
そして、
金利が上がってくれば、
債務超過になる
可能性がある上に、持っている国債の含み損がべらぼうに大きくなりますから、これは、
総裁、副
総裁も償却原価法という簿価主義を使っているから大丈夫だというふうにおっしゃっていましたけれども、マーケットはそんなことを見ないで時価会計で判断しますから、普通は。簿価会計で大丈夫なら、昔の、九七年に北海道拓殖とかいろいろ潰れましたけど、あんなこともないわけですよね。ということで、そうすると円が暴落してしまうんじゃないかということもありますので、日銀当座預金への
金利を上げるというのはなかなか難しい。
それから、バランスシートを縮めるというのも、アメリカでさえ、FRBでさえ苦労しているわけです。FRBのバランスシートというのは、対GDP比でいえば日銀の四分の一ぐらいからテーパリングを始めているわけで、全然もう日銀と規模が違うわけですね。日銀はもうメタボで、物すごいバランスシートがでかいですから、FRBがあれだけバランスシートを縮めているのに苦労するんだったら、日銀はどれほど苦労するのかと思うぐらいで、私自身は、最初の二つの
総裁が挙げた方法は難しくて、出口はないんではないかなと思うんですが、
唯一考えられた
一つの方法というのは、預金準備率を上げるという方法があるかなと今までは思っていたんですよ。
ところが、今日の議論を聞いていますように、まず地方
銀行の収益が非常に悪化している。別に、地方
銀行、これ、私ども財金で視察もありましたけれども、マイナス
金利のせいで苦しいとおっしゃっていましたが、これはマイナス
金利のせいじゃないですよね。なぜならば、マイナス
金利というのは当座預金のせいぜい六%ぐらいにしか適用されていないわけですから、マイナス
金利のせいではなくて、これは明らかに日銀の異次元の量的緩和のせいだと私は思っているわけですね。
要するに、私が現役の頃というのは、日銀さんは長期国債買っていませんでしたけれども、異次元の量的緩和で大量に長期国債を買う、長期国債を買えば値段は当然上がる、そして長期
金利は当然下がるということで長短の
金利差は全くなくなってしまうわけですよ。それがゆえに、今の地域
銀行の苦しさ、それは地域
銀行だけじゃなくて、都市
銀行、五大
銀行とかゆうちょ
銀行もかなり収益が悪化していますですね。最近、決算報告出ましたけれども、ちょっとうろ覚えですけれども、地方
銀行の、地域
金融機関の
収入が一兆円、あとが五大グループ、二兆五千億とか六千億とかそんなだったと思いますし、ゆうちょで三千億ということで、全部合わせても、私が昔勤めていたJPモルガンの四兆円にも、同じぐらいしかないわけですよ。もうべらぼうに金額が少ない。
特に、これ日経新聞にありましたけれども、五月十七日の日経新聞にありましたね、日銀の異次元緩和が始まる直前の二〇一三年三月期と
比較すると、二〇一八年三月期の決算で、三菱UFJ
銀行は六一%、三井住友
銀行が五七%、みずほ
銀行は三二%まで低下した、みずほ
銀行単体の業務純益はこの二年間で半減し、三千億円を割り込んだと。もう明らかに
長短金利差、
銀行の最大の収益源である
長短金利差がなくなってきている。
総裁自身も中長期の
金利下げていると言うんですが、まさにそのとおりで、どんどんどんどん
金利が、収益が下がってきてしまっているわけですよね。
そんなときに、私が
唯一あり得るかなと考えていた法定準備預金率を上げてしまえば、まさに
金融機関は倒産の危機に陥るんじゃないかと。
金融システム
リスクですよね。となると、
唯一考えられていた預金準備率の引上げというものができない、もう何にもないんじゃないかなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。