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2018-03-23 第196回国会 参議院 財政金融委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成三十年三月二十三日(金曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  三月二十二日     辞任         補欠選任      礒崎 哲史君     川合 孝典君  三月二十三日     辞任         補欠選任      辰巳孝太郎君     小池  晃君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         長谷川 岳君     理 事                 中西 祐介君                 羽生田 俊君                 古川 俊治君                 三木  亨君                 古賀 之士君     委 員                 愛知 治郎君                 大家 敏志君                 徳茂 雅之君                 長峯  誠君                 西田 昌司君                 松川 るい君                 宮沢 洋一君                 大塚 耕平君                 川合 孝典君                 里見 隆治君                 宮崎  勝君                 小池  晃君                 大門実紀史君                 藤巻 健史君                 風間 直樹君                 中山 恭子君                 藤末 健三君                 渡辺 喜美君    国務大臣        財務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣金融)        )        麻生 太郎君    副大臣        財務大臣    木原  稔君    事務局側        常任委員会専門        員        前山 秀夫君    政府参考人        人事院事務総局        職員福祉局次長  中山 隆志君        人事院事務総局        人材局長     福田 紀夫君        内閣大臣官房        審議官      田中愛智朗君        金融庁総務企画        局長       池田 唯一君        金融庁総務企画        局総括審議官   佐々木清隆君        金融庁監督局長  遠藤 俊英君        財務大臣官房長  矢野 康治君        財務省主税局長  星野 次彦君        財務省関税局長  飯塚  厚君        財務省理財局長  太田  充君        国税庁次長    藤井 健志君    説明員        会計検査院事務        総局次長     岡村  肇君        会計検査院事務        総局事務総長官        房審議官     宮川 尚博君        会計検査院事務        総局第三局長   戸田 直行君    参考人        株式会社日本政        策金融公庫代表        取締役総裁    田中 一穂君        株式会社国際協        力銀行代表取締        役総裁      近藤  章君        日本銀行総裁   黒田 東彦君     ─────────────   本日の会議に付した案件政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○平成三十年度一般会計予算内閣提出衆議院  送付)、平成三十年度特別会計予算内閣提出  、衆議院送付)、平成三十年度政府関係機関予  算(内閣提出衆議院送付)について  (内閣府所管金融庁)、財務省所管株式会  社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行  ) ○所得税法等の一部を改正する法律案内閣提出  、衆議院送付)     ─────────────
  2. 長谷川岳

    委員長長谷川岳君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、礒崎哲史君が委員辞任され、その補欠として川合孝典君が選任されました。  また、本日、辰巳孝太郎君が委員辞任され、その補欠として小池晃君が選任されました。     ─────────────
  3. 長谷川岳

    委員長長谷川岳君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、人事院事務総局職員福祉局次長中山隆志君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 長谷川岳

    委員長長谷川岳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 長谷川岳

    委員長長谷川岳君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  委嘱審査のため、本日の委員会株式会社日本政策金融公庫代表取締役総裁田中一穂君、株式会社国際協力銀行代表取締役総裁近藤章君及び日本銀行総裁黒田東彦君参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 長谷川岳

    委員長長谷川岳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 長谷川岳

    委員長長谷川岳君) 去る十九日、予算委員会から、三月二十三日の一日間、平成三十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち金融庁財務省所管株式会社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行について審査委嘱がありました。  この際、本件を議題といたします。  審査委嘱されました予算について政府から説明を聴取いたします。麻生財務大臣内閣特命担当大臣
  8. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 平成三十年度一般会計歳入予算並びに財務省所管一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算について御説明をさせていただきます。  まず、一般会計歳入予算額は九十七兆七千百二十七億円余となっております。  この内訳について申し上げますと、租税及び印紙収入は五十九兆七百九十億円、その他収入は四兆九千四百十五億円余、公債金は三十三兆六千九百二十二億円となっております。次に、当省所管一般会計歳出予算額は二十五兆五千二百五十六億円余となっております。  このうち主な事項について申し上げますと、国債費は二十三兆三千十九億円余、復興事業等東日本大震災復興特別会計へ繰入れは五千八百六十九億円余、予備費は三千五百円となっております。  次に、当省所管の各特別会計歳入歳出予算について申し上げます。  国債整理基金特別会計におきましては、歳入歳出いずれも百九十一兆二千二百六億円余となっております。  このほか、地震再保険等の各特別会計歳入歳出予算につきましては、予算書等を御覧いただきたいと存じます。  最後に、当省関係の各政府関係機関収入支出予算について申し上げます。  株式会社日本政策金融公庫国民一般向け業務におきましては、収入一千五百七十八億円余、支出九百九億円余となっております。  このほか、同公庫農林水産業者向け業務等の各業務及び株式会社国際協力銀行収入支出予算につきましては、予算書等を御覧いただきたいと存じます。  以上、財務省関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。  なお、時間の関係もございまして、既に配付をいたしております印刷物をもちまして詳しい説明に代えさせていただきますので、記録にとどめてくださりますようよろしくお願いを申し上げます。  以上、よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。  引き続きまして、平成三十年度における内閣府所管金融庁歳出予算について御説明申し上げます。  金融庁平成三十年度における歳出予算額は二百四十六億円余となっております。  このうち主な事項について申し上げますと、金融庁一般行政に必要な経費として二百二十億円余、金融市場整備推進に必要な経費として十二億円余、国際会議等に必要な経費として四億円余となっております。  以上、内閣府所管金融庁歳出予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。  よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。  済みません。予備費三千五百億円余となっております。
  9. 長谷川岳

    委員長長谷川岳君) 以上で説明の聴取は終わりました。  なお、財務省関係予算説明については、お手元に配付しております詳細な説明書を本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 長谷川岳

    委員長長谷川岳君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
  11. 松川るい

    松川るい君 ありがとうございます、委員長質問の機会をいただき感謝します。  毎日この問題ばっかりなので私も申し訳ないような気もするんですけれども、森友問題について質疑をさせていただきたく存じます。  先週の予算委員会一般質疑冒頭でも述べさせていただいたんですが、改めて私、決裁文書書換え行政信頼を損なう言語道断の挙だと思っておりますが、ただ、削除部分全部読んだんですけれども、はっきり言ってなぜ隠す必要があったのか全然分からない。全国民皆様に読んでいただければ、そうすれば、政治家の関与がなかったことは明白であり、むしろ、籠池さんという一筋縄でいかない方が手を替え品を替え様々な筋悪要求を突き付けてきて、しかし近畿財務局は、押されながらも法令にのっとって駄目なものは駄目と必死に防戦をしていた、ちゃんと対応してきた様子がよく分かるんです。これは役所で言うところのいわゆる筋悪案件だと私は感じております。  ただ、二十七日には佐川前理財局長を呼んでの証人喚問も決まっておりますし、書換えに関する事実や動機に関しましては、もう少しそこで明らかになっていくのではないかと期待しておりますので、今日は、そのところというよりは、ちょっと違う角度からの質疑をさせていただきたいと存じます。  森友学園問題は、この一年二か月、国会を占拠してまいりました。昨年十一月末に会計検査院報告書が出てようやく一区切りが付いたと思っていたら、今度は決裁書書換えです。国会議員国会事務局の時間、総理や麻生大臣始め関係閣僚の使った時間、財務省を始め関係省庁の時間などなど、膨大な時間が費やされました。国会運営費だけでも一日三億円掛かっております。この問題に費やしたお金と時間を考えると、何というか、私、頭がくらくらするような感じなんですね。  日本を取り巻く内外諸情勢は極めて厳しいものがあります。朝鮮半島情勢、それから中国強国化です。最近では、海警、いわゆる海上の、海の警備と書きますけれども、尖閣諸島沖をいつも圧迫してくるあの海警中央軍事委員会の下に置かれるということで、尖閣諸島周辺事態が軍事事態化しかねない、そんな危機も迫っています。そして、内に目を向ければ、少子高齢化による人口減少など、本来国会が取り組むべき中心課題が脇に押しやられている、こんな状況は看過できません。  中国は、中国型システムの方が民主主義よりも優れていて、これを世界に広げたいといったようなことを言っております。民主主義に関する懐疑というのは世界の一部では生じていると私は本当に危機を持っております。民主主義という制度は元々非効率なものだとは思うんですけれども、ただ、ここに至りますと、我が国の国会生産性についても私は考えた方がいいんじゃないかと思っております。  そこでお伺いいたします。  財務省理財局は、この一年二か月、森友問題に忙殺をされてきた。特に三月二日の朝日報道以降は、文書書換えの調査のために、太田局長自身おっしゃっておられますが、土日も含めて作業をしていると聞いております、答弁されている。もう担当している職員の方は一体どういう働き方をしているのか。先般、裁量労働制議論の際にも、長時間労働過労死になるといった議論もありました。残業時間がどの程度上っているのか、これ概要を教えていただけますでしょうか。
  12. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  今ほど委員がおっしゃられたように、私ども、森友学園に対する国会対応がなかなかうまくできず、さらに、今回は決裁文書書換えということで、国会審議を、貴重な時間をこういうことで費やしていただいているということは大変申し訳ないと、本当に心からそう思います。おわびを申し上げます。  その上で、今ほど委員から理財局職員の超勤の状況という御下問がございました。基本的に、この森友問題あるい森友問題に関する国会対応というのをやるのは、理財局でいえば総務課、それから国有財産企画課、それから国有財産業務課、その中にある審理室というところがメーンでございまして、そこで職員が大体五十名ほどおります。  もう全然自慢できるような話じゃなくて、本当に恥ずかしい話なんですが、そのうちの半分、今月、委員おっしゃったように、二日に朝日新聞の報道があって国会議論があってということですが、三月の一日から三月の二十一日まで三週間になりますが、その三週間で、今申し上げた五十名ほどのうちちょうど半分ほどの二十五名が三週間で残業時間が百時間を超えていると、そういう状況になっております。
  13. 松川るい

    松川るい君 ありがとうございます。  それは過酷ですね。多分、月単位に直したら百五十時間は超えるんじゃないでしょうか。太田局長おっしゃいませんでしたが、私は、実は知っている人から聞いて、二百時間を超えている人もいるというお話も聞いております。  元々、幾ら労働三法のらち外とはいえ、国家公務員の長時間労働は異常だという問題意識を私は持っております。例えば、長時間労働質問をしている厚労省の役人の方が問題になっている事案よりも長時間労働をしているという笑えない話があるわけです。私は、森友問題の解明大事だと思っているんですが、職員過労で倒れさせたりすることを正当化はできないと思います。  そうした観点から、ちゃんと職員方々健康状態目配りをされておられるんでしょうか。
  14. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  本委員会でも大臣から御答弁があったんですが、先週に大臣から私ども局長全員呼ばれて、とにかくこういう状況なんで部下の職員心身負担ということにちゃんと気を遣うようにというお話を賜りました。厳しいお言葉でもありますし、一方で、大臣らしいというか、温かいお言葉だと思って我々は受け止めております。  その上で、どういうことをやっているかということでございますが、やっぱり本当は心の問題が大きくて、それはカウンセラーとかそういうのを活用してと、まあ答弁的にはそういうふうになるんですが、ただ、私にできることはどちらかといえば、それはもちろん大事なんですけど、やっぱり一人一人の残業時間ができるだけ少なくなるようにということなんで、そうすると、物理的には今申し上げた五十名ほどの体制が基本的な体制なんですが、それだと今申し上げたような残業時間になるものですから、理財局自体はほかにも国債関係ボンド世界ですが、あるい財政投融資関係をやっている職員もおりますので、彼らにももうこの時期なんで自分の担当仕事ではないけど協力をせよということで、物理的に大変あれなんですが、国会に御提出をしないといけない資料が結構大部になっていたりという、あるいは部数をたくさんもちろん御要請があるのでしないといけないというようなこともありますんで、そういう部分担当じゃない人間をたくさん投入して、それで少しでも負担を減らすようにというのが、現実に私が一番手前でやっていることはそういうことでございます。
  15. 松川るい

    松川るい君 ありがとうございます。  誠実な太田局長の下であれば、私は、職員皆様、頑張りながらも何とかやっていけるんじゃないかなという気が今いたしました。  ただ、もう一つ心配なのが理財局の本来業務なんですね。これはきちんと対応できているのかと。理財局業務は別に森友対応だけではありませんから、本来の理財局のやるべき業務がきちんとできているのか、この点についてはいかがでしょうか。
  16. 太田充

    政府参考人太田充君) それは委員のおっしゃっているとおりで、これがあるからほかの業務がちゃんとできていませんというわけにはいきません。それは、そうならないようにというのは当然気を付けてと思ってもおります。  特に、この季節というか、先ほど申し上げたような中でいうと、国債を発行するボンド仕事は、それはもう毎日毎日の仕事です。入札というのをやるわけですが、入札は大体一年間平均して、週五日あるんですが、平日が、平均すると一週間に四・四日入札をする、四・四回入札をせないかぬということですから、基本的にはほぼ毎日当然のようにあるんで、ボンド入札ってそれでもし手違いがあれば、それは、膨大な額を国債入札しますので、それで手違いがあればそれは物すごい影響、金額的には物すごい影響を与えるので、そういうことが絶対起きないようにということでやらせていただいているつもりでございます。
  17. 松川るい

    松川るい君 ありがとうございます。  何とかいろいろやりくりをされているということが分かりました。  近畿財務局職員の方が亡くなられるという本当に胸が痛くなる悲しい出来事がありました。書換え問題に一刻も早く終止符を打つべく、速やかな解決、そのための御作業お願いしたいとは思うんですけれども、やはり私は、職員の方が過労で倒れることのないよう、そしてまた理財局の本来業務には支障を来さないようにという点を考慮していただいて作業していただきたいと強くお願いをしたいと思います。  そしてまた、今回の書換え問題は財務省理財局の一部で行われたということではありますけれども、直接関係のない部局を含め、財務省に対する風当たりは極めて厳しい。これは、私はもう事の重大性に鑑みれば致し方ないことだと思います、甘受すべきです。  ただ、財務省というのが重要な任務を担っている役所であるということには変わりがないんですね。外交、安保もそうですけど、財政国家の根幹であります。私は、財務省職員方々士気が低下しているんじゃないか、特に若い職員は意気阻喪して辞めてしまったりというようなことにならないといいなと心配しております。  こういうことを私が申し上げるのは、私自身が同じ思いをしたことがあるからでありまして、二十年ぐらい前に外務省でも不祥事がありまして、そのとき不祥事解明チームに入れられた若い職員たち、私の三、四期下だったんですけど、当時、キャリア職員というのは一年に二十人しかいなかったんですね。そのうち八人が辞めてしまいました。それは外務省に幻滅したからなんですけど、業務量もさることながら、やはり精神的に本当にきつい、苦しい思いをしたということが大きかったと思います。省内全体の雰囲気も暗くなりましたし、私もそうでしたけど、ほとんどの職員関係ないんですよね。一生懸命国益のために長時間頑張って仕事をしていて、でもそれなのにというやるせない気持ちになっちゃうんです。あのときに、もしも彼らにもっと目配りをしていたら辞めたりしなかったんじゃないのかという気持ちがいまだに私にはあります。  どうかこれは、大臣自身から職員に対し、もう既にやっていただいているのかもしれないんですけど、反省すべきは反省すべきとして、士気が低下しないように、そして特に若い職員方々に対して目配りお願いしたいと存じますが、いかがでしょうか。
  18. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 誠に有り難い御配慮というか御指摘なんだと思いますが、決裁文書書換えというのは、これは極めてゆゆしきことなんであって、度々申し上げておるとおりなんですが、これによって、理財局に限らず財務省全体の士気影響を及ぼしかねないという点もありますし、また、心身負担というのに関しまして、これは理財局、特にこの国有財産を管理している部署にとりましては極めて負担の大きなところなので、私もその問題意識を持っておりましたので、去る三月でしたか、十五日でしたか、財務大臣室幹部職員を呼んで訓示をしたときに、最後に、この点を忘れないようにしておかないと、少なくとも理財局の話だけだということで理財局だけが気を配っておけばいいんじゃなくて、ほかの職員士気が低下につながってくるというのはこれは国益を更に損ねるということになるので、こういったことをきちんと我々としては内部の信頼関係を更につくり上げて、きちんとして、再生をさせていかないかぬ。  そういった士気を維持すると同時に、そういった今めいっているところ、いわゆる落ち込んでいるところ、そういったところを手を助けてやるということをするということをやっておくという配慮、心配りというものを上のところが持っておかないと、なかなか外部から言ったって話にならないんで、そういった点につきましては是非頭に入れておけという話をこの間訓示をしたばっかりなんですが。御指摘のありましたように、十分に配慮してやらせてまいりたいと考えております。
  19. 松川るい

    松川るい君 ありがとうございます。  幹部の方への訓示というのはもちろん大事だと思うんですが、私は、できれば財務大臣理財局にふらっと現れて、ちゃんとやっているかと言うだけでも全然違うんだと思うんですね。やっぱりトップリーダー言葉や姿勢は重いものがありますし、職員が頼るところでもあると思いますので、是非何かしらそういったことをお願いできれば有り難く存じます。  そしてまた、新たに財務省に入省しようという若者に対しても現状は良くありません。このままでは優秀な人材が入省に二の足を踏んでしまう。しっかり今回のうみを出し切り、誇りを持てる財務省として出直していただきたいと思います。  結局、マクロ的に考えると、国が繁栄するかどうかというのは、優秀な若者たちがどのセクターに行くかで決まってくるんだと私は思います。成長産業や国を支える行政にそうした若者が入ってきてくれなかったら、日本の将来は一体どうなるのかと。  昨日の中山先生の御質疑、そしてそれに対する大臣お答え、私、全くもううなずくところばかりだったんですけれども、日本官僚世界的に見ても割と優秀だと思うんです。それが日本の繁栄を支えてきたと思いますし、これからいろんな時代の変化はあっても、そこに優秀なやる気のある若者たちが入ってくるようなそういう役所でなければならないと思います。本来官僚となってもらいたい方が外資系ばかりに流れていてはいけない。  是非大臣には、財務省で働こうという若者がどんどん続いて出てくるような、そういう誇りある組織に再生させていただきたいと、また改めてお願い申し上げます。  次に、もう一つ心配している点についてお伺いします。  それは公文書管理でございます。今回の事件を機に公文書管理をより厳しくすべきだと、せざるを得ないと私は思っております。  他方で、メールのやり取りや担当間同士の相談まで全部記録して保存管理せよといった極端な業務上の負担要求するような方向に行ったり、又は罰則が余りにも厳しくなってはならないと考えます。なぜかといえば、そういうことをすれば結局どうなるかというと、必ず大事なことは書面に残さないということになるんです。これは、私は絶対そうなるという確信があります。  今後の公文書管理について、どのような方針で臨んでいくべきとお考えでしょうか。
  20. 田中愛智朗

    政府参考人田中愛智朗君) お答えいたします。  公文書管理法は、行政文書の適正な管理等を図ることで行政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、現在及び将来の国民への説明責任を全うすることを目的としているところでございます。  公文書管理制度につきましては、国会等での様々な御指摘を踏まえまして、今申し上げた法の目的をより一層徹底するため、政策立案や事業の実施の方針等に影響を及ぼす打合せ等の記録については、文書の作成を義務付け、また、意思決定過程等の合理的な跡付けや検証に必要となる行政文書については、一年以上の保存期間を設定することを義務付けるといったことを内容とする行政文書の管理に関するガイドラインの改正を昨年末に行ったところでございます。  現在、年度内を目途に改正ガイドラインを踏まえた各府省の行政文書管理規則の改正作業を進めており、来年度より全府省においてより厳正なルールの下での文書管理が行われるものと考えております。  あわせて、職員の意識も高めまして、御懸念のようなことはないようにしてまいりたいと存じます。
  21. 松川るい

    松川るい君 ありがとうございます。是非、限られた人員の中で持続可能な合理的な対処をお願いしたいと存じます。  なぜかといえば、国家公務員も人間だからでありまして、一日は二十四時間しかないからです。ただでさえこの十年で国家公務員業務量は膨大になっております。それは、こうした文書管理や情報公開から、国会対応から、様々な業務が増大しているからでございます。こうした業務民主主義を支えるために必要なものでありまして、本来、業務が増える分人員が増えればいいんですけれど、なかなかそれはそうなっていない。結局、ざっくり言えば、国家公務員が、個々人が超長時間労働という形で対応しているのが現状であります。財政状況厳しい折、人員増も簡単ではありませんから、あらゆるところで合理化をして、非効率なシステムを改善していく必要があると思います。  私、いつも、本委員会委員の先生方というのは、もう与野党を問わず、大変見識が高く尊敬できる方々ばかりだと思っております。私が以上申し上げた点については、恐らく御賛同いただけるのではないかと思う次第です。  そしてまた、冒頭申し上げた、私は国会においても生産性革命が必要じゃないかと考えております。例えば、ここで配付されている膨大な紙も電子化した方がいいんじゃないかとか、国会日程が二、三日前まで決まらないって一体何だとか、これも非効率だと思いますし、総理や外務大臣などの国会の拘束時間が、諸外国、例えばイギリスとかに比べて四倍とか、こういうのも非効率だと思いますが、こうした問題意識についてはまた別途の機会に取り上げたいと思っておりますけれども、是非、志というか、国を思う先生方と御一緒に議論できればと思っているところでございます。  最後に、今日はその角度から取り上げないと申し上げたんですけれども、まだちょっと時間があるので一つお伺いしたいと思います。  今回、森友問題のおかげで、私、そんたくということに関していろいろ考えさせられました。そんたくというのは相手をおもんぱかることというのが字義どおりの意味でありまして、そんたくしない官僚もいませんし、はっきり言って、官僚に限らず、誰もが上司や組織のことをそんたくして行動するものだと思います。  そうすると、論点はそんたくすることそれ自体というよりも、そんたくをしたその程度、その程度という意味は、その結果どういう行動をしたのか、そんたくをして取った行動が、今回の森友問題について言えば、結果として法令を超えるようなことになったのかどうかということが問題だと思います。  ここでお伺いします。  削除部分が明らかになったおかげで、安倍総理始め政治家の関与がなかったことはむしろ明確になったと、証明されたというふうに私は思いますが、マスコミとか野党からは、なぜか籠池さんが昭恵夫人の発言を引用している部分だけを取り上げて、これがそんたくの証拠なので問題だといったストーリーを展開されているように思いますが、この点についてはどのように思われますか。
  22. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  本委員会だけじゃなく予算委員会も含めて、いろんな様々な角度から御論議を頂戴しているというふうに思います。  それで、基本的に、特例承認というものについてのみではございますが、政治家の先生方やあるいは総理夫人のお名前があるものですから、何で書いたんだと、あるいは何でその部分を削除したんだという議論が中心だというふうには私も思っておりますが、その際、御答弁を申し上げているつもりなんですが、何で書いてあるんだということは、基本的に、ただ一件ですけれども本省承認なんで、地方支分部局からすれば本省は国会対応をやるのが非常に重要な仕事だという観点なので、そういうことを参考になるというふうに思って書いたんだというふうに私どもとしては認識をして、そう御答弁を申し上げていますし、削除をしている方は、残念ながら、その部分に限らず、およそ経緯の部分思いっ切り簡素化しているというか、ほとんど削除をしているということだというふうに思っております。  基本的に本件、それまでの我々の説明の仕方が不十分だからこういうふうになったという反省はもちろんしないといけないし、そうだと思っておりますけれども、基本は本件は、遊休している、遊んでいる国有地を使うときにまず公用、公共用、公共用というのは、社会福祉法人あるいは学校法人、それにまず優先的に使っていただけないかということで、国有財産の有効活用ということは国会での議論も含めてもう相当長らくそれでやってきておる。  本件森友学園は、学校法人として認められなければもちろんこういうことではないんですが、学校法人として認められる、あるいは認められる可能性があるという中でやってきた話だというふうに私どもとしては思っておりますし、その部分説明が当初の部分で必ずしも十分でなかったのかもしれないという反省は正直に言ってございます。
  23. 松川るい

    松川るい君 ありがとうございます。  今おっしゃられたことが非常に端的に表していると思うんですけど、私は、そんたくをしたのは政治家とか昭恵夫人とかそういう話では全然なくて、籠池さんにそんたくされたんだと思うんですね。籠池さんへのそんたくというのは、これ実は一年前の、私、財政金融委員会で同じ質疑をしたときにも申し上げたんですけど、それは実は法令上そうなっているんです。つまり、国有地というのは、今、太田局長おっしゃったように、元々国有地だから、国民のものだから、まず自治体、そうじゃなければ福祉法人か学校法人に優先的に売りましょうと、それがどうしてもできないんだったら一般競争入札ですよ。だから、学校法人をつくりたいと言っている相手方との間では随意契約なんですよ。結婚相手みたいなものですよ。これ、その相手が四月までに開校したいって言っているんだから、そこに、もちろん法令違反しちゃ駄目ですよ、違反しちゃ駄目ですけど、その範囲内で、相手の事情に考慮して、できるだけそれが達成されるように協力するのはむしろ当たり前のことだと思うんです。  これも去年申し上げて、これはどうなるか分からないんで余り言いたくないんですけど、私も地元が大阪です。森友の土地、そんな安いのかといまだに思っています。隣にある同じ七・九ヘクタールの給食センター、豊中の、ごみ撤去費用に十四億円ですよ。本当に八億円の撤去費用は、瑕疵担保責任の、将来までのリスクチャージまでこれフリーにして、本当にそんなまずいディールだったのかなといまだに思ったりします。ただ、これは分からないところもありますから余り踏み込みたくないんですけど、等々思います。  今回の件に関して言うと、国有地売却と文書改ざんって別問題で、私は売却に関してはやっぱり法令違反はなかったんだと思うんですね。ただ、文書を改ざんしたことは明らかにこれはもうけしからないことでありまして、それがどうしてどういうふうに行われたのかということに関しては、まさに二十七日、前理財局長である佐川さんからしっかりお話がいただければ有り難いと思っております。  もしも、その結果、大山鳴動してネズミ一匹という、そういうマスコミが余り期待しない結果になったとしても、我々は事実は事実として受け入れる、そういう度量が必要であるということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。  どうもありがとうございました。
  24. 古賀之士

    ○古賀之士君 民進党・新緑風会の古賀之士でございます。  まず、本日の株価について麻生財務大臣にお伺いをいたします。  今日、前日比八百円を超えるマイナスを今記録しているという情報が入っておりますが、本日の日経平均株価の大幅安についてコメントをお願いいたします。
  25. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) この種の話は、市場介入等々、我々の予想しない話で、正直にお答えしたことイコールが更にマイナスにしたりなんかいたしますので、こういうことは御質問があってもお答えしないことになっておりますが、基本的には、今回アメリカも七百ドルぐらい下げていましたかね、あれ。御覧になってません。アメリカも七百ドルぐらい下げていますので、少なくとも中国とアメリカとの間に貿易戦争というような話に過剰にマーケットが反応しておるかなという感じはいたしますけれども、円はそのまま百五円台ぐらいでございますので、そういった意味では、急に円が暴騰するとかいうような話でもないような感じがいたしますけれども、いずれにいたしましても、こういった状況にあるというのは、私どもとしては、この間のが終わって副大臣帰国したばかりですけれども、G20においても、この貿易戦争ということは結果として誰もいい思いをする人がおらぬと、しかし、元はといえば中国じゃないかということに関しては、これは全員一致しているような見方のような感じがいたしますけれども。  いずれにいたしましても、こういった問題に関しまして、これは各国が共通していろいろ対抗していかねばならぬという話になっていると思っております。
  26. 古賀之士

    ○古賀之士君 ありがとうございました。  確かに、アメリカも大幅安を受けてこの今日の日経平均の株安、そしてトランプ大統領の関税の発令というものもまた要因の一因とも言われてもおりますけれども、また引き続き、何かありましたら、突然でございますけれども、お話を伺うことにいたします。  さて、本日も、この財政金融委員会森友学園の公文書の改ざん問題についてお尋ねをさせていただきます。  先ほど、財務省皆様方の現在の労働環境などの質疑もございました。私も、昨年六月の参議院の決算委員会におきまして公文書の在り方についてお尋ねをさせていただいた際に、その質問の結びに、総理始め関係省庁大臣に対しまして、この問題で一番悩んでいるのはもしかしたら公務員の皆様かもしれないと、私は、福岡でかつて民放のアナウンサーをしていたときに、その間に立って悩んで自ら命を絶った公務員の方のニュースをお伝えしたことがあると申し上げました。そういったことがあるので、是非、総理始め関係省庁大臣皆様方は、強いリーダーシップを発揮されて、この公文書の在り方について強いリーダーシップを発揮していただきたいということで質問を結ばせていただいた経緯がございます。  私も、今回の一連の様々な出来事に関して非常に残念な思いをしている一人だということも、是非委員会皆様方や今日御出席皆様方、御理解をいただければと思います。その上に立って質問をさせていただきます。  佐川前国税庁長官、前職時代の業務を理由にして懲戒処分になっております。佐川氏以外でも、異動になった後で佐川氏同様の理由で懲戒処分の対象となる可能性はあるのでしょうか。官房長にお尋ねいたします。
  27. 矢野康治

    政府参考人(矢野康治君) お答えいたします。  佐川前長官におきましては、国有財産行政に対する信頼を損なったということで減給処分に処し、その上で退職したわけでございますが、昨日も御質問を頂戴いたしましたけれども、過去の行状に鑑みての異動後の異動先での処分ということがあり得るかということでございますが、これは我が省のみならず他省庁におきましても多々事例がございます。ある意味当然のことですけれども、何がしかのことをやって、異動してしまったから免れるということはあり得ないことでありますので、異動した先の人事権者にお願いをして過去の事由に基づいての処分をやっていただくという格好、これはいろいろ、多々事例がございます。
  28. 古賀之士

    ○古賀之士君 その可能性は今後もあるということを承りました。  次に、その佐川前国税庁長官は、現在、文書改ざんが調査中でありますが、さらに前職の理財局長時代の業務を理由にして懲戒処分されました。  人事院に伺います。人事院としては、これは適切と考えていらっしゃるでしょうか。
  29. 中山隆志

    政府参考人中山隆志君) お答え申し上げます。  懲戒処分につきましては、所属職員の服務を統督するとともに、事実関係を十分に承知し得る立場にある任命権者において適切に判断されるものと承知しておりまして、本件につきましても任命権者において責任を持って御判断をされたものだと承知をしております。
  30. 古賀之士

    ○古賀之士君 さらに、人事院に伺います。財務省の官房長は、国有財産行政に対する信頼を損ねたこと、信用失墜行為ということで処分したと答弁をされましたが、こういった理由で、言ってみれば具体的な数字やデータではない状況での懲戒というのは、これは適切だと考えていらっしゃいますでしょうか。
  31. 中山隆志

    政府参考人中山隆志君) それも含めて任命権者において責任を持って御判断されたものと承知しておりますが、信用失墜行為の禁止は服務に関する規定の中の重要な柱の一つでございますので、これを基に、あるいはこれの規定を踏まえた上で懲戒処分を行うということはおかしくないといいますか、通常あり得ることだと、法の趣旨に照らしてあり得ることだと思っております。
  32. 古賀之士

    ○古賀之士君 いま一度確認で伺いますが、現在調査中ということであってもそれは適切だと考えられますか。
  33. 中山隆志

    政府参考人中山隆志君) その点も踏まえて財務省において責任を持って御判断をされたというふうに理解をしております。
  34. 古賀之士

    ○古賀之士君 ありがとうございました。  では、お配りしております資料の一の一、昨年の二月二十八日、それからお配りしておりますその次のページの一の二、三月二日の参議院の予算委員会で、佐川前局長森友学園からの報告書で軟弱地盤だと分かったと答弁していらっしゃいます。ただ、その更に次のページの一の三、この点のその改ざんされた決裁書を見ていただきますと、地質調査会社は特別に軟弱であるとは思えないと回答しております。これは少なくとも誤解を招く答弁と考えられますが、どう思われますでしょうか、どうお感じになるでしょうか。理財局長お願いします。
  35. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  地質会社の意見というのは、今委員が引用された部分、それから私どもなりに承知をしているのは、そういう意味で特別に軟弱であるとは思えないとした上で、通常と比較して軟弱かどうかというのは、通常地盤の定義が困難であるため回答は難しいというお答えもいただいているというふうには承知をしております。  その上で、今委員の多分おっしゃりたいことというと大変失礼ですが、それはここのところの答弁がもうちょっと丁寧にすべきではなかったかということではないかと思っております。佐川前長官あるいは前局長も辞めるときの一つのあれとして、国会の答弁に丁寧さを欠いていたというお話があったんですが、それも含めてということ、この一つ一つの答弁のことを捉えてということではなかったかと思いますけれども、それも含めてそういうふうな思いはあったのではないかという、私なりにはそういうふうに思って今も御答弁をさせていただいております。
  36. 長谷川岳

    委員長長谷川岳君) 理財局長質問に的確に答えてお答えいただくようにお願いしたいと思います。(発言する者あり)。
  37. 古賀之士

    ○古賀之士君 もう一度伺いますが、丁寧さの問題なんでしょうか。一方では、これは軟弱地盤だと分かったと答弁していらっしゃいます。もう一方で、特別に軟弱であるとは思えない。この丁寧な部分だけの問題なんでしょうか。
  38. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  一つ一つというか、言葉のその部分だけを捉えれば、確かに委員のおっしゃっているとおり、そういうふうに捉えられるということだと思いますが、今ほども申し上げましたように、この件、ちょっと先ほど御答弁申し上げましたが、一方的に軟弱地盤ではないということだけではなくて、そうでない意見もありましたし、一方で、委員も御案内だと思いますけど、先般遅れて、結果的に気付くのが遅れて出して大変申し訳なかった法律相談の文書を見れば、ある意味でその軟弱地盤のところをどう捉えるかと、法曹部門の考え方はまたある意味での異なる見解を示しているところでございます。  いずれにせよ、今委員の御指摘のように、その前の部分委員の引用された一つの部分ともう一つの部分が、それは、それだけ捉えるとやや矛盾しているようなというところがあの答弁だということをおっしゃっておられるのではないかと思うんですが、それはある意味で委員のおっしゃっているとおりなので、そこのところを、これはこういうことで、これはこういうことで、一面から見ればということを含めて、そういうことで丁寧に答弁しなければいけなかったということではないかと私は思って、今御答弁を申し上げているという次第でございます。
  39. 古賀之士

    ○古賀之士君 お手を煩わせて申し訳ありませんが、今、矛盾点があるというお話でした。  その矛盾点をもう一つ感じる資料が、更にもう一ページめくっていただきまして、一の四にもございまして、五月の二十三日の参議院のこれ文教科学委員会で中尾前理財局次長は、軟弱な地層を含むものであったことが貸付時点で既に明らか。またこれ違った見解になってくるような感じがするんですが、この答弁については、理財局長、どうお考えですか。
  40. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  貸付時点というのをどこの時点で捉えるか、その捉え方のところをきちんと御説明しないと、今委員がおっしゃっているようなそういう疑念を招くということだと思います。貸付料を、もう委員は御案内だと思います、貸付料を要するに一回目決めて、もう一回改定、ある意味で見直しをしているわけです。そこで、貸付時点で既に明らかとなっておりと答えるんであれば、それは一回目のときの貸付料を設定したときに比べて二回目のときにはこういうことで、こういう状況まで分かったので、そういう意味で明らかになったというふうに答弁をしないと、これは、そこのところをはっきりさせないと、ある意味で当然誤解を受けてもおかしくない、そういう答弁をしているというのはそういうことだろうと思います。
  41. 古賀之士

    ○古賀之士君 では、次の資料をめくっていただきまして、一の五でございますが、昨年四月十日の衆議院の決算行政監視委員会の第一分科会で、質問が、口利きかどうかは別として、政治家から照会があったかとの質問に対しまして、当時の中尾理財局次長ですね、中尾前次長は、記録は残しておらないと答弁していらっしゃいます。こうなると、今回明るみになりましたあの文書を見ますと複数の政治家のお名前が出ている、照会したことはもう明らかです。  中尾前理財局次長は、答弁当時、その決裁書の改ざんを知っていたのでしょうか。知っていたとすれば、これは、まあ極端に言えば虚偽答弁、誤解を招く答弁であり、知らなかったとすれば、これは当時の役職からして管理職としていかがなものか。現在どういうような形で、まあ調査が進んでいるかも微妙な部分もあるかと思いますが、分かる範囲でお答えいただけないでしょうか。
  42. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  今、特定の個人の名前を挙げてということでしたので、そこも含めて基本的に誰がどういう役割を果たして、あるいは今ほどの御質問であれば、この今名前が出た本人がこの時点で書換えという行為についてどこまで関与していて、あるいは知っていたかということも含めて今調査をしているというところでございますので、その調査の上で基本的に明らかにさせていただきたいというふうには思います。  それで、もう一つ、今ほど委員の言われたその最後のところの答弁のところなんですが、もう私なりにも去年の夏にこのポストを引き継いでそれからずっと気にはしているところなんですけれども、要すれば、確かに若干こういう言い方をしていて、でも本当は、何というか、正確にでもないですけど、言えば、基本的には財務省の文書管理のルールに従えば、こういうものはこういうルール、なのでルールにのっとればこういうふうになっているはずだと、そういうルールであるというところまでで、世の中およそそのルールに従って全てのものがぴったりそのとおりになっているかどうかということを証明するのは大変難しい。  今回、いろいろこういう御指摘をいただきましたので、特に決裁文書書換えということが、ある意味で、個人が手控えで持っていたりあるいは個人のフォルダに入れたりということで、そういうのも、今回これでそういうことが分かったこともありますので、今ほどのその書類の扱いについても、この間も本委員会でもお答えしたような気もしますが、それはこちらの方の十四の方の一段落をできるだけ早く付けて、それと、そっちに支障が入らない範囲でできるだけ早くそういうことも調べようと思っていますので、基本はルールがそうだと、ルールがそうでそういう扱いだというところまでは、だったんだと思って気にはしています。そういう状況だと思っております。
  43. 古賀之士

    ○古賀之士君 一般論で結構ですが、重複しない質問を、じゃ更にさせていただきます。  前、前じゃなくてもいいですね、理財局次長が当時自ら改ざんを指示したという可能性はありますか、業務上ですね。
  44. 太田充

    政府参考人太田充君) 申し訳ありません、それはまさに今調べている一番骨格のところでございますので、それがお答えできるようにするのが今の調査の最大の眼目でございますので、今の時点でそれがお答えできないことは御理解を頂戴したいと思います。
  45. 古賀之士

    ○古賀之士君 毎回、いつまでという時期がお尋ねになるところなんですが、その骨格になる部分というのは、いつ頃までにというのは何かめど、目途というのはございますか。
  46. 矢野康治

    政府参考人(矢野康治君) お答えいたします。  これは昨日もお答えさせていただいたところでございますけれども、調査をし尽くす必要がございまして、その途中にあるいは早期にということはなかなか難しゅうございまして、しっかりとし尽くした上で責任のある御報告をさせていただきたいと思います。もちろん、できるだけ早くしたいと思っております。
  47. 古賀之士

    ○古賀之士君 できるだけ、大変皆様方、先ほどからお話を伺っていますと過酷な状況の中で働いていらっしゃるということも承りましたので、その中で、でも、できるだけ早く御回答をお願いいたします。  では、次の資料の一の六を御覧ください。  昨年四月十一日の参議院の国土交通委員会で、国交省と財務省は両方とも、資料は適正に管理、また、会計検査院には真摯に対応、全面的に協力と答弁していらっしゃいます。  国交省は、まあいいとしてというか、答弁があれでございますが、財務省は、これは当時と今とを考えますと事実と異なる答弁というふうにも考えられますが、これは会計検査院に対してこういう答弁をしたということに対しまして、まず、理財局長、今、現時点でどのようにお考えでしょうか。
  48. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  こういうことをしてしまって、書換えをしてしまったということで、十二日の日に国会にも御報告をさせていただいたんですが、同日に会計検査院にもその書換えの事実と国会に御報告申し上げているようなことを御報告を申し上げました。  当然のことではございますが、全面的に協力するという言葉は、書換えをして、書換え後のものを出すということが全面的に協力ということではありませんので、そういう意味で、会計検査院に対しても大変申し訳なく、深くおわびをしなければならないことをしてしまったということだと思っております。
  49. 古賀之士

    ○古賀之士君 ありがとうございました。  では、その会計検査院はどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
  50. 岡村肇

    説明員(岡村肇君) お答えを申し上げます。  会計検査院の実施した検査におきまして真正でない資料が提出されたことは極めて遺憾でありまして、あってはならないことと考えております。
  51. 古賀之士

    ○古賀之士君 中尾前理財局次長のお話に戻りますが、その答弁当時、決裁書の改ざんや、検査院への、まあ言ってみればフェイク資料、この提出を知っていたのかどうかというところも是非お伺いしたいんですが、知っていたとすればこれは誤解を招く答弁であり、知らなかったとすれば当時のお立場からするといかがなものかと。  これについてはどういうふうにお考えなんでしょうか。これについても中尾次長自らが改ざんの指示を行った可能性というのは、理財局長、あるんでしょうか。
  52. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  今のお尋ねは、先ほど中尾次長に対して御質問いただいたことと同じことになって大変恐縮ですが、今まさにそれも含めてといいますか、まさに彼が何を、どういう役割を果たし、どの時点でどういうことを知っていたかということがまさにポイントだと思いますので、彼だけに限らず全体として、まるで今のやり取りをしていると、彼はもう関知していたかのような前提の御議論になっちゃうと思いますので、それはそうではないので、およそこの一部の職員について、誰がどういう役割をということを今調査をしておりますので、その中できちんと御報告をさせていただきたいと思います。
  53. 古賀之士

    ○古賀之士君 是非その調査の報告を待ちたいと思っておりますが。  それでは、時間もなくなってまいりました。  麻生大臣は十二日、書換えの判断は佐川の前の段階と述べられたと思いますが、改ざんのような重要な判断をしたのはそれなりのポストにある者ではないだろうかと推測するわけです。まず、理財局長は、そのそれなりのポストにある者ではないかということに関しまして今どのようにお感じになっていらっしゃいますでしょうか。
  54. 太田充

    政府参考人太田充君) 申し訳ありません、そこも含めてまさに今調査しているところですが、佐川前局長の関与云々ということについては大臣からも御答弁がありまして、私の答弁も大臣と同じ御答弁を申し上げているつもりであります。すなわち、そのときの理財局のトップは佐川局長であったこと、それから、答弁、何でこういうことをしたのだということについて、それまでの国会答弁について誤解を受けないようにするためにということであって、そのときの国会答弁を主として担当していたのは佐川局長であることから、関与あるいは度合いというのは大きかったのではないかというふうに大臣からも御答弁があり、私もそう御答弁を申し上げているというところでございます。
  55. 古賀之士

    ○古賀之士君 では、最後に、その麻生財務大臣にお伺いします。  書換えの判断は佐川の前の段階、その前の段階に関しまして、絞り込みというのはある程度調査進んでいるのでしょうか。
  56. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今ほど矢野官房長の方から御説明を申し上げましたとおり、目下、その点が一番肝腎のところになろうかと思いますので、目下、その点に関しましての調査、絞り込みが続いておるところだと理解しております。
  57. 古賀之士

    ○古賀之士君 時間になりましたので、質問を終わります。ありがとうございました。
  58. 宮崎勝

    ○宮崎勝君 公明党の宮崎勝でございます。  私は、税関行政について今日は質問をさせていただきたいと思っております。  税関の使命は、御存じのとおり、安全、安心な社会の実現、適正、公正な関税、消費税等の徴収、貿易円滑化の推進の三つが柱になってございます。特に、二〇一九年のラグビーワールドカップ大会、また二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック大会を控えまして、安全、安心な社会の実現、中でもテロ対策は大きな課題となってございます。また、麻薬や覚醒剤の密輸押収量も年々増加傾向にあるということも危惧されるところでございます。  一方で、訪日外国人旅客数は、昨年二千八百六十九万人でしたが、これを、政府におきましては、二〇二〇年に四千万人、またさらに三〇年には六千万人に増やしていくと、そういう方針で臨まれているということでございます。一方、また、国際的な通信販売の増加などで、小口の輸入貨物も非常に増えているということで伺っております。  こうした様々な課題に対応するためには税関の体制拡充ということが喫緊の課題だということは、これまでもいろんなところで指摘されてきたところでございます。  資料一でございますが、税関における主要業務量と定員の推移というグラフを、これ財務省が作られたものでございますけれども、お配りをしてございます。これは、平成十九年を一〇〇とした場合の税関の定員や入国者数、輸入申告件数の伸びを表したものですけれども、直近の税関の職員の定員は一〇九・六にとどまっているのに対しまして、入国者数は一七一・七、輸入申告件数は一九三・一ということで、入国者数、輸入申告件数の伸びが定員を大幅に上回っている実態が浮き彫りになるグラフだと思っております。  政府におかれましては、この税関の職員を三十年度はネットで二百九人増加させて、その後も計画的に増員する予定とは伺っておりますけれども、今後の訪日外国人客の増加や輸出入の増加と、こういったものが大幅に増加することが予想される中で現状の税関職員の増員計画で対応できるのかということをまずお伺いしたいと思います。
  59. 木原稔

    ○副大臣(木原稔君) 宮崎委員におかれましては、税関業務に御関心を寄せていただきましたことにまずは感謝を申し上げます。  委員おっしゃるとおり、税関業務を取り巻く環境につきましては、訪日外国人旅行者数や輸出入申告件数の増加に加えまして、覚醒剤などの不正薬物押収量の増加又は金地金の密輸の増加、あるいは国際的なテロ情勢の悪化など、非常に厳しい状況にあると、そのように認識をしているところであります。  このような状況の中で、税関では、空港や海港、海の港ですね、において迅速な通関と厳格な水際の取締り、その両立を実現するため、取締り検査機器の活用を図りながら所要の人員を確保する必要がございます。税関の定員につきましては、CIQの計画的な体制整備に向けて、平成三十年度予算におきましてはプラス二百九名の純増を計上しているところでございます。  今後とも、業務運営の一層の効率化あるいは機械化などを図りつつ、更なる訪日外国人旅行者の増加などに対応できますように、中長期的な視点に立って必要な定員の確保に努めてまいりたい、そのように思っております。
  60. 宮崎勝

    ○宮崎勝君 着実に増やしていただくということで、よろしくお願いしたいと思います。  その上で、私は昨年末、東京税関や横浜税関を視察させていただきました。不審者や不審物を見分ける税関の職員の方の練度が非常に重要だなということを感じたところでございます。  例えば、国際郵便物の検査では、職員の方が不審物とそうでないものを流れ作業の中で仕分をされております。これも、見分けるところはかなり熟練が必要だなということを感じた次第でございます。また、麻薬探知犬がございますけれども、この探知犬とハンドラーというのは常に一体で訓練だとか作業に当たっているということで、これもすぐに作業ができるというものではありませんので、一定の期間が必要であると思います。また、先端技術を使った検査機器も導入をされておりますけれども、それに慣れるまでにはまだ一定の時間も必要だなということが感じたところでございます。さらに、密輸の手口が年々巧妙化しているというふうにお伺いしております。それを見破る職員の経験とか知識もこれまた重要であるというふうに思っております。  職員を増やすことは大変大事なことでございますけれども、その一方で、新たに採用した職員の技術とか練度を向上させる取組、これは今どのようなことを行っていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
  61. 飯塚厚

    政府参考人(飯塚厚君) お答え申し上げます。  税関職員の練度向上に関するお尋ねでございますが、税関を取り巻く環境の変化に的確に対応しながら社会悪物品等の水際取締りの強化を図るため、税関職員には大きく二つの資質、能力が必要ではないかと考えているところでございます。一つは、不正薬物を始めとする社会悪物品や知的財産侵害物品等に関する関税関係法令や税関手続等の高度な専門知識、それからもう一つは、現場において旅客の挙動等を端緒とした携帯品検査でございますとか、あるいは、検査機器やあるいは麻薬犬等々を活用しました貨物検査により密輸事犯の発見、摘発につなげられるような実践的な能力、こういった大きな二つの能力が必要ではないかと考えているところでございまして、これらの能力、双方とも有する職員を育成することが大変重要であると考えているところでございます。  このため、新規採用職員に対しましては、税関研修所におきまして、大卒の場合二か月半程度、高卒の場合六か月程度の採用研修をそれぞれ実施し、関係法令等の専門知識や基礎的な検査手法を習得させることを行っております。また、それに加えまして、税関の現場におきましては、先輩職員から後輩職員に対するOJTに力を入れまして、実践的な能力を身に付けさせるということによって職員の練度向上に努めているところでございます。  今後とも職員の知識、能力の向上を図るため、各種研修やOJTの一層の充実を図ってまいりたいと考えております。
  62. 宮崎勝

    ○宮崎勝君 ありがとうございます。  その上で、税関の限られた人的資源を効果的に活用するには、先ほどもありましたけれども、検査機器の導入とか顔認証といったCIQを円滑化する仕組みのほかに、情報機能の強化ということが重要になると思います。  情報機能の強化について、政府は、旅客や貨物に関する情報を事前に入手する情報収集の強化とか国内外の関係機関との連携強化、また入手した情報を分析する情報分析の強化ということに取り組まれているということでございます。  その一つであります事前の情報収集の一環として、各国の航空会社から乗客予約記録、いわゆるPNRというものを電子的に取得をいたしまして、入国、出国の際の不審者の洗い出しに活用するシステムを導入をされているということでございますが、このPNRの電子的な取得はどの程度進んでいるのかと。また、EU加盟国の航空会社からPNRを取得するためには個人情報の取扱いなどの課題があるということでございますが、このEUとの交渉ですね、この現状についてお伺いしたいと思います。
  63. 飯塚厚

    政府参考人(飯塚厚君) お答え申し上げます。  PNRに関するお尋ねでございますが、まず税関では、航空機旅客が日本に到着する前に、当該旅客の氏名、国籍、生年月日に加えまして、予約年月日、旅行日程等が含まれます先生がおっしゃいましたPNRを航空会社から書面で取得することを平成二十三年から始めております。これらを分析することにより、テロ関連物資や不正薬物等の水際取締りの強化に努めてきたところでございます。  今申し上げた点でございますが、更に効率的、効果的にリスクの高い旅客を選定するために、平成二十七年四月からこのPNRの電子的な報告を可能としております。現在ではほぼ全ての旅客のPNRが電子的に報告されているところでございます。  今ほどもおっしゃいましたEU系エアラインからのこの取得の状況でございますけれども、EU系エアラインにつきましては、EUの個人情報保護法制、これもおっしゃったとおりでございますが、これを理由に現状ではPNRが提供されていないところでございますが、政府としてはEUに対しPNRに関する協力について必要な働きかけを現在行っているところでございます。  引き続き、PNRの電子的報告の促進と積極的な活用に向けた国際的な協力の強化に取り組んでまいりたいと考えております。
  64. 宮崎勝

    ○宮崎勝君 一応確認ですが、このEUとの交渉については二〇二〇年を目指してということで交渉するということでよろしいですか。
  65. 飯塚厚

    政府参考人(飯塚厚君) お答え申し上げます。  このPNRの取得を行われるためには政府間の協定が必要になります。現在、EUとカナダとの間でこの協定交渉が行われております。そのさなかに、先般、欧州司法裁判所の判断が出まして、非常に厳しい判断であるということで、今その辺、カナダとの協定の交渉の見直しが行われている最中でございます。それが終わらないとなかなか次の段階に入れないというふうにEUから聞いております。  したがいまして、今二〇二〇年までというお話ございましたけれども、もちろんそれを目指してEUと交渉しているところでございますけれども、それがかなわない場合も想定をいたしまして、同時に、個別のEU加盟国税関当局等に対しましても情報交換の協力強化に向けた働きかけを順次行っていると、こういう状況でございます。
  66. 宮崎勝

    ○宮崎勝君 ありがとうございます。  あと、一方で、クルーズ船の旅客の問題でございますけれども、これもクルーズ船による訪日旅客数は、二〇一七年ですけれども、前年比二七・二%増で二百五十三万人ですか、寄港回数が三七・一%増の二千七百六十五回ということで、いずれも過去最高を記録しているということでございます。  一度に大量の旅客が入国するクルーズ船については、大きな港ですとターミナルなどが整備されていますけれども、地方の港湾については施設も十分ではなくて、入港の都度、税関職員の方が増員して対応されているというふうなこともお伺いしております。  クルーズ船についても事前に旅客情報を入手する仕組みが必要ではないかというふうに考えておりますけれども、御認識を伺いたいと思います。
  67. 飯塚厚

    政府参考人(飯塚厚君) お答えを申し上げます。  航空機旅客に関するPNRについては今お答え申し上げたとおりでございますけれども、一方、クルーズ船の旅客につきましては、現時点では国際統一的な報告フォーマットが定まっていないと、こういうこともございまして、現状、PNRの入手、活用が困難な状況でございます。そこで、これまでAPI、事前旅客情報でございますが、と呼ばれる情報、すなわち氏名、国籍、旅券番号等の基礎的な情報を船舶代理店等から入手し、これを活用してきたところでございます。  現在はこのAPIは一部が書面にて税関に報告されておりますが、より効率的かつ迅速な情報活用を図る観点から、昨年の関税法改正によりまして税関業務や輸出入関連業務を電子的に一元処理するシステムでございますいわゆるNACCS、これを経由してAPIへ報告することを原則化いたしまして、平成三十年度中に施行を予定しているところでございます。  今後とも、旅客情報の事前入手に努めながら、厳格な水際取締りを図ってまいりたいと考えております。
  68. 宮崎勝

    ○宮崎勝君 分かりました。ありがとうございます。  もう一つ、情報の強化ということにつきましては、各国の税関との協力ということが行われているそうです。政府におきましては、その一環といたしまして、税関相互支援協定、CMAAというものですけれども、あと経済連携協定、EPA、税関当局間の取決めなどの締結を進めているということでございます。こうした協定が結ばれることによりまして、例えば薬物や銃器などに関する相手国との交渉がスムーズに進めることができるということでございます。  資料、お手元にお配りした資料二でございますが、この税関相互支援の枠組みの現状という、これも財務省がお作りになった資料でございますけれども、これを世界地図の中に落とし込んだものがこれでございます。緑のところがこうしたCMAAとかEPAなどが発効済み又は署名済みということで、ピンクのところが政府間で今交渉中ということでございます。これ、直近のものでは今年の一月一日現在で、三十四か国・地域と発効済み又は署名済み、ピンクのところ三か国と現在交渉中ということでございます。  やっぱり、これを見ますと、こうした締結を是非進めてもらいたいと思いますけれども、なかなか中東地域でありますとかアフリカ地域の国々との協定の締結がほとんど進んでいないというのが一目で分かるわけでございますが、その理由と今後の見通しについてお伺いしたいと思います。
  69. 飯塚厚

    政府参考人(飯塚厚君) お答え申し上げます。  我が国は、不正薬物や銃砲等の密輸入や知的財産侵害物品の水際におけるより効果的な取締りなどを推進するために、今おっしゃいましたCMAA、すなわち関税法令に違反する情報交換の協力等を内容とする諸外国との協定、こういったものなどの締結を通じた協力枠組みの構築を積極的に努めている、進めているところでございます。このような枠組みの構築に当たりましては、これまで我が国との貿易量や不正薬物等の密輸動向等を考慮しながら順次交渉を行ってきているところでございます。  その結果として、我が国において現在まで、今おっしゃいましたように北米やアジア、ヨーロッパ地域を中心に三十四か国・地域との間で協力の枠組みを構築していると、こういう状況でございます。  これに加えまして、現在、アルゼンチン、ウルグアイ、ボリビアとの間でCMAAの締結に向けた政府間交渉を行っているところでございますし、また、中東、アフリカ諸国につきましても締結交渉に入るための準備作業を優先度を見ながら順次開始しているところでございます。  このように、御指摘の中東、アフリカ、中南米諸国との間でもCMAAの締結に向けた取組を順次進めつつあるところでございまして、引き続き、各国税関との協力枠組みの構築に向けて積極的に取り組んでいきたいと考えております。
  70. 長谷川岳

    委員長長谷川岳君) 時間です。
  71. 宮崎勝

    ○宮崎勝君 時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。
  72. 大門実紀史

    大門実紀史君 大門です。  この一年、地域の損保代理店の問題を何度も取り上げさせていただいてまいりまして、要するに、全国、地域で頑張っている損保会社の中小の代理店が、災害時には一番地域のニーズをつかんで被災者支援のために一番頑張ってくれてきた、そういう代理店が大手損保会社の下で大変な目に遭っているという問題を取り上げてきてまいりました。  一つは、ポイント制という仕組みを使って手数料収入を、代理店の収入を減らしていくというようなこととか、あるいは乗り合い拒否といってほかの損保会社の商品を扱うことをさせないということ、妨害をするということとか、いろいろ問題があったんですけれども、その問題を取り上げさせていただいてきて、特に、研修生といって大手損保会社が育てた代理店については二十年たっても三十年たっても乗り合いを認めないというような、今どきそんなことが行われていいのかというようなことまであるわけですけれども、そういう問題を取り上げてまいりまして、麻生大臣に中小の代理店は大事だということを言っていただいて、金融庁も具体的にそういういろんなことを改善するために努力をしてきてもらったわけでありますけれども。  この間、ちょっと整理する意味で、どういうふうに具体的に金融庁が努力されてきたのか、簡潔に説明をしてほしいと思います。
  73. 遠藤俊英

    政府参考人(遠藤俊英君) お答え申し上げます。  委員指摘の損保代理店の手数料ポイント制度、乗り合い承認につきましては、その実態把握のために、昨年国会で取り上げられて以降です、主要な損保会社、これは六社ですね、それから様々な規模の損保代理店、これ二十五社に詳細なヒアリングを行いました。実態把握の結果、共通する声がいろいろあったわけでございますけれども、大きく三つ声が聞こえました。  一つは、乗り合い申請に対する損保会社側の諾否の回答が引き延ばされる場合や判断理由が明確に説明されない場合があるなど、不信感がある。一つは、代理店として商品数増加に適切に対応できる体制となっていることを前提に、顧客に提供可能な商品、サービスを実質的に拡大する場合については乗り合い承認を検討してもよいのではないか。さらに、損保会社の研修生出身の場合、乗り合いを認めないといった厳しい対応が行われることがあるといった声が代理店から聞かれたところでございます。  このため、昨年九月に行いました損害保険協会との意見交換会の場におきまして、乗り合い承認に関する当庁の気付きの点として、こういった点を踏まえて、代理店に対する対応について損保会社に真摯に考えてみていただきたいということを伝達したところでございます。当庁から伝達した内容を踏まえまして、現在、各損保会社において検討や見直しが進められているものと承知しております。
  74. 大門実紀史

    大門実紀史君 本当に真摯によく頑張ってきていただいております。財務省がこんな状況ですから、もう金融庁が本当に輝いて見えるというぐらい思いますけれども。  ところが、資料を配付いたしましたけれども、この国会質疑審議大臣の御答弁、そして金融庁の努力、今席外されていますけど、自民党の西田議員もこの問題では一緒に協力していただいたりするんですけれども、そういうふうな国会の努力、金融庁の努力、大臣の御答弁、姿勢を小ばかにするといいますか、愚弄するようなことが行われていたということが分かりました。  資料を配付いたしましたけれども、これは業界三位の、普通なら名前出すんですけれども、今ちょっと反省しているということなので、取りあえず名前、名指しはやめておいてあげているんですけど、業界三位のM海上火災と言えばもう分かっちゃうんですけど、何をやったかといいますと、十二月の二十日、字が小さくて申し訳ないんですけど、要するに、金融庁がいろいろヒアリングされたり指導された後にこういう文書を出したということです。  要するに、何書いてあるかというと、上の方に、小さい字なんですけど、線を引きましたけど、国会質疑、二〇一七年三月、去年の今頃ですね、この参議院財政金融委員会、申し上げたように、大臣の御答弁があって、金融庁も努力するというようなことがあったんですけれども、それに端を発しと。これ、どういう意味なのかと思いますけれども、元々問題が起きていることを取り上げただけなんですけど、何かこの委員会での質疑から問題が起きたような書き方をしてあるんですが。  中ほどに線を引きましたけど、どう読み取るかとあるんですけど、お客様第一に業務運営をすると、それに照らして乗り合いについて承認するかしないかを判断しますと。何か当たり前のことのように、例えば、お客様第一というのは、今金融庁の森長官がよく言われていますけど、顧客本位の業務運営と、例のフィデューシャリーデューティーですか、をここにわざわざ持ってきて、そういうことを物差しにして乗り合いを判断するんだと。逆に言えば、これに反したら乗り合いは拒否していいんだというようなことが言いたいわけなんですね。  つまり、その判断誰がやるかというと、相変わらず大手損保会社がやるということなんですね。だから、いかにも何か金融庁の指導どおり金融庁が言っている言葉を使っているんですけれども、そういうことが前面に書いてあって、中にはもっとひどいことがいっぱい書いてあるんですけれども、例えば次のページですね。  基本的な考え方で、今言ったようなことで判断して、上の方に、何かいかにも、お客さんにいろいろマイナスになるんだったらというのを自分たちが判断して乗り合い承認を拒否するとはっきり書いてありますね。括弧の中には、まあこれ上から目線もひどいなと思うんですけど、代理店にしっかり認識させるということでね。三番目のところは、代理店に乗り合いの意思を持たせないように日常の指導を十分に行うと。これ、社内文書なんですけど、こういうことを徹底しているわけですね。  さらに、次のページは、乗り合いをしたいと、ほかの損保会社の商品を扱いたいというようなことを言った場合は、もう登場人物を替えて撤回に説得を試みると。徹底的に乗り合いさせないと。乗り合い意思の撤回のために強力な働きかけを行うというようなことを、わざわざこの国会質疑をやって、金融庁がヒアリングまでやっていただいて、この会社は当然呼ばれていますけれども、その後こういうものを出して、相変わらず会社の判断で乗り合いは拒否するというようなことをわざわざ徹底している文書であります。何の反省もないわけですね、この間起きて指摘されていることに。  ちなみに、業界第一位のこの損保も、態度を変えると、改善していますので名前は名指ししませんけれども、業界トップのS損保としておきますけど、これも分かっちゃいますけど、そこはもっと堂々と悪質なやり方で拒否をしてきたんです。もっと強引に、正面から、乱暴なやり方で。  ところが、この第三位のM火災というのは非常に陰湿なやり方で、乗り合い申請をするとほったらかしするわけですよ、ずっと。ほったらかしして、もう我慢できなくて乗り合いを進めると、勝手乗り合いだということでそこで処分みたいなことを、システムのシャットダウンとかやるとか、強引なことをやるという、非常に陰湿なことをやってきたのがこのM火災なんですけれども、今回もこういう、何か逆手に取るようにしてまた同じことをやろうとしていたわけであります。  こういうやり方は全く大臣の御答弁、金融庁の姿勢、私の指摘、今自民党の皆さんもそうだと思って参加してくれているようなこの流れは全く分かっていないと思うんですけれども、遠藤さん、いかがですか。
  75. 遠藤俊英

    政府参考人(遠藤俊英君) 委員から御指摘ありましたこの文章でございますけれども、乗り合い承認に関しましては、基本的には民民間の契約に基づくということでございますので、我々は保険業法に基づく行政をやっておりますので、私の立場からちょっとこの文章についてどうかということを一義的に申し上げることはなかなか難しいんですけれども、ただ、先ほど説明させていただきましたように、乗り合い承認に対する損保会社の対応につきましては、議員から過去に御指摘いただいたとおり、代理店から様々な声があるということから、当庁といたしましても、先ほど申しましたように、直接代理店の声を聴取して、昨年九月の意見交換会において、そうした代理店の意見も踏まえて、代理店に対する対応について真摯に考えるように損保会社に伝えたところでございます。  御指摘のように、このM海上は、当初の対応について、既にこういった文書を撤回したと、既にこの対応を改めているということでございますので、これは昨年九月に当庁から伝えたような代理店の声を十分踏まえて撤回に至ったのではないかなというふうに考える次第でございます。
  76. 大門実紀史

    大門実紀史君 最後のページがそうなんですね。  そもそも、この内部文書がなぜ私のところに来たかといいますと、このM海上火災の社員の方が、代理店の対応を自分がやってきて、やっぱりちょっとひどいなと、うちの会社もひどいなと思っていたときに、国会でいろいろな議論があって、金融庁が指導されて、改善しなさいということがだんだんだんだん伝わってきて、いい方向に行くのかなと思っていたら、自分の会社は相変わらずこんなことを、わざわざこんなことをやっていると。これはひどいということで、うちの関係者でも何でもない方ですよ、本当にそこに普通で働いている方なんですけど、余りにもひどいということで、たまたま私が国会で取り上げていたので、うちの部屋にこんなことが行われているということで告発的に寄せられたわけであります。つまり、このM海上火災で働いている社員の人でさえこのままでいいのかと思っていたような問題だということであります。  そして、最後のこの資料がそうなんですけれども、金融庁立会いの下に、このM海上火災、うちの部屋に来ていただいて、国会での審議が名指しでやられておりますので、私の質問が名指しでやられておりますので経過を説明ということと、私も、民民ですから、こうしろああしろということではなくて、私が取り上げた趣旨と違うということだけ指摘させてもらったら、三月になってこういう文書が届きまして、撤回いたしますと、十二月二十日の文書を撤回して新たに方針を見直しますということと、どういうふうに見直すのかはヒアリングをして、ちょっと時間下さいということなんですが、こういうことをはっきりとおっしゃっています。基本的に乗り合い申請は認めますと、それと、私がさっき指摘した、期日管理は徹底します、つまり、申請があって、ずるずるずるずるほったらかしにしているようなやり方はいたしませんというような新たなマニュアルを作るということで報告をいただいたところでございます。  もうしばらく本当にそういうものが出てくるか見守りたいと思うんですけれども、ほかのところもこういうことをやっている、たくさんありますので、損保会社で、可能性もありますので、引き続き、何といいますか、もちろん民民の世界ではあるんですけれども、こういうひどい事態はないようにということは周知徹底をしてほしいと思うんですけれども、ここ、最後麻生大臣お話を聞きたいなというふうに思います。
  77. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは民民の話なんで、どうという話にはなかなかならない話なんですけれども。  小さな損保代理店というのは、余りそんなのに関係した人、ここの中におられぬのかもしれません。例えば山登りますと、山登りの保険なんて誰も知りませんよね、そんなものはありませんから。ところが、こういうところ行くとあるんですよ、小さなところだと。これは極めて有効でして。また、そうですね、今、外国人の研修生なんかの場合が、数年間という間だけアパートに入って、そこの中に置いてある家財に関するもし破損したときの保険、そんなもの東京海上なんかやっていません、そんなもの。しかし、これ、現実問題としては結構深刻な話でして、そういったこともあり得ますから、家の中でたき火をしないでくださいなんてことを書かなきゃいかぬというのは、やっぱり普通じゃないですよね。これ、だけど、そういう人たちが入ってきますから、現実問題として。家の中でたき火しちゃったりする人がいるわけですよ、現実問題として。  だから、そういうのに対して、冗談じゃないという話でちゃんと対応して、火災保険というような小さな、それも数え上げれば幾らでも出てきますけれども、そういったような話に対してのきちんとしたものをやっていくというのは、やっぱり大手じゃ無理なんだと思うんですよね。  だから、そういった意味では、こういったものをきちんとやっていくというのは大変大切なので、これは、これまで共産党と自民党が一緒にやっているというのはいかがなものかという御批判をいただいたりしましたけど、これまともな話で、大門先生とこれ三年ぐらいやっていますかね、やらせていただいているんだと思いますけれども、成果が少し出てきたんだと思っておりますので、きちんと今後ともこの方向で進めさせていただければと思っております。
  78. 大門実紀史

    大門実紀史君 終わります。
  79. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻です。よろしくお願いいたします。  この委員会の前に理事会でG20の報告があったんですが、その中で、仮想通貨に係る規制や経済の電子化への課税の在り方などの政策課題を議論と、こうあったわけですね。今、仮想通貨は非常にホットな話題ということで、昨日に続いて今日も質問させていただきたいと思います。  昨日の議論でもお分かりのように、もう仮想通貨というのはニッチな分野ではないわけで、今こそやっぱり消費者保護の法整備とそして税制改革が、税制整備が必要かなというふうに思っております。  話をする前に一言申し上げておくと、先日、一月末にコインチェック社の問題がありましたけれども、コインチェック社の問題というのは、これは交換会社の問題であって、決して仮想通貨自体の問題はないという認識だけははっきりさせておきたいと思います。  この分野というのは非常に技術発展が著しいものがありますので、税制に関しましては、当面の税制の問題と、あと将来的な税制を早め早めに考えておかないと追い付かなくなると思うんですね。ですから、その点で、二点、また今日もお話をお聞きしたいと思っております。  昨日、当面の税制改革としては、二〇%の申告分離、そして仮想通貨同士の交換のときは利益の繰延べ、そして三番目に、交換手段として使った場合にはある程度の金額までは非課税を考えるべきではないかということを御提唱したわけです。  それは、一つには、まず今の税制では利益を捕捉不可能ではないかという非現実的な税制、ちょっとすると、まるっきり非現実的な税制になってしまうのではないかという懸念。そしてもう一つは、ブロックチェーンと仮想通貨というのはやはり表裏の関係にありますので、仮想通貨の税制によってブロックチェーンの将来を摘み取ってはいけないと、殺してはいけないということで、そういう提言を申し上げたわけです。  今日は、まず最初にちょっと大臣にお聞きしたいんですけれども、ちょっと順番を変えますが、大臣にお聞きしたいんですけれども、私は外資系にいたので、外資にいますと、税金の安いところにどんどん国籍を変えていくのは非常に多くの人たちがやっていて違和感がなかったんですが、日本ではさすがに、特に我々みたいな高齢者というのは日本を捨ててまで、税金が高いからって捨てるというようなことはなかったんですけれども、見ていますと、IT長者は意外と国を捨てているんじゃないかと、要するに税金の安い方に移っているんじゃないかと。  そして、今、億り人、要するに仮想通貨で億万長者になった方を億り人と言うらしいんですけれども、その億り人の人たちも意外と海外移住を考えているんですね。私も勉強でブロックチェーンとか仮想通貨の講演会聞きに行くことがあるんですけれども、そうすると、多く出てくる質問が、どうやったら非居住者になれるのかとか、どうやったら移転するのかとか、そうやって質問を、興味のある方というふうに講師が聞いて、三分の一ぐらい手を挙げた人もあるわけですよ。  というぐらいに、若い人たちは余りにも税率が高過ぎると逃げていってしまう。それもコールドウォレットかなんかで持っていかれたら全然分からないわけですよね。それで、税率の低い海外で実現益を出して税金をそちらで払ってしまうと、こういうようなことも起こり得ると思うんですね。  例えば、昨日、藤末議員が、海外移住の人たちの税制、株式なんかを一度、未実現利益を徴収するということについてお聞きしていましたけど、私、去年の時点から、あれは未実現利益に課税するという税金の大原則に反するとんでもない税法じゃないかなと私は思っていたんですけれども、それはともかくとしても、そういう税法であっても、海外移住してしまう、海外に逃げてしまう人の税金を取り逃がしてしまうことになると思うんですね。それよりは、やっぱり若い日本人、優秀な日本人を国内にとどめておいて、きちんと気持ちよく税金を払ってもらうというような仕組みをつくっておいた方がいいんではないかと、こう思うんですけれども、大臣、それについてのお考えをお聞かせいただければと思います。
  80. 木原稔

    ○副大臣(木原稔君) 私、昨夜、G20から帰ってまいりまして、ブエノスアイレスから三十時間掛けて往復したわけですが、その中で、初めて国際会議の中で仮想通貨というものが取り上げられた、幾つかセッションの中のアジェンダがあった中でも、仮想通貨、実際、仮想通貨とは、バーチャルカレンシーという言葉よりも、最近はクリプトアセットということを各国使っておりましたけれども、非常に関心が高く、日本が非常に先行していろんな法で規制しているということもあって注目を集めたところですが。  今、御質問に関して、所得税については、所得が高い方により高い割合で税をいただくという、いわゆる所得再分配の考えに基づいて全ての所得を合算して累進税率を適用する総合課税、これも仮想通貨を含めて今原則としているところです。  その上で、例えば、委員おっしゃるように、上場株式等の譲渡益などは例外的に二〇%の分離課税というふうにしているところですが、これについては、所得再分配という原則を犠牲にするという大きなデメリットがある一方で、貯蓄から資産形成へという考えの下で家計における株式投資を後押しするメリットが大きいと、そういう考えに基づいて、今、私ども、分けて考えているところです。  委員の御提案、これは分かる部分がございます。仮想通貨についてもその二〇%の分離課税を採用した場合に、今、億り人という、そういう最近のはやりの言葉を言われましたけれども、そういう方々のように仮想通貨の売買で一億円稼いだ方の税率を五五%から例えば二〇%に大幅に引き上げることになりますと、この所得再分配という所得税の原則を犠牲にしてしまうということ、果たしてこれが我が国におきまして適当なのかなという問題が、ほかのそれをやっていない国民にとってやはり問題が発生するのではないかなと思います。  委員の御提案につきましては、同じ一億円でも、例えばそれ以外のことで稼いだ、給与とか事業で稼いだ方は五五%の税率が掛かる一方で、仮想通貨で一億円稼いだ方は二〇%の税率でよいとすることについて、国民の理解というものをやはりこれは得られるような方法も、もしするのであれば考えていかなきゃいけないことだと思いますし、また、株のように家計で仮想通貨を購入することを国として推奨するということが、果たしてこれが妥当なことなのかということだと思います。  また、ブロックチェーンの話もございましたけれども、その技術の発展は重要であるというふうに認識しておりますが、家計での仮想通貨の購入を後押しすることがブロックチェーン技術の発展に本当にこれも寄与するのかなどの問題もありますから、そういったことを総合的に慎重に検討する必要があるというふうに考えております。
  81. 長谷川岳

    委員長長谷川岳君) 時間を過ぎておりますので、よろしくお願いいたします。
  82. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 これで終わりますけれども、ブロックチェーンの将来性に懸けるということで、私は二〇%原則分離課税にするべきであろうというふうに思います。  続きは、後日にいたします。
  83. 風間直樹

    ○風間直樹君 文書改ざん問題について、まず会計検査院にお尋ねをいたします。  検査院は、今回、財務省の文書改ざんの行為が検査院法の二十四条に違反したという認識でしょうか。
  84. 岡村肇

    説明員(岡村肇君) お答え申し上げます。  本件の場合、近畿財務局長は契約担当官でございまして、二十四条に定める証明責任者ではなかったところでございます。
  85. 風間直樹

    ○風間直樹君 昨日、二十六条に財務省の行為は違反しているという御答弁でしたが、それを踏まえて、三十一条の検査院による懲戒処分要求財務大臣に対して、これを行うことを検討されているかどうか伺います。
  86. 宮川尚博

    説明員(宮川尚博君) お答え申し上げます。  会計検査院法第三十一条第二項後段は、国の会計事務を処理する職員が第二十六条の規定による要求を受けこれに応じない場合は、懲戒処分の要求をすることができると規定しております。そして、応じない場合とは、国の会計事務を処理する職員に故意又は重大な過失があることと解されております。  お尋ねの懲戒処分要求につきましては、事実関係を踏まえ、法に定められた要件に該当するかについて検討してまいります。  以上でございます。
  87. 風間直樹

    ○風間直樹君 検査院が検討するとおっしゃるんですから、検査院法上もこの文書改ざんは極めてゆゆしき事態だったということだろうと思います。  それで、次のお尋ねですが、検査院法の二十条の三の規定ですね、何回か伺ったんですけど、この最後の有効性の概念の定義について説明をしてください。
  88. 岡村肇

    説明員(岡村肇君) 有効性の観点でございますが、事務事業の遂行及び予算の執行の結果が所期の目的を達成しているか、また効果を上げているかということでございます。
  89. 風間直樹

    ○風間直樹君 そうすると、今回の文書改ざん事案では、この二十条の三に抵触する可能性のある行為はあったとお考えか、なかったとお考えか、お願いします。
  90. 岡村肇

    説明員(岡村肇君) お答え申し上げます。  二十条の第三項でございますが、会計検査院は、正確性、合規性、経済性、効率性及び有効性といった多角的な観点から検査を行うものとされているところでございます。  そういう点で、今回の行為につきましても、こういった多角的な観点から見て、該当してくるものもあろうかというふうに存じます。
  91. 風間直樹

    ○風間直樹君 こうしてお尋ねしていくと、検査院法上は、検査院が認識するところの財務省による今回の事案については多々検査院法に触れるおそれのある部分が多いと。昨日、二十六条については抵触するとおっしゃったわけです。  参考までに、これ、検査院が財務省若しくは国交省から二十七条、検査院法上、二十七条に基づく報告、文書改ざん、こういうことがありましたという報告を受けたのはいつだったでしょうか。
  92. 宮川尚博

    説明員(宮川尚博君) お答え申し上げます。  今回の決裁文書書換えの事実につきましては、二十七条報告ということではございませんが、三月十二日に理財局から説明、報告を受けたところでございます。
  93. 風間直樹

    ○風間直樹君 三月の二十七日……(発言する者あり)十二日です、はい。  それで、麻生大臣に伺いたいんですけれども、先日も国家行政組織法第十条の大臣の統括責任と服務統督責任についてお尋ねをしました。それで、予算委員会等でもいろんな議論がされておりますが、この会計検査院法にのっとって考えるだけでも、今回の文書改ざんが検査院法に触れる部分が多々出てきていると。そうすると、今調査中だということで、恐らく大臣の御判断としてはもう少し先に自分の責任を考えたいと、こういうことだと推察をしていますけれども、現時点で既にこの事務の統括と服務の統督に関する大臣の責任が明らかに問われるということになってきております。  そこを踏まえて、この国家行政組織法上、十条の大臣の責任、どのように認識されるか、改めて伺います。
  94. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今、もう度々御答弁を申し上げておりますように、国家行政組織法において、これは各省大臣はその機関の事務を統括し、職員の服務についてこれを統督するということで規定されておりますので、これはもう御存じのとおりなんですが、私どもとしては、三月二日に報道があった以降、書換えの事実についてその調査を私どもが事務方に指示をして、その結果を三月十二日に公表をさせていただきました。  文書の国会提出時の担当局長であった佐川前長官につきましては、三月九日にいわゆる国有財産行政に関する信頼を失ったと、損なったということに対して懲戒処分を行った上で退職させるなど、様々な点でやらせていただいておるところでありますけれども、今、さらに誰がいつどこでどういう目的で等々細目につきましては私どもまだ目下調査中でありまして、私の指揮の下で、矢野官房長ほか中心になって引き続きこれは更なる調査をさせていただいておりますが、少なくともこういった事態というものが、きちんと全容を解明して、二度とこういったことが起きないようにする体制をつくり上げるということが一番肝腎なところだと私どもそう思って、目下捜査中のところでありますので、それ以降の話につきましては、今の段階でお答えできるのは、今はそこまでであります。
  95. 風間直樹

    ○風間直樹君 大臣とは日頃お付き合いもございまして、大臣の御判断については私も日頃からいろんな場面で拝見する局面があるので、今日の答弁については拝察を申し上げます。  その上で、今回の文書改ざん事件については、上司である財務大臣国家公務員法上の第九十八条、「職員は、その職務を遂行するについて、法令に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。」、ここからすると事件当事者でありまして、第三者性に欠けるんだろうと私は考えております。したがいまして、問題解決の責任者として今回財務大臣というお立場はふさわしくないんだろうと、このように考えております。  以上で終わります。ありがとうございました。
  96. 中山恭子

    中山恭子君 ありがとうございます。希望の党の中山恭子でございます。今日、行政手続の簡素合理化、特に、納税手続における押印の義務付けの廃止についてお伺いしたいと思っております。  新しい経済政策パッケージの中で、生産性革命という中で、行政からの生産性革命として、デジタルガバメントの推進、マイナンバーカードの利活用推進、法人設立手続オンライン・ワンストップ化などが挙げられています。  ただ、もっと身近な問題として、例えば役所におけます煩雑な手続、いろいろな窓口に行きましても、必ず押印、判を押すことが求められているということが間々あります。こういった中で、何事についても判を押されるというのではなくて、もう少し押印の簡素化を進めてみてはいかがでしょうかと思っております。国会でもいろんな手続でいまだに全て判を押すということが、例えば、何というんでしょう、文言の訂正などにつきましても押印が必要になっています。もちろん、判を押すことが全てよくないと言っているのではありませんが、押印を省いてもよいものについては省く措置をとるための行動を起こしてよいのではないかと思っております。  地方公共団体では、例えば、千葉市におきまして、二〇一四年度中に二千種類の市民申請書を押印不要にし、手続を簡素化し、市民の利便性を高めたと報道されておりました。ただし、残り千種類は国の制度との関係で地方自治体独自には廃止できないということだったと聞いております。  この場合ですと、その関係法律の改正をすることが必要になってまいりますし、財務省だけの問題ではないということを重々承知しておりますが、財務省が率先して判こゼロというのを提唱してはいかがでしょうかと思っております。財務省はいかがお考えでしょうか。
  97. 星野次彦

    政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  先生からの御指摘財務省だけに限らず全体の行政手続の簡素化等の観点から、押印の要否を見直すべきという御指摘でございます。  御指摘のように、押印の要否を見直すべきといったその指摘が以前からあることは承知をしておりまして、政府としても、本年一月決定されましたデジタル・ガバメント実行計画におきまして、内閣官房が政府全体の押印見直しに関する方針を整理をし、その上で各府省は所管手続について押印の要否を見直すといった方向性が示されたと承知をしております。  財務省といたしましても、こうした政府全体の方針を踏まえまして、例えば、税務手続でございますれば、納税者利便の向上を図るとともに、課税徴収等の税務執行に与える影響も勘案した上で、例えば税務手続における押印の在り方なども含めまして丁寧に検討、議論をしていく必要があると考えております。そういう意味では、財務省としても問題意識を十分に持って、今後、検討していくべき課題だと考えております。
  98. 中山恭子

    中山恭子君 ありがとうございます。  財務省が率先して、国税通則法でしょうか、それから法人税法などの改正も必要になってくるかと思います。ただ、財務省が率先して税務手続を始めとして押印の義務付けを廃止していくならば、ちょっと大げさかもしれませんが、役所全体の手続が簡素化され、人々の利便性を高めることにもなります。これによって、生産性も高まり、経済成長にも資すると考えられますので、是非、判こゼロに向けて措置をとっていただきたいと思っております。  もう一点、先ほど松川委員から、国会でも電子化が必要ではないかというお話がありました。税についても、税の電子申告義務化について考えてはいかがでしょうかと思っております。  法人税の電子申告割合というのは、イギリスでは九八%、フランスでは九六%となっていると聞いております。日本ではここまでは進んでおりませんで、二〇一六年度で法人税が七九・三%、所得税が五三・五%にとどまっていると聞いておりまして、諸外国と比べて普及が進んでおりません。  平成三十年度の税制改正では、資本金一億円以上の大法人に対して法人税等の電子申告を義務化することとされていますが、大法人のみでは件数も少ないですし、効果がそれほど大きいとは思えませんので、むしろ規模に関係なく、電子申告の普及を更に促す方法として、所得税や法人税の青色申告者に対して電子申告を義務付けることを検討してはいかがでしょうかと思いますが、財務省としてはどうでしょうか。
  99. 星野次彦

    政府参考人(星野次彦君) 電子申告の促進についてのお尋ねでございます。  まず、個人につきましては、近年、電子申告の利用が伸び悩んでいる中でまずは税務手続の電子化に係るインセンティブを高めることが重要であると考えておりまして、今般の改正におきましても、青色申告特別控除につきまして、現行の要件に加えて電子申告等の要件を満たした場合に控除額を十万円上乗せするというインセンティブ措置を創設したところでございます。  また、法人につきましては、規制改革推進会議の取りまとめも踏まえまして、今回は、先ほど委員指摘のとおり、大法人に電子申告を義務付けることとしたところでございます。  中小法人につきましては、データ形式の柔軟化や提出先の一元化など、申告データを円滑に電子提出できるよう環境整備を進めながら、まずは電子申告利用率を高めていく、八五%を目指すことが規制改革推進会議で取りまとめられておりまして、まずこの達成を目指してまいりたいと、それを達成した上で電子申告義務化を将来的な課題としてやっていきたいと考えております。  個人、法人共に青色申告者の多くは中小事業者でございまして、中小事業者にも広く電子申告が利用されるよう、未利用者の実態も踏まえて今後とも執行当局と連携して電子申告の利便性改善に取り組んでまいりたいと考えておりますけれども、御指摘のような措置も含めて制度的な対応による電子申告の普及促進については、こうした取組の成果を見極めるとともに、中小事業者のICT環境等を踏まえつつ引き続き様々な方策を検討してまいりたいと考えております。
  100. 中山恭子

    中山恭子君 是非努力してくださるようお願いいたします。  ありがとうございました。
  101. 藤末健三

    ○藤末健三君 国民の声の藤末健三でございます。  私は、先ほど理事会でも御報告いただきましたG20、財務大臣・中央銀行総裁会議について御質問したいと思います。  まず、このG20の声明文を読みますと、先ほど木原副大臣からもお話がございましたけれど、仮想通貨につきまして、クリプトアセット、暗号資産という形で表記がされております。また同時に、ソブリンカレンシー、国の通貨としての特性がこの仮想通貨には不足しているというふうに書かれているわけでございます。  ただ一方で、先ほど藤巻委員からもお話がございましたけれど、ブロックチェーン技術を使ったこの新しいクリプトカレンシーでございますが、日銀法の目的の中に、通貨及び金融の調整、そして金融機関間の資金決済の円滑化の確保ということが書かれているわけでございますが、是非、このクリプトカレンシー、クリプトアセットを活用すると、中央銀行として活用することを考えるべきだと思うんですが、黒田総裁の見解をお聞かせください。
  102. 黒田東彦

    参考人黒田東彦君) 仮想通貨というものを考える場合には、現在の仮想通貨固有の問題と、委員指摘のように、これに使われている新しい技術、ブロックチェーンあるいは分散型台帳技術、こういった問題を分けて考える必要があるのではないかと。その上で、支払決済など金融サービスへの信頼確保や投資家保護あるいはマネロン規制といった要請と、やはり新しい技術を活用したイノベーションの促進という要請のバランスに配慮していくことが必要ではないかと思います。  まず、前者の観点からは、支払決済や金融は人々の信頼に支えられるものでありますので、仮想通貨をめぐる動きがこのような信頼を損なうことのないよう、中央銀行としても注意深く見ていく必要があると認識をしております。  同時に、後者の観点からは、新しい技術の活用が御指摘のように支払決済などその他様々な金融サービスの利便性向上あるいは効率性の向上に結び付いていく可能性もありますので、むしろそういった環境をつくっていくということも重要だと思いますので、この面でも中央銀行の立場から責務を果たしてまいりたいというふうに考えております。
  103. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非議論を深めていただきたいと思います。  もう既にフィンテックセンターを設置していただけたわけでございますが、私の個人的な思い入れを申し上げますと、今、日本銀行券を日銀が発行していただいて、まさしくソブリンカレンシーとしてあるわけでございますけれど、今のまま国債をどんどんどんどん買い続けてバランスシートが悪化して、その日銀の信頼が揺らいだときにどうなるかということがございます。  もう総裁御存じのとおり、クリプトカレンシーは暗号技術による信頼。まさしく日銀の信頼が揺らいだときに技術の信頼というところに私は代わり得る可能性があるのではないかと思いますので、日本銀行券に代わる仮想通貨という発想もいただきたいと思いますし、もう一つございますのは、テクノロジーのみならず、やはりインターネット上にあるということが非常に重要でございまして、為替フリーの通貨になるのではないかと。ですから、今、日本の企業は、特に輸出型企業は為替の変動でどんどんどんどん収益が変わっているという中で、クリプトカレンシーを利用するという議論もあるというふうに聞いております。そういうところも是非御検討いただきたいと思います。  次にございますのは、このG20の声明の中で、このクリプトカレンシー、クリプトアセットの管理につきまして、基準について、FATF、ファトフと言いますけれど、金融活動タスクフォースで基準を作っていくと、そして世界的な実施を要請するということが声明に書かれているわけでございますけれど、日本政府としてこのFATF、金融活動タスクフォースにおける議論是非イニシアティブを取っていただきたいと思いますが、その意気込みをお聞かせいただきたいと思います。
  104. 佐々木清隆

    政府参考人佐々木清隆君) お答え申し上げます。  今回のG20におきましては日本の主張が反映され、G20が、仮想通貨に適用される形でのFATF基準の実施にコミットするとともに、FATFに対しまして、同基準の見直しを期待し、世界各国に実施を推進するよう要請することがコミュニケに盛り込まれたと承知しております。  G20からのこうした要請を踏まえまして、今後、FATFにおいて、仮想通貨を含むマネーロンダリング及びテロ資金供与対策の実効性の向上に向けた議論が行われるものと考えております。  我が国におきましては、FATFが二〇一五年に公表しておりますガイダンスの内容も踏まえつつ、既に仮想通貨交換業者に対する規制を導入しているところでございます。  日本の経験も生かしつつ、マネーロンダリング及びテロ資金供与対策の強化に向けたFATFにおける国際的な議論に引き続き積極的に貢献してまいる所存でございます。
  105. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非、国際的な議論をイニシアティブを取っていただきたいと思います。  その際におきまして、是非とも、今、例えばICOのガイドラインを出したスイスもありますし、あとシンガポールのMASやイギリスなどがどんどんどんどんガイドライン、規制の議論を進めているわけでございますけれど、是非ともそういう国際的なネットワークを進めていただきたいと思っております。  やはり我が国が、もうICO、イニシャル・コイン・オファリングを韓国や中国が禁止していく中、あと各国もどんどんどんどん規制を強めている中で、我が国は先んじてルールを作っているわけでございますので、非常に国際的には関心も高うございますので、是非、ほかの国といろいろな連携を行いながら、金融庁主導でこのイニシャル・コイン・オファリング、ICOのガイドラインを議論していただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。佐々木審議官、よろしくお願いします。
  106. 佐々木清隆

    政府参考人佐々木清隆君) お答え申し上げます。  今お尋ねのICOにつきましては様々な形態があるということを承知しておりますけれども、このICOに関わる問題につきましても、イノベーションと利用者保護のバランスに留意しながら検討が行われる必要があると考えております。  そうした検討に際しましては、今御指摘のとおり、内外におけるICOの実態、あるいは海外規制の動向等に十分留意しながら、特にICOによる資金調達は国境を容易にまたぐものでございますので、国際的な議論の流れとも整合的な形で検討を進める必要があると考えております。  金融庁においては、今般、仮想通貨交換業者等に関する研究会を設置しまして、ICOをめぐる問題も含めまして幅広く検討して議論していきたいと考えております。
  107. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非この研究会、力強く進めていただきたいと思います。  その際に大事なことは何かと申しますと、やはりグローバルにやることとイノベーションをきちんと見ていただくということでございまして、今金融をモニタリングする機関が中心にいろいろな議論がありますけれども、一方で、ITの世界でいきますと、ICANNといった、IP、プロトコルとか、ドメインを提供する非営利の国際組織もございますが、そういうところでもクリプトカレンシーの議論も進められていますので、是非連携していただきたいと思います。  以上で質問を終わらさせていただきます。
  108. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 日本の周りを見渡してみますと、中国、習近平主席、いよいよ皇帝化ですね。ロシア、プーチン大統領、これまたツァーになる可能性がまたしても出てきたと。一方、日本は残念ながらこの調子。アメリカは、次から次へと側近が更迭をされたり替えられたり、ホワイトハウスとそれぞれの役所のリエゾンオフィサーがいなくなってしまっていると、そういう状況であります。経済に詳しいと言われたゲーリー・コーン経済諮問委員長などは、元々アルミの先物ディーラーだったそうでございますが、トランプ政権の鉄鋼、アルミ貿易制限に関して抗議の意思を表したのか、お辞めになられてしまいました。  麻生大臣、先ほど、株安は過剰反応だと御発言をされました。また、円が急に暴騰する話でもないとおっしゃられましたが、株価は千円近く値下がりをしている、円は百四円台に突入をしているという状況であります。  日米、比較をしてみますと、日本は元々経常黒字の国、対外純資産どれぐらいありますかね、三百数十兆円あるでしょう。アメリカは経常赤字の国です。対外純債務の国であります。こういう国は無策であるとどうなるか。当然、経常黒字の対外純債権国日本は無策だったら円高になりますよ。アメリカは無策だったらドル安になるんですよ。  結局、こういうマグマが今物すごい勢いで噴出しようとしている。企業物価ベースの購買力平価でいうと、何と九十五円だという。これは、日本、再びこんな水準に行ったら、デフレ再突入ですよ。デフレ脱却宣言どころの騒ぎじゃない。  昨日も申し上げたように、早い話が、第一次量的緩和の時代に賃金上昇し、賃金指数が物価指数を上回って上昇していた。それは、もう円が百二十円台だった、そういうことと決して無関係ではないんです。賃金なんというのは、これは今年三%賃上げ実現したから来年できるか、来年、超円高になったらどうするんですか。企業業績なんか一発で落ち込みますよ。来年、今年と同じように賃上げが続くなんていう保証はこれっぽっちもありません。  そこで、やはり無策であってはいけない、無為の蓄積であってはいけないんですよ。日本はまだデフレ脱却宣言ができていない。だったら、もっと金融緩和必要じゃありませんか。国債がなくて、資産買取り八十兆円のところが四十兆円しかできていなかったら、米国債を買ったらいいじゃありませんか。  アメリカの財政赤字はGDP比で一八年見込みマイナス四・五%だ、米国債の直近の発行額は二〇一七年度二兆一千四百億ドル、まあ二百数十兆円ですかね。これだけのドル債のファイナンスを誰がやるんですか。アメリカは、オバマ政権の時代に、中国が南シナ海で人工島を造る、軍事拠点を造る、ロシアがクリミア半島を占領する、そういうことに鑑みて、強いアメリカをつくろうとアメリカの国防予算を増額をした。これだって財政赤字要因じゃありませんか。日米同盟と言うんだったら、日本が何がしかの支援をしてあげたって罰は当たりませんよ。  日本銀行がドル債買うのに反対する。誰が反対するか。まあ日本財務省ですよ。国際局、為替の権限は国際局にある。そういう省益をつかんで離さない、こういう狭い了見が日本国益を駄目にしてきているんじゃありませんか。  大臣、いかがですか。ムニューシン長官とか、あるいは副総理のカウンターパートであるペンス副大統領とこういう問題について一度お話しされてみてはいかがでしょうか。
  109. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 御質問は外債の購入の話ですか。
  110. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 そうです。
  111. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは、昨日同じ質問があったので、同じことをお答えするようになるというのは、変えると、昨日と話が違うじゃねえかと言われたってお困りでしょうから、同じことを読ませていただかざるを得ぬことになるので、それも退屈でしょう。  だから、私どもは、この話はもう昨日も全くお話し申し上げましたとおりなんであって、この種のいわゆる外債の購入というものは、これは基本的には為替介入というふうにみなされるというのはこの世界の常識ですから、そういったような話は基本的にはなかなか難しい。しかも、日本銀が単独でやるということになりますので、金融政策の一環ですので、これに関して日銀というのが一方的に介入するというのはちょっと常識的にはなかなか難しいだろうなという感じはいたします。  いずれにいたしましても、この種の話は、今いろんな意味で、何というのかしらね、無策であればえらいことになるというのは、それはいろいろやった結果、一九八五年九月のプラザ合意のときには、みんなでせえので日本の自動車業界を守り、日本の産業、業界をみんなで守りに守ったじゃないですか。その結果はどうなったんですといったら、プラザ合意を仕組まれたわけでしょう。違いますか。  そういった意味では、無策でいった場合は二百四十円が百二十円にはめられるということになりかねませんから、今回もそういったことにならないようにあらかじめということで、ペンス副大統領との間で日米経済対話というのをやろうじゃないかというのを持ちかけて、それが今日に至っているというように御理解いただければと存じます。
  112. 長谷川岳

    委員長長谷川岳君) 時間が来ております。
  113. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 とにかく、日米共通の利益があるんだということを一言申し上げておきたいと思います。  またこの話は後日やらせていただきます。
  114. 長谷川岳

    委員長長谷川岳君) 以上をもちまして、平成三十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち金融庁財務省所管株式会社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  115. 長谷川岳

    委員長長谷川岳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  116. 長谷川岳

    委員長長谷川岳君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  所得税法等の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、財務省主税局長星野次彦君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  117. 長谷川岳

    委員長長谷川岳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  118. 長谷川岳

    委員長長谷川岳君) 所得税法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  119. 川合孝典

    川合孝典君 民進党の川合孝典でございます。  大臣には、連日お疲れさまでございます。  私の方からは、大変不本意なんですが、森友学園に関わる一連の問題について御質問をさせていただかざるを得ないということでございます。  私、思い返せば、昨年の二月からこの問題についてずっと実は追及し続けてまいりました。当初、いつまでこんなくだらないことをやっているんだ、おまえはと、怒られながらやってきたわけでございますが、実際一年たってまいりますと、こうした信じられない事実が出てきたということでございます。    〔委員長退席、理事三木亨君着席〕  実は私、この委員会室で質問させていただくのは九年ぶりでございます。久しぶりで、もっときちんとしたというか、ちゃんと法案の議論をさせていただきたかったわけでございますが、本日のところは、この数日間、様々な情報が新たに出てきて、また、総理や麻生大臣が御答弁をされてきた内容について多少私自身混乱してまいりましたので、改めて自分自身の考え方を整理し、来週の証人喚問に生かしていく、そのためにも少し確認をさせていただきたいと思います。  まずなんですが、大臣是非ちょっとお教えいただきたいんですけれども、今、政府・与党の皆様はこの決裁文書の問題について書換えとおっしゃっておられます、書換えだと。それに対して、私どもやもう既にマスコミも改ざんとはっきり言っておるわけでございますが、この表現の違いを私はどう理解したらいいのかということを大臣にお教えいただければと思います。
  120. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  書換えという言葉と改ざんという言葉、改ざんという言葉の方に不当だという意識、気持ちというか、そういう意味が入っているというのはよくよく承知をしております。  我々、当初から、当初からといいますか、この間の三月十二日の報告に書換えという言葉を使わせていただきました。ただ、委員も含めて、本委員会でも御議論がございますとおり、その書換えという言葉を使っているからといって、我々として、基本的に、国会審議を混乱させ、あるい国会に対する冒涜だという批判は免れないというふうには思っておりますし、そういう意味で大変申し訳ないし、深くおわびを申し上げなければいけないと、そう思っております。  そういう意味で、言葉のところで書換えという言葉を使っているからといって、何らかそういう反省なりあるいはそういう罪の意識なり、そういうものがないかといえば、そういうことではございません。そこは御理解を頂戴したいというのが私どもの今のところの考え方でございます。
  121. 川合孝典

    川合孝典君 言葉遣い一つで大きく印象が変わるということは当然のことでありますし、何よりも言葉を大切にされる官僚の皆さんのことでありますから、であるがゆえに曖昧な物言いをするということがどうなのかなと。本音の部分ではこの問題についてお認めになられていないのではないのかと感じたから、あえて聞かせていただきました。    〔理事三木亨君退席、委員長着席〕  ちなみに、書換えは、法律用語で言うと、これは免許証の書換えとか、借用証書の書換えとか、そういうところで使う、いわゆる書き改めるという意味であります。それに対しまして、データの改ざんというところを調べてみましたら、保存しているあるい提出するデータを意図的に書き換える、これを改ざんと言うわけでありまして、言い逃れのしようがなく改ざんなんです。世間の皆さんも、あえてそれでも書換え書換えと言い続けておられることに対して、非常に不快な念をお持ちになられている方が大勢いらっしゃるということをあえてこの場で申し上げておきたいと思います。  それでは、次の質問に参りますが、今回こうした事実が出てきたことによって佐川氏が御辞任をされたということでありますが、これは佐川氏の行為に違法性を認めたからこそ大臣辞任を認められたんだという、こういう理解でよろしいんでしょうか。ここをちょっと確認をさせていただきたいと思います。
  122. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは、度々この点についても、川合先生の御質問以外の方々からいろいろありましたのでお答えをさせていただいていると思いますが、三月の九日の日に本人自身から退職という話が来たというのが、午前中だったと思いますが、そういう来た記憶であります。  そのときに対しまして、いわゆるこれまでの間、国会答弁等々に関していろいろ信頼をなくすようなことになってしまった、意図せざるところではあったけれども、そのようなことになってしまった。しかし、結果としては、国会ということに関しましていろいろ混乱を招いたこと、またいろいろな意味で、国会に対していろいろな意味で疑念を抱かせるようなことになってしまったこと等々、いろいろだったと記憶していますけれども、そういったものを含めて、是非こういったところでという話がありましたので、少なくとも国税庁というのは現場を約五万人からの職員を持っておりますので、そういった意味で、まだ確定申告の最中でもありましたので、その意味では、とにかく慰留するというよりは、現場の最高責任者ですからということをもってその場で解任という、退職、依願退職という形になりますけれども、それを認めたということでありますが。  ただ、自分としていろいろな責任を感じておられる部分がありましたので、その点に関しまして、私どもとしてもこれまでの間、いろいろな経緯を知らないわけではありませんでしたので、私どもとしてはその点を考えて、何もないで退職というわけにはいかがなものかという形を感じましたので、私としては、そのときにしかるべき減給処分というような形で懲戒免職という形を取らせていただいたということであります。(発言する者あり)
  123. 川合孝典

    川合孝典君 あの……
  124. 長谷川岳

  125. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 懲戒免職じゃない。減給処分でしたな。ごめんなさい。失礼しました。
  126. 川合孝典

    川合孝典君 減給二〇%二か月とたしかおっしゃったと思いますが、ちなみにこれはかなり重い処分ということでしょうか。
  127. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 私どもの調べた範囲でかなり重いと思っておりますが、前に、私どもの調べた話で、たしか厚生労働省が、平成二十二年でしたか、東北厚労局の文書の書換えって似たようなことがあったので、あのときはたしか減給一〇%一か月という形で決定をされたといういきさつがありましたので、その意味では、私どもとしては三か月二〇%というのはかなりな処分だと思っております。
  128. 川合孝典

    川合孝典君 先ほど大臣の方から辞任の理由として幾つか挙げていただきましたので、その点について少し確認をさせていただきたいと思います。  国会審議を混乱させたというのが一つ理由としてあったわけでありますが、当時、去年ですね、去年、理財局長として実際国会で答弁しておられた、そのときの一連の貢献を評価されて国税庁長官になられたわけですよね。それが、今回国税庁長官を辞任をされたということは、その評価が間違っていたということを大臣がお認めになったということを、私、そう理解してよろしいんでしょうか。頑張っていた、過去いろんな実績を積み重ねてこられて、それなりに私自身は評価しているということはおっしゃっているんですけれども、一切、彼は間違っていたと大臣として判断されたという御発言は実はされていないんです。ここちょっと確認させてください。
  129. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これも度々御答弁をさせていただいたと思っておりますが、佐川前長官に関しましては、いわゆる書き換えられた決裁文書国会提出をしたという当時の担当局長ということもありました。私どもは、その点は彼自身をいろいろこれ調べてみればそういうことになろうかと思いますが、また、いわゆるそれまでの国会審議がいろいろ混乱したりしたことも確かだと思っておりますので、そういったことを考えて、少なくとも行政文書というものの管理ということに関しましてはいかがなものかということもありましたので、私どもとしては、国有財産というか、国有財産管理に関する信頼を損ねたという点に関して言わせていただいたということだと思いますが。  ただ、私どもは、懲戒処分ということをさせていただきましたけれども、何というの、適材適所ということを申し上げた点なんだと思いますが、これまでの彼の国税庁長官としてのを見ました場合に、少なくともそれまでの間、我々から見まして、主税局の三課長、二課長、総務課長、主税局の審議官、また大阪国税局長やら何やらいろいろした経歴というものに関しましてはきちんとしたものでありますので、私どもとしては彼のこれまでの経歴が全否定されたというわけでもないという感じがいたしておりますので、私どもとしては先ほど申し上げたような判断をさせていただいたというふうに御理解いただければと存じます。
  130. 川合孝典

    川合孝典君 佐川前国税庁長官が国税のプロ中のプロであるということは、経歴を拝見していればもう一目瞭然であります。同時に、近財にも何度かお勤めになられているということでありますので、電子決裁文書や様々な決裁文書が見付けられないとこれまで一年間言い続けて、去年言い続けてこられたこと自体も実は信じられないということであります。その背景に一体何があったのかということが大切な我々が今後追及していかなければいけない事実でありますが、それは置いておいて。  もう一つ、行政文書の管理状況について様々な指摘を受けていること、これも実は辞任の理由として挙げておられたわけでありますが、この点についても、大臣、今るるお話頂戴したんですが、決裁文書の管理の状況についてはもう去年からずっと厳しい指摘を受け続けていたわけであります。にもかかわらずこのタイミングで辞任ということになったのは、つまりは、佐川氏の中ではこれ不正が確定したから辞任するという、こういう理解をすればいいのかどうかということをちょっと確認をさせていただきたいと思います。
  131. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 三月の九日の段階で不正が確認したとかいうような状況にはございません。  私自身が、大阪の話がこっちへ来て、土曜日の日に来て、日曜日の日だと思います、三月の十一日かその前後だったと思いますが、そのときに伺っておりますので、それまでの、前の段階でそういう情報の全てが佐川に渡っているということではございませんので、佐川前長官としてはあの段階でそういったものが決まったというような理解はなかったと思っております。
  132. 川合孝典

    川合孝典君 最後の理由が決裁文書国会提出時の担当局長であったから、これが実は辞任の理由なんです。  実はこの三つ目の理由について、私、非常に違和感を持っておりまして、と申しますのも、これ三月の九日であります。財務省として、麻生大臣がこの事実を御認識されたのはその二日後の十一日なんですね。つまりは、この時点では財務省として公式に改ざんを認めていらっしゃらないタイミングなわけであります。であるにもかかわらず、まだおかしいとも何とも言われていないものが、この時点で辞任の理由が決裁文書国会提出時に担当局長だったからとなぜなるのか、これがなぜ辞任する理由になるのかということが実はどうしても私には理解ができないということでありまして、この点についてお教えいただきたいと思います。
  133. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今御指摘になりましたように、その段階ではまだいわゆる結論、詳細が全部出たわけではありませんけど、一定の結論が出ていなかったんですが、調査を私は、三月の二日でしたか、二日に調査を指示をいたしました折には、書換えがあるという可能性、結論になる可能性はあり得るということは、これいろいろうわさが出ておりましたので、あるということは考えておりましたので、処分理由の説明の中にあの決裁文書国会提出時の担当局長であったということを含めていたというように御理解いただければと存じます。  私、あの三月の二日の、もう確信があったわけでは全くありません。役所が書き換えるというのはちょっと常識では考えられませんでしたんですが、しかしそういううわさはありましたので、大阪と東京との間にいろいろあったという話も聞いておりましたから、その意味ではということで御理解いただければと存じます。
  134. 川合孝典

    川合孝典君 プロセスだったということで聞こうと思えば聞ける話なんですが、そのプロセスの状況で果たして辞任というところまでの決断をするものなのかどうなのかというのが、我々のような人間の感覚では、確定したから責任取って辞めますと、判明したから責任を取らせて辞めさせますという、こういうことだったら分かるんですけれども、まだそれがプロセスだということをおっしゃるそのことに対して、私自身というか、私だけじゃなくておかしいなと思っている方が大勢いらっしゃるということをこれ御指摘させていただきたいと思います。  それで、そのことの背景にもう一つありますのが、先ほど、大変重たい処分として、二か月間の二〇%の減給という重い判断を……(発言する者あり)あっ、三か月ですか、三か月二〇%の減給という御判断を結局されているわけでありますけれども、このいわゆる懲戒処分ですよね、懲戒処分、長年ですよ、三十年も四十年も勤め上げてきた高級官僚の、いわゆる財務省のトップ官僚の方の処分を行うのに、確定もしていない状況の中でそういう処分が果たして行えるのかどうなのかということ、ここがどうしても分からないんですけど、この点についてもう少し分かりやすく教えていただければと思います。
  135. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これは、行えるというので、本人の希望を受け入れたというところだと思っておりますが、少なくともそういった国会審議等々、また国政の中でいわゆる公文書というものに関する信頼を損ねた等々の話につきましては、間違いなくそういった面は否めない事実だと思っておりましたし、本人も退職を希望された段階においては、私どもとしてはその処分を行ったことに関してそれなりの理解はされておったと理解しておりますが。
  136. 川合孝典

    川合孝典君 何度お伺いしてもちょっとその辺りのところの事実関係が曖昧な感が拭えないということであります。  要は、確定していない状況の中で処分をはっきり出してしまえる、重い処分を課すには理由がなきゃいかぬわけであります。その理由が三月九日の時点で既に分かっていたのではないのかという疑問が指摘されているということでありまして、したがって、そうすると、最終結論は、三月十一日に麻生大臣も確定した財務省としての公式見解は聞かれたのかもしれませんけれども、既にそれ以前の段階で御存じだったのではないのかという疑義が実は生じているということを、このことを指摘をさせていただいておきたいと思います。  時間がありませんので、ちょっと太田理財局長に御質問させていただきます。  せんだって予算委員会で、いわゆる改ざんされた十四ある文書のうちの一つに、総理夫人がいい土地だから進めてくださいとおっしゃっていたということが記載されていたあの文書、あの発言記録が決裁文書からごっそり削除されていた、このいわゆる削除された日付について去年の四月四日だとおっしゃっていたと思いますが、間違いありませんか。
  137. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  今ほど委員の御指摘は、特例承認というものの決裁でございます。これが唯一本省の決裁でございまして、一元的な文書管理システムという電子的なシステムの中でございましたので、そういう意味でこれだけはきちんと現時点で確認できております。平成二十九年の四月四日というときに書換えを行っているということでございます。
  138. 川合孝典

    川合孝典君 ということは、電子決裁に残っている文書については、全ての日付、もし改ざんされていた文書であったとしても日付は全部分かるという理解でよろしいですか。
  139. 太田充

    政府参考人太田充君) 一元的な文書管理システムというこの電子決裁のシステムは、基本的にこういう書換えといったようなことが起きないようにするために、総務省の方で、要するに全省的なシステムとしてつくられたものでございますので、そういう意味で把握ができるというのがシステムだということでございます。  それを我々が気が付くのが余りにも遅過ぎるという御批判は、これまで様々なところで御批判を頂戴しているのは重々承知をいたしております。反省をしております。
  140. 川合孝典

    川合孝典君 殊更これを取り上げた理由を少し御説明申し上げておきたいと思いますが、この四月四日とはっきりおっしゃったものですから、これ一体前後に何があったのだろうと思って調べてみましたところ、去年の四月三日に佐川前理財局長が、このデータについては自動的に消去されて復元できないシステムになってございます、そういう意味では、パソコン上にもやり取りみたいなデータは残っていないと、実は去年の四月三日におっしゃっているということでありまして。  このことを受けて今ちまたで何が言われているかというと、その翌日に書き換えたというこの事実をこのタイミングで明らかにすることで、余りにもタイミングが良過ぎて、佐川さんだけに責任を押し付ける、そういう意図を補強する目的があるのではないのかと、こういうことをおっしゃっている方がいらっしゃいます。局長、そうじゃないということでよろしいんですか。
  141. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  済みません、私は、今初めてそういうのをお聞きして、ややびっくりしているんですが。  私なりに理解をしているのは、四月三日に、今そういう御指摘をいただいて初めてあれなんですけれども、私も、実はほかの委員会でも御答弁を申し上げているんですが、大変恥ずかしい話なんですけど、佐川、多分、前局長も私も非常にそういうのに疎い人間で、それは大変恥ずかしいんですが、恐らくあのときは後ろにいる人間にぱぱっと聞いて、それで多分あらかじめきちんと用意できていたのではないんじゃないかと思って、多分そのときにもうちょっと時間をいただけて聞けていれば、今のお話はメールみたいなものがそうだというだけでございましたので、そこでそういう発言をして、御答弁を申し上げて、それがその後いろいろ御議論を招いたので、それはそういう意味ではちょっとやや丁寧さを本当に欠いていたなと思うんですが、それとその四月四日の今の話は、私なりにはどう考えても多分それはたまたまだというふうにしか思えません。
  142. 川合孝典

    川合孝典君 ありがとうございました。  臆測でこれ以上物を言うべきではないと思いますので、ただ、そういうこともあるということであります。伺うところによりますと、去年の国会の中で佐川前理財局長は千九百回以上答弁に立たれているという話でございましたので、そうした過酷な状況の中で多少そういうことが起こるということも、人間のやることですから、そのこと自体、私は否定はしません。ただ、結果的に生じたことについてはやはりこれは看過できることではないということでありますので、重く受け止めていただきたいと思います。  その上で、ちょっと一件、これ今朝のテレビ番組で報道していた内容で、是非御確認いただければ確認いただきたいんですが、この森友学園の土地取引に関わる一連のその案件について、近畿財務局の中では隠語として、済みません、呼び捨てにして、昭恵案件と言われていたという、こういう報道が、実は近財の中で言われていたという情報が実は出てまいりました。  未確認な情報を国会委員会の場で申し上げること自体が不適切なのかもしれませんけれども、その事実関係がどうなのかということについて、是非局長、お調べいただければと思うんですが。
  143. 長谷川岳

    委員長長谷川岳君) 質問者、これは質問通告はされておりますか。
  144. 川合孝典

    川合孝典君 していません。答えろと言っておりません。調べていただきたいと申し上げております。
  145. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  やや今のお話はうわさめいた話のような気がいたしますが、いずれにせよ、いろんなことで調べないといけないことはあるとは思っておりますので、そのことだけを捉えてというのでというのはなかなかちょっと、一つうわさがあったらそれを一つ一つ調べるのかというのはありますが、委員の御指摘でございますので、調べられるだけのことは調べたいというふうに思います。
  146. 川合孝典

    川合孝典君 デリケートな問題でありますから局長のお立場で答えにくいということについては理解いたしておりますけれども、仮にそうしたことが事実なのであればもう云々する話ですらなくなってしまうということでありますので、ちょっとそのことも含めて、機会があったら是非お調べいただきたいと思います。  時間がなくなってまいりましたので、大臣にこれお伺いしたいと思うんですが、今回の一連のこの騒ぎ、いわゆる文書の改ざん、あってはならない決裁文書の改ざん、行政とそれから立法府を冒涜する、愚弄する行為であります。こうした行為を行ったと言われている佐川氏に対して、財務省として、また大臣として迷惑していらっしゃいますでしょうか。迷惑していらっしゃるかどうか。
  147. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 少なくとも、判こが押された決裁文書を、行政文書を後から書き換えるというようなことは、これは常識的には考えられませんし、これが事実ということになりますと、これは少なくとも財務省というものに対して、理財局に限らず財務省若しくは広く言えば公文書というものに対する信頼を甚だしくおとしめる、損なわしめたという点に関しましては、これは極めてゆゆしき事態なんだと度々申し上げておるとおりでありまして、私もこのことに関して誰がどこでどう責任者かというのはちょっとまだ正確に取れているわけではありませんけれども、そういった意味においては、この文書に関連した人たち、これを行った人たちに対しましては、甚だしく不満、少々頭に来ているというような表現がいいのかどうか知りませんけれども、私どもとしては甚だ残念と思うと同時に少々悲しくもなるような話だと思っております。
  148. 川合孝典

    川合孝典君 時間ですので、これで終わります。
  149. 大門実紀史

    大門実紀史君 大門です。  今日は税法の質問だけと思ったんですけれども、先ほど松川るいさんの話に刺激されて、やっぱり一言言わなきゃいけないと、聞かなきゃいけないと思うわけなんですけれども。  相変わらず、改ざん文書が、あんなものはあのまま出したってよかったんだと、大したこと書いていないんだというような発言がされていますけれども、私、本当に考えてもらいたいんですけれども、書換え、改ざんする必要なんかなかったと、書いてあることも大したことないんだと、その中で書換えが実際あって、その作業をさせられた、あるいは隣で見ていた人が一人亡くなっているわけですね、亡くなっているわけですね。そんな軽いことで、軽い言い方はしてほしくないんですね。まだ何が起きたか分かりませんので、本当にそこは気を付けないと。あんなもの隠す必要もなかったんだ、改ざんもする必要もなかったんだと、なぜ人が一人死ぬんですか、そのことで。  あそこに、大したことないというふうに、そういう部分もありますけれど、書いた、書くことそのものに相当の勇気を持って、相当の決断を持って書いた人間がいただろうし、それを改ざんすると削除を命じられたときに、今日の各新聞報道しておりますけれど、近畿財務局に取材すると、職員は改ざんが違法だということも認識していたと、これは直接取材で朝日とか聞いていますよね。ちなみに、昭恵案件というのは、うちの赤旗が直接近畿財務局関係者に取材して直接証言取りましたけれど、昭恵案件じゃなくて安倍案件と呼ばれているそうでございます。これは直接うちが、聞いてくれじゃなくて、取材をしております。  申し上げたいことは、まだ何も分かっていないんですよね。分かっていないんでしょう、だから調査しているんでしょう。にもかかわらず、大したことないんだとか、人一人死んでいることに関わることを軽々しく言うべきじゃないということを繰り返し申し上げておきたいというふうに思います。  その上で、先ほど松川るいさんとの質疑で気になったので太田さんに聞きたいんですけど、そんたくというのは何なのかというのは私もいろいろ思うわけです、何がそんたくで何が何なのか。解釈によっていろいろあると思いますが、少なくとも、今どき政治家が圧力を掛けるとか指示をするということはほとんど考えられませんですよね。平沼さんとか鴻池さんとかの関わりも、値引きしてやれとか、そんなこと言っていませんよね。何か相談があるみたいだからセットして聞いてやってくれ程度ですよね、それ以上やったら大変なことになりますからね。今どきやりません、そういう具体的なことは、昔と違って。昔はよくありましたけれどもね、圧力とか指示とか、そういうことやりません。そういうものをいわゆる、しかも、そういうことを思っているんだろうなと、だったらやってあげましょうなんてことも簡単に官僚もやりません。やりませんよね。だから、何かがあったのではないかと、そこは何なのかということを解明しなきゃいけないということになっているわけで、簡単にないともあるとも、これから調査、地検特捜部も動いておりますので、分かってくることだというふうに思います。  その上で、先ほど太田さんがまた、佐川さんが自分の答弁に合わせて改ざんをしたんじゃないかというようなことを、またそういうことを言われたんですけど、これ、前回とか私が言ったときには、それだけじゃない可能性もありますと、まだ分かりませんと。実際分からないですよね、調査はこれからだから。にもかかわらず、また佐川が自分の答弁に合わせて改ざんの指示をしたんじゃないかみたいなニュアンスを先ほど言いかけられましたけれど、何でそう答弁がぶれるんですか。ぶれるなって言われたんですか。そうですよね、調査はこれからやるんだから、なぜ佐川さんが、仮に佐川さんが関与したとしても、何のためにやったかまだ分からないわけでしょう。だから、いろんな可能性があるわけですよね、これから解明されるわけですよね、地検の、検察も含めてですね。  ちょっとはっきりさせてください。佐川さんが自分の答弁に合わせて改ざんさせたんですか。分からないでしょう、そんなこと。
  150. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  何のためにということは最初からずっと同じことを申し上げているつもりなのですが、委員からそういうふうに言われると、私の言葉がいろんな意味で足りなかったり多過ぎたということかもしれません。  書き換えられた文言を見る限り、それまでの国会での答弁が誤解を受けることとならないようにするために行われたというふうに私どもとしては考えているというふうに御答弁を申し上げています。基本的にそれをずっと一回も変えていないつもりでございますけれども。  特に、佐川前局長の云々とおっしゃられますと、それは、佐川前局長の関与なり度合いなりが大きかったのではないかという答弁をしたところかと思いますが、これも、大臣も御答弁ありますし、私も答弁を申し上げているのは、基本的には、当時のトップが、理財局のトップは佐川局長であったこと、それから、今ほど申し上げましたような理由で決裁文書書換えが行われたのではないかということからして、その答弁を主として担当しておったのは佐川局長であること、そういうことから、佐川局長の関与なり度合いなりが大きかったのではないかというふうに申し上げております。これもずっと同じことを申し上げているつもりでございます。
  151. 大門実紀史

    大門実紀史君 いや、違いますよ、私、議事録読んでみましたから。  最初は、佐川さんが関与しているのは、これは私も、立場からいって、これはもう、関与の仕方は分かりませんけれども、これは間違いないと思いますよ。  ただ、何のためにといったときに、政治家のそんたくはないというようなことから始まって、佐川が自分の答弁に合わせるためにとおっしゃっていたのが、何でそれが分かるんだと。何で分かるんだと。なぜ今そう思うということをなぜそう思うんだといったときに、いや、いろんなことがあるかも分かりませんとおっしゃったんじゃないんですか。だから、議事録に残っていますよ、私に対する答弁で。  佐川さんが自分の答弁のために書き換えさせたと思っているんですか、そうしたら今も。その根拠は何ですか、そうしたら。まだ分かんないんじゃないですか。なぜ思うんですか。
  152. 太田充

    政府参考人太田充君) 根拠は、先ほど申し上げましたとおり、書き換えられた文言を見ると、見て、その上でということを申し上げているつもりであります。書き換えられた文言を見る、見て、それで、要すれば、それまでの国会答弁が誤解を受けることのないようにということで御説明を申し上げているつもりです。  委員のおっしゃるように、本件について、誰が指示をして、誰がどういう役割を持ってどういう責任を持ってというところが一番大きいところですが、それは今まさに調査をしているところなので、それが明確に云々ということを申し上げることはできない。ただ、財務省理財局においてというのは冒頭から御説明を申し上げているという、そういう状況だと。  そういう意味で、三月十二日に御報告を申し上げて以来、様々御質問をいただいていますが、私なりには同じことを申し上げているつもりで、もし委員がそういうふうに受け止めていただけないとすると、それは私の言葉の使い方がうまくないということだろうと思いますが、もしそうであればおわび申し上げますが、基本的に、今申し上げたことをずっと御答弁を申し上げているということで、私の認識はそういうことでございます。
  153. 大門実紀史

    大門実紀史君 私もう税法の質問できなくなりますね、それだったら。  もう一度言いますよ、もう一度言いますよ。佐川さんが関わっていたのは、私も別にそうだなと思うんです。なぜ、なぜ、改ざんの理由ですよ、何のために改ざんしたんだろうと。分からないですよね、まだ。分からないですよね。だから、今度証人喚問で来てもらうわけですよね。  ところが、あなたは、あなたは自分の答弁に合わせるために改ざんに関わったんだろうと。その根拠は何ですか。根拠を言ってくださいよ、その、そう思う根拠を。彼があそこの場所にいたのは分かります。目的が、目的がほかのことではなくて、自分の答弁に合わせるために書き換えさせたと、自分の答弁のためという、そう思う根拠を言ってください。ほかのことかも分からないじゃないですか。ほかのことをおもんばかってやったかも分からないじゃないですか。自分の答弁もそれに合わせたかも分からないじゃないですか。どっちが先か分からないでしょう。なぜ自分の答弁だけのために。この前申し上げたように、それはただ国会を乗り切るためだと、そんなことあり得ないですよ。国会を乗り切るために違法行為なんかやりませんよ、皆さんは。だから、つじつま合わないからこの前申し上げて、わけですよね。  だから、そこまで言うのであれば、はっきり言ってくださいよ。目的、関わったんじゃなくて、目的が、なぜ自分の答弁を、佐川さんが、自分の答弁に合わせるためにということになるんですか。なぜそう思うんですか。
  154. 太田充

    政府参考人太田充君) 様々な書換えがあるわけですが、その書換えの文言を見れば、見ると、見る限りということですが、今委員は盛んに自分の自分のとおっしゃられるので、自分のだけというふうに私は申し上げていないつもりです。  基本的には、何度もそういうあれで、今盛んに自分の自分のというふうにおっしゃられるので、だけど……(発言する者あり)いやいや、今委員が自分の自分のと盛んにおっしゃられるのでと思いましたが、基本的にはこれまでの、それまでの国会の答弁が誤解を受けることのないように、ただ、国会答弁を主としてやっていたのは佐川局長であって、書換えが行われている部分は全体として六十三ページあるんですが、その全体を見てみると大変細かい技術的なものというものが大変多くて、そういう細かいというか技術的なというか事務的なというか、そういうものを答弁するのはそれは事務方、政府参考人仕事だということ。  それから、まあ一番、取り沙汰というと失礼ですが、されているのはやっぱり特例承認の経緯が消されているというところでございますが、その特例承認の経緯には、政治家の方あるいは総理夫人のお名前があるのでそういう取り沙汰がされているんですが、そのときに、じゃ、特例承認の経緯の部分はそれだけかというと、それ以外も相当詳しく書いてあって、その部分を含めて、基本的に思いっ切りというと大変失礼ですが、ばっさり削られていると。  それから、貸付けの経緯、貸付けの決裁書についてもということがあるので、そういうことは申し上げました。私も御答弁でそれまで申し上げました。そういうことでございますけれども。
  155. 大門実紀史

    大門実紀史君 自分のというのはあなたが言ったから。佐川さんが自分の答弁に合わせるためって理由を言ったから言っているだけのことで。分からないですか、私の言っていること。それは自分の答弁に合わないですよね、あれね。合わないですね、で変えさせたと。ところが、じゃ、自分の答弁は、事実と違う自分の答弁はなぜやったんですか、誰のためにやったんですか。分からないでしょう。それを言っているんですよ。分からないのに何でそういうこと言い出すんだって言っているんですよ。
  156. 長谷川岳

    委員長長谷川岳君) 太田理財局長、簡潔にお答えください。
  157. 太田充

    政府参考人太田充君) はい。  それぞれ、そのときに元々用意されていた答弁書を、それを佐川局長なりに頭を入れてそのときの御質問に的確に対応しようとした、それが答弁だった。ただし、やっぱり当時大変激しい、厳しいやり取りでございましたから、それによっていろんな意味で言葉が足りなかったり、それは私自身も正直に言えばいろんな意味で反省をしているんですが、言葉が足りなかったり言葉が過ぎたりということはあったのかもしれませんが、基本路線は、基本の範囲内において佐川局長は答弁をされたということだと思います。  よろしいですか。よろしいでしょうか。済みません。
  158. 大門実紀史

    大門実紀史君 分からないですからね。鶏が先か卵が先みたいなことばっかり言っているんですよ。答弁変えたのは、もう時間なくなってきちゃったな。佐川さんは自分の答弁に合わせるために変えたと、したとしても、じゃ、何であんな答弁したのということと同じなんですよね、私が聞いていることはね。  あんなことやったのは、自分があんなことしゃべっちゃってそれに合わせるために変えたという言い方なら、そうしてくださいよと。そうじゃなくてほかの目的があって、ほかの何か影響あったかも分からないと。これは分からない、まだね。それをもって答弁をしてその答弁に合わないから変えたと、これなら分かりますよ。あなたが言っているのは、とにかく答弁しちゃってそれに合わせるためみたいなことということしか、そこで完結したこと言うから聞いているだけなんですよね。  もう一つちょっと聞きたいんですよね。私ずっと予算委員やっていて予算委員会の部屋にずっと前から座っていたんですけど、予算委員会予算審議っていうのは主計局長がいつも座っていますよね、いますよね。で、やっぱり予算通すということでいきますと、いろんなことがあって、佐川さんのときは福田さんが座っておられて、絶えず福田さんに相談して、あるときは大臣予算委員会終わってから福田さんに相談して、元の主計局長に相談しながらいろいろやっておられたのをずっと見ていたんですけど、この佐川さんについては、佐川さんの直接相談相手は、現場でいえばもう主計局長しかなかったと私は思うんですけれど、その当時の、今は事務次官ですかね、福田さんに、福田さん自身はあれですか、佐川さんの答弁には関わっていないんですか。それはお聞きになりました。
  159. 太田充

    政府参考人太田充君) お答えを申し上げます。  突然の御質問ですので正式の答弁ということはできないと思いますが、私なりに、どちらも一年先輩なので、どちらも一年先輩で、その方々にお仕えしていて一緒に仕事をしている身からすれば、いろんな意味での精神的なといいますか、あれうまくいったんじゃないのとか、いや、あれちょっとまずかったんじゃないのみたいなことはあるかもしれませんけど、答弁の内容そのものについて主計局長の福田の方が理財局長の佐川に対して森友学園のことを、当然、詳しくというかほとんど知らないですから、そういう意味での支援はできなかったんだろうというふうに思います。
  160. 大門実紀史

    大門実紀史君 あなたの意見聞いているんじゃないんですよ。だから、聞いてくれます、福田さんにね、聞いて、次回また答えてください。  終わります。
  161. 長谷川岳

    委員長長谷川岳君) この件につきましては、議事録を精査させていただくという形を取らせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。理事会、よろしいですね。
  162. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻です。よろしくお願いいたします。  今回も仮想通貨についての税制についてお聞きしたいんですけれども、その前に、先ほど渡辺喜美委員が三回続けて日銀の外債購入の話を聞かれていましたので、一言ちょっと申し上げたいんですけれども、私も去年の財政金融委員会でこの話取り上げたんですね。というのは、私の二十年来の主張でございまして、日銀は米国債買うべしと。私は個人的には異次元の量的緩和大反対なんですけれども、どうしてもやりたいんだったらば日本国債の代わりに米国債を買った方がいいんではないかと、それは出口があるからという主張でございました。  私は、政治の世界に入る前は外資の銀行にいたんですけれども、そのときも、ドイツ人の副会長が来たときにはいつも日銀に行って、日銀も外債買ったらどうかという御提案をしたんですけど、そのときの回答はいつも、これは財務省の管轄だから、大蔵省の管轄だからという回答だったんですね。  今、そういうような省の間の議論をしているときではないと思いますので、この点に関しては渡辺先生の意見と一致しておりますので、是非御検討をされることを、といっても大臣に申し上げてもしようがないので、日銀、アコードをしていますから、是非日銀とも御相談いただければというふうに思います。  それは要望としまして、質問に入りたいと思いますが、仮想通貨の質問です。  ちょっと細かい話になるんですけれども、税制がどうなっているかということで、仮想通貨の相続時の税制についてお聞きしたいんですが、仮想通貨のリスクというのは、パスワードを忘れちゃうともう引き出せないということがあるわけですね。親が亡くなったときに、子供にパスワードを教えないで亡くなってしまうと、子供はもう引き出せないわけですよね。どこ行っちゃうか分からない。それでも相続税は掛かるのかどうか。  それともう一つ、よく仮想通貨じゃなくて仮想資産だというふうにおっしゃっていますけれども、仮想資産であるならば、土地とか有価証券のように、たしか三年以内に売却をした場合、相続税が売却のときのその購入コストに上乗せされると思うんですね。そういうようなことも考えられているのか。その辺についてお聞かせ願えればと思います。
  163. 藤井健志

    政府参考人(藤井健志君) お答え申し上げます。  まず、仮想通貨の相続時の課税関係についてでございますが、相続税法では、個人が金銭に見積もることができる経済的価値のある財産を相続又は遺贈により取得した場合には、相続税の課税対象となるとされております。仮想通貨については、資金決済に関する法律上、代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができる財産的価値と規定されておりますので、相続税が課税されることになるわけでございます。  そして、パスワードとの関係でございますが、一般論として申し上げますと、相続人が被相続人の設定したパスワードを知らない場合であっても相続人は被相続人の保有していた仮想通貨を承継することになりますので、その仮想通貨は相続税の課税対象となるという解釈でございます。  仮想通貨に関連いたしますビジネスがまだ初期段階なんだと思います。そういう意味で、仮想通貨に係る制度整備は途上ではないかと考えられますので、現状においてなかなか確たることを申し上げるのが難しいということはございますけれども、パスワードを知っている、知っていないというようなパスワードの把握の有無というのは、当事者にしか分からない、言わば主観の問題ということになってしまいます。課税当局、私どもとしては、本当のことをおっしゃっているのかどうか、その真偽を判定することは困難だと思っております。  したがって、現時点において、相続人の方からパスワードを知らないという主張があった場合でも、相続税の課税対象となる財産に該当しないというふうに解することは課税の公平の観点から問題があり、適当ではないというふうに考えております。
  164. 星野次彦

    政府参考人(星野次彦君) 委員から、相続した例えば株式や土地、これは三年以内に譲渡する際には相続税額を当該資産の取得費に加算することができる、そういう特例が存在しておりまして、それとの関係で今回のこの事例についてどう考えるかという、そういうお尋ねがございました。  御指摘のとおり、譲渡所得のその計算におきましては、相続税の課税対象となった資産を相続税の申告期限後三年以内に譲渡した場合には、その資産に掛かる相続税額を当該資産の取得費に加算して譲渡所得の計算上控除することができるという特例が設けられております。  仮想通貨の取引による所得についてこういった特例を設けるかどうかということになるわけですけれども、これもこれまで議論されておりますが、土地や株式の譲渡による所得は原則譲渡所得に区分されるわけでございますけれども、仮想通貨の譲渡による所得は原則雑所得に区分されるものでございまして、性質が異なっているということ。それから、雑所得はほかのいずれの所得にも該当しない所得ということで様々な内容の所得が含まれ得ることになりますので、どういった考え方に基づいて雑所得の計算上相続税額を控除するのか、そこの筋道立った整理がなかなか難しいことといった課題がございまして、慎重な検討が必要であると考えております。
  165. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 仮想通貨に対する税制はまだまだ不備であるということ、今後とも是非整備をしていかなくてはいけないなというふうに実感いたします。  時間がないんで簡単にで結構なんですけれども、マイニングをするときにマイニングの時点で課税になっていますけれども、これは担税力の観点からするとちょっとおかしいんじゃないかと、やっぱりマイニングだけじゃなくて売却して初めて実現益が出るというふうに考えるべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
  166. 藤井健志

    政府参考人(藤井健志君) お答え申し上げます。  いわゆるマイニングによって仮想通貨を取得するということになるわけでございます。私どもの取扱いといたしまして、その取得時点での仮想通貨、これは支払手段としての財産的な価値を持つというものでございますので、その通貨の時価が所得税法上の収入金額又は法人税法上の益金になるというふうに考えております。  その際、担税力という観点からいたしますと、この場合の課税標準となります所得金額については、その取得時点での時価からマイニングに要した費用、例えばパソコンの減価償却費ですとか、相当な電気代が掛かると言われていますけれども、電気代など、これらは費用として差し引いて担税力のある所得金額を計算するということになるものでございます。
  167. 長谷川岳

    委員長長谷川岳君) 時間が来ております。
  168. 藤巻健史

    ○藤巻健史君 税法についてかなりまだまだいろんな問題があるということだけははっきりしておりますので、一層の研究、検討をお願いしたいと思います。  終わります。
  169. 風間直樹

    ○風間直樹君 先ほどに続いて、検査院にお尋ねします。  検査院法二十五条に言う実地の検査ですが、これ、例えば今回の森友事件に関して検査院が検査院自身の判断で実地、つまり瑞穂の国記念小学校の地面の掘削等を行うことは、これは会計検査院法上可能ですよね、確認をさせてください。
  170. 戸田直行

    説明員(戸田直行君) お答えを申し上げます。  今回参議院から御要請を受けて行った検査の中で、地下埋設物撤去・処分費用に係る検査を行っておりますが、それは実際の地下埋設物の量を確認することを目的とするものではなく……
  171. 風間直樹

    ○風間直樹君 違う、違う、聞いていることと違います。
  172. 長谷川岳

    委員長長谷川岳君) 再度、風間直樹君、質問をしてください。
  173. 風間直樹

    ○風間直樹君 あのね、しっかり質問聞いてください。昨日の答弁、求めていません。  この二十五条に従えば、今回、国会からの要請とは別ですよ、会計検査院独自で検査院法二十五条にのっとって、これだけ予算委員会等で一年間森友問題が紛糾しているわけですから、しかもごみ埋設の量の問題めぐって。ですから、ごみ埋設の量が実際どれだけだったかを特定するために、二十五条にのっとって検査院独自の判断でこの小学校の地面の掘削調査を行うことは可能ですよねというのがお尋ねです。
  174. 戸田直行

    説明員(戸田直行君) 失礼をいたしました。お答え申し上げます。  現在、本件国有地は国に所有権が返還されておりますところ、ボーリング調査等の実施につきましては当該国有地の管理や処分を行う関係省庁におかれまして御判断されるべきものというふうに考えてございます。
  175. 風間直樹

    ○風間直樹君 ちょっとそれよく分からないんですけれどもね。  二十五条に書いてあるでしょう、検査院、実地の調査をすることができると。まして国の機関があの土地を管理しているんだったら、同じ国の機関同士ですから、これは可能なんじゃないですか。
  176. 戸田直行

    説明員(戸田直行君) お答え申し上げます。  繰り返しの答弁になり誠に恐縮でございますが、本件国有地は現在国に所有権が返還されておりますので、調査等につきましては当該国有地の管理や処分を行う関係省庁におかれまして御判断されるべきものと考えてございます。
  177. 風間直樹

    ○風間直樹君 それはこの二十五条の規定と多分別の法律の規定を念頭に答弁されていると思うんですが、どういう法的論理性に基づいてそういう答弁になるんですか、教えてください。
  178. 戸田直行

    説明員(戸田直行君) お答え申し上げます。  突然の御質問でございますので、今答えを持ち合わせてございません。調べまして後刻御報告させていただきたいと思います。
  179. 風間直樹

    ○風間直樹君 じゃ、次回またやります。  何で私これにこだわっているかといいますと、一年間やってきたわけですよ、先ほど松川委員もおっしゃったように、延々と。ポイントは、御案内のように、あそこに実際どれだけのごみの量が埋設されていたか。ここなんです、ここをめぐって国会がずっとやってきた。だったら、国の機関で法律上その調査の権限、実地調査の権限を与えられている検査院があるんだから、皆さんが独自の判断でそれは行うことができるんじゃないんですかというのが私の質問の趣旨です。ですから、次回またお尋ねしますので、準備をお願いします。  私の意図は、何日も申し上げていますように、国会でさんざん議論しています、これは行政に対する監視の機能を国会が持っているから。それは我々の責務なんです、だからやっている。ただし、その中で、法令上行政に対するチェック機関として強力な権限を与えられている一つが検査院ですよねと、人事院もそうですよねと。特に検査院の場合、二十五条で実地の検査ができますよと言われているんだから、それをやったらどうですかというのが私のお尋ねのそもそもの問題意識なんですね。何で今回やらなかったのというのが昨日もお尋ねしたところなんですけれども。私、検査院と人事院には非常に期待をしていますので、繰り返しお尋ねをしているところです。  それで、次回またやりますが、先ほど松川委員からいろんな御意見の表明があったので、私も日頃、松川さんと親しくさせていただいているので、ちょっと私の認識をまた申し上げたいと思います。  これ、松川さんは外務省の御出身、私は地方議員から上がってきましたので、昔風の言い方で言うと官僚派と党人派という分け方になるかと思うんですけれども、確かにこの森友問題、文書改ざん問題で国会からの質問が集中していますから、役所の皆さんの御負担というのは非常に大きいんだろうと私も拝察をしております。その一方で、これ明らかな法令違反が幾つも出てきていますから、これはチェック・アンド・バランスを担う国会として、行政に対する監視機能の一環としてお尋ねは各議員がせざるを得ないと、そういうふうに考えています。  ただ、その中で、私が思いますのは、いたずらに人格に対する誹謗中傷するとか、先般もそういう質問がありましたけれども、そういうことは避けなきゃいかぬ。我々国会議員がするべきことは、あくまでも法令にのっとって行政政府のチェックと追及をすることですから、この一線を外してはいけないと思っています。  私がよく野党になりましてから自分自身で自戒しながらやっていますのは、民主党政権当時、この委員会で、自民党の議員の皆さんのチェックと追及というのはすさまじいものがありました。例えば当時の菅直人総理に対する西田昌司議員による数々の質疑、もうすごかったですよ、迫力といい内容といい。それが法令にのっとって、西田さんが持った疑念がまさにそのとおりだったのかどうかというのは私は分かりませんでしたけれども、やはり徹底した行政に対する監視を当時、西田さんもされました。最近はすっかり丸くなられたようで、少し当時よりも紳士でいらっしゃるかなと思いますけれども、そういう意識で、我々今野党ですので、財務省の皆さんにあるいは内部統制機関である検査院や人事院の皆さんに少し厳しいことも申し上げておりますが、そういう意識でやっているということをこの機会にちょっと触れておきたいと思います。  以上で終わります。ありがとうございました。
  180. 中山恭子

    中山恭子君 希望の党、中山恭子でございます。  今日は、所得税の問題についてお伺いいたします。  今回の個人所得税改革について、年収八百五十万円超のサラリーマンが増税となるなど、語弊があるかもしれませんが、取りやすいところから取っているのかなという印象がございます。このクラスには子育て真っ最中の家庭も多く含まれていると思われますので、その点にも問題があると思っております。  なぜ八百五十万円超のサラリーマンを対象としたのかについて、改めて御説明いただきたいと思います。
  181. 星野次彦

    政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  今般、所得税の改革ということで、働き方の多様化を踏まえ、またこれまで給与所得控除が諸外国やそれから概算経費に比べて過大になっていること等を踏まえまして、この上限を引き下げるということを併せて行ったわけでございます。  最終的には八百五十万円超といたしましたのは、これまで給与所得控除の上限の引上げにおける一回当たりの最大の引下げ幅、これまでは順次引下げを行ってきておりましたけれども、これが十五万円であったこと。それから、八百五十万円超から更に引き下げるということになりますと、地方税収がマイナスになるということで、ぎりぎりマイナスとならないこと等を総合的に勘案いたしまして、家計の影響にも配慮いたしまして、給与所得控除の上限の実質的な引下げ幅を十五万円にいたしました。ということで、八百五十万円超の部分につきまして、合計百九十五万円の控除限度額にしたということでございます。  ただ、今回、子育て世帯等に配慮することによりまして、実質的には九六%の給与所得者は負担増とならないような、そういった配慮措置も併せて行っているということでございます。
  182. 中山恭子

    中山恭子君 ありがとうございます。  お手元に資料、グラフを配付いたしました。これは財務省が作成した資料でございまして、個人所得税、それから社会保険料、消費税、地方税である個人住民税の実効負担率を縦軸に取りまして、横軸にその給与収入を示したものでございます。それぞれの収入について実効負担率が示されておりまして、ただ、これは絶対値ではありません。かえってその負担感がよく示されていると言えると考えておりますので、この表を使いました。  このグラフを見ますと、例えば、給与収入五百万円の者は所得税が五万円、これは負担率からいうと〇・九%です。個人住民税が十一万円で二・三%、消費税十九万円で三・八%、ただ、社会保険料が七十七万円、一五・四%、計百十二万円、実効負担率は二二%となっています。逆に、給与所得二千五百万円の者は全体で九百六十二万円の負担で、実効負担率は三八・五%です。給与所得二百万円、一番左側ですけれども、所得税と個人住民税はゼロですけれども、消費税が約五%、社会保険料が約一五%で、計二〇%の実効負担率となっております。  低所得層にとって、税金よりも社会保険料の負担割合が非常に高いということが見て取れます。低所得者層の貧困問題が生じているのは、日本では低所得者層に対する税の実効負担率は諸外国に比べて大変低くなっていますけれども、社会保険料の負担料が大きいため貧困問題が生じているのではないかと考えられます。失業率が低くなっているにもかかわらず消費が伸びないのは、社会保険料の負担割合が高くて手取りの金額が伸びていないということも一つの要因かもしれません。  このような状況をどのように見ているか、可能であれば、大臣、あっ、どうぞ、副大臣お答えお願いいたします。
  183. 木原稔

    ○副大臣(木原稔君) 今、中山委員からは、低所得者層への所得の再分配等の御質問だったというふうに拝察いたしますが、問題意識はよく分かったところですが、所得の再分配の在り方については、今おっしゃったような税や、また社会保険料の負担面だけではなくて、その給付面なども併せて一体的に考える必要があるところだろうというふうに思います。  また、この点、低所得者層に対する支援の観点から、例えば最低賃金、時給ですね、についても、安倍政権になって以降の五年間で約百円引き上げてきたところでありますし、また歳出面においては、これまで社会保障の充実策として低所得者の医療、介護の保険料負担の軽減を行ってきたほか、今回、新たな経済政策パッケージに基づいて、例えば、お子さんのいる家庭などでは給付型奨学金であるとか、また授業料の減免措置であるとか、そういったものを大幅に拡充するなど、真に必要な子供たちへの支援を進めることとしているところです。  このように、様々な政策を総合的に考えた中で低所得層の支援を行っているところでありまして、所得の再分配の在り方については、そのそれぞれの施策の効果をよく見極めながら検討していくべき課題だというふうに思っております。
  184. 中山恭子

    中山恭子君 いろいろな問題が絡んでくると思っておりますが、さらに、例えば、縦割りで、個人住民税というのは総務省ですし、社会保険料は厚生労働省の所管ということになりますので、財務省が各省庁と連絡を取り、調整し合ってこの貧困層の負担割合というものを低くする、そういう措置をとっていただきたいと思っております。  ありがとうございました。
  185. 藤末健三

    ○藤末健三君 国民の声の藤末健三でございます。  昨日に引き続きまして、所得税法等の一部を改正する法律案について御質問申し上げます。  昨日も私は御質問申し上げましたのは、仮想通貨や、あと、イニシャル・コイン・オファリングなどに対する課税についてということでございますけど、ICOについてですね。藤巻議員からも先ほど御質問ありましたけれど、国税庁の次長が先ほど、仮想通貨においてもその価値について課税をするんであると、まあ当たり前の話かもしれませんけれど、今その仮想通貨、値段が付いていない場合が非常に多うございまして、その場合どうするのかということを感じたりしたわけでございます。  ただ、一方で、金融庁、まあ本当に麻生大臣のイニシアティブだと思いますけれど、仮想通貨の規制、非常にルールは日本は進んでいるという状況でございます。特にイニシャル・コイン・オファリング、ICOにおきましては、韓国、中国がICOを禁止するという中で、日本は非常に進んだルールメーキングをやりつつあるんではないかと、こういうふうに言われております。  ただ、一方で、コインチェックのような事象が起きまして、ICOが今止まっている状況でございます。しかしながら、一方、これは金融庁にお聞きしたいんですけど、私は是非ICOを進めていただきたいと思っています。なぜかと申しますと、ICOを日本で行うことにより様々な知見が集まるということもございますし、また、少なくとも、私が聞いている範囲ですと、スイスは先月ガイドラインを出しておりますし、シンガポールも徐々に徐々にガイドラインを作りつつある、イギリスも動いているという中で、我が国がICOをきちんと実施してもらい、そしてその知見を蓄積していくということが重要だと考えております。  例えば、私が考えますのは、個人の投資家を守るという観点からも、機関投資家だけに限定したICOを行う、また、信用が高い企業、例えば上場した企業のみがICOを行うなど、そういうある程度のお金を出す方、そしてまたお金を集める方を限定したようなやり方があると思うんですが、その点いかがでございましょうか。お答えください。
  186. 池田唯一

    政府参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。  新たな資金調達手段としてのICOの可能性につきまして、先生から累次の御指摘を頂戴しておりますことについては真摯に受け止めさせていただいているところでございますが、ただいま御指摘がありました機関投資家に限ってということでございますけれども、機関投資家と申しましても、一般にはその背後に一般の投資家が存在していることが通例でございまして、機関投資家の資産運用の成果はその一般投資家に及ぶことが少なくないということは言えようかと思います。また、上場企業と一口に言いましても様々な企業が存在し、また、その中で例えば大規模上場企業ということになってしまいますと、ICOによる資金調達のニーズの程度が必ずしも明らかではないといった問題もあろうかと思います。  いずれにしても、十分に慎重な検討が必要ではないかと考えているところでございます。
  187. 藤末健三

    ○藤末健三君 佐々木審議官、いかがですか。
  188. 佐々木清隆

    政府参考人佐々木清隆君) 今お尋ねのICOに関しましては様々な形態がございます。仮想通貨交換業者が関与する、それ以外にも、ICOで発行されるトークンの発行者、利用者等、様々な関係者が関与することから、このICOの検討に当たりましては、こうした関係者あるいは海外当局、様々な関係者と連携して進めることが必要であるというふうに考えております。
  189. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非頑張ってください。  池田局長に申し上げたいんですけど、機関投資家に限定することによって恐らく金商法が掛かるはずなんですよ、そこの部分で。そこでガードはできるんではないかと思って、私はちょっと御提案申し上げました。  是非、このICO、クリプトカレンシーとかクリプトアセットというふうになっておりますけれど、イノベーション、技術を日本で蓄積するという意味、そしてもう一つございますのは、是非日本のこの市場をウィンブルドンにしていただきたいという、国体ではなくですね。そのためにも、外国の様々な機関と連携し意見を集めていただきたいと思います。  それで、是非麻生大臣、この仮想通貨、G20ではクリプトアセットとなり、またイニシャル・コイン・オファリング、日本はどんどんどんどんルール化を推し進めたわけでございますけれど、是非国際的なポジションを取っていただきたいと思いますが、大臣のお考えをお聞かせください。
  190. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今回のG20で副大臣帰ってきたばっかりなので、こちらの方の話の方がよりリアリティーを持って聞けるんだと思いますけれども、このバーチャルカレンシーという言葉を和訳で直訳して仮想通貨という言葉になっていますけれども、これは果たして通貨かというと、これはそうじゃないんじゃないかと。したがって、今、クリプトアセットという、クリプト、暗号とかそういう意味ですけれども、それの資産、暗号資産というような表現の方がより現実的ではないかというような話が出てきておりますのは御存じのとおり。  こういったようなもので、今、我々としてはいろいろな技術で、これはハッシュ関数なんという物すごく難しい話を持ち出して全部やっておるんですけれども、そういうものの積み重ねで少しずつ少しずつ来ているんだと思いますが、これがうまいことデファクトスタンダードというものに日本がつくり切るかというのが一番の問題なんで、こういったものは誰が決めたのかというのは難しいところなんだと思うんですね。  世の中何でもかんでも、ボルトにしてもワットにしてもこれ全部人の名前ですから、これ決めたやつがいてその人の名前がくっついただけの話ですから、日本でも、そうですね、世界で真珠の重さは今でも匁でやっていると思いますけれども、グラムでもオンスでもないんで匁でやっていると思いますが、そういったようなものというのに関して日本でこういうものをつくり上げたことというのは余りないんだと思いますので、これはうまくいけば育っていけるかなと思って、ブロックチェーンという技術が出てくるかなと思って、私どもとしてはちょっと期待が半分あるんですが。  ただこれ、善意な第三者ばっかりとは限らぬですから、ワルもいっぱいいるわけですから、そういったのがうまいことだまして持っていって、はい、さよならというのがいっぱい。だまされるやつもある程度覚悟しておかなきゃいかぬわけです。そうすると、だまされた分だけこっちに持ってきて、政府の管理が悪いとかなんとか言いながら、傍ら管理は緩めろとか、もう言ってくることが、もう両方とも言ってこられても甚だ迷惑するのは我々ですから。  ですから、そういった意味では、ここのところはどの程度にやるかというのは、これは、藤末先生、これよほどうまいことバランス良くやっていないと、いわゆる利用者、消費者でだまされた人たちからのあれが出てくるという点もちょっと考えながら注意深くやらにゃいかぬというのも御理解いただければと存じます。
  191. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非、投資家と申しますか、お金を出す方々の保護というものはもう大前提だと思うんです。そして、だます人を駆逐するのも大前提なんですが、そのためにルールをきちんと作っていくと、日本が、ということでございますので、是非グローバルに通じるルールを作っていただきたいと思いますし、そのためにもやはり日本のICOを閉じないということがすごく大事だと思いますので申し上げます。  最後質問でございますが、この所得に関しまして、今の日本の役員給与の開示義務は一億円以上というふうになっております。私自身、この一億円というルールがありますので九千九百九十九万円みたいな感じで止めているという事例も聞いておりまして、是非全て開示すべきじゃないかと思っております。イギリスやアメリカでもその方向でございますが、その点につきまして、金融庁の見解をお聞かせください。
  192. 池田唯一

    政府参考人(池田唯一君) 御指摘は、役員報酬に係ります有価証券報告書における開示のルールについてだと理解をいたします。  先生御指摘の金額基準を設けることなく役員全員の個別開示を求めるということについては、確かに企業価値の向上に見合った報酬の提供を阻害しないという点では一つの御提案であるというふうに考えております。ただ、こうした案に対しては、企業サイドなどからは企業の開示の負担が増加するといった指摘も出されているところでございます。  いずれにしても、役員報酬の開示の在り方につきましては、企業価値の向上に貢献した経営陣に対してそれに見合った報酬を提供するという観点に留意しながら、投資家、企業を含む幅広い関係者の御意見を伺いながら検討していく必要があるというふうに考えてございます。
  193. 長谷川岳

    委員長長谷川岳君) 時間でございます。
  194. 藤末健三

    ○藤末健三君 終わります。
  195. 長谷川岳

    委員長長谷川岳君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時二十五分散会