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国務大臣(
麻生太郎君) インフラの話を言われましたけれ
ども、まあそうですね、グローバライズという言葉がえらいはやった
時代があったんですけれ
ども、グローバライゼーションと言っている人もまだおられますけれ
ども、僕は
基本的に世の中はインターナショナライズされるとは思いますけれ
ども、グローバライズという言葉が本当になるかということに関しては甚だ疑問です、
最初からそう申し上げてきたんですが。
世界の価値観が一緒になるなんてことはとても考えられませんから、国際化はしますということを申し上げてきて、事実そうなっているんだと思いますが。
基本的に、今言われましたように、冷戦が終わって随分と社会構造、
世界の中の構造が変わったという現状を無視しては話にならぬ、もうおっしゃるとおりだと思います。少なくとも、
日本でできたものを海外に売って稼ぎ出すというGDP、グロス・ドメスティック・プロダクツという考えもありましょうが、今の
時代というものは、現地に行って物を作るというようなことになって、
日本の技術屋若しくは製造工場をアメリカに造って、アメリカで車を造ってアメリカに売って、アメリカからまた
世界に輸出していくというような
時代になってきているということになりますと、いわゆるGDPに代わってグロス・ナショナル・インカム、国民総所得、GNIという発想が
基本的にこれからの主流になってくるんだと思っております。
したがって、今の
時代、我々としては、言われましたように、今後とも
日本の中において生産性が上がらない限りは給料も上がりませんから、生産性を上げるために、例えばこれまで港から高速道路に行くまでの間、相も変わらず道がぐちゃぐちゃしていたところをきちんとつなげる。また、港に船が入るのに、今、
日本の場合は、
公共工事は悪だなんと言う方がおられますものですから、少なくとも港湾施設を見ますと、今、スエズ運河で水深二十一メーター、パナマ運河も今度十八メーターになったと思いますが、
日本の場合は一級港湾の水深は十四メーターということになっていると思いますので、大きな船は
日本に入らないと、これが
現実ですから。そうすると、当然のこととして、仁川だ、シンガポールだというところで船を横積みして揚げてきますから、その分だけコストが高くなる。だったら
日本も十八メーターにすりゃいいじゃないかという話ですけれ
ども、それは
公共工事は悪だというような話で、それをやらなくてずっと来たんですから、今その方向転換をさせるようにしておりますけれ
ども。一つの例です。したがって、それをやりますと、当然のこととして港湾に直接船が直付けしますので、その分だけコストは下がるということになろうと思いますが、そういったようなもの。
また、国民側に、今言われましたように、子育て世代等々の部分の話もありましたけれ
ども、そこらの部分の個人負担、いわゆる可処分所得というものが増えるとその分だけ減るということになりますので、そういったようなことを併せてやるというようなことをやって、結果として
日本全体の国際競争力を維持するという一番肝腎なところが、インフラというのは極めて大きな部分なんだと思っておりますので。
是非私
どもとしては、いろんな
意味で、国際観光というものを一つ例に取りましても、きちっとした形をしますと、八百万人がたった四、五年間で四倍も五倍もになったというのは、それによって巨大な外資、外貨というものが
日本に入ってきておるというのは事実ですから、あれ何をしたかといえば、ビザを緩和したというだけの話であれだけの人が入ってきたという事実ですけれ
ども、それに合わせて法律もやらないと、とてもじゃないけど民泊やら何やらもうとても追い付いていっていないというような点もありますので、私
どもとしては、そういった需要に合わせてきちんとしたものをやっていくことによって、いわゆるAIとかIoTとかいうものに付いていき切らない人たちというのは大勢今後出ることを覚悟しておかねばなりませんから、こういった観光業とかそういった部分というのは十分にその人たちが
対応していける部分になり得るとも考えますので、広い
意味で、私
どもとしては
日本の将来を考えるときに、一つの、AIとかそういう技術的な話に特化するというのではなくて、広く
金融とか、今申し上げましたような観光とか、そういったようなものを含めて、私
どもとしては従来のきちんとした物づくりプラスそういったものをやっていくという姿勢で臨んでいくというのがこれから考えておかねばならぬ大事なところかなと思っております。