○
青山繁晴君 自由民主党・こころの
青山繁晴です。党利党略のためでなく、国益のためにこそ
質問いたします。
今日は、メタンハイドレートに絞ってお尋ねします。
メタンハイドレートは、熱水鉱床などとともに、
日本は資源のない国という思い込み、刷り込みを打ち破るための試みであり、
日本の新しい国益の最前線です。
まず、広範囲の主権者のために一言だけ
説明、解説いたしますと、メタンハイドレートとは要は海底などで凍っている天然ガスの塊であります。私自身を含む研究者は、二〇〇四年から実際に
日本海の海底から実物を取り出しております。実際のものはコンビニで売っている白いシャーベットとそっくりでありまして、その冷たいシャーベットに火を近づけただけで、ぼっと青い炎を出して燃えます。つまり、燃焼効率がとても良いものです。したがって、科学の
世界でも燃える氷と呼ばれております。
メタンハイドレート、これは主に太平洋側で砂と混じっている砂層型と、それから主に
日本海側で海底面に露出した表層型メタンハイドレートがあります。
政府は長く表層型メタンハイドレートについては無視するような姿勢でありましたけれども、
平成二十八年度から生産
技術の検討を始めたのは高く評価しております。しかし、一方で、やや国益に反する側面があるのではないかと危惧しています。
それは、まず、この生産
技術を考える前に、当然この表層型メタンハイドレートがどこにどれぐらいあるかという
調査をしなければいけません。これを賦存
調査と呼んでおります。賦存というのはちょっと難しい言葉ですけれども。
この賦存
調査、経産省が行ってきたんです。経産省とあるいは産総研が連携して行ってきたんですけれども、実はある特定の学説、本当は学説というよりは一人の学者を中心にした見方に依拠して、多額な
予算を投じて行ってきました。これは偏った
調査と言わざるを得なかったんですけれども、学者には一切責任はありません。学者がどのような学説をお持ちになるかは全く自由でありまして、その一つに偏った立場で
調査を行われた
政府に大きな責任があるのではないかと考えています。
この賦存
調査のやり直しが必要になるんですけれども、今日は特にこの生産
技術について他の学説も取り入れた検討にしていただきたいという観点から一つ目の
質問なんですけれども、例えば、この特定の学説あるいは見方というのは、メタンプルームというものがこの世にないということになっているわけです。
これ、
説明すると長くなるんですけれども、要はプルームというのは柱のことです。ですから、
日本海の海底から巨大な柱、これも平均でスカイツリーぐらい、六百五十メートルぐらい、一番高いものですと九百数十メートル、一番ちっちゃいもので東京タワーぐらいあります、その柱が林立しているわけです。
このメタンプルームなるものの正体は何かということは、
日本だけじゃなくて海外の研究者も長年、長年というかこの数年、長年じゃありません、この数年取り組んできて、もうはっきりしています。それは、表層型メタンハイドレートというのは海の底の海底面に出てしまっているものもありますから、そこからメタンハイドレートが分離して海の中を漂っていく。これ、ガスですから、軽いですから、上に向かってまっしぐらに上がっていきます。このメタンハイドレートのそのものの粒々、あるいはこれが分離してできたメタンガスからできているということは、今申しましたとおり研究で明らかになっています。私自身も、一番最近ですと、去年の十二月に参加した
世界最大の学会、AGU、これニューオーリンズで開かれましたけれども、アメリカン・ジオフィジカル・ユニオン、アメリカ地球物理学連合においてもそのような研究結果が多数発表されたところです。
したがって、一つの学説あるいは見方では、このメタンプルームがないことにして、メタンプルームのある場所は探さなかったわけです、賦存
調査で。ちょっと一瞬だけ手元を見ていただきますと、海底があって、海面がありますと、ここに柱が立っていますから、当然、ここ掘れワンワンと同じで、その柱の下に当たり前ですけどメタンハイドレートが賦存しているわけです。この
調査を抜きで行われたわけです。
したがって、当然、今後の賦存
調査も、それから生産
技術の検討も、このメタンプルーム以外のものも必ず調べなきゃいけませんけれども、メタンプルーム自身も是非検討対象にしていただきたいと思います。経産省、お答え願えますか。