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2018-06-12 第196回国会 参議院 外交防衛委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成三十年六月十二日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  六月五日     辞任         補欠選任      古賀友一郎君     武見 敬三君  六月六日     辞任         補欠選任      佐藤  啓君     宮島 喜文君  六月七日     辞任         補欠選任      中西  哲君     こやり隆史君  六月八日     辞任         補欠選任      こやり隆史君     中西  哲君      宮島 喜文君     佐藤  啓君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         三宅 伸吾君     理 事                 猪口 邦子君                 塚田 一郎君                 中西  哲君                 杉  久武君                 藤田 幸久君     委 員                 宇都 隆史君                 佐藤  啓君                 佐藤 正久君                 武見 敬三君                 中曽根弘文君                 堀井  巌君                 山本 一太君                 山口那津男君                 小西 洋之君                 福山 哲郎君                 牧山ひろえ君                 井上 哲士君                 浅田  均君               アントニオ猪木君                 伊波 洋一君    国務大臣        外務大臣     河野 太郎君        防衛大臣     小野寺五典君    事務局側        常任委員会専門        員        宇佐美正行君    政府参考人        内閣官房TPP        等政府対策本部        政策調整統括官  澁谷 和久君        内閣官房内閣情        報調査室内閣衛        星情報センター        次長       笠原 俊彦君        外務大臣官房審        議官       相木 俊宏君        外務大臣官房審        議官       松浦 博司君        外務大臣官房参        事官       長岡 寛介君        外務大臣官房参        事官       鯰  博行君        外務省中東アフ        リカ局長     岡   浩君        外務省経済局長  山野内勘二君        国土交通大臣官        房技術審議官   江口 秀二君        防衛大臣官房長  高橋 憲一君        防衛大臣官房サ        イバーセキュリ        ティ・情報化審        議官       小波  功君        防衛省防衛政策        局長       前田  哲君        防衛省整備計画        局長       西田 安範君        防衛省人事教育        局長       武田 博史君        防衛省地方協力        局長       深山 延暁君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○環太平洋パートナーシップに関する包括的及び  先進的な協定締結について承認を求めるの件  (内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 三宅伸吾

    委員長三宅伸吾君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、古賀友一郎君が委員辞任され、その補欠として武見敬三君が選任されました。     ─────────────
  3. 三宅伸吾

    委員長三宅伸吾君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 三宅伸吾

    委員長三宅伸吾君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事中西哲君を指名いたします。     ─────────────
  5. 三宅伸吾

    委員長三宅伸吾君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定締結について承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房TPP等政府対策本部政策調整統括官澁谷和久君外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 三宅伸吾

    委員長三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 三宅伸吾

    委員長三宅伸吾君) 環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定締結について承認を求めるの件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 藤田幸久

    藤田幸久君 国民民主党藤田幸久でございます。  今日のこの委員会に合わせるように、ただいまトランプ大統領金正恩委員長が今握手を交わした場面ではないかと、しておりますので、合わせてリアルタイムで、条約の前にこの米朝会談について質問させていただきたいと思っております。  トランプ大統領が今日はエキサイティングな一日にしたいとおっしゃっておられますが、今日もエキサイティングなちょっと骨太の議論を両大臣とさせていただきたいというふうに思っております。  いろいろ、非核化の問題とか制裁の問題とか握手の仕方とか、細かい話が出ておりますけれども、私は、一番重要なことは、今日は朝鮮戦争終結可能性が高まる日であるということを強調しておきたいと思っております。と同時に、ある意味では、この東アジアの永続的平和の追求の道が進むのか、それとも新たな軍事対立にまた逆戻りするのか。私は、不可逆的なという言葉が使われておりますけれども、この朝鮮戦争終結及び東アジアの平和への道、この部分だけは、どんなことがあっても、アメリカ中間選挙がどうであっても不可逆的なものにしなければいけないというふうに思っております。  そんな意味で、まず河野大臣にお伺いしたいと思いますけれども、この朝鮮戦争終結可能性、これが私は非常に重要な意味を持っているのではないかと思いますけれども、それも含めた安全保障環境が変わりつつあるということについて、是非今日は、役所の答弁書を読むのではなくて、是非御本人の言葉で答えていただきたいと思いますが、その点についてどうお考えか、お答えをいただきたいと思います。
  9. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 今日の米朝会談朝鮮戦争が終結するということはあり得ないわけでございまして、それは、朝鮮戦争休戦協定に署名をした米国中国北朝鮮並びに当事者でもあります韓国の四者が、これはどういう法律的な枠組みでやるのかというのはいろいろ議論があると思いますが、そこで決められる話であろうというふうに考えますので、今日の米朝首脳会談朝鮮戦争が終結するということはないというふうに認識をしております。
  10. 藤田幸久

    藤田幸久君 韓国は関わっていなかったというふうに思いますけれども。その上で、いずれにいたしましても、この安全保障環境が変わりつつあるということだけは、特に日本においては中国あるいは北朝鮮との関係改善をしていくと、そういう契機にすべきだろうと思っておりますけれども、その点についてはどうお考えでしょうか。
  11. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 今日の米朝首脳会談がどのような形になるのか、今の段階予断を持ってお答えできる状況ではありませんので、朝鮮半島安全保障環境が今日の米朝会談で変わるのかどうか、今の段階でどちらとも申し上げられないというのが本当のところだと思います。
  12. 藤田幸久

    藤田幸久君 事実関係についてですが、私、今回、この一月以来、南北関係改善の兆しに向かって動き出していると。その際に、なぜ南北が分断されているのかということを考えますと、やはり朝鮮半島が分断されているという状況は、私は日本の責任が大きいと思っておりますが、その点についてはどうお考えでしょうか。
  13. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 朝鮮半島現下情勢に至った経緯について一概に申し上げるのは困難だと思います。
  14. 藤田幸久

    藤田幸久君 済みません。困難の前の修飾語、何とおっしゃったでしょうか。もう一度、修飾語だけ。
  15. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 申し上げるのは困難と申しました。
  16. 藤田幸久

    藤田幸久君 一概にとおっしゃったんでしょうか。
  17. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) ええ、現下朝鮮半島情勢にどうしてなったかということを申し上げるのは困難というふうに考えております。
  18. 藤田幸久

    藤田幸久君 もうちょっとしっかり議論をしたいと思っておりましたが、たまたま私、昨日、質問通告をした後にこのお配りしております毎日新聞記事を拝見しました。たまたま、河野大臣のお父さんでございますが、私はその関係ではなくて、一人の政治家として、今回の米朝会談について非常に高い見識で見ていらっしゃるというふうに私も思ったわけです。  私自身が実は今日申し上げようと思っておりましたのは、この河野洋平衆議院議長の見出しの下の辺り、二段目でございますけれども、日本は一九一〇年に朝鮮半島を併合し、その後、三十五年にわたる植民地支配をした、それが朝鮮半島を分断する遠因となった、日本はこの機会朝鮮半島支配で犯した罪を再認識する必要がある。その後、朝鮮半島の大きな傷を癒やす動きを、日本は積極的にサポートしていく姿勢が必要ですと。  この点についてはどうお感じになりますでしょうか。正直にお答えいただきたいと思います。
  19. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 一人のインタビューに政府として特にお答えするものはございません。
  20. 藤田幸久

    藤田幸久君 お答えではなくて、こういう、今までもこの委員会でいろんな新聞記事あるいはいろんな方に対するコメントはしてこられたと思いますので、コメントしてはならないということはないと思いますけれども、正直に、これある意味では非常にいい私はメッセージじゃないかと思いますけど。  つまり、傷を癒やす動き日本はサポートする、これはどなたがおっしゃったかということは別にしまして、朝鮮半島の傷を癒やす動き日本はサポートするお考え外務大臣としておありでしょうか、ないんでしょうか。
  21. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 日本外交として、様々な問題があればその問題の解決をするために日本外交というのは努力をしてきたわけでございますし、今後ともそういう努力はしてまいりたいと思っております。
  22. 藤田幸久

    藤田幸久君 ということは、その傷が存在するということ、私は解決に必要だろうと思いますけれども、そういう意味での、傷を癒やすための解決努力をするお考えはありませんでしょうか。
  23. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 日本外交は、様々な世界の問題に、その問題を解決する努力をしてきたところでございますし、今後ともそういう努力をするということをしっかりやってまいりたいと思います。
  24. 藤田幸久

    藤田幸久君 今後、今日の会談がどう終わっても、これから恐らく継続はするんだろうと思っています。その際に、日本は、六者協議というものを前から一つの取っかかりとされておられますので、六か国との協議が重要だろうと思います。  ということは、アメリカ以外、日本は主体ですから、そうしますとほかの四つの国、つまり、南北朝鮮、それから中国ロシアとの関係改善というものが非常に重要なんだと思います。それはそう思われますか。
  25. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 今日の米朝首脳会談がどのようになるか、今後どのようになるか、今予断を持ってお答えができないというのが現状だと思います。
  26. 藤田幸久

    藤田幸久君 具体的に言いますけれども、安倍総理は、やはりこの日朝関係改善において直接的に北朝鮮と向かい合い、話し合いたいとおっしゃっています。  その北朝鮮という場合に金正恩委員長を指しているわけですが、この六者協議のうちの日本を除く四つの国は金正恩委員長と既にお会いになったか、あるいは、プーチン大統領もおっしゃっておられますように、この間、ラブロフ外相が行きましたが、少なくてもアメリカ韓国中国ロシア金正恩委員長と会った、あるいはこれから会う可能性がある。可能性が、今のところまるで可能性として上がっていないのは日本だけであります。  そうすると、北朝鮮と直接向かい合い、話し合って、この拉致問題を解決をしていくためには、これは安倍総理金正恩委員長と会うということが、これは安倍総理自身がおっしゃっているわけですから、必要だろうと思いますけれども、そういった関係改善ということはいずれにしても必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  27. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 日本政府の基本的な立場は、日朝平壌宣言に基づいて、核、ミサイル、拉致問題を包括的に解決し、国交を正常化しようというのが我が国の基本的な立場で、それには変わりはございません。  拉致問題に関しては、これは日本北朝鮮が直接話し合わなければならない問題でございますので、状況が来ればそういうことになろうかとは思います。
  28. 藤田幸久

    藤田幸久君 状況が来れば、安倍金会談に至ると。すると、状況がということは、誰かがそういった状況をつくってくれればということで、主体的な今意思は今は聞けなかったわけですが、状況が来ればということは、これはやっぱり他力本願なんでしょうか。
  29. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 日本として様々これまでも努力をしておりますし、今国際社会が一致してこの北朝鮮大量破壊兵器あるいはミサイルCVIDを実現しようとしているわけでございますから、日本はこの国際社会の一員として、それに向けて努力をしながら、拉致問題も併せた解決を図っていくということでございます。
  30. 藤田幸久

    藤田幸久君 いや、具体的に、韓国中国ロシアアメリカ金正恩委員長と会った、あるいは会うという蓋然性があるという事実に基づいて、日本だけが会えていない、会う可能性がないという中で、それを、そういう会う努力をするのかしないのかについて、イエスかノーかでお答えください。
  31. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 日本立場は、日朝平壌宣言に基づいて、核、ミサイル、拉致問題を包括的に解決し、国交正常化を目指すというのが我が国政府基本方針で、これには何の変わりもございません。
  32. 藤田幸久

    藤田幸久君 ここしばらく見ておりますと、日本が外されているという言われ方しておりますけれども、外されているというもう一つの側面は、他力本願外交で来ていると。それから、ここ数年間の日本外交というのは、外交より安保でありまして、例えば尖閣をめぐる安全保障的な中国に対して、TPP中国を包囲して、そして北朝鮮はけしからぬと、そういう言わば冷たい安全保障冷戦思考の、その私は位相が今大きく変わりつつあると思っておりますけれども、日本だけがこの言わば他力本願思考停止外交が残ってしまっている。  実際には、大臣、いろいろやっていらっしゃるのかもしらないけれども、少なくとも今、十時十五分から多分お二人の会談が今始まる時間でございますけれども、それに合わせて、そういうふうに動いている中で、幾ら国会とはいっても、逆に国会であるがゆえに、少なくとも考え方を披瀝していただいて、国民の支援も得ながら外交を進めていくべきだろうと思いますが、何か相変わらず他力本願外交姿勢が見て取れますが、それを変えるおつもりはないんでしょうか。
  33. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) コメンテーターの中には、蚊帳の外とか他力本願とかいろんなことをおっしゃる方がいらっしゃいますが、全く当たっていないというふうに思っております。  日本としては、国際社会一緒に、北朝鮮に対して安保理決議をしっかり履行することで北朝鮮大量破壊兵器並びにミサイルCVIDをきちんと実現するための明確なコミットメントを今日の米朝会談でしっかり北朝鮮が示せるかどうか、それを注視しているところでありまして、日本国際社会一緒にこれまでも動いてまいりましたし、これからもしっかりと足並みをそろえてまいりたいというふうに思っているところでございます。
  34. 藤田幸久

    藤田幸久君 国際社会とおっしゃいますが、その六者協議アメリカ以外の国々一緒に動いてきたというのは到底見受けられません。そんな中で、たまたま昨日の毎日新聞でございますけれども、河野洋平衆議院議長福田ドクトリンのことをおっしゃっておられます。たまたま、昨年の十二月でございますが、私、福田康夫総理中国会議参加された際に、日中四十五周年あるいは四十年の関係周恩来元首相のお嬢さんもいらっしゃいましたけれども、福田康夫総理福田赳夫総理福田ドクトリンについておっしゃいました。  これ、昨日の新聞記事は、日本がこういうアジア諸国との関係改善をとおっしゃったんですが、実は中国福田康夫総理がおっしゃったもう一つ意味は、中国がどんどん台頭してきていると。台頭してくると、いろいろ、ある意味では少し自信過剰になってほかの国と摩擦を起こすことがあると。この福田ドクトリンというのは、インドネシアでトヨタの不買運動があった後、日本が走り過ぎたなと、それで軌道修正するためにこういった発言をしたんだというメッセージでございまして、実は去年、北京では中国に対するメッセージでもありました。  そういう意味では、この福田ドクトリンというのは、これ日本関係改善をしようというと同時に、ある意味では、アジア国々において台頭してある意味では自信過剰になっている、そういった国に対する両方のメッセージが含まれていると思っておりますが、こういう考え方については、大臣、正直な御自身政治家としての考えをお聞きしたいと思います。
  35. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 正直も何も、今その福田康夫総理中国での発言をお聞きしまして、ああなるほど、福田総理はそういうことでおっしゃったんだなというのが正直な感想でございます。
  36. 藤田幸久

    藤田幸久君 昨日、日朝国交正常化推進議員連盟、これは自民党、公明党を始めとした与党のかなりの重鎮の方々も参加をされました。そこで決議というものが出されまして、安倍総理日朝首脳会談に強い意欲を示し、北との対話に積極的に取り組むことを表明した、日朝首脳会談早期実現を全面的に支持し、日朝首脳の直接対話により拉致問題の完全解決を強く求めるという決議が出ておりますけれども、これについて外務大臣はどういうふうにお感じになりますでしょうか。
  37. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 議員連盟の活動に対して、政府として特に申し上げることはございません。
  38. 藤田幸久

    藤田幸久君 この前、沖縄北方委員会幾つ質問しましたけれども、改めてお聞きしますが、河野外務大臣独立国外務大臣でしょうか。
  39. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) そのとおりでございます。
  40. 藤田幸久

    藤田幸久君 是非、他力本願外交ではなくて、ある意味では、これは日本以外の状況によって、日本が本来すべきことが、環境が整いつつある、もちろん、今日夕方までにどういうふうに動くか分かりませんけれども、ある意味ではほかの国のいろんな要素で日本が本来すべき状況が整ってきているという大変重要なチャンスでございますので、是非それを生かしていただきたいと思いますが、それについてもコメントはないんでしょうか。いかがでしょうか。
  41. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 別に他力本願外交をやっているつもりはございません。
  42. 藤田幸久

    藤田幸久君 非常に外務大臣のその一連のお答えは、せっかくの機会でございますけれども、そういう意欲が見られないということ、大変不満でございますけれども、今日は条約審議でございますので、幾つ条約について質問をしたいと思います。あと数分でございますので、幾つ質問したいと思います。  前回の外交防衛委員会において、政府は、私が、今後締結国が規定の凍結の解除に合意した場合に日本において国会承認の必要があるかと質問したのに対して、いかなる手続が必要となるか、合意の具体的な内容によって異なるといって答弁いたしました。しかし、TPP12の国会審議の際に、岸田外務大臣は、協定本文だけではなく、附属書内容に変更を加える場合においても協定の一部を改定することになるため、改めて各国の合意国会承認が必要になるとはっきり答弁しておりました。私は、国会承認を必ず求めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  43. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 凍結を解除する際、我が国においていかなる手続が必要となるかは締約国間の合意具体的内容によって異なってまいります。個別具体的な事案に即して必要となる国内手続を判断することになろうかと思います。  例えば、本協定改正議定書によって凍結を終了させるような場合には、そのような改正議定書締結について国会承認を求めることとなろうかと考えております。
  44. 藤田幸久

    藤田幸久君 それから、答弁の中で、このTPPというのはガラス細工のような協定であって、一部のみを取り出して再交渉したり変えたりすることは極めて困難であると答弁しているわけですが、元々、安倍総理は再交渉は不可能であると強調していたわけですけれども、再交渉は可能と認識しているのか、それとも実質的には不可能と認識しているのか、どちらでしょうか。
  45. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 従来申し上げているとおり、TPPは、参加国の様々な利害関係を綿密に調整してつくられた、言わばハイスタンダードでバランスの取れたガラス細工のような協定でございます。  政府として、一部のみを取り出して再交渉したり変えたりすることは極めて困難であると、総理も私も一貫して述べてきているところでございます。
  46. 藤田幸久

    藤田幸久君 何か紋切り調ばかりですけれども。  それから、TPP11というのは米国が入っておりません。にもかかわらず、アメリカを含む形で設定した牛肉セーフガード発動基準や、あるいは乳製品関税割当て枠数量を引き下げなかったわけですが、何でこれで国会決議にかなうと言えるんでしょうか。
  47. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) TPP12の協定交渉では、農林水産品重要品目について、乳製品などでは関税割当てを導入することにより、枠外の関税については従来の関税を引き続き維持するとともに、牛肉などでは十年を超えるような長期間の関税削減期間を確保し、削減期間中は輸入急増に対するセーフガードなどをしっかり確保したところでございます。  その上で、TPP11協定においては、御指摘の牛肉セーフガード乳製品関税割当てについては、TPPハイスタンダードを維持する観点から現時点で修正を行わず、発効後、必要と判断した時点で協定第六条に従い見直しを行うということで合意をいたしました。  TPP11協定については、TPP12協定と同様に、総合的なTPP等関連政策大綱に基づく対策をしっかり実施することにより、牛肉乳製品といった重要品目について再生産できる体制は確保できていることから、政府としては国会決議の趣旨に沿っていると考えております。
  48. 藤田幸久

    藤田幸久君 TPP11は、この前本会議で申し上げましたが、貿易協定というよりも投資家保護協定の性格が強いと思っています。TPP11は、TPP12の乳製品輸入枠牛肉セーフガード発動水準をそのまま認め、アメリカ参加を前提とした自由化米国抜きで認めてしまっているんです。  今後、アメリカによる対日要求最低ラインとなって、それ以上になるわけですから、日本の国益にとってはより受け入れ難い内容と思われますが、いかがでしょうか。
  49. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 自由で公正な投資ルールを維持発展させていくことは、世界経済、ひいては日本経済全体の成長につながると考えます。こうした考え方の下、我が国は、投資家の保護に関するルールを含む経済連携や投資協定を積極的に推進してまいりました。  その上で、この協定には、投資関連規定のほか、物品及びサービスの貿易の促進、知的財産等の幅広い分野のルールが規定されており、貿易協定よりも投資家保護協定であるとの指摘は全く当たらないと考えております。  TPP11協定におきましては、元々のTPP12協定の特徴でありますハイスタンダードを維持するという観点から、米国不在であっても協定内容自体は維持した上で、ごく一部のルール分野の適用の停止のみを行うことで合意をいたしました。  御指摘の乳製品関税割当て牛肉セーフガードにつきましては、現時点では修正を行わず、発効後、必要と判断した時点でTPP11協定第六条に従い見直しを行うということで合意をしたわけでございます。  米国との関係では、我が国としては、TPPが日米両国にとって最善というふうに考えております。農業分野につきましても、米国に対して、TPP協定での農業分野でおける譲歩が我が国として最大限のものであるということは、これまで累次伝えてきているところでございます。  今後とも、このような我が国立場を様々な機会を通じて改めて訴えてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  50. 藤田幸久

    藤田幸久君 まだ若干時間ありますので、この昨日の毎日新聞記事、ちょっともう一度御覧いただきたいと思いますが、下から二段目の松田特別顧問の脇でございますけれども、在韓米軍については九一年九月にブッシュ米大統領が戦術核の撤収を表明しています。ならば、日本はもう一度、非核を目指す姿勢を再確認すべきでしょうと。相手国には非核化を要求するが、自国は核兵器禁止条約に賛成しないという姿勢はいかがなものか。  これは、私も前も大臣質問いたしました。北朝鮮非核化を求めるならば日本はこういう姿勢が重要ではないかと質問しましたが、今日、米朝会談を迎えるに当たって、私は、この非核化に関しましては、日本はこういう姿勢を示す、かつ米中ロなどに核保有国からの核攻撃をしないという約束を取り付ける、こういった姿勢がますます重要になってきたと思っておりますが、改めてこの問題についてどうお考えか、お答えをいただきたいと思います。
  51. 三宅伸吾

    委員長三宅伸吾君) 申合せの時間が来ておりますので、河野大臣答弁は簡潔に願います。
  52. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 北朝鮮非核化日本が核禁条約に賛成するかどうかというのは全く別個の問題でございますので、こっちを要求するならこっちをやらなきゃいかぬというのはおかしなことだと思っております。
  53. 三宅伸吾

    委員長三宅伸吾君) 時間が来ております。
  54. 藤田幸久

    藤田幸久君 そういう姿勢ではなかなか関係改善ができないだろうということを申し上げて、質問を終わります。
  55. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 立憲民主党・民友会の牧山ひろえです。  本論に先立ちまして、今まさに行われております米朝首脳会談、それに関連して、対北朝鮮外交について御質問させていただければと思います。  参議院外交防衛委員会、三月二十日の質疑において、河野大臣日本の方針としてこう表明されております。北朝鮮に対する圧力を最大限に維持する、そして、核、ミサイル、拉致問題の包括的な解決に向けて具体的な行動を取るまでこの圧力を掛け続ける。すなわち、制裁は解除しないと明言されているんですね。  包括的ということですので、核、ミサイルは別として、拉致問題について解決に向けての具体的な行動がなかった場合、日本として制裁は解除しないという方針に変更はございますでしょうか。
  56. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 今行われている米朝会談がどのような結果になるかというのは、これはまだ分からないところでございますが、今、国際社会は一致して北朝鮮に対して安保理決議に基づいた経済制裁を履行してきているところでございまして、国際社会が一致してこういうことをすることができたということが今日の米朝会談に、まあ結果はともかく米朝会談につながってきているわけでございます。  この経済制裁は国連の安保理の決議によるものでございますので、この経済制裁をどうするかというのは、これは国際社会が安保理を通じて決めていくということになるわけでございます。  我が国としては、核、ミサイル、そして拉致問題の包括的な解決に向けた具体的な行動を北朝鮮から引き出すために、安保理決議に基づく制裁措置を厳格に実施していく方針に変わりはございませんし、北朝鮮対話に応じたことのみをもって北朝鮮に見返りを与えるべきではないというのは、これは過去の教訓からも明らかだと思います。
  57. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 安倍総理は、トランプ米大統領との共同記者会見で、拉致問題解決に向けて北朝鮮と直接協議していく決意だと述べており、日朝首脳会談の開催に意欲を示したとされています。  外交防衛委員会、三月二十日の質疑におきまして、日朝首脳会談への方針をお伺いした私の質問に対して、大臣は明確に否定的な見解をされています。  日朝首脳会談に関する政府の方針に変更があったということでしょうか。
  58. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 拉致問題というのは、最終的には日本北朝鮮が話し合わなければならない問題だというふうに思っております。  日朝首脳会談というのは、これを行う以上、北朝鮮の核、ミサイル、そして何よりも拉致問題の解決につながることが極めて重要でございまして、ただ会って一回話をすればいいのかということではございません。問題が解決される形での首脳会談でなければならないというふうに思っておりまして、御指摘をいただいた三月の二十日の答弁は、そういう観点から申し上げたものでございます。政府の方針に何ら変わりはございません。  核、ミサイル、拉致問題を包括的に解決をし、国交正常化を目指すという日朝平壌宣言に係る我が国の基本的な立場には何の変更もございませんし、拉致問題の解決は最終的に日本北朝鮮の話合いで行われなければならないというのも、そのとおりでございます。ただ、ただ会えばいいということではないということについても、我が国の方針としては変わりがございません。
  59. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 河野大臣はこうおっしゃっています。「北朝鮮と一か国ずつが何か会談をやらなきゃいけないということでもありませんし、それはただ単に北朝鮮立場を優位にするだけに終わる」と、こういうふうにおっしゃっていたんですが、それに対して、安倍総理は、拉致問題を解決するため、私は北朝鮮と直接向き合い、話し合いたいというふうに明言しております。  今更ですけれども、総理のおっしゃるように、問題解決のために当事国である北朝鮮と直接向き合うことで、三か月近く前に私たちが提言して外務大臣に否定された内容なわけでございます。  続きまして、外務省のセクハラについてお伺いしたいと思います。  外務省は、ロシア課長に信用を損なう行為があったとして、国家公務員法に基づいて停職九か月の懲戒処分とし、六月四日付けで課長職を更迭しました。報道によりますと、セクハラ行為した疑いがあるということです。  財務省の公文書改ざん、廃棄問題では、首謀者とされた佐川前理財局長は三か月の停職処分相当でした。九か月というのは、私は、すさまじい悪質性があるセクハラだったか、佐川前局長の処分が軽過ぎたのか、どっちかだと思うんですよね。  河野大臣も西村官房副長官も口をそろえて、被害者のプライバシーがありこれ以上話せないとおっしゃいます。ですが、どのような背景でどのような問題が生じたのかについて、全く何もおっしゃらない、何も明らかにしない。このままでは、国会がどうやって、今回の処分が適切なのか、そしてこの事件を受けた綱紀粛正が機能しているのか、こういったことをどうやって確認するのかなと思うんですが、この件に関しまして国会国民のチェック機能は全く機能しなくてもいいというお考えなんでしょうか。
  60. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 懲戒処分の権限は任命権者であります外務大臣にありまして、今回の処分は、外務省が事実関係を確認した上で判断をしたものでございます。  これ以上につきまして、被害者のプライバシー保護の観点から、御説明することは差し控えます。
  61. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 今の御答弁ですと、立法府による行政府へのチェック機能を全く不要と言っているのと同じだと思うんですね。  このロシア課長は、五月二十七日まで安倍総理ロシア訪問にも同行していた方です。対ロシア外交の言わばキーパーソンだと思います。このロシア課長の更迭は、当然、国政の重要事項だと思います。  また、財務省前次官のセクハラ問題でも、財務省自体のセクハラに対する甘い組織体質が浮き彫りになっていました。政権の緩みが反映してのことか、幹部公務員のセクハラ問題が次から次に出てくるという印象を私や国民は受けています。  どこまで本腰を入れてのことか分かりませんけれども、五月三十一日は、安倍首相から野田大臣にセクハラ対策の指示も出ているのは御承知のとおりだと思います。今後行われる対策で今回の件が防止できるようになるのか、今のままでは全く分からない状態です。  ここで委員長にお願い申し上げたいんですけれども、今回の件に関しまして、プライバシーに配慮しながらも、何が原因でどんなことがあったのか、外務省が早急に委員会に対して報告することを委員会として外務省に要求していただきたいと思います。
  62. 三宅伸吾

    委員長三宅伸吾君) 後刻理事会にて協議させていただきます。
  63. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 では、本日の本題であります環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定につきまして、前回に引き続き、質疑させていただきたいと思います。  政府は、前回の委員会で、このFFRは日米FTA交渉と位置付けられるものではなく、またその予備協議でもないというふうに断言されております。  このFFRで、ないし茂木大臣とライトハウザー通商代表との協議で、日米FTA交渉ないしその予備協議がなされることはない、こういう理解でよろしいでしょうか。
  64. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議、略称FFRは、公正なルールに基づく自由で開かれたインド太平洋地域の経済発展を実現するため、日米双方の利益となるように日米間の貿易や投資を更に拡大させていくとの目的で行われる協議でございます。  この協議は日米FTA交渉と位置付けられるものではなく、その予備協議でもございません。
  65. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 では、日米経済対話やFFRなどの日米二か国協議の場において、今後これらの枠組みが利用されて、米国からTPPで譲歩した以上の多種多様な要求を突き付けられる可能性はありますでしょうか。  前回も質問しているんですけれども、正面からお答えいただいていないので、外務省、あるかないかで改めて端的にお答えいただきたいと思います。
  66. 山野内勘二

    政府参考人山野内勘二君) お答え申し上げます。  米国との関係で、とりわけ日米の経済関係全体という観点からして、TPPが日米両国にとって最善であるというふうに考えておるところは再三再四申し上げているところでございます。  その上で、貿易の分野ということについて申し上げれば、我が国米国に対してTPP協定の中で譲歩したもの、これが最大限のものであるという趣旨でございまして、こういう立場については様々な機会米国側にも述べてきているところでございます。  いずれにいたしましても、我が国といたしましては、いかなる国とも国益に反するような合意を行うつもりはないということでございます。
  67. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 TPP11締結に起因する今後の交渉の中で新たな、又はより大きな譲歩を行う可能性に大きな危惧が持たれています。  この懸念に対して、政府は、農業分野につきましても、米国に対して、TPP協定での農業分野におけるマーケットアクセスの譲歩が我が国としての最大限のものというふうに答弁されているんですが、この言葉意味を説明していただきたいんですが、よろしくお願いします。
  68. 山野内勘二

    政府参考人山野内勘二君) これは、国会のやり取りで総理もおっしゃっているところでございますけれども、TPP12のとき、今11でもそれは残っているわけでございますけれども、ここでの日本の農業分野における譲歩というものはもうマックスだということは明確にトランプ大統領にもお伝えしているわけでございます。この中において、TPP11と、さらに、もし例えば日米間において要求されても、これで既に我々が譲歩しているもの以上はこれは譲歩できませんというふうに総理答弁されているところでございます。
  69. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 これに関しましては事前に御説明いただいているんですけれども、TPP12で規定された低関税輸入枠を広げることはない、セーフガードの限度を引き上げることも、また関税撤廃が八二・三%を上回ることもあり得ないということならば、そう明言してほしいんですね。このことをお願いしたいんですけれども、明確に表明できないということなんだなと思いました。であるならば、TPPの譲歩が最大という政府の約束に意味はないと思います。  自民党ホームページにはTPP交渉参加の六条件が今でも掲載されています。お配りした資料を御覧ください。この中に書いてあります。御覧になれば一目瞭然ですけれども、TPP交渉参加条件と銘打たれていますけれども、内容としましては日本の経済協定全般に当てはまる内容だと思います。  このうち、現在の政府の方針とは異なる内容の項目はございますでしょうか。それとも、現政権の経済外交方針もこの項目の内容に沿って行われるという理解でよろしいでしょうか。
  70. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 自民党のホームページに掲載されている内容について政府立場からコメントすることは差し控えたいと思いますが、その上で、御指摘のTPP交渉参加の判断基準では、聖域なき関税撤廃を前提にする限り交渉参加に反対するなどが掲げられております。  政権発足間もない二〇一三年二月、安倍総理はこの国民との約束を守るため、訪米してオバマ大統領と会談し、TPPは聖域なき関税撤廃を前提としないことを直接確認した上で、政府としてTPP交渉への参加を決断をいたしました。  厳しい交渉の結果、農産品については重要五品目を含めて関税撤廃の例外を確保するとともに、国民皆保険制度、食の安全、安心の基準、政府調達など、我が国の制度変更を求められることもなく、国益にかなう結果が得られたと考えております。また、工業製品の数値目標も設定されなかったわけでございます。  政府としては、こうした観点も踏まえながら、今後も我が国の国益にかなう経済連携交渉を行ってまいりたいと考えております。
  71. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 米国からの多種多様な強い要求の見返りとして、国民皆保険ですとか食の安全などが取引材料にされるようなことがあってはならないと思います。また、自動車や鉄鋼についても理に合わない主張が出ておりますけれども、自由貿易の理念に反する自動車などの工業製品の数値目標は受け入れない、この方針も再確認いただきたいと思います。  時間となりましたので、終わります。
  72. 小西洋之

    ○小西洋之君 立憲民主党・民友会の小西でございます。  私も冒頭、今まさに行われております歴史的な米朝首脳会談に関しまして、そもそも日本アメリカは一体どういう二国間関係にあるか、その日米関係の本質について質問させていただきたいと思います。  初めに、この間、トランプ政権が誕生して、北朝鮮の核・ミサイル問題の対処を中心とする安倍政権の外交安保姿勢に対する私の認識を申し上げさせていただきたいと思います。  私も北朝鮮の核・ミサイル開発というのは日本に対する誠の重大なる脅威だと考えております。その対処策として、国際連携枠組みの下、経済制裁という最大限の圧力を行うということは、政策的にも必要かつ合理的であるものだというふうに考えております。  ただし、私は、日本が自衛隊によって米国の、アメリカ北朝鮮に対するいわゆる武力の行動、ここではあえて武力の威嚇ということは、威嚇ではないかと、国際法違反かつ憲法違反ではないかということはこれまでこの委員会でも追及をさせていただきましたけれども、武力の威嚇という言葉はあえて使いません。アメリカ北朝鮮に対する武力の行動、武力の示威的な行動も含めての行動に対して、日本が自衛隊を動かして共同訓練などを行う、北朝鮮の目の前で共同訓練などを行うことは不合理かつ不必要であるというふうに考えております。  その理由といたしまして、まず、対北朝鮮との関係考えたときに、地球の裏側にあるアメリカへの北朝鮮の軍事力の脅威より、北朝鮮の真横、目の前にある日本への軍事的脅威の方がはるかに多いわけでございます。  今、首脳会談中、途中でございますけれども、もし軍事的緊張が、アメリカ北朝鮮の間の緊張が高まって戦争が起きたときに、日本が真っ先に被害を受ける、日本の東京がまさに襲われるわけでございます。都市が襲われるわけでございます。また、そうしたアメリカ軍の示威的な行動に自衛隊が共同訓練などによって加担することは、北朝鮮に、今申し上げたような日本攻撃、日本の一般都市などへの攻撃の口実を与えることとなります。しかし、安倍政権は、こうした問題意識に対して、いや、違うんだと、日本が、日本の自衛隊がアメリカ一緒に様々な軍事行動を、共同訓練などを一緒にすることによって、日米のきずな、日米同盟のきずなは高まり、かえって抑止力が高まり、よって、かえって日本は安全になっているんだ、そういう論法を安保法制のときからずっと行っているわけでございます。  しかし、私は、日本アメリカ一緒北朝鮮の目の前で共同訓練などしなくても、日米同盟は私は絶対に壊れることはないと思います。なぜならば、日米同盟は日本だけではなくてアメリカにとっても世界で最も重要な同盟関係であります。  今、アメリカも、インド太平洋戦略的なことをトランプ大統領も言っておりますけれども、インド太平洋だけではなくて、中東地域も含めて、例えばアメリカ海軍の横須賀の海軍基地、第七艦隊、第七艦隊がなければ、米国は、アジア、そしてインド洋、そして中東地域も含めて、一秒たりとも海軍の軍事的なプレゼンスを保持できないわけでございます。県民の歴史的な犠牲も払っての、伊波先生もいらっしゃいますけれども、沖縄の嘉手納の空軍基地、アメリカが世界に有する最大の空軍基地であります。アメリカの在日米軍の空軍基地、嘉手納や三沢があるいはなければ、あるいは海兵隊の空軍力もありますけれども、航空力もありますけれども、そうしたものがなければ、アメリカはこのアジアの地域で空軍の飛行機のその戦闘力を維持できないわけでございます。海兵隊も駐留しております。こうした圧倒的なアメリカの軍事的なプレゼンスを与えている唯一の基盤が日米同盟であるわけでございます。  そして、日米安保条約、このTPPの本会議の代表質問でも申し上げさせていただきましたけれども、安保条約第三条という規定がありまして、日本アメリカのために軍事力を行使しなくていいという、五条、六条が有名ではございますけれども、アメリカが世界各地で結んでいる軍事条約、全て同じ条文です。全く同じ条文ですよ、同じ文言です。ただ、日米安保条約第三条だけは、日本には憲法九条があるので、日本アメリカのために集団的自衛権行使を始めとする軍事的なものを行わなくていいと法的に免責してあるわけでございます。  こうした日米関係における現実的な国益関係、また主権国家同士の国際条約に照らして、私は、日米同盟は壊れるわけがないし、これを壊すのであれば外交失格であり、そうした政権は外交を担う、すなわち政権を担う能力がないというふうに考えております。  結論といたしまして、以上申し上げたような、本来は日本アメリカ一緒北朝鮮の目の前で軍事的な示威行動に加担するようなことはすべきでないのに、してしまった結果、日本は、北朝鮮、あるいはこの北朝鮮問題を取り巻く中国韓国といった関係国との間の中で、主体的かつあるいは主導的な立場を失ってしまっており、先ほど藤田先生の御質問にもありましたけれども、六者協議関係国で日本だけが金委員長首脳会談、あるいは政府要人が会えていないということに私はなっているのではないかと思います。  私は、もし安倍政権に戦略的な外交があるのであれば、今日の米朝首脳会談はシンガポールではなくて我が国日本で開く、日本米朝首脳会談を開き、そして、ホスト国としての立場として、拉致問題を根本的に、抜本的に解決する、そうしたことを戦略的に仕掛けるのが私は主権外交ではないかというふうに考える次第でございます。  以上が私の北朝鮮問題に関する見解でございますけれども、まず河野大臣に伺いますけれども、戦後、朝鮮戦争の休戦以降から第二次安倍政権に至るまで、北朝鮮政府などが、北朝鮮が公式にという意味です、在日米軍基地ではなくて、在日米軍基地ではなくて、日本の国土や日本国民そのものを武力によって攻撃すると公言した例はございますでしょうか。
  73. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 御指摘のような事例として、二〇一〇年七月九日付けの労働新聞に、朝鮮半島で戦争が起きれば、日本はやはり戦争の舞台と化すことになることは疑う余地がない、日本当局者らは自分の意見を持たずに、他人のほらに踊らされ、我が方を不愉快にさせる行動を続けるなら、日本が災難を免れなくなるということをしっかり認識すべきであると論評を掲載をしております。  また、七月の十三日付けの労働新聞の、これはちょっとどういうあれか分かりませんが、もし日本が公海上で我が方の船舶を少しでも挑発するなら、即時我が軍隊の無慈悲な報復打撃を免れないであろう、その報復打撃は世紀をまたいで続けられる日本の全ての罪悪を総決算するものとなるであろう、これは二〇一〇年七月十三日。  また、二〇〇九年五月二十九日付けの労働新聞においては、我が軍隊と人民は百年の宿敵である日本に対する積もり積もった恨みを抱いている、日本列島は矮小で縦深が深くない、日本が再侵略戦争を挑発するならば、縦深が深くない日本の全領土が報復打撃圏から逃れることができなくなるであろうというふうに報じていると思います。  若干、三つばかりでございますが、御紹介させていただきました。
  74. 小西洋之

    ○小西洋之君 今、大臣が御紹介いただいた二つ目の事例ですね、大臣、どういうものか分からないがとおっしゃいましたけれども、これは先生方も御記憶にあろうかと思いますけれども、在日朝鮮人総連合会です、いわゆる総連ですね、総連の中央本部ビルを押収することができるというような判決が出たわけでございますけれども、そうした文脈の中で北朝鮮がそうした、これは不当な主張、発言だと思いますけれども、そういうことをしたというわけでございます。  三つ目の大臣の事例の紹介の中で、北朝鮮発言として、再侵略戦争を企図するのであればというような趣旨が、発言を御紹介されていましたけれども、皆様、お手元にある資料を御覧いただけますでしょうか。これ、防衛省から政府の資料として私が提出を受けたものでございます。  これはどういうものかと申しますと、安保法制を制定以降に、この度の北朝鮮の核、ミサイルの危機がエスカレートして、その下で自衛隊がアメリカ軍と共同訓練などを行う、その時期に、実は北朝鮮が累次の声明、北朝鮮自身ミサイルの発射実験を行った後などにもよく出しているんですが、行っている主な声明を集めていただいたものでございます。  一ページ目の、横に右丸を付けているものですね、今までは日本の領土にある米国の侵略的軍事対象、これは在日米軍基地のことですが、だけが我々の戦略軍の照準鏡内に入っていたが、日本が現実を直視せず、あくまで米国に追従して我々に敵対的に出てくるのであれば、我々の標的は変わるしかない。その下に線引っ張っていますけど、今のように日本我が国の拳の近くで不届きに振る舞っているなら、これはいわゆる共同訓練などを指すものだというふうに考えます。更にその下に行っていただきますと、丸を付けているところですけれども、日本米国の対侵略戦争の遂行に本格的に乗り出してきて無謀な狂気を振りまくなら、日本という島国を丸ごと海に沈めることもあり得るという無言の宣言だとも言うべきであろう。その下でございますけれども、日本は自分の境遇をはっきりと認識すべきであり、これ以上米国の手足となって醜く振る舞ってはならない、日本、ちょっと飛ばしますけれども、世界的な軍事強国である北朝鮮が最も近くにあるということを肝に銘じるべきだというようなことを言っております。  私、北朝鮮という国の公の声明の中身を全てそのまま受け取るべきだというようなことを言っているわけではありません。  ただ、常識的に考えれば、北朝鮮の側に立ってみれば、北朝鮮に対して、最強の無敵艦隊を派遣すると、北朝鮮はその攻撃圏内にあるんだということをトランプ大統領は、あるいはアメリカの司令官は累次発言をしながら空母カール・ビンソンなどを派遣していたわけでございます。そうした空母カール・ビンソンと北朝鮮の目の前で自衛隊が共同訓練を行う姿というのは、北朝鮮から見れば、いざ有事の際には、日本アメリカのために武力を行使して北朝鮮と戦うと、そういうふうに受け止めると。よって、北朝鮮は、そんなばかなことを、ふざけたことを、ばかなことをするのでないと、やるんだったら我々も攻撃をするぞと、日本日本国、日本国民そのものを、在日米軍基地だけだったんだけれども、日本国民そのものを攻撃するぞというふうに言っている。  こういうふうに北朝鮮に対して、日本北朝鮮の敵国である、日本国民北朝鮮の敵国民である、そのように、まさに国難を私は安倍政権によってつくってしまっているのではないかと思います。  河野大臣に伺いますが、日本アメリカと一〇〇%共にあるという安倍総理の主張、見解の下にこうした共同訓練などを繰り広げたことは、北朝鮮において日本を敵国とし、日本にかえって軍事的な危険をつくってしまったということではないでしょうか。
  75. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 自衛隊は、平素から我が国周辺を含む様々な地域で訓練を行っておりますが、御指摘の自衛隊と米軍空母との訓練につきましては、海上自衛隊の戦術技量の向上及び米海軍との連携強化を目的として実施しているものであって、特定の国又は地域を念頭に置いたものではないと承知をしております。  北朝鮮による挑発の意図について日本政府としてお答えする立場にはございませんけれども、我が国としては地域の安全保障環境が一層厳しさを増す中、我が国の防衛力のみでは自国の安全が脅かされるようなあらゆる事態には対処できない以上、日米安保体制の下で米軍の前方展開を確保しつつ、核抑止力を含む米軍の抑止力をもって我が国の安全を確保することが必要だというふうに考えております。  こうした観点から、日米共同訓練は、日米同盟の抑止力、対処力を強化し、地域の安定化に向けた我が国の強い意思や高い能力を示すものであって、極めて重要な意義を持つものだというふうに考えております。
  76. 小西洋之

    ○小西洋之君 全くお答えになっていませんけれども、今、自衛隊の共同訓練は特定の地域や国を念頭に置いたものではないというふうにおっしゃいましたけれども、北朝鮮から見ればこれはもう、幾つ幾つもそういう声明を出していますから、たった一つや二つの声明ではありませんから、北朝鮮から見れば、まさに自衛隊のその行動というのが北朝鮮に対する戦争策動の手先というような言葉も、次のページには載っていますけれども、北朝鮮から見れば自衛隊の行動が軍事的な脅威として映っていたということをお認めになりませんか。
  77. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 申し上げましたように、日米の共同訓練は、日米同盟の抑止力、対処力を強化し、地域の安定化に向けた我が国の強い意思、高い能力を示すものであって、極めて重要な意義を持つものだと思います。  北朝鮮の意図について申し上げる立場にはございませんが、北朝鮮の労働新聞が何か書いたからこの重要な共同訓練をやらないという選択はございません。
  78. 小西洋之

    ○小西洋之君 労働新聞ではなくて、外務省の報道官やスポークスマン等々も繰り返し発しているわけでございます。  全くお答えになっていませんが、政府の行為によって再び戦争の惨禍を起こすことを許さない決意と憲法の前文に書いてあります。私は、安倍政権のこのアメリカ軍の北朝鮮への軍事的な示威行動、それに自衛隊が共同訓練あるいは武器等防護によって加担をした行為というのは、日本に対して本来生ずるはずのない国難というものを、軍事的な脅威というものをより高め、生じさせてしまっている、そうした私は暴挙であるというふうに考える次第でございます。  じゃ、こういうことをしなければ本当に日米同盟はもたないのかということについて質問をさせていただきたいと思います。  トランプ大統領日本に昨年お越しになった際に、アメリカ軍を駐留させてくれてありがとうというようなことを、正確には米軍を受け入れてくださって日本に感謝しているというようなことを言いましたけれども、この発言の趣旨について河野大臣はどのように考えているでしょうか。  私は、トランプ大統領が、当初は駐留費の負担をもっと要求するんだというようなことを言っておったわけですが、冒頭私が申し上げていた在日米軍基地のアメリカの国防戦略における死活的な、世界のどこでも代替できない、どの国にも代替することが不可能な死活的な価値を彼も認識して、彼から見ればまさにグッドディールであると、これほどアメリカにとって国益を受けている同盟関係はない、そういう認識に立ち、沖縄の問題なども踏まえながら、米軍を受け入れてくれて日本に感謝している、そういうふうな発言をしたというふうに私は受け止めておりますが、大臣の見解はいかがでしょうか。
  79. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) トランプ大統領が来日されたときに、米軍に駐在させてくれてありがとうという発言についてということだと思いますが、日米同盟が地域の繁栄と平和の礎であることは安倍総理トランプ大統領の間の首脳会談で累次確認をしてきているところでございます。このような平和と繁栄を確保するために、在日米軍は重要な役割を果たしております。  この御指摘の、日本の全ての人々にすばらしいホストとして、そして力強いパートナーとして我々の兵士のために尽力してくれていることに謝意を表したいとのトランプ大統領発言は、そのような在日米軍の役割の重要性を踏まえつつ、日米安保条約の下、日米間の役割分担に基づく日米同盟を強固なものとするための我が国の取組に対する謝意が述べられたものと認識をしております。  この重要な日米同盟を維持するために、これまでも多くの方が様々な努力を日米両側でしてきたわけでございまして、我々としては、地域の言わば公共財と言ってもいいこの日米安保条約、日米同盟をこれからも強固なものにしていくためにしっかりと努力をし続けるつもりでおります。
  80. 小西洋之

    ○小西洋之君 本質的なことをお答えいただけないわけでございますけれども。  河野大臣に伺いますが、安保法制を制定をして、アメリカ軍と軍事的な行動を様々共にできるようにした、そのことによって日米同盟のきずなは深まり、よって日本の抑止力が高まり、よって日本はほかの国から攻撃されない、より安全になっているというのが安倍政権の論法でありますけれども、私は先ほどから申し上げているように、日米同盟の在日米軍基地の死活的な重要性を考えたときに、日本アメリカにそこまでしてあげる必要は私はないと思います。  私は、日米同盟、そして、私は、維持派、維持をしなければいけない、日米同盟、必要な強化も行わなければいけないと考えている国会議員ですが、第二次安倍政権以前の歴代の自民党政権が、また民主党政権も含めて、そう考えていたように、日米同盟というのは、もう在日米軍基地の提供によってアメリカに十分な恩恵を与えていると。よって、私は安保法制の立法事実、安倍政権が言っている立法事実は不合理だと考えるんですけれども。  河野大臣に伺いますが、今申し上げたような在日米軍基地、日米同盟の死活的重要性を考えたときに、アメリカは日米同盟を破棄、あるいは日本アメリカに何らかの軍事行動を行わなかったからといって、条約に定めてある日本の防衛義務ということをアメリカが果たさない、そのようなことがアメリカ側において政治的な選択肢、あるいは軍事戦略的な選択肢として可能だとお考えでしょうか。
  81. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 日米両国は、安保条約第五条に基づき、我が国の施政の下にある領域における日米いずれか一方に対する武力攻撃が発生した場合に、自国の憲法の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することとなっております。この共同対処行動につきましては、二〇一五年の日米防衛協力のための指針にも明記されているとおり、日米安全保障、防衛協力の中核的要素でございます。  アメリカは、本年四月の安倍総理訪米の際の首脳会談や昨年八月の日米2プラス2閣僚会合を含む累次の機会に、日米安全保障条約の下での米国のコミットメントを確認してきております。また、数多くの総理トランプ大統領との電話会談でも日本の防衛に対する米国のコミットメントが揺るぎないものであることは何度も確認してきており、政府としては、米国が日米安全保障条約上の義務を果たすことに全幅の信頼を置いております。
  82. 小西洋之

    ○小西洋之君 やっぱり答えていただけないと思うんですが。  在日米軍基地、思いやり予算もあげておりますし、また、横須賀の海軍基地は空母を修理することができるんですね。アメリカ海軍が海外に持っている唯一の空母の母港の基地であり、空母の修理も行うことができる。ほかの在日米軍基地にも高い技術力を日本というものは提供しております。  また、小野寺大臣に伺いますが、いざ戦争が起きたときに、在日米軍基地を守る主担当は、日米ガイドライン上、誰になっていますでしょうか。
  83. 小野寺五典

    国務大臣(小野寺五典君) 当然、アメリカも自分たちの基地を守るアセットは持っておりますが、日本の自衛隊もその任務に当たるということになると思います。
  84. 小西洋之

    ○小西洋之君 やや曖昧でしたけれども、自衛隊なんですね。在日米軍基地のアメリカ軍とそこの家族を守る、その主担当は自衛隊なわけです。自衛隊がアメリカ軍をしっかりと守るという、そういう関係なわけでございます。これだけのことをしてあげている。自衛隊ほど精強な実力を持った組織というのは、私も世界になかなか例はないというふうに考えております。その自衛隊が、いざというときは、アメリカ軍、在日米軍基地は我が国の神聖なる領土ですから、国土ですから守るわけであります。  それだけのことをしてあげているのに、河野大臣、もう一度だけ伺いますけれども、この北朝鮮の核、ミサイルの問題の中で、アメリカ北朝鮮に対して空母派遣などをして示威的な軍事行動を行っている、これはもう現実の争いようがない事実だと思います。そうしたものに、日本が共同訓練などを行わなければ、そういう最大的な、最大圧力ということを日本がやらなければ日米同盟はもたない、日米の国益関係は保たれないと、そういうふうにお考えですか。
  85. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 自衛隊と米軍の共同訓練というのは、例えば、先ほど御指摘がありましたアメリカの空母との共同訓練は海上自衛隊の戦術技量の向上あるいはアメリカ海軍との連携の強化というものを目的として実施をするものでありまして、日米同盟の抑止力、対処力を強化する、ひいては地域の安定化につながる、そうした我が国の意思、能力を示しているものでありまして、これは非常に重要な意義のあることだと考えております。
  86. 小西洋之

    ○小西洋之君 まるで全くお答えになりませんが。  トランプ政権が誕生して、かつ北朝鮮の核、ミサイルの脅威というのが、私もこれは許されない暴挙だというふうに、国際批判も、北朝鮮のことは暴挙だと考えておりますけれども、今申し上げましたような、日本アメリカとの軍事的な行動を行い北朝鮮に軍事的な圧力を掛ける、そんなことをせずに、北朝鮮国際社会の連携の下の経済圧力を中心とした取組を行う、一方で、韓国中国あるいはロシア、当然アメリカとも連携しながら、そして日本独自の外交力をもって北朝鮮とも必要な、また適切な関係を、交渉等を行っていく。  そういうことを行っていれば、今日この日に、河野大臣に伺いますけれども、米朝首脳会談をシンガポールではなくて、金委員長は自国の飛行機ではなくて中国の飛行機に乗っていきましたけれども、日本海をまたいですぐ近くの日本で、自国の飛行機に乗って、今日のこの日に米朝首脳会談日本で開き、で、そのことをもってホスト国として拉致問題を抜本的に解決をする、そういう外交戦略というのが描けたし、私は実行可能だったと思うんですが、なぜ米朝首脳会談日本で今日開けなかったんでしょうか。そういう外交戦略は不可能だったとお考えでしょうか。
  87. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 開催地のシンガポールは、これは米朝間で調整をした結果、シンガポールということになったものでございます。  開催地を選択する際に我が国考え方というのはアメリカ側に伝えておりますが、やり取りの具体的な内容については差し控えますが、これは米朝間で最終的に調整をし、シンガポールに決まったものでございます。
  88. 小西洋之

    ○小西洋之君 このテーマはもうこれで終わりますが、河野大臣、常にこの委員会に対して、本会議場も含めて、非常に挑発的な御発言をされておるので、こういう本質的な議論については政治生命を懸けて堂々と御議論いただきたいんですね、全く何もお答えになっておりませんけど。  今私が申し上げたのは、決して一国会議員の考え方ではなくて、安倍政権以前の歴代政府の、自民党の、日米関係の国益の基本的な認識だと思います。トランプ政権が誕生し、また、中国の軍事力増強等々も含めて国際環境は大きく変わっております。なお、しかしなお、この日米同盟の本質というものは、なお私は十分現実の外交戦略の下で生かしていける、本質というのはなおまだ変わってはいない、少なくとも今、現時点においては変わっていないし、向こう見通しのできる一定の間においても、この国益関係というものを見据えて外交ができる、戦略的な平和創造外交ができるのではないかという問題意識でございます。  では、TPPの問題を伺いますけれども、内閣官房の政府委員に伺いますが、TPPの抜本対策、農業への打撃等の懸念に対して、政府は総合的なTPP等関連政策大綱というものを定めていると、もう万全の対策をやっているというふうに関係大臣が繰り返し答弁しておりますが、現に、これは私、内閣官房の官僚の皆さんと一緒に詰めさせていただいたんですが、農業に対する打撃、被害の数値評価は全くありませんし、あるいは、中小企業の海外進出等々の振興政策については、既存の政策の貼り合わせ、いわゆるホチキスあるいはコピペ、貼付けであります。  そして、全体を通して個別の施策を実現するためのPDCAサイクルは全く措置されておりません。これ、民主党政権に成長戦略に初めてPDCAサイクルを入れたんですけれども、そうした試みから見ても極めて中身の乏しい、かつ実効性の乏しいものに私は見えますけれども、これで本当に守るべきものを守り、そして攻めるべきものを攻めるということができるんでしょうか。
  89. 澁谷和久

    政府参考人澁谷和久君) お答え申し上げます。  御指摘いただいた総合的なTPP等関連政策大綱でございますが、新輸出大国コンソーシアムなど中小企業の海外展開への支援、あるいは農林水産業の体質強化策など、必要な施策を盛り込んでいるところでございますが、これらの多くは、TPP12の大筋合意の後開催をいたしました説明会等の場で、中小企業あるいは農業関係者の方々から御要望があったことを踏まえて取りまとめたものでございます。  新輸出大国コンソーシアムでは、既に七千社を超える中堅・中小企業へも支援を行っているところでございます。また、農林水産業の体質強化策につきましても、過去三回の補正予算を通じまして大綱に盛り込んだ施策の具体化、実現を図ってきているところでございます。  PDCAへの御指摘いただきましたが、大綱に盛り込んだ施策のフォローアップを平成二十九年一月に行い、同年十一月にも改めてフォローアップを行い、その成果を踏まえて大綱の改定を行ったところでございます。  引き続き、大綱に盛り込んだ施策について適時必要なフォローアップなどを行っていきたいと考えております。
  90. 小西洋之

    ○小西洋之君 今、PDCAでフォローアップを行ったとおっしゃっていますけど、別にそこで個別の政策の実施状況を数値評価をもって評価しているわけではないんですね。なので、アベノミクス含めて、安倍政権の実は成長戦略、経済政策、産業政策というものが実は張り子の虎であるという、これ実は物すごく重大な我が国の課題なわけでございますけれども、この問題について引き続きしっかりと追及をさせていただきたいと思います。  最後、残った時間で日報問題について防衛大臣に伺いたいと思いますが、この大野政務官の調査チームの報告書でありますけれども、稲田大臣に調査を行っていないということであります。  ただ、元々稲田大臣が行ったと防衛省が認定しているイラク日報の再探索指示は、そもそもは国会議員の国会での追及、要求を踏まえたものでございます。それを踏まえて稲田大臣は再探索指示を行ったというふうにしているわけでございますけれども、探せと指示をしたのに、その結果を稲田大臣自らは確認をしておりません。国会に当然その結果を稲田大臣は報告する、議院内閣制の下の責務があるわけでございますけれども、確認をしておりません。  つまり、稲田大臣の指示はしたんだけれどもほったらかしという事実関係というものは、国会のシビリアンコントロールを否定する、欺くような行為だと思うんですけれども、そうした稲田大臣の、指示はしたんだけれども確認をしなかった、報告を求めなかったという行為が国会へのシビリアンコントロールの責任に欠けるのではないかという点、また、よって、稲田大臣に調査を行っていないこの報告書は報告書の名に値しない調査報告ではないか、その二点について、大臣答弁をお願いいたします。
  91. 小野寺五典

    国務大臣(小野寺五典君) 当時の統幕統括官や統幕参事官付きの職員は、当時の稲田防衛大臣発言を受けたイラク日報の再探索を防衛大臣の指示への対応として適切に行ったとは言い難いと考えております。  このように、当時の統合幕僚監部の職員が再探索結果を稲田防衛大臣に報告しなかったことは、大臣の指示に意図的に反する行為とは認められませんでしたが、文民である防衛大臣が自衛隊を管理運営し統制するということをその重要な要素とするシビリアンコントロールにも関わりかねない重大な問題の一因と考えており、深刻に受け止めております。  当時の稲田防衛大臣国会への日報の再探索結果について報告を行わなかったことについては、当時の統合幕僚監部の職員から大臣への報告が適切に行われなかったことによるものと考えております。当時の統合幕僚監部の職員が探索結果を稲田防衛大臣に報告しなかったことは、稲田防衛大臣が当時国会議員の御質問等に適切に対応するために再探索を指示していたことも踏まえると、シビリアンコントロールにも関わりかねない重大な問題の一因と考えており、深刻に受け止めております。  一方、昨年二月二十二日に、当時の稲田防衛大臣から当時の統幕の辰己統括官に対し、イラクの日報は本当にないのかとの表現で再度探索するよう指示があったと把握しており、したがって、調査チームとしては稲田元防衛大臣本人への聞き取りは行っておりませんでした。稲田元防衛大臣への聞き取りを行わなかったことがシビリアンコントロールの否定との御指摘は当たらないと考えております。
  92. 小西洋之

    ○小西洋之君 全く答弁なっておりませんが……
  93. 三宅伸吾

    委員長三宅伸吾君) 時間が参っておりますので、質疑をおまとめください。
  94. 小西洋之

    ○小西洋之君 私は、大臣が自ら指示をしたのにもかかわらず……
  95. 三宅伸吾

    委員長三宅伸吾君) 時間が参っておりますので、質疑をおまとめください。
  96. 小西洋之

    ○小西洋之君 なぜ報告を求めなかったことなどについて伺いましたけれども、答えていないことを御指摘して、終わらせていただきます。
  97. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  歴史的な米朝首脳会談が開催中であります。朝鮮半島非核化と北東アジアの平和体制の構築へ情勢を大きく変える動きでありまして、このチャンスを生かす、そういう日本外交が求められていると思います。今後十分な時間を取った質疑が行われるように求めておきたいと思います。  まず、京都府の京丹後市の米軍経ケ岬通信所をめぐって質問いたします。  二〇一四年に建設をされ、全国で二か所目のXバンドレーダーが設置をされた米軍基地、当委員会としても、二〇一六年に委員派遣で視察をいたしました。静かで自然豊かな農村、基地建設に際して様々な不安が出されておりましたけれども、今それが次々と現実のものになっております。防衛省が住民や自治体に約束していたことが守られていない事態が相次いでおります。  この基地周辺上空は、レーダーから発生する電波による航空機の計器等への影響を防止するために、航空法に基づく飛行制限区域が設定をされております。全国で三か所しかこういう区域はありません。  五月十五日に、ドクターヘリによる救急搬送のために宮津与謝消防本部が米軍に対して電波停止を要請したが、停波が行われませんでした。そのために、ドクターヘリが着陸場の変更を余儀なくされ、搬送が十七分間遅れたという重大な事件が起きました。まさに人命に関わる問題であります。京都府知事も、六月一日に小野寺防衛大臣宛てに文書で厳重に抗議するという申出も出されております。  この間、防衛省は意思疎通が円滑に行われなかったと答弁をされておりますが、報道や我が党府議団の宮津与謝消防本部からの聞き取りでは、八時五十二分に停波要請し、一度は停波に応じたのでヘリが出発したけれども、九時四分に米軍が停波できないという連絡をしてきたと、その結果、着陸場所を変えざるを得なかったということであります。  この報告は、京都府から防衛省にも伝えられている内容であります。そうしますと、レーダーが照射されている状態でドクターヘリが経ケ岬に向かったことになると、極めて危険な事態なわけですね。  米軍が一旦応じた後でできないと連絡をしてきたということになると、意思疎通が円滑に行われなかったという程度の問題では私はないと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
  98. 小野寺五典

    国務大臣(小野寺五典君) 御指摘の京丹後の米軍レーダーにつきましては、今まで消防本部等からの要請に基づいて停波を行っておりました。  ただ、今御指摘がありましたように、本年五月十五日午前九時頃、宮津与謝消防組合消防本部から米軍経ケ岬通信所に対し、ドクターヘリによる救急搬送のためレーダーの停波を要請しましたが、消防本部と米軍との間の意思疎通が円滑に行われず、停波できませんでした。その結果、ドクターヘリの到着に停波要請が間に合わず、当初予定していた場外離着陸場を変更し、近隣の航空自衛隊基地に着陸することになったため、ドクターヘリと傷病者との接触が遅延したということであります。  今回の事案については、近畿中部防衛局は、関係者から聴取した内容を基に六月一日に事案の概要を公表したところですが、今後、米軍と関係機関との会議を開催し、停波要請手続の迅速かつ確実な実施がなされるよう、再発防止の徹底を図ってまいりたいと思っております。
  99. 井上哲士

    ○井上哲士君 ほかでの答弁では、マニュアルに基づいて要請したし、それから、この間訓練も行ってきたというふうに言われております。そうしますと、これはやっぱり意思疎通の問題ではなくて、米軍が停波できないというような事情があったんではないかと思われるわけですね。  京都府が、二〇一四年に防衛省、ドクターヘリ関係機関と合意をして文書も出ているわけですが、これ、要請をした場合に米軍が停波をできないということもあるというのが合意内容なんでしょうか。
  100. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  過去、この停波の枠組みが決まりましてから今回までの間に、確かに今回の例も含めまして意思疎通等の事情によって停波が遅れたという事案はございますけれども、それ以外の場合におきましては、停波要請に対して停波は行われておりますので、委員が御指摘ありましたけれども、私どもは、米側は基本的に停波の手続を要請があった場合には行うという認識でおります。
  101. 井上哲士

    ○井上哲士君 確認しますけれども、停波要請があったら必ず応えると、断ることはないというのが合意内容ですね。
  102. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) 今お答え申し上げましたとおりで、現在までのところ、私が御答弁しましたとおり、意思疎通の問題以外で米側が停波に応じられないという回答をした例はないと承知しております。
  103. 井上哲士

    ○井上哲士君 例がないじゃなくて、そういうふうにマニュアルがなっているんですねということを聞いているんですが、いかがでしょうか。
  104. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) 具体的な停波要請に係るマニュアルの内容については、これは救急搬送の実施に関わるものですので、かつ、いろいろないきさつも踏まえまして、できるだけ簡略にできるようにしておるところでございますので、この内容の一々を公表すると救急搬送等に影響が出る可能性考えられますので、公表は差し控えさせていただきたいと思っております。  ただ、今申し上げましたとおりで、少なくとも米側から意思疎通以外の問題で停波ができないということはなかったと、これはもう一度申し上げておきたいと思います。
  105. 井上哲士

    ○井上哲士君 合意文書は、緊急時のヘリ運航に支障がないよう、米軍は停波要請があれば速やかにレーダーを停波する、これしかないんですね。ですから、断るということは本来あり得ないと思うんですが、しかし現実にはこういうことが起こっているわけです。  本当にそういうふうになっているのか、今出せないと言われましたけれども、是非マニュアルを提出をしていただきたいと思います。これ、理事会で是非協議をいただきたいと思います。
  106. 三宅伸吾

    委員長三宅伸吾君) 後刻理事会にて協議させていただきます。
  107. 井上哲士

    ○井上哲士君 しかも、過去、地元消防などが停波を要請した事案が十三回あったけれども、一五年一月と三月には停波されないケースがあったということが今回初めて明らかにされました。なぜこれ京都府にも連絡せず隠していたんですか。
  108. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) 地元消防本部等と米軍経ケ岬通信所との停波要請手続について、平成二十六年以降十四回、実は今回のを入れますと十四回になるんですけれども、実施されておりますけれども、消防本部等と米側の意思疎通が円滑に行われず停波が遅れた事例が今回のものを除きまして過去に二例あったのは御指摘のとおりでございます。  当該二例につきましては、実は手続を定めて間もない平成二十七年に発生しておりましたことから、その原因を関係者で共有いたしまして、マニュアルの見直し等を実施いたしました。  さはさりながら、その後、順調に行われていたと認識しておりましたが、今回の事案はその見直しから約三年を経過し、日頃から停波要請手続が迅速かつ確実に行われるよう米軍と消防本部等の関係機関との間で定期的な訓練も実施してきた中で起こったことでございました。この結果、傷病者を始め関係者の皆様に大変御迷惑をしたことは遺憾と考えまして、今回の事案につきましては近畿中部防衛局が関係者から聴取した内容を基に六月一日に事案の概要を公表させていただいたところでございます。  今後とも米軍と関係機関の会議を開催するなど、停波要請手続の迅速かつ確実な実施がなされるように、再発防止策には徹底してまいりたいと考えておるところでございます。
  109. 井上哲士

    ○井上哲士君 今もマニュアルの見直しと言われましたけれども、だからこそ出していただきたいんですね。  先ほどは、停波要請があっても断ることがないんだなと聞いても、そう明確には答弁もなかったわけであります。それが明らかにされない、過去二回のケースも明らかにされない、そういうことに住民の不信が大きく広がっております。  この間、第二期工事が行われておりますけれども、敷地外で掘削をしたという事実も起こりました。さらに、この工事について防衛省は、工事は平日のみ、休日実施の場合は事前に連絡をすると約束しておりましたけれども、米軍が四月二十一日の土曜日に市や地元に連絡なく工事を行いました。これについて、京丹後市長が五月十五日に防衛省に抗議しました。住民の信頼を裏切るものと、こういう厳しい抗議でありますけど、驚くべきことに、この抗議の五日後の十九日の土曜日にまたもや米軍が工事を行ったわけですね。米軍側も約束守る気ないし、防衛省も守らせる気ないんじゃないかと、地元の住民からもう防衛省を通さずに米軍と直接やり取りすべきだと、こういう声も上がって、市長も五月二十八日の記者会見でこうした声について検討するという考えを示したという報道もされております。  防衛省に対する住民の信頼は私は地に落ちていると地元ではなっていると思いますけれども、防衛大臣、いかがお考えでしょうか。
  110. 小野寺五典

    国務大臣(小野寺五典君) 御指摘がありました米軍経ケ岬通信所においては、ドクターヘリの事案以外にも、今御指摘があった、先般、米軍が生活関連施設工事の実施に際して誤って米軍基地外の土地を掘削した事案や、土曜日は原則工事を実施しないとしていた中、事前説明もなく実施するといった事案が発生しているところであります。  前者の事例については、近畿中部防衛局から米軍に対し申入れを行うとともに、米軍の工事業者が京丹後市に対して謝罪の上、原状回復を実施いたしました。また、後者については、近畿中部防衛局から米軍に対し申入れを行うとともに、米軍からは、土日に工事を行う際には事前の連絡を徹底するとの回答を得ております。  防衛省としましては、米軍経ケ岬通信所の安定的な使用のために、地元の御理解と御協力を得ることは非常に重要であると認識しており、米軍のこうした事案に関しましては遺憾であると考えていることから、米軍に対して適切に対応するとともに、今後とも、地元の皆様に丁寧な説明に努めてまいります。
  111. 井上哲士

    ○井上哲士君 そういうことが繰り返されてきたんです。そして、全く守られていないという実態があるわけですね。  米軍は、沖縄でも合意を守らずに夜間訓練や住宅地等の上空の飛行も行っております。この間、イージス・アショアの建設について地元に説明に行かれておりますけれども、安全に対する住民の不安に何を説明しても、京丹後で現にこういうことが起きているということを知れば、全く私は信用されないだろうと思います。米軍と一体で地域の軍事的緊張を高めるような新たな計画はやめるべきでありますし、このXバンドレーダー基地も、住民の安全、安心が守られないという事態でありますから、撤去を強く求めたいと思います。  その上で、TPPの問題でありますが、前回の質疑で、米国TPP11の水準を出発点にして二国間協議で一層の譲歩を強く求めてくるのではないかということを申し上げました。これ、G7サミット前の日米首脳会談を見ますと、いよいよその懸念が強まっております。  政府は、会談の主要議題は北朝鮮問題としておりましたけれども、トランプ氏は冒頭から、貿易赤字についていい議論ができることを期待していると口火を切って、強い姿勢で臨んできました。会談後の共同会見でトランプ氏は、日米の貿易関係対話をしなければいけない問題だ、米国日本と二国間協定を持ち、対話をしていくつもりだ、米国からの輸出に対する貿易障壁の撤廃を求めるなど述べました。ところが、安倍総理は、この会見の冒頭では貿易問題に一言も触れなかったわけであります。そして、この会談の中では、米国による鉄鋼、アルミニウム製品の輸入制限や検討中の自動車の関税引上げについては議題にしなかったと報道されております。なぜ議題にしなかったのか、なぜこういう制限などについて日本は撤回を求めなかったんでしょうか。大臣、いかがでしょうか。
  112. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 今回の日米首脳会談は、議題が北朝鮮に集中したために、おっしゃるような輸入制限の撤回についてのやり取りはありませんでしたが、貿易に関する議論の一環で、日本の自動車メーカーを始めとする産業が米国内で雇用などを通じて米国経済に多大な貢献をしている、そうした説明は行いました。また、日本からの鉄鋼、アルミの輸入が米国安全保障に悪影響を及ぼすことはなく、むしろ高品質の日本の製品がアメリカの産業や雇用に多大に貢献をしているということを申し上げました。  我が国としては、引き続き、アメリカに適切な機会にこうした説明をするとともに、鉄鋼及びアルミニウムに関する輸入制限措置の除外を獲得すべく、引き続き、アメリカと粘り強く交渉してまいりたいと思います。
  113. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本のそういう対応に、報道も、日本守勢、通商、守る日本議論回避などなど書かれました。  トランプ氏の方は違ったわけですね。この共同会見でも、安倍総理は、つい先ほどのことだが、日本は軍用機、ボーイングの旅客機や多くの農産物など莫大な金額に上るあらゆる種類の追加的な製品を購入していることを話していた、我々は日本ともっと多くのビジネスをするつもりであり、これはみんなが期待していることだと述べて、日本に対して米製品の一層の購入を強く迫る発言だったわけですね。  このトランプ氏の会見で言っているこの追加的な製品、この追加的、アディショナルというのは一体何を指しているんでしょうか。
  114. 山野内勘二

    政府参考人山野内勘二君) 共同記者会見におけるトランプ大統領の御指摘の発言というのは承知しているところでございます。  日米首脳会談におきましては、特に経済、貿易についての議論ということでございますけれども、安倍総理からトランプ大統領に対して、対日貿易赤字額以上に米国にある日系企業が輸出を行っているということ、あるいは、日本企業による米国への投資を通じた米国の雇用への貢献、さらには防衛装備品や日本企業による米国産エネルギーの購入額の増大、こういったことを説明したところでございます。  共同記者会見における御指摘のトランプ大統領発言は、こうしたやり取りを踏まえてなされたものというふうに理解しております。
  115. 井上哲士

    ○井上哲士君 ですから、日本は現状をそうやって述べただけでありまして、アメリカは一方的に米国製品の購入の要望をする、鉄鋼、アルミニウム製品の輸入制限や自動車の関税引上げについて正面から撤回も求めなかったというのがこの日米首脳会談なわけですね。  そして、その下で、この七月に最初のFFRを行うということが設定をされたわけでありまして、私、前回指摘をいたしましたけれども、この場が、一層の日本に譲歩を求めてくる、そういう場になる、FTAを迫られるという場になる懸念が一層強まったということを申し上げておきたいと思います。  もう一点、ISDSについてお聞きします。  グローバル企業が引き起こす健康・環境被害などを各国が規制しようとしても、企業が国を訴えて逆に損害賠償を命じられるなど、ISDSがもたらす主権侵害に各国の懸念が広がっております。その下で、TPP11では、ISDSの条項は一部凍結となりました。  これについて、この間、政府は、一部の項目が凍結されたが、海外に進出する日本企業にとって非常に有意義な内容になっていると答弁をされておりますが、では、日本は、各国が懸念しているような多国籍企業による日本の主権侵害というおそれはないと、こういう認識なんでしょうか。
  116. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) TPPの投資章の規定は、公共の福祉に係る正当な目的のために、必要かつ合理的な規制措置を差別的でない態様で講ずることを妨げるものではありません。  また、日本は、TPPを含む投資関連協定締結に当たっては、必要な例外規定を置くことなどにより、国内法との整合性をしっかり確保してまいりました。さらに、ISDS手続では、仲裁廷が裁定で命じることができるのは損害賠償又は原状回復のみで、国内法の改正を求めることはできません。  以上を踏まえ、政府として、ISDS条項が国の主権を侵害するものとは考えておりません。
  117. 井上哲士

    ○井上哲士君 考えていらっしゃらないということでありますが、こういう態度というのは、今、国際的にも極めて異例になっているんですね。  日欧のEPAが妥結をいたしましたけれども、投資紛争の解決制度を除いたものになっております。マルムストローム欧州委員は、昨年六月の記者会見で、ISDSは古い、我々の見方からすると死んでいるとまで言われました。  EU側はこのISDSの何をこの協議の中で問題にしているんでしょうか。
  118. 山野内勘二

    政府参考人山野内勘二君) 日本とEUのEPAにつきましては交渉を基本的に妥結しているところでございますけれども、常々申し上げているところでございますけれども、外交交渉の経緯を開示するということは、類似の交渉における我が国の手のうちをさらしてしまうことになる、あるいは相手国との信頼関係を損なうことがあると、こういう理由から、おのずと制約があるということについては是非御理解願いたいと思いますが、それを申し上げた上で、ISDSに関するEU側の基本的な考え方ということがEU側の公表資料において述べられておりますけれども、EU側は、ISDSについて、仲裁人の独立性あるいは判断の一貫性に懸念があるというふうにしているというふうに承知しております。
  119. 井上哲士

    ○井上哲士君 今おっしゃいましたように、この紛争ごとに仲裁廷が構成されるので、判断の一貫性や整合性の確保が困難だと。そして、不適切な判断に対して上訴も認められない。それから、申立ては投資家のみが可能で、投資家も仲裁人を選定する権利があるから、仲裁判断が投資家に有利となるバイアスは排除できないと、こういう懸念が様々述べられております。  これに対してEUは、常設投資裁判所というのを提案をしていると思うんですが、二審制にして、かつ紛争当事者が裁判官を選任する権限を持たないと、両国と第三国から裁判官を出し、一定の資格を持った人にすると、こういうふうにしております。  既にEUとカナダの協定にはこういう内容が盛り込まれたと承知をしておりますけれども、日本はこういう提案についてはどのように評価して、対応をされているんでしょうか。
  120. 山野内勘二

    政府参考人山野内勘二君) ISDSにつきましては、公共の福祉に係る正当な目的のために必要かつ合理的な規制措置を差別的でない態様で講ずることは妨げるものではないということでございますので、国内法と整合性がしっかり確保できるという点がございます。  あるいは、海外に投資をしている日本の企業については、ビジネスをしっかり全うする上での有力なツールになっていると、こういうことがございまして、ISDSというものにつきましては、投資家の保護と国家の規制権限との適切なバランスを取るという形で努力しながら取り組んでいるところでございまして、日本としては、ISDSの懸念についても耳を傾けつつ、ISDSに関する議論にも建設的に貢献していく考えでございますが、これまで日本が結んでおります二国間のFTAあるいはマルチのFTAにつきましては、ほとんど全てにおいてISDSが含まれているということは御指摘申し上げたいと思います。
  121. 井上哲士

    ○井上哲士君 今や、アメリカも全く大きな変化をしているんですね。あのアメリカの大統領選挙で、候補全員がTPP反対に回ったと。その背景に国内世論があったわけですが、その一つの柱がISDSの問題であります。連邦裁判所でなく国際法廷が裁くのは国家主権の侵害だという声が大きくなっておりまして、衆議院の参考人質疑でもそういうことが述べられました。  こういう中で、アメリカ政府は選択制を提案をして、NAFTAとの再交渉で選択制を提案をいたしました。これは、訴訟が起きたときに国際法廷に委ねるISDSを使うか、国内法廷で裁くかは各国が選択をするというもので、アメリカは国内法廷で裁くと、つまりISDSは使わないと、こういう提案をしたということなんですね。  アメリカ議会でも議論になっていますが、ジェトロのビジネス通信三月二十六日付けによりますと、三月のアメリカの両院議会の公聴会で、ライトハイザーUSTR代表はこう述べております。ISDSは、アメリカの裁判所でアメリカ人が持つ以上の権利を外国企業に与えるもので、国家主権上の問題があると。また、米国から拠点を移したい企業に対して、その投資に係るリスクを保証することは米国政府の役割ではないと、こういうふうに述べて、NAFTAにおいてこのISDSを使わない、こういう提案をしたことを言っているわけですね。  ですから、ずうっと一緒が、アメリカ一緒になって日本が主張してきたわけでありますが、はしごを外されたような状況になっているんですよ。こういう下でTPP11にISDSを残す意味があったのか、削除をすべきかと思いますけれども、こういうアメリカの対応についてどのようにお考えでしょうか。
  122. 山野内勘二

    政府参考人山野内勘二君) お答え申し上げます。  NAFTAの交渉というものは、米国、カナダ、メキシコという第三国の間で行われている交渉でございます。それぞれのお国の立場で厳しい交渉が行われていると承知しておりますけれども、そういった第三国間の交渉におけるそれぞれの国の立場について政府としてコメントすることは差し控えさせていただきたいというふうに思いますが、TPP11協定を含みます投資関連協定のISDS条項は、投資受入れ国の司法手続に加えて、中立的な国際投資仲裁に紛争を付託できる選択肢を投資家に対して与えるということでございますので、投資受入れ国において日本企業がビジネスを行う上での予見可能性や法的安定性を高めるものでございます。海外投資を行う日本企業を保護する上で有効であるというふうに考えているところでございます。  我が国といたしましては、こうしたISDSの意義を踏まえて、TPP11協定に引き続きISDS条項が盛り込まれているということは国益に沿うものというふうに考えているところでございます。
  123. 三宅伸吾

    委員長三宅伸吾君) 申合せの時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
  124. 井上哲士

    ○井上哲士君 今も投資企業のことしか言われませんでしたけれども、EUにおいてもアメリカにおいても、国家主権ということでこれを見直す、死んだものだという議論が行われているんです。  いつまでも日本がこれに固執をすることはやめるべきだということを申し上げて、質問を終わります。
  125. 浅田均

    ○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。  私どもは、TPP11に関しましては、自由貿易圏を大きくしていくとそれが消費者の利益につながるということでどんどん拡大すべきという立場でございますので、TPP11に関しましては賛成であるということをまず申し上げておきます。  それと、そのTPP11にも関わることなんですが、先般開かれました日米首脳会談について、貿易、経済についてアメリカの大統領からいろいろ言及がありました。アメリカは貿易不均衡の解消に取り組みたいと。とりわけ、トランプ大統領は貿易不均衡の解消に取り組みたいという発言をされております。  トランプ大統領におかれましては、自分は大規模減税をやった、それで景気も経済も状態が良くなってきている、にもかかわらず日本の対米貿易黒字が増えているではないかということを一番問題にされていると思うんですが、アメリカはその貿易不均衡のどういう点を問題にしているのか、ちょっと教えていただけませんでしょうか。
  126. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 日本側からは、従来から首脳会談あるいは日米経済対話などの機会に、米国の物品貿易の赤字は、アメリカの物品貿易赤字全体の中で対日貿易の赤字が占める割合は、一九九一年に五八・四%と非常に大きかったわけでございますが、今日では八・六%にすぎず、むしろ中国に対する貿易赤字というのが代わって巨大になっております。  一方、日本企業は非常に活発に今対米直接投資を行っておりまして、全米で八十六万人の直接雇用が生まれております。その結果、過去十年間、対日貿易赤字額以上に日本から米国に投資マネーが還流していること。日米間のアメリカ側の対日貿易赤字は六百八十九億ドルでございますが、日本企業、つまり米国内の日本企業は米国から輸出をしているわけで、その金額は七百五十七億ドルでございますので、日本米国内の日本企業を足すとアメリカは貿易黒字になっているわけでございます。  今御指摘いただきました米国の税制改正以降に日本企業が発表したアメリカにおける日本企業の雇用拡大が既に一万八千人になっている、あるいは、これから日本企業の米国産のエネルギーの購入額が増えているということを累次説明をしてきているわけでございまして、米国がこういう中で貿易不均衡のどの点を問題としているのかというのはなかなか政府としてお答えをするのが困難というのが正直なところでございますが。  いずれにいたしましても、この七月から自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議というものをスタートさせますので、その中でアメリカの主張を聞きながら、日米両国からの投資、貿易を拡大をさせていく、そういうことに取り組んでまいりたいと思っているところでございます。
  127. 浅田均

    ○浅田均君 今大臣お答えいただいたことでアメリカがどうして理解できないのかというのは、こっちもよく分からないんですけれども。  それから、単に物品だけでいいますと、日本アメリカに進出している日本の企業から輸入しているわけですから、大臣今おっしゃったようなことになるわけであって、物品だけでなしにサービス貿易も加えるともっとそれが大きくなるので、アメリカが何でそういうことを理解しないのかというのはこっちもよく分からないんですけれども、それで、あえてまだ貿易不均衡あるいは貿易の障壁があると、自動車貿易の非関税障壁などに不満を持っているというふうに報じられております。  アメリカが主張している、ここで主張しております貿易障壁というのは何であるというふうに捉えられているんでしょうか。
  128. 山野内勘二

    政府参考人山野内勘二君) お答え申し上げます。  米国が主張している貿易障壁、これが何を意味するのかということについて日本政府としてお答えする立場にはございませんけれども、その上で申し上げれば、米国政府から議会に対して毎年提出されている外国貿易障壁報告書というものがございます。そこの前文でその貿易障壁について言及している箇所がございまして、それは、貿易障壁は定義しづらいものではあるが、おおむね政府の法令、政策又は慣行であって、一、国内の物及びサービスを外国との競争から守り、二、国内の特定の物やサービスの輸出を人為的に促進し、又は、三、知的財産権に対する妥当かつ効果的な保護を提供しない、そういうものであるというふうに述べられていると承知しております。
  129. 浅田均

    ○浅田均君 今、行政府から議会に、例えば貿易障壁というのはこういうものであると、競争から守るとか何点かおっしゃいましたけれども、そういうことであるならば、全くそれはないわけですから否定できる話だと思いますし、例えばWTOで、物とサービスの貿易についてでありますが、このゲームのルールを決めてやっているわけですから、アメリカから日本に貿易障壁が、特殊な、日本にだけ特有の貿易障壁があると指摘されても、それは反論できる範囲だと私は思うんですね。  取り上げられております日本からの自動車あるいは自動車部品に関してアッパーで二五%の関税を賦課すると、こういう動きについて、これが、アメリカのそういう行為がこれWTOルールに違反するとアメリカ当局が判断する場合、アメリカ当局がそういう判断をすることも考えられると思うんですけれども、そういうことも含めて、具体的な措置が決定されるか否かについてどういう見通しを日本政府としてはお持ちでしょうか。
  130. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 御指摘いただきましたように、アメリカの商務省が自動車及び自動車部品の輸入に関して通商拡大法第二百三十二条に基づいて調査を開始したところでございます。  アメリカ向けの自動車部品はアメリカで製造される自動車に組み込まれるものでございますから、これに関税を二五%掛ければ当然アメリカで製造される自動車の製造コストも跳ね上がってくるということで、やや理解に苦しむところではございますが、調査はスタートしておりますが、これが具体的に何らかの措置につながるかどうかということを含め、現時点で予断を持ってコメントできる段階にないというのが正直なところでございますので、いずれにいたしましても、アメリカに対しては、貿易上の措置はWTO協定と整合的であるべきだというのが日本を始めヨーロッパその他の国の主張でございますので、EUを始め様々な国とともにWTOに整合的な措置でなければならぬということは申入れをしているところでございまして、今後、最大で二百七十日ですか、多分調査期間を取ることができるんではないかと思いますが、どのようになっていくかというのは今の時点でちょっと予断を持ってお答えをすることができないというのが現実でございます。
  131. 浅田均

    ○浅田均君 そうしたら、お答えにくいというのは分かるんですけれども、アメリカの商務省がそういう大統領決定を支持したとすると、これはWTOルールに整合的でないということで、WTOに関して提訴か何かされるおつもりでしょうか。
  132. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 日本としては、WTOの枠組みの中で必要な場合には対処しなければならぬというふうに考えておりますので、今の時点で措置も決まっておりませんからお答えするのはあれでございますが、WTOの枠組みでしっかり対応してまいりたいと。
  133. 浅田均

    ○浅田均君 ありがとうございます。  それで、先ほども質問の中にあったんですが、茂木大臣とライトハイザー通商代表で貿易協議を七月に開催予定とありますけれども、ここで何がこの協議対象になるんでしょうか。そのルールに関してでしょうか、具体的な対日貿易赤字に関してでしょうか。具体的なことでしょうか、あるいはルールに関してのことでしょうか、あるいは両方でしょうか。
  134. 山野内勘二

    政府参考人山野内勘二君) お答え申し上げます。  今御質問のございました茂木大臣とライトハイザーの間で行われます自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議、FFR、これは、公正なルールに基づく自由で開かれたインド太平洋地域の経済発展を実現するため、日米双方の利益となるように日米間の貿易や投資を更に拡大させていくという目的で行われるものでございます。  七月の開催に向けての調整ということでございますけれども、議題も含めまして具体的な事項は米側と調整してまいることになります。
  135. 浅田均

    ○浅田均君 具体的に調整されているということでありますが、これ、二国間FTAに何とか持っていかれないように、あるいはTPP12に戻す努力一つとしてFFRというのを多分考えられたんだと思うんですが、フリー・フェア・レシプロカルですよね、FFR、これ、自由貿易協定の原理原則というのはこのフリー・フェア・レシプロカルだと思うんですが、あえてここでFFRとまたおっしゃっているというのは、僕にとってはちょっと理解が難しいんですが、FTAに行かせまいとしてこういう枠組みをつくるんだとしたら、ここにどういう意味を持たせているんでしょうか。
  136. 山野内勘二

    政府参考人山野内勘二君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、米側は二国間ディールに関心を有しているというふうに承知しているところでございます。  我が国としては、これまで累次にわたって述べておりますとおり、日米両国にとってTPPが最善であるというふうに考えるところでございまして、そういった立場を踏まえましてこの協議に臨んでまいる次第でございます。  なお、この協議は、日米のFTA交渉と位置付けるものでもございませんし、その予備協議でもないということは累次にわたって述べているとおりでございます。
  137. 浅田均

    ○浅田均君 お尋ねしたかったのは、当然そのFFR原則というのはFTAの中に含まれてしまうと僕は思うんですけれども、あえてこのFFRというふうな、協議のタイトルをFFRとされたのは、FTAとは違うと。あえてFFRとおっしゃっているわけですから、FTAに持っていかせまいとして何かこういうのを言っておられるんだとしたら、ここに何が入っている、何がどういうふうに違うんだということを御説明いただかないと、FTAと全く同じように受け止められてしまうと思うんですが。
  138. 山野内勘二

    政府参考人山野内勘二君) お答え申し上げます。  FTAは、フリー・トレード・アグリーメントの略でございまして、まさに自由貿易協定のことでございます。一方、FFRは、自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議の略称でございます。トークス・フォー・フリー・フェア・アンド・レシプロカル・トレード・ディールズの略で、長いものでございますので略称しているところでございまして、このFFR自体は協議をする場ということでございます。  じゃ、しからばその協議でどういうことを対象としようとしているのかと日本側が考えているかと申し上げれば、まさに自由で公正なルールに基づく自由で開かれたインド太平洋地域の経済発展を実現するために、日米双方の利益となるように日米間の貿易や投資を更に拡大させていくという目的で行われる米国との協議ということでございまして、FTAは協定、FFRはそういう協議の場というふうに御理解いただければというふうに思います。
  139. 浅田均

    ○浅田均君 今の御説明だと、FFRについてそういう御説明をされると、それだったら、FTAに至る道であると、FTAと同じやんかって言われませんか。
  140. 山野内勘二

    政府参考人山野内勘二君) お答え申し上げます。  これは安倍総理自身答弁されているところでございますけれども、先般の日米首脳会談で、これは四月のフロリダでの日米首脳会談でございますけれども、トランプ大統領と自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議を開始することで合意したと。茂木大臣とライトハイザー通商代表との間で協議が行われ、その結果が麻生副総理及びペンス副大統領の下での日米経済対話に報告されることになりますと。その上で、先ほど私が申し上げましたような基本的な考え方を述べた上で、米側は二国間ディールに関心を有していると承知しています、我が国としてはTPPが日米両国にとって最善と考えており、その立場を踏まえ、協議に臨んでまいりますと。なお、この協議は日米FTA交渉と位置付けられるものではなく、その予備協議でもないことを明確にしておきますと、こういうふうに総理自身が表明されているところでございます。
  141. 浅田均

    ○浅田均君 何かFTAに行ってしまいませんか、今の御説明だと。TPP12に何とか引っ張り戻そうとしてこういう枠組みを設けたとしたら、これは何かむしろFTA、アメリカの言っているところに巻き込まれていくような気がします。  米朝会談について質問したいので、これは取りあえずここでやめておきます。  米朝会談についても御質問がいろいろありましたけれども、この米朝会談が成功し、これは安倍総理発言です、米朝会談が成功し、核、ミサイル、拉致問題が前進するよう米国と緊密に連携したいと安倍総理発言されております。  日本にとって核、ミサイル、拉致問題が前進するためには、米朝会談では少なくともどういう成果を得ることが必要だとお考えでしょうか、外務大臣
  142. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 今、米朝会談、行われているのか終わったのか、ちょっとよく分かりませんが、今回の米朝会談では、核を含む大量破壊兵器、そして全ての射程のミサイルCVID北朝鮮が具体的なコミットメントをするということが一つ大きな鍵になるのかなというふうに考えております。国際社会がこれまで一致して安保理に基づく経済制裁を履行してきたということが今日この会談につながってきているわけでございます。  拉致問題につきましては、これは日本北朝鮮が最終的には直接話し合って解決をしなければならないということでございます。恐らく、トランプ大統領から、今日も拉致問題、問題提起をしていただいているというふうに思っておりますが、既に事前の会合あるいは文在寅大統領から問題提起をいただいているところでございまして、日本としては、まず今日の米朝会談の結果を見極めながら、拉致問題についてもしっかり次に進めていけるような状況をつくり出してまいりたいというふうに思っているところでございます。
  143. 浅田均

    ○浅田均君 今の外務大臣の御発言CVIDに対する北朝鮮の具体的なコミットメントというところはまさにそうだと思いますし、日米首脳会談でも、先ほども申し上げましたけれども、全ての大量破壊兵器とあらゆる射程の弾道ミサイルの完全放棄を定めた国連安保理決議の履行の必要性、これが日米首脳会談でも確認されていると伝えられております。  ところが、CVIDのまた話になるんですが、カーネギー国際平和財団というのがあります。ここのマーク・ヒブスという専門家ですが、非核化というのは間違いなく何年もの時間を必要とするプロセスであると、北朝鮮の全ての原子力活動が平和利用に専念しているということの完全な検証には更に数十年掛かるかもしれないと発言されております。  この国連安保理決議が履行されている、これをどういうふうにして確認されるんでしょうか。
  144. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 非核化といったときに、恐らく様々な要素があって、核関連施設一つ一つを最終的に廃炉にするところまでというふうに考えれば、これはもう数十年の年月が掛かるわけでございますが、取りあえず核兵器を廃棄させ、関連の施設が最終的に全てが元へ戻るとはいかなくても、不可逆的に使用できないようにするということならばそんなに期間は掛からないわけです。  今、アメリカが中心となりまして、このCVIDをどのようなタイムスケジュールでやるかという一生懸命線を引いているところでございますので、これについては、核兵器については、もうこれはアメリカあるいはP5がやる話でございますが、関連施設につきましてはIAEAの査察などを通じて日本も直接、間接的に関わってくることもあろうかと思っております。  いずれにいたしましても、今日の会談北朝鮮のコミットメントを見極めた上で、どのようなタイムスケジュールで非核化CVIDに取り組んでいくかということを関係諸国で明らかにしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  145. 浅田均

    ○浅田均君 CVIDに関わる話なんですけれども、今引用させていただきましたカーネギー財団のヒブス氏によりますと、まず、第一段階として、北朝鮮国内の核兵器や核物質、重要な核関連施設を正確に把握するための完全で正確な目録の作成、それで二番目が目録が正確かの検証、さらには、北朝鮮非核化を実行しているかなどの必要な検証活動についても合意が必要になるということでございますが、他方、日米首脳会談安倍総理は、日朝平壌宣言に基づき国交を正常化し、経済協力を行う用意があるとも発言されております。  これは私の考え方が間違っているかもしれないのでその場合は御指摘いただきたいんですが、国交交渉というのは朝鮮戦争の終結が前提になると思うんです。したがって、順序としては、朝鮮戦争の終結、それからCVID、その後、日朝対話、拉致とか国交正常化、経済援助となると思われますが、話合いの始まり、これが最大の焦点になると思うんですが、圧力から対話への転換点は、先ほども具体的なコミットメントという御答弁外務大臣からいただいておりますけれども、北の具体的などういう行動が圧力から対話への転換点になるとお考えでしょうか。
  146. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) まず、正確な目録を作成し、それが正確かどうか検証する、あるいはその非核化の実行を更に検証する、これは相当大きな作業であるのはそのとおりでございまして、日本としては、査察に入るIAEAを財政面その他で支えていきたいというふうに考えているところでございます。  また、御指摘の順序の話でございますが、国交正常化を行う前提として朝鮮戦争の終結が必要だという御指摘は一概に当てはまらないのではないかというふうに考えております。我が国朝鮮戦争休戦協定の署名者ではございません。それから、これまでも累次、日朝国交正常化交渉というのはやってまいりましたので、順序的に朝鮮戦争の終結と国交正常化というのはどちらが先、後ということにはならないというふうに考えております。  安保理で様々関連の決議をいただいて、今経済制裁を履行しているところでございますが、北朝鮮が明確に核、ミサイルCVIDに向けて具体的な行動を取り、それがある程度完了したところでこの経済制裁が解かれていくというふうに認識をしているところでございますが、どういうタイミングでどうするというのは、これは交渉の手のうちにもなるところでございますので、いましばらく差し控えさせていただければと思います。
  147. 三宅伸吾

    委員長三宅伸吾君) 時間が参っております。
  148. 浅田均

    ○浅田均君 これで終わります。ありがとうございました。
  149. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば、ドン・ファンにもなれると。それにはちょっとお金がなきゃ駄目かもしれませんが。世の中が平和なのか、毎日、一億総探偵になってしまったのか、誰が犯人か、どうだとか、話としてはなかなか推測は面白いなと思いますが。  一方で、今、日朝関係の重要な会議がシンガポールで行われております。今ちょっと立ってトイレに行った途中に、何か会談は五分くらいで終わってしまったという話を聞きましたが。シンガポールは、今から五十数年前に興行で行ったときに、まあ本当に何というか暗い町で、試合が終わった後食事する場所がなくて、屋台がずっと並んでいる通りを全部貸し切って、選手たちをみんなそこで夕食を食べさせたという思い出があります。  そんな中で、今回のG7サミット、関税についてお聞きをいたしますが、アメリカが鉄鋼、アルミの輸入関税を課すと発表しましたが、それに対しEUは速やかに報復措置をとるとの表明、メキシコはあらゆる米国製品に関税を課すと発表し、カナダは鉄鋼やアルミニウムなど最大約一兆三千九百億円の米国製品に七月一日から関税を課すとしています。EUとカナダ、メキシコは制裁措置の規模についてアメリカの輸入関税と同程度としていますが、トランプ政権は自動車輸入への関税も検討しており、メキシコやカナダ、日本、ドイツなど多大な影響の出ることが懸念されています。  先週開催されたG7サミットで、ルールに基づく国際秩序の推進、関税障壁、非関税障壁の削減に向けて努力するという合意文書にトランプ大統領も一旦は署名しましたが、シンガポールに向かう途中で承認しないよう担当者に連絡をしたという報道が流れましたが、その経緯についてお聞かせください。
  150. 山野内勘二

    政府参考人山野内勘二君) お答え申し上げます。  今般発出されましたG7の首脳コミュニケでございますけれども、まず、貿易につきましては、G7サミット初日の八日、各メンバー間で非常に率直な議論が行われ、その八日の夜、首脳が集まり、首脳コミュニケについての協議を行いました。その間、シェルパと呼ばれる関係者がずっと夜を徹してその文章についての詰めの作業を行っておったところでございますが、九日の朝、再度首脳が集まり、そこでG7の首脳間の間で合意されたものというふうに承知しております。その後、サミットが終了した後、議長国カナダのトルドー首相が記者会見の場でこのG7の首脳コミュニケをG7の総意として発出したというものと理解しているところでございます。  御指摘のトランプ大統領メッセージでございますけれども、このトルドー・カナダ首相のサミット後の記者会見での発言、そうしたものに対する反応として出されたものというふうに承知しております。
  151. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 本当に、トランプさんが出てきてから混乱して、平和に向かっているのか、本当に、世界が逆に戦争や何かに、逆行しているような、その中で今回の北朝鮮問題が出てきて、米朝関係、そこでG7でサミット、北朝鮮ということで、八日のサミットの議論は、北朝鮮に対し、完全かつ検証可能、不可逆的な非核化を求めることで一致したということですが、議論の詳細についてお聞かせをください。
  152. 長岡寛介

    政府参考人(長岡寛介君) 御答弁いたします。  今般のG7サミットにおきまして、北朝鮮情勢については、安倍総理がリードをし、首脳間で突っ込んだ議論を行ったものでございます。  こうした議論の結果、G7として、北朝鮮による全ての大量破壊兵器、あらゆる射程の弾道ミサイル及び関連施設の完全、検証可能かつ不可逆的な廃棄の実現が必要であること、また、そのために北朝鮮に対し、関連安保理決議の完全な履行を求め、具体的な行動を引き出していくことなどで一致をし、米朝首脳会談の成功を後押ししていくことを確認をいたしました。さらに、何よりも重要な拉致問題につきましても、安倍総理から即時解決に向けて理解と協力を呼びかけ、賛同を得たという状況でございます。
  153. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 次に、中ロ首脳会談についてお聞きいたします。  米朝首脳会談を前に、八日、中国ロシア北朝鮮問題について会談したと報じられています。ロシア中国北朝鮮が主張する段階的な非核化を支持していますが、この会談内容について、分かる範囲内でお聞かせください。
  154. 相木俊宏

    政府参考人(相木俊宏君) お答えを申し上げます。  政府といたしまして、中国ロシアの動向についても注視をしているところでありますけれども、今回、中ロ首脳会談後に発表されました共同声明におきましては、中ロ両国は、朝鮮半島問題の平和的かつ全面的な解決について引き続き連携、努力すると述べられていると承知をしております。  なお、北朝鮮側の発表によりますれば、五月三十一日のラブロフ・ロシア外相の訪朝時に、金正恩国務委員長は、同外相に対しまして、米朝関係及び朝鮮半島非核化について段階的な解決を希望する旨述べたと承知をしております。  また、中国側発表によりますれば、五月上旬に金正恩委員長が訪中した際、同委員長は習近平国家主席に対し、関係国が段階を踏み、同じ歩みで措置を実施することを希望する旨述べたと承知をしております。
  155. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 今日は、史上初の米朝首脳会談が今開かれておりました。北朝鮮にとっては、制裁というか、行われる前に、アメリカとの直接対話が実現したいということに大きな意味があると思います。  まず、初の会談ということで、いい方向に向かうことを私も期待しています。ところが、北朝鮮問題に関しては、安倍総理日本政府発言と各国メディアの発表が全然違うのはどういうことなのか。何か意図があるのでしょうか、それともそのほかの考えがあるのか、お聞かせください。
  156. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 報道機関は様々自由に報道されますから、各国メディアによる様々な媒体での発信の中には、日本政府立場を必ずしも正確に報道していないものがあるというふうに承知をしているところでございます。  先週の総理、私の訪米の際、あるいはG7のサミットで、核、ミサイル、そして拉致問題をしっかりと前進させていくことの重要性を訴え、各国から賛同を得ているということは外国メディアにおいても取り上げてもらっているというふうに理解をしておりますし、今、国際社会がそれなりに一致してCVIDを実現するために安保理決議に基づいた制裁を履行している、それがこの米朝会談に結び付いたという取り上げ方をしっかりとしてくれているものもあるというふうに思っております。  余りメディアの報道、よっぽどひどいものは訂正を申し入れるということも必要かと思いますが、しっかりとこの米朝会談の行方を見極めて、核、ミサイルCVIDをしっかりコミットさせ実現できるように国際社会として頑張っていきたいというふうに思っております。
  157. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 先ほど同僚議員藤田先生からも質問が出ましたが、他力本願でなく、なぜ直接対話をしないのか。私も何遍、三十二回目の訪朝ということで、その都度、今回も会談参加している李洙ヨン労働党副委員長も含めまして、あとには金永南さん、いろいろ話をざっくばらんにさせてもらった中で、私の、あるいは今言われたように、報道は違うと、確かにいろんな報道、あるいは北朝鮮に行ったことのない人がいかにも講釈師というか、分かったような話をする人もいます。  そんな中で、百聞は一見にしかずということで、私の経験からいえば、前にも言ったとおり、イラクの人質の解放のときもそうですが、やっぱり当たってみなきゃ分からない。だから、今回、そういう意味では、トランプさんの対談というのは、いろんなことを言われていますが、お金が欲しいんだ、何が欲しいんだ、そういうことじゃなくて、まず北朝鮮がずっと求めてきたことはアメリカとの対話だと。日本対話よりもアメリカとの対話をという。それが今回実現したわけで、そういう意味では、誰が勝った負けたはさておき、北朝鮮としてはその目標を達成し、これからが大変だと思います。  少し前まで政府対話のための対話はしませんと言ってきましたが、今アメリカの方針が変わっていこうとしている、変わるかもしれない。まあ、日朝首脳会談をすると、その辺で日本は独自の姿勢あるいは外交というものが変わってしまう。その辺は我々国民として毅然とした態度を、同時に、制裁ということについては、大変言葉が強くなりますが、逆に言えば融和という、スポーツ外交という私は基本なんですが、その辺のドアも今閉めているわけで、私の聞く範囲内で、裏で、いろんな形で直接対話の人脈を探っているという話も聞いています。いろんな方が、私は北朝鮮はよく知っています、その人が、それで私のところに確認が入りました。それで、私は、あるルートを通じて、北朝鮮の李洙ヨンさんを通じて、こういう話がありましたかね、そういう話は一切ありませんと、そんなやり取りもさせてもらったことがありますが。  その辺、本当にやはり臆測はさておき、一番大事なことは直接対話を実現されたい。今まで言ってきた、やってきたことはちょっと横に置きまして、是非対話を早い時期に実現できるように。そのためには、私も前にもお話ししたとおり、私の持っているチャンネルも生かしていただければと、なかなか政府はそのつもりはないようですが、私もバッジをはめた一人として何とか国会議員の役割を果たさせていただきたいと思っています。  それで、今回の対話に向けて働く、今申し上げたとおりで、アメリカの意見に左右されるばかりでなく、他国から信頼は得られないと思いますが、見解をお聞かせください。
  158. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) アメリカを含め国際社会は、一貫して北朝鮮に対して安保理決議に基づく経済制裁を一致して履行することで、北朝鮮が核、ミサイルCVIDに向けたコミットメントをするということをやってきておりまして、今日に至るまでこの方針は全くぶれておりません。  米朝対話がありますが、対話のための対価があるということではございません。我が国も、国際社会の一員としてこの枠組みの中で北朝鮮に対して安保理決議に基づく経済制裁を履行してまいりました。同時に、日本立場は、日朝平壌宣言にうたった核、ミサイル、拉致問題を包括的に解決をし、国交正常化を目指すという、ここにも何ら変わりがないわけでございます。  この米朝会談の結果を見ながら、拉致問題に資する動きがあれば、また日本としてしっかりと対応を検討してまいりたいというふうに思っておりますが、日本として、これからも、また今後も国際社会の一員としてしっかり今の枠組みで行動してまいりたいと考えております。
  159. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 次に、シリアについて質問をしたいと思いますが、昨年の七月、アメリカ特殊作戦軍のレイモンド・トーマス司令官が、トランプ政権がシリアの反体制派に秘密裏に実施してきたCIAによる武器提供支援打切りを表明しました。シリアの内戦については私も度々質問をさせてもらいましたが、つい先日の報道番組で、シリアの武器の入手ルートを取材していました。武装組織は、銃だけではなく、迫撃砲、ロケット砲、精密誘導ミサイルまで入手しているという話です。アメリカ政府が反政府武装組織への武器供与を進めていたとありました。  バルカンルートでシリアに武器を供給しているとのことですが、当時の状況について、分かる範囲内で結構です、お聞かせください。
  160. 岡浩

    政府参考人(岡浩君) お答え申し上げます。  今委員御指摘の、アメリカによる反体制派に対する武器供与、その停止を決定したという旨の報道については私どもも承知をしてございます。  一方で、アメリカによります反体制派に対する武器供与等につきましては、事実関係が明らかでないこともございますので、コメントは差し控えさせていただきたいというふうに思ってございます。  いずれにいたしましても、我が国といたしましては、シリアの危機は軍事的手段によって解決できる問題ではなく、政治的解決を追求しなければならないというふうに考えております。そういった観点から、全ての紛争当事者に対しまして、軍事的措置の停止、また国連主導の政治プロセスの進展に向けて努力するよう呼びかけをしているところでございます。
  161. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 昨日、沖縄県沖でアメリカの戦闘機が海に墜落しました。パイロットは救出されたそうですが、民間に被害はなく、不幸中の幸いだったと思います。  少々違う角度から質問させていただきます。  今回、墜落した飛行機の回収はどのように行われるのでしょうか。海にはサンゴや海洋生物などもいます。環境に配慮した方法なのか、詳細をお聞かせください。
  162. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  米軍航空機が海上に墜落した場合、海面に浮遊している残骸あるいは油などがございます場合には、発見次第、米軍において可能な限り回収に努めているところと承知しております。  一方、今回の戦闘機ですが、海没した地点は四千メートルを超える深海だと思われます。このような深海に沈んだ場合には回収作業は極めて困難であり、これまで類似の場合におきましては機体の回収作業は実施されていないものと承知いたしております。
  163. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 かつてパラオも、ゼロ戦が海に沈んだのを何回か潜って見てきました。本当に小さいな、あれ、こんなちゃちなのかという本当に感じでしたが。まあ何機か、最近台風や何かで流されちゃったのもありますが。まあそういう中での、海の、これから、汚さないという、そういう意味ではいろんなこれからやっていかなきゃいけないことがいっぱいあると思います。サンゴの養殖もそうなんですが。  そこで、次に、HⅡAのロケットについて質問をさせていただきます。  国産のHⅡAロケットの打ち上げが台風のため十二日に延期になったと耳にしました。私も、北海道の大樹町で堀江貴文さんがロケットを打ち上げるのを応援に行ったことがあります。  十二日に打ち上げられるHⅡAのロケットには政府の情報収集衛星レーダー六号機が搭載されており、軍事施設など宇宙から監視する偵察衛星、夜間や悪天候のときも電波で反射を利用して撮影できるそうですが、性能やこれまでの取組などについて詳しくお聞かせください。
  164. 笠原俊彦

    政府参考人(笠原俊彦君) ただいま委員からお話のございました情報収集衛星レーダー六号機でございますが、本日、間もなく一時間後ぐらいでございますけれども、打ち上げの予定となっております。  情報収集衛星は、平成十年十二月の閣議決定で、外交、防衛等の安全保障及び大規模災害等への対応等の危機管理のために必要な情報収集を行うことを目的として、その導入が決定をされたものでございます。  昨今の厳しい国際情勢の中で情報収集衛星の役割はますます重要になっているものと認識しており、平成二十五年四月に当初目指してまいりました四機体制を確立をした後、平成二十九年十二月には宇宙開発戦略本部で決定をされた宇宙基本計画工程表において、その十機体制について財源確保策と併せて検討するということとされております。十機体制の確立は我が国の情報収集体制に資する重要なものであり、当センターとしては、本日のレーダー六号機の打ち上げを始め、十機体制の確立に向けて、今後も着実に衛星の開発及び打ち上げに努力をしてまいりたいと考えております。  なお、情報収集衛星の性能につきましては、これが明らかになった場合、情報収集衛星の識別能力等が察知されて我が国安全保障に著しい支障を与えるおそれがありますので、恐縮ですが、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
  165. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 先日、東京発新大阪行きの新幹線で殺傷事件が起こりました。被害者におかれましてはお見舞いの言葉と、亡くなられた方々へ御冥福を申し上げますが、逃げ場のない限られた空間でこういう事件が起きるのは本当に恐怖だと思います。  他国で高速鉄道や飛行機のような金属探知機を導入していると聞きます。日本のような一時間に何本も運行している国は少ないだろうし、全ての駅に機械を設置するのも現状難しいのかもしれませんが、二〇二〇年には東京オリンピックがあります。警備員を一車両に一人置いた場合でも乗客の負担は十円以内で済むと聞いております。再度国内で考える必要があると思いますが、各方面の検討状況を教えてください。
  166. 江口秀二

    政府参考人(江口秀二君) お答え申し上げます。  まず、今回被害に遭われ、お亡くなりになられた方の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族の皆様に対して哀悼の意を表したいと思います。また、負傷された方々に対して心からお見舞いを申し上げます。  新幹線のセキュリティー対策につきましては、平成二十七年六月に発生しました東海道新幹線列車火災事故、これは車内での焼身自殺の巻き添えで乗客一名が亡くなった事案でございますが、これを受けまして、新幹線客室内への防犯カメラの設置等の対策を講じつつあるところでございますが、それにもかかわらず今回のこのような事件が生じたことを重く受け止めております。  国土交通省といたしましては、事件の翌日の六月十日付けで、全国の主な鉄道事業者に対しまして、今回の事件の概要を周知し注意喚起を図るとともに、見せる警備の徹底、警察との連携強化、防犯カメラや非常通報装置の適切な運用等、鉄道におけるセキュリティーの確保の徹底を図り、対応状況につきまして一か月後の七月十一日までに報告するよう文書で通知したところでございます。  今回の事案発生を受けまして、また、二年後には東京オリンピック・パラリンピックの開催が迫っていることも踏まえつつ、国土交通省としましては、鉄道事業者、関係省庁などとともに、これまで取り組んできた対策の実効性について検証を行った上で、今後、講ずべき対策について速やかに検討を行ってまいりたいと考えております。
  167. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 先ほどシンガポールが五十何年前に、そして今こんなすごい都市になり、また、上海をある方が書いたんですが、当時の五、六十年前を知っている人はほとんど少ないと思います、裸電球がつり下がった。  そして、今、北朝鮮が持っている地下資源というのをやっと皆さんが気付き出して、日本統治時代に日本の軍は分かっていたようですが、その辺が、非常に貴重な資源がある、早くそれを利用できるような平和的な話にこれから進んでいけばよいなと思います。これは質問のあれに入っておりません。  ありがとうございます。
  168. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 沖縄の風の伊波洋一です。  本日は、第四代の沖縄県知事となった後、本院の議員も務めた大田昌秀先生の一周忌に当たります。改めて御冥福をお祈りします。  大田先生は、一九七二年の沖縄返還から二十年以上放置されていた沖縄の基地負担について、一九九五年九月に起こった米海兵隊による少女に対する痛ましい事件を受けて、米軍基地提供を拒否し、当時の橋本政権と交渉して、負担軽減の流れをつくり出しました。  しかし、最大の負担軽減策であった普天間飛行場の全面返還は、期限とした二〇〇三年を十五年過ぎても、いまだ解決していません。当時はサンゴも藻場も最大限に保全をする撤去可能な海上ヘリポート基地であった代替施設は、今の計画では巨大な最前線発進基地となり、広大な海草藻場やサンゴの埋立てとなっています。負担軽減ではなく、沖縄への負担過重となっていることは明らかです。本日の歴史的な米朝会談による平和の流れを受けて、沖縄に負担を押し付ける代替施設による環境破壊を中止すべきです。  TPP11は、国内一次産業や食の安全、安心に大きな影響を与え、グローバル経済が地域社会を壊しかねず、賛成できません。  辺野古新基地建設について伺います。  五月末に、沖縄防衛局が沖縄県に対し、県赤土等流出防止条例に基づく手続を開始したと先週相次いで報道されました。辺野古新基地建設反対の県民の民意を踏みにじるものであり、安倍政権による暴挙に強く抗議します。  前回の委員会でも取り上げましたが、埋立承認願書に添付された環境保全図書には、海草藻場の移植を実施すると書かれており、同時に、辺野古地先が最も海草藻場の被度が高いことを認めています。報道されるように、移植が実施されないままN3、N5、K4護岸が接続され、海に土砂が投入されれば、海草藻場は消失してしまいます。  保全図書では、「代替施設の存在に伴い消失する海草藻場に関する措置として、改変区域周辺の海草藻場の被度が低い状態の箇所や代替施設の設置により形成される静穏域を主に対象とし、専門家等の指導・助言を得て、海草類の移植や生育基盤の環境改善による生育範囲拡大に関する方法等やその事後調査を行うことについて検討し、可能な限り実施します。」と書かれています。  N3、N5、K4護岸が接続され、海に土砂が投入されれば、海草藻場は消失してしまいます。護岸の接続、土砂投入の前に、辺野古地先の埋立区域の海草藻場の移植を実施するべきではないですか。
  169. 小野寺五典

    国務大臣(小野寺五典君) 環境保全図書における海草藻場の拡大を図る保全措置については、施設等の存在に伴う海草藻場の減少に対して、ジュゴンへの影響を最大限に低減するために、改変区域周辺の海草藻場の被度が低い状況の箇所や代替施設の設置により形成される静穏域を主に対象として、海草類の移植、種苗などや生育基盤の改善により海草藻場の拡大を図る保全措置を講じますとされております。  このように、環境保全図書においては、施設等の存在の段階を念頭に置いて保全措置を講ずることとされており、現在、具体的な対策を検討しているところであります。
  170. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 私は今、完成後の話じゃなくて工事の話をしています。その工事において、保全図書のどのセクションにおいて海草藻場の保全なしの埋立てが容認されているのですか。
  171. 西田安範

    政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。  ただいま大臣が申し上げたことの繰り返しになりますが、環境保全図書における保全措置におきましては、施設等の存在に伴う海草藻場の減少に対して、ジュゴンへの影響を最大限に低減するために、代替施設の設置により形成される静穏域を主に対象として、海草藻場の拡大を図る保全措置を講じますといった形で記述をされておるところであり、あくまで施設等の存在の段階を念頭に置いて保全措置を講じることが記述をされているところであります。  これを踏まえまして、現在、具体的な対策を検討しているということであります。
  172. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 皆さんのお手元に資料を提示してございます。埋め立てられようとしている藻場、それからこの藻場の存在、そして藻場の移植先である場所の提示、これも全て環境保全図書にある。  最後、四枚目のこの保全図書の記載です。ここにこう書いてあります。工事の実施、この工事の実施において海草類の移植や生育基盤の改善というのがあります。ただいまの答弁は、その次の施設等の存在及び供用という部分を読んでいます。しかし、このアセスの過程においては工事の段階でも移植というものがきちんと書かれています。  なぜ今示しているこの工事の実施における移植の質問をしているのに、その下の施設の存在で答えるんですか。
  173. 西田安範

    政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。  環境保全図書におきましては、御指摘のように、「工事の実施において周辺海域の海草藻場の生育分布状況が明らかに低下してきた場合には、必要に応じて、専門家等の指導・助言を得て、海草類の移植(種苗など)や生育基盤の環境改善による生育範囲拡大に関する方法等を検討し、可能な限り実施」と記載をされているところでございます。  いずれにしましても、今後そのような状況が確認をされた場合には、環境保全図書の記載を踏まえまして適切に対応していく考えでございます。
  174. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 普通の常識を考える方だったら、この海を埋め立てて護岸を締め切って土砂を投入すれば、ここにある藻場は消滅するということはごく普通のことです。  そこを今のように、そこの文書の中には影響がある場合と言っていますけれども、当然影響があるんですよ。それぐらいは予測しながらやっているのが本来の工事ではありませんか。  もう一度伺いますけれども、保全図書のどの場所において海草藻場の保全なしで埋め立てていいということが書かれているんですか。
  175. 西田安範

    政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。  また繰り返しになりますが、まず先ほど申し上げましたように、保全措置につきましては、施設等の存在に伴う海草藻場の減少に対して保全措置を講じますという形で、施設等の存在の段階を念頭に置いた保全措置につきまして記述をされているところでございます。  それとともに、先ほど申し上げましたように、工事の実施において周辺海域の海草藻場の生育分布状況が明らかに低下してきた場合には、必要に応じて、専門家等の指導、助言を得て、生育範囲拡大に関する方法等を検討し、可能な限り実施と記載をされているところでありまして、今後そのような状況が仮に確認をされた場合には、環境保全図書の記載にのっとりまして適切に対応してまいりたいと考えております。
  176. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 今の写真を拡大したものですけれども、当然このエリアに土砂を入れれば、これは生き殺しされるわけ、埋め殺しされるわけです。その影響を与えるどころか、まさに藻場を埋め殺ししましょうという話なんですが、それができるということを、そうやるということをどこに書いてあるんですかと質問しているんです。  この工事の実施、今読み上げたことも、あるいはその存在も含めて、そこは藻場があるところを埋めていいですよということはどこにも書いていないでしょう。もし書いてあるんだったら、そこを指摘してください。
  177. 西田安範

    政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。  まず、環境保全図書におきましては、施設等の存在によりまして辺野古前面海域及び大浦湾の西側海域における海草藻場の一部が消失するということが記載をされております。さらに、環境保全図書における保全措置につきましては、先ほど来申し上げておりますように、施設等の存在に伴う海草藻場の減少に対して保全措置を講じますという格好で、施設等の存在の段階を念頭に置きまして保全措置につきまして記述をされているところでありまして、現在具体的な対策を検討しております。  一方で、工事の実施中につきましては、工事の実施において周辺海域の海草藻場の生育分布状況が明らかに低下してきた場合には、必要に応じてという格好で書かれておりまして、周辺海域の状況が明らかに低下してきた場合という記述になってございます。  したがいまして、今後そのような状況が確認された場合には適切に対応してまいりたいということでございます。
  178. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 ただいまの防衛省の答弁は理解できないです。もっとしっかりと、理解できるような報告をしていただけませんか。どのように記載されているのか、こういうことが記載されているからそれは移植なしに埋め立てることができるんだということをきちんと分かるように説明してくれませんか。  委員長、これは理事会で取り計らいをお願いしたいと思います。
  179. 三宅伸吾

    委員長三宅伸吾君) 後刻理事会にて協議させていただきます。
  180. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 辺野古地先を埋め立てるのであれば、被度の高い現存する海草藻場を移植するか、百歩譲って、他の場所に実際海草藻場をつくって定着して育っているのを確認して初めて埋立てに着手するというのが本来の環境保全措置ではないでしょうか。護岸の接続、土砂投入の前に海草藻場の移植を実施するべきではないですか。
  181. 西田安範

    政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。  繰り返しになりますが、あくまで環境保全図書におけます保全措置につきましては、施設等の存在の段階を念頭に置きまして保全措置を講じるというふうにまず書かれているということでございます。これにつきましては、具体的な対策を検討しております。それとともに、環境保全図書においては、海草藻場の一部が消失しますというふうな記述もあるわけでございまして、そういったことで、海草藻場の保全措置につきましては、先ほども申し上げましたような環境保全図書の記述にものっとりまして、具体的な対策を検討しているということであります。
  182. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 工事の実施と施設の存在という機械的な区分で環境措置を取り組まなくてもよいというのは、事業者の詭弁、へ理屈です。ましてや、「工事の実施」の中に移植が書かれているんです。アセスには、「施設等の存在」は、「飛行場及びその施設の存在」とは書いてありましたが、飛行場の完成とまでは求めていません。設置された護岸は、「飛行場及びその施設の存在」に伴うものではないんですか。保全図書のどこに、それが違う、あるいはその完成の話が書かれているんですか。
  183. 西田安範

    政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。  先日の委員会でもお答えを申し上げましたように、環境保全図書におきましては、工事の実施とその施設等の存在及び供用という二つに大きく分けて記述をしているところでございます。したがいまして、護岸等の工事を実施している現状におきましては、施設等の存在、供用の段階ではないというふうに認識をしております。
  184. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 しかし、先ほど示したように、皆さんの資料に書いてあるように、工事の実施において、今答弁もされましたね、「周辺海域の海草藻場の生育分布状況が明らかに低下してきた場合には、必要に応じて、専門家等の指導・助言を得て、」海草類の移植などを行う。ちゃんと書いてあるじゃないですか。それがなぜ今の話になるんでしょうか。  私は、要するに、飛行場及びその施設というこの区分が、防衛省が自分たちがやるべき保全措置を五年も十年もほったらかすという話なんですよ。つまり、先ほどこれ示した資料の二枚目を見れば分かるんですけれども、この藻場は嘉陽海域のおよそ何倍もあります。そして、実際は、一番最初に、この藻場の上を覆わないように埋立てをするって最初に書いておきながら、完全に藻場を殺しているんです。年間生育量の九割がこの辺野古地先を中心にあるんですよ。そのことをなくしておいて、今は工事の完成だから関係ないという、そういう考え方、本当にそれでいいんですか。
  185. 西田安範

    政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。  環境保全図書におきましては、施設等の存在に伴い辺野古前面海域及び大浦湾の西側海域における海草藻場の一部が消失しますと記載をされているところであります。また、代替施設本体の埋立域に集中して生息している生物種や群集は見られず、多くの生物種や群集は、辺野古地先や松田地先に広がる海草藻場の広い範囲に分布しています。このことから、代替施設の本体の存在によって海草藻場の一部が消失しても、周辺海域における海域生物の群集や共存の状況に大きな変化は生じないと予測されますといった記載もされているところでございます。  さらに、先ほど来申し上げましたように、保全措置につきましては、施設等の存在に伴う海草藻場の減少に対して、ジュゴンへの影響を最大限に低減するために、代替施設の設置により形成される静穏域等を主に対象として保全措置を講じますという格好で、施設等の存在の段階を念頭に置いた記述がされているということでございます。
  186. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 ジュゴンだけの関心じゃないんですよね、藻場そのものがこれは守るべき問題なので。  それで、「施設等の存在」と「飛行場及びその施設の存在」という用語が並んで記載されているのを見ましたが、「施設等の存在」がイコール「飛行場及びその施設の存在」だとは書いていません。ましてや、埋立工事の終了後とはどこにも書かれていないじゃないですか。どこに書いてあるんですか。
  187. 西田安範

    政府参考人(西田安範君) 先ほども申し上げましたように、環境保全図書につきましては、まず、公有水面の埋立てと飛行場及びその施設の設置というふうに二つに分かれております。また、この飛行場及びその施設の設置というのが工事の実施及び施設等の存在及び供用というふうに分かれているということでございます。  現状は、護岸等の工事を行っております現状につきましては、公有水面の埋立ての段階でございますので、その施設の存在及び供用の段階ではないということでございます。
  188. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 防衛省の論理では、辺野古地先の広大な海草藻場が少なくとも五年以上あるいはもっと失われたままになってしまいます。アセスは、いや、保全図書では、それによって環境に影響がないと書いているのでしょうか。お答えください。
  189. 西田安範

    政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。  先ほどの繰り返しになりますが、まず、環境保全図書においては、施設等の存在に伴い海草藻場の一部が消失しますと記載をされているところでございます。さらにまた、代替施設本体の埋立域に集中して生息している生物種や群集は見られず、多くの生物種、群集は、辺野古地先から松田地先に広がる海草藻場の広い範囲に分布しています。このことから、代替施設本体の存在によって海草藻場の一部が消失をしても、周辺海域における海域生物の群集や共存の状況に大きな変化は生じないと予測されますといった記載もあるところでございます。
  190. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 いや、その数年間、それは、アセスの、そもそもその代償措置だとか緩和措置というものがまさに防衛省は数年間それを放棄するという話なんですよ。そういうことが許されていることがどこに書かれていますか。
  191. 西田安範

    政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。  繰り返しになって恐縮でございますが、まず、環境保全図書におきましては、海草藻場の一部が消失をしますということが記載をされているということでございます。さらに、保全措置については、先ほど来申し上げましたように、施設等の存在の段階を念頭に置いて保全措置を講じるということで、施設等の存在の段階を念頭に置いた記述がされておるということでございます。  一方で、工事の実施におきましては、工事の実施において周辺海域の海草藻場の生育分布状況が明らかに低下してきた場合には必要に応じてという記述になっているということでございまして、今後、そのような状況が仮に確認された場合には適切に対応していきたいということでございます。
  192. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 埋めてしまえば、海草藻場の生育分布状況が明らかに低下するのは当然じゃないですか。なぜその埋める前に移植することをしないんですか。
  193. 西田安範

    政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。  先ほど来申し上げております、工事の実施において周辺海域の海草藻場の生育分布状況が明らかに低下してきた場合にはという記述をされておりますが、まず、先ほど申し上げましたように、環境保全図書においては、藻場の、海草藻場の一部が消失しますということが記載された上で、こうした記載があるところでございます。  御指摘のこの先ほど申し上げました周辺海域の生育分布状況ということでございますが、周辺海域というのは、これは代替施設の周辺海域のことを指すものと整理しておりまして、埋立ての区域につきましては代替施設が建設される区域であることから、この場合の周辺海域には該当しないものと考えているところであります。
  194. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 それは防衛省の勝手な解釈じゃないですか。普通、周辺海域といえば、この今工事をやっている周辺の海、これつながっていますから、それを普通指すのが当然でしょう。そういうのが自然の考えですよね。その海があれば、機械があり、それが船が動いたり魚が動いたり、いろいろしています。そういう周辺海域は当然その影響を与えますから。  埋立てが予定される辺野古地先の海草藻場は、この保全図書の記載に沿っても周辺海域に含まれるはずですが、どうですか。
  195. 西田安範

    政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。  周辺海域につきましては、代替施設の周辺海域ということを指すものと整理しておりますので、埋立区域においては代替施設そのものが建設をされる区域でありますので、この場合の周辺海域には該当しないというふうに考えております。
  196. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 いや、それは防衛省の勝手な解釈ですよ。それならば、防衛省の周辺海域という定義はどこに書かれているんですか。どこで防衛省が今言っているようなことが周辺海域なんだということが書かれているんですか。
  197. 西田安範

    政府参考人(西田安範君) 環境保全図書におきましては、先ほどのような周辺海域の海草藻場の生育分布状況が明らかに低下してきた場合には云々という記述があるとともに、海藻草類に関する工事中及び施設等の存在、供用後に実施する事後調査として、代替施設周辺海域に残存する海藻草類の生育状況等について調査をするということがされております。  こうしたことから考えましても、御指摘の周辺海域につきましては、代替施設の周辺海域のことを指すというふうに整理をしておるところであります。
  198. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 現に、その今埋め立てようとするところにあるサンゴ、希少なサンゴは保全するじゃないですか。工事しているときに、そのとき周辺の海域というのは当然それでやっていますよ。藻場について保全するというのは基本的な考えでしょう。  そういう意味で、例えば五月二十八日の第十五回環境監視等委員会で汚濁防止枠による海草藻場への損傷が議論されました。そして、その議論委員会で行われましたね。本来、ですから、この区域は今まさに工事中の区域です。その埋立区域の海草藻場の損傷も委員会でちゃんと議論しているじゃないですか。どうしてその埋め立てようとする藻場を議論しないんですか。
  199. 西田安範

    政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。  御指摘のありました汚濁防止枠を使用している箇所の一部におきましては、汚濁防止枠、当該汚濁防止枠の海底への接触により一部の海草が損傷している状況が確認されたことから、第十五回の環境監視等委員会において報告をしたところでございます。  環境監視等委員会におきましては、委員から、地下茎がしっかりとつながっていれば恐らく今後早い段階で復活してくるのではないかということが期待できるということから、引き続き、削れてしまった部分のモニタリング調査などをしていくことで再生の過程をきちんと追っていただければと思いますとの意見が出されているところでございまして、防衛省としては、今後、汚濁防止枠につきましては適切に使用するとともに、必要な確認等を行っていきたいと考えております。
  200. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 当然、工事中の海草藻場の損傷について議論しておいて、工事はこのように一部ですよね、一部です、このように。でも、ここの中にはまさに藻場が全部あるんですが、最大の藻場ですから、そのことを議論しない。  沖縄県、質疑は本当は次の委員会でもやりますけれども、この中の資料に、沖縄県から防衛局に提出された環境保全対策についての資料がございます。それ、何て書いてあるか。そもそも、移植のことが書かれているんですよ。去年の二月ですけれども、移植のことを求める文書が提出されております。  平成二十七年十月六日付け、以前に、当該工事の実施に先立ち、海草について、工事の実施前に行わなければ、移植する海藻類がなくなり、移植することができないことになる、「環境保全図書では、海藻類の移植や生育基盤の環境改善による生育範囲の拡大は、「工事の実施」に係る評価・結果にも記載されている。それにもかかわらず、どのような海草藻場に関する環境保全措置をとるのか具体的に示していない。」と、こういうふうに示しております。  これについても次は求めますけれども、皆さんは、県からも言われながらほとんど何もやっていない。どうしてそのような責任で、今、土砂の埋立てをすることができるんですか。引き続き、この件については議論していきますので、今日は時間となりましたので終わりたいと思いますが、これは絶対許せないことですよ。
  201. 三宅伸吾

    委員長三宅伸吾君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  防衛大臣は御退席いただいて結構でございます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  202. 藤田幸久

    藤田幸久君 私は、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定締結について承認を求めるの件について、会派を代表して、反対の立場から討論いたします。  TPP11の本質は、グローバル企業の一部の経営者だけがもうかり、賃金が下がり、失業が増え、国家主権が侵害され、食の安全が脅かされることです。この言葉こそが、二年前にアメリカ国民と全ての大統領候補がTPPに反対した理由でした。  この協定内容は、自由貿易協定というより投資家保護協定そのものです。国家よりもこうした企業を支援するISDS条項は、TPP十一か国中七か国、トランプ政権やEUも否定的な立場を取っているのに対し、日本だけが固執しています。  こうしたグローバル企業の窓口役が規制改革推進会議です。その指示の下、生協、農協、漁協など、既得権益、岩盤規制と攻撃し、ドリルで壊して市場を奪って自らの既得権益にしようとしています。  さらに、政府は、国内農業への影響について、関税削減は長期間で行い、その間に体質強化対策などを講じるので、全ての主要品目の生産減少率はゼロ%だという信じ難い試算しか示していません。他方、TPP11では、主要輸出産業である自動車、電子機器、鉄鋼等の輸出分野では、何年後にどれほどの恩恵を受けるか、数値入りの試算も示していません。  トランプ大統領は二国間のFTAを迫っており、TPP11はTPP12よりも日本の国益にかなわないことは明白です。  以上、TPP11はどの角度から見ても日本の農業をいとも僅かな対価で売り渡す危険な協定であり、国民に大きな打撃を与えることは明らかで、自由貿易論者の私としても断じて反対であることを訴え、討論を終わります。
  203. 小西洋之

    ○小西洋之君 私は、会派を代表して、本TPP11協定について、反対の立場から討論を申し上げます。  冒頭、本日の米朝首脳会談について、この間の安倍内閣の外交姿勢について異議を申し上げます。  これまで、安倍総理は、アメリカと一〇〇%共にあると主張し、北朝鮮への最大圧力を主導していたのに、首脳会談の開催が決まると、大統領の勇気を称賛したいと一変し、さらに大統領が会談中止を発表した際には、世界でただ一人、支持すると表明し、会談が復活した途端には、会談の実現を強く期待しているなどと発言しています。まさに主権国家としての戦略なき、節操すらない、対米追随外交と断ぜざるを得ません。東アジア安全保障環境が大きく変動している今こそ、主権外交に基づく平和創造戦略の議論に転換をすべきであります。  さて、本協定に反対する理由の第一は、本協定が抱える国内産業や国内生活への懸念が全く払拭されていないからであります。  牛肉セーフガード発動基準乳製品関税割当て枠について政府凍結の主張を行っていないこと、アメリカ参加が前提に設けられたこれら数量基準の見直しが口約束にとどまっていること、経済効果分析における労働力補填の問題、国家主権に関わるISDS条項への我が国姿勢などなど、多くの懸念が外交交渉の闇の中、深い霧の中となっています。  また、先日のG7首脳会議状況からも明らかなように、トランプ大統領アメリカ第一主義によって、TPP11が、かえってアメリカに対し、現下の日米のFFRなどから容易に進行すると危惧される日米FTAにおける交渉最低ラインを示すものとなりかねません。  他方、TPPと今後のアメリカ関係について、委員会において我が会派の委員が、トランプ大統領TPP復帰可能性を示唆するとも解される発言について、再交渉可能性政府の対応などを質問しても、TPP11はガラス細工のようなものだなどと繰り返すだけで、まともな答弁になっていません。アジア太平洋地域の発展について建設的な議論を今後とも米国と行っていくなどという政府の説明を信用することは困難であります。  さらに、政府が万全の対策と豪語する総合的なTPP等関連政策大綱は、農林水産業への打撃の数値評価などが全くなく、一方で、中小企業などの輸出促進、産業力強化策は既存の政策の貼り合わせや引き写しで、しかも政策実現のためのPDCAサイクルは全く措置されていません。これでは守ることも攻めることもできず、国民と国益を犠牲にする無責任な失政である懸念が禁じ得ません。  以上などから、会派として本協定には反対であることを強く申し上げて、反対討論とさせていただきます。
  204. 井上哲士

    ○井上哲士君 私は、日本共産党を代表して、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定承認に反対の立場から討論を行います。  TPP協定は、多国籍企業の国境を越えた利益拡大のために、国の経済主権をないがしろにして、関税、非関税障壁を撤廃するものであり、国内の産業への打撃と広範な国民の暮らしへの計り知れない影響が懸念されるものです。  重要五項目を除外するとした国会決議に違反して、農業とその関連産業に壊滅的な影響を及ぼし、現状でも世界の先進国の中で著しく低い水準である食料自給率の一層の低下を含め、食料安全保障を危うくすること、ISDS条項により投資家による国の主権侵害を引き起こしかねないこと、食の安全を始めとする国民の命と暮らし、健康を脅かすこと、国内産業の空洞化を招くことなど、これまでの国会審議でも、広範な国民からも深刻な問題点を危惧する声が上がりました。TPP11協定でも本質的な問題は全く変わっていないと言わざるを得ません。  TPP11協定交渉では、参加国から凍結を要求する項目が相次ぎ、最終的に二十二項目に上る項目が凍結されました。委員会質疑でも明らかになったように、日本政府からは凍結項目の主張は一切行われませんでした。政府は、その理由について、高い水準の協定を目指したためだと説明しましたが、指摘したような国会審議国民の声をないがしろにするものであり、容認できません。二国間交渉を求めるアメリカの防波堤になると言いますが、米国からの日本への一層の譲歩の出発点になるものだと指摘せざるを得ません。  多国籍企業の国境を越えた利益のためのルールの拡大は、一握りの大企業のもうけの一方で、各国で国民の貧困と格差を拡大するものであり、アメリカやヨーロッパの各国国民の懸念の声が広がっています。グローバル化の下で多国籍企業の利益優先により現に引き起こされている格差や不平等を解消し、各国の主権、食料主権、経済主権を尊重した平等互恵の経済関係を発展する道に進むよう強く要求して、討論を終わります。
  205. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 沖縄の風を代表して、TPP11に反対の討論を行います。  TPP11は、元のTPP同様に、あらゆる関税と非関税障壁をなくすことを目的としており、グローバル企業の利益追求のために国内産業と国民の暮らしを犠牲にするものです。確かにTPP11ではISDS条項の一部規定を含む二十二項目の凍結が行われましたが、本質は変わっていません。野党時代の自民党が、TPP日本アメリカの価値観で染めるものと強く反対していたことを今こそ思い出すべきです。  第一に、国内農林水産業と食の安全への打撃は計り知れません。農産物の重要五項目の約三割、農林水産物の全品目で約八割が関税撤廃されます。輸入農産物、輸入食品の増加は国民を農薬や遺伝子組換え食品のリスクにさらすことになり、食の安全を維持することは困難になります。  沖縄県では、サトウキビ生産や製糖業、パイナップル生産、肉用牛、養豚など畜産業への影響が心配されています。サトウキビについては糖価調整制度が維持され、影響は少ないとの楽観的な見通しもあります。しかし、安価な加糖調整品の流入が糖価調整制度自体を不安定にさせる懸念もあります。今後、参加を検討しているタイは世界第四位の砂糖生産国であり、国内製糖業への影響は計り知れません。  また、畜産業の経営安定化対策、いわゆるマルキンが法制化されることは評価できますが、救済されるのは大規模生産者に限られます。沖縄の離島のなりわいの中心はサトウキビ産業や畜産業であり、TPP11による悪影響は離島の暮らしの維持そのものに関わります。  第二に、TPP11は言わば巨大な外圧の塊です。関税撤廃や非関税障壁の除去を口実に、様々な規制の緩和が迫られる根拠になります。既に種子法の廃止や農協いじめなど、TPP対応を名目とする規制緩和が強行されています。  第三に、将来的な拡大にも大きな問題があります。タイやインドネシア、フィリピンなどが加盟を検討しているとの報道もあります。また、トランプ政権は安倍政権が譲りに譲ったTPPを出発点に、今後日米二国間協定交渉を求めており、TPP11を今発効させることは、結果的に対米通商協定TPPで譲歩した以上の更なる悪影響をもたらします。  TPP構想は、本来、対中封じ込めの策の一環として米国が進めてきたものです。安倍政権は対米従属外交一つとして前のめりに進めてきましたが、それもトランプ政権に離脱されて、はしごを外されてしまいました。今や、対中貿易額は対米貿易額の約一・五倍です。朝鮮半島情勢で蚊帳の外に置かれたことに象徴されるように、アジア地域で中国を排除しようとするTPP11も時代遅れの無用の長物になりつつあります。TPP11の承認反対と、安倍政権による対米従属外交の再考、軌道修正を求めて、反対討論といたします。  以上です。
  206. 三宅伸吾

    委員長三宅伸吾君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定締結について承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  207. 三宅伸吾

    委員長三宅伸吾君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  208. 三宅伸吾

    委員長三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時七分散会