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2018-03-29 第196回国会 参議院 外交防衛委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成三十年三月二十九日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  三月二十七日     辞任         補欠選任      徳茂 雅之君     宇都 隆史君  三月二十八日     辞任         補欠選任      山口那津男君     矢倉 克夫君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         三宅 伸吾君     理 事                 猪口 邦子君                 塚田 一郎君                 中西  哲君                 藤田 幸久君                 杉  久武君     委 員                 宇都 隆史君                 佐藤  啓君                 佐藤 正久君                 武見 敬三君                 中曽根弘文君                 堀井  巌君                 山本 一太君                 小西 洋之君                 牧山ひろえ君                 矢倉 克夫君                 井上 哲士君                 浅田  均君                 福山 哲郎君               アントニオ猪木君                 伊波 洋一君    国務大臣        外務大臣     河野 太郎君        防衛大臣     小野寺五典君    副大臣        外務大臣    中根 一幸君        防衛大臣   山本ともひろ君    大臣政務官        外務大臣政務官  岡本 三成君        外務大臣政務官  堀井  学君    事務局側        常任委員会専門        員        宇佐美正行君    政府参考人        外務大臣官房審        議官       相木 俊宏君        外務大臣官房審        議官       高橋 克彦君        外務大臣官房サ        イバーセキュリ        ティ・情報化参        事官       岡田 健一君        外務大臣官房参        事官       市川 恵一君        外務大臣官房参        事官       志水 史雄君        外務大臣官房参        事官       林  禎二君        外務大臣官房参        事官       塚田 玉樹君        外務省領事局長  相星 孝一君        環境大臣官房審        議官       江口 博行君        防衛省防衛政策        局長       前田  哲君        防衛省防衛政策        局次長      岡  真臣君        防衛省地方協力        局長       深山 延暁君        防衛省統合幕僚        監部総括官    鈴木 敦夫君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○在外公館名称及び位置並びに在外公館に勤務  する外務公務員給与に関する法律の一部を改  正する法律案内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 三宅伸吾

    委員長三宅伸吾君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、徳茂雅之君及び山口那津男君が委員辞任され、その補欠として宇都隆史君及び矢倉克夫君が選任されました。     ─────────────
  3. 三宅伸吾

    委員長三宅伸吾君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  在外公館名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員給与に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、外務大臣官房審議官相木俊宏君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 三宅伸吾

    委員長三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 三宅伸吾

    委員長三宅伸吾君) 在外公館名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 藤田幸久

    藤田幸久君 おはようございます。民進党の藤田幸久でございます。今日は河野大臣と一対一で、よろしくお願いいたします。  在外公館名称位置給与法改正案でございますが、NATO日本政府代表部設置が提案されておりますが、その必要性と、あわせて、なぜNATO加盟国でない日本政府代表部設置し、大使を任命するのかについてお答えをいただきたいと思います。
  7. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 最近のアジアの情勢というのは安全保障中心に深刻化していると言ってよろしいかと思いますが、このアジア安全保障問題に対処するためには、ヨーロッパを含めた国際社会に、広くこうした北朝鮮問題を始め関心、関与を喚起する必要があるというふうに思っております。特に、基本的価値観を共有する日本アメリカヨーロッパ、こうした国々のネットワークを強化していくことが必要だというのが一つ目でございます。また、戦後の経済発展を支えてきたリベラルな国際秩序、法の支配に基づいた国際秩序を維持していくためには国際社会全体で負担を分かち合う必要があり、こうした観点からでも日本ヨーロッパ協力というのが今後重要になってくると考えております。  こうした大きな構図の中で日本NATO協力も進めてきているものでございまして、私も、昨年の十月、来日されたストルテンベルグNATO事務総長会談をし、北朝鮮問題あるいはテロ、サイバーといった国際的な問題に日本NATO協力していく必要性がある、重要性があるという認識一致をいたしました。  NATOは、協調的安全保障という考えの下、NATO域外国々とのパートナーシップも発展をさせてきておりまして、今、日本を含む四十一か国のパートナーのうち二十九か国が政府代表部設置をしております。  今まで、日本は、外務大臣職務命令で駐ベルギー大使NATOに対する我が国代表として任命をし、NATO側に通知をしてまいりました。今回、この法改正をお認めいただいて代表部の新設を認めることができれば、ベルギー大使が兼ねる形でNATOに今度は正式に接受される外交使節として受け入れられるということになります。この結果、日本のプレゼンスが強化され、それを通じて、NATO加盟国NATO事務局あるいはパートナー国代表部の長との意思疎通が円滑に行われ、職務の執行がより効果的になるというふうに期待をしているところでございます。
  8. 藤田幸久

    藤田幸久君 私も、十年ほど前ですか、野党議員としてNATOを訪問しましたら、国会議員NATOに来たというのは珍しいということで、大変その意味ではいいディスカッションをしていただきましたが、今おっしゃった中で、法の支配、リベラルな価値、それから協調的な安全保障、つまり軍事的な機関であるNATOであっても、それ以外の部分が重要であるという点を是非強調してやっていただきたいと思います。  それから、早速ですが、北朝鮮問題、昨日、大きなニュースがありました。習近平国家主席北朝鮮金正恩委員長首脳会談だったわけですが、今回もまた日本が、通報があったというものは遅かったということでございますけれども、そもそも日本政府は今回の首脳会談情報をいつどういう方法で把握したのか、お答えいただきたいと思います。
  9. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) メディアはよく、通報があったかなかった、どうだったということを殊更報道するわけでございますが、これまでこの北朝鮮問題に関して言えば、日米韓中心に中ロの協力もいただいて、国際社会挙げてこの北朝鮮に対して安保理決議で定めた経済制裁を、国際社会一致して圧力を掛けていくということをしっかりとやっております。  様々な情報についてはこうした国々の間でしっかり情報の共有をしているわけでございまして、いつどういう連絡をもらったかどうだというのは対外的に申し上げておりませんので、こうしたやり取り一つ一つについてコメントするのは差し控えたいと思いますが、これからも日米韓あるいは中ロを含め、国際社会と緊密に連携をしてまいりたい。  つい先日もカナダ外務大臣がいらっしゃいましたが、カナダ外務大臣とも様々北朝鮮問題について情報交換、意見の交換をやってきたところでございますし、非核化に向けて、完全かつ不可逆的、なおかつ検証可能な非核化に向けての動き北朝鮮が明確に行動として取るまでは国際社会は挙げて圧力を維持しなければならないという認識が全く一致しているところでございますので、これからも一つ一つ事象をしっかり見ながら、しかし慌てずに、この朝鮮半島非核化に向けて国際社会努力してまいりたいと思います。
  10. 藤田幸久

    藤田幸久君 しかし、アメリカは、はっきりとホワイトハウスが早い段階中国から説明があったと、それからトランプ大統領に対する習近平主席からのメッセージも含まれていたと。それから、それに対してトランプ大統領自身がツイッターでコメントをしております。それから、韓国も事前に知らされていたと。中国楊潔チ政治局員が今日、習近平主席の特使として韓国を訪問し、報告をすると。  何もこれ、はっきりとアメリカなり韓国が言っているわけで、日本の方で何にも隠す必要がなくて、つまり、そういったことが言えないということは、なかったというふうにこれは断定せざるを得ないということだろうと思いますが、いかがですか。逆に、隠し立てするということは、なかったというふうに蓋然性を見られてしまうと。メディアのせいじゃなくて、そういうふうに、ほかの国もそう思うと思いますが、いかがですか。
  11. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 恐らく、どこの国もどの国とどういうやり取りをしているかというのを明確にしないというのが外交上の通常例だというふうに思っております。  中国楊潔チさんが韓国に訪問するというのは、今回の事象関係なく以前から決まっていた話でございますし、トランプ大統領は様々なことをツイートされますから、それはそれということなんだろうというふうに思っております。
  12. 藤田幸久

    藤田幸久君 済みません、事実関係ですが、ホワイトハウスがはっきりと早い段階から説明があった、それからトランプ大統領に対する習近平主席メッセージも含まれていたと、これはホワイトハウスの声明ですけど。これは、こちらがどういうふうに交渉しているんじゃなくて、先方からこういうふうな連絡があったということをはっきりと韓国アメリカも言っている話でございます。で、日本に対してはなかったんですね。
  13. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 我が国は、一々外交上のやり取り公表することは差し控えております。
  14. 藤田幸久

    藤田幸久君 では、なぜ、電話会談をした、こういうことがあったというふうなことは頻繁に、これは安倍総理にかかわらず、河野大臣もよく、誰々と電話会談をしたと、あるいはこういうことをするというふうなこと、あるいは今度こういう訪問をしながらこういうことをやっていくとよく明示的にされておりますけれども、なぜ今回はされていないんですか。
  15. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 会談電話会談等について、外相レベルのもので先方公表することを合意しているものについては公表しておりますが、先方との間で公表しないことになっている、あるいは公表することについて合意が得られていないものについては公表をしておりません。外相レベルは、なるべくそうした会談電話会談について、公表できるものは公表していきたいというふうに思っておりますが、事務レベルのものについて一々公表しておりません。
  16. 藤田幸久

    藤田幸久君 ある報道によれば、金杉アジア局長が、二十八日ですか、いろいろ情報収集に当たっていたと報道されておりますが、いかがですか。
  17. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 先ほどから申し上げているとおり、事務レベルでのやり取りについて公表はしておりません。この件については公表しているようでございますが、やり取り中身については公表しておりません。
  18. 藤田幸久

    藤田幸久君 その報道によりますと、要するに、情報がないので情報収集に当たっているということを金杉局長メディアに語っているわけですから、要するに先方から情報がないということを明らかに認めているわけですが、いかがですか。
  19. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 情報がないというときのどのレベル情報のないかということについては公表を差し控えておるはずでございます。
  20. 藤田幸久

    藤田幸久君 今回の中身の話でございますけれども、非核化ということが言われております。ただし、中国側非核化ということについての言及があったというふうに報道しているのに対し、北朝鮮側非核化ということについては明示しておりませんが、この非核化について両首脳間に関するどういうやり取りがあったのか、あるいは、少なくとも公表されている情報に関して、非核化ということについて大臣はどのようにこの意味理解されておられるのか、認識をお聞きしたいと思います。
  21. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 御指摘のとおり、中国はこの非核化について対外的に発表をしておりますが、北朝鮮はこの非核化について発表をしてきていないというのが今のところの現実でございます。  中国は、北朝鮮朝鮮半島非核化実現努力することは変わらぬ立場南北関係改善を決心し、南北首脳会談を行い、米朝対話ひいては米朝首脳会談を開催したい、仮に韓米が和平実現のために段階的かつ同じ歩調の措置をとれば半島の非核化問題は解決すると金委員長が述べたと発表しておりますが、北朝鮮側はこれについて発表をしていないというのが現時点でございます。
  22. 藤田幸久

    藤田幸久君 それは私が申し上げて、それについてどうお考えかというのが質問であります。
  23. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 北朝鮮意図というのが対外的に発表されていない、あるいは北朝鮮核関連施設非核化という話が出た後も動きがあるというようなことを考えると、この北朝鮮非核化に向けての意図というのはまだまだしっかり見極める必要があるというふうに思っております。
  24. 藤田幸久

    藤田幸久君 今のお話の流れでいいますと、和平実現のための段階的な措置というような条件が付けられておりますが、これはある意味ではアメリカに対して圧力路線の転換を求めている可能性があるので、これは警戒すべき、あるいは注意をすべき条件ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  25. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 国際社会対話に対する対価はないということを明確にしてきております。北朝鮮が完全かつ不可逆的、なおかつ検証可能な非核化に向けて具体的な行動を取らない限り国際社会からの対価はないということでございますので、そこはしっかりと国際社会一致団結していけるように努力をしてまいりたいと思います。
  26. 藤田幸久

    藤田幸久君 国際社会一致ということに関して言えば、もし今回の首脳会談によって、中国がある意味では対北朝鮮包囲網を少しでも緩めれば北朝鮮非核化というものは実現しない可能性があるので注視が必要かと思いますが、いかがでしょうか。
  27. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 中国は責任ある国際社会一員として行動を取るというふうに言っておりますので、中国国際社会一員として同様の行動を取るというふうに認識をしております。
  28. 藤田幸久

    藤田幸久君 今回は、国際社会一員としての中国というよりも、やはり特別の関係としての中朝関係をある意味では表したわけですが、したがって、中国国際社会一員としての圧力を掛け続けるか、それとも中朝関係という中で、この米朝首脳会談の前に中国なりの、しかも隣接する北朝鮮安全保障問題を考えながら、独自の中国としての判断を示す可能性についてはどうお考えでしょうか。
  29. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 中国国際社会一員として責任ある行動を取ると発言をしておりますので、そのような行動を取るものと認識をしております。
  30. 藤田幸久

    藤田幸久君 では、今回、北朝鮮首脳中国を訪問した、これは国際社会圧力の効果だとお考えなのか。であるならば、どの圧力、例えば中国からの圧力あるいはアメリカからの圧力等、あるいは日本からの経済的な圧力、どの圧力が今回の米朝首脳会談に至る圧力として成果があったのか、お答えをいただきたいと思います。
  31. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 国際社会は、国連安保理決議でこれまでにないレベル経済制裁北朝鮮に対して行ってきております。様々な国が真剣にこの北朝鮮の問題をアジアだけの問題としてではなく、ヨーロッパ、アフリカ、中近東、中南米に至る国々までが国際社会に対する脅威だと認識し、この国連安保理決議を履行するための努力をしてくれている、そうした国際社会全体としての圧力北朝鮮を様々な形で後押しをしているというふうに認識しています。
  32. 藤田幸久

    藤田幸久君 トランプ大統領が先日の安倍総理との電話会談の後で、安倍首相北朝鮮との対話にとても夢中だというふうに述べておりますが、今回のこの米朝首脳会談を踏まえて、あるいは南北首脳会談等流れの中で、拉致問題解決のために日朝間対話あるいは首脳会談に至るという可能性が高まってきたかどうかについてお答えをいただきたいと思います。
  33. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 当面、南北首脳会談、そして米朝首脳会談が予定をされておりますので、その状況を見ながら、何が一番適した方法かというのは考えてまいりたいと思います。
  34. 藤田幸久

    藤田幸久君 何が一番ということは、そういう方向性というふうに認識をいたしますが。  二〇〇〇年ですかね、金正恩さんのお父さんの金正日総書記が訪中をされた直後に、二年後ぐらいでしょうか、日朝首脳会談実現した。経過的に言うと非常に類似している面もありますが、それから韓国の高官も、最近、北朝鮮経済支援が望めず日朝会談も視野に入れていると、こういう状況的なコメントあるいは事実関係もございますが、日朝関係対話あるいは拉致問題の解決について、そういう方向性可能性は高まったでしょうか、それとも余り高まってない、いかがでしょうか。
  35. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 先ほども申し上げましたように、南北首脳会談あるいは米朝首脳会談といったものがどのようになるのか注視し、その上で、何がこの核、ミサイル、そして拉致問題の解決に最適なのか、国際社会と一緒に考えてまいりたいと思います。
  36. 藤田幸久

    藤田幸久君 六者会議への復帰についても言及されておりますが、六者協議の開催の可能性が高まったと思うのか、あるいは仮に六者協議といった場合に、これまでもいろいろな形で北朝鮮側遅延行為なりをしてきたという経緯もありますが、その可能性と、あるいはそういうふうになっていった場合の注意点について認識を伺いたいと思います。
  37. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 繰り返しになりますが、南北首脳会談米朝首脳会談の結果を見極めながら様々なことを考えてまいりたいと思っております。
  38. 藤田幸久

    藤田幸久君 やはり、日本が今回の南北あるいは米朝首脳会談、そして今回の中朝首脳会談の中で、これは与党側の中からも日本が蚊帳の外に置かれているんではないかという認識が非常に強くなっていると思いますので、せっかく河野大臣でございますので、紋切り調答弁ではなくて、こういう努力をしている、あるいはこういう問題点がある、こういう方向性河野外交やってきたんだと、そういう点をお話しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  39. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 申し訳ございませんが、外交手のうちを明かすことは考えておりません。
  40. 藤田幸久

    藤田幸久君 国民理解があっての、それから議員理解があっての外交だろうと思いますし、少なくともここにいる我々は与野党立場を超えて、これは財金委員会でもございませんので、そういう意味では国民理解を得た外交の応援をしようと、だから、今回の在外公館法あるいは外務大臣専用機の使用なんかについても応援しているわけですから、手のうちではなくて、手のうちを見せることによって国民支援もあると思いますんで、いかがですか、河野大臣
  41. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 有り難いお言葉をいただきましたが、この場は当然に北朝鮮にも話が通じているわけでございますので、この場で話を申し上げるということは差し控えさせていただきたいと思います。
  42. 藤田幸久

    藤田幸久君 この場を使って間接的に伝えるという手法もあると思いますので、それを申し上げて、ちょっと答弁が長いので時間がありませんので、カンボジアの問題について話を移していきたいと思います。  今日、二枚の新聞の記事をお配りしております。近年の、今のフン・セン政権による野党救国党サム・レンシー党首海外追放、それから、その後任のケム・ソカ党首の逮捕、野党議員公民権停止、そして、二月の上院選挙においては与党人民党の議席が実質的独占というような状況が続いておりますが、こういう状況についてどう認識されておられますでしょうか。
  43. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 藤田議員カンボジアに大変お詳しく、また御関心を強く持たれているというのは、私もよく認識をしております。  二〇一五年以来、カンボジアの国内の政治的緊張が高まってきて、昨年の十一月、前回の選挙で多くの国民の支持を得た最大野党政党法違反を理由に解党をされました。こうした事態を非常に懸念をしておりまして、カンボジア政府に対して様々な形で、今年の七月の国民議会選挙国民意思が反映される形で実施されるように我が国としても働きかけを行ってきているところでございます。七月の選挙までまだ時間もございますので、現地の情報状況を注視しながら、必要な働きかけといったものを続けてまいりたいというふうに思います。
  44. 藤田幸久

    藤田幸久君 今、アメリカとそれからカンボジア関係が良くないということを言われておりますが、それに対する認識を伺いたいと思います。
  45. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 米国につきましては、米国開発庁、USAIDがこれまで在カンボジアNGO国家選挙管理委員会職員能力強化といった支援を行ってきたわけでございますが、昨年の救国党解党後にこうした支援を中止をしたというふうに承知しております。
  46. 藤田幸久

    藤田幸久君 それから、日本が今度八億円ですか、投票箱支援なんかしたわけですが、日本がそういう選挙支援をやめてしまうと中国の方にどんどん行ってしまうので、日本選挙支援を続けるべきだという見方がありますが、それについてはどうお考えでしょうか。
  47. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 昨年六月の地方選挙において、日本支援を通じて選挙人登録や投開票の作業の改善というのが図られました。これは、当時の選挙プロセスに対する信頼性の向上に寄与したというふうに思っております。  今回、カンボジアに対して投票箱などの選挙用物品を供与いたしますが、これはカンボジアにおいて国民意思を反映した形で選挙が実施されるために最低限必要なものだというふうに考えておりますので、この七月の選挙国民信頼を得るような形で行われたときに物理的にそれが可能になる、そんな支援ということでやっているわけでございます。  カンボジアについて、中国との関係あるいはアメリカとの関係、様々言われているのも事実でございますが、それだけでこの日本カンボジア関係というのは推し測れるものではないと思いますし、中国がこのインドシナ半島に対して経済を始め様々な影響力を高めているというのもあると思いますが、それだけでカンボジア外交が左右されるわけではないと思っております。  日本としては、こうした選挙あるいは司法制度といった国家としての、何というんでしょうか、インスティテューションビルディングにしっかりと関与をして、カンボジアが民主的に発展をする、そうした後押しをしてまいりたいというふうに思っております。
  48. 藤田幸久

    藤田幸久君 そうしてみますと、お配りしております資料の二枚目、これは朝日新聞の記事でございまして、済みません、字が小さくて恐縮ですが、左の方に「日中大使の見方」という、これは堀之内大使コメント、新聞に出ております。そうしますと、上の段の左から八行目ぐらいですか、「日本が関わりをやめると、どんどん中国の方に行ってしまう」と。それから、下の段の右から四行目ですが、「いま問題なのは、米国カンボジア関係がよくないことだ。」。  これ、大使が、アメリカカンボジア関係良くない、日本が関わりを避けると中国の方に行ってしまう、だからこれ選挙支援するんだと、ここまでおっしゃっている。今大臣がおっしゃっていただいたことは違うわけで、今大臣がおっしゃっていただいたのは、インスティテューションビルディングもあるし、それからこのサム・レンシーさんの「私の視点」というところを見てみますと、「道徳的欠陥がある選挙支援する理屈が思いつかない」。  これはやはり、民主的な国民意思を反映する、そのための支援をしてきたということからいたしますと、日本影響力を行使して国民意思が反映できるような選挙支援をやっていくということではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  49. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) おっしゃるとおりだと思います。  我が国は、カンボジアを、長年にわたって民主化するカンボジア努力というのを後押しをしてまいりました。遡れば、明石さんが国連代表としてカンボジア努力をされた、また多くの日本人の関係者がカンボジア努力をされ、犠牲もあり、そんな中でカンボジアが平和裏に民主化するような努力をしてまいりました。日本としては、今後もそれをしっかりと後押しをしてまいりたいというふうに思っております。
  50. 藤田幸久

    藤田幸久君 国連アメリカ、EU、あるいは、つい最近ですが、列国議会同盟という私どもにとっては重要な国際的な議員連盟も、この最近の野党に対する弾圧あるいは国会議員としての議席剥奪について警鐘を鳴らしておりますが、詳細は別にして、そういうところからいろいろな警鐘が鳴らされているという点について、そういうことがあるということだけを確認いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  51. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 米国については先ほど申し上げましたが、EUについては選挙人の登録用機材を供与してまいりましたが、昨年の救国党解党後に支援を中止をいたしました。  また、列国議会同盟、IPUは、カンボジアにおける議会民主主義を破壊するとして国会議員の人権侵害や懸念を表明をし、五十五名の救国党国会議員の即座の復帰と対話の再開を呼びかけているというふうに承知をしております。
  52. 藤田幸久

    藤田幸久君 九七年に当時のラナリット派とフン・セン派の対立が深刻化し、武力衝突に至ったわけですが、このとき、小渕外務大臣が両派の対立を解消させるために四項目の提案をされまして、これを国際社会支援をし、双方が受け入れたというような実績があります。  同じように、日本影響力を行使していただく仲介役としてますます重要な役割を果たせると思いますが、その展望についてお話をいただきたいと思います。
  53. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 今回の一連の事態につきましても、日本政府としてはカンボジアの中でカンボジア人同士で解決策を見出されることが望ましいというふうに思っております。国内の政治関係者の間での信頼関係の回復と対話を促してまいりました。また、これからも促していきたいというふうに思っております。  そういう意味で、今年七月の国民議会選挙国民意思を反映される形で実施されることが日本としては重要と考えているというメッセージカンボジアに送ってきておりますので、今後ともしっかりと日本として仲介努力を始めできることをやってまいりたいというふうに思います。
  54. 藤田幸久

    藤田幸久君 安倍内閣が策定した国家安全保障戦略の中に、民主化や法制度整備支援にODAを積極的に活用をすると。これはJICA等が進めてきているわけですが、このODAに整備された法律が逆に野党メディアなどを攻撃するために使われたといった指摘もありますが、いかがでしょうか。
  55. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 先ほど申し上げましたインスティテューションビルディングの中で、法の整備、司法制度の確立というのは極めて重要な部分だというふうに思っております。  日本は、内戦終結後、カンボジアに対するODAの中で、法整備分野についても民事関連法令の整備のために人材育成を含め、日本のこれまでのノウハウを活用したきめ細かな支援を実施しております。この支援は国家安全保障戦略の趣旨にも合致しているというふうに考えております。  日本支援により整備された民事関連法令、あるいは日本が人材育成に携わってきた方々が野党メディアを攻撃するために使われたとは承知をしておりませんが、法の支配を通じた民主主義の定着には一定程度の時間を要するものというふうに考えております。  我が国としては、引き続き、カンボジアで法の支配の確立を含むガバナンス強化がカンボジア人の手で行われるように、それをしっかりと支援をしてまいりたいと思っております。
  56. 藤田幸久

    藤田幸久君 先週、山本一太議員が中東、河野外交とおっしゃいましたが、是非、ミャンマー、カンボジア等も含めた東南アジア河野外交を是非頑張っていただきたいと申し上げて、質問を終わります。
  57. 杉久武

    ○杉久武君 公明党の杉久武でございます。  本日は在外公館名称位置給与法の一部改正案ということでございますので、通告に従いまして順次質問をさせていただきます。  まず、今回の改正案では、フィリピン・ミンダナオ島にありますダバオに総領事館を新設する、このようになっておりますが、ダバオには現在、在ダバオ領事事務所が設けられておりますので、今回は総領事館への格上げ、このような意味かと思いますが、資料を拝見いたしますと、総領事館新設の理由に邦人保護と日本企業の支援と、この二つが挙げられております。  そこで、外務省領事局が作成をしております海外在留邦人数調査統計を拝見しましたが、フィリピンには、マニラの大使館に加えダバオと、もう一つセブに領事事務所がございます。ダバオとセブの二つの領事事務所が掌握をしております在留邦人また日系企業の数を見比べてみますと、平成二十八年十月現在のものが最新のようでございますが、在留邦人総数は、ダバオが千六百一名に対し、セブは二千八百二十九名と、セブの方が一・七七倍多く在留をしております。また、日系企業総数は、ダバオは、ここは全て現地法人でかつ合弁企業も多いようですが、三十三企業であるのに対しまして、セブは二百十七企業もございまして、セブの方がダバオよりも六・五八倍多く存在しているわけでございます。  そこで、外務省に質問いたします。新設の理由として、先ほど申し上げましたとおり、邦人保護と日本企業の支援ということを挙げられておりますけれども、そのような意味であれば、在留邦人数や企業数でより規模が大きいセブの領事事務所の方が先に総領事館を設置してもよいのではないかと考えますが、ダバオに今回総領事館を新設する背景、そして戦略につきまして確認をしたいと思います。
  58. 志水史雄

    政府参考人(志水史雄君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、在留邦人数に関しましては、ダバオを含むミンダナオ地域が千六百一名、それからセブ市を含むビサヤ地域が二千八百二十九名、それから日系企業数についても同じく三十三社と二百十七社ということで、セブ市を含むビサヤ地域の方が多いということでございますけれども、ダバオ市を含むフィリピン南部ミンダナオ地域は、日本企業支援それから邦人保護などのニーズが拡大しております。  それから、ダバオ市はドゥテルテ・フィリピン大統領の地元でございまして、ドゥテルテ大統領が現在もダバオとマニラを往復しながら執務していることもあり、ダバオの政治的な重要性はますます高まっているところでございます。また、ミンダナオ地域は、イスラム過激派によるテロ発生の不安定要因があることからも、邦人保護に加え、地域の治安、テロ情勢の観点からも現地における情報収集必要性が高まっております。  こうした事情も踏まえ、在ダバオ総領事館を新設することをお願いしているところであります。  フィリピンは、我が国にとりまして、自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を共有し、地域及び国際社会が直面する諸課題に共に取り組む重要な戦略的パートナーでございます。ダバオ総領事館の設置を通じて、フィリピンとの協力関係を一層強化していきたいと考えております。
  59. 杉久武

    ○杉久武君 今外務省の方から御説明いただきましたが、今ありましたように、ダバオといいますとドゥテルテ・フィリピン大統領の地元として有名でございます。二〇一六年六月の大統領就任以来、ドゥテルテ大統領はミンダナオ地域の安定を政治課題とされております。しかしながら、道のりは誠に厳しい状況でありまして、昨年五月にはミンダナオ島の全域に戒厳令がしかれました。また、昨年末にはミンダナオの一部地域におきまして戒厳令を更に一年間延長をされております。  こうしたことから、外務省では、ミンダナオ中部以西は渡航中止勧告を出しておりますし、それ以外の地域でも渡航には十分な注意が必要といった状況でございますので、こういった地域の真っただ中でお仕事いただきます外務省職員の皆様には、文字どおり大変な御苦労かとは思いますけれども、邦人保護はもとより、我が国とフィリピンの両国の発展のために御尽力をいただきたいと思います。  さて、先週、内閣官房から二〇一七年海賊対処レポートをいただきました。これは、ソマリアでの海賊対処について書かれたものでありますけれども、今申し上げましたフィリピンのミンダナオ島周辺海域でも、近年、身の代金目的の海賊行為が増えております。特に、ミンダナオ島の西にありますスールー海や南のセレベス海一帯といいますと、オーストラリアから日本などに向けて鉄鉱石を運ぶ商船航路となっておりますが、近年では、これら船舶への武装強盗やハイジャック、さらには船員の誘拐事件が発生していると伺います。  そこで、外務省に質問いたします。これら東南アジア周辺海域で発生している海賊行為に対し我が国がどのように対処をしているのか、確認をいたします。
  60. 志水史雄

    政府参考人(志水史雄君) お答え申し上げます。  我が国は、アジアにおける海賊、海上武装強盗対策のために、実務的な地域協力を促進することを目的として、シンガポールに設置されましたアジア海賊対策地域協力協定、通称ReCAAPと呼ばれておりますが、この情報共有センターに事務局長などを派遣するとともに、主要な拠出国として同センターによる締約国の能力向上のための事業などを支援しているところでございます。  さらに、海における法の支配、航行の自由及び安全を確保するため、東南アジア諸国に対しまして、巡視船や海洋保安関連機材の供与及び海上保安機関などに対する技術支援や人材育成支援などを実施しているところでございます。
  61. 杉久武

    ○杉久武君 このような海賊行為は、ISとのつながりが疑われているアブ・サヤフなどの過激派組織が実行犯だと言われておりますけれども、アジア地域でのテロ対策の強化に向けた各国との情報共有は、取りも直さず我が国の安全と安心を確保する上で重要でございます。  特に、二〇二〇年に東京オリンピック・パラリンピックを控える我が国にとりまして、最大のリスク要因として挙げられるのは、やはりテロリストの入国でございます。外務省におかれましては、引き続き各国関係機関との連携を密にしていただきまして、テロ対策に万全の態勢をしいていただきたい、このように要望しておきたいと思います。  続きまして、今度は北大西洋条約機構、いわゆるNATOへの日本政府代表部設置について伺います。  NATOとの関係は、二〇〇七年、安倍総理日本の首相として初めてNATO本部を訪問したことから本格的な関係構築の歴史が始まりました。  外務省に伺いますが、現在、NATOとの窓口としては駐ベルギー大使NATO日本代表として活動いただいておりますが、今回NATOに新たな代表部を設ける背景について伺いますとともに、政府代表部となりますと、その長たる者の官職は特命全権大使として新たなポストを新設するということになるのでしょうか。職員を含めた政府代表部の陣容及び代表部設置意図につきまして改めて確認をしたいと思います。
  62. 相木俊宏

    政府参考人相木俊宏君) お答え申し上げます。  我が国は、法の支配などの基本的価値を共有しますNATOとの間で、危機管理、国際協力分野における実務的な協力を行っております。こうした協力を一層円滑に行うため、今般新たにNATO代表部の開設に向けて準備を進めてきたものでございます。  これまでは、外務大臣職務命令によりまして駐ベルギー大使NATOに対する我が国代表として任命をし、これをNATO側に通知をしております。今般、NATO代表部の新設をお認めいただけます場合には、駐ベルギー大使代表部の長を当面兼ねる形で特命全権大使として任命され、NATOに正式に接受される外交使節として受け入れられることとなるところでございます。この結果、我が国のプレゼンスの強化を通じ、NATO加盟国NATO事務局、またパートナー国代表部の長との意思疎通の円滑化が見込まれ、効果的な職務遂行に資するものと考えているところでございます。  また、当面、NATO代表部は在ベルギー大使館が兼轄をすることになりますので、在ベルギー大使館の館員を併任をさせる予定でございます。
  63. 杉久武

    ○杉久武君 この二〇〇七年の安倍総理によりますNATO本部の訪問以来、我が国NATOとの協力関係の強化を模索してまいりましたので、今回のNATOへの政府代表部設置我が国NATOの歴史において非常に大きな出来事である、このように考えております。  他方、地政学的には、NATO我が国ヨーロッパと極東といったユーラシア大陸の両端という位置関係にございますので、一見して直接的なつながりはありません。しかしながら、NATOとの政治対話の継続は、我が国にとりましては、アジア地域の安全保障環境についてNATOと視点を共有する、つまり自由や民主主義、人権、法の支配といった基本的価値を共有する我が国NATO関係構築は、NATO我が国と同じ視点でアジア地域を見るということにつながっていくと思います。  これは大変重要なことでありまして、アジア地域の平和と安定を脅かす国、またそのような動きに対して、我が国のみならず、ヨーロッパからも強い警鐘を鳴らす、強い外交メッセージも発するという我が国安全保障に大きく寄与する大変重要な関係であると私も認識をしております。  こうした点が顕著に現れているのが、昨年十月末に日本に訪問いただきましたNATOのストルテンベルグ事務総長の発言でございます。事務総長は、来日前のインタビューの際、北朝鮮の核兵器とミサイル開発について、ヨーロッパもミサイルの射程内に入ったと認識をしている、NATO加盟国も既に危機にさらされていると述べられ、北朝鮮が脅威であるという認識日本と共有することを表明されております。これは大変強力なメッセージでありまして、地球儀を俯瞰する外交を展開しております我が国の大きな成果が着実に現れている、私もこのように感じております。  そこで、河野大臣に伺います。昨年十月のストルテンベルグ事務総長との会談を踏まえまして、NATOとの関係構築や外交戦略をどのように描いているのか、伺いたいと思います。
  64. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) アジア安全保障環境というのが少し深刻になっているという紛れもない現実がございます。そのためにヨーロッパを含めた国際社会関心、関与を喚起したい、する必要があるというふうに思っております。  特にこの北朝鮮問題では、国際社会全体での経済制裁のしっかりとした履行が必要でございますし、また離れているヨーロッパだからこそ、例えば平時の技術の転用あるいは様々な経済的なつながりについて注意を促すというような必要も当然あるというふうに思っておりますので、この基本的な価値を共有する日米欧、こうしたネットワーク、同志国のネットワークというのを強化する必要が日々あるんだろうというふうに思っております。  さらに、もう一つは、この戦後の経済発展を支えてきたリベラルな国際秩序、法の支配に基づいた国際秩序、これがまあ相当アメリカがこの負担を背負ってきてくれたわけでございますが、最近のアメリカを見ると、少し国際社会全体でこの負担を分担をしていかなければいけない。そういう中で、日本ヨーロッパ協力というのは大切になってくるんだろうと思います。  ストルテンベルグNATO事務総長との会談で、北朝鮮問題について、この核、ミサイルというのは東アジアの問題ではなく、今や国際社会に対する脅威、挑戦であるという認識一致をし、圧力を最大化する重要性というのも認識を共有することができました。また、テロ、サイバーといった国際規模での課題について、やはり日本NATO協力が重要だという認識に立ちましたので、この日本NATO関係をこれから一層緊密に連携し、日本を含む国際社会全体の平和と安定の確保に尽力をしていきたいというふうに思っております。
  65. 杉久武

    ○杉久武君 この件につきまして、続けて防衛省にも、今日は副大臣来ていただいておりますので、確認をしたいと思います。  昨年十月のストルテンベルグ事務総長と小野寺防衛大臣との会談の際には、我が国NATO協力関係が進展しつつある状況を踏まえまして、今後、日NATO国別パートナーシップ協力計画、IPCPを現在の安全保障環境に沿った形で改訂をしていく、このようなことで一致をしたとございますが、この点も踏まえまして、防衛省とNATOとの関係構築に向けた防衛省の見解をお伺いしたいと思います。
  66. 山本ともひろ

    ○副大臣山本ともひろ君) ありがとうございます。  今お尋ねの昨年十月のストルテンベルグNATO事務総長防衛大臣会談でございますが、私も小野寺大臣から許可をいただきまして陪席をさせていただきましたので、お答えを申し上げます。  NATOは、法の支配と共通の価値観及び戦略的利益を共有する信頼できる必然のパートナーであります。我が国は、NATOとの間で海洋安全保障、サイバー、人道支援、災害救援などの危機管理、国際協力分野における共通の課題について実質的な協力を進めております。  具体的には、防衛省・自衛隊としまして、これまでソマリア沖・アデン湾での海賊対処の共同訓練の実施、あるいはサイバー分野での関連演習へのオブザーバー参加という形で人的交流を進めてきております。  そして、お尋ねの先般の会談で、ストルテンベルグ事務総長と小野寺防衛大臣の間で、日本NATO協力関係は着実に進展しているということを確認した次第でございます。また、日NATO国別パートナーシップ協力計画、IPCPを現在の安全保障環境に沿った形で改訂すべしということも一致をいたしました。また、海洋安全保障やサイバー分野を含む様々な分野で両者の協力を進めていくということでも一致をしたところでございます。  防衛省としましては、先般の会談の議論を踏まえた上で、国際社会の平和と繁栄の維持発展のため、引き続き日本NATO間の協力を推進していきたいと考えております。
  67. 杉久武

    ○杉久武君 では、最後に少し法案を離れまして、先週の二十四日から二十五日の土日を利用されて、河野外務大臣におかれましては香港を訪問されたということであります。  私も意外でありましたけれども、外務大臣が香港を訪問するのは一九九七年の香港返還式典以来十七年ぶりということでありまして、国際会議出席などを除きますと、香港の返還以来、我が国外務大臣が香港を訪問するのは初めてと、このように伺いました。このような中での香港訪問でございますが、特に本日、河野大臣にお伺いしたいのが、二十五日に香港政府トップのキャリー・ラム行政長官との会談であります。この会談の中で、河野大臣は、福島第一原発事故に伴う農林水産物の輸入規制の解除をラム行政長官に働きかけていただきました。  私も本委員会でお話をいたしましたが、東日本大震災の発災から今月で丸七年でございます。特に、東北の被災三県では、鉄道や道路などインフラの復旧はほぼ完了し、遅れぎみであった災害公営住宅も八割が完成をしております。かさ上げによる町づくりを始め、防潮堤の建設や公共施設の整備などを含めてハード面の復興は進んでおりますけれども、一方で、私も被災地を訪問するたびに痛感するのは、やはりこの風評被害の問題でございます。この風評被害の波が海外まで及んでいる。しかも、その風評が輸入規制という形で、目に見える形で現れております。  この輸入規制によって風評被害と闘う被災者の苦しみは一層深いものになっているのではないかと。震災後の一時期におきましては五十四の地域で行われた輸入制限、輸入規制措置は、現在ではEUを始め様々な国が規制緩和を行っておりますが、依然として中国韓国などアジア地域を中心に輸入停止措置が継続をされております。  今回、河野大臣におかれましては、ラム長官への働きかけも行っていただきましたが、今後、外交面からも相当の力を割いていただきまして、中国韓国を始め、アジア地域における規制解除に向けた交渉の強化、そして正しい情報発信を一層強力に続けていただきたいと思いますが、最後に河野大臣の見解を伺います。
  68. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 香港返還後、国際会議への出席というような形で外務大臣が行かれたことはあるようでございますが、香港を訪問するというバイの目的で外務大臣が香港を訪問したのは初めてというのはそのとおりのようでございまして、随分間が空いたなと正直思います。  キャリー・ラム行政長官、それから行政長官の下の幹部の皆さんとお目にかかりまして、この食品の輸入規制について問題提起をさせていただきました。先方よく御理解をしてくださっておりまして、ただ、その安全と安心ということを考えると香港の消費者に納得をしてもらう必要があるので、そこの努力を前向きに続けたいということでございました。かなりいろんなやり取りをさせていただきましたので、何らかの形でいいニュースが来るというふうに思っております。  また、三月二十三日にはロシアが輸入規制を緩和するなど、これまでに二十七か国で規制が完全撤廃され、五十一の国・地域で規制が緩和されてまいりました。まだ少しアジアで輸入規制残っております。そのとおりでございますので、様々な形で外国人の記者やあるいは有名なブロガーを被災地に招聘したり、情報発信をしてもらったり、大使館を通じたPR活動など、粘り強く情報発信をし、風評被害の払拭に努めてまいりたいと思っております。
  69. 杉久武

    ○杉久武君 時間になりましたので、以上で質問を終わります。ありがとうございました。
  70. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  この在外公館の法案には、今も議論ありましたけれども、NATO代表部を置くことが盛り込まれております。NATO自身の政策の変化やNATO間との協議もあったかと思いますが、この代表部を置く提案に至った経過について、まず御説明いただきたいと思います。
  71. 相木俊宏

    政府参考人相木俊宏君) お答えを申し上げます。  NATOは、二〇一一年四月にベルリンで開催されました外相会合におきまして、新パートナーシップ政策というものを策定をしてございます。その中で、我が国も含みます全てのパートナー国に対しまして代表部設置を呼びかけることを決定をいたし、その呼びかけを行っているというふうに承知をしております。  我が国は、法の支配などの基本的価値を共有するNATOとの間で、危機管理、国際協力分野における実務的な協力を行っているところでございます。今般、こうした協力を一層円滑に行うため、新たにNATO代表部の開設に向けて準備を進めてきたという次第でございます。
  72. 井上哲士

    ○井上哲士君 NATOは、条約の第五条で、締約国に対する武力攻撃は全締約国への攻撃とみなすと規定をして、集団的自衛権を行使することを明記した軍事同盟であります。  二〇〇〇年の四月に採択をした新戦略概念において地域の危機だと判断すれば他国への軍事行動を行う方針も宣言をして、コソボ紛争などでは実際にNATOの加盟国軍による域外の武力行使も行われました。そして、アフガン戦争では初めて集団的自衛権も行使をして、誤爆等によっておびただしい民間人の犠牲者も生みました。日本がこうした軍事同盟に代表部を置いている例があるのかというのが一点。  それから、先ほど来、法の支配などの共通の理念の下に日米欧の協力が必要だなどなどの答弁がありましたが、しかし、加盟各国には大使館もありますし、EU本部にも代表部も置いております。北朝鮮問題で経済制裁必要だと言いますが、これは本来外交であるわけで、なぜあえて軍事同盟であるNATO代表部を置く必要があるのか、大臣、いかがでしょうか。
  73. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) まず、NATOのような地域の安全保障機構に代表部を置くのは初めてでございます。NATOに新たに代表部設置して日本NATO関係を一層緊密にすることで、国際社会全体の平和と安定確保に尽力をしてまいりたいと思っております。  EUについて御指摘をいただきましたが、EUは、欧州連合条約に基づいて、経済、通貨の統合、共通外交安全保障政策、警察・刑事司法協力など、幅広い分野で協力を進める政治、経済の統合体というふうに認識をしております。  NATOは、御指摘いただきました北大西洋条約に基づいて設置された役割あるいは加盟国もEUと異なる別個の国際機関でありまして、テロ、サイバーその他、国際社会の平和と安定確保に資する活動を行ってきている。こことも日本は緊密な連携をつくってまいりたいというふうに思っております。
  74. 井上哲士

    ○井上哲士君 EUだけ言われましたけど、各国にも大使館あるわけですね。様々な協力の強化ということはその外交関係においてやられるべき問題でありまして、こういう軍事同盟に代表部を置くということが憲法の平和原則に果たして相入れるのかということであります。  先ほど答弁ありました、この新パートナー政策、二〇一一年四月策定でありますが、三つの項目が挙げられております。  その三つ目がNATO主導の作戦に係る決定及び戦略形成に作戦上のパートナーが関与できる枠組みを構築とされております。そして、作戦上のパートナーについては、意思決定前に全ての問題に関し意見提出ができ、作戦コンセプト、作戦計画、交戦規定等の文書の議論に関与可能というふうにされておりますが、こうしたことも可能になっていくということでしょうか。
  75. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 新パートナーシップ政策というのは、パートナー国に対してNATOが行う様々な活動への参加を開放するものであります。この政策の下でパートナー国NATOのオペレーションに参加することを求めるものではありません。  日本NATOのオペレーションにこれまで参加した実績はなく、現時点においてNATO主導のオペレーションに参加することは検討しておりません。
  76. 井上哲士

    ○井上哲士君 現時点においてと、こういうお話であります。  衆議院の答弁では、国別のパートナーシップ協力計画がある、いずれにしても憲法の枠内で協力する分野があるんだということが何度も答弁されておられました。しかし、憲法の枠内で協力と言いますけど、この憲法の解釈を勝手に変えて、その枠を拡大してきたのが安倍政権なわけですね。  この二〇一四年の日本NATOの国別パートナーシップ協力計画というのは、これ安保法制強行前に作られたものでありますが、安保法制によって自衛隊の海外の武力行使は大幅に広げられました。昨年十月にNATOの事務総長が訪日されて総理と会見をした際に、この協力計画の見直しを盛り込んだ共同プレス声明を発表しておりますけれども、安保法制の内容というのはこの協力計画の見直しにどのように反映をされるのでしょうか。
  77. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 昨年の十月三十一日、ストルテンベルク北大西洋条約機構事務総長が安倍総理大臣を表敬訪問されたときに、御指摘いただきました日本NATOの国別パートナーシップ協力計画、IPCPの改訂に向けた議論を開始し、日本NATO関係の更なる深化を図ることで一致いたしました。  現在、NATO側と改訂について調整をしているところでございますが、政治対話防衛交流の促進、サイバー防衛や海洋安全保障など、これまでIPCPを基礎に行われてきた平素からの実務的な協力を更に促進する内容にしてまいりたいと思っております。
  78. 井上哲士

    ○井上哲士君 二〇一四年の九月の四日にNATO首脳会談の分科会で、坂場三男駐ベルギー大使出席をして発言をしておりますけれども、七月に集団的自衛権の行使を容認する閣議決定をしたということを説明をして、この閣議決定でNATOとの連携強化も後押しすることになるというふうに言われているんですね。  この安保法制の閣議決定に基づいて法案は強行されたわけでありますが、この法制の成立がどのようなNATOとの連携強化の後押しになるのか、それがやはり反映するんじゃないんですか。
  79. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 平和安全法制により、国民の命と平和な暮らしを守るため、グレーゾーンから集団的自衛権に関するものまであらゆる事態に対して切れ目のない対処が可能になりました。実際に発生した事態が存立危機事態、重要影響事態、国際平和共同対処事態に該当するかどうかについては、個別具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合して客観的、合理的に判断することになります。  共に米国との同盟を有する日本ヨーロッパの間の安全保障面における協力を強化し、日本及び国際社会の平和と安定や国際秩序の維持のため、NATOとの協力を深めていく考えでございます。
  80. 井上哲士

    ○井上哲士君 今ありましたように、安保法制に定められた、例えば重要影響事態安全確保法に基づく後方支援活動であるとか、国際平和支援法に基づく協力支援活動、NATOを母体とする活動も排除されないわけですね。  これ、あの安保法制の議論のときにも随分ありましたが、例えばPKO法改定をいたしまして、国連が統括しない活動も参加が可能になりました。先ほどのアフガンではISAFがNATO中心に組織をされまして、これは実際にはもう、治安維持活動と言いましたけれども、戦闘と一体になって隊員三千五百名以上が戦死をするという、こういうことになりました。これも当時安倍総理に質問いたしますと、もうISAFは活動終了しているので再評価は困難だと、参加できるのかどうかについても答弁がなかった、否定しなかったわけですね。  ですから、やはりこの安保法制というものができたという下でのNATOとのこの協力強化というのは、そういう新しい可能性、問題を含むということになるんじゃないんですか。それがこの坂場ベルギー大使NATOとの連携強化の後押しになると、こういうことになるんじゃないですか。
  81. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) いかなる事態が存立危機事態、重要影響事態、国際平和共同対処事態に該当するかについては、その時々の個別具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合して客観的、合理的に判断する必要があるというふうに思います。ですから、今の時点で一概にどうこうとお答えをするのは困難でございます。
  82. 井上哲士

    ○井上哲士君 そういう安保法制ができた下でNATOとの協力を強めるということはこうした軍事協力の面での強化ということにつながるんじゃないですかと聞いておるわけですけれども、いかがでしょうか。
  83. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) NATOの新パートナーシップ政策というのは、パートナー国に対してNATOが行う様々な活動への参加を開放するものであって、この政策の下でパートナー国NATOのオペレーションに参加することを求めるものではありませんし、日本は現時点においてNATO主導の作戦に参加するということは検討しておりません。
  84. 井上哲士

    ○井上哲士君 現時点においてと強調されますけれども、そういうことが可能になっていくような法制を作っているわけですね。  アメリカ海軍の制服組のトップのグリナート作戦部長が二〇一四年に日本で講演して、この安保法制整備の先ほどの閣議決定を機に、将来的にはNATO軍と同様の共同作戦を展開すべきだと、こういうふうに日本で講演をされました。私は、九条を持つ日本が軍事同盟であるNATOとの協力を強めるということは問題だと思いますが、さらに、安保法制が強行された下で一層危険だということを強く指摘をしておきたいと思います。  その上で、防衛大臣に来ていただきました。この日本NATOの個別パートナーシップ協力計画では、海賊対策等の海上安全保障を挙げておりますし、一六年六月に河野統幕議長は、NATO軍事委員長の公式訪問を受けて、その会談で、会合で、アデン湾における海賊対処活動部隊によるNATO派遣部隊との共同訓練を挙げて、引き続き防衛協力・交流を一層推進させていくと述べております。  これ、唯一挙げた具体的なこの海賊対処活動の共同訓練でありますが、その年の十二月に、NATOは、このアデン湾における海賊対処活動、オーシャンシールド作戦を終了しております。なぜNATO軍はこの活動を終了したんでしょうか。
  85. 鈴木敦夫

    政府参考人(鈴木敦夫君) お答え申し上げます。  NATOにつきましては、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処のため、二〇〇九年八月から御指摘のございましたオーシャンシールド作戦を実施してきましたが、二〇一六年十二月にその活動を終了し、その際、オーシャンシールド作戦が当該地域における海賊を著しく減少させることに貢献し、その目的を達成することができたと発表したものと承知しております。  ただ、他方、現在もCTF151ですとかEUの活動が継続しておりまして、このNATOの加盟国でありましたドイツ、スペイン、オランダ、イタリアなど、こうした国々はEU海上部隊として活動することなどによりまして、この地域で十隻程度の艦艇が海賊対処に当たっているという状況でございます。
  86. 井上哲士

    ○井上哲士君 今ありましたように、NATOは、ソマリア沖における海賊を掃討するという目的を達成したということで、この年の十二月にこの作戦を終了をしております。  このアデン湾での海賊事案は、二〇一一年が最高だったと思いますけれども、それ以降どういうふうに件数は推移をしているでしょうか。
  87. 市川恵一

    政府参考人(市川恵一君) お答え申し上げます。  国際商業会議所国際海事局の年次報告によりますと、二〇一一年に二百三十七件を記録したソマリア沖・アデン湾における海賊事案の発生件数は、近年、近い水準で推移しておりまして、二〇一六年が二件、二〇一七年が九件となっております。
  88. 井上哲士

    ○井上哲士君 激減をしているわけですね。  NATO軍が撤退をしたように、日本が派遣をしたときとは情勢は激変をしたわけですけれども、日本は引き続き派遣をしております。  海上交通の安全確保と自衛隊の活動というのはずっと国会でも議論がありました。一九八〇年代の初めには、いわゆる海域軍隊を自衛隊がするというのは一切考えていないと、こういう答弁もあったわけですね。アデン湾に出すときも、当初はあくまでエスコート方式で日本船、日本の船舶を守るんだと言われておりましたけれども、途中からゾーンディフェンスになって、今海域が割当てをされております。  航空による監視もされておりますけれども、防衛白書におきますと、アデン湾における各国の警戒監視活動の約七から八割を航空隊が担っていると、こういうふうに言われているわけですね。事実上、あの地域の言わば治安を日本の自衛隊が相当部分を監視を担うという、事実上、面でやるということになっています。随分私は当初の話と変わっていると思うんですね。  今これだけ激減をし、そしてNATO軍も作戦を終了しているという下で、日本もこれを続けるというのは見直すべきじゃないでしょうか。大臣、いかがでしょうか。
  89. 鈴木敦夫

    政府参考人(鈴木敦夫君) 今御指摘ございましたが、防衛省といたしましては、海賊を生み出す根本的な原因とされておりますソマリア国内の貧困がいまだ解決されておりません。また、ソマリアにおきます海賊の取締り能力、これがまだいまだ十分とは言えないということなどを踏まえますと、海賊事案の発生件数の減少、これだけを理由に、我が国を始めといたしまして国際社会がこの海賊問題への取組、これをやめることになりますれば、再び状況が悪化するというおそれがあるというふうに考えております。  現実に、例えば二〇一七年四月にはアデン湾を航行するツバル船籍の貨物船が海賊の襲撃を受けたとの連絡を受けまして自衛隊の哨戒機が対応したなど、この地域における海賊問題は依然として油断できない情勢が続いております。  こうしたことから、防衛省といたしましては、今後も引き続き国際社会と緊密に連携しながら、この地域における海賊対処の取組を継続して、海上交通の安全確保に万全を期していくという考えでございます。
  90. 井上哲士

    ○井上哲士君 原因である貧困が解決されていないとか、ソマリアの海賊取締り能力も不十分だと言われました。ですから、我々当初から、そういう貧困の解決とか、そして海賊対処能力強化のための協力したらいいじゃないかと、なぜ自衛隊が行くんだということを申し上げていたわけですね。今こそその方向に私は転換をするべきだと思いますが。  その一方で、この海賊対処のためとしてジブチに基地を設置しながら、南スーダンのPKOの輸送などにも活用されておりました。これ、南スーダンからも撤退をしたわけでありますが、一方、ジブチについては増強計画があります。二〇一五年度の予算でこのジブチの活用方策について委託調査研究を行っておりますけれども、その報告はどういうものなのか。それを受けてどういう施策を検討、実施をしているのか。大臣、いかがでしょうか。
  91. 小野寺五典

    国務大臣(小野寺五典君) 防衛省では、海賊対処行動を効果的に実施するため、平成二十三年六月からジブチにおける活動拠点を運用しており、平成二十五年十二月に策定されました防衛大綱においては、国際平和協力活動等を効果的に実施するという観点から、海賊対処のために自衛隊がジブチに有する拠点を一層活用するための方策を検討するということになっております。  御指摘の委託調査は、防衛大綱で示された方針を踏まえて、中東アフリカ地域における米国、英国、フランス、ドイツ軍などの各国軍の海外拠点の概要、海賊対策や人道支援作戦などの活動状況等についての調査を外部に委託したものであります。  お尋ねのジブチの拠点の活用については、現時点で具体的な方策が定まっているわけではありませんが、防衛省としては、このような委託研究の結果やこれまでの活動実績等を踏まえつつ、遠く離れた地域での自衛隊の活動を効果的に実施していくとの観点から、引き続きジブチに有する拠点の活用のための方策を検討してまいりたいと思っております。
  92. 井上哲士

    ○井上哲士君 私は、二〇一五年に大臣に、これ事実上の海外基地なのに何で活動拠点と呼ぶんだというふうに質問しましたら、大臣は、あくまでも現状の派遣海賊対処行動航空隊の活動のための拠点という考え方で置いておりますので活動拠点と呼ばせていただいておりますと、こういう答弁だったんですね。それから更に時間がたっておりますし、今言われたように、さらに、いわゆるこの海賊対処活動の拠点というのにとどまらない任務を与えて更にこれを拡張していこうという、これは私は、海賊対処の必要性が大きく変わっている下で海外基地として更に増強を図るというのは、これは本当にごまかしだと思います、国民を欺くものだと思います。  こういう方向はやめるべきだということを最後に強調して、質問を終わります。
  93. 浅田均

    ○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。  今回は、私はイージス・アショア配備がもたらす問題点についてお尋ねしていきたいと思っております。  このイージス・アショア、御説明によりますと、イージス艦のSM3の発射台、垂直の発射台と高性能レーダーを地上に配備する方式であるというふうに伺っております。その垂直発射台に今開発中の例えばSM3ブロックⅡAというミサイルを搭載、そこから発射すればこのSM3ブロックⅡAというミサイルは射程距離が二千五百キロメートルというふうに言われておりますので、だから当然ロシア領土も中国領土も射程に入ってしまうということになります。北方領土にミサイル基地を造られるとかいうことになると我が方も反応しますし、北朝鮮のミサイルに関しては皆さん御承知のとおりであります。  それで、ロシアも射程に入ってしまうということで、ロシアの外務大臣がそういう御懸念を示されるというのは当然のことだと思うんですけれども、外務大臣、ロシアのラブロフ外相と会談をされたときに、この点について何か説明をされたという報道がされておりますけれども、その中身について教えていただけますでしょうか。
  94. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 陸上配備型のイージスシステムを含む我が国のミサイル防衛システムにつきましては、我が国国民の生命、財産を守るための純粋に防御的なシステムであるとともに、我が国が主体的に運用するものであって、ロシアを含めた周辺諸国に脅威を与えるものでないということをラブロフ外務大臣についても累次の機会に説明をしてきているところでございます。
  95. 浅田均

    ○浅田均君 ラブロフ外相は納得はされているんでしょうか、理解をされているんでしょうか。
  96. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) こういう説明をしてきておりますが、懸念の御発言をされたこともあるというふうに承知はしております。
  97. 浅田均

    ○浅田均君 申し上げましたように、二千五百キロメートルという射程距離は、中国もその射程の範囲に入ってしまうわけでありますが、ロシアのラブロフ外相、ロシアに対してはそういう説明をされて、懸念を示されることはあるけれども、ある程度納得はいただいているという御答弁でございましたが、中国に関してはどうでしょうか。
  98. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 中国外交報道官は、昨年十二月の時点で、我が国による陸上配備型イージスシステムの導入について問われて、一般論として、日本安全保障分野の動向に対する関心を表明された上で、日本側が慎重に事を運び、地域の平和と安定を促進するために建設的な役割を発揮することを期待するという旨述べられているというふうに承知をしております。  こうしたイージスシステムを始めとする我が国のミサイル防衛につきましては、中国に対しても、例えば日中安保対話などの機会について説明をしてきているところでございます。
  99. 浅田均

    ○浅田均君 それでまた、ミサイルと同時にレーダーのことが問題になってくるんですけど、この件に関してはまた後で質問させていただきたいと思います。  このSM3の迎撃高度は五百キロメートルと言われておりますが、北朝鮮の火星15号ですか、火星十何号ですかね、最新の北朝鮮のミサイル、しかもロフテッド軌道に乗せて発射されていると。千キロを超える高度に達するわけでありますが、そういうロフテッド軌道に乗せられたミサイル、これに対しても迎撃能力はそこそこあると防衛大臣はお考えでしょうか。
  100. 小野寺五典

    国務大臣(小野寺五典君) まず、委員が御指摘の現在の日本のBMDシステム、特にSM3ブロックⅡA等でありますが、これは純粋に防御的な能力であります。来たものを撃ち落とすということでありますので、他国に対しての脅威になるものではないと思っております。  その上で、今御指摘でありますが、お尋ねのロフテッド軌道により迎撃を回避することを企図して発射された弾道ミサイルについては、一般論として申し上げれば迎撃がより困難になると考えられますが、こうしたミサイル攻撃への対応を含め、日本全土を防衛できるよう引き続き万全を期してまいりたいと思います。  なお、能力向上型のSM3ブロックⅡAの導入によって、ロフテッド軌道による攻撃への対処能力も含め、我が国の弾道ミサイル迎撃能力は一層向上するものと考えております。
  101. 浅田均

    ○浅田均君 あのね、そこのところが、今まで何回もお尋ねしているんですけれども、多層的な防衛が可能になると。最後、PAC3というのがあるわけですよね。PAC3なんというのは射程が二十キロで本当にごく近くにまで来ないと迎撃ができないと。だから、その間はイージス艦あるいはイージス・アショアによる対応しかできないわけですよね。それがそこで撃ち落とせないとなりますと、全土はカバーできるかも分からないけれども、迎撃の確率というのが下がるともうかなり危険な状況になると思わざるを得ないんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
  102. 小野寺五典

    国務大臣(小野寺五典君) 今御指摘がありましたように、我が国の弾道ミサイル防衛は、現時点におきましては、海上自衛隊のSM3搭載のイージス艦の上層での迎撃と、航空自衛隊のPAC3ミサイルによる下層での迎撃ということになります。  さらに、今回、能力向上型のSM3ブロックⅡAの導入によりまして、ロフテッド軌道による攻撃への対処能力も含め、我が国の弾道ミサイル迎撃能力は一層向上するものと思っております。
  103. 浅田均

    ○浅田均君 向上するという部分は理解できるんですけど、防衛大臣はどの程度向上するとお考えなのでしょうか。
  104. 小野寺五典

    国務大臣(小野寺五典君) 私どもとしてお答えできる範囲というのは、対処能力を含め、我が国の弾道ミサイル迎撃能力は一層向上するということであります。具体的な内容につきましては、個別具体的な性能につきましては、我が国手のうちを明らかにすることから、お答えは差し控えさせていただきます。
  105. 浅田均

    ○浅田均君 手のうちを明らかにするから答弁を差し控えるという、そういう考え方もあると思いますけどね、手のうちを明らかにした方が明らかに抑止力として働くという考え方もあるんですが、いかがですか。
  106. 小野寺五典

    国務大臣(小野寺五典君) 当然ここでの私どもの答弁というのは、日本国内ではなく海外で様々な方々が見ているということになります。そしてまた、我が国の能力ということがつまびらかになれば、それをまた上回る更なる能力の開発ということにもつながるのが一般的な常識であります。  ということで、是非、個別具体的な性能については、我が国手のうちが明らかになるということですので、この答えで御了解いただければと思います。
  107. 浅田均

    ○浅田均君 ここでは話せないと。だから、この間のように、園遊会でばたっと会ったときにこそっと教えていただけますか。失礼しました。  それでは、このイージスの発射台には、SM3と、それからSM3ブロックⅡAとかSM6、巡航ミサイル迎撃用ですか、様々なミサイルが発射できるようになるというふうに伝えられております。専守防衛という考え方からいきますと、どこまでが使用可能なミサイルと防衛大臣はお考えでしょうか。
  108. 小野寺五典

    国務大臣(小野寺五典君) まず、私ども考えております現在のイージス・アショアでの能力というのは、あくまでも弾道ミサイル防衛等、我が国を守るということがその基本ということになります。  その上で申し上げれば、現在検討しておりますのは、SM3は、ブロックⅡAも含め、我が国に飛来する弾道ミサイルを迎撃するためのミサイル、SM6は、イージス艦に搭載することを念頭に平成三十年度予算において試験弾の取得を予定しておりますが、これも我が国に侵入してくる航空機や巡航ミサイルを迎撃するためのミサイルということで、私どもが想定しているのはいずれも相手からの攻撃を排除するためのミサイルであり、専守防衛考え方に即した装備品であると考えております。
  109. 浅田均

    ○浅田均君 そうしたら、SM3ブロックⅡA、これは射程が二千五百キロ、SM6、これイージス艦に載せて巡航ミサイルの迎撃用と。これ、ここまでは一応専守防衛の範囲内と防衛大臣はお考えという理解でいいんですね。
  110. 小野寺五典

    国務大臣(小野寺五典君) まず、SM3は、ブロックⅠAもⅡAもそうでありますが、弾道ミサイルですから、我が国に飛んでくる弾道ミサイルを迎撃するというシステムということになります。また、SM6につきましても、これは我が国を攻撃するために飛んでくる巡航ミサイルや攻撃機を、これを防ぐということですので、いずれにしても、これは専守防衛我が国への攻撃を防ぐということになると思います。
  111. 浅田均

    ○浅田均君 この間、ロシアの超音速ミサイルの開発についてお尋ねしました。あれがマッハ十ですよね。ブロックⅡAというのはマッハ十五というふうに聞いています。だから、巡航ミサイルをやっつけるためにはマッハ十以上の速度が必要というふうに考えます。  通告していないのでお答えいただけなくても結構なんですが、SM6というのは、そういうマッハ十以上の巡航ミサイルに対して迎撃能力を持っているというふうに御理解されているんでしょうか。
  112. 小野寺五典

    国務大臣(小野寺五典君) 今委員が様々な数字のことをお話をされましたが、基本的に私どもとしては、我が国防衛の能力については、これはお答えを差し控えさせていただくというのが基本であります。  そして、今御指摘がありましたロシアの新型兵器ということでありますが、まだプーチン大統領が対外的にこのような開発をしているという発表をされたということの状況なんだと思います。ただ、いずれにしても、私どもとしてはロシアの新型兵器の開発についても注視をしております。
  113. 浅田均

    ○浅田均君 防衛大臣として、日本国あるいは日本国民の生命と財産を守ることが憲法上の要請であって、それをしっかり守っていくのが防衛大臣の役割だというふうに先般の予算委員会でもお答えになっております。私は、専守防衛という考え方が果たして可能なのかなというところに疑問点を持っておるわけでありますが、あくまでもその専守防衛という考え方の範囲の中で、日本並びに日本人を守っていけると。  それから、個別的な事案に関しては、その能力を、手のうちを明かすことになるので、個別具体的にはお答えできないということであります。それはそれでいいんですが、冒頭申し上げましたように、これで日本は守れるんだというふうに自信を持ってお答えになっていると信じていいんですね。
  114. 小野寺五典

    国務大臣(小野寺五典君) 今、専守防衛についての御指摘がありましたが、専守防衛は、相手からの武力攻撃を受けたとき初めて防衛力を行使し、その防衛力行使の態様も自衛のための必要最小限度にとどめ、また保持する防衛力も自衛のための最小限度のものに限られるなど、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢をいうものであり、我が国防衛の大前提ということであります。  私どもとしては、これを堅持していく考えには今後とも変わりはありません。その専守防衛は当然の前提としながら、厳しい現実に正面から向き合い、国民を守るために真に必要な防衛力を構築していくということで、今後ともしっかりとした備えをしてまいります。
  115. 浅田均

    ○浅田均君 皆さん、そういう御経験がおありだと思うんですけれども、子供のときに僕らマッチ、マッチって、大人はみんなたばこ吸っていましたし、みんなマッチ持っていたんですよね。マッチの頭に付いている火薬を削ってすごく火薬を集めて、あれを傘の棒の中に突っ込んで、これがどれだけの能力、ぼおんと爆発させてどれだけの能力あるんやと。面白いんですよ、面白かったからいろいろやってみた。どこまで飛ぶんやろうとか、どこまで貫徹させるためにはどんだけマッチが必要とかやっていたんですよ。やっていたけれども、これは危ないから、親に、大人に、危ないからやめなさいと言われたんです。そこで一応、私の開発は止まってしまったんですけれど。  だから、危険なものを造っているというのが分かったらこれはやめろと、それも専守防衛のうちと違うんですか。だから、開発、何か悪さして変なもの、新型兵器を造っておると分かったら、分かっている時点で、こら、やめろと言うのも防衛のうちではないんでしょうか。
  116. 小野寺五典

    国務大臣(小野寺五典君) 委員の御指摘は、例えばロシアで今回新型の様々な装備の開発をしていることに関して、それは危ないからやめろというふうに言った方がいいという、そういう御趣旨の質問でしょうか。
  117. 浅田均

    ○浅田均君 どういうふうに捉えられたか分かりませんけど、例えば北朝鮮がミサイル開発をやっていたわけですよね。こんなもの危ないからやめんかって言うたらよかったんですよ。言えなかったんですね。だから、その時点でこれを何か阻止するというのも防衛の中に、専守防衛の中に入るんではないかと。  敵基地攻撃って言われますけれども、そういうのをあらかじめもうやめさせてしまうというのも専守防衛の中に入るんではないかなと私は思っているんですが、防衛大臣、いかがお考えでしょうか。
  118. 小野寺五典

    国務大臣(小野寺五典君) 当然、それぞれの国がどういう目的を持って装備を開発しているかというのは様々その国の目的があると思いますが、少なくとも今御指摘がありました北朝鮮に関しては、日本に対しての弾道ミサイル攻撃やあるいは核使用について言及するなど、これは看過できない状況でありますので、これは日本のみならず国際社会一致して北朝鮮にこのような開発をやめるように過去累次働きかけてきたということであります。  私ども防衛当局でありますので、このむしろ専守防衛委員がおっしゃるような働きかけについては外務省がしっかりやってきてくれていると思っております。
  119. 浅田均

    ○浅田均君 そこで、河野外務大臣のお出番でありますが、THAADというシステムを韓国が配備して、レーダーとセットなんですね。だから、THAADを配備することによって同時に配備されるレーダーが中国動きを把握してしまうと、それによって中国韓国関係が非常に悪くなったと伝えられたことがあります。  今回、イージス・アショアを配備するに際して、やっぱりレーダーとセットですのでイージス・アショアに必要な高性能のレーダーを配備されることになると思いますけれども、そういうレーダーの配備が、THAADにおいて中国韓国関係がまずくなったように、我が国の周辺国、例えばロシアと、あるいは中国関係が悪くなる、そういう御懸念はお持ちではないんでしょうか。外務大臣防衛大臣、お二方にお伺いします。
  120. 小野寺五典

    国務大臣(小野寺五典君) まず、装備の点でありますので私の方からお話をしますが、イージス・アショアは、BMD対応型イージス艦と同様のレーダー、指揮通信システム、迎撃ミサイル発射機などで構成されるミサイル防衛システムということになります。  ですから、弾道ミサイルの探知に必要なレーダーもその一部として搭載をされるということ、これは当然我が国防衛に必要なものでありますから、これは問題がない装備だと思っておりますし、また、今、THAADのことについて言及がありましたが、THAADはミサイル部分とXバンドレーダーというものがセットで運用されます。実は、日本には既に、これは米軍が運用しておりますが、車力と京丹後にXバンドレーダーがございますので、そういう意味では、その配備についても周辺国からの特に懸念があったように私は承知をしておりませんので、今回のイージス・アショアのシステムの導入についても、そのレーダーの問題での指摘というのは特段ないと承知をしております。
  121. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 我が国のミサイル防衛システムにつきましては、日本国民の生命、財産を守るための純粋な防御的システムであり、また我が国が主体的に運用するシステムであって、周辺諸国に脅威を与えるものでないということは累次の機会に説明をしてきているところでございますので、これからもいろいろな機会を捉えて透明性を確保できるように努めていきたいというふうに思っております。
  122. 浅田均

    ○浅田均君 時間が来ましたので終わらせていただきます。ありがとうございました。
  123. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 おはようございます。立憲民主党の福山でございます。  防衛大臣外務大臣も御苦労さまでございます。後で在外公館のことは質問しますが、冒頭、今の北朝鮮情勢についてお伺いしたいと思います。  まあ他党のことだから余りこういうことを言っちゃいけないのかもしれませんが、なぜ今日、自民党の先生が御議論されないのか、御議論是非いただきたかったと思います。もし今我々が政権を持っていたと仮定したら、恐らく自民党の先生方は、外交敗北だった、日本外交何していたんだ、日米同盟は今どうなっているんだと必ず批判をされたと思います。私は健全な批判はするべきだと思います。  私、今非常に危機感を持っています。ついこの間のこの外交防衛委員会で、私は、南北首脳会談米朝首脳会談がセットされたことについて、少し遠慮しながら、日本外交に懸念を持っていると申し上げました。そのときに河野外務大臣は、韓国アメリカ日本、極めて緊密にこれからも連携を取り、くさびが打ち込まれるというようなことにならないようにしっかりと連携をしながら、この北朝鮮非核化を目指してまいりたいとおっしゃられました。そのとおりですが、くさびを打ち込まれたどころか、中朝の首脳会談まで日本は事前にキャッチもできなかった。まあキャッチもできなかったと決め付けちゃいけませんね、河野大臣がおっしゃるには、そこは明らかにできないという状況だと。それで、昨日、安倍総理中国から説明を受けたい、菅官房長官も中国から説明を受けたいとおっしゃった。ということは、説明まだないということですよね。  これ、外務大臣中国からの説明は、いつ、どのような形でお受けになるおつもりですか。電話会談で誰かがお受けになるんでしょうか。いかがですか。
  124. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 中国側から既にしっかり説明を受けておりますが、その詳細については申し上げられません。
  125. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 どのレベルで、どのような形でじゃ連絡を受けたか、お伝えください。
  126. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 申し訳ございませんが、差し控えさせていただきます。
  127. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 なぜ差し控えなければいけないのか、お答えください。
  128. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 内容を公表することについて、両国間で公表するという前提でやっておりません。
  129. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 私は今、内容を公表してくれとは一言も申し上げておりません。中国からの説明を受けたいと総理や官房長官が言われて、アメリカは事前に中国から説明を受けたと聞いている状況だから、いつ説明を受けられたのか、若しくは説明を受けられる予定があるのかとお伺いしているんです。そうしたら外務大臣が受けたと言うから、じゃ、それはいつですかと。内容を聞いているわけではありません。いつ、どのレベルで受けられました。
  130. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) いつ、どのレベルを含め、詳細を申し上げることはできません。
  131. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 私は批判のための批判をするつもりはありません。しかし、余りにも余りでしょう、それは。  外務大臣、私が外交を担当していても、多分外務省に、一体何やっていたんだとか、どこから情報取っているんだって、多分かなりいらついたと思います。  例えば鉄鋼、アルミです。僕、外務大臣頑張っておられると思いますよ。日本立場もしっかり説明されていると思いますよ。でも、三月十六日に相手側のライトハイザー通商代表とやって、この問題についてかなり日本の事情について理解はされていると大臣会談の後言われた。そして、発動の理由は、今回、アメリカは二十三日に安全保障だと言った。なぜ鉄鋼、アルミの関税の発動が日本安全保障関係するのか、僕には理解できません。  NATO韓国もオーストラリアも発動は猶予されている。大臣が事前に行って説明をして、理解をされていると大臣は会見で言ったのに、日本は発動された。これ、何でなんですか、大臣
  132. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 今回のようなアメリカの貿易制限措置は、WTOルールに基づく多角的貿易体制にも悪影響を及ぼし、また、恐らく鉄鋼などの世界市場に混乱を及ぼすことになるんだろうと思います。そういう意味で極めて遺憾であると思っておりますし、そうしたことについてアメリカ側に説明をしてきたわけでございます。  米国が国別の除外を、どこの国に除外をするかというのを発表をしておりますが、これを通商交渉のてこに使っているという側面がこれはあると思います。鉄鋼とアルミへの関税について、新しく、かつ公平なNAFTA協定が署名されない限りカナダとメキシコを除外としないと、これはトランプ大統領がツイートされておりますし、韓国アメリカのFTA協定というのが再交渉されているさなかでもございました。  そういう中で、日本のアルミあるいは鉄鋼というのは高品質で代替できないものが非常に多く、米国の産業や雇用にも多大な貢献をしている、安全保障上の懸念はないということは、ペンス副大統領を始めライトハイザー通商代表アメリカ側もよく理解をしているところでございます。  今後とも、アメリカに対して、WTOルールに基づいた措置であること、また、戦後の国際経済の繁栄を支えてきた国際秩序に、WTOもその一つだと思っておりますが、それに悪影響を与えないような、何というんでしょうか、措置であるべきだということはこれからもしっかりとアメリカ側に伝え、この国際的な経済体制をしっかりと維持できるように、日本としても様々な国と協力努力してまいりたいと思います。
  133. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 アメリカ側がてこに利用しようとしているのではないかという理由らしきというか根拠らしきものを外務大臣が言っていただいたのでもうこれ以上申し上げませんが、ということは、逆に言うと、日米関係は、トランプ大統領との日米関係は、安倍総理が言われているように、個人的な関係、それから日米は一〇〇%共にあると総理が言われても、その関係とは別の次元で物事が動くということを認識して外交をやらなければいけないということで、そういう認識でやらなきゃいけないということですよね。大臣、そうですよね。
  134. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 北朝鮮危機について、日米一〇〇%共にあるというのは、これはもう双方の首脳が繰り返し申し上げてきているところでございます。  例えば、イランの核合意については、日本アメリカ立場が今違うということは日本側からアメリカに申し上げているところでございますし、例えばCTBTについてアメリカに批准を求めるというようなことは、日本側が求めてきておりますが、アメリカは批准を現時点で追求しないという立場も違っております。  全てのことで日米が同じであるかと言われれば、それは違うところがあるというのはある面当然だと思いますが、日米、緊密な同盟国として、そうしたことについてもきちんと意見交換をし議論ができる、そういう関係にあるというふうに認識をしております。  この通商問題についても、日米の国益というのはそれぞれ微妙に違っているところはあろうかと思いますが、国際的な貿易秩序を維持しなければいけないというところは、これは日米、本来国益が一致するはずというふうに思っておりますので、そのようにしっかり努力をしてまいりたいと思っています。
  135. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 国家同士で国益がそれぞれ異なるのは、僕は当然のことだと思います。当然のことだと思います、全部が一致していたらおかしいわけですから。だから外交をされているわけですよね。御苦労いただいているんだと思います。  しかし、北朝鮮情勢に関して言えば、少なくとも日米の国益は一致していると。今、河野大臣が言われているように、そうだと思います。しかし、残念ながら、日米間の連携には、この会談の設定についても日本は、外されたという表現は非常に残念な表現ですが、外されている傾向がある。  これアメリカから、中朝の会談が行われるという連絡アメリカからはあったんですか。
  136. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 外交上の情報がどこでどのように行われているかというのは、一々これを申し上げるわけにはいきませんので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
  137. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 これ逆に言うと、国際社会から見れば、北朝鮮情勢、北東アジア安全保障環境の問題については、日本はプレーヤーとして今動いていないと見えているんじゃないですか。そのこと自身が国益を害しているんじゃないでしょうか。私は批判のための批判をしたくないので、あえてこのことをどうプレーヤーとして位置付けていっていただくのかについて、これ外務省も防衛省も本当に御努力いただかなきゃいけないと思いますよ。何でこういう状態になったのか。  更に加えて申し上げれば、日米の首脳会談の内容、それから、今、安易に日朝の首脳会談だという報道や御意見をされる方もいらっしゃいますが、この状況で本当に日朝とかを求めていくことが日本の足下を見られないのか、そのことも含めて慎重に対応を検討いただきたいと思います。  我々は野党です。もう隔靴掻痒で何もできません。やっていただくのは、外交当局、外務省の皆さんに御尽力いただかなきゃいけないんですけど、この事態がなぜ起こって、日本がプレーヤーとして本当に参加していないように見えている状況を何とか払拭していかないと、日本の知らないところで朝鮮半島非核化の議論も行われている可能性もありますので、そこは、こんな余り批判的なことばかり言いたくありませんが、でき得れば、野党がどうせ批判を言っているんだろうという受け止め方ではなくて、真摯に受け止めていただきたいと思いますが、外務大臣、いかがですか。
  138. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 先週でしたか、JCPOAの交渉をやったウェンディー・シャーマンとお目にかかりましたが、JCPOAの交渉もいまだ歴史になっていないから中身は外には申し上げられないというような話をされておりました。  こういう外交交渉というのは、その時々の報道が評価するものではなくて、歴史が評価するものだというふうに考えて私は外務大臣をやっております。今、世の中で日本がプレーヤーとしてやっているのかどうかと見られているかどうかというよりも、実際にプレーヤーとしてやっているかどうかということが大事なのであって、どう見られているかというのを一々その時点で評価をする必要は私は全くないというふうに思っております。  いつの日か回顧録を書くようなことがあったら、そのときにその時点で書けることは書きたいとは思いますが、外交というのはそういうものであって、あのイランの核合意のときに誰がどう動いたか、核合意について今、様々本が出ておりますから、その本を、一生懸命私もいろんな本を読んでいますけれども、当のウェンディー・シャーマンに言わせれば、それは、あの本はこう、この本はこう、そういうことのようであります。  ですから、今、日本がどういうふうに見られているかということを気にするのではなくて、実際、日本が何ができて、最終的にこの危機を世界の平和と安定を取り戻すためにどう解決できるかというところに絞って、評価はいずれ歴史がしてくれる、そういうことで私はよろしいと思っております。
  139. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 いや、私は外務大臣のおっしゃることはそのとおりだと思いますよ。そのとおりだと思いますが、連絡が来たかも来ないかも言えぬというのは歴史の検証の話とはちょっと違います。河野大臣の言われる、本当に歴史の重みに堪えられるような動きは別に今言っていただきたいと私は一度も申し上げているわけではありません。大臣のおっしゃるようなことはそのとおりだと思いますが、それなら外務省に、想定外だったとか、今、北が中国を訪中するとは思わなかったとか、外務省の幹部に発言させるようなことは厳に慎んでいただきたい。  そういう状況だから懸念が広がっているんじゃないかと申し上げているんです。もちろん、外交ですから、結果が良ければ全て良しです。それぞれの、韓国中国アメリカも、それぞれの御尽力をいただく中で、朝鮮半島非核化、私は米韓同盟は維持していただきたいと思っていますが、少なくとも北朝鮮非核化が具体的なプロセスになるような結果が得られれば、何の文句も何の批判も僕はありません。  しかし、その中で別に日本がプレーヤーとしていなくても、結果が出ればそれで結構だと思います。しかし、そこが今の状況の、大臣答弁報道を拝見しても分からないから、今、野党に身を置かれている者としてはそのことについては懸念を申し上げておきたいということでございますので、歴史の評価に堪えられる成果を上げていただくように御尽力いただくことを心からお願い申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
  140. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば、酒も食事もうまいです。  今日は何の日でしょうか。この日何の日、気になる日。肉の日です。食事はやっぱり、好き嫌いもありますけど、元気の秘密というのは食から得るしかないと思いますんで。  ここのところいろいろ委員会も続いておりまして、皆さんも大分エネルギーも消耗されているかと思いますが、ひとつ、今、福山先生が言われたような、本当に聞きたいことが聞けないというのがこの国会にいて感じることです。そこは、言えること言えないことあるかもしれませんが、一番大事な部分を我々は聞かせていただきたいと思いますが。  そこで、在外公館について今日は質問をまず最初にさせていただきますが、ダバオの日本総領事館の新設についてお伺いします。  ダバオへの直行便はありませんが、最近はビジネス拠点として注目されています。ドゥテルテ大統領の地元で、大統領がマニラとダバオを往復し公務に当たっているとのことで、今後も重要拠点であると思います。  私も、今フィリピンで大変なボクサー、マニー・パッキャオ、去年の暮れに誕生日に招待されたんですが、ちょっと予定が合わなくて、電話では話をして、今、ドゥテルテ大統領から大変信任が厚いというか、あるいは次の大統領候補とも言われております。  私の信条はスポーツ交流、スポーツ外交ということで、そういう国民影響力を持っている人たちとも、世界中に何人か友達も持っており、政治の世界と同時に、スポーツ交流を通じて世界平和というテーマを言い続けてきております。今回の平昌もまさに、本来は、政治とスポーツは別だというのが本来だったんですが、やっぱり政治はそこをうまくスポーツを利用し。  そこで、これから在外公館ができるわけですから、ダバオの日本からの観光客はどのくらい現状あるのか、お聞かせください。
  141. 志水史雄

    政府参考人(志水史雄君) お答え申し上げます。  二〇一六年のフィリピン観光省統計によりますと、ダバオ市を含むミンダナオ地域への日本人渡航者数は二万三千九百十五人と承知しております。
  142. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 御存じのとおり、ドゥテルテ大統領は一九八八年から二〇一六年六月までダバオ市長を務め、喫煙の取締り、十六歳未満の夜の九時以降の外出禁止、バーやクラブなど営業時間を制限、麻薬組織の戦争、タクシーのぼったくりを禁止と、いろいろ、また違反者への罰金、拘留、営業停止など、徹底した改善を行っていますが、ダバオの犯罪発生率、劇的に減少したと聞きますが、その後どうなっていますか。
  143. 志水史雄

    政府参考人(志水史雄君) お答え申し上げます。  一般論として申し上げますと、ドゥテルテ大統領がダバオ市長を務めた計二十二年間でダバオ市の治安は大きく改善したと言われております。  他方におきまして、二〇一六年九月、ダバオ市内において爆破テロ事件が発生、ドゥテルテ大統領は国家非常事態宣言を発表しております。また、ダバオ市ではございませんけれども、昨年五月に、ミンダナオ島中部のマラウイ市というところがございますが、ここにおきましてイスラム過激派による占拠事件が発生しております。その際には、ドゥテルテ大統領はミンダナオ全域に戒厳令を布告し、昨年十月に戦闘は終結いたしましたが、戒厳令は現在も継続しているところでございます。  このように、ミンダナオ地域はテロ発生の不安定要因もありまして、地域の治安、テロ情勢の観点からも現地における情報収集必要性が高まっており、こうした事情も踏まえて、今般、ダバオに総領事館を新設することをお願いしているところでございます。
  144. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 我々、観光客、外国に行ったときに一番やっぱり安心できるという部分では、日本は本当に、ああ、いい国だなと。先日、去年の暮れもブラジルに行って、もうとにかく道を歩くときは気を付けてくださいと。まあ、そういう意味では、もっと日本の治安の良さを世界に売っていったらいいと思います。  そこで、北朝鮮問題に入りますが、先日の予算委員会でも、対話のための対話はしない、総理も大臣の皆さんもずっと同じ答弁を繰り返しています。最近では、圧力を掛け続けたから北朝鮮対話に応じてきたと答えていますけれど、北朝鮮の方で出した新聞の中身、これは当然全く違う逆のことを言っていますね。日本日本のやっぱり、何でしょう、うそを言っているわけではないと思いますが、耳触りのいい言葉に変えている部分があるんじゃないかと思います。本当にこれは、外交に勝利なしという言葉をずっと言い続けてきていますが、相手の立場からすると、全くもってそういう、今、日本が言っていることはないという、この向こうの新聞にも書いてありますが、既に諸外国で北朝鮮との対話が今始まり、既に中国、そしてアメリカ、ロシア、そういう中で、対話対話はしない、これは既に賞味期限が切れて、もうちょっと表現の仕方を変えたらいいんじゃないかと。  なかなか、人が言葉を変えるというのは難しいんですが、もうちょっと今の状況に沿ったような、皆さんが受け入れられるような言葉に変えたらいいと思うんですが、ひとつ、一般の人です、私はそう思っていませんが、まあ、日本外交ぼけしているんじゃないかと、そういうことの言われないような外交の在り方、あるいは言葉を選んでいただきたいと思いますが、その点についてお聞かせください。
  145. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) これまで国際社会北朝鮮と少なくとも八回対話をし、ことごとくだまされ続けてまいりました。ですから、この対話のための対話をしない、あるいは北朝鮮対話に出てくることによって対価を得ることはないということは、これは別に日本が言っているわけではなくて、国際社会全体でそう言っているわけでございます。  今回も南北首脳会談米朝首脳会談が予定をされておりますが、この会談、対談に、対話に出てくることによって北朝鮮が得るものは何もないというのが、これは国際社会の共通認識でございます。  北朝鮮は、完全な、不可逆的な、かつ検証可能な非核化に向けて、現実的、具体的に行動を取らない限り、現在の国際社会一致しての圧力というのは続くわけでございまして、これは、様々な国々、地域とそれぞれ確認をしてきているわけでございます。  中朝の対話が行われましたが、中国国際社会の責任ある一員として行動をする、つまり、現時点で中国国連決議に基づく経済制裁をやめるということにはなっておりません。  ですから、この対話のための対話はしない、対話に出てくることだけで何か対価を得られることはないというのは、これは別に日本だけが言っている話ではなくて、国際社会が今も一致して申し上げていることでございますし、この国際社会一致した圧力があったからこそ、北朝鮮が今様々な対話を模索する、そういう段階になったという、これも国際社会の共通した認識でございます。  今、我々は、この南北対話米朝対話がどのように発展していくのか、それによって北朝鮮が具体的にどのような行動を取るかというのを見ているわけで、これは別に日本がほかの国と違う外交をやっているわけでもなくて、国際社会一致してこの方向で外交をやっている、そういう御説明ができるのではないかと思っております。
  146. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 先ほど福山議員からの質問の中にもありましたが、やはり情報というのは、どこでどれが正しいかというのは全く我々には分からない部分があるんですが、一つにはやはり交流という部分で、そこから本音の話というのを、こいつだったらここの辺までしゃべってもいいかなということが、私の今までのロシア外交もそうだしイラクもそうだし、そういう部分で、私の経験でしか物は言えませんが、金正恩委員長中国を訪問し、習近平主席会談を行いました。予算委員会でも言いましたが、話合いの方向で行くという根回しは昨年暮れから始まっていたのではないかと思います。  そんな中、当時、我が国のマスコミは戦争が始まるのではないかという、アメリカがあしたにでも攻撃を掛けるのではないかと。しかし、私なりの得た話の中では平昌オリンピックで南北の大物の対話が行われますというようなこともあり、取材や委員会で何度か戦争はその当時ないよと。しかし、一般的にはもう明日にでも戦争だという空気であおっていて、それは本当に、これは余り表では言えないかもしれませんが、軍産複合体じゃないけど、それによって利益を得る人たちがいる。こういうことはなかなかこういう場では言えないんですが、でも事実、そこにある元は何かというと、我々が聞かされる情報とは全く違う中での、やはり、もっと言えば我々は興行師でしたから、プロレスの、戦争プロモーターというのがいるのかもしれない。  そこで、外交機密もあると思いますが、今回の改ざん問題や本当に国民が知りたいことは報じられてなく、これについて、今言ったようなことについて、これから外務省の体質批判というよりは、これから我々も北朝鮮問題に関してはできるだけ何かお手伝いできればと思いながら、批判はさておき、スポーツ交流というのは誰も反対ができないということでやってきました。その点について意見を聞かせてください。
  147. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) まず申し上げなければいけないのは、この北朝鮮危機で挑発を行っているのは北朝鮮でございまして、世界中の誰一人、紛争、戦争など望んでいないということをまず申し上げなければいかぬと思います。国際社会は、北朝鮮のこうした核やミサイルによる脅しに屈することなく、状況をしっかりと分析して冷静に対応していかなければならないと思っております。高い緊張感を持って、様々な情報をしっかり分析をし、警戒監視態勢を維持しながら、国民の安全を守るために最善を尽くしてまいりたいというふうに思っております。  国際社会の中での外交活動には、その性質上、なかなか同時並行的に全て申し上げるということができないというところがあることは御理解をいただきたいというふうに思っております。
  148. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 いろいろ今回の米朝会談や何かが実現する方向、とにかくこれはみんなが話合いをすることはいいことだという私の基本的な思いがありますが。  想定外の話、想定内、いろいろ出ますが、やはりこうなったらこうなるよ、こうなったときにはこういう手をというような、これは質問してもお答えしていただけないと思いますが、リングの上で言えば、当然これはパンチしか計算しない、ここからも来るかもしれないよという、その辺を外交の一つ、もうちょっと、何というんでしょうか、真剣勝負というか、その辺を米朝会談、そして今回、安倍総理・トランプ会談も控えていますので、戦いの論理、それからもう一つは平和という方向に、何とか日本がもっともっと力を発揮して、出遅れたという話もありますが、それはさておき、リーダーシップが取れて、とにかくみんながうまくいく方向で話を持っていっていただきたいと思います。  北朝鮮我が国連絡事務所を、もう一つ、前からも言っています、連絡事務所ですから、アメリカの場合は代理のそういう事務所的なある種の大使館がありますし、日本もその辺を考えたらいかがかと思いますが、どうでしょうか。
  149. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 現在の状況に関して申し上げれば、我が国として現時点で北朝鮮に、今お話のありました連絡事務所を設置する考えはございません。  これは現時点、こういう状況の中でということでございますが、日本立場は、日朝平壌宣言に基づいて核、ミサイル、拉致問題を包括的に解決し、国交正常化しようという我が国立場には変わりがございません。そうした動きに今後なっていくようなことがあれば、また様々なことを考えることはできるかと思いますが、現在はそういう状況にないというふうに考えております。
  150. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 時間も余りなくなってきましたが、一つは、一番、私は、中東関係という部分では今回、過激派組織ISは掃討作戦によりイラクとシリアの支配地域の九八%を失い、IS兵士は三千人にまで減ったと言われています。この辺、なかなか日本も、そのときそのときのメディア報道の仕方も変わってきますので、ただ、やっぱりこれは世界規模で見たときに、いつも中東の件は注目しておかなければならない。ODAにしても、いろんな国にも日本は応援していると思いますので、その点について、時間がなくなりますけど、ISについての今の現状をお聞かせください。
  151. 高橋克彦

    政府参考人(高橋克彦君) お答えいたします。  イラク及びシリアにおけるISILの支配領域の縮小それから弱体化に伴いまして、外国人戦闘員が出身国への帰還、又は第三国に移動していると言われておりまして、大きな脅威となってきております。これら外国人戦闘員の動向につきましては、我が国としても関心を持って情報収集に努めておりまして、いろいろな情報を見ておりますけれども、正直申し上げまして、いろんな情報、分析ございまして、なかなか一概にお答えすることは困難な状況にございます。  いずれにいたしましても、本件に関してはテロ拡散防止の観点から、この外国人戦闘員の帰還、第三国への移動の問題、重要でございますので、引き続き関係国と緊密に連携、情報収集しながら対応してまいりたいと思っております。
  152. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 お聞きしたいことがあと幾つかあったんですが、時間もあれですので、次回また、旧ソ連の、あるいは今報道されている化学兵器というんでしょうかね、こういう問題も、本当に遠い国ですけど、我々の身近な部分として、また逆に言えば日本がそういう情報をほかの国よりも持っているかもしれないし、その辺について貢献ができればと思います。  ありがとうございました。
  153. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 沖縄の風の伊波洋一です。  在外公館の改正法案ですが、NATO政府代表部を新設することは、安倍政権下で強行された安保法制における憲法九条違反の海外での武力行使、海外派兵に関する連絡調整につながるものでもあり、沖縄の風として反対いたします。  二〇一六年九月十四日の本委員会で、二〇〇〇年九月十一日に2プラス2で合意された環境原則に関する共同発表が遵守されていないのではないかと指摘した私の質問に対して、当時の岸田外務大臣は、「我が国としましては、御指摘の点も含めて米側がJEGSに基づいてしっかりと対応するよう働きかけていく、これはあるべき姿として重要であると考えます。」と答弁されています。  外務大臣にお尋ねしますが、環境原則に関する共同発表の遵守について、改めて河野大臣認識を伺います。
  154. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 日米間では平成十二年に環境原則に関する共同発表を発出し、環境保護の重要性に言及するとともに、在日米軍は、日米の関連法令のうち、より厳しい基準を選択するとの基本的な考えの下に、日本環境管理基準、JEGSを作成することなどを確認してまいりました。平成二十七年に締結された国際約束である日米地位協定の環境補足協定においても、米国はJEGSを発出及び維持することとされております。米側によるJEGSに関する取組については、これらも踏まえ、これまで継続して実施されてきていると承知しております。  外務省としては、今後とも、関係省庁と連携しつつ、平成十二年の環境原則に関する共同発表及びJEGSに基づき、米側が環境保護及び安全への取組を適切に実施するよう機会を捉えて働きかけてまいりたいと思っております。
  155. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 日米2プラス2で合意した環境原則に関する共同発表では、日本国政府及び米国政府は、環境保護の重要性認識し、在日米軍による環境保護の取組は日本環境管理基準、JEGSによって行われると確認し、JEGSは下位の規則として自然資源・文化資源統合管理計画を規定しています。  日本政府として、在日米軍に、環境原則に関する共同発表、JEGS、自然資源・文化資源統合管理計画の遵守を求める、また環境原則に関する共同発表は日米2プラス2の合意ですから、外務省と防衛省が全体的な取りまとめの責任を負うという理解でよろしいでしょうか。
  156. 江口博行

    政府参考人(江口博行君) お答え申し上げます。  JEGS、日本環境管理基準は、在日米軍施設・区域におけます在日米軍の活動に関する環境管理基準として、日米の関連法令のうち、より厳しい基準を選択するとの基本的考え方の下に在日米軍により作成されているところでございます。このような考え方に基づき作成されましたJEGSに従いまして、在日米軍におきましては施設・区域の環境管理を行っているものと考えております。  その上で、在日米軍に起因する環境問題につきまして、必要に応じまして、日米合同委員会の下の環境分科委員会の枠組みなどを活用いたしまして米側と協議をし対処することで適切な環境保全が図られるものと考えてございます。
  157. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 外務大臣、今の答弁でございますが、先ほどからの質問について、取り組まれていると考えている、というような認識なんですけれども、日本政府立場は。外務大臣外務省や防衛省として、要するに2プラス2合意を実施をさせていく責任、これを認識しているのでしょうか。そこについて、主体的に防衛省や外務省がやっているかどうかについてどのように御認識でしょうか。
  158. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 日米合同委員会の下に環境分科委員会というものが設置されております。これは日本側は環境省がヘッドになっているものでございますが、ここでしっかり米側と議論が行われているはずでございます。
  159. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 しっかりやっているはずでございます、と。私、この間いろいろ議論しながらそのことを確認をしてきましたけれども、しっかりはやっていないんですね。基本的に何がやられているのかすら分からない、こういう状況です。  そういう意味では、私は、やはり2プラス2合意でしっかり環境原則の共同発表などというような大げさ、ある意味でホームページに掲げている、このようなことを言いながら、実態的にはほとんどそれが有効でないという状況を、この間、防衛省や外務省あるいは環境省のレクを通して理解をしてまいりました。  そこで環境省にお伺いしますが、環境分科委員会はどのようなものでしょうか。
  160. 江口博行

    政府参考人(江口博行君) お答え申し上げます。  御指摘の環境分科委員会につきましては、日米地位協定第二十五条に基づきまして設置されました日米合同委員会の下部機関の一つでございまして、在日米軍に係る環境問題につきまして協議をするため定期的に開催されております。同分科委員会日本代表は環境省、米側の代表は在日米軍司令部、それぞれ課長級がなっております。  環境分科委員会で取り扱う環境問題につきましては、在日米軍の活動に起因して生じる環境問題などでありまして、日米合同委員会から付託された事項又は環境分科委員会の議長が取り上げることに合意した事項とされてございます。
  161. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 ただいま答弁ありましたように、環境分科委員会は、一九七六年七月八日に開催された日米安全保障協議会委員会第十六回会合において、両政府が今後とも環境保全のため最善を尽くすことの必要性につき意見の一致を見たことを受けて合同委員会の下に設置されたということです。環境分科委員会日本代表は、環境省大気環境局総務課長です。環境分科委員会については、日本政府はブラックボックスにしていて、これについて詳しい説明をすることはありません。しかし、米側は、二〇〇二年七月三十一日の在日米軍司令官命令九〇―二〇三をネットでも公開しており、そのうちの二・二項、合同委員会は、随時合同委員会が照会する技術的な問題について助言を与え、勧告をなすことを目的として、手続と権限について分科委員会やその他の補助機関を設置する、と規定しています。  平成十六年度の沖縄・米軍北部訓練場におけるマングース及びノネコ捕獲事業の報告でも、環境分科委員会の勧告を受け、日米合同委員会が事業を実施すると表現されています。環境分科委員会には合同委員会に技術的な助言や勧告をするという権限があるようです。ただし、このマングース捕獲事業そのものは、その四年前から沖縄県が始め、そして環境省とともに北部訓練場にも適用するということを認めたということだけでありますけれども、そういう意味で、この環境分科会の委員会の役割が十分に説明されていないと思います。  JEGSは、十三章で、絶滅危惧種や天然記念物の個体保護のみならず、生息域の保護を義務付けています。これはお手元の資料、配付した資料の中にもその一部を添付してございます。  防衛省の〇七年の北部訓練場自主アセス、一二年の辺野古アセスでは、北部訓練場やんばるの森は特別天然記念物ノグチゲラの生息域であり、辺野古、大浦湾は天然記念物ジュゴンの生息域であることが確認されています。北部訓練場、高江オスプレイパッド建設工事や運用実態、辺野古の建設工事の実態を見ても、希少種の生息域の環境が著しく破壊されています。日本政府として、米軍に対して、希少種であるノグチゲラやジュゴンの生息域保護を求めるべきです。  環境省にお伺いしますが、これまで、環境分科委員会で希少種、ノグチゲラやジュゴンの生息域の保護を議題として協議したことがありますか。
  162. 江口博行

    政府参考人(江口博行君) お答え申し上げます。  環境分科委員会の協議内容につきましては、日米両国政府の合意なしには公表しないこととされてございまして、これを公にすることにより、米国政府との信頼関係が損なわれるおそれがございますことから、お答えは差し控えさせていただきます。
  163. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 このように、日米合同委員会あるいは環境分科会などで何が行われているかというのは一切公表されないんですね。本当にやってきた実績があるのかどうか、それは我々は知ることができない。そしてまた、今申し上げた米軍のインストラクションでは、どのように在日米軍全体の中からこの合同委員会に提起する議題をつくり上げていくかということがきちんと知らされているにもかかわらず、日本側ではそういう仕組みが全くない、そのことすら明らかにされていない。  つまり、これだけ膨大な面積にいて、その在日米軍に対して日本側が受けている被害をどのように解決するかということを日本政府自体がやっていないということをまさに示すものであります。  私が、米国情報公開請求をして提示されたのが、皆さんお手元の資料にあります自然資源・文化資源統合管理計画です。  その計画の中には、二〇〇六年二月付け、那覇防衛施設局の北部訓練場ヘリコプター着陸帯移設アセスについて、その参照資料としてドラフトアウトラインが挙げられています。  これはどのような文書でしょうか。また、誰から誰にいつ提供したのでしょうか。
  164. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  委員御指摘の資料につきましては、防衛省が事業者として自主的な判断により実施した北部訓練場ヘリパッド移設事業における環境影響評価図書案の概要、この図書案の概要は、題名を「環境影響評価図書案のあらまし」という冊子にいたしましてこれは公表しているところでございますが、これは日本語版についてはもう冊子にして公表しているところでございますが、この文書ではないかと思われます。  御質問いただきましてから、これが米側にいつ渡したのかについて今確認をしておりますけれども、現時点ではまだいつ誰から誰に渡したかまでは確認ができておりません。
  165. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 それでは、今ちょっと提示しますけど、これのことですよね。(資料提示)
  166. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) まさに先生が今示されたもの、この冊子だと思われるというのが、我々の今認識しているところでございます。
  167. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 私がこういうことをなぜ指摘するのかというと、皆さんお手元の資料にある在日米軍海兵隊、在日海兵隊のいわゆる環境に関する統合管理計画、この中にアセスの反映が基本的にされていない、二〇〇七年アセスの反映がされていないということを指摘したいからです。  この資料の後ろの方には、このアセスに入っているノグチゲラの場所とか希少種のあるところの表示がされています。これはまさにオスプレイのヘリパッドが造られている場所ですけれども、いかに物すごい多様な生物がいるかということが明らかです。そのことを、この渡したあらましは一体どのくらい伝えているのか。実態としてはほとんど伝えていません、こういう事実は。ヘリパッドが造られる場所はまさに希少種の宝庫であるということは伝えていません。  でも、中ではどういうふうに書かれているか。ここの中には、北部訓練場の考え方として、「ヤンバルの自然保護の観点からも、一体の環境域として保全・保護する必要があると考えられる区域については、極力、新たな施設の建設は避ける。」、方針です。さらに、「ノグチゲラなどの特に注目すべき種の重要な生息地の保全に最大限配慮を行う」、これが方針として提示され、そして、今回選定された箇所は、以前に選定された場所が余りにも自然が貴重だから、新たな別のところを含めた検討を行った上で選定したという評価がなっています。これは詳しくはまた次の機会にしますけれども。  しかし、その中で何が残されたかというと、最終的にアメリカが最初から求めていたところ、GとHですね。一番アメリカ軍が最初から求めていたところ、実はこここそが自然は一番豊かである。そういう場所が巧妙な形で抜かされている。  そして、最終的に、この後ろの方に、皆さんの、アセスに書かれた選定理由があります。何かというと、これは、全部米軍の運用によってここを選択したんだということがきちんと書かれています。つまり、環境は豊かだけれども、米軍の運用だからこそこれを選択したと。  しかし、皆さん、JEGSはそもそも何と書いてあるか。生息域、絶滅危惧種や天然記念物の生息域を保護する義務を米軍に与えているんですね。だから、米軍はそこを選択することは本当は許されないんですよ。許されないけれども、日本政府はそのことを承知、まあ承知していなかったのか、あるいはそのことまで主張しなかったのか分かりませんが、結果的にそこが、最初から狙われたところが選択されていく。でも、これで読む限りそうではないかのように書かれているということを、是非後で詳しくこれを検証していきたいと思いますが、今日はできませんけれども、結局、この事業で直接環境に影響を及ぼしているのは防衛省です。北部訓練場、高江オスプレイパッド周辺はもちろん、辺野古の工事区域も米軍の管理権が設定された区域であり、JEGSの第一章三の八によればJEGSの適用対象です。  そこでお伺いしますけど、米軍に共同発表やJEGSで規定された環境保護の義務を遵守させるため、米軍の管理権が設定されたこれらの地域における希少種の保護について、環境分科委員会において協議する、そのための議題として設定するべきであると思いますが、いかがでしょうか。
  168. 江口博行

    政府参考人(江口博行君) お答え申し上げます。  在日米軍の各施設・区域におきまして発生する環境問題につきましては、まずは現地米軍と関係当局の間で適切に対処されるものと承知をいたしております。その上で、必要に応じまして日米合同委員会の下での環境分科委員会の枠組みなどを活用いたしまして米軍と協議をすることとしておりまして、こういった仕組みにおきまして日米間での情報の共有等が図られるものと考えてございます。
  169. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) 今環境省からお答えがありましたが、防衛省として今委員から御指摘のあった観点でございますけれども、北部訓練場のヘリパッド建設につきましては、私どもも自然環境に与える影響ができるだけ少なくなるよう米軍と調整しまして、例えば、かつては七つあったヘリパッド全てを移設するのではなく六つにとどめる、また、直径七十五メートルの大きさで整地する必要があったところ、これは米側と調整をいたしまして、必要最小限度の四十五メートルの直径のものに縮小する等の措置をとりまして、御指摘ではありますけれども、我々も環境に与える影響を少なくするように努力を行った上で、北部訓練場のヘリパッド移設を行ったところでございます。
  170. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 防衛省の反論についてはいずれまた反論しますけれども、前委員会でも確認をしたとおり、合同委員会は在日米軍司令部が米国政府を代表して協議する機関であり、米軍の論理が優先されます。米軍がJEGS等を遵守しているかを確認する機関が、米軍自身では有効なチェックは働きません。  そこで、外務大臣にお伺いしますが、共同発表あるいはJEGS、自然資源・文化資源統合管理計画の遵守状況について、環境省を中心防衛省、文化庁が情報を共有しつつ、最終的には外務省が確認をするという仕組みをつくるべきではないでしょうか。どうでしょうか。
  171. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 先ほど申し上げましたように、米側によるJEGSに関する取組については、これまで継続して実施されているというふうに報告を受けておりますが、今いろいろ問題提起をいただきましたので、このJEGS並びに沖縄の、あるいは米国の基地内の環境について政府としてどのように対応していくのが最適か、少し検討してまいりたいと思います。
  172. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 是非それを抜本的に考え直していただきたいと思います。  何しろ在日米軍というのは、我が国最大のいわゆる事業体なんですね。その事業体が占めている面積は膨大です、空域などを含めればですね。それに対して有効な規制の仕方はあるんですね、JEGSを含めて。ですから、それを日本政府が活用しなきゃいけない。やはりそこを訴えて、終わりたいと思います。
  173. 三宅伸吾

    委員長三宅伸吾君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  174. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党を代表して、在外公館法の一部改正案に反対の立場から討論を行います。  本法案の内容には、外務公務員の在勤基本手当の基準額の改定、子女教育手当の支給額の改定及び在ダバオ総領事館の新設が含まれ、これらはいずれも必要な措置と認められるものですが、同時に、NATO日本政府代表部の新設が含まれます。  NATOは、集団的自衛権による相互防衛義務を定める軍事同盟機構です。元々は侵略に対する共同防衛を行うとされていましたが、それにとどまりません。  二〇〇〇年四月に採択したNATOの新戦略概念において、地域の危機だと判断すれば他国への干渉、介入の軍事行動を行う方針を宣言し、コソボ紛争やアフガン戦争では実際にNATO加盟国軍による域外での武力行使が行われました。このような外国の紛れもない軍事同盟機構に日本政府代表部を置いて協力の強化を図ろうとすることは、憲法の平和主義と相入れないものであり、認められません。  同時に、安倍政権の下で行われるNATOとの協力の強化は、非軍事に限るとしてきた従来の協力の在り方を大きく一変させることにもつながりかねない現実の危険があることを指摘しなければなりません。  安倍政権が、二〇一五年、憲法を踏みにじって、国民多数の声も無視して安保法制を強行しました。これにより、自衛隊が米軍にとどまらず、その他の外国軍隊に対しても兵たん活動や支援活動を行うことが可能となり、まさに世界中で米軍やその同盟国の軍と一体となって軍事行動を行う道が開かれました。  既に、法制上はNATO諸国の軍隊も協力の対象となり得ます。軍事協力の拡大につながる措置はとるべきでないということを強調して、反対討論といたします。
  175. 三宅伸吾

    委員長三宅伸吾君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  在外公館名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員給与に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  176. 三宅伸吾

    委員長三宅伸吾君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  177. 三宅伸吾

    委員長三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十七分散会