○浦野靖人君
日本維新の会の浦野靖人です。
我が党を代表して、
働き方改革を推進するための
関係法律の
整備に関する
法律案について
質問いたします。(
拍手)
終身
雇用、年功
賃金といった
日本型
雇用慣行の構造
改革を進めることで
労働市場の流動性を高めることは、
企業の競争力
向上と経済
成長につながると考えています。
日本維新の会は、
成果給への転換
法案や解雇ルール明確化
法案等を議員立法として
提案してきたことから、
政府の
働き方改革は、構造
改革を進めるものであり、
一定の評価をしています。
正規雇用者は一度採用されたら基本的に解雇されない一方、全体の四割近くを占める非
正規雇用者は、景気動向や会社都合により雇いどめされる不安定な
状況に置かれています。
正規雇用者が既得権益化し、非
正規雇用者が割を食うのではなく、
同一労働同一
賃金の
もと、多様な
働き方が可能な
社会であることが必要です。
しかし、同じ
企業内で働く正社員と非
正規労働者間で、
賃金については
待遇差の
是正に向けた
取組が進められることになる一方、退職金や住宅手当等の各種手当などの福利厚生については明記されていません。
同じ職場でこのような
待遇差が生じると、モチベーションの低下にもつながります。
賃金以外の部分に係る
待遇格差の
是正について、今後どのような
取組が必要とお考えでしょうか。総理大臣、お答えください。
また、本
法案が目指す本来の目的から逸脱し、大
企業によって、
同一労働同一
賃金が、下請となる中小零細
企業に対してのコスト引下げの口実として濫用されないことが必要です。
政府として、
同一労働同一
賃金を適正に普及させていくため、具体的にどのような
取組を進めていくのでしょうか。総理、お答えください。
日本の
企業においては、個別
労働紛争に関する明確なルールがなく、
労働契約法第十六条において、解雇は、客観的に合理的
理由を欠き、
社会通念上相当であると認められない場合には、その権利を濫用したものとして無効とすると
規定されており、解雇事由の
妥当性については、客観的合理的
理由と
社会的相当性に照らし、判例によって判断されています。正社員でも、適格性を欠いたり、勤務成績が著しく不良である場合などは
雇用を打ち切ることができるように解雇条件をはっきりさせることが、
働き方改革を進める上で必要ではないでしょうか。
我が党からも
提案している金銭解決による解雇ルール明確化
法案について、総理のお考えをお伺いいたします。
次に、
高度プロフェッショナル制度についてお伺いします。
我が党は、第百九十二及び百九十三
国会において同様の
法案を提出しましたが、
政府案よりも
年収要件を引き下げるなど、
労働時間ではなく
成果で評価する
働き方を可能とし、
生産性を高めるために必要な
取組であると考えています。
日本の
労働生産性は、OECD加盟国三十五カ国中二十位と、低位にとどまっています。
日本では、
労働生産性に対する意識が低く、非効率的な
業務でも、深夜まで会社に残ることが評価されるなど、欧米の常識とは大きく異なります。
日本における
労働時間や
生産性に対する意識を変えていくためにも、高度プロフェッショナルの
対象については、
対象を拡大すべきであると考えますが、総理の御所見をお聞かせください。
労働基準監督
業務に関して
質問します。
労働基準監督署の定期監督
業務は、
平成二十七年度は、総事業所数に対し定期監督
業務を実施した事業所はわずか三%しかなく、そのうち、違反事業所数が六九・一%を占めていました。七割が
労働基準法違反をしていては、とても勤労者を守ることはできません。
我が党は、第百九十二及び百九十三
国会において、
労働基準監督署等の
業務民間委託・職員配置
適正化法案を提出しました。
限られた職員の中で、早急に勤労者を
過労死から守るためには、
労働基準監督署における
業務についても民間に開放し、実効性の高い
取組を進めることが必要と考えますが、総理の見解をお伺いいたします。
次に、
産業医制度に関してお伺いします。
事業主は、長時間
労働の
状況について
産業医への提供が義務づけられているところですが、事業所の規模によって
産業医の選任
状況に大きな格差があるのが
実態です。
また、メンタルヘルスや、長時間
労働による健康被害等の予防に対して
事業主責任を求めていくことは重要であると考えますが、現状では、
産業医面接が形骸化している事例が多く見受けられます。
産業医活動を効果的なものとするため、必要な情報を提供される
仕組みが
整備されるとのことですが、情報提供のみならず、
産業医面接後のフィードバックも含め、
制度の実効性をより高めるための
見直しが必要ではないでしょうか。総理のお考えをお聞かせください。
我が党は、
働き方改革とともに
社会保障
改革をあわせて進めていくことが、
少子高齢化社会が進む
我が国の切り札の一つであると考えています。
社会や
雇用情勢の変化に合わせて、必要な対策を今後も目指してまいります。
ここで、
国会の
働き方について、当時
与党であった現野党議員の
言葉をおかりします。
審議を拒否して
国会を空転させ、政権にダメージを与え、政権を倒そうとする方法は、
国民からは理解は得られないと思います。私は、
与党議員として、
審議拒否はせず、引き続き会期末までしっかり
仕事を続け、
法案を
成立させるべく頑張ります。気に入らないことがあれば
国会に来ない。それはおかしい。
山井さん、私も全く同じ
意見です。
同時に、
与党の皆さんも、野党であったときに
国会を空転させていたことをお忘れなきよう願いまして、私の
質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(
拍手)
〔
内閣総理大臣安倍晋三君
登壇〕