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松平委員 どうもありがとうございます。さまざまなメリットがあるようです。
一つつけ加えさせていただきたいと思うのは、
裁判官というのは
異動が多いので、訴訟記録がIT化されることによって、
事件の全体像の把握が容易になることで
裁判官の引継ぎが容易になるといったメリットもあるのではないかなというふうに思っています。そういう
意味で、ぜひとも積極的に進めていってもらえればなというふうに思います。
ただ、一つ言っておきたいのは、先ほど、フェーズツーで二〇二二年、そしてフェーズスリーでシステムの構築を行うということで、非常に時間がかかっていく印象がしています。やはり、システム改修が伴うということは時間とコストがかかるということで、当然といえば当然だと思うんですけれども、まず、そんな大きなシステム改修が必要とならない方策というのも、すぐに、できるものはすぐに実行していく、そのぐらいの柔軟性があってもいいのかなというふうに思います。
一つは、今、単純に、ファクスで行われているものを、システム構築してオンライン提出というその前の段階として、電子メールにしてもらってもいいのかな、電子メールによる書面の提出とか証拠の提出を認めてはどうなのかなというふうにも思います。
電子メールベースをまずやって、ファイルによる記録管理であるとか利用というものの
経験を積んでいって、そして来るべき完全なシステム化に備えていく。メールで提出ができるようになれば、結構なコスト削減であるとか審理の迅速化などといったメリットもあるというふうに思うんです。
裁判官が
事件ごとにパスワードを指定していけば、メールの誤送信があっても、直ちに情報が漏えいするということにもならないと思いますし、情報漏えいという点に関しては、今、ファクスでやりとりしていますので、ファクスであっても番号間違いはあると思うんですよね。それで、Eメールも、メールアドレスのスペルミスというのがあるかもしれないんですけれども、スペルミスですとそもそもメールが届かないことも多いので、ファクスは番号間違いをしたら届いてしまうことも多いので、届かないだけ、メールの方が情報漏えいという
意味ではましなのかなというふうに思ったりします。
あともう一つ、成り済ましの問題というのもありますけれども、これはファクスでも変わらないと思いますし、仮に成り済ましがあったとしても、当の当事者が実際に陳述をしなければいいだけというふうに思います。なので、そういった点も考えていただければなと思います。
あともう一つ、これは、先ほど言及いただいた
裁判手続等のIT化検討会においてもすばらしい御
指摘があったというふうに思うんですけれども、送達の問題です。現在は郵便で送達していて、これは物理的な送達なので、非常に時間がかかったり、着いたり着かなかったりといったことが発生しています。
この送達に関しては、お隣の韓国では、事前包括同意
制度というものを導入していて、事前に同意していれば電子送達ができるというふうになっているということらしいんです。仮に、同意しなくて、紙で送達せざるを得ないという場合でも、郵便局でウエブレターという
制度があって、
裁判所で印刷しなくても、最寄りの郵便局で印刷して送るということができるらしいんです。こういったいい事例は、我が国でも積極的に導入していってもいいのではないかというふうに思います。
もう一つ、済みません、つけ加えて言うのであれば、公示送達もあります。
公示送達は、今、
裁判所で
一定期間掲示ということになっているんですけれども、やはりこれもウエブ上で掲示した方が実際の効果として高いんじゃないかな、目に触れる
機会は高いんじゃないかなというふうに思ったりもします。
先ほどのフェーズ一から三ということで、完全なIT化を目指すということで、お金と時間をかけてシステム構築というのも本当にわかるんですけれども、申し上げた電子メールの使用であるとか電子送達であるとかウエブでの公示であるとか、簡単にお金をかけずにできることを早目にやっていくということもちょっと検討していただければいいのかなというふうに思っています。
ところで、eファイリング、先ほどお話しいただいた三つのeのeファイリングに
関係するんでしょうけれども、あと、先ほど
大臣も言及いただいていましたけれども、二〇〇四年の民事訴訟
法改正で、オンライン申立ての根拠
規定というものが設けられているということです。
私も、お恥ずかしながら、そういった
規定があったのはよく存じ上げなくてちょっと驚いたんですけれども、根拠条文は民事訴訟法百三十二条の十ということになっています。
この既にあるオンライン申立ての
規定について、運用状況についてお聞きしたいんです。いかがでしょうか。