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吉良委員 TPPの意義についてと今後について私の方からお伺いしましたけれ
ども、私
自身は、このTPP11をこの短期の中でまとめ上げたことに対して、大変高く評価をしております。
第一の意義というのは、TPPそのものよりも、私も外務政務官、副
大臣をやらせてもらいましたけれ
ども、アメリカが離脱するという中で、アメリカ抜きの中で日本が主導してまとめ上げた、これは本当に称賛に値するというふうに思っています。
ただ一つ、
安倍総理含めて、自公政権の幹部に申し上げたいのは、我々民主党政権のときも、何のかんの言いながら、弱い体力の中で、TPPを半歩、一歩進みたかったです、私
自身は。まあ半歩、半歩進んだことによって、カナダが入り、メキシコが入り、そこで一挙に勢いがついたということもあり、私も、さっき言った、このTPP11をこの短期の中できちっとまとめたことに対して高く評価をしますけれ
ども、その土台をつくった元民主党政権に対しても、きちっと、温かい言葉の一つはあってもいいのではないかなと私
自身は思っております。
二番目の意義というのは、後ほどまた話をしますけれ
ども、日本経済というのは世界経済に完全にリンクしています。世界がよければ日本がいい、世界が悪いと日本も悪い、そういう状況なわけですけれ
ども、今
大臣がおっしゃったように、二十一世紀型の広域的な経済連携、そしてWTOが実質的に機能しなくなった中で、非常に国益が近いといいますか、利害を共有するような地域において、こういう広域的な枠組みをつくったことというのは、日本の国益にも資すると思っています。
三番目は、実は地政学的な、地域戦略的な
意味合いが大きいということなんです。この点については、
政府側からはなかなか言いづらいだろうというふうに思っていますので、後ほどのチャイナ・プラスワンとも絡めて、私の方からお話をさせてもらいたいというふうに思っているんですけれ
ども。
御承知のとおり、中国が中心となって上海
協力機構というものをつくっています。それは、ユーラシア大陸のほぼ全域を、まあヨーロッパ等を除いてですけれ
ども、アジア地域におけるユーラシア大陸ほぼ全域をカバーするような枠組みになりつつあります。これはいわばランドパワー。
これに対して、TPPというのは、まさに環太平洋でもあって、シーパワーなんですよね。海洋帝国といいますか、シーパワーなんです。海洋の自由を模索するところは、当然ながら、貿易・投資の自由を模索してまいります。
一方、言いづらいですけれ
ども、ロシアの昨今の大統領選挙の
あり方、そして中国の習近平体制の長期政権化が予見されるような大会があったわけですけれ
ども、そういう地域においては、かなり自由を束縛した形での、ある
意味力によってまとめていこうとする、そういう傾向がある地域だというふうに思っています。
そういう
意味でも、地政学的に、この上海
協力機構を中心とするランドパワーに対して、自由な貿易、自由な投資を志向する、シーパワーであるTPP加盟諸国、この連携を強めることは極めて重要だということを申し上げたいと思います。
そして、
大臣の方からもおっしゃっていただきましたが、私は、TPP11の今後ということについては、まず米国を迎え入れること。
大臣もおっしゃいましたが、米国が離脱しながらも、日本を中心に11がまとまってしまったということで、トランプ大統領も、これは見直さざるを得ないと。中間選挙が終わったら、場合によっては、トランプ政権期での復帰もあり得るのかもしれないというふうに思っていますし、ポスト・トランプにおいては間違いなくTPPに加盟してくるだろうというふうに思っています。
それに加えて、
大臣の方から
指摘ありましたけれ
ども、私、去年の外務
委員会でも、コロンビアをAPECに入れろ、コロンビアをTPPに入れろということをずっと言ってきておりまして、このTPP11にコロンビアもぜひ迎え入れていただきたい。多くを語ると時間がなくなりますけれ
ども。
日米関係を強化する、日米同盟を強化するというときに、日本の識者、有識者たちがとかく陥りがちなのは、すぐ太平洋上の日米を考えるんですけれ
ども、アメリカの立場になって考えて、アメリカが、何をやってくれれば一番ありがたいか。
米国の外交官プロパーといいますか、米国から本国派遣の外交官が一番多いのは、実は二〇一〇年時点ではコロンビアでした。これは意外なんですけれ
ども、私が聞いたところでは三千人。もちろんコロンビアは、麻薬あり、ゲリラあり、そして両脇に、反米を当時前面に押し出していたベネズエラ、チャベス政権があり、その横に、チャベスほどではないですけれ
ども、やはりチャベスと連携をしているコレア・エクアドル政権があり、そういう中で、米州のまさにど真ん中、へそに当たるコロンビアが反米的な様相を呈してくると、今安定している米州が一挙に安全保障面でも流動化してくる可能性があるわけですよね。そういう
意味で、アメリカもコロンビアを大変重視している。
そういうコロンビアという国を日米で一緒に支援をしていく。特にコロンビアの場合は、太平洋にも顔があり、カリブ海、
大西洋にも顔がある国ですから、非常に日本にとって重要な国。そして、今言った環太平洋、トランスパシフィックを貫いていく
意味でも非常に重要な国。ぜひ、
政府にあっても、コロンビアの迎え入れというのをお願いしたいというふうに思っています。
もう一点、プラスアルファ、TPPの今後という私の持論があるんですが、それは次の質問をさせてもらってからにしたいと思いますが、日本
政府として、RCEPという枠組みを、TPPと並行して、またほかの経済連携と並行して推し進めてまいりました。
今、TPP11、発効はまだでありますけれ
ども、合意が成った。TPPとRCEP、この
二つについて、日本
政府としてどちらをより重視していくのか。当然、
政府としてはどちらも大事だと言わざるを得ないんでしょうけれ
ども、あえてそれでも、どちらが重要なんだという問いをさせてもらいたいと思います。