○加藤国務
大臣 今回の働き方
改革の
取組、
一つは、今御
指摘がありました長時間
労働、これは過労死を生んでいる背景でありますから、過労死をゼロにしていくということ。それから、
同一労働同一賃金に関して申し上げれば、やはり不合理な
処遇の差というものをどう
解消していくのかということ、これは非常に大事な論点としてこれまでも
指摘をされてきたことであります。
それに加えて、これからの
日本の社会の将来像というのを見ていって、もちろん足元でもそうでありますけれども、高齢化が進む中で、特に生産年齢人口が減少していく、特にこれから更にその減少度は強くなっていくわけでありますから、そういった中で社会保障等々を維持していくためにも、経済の成長的な発展、安定的な発展というのは大変大事な鍵になりますし、そのためには、いかに
労働力を
確保していくのか、
生産性を
向上していくのか、これは大変大きなテーマだというふうに思います。
そういった意味で、現状でも、さまざまな
希望を持ちながら、制約条件があるがためにその
希望が実現できていない女性、高齢者、さまざまな方がいらっしゃるわけでありますから、そうした
皆さんの
希望が実現できる
状況をどうつくっていき、そしてそれぞれの
皆さんがその力を十二分に発揮をしていただき、またそれがその方々それぞれにとっての人生の豊かさ等にもつながりますし、国全体等によっては、先ほど申し上げた、経済の成長にもつながっていく、それを目指していきたいというのが根底にあります。
しかし、なかなか、働き方
改革、いざ手をつけようとすると、やはり、ある意味では
企業の文化であったり、長年親しんできたそれぞれの方々のいわば
ライフスタイル、
ワークスタイルということでありますから、これに挑戦するというのは本当に継続的な
取組が必要だというふうに思います。また、その上にさまざまな商
慣行あるいは
労働慣行もありますから、それを
一つ一つ変えていくということでありますけれども、そういったことがあって、これまでなかなかそれに手がつけられなかった。しかし、そういったことを言っている
状況ではないし、それをしっかりと進める、もはや先送りをすることは許されない、そういったことから今回取り組ませていただいております。
時間
外労働の
上限規制については、これまで、三六協定であればいわば青天井だったと
指摘をされているわけでありますが、今回は、三六協定でも超えてはならない、
罰則つきの時間
外労働の限度を設けるということで、これは
労働基準法制定七十年ぶりの大
改革だということを、連合の会長からもその点は
指摘をされているわけでありまして、これによって過労死を防止し、働く方がその健康を
確保し、
ワーク・
ライフ・
バランスが図られるとともに、
正規で働きたいと思っていても残業があればなかなかといった方が、やはりそこは、かなりきちんとした働き時間が設定されれば、逆に
正規で働くということの選択肢も拡大をされていくということにもなるんだろうと思います。
また、高度プロフェッショナル
制度については、付加価値の高い財・サービスを生み出す革新的な分野で、まさにイノベーションや高付加価値を担う高度専門職の方が、健康をしっかり
確保した上で、
仕事の進め方、あるいはどういう時間帯、どういうふうに働くか、これを自分で
決定して一番パフォーマンスの高い形で
仕事をしていきたい、そういった思いを実現していく。そのことは、そうした方々の力を発揮していただき、ひいては、これからさまざまな新しい産業をつくり出して、これは雇用の
確保等にもつながっていくというふうに思いますし、
日本全体の
生産性向上にもつながるというふうに思っております。
これも、先ほど申し上げた、健康
確保の措置をしつつ、高い年収の
確保、
職務範囲の明確化等の要件を設定した上で、雇用
関係のもとで自律的に働くことのできる
制度、これを働き方の選択肢の
一つとして
整備をしようということで、あくまでも本人の同意等が前提になることは当然であります。
また、
同一労働同一賃金については、
正規雇用労働者と非
正規雇用労働者の間の不合理な
待遇差の
解消を目指すわけでありますが、どのような
雇用形態を選択しても納得が得られる
処遇を受けていく。今も、非
正規で働く方々は、さまざまな
事情でいうと不本意ではないという方が多くおられますけれども、しかし、
処遇等についていろいろと御不満や御要望を持っておられるわけでありますから、そういったことを払拭し、そして、多様な働き方の選択肢をまさに
待遇の差を気にすることなく選べる社会を実現していきたいというふうに思っております。
こうした一連の
改革を通じて、
ワーク・
ライフ・
バランスの
改善や、
正規、非
正規間の不合理な
待遇差の
解消を通じて、一人一人の
事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現していく。そして、そのことは、先ほど申し上げましたけれども、働く方の就業機会の拡大、あるいは働き手の
確保、そして
労働生産性の
向上を促進していく。また、そのことが、一人一人の方にとっても豊かさにつながり、ひいては
日本全体にとっては成長と分配の好循環につなげていきたい、このように考えております。