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堀内委員 自由民主党の
堀内詔子です。
本日も
質疑の
機会をいただき、
高鳥委員長を始め先輩、同僚各
議員の
皆様方に厚く御礼申し上げます。
ちょうど三週間前もこの
委員会で
質疑の
機会を与えていただきました。
生活困窮者自立支援法等改正案について、技術的な面や細部の問題について尋ねさせていただきましたが、本日は
加藤厚生労働大臣にも御
出席をいただいておりますので、確認の意味も含めまして、また、採決前の
最後の
質疑になるのではないかという思いを込めまして、より根本的な
思想ですとか
理念、そもそも論を中心に
質問させていただければありがたいと思います。
申し上げるまでもないことでございますが、
日本のよさというのは本当に数々ございます。まさに枚挙にいとまがありません。その
一つとして挙げられるのが、いわゆる
競争と
共生、
競争していくことと、ともに生きていくこと、その
バランスがまさに巧みでございまして、いわゆる
自助、
互助、
共助、そして
公助、この
バランスが見事にとられてきたところにあるのではないかと思っております。
競争やいわゆる
自助が行き過ぎてしまいますと、
社会の
格差は拡大し、また、いわゆる弱肉強食といった
思想に走りがちでございます。一方、逆に
共生や
共助、
公助、そういったものに余りに
比重が置かれてしまいますと
社会の
活力が失われてしまう、そういったおそれもございます。
こうした
バランスはさまざまな
制度で維持されてきましたが、本日の議案である
生活困窮者自立支援法等もその重要な一部だと思っております。
皆様御存じのとおり、いわゆる仏教には
禅語がございまして、その中に
そっ啄同時という言葉がございます。そつとは、
ひな鳥が殻の中からつんつんつん、もう出ていきたいよ、そういった合図、そういった
行動を起こすことでございますが、一方、啄とは、親鳥が外からそういった
ひな鳥の
行動を察知して殻をついばむ、そういった動作でございます。この二つが同時に行われてこそ、殻が割れて中から
ひな鳥がこの世に誕生してくる、そういったわけでございます。
いわゆる
生活困窮者自立支援制度は、まさにこの
そっ啄同時のような、あうんの呼吸、いわゆる
バランス、そういったものの上で成り立っているものではないかと思っております。
ちなみに、昨日、本
委員会で
台東区や
足立区の
支援の
現場を
視察させていただきました。その
現場では、今回の
制度改正を機に、
生活支援をきちんと位置づけてもらいたい、また、
生活支援の
必要性を認知してもらいたいといった貴重な御
意見があり、
現場の
方々もこの
改正案の
成立を待っていらっしゃる、そういったことをひしひしと感じました。
一方、余りにも
共生や
共助、
公助に
比重が置かれ過ぎますと
社会の
活力が失われかねないということを先ほど申し上げましたが、私は、失敗を恐れずにチャレンジする
社会をつくり上げていく必要もあると同時に考えております。そのためにも、いざというときに支えとなってくれている重層的な
セーフティーネット、そういったものが機能していく必要があると思っております。
しかし、完璧な
制度というものはございません。絶えず検証し見直していくことによって、よりよい
制度になると思っております。そして、今回の
生活困窮者自立支援法等の
改正も、その
観点から検討され、
文字どおり生活困窮者の
自立支援が目指されているところでもございます。
具体的に
数字を挙げて申し上げさせていただきますと、現行の
制度は、
平成二十七年四月の施行からの二年間で、新規の
相談者数が約四十五万人もあり、そして、
就労、そしてまた増収、
収入が上がった
方々がその中で約六万人と、着実にその実績を積み上げているところでもございます。
このような
制度の
実施状況の中で、今回改めて
生活困窮者自立支援制度に係る
基本理念が創設されることになったわけでありますが、その趣旨について、まず
加藤厚生労働大臣にお尋ねいたしたいと思います。