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2018-05-25 第196回国会 衆議院 安全保障委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成三十年五月二十五日(金曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 寺田  稔君    理事 大岡 敏孝君 理事 門山 宏哲君    理事 武田 良太君 理事 宮澤 博行君    理事 若宮 健嗣君 理事 本多 平直君    理事 渡辺  周君 理事 浜地 雅一君       江渡 聡徳君    小田原 潔君       大西 宏幸君    大野敬太郎君       北村 誠吾君    熊田 裕通君       高村 正大君    中谷  元君       中谷 真一君    浜田 靖一君       福田 達夫君    和田 義明君       宮川  伸君    村上 史好君       後藤 祐一君    古本伸一郎君       佐藤 茂樹君    広田  一君       赤嶺 政賢君    下地 幹郎君       照屋 寛徳君    長島 昭久君     …………………………………    防衛大臣         小野寺五典君    防衛大臣政務官      大野敬太郎君    防衛大臣政務官      福田 達夫君    政府参考人    (内閣国際平和協力本部事務局次長)       加野 幸司君    政府参考人    (防衛省大臣官房長)   高橋 憲一君    政府参考人    (防衛省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官)           小波  功君    政府参考人    (防衛省大臣官房審議官) 辰己 昌良君    政府参考人    (防衛省防衛政策局長)  前田  哲君    政府参考人    (防衛省人事教育局長)  武田 博史君    政府参考人    (防衛省地方協力局長)  深山 延暁君    政府参考人    (防衛省統合幕僚監部総括官)           鈴木 敦夫君    安全保障委員会専門員   林山 泰彦君     ————————————— 委員の異動 五月二十五日  辞任         補欠選任   古本伸一郎君     後藤 祐一君 同日  辞任         補欠選任   後藤 祐一君     古本伸一郎君     ————————————— 五月十五日  戦争法の廃止を求めることに関する請願(志位和夫紹介)(第一二〇一号)  同(塩川鉄也紹介)(第一二〇二号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  国の安全保障に関する件(イラク派遣日報等)      ————◇—————
  2. 寺田稔

    寺田委員長 これより会議を開きます。  国の安全保障に関する件、特にイラク派遣日報等について調査を進めます。  この際、防衛大臣から報告を聴取いたします。小野寺防衛大臣
  3. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 今般、大野防衛大臣政務官を長とする調査チーム報告書及び統合幕僚監部等によるイラク日報に係る大臣報告経緯などに関する報告書取りまとめられましたので、一昨日、公表いたしました。  今回明らかになった事実関係を踏まえ、関係者に対する厳重な処分を行い、また、防衛省自衛隊国民信頼を回復するための再発防止策もあわせて公表いたしました。  まず、大野政務官チームにつきましては、陸上自衛隊研究本部においてイラク日報が昨年三月二十七日に発見されていたにもかかわらず、当時の稲田防衛大臣に対し報告が上がっていなかった理由、及びその情報が共有されていた範囲についての事実関係調査してまいりました。  調査の結果、研究本部教訓課においては、南スーダンPKO日報問題に関する特別防衛監察が実施されていた状況において、イラク日報存在が昨年三月二十七日に確認されましたが、当時の稲田防衛大臣の再探索指示を伝えるメールの意図が必ずしも明確に読み取れるものではなかったことや情報公開請求に対して十分な探索が行われなかったこと、適切な事務処理が行われなかったことなどから、当時の稲田防衛大臣に対しイラク日報存在報告されなかったことが明らかとなりました。  結果として、防衛省自衛隊防衛大臣指示に対し、組織として適切に応えておらず、また、国会議員からの質問資料要求情報公開請求に対し不適切な対応をし、それを速やかに正すことができなかったものであり、反省すべき問題と認識しております。  次に、イラク日報存在統幕確認してから私に報告するまでに一カ月を要した経緯について調査を行いました。  これについては、三月二日に日報存在確認して以降、統幕参事官等関係部署は、確認された日報の精査、大臣報告に係る関係部署との調整、日報探索漏れがないかの再確認国会議員からの資料要求情報公開請求への対応状況確認等の必要な作業を行っていたことが改めて確認されましたが、やはり、このような事案を認知したのであれば、私への報告には時間をかけずに直ちに一報するべきであり、適切とは言いがたい対応であったと認識しております。  次に、陸上自衛隊国際活動教育隊において保管していないとしていた日報確認された経緯についても調査を行いました。  これについては、国会議員からの資料要求に対し、十分な探索を行わず、日報を保有していない旨の回答をしたことは適切とは言えず、また、特別防衛監察情報公開請求により日報を発見したが、資料要求に対する回答国会答弁を改めるための必要な取組を実施しなかったことも適切とは言えないと認識しております。  最後に、航空自衛隊においてイラク日報確認された経緯についても調査を行いました。  空自では、昨年二月、八月及び本年三月の探索では日報確認されませんでしたが、四月になって三日分の日報確認するに至っており、これは、保有する日報の把握が不十分であったと言わざるを得ないと認識しております。  私としては、このような事実関係を踏まえると、今般のイラク日報等をめぐる事案は、防衛省自衛隊組織として防衛大臣指示に適切に応えられず、シビリアンコントロールにもかかわりかねない重大な問題をはらんでいたところがあり、また、行政文書管理情報公開に関し、隊員による不適切な事務処理があったことは否定できないものと認識しております。同時に、こうしたことが、当時の国会議員からの資料要求情報公開請求等についての不適切な対応につながり、防衛省として適切な対外説明責任を果たす機会を損なわしめたものと認識しております。  このように明らかになった事実関係を踏まえ、一昨日、防衛事務次官以下関係者十七名に対する処分を行いました。  今般のような事案再発を防止するため、防衛省自衛隊全体として、指示、命令を履行する体制の強化や、行政文書管理情報公開が適切になされるための新たな取組等を盛り込んだ再発防止策をまとめたところです。  総理からは、実力組織である防衛省自衛隊においては、防衛大臣指示がしっかりと末端の部隊まで行き渡ることが特に重要であり、組織文化職員の意識を改革していくため、再発防止全力を挙げるよう指示がありました。  このような御指示も踏まえ、私としては、防衛省自衛隊の二十五万人の先頭に立って、再発防止策を推進し、防衛省自衛隊に対する国民信頼回復全力を注いでまいりたいと思います。
  4. 寺田稔

    寺田委員長 以上で報告は終わりました。     —————————————
  5. 寺田稔

  6. 寺田稔

    寺田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————
  7. 寺田稔

    寺田委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。中谷真一君。
  8. 中谷真一

    中谷(真)委員 自民党中谷真一でございます。  本日は、質問機会をいただきまして、ありがとうございます。十分と短い時間でございますので、早速質問に移りたいと思います。  今回、防衛省が、イラク日報また南スーダン日報に対して、情報公開、適切に行われなかったことは、これは、これまでの自衛官の努力を無にすることになってしまう、また水泡に帰すことになってしまうので、これについては、今後適切に対応していただきたいということを、まず冒頭申し上げたいと思います。  ただ、前回質問させていただきましたが、この日報を始め、安全保障にかかわる文書を殊さらに公開すればよいというものではないというふうに考えております。  今回、この日報公開において非常に問題になっているわけでありますが、まず、自衛官が、自衛隊がなぜこういうイラクやまた南スーダン派遣をされたのか、何のために行ったのかというところであります。  これは、一九九一年の湾岸戦争イラククウェートに侵攻いたしました。このときに、多国籍軍がこれに対応したわけであります。日本は、人員等は出さずに、この際、多額の支援金を拠出いたしました。金額にして百三十億ドル、日本円にしますと一兆五千五百億を拠出したわけであります。  ただ、その後の日本評価はどうであったかというと、汗をかかずに金を出しただけという評価でありました。国際社会はおろか、当事国であったクウェートからも感謝されない。国際社会における日本地位はどうなるんだという議論が非常に巻き起こりました。これを受けてか、イラク特措法を成立させて、自衛隊イラク派遣をして国際貢献をすることになったわけであります。  まさに、自衛隊は国際平和のために汗をかいて、そしてそのことが日本の国際的な地位を確立していくことにつながっている。だから我々はこうやって平和を享受できている、また、更に繁栄を享受できているわけであります。まさに、国益のために体を張って危険を肩がわりしているのが、私は自衛隊だというふうに考えております。この自衛隊が、今回この日報公開することによって危険にさらされるのではないかということを私は申し上げているわけであります。  前回質問させていただいたときに申し上げました。これは、警備の内容や、また弾薬の数、さらには部隊長の分刻みの行動、さらには一週間の業務予定なんというのも入っているんですよね。こういったものを殊さらに公開していくことは本当にいいのかというところは、これは私は、防衛省の中でもう一度しっかりとした検討をして、そして対応策を出さなければいけないというふうに考えております。  また、今回のこの南スーダン日報に関しては、南スーダンでまだ自衛隊がオペレーションをしている最中でありました。こういうときに、これを殊さらに情報開示していくということは、私はこれは常軌を逸しているというふうに思います。  安全保障で使われる文書というのは、これは非常に重要な文書であります。今回の日報においても、やはり教訓や事後の検証というものが必要であります。そういう意味では、これはしっかりと文書管理して、永久保存にするということは大切なことでありますが、やはり公開する時期については検討が必要だ。他国もそうしているんですけれども、三十年後に公開する等、一定期間を、やはり情報公開法を改正して、ほかの省庁の文書と同列に扱われないような措置も必要だというふうに考えております。  これは、皆さん自衛官国民ですからね、国民の命が危険にさらされるわけであります。また、私は、やはり防衛大臣として、二十五万自衛官の命を預かっている大臣であります、その立場から、このことについてお答えを頂戴したいと思います。
  9. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 防衛省自衛隊部隊が作成する文書である日報は、行政機関職員が職務上作成し、又は取得した文書であって、当該行政機関職員組織的に用いるものとの行政文書定義に合致しております。  このため、現行の情報公開法上、日報を、一般行政文書とは異なる取扱いをして、開示請求の例外とすることは困難であります。同法第五条に基づき、公になれば隊員の安全や部隊任務遂行に支障が生じるおそれのある部分等については不開示とするなど適切に対応しながら、国民皆様への法的責任を果たすべく取り組んでいるところであります。  今委員からの、この改正のことについてのお話がありましたが、これは各党でさまざまな議論があるというふうに承知をしております。自民党においても、公文書管理に関する改革検討委員会等議論されていると承知をしておりますので、各党でさまざまな議論をされるということではないかと思っております。
  10. 中谷真一

    中谷(真)委員 私は、やはりこれは自衛隊を預かっている防衛省がやるべきだ。これは命がかかっていますからね。先頭に立って私はぜひやってもらいたいと思います。私は党でまた大きな声で主張していきますが、これは本当に命のかかった問題でありますから、殊さらに公開すればいいというものではないということを強く申し上げたいというふうに思います。  更に申し上げますと、体を張ったあげくに、帰ってきて、このように、何か悪いことをしてきたのではないかというようなことでは、私は、これは自衛官皆さんに申しわけない。また、私も元自衛官として非常に強い憤りを感じます。  これに対してどう対応していくかということを考えるんですけれども、私はやはり、自衛隊海外派遣されている、何をしているかということに対しての情報発信が非常に弱いのではないかというふうに思います。  ですから、今、国民皆さんは、どこに自衛官派遣されているかとか、そこで何をしているのかということを本当に認識しているんでしょうか。こういったことはやはりしっかり私は防衛省としてもやっていかなければいけないし、今回はPKOでありますから、これは内閣府はしっかりやっていかなきゃいけない。  このためには、しっかりと予算をとって、そして、メディアを帯同する際お金がかかるのであれば、それに対して助成をするとか、あとは、今、ソーシャルメディアがたくさんあります、ユーチューブなど、こういったメディアを駆使してやはり国民に発信するとか、こういったことをしっかりと予算を確保してやらなければいけないというふうに思います。  民主主義国家というのは、安全保障に関する行動をするときには、やはり国民理解がなければできないんです。国民の後押しがなければできないんです。そういう意味では、ここに対して力を入れるべきだというふうに思います。  また、やはり、大臣始め、防衛省では防衛大臣であります、また内閣府の国際平和協力本部本部長総理であります。そういう意味では、その責任ある立場になられた方は、やはり、近くに行った際には必ず自衛隊派遣されているところに行って、メディアを連れていって、そして激励をしていただく、激励をしている姿をやはりメディアに撮ってもらって、またそれをソーシャルメディア等で流す。こういうことによって、何をやっているのかということを私はどんどん情報発信するべきだというふうに考えております。  これに対して、今後どうしていくかということについて、御回答いただきたいと思います。
  11. 福田達夫

    福田大臣政務官 お答え申し上げます。  先生おっしゃるとおり、まず、自衛隊活動というものは、まず国民理解がなければできない、これが第一でございます。  なので、まずは、いかようなことをやっているかということの情報開示、これをしっかりしていくということが一番であると思っていますので、それにつきましては一生懸命やっているつもりではございますけれども、まずは、マスコミを通じた記者会見お知らせ等、又はホームページ、フェイスブックツイッター等を利用した、これをまずやらせていただくというのが基本であると思っていますし、また、先生御指摘の、できる限り、海外で厳しい任務をしている自衛隊自衛隊員、これに対して政務が訪れて激励をする、このことも大変重要だと思っていますし、おっしゃるとおり、その姿を見ていただくということも大事だと思っております。  状況が許す限り、ぜひこういうことをやっていきたいというふうに思っていますし、このことを通じまして、やはり我々としましては、国民皆様に、一つは、海外自衛隊員がしっかりと厳しい任務を果たしている、このことをまず正確に知っていただく。そして、その上で、その任務というものが、先ほど先生おっしゃいました、国際的な平和でありますとか、それがひいては日本の安定になり、そして国民皆様の安心をつくっている、このことを御理解いただくこと、これをしっかりとやっていきたいと思っていますし、御指導をいただきたいというふうに思っております。
  12. 中谷真一

    中谷(真)委員 自衛官皆さん海外で堂々と国益のために働いているわけであります。これに対してやはりしっかりと応えていただきたいということをお願い申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  13. 寺田稔

    寺田委員長 次に、浜地雅一君。
  14. 浜地雅一

    浜地委員 公明党浜地雅一です。  私も、十分、時間をいただきまして、質問をしたいと思います。  まず、このイラク日報についての報告書についてきょうは質疑ですが、きのう米朝首脳会談が中止になって、これから北朝鮮情勢がまた緊迫をするような可能性がある中で、そういった話でなくて、このイラク日報をこの安全保障委員会でやらなきゃいけないということに対して、私は非常に残念に正直思っております。  それと、きのう我が公明党でも、このイラク日報報告を受けまして部会を開かせていただきまして、さまざまな意見がありました。その中で、いわゆるこのイラク日報について、開示請求をなさっていることを知っているけれども日報存在を知らなかった人と、日報存在は知っていたけれども、いわゆる大臣からの指示開示請求がかかっていることを知らなかったので、たまたまそれが相まって上まで上がらなかった、そういう報告書であります。  通常であれば、その後、経験則に当てはめて、現場ではそうは言っているけれども、実際は知り得たのではないかというような認定をするところですが、この報告書というのは、やはり、本人たちの話に基づいて、それ以上経験則に当てはめて更に踏み込んで認定はできないということでございますので、それを前提にこの調査報告書はつくられているということも説明を受けたところでございます。  当然、捜査機関ではありませんので、そういった事実認定になるのかなというのが、私の実は率直な感想でございます。また、しかし一方で、きちっと調査報告が出たんだから、過去のことではなく、これから再発防止策に向かってしっかりと小野寺防衛大臣中心防衛省が頑張る姿を見せることが信頼回復につながるという意見もございましたので、紹介をさせていただきました。  そこで、今回は、教訓課長が、実際は陸幕への報告を必要なんじゃないかというふうに考えた場面がございます。大野チーム報告書の八ページなんですけれども、それに対して総合研究部第一研究課員のIさんが、通達は南スーダンのものであったので、不要だというふうに答え、その後更にこの教訓課長は、総合研究部長の方が陸幕報告する必要があるんじゃないかという話をしたんですが、この教訓課長はIさんから必要がないと聞いていたので、必要ございませんというところで陸幕には上がらなかったという報告書があるわけでございます。  そうなると、ただ、ここの調査報告にあらわれていないのは、実際に、じゃ、陸幕方々が、問合せがあったりとか、若しくはこのイラク日報があることを知り得る端緒になるようなそういったものがあったのかどうか、それについては調査をしたのかどうかがここには記載されていないわけでございます。  そこで、実際に陸幕の方には調査をしたのか、そして、調査をしたとするとどういう方法調査をしたのかを大野大臣政務官にお答えいただきたいと思います。
  15. 大野敬太郎

    大野大臣政務官 恐れ入ります。  まず冒頭委員から、聞き取りによって、まず前提にして、そしてそれがそごがないかということを前提にして、それで結果をまとめたんだということをおっしゃっていただきました。  まさにそれが中心になるわけでございますが、まずこの部分について申し上げさせていただきますと、まさにおっしゃるとおりで、それを裏づける証拠、文書とかあるいはメールとか、そういったものをまずはしっかりと調査するわけでございます。  私も先日の記者会見冒頭で申し上げさせていただきましたとおり、国民皆さんから非常なる疑惑観点国会皆様方からのそういった疑惑観点がございますので、我々チームといたしましては、まずは一旦その認識に立って、そして、調査のやり方としては、その角度から、本当にそれなんだろうか、そういった観点調査を進めてまいりましたので、そういった浮かび上がった像を一旦否定するエビデンスがないのかどうかというのもしっかりと調べさせていただきました。そういう観点では、かなりしっかり調べさせていただいたつもりでございます。  もちろん、陸幕の中でも、メールあるいは文書、聞き取り、聞き取りというのは合計大体七十名から聞き取りを直接行っておりますし、また……(浜地委員陸幕で」と呼ぶ)全体としてはですね。アンケートとしては四百名の職員に対してアンケート調査を行っているところでございまして、また、現場にはやはり非常に何か見えるものがあるとよくこういう捜査では言われますけれども、私自身も、研究本部教訓課に参りまして、そして現場を見てまいりましたし、また、統幕の中にも行ってまいりました。  そして、関係職員からの聞き取りあるいは書類というのの収集を行ってまいりましたが、現在、報告書取りまとめてございますとおり、陸幕において、研究本部教訓課イラク日報存在することを認知した者というのを確認することは、現在においてはできておりません。
  16. 浜地雅一

    浜地委員 もう少し本当は具体的に答えていただきたい。要は、七十名のヒアリングや四百名のアンケートの中で、陸幕に対して大体どういう調査方法をしたのかということを答えていただきたかったんですが、陸幕の方でもメール確認したりとか、実際、ヒアリングをされているというふうにきのうの部会でも確認をさせていただきましたので、いわゆる現場教訓課だけの話ではなく、実際にそれをもしかすると受け取る可能性があった陸幕の方にも調査をされているというふうに私はきのう認識をしております。  次に、これは大臣にお聞きをしたいと思います。ちょっと、最後質問にしたいと思います。最後の、三番目の質問にしたいと思います。  今回、いわゆる再発防止策を更に講じられました。しかし、今回防衛省がこの日報についてはしっかりと取り組んでいくという姿勢を示すことによって、逆に、これはむしろ、もう一回情報開示やまた国会議員からの請求があったときに日報が漏れるようなことがあると、更にまたせっかくの信頼回復の過程というのはより毀損をされてしまうわけです。しかし、やはりどうしてもこの防衛の分野に対しては、一般方々でも非常に興味本位の方もいらっしゃって、たくさんの情報開示請求が来ているというふうにも聞いております。先ほどの中谷自民党議員の、だから日報は特別に扱うんだということも、私もその必要性というのは感じますが、どうしても行政文書定義に当てはまってしまうので、なかなか難しいところでございます。  そうなると、これから私はこの情報開示請求が非常に増加することがむしろ予想されるんじゃないかなと。そうなると、自衛隊の主たる業務情報公開請求にならないようにしなきゃいけないという意見がございました。しかし、その中で、これまでのやり方をしていれば恐らく膨大な作業に忙殺をされてしまうことになるわけでございます。  その中で、再発防止策の一つとして、やはり、日報を電子データ化して、一元管理をして、すぐに取り出せる状態にしておく。もしかするとこれは安全保障上問題があるのであれば、その部分は最初から黒塗りにしておいても私はいいんじゃないかと。すぐ取り出して、すぐに開示できるような状態にするべきではないかと思っています。  しかし、防衛省全体としてはこの電子データ管理は一〇%ぐらいしかできていないということでございますので、これから小野寺防衛大臣には、そのための体制整備、また予算もかかると思います。それについて、最後大臣に、この電子データ化、一元管理についての方向性についてお聞きをしたいと思います。
  17. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 御指摘のとおり、現時点でも、防衛省に対して年間五千件から六千件の情報公開請求が来ております。大変膨大な作業ということになります。この作業を効率化し、そして、正確に国民皆様あるいは国会の要求に対応できるように、電子ファイル化の推進、あるいはデータ管理基盤の整備、そしてまた予算の獲得の中で、特にマンパワーも必要でありますので、行政文書管理公開等に知見を有する隊員OBの非常勤職員としての活用、さまざまなことを考えながら体制の整備を心がけていきたいと思います。
  18. 浜地雅一

    浜地委員 時間になりましたので、終わります。ありがとうございました。
  19. 寺田稔

    寺田委員長 次に、宮川伸君。
  20. 宮川伸

    ○宮川(伸)委員 立憲民主党の宮川伸でございます。  きょうは、この調査チーム報告書について質問させていただきます。この調査報告に関する政府の見解、今、小野寺防衛大臣の方から御説明がありまして、私の方も聞かせていただきました。  一方で、この報告書について、私も読ませていただいたんですが、まだ少ししっくりこない部分、あるいは理解がまだできていない部分があります。そういったところをきょうお聞きしたいなと思っているんですけれども、それをお聞きする中で、今の安倍政権の体質ですけれども、私が聞いても正確な答えが返ってこないんじゃないかというちょっと懸念をどうしても持ってしまうという中で、冒頭小野寺防衛大臣の考え方について少しお伺いしたいと思います。  加計学園のことですけれども、加計学園問題で、今、安倍首相と加計理事長がお会いしたのではないか、これが、愛媛県の文書が出てきたということであります。そういった中で、今、会った会わないという状況になってしまっていますが、これは、安倍首相か、加計理事長か、あるいは愛媛県か、どなたかが間違ったことを言っているということしか思えないわけですけれども、小野寺防衛大臣、この件に関してはどのようにお考えでしょうか。
  21. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 まず、今委員から御指摘がありました文書について、私は直接見ておりません。また、所掌ではありませんが、いずれにしても、私ども、政府の一員として、国会の求め、そしてまた国会議員のその背中には多くの国民がおります、そこに対して、真摯に答弁をさせていただき、信頼を得るような、そんなことをしていくことが私自身も心がけるべきことだと思っております。
  22. 宮川伸

    ○宮川(伸)委員 この件、国民が非常に関心が高いので、私は、やはり加計理事長と中村知事を国会に呼んで、明らかにすべきじゃないかと思いますが、大臣も閣僚の一人としてどのように思われますでしょうか。
  23. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 所掌外ではありますが、そのようなさまざまな国会の審議につきましては、国会でお決めになるということだと認識をしております。
  24. 宮川伸

    ○宮川(伸)委員 こういった今の小野寺防衛大臣のお考えを聞いた上で、私、この調査報告書の中身について誠実にお答えをいただきたいと思います。  そして、質問の方に入っていきます。  まず、この調査報告書、いろいろな方が出てきてわかりにくいので、資料を配付いたしまして、私なりにちょっとまとめてみました。下の部分組織図が書いてありますが、赤字で書いてある部分イラク日報存在を知っていた、あるいは知り得た方がこの赤字になっております。この上の部分調査の中ですけれども、四つ大きく、請求があったものが四つに分かれます。  一が、国会議員からの資料請求、これに関しては、研究本部は調査をしていなかったということ。そして二番目が、稲田大臣からの指示ということでありますが、これは研究本部のFさんが担当してやった。しかし、十分な探索をしないまま文書なしと回答したということであります。三番目が、南スーダン特別防衛監察でありますが、これは、教訓課長、G氏、O氏、このG氏、O氏が外づけハードディスクを調べて、それでイラク日報があるということを認識したということです。そして四が、行政文書開示請求でありますが、こちらに関しては、研究本部のF氏、あるいは、四月で人事異動があったみたいでN氏、こういった方々調査をしたということであります。  結局、このF氏が情報公開担当者であるんですが、なぜこの三の防衛監察のところだけF氏はかかわっていないのか。これは、F氏がここでかかわっていれば迅速にデータが出たはずなので、上がったはずなんですね。これはなぜF氏がかかわらなかったのか、御説明いただけますでしょうか。
  25. 小波功

    小波政府参考人 お答えいたします。  ただいま宮川先生から御指摘ございましたように、F氏がなぜ、情報公開の担当でありながら、結果的にこの特別防衛監察関係にかかわりなかったのか。  これにつきましては、まさにFというのは、情報公開の担当、あるいは、累次の、いわゆる陸幕等からの本件にかかわる照会に対して回答した実務はやっておったんですけれども、一方、御案内のように、平成二十九年の三月十七日に始まりました、あくまでも南スーダンのいわゆる日報に関する特別防衛監察との関係で申し上げますと、指揮命令系統のラインが異なっておりまして、そちらについては、研究本部でも総務課等を通じまして、Fが直接その窓口等になってかかわらない形で実務が行われたということでございます。
  26. 宮川伸

    ○宮川(伸)委員 報告書の中で、この三番のところでF氏がなかなか出てこないんですが、F氏はこの調査をしているときに出勤をされていたのでしょうか。
  27. 小波功

    小波政府参考人 Fについては、当日、欠勤でありますとか出張等の予定は確認されておらず、出勤をしていたものと考えられます。
  28. 宮川伸

    ○宮川(伸)委員 結局、先ほども少しありましたが、この赤字の方々は、イラク日報存在確認していた、認知できる位置にいたんですが、しかし、その要求があったということは知らなかった。このFさん、Nさんは、要求があるのは知っていたんだけれども、イラク日報があることを知らなかったということであります。  この報告書を読んでいると、まだ、しっかりよくわからないのが、教訓課長、G氏、O氏が、こういった指示を、こういった要求があるということをしっかり理解していなかったかどうかということなんですが、まず、この稲田防衛大臣指示というものがあったということをこの教訓課長、G氏、O氏が認識していなかったというのは、聞き取り調査で明らかなんでしょうか。
  29. 小波功

    小波政府参考人 お答えいたします。  まさに今先生から御指摘のありました点は本件の一つの核心でございまして、私ども、これら関係者、特にG、それからその上司であります部長あるいは課長等につきまして入念に確認をしたところでございます。それとともに、まさに本件、もう一つのキーはF、まさにその窓口となっておりまして、本件それぞれの照会の情報を知り得た者でございますけれども、双方に入念に確認をいたしました。  その結果、事実関係といたしまして、報告書にございますように、Fは、みずからはそれら照会の窓口となっておるんですけれども、上司等に諮ることなく累次回答しておりまして、その回答したこと等も含めまして上司等に報告をしていなかったということを認めておりますので、それからまた、一方、それぞれ実際に日報等存在確認する可能性があった、若しくは確認をした教訓課長等につきましては、逆に、Fからそういう報告は受けていないということで、これに関しては双方の証言が一致しておりますので、このような報告書等の記述ぶりになっております。
  30. 宮川伸

    ○宮川(伸)委員 念のため聞きたいんですが、この一の国会議員からの資料請求に関しては、教訓課長、G氏、O氏は知らなかったということを、調書でそういうことになっているんでしょうか。
  31. 小波功

    小波政府参考人 お答えいたします。  私どもの方でまとめました彼らからの聴取記録等によって、そこのところは確認しております。
  32. 宮川伸

    ○宮川(伸)委員 もう一つ、四の行政文書公開請求ですが、こちらの、こういったものがないということも、教訓課長、G氏、O氏から、聞き取りで、これも知らなかったということでよろしいんでしょうか。
  33. 小波功

    小波政府参考人 お答えいたします。  ここもまさに核心の一つでございましたので、まさに今先生から御指摘がありましたような、先ほどチーム長の大野政務官からもありましたように、ある種国民目線で、私どもとしても、本当にそうなのかどうかについて、当事者間の聞き取りとともに、それをひっくり返すようなというか、裏づけを覆すようなメールでありますとか、いろいろな資料が出てこないか等についても入念に確認いたしました結果、やはり、情報公開請求についても、三月三十日の段階で、担当者のFが、上司等に諮ることなく、ないという回答陸幕にしたということを確認しておりまして、それについて覆すような事象は確認されておりません。そのためにこのような記述になっております。
  34. 宮川伸

    ○宮川(伸)委員 今のところがちょっとこの報告書を読んでいるだけですとはっきり明確にわからなかったので、確認をさせていただきました。  これとともに、第一研究課のIさんについても、あるいは、Uさんという方が報告書上は出てくるんですが、Uさんのことはほとんど書かれていなくて、ちょっとここもお聞きしたいんですが、もし後でちょっと時間ができればお聞きをしようと思います。  もう一つお聞きしたいのは、この教訓課でありますが、当時、教訓課の人数というのは何人だったんでしょうか。
  35. 小波功

    小波政府参考人 お答えいたします。  当時、平成二十九年三月の、まさに本件の一連の行動が行われた時点におきまして、約二十数名というふうに確認しております。
  36. 宮川伸

    ○宮川(伸)委員 二十数名の教訓課ということですが、実際、どういう場所で、どうやられているか、私はちょっと存じ上げないんですが、その中に、この組織図で教訓課と書いてありますが、赤字で、課長、G氏、O氏は日報存在を知っていた、だけれども、その同じ部署にいたF氏やN氏というのは、二の稲田防衛大臣指示だとか行政開示に関しての取扱いをやっていたんだけれども、ここのお互いの情報が全く知り得ていなかったというのが、ちょっと私自身は、私の今までの経験だと、本当にそうなのかと思ってしまうんですが、小野寺防衛大臣は、ここの部分、もうこれで十分調査し切れているとお考えでしょうか。
  37. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 今委員から御指摘があった点、これはもう私ども、この状況確認する中で、かなり一番初めの方から、本当にそんなことがあるのかということ、これは大野政務官中心となって調べていただいていますが、むしろ疑いの目を持って、そんなことが本当にあるのかということ、これはかなりしっかり詰めて調べていただく、これがかなり重要なことだと思っております。  ですから、三十四回、実は大野政務官チーム会議が開かれ、そしてまた、このような取調べを含めた知見を有する元東京高検の検事長でいらっしゃいました上田先生、弁護士の先生にも入っていただき、協力をいただいて、本当にそうなのかということを、時間をかけて、さまざまな状況を、あるいは事情を聞きながら積み上げていったというのが今回の結論であります。  私どもとしては、当初から、委員と同じように、本当にそんなことがあるのかということ、これを、むしろ疑いの目で見ながらしっかり調査をしていただいた、それが大野チームの今回の結果だと認識をしております。
  38. 宮川伸

    ○宮川(伸)委員 この四のところの下のN氏が出てくる部分に関してなんですが、これは報告書によると、四月七日の日に、教訓課長の方からN氏とO氏に対して、情報公開請求に係る文書探索というのは重要な事務なのでメールで依頼されるのは不適切だ、ですから、メールではなくて文書による依頼が必要だという指示が四月七日の日に出された。このために、このN氏は、請求が来たんですけれども、メールで来たので、そのまま、文書ではないから対応しないで終わらせたということでありますが、なぜ、四月七日の日に突如として教訓課長はこういったことを言い出したんでしょうか。
  39. 小波功

    小波政府参考人 お答えいたします。  こちら、四月七日ごろというふうになっておりますけれども、これは、実は当時、研究本部におきましては、本件の、いわゆるイラク関係情報公開請求以外にも幾つかの情報公開請求を受けておりまして、その別件、いわゆる別件という言い方はしてよろしいかと思うんですけれども、本件の、いわゆる日報に係る情報公開請求とは別の件について教訓課長等に情報を上げている際に、教訓課長から、報告書を読み上げますと、同月七日ごろというふうに報告書的にはなっておるんですけれども、教訓課長から、情報公開請求に係る文書探索という重要な事務がメールで依頼されることは不適切であり、発翰文書による依頼が必要である旨の指示を受けたというふうに記載させていただいたところでございます。
  40. 宮川伸

    ○宮川(伸)委員 教訓課長はどなたかの指示でこれをおっしゃられたのか、教訓課長自身の判断で言われたのか、どういうことでしょうか。
  41. 小波功

    小波政府参考人 お答えいたします。  その点も確認いたしまして、教訓課長みずからの発案で、ですから、部長等の指示ではなく、みずからの見識でこのような指示を出されたというふうに確認しております。
  42. 宮川伸

    ○宮川(伸)委員 そうすると、今の御説明ですと、四月七日ぐらいに、いろいろなものもたくさん来てちょっと状況が忙しくなったので、それをタイミングとして、急遽メールはだめですよと言い出した、そういう御説明でよろしいんでしょうか。
  43. 小波功

    小波政府参考人 お答えいたします。  今まさに委員が御指摘になりましたように、実は、本件につきましては、当時、あくまでも南スーダン関係なんですけれども、いわゆる日報問題が昨年御案内のように大変火を噴いておりました時期でございまして、その辺のこともあり、情報公開請求等がある程度集中する時期でございまして、恐らくそのような背景から、教訓課長からのこのような御指示が出されたのではないかというふうには推測しております。
  44. 宮川伸

    ○宮川(伸)委員 今、これは教訓課ということですが、防衛省全体あるいは陸上自衛隊を見た場合に、このように、メールで来たものは無視してしまって文書以外は取り扱わないというようなところはどのぐらい例があるんでしょうか、部署として。
  45. 高橋憲一

    高橋政府参考人 お答えいたします。  まず、原則でございますけれども、情報公開手続に関する事務次官通達におきましては、情報公開室でございますが、省内の各機関等に受け付けた開示請求書の写しを交付し、所要の照会を行うこととされておりまして、開示請求書の写しの交付を受けた当該機関などは、文書を捜す等の事務を開始するというふうにされてございます。  また、原則三十日以内に開示等の決定を行うこととされておりますので、迅速な事務処理が求められることから、情報公開室による各機関に対する所要の照会でございますが、探索依頼文書の発翰をすることなく、電子メールにより行われております。  ですから、先ほど件数のお尋ねがございましたが、我々としては、まず電子メールで迅速に行うことが基本だというふうに考えてございます。
  46. 宮川伸

    ○宮川(伸)委員 そうしますと、教訓課長のこの指示というのは、防衛省の中でも異例であったという理解でよろしいんでしょうか。
  47. 高橋憲一

    高橋政府参考人 お答えいたします。  もちろん、迅速さ、いわゆる三十日間という期間の問題がございますので、我々としては、所要の照会は電子メールで行うものが基本だというふうに考えてございますが、各機関内部における文書探索指示方法につきましては、各機関の特性に応じた方法により行われているものもあるということで、必ずしも否定しているものではございません。
  48. 宮川伸

    ○宮川(伸)委員 ここは非常に不自然で、ですから、こういうことがあると、やはり、教訓課長は何らか知っていたんじゃないかというふうに思わざるを得ない状況なんですけれども、ちょっと改めて、小野寺防衛大臣、ここのところの調査はもう十分だとお考えなんでしょうか。
  49. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 委員認識と私どもも全く同じ認識を持っておりまして、なぜこの時点で、通常、メール情報公開請求が来るにもかかわらず、この教訓課長が改めて、メールではなくしっかり文書でよこすようにという、そのような意見を述べたということ、これは、どのような経緯でということで、十分その部分に注目をして、そして調査をしたという報告を受けておりますし、私も調査報告を受ける段にありまして、どうしてここだけ文書で改めて要求したのかということ、これは、再度、状況について詰めて報告を受けましたが、今、事務方の方から報告がありましたが、その内容に帰着したということだと思います。
  50. 宮川伸

    ○宮川(伸)委員 この後の質問もこういう観点でお話ししようと思っているんですが。  私、情報公開請求だとか野党の要求に対して真摯な対応ができていなかったんじゃないかという懸念を持っているんですが、そういった中で、この一のところですけれども、国会議員の方から要請があったという中で、我が党の辻元議員が、こういう紙をお配りしていますが、最後のページのところの紙ですけれども、赤い矢印で、日報というのが教訓として、こういうものがあるんだということで、辻元議員自身が、研究本部等が捜す上で非常に重要だという認識を当時持っていらっしゃったということですが、なぜ、この研究本部がしっかり捜されずにこのまま来てしまったというようにお考えでしょうか。
  51. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 昨年二月十六日に、辻元議員から、これは十一時ごろだというふうに報告を受けておりますが、防衛省に対して、イラク戦争におけるサマワでの日報等について、同日中の提出を求めるという資料要求がありました。  担当課である統幕参事官付の事務官は、当該資料を保有している可能性があるのは統幕、陸自及び空自であると考え、同日十一時半ごろ、統幕参事官のカウンターパートである統幕運用第二課、陸幕運用支援課及び空幕運用支援課に対し、該当する資料を探索し、その結果を同日十五時までに報告するよう依頼をいたしました。  当該依頼を受けた陸幕運用支援課は、時間的な制約があることから、陸幕運用支援課のみに探索範囲を限定しており、陸幕から研究本部に探索依頼をかけたことは確認されませんでした。  その日に、辻元議員に対しては、今確認中であるという返事をしたということで承知をしております。
  52. 宮川伸

    ○宮川(伸)委員 先ほど、スライドまで出して、辻元議員はかなりしっかり言ったんだと。ですから、その後の、F氏が結局きちっと捜さなかったわけですけれども、やはりここを、野党議員から、あれだけパネルまで出してやっているわけですから、しっかりとF氏は捜すべき、あるいは、上司からF氏にこういうことがあるんだということを伝えるべきだったんじゃないかと思いますが、それとともに、先ほどのN氏の件、メールが来たのにそのまま据え置いてしまったというようなことも含めまして、やはり、野党からの要求あるいは国民からの要求ということに関して、何らか、積極的にはやらない、誠実にやらないところがあるのではないかと思わざるを得ないわけです。  そういった中で、お配りしている資料の二枚目に新聞記事があるんですけれども、この新聞記事の中に書かれていることですが、防衛省文書管理を担当する職員は取材に、ファイルにある文書への情報公開請求を回避するために、名称を抽象的な表現にしていると証言したというようなことがこの新聞にも書かれております。  こういったことも含めて、小野寺大臣、野党議員国民の要求に対してどのように考えていらっしゃるんでしょうか。
  53. 高橋憲一

    高橋政府参考人 お答えいたします。  ここに御指摘の記事でございますが、この報道につきましては、我々も調査をしてございます。  ただ、委員御指摘のように、本来、文書ファイルの名称につきましては、よりわかりやすいものにしなさいというのがガイドラインあるいは防衛省文書細則で決まってございますので、この点につきましては、このような指示をした者がいるのかどうか、現在調査中でございまして、現在、まだそれについての確答は得られていない状況でございますが、いずれにせよ、防衛省文書ファイルにつきましては、よりわかりやすく、明確で簡潔なものにしなさいという指示のもとに、今、点検作業を行っているところでございます。
  54. 宮川伸

    ○宮川(伸)委員 今回の調査をもとにして、ここに再発防止策というのもお配りをされているということで、これからしっかり改革をしていくということであります。  私、この改革の中に、大臣からの指示に対してしっかりやるんだということはもちろんなんですが、それとともに、やはり野党議員からであるとか国民の資料請求に関しても、しっかり誠実にやっていかなきゃいけないんだ、こういったことを防衛省の中に意識として根づかせていくんだというような改革が必要だ、そして、そういう文言をこういった中に書き込んでいくべきじゃないかというように思うんですが、大臣、どのように思われますでしょうか。
  55. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 まず、今回のイラク日報が見つかったという経緯でありますが、これは、昨年の南スーダン日報にかかわるさまざまな問題があって、そしてその再発防止策ということで、日報をまず一元管理をするということ、そしてその中で探索をかけていった中で、実は、むしろ防衛省の中でイラク日報があったということを確認をし、そしてそれは過去の国会請求やあるいは情報公開請求に反するものだという反省のもとに今回さまざまな調査をしております。  私どもとしては、むしろ、こちらが見つけて、こんな問題があって、これをどうしたらいいんだ、本当になぜこんなことが起きたんだ、そういう疑問を持った視点から、今回、しっかり大野チーム探索をしていただいた、そのように思っております。  そして、今委員がお話がありましたように、まさしく、これは大臣ということよりも、シビリアンコントロールの問題も含めて、国会国民からの要請に誠実に応えるということ、これが重要であります。今回の再発防止策の中に、例えばそのような研修、意識の徹底ということが入っておりますので、具体的に、例えば国会からのとか情報公開からのとは入っておりませんが、当然のこととして、この意識の再認識をさせるということ、あるいは、しっかりそれを研修させるということは、何を研修させるかというと、そのような国会国民からの要請に対して誠実に応えるということ、これをしっかり根づかせるということがこの目的ということであります。
  56. 宮川伸

    ○宮川(伸)委員 ありがとうございます。  ぜひ、もちろん大臣からの指示、これをしっかりと伝えていくということもそうですが、改めて、野党議員国民のこういった要求に関しても誠実に対応していくという改革を防衛省にしていっていただければと思います。  先ほど、ファイル名の話で、今調査しているというような御答弁があったと思います。ファイル名に関しても、私、非常に大きな問題だというように認識しています。  先ほどの新聞記事でございますが、この新聞記事のもともとのポイントというのは、防衛省のファイル名が非常に抽象的だ、この抽象的なファイル名が公開請求逃れのためにやられているんじゃないかという記事なんですね。  例えば、イラク復興支援に関するファイルのファイル名が運用一般というふうになっている、だから、運用一般というのを見ても、この中にイラクがあるかどうかはちょっとよくわからないということ。あるいは、南スーダン派遣施設隊に係る教訓要報、こういった南スーダンのものに関するもの、これが注研究(一年)というファイル名になっているんだそうです。  ですから、ファイル名を見ても、その中にイラク日報が入っているのか、あるいは、南スーダン日報が入っているのか、これがすぐにわからないから、何か、一つ一つざあっと見ないとなかなか見つけられないと。  ですから、私、今回、なかなか調査で出てこない一つの大きな理由が、ファイル名を、故意なのかどうかは別にして、非常にわかりにくい名前にしているというのが、これが大きな問題の一つじゃないかと思いますが、大臣、いかがお考えでしょうか。
  57. 高橋憲一

    高橋政府参考人 先ほど委員御指摘がありましたように、行政文書のファイル名につきましては、ガイドラインあるいは細則において、より内容がわかりやすいものにするということが大原則でございまして、現在も逐次改正を行ってございます。  例えば、注研究(一年)となったものにつきましては国際協力活動の成果研究に係る意見照会など、あるいは数字で四四九二八となっておりましたものは平成二十三年度航空機等情報収集資料というふうな形で改めることを既にやってございますので、今後とも改める作業を継続していきたいというふうに思ってございます。
  58. 宮川伸

    ○宮川(伸)委員 今、ファイル名の話で、何でイラク日報、サマワで何らか、迫撃砲だとか何か、ある部分日報がすぽすぽ抜けているということも指摘をされていますが、なぜ全部日報が出てこないのか。  こういった中で、このファイル名の問題が一つ大きな問題で、ファイルを管理しているためのファイル管理簿というのがあるわけですね。日報自体は一年間で破棄していたかもしれませんが、このファイル管理簿というのは無期限で保持しなきゃいけないというように私は理解をしています。ですから、このファイル管理簿を見れば、いつそのものが来て、破棄されたかというような事実関係がわかるはずなんです。  私は、そのイラクに関して、では、いつ、どこの部署にあって、いつそれが破棄されていたかという情報を出してくれということを質問主意書等も含めてお願いをしているんですが、全く出てこないんです。ですから、これはまさにファイル名が、今おっしゃっていたような抽象的な、番号だとかなので、そのファイル名がファイル管理簿に載っていても、どれがイラクなのか、日報なのか、全くわからない状況になってしまっているんだと。私、これは非常に深刻な状況だと思います。  先ほどの、再発防止の話をしましたが、私、この中に、やはり、このファイルの管理方法、名前のつけ方に関してはしっかりと修正をして、さかのぼって後から見ても、どういう内容のものがあったのか、少なくともこのファイル管理簿を見ればわかるような体制にすべきだと思いますが、そういった改革、小野寺大臣、やっていただけませんでしょうか。
  59. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 このイラク日報が作成されていた時代、十数年前でありますが、そのときには、このイラク日報を、例えば、今私どもが決めているような、十年間保存し、その後公文書館にというような、そういう扱いの対象文書ではなかったと承知をしております。ですから、それが明確に、こういうファイルでここに置かなければいけないという、そういう認識に当時は立っていなかった。  ですから、今回出てきたのは、個人のファイルなのか、あるいは、業務で使っていいかよくわからないけれども、そういうものをとにかく全て集めたような外づけのファイルの中から見つかったり、いろいろなところから見つかったということであります。  いずれにしても、現在の私どもの判断からしては、これはそのような管理はしてはいけないということでありますので、これからそれをしっかり正すべく努力をしてまいりたいと思っております。
  60. 宮川伸

    ○宮川(伸)委員 ぜひ、このファイル管理、しっかりやっていただければと思います。  もう一つ、私の資料の、どのような日報が見つかったかというのが後ろから二枚目のところにあります。ちょっとこれは、準備が時間がなくて、古いものになってしまっているんですが、研究本部から三十三日分出ていますが、例えば、陸幕の衛生部なんかからは三百八十一日分、もっと多いものが出ているわけです。  そういった中で、ほかの部署、衛生部だとか、ほかに出てきている部署において、一年前の三月のころに、イラク日報があるということを認識されていた方というのはいないということは、確認できているんでしょうか。
  61. 小波功

    小波政府参考人 お答えいたします。  まず、大野政務官を長といたします調査チーム報告書において述べましたとおり、昨年二月十六日の国会議員からの同日を締切りとした資料要求においては、探索時間が非常に限られていたこと等の理由から、陸幕においては、運用支援課運用支援第二班のみの探索にとどまっておりました。  その後も、自衛隊海外において活動する場合に教訓収集要員を派遣していることを踏まえ、研究本部等に範囲を広げ探索を継続していたものと承知しておりますが、当時、陸幕衛生部において探索が実施されていたか否か、その他の部署までイラク日報が発見されていたとの事実は確認されておりません。
  62. 宮川伸

    ○宮川(伸)委員 ことしの四月四日だったでしょうか、研究本部が一年前に知っていたという情報が来たときに、なぜ研究本部は一年前から知っていたということがわかったんでしょうか。何か書類が残っていたのか、どういう事情で一年前から知っていたという事実が判明したんでしょうか。
  63. 小波功

    小波政府参考人 お答えいたします。  まず、今回の大野チーム調査報告書にございますとおり、昨年の三月二十七日に、いわゆる南スーダン特別防衛監察の作業の過程で、事実関係としては発見されております。  それにつきまして、今回、いわゆる昨年の南スーダン日報問題の再発防止策の中で、統幕への一元化作業をするということで、昨年の十一月ぐらいから陸幕のいわゆる通達等による作業が始まりまして、本年になりまして、その全体の作業が進んでいく過程でこのイラク日報部分陸幕の方に上がってまいりまして、そこから統幕、内局等に上がってくるという過程で、イラク日報のものがあるということがわかりました。  その点につきまして、当然、それらはいつごろどういう形でわかっていたのかというのを内部で確認いたしましたところ、当時、今回、まさにその教訓課長でございますけれども、彼が昨年の三月二十七日に既に確認していたということを正直に自己申告しておりますので、それによって、私どもとしては、その時期に少なくとも確認していたということを初めて認知した次第でございます。
  64. 宮川伸

    ○宮川(伸)委員 このように、ある意味正直にというか、自己申告で、知っていたんだということを研究本部の方は言った。これを言ったものだから、これだけ大きくなって、十七人も罰を受けなければいけないような状況になってしまったと。ですが、私は、今回の大野チームはここが範囲だということですが、やはり衛生部だとかほかの部分に関しても、しっかり当時知らなかったのかということを聞かないと、研究本部、正直に言ったところはすごくたたかれてしまって、隠していたところはそのまますり抜けてしまうというのは、私はちょっと不公平感があるんじゃないかと。  だから、少なくとも、こういった部署に対して、匿名でいいのでアンケート調査をとって、研究本部のように、当時このイラク日報があるということを知らなかったのかどうかということを調べるべきではないかというように、これは公平性という意味を含めて思いますが、大臣、いかがお考えでしょうか。
  65. 寺田稔

    寺田委員長 高橋大臣官房長、申合せの時間が来ております。簡潔にお願いします。
  66. 高橋憲一

    高橋政府参考人 委員御指摘の点でございますが、防衛省自衛隊は、各機関、非常に膨大な数がございます。情報公開あるいは資料要求のときには、ある程度当たりをつけながら捜索するというのが行われてございまして、今回、陸幕の衛生部については、そのような当たりの対象の中に入っていなかったということでございますので、必ずしも彼らが申告しなかった、そういう問題ではないというふうに考えてございます。
  67. 寺田稔

    寺田委員長 宮川伸君、時間となっております。
  68. 宮川伸

    ○宮川(伸)委員 時間になりましたので、ぜひ、大臣のリーダーシップをとってこの改革を進めていっていただければと思います。  ありがとうございました。
  69. 寺田稔

    寺田委員長 次に、広田一君。
  70. 広田一

    ○広田委員 無所属の会の広田一でございます。どうかよろしくお願いを申し上げます。  まず、「イラク日報」に関する調査チーム報告書についてお伺いをいたします。  大野政務官におかれましては、ほかの政務三役がゴールデンウイーク中、精力的に外遊をされる中で、一人国内に残り調査をされたこと、その御尽力に、同じ四国の者として心から敬意を表するところでございます。  ないとされておりましたイラク日報が、一年前の三月二十七日に発見されていたにもかかわらず一年も放置されていたことについて、報告書は、統幕職員指示を十分に履行することができず、教訓課事務処理も不適切だというふうにしております。一読した感想でありますけれども、これは現場に責任といったものを押しつけている印象がございます。これでは現場はかわいそうかな、このようにも思うわけでございます。  その上で、まず大臣の方にお伺いをしたいんですけれども、今回、この調査をした問題意識というのは、これらのことがシビリアンコントロールにもかかわりかねない重大な問題が含まれている可能性があると考えられたという問題意識のもと調査をした結果であるというふうに思いますけれども、この事案を、大臣として、シビリアンコントロールの観点からどのように評価をされているのか、お伺いをいたします。
  71. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 まず、今回のイラク日報確認をされた事案というのは、昨年の南スーダン日報問題の反省のもとに、再発防止策の一環として日報の一元管理をするという過程、そして、日報を集めていく中で、実は防衛省自身が見つけて、そして私のところに報告がありました。これはやはり大変大きな問題だと私ども思っております。  むしろ、この発見の過程は、政治の判断、大臣指示で、昨年なかったというものがことし見つけて、そして見つかった中で、速やかに国会報告をし、また国民皆様にもメディアを通じて報告をし、そして、私ども今このような御指摘をいただいております。ですから、むしろ積極的に、この問題については政治主導で解決をしていきたい、その一環でこうして国会の審議も受けさせていただいております。  そして、どうしてもやはり、今回の一連の過程の中で、私どもとしても国民にしっかり、あるいは国会にしっかり説明できるのかどうか疑問を持った形で、大野政務官中心としたチームが、三十四回という、先ほど委員からお話がありましたが、ゴールデンウイークも返上しての調査をしていただき、疑問を持つ中で、それが本当に解消できるのかという綿密な調査をしていただいたと思っております。改めて、政治のリーダーシップの中でこれを努めてくれた大野政務官にも、感謝を申し上げたいと思っています。  今回の一連の過程については、政治のリーダーシップで私ども行っていると思いますが、ただ、その過程の中でわかってきたことは、当時の稲田大臣に対しての、さまざまな国会答弁の基礎となるさまざまな国会からの要請、情報公開請求に対して、事務方が十分に応えていないということ、そしてまた、ことしになっても、私に対して報告がおくれていたということ、こういうことを全て勘案すれば、やはり、このような組織では、シビリアンコントロールに関して私どもとしてしっかり国民皆様説明ができない部分もある、それを正していくのが私どもの役目だ、そのように認識をしております。
  72. 広田一

    ○広田委員 ただいま、大臣の、この問題、政治主導で取り組んできたということについてのお話があったわけでございますけれども、これは大臣は、結果といたしまして、シビリアンコントロールの観点、これについてどう思うのかという質問だったんですけれども、これまでの発言等を聞きますと、シビリアンコントロールに反する行為はなかった、意図的な隠蔽は確認できなかった、こういうふうな趣旨のことを述べられているというふうに思いますが、この報告の結果、そのようなシビリアンコントロール上の観点から評価をされているんでしょうか。
  73. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 私どもとしては、まず、日報確認をするということ、これ自身が、まず政治主導で探索をさせ、そして見つかって、それを公開をさせていただいたということであります。  ただ、昨年の大臣の要請、あるいは国会の要請に対して十分に対応できていなかったということ、これはシビリアンコントロールにかかわる重大な問題だと思っております。  ただ、今回のさまざまな調査の中で私どもとして確認できたのは、あくまでも、隠蔽を意図した、何か意図してこのようなことが行われたということの事実は確認できなかったということでありますので、私どもとしては、シビリアンコントロールに反するような問題があったということにはならないと考えておりますが、ただ、私どもとしてこういうことがあってはならないということで、しっかり正していきたいと考えております。
  74. 広田一

    ○広田委員 今大臣の方から、このようなことはあってはならないということでございますが、それは、結果として、防衛省自衛隊への信頼を失墜させた事態である、こういった認識を持っているということでよろしいでしょうか。(小野寺国務大臣質問」と呼ぶ)
  75. 寺田稔

    寺田委員長 広田一君、再度お願いします。
  76. 広田一

    ○広田委員 大臣質問の方はよく聞いていただきたいんですが。  先ほどの御答弁を踏まえまして、大臣として、結果的にこのような事態というのは防衛省自衛隊への国民信頼を失墜させた、こういう事態に陥っているという御認識はあるんでしょうか。
  77. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 先ほど、シビリアンコントロールにかかわりということでちょっとお話ししました。かかわりかねない重大な問題と認識をしているということであります。  そして、今、この問題について、例えば、国会でのこのような御質疑がありますし、多くの国民皆さんも、昨年の南スーダン日報に次いで今回はイラク日報について、十分な国会への説明、そしてまた国民への説明が求められているという、こういう状況を見れば、私どもとしてこの問題に真摯に取り組む重要な役割があると十分認識をしております。その上で、大野政務官中心としたチーム対応していただいているということであります。
  78. 広田一

    ○広田委員 大臣、私の質問に正面から答えていただいていないんですけれども、要するに、シビリアンコントロールに反する行為はなかった、意図的な隠蔽はなかった、このようにやっているんですが、しかし、このように、大臣指示現場に徹底されていない、そしてまた、その結果が、この後聞きますけれども、大臣報告されていない。このようなことによって、結果的に防衛省自衛隊への国民信頼を失墜させた事態であるという認識のもと、今るる述べられたような問題意識等を持って、この事案取り組まれたということなんでしょうか。
  79. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 まず、今回のイラク日報が、これは確認をされ、そして速やかに公表するというのは、むしろ私ども政治のリーダーシップでわかってきたということであります。  ただ、昨年ないといった中で、今回どうして見つかったのかということ、これはやはり大きな問題だと認識をしております。  そのため、今回、大野チーム中心とした調査により、なぜそのようなことが行われたのか、それが例えば意図的なものとか、あるいは隠蔽につながるようなものなのかということ、これを疑いの目でもって大野チームにしっかり見ていただいたということであります。  私どもとしては、このような対応をする中で、防衛省自衛隊に対する国民皆様信頼を回復するために努力をしていくということ、これが私どもに課せられた役割の一つでもあると思っております。
  80. 広田一

    ○広田委員 大臣の御認識は、正直申し上げて甘いのかなと思います。信頼を回復をしていくということは、これは逆に言えば、今信頼を失っているということの私は裏返しではないかなというふうに思いますので、この点についてはしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  私は、去る四月十三日の質疑の中で、四月五日の山崎陸幕長の定例記者会見を踏まえまして、陸自研究本部の教訓課長が、昨年二月に当時の稲田大臣指示でこのイラク日報の照会が省内で行われたことにつきまして、照会は稲田大臣指示に基づくものだとは知らなかったと話している、もしこれが事実だとすると、大臣指示現場に徹底されていない証左になると思うがどうかと質問しましたが、大野政務官、この調査結果、改めて御報告をいただければと思います。
  81. 大野敬太郎

    大野大臣政務官 この部分は、まず、稲田大臣指示と、それから現在の小野寺大臣指示において、どんな違いがあるのかということにもかかわるんだと思いますけれども、そもそも、事日報ということにつきましては、まず制度が違う。ここが一番の大きな私は問題だと思っておりまして、昨年の七月以前の状況では、この日報というものが当然一元化もされていない、そういった状況の中では探索というものが極めて難しい状況にあった、ここは事実なんだと思うんですね。  だからこそ、去年あんな大きな問題になったので、それではということで、きょうお越しになっている高橋官房長を中心に、再発防止の策を取りまとめて、そして一元化して、あるいは不在となった文書、不在であったと報告があった文書については、もう一回捜せというような制度もつくり、そして現在に至っているということなんだと思います。  そういった意味で、まずその部分が決定的に違うので、稲田大臣のときにすぐ報告が上がらなかったから徹底されていなかった、今回小野寺大臣指示をしたから徹底されている、そういうことではないというふうに認識をしております。  その上で申し上げたいと思いますけれども、委員の御質問はそのところでよろしかったでしょうか。(広田委員「事実確認」と呼ぶ)はい。  まず、これは御報告書に書かせていただいているとおりでございますので、これは余り時間をとると、恐らく御質問が短くなりますので、もし追加があればお答えをさせていただきたいと思います。
  82. 広田一

    ○広田委員 確かに、小野寺大臣のときと稲田前大臣のときには、日報に対する取扱いの仕組みが変わってきているということは理解をいたします。  ただ、今回、この前の四月十三日の質疑の中で、やはりこの問題の肝の一つが、現場に対して大臣指示が伝わっていない、徹底されていないということが、一年もたっても報告が上がらなかったことの一つの原因ではないかということであり、大野政務官自身もここが肝の一つだという旨のお話もされているわけでございますので、結果としては、これは大臣指示というものが徹底されていなかったということで、教訓課長大臣指示という認識がなかったというふうな報告になっているんだろうと思うわけでございます。  そのことを踏まえてお伺いをしたいんですけれども、まず、指示のあり方ということを考えた場合に、報告書の四ページでは、統幕の総括官は、稲田大臣より、イラク日報の再探索指示があったことを受けというふうにあるんですけれども、これは、明確に再探索指示をしたのかどうかであります。  これは稲田前大臣には確認をしていないということでありますけれども、確認をしていないのになぜ、指示を出したというふうに認定できるんでしょうか。
  83. 大野敬太郎

    大野大臣政務官 この部分については実はたくさん質問を受けるんですけれども、指示がなければ、指示というのは、指示をした相手というのは統幕総括官でございますけれども、指示がなければ総括官は動かないわけでありまして、何か、私も広田先生から質問を受けなければ答えないわけでありますので、リアクションがあったということは指示があったということと認定をしております。その時点でその調査を始めてございますので、御理解をいただければと思います。  そして、もう一つが、先ほど申し上げ、今委員もおっしゃっていただきましたけれども、稲田大臣指示において、冒頭の、最初の探索開始のところで、やはりしっかりと、どういうところをいつまでにという具体的な指示、こういうのがもうちょっと明確になっていれば、もうちょっと正しいやり方が行われた可能性はあると認識をしておりますけれども、そういうことが示されることなく、またその結果を確認することもなかったということが調査の中でわかってございます。
  84. 広田一

    ○広田委員 大野政務官がおっしゃるとおり、指示がなければそれに基づいた行動は起こさないというのが通常であります。  ただ、今回の報告書をつくる際に当たって、政務官はしきりにエビデンスという話をしております。こういうふうに一方は言っているけれども、しかし、それを裏づけるものがなければいけないんだというふうに繰り返された。なぜ稲田大臣のところだけ例外となるのか、これが私は理解できないんです。  例えば、あの暴言問題、小西議員に対する暴言。小西さんは、私は国民の敵と言われた、しかし、その自衛官は言っていないという。双方の意見が食い違うので、これは事実としては認定できないというふうに皆さんは整理されております。しかし、稲田大臣の場合は、一方からの確認だけで済まされる。これはダブルスタンダードじゃないですか。こんなことで真実を究明することができるのか、甚だ疑問であります。  また、今回の、稲田大臣の再探索指示があると言われている結果について、稲田大臣に結果報告がなされているのかどうか、これも稲田大臣には確認していないというふうに言われております。これは二重の意味で、まさしくキーパーソンの方に対して調査を行っていない、私は不十分な調査報告書になってしまっているんじゃないかなというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
  85. 大野敬太郎

    大野大臣政務官 私自身は、なぜ皆さんがそこまで稲田大臣の意思、意図、あるいはその確認をせよと言っているのか、私はよく実は正直わからないところがありまして、まさに、我々としましては、組織の中でいかに適切に制度にのっとってしっかりと仕事が行われているのか、あるいは行われていないのかということを調査することが一番の重要なポイントでございますが、決して稲田元大臣に聞きに行かないよと言っているわけでは全くございませんが、今のところ、全く聞く必要もないというふうなことを思っておりますので、聞いていないということでございます。
  86. 広田一

    ○広田委員 そうすると、稲田大臣指示をした、これは、ひょっとしたら、本人にお聞きすると記憶がないというふうに言われるかもしれませんが、指示をした。しかし、調べたけれども、当時は、イラク日報がなかったという結果報告が稲田大臣にはなされていないということについては、事実確認はいかがでしょうか。
  87. 大野敬太郎

    大野大臣政務官 済みません、答弁漏れをしておりました。  稲田大臣には報告が上がってございません。  それは、報告書の中にも書かせていただいていたかと記憶しておりますけれども、まず、その前の段階、つまり、統幕総括官にもそれは報告が上がっていない。  そうすると、どこまで来たのかというと、その実際の作業をした統幕参事官付である、報告書ではAと書かせていただいておりますけれども、ここには、ないという報告陸幕等々から来ているということでございました。  では、なぜこのAがもともとの統幕総括官に報告を上げなかったのかということについてでございますけれども、なかったわけです。あったら、多分、すぐに報告を上げるんだと思いますけれども、なかった。  しかも、先ほども申し上げましたように、稲田大臣のときの探索は、具体的な明確な期限とか、あるいは方法、手法、範囲、こういったものが明確に示されることなく探索が行われたということでございます。つまり、先ほど申し上げました制度ですよね、制度がまだ確立されていなかった段階で、ないといっても、では本当にないのかどうかというのは、まだ不安に思っていらっしゃったんだと思います。  そういった意味で、このAというのは、そこまで明確にその意図、意思まではわかりませんけれども、その時点でないということは、まだほかに出てくるかもしれないという認識のもとに、その時点でAは、自分の中でとどめたままになったんだと思っておりますけれども。  いずれにせよ、統幕総括官には報告が上がらなかった。ということは、自動的に、統幕総括官は大臣報告を上げなかった。こういうことがわかっておりますので、御報告書に書かせていただいているところでございます。
  88. 広田一

    ○広田委員 大野政務官、私は、そのこと自体が大問題だと思っております。稲田大臣指示をしたか、しないのか、これも非常に私は重要だと思っておりますが、大臣指示をしたというふうに皆さん認識をしていて、その大臣指示をした結果、ある、なしについて、結果報告大臣に上がっていない。こんな事例はほかにあるんでしょうか。
  89. 大野敬太郎

    大野大臣政務官 これは繰り返し申し上げさせていただいておりますけれども、明確な期限とか、明確な手法、やり方、範囲、こういったものが明確に示されているならば、恐らく、そういった形で、現時点においては見つかっていないという報告が上がるんだと思います。  ところが、今、総括官から参事官付、それから、参事官付からいろいろな部署に探索の依頼がかかるわけでありますけれども、これが戻ってくるのが去年の三月十日ということになるんだと思いますけれども、では、なぜ三月十日までかかったんだということも言えるわけですよね。  逆に言えば、いつまでも探索をするべきだというものもありますし、実際に、そういった認識に、例えば、報告書にも書かせていただいておりますけれども、二月の十六日だったかと記憶しておりますが、国会からの資料要求があるわけです。この国会からの資料要求に対して探索を、短時間だったけれども、実際に陸幕の中ではした。したんだけれども、そのときは明確に期限があったわけです、当日までと。だけれども、その陸幕の中では、いや、まだ、これは重要な案件だからといって探索を続けていたということでございますので、必ずしも、そこの時点で上がらなかったから問題だというふうには、私は捉えていないというところでございまして。  一方で、もちろん大臣の言葉というのは非常に重要なものでありますので、適切であったかと言われると、報告が上がらなかったわけですから、その部分については、必ずしも適切ではなかった、こういう表現で調査報告は書かせていただいているところでございます。
  90. 広田一

    ○広田委員 大野政務官、非常に何か危険な答弁をされていると思いますよ。これは後で精査されたら、かなりきつくなるんだろうと思います。  大臣指示が必ずしも上がらなくてもいいんだというふうな、そういうことをおっしゃるというのは、私はちょっと信じがたいんです。自分が指示をしたことが、その結果報告が上がらなくてもいいんだというふうにもし組織認識をしてしまったら、まさしくこういう防衛省自衛隊という危機管理官庁は成り立ちませんよ。もし有事のときに、大臣指示をしたこと、政務官を指示したこと、その結果報告が、かくかくしかじか、こういう理由があったら上がらなくてもいいんだというふうに認めてしまったら、この組織は成り立ちませんよ。  政務官、今の答弁は撤回した方がいいですよ。
  91. 大野敬太郎

    大野大臣政務官 多少誤解があったようでございますが、その部分についてはおわびを申し上げたいと思いますが、結果的に上がらなかったことについては、必ずしも適切な部分ではなかったという形で報告をさせていただいているところでございます。
  92. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 このような形で大臣指示というのが的確に伝わらなかった、あるいは大臣に適切に報告が上がってこなかった、そういう事案をもって、今回の事案においては私ども十七名の職員に関して処分をしたということでありますので、そのようなことはあってはならないということは、私ども、肝に銘じて考えております。
  93. 広田一

    ○広田委員 先ほどの答弁を聞いたって、大臣の御答弁と政務官の答弁、食い違っているんですよね。  今回の報告書について、まさしくきょうの質疑では入り口のところでさえクリアできておりませんので、この問題については引き続き当委員会でも議論をしていただきたいと同時に、今回の調査報告を見たときには極めて不十分でありますので、やはり、少なくとも防衛特別監察をやるべきだ、このことを強く申し上げまして、質疑を終了したいと思います。  どうもありがとうございました。
  94. 寺田稔

    寺田委員長 次に、後藤祐一君。
  95. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 国民民主党の後藤祐一でございます。  私はもともとの安保委員ではありませんが、きょう、差しかえで質問させていただいたことに感謝申し上げたいと思います。  まず、ことし起きたことについて振り返りたいと思いますが、ことしの方についての報告書の六ページで、「防衛大臣には時間をかけず直ちに一報するべきであり、適切とは言い難い対応であった。」というふうにされておりますが、どの段階で大臣報告すべきだったんでしょうか。  具体的には、ことしの三月五日に統幕鈴木総括官がイラク日報存在を知った段階でできるだけ早く第一報を大臣報告すべきだったというような説明を事務方から受けておりますが、即日、遅くとも翌日ぐらいには報告すべきだったということなんでしょうか。  これは大臣にお伺いしたいと思いますが、今回の三月に起きたこと、本当はいつぐらいに報告すべきだったということと、まさにここはシビリアンコントロールが失われたと言われかねない部分なので、今後シビリアンコントロールを確実にきかすためには、今後、一般に、これまで防衛省国会答弁ですとかいろいろな形でしていた説明とは異なる事実が現場でわかった場合には、できれば当日、遅くとも翌日に報告するということをこの場で説明いただければ、はっきり言っていただければ、それは防衛省自衛隊内に伝わると思いますので、これが防衛大臣が言えるかどうか、シビリアンコントロールがかかっていると思いますので、明言していただきたいと思います、小野寺大臣
  96. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 まず、今回、実際に見つかって私のところに上がってくるまでに時間がかかったということ、これはあってはならないことだと思っております。  具体的な期日をお示しするのは困難でありますが、昨年の南スーダンPKO日報問題に係る反省などを踏まえれば、本年三月五日、統幕参事官付の職員から鈴木統幕総括官に対して、イラク日報、これは二日分のイラク日報というふうに聞いておりますが、現物が見つかった、確認されたということがあったという時点で、直ちに私に報告を、第一報はすべきだというふうに私は考えております。  いずれにしても、もしこのような事実がわかりましたら可能な限り速やかに報告するということでありますし、私どもとして、国会でのさまざまな委員からの御要請あるいは情報公開請求、このことに対しては真摯に向かうということでありますし、また、適時適切に対応していくことが大切だと思っております。
  97. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 残念ですね。可能な限り速やかにとか適時適切にというのは、役人言葉では、まあ、できるようになったらやればいいというように解釈しちゃうんですよ。  大臣、せめて、直ちに報告されたいと明言されていただけませんか。
  98. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 私どもとして、当然、そのような事実が例えばあった場合、これが正しく、正確にお答えできる内容かどうかという精査をする、これも重要な役割だ、仕事だと思っておりますので、正確な精査をした中で、私どもとして適時適切にお示しをするということなんだと思います。
  99. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 そこがシビリアンコントロールが崩れるところなんですよ。  まず事実を、一報を大臣に入れる。その後で、外への説明の仕方は確かに整理が必要な場合がございます。大臣のところで、一報が入った上で、外への説明の仕方を整理するのに少し時間がかかってもいいと思うんです。その精査のところをやってから大臣に上げるから、こうやっておくれたわけじゃないですか。今の答弁は、全くそこを反省されていないですよ。  まず一報は大臣に入れた上で、外への説明の仕方の精査は少し時間をかけてというのは私はありだと思いますよ。混同されているじゃないですか。まず一報は直ちに入れて、外への説明の仕方のための精査は少しそれよりは時間がかかるかもしれない。  言い直していただけませんか。これはシビリアンコントロールの本質なんですよ。
  100. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 私は、先ほどから答えておりますが、今回のこのイラク日報事案に限らず、やはり、事実が確認された段階で速やかに防衛大臣に一報があるべきだというふうに考えております。
  101. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 可能な限り速やかにが、速やかにまでなりました。これが小野寺大臣によるシビリアンコントロールの限界なんだと思います。  次、空自の日報について行きたいと思いますが、これまでのところ、たった三枚の空自のイラク日報が発見されておりますが、それ以外の空自のイラク日報は、存在確認できないという言い方ではなく、不存在とはっきり言えますでしょうか。
  102. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 四月七日に、私から、全部隊の機関において、海外派遣された自衛隊活動に関し、全ての日報を含む定時報告探索作業を徹底して行い、統幕への集約作業を原則として四月二十日までに終えるよう通達をいたしました。  その結果、四月二十三日に、延べ四万三千件の日報を含む定時報告を集約した旨の結果を公表したところですが、その中に含まれる空自の活動に係るイラク日報は、四月六日に公表した三日分三枚でありました。  今般の探索作業は、私の指示を受けて、全国二十五万人の隊員が、おのおのが所属する全ての部隊及び機関において、日々の業務を行いながら行ったものであり、その作業の結果については重く受けとめるべきだと思っております。  一般論として申し上げれば、行政文書開示請求への対応として、不存在のため不開示決定した後、該当文書確認された場合には、不開示決定を取り消して開示決定を行うということになります。  その上で申し上げれば、四月二十日までの探索作業に漏れがあることが判明した場合には、速やかに国民皆様に公表するとともに、その原因について、まずは当該文書を管理する担当部署に対して厳しく聞き取りを行うことが必要となると考えております。
  103. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 ということは、不存在と言い切れないということですか。将来あるかもしれないという答弁ですか、今のは。
  104. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 私どもとしては、今回しっかり調査を行ったというふうに認識をしております。  その上で、今回の探索作業に漏れがあることが判明した場合には、速やかに国民皆様に公表するとともに、その原因について、まずは当該文書を管理する担当部署に対して厳しく聞き取りを行うことが必要になると考えております。
  105. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 不存在と言い切れないんですよ。まだ隠しているものがあるかもしれないということじゃないですか、今の話は。そうしたら、情報公開請求を出したら、不存在と答えられないということですか、今の話は。いや、いいです、同じ答弁するでしょうから。  情報本部について聞きます。  情報本部については、四月十六日公表の百八日分が、イラク日報、空自に限りませんね、まあ陸自なんでしょうけれども、発見されておりますが、情報本部には、この既に発見された百八日分の日報以外に、空自、陸自含めて、イラク日報存在しないということでよろしいでしょうか。
  106. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 まず委員にお話をしておきたいのは、今回のイラク日報確認されたのは、これは、昨年の南スーダン日報の問題について、その反省のもとに、私ども、再発防止策の一環として、日報等の集約を図り、その中でしっかり探索をするという中で、実は防衛省自身が見つけて公表し、こうして国会皆様から御指摘をいただいているということであります。  私どもとしては、これを隠すとかそういう意図はない。むしろ、防衛省からこの問題については公表し、なぜ昨年、大臣あるいは国会での要請に対して十分応えられなかったのか、そのことについて大野チーム中心に調べていただいているということが私どものスタンスであります。  四月七日に、私から、全ての部隊、機関において、海外派遣された自衛隊活動に関し、全ての日報を含む定時報告探索作業を徹底して行い、統幕への集約作業を原則として四月二十日までに終えるよう通達をいたしました。  その結果、四月二十三日に、延べ四万三千件の日報を含む定時報告を集約した旨の結果を公表したところですが、その中に含まれる情報本部で確認されたイラク日報は、これまで公表した百九日分でありました。  今般の探索作業は、大臣指示を受け、全国二十五万人の隊員が、おのおのが所属する全ての部隊及び機関において、日々の業務を行いながら行ったものであり、その作業の結果については重く受けとめるべきだと思っておりますし、また、今後、この探索作業に漏れがあることが判明した場合には、速やかに国民皆様に公表するとともに、その原因について、まずは当該文書を管理する担当部署に対して厳しく聞き取りを行うことが必要になると考えております。
  107. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 つまり、四月二十日までに取りまとめて、四月二十三日に発表されたものは、十六日にも発表していますけれども、まあ、今のところはこんな程度、これから先出てくるかもしれません、そういうものだということですね、今の答弁は。  何なんですか、その調査って。まだ隠しているかもしれませんよという宣言じゃないですか、今の答弁は。情報本部にまだあるのか、あるかもしれませんよという答弁じゃないですか。情報公開請求したら、これは不存在と答えるんですかね。  まあ、でも、そういう答弁なので、これは、その調査がいかに将来に向けてバッファーを残した、隠してあるけれども隠しているとは言えないから、今のところこの程度という調査結果だったということを物語っている答弁だということをはっきりさせたいと思います。  次に、大野さんの報告書の件に行きたいと思いますが、きょうは配付資料を二つ配らせていただいておりますが、まず二ページの方から行きたいと思います。  この調査の一つ目の目的は、陸自から稲田大臣に対し報告が上がっていなかった理由を明らかにするということでございましたが、この資料の二、まず幾つか事実関係確認したいと思いますが、まず、稲田防衛大臣から再探索指示したのは辰己総括官に対してで、それを受けて、Aが、その二ページ目にあるように、陸幕運用支援課のBだとかCだとか、あるいは統幕運用第二課とか空幕運用支援課にメールを送ったということでございますが、まず、このBとCは、イラク日報探索した部署を確認する内容であると認識していたというふうに報告書にありますが、これは、B及びCは、再探索指示ではないと認識していたということでよろしいでしょうか。逆に、統幕の参事官付のAは、このメールを発信したことでもって再探索指示をしたという認識でよろしいでしょうか。
  108. 小波功

    小波政府参考人 お答えいたします。  まず、先生御指摘のAでございますけれども、Aは、この内容をもって、内容が拙い内容になっておるように、最終的にも本人も認めておられるんですけれども、本人のあくまでも主観としては、この内容によって再探索指示等を出したというふうに考えていたということでございます。  一方、報告書にもございますように、それを受けたB、Cとの間には、実は認識の、先ほど先生が御指摘になったような部分がございまして、必ずしもその真意が伝わっていなかったというところでございます。
  109. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 大臣に伺いますが、今の答弁で明らかになったように、このAの送った曖昧メールが、稲田大臣の再探索指示現場まで届けなくしてしまった少なくとも一つの主な原因であり、これがシビリアンコントロールを害した一つの原因だということでよろしいでしょうか。
  110. 小波功

    小波政府参考人 申しわけありません。まず、報告書の内容に関する御質問でございますので。  事務的には、まさに今御指摘のように、不適切な部分が含まれているということで、今回、その内容自体の責任をある程度明らかにするという形で、処分の対象となったところでございます。  一方、シビリアンコントロールに直接かかわるかどうかという点につきましては、累次大臣から御答弁のあったとおりでございまして、今回の行為そのものについては、いわゆる意図的な意図みたいなものではなくて、まさに過失といいますか、これも拙いメールの内容ということでございますので、この行為そのものをもって、直接そういうものにかかわるとまでは考えない。  ただし、まさに国会議員からの資料要求あるいは大臣からの御指示に係るものでございますので、それに係りかねない問題をはらんだものという御認識は、先ほど来大臣等から御答弁差し上げているとおりでございます。
  111. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 まず、報告書にかかわることだから大臣が答弁しないというのはやめてください。私、きょうの質問は全部通告していますし、これはシビリアンコントロールの根幹にかかわるから大臣に聞いているんですよ。事実関係はちゃんと審議官に聞いていますよ。  大臣、ちゃんと答えていただきたいんですが、時間がもったいないので次に行きますね。今みたいなところですら、ぐにゃっとした答弁をするところが、だからシビリアンコントロールが崩れちゃうんですよ。この曖昧メールがシビリアンコントロールが崩れた一つの原因ですよ、明らかにこんなの。  では、ちょっと事実関係を一つずつ明らかにしたいと思いますが、その資料の二ページ目。  この曖昧メールに何でつながってしまったのかでございますが、まず、稲田防衛大臣が再探索指示したのは辰己総括官に対してであるということでよいか。そして、辰己総括官は、その再探索指示をその後誰に指示したのか。そして、この曖昧メールを送ったAに対しては一体誰が指示をしたのか。  そして、その中で、この図に示しているように、辰己統幕総括官から統幕の参事官付のAの間には、参事官がおられ、政策調整官がおられ、国外運用班長がおられます。これは事務方からお聞きして、実際こういう名前を書いていただいて、それを再現しただけでございますが、辰己総括官からAに至るまで、誰が誰に対して指示をし、そして誰がこのメールを送るという判断をしたのかどうか、詳しく説明してください。
  112. 小波功

    小波政府参考人 では、お答え申し上げます。  まず、御指摘のように、報告書の四ページに書いてあるところでございますけれども、この内容については、まさに、「本日の大臣レクの際に、大臣より、「イラク日報は本当にないのか?」とのご指摘がありました。ついては、たびたび恐縮ですが、探索いただき無いことを確認(紙媒体・電磁的記録)いただいた組織・部署名を本メールに返信する形でご教示いただけますでしょうか。」という、まさにこれが原文のままの内容でございますけれども、このメールの内容を送付したところでございます。  次のページでございますけれども、上述のメールを受信した、まさに御指摘のございましたB及びCは、当該メールを……(後藤(祐)委員関係ないところを読まないでください。聞いていない」と呼ぶ)はい。済みません。先ほどの、要するに十六日からの資料要求探索した部署を確認する内容であるというふうに理解をしてしまい、二十二日中に口頭で報告したところでございます。  それから、今お話ありました、辰己総括官と、それから本人、まさに今回のAとの関係でございますけれども、これにつきましては、そのちょっと上の部分になるんですけれども、四ページの、辰己総括官は、稲田防衛大臣より、イラク日報の再探索指示があったことを受け、同日午前、その旨を統幕参事官付の職員に対し伝達するとともに、当該日報を再探索するように指示した。  それを受けまして、Aは、その総括官からの指示を踏まえということで、ここが若干、事実関係的には少し確認が手間取ったところでございまして、まさに、辰己総括官からダイレクトにAが指示を受けたのか、あるいは、ここの場で書いております、確認できておりますのは、辰己総括官の記憶としては、職員指示をした、この職員の中にAが含まれているという可能性も否定できないというようなことでございました。  一方、Aの方といたしましては、まさに自分は、辰己総括官からダイレクトに指示を受けたというよりは、辰己総括官と自分との間におる職員との関係で、上司より指示を受けたというふうに記憶をしておりまして、この辺のところは、実は、私どもも累次確認をさせていただいたんですけれども、結果的に、まさに先生から御指摘のあったように、十分に詰め切れなかった部分の一つでございます。  ただ、いずれにいたしましても、関係者の証言として一致しておりますのは、この内容を、大臣からの御発言を受け、辰己総括官が直接それを部下に指示を出し、それを、Aまで正しく伝わりまして、Aの指示の内容としてこういう曖昧なメールが出たということでございますので、その点については、私どもとしては、その後の問題を明らかにするための問題点については、ある程度事実関係を明らかにできたものと考えております。
  113. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 長い答弁はやめてください。私の質問に何にも答えていないじゃないですか。  統幕参事官付の職員に対し辰己総括官は伝達したということと、Aが、誰から聞いたかはともかく、その指示を踏まえメールを送ったということは、もう書いてあることなんですよ。その中を埋めて説明してくださいというのに、何にも説明していないじゃないですか。ここは怪しいんですよ。  つまり、配付資料の二に全文書いてありますが、大臣イラク日報は本当にないのかと言ったという事実はこのメールに書かれているんです。ところが、そのメールの内容は、「探索いただき無いことを確認いただいた組織・部署名を本メールに返信する形でご教示いただけますでしょうか。」と。このメールを受け取った人は、大臣がこういうことを言ったけれども、発注としては、何にも、これは部署名だけ言えばいいんだなと受け取る。  つまり、このメールのやり方を考えた人が、シビリアンコントロールを破壊したと思われる張本人なんですよ。誰が考えたんですか、これは。A本人が考えたんですか、このメールの内容は。ちゃんと、前座はいいから、質問に答えてください。これは全部通告していますから。
  114. 小波功

    小波政府参考人 お答え申し上げます。  このメールの内容につきましては、A本人が自分で考えております。そして、この内容自体についても、特に上司から内容についての指示もなく、また、期限等も、これは付してないんですけれども、それらについても上からの指示はなく、まさに自分の判断でこのメールを出したということについて今回証言しております。
  115. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 Aのせいにしちゃうんですね。今の答弁は本当ですか。私は、今の答弁が虚偽答弁のような気がしてならないんです。  このメールの書き方は非常に精巧なんですよ。やったふりをして、でも、再探索はした形になるけれども、現実には現場では再探索しなくていいという非常によくできたメールなんですよ。これを担当者であるAが自分の発案で思いついて、大臣が再探索しろと言っているのに、直属の上司の許可もとらないで、こんな大臣指示を裏切るようなメールを自分の発案で本当にしますか。  今の答弁は、私はうそだと思いますが、大臣、同じことを聞きます。  この曖昧メールの内容は、Aが自分で思いついて送ったということでよろしいですね。私はこの答弁はうそだと思いますので、大臣にはっきり言っていただきます。
  116. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 私としては、大野チーム調査をし、そして、この統幕参事官付Aに関して確認をして、今政府委員の方から答弁があったと思いますが、そのとおりだと思います。
  117. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 重い答弁だと受けとめました。私は、今のは虚偽答弁だと思います。  次に行きたいと思います。  この大野調査チームのもう一つのミッションは、イラク日報が発見されたという情報が共有されていた範囲を明らかにすることでありますが、このイラク日報存在を知っていたのは教訓課長とその上の総合研究部長だった、そして、情報公開請求に対しては、担当のFが上司に上げなかった、だからすれ違っちゃってわからなかったんですという巧妙なストーリーが描かれているわけですが、私は、これはまさにつくったストーリーだというふうに思っております。  今、皆様のお手元に、当時の教訓課の配席図、これは防衛省がつくったものでございますが、ありまして、教訓課長は別室で、Oが、ちょっと偉いところ、班長的なところなんですかね、補佐的なところなんですかね、上司っぽいところにいて、Gがその下の中間的なところにいて、Fは、一番の末端という言い方でいいんでしょうかね、現場のところにいらっしゃる。  そして、注目してください。外づけハードディスク点検場所、つまり、今回の日報というのは外づけハードディスクにあったわけですけれども、これはふだんここに置いてあるわけではなくて、ここに長テーブルを幾つか並べて、外づけハードディスクをどこかから、保管してあるところから持ってきて、ある端末につないで、教訓課長がここまで来て、OとかGとかと一緒に、O又はGと一緒に見ていったと。それが結果的にイラク日報がその画面にあらわれたという説明を伺っていますが、これで間違いないですか。
  118. 小波功

    小波政府参考人 はい。ただいま議員が御指摘になった、報告書にあるとおりの事実関係だと承知しております。
  119. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 Fの二、三メーター先でやっているんですよ。私は課長室か何かでひそかにやっているのかなと思ったら、そうじゃないんですよ。二十名ぐらいいる課のこんなところで大っぴらにやっているんですよ。  しかも、この報告書によると、教訓課長は、その見つけてしまったイラク日報と思われる資料について、「「これは日報ではないのか」と数名の課員に問いかけた」と書いてあります。これはびびりますよね、課員は。  このとき、Fはいたんですか。
  120. 小波功

    小波政府参考人 申しわけありません。  先ほど来御質問ございましたように、同日、昨年の三月二十七日というふうに確認しておりますけれども、F自体は、いわゆる同日休暇をとっていたり、あるいは出張等の予定は入っておりませんので、この教訓課に出勤していたと考えております。
  121. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 この外づけハードディスク点検場所で、教訓課長イラク日報を発見し、これは日報ではないのかと数名の課員に問いかけた。そのときFはそこにいたのかいなかったのか。当然聞いているでしょう。欠勤がどうとかそんな問題じゃない。  その、まさに見つけたときに、Fはここにいたのかいなかったのか。当然調査していますでしょう。どうだったんですか。
  122. 小波功

    小波政府参考人 御説明いたします。  もうこの点につきましては幾重にも確認をいたしました。ただ、当時のFの記憶としては、昨年の、ですからもう一年前の記憶になりますので若干不鮮明なんですけれども、当日、いわゆる外づけハードディスクの点検作業そのものというよりも、当日何が行われたかと申しますと、南スーダン日報特別防衛監察の関連での陸自の通達に基づきます南スーダン日報のいわゆる探索作業が行われたということでございまして、その点については当人は記憶しておるんですけれども、この外づけハードディスクの点検作業、それからその中でのイラク日報等の発見等に係る事実関係については、本人の記憶にはないということでございます。
  123. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 ということは、少なくとも、この外づけハードディスクを、この点検場所という、Fからそれこそ三メーターぐらいしか離れていないところで作業しているときに、Fはそこにいたということでよろしいですね。
  124. 小波功

    小波政府参考人 申しわけありません。  その点も幾重に確認したんですけれども、一年前のことでございますので本人の記憶は鮮明ではないんですけれども、少なくとも、同日出勤をしていて、この席付近にいた可能性は否定はできないというふうに考えております。
  125. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 だって、南スーダンの点検作業をやっていたことは知っていたというんだから。今のは、可能性は否定できないというので、いたんでしょう。この場所ですよ。  もう一つ確認しますが、これは日報ではないのかと数名の課員に教訓課長は問いかけた。この数名の課員とは何人程度のことですか。そして、O、Gは含まれますか。そして、Fは含まれますか。
  126. 小波功

    小波政府参考人 お答え申し上げます。  まず、この供述は、まさに教訓課長が主語になっておりまして、「教訓課長は、これらの資料について「これは日報ではないのか」と数名の課員に問いかけた」というふうに証言しております。ただ、残念ながら、その周辺の実際に問いかけられた課員自体については、その確たる記憶がなくて、そのような事実関係については確認ができなかったということでございます。  それから、教訓課長自体も、これは先生にも御説明しなきゃいけないんですけれども、イラク日報というものは、もう既にイラク活動がおよそ十年弱ぐらい前に終了したものでございますので、恐らく、この現役の職員たちの中で本当に実際にイラク派遣されたような職員がいれば別なんですけれども、それ自体について、一見して直ちにこれがイラクのいわゆる日報であるということを判断できるような情報量があるようなものではないという点は、ちょっと本件について若干誤解があるようですので、御理解はいただく必要があるかと思っております。
  127. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 確たる記憶はない。また逃げちゃった。  イラク日報かどうかわからない。わかりますよ。今ここに、四月十六日に公表された日報、あります。一枚一枚が全く関係ないほかのファイルとごちゃまぜになっていたら確かにわかりにくいかもしれませんが、少なくとも、何月何日の日報という分がまとまって、同じファイルか、あるいは同じフォルダに入っているか、それはやり方はいろいろあるでしょう、ある程度まとまって一日分がそろっていたら、これ、特定の一ページ見たらもしかしたらちょっとわからないかもしれないけれども、サマワ主力、人員、武器、装具等異状なしとか人員現況とか、いろいろ、これ、数ページ見れば、イラク日報であることは素人でもわかると思いますが。  まず、事実として確認したいのは、外づけハードディスクの中の保存のされ方として、このイラク日報は、一枚一枚がばらばらになっていたのか、それとも、少なくともある一日をとって、その日報については、同じファイルかどうかは別として、ある程度まとめて見られる環境になっていたのか、どちらですか。
  128. 小波功

    小波政府参考人 まず、この点も御説明いたします。  まず、今回の確認作業というのは、外づけハードディスクそのものでは確認ができませんので、当然のことながら、PC等につなぎまして、そのファイルを開いていくという作業が必要でございます。  それですから、一見して、パソコンに、近くにいるからといって、そのパソコン画面等を実際にのぞき込み、そのパソコン画面等の内容を確認しない限りは、なかなか、近くにいるからといって、先生が言われるような、一見して中身がわかるという状況にはなかったという点は御理解いただく必要があるかと思います。  それから、ファイルの内容につきましても、ちょっと先ほど来御批判のあるところなんですけれども、まず、ファイルのとじ込み方につきましても、一見してイラク日報とわかるというよりは、海外活動報告というふうな名称のフォルダなりに入っていた形で保存されておりましたので……(後藤(祐)委員質問に答えてください。ばらばらになっていたのか、まとまっていたのか」と呼ぶ)はい。基本的には、その日一日分については一日分という形で保存されていたというふうに承知しております。
  129. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 わかりますよ。  少なくとも教訓課長と一緒にその画面をO又はGが見ていたと報告を受けていますが、O又はGが見ていたということでよろしいですか。そして、どっちですか。
  130. 小波功

    小波政府参考人 御説明いたします。  これはもうまさに大事なところですので、その本文の確認作業になるんですけれども、O又はGが見ていたということで間違いはございません。その二人でございます。  ただし、この二人とも、本文の中に書いてございますように、個人自体としての知見がないために、それらをイラク日報であるというふうに確定的には認識できなかったというふうに本人たちは供述しております。
  131. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 そこがうそだと思うんですよ。  大臣に聞きます。  十五ページの下から四行目に「イラク日報存在を認知した者」とありますが、これは教訓課長とその報告を受けた総合研究部長だけということでよろしいですか。これは事務方からそういうふうに伺っていますが。  私は、このOかGの、少なくとも見ていた人は、今の審議官の答弁はうそだと思います。一日分まとまっていればわかりますし、場合によっては、Fですとか、この教訓課内のほかの問いかけられた課員の方々は、もう目の前でやっているんですから、作業を。しかも、課長は、これは日報ではないのかと音声で言っているんですから。  この十五ページのイラク日報存在を認知した者は、本当に教訓課長総合研究部長だけですか。それとも、ほかの方もいるんですか。これは通告していますし、重要なところですから、大臣に答弁を求めます。
  132. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 まず、事実確認ですので、調査チームで実際に聞き取りをした人間から聞いていただき、その上でお答えをします。
  133. 小波功

    小波政府参考人 それでは、事実関係をお答えいたします。  まず、確定的にイラク日報であると認識していた者は二名、教訓課長とその上司である総合研究部長でございます。  それから、本文の十四ページに書いておりますように、今お話のございました文書管理補助者であるG、それからO、それからそれの照会を受けましたI、この三名は、知り得べき、認知し得る、可能性のある者というふうに考えて、報告書でも記載されております。  ただ、御本人たちは、この三名については、明確なイラク日報を認知したという記憶はないというふうに証言しておられるということでございます。
  134. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 この調査を担当してもらった大野政務官からも報告を受けましたが、当初からやはり、この同じ部屋の中で、本来イラク日報情報公開請求等請求をされたということを知っていたFという者と、それから、実際この外づけハードディスクから見つけた教訓課長、あるいはその場にいたこのG、Oですか、こういう者が同じその部屋の中にいるということ、このことはかなり初めの方から承知をしておりました。  私どもとしても、大野政務官が、これはやはりおかしいだろうということで、相当疑念を持ってそれぞれの者に対してしっかり確認をし、あるいは実際に研究本部に……(後藤(祐)委員「結論だけ言ってください」と呼ぶ)今の教訓課に行きまして、当時どのような状況だったかということも確認したというふうに聞いております。  その結果、今報告があったとおりの結果になったということですので、三十四回もなぜこれだけの会議をやり、調査を綿密に行ったかというと、本当にそうだったのかということ、それを疑念を持ってかなりしっかり確認をした中での今回の報告ということになったと承知をしております。
  135. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 二重答弁しているんですから、時間稼ぎはやめてください。  Fは、情報公開担当であるにもかかわらず、この外づけハードディスク、これを個人資料だと把握していた、だから、ないと答えたといいますが、この外づけハードディスクは、特定個人のものではなくて、この教訓課の課としてのもの、すなわち共用されていたものだということ、そして、実際に複数の職員が使用されていたこと、そして、その複数の職員が使用していたということはFが認識していたということでよろしいですか。
  136. 小波功

    小波政府参考人 お答えいたします。  ただいま先生が御指摘のとおり、このいわゆる外づけハードディスクは、まず共用のものであること、それから、多数の職員が使用していたこと等々については御指摘のとおりでございます。ですから、Fの認識は間違っていたということで私どもは整理しております。要するに、彼自身の主観的な認識を書いておりますので、主観はそうだったんですけれども、我々はその主観は不適切だったということで、今回Fについては重い処分を受けたところでございます。
  137. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 もう時間がないので大臣質問しますが、このFは、情報公開請求に対するRへの回答を前に、上司に相談しなかったと報告書に書いてありますが、本当にそうでしょうか。実際に、私はそこがうそだと思うんです。この報告書のつくられたストーリーのうそなのは、もう一つはその部分だと思うんです。  実は、知っていた人は、教訓課長だけじゃなくて、OとかGとか、場合によってはFも知っていたかもしれない。そして、情報公開請求は、Fが上司に相談しないでと言っていますが、実は誰かに相談した可能性があるかもしれない。しかも、Fは、情報公開担当であるにもかかわらず、外づけハードディスクは複数の人間が使っているということが事実として今明らかになりました、情報公開担当であれば、複数の人間が使えるようなものは個人資料でないことは常識として知っているはずなんです。そこもうそだと思うんです。  今私が申し上げたことは、大臣、本当だと思いますか。  具体的に聞きます。Fは、情報公開請求に対するRへの回答を前に、この外づけハードディスクは全て個人資料のため、複数の職員が使用しているという事実があったにもかかわらず、これは個人資料のため、ないと回答したのは本当か。そして、その回答の前に、O、Gを含め、教訓課内で誰に対しても相談することなく、教訓課長だけじゃないですよ、回答したということでよろしいですか。本当にそう思いますか、大臣
  138. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 私どもは、このFという者に関して、例えば、情報公開請求を返す場合に上司に相談するとか、そういうことが通常あるべきではないかということ、その疑いを持って、本当にそうなのかということ、これは大野チームがその疑念を持ってこのFあるいはその周辺に調査をしたという報告を受けております。  報告書において述べたとおり、当時教訓課情報公開作業を担当したFは、教訓課にはイラク関連の資料はないと前任者から申し送りを受けていたこと、イラク日報が発見された外づけハードディスクには個人資料しか保存されていないと認識していたことから、実際の文書探索も上司への相談等もなく、該当する文書は保有していない旨回答しているということでありますので、私どもとしては、この報告書にあることなんだと思っております。
  139. 寺田稔

    寺田委員長 後藤祐一君、時間となっております。
  140. 後藤祐一

    後藤(祐)委員 終わります。  最後の答弁は、私はうそだと思います。  終わります。
  141. 寺田稔

    寺田委員長 次に、赤嶺政賢君
  142. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。  最初に、公文書の名称の問題から質問をいたします。  防衛大臣に伺いますが、今月十三日付の毎日新聞で、防衛省が保管する多くの行政文書ファイルが抽象的な名称で登録され、国民が検索しづらい状態になっていることが報じられました。イラク派遣にかかわる文書をおさめたファイルの名称が、単に運用一般とされるなどしておりました。情報公開請求を回避するために抽象的な名称にしていることや、提案したファイル名が上の指示によって変更された事例があったことも、職員の証言として伝えています。これが事実とすれば、組織的な隠蔽と言われても仕方がありません。なぜ抽象的な名称にしていたのか、そこに情報を隠そうとする意図はなかったのか、徹底的な調査が必要だと思いますが、大臣はどういう認識ですか。大臣認識を聞いています。
  143. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 まず、委員が御指摘された新聞記事、私もこれを読みました。  そして、例えば、文書ファイルが非常にわかりにくくなっている、抽象的なファイルになっているということ、これは、私ども十分受けとめるべき御指摘だと私は思いました。  その上で、行政文書ファイルの名称、これはもともと、行政の適正かつ効率的な運営、行政機関からの国民に対する情報の一層の公開を更に図る観点から、わかりやすい名称とする必要がある、これが前提であります。  このため、行政文書の管理に関するガイドラインや防衛省文書管理に関する規定においても、行政文書ファイルの名称については、内容をわかりやすく端的に示すキーワードを記載するよう規定しており、その旨、これまでも、省内におけるさまざまな公文書管理に係る教育の機会で周知をしているところですが、私はこの記事を読み、担当者に、このような記事が出ていること、そして、しっかり、わかりやすい形で改善を更にすることということについて指示をいたしました。また、その報道の中にあるような、何か意図的なことがあったということがありましたら、これは大変重大な問題だと思っております。  この事実については、現在、調査の結果を担当者の方でしているというふうに聞いておりますが、いずれにしても、適正な文書管理を行うことを周知すること、これは大事だと思っております。
  144. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 その報道を受けて、防衛省は、適正な文書管理に関する通知文書を出しております。  それは、十五日付でありますが、きょうは、その通知文書皆さんのお手元にお配りをいたしました。  二、調査内容等のところを見ていただきますと、二つの調査指示しています。一つは、アのところですが、各文書管理者に対して抽象的なファイル名を付すように指示した事実があるかを調査するよう求めています。先週十八日までの回答期限になっていますが、結果はどうなっておりますか。
  145. 高橋憲一

    高橋政府参考人 お答えいたします。  現在、その結果については整理中でございますが、現在判明している限りにおいては、このような事実はないものと承知しております。
  146. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 全体を出していただけますか。
  147. 高橋憲一

    高橋政府参考人 まとまり次第、御説明したいと思っています。
  148. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 速やかにまとめて、報告していただきたいと思います。  ただ、そもそも、管理簿への記載を行うのは各文書管理者自身なんですよね。その本人に聞いて事実を明らかにできるかどうか、これは疑問ですよね。やはり、そのもとで働いている職員、抽象的なファイル名を付すような指示を受けた可能性のある職員、匿名でいいですから、アンケートなどをとるなりして、そういう人たちの意見も、あるいは認識も聞かない限り事実の究明はできないのではないか、このように思っておりますが、それをやるべきではないでしょうか。
  149. 高橋憲一

    高橋政府参考人 お答えいたします。  いずれにせよ、先ほど御指摘がありました五月十五日の通知の中で、このような報道によるような事実はあるのかどうか、あるいは、それについての取材を受けた場合の規則として、報告をすることが必要というふうになってございますので、我々としてはその回答の結果を精査していきたいというふうに思ってございます。
  150. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 私は、文書を管理する責任者に聞くようなやり方で、本当に真実が解明できるかと。  今の答弁にありましたけれども、この通知に見逃すことのできないところがあります。それは、下線を引いておりますけれども、イのところで、今回の報道に関して、取材対応したにもかかわらず上司に報告しなかった事実があるかどうかの調査を求めています。別の調査なんですね、これは。なぜこんなことまで調査する必要があるんですか。これでは犯人捜しをやっていることになりませんか、大臣
  151. 高橋憲一

    高橋政府参考人 お答えいたします。  まず、取材を受けた場合に必ず上司あるいは広報部署、広報担当者に報告することというのは、既に一般的な我々の規則として通知をしてございます。  今回の場合につきまして、我々としては、いわゆるわかりにくいファイル名をつけるということは、我々の規則上あってはならないことだと思ってございますので、仮にこのようなことを説明した人間がいるのであれば、どういう背景、どういう意図、どういう状況の中でそういう話をしたのかということもきちっと把握をした上で、正しい広報をする必要があると思ってございますので、その状況の把握のためにこのような通知を出したところでございます。
  152. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 これは、ガイドラインに沿っていないやり方を内部告発したということではありませんか。仮にそんなことがあったら、その背景だとか、誤解を解くだとか、何か別の調査なんですよ、これは、皆さん。ファイルの名のつけ方がおかしいということを指摘されて、こんなことを言ったやつは誰だ、そういう調査をしているのと同じですよ。  これは、報道された職員が述べているのは、公文書管理にかかわる法令や規則への違反についてです。わかりやすい名称を付すことが義務づけられているにもかかわらず、それに反する実態があるという、いわば公益通報ですよ、これは。  大臣、犯人捜しのようなことはやめて、通報者を保護すべきではありませんか。
  153. 高橋憲一

    高橋政府参考人 委員御指摘の公益通報はまた別の制度で存在してございますので、もし仮にそういうことであれば、公益通報の手続にのっとってやるべきというふうに考えてございます。  また、行政文書ファイルでございますが、先ほど委員御指摘の通知の中で、この行政文書の管理に関するガイドラインの規定に照らして適切な名称に是正し、その結果をまた総括文書管理者たる官房長に報告するということもあわせて出てございますので、この問題の是正について努めるということも大きな観点だと思ってございます。
  154. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 公益通報保護法、現行の法律が極めて狭く、極めて内部通報がやりにくい仕組みになっているのはそのとおりですよ。  しかし、それに安住して、これは公益通報ではないから保護できないというんじゃなくて、まさに防衛省の内部の文書の管理のあり方が問われているときに、抽象的な名をつけてわかりにくくしていた、そして、そのわかりにくくしていたのはガイドラインに反するのではないかと内部から出てきた、それは当然褒められるべきじゃないですか。  何でそれが、皆さん、その調査の対象になるんですか。そうしたら萎縮して、まさに防衛省の内部の間違いについて、国民目線で是正していくことができなくなるじゃないですか。今大事なことは、防衛省国民目線で是正していくことでしょう。それに対する一つの貢献をしたわけでしょう。それを、犯人捜しのようなことをやるのはやめていただきたいと思いますよ。  大臣、いかがですか。
  155. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 私どもは、文書管理を適正に行う、わかりやすい形で行政文書の管理を行う、このガイドラインに従って対応するということが大変重要だと思っております。  そして、今官房長からも説明がありましたが、意図的に、このような文書を名前をつけて隠そうとするような、報道にあったような事案について、官房長は今のところ確認はされていないということであります。  ですが、私どもとして、もしそのような事実があるのであれば、これは厳正に正し、そしてそのようなことがないようにするということが大切だと思っております。  いずれにしても、私どもとしては、国民の知る権利、これにしっかり応えるために、防衛省自衛隊として改善に取り組んでいくということだと思っております。
  156. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 このような調査、犯人捜しのようなことを追加すること自体が、組織にとって都合の悪い情報の流出は許さないという防衛省自衛隊の隠蔽体質を示すものだと言わなければなりません。(発言する者あり)  安全保障上問題があるというやじが聞こえましたけれども、ガイドラインに沿っていないということを認めているわけでしょう。犯人捜しのようなことはやめるべきですよ。事実の究明に集中すべきだ、こういうことを重ねて求めておきたいと思います。  次に、イラク日報隠蔽問題についてであります。  二十三日に、イラク日報に関する調査チーム報告書が公表されました。昨年三月、陸上自衛隊研究本部日報存在確認されていたにもかかわらず、なぜ一年近くも報告されなかったのか、その点を調査したものでありますが、私は、その調査というのは、組織的な隠蔽を否定する内容に一生懸命になっていると感じざるを得ません。  報告書によると、昨年二月二十日の衆議院予算委員会で稲田大臣日報は残っていないと答弁した後、二十二日に大臣みずから再探索指示があり、研究本部の教訓課情報公開を担当していたFに探索の依頼があったとしています。しかし、Fは、イラク関連の資料はないと前任者から申し送りを受けていたことから、十分な探索を行うことなく、イラク日報に関する文書はない、このように回答した、日報が発見された外づけハードディスクには個人資料しかないと認識していたとしています。  Fは情報公開の担当をいつからいつまでやっていたんでしょうか。
  157. 小波功

    小波政府参考人 Fにつきましては、平成二十七年の四月から二年間、平成二十九年の三月三十一日まで、あの担当をやっておりました。
  158. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 Fが教訓課情報公開の担当になったのが二〇一五年四月一日、探索の依頼を受けたのが、昨年、二〇一七年二月。既に二年近く情報公開の担当をしていたにもかかわらず、どこにどういう文書が保管されているか知らなかったということですが、これは本当におかしいと思いますよ。  外づけハードディスクは鍵のかかった書棚に保管されていたというのが、これまでの防衛省説明です。大臣もそのように私に答弁なさいました。そのような書棚にある文書が個人資料のはずがないではありませんか。調査チームはこのような説明を額面どおりに受け取ったんですか。
  159. 小波功

    小波政府参考人 お答えいたします。  まず、私どもが調査報告書などに書かせていただきましたのは、まさに、このF、個人の認識部分でございまして、それについては、るる申し上げましたように、個人資料しか入っていない、また、前任者からイラク関係のものはない等々の理由で、これらについては探索をしなかったということを証言しております。  一方、これについては、当然のことながら、私どもとしては、極めて問題のある行動でございまして、それについては、結果といたしまして、それらを端緒に、上司に諮ることなく情報公開請求等について不存在という形で回答したこと等を起因といたしまして、今回、処分の対象となったところでございます。
  160. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 私は、もうちょっと質問したいんです。  防衛省行政文書管理細則というのがあります。個人資料の収納場所は、職員各自の机の周辺に限る、このように書いてありますよね。それが、机の周辺に限るというのが細則の中で書かれているのに、二年間もやっていた人が、何でハードディスクに個人資料だと思っていたと。  その点、どのように説明しておりましたか。その点も確認しましたか。
  161. 小波功

    小波政府参考人 お答えいたします。  まさに先生のおっしゃるとおりでございまして、私どもも大変この点については不審に思いまして、当人に幾重にも問いただしました。  残念ながら、事実関係といたしましては、あくまでも本人の認識としては、ですから、情報公開担当として当然了知しておかなければいけない個人文書の、まさにその、今細則にあるところの規定等を正しく理解しておらず、結果として今回のような事案の一因になったということでございます。
  162. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 これは、そういう説明になっていくと、まさに、個人資料と思っていたという理由が、考えられない理由が、隠蔽の事実を隠そうとしていたのではないか、そういう疑いを抱かれて当然だと思います。  もう一つ不可解に思うのは、大臣からの再探索指示があったときにも、その後の情報公開請求があったときにも、Fが上司への報告を行わず、決裁も得ないで回答をしていることです。  教訓課では、情報公開請求への対応に当たって、上司の決裁は必要ないんですか。
  163. 小波功

    小波政府参考人 お答えいたします。  この点につきましても、私どもも、まさにその疑念から、当人、また関係者にも問いただしました。  それで、当然のことながら、情報公開請求におきまして、当該文書が特定された場合、その文書についてどのような形で出すのか、そのまま出すのか、あるいは不開示部分があるのかないのか等の手続に入りますので、当然、上司等に決裁をとり、上げているという事例は私どもも確認されました。  問題は、今回の件については、不存在という回答であったために、それ以後の事務が、基本的には教訓課内で発生しなくなる方向に進んでいく、極めて重要な責任をこのFは負っておったんですけれども、その部分について、先ほど来、誤解のあったような、誤った前提のもとに、本来、外づけハードディスクには、後にイラク日報が発見されておるわけなんですけれども、そちらを探索し、捜し出していくという方向ではなくて、安易に不存在という形で回答してしまったということのようでございます。
  164. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 不存在というのは、情報公開請求をした国民にとっては重大なことですよ。不存在は上司の決裁をとらない、そういう習慣になっていたんですか。
  165. 高橋憲一

    高橋政府参考人 情報公開の不存在の場合の処置でございますが、本来ならば、文書管理担当者である課長の決裁を得てやるのが当然だと思ってございますし、実は、昨年の南スーダン再発防止策の中の一環としまして、仮に不存在だという場合には情報公開査察を改めてかけるということになっています。また、不存在回答する場合には、文書管理者の報告あるいはそのような関与が決められてございますので、今後はこのようなことがないように是正を既にいたしております。
  166. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 手続はそうなっていたのに、今後はそういうことがないようにと、今度起きたことはそんなことだったという、何かちょっと意味がわからないですよね。本当に納得できるような説明ではありません。  その一方で、上司である教訓課長は、報告書を見る限り、まるで英雄のように描かれているとしか思えません。課内のパソコンを、みんながパソコンを点検していた、そのときに書棚に保管されている外づけハードディスクを目にし、探索指示したとか、南スーダン日報国会等で議論されていたことから、陸幕報告する必要があるのではないかと考え確認指示したが、不要と言われたなどということが書かれています。これはもう上司の保身のために口裏合わせ、それがあったと疑わざるを得ません。  防衛大臣、やはり今回の調査で事実関係が明らかになったとは到底言えないと思います。調査は継続すべきだと思いますが、いかがですか。
  167. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 今委員の御指摘を聞きながら、実は私どもも全く同じ疑問を持って、今回の調査について、当初から、不自然ではないかとか、どうしてそうなのかということ、むしろ、大野チーム大野政務官はその疑問を持って、疑念の形で何度もこのことについて調査を繰り返しました。  ですから、三十四回も会合を開いてその点をただし、本人からもさまざまな聴取をし、さまざまな証拠について集め、精力的に調査をしていただきました。その結果が、今回公表させていただいた結果ということだと思います。
  168. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 この結果に納得しているか、満足しているかといえば、とてもそうじゃない。疑問が次から次へと湧いてくる。  陸上自衛隊イラク日報については、いまだ半分以上が提出されていないわけです。航空自衛隊はわずか三日分、海上自衛隊は全く提出されないままであります。探索も継続すべきだと思います。  調査チームは、研究本部に赴いて関係職員のパソコンや行政文書の検査を行ったとしていますが、みずから日報探索を行ったんですか。
  169. 小波功

    小波政府参考人 お答えいたします。  ただいまお話しの、調査チームが陸上自衛隊の研究本部にということで、本年五月九日及び十六日両日、調査チーム職員は、陸自の教育訓練研究本部、実は現在は研究本部が改組しておりまして、教育訓練本部になっておるんですけれども、に赴きまして、関係職員業務上使用するパソコン及び文書ファイル並びに外づけハードディスクの保管状況等を調査いたしました。  当然、今お話がありましたように、中身等についても確認をいたしましたが、その調査方法の詳細につきましては、ちょっと今後の調査に支障を来すおそれがございますから、お答えは差し控えさせていただきますけれども、今回の報告書の内容をしっかりとエビデンスベースでということで、チーム長、大野政務官よりも御指導いただき、また、大野政務官御自身にも赴いていただきまして、私どもとしては十分な調査をしたつもりでございます。
  170. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 探索は隠蔽を行っていた部隊がやった、これで真実の解明にはほど遠いと思います。もっときちんとした探索調査をやるように強く要求して、これでは国民の隠蔽の疑念は全く解消していないということも強く申し上げて、質問を終わります。
  171. 寺田稔

    寺田委員長 次に、下地幹郎君。
  172. 下地幹郎

    ○下地委員 大臣、今の政治状況を見ると、日大のフットボールの問題を見ても、監督がうそをついているか、選手がうそをついているかと、国民はどうしていいのかわからないような、テレビの報道を見たらそうですね。また、加計学園の問題を見ても、愛媛県がうそをついているのか、官邸がうそをついているのかわからないという状況。佐川さんの財務省の問題を見ても、答弁に合わせて書類を改ざんするというようなことになる。今回の防衛省の問題についても、今委員からも話があった、隠蔽だという声が出てくる。  これは、ずっとこの問題を引きずられていると、なかなか本当に今やらなければいけない政治の課題というのが解決ができない。そういうふうな意味においては、これは法律で裁くということがなかなかできないような問題なので、やはり、答弁によって納得させるというか、ああ、この人たちが言っている答弁は正しいんだなと思わせるような答弁をしなければなかなか終わりがなくなってしまうんじゃないかというふうに思うんです。  そういう意味でも、常日ごろから頑張られて答弁していると思いますけれども、こういう問題については、本当に、大臣みずから役所に任せないでしっかりと答弁して、ここにいる人たちのバックグラウンドにいる国民にしっかりと、やはりこれは反省して立ち直るんだな、防衛省は変わるんだなというようなことを思っていただけるような答弁をぜひ頑張っていただきたいということを一点目に申し上げたいと思います。  大臣、この本を読んだことはありますか。これは小泉さんの本、まさかの決断が必要だという本なんですけれども、読んだことはないと。  この本を読ませていただいて、この本の内容は何かといったら、トモダチ作戦のことについて書いてあるんですよ。これは、このトモダチ作戦で、米国の空母を中心として二十隻、航空機が百六十機、最大二万人を超える人たちがこのトモダチ作戦に来た。その米海軍のロナルド・レーガンに乗っていた乗組員たちが被曝をしているということをこの本に書いてあるわけなんですね。これは、自民党の総裁、そして総理大臣をした小泉純一郎氏がその被曝をしていたという方々とお会いをして話をしてきているわけなんですよ。  そして、今、一回目の裁判もやっているんですよね。二〇一二年四百人の人が、そして二〇一七年は百五十七人が東京電力を相手取って訴訟を起こしました。二〇一七年の訴訟については、本年一月に米国の連邦裁判所は、アメリカの裁判所には審理をする管轄と権限がないということで退けていますが、しかし、実際にこういう、私たちの国家を助けるために頑張ったロナルド・レーガンの乗組員たちが四百人近くも裁判を訴えているという現実があるんですよね。  そして、小泉さんは、基金を集めるといって、一億円の基金を集めてその裁判費用として送るということをやりましたけれども、最終的には三億円集まって、この三億円でお一人お一人に裁判費用としてお渡しをしている、こういう内容を書いております。  これについて、全く知らないのか、知っているけれども政府としては事実として認めていないのか、どういうふうな認識なのか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
  173. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 東日本大震災に起きたさまざまな事案についての御質問だと思っています。  私が鮮明に覚えていますのは、震災発災直後、私は被災地気仙沼におりましたが、真っ先に駆けつけた国会議員が下地先生でありました。大変驚きました。  その中で、トモダチ作戦も、これは私自身、この作戦の中で有名な場所になりましたが、気仙沼の大島というところの対応に関して、米軍がいかに対応していたか、現地で見ております。改めて、このトモダチ作戦に米軍の多くの皆様、そして大規模な支援があったということ、そして、それによって多くの日本国民が勇気づけられたということ、これは感謝をしております。  今、下地委員がお話をされた、空母ロナルド・レーガンの乗組員等が東京電力を相手側として損害賠償訴訟を起こしているということは知っておりますし、また、小泉総理中心としてその訴訟費用等の支援をしているということも知っております。  ただ、この訴訟というのは私人間の係争中の案件であるということなので、私ども、今政府の立場におりますのでお答えすることは差し控えますが、米側からは、トモダチ作戦期間中に同空母に付着した放射性物質の除去等のために適切な対応をとっており、また、同空母に付着した放射性物質の放射能レベルは著しく低く、乗組員の健康及び環境に懸念を生じさせるものではなかったと説明を受けておりますが、今後とも、今係争中であると思いますので、その訴訟のことを注視していきたいと思っております。
  174. 下地幹郎

    ○下地委員 私も話を聞かせていただきまして、本当に残念で、あれだけ頑張られた乗組員たちが被曝をなされているというようなことであります。これは最終的にはどうなるか、政府間で認めていませんからまだわかりませんが、しかし、こういうふうな環境の中でも米軍というのは非常に我が国のために頑張っているということを改めて感じると同時に、こういうふうなことがあったときに、やはり、政府はなかなかできないかもしれませんが、四百人もの人が訴えているという現実を考えると、何か私たちはやらなきゃいけないなというような思いになっているということだけはぜひ申し上げておきたい。  私も、国会が終わりましたら行ってお会いをしてきたいというふうに思っておりますが、とにかく、これからお互い協調していっていろいろな作戦をするという中で、こういうケースが生まれてきた場合にどういうふうに対応していくのか。これが何も起こらないでずっといくことで、やはり、日本との関係の中で、もう日本で命をかけて日本のために頑張るということが向こうの勇敢な兵隊たちにとって意義を持たなくなるような、そういうことにならないようにしなければいけないというふうに私は思っています。  ぜひ、防衛大臣として、このことについては裁判を注視しておいていただきたい。大臣が何か発言することはできないと思いますが、やはりここは、私たちの国のために頑張った人がこういう裁判をしているということについては、いつでも心にとめながら、何ができるかじゃなくて、見ておいていきたいと思っていますから、どうぞよろしくお願いします。  イラク日報についてちょっと質問しますが、稲田大臣イラク日報は本当にないのかと発言したということで、これを陸幕が、大臣指示認識して、新たに日報を捜せという指示ではなかったというようなことになっていますよね、今。  今回、再発防止策では、大臣からの重要な指示等は文書に具体的に明記すること、当該指示等は課長等に伝達して、回答も課長の決裁を得ることを義務づけることと書いてありますが、大臣が全てのことを文書指示するということはなかなか簡単ではないと思うんですよね。  だから、大臣のどの言葉が指示で、そのときにはどういうふうな、部下は全て同じように受けとめて適切な対応をしていくというようなことについても、言葉の一つ一つをある一定決めておかなきゃいけないと思うんですけれども、大臣、いかがですかね。
  175. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 やはり、これは私ども実力組織の大変重要なことだと思うんですが、さまざまな指示等は明確に、そしてその報告は簡潔に受けるという、それも速やかにスピード感を持って行う、こういうことが基本なんだと思っています。  今回の、稲田大臣指示メールで伝わり、実は、メールというよりも、そのメールの文面の内容が非常に曖昧な形だったということ、そして、命令を出したにもかかわらず、それが返ってきたかこないかということは実は大臣まで上がっていないということ、これは不適切なことだと思っています。このことに関して今回処分もさせていただきました。  私どもとしては、命令が明確に、それが速やかに、そして報告が簡潔に、その基本的な作業、これを徹底することが大切だと思っております。
  176. 下地幹郎

    ○下地委員 大臣、稲田当時の大臣が、今大臣がおっしゃった、明確なる指示があって、それでこの日報問題を、しっかりと防衛省の中でもう一回捜せというような指示を明確にやったら、この日報は見つかったと思いますか。
  177. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 今回、一連の流れの中でなぜ大臣指示あるいは国会の要請、公文書に関する公開請求等に適切に応えられなかったのかということに関しては大野チーム中心にまとめていただいたと思っております。  私はやはり明確な命令を出すという必要があったと思いますし、私自身は今回、四月七日ではありますが、文書において再探索指示をさせていただき、その後、かなりの日報等文書が集まってきたということなんだと思います。
  178. 下地幹郎

    ○下地委員 大臣、もう一回、ちょっと聞かせていただきたい。  大臣指示がしっかりとあったらこの日報は見つかった、やはり、シビリアンコントロールの中で防衛大臣がしっかりと指示をしたらこれはできたんだけれども、指示が曖昧だから結局は曖昧な捜査しかできずにこういうことになったというのかどうなのかだけ、ちょっとお願いしたいんです。
  179. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 昨年の稲田大臣文書探索指示というのは、これは指示がなされたというふうに、それを受けた統幕総括官が認めております。そして、その受けた大臣指示統幕総括官が担当者に伝えて、そこでその担当者の発出したメールが曖昧なものになっていたということ、これが今回処分をした事案ということになっています。  やはり、大臣の命令もそうでありますが、それを受けた部下が大臣の意図を明確に酌み取り、そして明確な大臣指示を部下に伝えるということ、この作業が今回は徹底されていなかったということではないかと私は受けとめております。
  180. 下地幹郎

    ○下地委員 私の見方は、大臣指示がしっかりしていれば日報問題というのはこんなにまで大きな問題にならなかったんじゃないかなと思うんですよね。大臣が何度も、しっかりと捜せ、これはあるはずだということをおっしゃってやることが、この問題がこんなに大きくならなかったという思いになっているというのが私の考えです。  そういう意味では、いろいろと報告書が出てきて、チームの体制についてもいろいろと書かれておりますが、やはりここは政治の決断と明確なる指示というものについて、ここにいる政治家たちがやはりしっかりとそれを把握した中でやらないと、なかなか省内の皆さんも、本当に俺なんかだけの責任なのかというような感じになってくる可能性があるというふうに思っているので、私は、さっき言った、言葉が、どんな指示があるべきなのかとか、その指示における報告義務とかその対応とか、この部分の、政治家のある意味マニュアルみたいなもの、大臣のマニュアルみたいなものをしっかりつくって、その後に下の者に対して指示をしていくというやり方が必要ではないかと思いますけれども、この部分はちゃんと今考えられていますでしょうか。大臣の周りでどういうふうにして、秘書官を通したりいろいろな形の中で指示をしていって物事が解決していくという、この教訓は何か大臣指示の中で生かされているものはありますでしょうか。
  181. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 今回の再発防止策の中で、大臣の重要な指示に関してはしっかりと文書で伝達をするということ、そして、その文書回答する際には担当者一人の判断ではなくしっかり上司の決裁もとった形で対応していくということ、このような再発防止策ということで徹底するように指示をしております。
  182. 下地幹郎

    ○下地委員 厳格な文民統制というのが今度の教訓の中で一番必要だと思っていますから、そのことをぜひやっていただきたいと思います。  それともう一つですけれども、この前、私の方から提案をさせていただいたんですけれども、今新しく統幕の方に全ての日報を集めるというのはなかなか難しいんじゃないか、量が多過ぎて体制も整わないんじゃないかというような提案をさせていただきましたが、あの質問をさせていただいてから、あらゆるものがこの統幕の方に日報が集まってくるといっても、あの人数ですから、それをまた分析するということについてもそう簡単じゃないというようなことになっているかなと思うんです。  そういう意味では、日報のこの後の管理と分析のやり方というものについて、新しい考えでこれから取り組もうというお気持ちはありますかね。
  183. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 先般、委員から御指摘をいただいて、私どもも、やはり、今後適切に応えるためには、今、かなり、統幕に集めるということであっても作業量が多くなっていますし、より正確に情報公開にお応えするためにも、やはり効率的に正確にお応えできる体制をつくる必要があると思っております。  今回は、私どもとして、例えば、行政文書の電子ファイル化をよりもっと積極的に進めていくということ、そして、管理、情報公開に関するチェック体制の強化、隊員の意識づくり、また、実際に迅速かつ確実に対応できる組織づくりというのが大変重要だと思っています。  このための施策を具体的につくっていきたいと思いますし、また、組織だけではなく、マンパワーも必要になります。この際には、当然、情報公開やあるいは文書管理の知見を有する隊員のOB、この非常勤としての活用もしながら、現場隊員が実際の自衛隊の運用に支障が来さないように、文書管理もしっかりと適切に対応できるように、そのような組織づくりをしていきたいと思っております。
  184. 下地幹郎

    ○下地委員 今、何人ぐらいでそういうことをやられていますか、参事官。
  185. 鈴木敦夫

    鈴木政府参考人 お答え申し上げます。  ただいま、統幕の参事官付、今は首席参事官付というふうに四月から改編されておりますけれども、そうした体制で、定数的には五十名弱の体制でございます。ただ、それは、もちろん、情報公開とかこうした日報の一元管理というだけではなく、当然、運用の、そうしたものの、それを主に任務にしてございますので、こうした文書管理だけを担当する者ということになってくると、専従要員としては数名程度ということになってございます。
  186. 下地幹郎

    ○下地委員 今おっしゃった、最後に申し上げた数名、大抵は運用の、訓練とかいろいろなものを、お仕事をなされるわけですけれども、この数名の運用で全ての日報を、これからまたいろいろな役割がふえて、自衛隊海外に行ったりします、いろいろな状況が出てきますけれども、それでこれからも同じ間違いが起こらないようなことは、しっかりと管理できるという自信はありますかね。
  187. 鈴木敦夫

    鈴木政府参考人 お答え申し上げます。  統幕の参事官付の体制ということで先ほど申し上げましたが、もちろん、もともと日報等を管理していた部隊等、そこにも関係してございますので、そうした中で協力しながら当然やっていくということになってございます。  先ほど大臣からお話ございましたように、今後の体制といたしましては、やはり、行政文書探索の容易化だとか迅速化を図るために、電子ファイル化の推進ですとかデータ管理基盤の整備、こうしたことによって、全体のこうした定時報告の活用だとか管理する部署の隊員に過度の負担がかからないような体制、それから、あとは、どうしてもそれでもマンパワーは必要でございますので、これも先ほど大臣からお話ございましたように、こうした行政文書の管理ですとか情報公開の知見を有する隊員OBの非常勤講師としての活用等、こうしたことによって実効性ある体制をきちっと整備していただけるということでございますので、我々としても、その体制のもとでしっかりとした業務に邁進してまいりたいというふうに考えてございます。
  188. 下地幹郎

    ○下地委員 もう一個だけお聞きしますけれども、今のあなたがやっている部署で、この日報管理はこれからもやるべきだとお思いですか。それとも、この日報管理については別の場所をつくって、部署をつくってしっかりとやることが、このような、二度と起こらないような管理のあり方になると思うのか、ちょっとお考えを聞かせてください。
  189. 高橋憲一

    高橋政府参考人 今後の防衛省全体の公文書の管理の問題でございまして、先ほどございましたように電子ファイル化を進めるとか、あるいは、より効率的な説明責任を果たすという観点で、新しい体制をつくるべきかどうかということも、先日発表しました再発防止策の五番のところの最初のところに出ておりますので、我々としては、今後、いかなる形が公文書管理として適正かということを検討を進めてまいりたい、そういうふうに考えてございます。
  190. 下地幹郎

    ○下地委員 最後に申し上げますが、この日報の問題なんかも、四万人近くがアクセスできるようなところに、掲示板に載せて、それでいろいろなアクセスができるような環境になって、それを毎日毎日かえておきながら、結局は日報は見つからなかった、こういうことがあったんですよね。そういうふうな意味においては、この日報の管理だけじゃなく、日報の分析とか、やはり海外においてどういうふうな活動をしているかという分析をやるという意味では、私はこれが重要な、これから海外において自衛隊が役割を担うということが多くなればなるほど、こういうところに力を入れていかないと本当の役割ができないんではないかなというふうに思っています。  そういう意味でも、組織のあり方、統幕というものをつくって今やっていますが、もう一回、今の報告書に書いてあるだけじゃなくて、せっかくですから、この機会を使ってもう一回自衛隊組織のあり方を考えてみるという好機にしてもらいたいなというふうに思っています。  小野寺大臣はもう二回目の大臣ですから、防衛省の中を知り尽くしていますので、もう一回、次の世代まで残るような防衛省組織の改編というか、あり方というか、それをぜひ考えていただきたいというふうなことを私の方から申し上げさせていただいて、最後に御答弁いただいて、終わります。
  191. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 先ほどの御提案、大変重要なことだと私どもも思っております。  今回のことは、私ども、大きな教訓として、このようなことがないような組織づくり、そして、部隊運用に支障を来さない中で、しかも正確に迅速に情報公開等に対応できるような組織づくり、これを目指していきたい、そのように思っております。  そして、実は、現場で活躍した隊員の生の声、これがいわゆる日報ということです。イラク日報については、後に研究本部で一定のその中の成果をまとめ、後の教訓としたということでありますが、南スーダンも、実は任務一定期間終了したということでありますので、この教訓というのも重要な資料だと思っています。今回のこの日報の件、これをしっかり私ども対応した上で、今度は、本来の役割として、この日報からどのような教訓を得られるかということ、これは防衛省、むしろ今回一番問題になった研究本部、ここでしっかり前向きな役割の仕事をしてもらう、これも大事なことだと思っております。
  192. 下地幹郎

    ○下地委員 これだけ国のために命をかけてお仕事をなされている皆さんが、こういうふうな委員会の場所で追及を受けることのないように、やはり私たち政治家がしっかりとやるべきだと思っています。  自衛隊については、みんなのサポートが必要だと思いますから、ぜひ大臣に頑張っていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  193. 寺田稔

    寺田委員長 次に、照屋寛徳君。
  194. 照屋寛徳

    ○照屋委員 陸上自衛隊イラク派遣部隊日報問題で、防衛省は去る五月二十三日、「イラク日報」に関する調査チーム報告書を公表しました。同報告書は、現場認識不足や担当者同士の意思疎通が不十分であったことが原因で、組織的隠蔽はなかったと結論づけております。小野寺防衛大臣は、報告書公表に当たり、防衛省自衛隊組織として防衛大臣指示に適切に応えられず、シビリアンコントロールにもかかわりかねない重大な問題をはらんでいたと述べております。  私は、当委員会の審議において、イラク日報問題は、自衛隊のシビリアンコントロールが機能不全に陥り、組織的隠蔽であったことは明白であると主張してまいりました。「イラク日報」に関する調査チーム報告書公表に当たっての大臣のシビリアンコントロールに対する認識は甘いのではないでしょうか。所見を伺います。
  195. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 今般の防衛省における一連の日報の発見及び公表については、昨年七月二十八日の南スーダンPKO日報問題に係る再発防止策の一環としての日報一元化の中でイラク日報が発見されたことを受け、私が、省内における日報探索作業が不十分であるとの認識のもと、本年四月七日に大臣指示を発出し、日報探索作業を徹底させた結果として可能になったと理解をしております。  この一連の日報の発見及び公表は、まさに防衛省における大臣のシビリアンコントロールの結果であるということについて、まず申し上げたいと思っております。  その上で申し上げれば、陸自研究本部において昨年三月二十七日にイラク日報が発見されていたにもかかわらず、当時の稲田防衛大臣の再探索指示情報公開請求に対して不存在回答していた件については、今回の調査結果を踏まえると、稲田防衛大臣の再探索指示を受けた統幕による再探索依頼の内容が不明確であり、防衛大臣指示への対応として適切に行ったとは言いがたく、そのため、大臣からの再探索指示である旨を陸自研究本部までしっかり行き渡らせることができなかったこと、また、ふだんから、陸自研究本部教訓課内における意思疎通が十分に図られておらず、また、文書管理者である当時の総合研究部長及び文書管理担当者である当時の教訓課長による部下の職員に対する行政文書の管理に関する指導等が十分に行われておらず、こうした状況下において、当時の教訓課職員が上司の決裁を得ることなく回答するなど、イラク日報探索に係る事務処理が不適切であったため、一部関係者により保存が確認されていたイラク日報に関する報告が上級機関や大臣に対して適時適切になされなかったことなどが明らかになりました。  これらを踏まえれば、今般の事案を通じ、防衛省自衛隊組織として大臣指示に適切に応えることができなかったことは明らかであり、シビリアンコントロールにもかかわりかねない重大な問題をはらんでいたものと認識をしております。
  196. 照屋寛徳

    ○照屋委員 私は、イラク日報隠蔽問題についての稲田元防衛大臣の責任は重大であると考えております。去る四月十日の当委員会で、私が稲田元防衛大臣からの事情聴取の有無などについてただしたところ、高橋大臣官房長は、「調査チームとして、稲田元防衛大臣に対して、確認及びヒアリングを行う予定はない」と答えております。  調査のポイントになる二〇一七年二月二十二日の稲田元防衛大臣日報探索指示に関して、稲田元大臣本人から直接事情聴取をしなかった理由はなぜか、また、稲田元大臣本人からの事情聴取なしに報告書信頼性は保たれると考えるのか、防衛省の見解を尋ねます。
  197. 小波功

    小波政府参考人 お答えいたします。  当時の統幕の総括官は、昨年二月二十二日の、当時の稲田防衛大臣の再探索指示を踏まえ、統幕参事官付の職員に対し伝達するとともに、イラク日報を再探索するように指示いたしました。  当時の統幕総括官は、稲田防衛大臣からの指示がなければこのような再探索指示を出すことは通常考えられず、直接聞き取りを行う必要はなかったものと考えております。  ただ、私どもも、その後の調査を通じまして、もしこの事実関係について疑念を生ずるようなもの、あるいは、これらの事実関係に反するようなもの、当事者の言い分等が出てきた場合は、もちろん理論的にはもう一度具体的な事実について確認をする必要が出てきた可能性はあるんですけれども、今回の調査を通じまして、私どもとしては、この事実関係について特に疑いを差し挟むようなものが出てこなかったことから、あえて、改めて稲田防衛大臣に再聴取等をする必要はなかったものと考えておりますが、それによって、今回の調査報告書の内容等について問題があるというふうには考えていないところでございます。
  198. 照屋寛徳

    ○照屋委員 「イラク日報」に関する調査チーム報告書を読むと、隊員職員の言い分をなぞった形にすぎず、多くの国民が、イラク日報防衛省ぐるみの組織的隠蔽であったとの疑念を深めております。  ある新聞報道を読むと、防衛省幹部の話として、取材対象者の話が現場のミスにとどまるとの内容で一致しており、上層部を守る口裏合わせがあったのではないかとの見方を示したようですが、防衛省の見解を尋ねます。
  199. 小波功

    小波政府参考人 お答えいたします。  今般の調査におきましては、調査項目に関する関係書類等の収集、分析、また、職員七十名からの聞き取り関係すると考えられる職員及び職員に有益な情報を提供し得ると考えられる職員約四百名へのアンケート調査、また、大野政務官チーム長でございますけれども、及びチーム員による現地調査等、さまざまな手法を用い、客観的な証拠の収集等に努めました。  かかる調査の結果、イラク日報存在を認知した者が、稲田防衛大臣の再探索指示や、情報公開請求に係る業務においてイラク日報探索を行っていたことを認識していたという事実は確認できませんでした。他方で、統幕職員が当時の稲田防衛大臣からの指示を十分に履行できなかったこと及び教訓課における事務処理が不適切であったことが、平成二十九年三月二十七日にイラク日報が発見されていたにもかかわらず稲田大臣報告が上がっていなかった理由であるとの結論に至ったところでございます。  したがいまして、御指摘のような、調査報告書の公表に当たり上層部の口裏合わせがあったという事実は、私どもとしては承知していないところでございます。  また、この報告書の内容につきましては、このたび、第三者の御意見もということで、元東京高検検事長である上田広一弁護士にも御確認をいただき、また、調査の段階でも、累次、大野チームの会合等にも御参加いただいて、客観性を確保し、結論についても御了解をいただいたというふうに承知しているところでございます。
  200. 照屋寛徳

    ○照屋委員 防衛省は、調査チーム報告書公表と同時に、河野統合幕僚長、豊田事務次官ら十七人の処分を発表しました。これらの処分に対し、防衛省組織に詳しい識者らから、幹部の処分が軽過ぎるとの批判の声が上がっております。私もそう思います。特に、事務次官に対する口頭注意や統幕長への訓戒は軽過ぎると思います。  小野寺大臣認識はいかがでしょうか。また、大臣の監督責任を問う声も多数ありますが、所見を伺います。
  201. 小野寺五典

    小野寺国務大臣 今回のイラク等の日報事案に関する関係者処分については、それぞれの調査報告書において判明した事実関係に基づき、従来の事例を踏まえて適正に行ったところであります。  このうち、指揮監督責任について申し上げれば、河野統幕長については、昨年の南スーダン日報事案でも規律違反者に対して処分が行われ、今回のイラク日報事案でも規律違反が認められたため、組織としての責任を重く捉え、訓戒処分にしたほか、事案当時は幕僚長ではなかった陸幕長についても、組織の責任を明確にするため、口頭注意処分にするなど、従来の事例を考慮し、適切な処分を行ったということであります。  今回明らかになったことを踏まえ、防衛省自衛隊として、指揮命令を履行する体制の強化や、行政文書情報公開が適切になされるための新たな取組を盛り込んだ再発防止策を公表し、今後実行してまいります。  私どもが一丸となって防衛省自衛隊信頼回復のため全力を尽くしていく、これが私の役割だと思っております。
  202. 照屋寛徳

    ○照屋委員 最後に、昨年十二月十三日、普天間第二小学校に米軍ヘリから重さ約八キロの窓枠が落下する事故が発生しました。同事故後、普天間第二小学校では校庭の使用が中止され、ことし二月十三日、校庭使用が全面再開されました。  ところが、宜野湾市教育委員会によると、校庭使用開始後、五月八日までの約三カ月間で三百六十七回、多いときには一日に二十九回も、普天間基地を離発着する軍用機が学校に近づき、児童らが校庭から避難していた実態が明らかになりました。  日米両政府は、二〇〇七年、普天間基地周辺の学校や病院上空を避ける明確な飛行ルートを設定していますが、全く守られておりません。  防衛省は、今回明らかになった普天間第二小の児童らの避難実態について、どのように受けとめ、いかなる実効性ある対策を講ずるおつもりか、明らかにしてください。
  203. 深山延暁

    ○深山政府参考人 お答え申し上げます。  普天間第二小学校におきましては、学校側やPTAの皆様からの御要望を受けまして、本年一月十一日から普天間第二小学校に監視員を配置いたしまして、米軍機が小学校の近接を飛行しそうな場合には、直ちに当該監視員が運動場や屋外にいる児童の皆さんなどに対して避難を呼びかけるようにいたしております。  このような状況の中で、今委員からも御指摘ありましたが、避難回数が多いという御指摘については、防衛省といたしましても深刻に受けとめておるところでございます。学校側や教育委員会とどのような対策が必要かについて意見交換を重ねているところでございます。  当面の対策といたしましては、学校側や教育委員会関係者と調整しつつ、避難用工作物、これを校庭の一部に設置するといったことについて検討しているところでございます。  防衛省といたしましては、引き続き、学校側や教育委員会の御意向を踏まえまして、しっかりと対応してまいりたいと考えておるところでございます。
  204. 照屋寛徳

    ○照屋委員 終わります。
  205. 寺田稔

    寺田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時九分散会