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2017-11-17 第195回国会 参議院 本会議 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十九年十一月十七日(金曜日)    午後一時三十一分開議     ━━━━━━━━━━━━━議事日程 第二号   平成二十九年十一月十七日    午後一時三十分開議  第一 国務大臣演説に関する件     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  議事日程のとおり      ─────・─────
  2. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) これより会議を開きます。  日程第一 国務大臣演説に関する件  内閣総理大臣から所信について発言を求められております。これより発言を許します。内閣総理大臣安倍晋三君。    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手
  3. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 緊迫する北朝鮮情勢、急速に進む少子高齢化。今、我が国は、まさに国難とも呼ぶべき課題に直面しています。国民信任なくして、この国難を乗り越えることはできません。  先般の総選挙の結果、衆参両院の指名を得て、引き続き内閣総理大臣の重責を担うこととなりました。  安定的な政治基盤の下で政策をひたすらに実行せよ、これが総選挙で示された国民の意思であります。  お約束した政策一つ一つ実行に移し、結果を出していく。全身全霊を傾け、国民の負託に応えていくことを、この議場にいる自由民主党及び公明党連立与党の諸君と共に、国民皆様にお誓い申し上げます。  我が国未来を切り開くことができるのは、政策です。そして、政策実行であります。  この国会において、それぞれの政策を大いに闘わせ、建設的な議論を行いながら、国民のための政策を、皆さん、共に前に進めていこうではありませんか。  今、我が国を取り巻く安全保障環境は、戦後、最も厳しいと言っても過言ではありません。国民信任を背景に、積極的な外交政策を展開してまいります。  北朝鮮による我が国を飛び越える相次ぐミサイルの発射、核実験の強行は、断じて容認できません。  先般、トランプ大統領が来日し、日米同盟の揺るぎないきずなを世界に示しました。  トランプ大統領は、拉致被害者の一人一人の写真を真剣なまなざしで見詰めながら、御家族の思いのこもった訴えに熱心に耳を傾けてくれました。御家族も御高齢となる中で、拉致被害者の方が再びふるさとの土を踏み、御家族と抱き合うその日まで、私の使命は終わりません。  北朝鮮の核、ミサイルの問題、そして拉致問題を解決する。北朝鮮にその政策を変更させなければならない。そのために、国際社会と共に、北朝鮮への圧力を一層強化してまいります。  先日のAPEC、東アジア・サミットにおいても、ロシアのプーチン大統領や中国の習近平国家主席を始め、各国首脳北朝鮮問題に対する緊密な協力を確認いたしました。  日中韓サミット早期に開催し、三か国の連携を更に深めてまいります。  北朝鮮による挑発がエスカレートする中にあって、あらゆる事態に備え、強固な日米同盟の下、具体的行動を取っていく。ミサイル防衛体制を始めとする我が国防衛力を強化し、国民の命と平和な暮らしを守るため、最善を尽くしてまいります。  この五年間、アベノミクス改革の矢を放ち続け、雇用は百八十五万人増加しました。この春、大学を卒業した皆さん就職率は過去最高です。この二年間で正規雇用は七十九万人増え、正社員の有効求人倍率は、調査開始以来、初めて一倍を超えました。  この経済成長軌道を確かなものとするために、今こそ、最大の課題である少子高齢化の克服に向けて力強く踏み出すときであります。  生産性革命人づくり革命を断行いたします。来月、新しい経済政策パッケージを策定し、速やかに実行に移します。  人工知能、ロボット、IoT。生産性を劇的に押し上げるイノベーションを実現し、世界に胎動する生産性革命を牽引していく。二〇二〇年度までの三年間を生産性革命集中投資期間と位置付け、人手不足に悩む中小・小規模事業者も含め、企業による設備や人材への投資を力強く促します。  大胆な税制、予算、規制改革。あらゆる施策を総動員することで、四年連続賃金アップの勢いを更に力強いものとし、デフレからの脱却を確実なものとしてまいります。  人生百年時代を見据えた経済社会の在り方を大胆に構想し、我が国経済社会システムの大改革に挑戦します。  幼児教育無償化を一気に進めます。二〇二〇年度までに、三歳から五歳まで、全ての子供たちの幼稚園や保育園の費用を無償化します。ゼロ歳から二歳児も、所得の低い世帯では無償化します。  待機児童解消を目指す安倍内閣の決意は揺るぎません。本年六月に策定した子育て安心プランを前倒しし、二〇二〇年度までに三十二万人分の受皿整備を進めます。  どんなに貧しい家庭に育っても、意欲さえあれば、高校、高専にも、専修学校大学にも行くことができる。そういう日本に、皆さん、していこうではありませんか。真に必要な子供たちには、高等教育無償化します。  幾つになっても、誰にでも、学び直しと新しいチャレンジの機会を確保する。そのためのリカレント教育を抜本的に拡充します。  こうしたニーズに応え、人づくり革命を牽引する拠点として、大学改革を進めてまいります。  二〇二〇年代初頭までに五十万人分の介護受皿を整備する。その大きな目標に向かって、介護人材確保への取組を強化します。他の産業との賃金格差をなくしていくため、更なる処遇改善を進めていきます。  子育て介護など現役世代が抱える大きな不安を解消し、我が国社会保障制度を、お年寄り若者も安心できる全世代型へと大きく改革してまいります。女性が輝く社会、お年寄り若者も、障害や難病のある方も、誰もが生きがいを感じられる一億総活躍社会をつくり上げます。  再来年十月に引上げが予定される消費税の使い道を見直し、子育て世代子供たちに大胆に投資していく。消費税による財源を、子育て世代への投資社会保障安定化とにバランスよく充当することで、財政健全化も確実に実現してまいります。  少子高齢化を乗り越え、我が国が力強く成長する道筋を、皆さん、共に描いていこうではありませんか。  インドの広大な大地を日本が誇る新幹線が駆け抜ける。この九月、高速鉄道の建設がスタートしました。  二百回を超えるトップセールスが実を結び、インフラ輸出額は五年間で十兆円増加しました。我が国の高い技術やノウハウを世界に展開することで、少子高齢化の中でも大きく成長できるチャンスが広がります。  自由で公正なルールに基づく経済圏世界に拡大していく。十一か国によるTPP協定早期発効を目指します。あわせて、RCEPが野心的な協定となるよう、交渉をリードしてまいります。  EUとの経済連携協定が、四年以上に及ぶ粘り強い交渉の末、大枠合意に達しました。人口六億人、世界のGDPの三割を占める巨大な経済圏アベノミクスの新しいエンジンです。  農家の皆さんの不安や懸念にもしっかり向き合い、安心して再生産できるよう、十分な対策を講じてまいります。水田のフル活用を図り、我が国の豊かな中山間地域、美しいふるさとを守り抜いてまいります。  世界への挑戦は、手間暇掛けてこしらえた質の高い日本農林水産物にとって大きなチャンスです。農林水産物輸出は、本年も、五年連続で過去最高を更新するペースで伸びています。四十代以下の新規若手就農者は、調査開始以来、初めて三年連続で二万人を超えました。  農政改革地方創生の大きな切り札です。年内に、生産性向上に向けた、抜本的な林業改革水産業改革プランを取りまとめます。  農林水産業全体にわたって改革を展開し、若者が将来に夢や希望を持てる農林水産時代を切り開いてまいります。  東北の被災地では、農地の八割以上が作付け可能となり、全ての漁港が復旧しました。原発事故で大きな被害を受けた福島では、帰還困難区域を除き、ほぼ全ての避難指示が解除されたことに続き、先月から中間貯蔵施設が稼働しました。除染土壌の搬入を進め、二〇二〇年には身近な場所から仮置場をなくします。  被災地復興を一層加速するため、今後とも、なりわいの復興、心の復興を力強く支援してまいります。  本年も、全国各地自然災害が相次ぎました。激甚災害の速やかな指定が可能となるよう、その運用を見直します。事前防災減災対策に徹底して取り組み、国土強靱化を進めてまいります。  自由民主党公明党が野党として過ごした、あの三年三か月。私たちは、なぜ政権を失ったのか、痛切に反省し、国民皆様の声に耳を傾けるところからスタートしました。全国各地ミニ集会を行い、国民皆様からの厳しい声を糧に、政策を鍛え上げました。  そして、その政策実行に、この五年間、私たちは全力を尽くしてまいりました。  日本未来をしっかりと見据えながら、今、何をなすべきか。与野党の枠を超えて建設的な政策論議を行い、共に前に進んでいこうではありませんか。  互いに知恵を出し合いながら、共に困難な課題に答えを出していく。そうした努力の中で、憲法改正議論も前に進むことができる。そう確信しています。  政策実行実行、そして実行あるのみであります。我が国が直面する困難な課題に真正面から立ち向かい、共に日本未来を切り開いていこうではありませんか。  御清聴ありがとうございました。(拍手
  4. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) ただいまの演説に対する質疑は次会に譲りたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 伊達忠一

    議長伊達忠一君) 御異議ないと認めます。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時四十五分散会